JP2020087639A - 質量分析装置、イオン発生タイミング制御方法およびイオン発生タイミング制御プログラム - Google Patents

質量分析装置、イオン発生タイミング制御方法およびイオン発生タイミング制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】イオントラップに印加される矩形波電圧の波形の歪を抑制可能であり、且つ、効果的にイオントラップにイオンを追加導入可能な質量分析装置を提供することを課題とする。【解決手段】質量分析装置は、イオン源と、イオン源から発生したイオンを捕捉するイオントラップと、イオントラップから放出されたイオンを検出する検出部と、イオントラップにおいて捕捉電場を形成するために印加される周期的な電圧の制御、および、イオン源から発生するイオンの発生タイミングを制御する制御部とを備える。制御部は、周期的な電圧の一周期にN回(Nは2以上の整数)の位相タイミングが設定され、N回の位相タイミングが周期的な電圧のそれぞれ異なる周期に割り当てられて、周期的な電圧の印加を継続させている間に、N回の位相タイミングにおいてイオン源からイオンを発生させるイオン発生タイミング制御部含む。【選択図】図5

Description

本発明は、質量分析装置、質量分析装置において用いられるイオン発生タイミング制御方法およびイオン発生タイミング制御プログラムに関する。
質量分析装置は、試料をイオン化するイオン源、イオン源から発生したイオンを質量分離するイオン分離部、および、イオン分離部において質量分離されたイオンを検出する検出部を備える。そして、イオン源として、MALDI(マトリクス支援レーザ脱離イオン化法)を利用するMALDIイオン源を用いるとともに、イオン分離部としてイオントラップを用いる質量分析装置が知られている。
MALDIイオン源において、試料・マトリクス混合物に紫外光であるレーザ光が照射される。レーザ光はパルス状に照射され、これによって、MALDIイオン源からはパルス状にイオンが発生する。
MALDIイオン源から発生したイオンは、イオントラップに導入される。イオントラップのリング電極には矩形波電圧が印加され、イオントラップ内のイオントラップ領域においてイオンが捕捉される。イオントラップ内には予めクーリングガスが供給されており、捕捉されたイオンの運動エネルギーがクーリングガスによって減少する。これにより、イオンがイオントラップ内で安定的に捕捉される。そして、イオントラップのエンドキャップ電極に高周波電圧が印加されることにより、特定質量のイオンが共鳴励起(励振)し、励振したイオンがイオントラップから排出される。
イオントラップから排出された特定質量のイオンは、検出部において検出される。検出部において検出されたイオンはデータ処理装置において質量分析される。下記特許文献1においては、MALDIイオン源およびイオントラップを備えた質量分析装置が開示されている。
特許第4894916号公報
上述したように、イオントラップのリング電極に矩形波電圧が印加されることで、イオントラップ内でイオンが捕捉される。しかし、リング電極に矩形波電圧が印加されている状態では、効率的にイオンがイオントラップ内に導入されない。そこで、リング電極に印加される矩形波電圧を一旦0Vとして、イオンがイオントラップ内に導入された後に、矩形波電圧を立ち上げるという方法がある。しかし、矩形波電圧を0Vから立ち上げる方法では、立ち上げ時に電源部における電流負荷の変化が大きくなるため、矩形波電圧の波形が歪む場合がある。イオンの捕捉を効率的に行うためには、矩形波電圧が歪みのない波形であることが望ましい。
また、一般的にMALDIイオン源では、1回のレーザ光照射によって発生するイオンの量が充分でないことが多い。このため、1回の質量分析により得られる質量スペクトルが要求されるS/N比を満たさない場合がある。そこで、上記特許文献1の質量分析装置では、イオントラップにイオンが捕捉された状態で、イオンが追加導入される。
しかし、上述したように、リング電極に矩形波電圧が印加されている状態では、効率的にイオンがイオントラップ内に導入されない。これは、イオントラップにおいてイオンを捕捉している間、イオントラップには電場が形成されているからである。したがって、イオンが捕捉されている状態でイオンを追加導入するためには、イオントラップに印加される矩形波電圧の位相と試料に照射するレーザ光の照射タイミングを同期させる必要がある。特許文献1の質量分析装置では、イオントラップに捕捉されたイオンがイオントラップ領域の中央に向かうタイミングでイオントラップにイオンが追加導入されるように、レーザ光の照射タイミングが制御される。つまり、イオントラップ領域内で、イオン雲が拡大状態から収縮状態に変化しようとするタイミングでイオンがイオントラップに到達するように、レーザ光の照射タイミングが制御される。これにより、特許文献1の質量分析装置は、1回の質量分析によって得られる質量スペクトルのS/N比を向上させることができる。特許文献1における質量分析装置は、特定の質量のイオンをイオントラップに追加導入する方法としては有効である。
本発明の目的は、イオントラップに印加される矩形波電圧の波形の歪を抑制可能であり、且つ、効果的にイオントラップにイオンを追加導入可能な質量分析装置、イオン発生タイミング制御方法およびイオン発生タイミング制御プログラムを提供することである。
(1)本発明の一の局面に従う質量分析装置は、イオンを発生させるイオン源と、イオン源から発生したイオンを捕捉するイオントラップと、イオントラップから放出されたイオンを検出する検出部と、イオントラップにおいて捕捉電場を形成するために印加される周期的な電圧の制御、および、イオン源から発生するイオンの発生タイミングを制御する制御部とを備える。制御部は、周期的な電圧の一周期にN回(Nは2以上の整数)の位相タイミングが設定され、N回の位相タイミングが周期的な電圧のそれぞれ異なる周期に割り当てられて、周期的な電圧の印加を継続させている間に、N回の位相タイミングにおいてイオン源からイオンを発生させるイオン発生タイミング制御部含む。
この質量分析装置によれば、イオントラップにおいて周期的な電圧の印加が継続されている間に、N回の位相タイミングにおいてイオン源からパルス状のイオンが発生する。イオン源から発生したパルス状のイオンがイオントラップに導入されるとき、周期的な電圧の波形に歪が生じることが抑制される。これにより、イオン源から導入されたイオンが効率良くイオントラップ内で捕捉される。
また、この質量分析装置によれば、N回の位相タイミングにおいてイオン源から発生したイオンがイオントラップに捕捉される。イオントラップにN回のレーザ光照射によって発生したイオンが捕捉されるので、1回の質量分離・検出処理で得られるイオンの量が増加する。
N回の位相タイミングにおいてイオン源からイオンが発生するとき、イオントラップには周期的な電圧が印加されている。つまり、N回の位相タイミングにおいてイオン源からイオンが発生するとき、イオントラップ内には捕捉電場が形成されている。したがって、イオントラップ内のイオン雲が拡大状態から縮小状態に変化しているときに到達するイオンはイオントラップ内に導入され易いが、イオントラップ内のイオン雲が縮小状態から拡大状態に変化しているときに到達するイオンはイオントラップ内に導入され難い。そして、イオン源から発生したイオンがイオントラップに到達する時間はイオンの質量に依存する。そこで、この質量分析装置は、周期的な電圧の一周期にN回の位相タイミングが設定されるので、特定の質量に限られることなく、広い範囲の質量のイオンがイオントラップにおいて捕捉される。
この質量分析装置において、イオントラップにおいて補足電場を形成するために印加される周期的な電圧は矩形波を含んでもよい。
イオン発生タイミング制御部は、周期的な電圧の一周期をN等分することにより、N回の位相タイミングを設定してもよい。周期的な電圧の一周期の中でN回の位相タイミングが偏りなく設定される。特定の質量に限られることなく、広い範囲の質量のイオンがイオントラップにおいて捕捉される。
イオン発生タイミング制御部は、クーリング期間を空けてN回の位相タイミングを割り当てる電圧の周期を設定してもよい。
N回の位相タイミングが、クーリング期間を空けて設定される。ある位相タイミングで発生したイオンがイオントラップにおいて捕捉された後、イオントラップ外部のクーリングガスの濃度が薄まってから次の位相タイミングでイオンが導入される。イオントラップの外部、特に、イオントラップへのイオンの導入口付近のクーリングガスの濃度が薄まることで、効率的に追加のイオンがイオントラップ内に導入される。
イオン源は、MALDI(マトリクス支援レーザ脱離イオン化法)を利用するMALDIイオン源を含んでもよい。
本発明の他の局面に従うイオン発生タイミング制御方法は、周期的な電圧を印加することにより、イオントラップにおいてイオン源から発生したイオンを捕捉するための捕捉電場を形成することと、周期的な電圧の一周期にN回(Nは2以上の整数)の位相タイミングが設定され、N回の位相タイミングが周期的な電圧のそれぞれ異なる周期に割り当てられて、周期的な電圧の印加を継続させている間に、N回の位相タイミングにおいてイオン源からイオンを発生させることと、を含む。
本発明のさらに他の局面に従うイオン発生タイミング制御プログラムは、イオントラップにおいてイオン源から発生したイオンを捕捉するための捕捉電場を形成するために印加される周期的な電圧を制御する処理と、周期的な電圧の一周期にN回(Nは2以上の整数)の位相タイミングが設定され、N回の位相タイミングが周期的な電圧のそれぞれ異なる周期に割り当てられて、周期的な電圧の印加を継続させている間に、N回の位相タイミングにおいてイオン源からイオンを発生させる処理とを、コンピュータに実行させる。
本発明によれば、イオントラップを利用した質量分析装置において、イオントラップに印加される矩形波電圧の波形の歪を抑制すること、および、効果的にイオントラップにイオンを追加導入することが可能である。
図1は、本実施の形態に係る質量分析装置の全体構成図である。 図2は、制御部および制御部周辺の機能部を示すブロック図である。 図3は、リング電極に印加される矩形波電圧、クーリングガスの発生パルス信号およびレーザ光の発生パルス信号PMのタイミングチャートである。 図4は、リング電極に印加される矩形波電圧の一周期の電圧値とレーザ光照射の位相タイミングとの関係を示す図である。 図5は、クーリングガスの発生パルス信号およびレーザ光の発生パルス信号PMのタイミングチャートである。 図6は、本実施の形態に係るイオン発生タイミング制御方法を示すフローチャートである。 図7は、本実施の形態に係るイオン発生タイミング制御方法によって得られる質量スペクトルを示す図である。
(1)質量分析装置の全体構成
図1は、本実施の形態に係る質量分析装置10の全体構成図である。本実施の形態においては、質量分析装置10は、マトリクス支援レーザ脱離イオン化デジタルイオントラップ型質量分析装置(MALDI−DIT−MS)である。質量分析装置10は、MALDI(マトリクス支援レーザ脱離イオン化法)を利用するMALDIイオン源1、イオントラップ2、検出部3、データ処理部4、制御部5、入力部7および表示部8を備える。MALDIイオン源1が本発明におけるイオン源の例である。
MALDIイオン源1は、試料プレート11上に用意された試料・マトリクス混合物12に、紫外光であるレーザ光を照射する。マトリクスとしては、例えば、CHCA(α−cyano−4−hydroxycinnamic acid)が利用される。MALDIイオン源1は、レーザ光照射部13、反射鏡14、アパーチャ15およびアインツェルレンズ16を備える。
レーザ光照射部13は、試料プレート11上の試料・マトリクス混合物12に照射するレーザ光を出力する。レーザ光としては例えば窒素レーザやYAGレーザが使用される。反射鏡14は、レーザ光照射部13から出力されたレーザ光の光路を、試料・マトリクス混合物12に向う方向へと変更する。反射鏡14において光路が変更されたレーザ光は、試料プレート11上の試料・マトリクス混合物12に集光される。
アパーチャ15は、試料プレート11とイオントラップ2との間に配置される。アパーチャ15は、試料・マトリクス混合物12から発生したイオンの周囲への拡散を遮蔽する。アインツェルレンズ16は、アパーチャ15を通過したイオンをイオントラップ2まで輸送するためのイオン輸送光学系である。イオン輸送光学系としては、静電レンズ光学系等、アインツェルレンズ16以外の各種の構成が用いられてもよい。
イオントラップ2は3次元四重極型のイオントラップである。イオントラップ2は、内周面が回転1葉双曲面形状である円環状のリング電極21および内周面が回転2葉双曲面形状である一対のエンドキャップ電極22,23を備える。イオントラップ領域24が、リング電極21およびエンドキャップ電極22,23で囲まれた空間に形成されている。エンドキャップ電極22の中央にはイオン導入口25が設けられている。エンドキャップ電極23の中央にはイオン排出口26が設けられている。
イオントラップ2は、また、捕捉電圧発生部61、補助電圧発生部62およびクーリングガス供給部63を備える。捕捉電圧発生部61は、リング電極21に所定周波数の矩形波電圧を印加する。補助電圧発生部62は、一対のエンドキャップ電極22,23にそれぞれ所定の電圧(直流電圧または高周波電圧)を印加する。クーリングガス供給部63は、イオントラップ2内にクーリングガスを供給する。クーリングガスとしては一般的には不活性ガスが用いられ、イオントラップ2内のイオンがクーリングされる。
検出部3は、コンバージョンダイノード31および二次電子増倍管32を備える。コンバージョンダイノード31は、イオン排出口26の外側に設けられ、イオントラップ2から排出されたイオンを電子に変換する。二次電子増倍管32は、コンバージョンダイノード31において変換された電子を増倍して検出する。検出部3は、正イオンおよび負イオンの両方のイオンを検出可能である。検出部3において検出された電子は、検出信号としてデータ処理部4に与えられる。データ処理部4は、検出部3から受け取った検出信号をデジタルの検出信号に変換し、デジタルの検出信号に基づいて分析処理を実行する。データ処理部4は、分析処理の一つとして、検出信号に基づいてイオンの質量スペクトルを生成する。
制御部5は、イオン発生タイミング制御部51を備える。イオン発生タイミング制御部51の機能については後述する。入力部7は、オペレータによる制御部5に対する各種の操作を受け付ける。表示部8は、質量分析装置10における各種の設定情報、データ処理部4によるデータ処理結果等を表示する。
図2は、制御部5および制御部5の周辺の構成を示すブロック図である。制御部5は、CPU101、ROM102、RAM103および記憶装置104を備える。CPU101は、ROM102に記憶されている制御プログラムに基づいて質量分析装置10の制御を行う。CPU101は、制御プログラムを実行することにより、捕捉電圧発生部61および補助電圧発生部62を制御し、イオントラップ2内においてMALDIイオン源1から供給されたイオンを捕捉させる。CPU101は、また、制御プログラムを実行することにより、クーリングガス供給部63を制御し、イオントラップ2内にクーリングガスを供給して、イオントラップ2内のイオンをクーリングさせる。CPU101は、また、制御プログラムを実行することにより、レーザ光照射部13を制御し、試料・マトリクス混合物12に向けてレーザ光を照射させる。
(2)質量分析装置の動作
上記の構成を有する質量分析装置10は、以下の動作により質量スペクトルを得る。制御部5の制御により、レーザ光照射部13が試料・マトリクス混合物12に向けてレーザ光を照射する。レーザ光の照射タイミングは、イオン発生タイミング制御部51により制御される。レーザ光の照射タイミングの制御方法については後述する。試料・マトリクス混合物12から発生したイオンは、アパーチャ15およびアインツェルレンズ16を通過して、イオン導入口25からイオントラップ2内に導入される。
制御部5の制御により、捕捉電圧発生部61が、リング電極21に所定周波数の矩形波電圧を印加する。矩形波電圧によって形成された捕捉電場によって、導入されたイオンがイオントラップ領域24において捕捉される。矩形波電圧の印加タイミングは、イオン発生タイミング制御部51により制御される。本実施の形態においては、イオンがイオントラップ2内に導入される前の段階で、イオン発生タイミング制御部51は、捕捉電圧発生部61を制御し、リング電極21に対して矩形波電圧を印加させる。また、イオンがイオントラップ2内に導入されるのに先立って、制御部5の制御により、クーリングガス供給部63がイオントラップ2内にクーリングガスを供給する。クーリングガス供給部63によるクーリングガスの供給タイミングは、イオン発生タイミング制御部51により制御される。イオントラップ2内に導入されたイオンは、クーリングガスに衝突して運動エネルギーが減少し、イオントラップ領域24内で捕捉され易い状態となる。
イオントラップ2内にイオンが捕捉された状態で、イオン発生タイミング制御部51の制御により、再び、レーザ光照射部13が、試料・マトリクス混合物12にレーザ光を照射する。これにより、MALDIイオン源1から発生したイオンが、追加的にイオントラップ2内に導入される。イオンがイオントラップ2内で捕捉されている状態、つまり、リング電極21に対して矩形波電圧が印加されている状態では、追加のイオンが効率的にイオントラップ2内に導入されない。そこで、本実施の形態の質量分析装置10においては、イオン発生タイミング制御部51が、追加のイオンを効率的にイオントラップ2内に導入するためにレーザ光の照射タイミングを制御する。イオン発生タイミング制御部51が、追加のイオンを導入するタイミングを制御する方法については後述する。
リング電極21に矩形波電圧が印加された状態で、制御部5の制御により、補助電圧発生部62がエンドキャップ電極22,23に対して高周波電圧を印加する。これにより、特定の質量を有するイオンが共鳴励起(励振)する。励振した特定質量を有するイオンは、イオン排出口26から排出され、検出部3において検出される。検出部3において検出されたイオンの検出信号は、データ処理部4に与えられる。
捕捉電圧発生部61がリング電極21に印加する矩形波電圧の周波数および補助電圧発生部62がエンドキャップ電極22,23に印加する高周波電圧の周波数が、制御部5の制御によって走査されることで、イオン排出口26から排出されるイオンの質量が走査される。これにより、質量走査されて順に排出されるイオンが検出部3において検出される。これにより、データ処理部4は検出部3から与えられる検出信号に基づいて質量スペクトルを取得する。
(3)イオン発生タイミング制御方法
次に、本実施の形態に係るイオン発生タイミング制御方法について説明する。図2に示すように、記憶装置104には、イオン発生タイミング制御プログラムP1が記憶されている。図1に示したイオン発生タイミング制御部51は、CPU101が、RAM103を作業領域として使用しつつ、イオン発生タイミング制御プログラムP1を実行することによって実現される機能部である。
図3は、リング電極21に印加される矩形波電圧VT、制御部5がクーリングガス供給部63に対して出力するクーリングガスの発生パルス信号PGおよび制御部5がレーザ光照射部13に出力するレーザ光の発生パルス信号PMのタイミングチャートである。図3の例では、クーリングガスとしてヘリウムガスが用いられる。図3は、具体的には、1回目のクリーンガスの供給と1回目のレーザ光の照射のタイミングを示す図である。イオン発生タイミング制御部51は、以下に示すように、リング電極21に矩形波電圧VTを印加するタイミング、イオントラップ2内にクーリングガスを供給するタイミング、および、レーザ光照射部13によりレーザ光を照射するタイミングを制御する。
図3に示すように、イオン発生タイミング制御部51は、捕捉電圧発生部61を制御することにより、1回目のレーザ光の照射前に、リング電極21に対する矩形波電圧VTの印加を開始する。図3におけるスタンバイ期間(prestandby)は、1回目のレーザ光の照射前に矩形波電圧VTが印加されている期間を示す。
図3に示すように、スタンバイ期間の後は、1回目のレーザ光照射期間(Laser−1)である。イオン発生タイミング制御部51は、1回目のレーザ光照射期間(Laser−1)において、クーリングガス供給部63を制御し、イオントラップ2内にクーリングガスを供給させる。続いて、イオン発生タイミング制御部51は、1回目のレーザ光照射期間(Laser−1)において、レーザ光照射部13を制御し、試料・マトリクス混合物12にレーザ光を照射させる。このように、1回目のレーザ光照射期間(Laser−1)において、クーリングガスの供給に続いてレーザ光の照射が行われる。
図3に示すように、1回目のレーザ光照射期間(Laser−1)の後は、1回目のクーリング期間(Cooling−1)である。1回目のクーリング期間(Cooling−1)の間、イオントラップ2内に捕捉されたイオンは検出部3に対して排出されることなく、イオントラップ2内に保持される。したがって、イオン発生タイミング制御部51は捕捉電圧発生部61を制御し、図3に示すように、1回目のクーリング期間(Cooling−1)の間も矩形波電圧の印加を継続させる。
図4は、リング電極21に印加される矩形波電圧VTの一周期の電圧値とレーザ光の位相タイミングP(1),P(2),P(3)との関係を示す図である。本実施の形態においては、3回のレーザ光照射によって発生したイオンがイオントラップ2内で捕捉される。図4に示すように、イオン発生タイミング制御部51は、レーザ光照射部13を制御し、3回の位相タイミングP(1),P(2),P(3)において、レーザ光を照射させる。
3回の位相タイミングP(1),P(2),P(3)は、リング電極21に印加される矩形波電圧VTの異なる周期に割り当てられる。図4においては、3回の位相タイミングP(1),P(2),P(3)を矩形波電圧VTの同一周期内に図示しているが、実際には、3回の位相タイミングP(1),P(2),P(3)は矩形波電圧VTの異なる周期に割り当てられる。
図4の例では、矩形波電圧VTの一周期をTμsとすると、3回の位相タイミングP(1),P(2),P(3)は、(T/3)μs間隔で設定される。なお、1回目の位相タイミングP(1)は、任意のタイミングでよい。言い換えると、1回目の位相タイミングP(1)は、矩形波電圧VTの一周期の中でどのタイミングであってもよい。図4の例では、1回目の位相タイミングP(1)は、矩形波電圧VTの一周期の開始からAμs後である。したがって、2回目の位相タイミングP(2)は、矩形波電圧Vの一周期の開始から(A+T/3)μsである。3回目の位相タイミングP(2)は、矩形波電圧Vの一周期の開始から(A+2T/3)μsである。開始タイミングAは、自由に設定することができる。
図5は、制御部5がクーリングガス供給部63に対して出力するクーリングガスの発生パルス信号PGおよび制御部5がレーザ光照射部13に出力するレーザ光の発生パルス信号PMのタイミングチャートである。図5は、具体的には、1回目〜3回目のクリーンガスの供給と1回目〜3回目のレーザ光の照射のタイミングを示す図である。図では、リング電極21に印加される矩形波電圧VTの記載を省略しているが、図5における全期間において、リング電極21に矩形波電圧VTが印加されている。つまり、捕捉電圧発生部61は、図5の全ての期間において、図3で示した場合と同様に矩形波電圧VTを印加する。
図5は、1回目〜3回目のレーザ光照射期間(Laser−1〜Laser−3)を示している。また、図5は、1回目および2回目のクーリング期間(Cooling−1およびCooling−2)を示している。
まず、1回目のレーザ光照射期間(Laser−1)において、1回目のクーリングガスの供給が行われる。続いて、1回目のレーザ光照射期間(Laser−1)における1回目の位相タイミングP(1)において、レーザ光照射部13が試料・マトリクス混合物12にレーザ光を照射する。なお、1回目のレーザ光照射期間(Laser−1)の前は、図3に示したスタンバイ期間(prestanby)であり、捕捉電圧発生部61による矩形波電圧VTの印加が開始されている。
1回目のレーザ光照射期間(Laser−1)の後、1回目のクーリング期間(Cooling−1)が設定される。1回目のクーリング期間(Cooling−1)の間、捕捉電圧発生部61による矩形波電圧VTの印加が継続されている。このように、クーリング期間を設けるのは、イオントラップ2の外部、特にイオン導入口25付近にクーリングガスが広がっている状態では、次のイオンの導入が効率的に行えないからである。なお、1回目のクーリングガスの供給の直後に1回目のレーザ光が照射されるが、この時点ではクーリングガスは未だイオントラップ2の外部にまで広がっていないため、イオンが効率よくイオントラップ2内に導入される。この後の2回目、3回目のクーリングガスの供給およびレーザ光の照射においても、同様、クーリングガスの供給直後はイオンがイオントラップ2内に効率良く導入される。その後は、クーリングガスがイオントラップ2の外部に広がるため、次のイオンを導入するためには、イオントラップ2の外部のクーリングガスの濃度が薄まるまでクーリング期間を設ける必要がある。
1回目のクーリング期間(Cooling−1)の後、2回目のレーザ光照射期間(Laser−2)が設定される。2回目のレーザ光照射期間(Laser−2)において、2回目のクーリングガスの供給が行われる。続いて、2回目のレーザ光照射期間(Laser−2)における2回目の位相タイミングP(2)において、レーザ光照射部13が試料・マトリクス混合物12にレーザ光を照射する。2回目の位相タイミングP(2)は、1回目の位相タイミングP(1)より、(T/3)μsだけ遅い位相のタイミングである。2回目のレーザ光の照射によって、イオントラップ2内には、1回目および2回目のレーザ光の照射によって発生したイオンが捕捉される。
2回目のレーザ光照射期間(Laser−2)の後、2回目のクーリング期間(Cooling−2)が設定される。2回目のクーリング期間(Cooling−2)の間も、同様に、捕捉電圧発生部61による矩形波電圧VTの印加が継続されている。
2回目のクーリング期間(Cooling−2)の後、3回目のレーザ光照射期間(Laser−3)が設定される。3回目のレーザ光照射期間(Laser−3)において、3回目のクーリングガスの供給が行われる。続いて、3回目のレーザ光照射期間(Laser−3)における3回目の位相タイミングP(3)において、レーザ光照射部13が試料・マトリクス混合物12にレーザ光を照射する。3回目の位相タイミングP(3)は、2回目の位相タイミングP(2)より、(T/3)μsだけ遅い位相のタイミングである。3回目のレーザ光の照射によって、イオントラップ2内には、1回目〜3回目のレーザ光の照射によって発生したイオンが捕捉される。
3回目のレーザ光照射期間(Laser−3)の後、補助電圧発生部62がエンドキャップ電極22,23に対して高周波電圧を印加する。これにより、上述したように、励振した特定質量を有するイオンが検出部3において検出される。そして、質量走査されて順に排出されるイオンが検出部3において検出される。
図6は、本実施の形態に係るレーザ光強度調整方法を示すフローチャートである。まず、イオン発生タイミング制御部51は、捕捉電圧発生部61を制御し、リング電極21に対して所定周波数の矩形波電圧を印加させる。これにより、イオントラップ2内には捕捉電場が形成される(ステップS1)。
次に、イオン発生タイミング制御部51は、1回目の位相タイミングP(1)において、レーザ光照射部13に対して、レーザ光照射用のパルス信号を出力する(ステップS2)。これにより、レーザ光照射部13が試料・マトリクス混合物12にレーザ光を照射する。なお、図5を用いて説明したように、レーザ光の照射に先立って、イオントラップ2内にはクーリングガスが供給される。
ステップS2の後、イオン発生タイミング制御部51は、クーリング期間が経過したか否かを判定する(ステップS3)。クーリング期間が経過したと判定された場合、イオン発生タイミング制御部51は、2回目の位相タイミングP(2)において、レーザ光照射部13に対して、レーザ光照射用のパルス信号を出力する(ステップS4)。これにより、レーザ光照射部13が試料・マトリクス混合物12にレーザ光を照射する。なお、1回目と同様、レーザ光の照射に先立って、イオントラップ2内にはクーリングガスが供給される。
ステップS4の後、イオン発生タイミング制御部51は、全ての位相タイミングによるレーザ光照射を終了したか否かを判定する(ステップS5)。図5の例であれば、位相タイミングはP(1)〜P(3)の3回である。この場合、イオン発生タイミング制御部51は、ステップS3およびステップS4を実行し、3回目の位相タイミングP(3)についての処理を実行する。全ての位相タイミングを終了すると、イオン発生タイミング制御部51は処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態の質量分析装置10によれば、イオントラップ2において周期的な電圧の印加が継続されている間に、N回(上記の例では3回)の位相タイミングにおいてMALDIイオン源1からパルス状のイオンが発生する。MALDIイオン源1から発生したパルス状のイオンがイオントラップ2に導入されるとき、周期的な電圧の波形に歪が生じることが抑制される。つまり、上記の例であれば、1回目のレーザ光照射期間(Laser−1)の前のスタンバイ期間(prestanbay)において既にリング電極21には矩形波電圧が印加されている。したがって、1回目のレーザ光が照射されるタイミングにおいては、矩形波電圧の波形が整っている。これにより、MALDIイオン源1から導入されたイオンが効率良くイオントラップ2内で捕捉される。
また、本実施の形態の質量分析装置10によれば、N回(上記の例では3回)の位相タイミングにおいてMALDIイオン源1から発生したイオンがイオントラップ2に捕捉される。イオントラップ2にN回のレーザ光照射によって発生したイオンが捕捉されるので、1回の質量分離・検出処理で得られるイオンの量が増加する。
N回の位相タイミングにおいてMALDIイオン源1からイオンが発生するとき、リング電極21には矩形波電圧が印加されている。つまり、N回の位相タイミングにおいてMALDIイオン源1からイオンが発生するとき、イオントラップ2内には捕捉電場が形成されている。したがって、イオントラップ2内のイオン雲が拡大状態から縮小状態に変化しているときに到達するイオンはイオントラップ2内に導入され易いが、イオントラップ2内のイオン雲が縮小状態から拡大状態に変化しているときに到達するイオンはイオントラップ2内に導入され難い。そして、MALDIイオン源1から発生したイオンがイオントラップ2に到達する時間はイオンの質量に依存する。そこで、本実施の形態の質量分析装置10は、周期的な電圧の一周期にN回の位相タイミングが設定されるので、特定の質量に限られることなく、広い範囲の質量のイオンがイオントラップ2において捕捉される。回数Nの数値を大きくすることで、より広い範囲の質量のイオンがイオントラップ2において捕捉される。
(4)N回の位相タイミングで発生したイオンの質量スペクトル
図7は、本実施の形態に係るイオン発生タイミング制御方法によって得られる質量スペクトルを示す図である。図7(a)は、図5で示した1回目の位相タイミングP(1)においてのみレーザ光を照射させることによって検出されたイオンの質量スペクトルである。図7(b)は、図5で示した2回目の位相タイミングP(2)においてのみレーザ光を照射させることによって検出されたイオンの質量スペクトルである。図7(c)は、図5で示した3回目の位相タイミングP(3)においてのみレーザ光を照射させることによって検出されたイオンの質量スペクトルである。つまり、図7(a)〜図7(c)は、それぞれ1回のレーザ光照射で発生したイオンから分析された質量スペクトルである。図7(d)は、図5で示した1回目〜3回目の全ての位相タイミングP(1)〜P(2)においてレーザ光を照射させることによって検出されたイオンの質量スペクトルである。
図7(a)〜図7(c)においては、一部の質量の領域ではスペクトルが得られているが、一部の質量の領域ではスペクトルが得られていないことが分かる。つまり、図7(a)〜図7(c)においては、リング電極21に印加される矩形波電圧VTの一周期Tの中で、MALDIイオン源1にレーザ光が照射されるのは1度だけである。したがって、MALDIイオン源1から発生したイオンのうち、イオン雲が拡大状態から縮小状態に変化しているタイミングでイオントラップ2に到達した質量のイオンはイオントラップ2で捕捉され易い。これに対して、MALDIイオン源1から発生したイオンのうち、イオン雲が縮小状態から拡大状態に変化しているタイミングでイオントラップ2に到達した質量のイオンはイオントラップ2で捕捉され難い。
一方、図7(d)は、1回目〜3回目の全ての位相タイミングP(1)〜P(2)においてレーザ光が照射される。したがって、リング電極21に印加される矩形波電圧VTの一周期の中で、異なる3回のタイミングでMALDIイオン源1にレーザ光が照射される。これにより、3回それぞれのタイミングにおいて、イオン雲が拡大状態から縮小状態に変化しているタイミングでイオントラップ2に到達した質量のイオンが捕捉される。図7(d)の質量スペクトルは、図7(a)〜図7(c)の3つの質量スペクトルを積算した質量スペクトルに近い分析結果を示している。
(5)他の実施の形態
上記の実施の形態においては、MALDIイオン源1が、本発明のイオン源の一例として説明された。イオン源は、MALDIイオン源に限定されるものではなく、イオンをパルス状に発生させることができればよい。例えば、ESI(エレクトロスプレーイオン化法)を利用するESIイオン源が用いられる。ESIイオン源が用いられる場合、ESIイオン源からパルス状にイオンを発生させるために、発生するイオンを遮断/通過させるゲートが設けられる。
上記の実施の形態においては、レーザ光照射部13から試料・マトリクス混合物12に照射されるレーザ光の位相タイミングは、リング電極21に印加される矩形波電圧の一周期Tにおいて3回とした。この回数は一例であり、2回であってもよいし、4回以上であってもよい。一周期においてレーザ光を照射する位相タイミングを増加させることにより、分析に要する時間は長くなるが、より精度の高い質量分析を行うことが可能である。
上記の実施の形態においては、レーザ光照射部13から試料・マトリクス混合物12に照射されるレーザ光の位相タイミングは、リング電極21に印加される矩形波電圧の一周期Tの3等分である。しかし、レーザ光の位相タイミングは、矩形波電圧の一周期Tを等分したタイミングでなくてもよい。例えば、矩形波電圧の一周期Tを3μsとした場合、一周期Tを3等分する上記の実施の形態の例では、3回の位相タイミングの間隔は1μsである。他の実施の形態としては、矩形波電圧の一周期Tを3μsとした場合、3回の位相タイミングの間隔として、0.8μs→1μs→1.2μs等、等間隔でない間隔が設定されてもよい。
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
1…MALDIイオン源、2…イオントラップ、3…検出部、4…データ処理部、5…制御部、10…質量分析装置、11…試料プレート、12…試料・マトリクス混合物、13…レーザ光照射部、51…イオン発生タイミング制御部

Claims (7)

  1. イオンを発生させるイオン源と、
    前記イオン源から発生したイオンを捕捉するイオントラップと、
    前記イオントラップから放出されたイオンを検出する検出部と、
    前記イオントラップにおいて捕捉電場を形成するために印加される周期的な電圧の制御、および、前記イオン源から発生するイオンの発生タイミングを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記周期的な電圧の一周期にN回(Nは2以上の整数)の位相タイミングが設定され、前記N回の位相タイミングが前記周期的な電圧のそれぞれ異なる周期に割り当てられて、前記周期的な電圧の印加を継続させている間に、前記N回の位相タイミングにおいて前記イオン源からイオンを発生させるイオン発生タイミング制御部、
    含む質量分析装置。
  2. 前記周期的な電圧は矩形波を含む、請求項1記載の質量分析装置。
  3. 前記イオン発生タイミング制御部は、前記周期的な電圧の一周期をN等分することにより、前記N回の位相タイミングを設定する、請求項1または2に記載の質量分析装置。
  4. 前記イオン発生タイミング制御部は、クーリング期間を空けて前記N回の位相タイミングを割り当てる電圧の周期を設定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の質量分析装置。
  5. 前記イオン源は、MALDI(マトリクス支援レーザ脱離イオン化法)を利用するMALDIイオン源を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の質量分析装置。
  6. 周期的な電圧を印加することにより、イオントラップにおいてイオン源から発生したイオンを捕捉するための捕捉電場を形成することと、
    前記周期的な電圧の一周期にN回(Nは2以上の整数)の位相タイミングが設定され、前記N回の位相タイミングが前記周期的な電圧のそれぞれ異なる周期に割り当てられて、前記周期的な電圧の印加を継続させている間に、前記N回の位相タイミングにおいて前記イオン源からイオンを発生させることと、
    を含む、質量分析装置におけるイオン発生タイミング制御方法。
  7. イオントラップにおいてイオン源から発生したイオンを捕捉するための捕捉電場を形成するために印加される周期的な電圧を制御する処理と、
    前記周期的な電圧の一周期にN回(Nは2以上の整数)の位相タイミングが設定され、前記N回の位相タイミングが前記周期的な電圧のそれぞれ異なる周期に割り当てられて、前記周期的な電圧の印加を継続させている間に、前記N回の位相タイミングにおいて前記イオン源からイオンを発生させる処理とを、コンピュータに実行させる、質量分析装置におけるイオン発生タイミング制御プログラム。
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