JP4375495B2 - ダイヤモンド単結晶基板およびダイヤモンド単結晶の製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド単結晶基板およびダイヤモンド単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、ダイヤモンド単結晶の製造方法ならびにダイヤモンド単結晶基板およびその製造方法に関し、特に、半導体材料、電子部品、光学部品などに用いられる、大面積で高品質なダイヤモンド単結晶体およびその製造方法に関するものである。
ダイヤモンドは、高熱伝導率、高い電子・正孔移動度、高い絶縁破壊耐圧、低誘電損失そして広いバンドギャップといった、半導体材料として他に類を見ない優れた特性を多く備えている。特に、近年では、広いバンドギャップを活かした紫外発光素子や、優れた高周波特性を持つ電界効果トランジスタなどが開発されつつある。ダイヤモンドを半導体として応用するためには、基本的にダイヤモンド単結晶基板が必要となる。この半導体研究用ダイヤモンド単結晶は、現在までは、ほぼすべてが高温高圧合成法で製造されてきた。高温高圧法で得られるダイヤモンド単結晶は、天然産の単結晶と比較しても結晶性のよい単結晶が得られる特徴がある。しかし、高温高圧法で使用される超高圧合成装置は、装置サイズが大きく高価であるため、ダイヤモンド単結晶の製造コストの低減には限界がある。また、得られる単結晶サイズは装置サイズに比例するため、実質上は、1cm級のサイズが限界である。
上述の単結晶サイズおよび製造コストの問題を根本的に解決するために、化学気相成長(CVD)法によるエピタキシャル成長を利用した、単結晶製造法が開発されつつある。一般にエピタキシャル成長は、成長する物質と同種の単結晶基板上に単結晶を成長させるホモエピタキシャル成長と、異なる種類の単結晶基板上に単結晶を成長させるヘテロエピタキシャル成長とに分けられる。
ホモエピタキシャル成長では、高温高圧法で得られたIb型と呼ばれる、窒素を不純物として含む板状ダイヤモンド単結晶に対して気相からエピタキシャル成長を行なうことが多い。この方法により高温高圧法で得られる窒素不純物を含まないIIa型単結晶よりも大きいサイズで、かつ膜中に窒素を含まない高純度の単結晶が得られる。
一方、ヘテロエピタキシャル成長では、Si、SiCをはじめPt、Niなどの単結晶上にエピタキシャル成長を行なった例が、たとえば特開昭63−224225号公報、特開平2−233591号公報および特開平4−132687号公報に報告されている。ダイヤモンドと比較して大面積の単結晶基板を得やすい上述の材料を基板として用いることで、ダイヤモンド単結晶の大面積化が期待できる。
特開昭63−224225号公報 特開平2−233591号公報 特開平4−132687号公報
上述のエピタキシャル成長により、大面積で高品質のダイヤモンド単結晶を得る上で問題となる点がある。エピタキシャル膜の膜厚が厚くなるにつれて、基板との熱膨張係数の差または格子の不整合に起因する残留応力が蓄積され、膜の変形または剥離、さらには膜と基板が割れるといった現象がある。これらは、ヘテロエピタキシャル成長ではエピタキシャル膜と単結晶基板の基礎物性の差から、本質的な解決は困難である。また、基板が大面積になればその変形量は面積に比例して大きくなり、かつ割れる確率も高まる。
一方、最近ではホモエピタキシャル成長においても、エピタキシャル膜中に残留応力が蓄積される現象が、たとえばニューダイヤモンドフォーラム主催第12回ダイヤモンドシンポジウム講演要旨集p74講演番号P17で報告されている。この現象は、Ib型ダイヤモンド基板上にホモエピタキシャル成長を行なっても、実際にはヘテロエピタキシャル的な成長となっていることを示唆している。現状では、数mm平方の成膜面積であるが、将来、より大きな面積のホモエピタキシャル成長が実現されたとき、既に述べたようなヘテロエピタキシャル成長と同様の問題が生じることが予想される。
そこで、本発明は半導体に代表される電子材料等に気相合成ダイヤモンドを適用するためになされたものである。この発明の目的は、上述の問題を解決し、面積が大きくかつ高品質なダイヤモンド単結晶の製造方法ならびにダイヤモンド単結晶基板およびその製造方法を提供することである。
本発明者は、厚みが100μm以下の板状種結晶を用いれば、ダイヤモンドの単結晶の成長後も、基板の影響が相対的に少なく、ダイヤモンド単結晶の変形、剥離または割れなどの現象を最低限に抑制できることを見出した。この板状単結晶は、ダイヤモンドをはじめとする各種単結晶材料であってもよい。また、任意材料の単結晶または多結晶上に、ダイヤモンドのヘテロエピタキシャル成長が可能な単結晶を成膜したものであってもよい。たとえば、Si多結晶上にPt単結晶を成膜したものでもよい。または、任意材料の多結晶上に直接ダイヤモンド単結晶を成長させてもよい。種結晶の厚みは100μm以下であれば薄いほど望ましいが、薄くなるほど機械的強度が弱まり、ハンドリング時に変形または損傷するおそれがある。すなわち、種結晶の材質により適切な厚さは100μm以下の範囲で異なる。上述の方法によりダイヤモンド単結晶を成長させれば、エピタキシャル膜の面積が大きくかつ厚くなっても割れや変形が生じず、高品質にエピタキシャル膜を成長させることができる。
また、板状種結晶はダイヤモンド単結晶基板、望ましくは気相合成法で製造されたダイヤモンド単結晶基板を用いることがよい。ダイヤモンド単結晶を単結晶成長のための基板に用いれば、ホモエピタキシャル成長となり基板と膜の物理的性質の差に起因する変形や損傷を抑制できる。このダイヤモンド単結晶基板は天然産の単結晶であっても、高温高圧合成によるI型、II型単結晶であってもよいが、特に気相合成法で製造されたダイヤモンド単結晶基板であれば「完全に」ホモエピタキシャル成長となり、基板と膜の物性の差はごく小さくなるので好ましい。適用する気相合成法としては、熱フィラメントCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、直流プラズマCVD法あるいは燃焼炎法などの中の1つまたはそれらの組合せであってもよい。これ以外の気相合成法も実現可能である。
基板の厚さは100μm以下であればよいが、ダイヤモンドは機械的強度が強いので、50μm以下でも、自立した基板として維持できる。厚みが10μm以上50μm以下のダイヤモンド単結晶基板からダイヤモンド単結晶を成長させれば、エピタキシャル膜は基板の影響を受けることを最小限に抑えることができ、膜厚を増加した場合も基板と膜の変形がほとんど無視できる程度に小さくなる。
また、ダイヤモンド単結晶基板には水素原子が炭素原子に対して原子数比で10ppm以上500ppm以下含まれていることが好ましい。水素雰囲気中で気相合成法によりダイヤモンドを成長させると、通常は、結晶中に水素が取込まれることになる。本発明者はエピタキシャル成長時に結晶に取込まれる水素の量の定量を行ない、その値が炭素原子に対して原子数比で10ppm(parts per million)以上500ppm以下の範囲に収まることを見出した。すなわち、この不純物濃度のダイヤモンド単結晶基板を用意すれば、ここから成長するエピタキシャル膜とダイヤモンド単結晶基板とは、格子定数をはじめとする物性値が一致し、基板と膜の変形を抑制することができる。
さらに、ダイヤモンド単結晶基板の成長面の面方位が{100}面に対して成長を行なうことが好ましい。{100}面は、他の面と比較して成長速度が速い条件でも結晶性を維持したまま単結晶成長が可能で、かつ相対的に軟質の面であることから、研磨などによって良質の表面の単結晶基板が得られやすい。また、気相中から窒素をはじめとする不純物元素を取込みにくい面であることから、単結晶の成長後の変形を抑制することも期待できる。
また、本発明のダイヤモンド単結晶の製造方法では、エピタキシャル成長に用いるダイヤモンド単結晶基板の、X線回折法によるダイヤモンドピークの半値幅が、5秒以上400秒以下であることが好ましい。エピタキシャル成長に用いるダイヤモンド単結晶基板の結晶性はより良質なほど、良質なエピタキシャル成長に好ましい。
本発明者は、結晶性を定量的に評価する方法の1つであるX線回折法によってダイヤモンド単結晶基板の結晶性とその上に成長したエピタキシャル膜の結晶性の相関を調査した結果、結晶のダイヤモンド固有ピーク(いわゆるロッキングカーブ)の半値幅が上記範囲内であれば、良質なエピタキシャル成長が可能であることを明らかにした。本発明のダイヤモンド単結晶基板は、水素原子と炭素原子を含み、水素原子が炭素原子に対して原子数比で10ppm以上500ppm以下含まれ、厚みが100μm以下であることが好ましい。既に述べたように、水素原子が一定量不純物として含まれたダイヤモンド単結晶は、気相合成法によるホモエピタキシャル成長の基板として有用である。その厚みは100μm以下であれば、この基板を用いてエピタキシャル成長してもダイヤモンド単結晶が変形せず、割れることもない。また、この範囲内の水素量であれば、このまま各種ダイヤモンド半導体へ応用が可能である。ダイヤモンド単結晶基板のサイズは、少なくとも1辺の長さが10mm以上で、基板を構成する面の中で最も広い面である主表面の面方位が{100}であることが好ましい。大面積の単結晶基板があれば、ホモエピタキシャル成長によってより大型化を目指すことができる。さらに、半導体向けの微細加工プロセスなどを行ないやすくなる。基板の主表面の面方位が{100}であれば、この後のエピタキシャル成長や、表面の機械的な加工が容易となる。
また、本発明のダイヤモンド単結晶基板は、X線回折法によるダイヤモンドピークの半値幅が5秒以上400秒以下であることが好ましい。既に述べたように、結晶性の指標であるX線回折のダイヤモンドピークが上記の範囲内にあれば、その後に高品質なエピタキシャル成長が可能となり、また、この基板を単結晶に応用する場合でも、結晶性に起因する不具合が少ない。
この発明のダイヤモンド単結晶基板の製造方法では、好ましくは厚みが100μm以上のダイヤモンド単結晶基板を、反応性イオンエッチングによりエッチング除去して、厚みを100μm以下とする。
前述のダイヤモンド単結晶基板を得る上で問題となるのは、面積の大きいダイヤモンド単結晶基板を厚み100μm以下まで薄くする工程である。すなわち、機械的な研磨では、研磨荷重による割れなどのため、厚みを100μm以下とすることは困難で、単結晶の面積が大きくなればより難しくなる。高出力レーザによる切断でも、この板厚では基板の損傷を伴う可能性が高いし、そもそも1cm2以上の面積の切断は極めて困難である。
本発明者は、非機械的な加工プロセスである反応性イオンエッチング(RIE)を用いて、大面積のダイヤモンド単結晶基板でも、その厚みを100μm以下まで薄くできることを明らかにした。RIEプロセスはマスクを使用することで局所的な加工が可能であり、基板が非平行な結晶である場合には、加工後には平行な薄膜の基板とすることができる。なお、RIE以外であってもレーザアブレーションやイオンビームエッチング等を用いることにより、ダイヤモンド単結晶基板をエッチングすることができる。
また、本発明のダイヤモンド単結晶基板の製造方法は、ダイヤモンド単結晶体に、厚みが100μm以下のダイヤモンド単結晶を気相成長させ、その後、ダイヤモンド単結晶体を反応性イオンエッチングによりエッチング除去する。高温高圧法で製造されたダイヤモンド単結晶体をはじめ、天然産の単結晶など、気相合成法以外で製造されたダイヤモンド単結晶体上にダイヤモンド単結晶をエピタキシャル成長させた場合であっても、既に述べたように、エピタキシャル膜が厚くなるにつれて残留応力が蓄積され、基板または膜の変形および損傷を伴う場合がある。特に、面積が1cm2級の大面積単結晶基板からダイヤモンド単結晶を成長させると、変形や損傷の可能性は高まる。本発明者は、研究の結果、単結晶基板上に気相成長させるエピタキシャル膜の厚みが100μm以下であれば、大面積単結晶であっても蓄積される残留応力は小さく、変形や損傷を伴わないことを明らかにした。さらに、現在までの技術では、通常の機械的な研磨加工を用いる限りの残留応力のある単結晶基板を研磨して、エピタキシャル膜だけからなる自立膜を得ることは極めて困難であった。
本発明者は、このエピタキシャル膜を自立基板とするために、上記の方法で単結晶基板を除去すれば、厚みが100μm以下の気相合成ダイヤモンド単結晶基板が得られることを発見した。この単結晶基板は、既に述べた、ダイヤモンド単結晶の製造方法に用いることができる。そのままダイヤモンド半導体用の基板としても適用できる。なお、RIE以外であってもレーザアブレーションやイオンビームエッチング等を用いることにより、ダイヤモンド単結晶基板をエッチングすることができる。
また、ダイヤモンド単結晶体上に成長させたダイヤモンド単結晶は水素原子と炭素原子を含み、水素原子の割合が炭素原子に対して原子数比で10ppm以上500ppm以下であることが好ましい。水素不純物量を上記範囲に収めることで、比較的結晶性のよい単結晶基板を得ることができる。この基板をエピタキシャル厚膜成長や半導体応用に用いることができる。
また、本発明のダイヤモンド単結晶基板の製造方法では、好ましくは、ダイヤモンド単結晶基板のエッチング面の面方位が{100}面である。エッチング面の面方位が{100}面であれば、エッチング前にダイヤモンド単結晶体を、予め予備的に機械的に加工することができ、工程全体で見た加工面の精度を向上させることができる。また、エッチング後は、この基板を良質なエピタキシャル成長にそのまま提供することができる。
本発明のダイヤモンド単結晶基板の製造方法では、好ましくは、反応性イオンエッチングに用いるエッチングガスが、酸素とフッ化炭素またはアルゴンとの混合ガスからなる。酸素の混合比は全体の50体積%以下である。また、その混合ガスの圧力は6.7Pa以下であることが好ましい。
真空容器中に配置された電極間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させ、生じたイオンでダイヤモンド基板をエッチングする、一般的な反応性イオンエッチングプロセスにおいては、エッチング後の基板表面の荒れが問題となる。エッチング表面の荒れが、エッチングガス種や、構成比率さらには圧力に依存することはこれまで明らかになっている。本発明者は詳細に研究を進めた結果、エッチング後にエピタキシャル成長を行なう場合には問題とならない表面粗さに収まるエッチング条件を確定した。上述の構成ガスおよび圧力でエッチングしたダイヤモンド単結晶基板は、その後、そのままエッチング面にホモエピタキシャル成長が可能である。
上述のような知見によってなされた、この発明の1つの局面に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法は、厚みが100μm以下の板状種結晶を準備する工程と、板状種結晶上にダイヤモンド単結晶を気相合成法により形成する工程とを備え、板状種結晶を準備する工程は、ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程を含み、ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程は、炭素原子と、炭素原子に対する割合が原子数比で10ppm以上500ppm以下である水素原子とを含むダイヤモンド単結晶基板を準備する工程を含む。
この発明の別の局面に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法は、厚みが100μm以下の板状種結晶を準備する工程と、板状種結晶上にダイヤモンド単結晶を気相合成法により形成する工程とを備え、板状種結晶を準備する工程は、ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程を含み、ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程は、炭素原子と、炭素原子に対する割合が原子数比で10ppm以上500ppm以下である水素原子とを含み、厚みが100μmを超えるダイヤモンド単結晶基板を準備する工程と、レーザアブレーションおよびイオンビームエッチングのいずれかの方法によりダイヤモンド単結晶基板の一部分を除去して厚みを100μm以下にする工程とを含む。
この発明のさらに別の局面に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法は、厚みが100μm以下の板状種結晶を準備する工程と、板状種結晶上にダイヤモンド単結晶を気相合成法により形成する工程とを備え、板状種結晶を準備する工程は、ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程を含み、ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程は、炭素原子と、炭素原子に対する割合が原子数比で10ppm以上500ppm以下である水素原子とを含む、厚みが100μmを超えるダイヤモンド単結晶基板を準備する工程と、反応性イオンエッチングによりダイヤモンド単結晶基板の一部分を除去して厚みを100μm以下にする工程とを含み、反応性イオンエッチングに用いるガス中の酸素の割合が体積比で50体積%以下である、ダイヤモンド単結晶の製造方法。
好ましくは、ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程は、厚みが100μmを超えるダイヤモンド単結晶基板を準備する工程と、反応性イオンエッチング、レーザアブレーションおよびイオンビームエッチングのいずれかの方法によりダイヤモンド単結晶基板の一部分を除去して厚みを100μm以下にする工程とを備える。
好ましくは、ダイヤモンド単結晶基板の一部分を除去する工程は、反応性イオンエッチングによりダイヤモンド単結晶基板の一部分を除去する工程を含み、反応性イオンエッチングに用いるガス中の酸素の割合が体積比で50体積%以下である。
好ましくは、ダイヤモンド単結晶基板の主表面は、{100}面であり、その主表面上にダイヤモンド単結晶が形成される。
好ましくは、ダイヤモンド単結晶基板の、X線回折法によるダイヤモンドピークの半値幅は、5秒以上400秒以下である。
この発明に従ったダイヤモンド単結晶基板は、厚みが100μmを超えるダイヤモンド単結晶基板を準備する工程と、ダイヤモンド単結晶基板の一部分を除去して厚みを100μm以下にする工程とを備え、ダイヤモンド単結晶基板の一部分を除去する工程は、反応性イオンエッチングにより単結晶基板の一部分を除去する工程を含み、反応性イオンエッチングに用いるガスはフッ化炭素またはアルゴンの少なくとも一方と、酸素とを含む混合ガスであり、混合ガス中の酸素の割合は体積比で50%以下であり、反応性イオンエッチングは、内圧が6.7Pa以下の容器内で行なわれる、ダイヤモンド単結晶の製造方法で製造されるダイヤモンド単結晶基板であって、炭素原子と、炭素原子に対する割合が原子
数比で10ppm以上500ppm以下である水素原子とを含み、厚みが100μm以下であり、少なくとも1つの辺の長さが10mm以上である。
好ましくは、最大の面積を有する主表面は、{100}面である。
好ましくは、ダイヤモンド単結晶基板の、X線回折法によるダイヤモンドピークの半値幅は、5秒以上400秒以下である。
以上説明したように、本発明に関するダイヤモンド単結晶の製造方法およびダイヤモンド単結晶基板を用いれば、結晶成長中に割れや変形などが生じずに、面積が大きく高品質なダイヤモンド単結晶を製造できる。
この発明の実施の形態1に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法の第1工程を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法の第2工程を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法の第3工程を示す断面図である。 この発明の実施の形態2に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法の第1工程を示す断面図である。 この発明の実施の形態2に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法の第2工程を示す断面図である。 実施例1で使用した反応性イオンエッチング装置の模式図である。 実施例3で使用したマイクロ波プラズマCVD装置の模式図である。 厚みが100μmのエピタキシャル自立膜の赤外透過特性を示すグラフである。 図8中のIXで囲んだ部分を拡大して示すグラフである。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1〜図3は、この発明の実施の形態1に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法を説明するための断面図である。図1を参照して、まず、ダイヤモンド単結晶基板101を準備する。ダイヤモンド単結晶基板101は、炭素原子と、炭素原子に対する割合が原子数比で10ppm以上500ppm以下である水素原子とを含む。ダイヤモンド単結晶基板101の少なくとも1つの辺の長さが10mm以上である。最大の面積を有する主表面101fは{100}面である。ダイヤモンド単結晶基板101の、X線回折法によるダイヤモンドピークの半値幅は5秒以上400秒以下である。ダイヤモンド単結晶基板101の厚みT1は100μmを超える。
図2を参照して、ダイヤモンド単結晶基板101の一部分を除去する。つまり、主表面101fをエッチングする。これにより、ダイヤモンド単結晶基板101の厚みT2を100μm以下とする。なお、エッチング方法としてはさまざまなエッチングが考えられるが、特に好ましくは、反応性イオンエッチングによりダイヤモンド単結晶基板101の主表面101fがエッチングされる。反応性イオンエッチングされる主表面101fは、{100}面である。反応性イオンエッチングに用いるガスは、フッ化炭素またはアルゴンの少なくとも一方と、酸素とを含むこと混合ガスであり、混合ガス中の酸素の割合は体積比で50%以下であることが好ましい。また、この反応性イオンエッチングは、内圧が6.7Pa以下の容器内で行なわれることが好ましい。
図3を参照して、ダイヤモンド単結晶基板101の主表面101f上に気相合成法によりダイヤモンド単結晶102を形成する。
このように構成された、この発明の実施の形態1に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法では、厚みT2が100μm以下のダイヤモンド単結晶基板101の主表面101f上にダイヤモンド単結晶102を製造するため、ダイヤモンド単結晶102に変形や割れが生じなくなる。そのため、面積が大きくなったとしても、高品質なダイヤモンド単結晶を提供することができる。
(実施の形態2)
図4および図5は、この発明の実施の形態2に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法を説明するための断面図である。図4を参照して、まず、ダイヤモンド単結晶体111を準備する。このダイヤモンド単結晶体111上に、厚みT2が100μm以下のダイヤモンド単結晶基板101を気相合成法により形成する。
図5を参照して、ダイヤモンド単結晶体111を除去する。この除去の方法としては、さまざまなエッチングが考えられるが、特に好ましくは反応性イオンエッチングによりダイヤモンド単結晶体111が除去される。反応性イオンエッチングに用いるガスは、フッ化炭素またはアルゴンの少なくとも一方と、酸素とを含む混合ガスであり、混合ガス中の酸素の割合は体積比で50%以下である。この反応性イオンエッチングは、好ましくは、内圧が6.7Pa以下の容器内で行なわれる。また、ダイヤモンド単結晶基板101は、炭素原子と、炭素原子に対する割合が原子数比で10ppm以上500ppm以下である水素原子とを含み、厚みが100μm以下である。ダイヤモンド単結晶基板101の主表面101fは{100}面である。ダイヤモンド単結晶基板101の少なくとも1つの辺の長さが10mm以上である。ダイヤモンド単結晶基板101の、X線回折法によるダイヤモンドピークの半値幅は5秒以上400秒以下である。
その後、このダイヤモンド単結晶基板101上に、図3で示すようなダイヤモンド単結晶102を成長させる。
このような工程を備えた、この発明の実施の形態2に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法では、実施の形態1に従ったダイヤモンド単結晶の製造方法と同様の効果がある。
(実施例1)
本実施例では、高温高圧合成ダイヤモンド単結晶基板から、厚みが100μmのダイヤモンド単結晶基板を製造する工程について説明する。まず、基板として、厚みが500μm、厚みと直交する方向の2辺の長さがともに11mmである、直方体形状の高温高圧合成Ib型ダイヤモンド単結晶基板(サンプル1)を用意した。面方位は、6面とも{100}である。その表面は機械的研磨がなされてあり、表面の面粗さRmaxは0.1μm以下であった。図6は、実施例1で用いた反応性イオンエッチング装置の模式図である。図6を参照して、反応性イオンエッチング装置1は、容器としての真空チャンバ10と、真空チャンバ10に電力を供給する高周波電源11と、高周波電源11に接続されて、真空チャンバ10内で互いに向かい合うように配置された電極12と、真空チャンバ10内に原料ガスを供給するためのガス供給管14と、真空チャンバ10からガスを排出するガス排気管15と、ガス排気管15に接続されて真空チャンバ10内の圧力をコントロールする圧力コントロールバルブ16とを備える。
図6で示す反応性イオンエッチング装置1は高周波電極間放電型の装置である。圧力コントロールバルブ16により、導入ガスの流量に関係なく、チャンバ内の圧力を制御できる。電極12上にサンプル1のダイヤモンド単結晶基板101を載置する。この反応性イオンエッチング装置1を用いて、ガス供給管14から、O2ガスとCF4ガスを導入することにより、ダイヤモンド単結晶基板101の反応性イオンエッチングを行なった。エッチング条件は以下の条件1に示すとおりである。
(条件1)
高周波周波数:13.56MHz
高周波電力:300W
真空チャンバ内圧力:3.3Pa
2ガス流量:10sccm(standard cubic centimeter per minutes)
CF4ガス流量:30sccm
上述の条件で100時間エッチングしたところ、高周波放電17が発生し、ダイヤモンド単結晶基板101の厚みは100μmとなった。エッチング面の表面粗さRmaxは、0.2μmであった。
さらに、このエッチング後のサンプル1の基板を同条件で追加エッチングすることにより、厚みが10μmの薄板のダイヤモンド単結晶基板を形成することができた。この薄板のダイヤモンド単結晶基板はピンセット等でハンドリングが可能である。さらに、エッチング面に対して、マイクロ波プラズマCVD法によりホモエピタキシャル成長を行なった結果、厚みが100μmまで異常成長なくエピタキシャル成長させることができた。
ここで、比較例として、サンプル1と材質および寸法などが全く同じサンプル2を用意した。機械的な研磨によりこのサンプル2の厚みを薄くした。400時間の研磨後、厚みは100μmとなったが、研磨時の荷重のため加工後のサンプル2は割れて分解した。
以上より、比較的大面積のダイヤモンド単結晶基板をエッチングプロセスで加工することによって、厚みが100μm以下の薄膜単結晶基板を作製できることが示された。
(実施例2)
本実施例では、実施例1におけるエッチング条件を変更した例を説明する。本実施例内の共通エッチング条件は、高周波周波数が13.56MHz、高周波電力が300Wで使用したダイヤモンド単結晶基板は、すべて高圧合成ダイヤモンド単結晶基板であるサンプル1と同様のものである。複数のサンプルについて、エッチャントの組成比をさまざまに変更し、エッチング時間を調整することで、厚みが100μmになるまでエッチングした。エッチング条件と、エッチング後の表面の粗さ、およびエッチング後にエッチング面に対してマイクロ波プラズマCVD法で厚みが100μmのエピタキシャル成長を行なった結果を表1に示す。なお、表1には、標準的な結果として、実施例1の結果(サンプル1の結果)を付加する。
Figure 0004375495
表1中のサンプル1および3から5では、エッチング条件でのCF4の流量が異なる。O2に対するCF4の比率が高まれば、エッチング後の表面が平坦になることが示されている。O2ガスの混合比が体積比で50%以下のサンプル1および3であれば、エッチング後にエッチング面に対してエピタキシャル成長が可能である。O2ガス比率が体積比で50%を超えると、エッチング面が荒れるため、この面にはエピタキシャル成長が困難となる。この傾向はCF4の代わりにArを添加した場合のサンプル6および7でも同等である。特に、O2のみでエッチングした場合、エッチング面に針状の突起が形成されるため、その後のエピタキシャル成長は不可能となる。
サンプル1と、サンプル8から10の結果を比較すれば、圧力がエッチングにどのように影響するかがわかる。すなわち、チャンバ内圧力が高いほどエッチング後の表面が荒れ、特に6.7Paより高くなれば、その後のエピタキシャル成長が難しくなることがわかった。圧力を1.3Paまで下げれば、エッチング前とほぼ同等の面粗さをエッチング後も維持できる。しかしながら、エッチング速度は相当量低下する。しかし、この場合でも、機械的な研磨加工よりは高速である。
(実施例3)
本実施例では、ダイヤモンド単結晶体に厚みが100μm以下のダイヤモンド単結晶基板としてのエピタキシャル膜を成長させ、ダイヤモンド単結晶体をエッチング除去するプロセスと、このプロセスで得られたダイヤモンド単結晶基板の特性評価について説明する。
まず、実施例1で使用したサンプル1と同様のダイヤモンド単結晶基板を用意した。このダイヤモンド単結晶基板は、高温高圧合成で製造されたもので、それぞれの面は{100}面であった。寸法は、縦×横×厚みが11mm×11mm×0.5mmであった。
図7は、実施例3で使用したマイクロ波プラズマCVD装置の模式図である。図7を参照して、マイクロ波プラズマ装置2は、真空チャンバ20と、真空チャンバ20にマイクロ波を供給するためのマイクロ波電源21と、マイクロ波電源21と真空チャンバ20とを接続する導波管22と、導波管22から真空チャンバ20内へマイクロ波を導入するためのマイクロ波導入窓23と、基板を支持するための基板支持台25と、真空チャンバ20内に原料ガスを供給するガス供給管27と、真空チャンバ20からガスを排出するガス排出管28と、真空チャンバ20内の圧力を測定する圧力計29とを有する。
基板支持台25上にダイヤモンド単結晶体111を載置し、ガス供給管27からH2ガスとCH4ガスを供給し、図7で示すマイクロ波プラズマCVD装置により、ダイヤモンドのエピタキシャル成長を行なった。成長条件は、以下の条件2で示すとおりである。
(条件2)
マイクロ波周波数:2.45GHz
マイクロ波電源:5kW
チャンバ内圧力:1.33×104Pa
2ガス流量:100sccm
CH4ガス流量:5sccm
上記の成長条件で20時間成長させたところ、マイクロ波プラズマ24が発生して、ダイヤモンド単結晶基板を構成するエピタキシャル膜の厚みは100μmとなった。この時点で成長面には異常成長がなく、全面エピタキシャル成長が行なわれた。
比較例2として、ダイヤモンド単結晶体および成長条件は同じで、成長時間を22時間としたところ、エピタキシャル膜の膜厚が110μmの時点でダイヤモンド単結晶体とエピタキシャル膜が割れて分解した。このように、膜厚が100μm以下であれば、高圧合成単結晶体上にダイヤモンドのエピタキシャル成長が可能である。
この厚みが100μmのダイヤモンド単結晶基板について、高圧合成単結晶部分(ダイヤモンド単結晶体)を実施例1でサンプル1に適用した反応性イオンエッチングと同様の方法でエッチング除去した。その結果、厚みが100μmでエピタキシャル成長により形成されたダイヤモンド単結晶基板が得られた。
比較例3として、エッチング除去の代わりに機械的な研磨加工を行なってダイヤモンド単結晶体を除去したサンプルを得た。このサンプルでは、エピタキシャル膜の部分の厚みが100μm以下になると、エピタキシャル基板として一体性を維持できずに研磨中に分解した。
以上より、比較的面積の大きいダイヤモンド単結晶体に形成したエピタキシャル膜でも、エッチングプロセスで加工することによってエピタキシャル膜のみのダイヤモンド単結晶基板を作製することが示された。
上述の方法で得られた、エピタキシャル成長したダイヤモンド単結晶基板について、赤外透過分光により赤外光領域の吸収率を求めた。その結果を図8に示す。
現在までに、ダイヤモンド中の炭素原子と結晶中に取込まれた水素原子との結合により、赤外領域に固有の吸収が現れ、その吸収係数から結晶中の水素原子量を定量する方法が、たとえばJ.K.Gray,SPIE(Vol.1759 Diamond Optics V, (1992) P.203)で明らかにされている。この方法により、エピタキシャル膜中の水素量を定量した結果、水素原子は炭素原子に対して100ppm含まれていることが確認された。また、2結晶X線回折法によるダイヤモンドの(400)面の回折ピーク(いわゆるロッキングカーブ)の半値幅は30秒であることを確認した。
なお、図9は、図8中のIXで囲んだ部分を拡大して示すグラフである。図9中のCH2結合による吸収30が現れていることが明らかである。
さらに、CH4のガス流量と成長時間をさまざまなに変更させて形成したエピタキシャル膜の水素濃度、ロッキングカーブの半値幅および成長面の状態を測定した。なお、その他の成長条件は成長条件2と同様であり、エピタキシャル膜厚はすべて100μmとした。その結果を表2に示す。
Figure 0004375495
表2に示したように、良質なエピタキシャル自立膜の水素濃度は30ppm以上200ppm以下の範囲に収まり、X線ロッキングカーブの半値幅は30秒以上300秒以下であった。特に、結晶成長状態が優れたエピタキシャル自立膜(結晶成長面の欄において「◎」が付いた膜)は、波長225nmの紫外領域まで透明であり、光学用途にも応用できる特性であった。
(実施例4)
本実施例では、厚みが100μmの板状種結晶からダイヤモンド単結晶を気相合成させた例について説明する。
サンプル16として、直径が3インチ(7.62cm)、厚みが100μmの板状種結晶としてのシリコン単結晶基板を用意した。基板の面方位は{100}面である。サンプル16に対して、まず基板バイアスを印加できる熱フィラメントCVD法により配向核生成を行なった。その結果、ダイヤモンド膜厚が10μmで、ダイヤモンド面方位が{100}に揃った高配向ヘテロエピタキシャル基板を得た。次に、実施例3で使用したマイクロ波プラズマCVD装置(図7参照)を用いて、ヘテロエピタキシャル成長を継続した。成長条件は上述の(条件2)と同様である。成長時間を18時間とすることで、ダイヤモンド膜厚は100μmとなった。配向膜は融合して一体のエピタキシャル膜となった。その後、フッ硝酸に含浸してシリコン基板を除去したところ、エピタキシャル成長した、ダイヤモンド自立膜が得られた。
比較例4として、厚みが150μmでそれ以外はサンプル16と同様であるシリコン単結晶ウェハから上記プロセスと同様のダイヤモンドへテロエピタキシャル成長を行なった。その結果、ダイヤモンド膜厚が100μmを超えた時点でダイヤモンド膜はシリコン基板とともに分解した。以上より、厚みが100μm以下の板状種結晶からダイヤモンド単結晶を気相成長させるプロセスが有効であることが示された。
(実施例5)
本実施例では、厚みが100μm以下のダイヤモンド単結晶基板からダイヤモンド単結晶を気相成長させた例について説明する。
気相成長に用いたダイヤモンド単結晶基板は、サンプル17およびサンプル18の2つである。サンプル17は、実施例1で作製した、厚みが10μmで、直交する2辺の長さが11mmで、主表面の面方位が{100}の高温高圧合成ダイヤモンド単結晶基板である。サンプル18は、実施例3で作製した厚みが100μm、2辺の長さが11mm、主表面の面方位が{100}のエピタキシャルダイヤモンド単結晶基板である。サンプル17および18のX線ロッキングカーブの半値幅は、それぞれ10秒および30秒であった。また、サンプル18の結晶中の水素原子濃度は100ppmであった。
エピタキシャル成長面は、サンプル17は機械的に研磨した面側、サンプル18は元々のエピタキシャル成長面側とした。これらのダイヤモンド単結晶基板のサンプルに対し、実施例4と同様の方法でホモエピタキシャル成長を行なった。成長条件は、条件2と同様である。成膜時間を20時間とし、それぞれのエピタキシャル成長膜の厚みは100μmとなる全面で異常成長がなく、基板も変形しなかった。
ここで、比較例5として、基板の厚みが500μmで、直交する2辺の長さが11mmで、主表面の面方位が{100}面の高温高圧合成ダイヤモンド単結晶上に、上述のプロセスと同様のホモエピタキシャル成長を行なった。その結果、エピタキシャル膜厚が110μmの時点で成長中に基材とエピタキシャル膜が割れて分解した。以上の結果から、厚みが100μm以下のダイヤモンド単結晶基板からダイヤモンド単結晶を気相成長させるプロセスが有効であることが示された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 反応性イオンエッチング装置、2 マイクロ波プラズマCVD装置、10,20 真空チャンバ、11 高周波電源、12 電極、14 ガス供給管、15 ガス排気管、16 圧力コントロールバルブ、17 高周波放電、21 マイクロ波電源、22 導波管、23 マイクロ波導入窓、24 マイクロ波プラズマ、25 基板支持台、27 ガス供給管、28 ガス排出管、29 圧力計、30 CH2結合による吸収、101 ダイヤモンド単結晶基板、101f 主表面、102 ダイヤモンド単結晶、111 ダイヤモンド単結晶体。

Claims (8)

  1. 厚みが100μm以下の板状種結晶を準備する工程と、
    前記板状種結晶上にダイヤモンド単結晶を気相合成法により形成する工程とを備え、
    前記板状種結晶を準備する工程は、ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程を含み、
    前記ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程は、炭素原子と、前記炭素原子に対する割合が原子数比で10ppm以上500ppm以下である水素原子とを含む前記ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程を含む、ダイヤモンド単結晶の製造方法。
  2. 厚みが100μm以下の板状種結晶を準備する工程と、
    前記板状種結晶上にダイヤモンド単結晶を気相合成法により形成する工程とを備え、
    前記板状種結晶を準備する工程は、ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程を含み、
    前記ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程は、炭素原子と、前記炭素原子に対する割合が原子数比で10ppm以上500ppm以下である水素原子とを含み、厚みが100μmを超えるダイヤモンド単結晶基板を準備する工程と、レーザアブレーションおよびイオンビームエッチングのいずれかの方法により前記ダイヤモンド単結晶基板の一部分を除去して厚みを100μm以下にする工程とを含む、ダイヤモンド単結晶の製造方法。
  3. 厚みが100μm以下の板状種結晶を準備する工程と、
    前記板状種結晶上にダイヤモンド単結晶を気相合成法により形成する工程とを備え、
    前記板状種結晶を準備する工程は、ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程を含み、
    前記ダイヤモンド単結晶基板を準備する工程は、炭素原子と、前記炭素原子に対する割合が原子数比で10ppm以上500ppm以下である水素原子とを含む、厚みが100μmを超えるダイヤモンド単結晶基板を準備する工程と、反応性イオンエッチングにより前記ダイヤモンド単結晶基板の一部分を除去して厚みを100μm以下にする工程とを含み、反応性イオンエッチングに用いるガス中の酸素の割合が体積比で50体積%以下である、ダイヤモンド単結晶の製造方法。
  4. 前記ダイヤモンド単結晶基板の主表面は、{100}面であり、その主表面上に前記ダイヤモンド単結晶が形成される、請求項2または3に記載のダイヤモンド単結晶の製造方法。
  5. 前記ダイヤモンド単結晶基板の、X線回折法によるダイヤモンドピークの半値幅は、5秒以上400秒以下である、請求項2から4のいずれか1項に記載のダイヤモンド単結晶の製造方法。
  6. 厚みが100μmを超えるダイヤモンド単結晶基板を準備する工程と、前記ダイヤモンド単結晶基板の一部分を除去して厚みを100μm以下にする工程とを備え、前記ダイヤモンド単結晶基板の一部分を除去する工程は、反応性イオンエッチングにより単結晶基板の一部分を除去する工程を含み、前記反応性イオンエッチングに用いるガスはフッ化炭素またはアルゴンの少なくとも一方と、酸素とを含む混合ガスであり、前記混合ガス中の酸素の割合は体積比で50%以下であり、前記反応性イオンエッチングは、内圧が6.7Pa以下の容器内で行なわれる、ダイヤモンド単結晶の製造方法で製造されるダイヤモンド単結晶基板であって、
    炭素原子と、炭素原子に対する割合が原子数比で10ppm以上500ppm以下である水素原子とを含み、厚みが100μm以下であり、少なくとも1つの辺の長さが10mm以上である、ダイヤモンド単結晶基板。
  7. 最大の面積を有する主表面は、{100}面である、請求項6に記載のダイヤモンド単結晶基板。
  8. 前記ダイヤモンド単結晶基板の、X線回折法によるダイヤモンドピークの半値幅は、5秒以上400秒以下である、請求項6または7に記載のダイヤモンド単結晶基板。
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