JP2020087825A - Fso2nh2含有電解液を有する二次電池 - Google Patents
Fso2nh2含有電解液を有する二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020087825A JP2020087825A JP2018223690A JP2018223690A JP2020087825A JP 2020087825 A JP2020087825 A JP 2020087825A JP 2018223690 A JP2018223690 A JP 2018223690A JP 2018223690 A JP2018223690 A JP 2018223690A JP 2020087825 A JP2020087825 A JP 2020087825A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- secondary battery
- active material
- mass
- positive electrode
- electrolytic solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
Abstract
【課題】新たな添加剤を加えた新たな電解液を有する二次電池を提供すること。【解決手段】電解質と非水溶媒とFSO2NH2を含有し、FSO2NH2の質量%(W)が0.2<W≦2を満足するFSO2NH2含有電解液を有する二次電池。【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電装置に用いられる電解液を有する二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの蓄電装置は、携帯情報端末などの携帯機器や車両の電源として使用されている。蓄電装置は、主な構成要素として、正極、負極及び電解液を備える。電解液は、電解質が非水溶媒である有機溶媒に溶解されたものである。例えば、リチウムイオンを電荷担体とするリチウムイオン二次電池の電解液には、LiPF6等のリチウム塩が電解質として溶解されているのが一般的である。
また、蓄電装置の性能を向上させる目的で、電解質を含む電解液に種々の添加剤を加える研究が盛んに行われている。
特許文献1には、LiPF6を1mol/Lの濃度で含む電解液に対し、リチウムビス(オキサラト)ボレート及び1,2−ビス(ジメチルフルオロシリル)エタンを少量添加した電解液が記載されており、この電解液を用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献2には、LiPF6の濃度が1mol/Lであって、1,3−プロパンスルトンを少量添加した電解液が記載されており、この電解液を用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献2には、LiPF6の濃度が1mol/Lであって、1,3−プロパンスルトンを少量添加した電解液が記載されており、この電解液を用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献3には、LiPF6を1mol/Lの濃度で含む電解液に対し、リチウムジフルオロビスオキサレートホスフェート及びリチウムテトラフルオロオキサレートホスフェートを加えた電解液が記載されており、この電解液を用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献4には、LiPF6を1mol/Lの濃度で含む電解液に対し、フェニルグリシジルエーテルを加えた電解液が記載されており、この電解液を用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献4には、LiPF6を1mol/Lの濃度で含む電解液に対し、フェニルグリシジルエーテルを加えた電解液が記載されており、この電解液を用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献5には、LiPF6を1.2mol/Lの濃度で含む電解液に対し、3,4−ジシアノエトキシ−1−ブテンを加えた電解液が記載されており、この電解液を用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。
上述したように、電解液に種々の添加剤を加える研究が盛んに行われている。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、新たな添加剤を加えた新たな電解液を有する二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、新たな添加剤を加えた新たな電解液を有する二次電池を提供することを目的とする。
試行錯誤の結果、本発明者は、FSO2NH2を少量添加した電解液を採用した二次電池においては、比較的低いSOC(State of charge)における放電抵抗が低いことを知見した。
本発明は、かかる知見に基づき、完成されたものである。
本発明は、かかる知見に基づき、完成されたものである。
本発明のFSO2NH2含有電解液を有する二次電池は、電解質と非水溶媒とFSO2NH2を含有し、FSO2NH2の質量%(W)が0.2<W≦2を満足するFSO2NH2含有電解液を有することを特徴とする。
本発明により、新たな電解液を有する二次電池を提供できる。また、FSO2NH2は、二次電池の抵抗低減剤として機能し得る。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
本発明のFSO2NH2含有電解液を有する二次電池は、電解質と非水溶媒とFSO2NH2を含有し、FSO2NH2の質量%(W)が0.2<W≦2を満足するFSO2NH2含有電解液を有することを特徴とする。
FSO2NH2の質量%が過小であれば、抵抗低減効果が十分に発揮されない場合がある。FSO2NH2の質量%が過大であれば、二次電池の抵抗が増大する場合がある。
Wの好適な範囲として、0.2<W≦1.7、0.2<W≦1.3、0.3≦W≦1.2、0.4≦W≦1.1、0.5≦W≦1を例示できる。
Wの好適な範囲として、0.2<W≦1.7、0.2<W≦1.3、0.3≦W≦1.2、0.4≦W≦1.1、0.5≦W≦1を例示できる。
電解質としては、蓄電装置の電解液に使用される電解質であれば限定されない。電解質のカチオンは、電荷担体となる金属であればよく、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムを例示できる。電解質のアニオンとしては、(FSO2)2N、(CF3SO2)2N、(C2F5SO2)2N、FSO2(CF3SO2)N、(SO2CF2CF2SO2)N、(SO2CF2CF2CF2SO2)N、FSO2(CH3SO2)N、FSO2(C2F5SO2)N、FSO2(C2H5SO2)N、PF6、BF4、B(C6H5)4、BH4、ClO4、AsF6、AlCl4を例示できる。
電解質の濃度としては、0.5〜4mol/L、0.8〜3.5mol/L、1〜3mol/L、1.5〜2.5mol/Lを例示できる。電解質の濃度が高すぎると、電解液の粘度が高くなり、電解液のイオン伝導度が低下する虞がある。
非水溶媒としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロピラン、2−メチルテトラヒドロフラン、クラウンエーテル等のエーテル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、フルオロエチレンカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸ビニル等の鎖状エステル類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル類、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル類、ジメチルサルファイト、ジプロピルサルファイト等の亜硫酸エステル類、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィド類を挙げることができる。非水溶媒としては1種類を採用してもよいし、2種類以上を採用してもよい。
本発明の二次電池におけるFSO2NH2含有電解液には、公知の添加剤が添加されていても良い。
公知の添加剤の一例として、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート等の不飽和環状カーボネート、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物、特許文献1〜特許文献5に記載の添加剤が挙げられる。
公知の添加剤の一例として、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート等の不飽和環状カーボネート、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物、特許文献1〜特許文献5に記載の添加剤が挙げられる。
本発明の二次電池におけるFSO2NH2含有電解液は、蓄電装置に用いられるものである。蓄電装置としては、リチウムイオン二次電池、ナトリウム二次電池、マグネシウム二次電池などの二次電池、リチウムイオン一次電池、ナトリウム一次電池などの一次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどのキャパシタを例示できる。
以下、蓄電装置の代表例であるリチウムイオン二次電池を例に、本発明の二次電池を説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、セパレータ及び本発明のFSO2NH2含有電解液を備える。
正極は、集電体と、集電体の表面に結着させた正極活物質層を有する。
正極は、集電体と、集電体の表面に結着させた正極活物質層を有する。
集電体は、リチウムイオン二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
正極活物質としては、層状岩塩構造のLiaNibCocMndDeOf(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)、LiaNibCocAldDeOf(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはLi、Fe、Cr、Cu、Zn、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Zr、Ti、P、Ga、Ge、V、Mo、Nb、W、Laから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3)、Li2MnO3を挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn2O4等のスピネル構造の化合物、及びスピネル構造の化合物と層状岩塩構造の化合物との混合物で構成される固溶体、LiMPO4、LiMVO4又はLi2MSiO4(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePO4FなどのLiMPO4F(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBO3などのLiMBO3(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の各組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも正極活物質として使用可能である。また、正極活物質として、充放電に寄与するリチウムイオンを含まない正極活物質材料、たとえば、硫黄単体、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiS2などの金属硫化物、V2O5、MnO2などの酸化物、ポリアニリン及びアントラキノン並びにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。
正極活物質としては、容量の点で、層状岩塩構造のリチウム金属複合酸化物を採用するのが好ましい。層状岩塩構造のリチウム金属複合酸化物に関する上記の2つの一般式において、上記b、c及びdの値は、上記条件を満足するものであれば特に制限はないが、bに関して0.3≦b≦0.95、0.45≦b≦0.9、0.5≦b≦0.85、0.5≦b≦0.8を、cに関して0.01≦c≦0.35、0.05≦c≦0.35、0.1≦c≦0.25を、dに関して0.01≦d≦0.35、0.03≦d≦0.25、0.05≦d≦0.2、0.1≦d≦0.15を、それぞれ好適な範囲として例示できる。
a、e、fについては一般式で規定する範囲内の数値であればよく、aは、0.5≦a≦1.5の範囲内が好ましく、0.7≦a≦1.3の範囲内がより好ましく、0.9≦a≦1.2の範囲内がさらに好ましい。e、fについては、0≦e≦0.2、0≦e≦0.1、e=0、1.8≦f≦2.5、1.9≦f≦2.2、f=2を例示することができる。
正極活物質としては、オリビン構造のLiMhPO4(MはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Mg、Zn、V、Ca、Sr、Ba、Ti、Al、Si、B、Te及びMoから選ばれる少なくとも1の元素、0<h<2)を採用するのが好ましい。LiMhPO4は炭素で被覆された状態で正極活物質層に含まれるのが好ましい。
上記LiMhPO4のMは、Mn、Fe、Co、Ni、Mg、V、Teから選ばれる少なくとも1の元素であるのが好ましく、また、hは0.6<h<1.1であるのが好ましい。当該Mは、Mn及び/又はFeであるのがより好ましく、また、h=1であるのがより好ましい。オリビン構造の一般式の具体例としては、例えば、LiFePO4、LiCoPO4、LiNiPO4、LiMnPO4、LiVPO4、LiTePO4、LiV2/3PO4、LiFe2/3PO4、LiMn7/8Fe1/8PO4が挙げられる。
正極活物質として、層状岩塩構造のリチウム金属複合酸化物及びオリビン構造のLiMhPO4を併用してもよい。両者を併用する場合において、層状岩塩構造のリチウム金属複合酸化物とオリビン構造のLiMhPO4との質量比は、70:30〜85:15の範囲内が好ましく、71:29〜80:20の範囲内がより好ましく、72:28〜75:25の範囲内がさらに好ましい。
正極活物質層における正極活物質の配合量は、70〜97質量%の範囲内が好ましく、75〜96質量%の範囲内がより好ましく、80〜95質量%の範囲内がさらに好ましく、85〜95質量%の範囲内が特に好ましい。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)、および各種金属粒子などが例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。
正極活物質層における導電助剤の配合量は、0.5〜10質量%の範囲内が好ましく、1〜5質量%の範囲内がより好ましく、1〜3質量%の範囲内がさらに好ましい。導電助剤が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると正極活物質層の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
結着剤は、活物質や導電助剤を集電体の表面に繋ぎ止め、電極中の導電ネットワークを維持する役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸やその誘導体を包含するポリ(メタ)アクリル系樹脂、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体を例示することができる。これらの結着剤を単独で又は複数で採用すれば良い。
また、国際公開第2016/063882号に開示される、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸などのカルボキシル基含有ポリマーをジアミンなどのポリアミンで架橋した架橋ポリマーを、結着剤として用いてもよい。当該架橋ポリマーはポリ(メタ)アクリル系樹脂の一態様である。
架橋ポリマーに用いられるジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン等の含飽和炭素環ジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ベンジジン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ナフタレンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。
正極活物質層における結着剤の配合量は、0.5〜10質量%の範囲内が好ましく、1〜7質量%の範囲内がより好ましく、2〜5質量%の範囲内がさらに好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
負極は、集電体と、集電体の表面に結着させた負極活物質層を有する。集電体については、正極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。負極活物質層は負極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
負極活物質としては、電荷担体を吸蔵及び放出し得る材料が使用可能である。したがって、リチウムイオンなどの電荷担体を吸蔵及び放出可能である単体、合金又は化合物であれば特に限定はない。たとえば、負極活物質としてLiや、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモン、ビスマスなどの15族元素、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素をそれぞれ単体で採用すればよい。合金又は化合物の具体例としては、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金、Co−Sn合金などの錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料、Si、SiOx(0.2≦x≦1.6)などのSi含有材料、Si含有材料と炭素系材料を組み合わせた複合体が挙げられる。また、負極活物質して、Nb2O5、TiO2、Li4Ti5O12、WO2、MoO2、Fe2O3などの酸化物、又は、Li3−xMxN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。負極活物質として、これらのものの一種以上を使用することができる。
高容量化の可能性の点から、好ましい負極活物質として、黒鉛、Si含有材料を挙げることができる。
負極活物質層における負極活物質の配合量は、70〜99質量%の範囲内が好ましく、80〜98質量%の範囲内がより好ましく、90〜97質量%の範囲内がさらに好ましい。
負極に用いる導電助剤については、正極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。負極活物質層における導電助剤の配合量は、0.1〜5質量%の範囲内が好ましく、0.3〜4質量%の範囲内がより好ましく、0.5〜3質量%の範囲内がさらに好ましい。
負極に用いる結着剤については、正極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。負極活物質層における結着剤の配合量は、0.5〜10質量%の範囲内が好ましく、1〜5質量%の範囲内がより好ましく、2〜3質量%の範囲内がさらに好ましい。
集電体の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、溶剤、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を混合し、スラリーを調製する。上記溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。該スラリーを集電体の表面に塗布後、乾燥する。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
次に、リチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
正極及び負極でセパレータを挟んで電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から、外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電極に含まれる活物質の種類に適した電圧範囲で充放電を実行されればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、たとえば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例および比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
ジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートをモル比9:1で混合して、混合溶媒とした。混合溶媒に電解質である(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が2.4mol/Lの電解液を製造した。当該電解液に対して1質量%に該当する量のFSO2NH2を添加して溶解した電解液を用いて、下記方法により、実施例1のリチウムイオン二次電池とした。
ジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートをモル比9:1で混合して、混合溶媒とした。混合溶媒に電解質である(FSO2)2NLiを溶解して、(FSO2)2NLiの濃度が2.4mol/Lの電解液を製造した。当該電解液に対して1質量%に該当する量のFSO2NH2を添加して溶解した電解液を用いて、下記方法により、実施例1のリチウムイオン二次電池とした。
正極活物質として層状岩塩構造のLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2を67.5質量部、正極活物質として炭素被覆されたオリビン構造のLiFePO4を22.5質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部、導電助剤として鱗片状の黒鉛を3質量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを2質量部、及び、適量のN−メチル−2−ピロリドンを混合して、スラリーを製造した。正極用集電体としてアルミニウム箔を準備した。アルミニウム箔の表面に、ドクターブレードを用いて上記スラリーを膜状に塗布した。スラリーが塗布されたアルミニウム箔を乾燥することで、N−メチル−2−ピロリドンを除去した。その後、当該アルミニウム箔をプレスし接合物を得た。得られた接合物を乾燥機で加熱乾燥して、正極活物質層が集電体上に形成された正極を製造した。
負極活物質として黒鉛97.5質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを1質量部、結着剤であるスチレンブタジエンゴム及びカルボキシメチルセルロースを合計で1.5質量部、並びに、適量のイオン交換水を混合して、スラリーを製造した。負極用集電体として銅箔を準備した。この銅箔の表面に、ドクターブレードを用いて、上記スラリーを膜状に塗布し、これを乾燥して水を除去した。その後、銅箔をプレスし、接合物を得た。得られた接合物を真空乾燥機で加熱乾燥して、負極活物質層が集電体上に形成された負極を製造した。
セパレータとして、ポリオレフィン製の多孔質膜を準備した。
正極と負極とでセパレータを挟持し、極板群とした。この極板群を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに、上述の電解液を注入した。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、極板群および電解液が密閉された実施例1のリチウムイオン二次電池を製造した。
正極と負極とでセパレータを挟持し、極板群とした。この極板群を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに、上述の電解液を注入した。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、極板群および電解液が密閉された実施例1のリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例1)
FSO2NH2を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1のリチウムイオン二次電池を製造した。
FSO2NH2を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1のリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例2)
FSO2NH2の添加量を3質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2のリチウムイオン二次電池を製造した。
FSO2NH2の添加量を3質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2のリチウムイオン二次電池を製造した。
(評価例1)
実施例1、比較例1及び比較例2のリチウムイオン二次電池につき、充電を行った後に、SOC(State of charge)27%まで放電させた。SOC27%の各リチウムイオン二次電池を、15Cにて2秒間放電させた。放電前後の電圧変化量と電流値から、オームの法則にて、抵抗を算出した。
結果を表1及び図1に示す。図1には、二次の多項式関数に関する近似曲線も記載した。
実施例1、比較例1及び比較例2のリチウムイオン二次電池につき、充電を行った後に、SOC(State of charge)27%まで放電させた。SOC27%の各リチウムイオン二次電池を、15Cにて2秒間放電させた。放電前後の電圧変化量と電流値から、オームの法則にて、抵抗を算出した。
結果を表1及び図1に示す。図1には、二次の多項式関数に関する近似曲線も記載した。
表1及び図1から、FSO2NH2の適切な量の添加にて、リチウムイオン二次電池の抵抗が低減することがわかる。
Claims (2)
- 電解質と非水溶媒とFSO2NH2を含有し、FSO2NH2の質量%(W)が0.2<W≦2を満足するFSO2NH2含有電解液を有する二次電池。
- 0.2<W≦1.7を満足する請求項1に記載の二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018223690A JP2020087825A (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | Fso2nh2含有電解液を有する二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018223690A JP2020087825A (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | Fso2nh2含有電解液を有する二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020087825A true JP2020087825A (ja) | 2020-06-04 |
Family
ID=70908725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018223690A Pending JP2020087825A (ja) | 2018-11-29 | 2018-11-29 | Fso2nh2含有電解液を有する二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020087825A (ja) |
-
2018
- 2018-11-29 JP JP2018223690A patent/JP2020087825A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101320381B1 (ko) | 수계 바인더를 포함하는 음극을 구비한 리튬 이차전지 | |
JP5797993B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
CN104078708B (zh) | 预掺杂剂、使用该预掺杂剂的蓄电装置及其制造方法 | |
KR102328257B1 (ko) | 리튬-황 전지용 바인더, 이를 포함하는 양극 및 리튬-황 전지 | |
JP2015090845A (ja) | リチウムイオン二次電池用負極活物質、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 | |
KR101590678B1 (ko) | 리튬 이차전지용 음극 활물질 및 이를 포함하는 리튬 이차전지 | |
JP6801167B2 (ja) | 非水電解質二次電池用電極 | |
KR101588624B1 (ko) | 전극 전도도가 향상된 전극 및 이의 제조방법 | |
KR102567961B1 (ko) | 리튬-황 전지의 제조방법 및 이를 이용한 리튬-황 전지 | |
KR20120068969A (ko) | 비수 전해액형 리튬 이온 2차 전지 | |
US9991563B2 (en) | Energy storage device and energy storage apparatus | |
CN111081991A (zh) | 锂离子二次电池用正极材料、正极以及锂离子二次电池 | |
KR20200132248A (ko) | 황-탄소 복합체 및 이를 포함하는 리튬-황 전지 | |
JP5564872B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
KR101495301B1 (ko) | 이차전지용 전극 및 이를 포함하는 이차전지 | |
JP2015219999A (ja) | 正極、蓄電装置および正極の製造方法 | |
JP2013197052A (ja) | リチウムイオン蓄電デバイス | |
KR101527532B1 (ko) | 리튬 확산성이 향상된 전극 활물질 및 이를 포함하는 리튬 이차전지 | |
JP2020514954A (ja) | 正極活物質の製造方法及びこれを用いた正極活物質及びリチウム二次電池 | |
CN115803915A (zh) | 锂电极及包含该锂电极的锂二次电池 | |
JP2014026868A (ja) | 非水電解液二次電池用正極、及び非水電解液二次電池 | |
JP7062151B2 (ja) | 負極活物質の製造方法及びこれを用いた負極活物質及びリチウム二次電池 | |
US20200058961A1 (en) | Nonaqueous electrolyte secondary battery and method for producing same | |
JP2020087825A (ja) | Fso2nh2含有電解液を有する二次電池 | |
JP2021002448A (ja) | 負極材、負極、電池セル |