JP2020088180A - 冷却構造及び電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒が循環する冷却通路上において何らかの異常が生じた場合であっても発熱部の急激な温度上昇を抑制する。【解決手段】冷却構造は、発熱部21,31を冷却する冷媒の流路上において冷媒の流通方向に沿って立設された壁部45と、流路の一部であって、壁部45を隔てて隣接配置され、異なる発熱部21,31を冷却する二つの冷却部W1,W2と、壁部45に貫設され、隣接する二つの冷却部W1,W2を連通させる開口51A,51Bと、開口51A,51Bを閉塞可能な形状に形成され、開口51A,51Bの縁部に対して一端が固定されるとともに他端側が開閉するバイメタル式のカバー52A,52Bと、を備える。カバー52A,52Bは、冷媒の温度が所定の閾値温度Tth未満であるときに開口51A,51Bを閉塞し、冷媒の温度が閾値温度Tth以上であるときに湾曲して開口51A,51Bを開放する。【選択図】図3

Description

本発明は、発熱部を冷却するため冷却構造及びこの冷却構造が適用された電動車両に関する。
従来、電子機器内の発熱部を冷却するための冷却構造において、バイメタル式の部材によって冷媒の流路を調整することで、冷却効果を高める技術が知られている。例えば、特許文献1には、並列に配置された複数の流路と、複数の流路のそれぞれに設けられたバイメタル式の感温流量制御手段とを備えた液冷システム(冷却構造)が開示されている。特許文献1のシステムによれば、感温流量制御手段が発熱部に近い流路ほど流量を多くするように調整することで、最低限の流量で効率的に発熱部を冷却できるとされている。
特開2004−295718号公報
ところで、上記の特許文献1に記載のシステムは、循環している冷媒の流量を調整するものであるため、流路上で何らかの異常が生じて冷媒が流通しなくなった場合に、発熱部を効果的に冷却することが難しい。また、冷媒が流通しなくなった状態で電子機器の使用を継続すると、発熱部の温度が急激に上昇し、発熱部の故障を引き起こすおそれがある。このため、流路上で何らかの異常が生じた場合にも発熱部の温度上昇を極力抑えられることが望まれる。
本件の冷却構造は、このような課題に鑑み案出されたもので、冷媒が循環する流路上において何らかの異常が生じた場合であっても発熱部の急激な温度上昇を抑制することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的である。
(1)ここで開示する冷却構造は、発熱部を冷却する冷媒の流路上において前記冷媒の流通方向に沿って立設された壁部と、前記流路の一部であって、前記壁部を隔てて隣接配置され、異なる前記発熱部を冷却する二つの冷却部と、前記壁部に貫設され、隣接する前記二つの冷却部を連通させる開口と、前記開口を閉塞可能な形状に形成され、前記開口の縁部に対して一端が固定されるとともに他端側が開閉するバイメタル式のカバーと、を備え、前記カバーは、前記冷媒の温度が所定の閾値温度未満であるときに前記開口を閉塞し、前記冷媒の温度が前記閾値温度以上であるときに湾曲して前記開口を開放する。
(2)前記カバーの前記一端は、前記壁部の両側に位置する二つの前記冷却部の一方を流通する前記冷媒の流通方向を基準としたときに、前記開口よりも上流側に位置することが好ましい。
(3)前記カバーは、前記冷媒の温度が前記閾値温度以上であるときに、前記他端側が前記流通方向の基準とした前記冷却部内に入り込むように湾曲することが好ましい。
(4)前記開口は、前記壁部に複数個設けられ、前記カバーは、各々の前記開口の縁部に対して一端が固定されるとともに他端側が開閉することが好ましい。
(5)前記冷却構造は、電動車両に搭載された二つの回転電機を駆動するための第一インバータに適用されることが好ましい。この場合、前記第一インバータは、一方の前記回転電機の駆動中に発熱する第一電力変換部と、他方の前記回転電機の駆動中に発熱する第二電力変換部とを内部に備え、隣接する前記二つの冷却部のうちの一方は前記第一電力変換部を冷却するとともに他方は前記第二電力変換部を冷却することが好ましい。
(6)ここで開示する電動車両は、上記(5)に記載の冷却構造が適用された前記第一インバータを搭載した電動車両であって、前記二つの回転電機とは別の回転電機と、前記別の回転電機を駆動するための第二インバータと、前記冷媒の温度が前記閾値温度よりも高い禁止温度以上である場合に、前記二つの回転電機の駆動を禁止するとともに、前記別の回転電機の駆動を許容する制御装置と、を備える。
開示の冷却構造によれば、冷媒の温度が所定の閾値温度を超えた場合に開口が開放される。これにより、隣接する二つの冷却部が開口を通じて連通状態となるため、二つの冷却部の間における冷媒の行き来を促進することができる。したがって、冷媒が循環する流路上において何らかの異常が生じた場合であっても発熱部の急激な温度上昇を抑制することができる。
実施形態に係る冷却構造が適用されたフロントインバータを搭載した電動車両の概略図である。 図1の電動車両に搭載されたフロントインバータの模式的な鉛直断面図(図3のA−A矢視断面図)である。 図2のフロントインバータの模式的な水平断面図(図2のB−B矢視断面図)である。 図3のR部拡大図である。 図1の電動車両に搭載された制御装置のブロック構成図である。 図4の制御装置で実施される制御内容を例示するフローチャートである。 図3に示すフロントインバータの冷却水温度が第一期閾値温度以上であるときの作用を説明する図である。 図3に示すフロントインバータの冷却水温度が第二期閾値温度以上であるときの作用を説明する図である。
図面を参照して、実施形態としての冷却構造及び電動車両について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
以下の説明では、電動車両の進行方向を前方(車両前方)、逆側を後方(車両後方)とし、前方を基準に左右方向(車幅方向)を定める。また、重力の方向を下方とし、その逆を上方として説明する。
[1.装置構成]
[1−1.全体構成]
本実施形態に係る冷却構造は、図1に示す車両1が備えるフロントインバータ4(第一インバータ)に適用される。車両1は、バッテリ8の電力を利用して走行する電動車両であり、左右の前輪FL,FRを駆動する駆動源としてのフロントモータ2(二つの回転電機のうちの一つ)を備える。また、車両1は、エンジン9の出力で発電動作してバッテリ8を充電するジェネレータ3(二つの回転電機のうちの一つ)を備える。
フロントインバータ4は、車両1に搭載されたフロントモータ2及びジェネレータ3のそれぞれを駆動するためのものである。フロントインバータ4は、フロントモータ2及びジェネレータ3とバッテリ8とを接続する電気回路上に設けられ、フロントモータ2及びジェネレータ3側の交流電力とバッテリ8側の直流電力とを相互に変換する。フロントインバータ4,フロントモータ2,ジェネレータ3及びエンジン9は、図1に示すように、いずれも車両1の前側に配置される。
本実施形態の車両1は、フロントモータ2とは別に、左右の後輪RL,RRを駆動するリアモータ5(別の回転電機)とリアモータ5を駆動するためのリアインバータ6(第二インバータ)とを備える。すなわち、車両1は、駆動用のフロントモータ2及びリアモータ5を備えた四輪駆動車である。リアモータ5及びリアインバータ6は、図1に示すように、車両1の後側に配置される。リアインバータ6は、リアモータ5とバッテリ8とを接続する電気回路上に設けられ、リアモータ6側の交流電力とバッテリ8側の直流電力とを相互に変換する。
バッテリ8は、フロントモータ2,ジェネレータ3,リアモータ5で発電される電力や、車載充電器7(OBC;On Board Charger)を介して外部電源から供給される外部電力で充電可能な蓄電装置である。バッテリ8は、例えばリチウムイオン二次電池やリチウムイオンポリマー二次電池等である。
フロントモータ2,ジェネレータ3,フロントインバータ4,リアモータ5,リアインバータ6,車載充電器7はいずれも電力で作動する装置(電気機械)であることから、各装置2〜7の作動中に電流が流れることで発熱する素子やCPUといった発熱部(発熱体)を内蔵している。このため、車両1は、各装置2〜7の発熱部を冷却するため冷却システムとして、ポンプ11とラジエータ12と循環経路13とを備える。
循環経路13は、冷却水(冷媒,不凍液,LLC;Long Life Coolant)が流通(循環)する流路であって、上記の装置2〜7を通過するように車両1内に配索されたホースや配管等である。ポンプ11は、冷却水を圧送する電動ポンプである。ポンプ11で圧送された冷却水は循環経路13を流通することで各装置2〜7の発熱部を冷却し、ラジエータ12で放熱される。
図1中の黒塗り矢印は、循環経路13内を流れる冷却水の流通方向を示している。本実施形態の冷却水は、ポンプ11から吐出されたのち、フロントインバータ4,車載充電器7,リアインバータ6,リアモータ5,フロントモータ2,ジェネレータ3の順に流れ、各装置2〜7の発熱部を冷却する。なお、冷却水の流通方向や各装置2〜7を流れる順番は特に限られず、図1に示すもの以外であってもよい。
車両1は、各装置2〜7の作動を制御するための制御装置10を備える。制御装置10は、例えば周知のマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成された電子制御装置であって、車両1に設けられたネットワークの通信ラインに接続される。
[1−2.フロントインバータの構成]
図2及び図3を参照して、本実施形態の冷却構造が適用されるフロントインバータ4の構成について詳述する。図2は、車両1に搭載された状態でのフロントインバータ4の鉛直断面図(図3のA−A矢視断面図)であって、図3は、車両1に搭載された状態でのフロントインバータ4の水平断面図(図2のB−B矢視断面図)である。図2及び図3中に示すUP,FR,RHは、車両上方,車両前側,車両右側のそれぞれに対応する。
図3に示すように、フロントインバータ4は、筐体40の内部において、鉛直方向に延びる平面状の縦壁部45を隔てて隣接配置された第一電力変換部21(発熱部)と第二電力変換部31(発熱部)とを備える。第一電力変換部21はフロントモータ2を駆動するための部品であり、第二電力変換部31はジェネレータ3を駆動するための部品である。なお、縦壁部45の一端は筐体40の側面に面接触して固定されているが、縦壁部45の他端は筐体40の側面から離隔している。
二つ電力変換部21,31は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と呼ばれるトランジスタやサイリスタ等のスイッチング素子を複数有し、これらのスイッチング素子をオンオフさせることで直流電力を交流電力に変換する。本実施形態では、三相交流と直流との変換を行うために、三相に対応した三つのスイッチング回路を有する電力変換部21,31を例示している。
第一電力変換部21はフロントモータ2の駆動中に発熱し、第二電力変換部31はジェネレータ3の駆動中に発熱する。本実施形態の筐体40の内部には、図3に示すように、第一電力変換部21を冷却する第一冷却部W1と、第二電力変換部31を冷却する第二冷却部W2とが設けられる。すなわち、本冷却構造には、異なる発熱部21,31を冷却する二つの冷却部W1,W2が設けられる。二つの冷却部W1,W2のそれぞれは、二つの電力変換部21,31のそれぞれに付設され、ポンプ11で圧送された冷却水が流通可能に形成される。つまり、二つの冷却部W1,W2は、冷却水が流通する循環経路13の一部である。
図3中の黒塗り矢印は、冷却水が循環経路13内を正常に循環しているときの冷却水の流通方向を示している。図3に示すように、ポンプ11で圧送された冷却水は、筐体40に貫設された入口部W3からフロントインバータ4の内部に流入し、第二冷却部W2において第二電力変換部31を冷却し、第一冷却部W1において第一電力変換部21を冷却し、筐体40に貫設された出口部W4を経て車載充電器7側へ送られる。なお、ここでは第二冷却部W2が第一冷却部W1の上流側に位置する場合を例示しているが、第一冷却部W1が第二冷却部W2の上流側に位置するように、入口部W3及び出口部W4が設けられていてもよい。
二つの冷却部W1,W2は、縦壁部45を隔てて隣接配置されるとともに、入口部W3及び出口部W4とは反対側(図3中の縦壁部45の左側)の連通部W5で互いに連通する。また、縦壁部45には、隣接する二つの冷却部W1,W2を連通させる開口51A,51B(以下「開口51」とも表記する)が貫設される。開口51には、開口51を閉塞可能な形状に形成されたバイメタル式のカバー52A,52B(以下「カバー52」とも表記する)が付設される。
これらの開口51及びカバー52は、循環経路13上で何らかの異常が生じて冷却水が流通しなくなった場合に、二つの電力変換部21,31の温度上昇を抑制するものである。カバー52は、開口51の縁部に対して一端が固定されるとともに他端側が開閉するように設けられ、フロントインバータ4内の冷却水の温度(以下「冷却水温度Tw」という)が所定の閾値温度Tth未満であるときに開口51を閉塞し、冷却水温度Twが閾値温度Tth以上であるときに湾曲して開口51を開放する。
図2に示すように、本実施形態のフロントインバータ4は、フロントモータ2を駆動するための部品として、第一電力変換部21に加えて第一コンデンサ部22及び第一制御回路部23を備える。また、フロントインバータ4は、ジェネレータ3を駆動するための部品として、第二電力変換部31に加えて第二コンデンサ部32及び第二制御回路部33を備える。コンデンサ部22,32はバッテリ4から供給される直流電力を平滑化するものであり、制御回路部23,33は各電力変換部21,31のスイッチング素子をオンオフ制御するものである。なお、第二コンデンサ部32及び第二制御回路部33は、第一コンデンサ部22及び第一制御回路部23と同様に筐体40内に配置されるため、図2には、第一コンデンサ部22及び第一制御回路部23に符号32,33を亀甲括弧で併記している。すなわち、図2中に亀甲括弧で示す符号は、図2の断面には表れない要素である。
ここで、第一電力変換部21と第一コンデンサ部22と第一制御回路部23とは、フロントモータ2に関する電力変換及び制御を実施する電子部品として、まとめてFMCU(Front Motor Control Unit)とも呼ばれる。また、第二電力変換部31と第二コンデンサ部32と第二制御回路部33とは、ジェネレータ3に関する電力変換及び制御を実施する電子部品として、まとめてGCU(Generator Control Unit)とも呼ばれる。
FMCU及びGCUは、互いに等しく構成され、一つの筐体40内において水平方向に並んで配置される。すなわち、図2に示すように、FMCUの各部21〜23は、上下方向に並んで配置され、筐体40に収納される。同様に、GCUの各部31〜33も、上下方向に並んで配置され、筐体40に収納される。なお、図2及び図3と後述する図7及び図8とでは、断面を示すハッチングを、筐体40及びカバー52以外の要素では省略している。
また、第一電力変換部21の直上には、図2に示すように第一電力変換部21と第一冷却部W1との熱交換を促すための第一ヒートシンク24が設けられる。同様に、第二電力変換部31の直上にも、第二電力変換部31と第二冷却部W2との熱交換を促すための第二ヒートシンク34が設けられる。なお、図3,図7及び図8では、第一ヒートシンク24及び第二ヒートシンク34の図示を省略している。また、図3に示すように、二つの電力変換部21,31のそれぞれにはサーミスタ60が付設される。各サーミスタ60は、冷却水温度Twを推定するために、電力変換部21,31の温度Tfを検出し、検出した温度情報を制御装置10に伝達する。
図2及び図3に示すように、筐体40は、外観形状が直方体である箱型部材であり、上下方向に沿って立設された四つの側面部44を含む本体部41と、側面部44の上縁部に固定されて本体部41の上方に配置された上面部42と、側面部44の下縁部に固定されて本体部41の下方に配置された下面部43とを有する。四つの側面部44は、四角筒状となるように配置される。また、筐体40は、冷却水の流通方向に沿って鉛直方向に立設された上記の縦壁部45を有する。
図2に示すように、筐体40には、電力変換部21,31が収容される空間と、コンデンサ22,32が収容される空間と、制御回路部23,33が収容される空間とが設けられる。本実施形態の筐体40では、上から順にコンデンサ部22,32の収容空間,電力変換部21,31の収容空間,制御回路部23,33の収容空間が設けられる。なお、各空間は連通していてもよいし、区画されていてもよい。本実施形態では、電力変換部21,31の収容空間と制御回路部23,33の収容空間とが横壁部46によって区画されている。
筐体40には、コンデンサ部22,32の収容空間と電力変換部21,31の収容空間との間に、冷却用の空間(以下「冷却空間」という)が設けられる。冷却空間は、発熱部である電力変換部21,31を冷却する冷却水が流通する空間であり、上記の第一冷却部W1及び第二冷却部W2を含む。
図3に示すように、冷却空間は、縦壁部45(壁部)によって二つの空間S1,S2に分かれている。一方の空間S1は、第一電力変換部21の収容空間の上部に位置し、側面部44と縦壁部45と第一ヒートシンク24と第一コンデンサ部22の下面部22bとによって区画される。他方の空間S2は、第二電力変換部31の収容空間の上部に位置し、側面部44と縦壁部45と第二ヒートシンク34と第二コンデンサ部32の下面部32bとによって区画される。
空間S1が第一電力変換部21を冷却する上記の第一冷却部W1に相当し、空間S2が第二電力変換部31を冷却する上記の第二冷却部W2に相当する。なお、上記したように、二つの冷却部W1,W2は縦壁部45によって完全には隔てられておらず、連通部W5で互いに連通する。本実施形態では、二つの冷却部W1,W2が縦壁部45の左側で互いに連通する場合を例示する。
入口部W3は、第二冷却部W2を区画する側面部44の一部に貫設される。また、出口部W4は、第一冷却部W1を区画する側面部44の一部に貫設される。図3の例では、入口部W3及び出口部W4はいずれも、四つの側面部44のうち同一の側面部44であって、連通部W5とは反対側の側面部44(図3中の右側の側面部44)に設けられている。
ポンプ11で圧送された冷却水は、上述の構成により、入口部W3からフロントインバータ4内に流入し、第二冷却部W2内を流通し、連通部W5で折り返して(Uターンして)、第一冷却部W1内を流通し、出口部W4を経て車載充電器7側へ送られる。このため、第二冷却部W2における冷却水の流通方向と第一冷却部W1における冷却水の流通方向とは互いに平行で逆方向となる。また、縦壁部45は、両方の流通方向に沿って鉛直方向に立設されている。
上述の通り、縦壁部45に設けられた開口51及びバイメタル式のカバー52は、循環経路13上で何らかの異常が生じて冷却水が流通しなくなった場合に、二つの電力変換部21,31の温度上昇を抑制するものである。ここで、バイメタルとは、温度差による膨張収縮率が大きい高膨張金属板と温度差による膨張収縮率が小さい低膨張金属板とを張り合わせて構成された部材であり、部材の温度が上昇することによって高膨張金属板と低膨張金属板との延び量の差が大きくなって湾曲する特性を有する。すなわち、カバー52は、冷却水の温度が上昇すると自動的に湾曲して、開口51を開放する機能を持つ。
カバー52は、開口51の縁部に対して固定されることで、冷却水温度Twが所定の閾値温度Tth未満であるときに開口51を閉塞する。また、カバー52は、冷却水温度Twが所定の閾値温度Tth以上であるときに湾曲して、開口51の縁部に対して固定されていない他端側が変位することで、開口51を開放する。これにより、二つの冷却部W1,W2が開口51を介して連通状態となるため、循環経路13上で何らかの異常が生じた際に、各冷却部W1,W2内の冷却水が行き来できるようになり、電力変換部21,31の温度上昇が抑制される。
図2及び図3に示すように、本実施形態の縦壁部45には、複数の開口51が設けられ、各開口51にカバー52が設けられる。すなわち、各カバー52は、各開口51の縁部に対して一端が固定されるとともに他端側が開閉する。なお、ここでは、四つの開口51が同一の上下方向位置であって流通方向に並んで設けられる場合を例示する。
本実施形態では、複数のカバー52の閾値温度Tthが、カバー52ごとに設定される場合を説明する。本実施形態では、四つのカバー52のうち、二つのカバー52Aが互いに同一の閾値温度Tthに設定され、残り二つのカバー52Bが互いに同一の閾値温度Tthに設定されており、前者の閾値温度Tthと後者の閾値温度Tthとは異なる値に設定されている。以下、前者の閾値温度Tthを「第一期閾値温度Tth1」といい、後者の閾値温度Tthを「第二期閾値温度Tth2」という。
第二期閾値温度Tth2は、循環経路13上で何らかの異常が生じたと判断できる冷却水の温度よりも高い値であって、電力変換部21,31の熱によるフロントインバータ4の故障が予期される冷却水の温度よりも低い値である。言い換えると、カバー52Bは、少なくとも電力変換部21,31の熱によってフロントインバータ4が故障する前に開口51を開放するように閾値温度Tth2が設定されている。以下、このカバー52Bを「第二期カバー52B」といい、第二期カバー52Bで閉塞される開口51を「第二期開口51B」という。
一方、第一期閾値温度Tth1は、第二期閾値温度Tth2よりも低い値であり、例えば循環経路13上で何らかの異常が生じたと判断できる冷却水の温度と同程度とされる。言い換えると、カバー52Aは、循環経路13上で何らかの異常が生じて冷却水の流れが滞ったときに開口51を開放するように閾値温度Tth1が設定されている。以下、このカバー52Aを「第一期カバー52A」といい、第一期カバー52Aで閉塞される開口51を「第一期開口51A」という。
次に、図4を参照しながら、開口51及びカバー52の構成についてさらに詳述する。図4は、図3に示す領域Rの拡大図である。図4の破線は第一期カバー52Aが湾曲したことで第一期開口51Aが開放されている様子を示し、図4の一点鎖線は第二期カバー52Bが湾曲したことで第二期開口51Bが開放されている様子を示す。
本実施形態のカバー52は、二つの冷却部W1,W2の一方を流通する冷却水の流通方向を基準としたときに、当該カバー52の一端が開口51よりも上流側に位置するように固定される。上述の通り、第二冷却部W2における冷却水の流通方向と第一冷却部W1における冷却水の流通方向とは、互いに平行で逆方向である。このため、第二冷却部W2を流通する冷却水の流通方向を基準とした場合にはフロントインバータ4の右側が上流側に相当し、第一冷却部W1を流通する冷却水の流通方向を基準とした場合にはフロントインバータ4の左側が上流側に相当する。
図4に示すように、第二冷却部W2側に配置されている第一期カバー52Aの一端は、第二冷却部W2を流通する冷却水の流通方向を基準として、第一期開口51Aよりも上流側にあたる右側の縁部に固定される。また、第一冷却部W1側に配置されている第二期カバー52Bの一端は、第一冷却部W1を流通する冷却水の流通方向を基準として、第二期開口51Aよりも上流側にあたる左側の縁部に固定される。
さらに、本実施形態のカバー52は、冷却水の温度が閾値温度Tth以上であるときに、カバー52の他端側が流通方向の基準とした冷却部W1,W2内に入り込むように湾曲する。すなわち、第二冷却部W2側に配置されている第一期カバー52Aは、図4に破線で示すように、第一期閾値温度Tth1以上であるときに第二冷却部W2に入り込むように湾曲する。一方、第一冷却部W1側に配置されている第二期カバー52Bは、図4に一点鎖線で示すように、第二期閾値温度Tth2以上のときに第一冷却部W1に入り込むように湾曲する。
[2.制御構成]
図5は、車両1に搭載される制御装置10のブロック図である。制御装置10は、フロントインバータ4の冷却水温度Twに基づき、フロントモータ2,ジェネレータ3及びリアモータ5の駆動を禁止又は許容することによって、電力変換部21,31の熱によるフロントインバータ4の故障を抑制するための制御を実施する。
冷却水が循環経路13内を正常に流通している場合には、フロントインバータ4内の電力変換部21,31が適切に冷却されることから、電力変換部21,31の高温化が防止される。一方で、循環経路13上で何らかの異常が生じて冷却水が流通しなくなった場合(例えば、ポンプ11が故障した場合)には、電力変換部21,31の冷却が不十分となる。これにより、冷却水温度Twが上昇するとともに電力変換部21,31の熱によりフロントインバータ4の故障を招くおそれがある。
このため、制御装置10は、冷却水温度Twがフロントインバータ4の故障が予期される冷却水の温度(後述する禁止温度Tmax)以上である場合に、フロントモータ2及びジェネレータ3の駆動を禁止するとともにリアモータ5の駆動を許容することで、電力変換部21,31の熱によるフロントインバータ4の故障を抑制する。なお、制御装置10は、冷却水温度Twが禁止温度Tmax未満である場合には、車両1の駆動を優先し、フロントモータ2及びジェネレータ3の駆動を許容する。
具体的には、制御装置10は、サーミスタ60から伝達された電力変換部21,31の温度Tfから冷却水温度Twを推定し、冷却水温度Twと禁止温度Tmaxとを比較する。ここで、禁止温度Tmaxとは、循環経路13上で何らかの異常が生じて冷却水が正常に循環しなくなり、且つ、フロントインバータ4の故障が予期される場合に取得され得る温度である。すなわち、禁止温度Tmaxは、上記の第一期閾値温度Tth1及び第二期閾値温度Tth2よりも高い温度に設定される。
制御装置10は、冷却水温度Twが禁止温度Tmax以上(Tw≧Tmax)である場合には、フロントモータ2及びジェネレータ3の駆動を禁止するようにフロントインバータ4を制御するとともに、リアモータ5の駆動を許容するようにリアインバータ6を制御する。このような制御により、フロントインバータ4内のフロントモータ2の駆動中に発熱する第一電力変換部21とジェネレータ3の駆動中に発熱する第二電力変換部31とがともに発熱しなくなるため、電力変換部21,31の発熱が抑制される。さらに、リアモータ5の駆動が許容されることで、車両1の走行が継続されやすくなるため、航続距離と航続時間とが延長されやすくなる。
一方で、制御装置10は、冷却水温度Twが禁止温度Tmax未満である場合には、フロントモータ2及びジェネレータ3の駆動を許容するようにフロントインバータ4を制御する。制御装置10は、一旦、冷却水温度Twが禁止温度Tmax以上(T≧Tmax)となってフロントモータ2及びジェネレータ3の駆動を禁止した場合であっても、時間の経過とともに冷却水温度Twが禁止温度Tmaxを下回った場合には同様に制御する。すなわち、制御装置10は、冷却水温度Twが禁止温度Tmax未満である場合には、フロントインバータ4の故障発生までは未だ猶予があると判断して車両1の駆動を優先し、フロントモータ2及びジェネレータ3の駆動を許容する。これにより、循環経路13内に何らかの異常が発生した場合であっても車両1の走行が継続されやすくなるため、航続距離と航続時間とが延長されやすくなる。
[3.フローチャート]
図6は、上述した制御装置10で実施される制御の内容を説明するためのフローチャート例である。このフローチャートは、制御装置10において、車両1の主電源が投入されている(オン状態である)ときに所定の演算周期で実施される。
ステップK1では、サーミスタ60で検出された温度Tfが取得され、冷却水温度Twが推定される。続くステップK2では、冷却水温度Twが禁止温度Tmax以上(T≧Tmax)であるか否かが判定される。
ステップK2において、冷却水温度Tが禁止温度Tmax未満である場合は、ステップK3でフロントモータ2の駆動が許容され、ステップK4でジェネレータ3の駆動が許容されて、このフローをリターンする。
一方、ステップK2において、冷却水温度Twが禁止温度Tmax以上である場合は、ステップK5においてフロントモータ2の駆動が禁止され、ステップK6においてジェネレータ3の駆動が禁止され、ステップK7においてリアモータ5の駆動が許容されて、このフローをリターンする。なお、フローをリターンしたのち、冷却水温度Twが再び禁止温度Tmax未満となった場合には(ステップK2のNoルート)、その時点でのフロントモータ2,ジェネレータ3の駆動が切り替えられる(ステップK3,K4)。
[4.作用]
本実施形態の冷却構造が適用されるフロントインバータ4の作用について、図3,図7及び図8を用いて説明する。図7は、循環経路13上で何らかの異常が生じて冷却水が流通しなくなった場合であって、且つ、冷却水温度Twが第一期閾値温度Tth1以上であるとき(Tth1≦Tw<Tth2)のフロントインバータ4の水平断面図である。図8は、図7と同様に循環経路13上で何らかの異常が生じて冷却水が流通しなくなった場合であって、且つ、冷却水温度Twが第二期閾値温度Tth2以上であるとき(Tth2≦Tw)のフロントインバータ4の水平断面図である。
冷却水が循環経路13内を正常に流通している場合には、フロントインバータ4内の電力変換部21,31が適切に冷却され、冷却水温度Twが第一期閾値温度Tth1未満に維持される。このとき、カバー52の高膨張金属板と低膨張金属板との延び量には、ほとんど差が生じない。このため、全てのカバー52は、湾曲せず、図3に示すように、開口51を閉塞する。
一方、循環経路13上で何らかの異常が生じ、冷却水が流通しなくなった場合には、電力変換部21,31の冷却が不十分となる。この状態でフロントモータ2やジェネレータ3の使用を継続すると、冷却水温度Twが上昇する。
冷却水温度Twが上昇して第一期閾値温度Tth1以上となると、第一期カバー52Aの高膨張金属板と低膨張金属板との延び量の差が大きくなり、第一期カバー52Aが湾曲する。第一期カバー52Aが湾曲すると、第一期開口51Aの縁部に対して固定された第一期カバー52Aの一端とは逆側の他端が変位し、図7に示すように、第一期開口51Aが開放される。
ここで、フロントモータ2が駆動中であり、ジェネレータ3が非駆動中であると仮定する。フロントモータ2が駆動中のときには第一電力変換部21が発熱するため、第一冷却部W1の冷却水が昇温される。一方、ジェネレータ3が非駆動中のときには第二電力変換部31は発熱しないため、第二冷却部W2の冷却水は第一冷却部W1の冷却水ほど昇温されない。
つまりこの場合には、第一冷却部W1と第二冷却部W2との冷却水の間に温度差が生じる。この状態で第一期カバー52Aが第一期開口51Aを開放すると、二つの冷却部W1,W2が、連通部W5に加えて、第一期開口51Aにおいても連通状態となる。これにより、第一期開口51Aが開放されていない場合と比較して、二つの冷却部W1,W2の冷却水が行き来しやすくなり、発熱している第一電力変換部21の温度上昇が抑制される。
詳述すると、低温側である第二冷却部W2の冷却水が対流により第一冷却部W1に流入し、第一冷却部W1の冷却水と混ざることで第一冷却部W1の冷却水の温度が低下する。また、高温側である第一冷却部W1の冷却水が対流により第二冷却部W2に流入して混ざり合うことで、冷却空間内の冷却水の温度上昇が抑制される。このように、冷却空間内で冷却水が行き来することで、発熱している第一電力変換部21の急激な温度上昇を抑制することができる。なお、図7中の黒塗り矢印は、第一期開口51Aが開放された場合の冷却空間内の冷却水の流れを示す。
ジェネレータ3が駆動中であり、フロントモータ2が非駆動中である場合にも上記と同様に作用する。この場合には、第二電力変換部31の発熱によって第二冷却部W2の冷却水が昇温されるが、低温側である第一冷却部W1の冷却水が対流により第二冷却部W2に流入することで、第二電力変換部31の急激な温度上昇を抑制することができる。
第一期開口51Aが開放されたことで二つの冷却部W1,W2間を冷却水が行き来し、再び冷却水温度Twが第一期閾値温度Tth1未満となると、図3に示すように、第一期開口51Aが閉塞される。この状態で、さらにフロントモータ2やジェネレータ3の使用を継続すると、冷却水温度Twは再び上昇し、再び第一期開口51Aが開放される。第一期カバー52Aはこのように第一期開口51Aの開閉を繰り返すことで、流通しなくなった冷却水に動きを与え、冷却空間内の冷却水の温度上昇を抑制する。
さらに冷却水温度Twが上昇して、第二期閾値温度Tth2以上となった場合には、第二期カバー52Bの高膨張金属板と低膨張金属板との延び量の差が大きくなり、図8に示すように第二期カバー52Bも湾曲して、第二期開口51Bが開放される。このため、第一冷却部W1と第二冷却部W2との冷却水は、連通部W5と第一期開口51Aとに加えて、第二期開口51Bにおいても行き来が可能となる。
つまり、冷却水温度Twが第二期閾値温度Tth2を超える場合(Tth2≦Tw)には、冷却水温度Twが第一期閾値温度Tth1以上かつ第二期閾値温度Tth2未満であるとき(Tth1≦Tw<Tth2)よりも広い面積で二つの冷却部W1,W2が連通状態となる。このため、二つの冷却部W1,W2の冷却水の間に温度差が生じた場合には、高温側の冷却部と低温側の冷却部との冷却水の行き来がさらに促進されて、冷却空間内の冷却水の温度上昇が抑制される。従って、電力変換部21,31の急激な温度上昇がより抑制される。なお、図8中の黒塗り矢印は、二種類の開口51A,51Bが共に開放された場合の冷却空間内の冷却水の流れを示す。
冷却水がさらに昇温され、冷却水温度Twが禁止温度Tmax以上となった場合には、フロントモータ2及びジェネレータ3の駆動が禁止され、リアモータ5の駆動が許容される。これにより、フロントインバータ4内のフロントモータ2の駆動中に発熱する第一電力変換部21とジェネレータ3の駆動中に発熱する第二電力変換部31とがともに発熱しなくなる。また、このとき、リアモータ5の駆動が許容されることで、車両1の走行が継続されやすくなるため、航続距離と航続時間とが延長されやすくなる。
フロントモータ2及びジェネレータ3の駆動が禁止された後、再び冷却水温度Twが禁止温度Tmax未満となった場合には、フロントモータ2及びジェネレータ3の駆動が再び許容される。このとき、カバー52が冷却水温度Twに応じて開口51を開閉するため、電力変換部21,31の急激な温度上昇を抑制しつつ、車両1の走行を継続することができる。
[5.効果]
(1)上述した冷却構造が適用されるフロントインバータ4は、冷却空間内の冷却水温度Twが上昇して閾値温度Tth以上となったときにカバー52が湾曲して開口51を開放する。これにより、隣接する二つの冷却部W1,W2が開口51を通じて連通状態となる。このため、仮に、循環経路13を冷却水が流通できない状況になったとしても、冷却水の対流を利用して、高温側の冷却部と低温側の冷却部との間の冷却水の行き来を促進することで、高温側の冷却部の昇温を抑制できる。従って、循環経路13上において何らかの異常が生じた場合であっても発熱部である電力変換部21,31の急激な温度上昇を抑制できる。
(2)上述したカバー52は、二つの冷却部W1,W2の一方を流通する冷却水の流通方向を基準としたときに、カバー52の一端が開口51よりも上流側に位置するように固定される。これにより、循環経路13内を冷却水が流通している状態でカバー52が開放されたときでも、流通抵抗の増大を抑制できる。つまり、循環経路13を冷却水が全く流通できない状況に限らず、何らかの理由(例えば、ポンプ11の機能の低下)によって循環経路13の冷却水の循環速度が低下した場合にも、流通抵抗の増大を抑制しつつ、電力変換部21,31の急激な温度上昇を抑制できる。
(3)また、上述したカバー52は、冷却水温度Twが閾値温度Tth以上であるときに、開口51の縁部に対して固定されたカバー52の一端とは逆側の他端側が、流通方向の基準とした冷却部W1,W2内に入り込むように湾曲する。これにより、循環経路13上で何らかの異常が生じたとしても、流通抵抗の増大を抑制しつつ、電力変換部21,31の急激な温度上昇を効果的に抑制できる。
(4)上述した開口51は縦壁部45に複数設けられ、カバー52は、各々の開口51の縁部に対して一端が固定されるとともに他端側が開閉する。このような構成により、二つの冷却部W1,W2が連通する面積(連通面積)を広く確保することができる。従って、二つの冷却部W1,W2の冷却水の行き来をより促進することができる。
また、所定の連通面積を確保しようとするとき、複数の開口51を設けて各開口51をカバー52で塞ぐ方が、一つの開口51をカバー52で塞ぐ構成と比べてカバー52のサイズを小さくすることができる。このため、一つの大きな開口51を形成する場合と比較して、冷却水温度Twが閾値温度Tth以上になった場合に、カバー52が冷却部W1,W2内に入り込む量(カバー52の進入体積)を小さくすることができるので、流通抵抗の増大を抑制できる。
(5)上述の冷却構造は電動車両1の駆動源であるフロントモータ2を駆動するためのフロントインバータ4に適用される。これにより、循環経路13上で何らかの異常が生じたとしても、フロントモータ2の駆動中に発熱する電力変換部21の急激な温度上昇を抑制できる。このため、電力変換部21,31の熱によってフロントインバータ4が故障することを防ぎつつ、フロントモータ2による車両1の走行を継続することができる。従って、例えば車両1が修理工場や販売会社等に到着するまでの時間を稼ぐことができる。
(6)上述の車両1はリアモータ5を備える四輪駆動車である。また、制御装置10はフロントインバータ4の冷却水温度Twが禁止温度Tmax以上である場合に、フロントモータ2及びジェネレータ3の駆動を禁止するようにフロントインバータ4を制御するとともに、リアモータ5の駆動を許容するようにリアインバータ6を制御する。これにより、仮にフロントインバータ4の冷却水温度Twが禁止温度Tmax以上となり、フロントモータ2の駆動が禁止されても、リアモータ5を駆動することで、車両1の走行を継続することができる。
また、上述した制御装置10は、循環経路13上で何らかの異常が生じて冷却水温度Twが禁止温度Tmax以上となっても、冷却水温度Twが再度禁止温度Tmaxを下回った場合には、フロントモータ2やジェネレータ3の駆動を許容する。これにより車両1の走行がより継続されやすくなることから、車両1の航続可能時間及び航続可能距離が延長されやすくなる。従って、循環経路13上で何らかの異常が生じたとしても、車両1が走行不能となる事態を回避しやすくすることができる。
[6.その他]
上述した冷却構造や車両1の構成は一例である。本実施形態では、車両1の搭載するフロントインバータ4に上述した冷却構造を適用する場合について説明したが、上述の冷却構造は、車両のインバータに限らず、複数の発熱部を具備する電子機器に適用可能である。
上述の車両1は、リアモータ5及びリアインバータ6を備える四輪駆動車であるものとして説明したが、車両1がリアモータ5及びリアインバータ6を備えない構成としてもよい。また、車両1が上述のような四輪駆動車であるとき、制御装置10は、フロントインバータ4内の冷却水温度Twが禁止温度Tmax未満である場合に、リアモータ5の駆動を禁止するようにリアインバータ6を制御してもよい。このように制御することで、リアモータ5を冷却する機会を設けることができるため、車両1の航続可能時間及び航続可能距離を更に引き伸ばすことができる。
本実施形態では、閾値温度Tthとして第一期閾値温度Tth1及び第二期閾値温度Tth2の二つの値を例示したが、閾値温度Tthの値はこれに限らない。例えば、閾値温度Tthを上記の第一期閾値温度Tthの値よりも低い値としてもよい。つまり、循環経路13を冷却水が流通しているとき(正常時)にも開口51が開放される構成としてもよい。このような構成とすることで、正常時にも冷却水温度Twの上昇に伴って開口51が開放される分だけ連通面積を拡大することができるため、冷却効率を高めることができる。
また、閾値温度Tthは、全てのカバー52に対し同一の値を設定してもよい。全てのカバー52の閾値温度Tthを、例えば上記の第一期閾値温度Tth1の値に設定することで、循環経路13上で何らかの異常が生じた場合に、早い段階から発熱部である電力変換部21,31の急激な温度上昇を抑制できる。また、全ての閾値温度Tthを、上記の第二期閾値温度Tth2の値に設定することで、フロントインバータ4の故障発生前に電力変換部21,31の温度上昇を抑制できるため、フロントインバータ4の故障発生の可能性を低減させることができる。
本実施形態のフロントインバータ4は、入口部W3及び出口部W4の双方が右側の側壁部44に設けられているが、入口部W3及び出口部W4の配置はこれに限らない。例えば、左側の側壁部44に入口部W3及び出口部W4の双方を設ける構成としてもよいし、前側の側壁部44に入口部W3を設け、後側の側壁部44に出口部W4を設ける構成としてもよい。
また、本実施形態では、縦壁部45の一端が右側の側壁部44に面接触して固定される一方で、他端は左側の側壁部44から離隔しているものとして説明したが、二つの冷却部の間に位置する壁部の構成はこれに限らない。例えば、壁部の一端が左側の側壁部44に面接触して固定される一方で、他端が右側の側壁部44から離隔して配置されてもよい。
また、二つの冷却部の間に位置する壁部が左側の側壁部44にも右側の側壁部44にも面接触して固定され、二つの冷却部のそれぞれに入口部及び出口部を設ける構成としてもよい。つまり、循環経路13を流通する冷却水がフロントインバータ4内で分岐して、並行に流通する場合でも、上述した冷却構造を適用することができる。
本実施形態において、縦壁部45には開口51とカバー52とがそれぞれ四つずつ設けられた場合を例示したが、開口51及びカバー52の数はこれに限らない。また、本実施形態において、縦壁部45に設けられた四つの開口51は、すべて同一の上下方向であって流通方向に並んで設けられている構造について説明したが、開口51の位置はこれに限らない。本実施形態において、二つの第一期カバー52Aはいずれも第二冷却部W2に進入し、二つの第二期カバー52Bはいずれも第一期冷却部W1に進入するものとして説明したが、これ以外の配置としてもよい。
1 車両(電動車両)
2 フロントモータ(二つの回転電機のうちの一つ)
3 ジェネレータ(二つの回転電機のうちの一つ)
4 フロントインバータ(第一インバータ)
5 リアモータ(別の回転電機)
6 リアインバータ(第二インバータ)
10 制御装置
13 循環経路(流路)
21 第一電力変換部(発熱部)
31 第二電力変換部(発熱部)
40 筐体
45 縦壁部(壁部)
51 開口
51A 第一期開口
51B 第二期開口
52 カバー
52A 第一期カバー
52B 第二期カバー
60 サーミスタ(センサ)
W1 第一冷却部
W2 第二冷却部
Tw 冷却水温度
Tf 電力変換部の温度
Tth 閾値温度
Tth1 第一期閾値温度
Tth2 第二期閾値温度
Tmax 禁止温度

Claims (6)

  1. 発熱部を冷却する冷媒の流路上において前記冷媒の流通方向に沿って立設された壁部と、
    前記流路の一部であって、前記壁部を隔てて隣接配置され、異なる前記発熱部を冷却する二つの冷却部と、
    前記壁部に貫設され、隣接する前記二つの冷却部を連通させる開口と、
    前記開口を閉塞可能な形状に形成され、前記開口の縁部に対して一端が固定されるとともに他端側が開閉するバイメタル式のカバーと、を備え、
    前記カバーは、前記冷媒の温度が所定の閾値温度未満であるときに前記開口を閉塞し、前記冷媒の温度が前記閾値温度以上であるときに湾曲して前記開口を開放する
    ことを特徴とする、冷却構造。
  2. 前記カバーの前記一端は、前記壁部の両側に位置する二つの前記冷却部の一方を流通する前記冷媒の流通方向を基準としたときに、前記開口よりも上流側に位置する
    ことを特徴とする、請求項1記載の冷却構造。
  3. 前記カバーは、前記冷媒の温度が前記閾値温度以上であるときに、前記他端側が前記流通方向の基準とした前記冷却部内に入り込むように湾曲する
    ことを特徴とする、請求項2記載の冷却構造。
  4. 前記開口は、前記壁部に複数個設けられ、
    前記カバーは、各々の前記開口の縁部に対して一端が固定されるとともに他端側が開閉する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却構造。
  5. 前記冷却構造は、電動車両に搭載された二つの回転電機を駆動するための第一インバータに適用され、
    前記第一インバータは、一方の前記回転電機の駆動中に発熱する第一電力変換部と、他方の前記回転電機の駆動中に発熱する第二電力変換部とを内部に備え、
    隣接する前記二つの冷却部のうちの一方は前記第一電力変換部を冷却するとともに他方は前記第二電力変換部を冷却する
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷却構造。
  6. 請求項5に記載の冷却構造が適用された前記第一インバータを搭載した電動車両であって、
    前記二つの回転電機とは別の回転電機と、
    前記別の回転電機を駆動するための第二インバータと、
    前記冷媒の温度が前記閾値温度よりも高い禁止温度以上である場合に、前記二つの回転電機の駆動を禁止するとともに、前記別の回転電機の駆動を許容する制御装置と、を備える
    ことを特徴とする、電動車両。
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