JP2020084708A - 止水装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような止水装置としては、例えば隙間部分に止水用の膜部材を配置する構成が知られている(特許文献1)。
そして本発明の止水装置は、凹部に対し左右方向への変位を規制される状態で配置されると共に隙間部を前側で止水する止水板ユニットと、梁部に固定されると共に止水板ユニットをその前側において支えるように案内するガイド部であって地震時には第1構造物上の止水板ユニットを相対的に変位可能に案内するガイド部とを備えるものである。
そのうえで止水板ユニットは、平板状の止水板と、止水板に対しその外周部の全周に亘って固定されると共に第1構造物および第2構造物に対し密接する水密ゴムユニットとを備えるものである。
すなわち水密ゴムユニットは、止水板の底面に固定されると共に第1構造物に密接する底部水密ゴムと、止水板の上部に固定されると共に梁部の前面に密接する上部水密ゴムと、止水板の左右の側面に固定されると共に一対の柱部に密接する一対の側部水密ゴムとを備えるものである。
すなわち第1構造物は沿岸部に構築された取水部であり、第2構造物は、沿岸部沿いの一対の防潮堤の間に構築されたものである。
すなわち止水板は、左右方向に並べた複数の単位板と、隣り合う単位板を接続すると共に隣り合う単位板の間を止水する単位板接続ゴムとを備えるものとすることである。
構造物は、例えば沿岸部の発電施設に対し海側に設置される。また構造物は図1〜4に示すように、地盤に構築される第1構造物1と第2構造物2とを備える。
基礎構造物3と鋼製構造物4とは連結されており、柱部5を構成している。そして一対の柱部5,5の上部に防護壁6が梁部6として架設されている。したがって第2構造物2は取水部1を左右・上方から包囲する形、つまり門型である。また本実施形態では、各基礎構造物3は取水部1から離れるように沿岸部に沿って形成されると共に、各基礎構造物3の上には防潮堤7が鋼製構造物4から沿岸部に沿って防護壁6とは反対側に延びる状態で構築される。ちなみに目地はシーリング材からなる伸縮物であり、基礎構造物3はコンクリート製である。
また防護壁6は図3に示すように、一対の柱部5,5のうち鋼製構造物4の前面よりも後側に位置するものである。したがって平面視して一対の柱部5,5と防護壁6とは協働して前側に開口する凹部8を形成する。凹部8の左右両面は一対の柱部5,5のうち左右に対向する面によって形成される。また凹部8の左右両面は平行であり、左右方向に直交する平面である。
また防護壁6の下面は水平面に平行な平面である。そして防護壁6は取水部1に対して上方に間隔をあけて配置されている。したがって防護壁6と取水部1の上下間であって一対の柱部5,5の左右間には隙間部Gが形成される。隙間部Gは前後方向から見て矩形状で、例えば上下方向の寸法dは100mmである。
また防護壁6は、前後に向かって延びる取水部1の全長のうち一部の上方に配置されている。そして平面視すると、防護壁6と取水部1とは十字状に交差する状態となる。
したがって防護壁6を含む第2構造物2と取水部1である第1構造物1とは、地震時において相対的に変位可能となっている。ちなみに変位方向は主として上下・前後方向である。そして地震時においても海水Wが隙間部Gを通過して海側から陸側に浸入するのを止めるのが、凹部8に配置された本発明の第一実施形態の止水装置10である。
なお固定部24aはその上に配置される取付板24cをボルトで単位板21aの上面に取り付けることによって止水板21に固定される。
また水密部24bは止水板21と前面戸当たり63の間に挟まれて弾性変形し、止水板21の後側(防護壁6側)において止水板21と前面戸当たり63との間を止水する。
なお上部水密ゴム24と底部水密ゴム23との間には単位板接続ゴム21bが架設された状態となっている。
第1の側部水密ゴム26は、止水板21の側面において上下に沿って固定される板状の固定部26aと、固定部26aに対して上下に沿って前側(海側)に突出すると共に側面戸当たり61に向かって接するように側方に張り出す水密部26bとを備える。水密部26bは止水板21の側面と側面戸当たり61との間に挟まれて弾性変形し、止水板21の前側(海側)において止水板21と側面戸当たり61との間を止水する。
第2の側部水密ゴム27は、止水板21の上部の側面に固定される板状の固定部27aと、固定部27aに対して左右に沿って上側に突出すると共に側面戸当たり61に向かって接するように側方に張り出す水密部27bとを備える。
左右の側部水密ゴム25,25が一対の柱部5に側面戸当たり61を介して密接することから、止水板ユニット20の左右側面は一対の柱部5,5に左右の側面戸当たり61,61を介して左右方向への変位を規制されている。言い換えれば止水板ユニット20は凹部8に対し左右方向への変位を規制される状態で配置されている。
またガイド部40は、防護壁6に固定され、止水板ユニット20をその前側において支えるものであり、梁部6との協働によって止水板ユニット20を挟むように案内するものである。またガイド部40は、防護壁6に固定されると共に左右方向に間隔をあけて配置された複数の止水板押さえ41を備える。
支え部41bの下端は防護壁6の下端と同じかそれよりも上側に配置してある。
第1のぶれ規制部材51と第2のぶれ規制部材52とは、いずれも上下方向に延長する板であり、地震時に止水板21を相対的に上下方向に変位可能に案内する。
また第1のぶれ規制部材51と第2のぶれ規制部材52とは、単位板21aごとに左右対称となるように配置されている。そして第1のぶれ規制部材51と第2のぶれ規制部材52とは、単位板接続ゴム21bによって接続された単位板21aが地震時に相対的に左右方向に変位しようとしても、それを規制する。
例えば図6に示すように防護壁6が取水部1に対して相対的に海側に変位した場合、止水板ユニット20は防護壁6の変位に追従する。より詳しく言えば、止水板ユニット20は防護壁6に押されて海側へ変位しようとしたときに、ガイド部40によって倒れずに、そのまま隙間部Gを塞いだ状態を維持している。なお各単位板21aは複数のガイド部40によって抑えられているので、隙間部Gに対して平行の状態を維持する。また上部水密ゴム24(水密部)と後面摺動板33は前面戸当たり63に密接し、底部水密ゴム23(水密部)と底面摺動板31は底面戸当たり62に対して相対的に海側に摺動する。また図示しないが、側部水密ゴム25(水密部)と側面摺動板32は側面戸当たり61に対して相対的に海側に摺動する。このようにして隙間部Gは止水板ユニット20によって塞がれ、海水Wの浸入を防止する。
また第一実施形態の止水装置10は、左右方向に並べた複数枚の単位板21aと、単位板接続ゴム21bとを用いて止水板21を形成しているので、一枚の板で止水板を形成するものに比べれば、製造しやすくなるし、地震時における第1構造物1と第2構造物2との相対的な左右方向の変位差を吸収しやすくなる。
そのうえ第一実施形態の止水装置10は、横ぶれ規制ユニット50によって止水板ユニット20(各単位板21a)を沿岸部沿いの複数個所で左右方向への相対的な変位を規制するので、地震時における第1構造物1と第2構造物2との相対的な左右方向の変位差を吸収しやすくなる。
なお各単位板21aを複数の止水板押さえ41によって押さえるので、単位板21aの姿勢が安定する。
1a 取水口
2 第2構造物
3 基礎構造物
4 鋼製構造物
5 柱部
6 防護壁(梁部)
6a 函状物
7 防潮堤
8 凹部
10 止水装置
20 止水板ユニット
21 止水板
21a 単位板
21b 単位板接続ゴム
21c 取付板
22 水密ゴムユニット
23 底部水密ゴム
23a 固定部
23b 水密部
24 上部水密ゴム
24a 固定部
24b 水密部
24c 取付板
25 側部水密ゴム
26 第1の側部水密ゴム
26a 固定部
26b 水密部
27 第2の側部水密ゴム
27a 固定部
27b 水密部
30 摺動板ユニット
31 底面摺動板
32 側面摺動板
33 後面摺動板
40 ガイド部
41 止水板押さえ
41a 張出部
41b 支え部
50 横ぶれ規制ユニット
51 第1のぶれ規制部材
52 第2のぶれ規制部材
60 戸当たりユニット
61 側面戸当たり
62 底面戸当たり
63 前面戸当たり
G 隙間部
d 上下方向の寸法
W 海水
Claims (4)
- 地盤上に構築されると共に前後方向に延びる第1構造物と、前記第1構造物に対し左右両側において地盤上に構築される一対の柱部を含むと共に一対の前記柱部の間に前記第1構造物の上方において架設する梁部を含む第2構造物であって一対の前記柱部と前記梁部とで平面視して前側に開口する凹部が形成された前記第2構造物とに関し、一対の前記柱部の間において前記第1構造物と前記第2構造物の前記梁部との上下方向の間に形成される隙間部に前側から後側に水が浸入するのを止水する止水装置であって、
前記凹部に対し左右方向への変位を規制される状態で配置されると共に前記隙間部を前側で止水する止水板ユニットと、前記梁部に固定されると共に前記止水板ユニットをその前側において支えるように案内するガイド部であって地震時には前記第1構造物上の前記止水板ユニットを相対的に変位可能に案内する前記ガイド部とを備え、
前記止水板ユニットは、平板状の止水板と、前記止水板に対しその外周部の全周に亘って固定されると共に前記第1構造物および前記第2構造物に対し密接する水密ゴムユニットとを備えることを特徴とする止水装置。 - 前記水密ゴムユニットは、前記止水板の底面に固定されると共に前記第1構造物に密接する底部水密ゴムと、前記止水板の上部に固定されると共に前記梁部の前面に密接する上部水密ゴムと、前記止水板の左右の側面に固定されると共に一対の前記柱部に密接する一対の側部水密ゴムとを備えることを特徴とする請求項1に記載の止水装置。
- 前記第1構造物は沿岸部に構築された取水部であり、
前記第2構造物は、沿岸部沿いの一対の防潮堤の間に構築されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の止水装置。 - 前記止水板は、左右方向に並べた複数の単位板と、隣り合う前記単位板を接続すると共に隣り合う前記単位板の間を止水する単位板接続ゴムとを備えることを特徴とする請求項1、2または3に記載の止水装置。
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