JP2020084937A - 車両用エンジンの制御装置 - Google Patents

車両用エンジンの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020084937A
JP2020084937A JP2018223777A JP2018223777A JP2020084937A JP 2020084937 A JP2020084937 A JP 2020084937A JP 2018223777 A JP2018223777 A JP 2018223777A JP 2018223777 A JP2018223777 A JP 2018223777A JP 2020084937 A JP2020084937 A JP 2020084937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion
engine
valve
ignition
torque
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018223777A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7159821B2 (ja
Inventor
孝次 遠藤
Koji Endo
孝次 遠藤
理克 東尾
Masayoshi Higashio
理克 東尾
井上 淳
Atsushi Inoue
淳 井上
田賀 淳一
Junichi Taga
淳一 田賀
顕 津田
Akira Tsuda
顕 津田
圭太郎 江角
Keitaro Esumi
圭太郎 江角
健幸 氏原
Kenko Ujihara
健幸 氏原
友邦 楠
Tomokuni Kusunoki
友邦 楠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2018223777A priority Critical patent/JP7159821B2/ja
Publication of JP2020084937A publication Critical patent/JP2020084937A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7159821B2 publication Critical patent/JP7159821B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/021Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D37/00Non-electrical conjoint control of two or more functions of engines, not otherwise provided for
    • F02D37/02Non-electrical conjoint control of two or more functions of engines, not otherwise provided for one of the functions being ignition
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0025Controlling engines characterised by use of non-liquid fuels, pluralities of fuels, or non-fuel substances added to the combustible mixtures
    • F02D41/0047Controlling exhaust gas recirculation [EGR]
    • F02D41/006Controlling exhaust gas recirculation [EGR] using internal EGR
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/30Controlling fuel injection
    • F02D41/3011Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion
    • F02D41/3017Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion characterised by the mode(s) being used
    • F02D41/3035Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion characterised by the mode(s) being used a mode being the premixed charge compression-ignition mode
    • F02D41/3041Controlling fuel injection according to or using specific or several modes of combustion characterised by the mode(s) being used a mode being the premixed charge compression-ignition mode with means for triggering compression ignition, e.g. spark plug
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2250/00Engine control related to specific problems or objectives
    • F02D2250/18Control of the engine output torque
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】出力トルクを一時的に低下させるトルクダウンの要求があったときに、燃焼安定性を確保しつつ高応答に出力トルクを低下させる。【解決手段】本発明の車両用エンジンの制御装置は、エンジンの出力トルクを一時的に低下させるトルクダウンの要求の有無を判定するトルクダウン判定部と、トルクダウン判定部によりトルクダウンの要求が確認された場合に、内部EGRの量が減少する方向に可変バルブ機構を駆動し、かつエンジンの出力トルクが低下するように点火装置による点火時期をリタードさせる燃焼制御部とを備える。【選択図】図8

Description

本発明は、バルブタイミングを変更する可変バルブ機構を備えた車両用エンジンを制御する装置に関する。
自動車等の車両に搭載される車両用エンジンは、その駆動力が変速機等を介して車輪に伝達される。このような車両用エンジンにおいて、変速機のギヤ段(変速比)を変更するシフトチェンジが行われる際には、変速ショックを抑制する等の目的で出力トルクを一時的に増減させる制御が要求される場合がある。
上記シフトチェンジ時のエンジンの出力制御の一例として、下記特許文献1のものが知られている。具体的に、この特許文献1では、自動変速機のアップシフト変速中に、エンジンの出力トルクを一時的に低下させるべく、スロットル弁(電子制御スロットル)の開度を低下させる制御(第1のトルクダウン制御)が少なくとも実行されるとともに、必要に応じて点火時期をリタードさせる制御(第2のトルクダウン制御)がさらに実行される。すなわち、出力トルクの低下目標値が所定値以下である場合には、スロットルを閉弁する第1のトルクダウン制御が実行され、出力トルクの低下目標値が所定値以下である場合には、当該第1のトルクダウン制御に加えて、点火時期をリタードさせる第2のトルクダウン制御が実行されるようになっている。
特開平9−21337号公報
上記特許文献1の技術によれば、出力トルクの低下目標値に応じて、第1のトルクダウン制御のみを実行するか、第1および第2のトルクダウン制御の双方を実行するかを切り替えることにより、トルクダウン量を幅広い範囲で調整できるものと考えられる。
ただし、上記特許文献1では、スロットル弁の開度を低下させる第1のトルクダウン制御を必ず実行する必要があるので、応答性の面で改善の余地があった。すなわち、スロットル弁の開度を低下させても、実際に気筒内の吸入空気量が減少するまでにはある程度の時間が必要である。このため、アップシフト変速中の適切な時期に所望のトルクダウン量が得られなくなって、変速ショックが予想以上に増大してしまう可能性がある。
一方で、点火時期をリタードさせる第2のトルクダウン制御は、スロットル弁を用いる第1のトルクダウン制御よりも応答性の面で優れているといえる。このため、応答性を考慮すれば、必要なトルクダウン量の全部もしくは多くを第2のトルクダウン制御(点火リタード制御)によって賄うことが好ましい。しかしながら、このようにした場合には、出力トルクの低下目標値が大きくなるほど点火時期の所要リタード量も大きくなる。このため、点火時期の大幅リタードによって燃焼安定性が悪化したり、最悪の場合は失火を招くといったおそれがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、出力トルクを一時的に低下させるトルクダウンの要求があったときに、燃焼安定性を確保しつつ高応答に出力トルクを低下させることが可能な車両用エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、気筒と、気筒内の混合気に点火する点火装置と、気筒に吸気を導入するための吸気ポートを開閉する吸気弁と、気筒から排気ガスを排出するための排気ポートを開閉する排気弁と、排気弁の閉弁時期および吸気弁の開弁時期の少なくとも一方を変更する可変バルブ機構とを備え、かつ車両に搭載された車両用エンジンを制御する装置であって、前記エンジンの出力トルクを一時的に低下させるトルクダウンの要求の有無を判定するトルクダウン判定部と、前記トルクダウン判定部により前記トルクダウンの要求が確認された場合に、前記気筒における内部EGRの量が減少する方向に前記可変バルブ機構を駆動し、かつ前記エンジンの出力トルクが低下するように前記点火装置による点火時期をリタードさせる燃焼制御部とを備えた、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、トルクダウンの要求に伴い点火時期がリタードされるので、例えばトルクダウンのために吸入空気量を低減するなどした場合と異なり、優れた応答性でエンジンの出力トルクを低下させることができる。しかも、点火時期のリタード(出力トルクの低下)と併せて、内部EGR量が減少する方向にバルブタイミングを変更する制御が実行されるので、気筒内に存在する不活性ガス(既燃ガス)を減らすことができ、点火リタード中の燃焼安定性を高めることができる。すなわち、点火時期がリタードされると、膨張行程がある程度進行するまで(言い換えると筒内圧力・温度がかなり低下するまで)燃焼が継続されることになるので、仮にこのような燃焼を不活性ガスの量が多い環境下で試みると、特に燃焼の後半における燃焼安定性が悪化し、最悪の場合は失火に至るおそれがある。これに対し、本発明では、点火リタードと併せて内部EGR量を減らす制御が実行されるので、燃焼途中で失火するといった前記のような事態を回避でき、燃焼安定性を効果的に高めることができる。
本発明の制御装置を適用し得るエンジンは、点火装置による点火時期に応じて出力トルクを調整可能なエンジンであればよく、必ずしも混合気の全てを火炎伝播により燃焼(SI燃焼)させる従来型の火花点火式エンジンに限定されるものではない。言い換えると、本発明の制御装置は、混合気の一部を自着火により燃焼(CI燃焼)させるエンジン、つまり、混合気の一部を前記点火装置による点火点からの火炎伝播によりSI燃焼させるとともにその他の混合気を自着火によりCI燃焼させる部分圧縮着火燃焼が実行されるエンジンにも適用可能である(請求項2)。
この場合、前記トルクダウンの要求時には混合気の燃焼形態を切り替えることが好ましい。すなわち、前記部分圧縮着火燃焼により前記エンジンが運転されている状態で前記トルクダウンの要求が確認された場合、前記燃焼制御部は、混合気がSI燃焼のみによって燃焼するタイミングにまで前記点火時期をリタードさせることが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、点火時期のリタードによって単に燃焼開始時期が遅くなるだけでなく、混合気の燃焼形態がCI燃焼を含む形態(部分圧縮着火燃焼)からCI燃焼を含まない形態(SI燃焼)へと切り替わるので、出力トルクを十分に低下させることができる。言い換えると、燃焼速度の速いCI燃焼の有無によるトルク落差を生じさせることができるので、点火時期を大幅に(例えば圧縮上死点よりもかなり遅角側のタイミングにまで)リタードさせなくても、出力トルクを十分に低下させることができる。このことと、上述した内部EGR量の低下との相乗効果により、点火リタード中においても十分な燃焼安定性を確保することができる。
好ましくは、前記トルクダウン判定部は、前記エンジンに連結された変速機のギヤ段を高くするアップシフト変速の要求を受けたときに、前記トルクダウンが要求されたと判定する(請求項4)。
この構成によれば、アップシフト変速の要求に応じて点火時期がリタードされるので、当該点火リタードに伴う出力トルクの低下により、エンジン回転数をアップシフト後の変速比に対応した回転数(同期回転数)まで迅速に低下させることができ、アップシフト変速に要する時間(変速期間)を短縮することができる。
前記トルクダウン判定部は、車両の走行性確保のために車輪の駆動トルクを一時的に低下させる要求を受けたときに、前記トルクダウンが要求されたと判定するものであってもよい(請求項5)。
この構成によれば、例えば車輪のスリップ状態が検知されるなどした場合に点火時期をリタードさせることができ、当該点火リタードに伴う出力トルクの低下によって車両の走行性を適正に確保することができる。
好ましくは、前記可変バルブ機構は、電動モータの駆動によりバルブの開閉位相を変更する電動式の可変機構である(請求項6)。
この構成によれば、トルクダウンの要求があったときに、迅速にバルブタイミングを変更して内部EGR量を低減することができる。
以上説明したように、本発明の車両用エンジンの制御装置によれば、出力トルクを一時的に低下させるトルクダウンの要求があったときに、燃焼安定性を確保しつつ高応答に出力トルクを低下させることができる。
本発明の一実施形態にかかる車両用エンジンの全体構成を概略的に示すシステム図である。 上記エンジンの制御系統を示すブロック図である。 上記エンジンの回転数/負荷に応じた制御の相違を説明するための運転マップである。 SPCCI燃焼(部分圧縮着火燃焼)時の熱発生率の波形を示すグラフである。 上記エンジンの第1運転領域において設定される内部EGR率および外部EGR率の一例を示す図である。 吸気弁および排気弁のリフトカーブを示す図である。 変速機のアップシフト変速時に上記エンジンに対し行われる制御の手順を示すフローチャートである。 図7の制御が実行された場合の各種状態量の時間変化の一例を示すタイムチャートである。
(1)エンジンの全体構成
図1は、本発明の制御装置が適用された車両用エンジン(以下、単にエンジンともいう)の好ましい実施形態を示す図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載された4サイクルのガソリン直噴エンジンであり、エンジン本体1と、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気通路30と、エンジン本体1から排出される排気ガスが流通する排気通路40と、排気通路40を流通する排気ガスの一部を吸気通路30に還流する外部EGR装置50を備えている。
エンジン本体1は、気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、気筒2を上から閉塞するようにシリンダブロック3の上面に取り付けられたシリンダヘッド4と、気筒2に往復摺動可能に挿入されたピストン5とを有している。エンジン本体1は、典型的には複数の(例えば4つの)気筒を有する多気筒型のものであるが、ここでは簡略化のため、1つの気筒2のみに着目して説明を進める。
ピストン5の上方には燃焼室6が画成されており、この燃焼室6には、ガソリンを主成分とする燃料が、後述するインジェクタ15からの噴射によって供給される。そして、供給された燃料が燃焼室6で空気と混合されつつ燃焼し、その燃焼による膨張力を受けてピストン5が上下方向に往復運動する。
ピストン5の下方には、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸7が設けられている。クランク軸7は、ピストン5とコネクティングロッド8を介して連結され、ピストン5の往復運動(上下運動)に応じて中心軸回りに回転駆動される。
クランク軸7は、図外のトルクコンバータ等を介して自動変速機110(図2)と連結されている。自動変速機110は、変速比の異なる複数のギヤ段を達成可能な多段式の変速機構(図示省略)を内蔵している。変速機構は、例えば、遊星歯車機構と、遊星歯車機構による動力伝達経路を切り替えるためのクラッチやブレーキ等を含む複数の摩擦締結要素と、各摩擦締結要素に供給される油圧を制御してその締結/解放を切り替えるソレノイドバルブ等からなる油圧制御弁とを有している。
気筒2の幾何学的圧縮比、つまりピストン5が上死点にあるときの燃焼室6の容積とピストン5が下死点にあるときの燃焼室の容積との比は、後述するSPCCI燃焼(部分圧縮着火燃焼)に好適な値として、13以上30以下、好ましくは14以上18以下に設定される。
シリンダブロック3には、クランク軸7の回転角度(クランク角)およびクランク軸7の回転数(エンジン回転数)を検出するクランク角センサSN1が設けられている。
シリンダヘッド4には、吸気通路30から供給される空気を燃焼室6に導入するための吸気ポート9と、燃焼室6で生成された排気ガスを排気通路40に導出するための排気ポート10と、吸気ポート9の燃焼室6側の開口を開閉する吸気弁11と、排気ポート10の燃焼室6側の開口を開閉する排気弁12とが設けられている。
吸気弁11および排気弁12は、シリンダヘッド4に配設された一対のカム軸等を含む動弁機構により、クランク軸7の回転に連動して開閉駆動される。
吸気弁11用の動弁機構には、吸気弁11の開閉時期を変更可能な吸気VVT13が内蔵されている。同様に、排気弁12用の動弁機構には、排気弁12の開閉時期を変更可能な排気VVT14が内蔵されている。吸気VVT13(排気VVT14)は、いわゆる位相式の可変機構であり、吸気弁11(排気弁12)の開弁時期および閉弁時期を同時にかつ同量だけ変更する。また、吸気VVT13(排気VVT14)は、その駆動源として電動モータ13a(14a)を備えた電動式のものであり(図2参照)、この電動モータ13a(14a)の作動に応じて吸気弁11(排気弁12)の開閉時期を変更する。なお、吸気VVT13および排気VVT14は、請求項にいう「可変バルブ機構」の一例に該当する。
図6は、吸気弁11および排気弁12のリフトカーブを示す図である(INは吸気弁11のリフトカーブを、EXは排気弁12のリフトカーブをそれぞれ示している)。本図に示すように、吸気弁11および排気弁12は、排気上死点(図6中のTDC)を跨いで開弁期間が重複するように駆動されることがある。この重複期間、つまり吸気弁11および排気弁12の双方が開弁する期間は、バルブオーバーラップ期間と呼ばれる。バルブオーバーラップ期間は、上述した吸気VVT13および排気VVT14の制御により調整することが可能である。図6における実線の波形は、バルブオーバーラップ期間が比較的長くされた場合を例示しており、この場合には、排気上死点を過ぎてから(吸気行程の初期に)排気弁12がしばらく開弁されることにより、排気ポート10から燃焼室6へと既燃ガスが引き戻されて、内部EGRが実現される。逆に、破線の波形として示すように、バルブオーバーラップ期間が短縮された場合には、上記のように排気ポート10から引き戻される既燃ガスの量が減少する結果、内部EGRが抑制または停止される。
シリンダヘッド4には、燃焼室6に燃料(ガソリン)を噴射するインジェクタ15と、インジェクタ15から燃焼室6に噴射された燃料と吸入空気とが混合された混合気に点火する点火プラグ16(点火装置)とが設けられている。
吸気通路30は、吸気ポート9と連通するようにシリンダヘッド4の一側面に接続されている。吸気通路30の上流端から取り込まれた空気(新気)は、吸気通路30および吸気ポート9を通じて燃焼室6に導入される。
吸気通路30には、その上流側から順に、吸気中の異物を除去するエアクリーナ31と、吸気の流量を調整する開閉可能なスロットル弁32と、吸気を圧縮しつつ送り出す過給機33と、過給機33により圧縮された吸気を冷却するインタークーラ35と、サージタンク36とが設けられている。
吸気通路30の各部には、吸気の流量を検出するエアフローセンサSN2と、吸気の温度を検出する吸気温センサSN3と、吸気の圧力を検出する吸気圧センサSN4とが設けられている。エアフローセンサSN2および吸気温センサSN3は、吸気通路30におけるエアクリーナ31とスロットル弁32との間の部位に設けられ、当該部位を通過する吸気の流量および温度を検出する。吸気圧センサSN4は、サージタンク36に設けられ、当該サージタンク36内の吸気の圧力を検出する。
過給機33は、エンジン本体1と機械的に連係された機械式の過給機(スーパーチャージャ)である。過給機33の具体的な形式は特に問わないが、例えばリショルム式、ルーツ式、または遠心式といった公知の過給機のいずれかを過給機33として用いることができる。
過給機33とエンジン本体1との間には、締結/解放を電気的に切り替えることが可能な電磁クラッチ34が介設されている。電磁クラッチ34が締結されると、エンジン本体1から過給機33に駆動力が伝達されて、過給機33による過給が行われる。一方、電磁クラッチ34が解放されると、上記駆動力の伝達が遮断されて、過給機33による過給が停止される。
吸気通路30には、過給機33をバイパスするためのバイパス通路38が設けられている。バイパス通路38は、サージタンク36と後述するEGR通路51とを互いに接続している。バイパス通路38には開閉可能なバイパス弁39が設けられている。
排気通路40は、排気ポート10と連通するようにシリンダヘッド4の他側面に接続されている。燃焼室6で生成された既燃ガスは、排気ポート10および排気通路40を通じて外部に排出される。
排気通路40には触媒コンバータ41が設けられている。触媒コンバータ41には、排気通路40を流通する排気ガス中に含まれる有害成分(HC、CO、NOx)を浄化するための三元触媒41aと、排気ガス中に含まれる粒子状物質(PM)を捕集するためのGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルタ)41bとが内蔵されている。
外部EGR装置50は、排気通路40と吸気通路30とを接続するEGR通路51と、EGR通路51に設けられたEGRクーラ52およびEGR弁53とを有している。EGR通路51は、排気通路40における触媒コンバータ41よりも下流側の部位と、吸気通路30におけるスロットル弁32と過給機33との間の部位とを互いに接続している。EGRクーラ52は、EGR通路51を通じて排気通路40から吸気通路30に還流される排気ガス(外部EGRガス)を熱交換により冷却する。EGR弁53は、EGRクーラ52よりも下流側(吸気通路30に近い側)のEGR通路51に開閉可能に設けられ、EGR通路51を流通する排気ガスの流量を調整する。
(2)制御系統
図2は、エンジンの制御系統を示すブロック図である。本図に示されるPCM100は、エンジン等を統括的に制御するためのマイクロプロセッサであり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。
PCM100には各種センサによる検出信号が入力される。例えば、PCM100は、上述したクランク角センサSN1、エアフローセンサSN2、吸気温センサSN3、吸気圧センサSN4と電気的に接続されており、これらのセンサによって検出された情報(つまりクランク角、エンジン回転数、吸気流量、吸気温、吸気圧)がPCM100に逐次入力されるようになっている。
また、車両には、当該車両を運転するドライバーにより操作されるアクセルペダルの開度(以下、アクセル開度という)を検出するアクセルセンサSN5と、車両の走行速度(以下、車速という)を検出する車速センサSN6とが設けられており、これらのセンサSN5,SN6による検出信号もPCM100に逐次入力される。
PCM100は、上記各センサからの入力情報に基づいて種々の判定や演算等を実行しつつエンジンの各部および自動変速機110を制御する。すなわち、PCM100は、吸気VVT13および排気VVT14の各電動モータ13a,14a、インジェクタ15、点火プラグ16、スロットル弁32、電磁クラッチ34、バイパス弁39、EGR弁53、および自動変速機110(詳しくはこれに内蔵されたソレノイドバルブ等の油圧制御弁)等と電気的に接続されており、上記演算等の結果に基づいてこれらの機器にそれぞれ制御用の信号を出力する。
具体的に、PCM100は、演算部101、燃焼制御部102、および変速制御部103を機能的に有している。なお、演算部101は、請求項にいう「トルクダウン判定部」に相当する。
燃焼制御部102は、燃焼室6での混合気の燃焼を制御する制御モジュールであり、エンジンの出力トルク等がドライバーの要求に応じた適切な値となるようにエンジンの各部(吸・排気VVT13,14、インジェクタ15、点火プラグ16‥‥等)を制御する。変速制御部103は、自動変速機110を制御する制御モジュールであり、自動変速機110のギヤ段として車両の走行状態に応じた適切なギヤ段が得られるように上記油圧制御弁等を制御する。演算部101は、これら各制御部102,103による制御目標値を決定したりエンジンの運転状態を判定するといった各種演算を実行するための制御モジュールである。
(3)運転状態に応じた制御
図3は、エンジンの回転数/負荷に応じた制御の相違を説明するための運転マップである。本図に示すように、エンジンの運転領域は、燃焼形態の相違によって2つの運転領域A1,A2に大別される。それぞれ第1運転領域A1、第2運転領域A2とすると、第2運転領域A2は、回転数が高い高速領域であり、第1運転領域A1は、第2運転領域A2以外の残余の領域、つまり回転数が低いか中程度の低・中速領域である。これら第1・第2運転領域A1,A2では、それぞれ次のような燃焼制御が実行される。
(3−1)第1運転領域
エンジンの低・中速領域である第1運転領域A1では、SI燃焼とCI燃焼とを組み合わせた部分圧縮着火燃焼(以下、これをSPCCI燃焼という)が実行される。SI燃焼とは、点火プラグ16から発生する火花により混合気に点火し、その点火点から周囲へと燃焼領域を拡げていく火炎伝播により混合気を強制的に燃焼させる燃焼形態のことであり、CI燃焼とは、ピストン5の圧縮等により十分に高温・高圧化された環境下で混合気を自着火により燃焼させる燃焼形態のことである。そして、これらSI燃焼とCI燃焼とを組み合わせたSPCCI燃焼とは、混合気が自着火する寸前の環境下で行われる火花点火により燃焼室6内の混合気の一部をSI燃焼させ、当該SI燃焼の後に(SI燃焼に伴うさらなる高温・高圧化により)燃焼室6内の他の混合気を自着火によりCI燃焼させる、という燃焼形態のことである。なお、「SPCCI」は「Spark Controlled Compression Ignition」の略である。
図4は、上記のようなSPCCI燃焼が行われた場合の燃焼波形、つまりクランク角による熱発生率(J/deg)の変化を示したグラフである。本図に示すように、SPCCI燃焼では、SI燃焼による熱発生とCI燃焼による熱発生とがこの順に連続して発生する。このとき、CI燃焼の方が燃焼速度が速いという性質上、SI燃焼時よりもCI燃焼時の方が熱発生の立ち上がりが急峻になる。このため、SPCCI燃焼における熱発生率の波形は、SI燃焼からCI燃焼に切り替わるタイミング(後述するθci)で現れる変曲点Xを有している。
ここで、SI燃焼とCI燃焼とを組み合わせたSPCCI燃焼では、SI燃焼とCI燃焼との比率を運転条件に応じてコントロールすることが重要である。そこで、当実施形態では、SPCCI燃焼(SI燃焼およびCI燃焼)による全熱発生量に対するSI燃焼による熱発生量の割合であるSI率に着目し、このSI率が適正な値になるようにエンジンの各部を制御する。
上記SI率を図4を用いて説明する。図4において、燃焼形態がSI燃焼からCI燃焼に切り替わる変曲点Xに対応するクランク角θciをCI燃焼の開始時期とする。この場合、SI燃焼による熱発生量は、当該θci(CI燃焼の開始時期)よりも進角側の熱発生率の波形の面積R1に相当し、CI燃焼による熱発生量は、当該θciよりも遅角側に位置する熱発生率の波形の面積R2に相当するとみなすことができる。そして、上記SI率は、これら各面積R1,R2を用いて、R1/(R1+R2)と定義することができる。
SPCCI燃焼が行われる第1運転領域A1では、上述したSI率およびθciが予め定められた目標値に一致するように、エンジンの各部が制御される。すなわち、第1運転領域A1では、エンジン負荷・回転数が異なる種々の条件ごとに、SI率の目標値である目標SI率とθciの目標値である目標θciとがそれぞれ定められている。そして、点火プラグ16による火花点火の時期(点火時期)、インジェクタ15からの燃料の噴射量/噴射時期、およびEGR率(外部EGR率および内部EGR率)といった複数の制御量が、上記目標SI率および目標θciを実現可能な組合せとなるように制御される。なお、外部EGR率とは、燃焼室6内の全ガスのうち外部EGRガス(EGR通路51を通じて燃焼室6に還流される排気ガス)が占める重量割合のことであり、内部EGR率とは、燃焼室6内の全ガスのうち内部EGRガス(内部EGRにより燃焼室6に残留する既燃ガス)が占める重量割合のことである。
例えば、点火時期および燃料の噴射量/噴射時期は、上記目標SI率および目標θciを考慮して予め定められたマップにより決定される。すなわち、マップには、エンジン負荷・回転数の条件ごとに、上記目標SI率および目標θciを実現するのに適した点火時期および燃料の噴射量/噴射時期がそれぞれ記憶されている。PCM100は、このマップに記憶された点火時期および噴射量/噴射時期に従って、インジェクタ15および点火プラグ16を制御する。なお、上記マップにより定められる点火時期は、圧縮上死点の近傍、例えば圧縮上死点よりもやや進角側のタイミングに設定される。
一方、外部EGR率および内部EGR率は、所定のモデル式を用いた演算により決定される。すなわち、PCM100は、燃焼サイクルごとに、上記目標SI率および目標θciを実現するために火花点火の時点で必要とされる筒内温度(目標筒内温度)を所定のモデル式を用いて算出するとともに、この算出した目標筒内温度に基づいて、EGR弁53の開度および吸・排気弁11,12のバルブタイミングを決定する。より具体的に、PCM100は、吸気温センサSN5により検出される吸入空気(新気)の温度と、燃焼室6の圧縮が実質的に開始される時点である吸気弁11の閉弁時期(IVC)とを含む各種パラメータを、当該パラメータを入力要素とする上記モデル式に代入することにより、上記目標筒内温度を実現するのに必要な外部EGR率および内部EGR率を算出する。そして、算出された外部EGR率を実現するのに必要なEGR弁53の開度を目標開度として算出し、この目標開度が実現されるようにEGR弁53を制御する。また、算出された内部EGR率を実現するのに必要な吸・排気弁11,12のバルブオーバーラップ期間(図6)を目標オーバーラップ期間として算出し、この目標オーバーラップ期間が実現されるように吸・排気VVT13,14を制御する。
図5は、上記のような吸・排気VVT13,14およびEGR弁53の制御により得られる外部EGR率および内部EGR率の典型例を示している。具体的に、図5では、第1運転領域A1内で回転数を固定したまま負荷のみを変化させた場合における外部EGR率および内部EGR率の変化を示している。なお、当実施形態では、上述したように、SPCCI燃焼に適した筒内温度(目標SI率および目標θciに適合する筒内温度)が得られるように演算によって内部EGR率および外部EGR率が決定されるので、各EGR率の値は実際のところ種々の要因によって変動し得るが、大まかな傾向は図5と共通するようになっている。
図5に示すように、第1運転領域A1の運転時は、主に低・中負荷域において内部EGRが実行され、主に中・高負荷域において外部EGRが実行される。具体的に、第1運転領域A1における内部EGR率は、比較的低い負荷域W1において最も大きい値P1に設定され、当該負荷域W1から低負荷側または高負荷側に離れるほど小さい値に設定される(グラフ(a)参照)。例えば、内部EGR率は、最低負荷L0において、ゼロより大きくかつ上記最大値P1より小さい値P2に設定されるとともに、最高負荷L3より低くかつ上記負荷域W1より高い負荷L2において、ゼロに設定される。
一方、外部EGR率は、比較的高い負荷域W2において最も大きい値Q1に設定され、当該負荷域W2から低負荷側または高負荷側に離れるほど小さい値に設定される(グラフ(b)参照)。例えば、外部EGR率は、最低負荷L0より高くかつ上記負荷域W2より低い負荷L1において、ゼロに設定されるとともに、最高負荷L3において、ゼロより大きくかつ上記最大値Q1より小さい値Q2に設定される。なお、外部EGR率がゼロになる負荷L1は、内部EGR率が最大値P1になる負荷域W1の上限とほぼ一致し、内部EGR率がゼロになる負荷L2は、外部EGR率が最大値Q1になる負荷域W2の下限とほぼ一致する。
以上のように、第1運転領域A1では、モデル式を用いた演算と予め定められたマップとを併用した方法により、点火時期、燃料の噴射量/噴射時期、吸・排気弁11,12の開閉タイミング、およびEGR弁53の開度が、運転条件ごとに予め定められた適正なSI率およびθci(目標SI率および目標θci)が得られる組合せとなるように制御される。
さらに、第1運転領域A1では、上記のような制御と併せて、スロットル弁32および過給機32が次のように制御される。
すなわち、スロットル弁32の開度は、基本的に、理論空燃比相当の空気量が吸気通路30を通じて燃焼室6に導入されるような開度、つまり、燃焼室6内の空気(新気)と燃料との重量比である空燃比(A/F)が理論空燃比(14.7)に略一致するような開度に設定される。ただし、第1運転領域A1の低負荷側の一部では、例えば負荷・回転数が安定している等の所定の条件が成立したときに限り、空燃比が理論空燃比よりも大幅にリーンとなるように(例えば空気過剰率λが2を超えるように)スロットル弁32の開度が調整され得る。
過給機33は、図3に示される過給ラインTの内側領域でOFF状態とされ、過給ラインTの外側領域でON状態とされる。過給機33がOFF状態とされる過給ラインTの内側領域、つまり低速・低負荷の領域では、電磁クラッチ34が解放されて過給機33とエンジン本体1との連結が解除されるとともに、バイパス弁39が全開とされることにより、過給機33による過給が停止される。一方、過給機33がON状態とされる過給ラインTの外側領域、つまり第1運転領域A1のうち低速・低負荷を除く領域では、電磁クラッチ34が締結されて過給機33とエンジン本体1とが連結されることにより、過給機33による過給が行われる。このとき、吸気圧センサSN4により検出されるサージタンク36内の圧力(過給圧)が、エンジン負荷・回転数の条件ごとに予め定められた目標圧力に一致するように、バイパス弁39の開度が制御される。
(3−2)第2運転領域
第1運転領域A1よりも回転数が高い第2運転領域A2では、通常のSI燃焼が実行される。例えば、少なくとも吸気行程の一部と重複する所定期間にわたりインジェクタ15から燃料が噴射されるとともに、圧縮行程後期に点火プラグ16による火花点火が実行される。そして、この火花点火をきっかけにSI燃焼が開始され、燃焼室6内の混合気の全てが火炎伝播により燃焼する。
(4)アップシフト変速時の制御
次に、自動変速機110のギヤ段を高くする(減速比を小さくする)アップシフト変速時の制御について説明する。図7は、アップシフト変速時にエンジンに対し行われる制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す制御がスタートすると、PCM100の演算部101は、ステップS1において、エンジンの現運転ポイントが図3に示した第1運転領域A1に含まれるか否かを判定する。具体的に、演算部101は、アクセルセンサSN5により検出されるアクセルペダルの操作状態やエアフローセンサSN2により検出される吸気流量等からエンジン負荷(要求トルク)を特定し、このエンジン負荷と、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転数とに基づいて、現時点のエンジンの運転ポイントが図3の運転マップ中の第1運転領域A1に含まれるか否かを判定する。
上記ステップS1でYESと判定されてエンジンの現運転ポイントが第1運転領域A1に含まれていることが確認された場合、言い換えるとエンジンがSPCCI燃焼により運転されていることが確認された場合、演算部101は、ステップS2に移行して、自動変速機110のギヤ段を高くするアップシフト変速の要求があるか否かを判定する。例えば、演算部101は、ギヤ段として2速(または3速、4速‥等)が選択されている状態での車両走行中に、クランク角センサSN1、アクセルセンサSN5、および車速センサSN6により検出されるエンジン回転数、アクセル開度、および車速の少なくともいずれかが変化して、これら各値の組合せにより定まる条件が3速(または4速、5速‥等)を選択すべき条件に適合した場合に、アップシフト変速の要求が発せられたと判定する。
上記ステップS2でYESと判定されてアップシフト変速の要求があることが確認された場合、PCM100の変速制御部103は、ステップS3に移行して、自動変速機110の変速段が高くなるように変速機構の各部を駆動するアップシフト変速の制御を開始する。
すなわち、変速制御部103は、上記アップシフト変速として、現ギヤ段を達成するために締結されている摩擦締結要素(以下、解放側要素という)を解放し、かつアップシフト後のギヤ段を達成するために締結が必要な別の摩擦締結要素(以下、締結側要素という)を締結する、いわゆる摩擦締結要素の掛け替えを行う。より詳しくは、変速制御部103は、上記解放側要素および締結側要素に供給される油圧に関連する特定の油圧制御弁を駆動して、解放側要素に供給される油圧を低下させ、かつ締結側要素に供給される油圧を上昇させる。これにより、解放側要素を締結状態から解放状態に変位させるとともに、締結側要素を解放状態から締結状態に変位させ、これによって自動変速機110のギヤ段を高くする。
なお、上記のように摩擦締結要素の掛け替えにより実現されるアップシフト変速は、その開始から終了までの間にある程度の期間(変速期間)を要する。この変速期間には、例えば、締結側要素の締結油圧室やこれに通じる油路に作動油を充満させるのに必要な時間(プリチャージ時間)や、変速ショックの抑制のために締結側要素を準締結状態(スリップ状態)に保持する時間等が含まれる。一方、この変速期間中に、エンジン回転数は、アップシフト後の変速比に対応した回転数(同期回転数)まで低下するが、このエンジン回転数の低下(回転同期)に時間がかかると、変速期間が長期化し、車両の商品性が低下する。そこで、エンジン回転数を同期回転数まで速やかに低下させるために、PCM100は次のような制御を実行する。
すなわち、PCM100の燃焼制御部102は、上記アップシフト変速(S3)の開始とほぼ同時に、ステップS4に移行して、吸・排気弁11,12のバルブオーバーラップ期間を短縮する制御を実行する。具体的に、燃焼制御部102は、吸気弁11の開閉タイミングが遅角するように吸気VVT13の電動モータ13aを駆動するとともに、排気弁12の開閉タイミングが進角するように排気VVT14の電動モータ14aを駆動する。これにより、図6において破線のリフトカーブで示すように、バルブオーバーラップ期間が短縮されて、内部EGR量が減少する。
ここで、第1運転領域A1でアップシフト変速が行われるのは、低負荷から中負荷の条件のときである。また、図5に示したように、この低負荷から中負荷の条件では、適正なSPCCI燃焼の実現のために内部EGRが行われており、上記バルブオーバーラップ期間が拡大されている。このため、上記ステップS4の制御によるバルブオーバーラップ期間の短縮は、内部EGR量(率)を減少させることにつながる。
上記ステップS4でバルブオーバーラップ期間が短縮される際には、基本的に、吸気弁11および排気弁12の開閉タイミングがそれぞれ同程度ずつシフトされる。例えば、アップシフト変速の要求直前において、吸気弁11の開弁時期および排気弁12の閉弁時期が、それぞれ排気上死点を基準としてBTDC約20°CA/ATDC約20°CAにそれぞれ設定され、これによってバルブオーバーラップ期間が約40°CAに設定されていたとする。この場合、上記ステップS4で仮にバルブオーバーラップ期間をほぼ半減させる(つまりオーバーラップを約20°CAにする)とすれば、吸気弁11の開弁時期および排気弁12の閉弁時期は、それぞれBTDC約10°CA/ATDC約10°CAへと変更されることになる。なお、ここで例示される開弁時期および閉弁時期は、バルブリフトカーブの最初と最後の部分に設けられるランプ部(バルブリフト量の変化が緩やな緩衝区間)を除いた実質的な開弁期間をバルブの開弁期間と定義した場合における開弁/閉弁のタイミングであって、バルブリフト量が完全にゼロになる時期を指すわけではない。
上記のようにしてバルブオーバーラップ期間を短縮した後、燃焼制御部102は、ステップS5に移行して、点火プラグ16による火花点火の時期(点火時期)をリタードさせる制御を開始する。なお、上記ステップS4によるバルブオーバーラップ期間の短縮は、VVT13,14の電動モータ13a,14aの作動によるものであるので、当該制御を開始してからバルブオーバーラップ期間が実際に目標値まで短縮されるまでの間には、わずかながら時間が必要である。この場合に、燃焼制御部102は、バルブオーバーラップ期間がほぼ目標値まで短縮されるのを待ってから、上記ステップS5による点火時期のリタード制御を開始する。
上記ステップS5の制御により、点火時期は、圧縮上死点よりも遅角側の時期にまで変更される。ここで、第1運転領域A1のうち少なくともアップシフト変速が行われるような領域(主に低負荷から中負荷域)では、変速時以外の通常時において、点火時期が圧縮上死点よりも進角側(例えばBTDC20〜5°CA程度)に設定される。そこで、上記ステップS5において、燃焼制御部102は、当該点火時期が圧縮上死点よりも遅角側までシフトされるように、点火時期のリタード幅を10〜25°CAに設定する。
上記のように点火時期が大幅にリタードされて圧縮上死点よりも遅角側に設定されると、燃焼室6で生じる燃焼の形態は、もはやSPCCI燃焼を維持できなくなり、SI燃焼へと切り替わる。すなわち、点火時期が圧縮上死点よりも遅角側にリタードされると、その点火からほどなくして火炎伝播を生じさせることはできるものの、当該火炎伝播(SI燃焼)の開始時点でピストン5は既にある程度下降している(燃焼室6が膨張を始めている)ため、SI燃焼の開始後であっても筒内温度・圧力はそれほど高くならない。これにより、混合気の自着火が生じなくなり、混合気は実質的にその全てがSI燃焼によって燃焼するようになる。言い換えると、上記ステップS5による点火時期のリタード制御は、燃焼形態がSPCCI燃焼からSI燃焼に切り替わるようなタイミングにまで点火時期をリタードさせる制御である。
次いで、演算部101は、ステップS6に移行して、アップシフト変速が実質的に終了したか否かを判定する。具体的に、演算部101は、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転数がアップシフト後の変速比に対応した同期回転数まで低下した時点(つまり回転同期が完了した時点)で、アップシフト変速が終了したと判定する。
上記ステップS6でYESと判定されてアップシフト変速が終了したことが確認された場合、燃焼制御部102は、ステップS7に移行して、吸・排気弁11,12のバルブオーバーラップ期間が拡張される方向に吸・排気VVT13,14を駆動する制御、つまり、上記ステップS4の制御により短縮されていた吸・排気弁11,12のバルブオーバーラップ期間を本来の値(図5に示したSPCCI燃焼用の内部EGR率を実現する値)に戻す制御を実行する。
次いで、燃焼制御部102は、ステップS8に移行して、上記ステップS5から継続されていた点火時期のリタード制御を終了し、点火時期をアドバンス(進角)させて本来の値(SPCCI燃焼の点火時期)に戻す制御を実行する。なお、このステップS8の制御は、上述したステップS5(点火リタード開始)のときとは異なり、VVT13,14の駆動が開始されるのとほぼ同時に(バルブオーバーラップ期間が実際に拡大されるのを待つことなく)開始される。
図8は、以上のようなフローチャート(図7)による制御が実行された場合の各種状態量の時間変化の一例を示すタイムチャートである。この図8のタイムチャートでは、自動変速機110のギヤ段を2速から3速に切り替えるアップシフト変速を例示しており、アップシフト変速が要求された時点をt1とし、アップシフト変速が終了した時点をt3としている(チャート(a))。この場合、エンジン回転数、点火時期、およびバルブオーバーラップ期間は、それぞれ次のような態様で変化することになる。
時点t1でアップシフト変速が要求されると、これとほぼ同時にバルブオーバーラップ期間の目標値が小さくされる(チャート(d))。すると、バルブオーバーラップ期間が短縮される方向に吸・排気VVT13,14が駆動されるとともに、当該駆動開始からやや遅れて、実際のバルブオーバーラップ期間が目標値に到達する(チャート(e))。これにより、排気ポート10から燃焼室6に逆流する既燃ガスの量が減少し、内部EGR率が低下する。
バルブオーバーラップ期間の短縮が終了する(実際のバルブオーバーラップ期間が目標値に到達する)と、それ以後の時点t2において、点火時期がリタードされる(チャート(c))。この点火時期のリタードにより、エンジンの燃焼形態は、リタード前に継続されていたSPCCI燃焼からSI燃焼へと切り替わる。また、この点火リタードと燃焼形態の切り替わりとによる影響で、エンジンの出力トルクは大幅に低下することになる。
エンジン回転数は、上記点火リタードの開始時点t2とほぼ同時に低下し始める(チャート(b))。またこのとき、自動変速機110では、3速を達成するのに締結が必要な摩擦締結要素(締結側要素)の締結油圧室が既に作動油で充満されており、その後の油圧上昇によって、当該締結側要素が解放状態から準締結状態(スリップ状態)へと移行し始めている。エンジン回転数は、このように時点t2で開始される点火リタードと、その近傍で開始される締結側要素の準締結(スリップ状態への移行)とにより、比較的大きい変化率で低下し始める。
そして、エンジン回転数は、時点t3において同期回転数まで低下し、これによって3速へのアップシフト変速が終了する。すると、この時点t3とほぼ同時に、バルブオーバーラップ期間の目標値が大きくされ(チャート(d))、かつ点火時期がアドバンス(進角)される(チャート(c))。例えば、バルブオーバーラップ期間の目標値は、アップシフト変速が要求される直前(時点t1の直前)に設定されていた目標値とほぼ同一の値まで大きくされ、点火時期は、変速終了時(時点t3)におけるエンジン回転数に適合したSPCCI燃焼用の点火時期までアドバンスされる。
上記のように時点t3(変速終了時点)とほぼ同時に点火時期がアドバンスされることにより、エンジンの燃焼形態はSI燃焼からSPCCI燃焼に切り替わる。ただし、点火時期をアドバンスした直後は、実際にはバルブオーバーラップ期間が目標値まで拡大されておらず、内部EGR率は上昇する過程にある(時点t3から時点t4まで)。この期間(t3〜t4)を復帰遅れ期間とすると、この復帰遅れ期間中に限っては、内部EGR率が図5に示した理想値(目標SI率および目標θciを実現するのに必要な内部EGR率)よりも低くなるので、SPCCI燃焼は理想的な状態にならず、CI燃焼の割合が理想よりも低くなる(SI率が目標SI率よりも大きくなる)と考えられる。しかしながら、このような復帰遅れ期間の長さは非常に限られたものであり、また、当該期間中の(理想ではない)SPCCI燃焼によっても、エンジンの出力トルクは、点火時期が大幅にリタードされた(SI燃焼が行われる)時点t2〜t3のときの出力トルクに比べれば十分に増大する。このため、変速終了後のエンジンの運転に実質的な支障が生じることはない。
(5)作用効果
以上説明したように、当実施形態の車両用エンジンでは、自動変速機110のギヤ段を高めるアップシフト変速の要求があったときに、内部EGRの量が減少する方向(つまりバルブオーバーラップ期間が短縮される方向)に吸・排気VVT13,14を駆動し、かつエンジンの出力トルクが低下するように点火プラグ16よる火花点火の時期(点火時期)をリタードさせる制御が実行される。このような構成によれば、燃焼安定性を確保しつつ高応答に出力トルクを低下させることができ、アップシフト変速の変速期間を短縮できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、アップシフト変速の要求に伴い点火時期がリタードされるので、例えば当該制御に代えて吸入空気量を低減するなどの制御を採用した場合と異なり、優れた応答性でエンジンの出力トルクを低下させることができ、エンジン回転数をアップシフト後の変速比に対応した回転数(同期回転数)まで迅速に低下させることができる。このため、例えばアップシフト後のギヤ段を達成するのに締結が必要な摩擦締結要素(締結側要素)を変速ショック抑制のために準締結状態(スリップ状態)に保持する時間を短縮することができ、アップシフト変速に要する時間(変速期間)を短縮することができる。
しかも、上記実施形態では、上記点火時期のリタード(出力トルクの低下)と併せて、内部EGR量が減少する方向にバルブタイミングを変更する制御が実行されるので、燃焼室6に存在する不活性ガス(既燃ガス)を減らすことができ、点火リタード中の燃焼安定性を高めることができる。すなわち、点火時期がリタードされると、膨張行程がある程度進行するまで(言い換えると筒内圧力・温度がかなり低下するまで)燃焼が継続されることになるので、仮にこのような燃焼を不活性ガスの量が多い環境下で試みると、特に燃焼の後半における燃焼安定性が悪化し、最悪の場合は失火に至るおそれがある。これに対し、上記実施形態では、点火リタードと併せて内部EGR量を減らす制御が実行されるので、膨張行程の途中で失火するといった上記のような事態を回避でき、燃焼安定性を効果的に高めることができる。
特に、上記実施形態では、SI燃焼とCI燃焼とを組み合わせたSPCCI燃焼が可能なエンジンにおいて上記の制御が採用されているので、燃焼安定性を確保しつつアップシフト変速中の出力トルクを十分に低下させることができる。
すなわち、上記実施形態では、SPCCI燃焼が選択される第1運転領域A1での運転中にアップシフト変速が要求されると、それ以前に設定されていたSPCCI燃焼に適した(圧縮上死点よりも進角側の)点火時期がリタードされて、SI燃焼しか起きないようなタイミング(圧縮上死点よりも遅角側のタイミング)にまで変更されるので、単に燃焼開始時期を遅くできるだけでなく、混合気の燃焼形態をCI燃焼を含む形態(SPCCI燃焼)からCI燃焼を含まない形態(SI燃焼)へと切り替えることができ、エンジンの出力トルクを十分に低下させることができる。言い換えると、燃焼速度の速いCI燃焼の有無によるトルク落差を生じさせることができるので、点火時期を圧縮上死点に対し大幅にリタードしなくても、出力トルクを十分に低下させることができる。このことと、上述した内部EGR量の低下との相乗効果により、点火リタード中においても十分な燃焼安定性を確保することができる。
また、上記実施形態では、吸・排気VVT13,14として、電動モータ13a,14aの駆動によりバルブの開閉位相を変更する電動式のVVTが用いられているので、例えば油圧式のVVTを採用した場合に比して、アップシフト変速時に迅速にバルブオーバーラップ期間を短縮することができ、高応答に内部EGR量を低減することができる。
(6)変形例
上記実施形態では、自動変速機110のギヤ段を高くするアップシフト変速が要求されたときに、内部EGR量を減少させつつ点火時期(点火プラグ16による火花点火の時期)をリタードさせる制御を実行するようにしたが、同様の制御は、エンジンの出力トルクを一時的に低下させるトルクダウンが要求される状況であれば、アップシフト変速時に限らず実行可能である。例えば、車輪が空回りするスリップ状態が検知された場合に、いわゆるトラクション・コントロールの一環として、エンジンの出力トルクを一時的に低下させる要求が発せられることがある。このような事情によるトルクダウン要求(車両の走行性確保のためのトルクダウン要求)の際にも、上記実施形態と同様の制御(内部EGR量を減少させつつ点火時期をリタードさせる制御)を実行することが可能である。
上記実施形態では、自動変速機110のアップシフト変速が要求されたとき、つまりエンジンのトルクダウンが要求されたときに、点火時期をリタードさせる制御と併せて、排気上死点を挟んで吸・排気弁11,12の双方が開弁するバルブオーバーラップ期間を短縮する(それによって内部EGR量を減少させる)制御を実行するようにしたが、内部EGR量が減少する方向にバルブタイミングを変更できればよく、その限りにおいて種々の制御を採用可能である。例えば、内部EGRを減少させる制御として、吸気弁11の開閉時期を一定に維持しつつ排気弁12の開閉時期を進角側に変更する制御を実行してもよい。この制御によっても、吸気行程中における排気弁12の開弁期間が短くなるので、内部EGR量を減少させることができる。
また、内部EGR量を減少させる制御は、バルブオーバーラップ期間(吸・排気弁の双方が開弁する期間)を短縮する上記のような制御に限られない。例えば、エンジンによっては、トルクダウンが要求されていない通常時に、内部EGRを実現するための制御として、排気上死点を挟んで吸・排気弁11,12の双方が閉弁するいわゆるネガティブオーバーラップ期間を形成し、それによって既燃ガスを燃焼室6に閉じ込めることが考えられる。このようなタイプのエンジンでは、トルクダウンの要求時に、内部EGRを減少させる上記制御として、上記ネガティブオーバーラップ期間が短縮される方向にバルブタイミングを変更する制御を実行すればよい。
さらに、本発明が適用され得るエンジンは、上述したバルブオーバーラップ期間またはネガティブオーバーラップ期間の変更によって内部EGR量を調整することが可能なエンジンであればよく、必ずしも吸気弁および排気弁の双方の開閉時期を変更できるものである必要はなく、また、開弁時期および閉弁時期を同時にかつ同量だけ変更する位相式の可変機構(VVT)を備える必要もない。言い換えると、本発明における可変バルブ機構は、少なくとも排気弁の閉弁時期および吸気弁の開弁時期の少なくとも一方を変更可能な可変機構であればよい。
上記実施形態では、SI燃焼とCI燃焼を組み合わせたSPCCI燃焼(部分圧縮着火燃焼)が可能なエンジンに本発明を適用した例について説明したが、本発明を適用可能なエンジンは、点火プラグ等の点火装置による点火時期に応じて出力トルクを調整可能なエンジンであればよく、例えば混合気の全てをSI燃焼(点火点からの火炎伝播による燃焼)させる従来型な火花点火式エンジンにも本発明を適用可能である。
2 気筒
9 吸気ポート
10 排気ポート
11 吸気弁
12 排気弁
13 吸気VVT(可変バルブ機構)
14 排気VVT(可変バルブ機構)
13a 電動モータ
14a 電動モータ
16 点火プラグ(点火装置)
101 演算部(トルクダウン判定部)
102 燃焼制御部
110 自動変速機

Claims (6)

  1. 気筒と、気筒内の混合気に点火する点火装置と、気筒に吸気を導入するための吸気ポートを開閉する吸気弁と、気筒から排気ガスを排出するための排気ポートを開閉する排気弁と、排気弁の閉弁時期および吸気弁の開弁時期の少なくとも一方を変更する可変バルブ機構とを備え、かつ車両に搭載された車両用エンジンを制御する装置であって、
    前記エンジンの出力トルクを一時的に低下させるトルクダウンの要求の有無を判定するトルクダウン判定部と、
    前記トルクダウン判定部により前記トルクダウンの要求が確認された場合に、前記気筒における内部EGRの量が減少する方向に前記可変バルブ機構を駆動し、かつ前記エンジンの出力トルクが低下するように前記点火装置による点火時期をリタードさせる燃焼制御部とを備えた、ことを特徴とする車両用エンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用エンジンの制御装置において、
    前記燃焼制御部は、前記混合気の一部を前記点火装置による点火点からの火炎伝播によりSI燃焼させるとともにその他の混合気を自着火によりCI燃焼させる部分圧縮着火燃焼を実行可能である、ことを特徴とする車両用エンジンの制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両用エンジンの制御装置において、
    前記部分圧縮着火燃焼により前記エンジンが運転されている状態で前記トルクダウンの要求が確認された場合、前記燃焼制御部は、混合気がSI燃焼のみによって燃焼するタイミングにまで前記点火時期をリタードさせる、ことを特徴とする車両用エンジンの制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用エンジンの制御装置において、
    前記トルクダウン判定部は、前記エンジンに連結された変速機のギヤ段を高くするアップシフト変速の要求を受けたときに、前記トルクダウンが要求されたと判定する、ことを特徴とする車両用エンジンの制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用エンジンの制御装置において、
    前記トルクダウン判定部は、車両の走行性確保のために車輪の駆動トルクを一時的に低下させる要求を受けたときに、前記トルクダウンが要求されたと判定する、ことを特徴とする車両用エンジンの制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用エンジンの制御装置において、
    前記可変バルブ機構は、電動モータの駆動によりバルブの開閉位相を変更する電動式の可変機構である、ことを特徴とする車両用エンジンの制御装置。
JP2018223777A 2018-11-29 2018-11-29 車両用エンジンの制御装置 Active JP7159821B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018223777A JP7159821B2 (ja) 2018-11-29 2018-11-29 車両用エンジンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018223777A JP7159821B2 (ja) 2018-11-29 2018-11-29 車両用エンジンの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020084937A true JP2020084937A (ja) 2020-06-04
JP7159821B2 JP7159821B2 (ja) 2022-10-25

Family

ID=70907115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018223777A Active JP7159821B2 (ja) 2018-11-29 2018-11-29 車両用エンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7159821B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021229937A1 (ja) 2020-05-14 2021-11-18 昭和電工パッケージング株式会社 熱交換器
WO2022064237A1 (ja) * 2020-09-28 2022-03-31 日産自動車株式会社 内燃機関の制御方法および制御装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002235592A (ja) * 2001-02-09 2002-08-23 Mitsubishi Motors Corp 筒内噴射型内燃機関
JP2002235646A (ja) * 2001-02-09 2002-08-23 Mitsubishi Motors Corp 筒内噴射型内燃機関
JP2006274951A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Mazda Motor Corp 4サイクル火花点火式エンジン
JP2009197758A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Mazda Motor Corp 過給機付エンジンシステム
JP2010101197A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Toyota Motor Corp 内燃機関の点火時期制御システム
JP2012172664A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Mazda Motor Corp 火花点火式ガソリンエンジンの制御装置
JP2015227631A (ja) * 2014-05-30 2015-12-17 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2017008898A (ja) * 2015-06-26 2017-01-12 日産自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002235592A (ja) * 2001-02-09 2002-08-23 Mitsubishi Motors Corp 筒内噴射型内燃機関
JP2002235646A (ja) * 2001-02-09 2002-08-23 Mitsubishi Motors Corp 筒内噴射型内燃機関
JP2006274951A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Mazda Motor Corp 4サイクル火花点火式エンジン
JP2009197758A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Mazda Motor Corp 過給機付エンジンシステム
JP2010101197A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Toyota Motor Corp 内燃機関の点火時期制御システム
JP2012172664A (ja) * 2011-02-24 2012-09-10 Mazda Motor Corp 火花点火式ガソリンエンジンの制御装置
JP2015227631A (ja) * 2014-05-30 2015-12-17 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2017008898A (ja) * 2015-06-26 2017-01-12 日産自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021229937A1 (ja) 2020-05-14 2021-11-18 昭和電工パッケージング株式会社 熱交換器
WO2022064237A1 (ja) * 2020-09-28 2022-03-31 日産自動車株式会社 内燃機関の制御方法および制御装置
JPWO2022064237A1 (ja) * 2020-09-28 2022-03-31
JP7380901B2 (ja) 2020-09-28 2023-11-15 日産自動車株式会社 内燃機関の制御方法および制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7159821B2 (ja) 2022-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6555322B2 (ja) 圧縮着火式エンジンの制御装置
JP7137146B2 (ja) エンジンの制御装置
JP6555321B2 (ja) 圧縮着火式エンジンの制御装置
JP7077768B2 (ja) 圧縮着火式エンジンの制御装置
US10196065B2 (en) Vehicle control system
CN104369733A (zh) 用于转矩控制的方法和系统
JP7006303B2 (ja) エンジンの制御方法及びエンジンシステム
JP7035557B2 (ja) エンジンの制御方法及びエンジンシステム
JP2014054886A (ja) 車両用の制御装置
EP1600629A2 (en) Engine starting system
JP5120230B2 (ja) 車両の制御装置
JP7159821B2 (ja) 車両用エンジンの制御装置
CN111670299B (zh) 发动机的控制方法及发动机系统
WO2019146462A1 (ja) エンジンの制御方法及びエンジンシステム
JP5364636B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP7088049B2 (ja) 圧縮着火式エンジンの制御装置
US11473518B1 (en) Methods for reducing cold start emissions for engines
JP7205258B2 (ja) 圧縮着火式エンジンの制御装置
JP2020176596A (ja) エンジンの制御装置および制御方法
JP7155962B2 (ja) エンジンの制御装置
JP7238571B2 (ja) エンジンの制御方法およびエンジンの制御装置
JP2020176592A (ja) エンジンの制御方法および制御装置
JP2020176573A (ja) 予混合圧縮着火式エンジンの制御装置
JP2020200772A (ja) エンジンの制御装置
JP2020176593A (ja) エンジンの制御方法および制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7159821

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150