JP2020084103A - 樹脂組成物、接着シートおよび多層基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリイミドの十分な耐熱性、機械強度を維持したまま、誘電率と誘電正接を低くし、熱硬化性を付与して加熱時の溶融粘度を低くすることによって、銅など金属との接着強度を向上するとともに加工性を向上した樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)ポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂を少なくとも含有する樹脂組成物であって、(B)エポキシ樹脂は少なくとも(B−1)炭素数が9以上のアルキル基を有するエポキシ樹脂を含有し、(B−1)の含有量が、(B)エポキシ樹脂全体に対して30質量%以上70質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品や電子材料において使用される樹脂組成物に関する。より詳しくは、高周波数域において比誘電率および誘電正接が低い樹脂組成物に関する。
近年、携帯端末等の情報量が多くなり、通信機器の信号帯域,コンピューターのCPUクロックタイムはGHz帯に達し、高周波数化が更に進行している。この時、電気信号の誘電損失は、回路を形成する絶縁体の比誘電率の平方根,誘電正接及び使用される信号の周波数の積に比例する。そのため、使用される電気信号の周波数が高くなると誘電損失が大きくなり、信頼性を大きく損ねる。これを抑制するために回路を形成する絶縁体には誘電率及び誘電正接が低い材料を選定する必要がある。絶縁体の低誘電率化及び低誘電正接化には樹脂構造で極性の官能基を減らすことや、樹脂中の自由体積を大きくすることが有効である。
このような樹脂として、フッ素樹脂、シアネートエステル系樹脂,ベンゾシクロブテン、ポリフェニレンエーテル、液晶ポリマー(芳香族ポリエステル樹脂)等が提案されている。フッ素樹脂は、誘電率及び誘電正接が低いが、回路を形成する銅などの金属に対する密着強度が低く、耐熱性が低いなどの課題がある。また、シアネートエステル樹脂、ベンゾシクロブテン、ポリフェニレンエーテルをエポキシ樹脂と混合した熱硬化型樹脂組成物は、銅などの金属に対する密着強度は高いものの、樹脂の伸びが低く熱応力で回路基板が反った時にクラックが入るなど機械物性が低い課題がある。また、液晶ポリマー(芳香族ポリエステル樹脂)は耐熱性が高く、機械強度など物性に優れているものの、溶剤に不溶であり、250℃以上の高温で熱溶融して接着させることから加工性が低く、銅などの金属に対する密着強度が低い課題がある。
これに対して、耐熱性が高いポリイミド樹脂でも低誘電率化と低誘電正接化が検討されている。例えば、特許文献1では2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二酸無水物を酸無水物残基に有し、イミド基濃度を低くして比誘電率と誘電正接を低くしたポリエーテルイミドが提案されている。また特許文献2では耐熱性を維持する観点から分子構造中に芳香族及び脂肪族環の両方を有するポリイミドが提案されている。
特開2005−42091号公報 特開2015−214680号公報
しかしながら、従来の組成物は金属配線など段差のある回路基板上に積層させる場合、加熱圧着時に十分な熱流動性がなく、高い接着強度が得られない。同様にガラス基板の貫通穴に樹脂組成物を充填する場合でも、十分に充填することができなかった。
そこで本発明は、ポリイミドの十分な耐熱性、機械強度を維持したまま、比誘電率と誘電正接を低くし、熱硬化性を付与して加熱時の溶融粘度を低くすることによって、銅など金属との接着強度を向上するとともに加工性を向上した樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、(A)ポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂を少なくとも含有する樹脂組成物であって、(B)エポキシ樹脂は少なくとも(B−1)炭素数が9以上のアルキル基を有するエポキシ樹脂を含有し、(B−1)の含有量が、(B)エポキシ樹脂全体に対して30質量%以上70質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物である。
本発明によれば、ポリイミドの高い耐熱性と機械強度を維持したまま、比誘電率と誘電正接が低く、銅など金属への接着強度が高い樹脂組成物を得ることができる。
本発明における(A)ポリイミド樹脂は有機溶媒に溶解する可溶性ポリイミドであることが望ましい。可溶性ポリイミドとは、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジエチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、γ−ブチロラクトン、メチルモノグライム、メチルジグライム、メチルトリグライム、エチルモノグライム、エチルジグライム、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒のいずれかの有機溶媒100gに対して、25℃で1g以上溶解するものを指す。
また、本発明における(A)ポリイミド樹脂は、主としてテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により得られ、テトラカルボン酸二無水物の残基とジアミンの残基を有する。ここで、本発明における(A)ポリイミド樹脂は下記一般式(1)で示されるジアミン残基を含有することが望ましい。かかるジアミン残基を有することによって、ポリイミドの有機溶媒に対する溶解性が向上する。また、シロキサン結合は極性が低い為、ポリイミドの比誘電率および誘電正接を低くすることができる。比誘電率および誘電正接を低くする観点から、下記一般式(1)で示されるジアミン残基の含有量は、全ジアミン残基中30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であればより好ましい。また、ポリイミドの機械強度を向上する観点から、70モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であることがより好ましい。
Figure 2020084103
(一般式(1)中、mは1〜30の整数を示す。RおよびRは同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜30のアルキレン基またはフェニレン基を示す。R〜Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜30のアルキル基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
炭素数1〜30のアルキル基は特に制限はないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。また、炭素数1〜30のアルキレン基は特に制限はないが、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましい。なお、アルキル基およびアルキレン基は直鎖構造である必要はない。
一般式(1)で表されるジアミンの具体例としては、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれらのジアミンに対応する製品としては、信越化学(株)製のLP7100、PAM−E、KF8010、X−22−161A、X−22−161B、KF8012、KF8008などが挙げられる。
また、本発明における(A)ポリイミド樹脂は、下記一般式(2)で示されるジアミン残基を含有することが望ましい。かかるジアミン残基を含有することにより直線性が高い構造で剛直となり、樹脂の機械強度が高くなる。機械強度を向上する観点から、下記一般式(2)で示されるジアミン残基の含有量は、全ジアミン残基中30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であればより好ましい。また、密着性を向上して銅などの金属との接着強度を向上させる観点から70モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であればより好ましい。
Figure 2020084103
(一般式(2)中、XおよびYは同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜30のアルキル基、アルコキシ基、フルオロアルキル基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
中でもXおよびYは、トリフルオロメチル基が好ましい。トリフルオロメチル基はフッ素の原子半径が大きく自由体積を広げる効果があることから比誘電率および誘電正接を低くすることができる。一般式(2)で表されるジアミンの具体例として、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ジエチルビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ジエトキシビフェニル−4,4’−ジアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また本発明における(A)ポリイミド樹脂は下記一般式(3)で示される酸二無水物残基を含有することが好ましい。かかる酸二無水物残基は分子量が大きくポリイミドのイミド基濃度を低くできることから比誘電率および誘電正接を低くすることができる。またイソプロピリデン骨格は剛直な骨格であり機械強度を高くすることができる。比誘電率および誘電正接を低くする観点から下記一般式(3)で示される酸二無水物残基は、全酸二無水物残基中50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましい。
Figure 2020084103
本発明において、(A)ポリイミド樹脂の重量平均分子量は、5,000以上1000,000以下であることが好ましい。可溶性ポリイミドを2種以上含有する場合、そのうちの少なくとも1種の重量平均分子量が上記範囲であればよい。重量平均分子量が5,000以上であれば、機械強度の低下がより少なくなり、接着強度の低下がより少なくなる。好ましくは10,000以上である。一方、重量平均分子量が1000,000以下であれば、加熱時の溶融粘度が高くなることがなくなり、接着強度の低下がより少なくなる。好ましくは500,000以下である。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定しポリスチレン換算で算出する。
本発明における(A)ポリイミド樹脂は、上記ジアミン残基の他に、本発明の効果を損なわない程度に他のジアミン残基を含有していてもよい。例えば、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2,5−ジハロゲノベンゼンなどのベンゼン環1個を含むジアミン類、ビス(4−アミノフェニル)エ−テル、ビス(3−アミノフェニル)エ−テル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、o−ジアニシジン、o−トリジン、トリジンスルホン酸類などのベンゼン環2個を含むジアミン類、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼンなどのベンゼン環3個を含むジアミン類、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4’−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、5,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセンなどのベンゼン環4個以上を含むジアミン類などのジアミン化合物の残基が挙げられる。なお、他のジアミン残基の例はこれらに限られない。
本発明における(A)ポリイミド樹脂は上記酸二無水物残基の他に、本発明の効果を損なわない程度に他の酸二無水物残基を含有していてもよい。含有する酸二無水物残基としては特に限定がなく、例えば、無水ピロメリット酸(PMDA)、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BSAA)、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物(6FDA)、1,2−エチレンビス(アンヒドロトリメリテート)(TMEG)などの酸二無水物の残基が挙げられる。なお、酸二無水物残基の例はこれらに限られない。
上記の中で、テトラカルボン酸二無水物の残基とジアミンの残基は、(1)ベンゼン環が少ない、(2)分子量が大きく嵩高い、または(3)脂肪族基やシロキサン基など極性の低い、構造が好ましい。このような構造を有することにより極性の高いイミド基の濃度を低くすることができ、また分子鎖間での自由体積を大きできることから比誘電率および誘電正接を低くすることができる。
本発明における(A)ポリイミド樹脂は、ポリイミド構造単位からなるもののみであってもよいし、ポリイミド構造単位のほかに共重合成分として他の構造も有する共重合体であってもよい。また、ポリイミド構造単位の前駆体(ポリアミック酸構造)が含まれていてもよい。またこれらの混合体であってもよい。さらに、これらのいずれかに他の構造で表されるポリイミドが混合されていてもよい。他の構造で表されるポリイミドが混合される場合は、本発明における(A)ポリイミド樹脂を50モル%以上含有していることが好ましい。共重合あるいは混合に用いられる構造の種類および量は、本発明の効果を損なわない範囲で選択することが好ましい。
本発明に用いられる(A)ポリイミド樹脂の合成方法は特に限定されず、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を用いて、公知の方法で合成される。例えば、(1)低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物(一部をアニリン誘導体に置換してもよい)を反応させる方法、(2)テトラカルボン酸二無水物とアルコールとの反応によりジエステルを得、その後ジアミン(一部をアニリン誘導体に置換してもよい)と縮合剤の存在下で反応させる方法、(3)テトラカルボン酸二無水物とアルコールとの反応によりジエステルを得、その後残りの2つのカルボキシル基を酸クロリド化し、ジアミン(一部をアニリン誘導体に置換してもよい)と反応させる方法、などの方法を利用して、ポリイミド前駆体を得、これを公知のイミド化方法を利用して合成することができる。
本発明の樹脂組成物は、(B)エポキシ樹脂を含有する。エポキシ樹脂を含有すると、Bステージまでは樹脂組成物の粘度が低くなることから、樹脂組成物をシート状に成型したもの(接着シート)と基板との熱圧着性が向上する。また硬化反応によって3次元で架橋反応が進むことから、接着後の機械強度や耐熱性及び金属や基板に対する密着性が向上する。
本発明に用いられる(B)エポキシ樹脂は少なくとも(B−1)炭素数が9以上の長鎖アルキル基を含有するエポキシ樹脂であることが好ましい。炭素数が9以上の長鎖アルキル基を含有すると、誘電率および誘電正接が低くなる。エポキシ基はエポキシ基どうしの反応に加えて、アミン、アルコール、フェノールあるいはカルボン酸と反応して、水酸基を生成する。水酸基は極性が高い為、比誘電率を上げてしまう。そこで炭素数が9以上の長鎖アルキル基を含有するエポキシ化合物は、エポキシ基の濃度を低くなることから、比誘電率を低くすることができる。エポキシ基の数は架橋して接着強度を向上する観点から1分子鎖に1つ以上あればよい。また比誘電率を低くする観点から1分子鎖に4つ以下が好ましい。このようなエポキシ樹脂として、四日市合成(株)製の“エポゴーセー”(登録商標)EN、“エポゴーセー”(登録商標)ANや(株)ADEKA製のアデカグリシロールED502、ED502Sやナガセケムテックス(株)製のEX-171、EX‐192などが挙げられる。
本発明に用いられるエポキシ樹脂(B−1)は炭素数が9以上の長鎖アルキル基が、第3級炭素または第4級炭素を1つ以上含有する分岐アルキル基であることが好ましい。より好ましくは3つ以上である。分岐アルキル基を含有することによって、分岐アルキル基は立体障害が大きいことからエポキシ樹脂が架橋した後の自由体積を大きくして誘電正接を低くすることができる。このような炭素数が9以上の長鎖アルキル基が、第3級炭素または第4級炭素を3つ以上含有する分岐アルキル基であるエポキシ樹脂として、日産化学(株)製のFOLDI E101、FOLDI E201やクローダ(株)製のA1、A2、A3などが挙げられる。誘電正接を低くする観点から、エポキシ樹脂(B−1)の含有量は、エポキシ樹脂(B)全体の30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。また耐熱性と機械強度を向上させる観点から、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
本発明はさらに、他のエポキシ樹脂(B−2)を含有していても良い。本発明に用いられるエポキシ樹脂(B−2)に特に制限はないが、Bステージでの柔軟性や基板との密着強度の観点から室温で液状のエポキシ樹脂が好ましい。ここで液状のエポキシ樹脂とは、25℃、1.013×10N/mで150PA・s以下の粘度を示すものである。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アルキレンオキサイド変性エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。このようなエポキシ樹脂に対応する製品としては、三菱化学(株)製のJER825、JER827、JER828、JER806、JER807、JER801N、JER802、JER604、JER630、JER630LSDやDIC(株)製のエピクロン840S、エピクロン850S、エピクロン830S、エピクロン705、エピクロン707や新日鐵化学(株)製のYD127、YD128、PG207N、PG202などが挙げられる。
本発明に用いられる(B−2)エポキシ樹脂に特に制限はないが、高温での流動特性や硬化後の機械強度を高くして、熱膨張係数を低くする観点から結晶性のエポキシ樹脂が好ましい。結晶性のエポキシ樹脂とは、ビフェニル基、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、フェニルベンゾエート基、ベンズアニリド基などのメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂である。このようなエポキシ樹脂に対応する製品としては、三菱化学(株)製のJERYX4000、JERYX4000H、JERYX8800、JERYL6121H、JERYL6640、JERYL6677、JERYX7399や日本化薬(株)製のNC3000、NC3000H、NC3000L、CER−3000Lや新日鐵化学(株)製のYSLV−80XY、YDC1312などが挙げられる。
また、本発明に用いられる(B)エポキシ樹脂は、特性を損なわない範囲で、(B−1)、(B−2)の他に、さらに他のエポキシ樹脂を組み合わせても良い。(B)エポキシ樹脂の含有量は、(A)ポリイミド樹脂と(B)エポキシ樹脂総量の10質量%以上80質量%以下が好ましい。Bステージにおける樹脂シートの基板との熱圧着性の観点から10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。またポリイミドの耐熱性および機械強度を向上する観点から80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。
さらに本発明の樹脂組成物は必要により硬化剤を含有しても良い。エポキシ樹脂と硬化剤を組み合わせることにより、エポキシ樹脂の硬化を促進して短時間で硬化させることができる。硬化剤としては、イミダゾール類、多価フェノール類、酸無水物類、アミン類、ヒドラジド類、ポリメルカプタン類、ルイス酸−アミン錯体類、潜在性硬化剤などを用いることができる。その中でも、保存安定性と硬化物の耐熱性が優れるイミダゾール類、多価フェノール類、潜在性硬化剤が好ましく用いられる。これらは、単独または2種以上を混合して使用することができる。
イミダゾール類としては“キュアゾール”2MZ、“キュアゾール”2PZ、“キュアゾール”2MZ−A、“キュアゾール”2MZ−OK(以上商品名、四国化成工業(株)製)などがあげられる。多価フェノール類としては、“スミライトレジン”PR−HF3、“スミライトレジン”PR−HF6(以上商品名、住友ベークライト(株)製)“カヤハード”KTG−105、“カヤハード”NHN(以上商品名、日本化薬(株)製)、“フェノライト”TD2131、“フェノライト”TD2090、“フェノライト”VH−4150、“フェノライト”KH−6021、“フェノライト”KA−1160、“フェノライト”KA−1165(以上商品名、DIC(株)製)などがあげられる。また、潜在性硬化剤としては、ジシアンジアミド型潜在性硬化剤、アミンアダクト型潜在性硬化剤、有機酸ヒドラジド型潜在性硬化剤、芳香族スルホニウム塩型潜在性硬化剤、マイクロカプセル型潜在性硬化剤、光硬化型潜在性硬化剤が挙げられる。
ジシアンジアミド型潜在性硬化剤としては、DICY7、DICY15、DICY50(以上商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“アミキュア”AH−154、“アミキュア”AH−162(以上商品名、味の素ファインテクノ(株)製)などが挙げられる。アミンアダクト型潜在性硬化剤としては、“アミキュア”PN−23、“アミキュア”PN−40、“アミキュア”MY−24、“アミキュア”MY−H(以上商品名、味の素ファインテクノ(株)製)、“フジキュア”FXR−1030(商品名、富士化成(株)製)などが挙げられる。有機酸ヒドラジド型潜在性硬化剤としては、“アミキュア”VDH、“アミキュア”UDH(以上商品名、味の素ファインテクノ(株)製)などが挙げられる。芳香族スルホニウム塩型潜在性硬化剤としては、“サンエイド”SI100、“サンエイド”SI150、“サンエイド”SI180(以上商品名、三新化学工業(株)製)などが挙げられる。マイクロカプセル型潜在性硬化剤としては、上記の各硬化剤をビニル化合物、ウレア化合物、熱可塑性樹脂でカプセル化したものが挙げられる。中でも、アミンアダクト型潜在性硬化剤をイソシアネートで処理したマイクロカプセル型潜在性硬化剤としては“ノバキュア”HX−3941HP、“ノバキュア”HXA3922HP、“ノバキュア”HXA3932HP、“ノバキュア”HXA3042HP(以上商品名、旭化成ケミカルズ(株)製)などが挙げられる。また、光硬化型潜在性硬化剤としては、“オプトマー”SP、“オプトマー”CP((株)ADEKA製)などが挙げられる。
樹脂組成物に硬化剤が含まれる場合、その含有量は、(B)エポキシ樹脂100重量部に対し、0.1重量部以上35重量部以下であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、必要により無機粒子を含有しても良い。無機粒子を含有することにより樹脂組成物を加熱硬化の熱膨張係数を低くするなど物性を調整することができる。無機粒子の材質としては、シリカ、中空シリカ、アルミナ、チタニア、窒化ケイ素、窒化硼素、窒化アルミニウム、酸化鉄、ガラスやその他金属酸化物、金属窒化物、金属炭酸塩、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩等を単独でまたは2種以上混合して用いることができる。これらの中でシリカが低熱膨張性、熱放散性、低吸湿率の点で好ましく使用することができる。また中空シリカは低誘電正接の点で好ましく使用することができる。
樹脂組成物に無機粒子が含まれる場合、その含有量は、無機粒子の含む樹脂組成物全量に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましい。樹脂組成物の低熱膨張性、熱拡散性、低吸湿率、低誘電率、低誘電正接の観点から10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。また熱硬化時の基板との熱圧着性を向上することと、熱硬化後の機械強度を向上する観点から、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。無機粒子の平均粒子径は0.1μm以上10μm以下が好ましい。樹脂組成物の低熱膨張性、熱拡散性を向上する観点から0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましい。また樹脂シートの表面を平滑にする観点から10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は必要に応じて界面活性剤を含有してもよく、基板との塗れ性を向上させることができる。また、メチルメタクリロキシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、チタンキレート剤などを樹脂組成物中0.5〜10質量%含有してもよい。
次に本発明の樹脂組成物をシート状に加工して接着シートとする方法について説明する。本発明の樹脂組成物をシート状に加工するには、例えば支持フィルム上に樹脂組成物を溶媒中で混合してワニス状としたものを塗布、乾燥してシート状に加工することができる。
ここで用いる溶媒としては前記成分を溶解するものを適宜選択すればよく、たとえばケトン系溶剤のアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、エーテル系溶剤の1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、グリコールエーテル系溶剤のメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、その他ベンジルアルコール、プロパノール、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。特に大気圧下沸点が120℃以下であるものを含むと、低温、短時間で脱溶媒化できるためシート化が容易となる。
本発明の接着剤組成物をワニス状にする方法は特に限定されるものではないが、(A)ポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂並びに必要に応じ含まれる他の成分を上記溶媒中でプロペラ攪拌機、ホモジナイザー、混練機などを用いて混合させた後、必要に応じて無機粒子の分散性を向上させる観点から、ビーズミル、ボールミル、3本ロールミル等で混合することが好ましい。
支持フィルムへワニスを塗布する方法としては、スピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷、あるいは、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマロールコーター、グラビアコーター、スクリーンコーター、スリットダイコーターなどを用いた塗布方法が挙げられる。
塗工機としては、ロールコーター、コンマロールコーター、グラビアコーター、スクリーンコーター、スリットダイコーターなどを用いることができるが、スリットダイコーターがコーティング時の溶媒の揮発が少なく塗布性が安定するため好ましく使用される。シート化した樹脂組成物(樹脂シート)の厚みは特に限定されるものではないが、凹凸のある配線基板への埋め込み性や絶縁性などの観点から10〜400μmの範囲が好ましい。
乾燥には、オーブン、ホットプレート、赤外線などを使用することができる。乾燥温度および乾燥時間は、有機溶媒を揮発させることが可能な範囲であればよく、接着シートが未硬化または半硬化状態(Bステージ状態)となるような範囲を適宜設定することが好ましい。具体的には、40℃から120℃の範囲で1分間から数十分間保持することが好ましい。また、これらの温度を組み合わせて段階的に昇温してもよく、例えば、70℃、80℃、90℃で各1分間ずつ熱処理してもよい。
支持フィルムは特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルムなど、通常市販されている各種のフィルムが使用可能である。
支持フィルムの接着剤組成物との接合面は、密着性と剥離性を向上させるために、シリコーン、シランカップリング剤、アルミキレート剤、ポリ尿素などの表面処理が施されていてもよい。また、支持フィルムの厚みは特に限定されないが、作業性の観点から、10〜100μmの範囲であることが好ましい。
また、樹脂シートは、その表面を保護するために保護フィルムを有してもよい。これにより、大気中のゴミやチリ等の汚染物質から接着シート表面を保護することができる。
保護フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられる。保護フィルムは、接着シートとの接着力が小さいものであると好ましい。
次に、本発明の樹脂組成物または樹脂シートを利用して基板や部材を接着する方法について、例を挙げて説明する。樹脂組成物は上記のようなワニス状にして用いることが好ましい。まず、樹脂組成物ワニスを用いて、ガラス基板やガラスエポキシ基板上に配線が形成されたプリント基板上に樹脂組成物被膜を形成する。樹脂組成物ワニスの塗布方法としてはスピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷などの方法が挙げられる。また、塗布膜厚は、塗布手法、樹脂組成物の固形分濃度および粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が10μm以上400μm以下になるように塗布することが好ましい。次に、樹脂組成物ワニスを塗布した基板を乾燥して、樹脂組成物被膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用することができる。乾燥温度および乾燥時間は、有機溶媒を揮発させることが可能な範囲であればよく、樹脂組成物被膜が未硬化または半硬化状態となるような範囲を適宜設定することが好ましい。具体的には、50〜150℃の範囲で1分間から数時間行うのが好ましい。
一方、樹脂シートは、保護フィルムを有する場合にはこれを剥離し、樹脂シートとプリント基板を対向させて熱圧着により貼り合わせる。熱圧着は、熱プレス処理、熱ラミネート処理、熱真空ラミネート処理等によって行うことができる。貼り付け温度は、基板への密着性、埋め込み性の点から40℃以上が好ましい。また、貼り付け時に温度が高くなると樹脂シートが硬化する時間が早くなり、作業性が低下するため貼り付け温度は250℃以下が好ましい。樹脂シートが支持フィルムを有する場合、支持フィルムは貼り合わせ前に剥離してもよいし、熱圧着工程のいずれかの時点または熱圧着後に剥離してもよい。
このようにして得られた樹脂組成物被膜が形成されたプリント基板をポリイミド、液晶ポリマーなどの樹脂フィルム、プリント基板や他部材に熱圧着する。熱圧着温度は樹脂のガラス転移温度以上であればよく、100〜400℃の温度範囲が好ましい。また圧着時の圧力は0.01〜10MPAの範囲が好ましい。時間は1秒〜数分間が好ましい。
熱圧着後、120℃から400℃の温度を加えて硬化物とすることで硬化膜が得られる。この加熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分間から5時間実施する。一例としては、130℃、200℃で各30分間ずつ熱処理する。あるいは室温より250℃まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。この際、加熱温度は150℃以上、300℃以下の温度が好ましく、180℃以上、250℃以下であることがさらに好ましい。このように熱圧着して得られた接着体はその剥離強度が、接着信頼性の観点から3N/cm以上であることが好ましい。より好ましいのは5N/cm以上である。
熱圧着して得られた硬化膜の弾性率は、熱応力で発生する基板の反りを低減する観点から25℃で5GPA以下であることが好ましい。より好ましいのは3GPA以下である。また、得られた硬化膜の誘電率は、電気信号の誘電損失を低減する観点から、10GHzで3.0以下が好ましい。より好ましくは2.8以下である。同様に、得られた硬化膜の誘電正接は、電気信号の誘電損失を低減する観点から、10GHzで、0.01以下が好ましい。より好ましいのは0.008以下である。硬化膜の膜厚は、任意に設定することができるが、10μm以上400μm以下であることが好ましい。
次に本発明における樹脂組成物の用途について一例を挙げて説明するが、本発明の樹脂組成物の用途は以下に限定されるものではない。
本発明における樹脂組成物は、半導体装置の接着剤や絶縁樹脂として広く使用できるが、高速で大容量の電気信号が処理される携帯端末などの無線通信機器に使用されるRFモジュールに好適に用いられる。RFモジュールとは、無線通信機器に使用される複合機能製品で、複数のICと受動部品(SAWフィルタ、コンデンサ、抵抗、コイル)を基板に搭載したモジュールである。受動部品を搭載した基板においては、絶縁層と銅配線層の多層構造で形成されるが、絶縁層に本発明の樹脂組成物を好適に使用することができる。プリント基板上に樹脂シートを張り付けるか、または樹脂組成物のワニスを塗布、乾燥することにより、絶縁層を形成する。その後、絶縁層の表面に電気めっきにて銅配線を形成し、更にその上に樹脂シートを張り付けるか、樹脂組成物のワニスを塗布することにより多層の基板を作成することができる。なお、本発明でいう半導体装置とは半導体素子を基板に接続したものや、半導体素子同士または基板同士を接続したものだけでなく、半導体素子の特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路基板及びこれらを含む電子部品は全て半導体装置に含まれる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、各実施例において略号で示した原料の詳細を以下に示す。
<ポリイミドの原料>
BSAA:2,2‘−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物
ODPA:4,4’−オキシジフタル酸二無水物(マナック(株)製)
TFMB:4,4‘−ジアミノー2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(和歌山精化工業(株)製)
mTB:4,4‘−ジアミノー2,2’−ジメチルビフェニル(和歌山精化工業(株)製)
LP7100:ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(信越化学(株)製)
KF8010:ジアミノポリシロキサン(信越化学(株)製)
X−22−161A:ジアミノポリシロキサン(信越化学(株)製)。
<エポキシ樹脂>
JER828:ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)製)
E101:分岐アルキル基含有エポキシ樹脂(炭素数17)(日産化学(株)製)
Figure 2020084103
E201:分岐アルキル基含有エポキシ樹脂(炭素数17)(日産化学(株)製)
Figure 2020084103
A1:ダイマー酸変性エポキシ樹脂(炭素数18)(クローダ(株)製)
ED502:長鎖アルキル基変性エポキシ樹脂(炭素数12〜13)((株)ADEKA製)
EX−212:1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(炭素数6)(ナガセケムテックス(株)製)
<硬化剤>
2P4MZ:2−フェニル−4−メチルイミダゾール
<溶剤>
トリグライム:トリエチレングリコールジメチルエーテル
各実施例・比較例における評価方法を次に示す。
<合成したポリイミド樹脂の重量平均分子量>
ポリイミド樹脂をN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPとする)に溶解した固形分濃度0.1質量%の溶液を用い、下に示す構成のGPC装置WAters2690(WAters(株)製)によりポリスチレン換算の重量平均分子量を算出した。GPC測定条件は、移動層をLiClとリン酸をそれぞれ濃度0.05mol/lで溶解したNMPとし、展開速度を0.4ml/分とした。
検出器:WAters996
システムコントローラー:WAters2690
カラムオーブン:WAters HTR−B
サーモコントローラー:WAters TCM
カラム:TOSOH grArd comn
カラム:TOSOH TSK−GEL α−4000
カラム:TOSOH TSK−GEL α−2500。
<合成したポリイミド樹脂のイミド化率>
まず、ポリマーの赤外吸収スペクトルを測定し、ポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピーク(1780cm−1付近、1377cm−1付近)の存在を確認した。次に、そのポリマーについて、350℃で1時間熱処理した後、再度、赤外吸収スペクトルを測定し、熱処理前と熱処理後の1377cm−1付近のピーク強度を比較した。熱処理後のポリマーのイミド化率を100%として、熱処理前のポリマーのイミド化率を求めた。
<銅箔接着強度>
各実施例および比較例で作製した樹脂組成物をコンマロールコーターを用いて、支持フィルムフィルムとして厚さ38μmのPETフィルム上に塗布し、100℃で30分間乾燥を行った後、保護フィルムとして、厚さ10μmのPPフィルムをラミネートし、接着シートを得た。接着シートにおける樹脂シートの膜厚は50μmとなるように塗工を行った。その後保護フィルムを剥離し、該剥離面を、銅箔(NA−VLP厚み15μm:三井金属(株)製)上に、熱板プレス機を用いて、プレス温度120℃、圧力1MPA、加圧時間5分でプレスした。そして、支持フィルムフィルムを剥がした後、樹脂組成物の上に更に銅箔を積層して、プレス温度180℃、圧力1MPA、加圧時間10分でプレスした。その後180℃の熱風循環型乾燥機で1時間かけて熱硬化した。このようにして得られた積層体の銅箔を片側のみ第二塩化鉄水溶液でエッチング除去して線幅2mmの回路加工をおこなった。その後、プッシュゲルゲージで2mm幅の銅箔を積層体に対して90℃の方向に持ち上げて引っ張り、接着強度を測定した。
<はんだ耐熱性>
上記と同様の方法で得られた積層板(銅箔15μm/樹脂50μm/銅箔15μm)を、50mm×50mmのサイズにカットして、260℃に加熱されたはんだ浴に2分間浸漬した。浸漬後銅箔の剥離や発泡がみられず初期と変化ないものを○、剥離や発泡が見られるものを×とした。
<引張破断強度>
上記の方法で得られた積層板の銅箔を第二塩化鉄水溶液でエッチング除去して硬化物を得た。これを幅12.5mm×140mmにカットし、(株)島津製作所製のオートグラフAG−5kNXPlusで、チャックつかみ間距離100mm、室温で引っ張り速度25mm/分で試験片に荷重を加え、試験片中央部で破断した時の荷重を測定した。この時の荷重を試験片の断面積で除した値を引張破断強度とした。
<引張破断伸度>
上記の引張破断強度と同じ方法で試験をおこない、試験片中央部で破断した時のひずみ量を元の試験片寸法100mmで除した値を百分率で計算して伸度とした。
<比誘電率、誘電正接>
上記と同様の方法で得られた樹脂シートの硬化物を、60×100mmにカットし、22℃/60%RHの雰囲気下で24時間調湿した。比誘電率および誘電正接の測定は、円筒空胴共振器法にて測定した。アジレント・テクノロジー(株)製のVECTOR NETWORK ANALYZER HP8510Cで測定し、周波数10GHz、22℃/60%RHの環境下で測定した。
実施例1
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 128.68g、BSAA 36.04gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらTFMB−11.21g、LP7100 8.70gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて3時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液A(固形分濃度30.0質量%)を得た。ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、46,300であり、イミド化率を測定した結果、100%であった。
上記の方法により得られたポリイミド溶液A13.33g(固形分4g)に、JER828を1g、E101を1g、2P4MZを0.08gを添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例2
実施例1で得られたポリイミド溶液A13.33g(固形分4g)に、JER828を1g、E201を1g、2P4MZを0.08gを添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例3
実施例1で得られたポリイミド溶液A13.33g(固形分4g)に、JER828を1g、A1を1g、2P4MZを0.08gを添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例4
実施例1で得られたポリイミド溶液A13.33g(固形分4g)に、JER828を1g、D502を1g、2P4MZを0.08gを添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例5
実施例1で得られたポリイミド溶液A13.33g(固形分4g)に、JER828を1g、EX212を1g、2P4MZを0.08gを添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例6
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 120.00g、BSAA 36.04gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらmTB 7.43g、LP7100 8.70gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて2時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液B(固形分濃度30.0質量%)を得た。ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、58,000であり、イミド化率を測定した結果、100%であった。このようにして得られたポリイミドB13.33g(固形分4g)について、実施例2と同様の方法で表2に記載の各成分と混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例7
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 176.30g、BSAA 36.04gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらTFMB−11.21g、KF8010 29.40gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて2時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液C(固形分濃度30.0質量%)を得た。ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、42,000であり、イミド化率を測定した結果、100%であった。このようにして得られたポリイミド溶液C13.33g(固形分4g)について、実施例2と同様の方法で表2に記載の各成分と混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例8
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 133.40g、BSAA 20.60gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらTFMB 6.40g、X−22−161A 31.00gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて2時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液D(固形分濃度30.0質量%)を得た。ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、36,800であり、イミド化率を測定した結果、100%であった。このようにして得られたポリイミド溶液D13.33g(固形分4g)について、実施例2と同様の方法で表2に記載の各成分と混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例9
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 147.73g、BSAA 36.04gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらTFMB−11.21g、LP7100 5.22g、KF8010 11.76gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて2時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液E(固形分濃度30.0質量%)を得た。ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、42,500であり、イミド化率を測定した結果、100%であった。このようにして得られたポリイミド溶液E13.33g(固形分4g)について、実施例2と同様の方法で表2に記載の各成分と混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例10
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 122.44g、ODPA 27.64gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらTFMB−14.41g、LP7100 11.18gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて2時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液F(固形分濃度30.0質量%)を得た。ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、39,400であり、イミド化率を測定した結果、100%であった。このようにして得られたポリイミド溶液F13.33g(固形分4g)について、実施例2と同様の方法で表2に記載の各成分と混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例11
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 110.31g、BSAA 20.60gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらTFMB 3.84g、KF8010 23.52gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて2時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液G(固形分濃度30.0質量%)を得た。ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、32,270であり、イミド化率を測定した結果、100%であった。このようにして得られたポリイミド溶液G13.33g(固形分4g)について、実施例2と同様の方法で表2に記載の各成分と混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例12
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 115.09g、BSAA 20.60gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらTFMB−2.56g、KF8010 26.88gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて2時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液H(固形分濃度30.0質量%)を得た。ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、29,860であり、イミド化率を測定した結果、100%であった。このようにして得られたポリイミド溶液H13.33g(固形分4g)について、実施例2と同様の方法で表2に記載の各成分と混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例13
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 159.56g、BSAA 36.04gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらTFMB−15.69g、KF8010 17.64gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて2時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液I(固形分濃度30.0質量%)を得た。ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、48,520であり、イミド化率を測定した結果、100%であった。このようにして得られたポリイミド溶液I13.33g(固形分4g)について、実施例2と同様の方法で表2に記載の各成分と混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例14
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 151.20g、BSAA 36.04gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらTFMB−17.93g、KF8010 11.76gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて2時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液J(固形分濃度30.0質量%)を得た。ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、48,810であり、イミド化率を測定した結果、100%であった。このようにして得られたポリイミド溶液J13.33g(固形分4g)について、実施例2と同様の方法で表2に記載の各成分と混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例15
実施例1で得られたポリイミド溶液A15.00g(固形分4.5g)に、JER828を0.8g、E201を0.7g、2P4MZを0.08g添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例16
実施例1で得られたポリイミド溶液A16.67g(固形分5.0g)に、JER828を0.5g、E201を0.5g、2P4MZを0.08g添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例17
実施例1で得られたポリイミド溶液A18.00g(固形分5.4g)に、JER828を0.3g、E201を0.3g、2P4MZを0.08g添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例18
実施例1で得られたポリイミド溶液A11.67g(固形分3.5g)に、JER828を1.3g、E201を1.2g、2P4MZを0.08g添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例19
実施例1で得られたポリイミド溶液A13.33g(固形分4.0g)に、JER828を1.2g、E201を0.8g、2P4MZを0.08g添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例20
実施例1で得られたポリイミド溶液A13.33g(固形分4.0g)に、JER828を0.8g、E201を1.2g、2P4MZを0.08g添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例21
実施例1で得られたポリイミド溶液A13.33g(固形分4.0g)に、JER828を1.4g、E201を0.6g、2P4MZを0.08g添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
実施例22
実施例1で得られたポリイミド溶液A13.33g(固形分4.0g)に、JER828を0.6g、E201を1.4g、2P4MZを0.08g添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
比較例1
実施例1で得られたポリイミド溶液Aについて、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
比較例2
実施例1で得られたポリイミド溶液A13.33g(固形分4.0g)に、JER828を2.0g、2P4MZを0.08g添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
比較例3
実施例1で得られたポリイミド溶液A13.33g(固形分4.0g)に、E201を2.0g、2P4MZを0.08gを添加して混合撹拌し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、上記の方法で、銅箔接着強度、はんだ耐熱性、引張破断強度、引張破断伸度、比誘電率、誘電正接について測定した。
各実施例および比較例で得られた接着剤組成物の組成を表1〜3、評価結果を表4〜6に示す。
Figure 2020084103
Figure 2020084103
Figure 2020084103
Figure 2020084103
Figure 2020084103
Figure 2020084103
Figure 2020084103

Claims (7)

  1. (A)ポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂を少なくとも含有する樹脂組成物であって、(B)エポキシ樹脂は少なくとも(B−1)炭素数が9以上のアルキル基を有するエポキシ樹脂を含有し、(B−1)の含有量が、(B)エポキシ樹脂全体に対して30質量%以上70質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. (A)ポリイミド樹脂は、下記化学式(1)で示されるジアミン残基を全ジアミン残基中、30モル%以上70モル%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2020084103
    (一般式(1)中、mは1〜30の整数を示す。RおよびRは同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜30のアルキレン基またはフェニレン基を示す。R〜Rはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜30のアルキル基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
  3. (A)ポリイミド樹脂は、下記化学式(2)で示されるジアミン残基を全ジアミン残基中、30モル%以上70モル%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2020084103
    (一般式(2)中、XおよびYは同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜30のアルキル基、アルコキシ基、フルオロアルキル基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
  4. (A)ポリイミド樹脂は、少なくとも下記化学式(3)で示される酸無水物残基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
    Figure 2020084103
  5. (B−1)炭素数が9以上のアルキル基を有するエポキシ樹脂の該アルキル基が、1分子中に第3級炭素または第4級炭素を合計3つ以上有する分岐アルキル基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 支持フィルムの片面に請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物を有することを特徴とする接着シート。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物がシリコン基板またはガラス基板上に積層されていることを特徴とする多層基板。
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