JP3710804B2 - ハイブリッド車両の冷却装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、内燃機関と高圧系の電気機器とでは互いに管理温度が異なる場合があり、例えば上述したような従来技術に係るラジエータによって複数の異なる温度の冷却水を排出させる場合であっても、これらの複数の冷却水毎に独立した冷却回路系を設けると、装置構成が複雑化すると共に車両への搭載性が損なわれるという問題が生じる。
また、内燃機関の運転停止に伴って冷却回路内での冷却水の循環が停止すると、運転停止直後等において相対的に高温状態の内燃機関近傍の冷却水の温度が上昇し、冷却回路内に冷却水の温度差に起因した対流(つまり、熱の伝達)が生じる場合がある。そして、この対流によって、相対的に高温の冷却水が高圧系の電気機器近傍に到達すると、これらの電気機器の温度が所定の管理温度を超えて上昇してしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、装置構成が複雑化することを防止しつつ管理温度が異なる複数の機器の温度状態を適切に制御することが可能なハイブリッド車両の冷却装置を提供することを目的とする。
これにより、例えばモータ制御手段の冷却対象の耐熱性を向上させるために要する費用の増大を防止したり、例えば相対的に高温の冷却水がモータ制御手段の冷却対象近傍に向かい対流することを防ぐための切替弁等を設けるために要する費用が増大してしまうことを防止することができる。
これにより、例えばモータ制御手段の冷却対象の耐熱性を向上させるために要する費用の増大を防止したり、例えば相対的に高温の冷却水がモータ制御手段の冷却対象近傍に向かい対流することを防ぐための切替弁等を設けるために要する費用が増大してしまうことを防止することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明のハイブリッド車両の冷却装置によれば、モータ制御手段に加えて変圧手段の冷却対象近傍に相対的に高温の冷却水が対流することを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両の冷却装置10は、例えば図1に示すように、内燃機関11とモータ12と変速機(T/M)13とを直列に直結した構造のハイブリッド車両1に搭載されており、このハイブリッド車両1では、例えば内燃機関11および走行用のモータ12の両方の駆動力は、CVTやマニュアルトランスミッション等の変速機(T/M)13を介して駆動輪Wに伝達される。
そして、モータ12はハイブリッド車両1の運転状態に応じて内燃機関11の駆動力を補助する補助駆動力を発生するようになっている。また、ハイブリッド車両1の減速時に車輪W側からモータ12側に駆動力が伝達されると、モータ12は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
また、この高圧系の蓄電装置には、ハイブリッド車両1の各種補機類を駆動するための12ボルトの補助バッテリ(図示略)が、DC−DCコンバータからなるダウンバータ(D/V)15を介して接続されており、ダウンバータ15は蓄電装置の電圧を降圧して補助バッテリを充電するようになっている。
なお、このハイブリッド車両1において、PDU14およびダウンバータ15は、例えば変速機13の近傍に配置されている。
第1流路30aには適宜のバルブ26aを介してヒータコア26が接続され、このヒータコア26は相対的に高温の冷却水を熱源として空気を加熱しており、このヒータコア26で熱交換された冷却水は第3流路30cによってウォータポンプ21へ還流する。
そして、第2流路30bは、ラジエータ22に冷却水を流通させるための第5流路30eと、例えばこの第5流路30eよりも内径が小さく形成され、第3流路30cに接続される第6流路30fとに分岐するようになっている。
なお、第2流路30bには、ウォータジャケット25から排出される冷却水の温度を検出する第1温度センサ27が備えられている。
そして、第5流路30eからラジエータ22の入口側タンク22Aに導入された冷却水は、先ず、ラジエータ22内部の主流路22aを流通し、適宜の第1温度(例えば、約80℃程度等)まで冷却される。
次に、主流路22aを流通して出口側タンク22Bに導入された冷却水のうち少なくとも一部は、ラジエータ22内部の副流路22bを流通し、ラジエータ22内部での流通経路が相対的に長くなることで第1温度よりも低い適宜の第2温度(例えば、約60℃程度等)まで冷却可能とされている。
なお、第8流路30hにおける、モータ12の下流側の位置には、モータ12の冷却流路12aから排出される冷却水の温度を検出する第2温度センサ28が備えられ、この第2温度センサ28から出力される検出結果が所定温度を超える場合には、ラジエータ22を冷却する冷却ファン29が作動するように設定されている。
また、ダウンバータ15は、例えば図5に示すように、略直方体箱型のケース50a内にDC−DCコンバータ等の電子機器が収容された状態でケース50aの開口部が蓋部材50bによって閉塞されて構成されている。そして、ケース50aは、開口部が鉛直方向下方(つまり、図3から図5における−V方向)に向かい開口するようにして配置され、ケース50a内に収容される電子機器のうち、相対的に発熱量が大きい素子、例えばDC−DCコンバータを構成するFET素子15b等はケース50aの底部に配置されている。
そして、PDU14のケース40aの底面40Aとダウンバータ15のケース50aの底面50Aとが面接触した状態で各ケース40a,50aが一体に接続されている。
さらに、ケース40aの底部43には、底面40A上で開口し、鉛直方向上方(つまり、図3から図5における鉛直方向V)に向かい所定の深さを有すると共に、各側部溝部41a,42aに連通する底部溝部43aが形成されている。そして、この底部溝部43aには、一方の側部溝部41aから他方の側部溝部42aへ向かう方向に沿って所定間隔をおいた位置に複数の放熱板43b,…,43bが、底部溝部43aの底面上から鉛直方向下方(つまり、図3から図5における−V方向)に向かい突出するようにして配置されている。なお、各放熱板43bの突出方向に沿った高さは、底部溝部43aの深さ以下に設定され、各放熱板43bがケース40aの底面40Aから鉛直方向下方に突出しないように設定されている。
つまり、PDU14およびダウンバータ15に供給された冷却水は、鉛直方向下方の位置に屈曲部を有する略U字状の流通経路に沿って流通するようになっており、先ず、供給配管41bから一方の側部溝部41a内に供給された冷却水は一方の側部溝部41a内を鉛直方向下方に向かい流通する。そして、ダウンバータ15のケース50aの底面50Aに到達した冷却水は、一方の側部溝部41aから他方の側部溝部42aへ向かい水平方向に沿って底部溝部43a内(つまり冷却流路14a内)を流通する。このとき、冷却水は隣り合う放熱板43b,43b間を流通して、各放熱板43bからの放熱を促進するようになっている。これにより、各ケース40a,50aの底部に配置された相対的に発熱量が大きい素子が過熱状態となることが防止されている。そして、他方の側部溝部42aに到達した冷却水は、この他方の側部溝部42a内を鉛直方向上方に向かい流通し、排出配管42bから外部に排出される。
なお、供給配管41bおよび排出配管42bは、ラジエータ22内部の副流路22bに接続された第8流路30hに接続されている。
すなわち、ウォータジャケット25から排出される冷却水は、順次、第1流路30a、ヒータコア26または第4流路30d、第3流路30cを流通して、または、第2流路30b、第6流路30f、第3流路30cを流通して、ウォータポンプ21へ還流する。
すなわち、ウォータジャケット25から排出される冷却水は、順次、第1流路30a、第5流路30e、ラジエータ22の主流路22a、副流路22b、第8流路30h、第2サーモスタット24、第3流路30cを流通して、ウォータポンプ21へ還流する。
これにより、例えばPDU14およびダウンバータ15の冷却対象の耐熱性を向上させるために要する費用の増大を防止したり、例えば相対的に高温の冷却水がPDU14およびダウンバータ15の冷却対象近傍に向かい対流することを防ぐための切替弁等を設けるために要する費用が増大してしまうことを防止することができる。
また、単一のラジエータ22の内部に主流路22aと、この主流路22aに連通する副流路22bとを設け、いわば2段階で冷却水の温度を低下可能とすることにより、装置構成や冷却水の流通流路が複雑化することを抑制しつつ、管理温度の異なる複数の系、例えば内燃機関11と、内燃機関11に比べて相対的に低温状態に設定される高圧系(例えば、PDU14およびダウンバータ15およびモータ12等)とに対して、共通の冷却水によって適切な温度管理を行うことができる。
しかも、管理温度の異なる複数の系から排出される冷却水を単一のウォータポンプ21の上流側で合流させることにより、装置構成を簡略化しつつ、各系の温度状態が所望の状態から逸脱してしまうことを容易に抑制することができる。
また、第1サーモスタット23および第2サーモスタット24を具備し、例えば内燃機関11の暖機運転時等において、冷却水がラジエータ22および高圧系を迂回して流通するように設定されていることから、系の温度を所望の温度まで上昇させる際の昇温特性を向上させることができる。
14 PDU(モータ制御手段)
14a 冷却流路(流通路)
15 ダウンバータ(変圧手段)
22 ラジエータ
23 第1サーモスタット
24 第2サーモスタット
40a ケース
41b 供給配管(供給口)
42b 排出配管(排出口)
Claims (2)
- 動力源としての内燃機関およびモータを備え、少なくとも前記モータの駆動力により走行可能なハイブリッド車両に搭載され、前記内燃機関と、前記モータの作動状態を制御するモータ制御手段とを、共通の冷却水により冷却するハイブリッド車両の冷却装置であって、
前記モータ制御手段を収容するケースに前記冷却水の流通路を備え、
該流通路のうち前記モータ制御手段の冷却対象近傍の流通路は、前記流通路に前記冷却水を供給する供給口および前記流通路から前記冷却水を排出する排出口に対して相対的に鉛直方向下方の位置に配置されることを特徴とするハイブリッド車両の冷却装置。 - 少なくとも前記モータと電気エネルギーの授受を行う蓄電装置の端子間電圧または前記モータの出力電圧を降圧して出力する変圧手段を、前記モータ制御手段に対して相対的に鉛直方向下方の位置に備え、
前記流通路は前記モータ制御手段と前記変圧手段との間に配置された流通路を備えることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の冷却装置。
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