JP2020082610A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Kikuo Matsuba
喜久男 松場
昭洋 鈴木
Akihiro Suzuki
昭洋 鈴木
正教 石原
Masanori Ishihara
正教 石原
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Abstract

【課題】光を遮蔽する機構を備えつつ、キャリッジの大型化を抑える。【解決手段】本発明に係るインクジェットプリンタは、キャリッジ30と、キャリッジ移動装置と、キャリッジ30に設けられた光照射装置50およびシャッタ機構60と、キャリッジ30以外の場所に設けられた当接部材81とを備える。シャッタ62は、支持部61bにより、光照射装置50の照射口を開放する開位置P1と、照射口の少なくとも一部を遮蔽する閉位置とに移動可能に支持されている。当接部材81は、シャッタ62の移動経路上の当接位置と、シャッタ62の移動経路から離間する離間位置とに移動する。シャッタ62は、移動経路上を移動し、かつ、当接部材81が当接位置に位置するときに、当接部材81に当接することよって開位置P1および閉位置の一方から他方へ移動される。【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。
従来から、光硬化性のインクに光を照射する装置を備えたプリンタが知られている。そのようなプリンタの中には、光を照射する装置と記録媒体との間を遮蔽するシャッタを備えたものが存在する。例えば、特許文献1には、紫外線光源と、紫外線の被照射により硬化するインクを吐出する記録ヘッドと、開閉自在なシャッタを備えたキャリッジとを備えたインクジェットプリンタが開示されている。上記シャッタは、閉じた状態で紫外線光源を遮蔽し、開いた状態で紫外線光源の紫外線の伝播を許容するように構成されている。
特開2004−322467号公報
特許文献1に記載されたインクジェットプリンタの目的は、非記録領域において周囲の部材を劣化させないように紫外線光源を遮蔽することである。その目的に適合するよう、特許文献1に記載されたインクジェットプリンタは、非記録領域ではシャッタを閉じ、記録領域ではシャッタを開くように構成されている。しかし、光硬化性のインクに光を照射するプリンタでは、記録領域においても光を遮蔽できるようにしたいというニーズが存在する。例えば、それは、印刷データの内容などにより、インクを吐出しない領域が存在する場合などである。インクを吐出しない領域に光を照射してもインクの硬化に寄与しないだけでなく、記録媒体からの反射光などにより、例えば、インクヘッドのインクの増粘や硬化等の問題を生じさせることがあり得る。
そのようなニーズに応えるために、光源からの光を遮蔽する遮光機構と、遮光機構を任意のタイミングで作動させるアクチュエータをキャリッジに搭載する手段も考えられる。しかしながら、かかる構成を備えると、キャリッジが大型化、重量化してしまうおそれがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光を遮蔽する機構を備えつつ、キャリッジの大型化、重量化を抑えたインクジェットプリンタを提供することである。
ここに開示するインクジェットプリンタは、キャリッジと、前記キャリッジを移動させるキャリッジ移動装置と、記録ヘッドと、光照射装置と、シャッタ機構と、当接部材とを備える。前記記録ヘッドは、前記キャリッジに設けられ、光硬化性のインクを吐出する。前記光照射装置は、前記インクを硬化させる光を発する光源と、前記光源からの光を通過させる照射口と、を備え、前記キャリッジに設けられている。前記シャッタ機構は、前記光を遮蔽するシャッタと、前記シャッタを前記照射口の少なくとも一部を遮蔽する閉位置と前記照射口を開放する開位置とに移動可能に支持する支持部と、を備えている。前記シャッタ機構は、前記キャリッジに設けられている。前記当接部材は、前記キャリッジ以外の場所に設けられ、前記キャリッジとともに移動する前記シャッタの移動経路上の当接位置と、前記シャッタの移動経路から離間した離間位置とに移動する。前記シャッタは、前記移動経路上を移動し、かつ、前記当接部材が前記当接位置に位置するときに、前記当接部材に当接することによって前記開位置および前記閉位置の一方から他方へ移動されるように構成されている。
上記インクジェットプリンタによれば、シャッタによって、光源からの光の少なくとも一部を遮蔽することができる。かつ、キャリッジの移動によりシャッタを開位置および閉位置の一方から他方へ移動させるので、シャッタを移動させる機構をキャリッジに搭載する必要がない。そこで、キャリッジの大型化、重量化を抑えることができる。
一実施形態に係るプリンタを示す斜視図である。 フロントカバーを開けた状態のプリンタを示す正面図である。 シャッタが開位置に配置されているときのキャリッジ付近の斜視図である。 シャッタが開位置に配置されているときのキャリッジの下面を下方から見た平面図である。 開位置に配置されているときのシャッタ機構を斜め下方から見た斜視図である。 シャッタが閉位置に配置されたときのキャリッジ付近の斜視図である。 シャッタが閉位置に配置されたときのキャリッジの下面を下方から見た平面図である。 閉位置に配置されているときのシャッタ機構を斜め下方から見た斜視図である。 シャッタ機構と昇降機構との位置関係を模式的に示す正面図である。 プリンタのブロック図である。 キャリッジがホームポジションからベッド上に移動する際のシャッタ機構および昇降機構を示す平面図である。 シャッタが閉位置に配置されているときのシャッタ機構を示す平面図である。 キャリッジがベッド上からホームポジションに移動する際のシャッタ機構および昇降機構を示す平面図である。 複数のインクヘッドが副走査方向に関して揃った位置に配置された記録ヘッドの構成の一例を示す平面図であって、シャッタが開位置に配置された状態を示す図である。 複数のインクヘッドが副走査方向に関して揃った位置に配置された記録ヘッドの構成の一例を示す平面図であって、シャッタが閉位置に配置された状態を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、一実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、プリンタと呼ぶ。)10を示す斜視図である。以下の説明では、特に断らない限り、プリンタ10を正面から見たときに、プリンタ10から遠ざかる方を前方、プリンタ10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
図面中の符号Yは主走査方向を示している。主走査方向Yは左右方向である。主走査方向Yのうち左方のことを、以下では適宜、Y1方向とも称する。詳細は後述するが、Y1方向は、キャリッジ30(図2参照)がホームポジションHP(図2参照)からベッド20(図2参照)上に向かうときの進行方向である。また、主走査方向Yのうち右方のことを、適宜、Y2方向とも称する。Y2方向は、キャリッジ30がベッド20上からホームポジションHPに向かうときの進行方向である。符号Xは、副走査方向を示している。副走査方向Xは前後方向である。符号Zは、上下方向を示している。主走査方向Yと副走査方向Xと上下方向Zとは、互いに直交している。ただし、主走査方向Y、副走査方向Xおよび上下方向Zは特に限定されず、プリンタ10の形態に応じて適宜に設定可能である。
本実施形態では、プリンタ10は、インクジェット方式のプリンタである。本実施形態において、「インクジェット方式」とは、二値偏向方式または連続偏向方式などの各種の連続方式、および、サーマル方式または圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む従来公知の各種の手法によるインクジェット式のことをいう。
図1に示すように、プリンタ10は、箱状に形成されている。本実施形態では、プリンタ10は、ケース11と、フロントカバー12とを備えている。図2は、フロントカバー12を開けた状態のプリンタ10を示す正面図である。図2に示すように、ケース11の前部には、開口が形成されている。フロントカバー12は、ケース11の開口を開閉自在に設けられている。ここでは、フロントカバー12は、後端を軸に回転可能なように、ケース11に支持されている。フロントカバー12には、窓部12aが設けられている。窓部12aは、例えば、透明のアクリル板によって形成されている。ユーザーは、窓部12aを通じてケース11の内部空間を視認することが可能である。
図2に示すように、プリンタ10の内部空間には、ベッド20と、ベッド移動装置25と、キャリッジ30と、キャリッジ移動装置35と、記録ヘッド40と、光照射装置50と、シャッタ機構60と、キャッピング装置70と、昇降機構80と、制御装置100(図1参照)とが設けられている。
ベッド20は、記録媒体5が載置される部材である。本実施形態に係るプリンタ10は、いわゆる、フラットベッドタイプのプリンタである。ベッド20は、ケース11の内部空間において、主走査方向Yのほぼ中央に配置されている。ベッド20は、平板状の部材である。ベッド20は、平面を上下方向Zに向けて設置されている。図示は省略するが、ベッド20には、記録媒体5を吸引して固定するための孔が複数設けられている。複数の孔は、ベッド20を上下方向に貫通している。ベッド20の下方には、例えば、図示しないファンが設置されている。ファンは、これら複数の孔から空気を吸引することによって、記録媒体5を吸着する。記録媒体5の形状は特に限定されず、平板状の他、様々な立体形状を有していてもよい。また、記録媒体5の材質も特に限定されず、記録媒体5は、例えば、木、金属、ガラス、紙、布などであってもよい。
ベッド20の下方には、ベッド移動装置25が配置されている。ベッド移動装置25は、ベッド20を副走査方向Xおよび上下方向Zに移動させる部材である。ベッド20は、ベッド移動装置25によって下方から支持されている。ベッド移動装置25は、副走査方向移動機構25Xと、上下方向移動機構25Zとを備えている。上下方向移動機構25Zは、ベッド20を支持して上下方向Zに移動させる部材である。ここでは、上下方向移動機構25Zは、図示しないボールねじ機構を備えている。ボールねじ機構は、Z軸方向モータ27(図10参照)によって駆動される。上下方向移動機構25Zは、副走査方向移動機構25Xによって下方から支持されている。副走査方向移動機構25Xは、上下方向移動機構25Zを支持して副走査方向Xに移動させる部材である。ここでは、副走査方向移動機構25Xは、図示しないボールねじ機構を備えている。ボールねじ機構は、X軸方向モータ26(図10参照)によって駆動される。ただし、ベッド移動装置25の構成は限定されない。例えば、副走査方向移動機構25Xおよび上下方向移動機構25Zを移動させる機構は、ボールねじ機構でなくてもよい。その動力はモータでなくてもよい。副走査方向移動機構25Xと上下方向移動機構25Zとは、上下の位置関係が逆でもよい。ベッド移動装置25のX軸方向モータ26およびZ軸方向モータ27は、制御装置100と電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。
キャリッジ30は、記録ヘッド40、光照射装置50、シャッタ機構60を搭載する部材である。キャリッジ30は、ベッド20と対向するように設けられ、主走査方向Yに移動可能に構成されている。ここでは、キャリッジ30は、ベッド20の上方に配置されている。キャリッジ30は、キャリッジ移動装置35によって移動される。キャリッジ移動装置35は、キャリッジ30を主走査方向Yに移動させる装置である。キャリッジ移動装置35は、ガイドレール36と、ベルト37と、図示しない左右のプーリと、Y軸方向モータ38(図10参照)とを備えている。
ガイドレール36は、キャリッジ30を主走査方向Yにガイドする部材である。図2に示すように、ガイドレール36は、主走査方向Yに延びている。キャリッジ30は、ガイドレール36に摺動自在に係合している。
キャリッジ30には無端状のベルト37が固定されている。ベルト37は、ガイドレール36の右側および左側に設けられたプーリ(図示省略)に巻き掛けられている。一方のプーリにはY軸方向モータ38が取り付けられている。Y軸方向モータ38は、制御装置100と電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。Y軸方向モータ38が駆動するとプーリが回転し、ベルト37が走行する。それにより、キャリッジ30がガイドレール36に沿って主走査方向Yに移動する。
図3は、キャリッジ30付近の斜視図である。図4は、キャリッジ30の下面を下方から見た平面図である。また、図5は、キャリッジ30に設けられたシャッタ機構60を斜め下方から見た斜視図である。図3〜図5に示すように、キャリッジ30には、記録ヘッド40、光照射装置50、シャッタ機構60が搭載されている。記録ヘッド40は、ベッド20上の記録媒体5に向けてインクを吐出する部材である。ここでは、インクは光硬化性のインクである。光照射装置50は、ベッド20に向けて、光硬化性インクを硬化させる光を照射する部材である。シャッタ機構60は、光照射装置50が照射する光の一部を遮蔽する機構である。
記録ヘッド40は、ベッド20と対向するようにキャリッジ30に設けられている。記録ヘッド40は、ここでは、キャリッジ30の下面に設けられている。記録ヘッド40は、第1インクヘッド41と、第2インクヘッド42と、第3インクヘッド43とを備えている。
図4に示すように、第1インクヘッド41〜第3インクヘッド43は、いずれも副走査方向Xに延びている。第1インクヘッド41と第2インクヘッド42とは、副走査方向Xに関して同じ位置に配置されている。第1インクヘッド41と第2インクヘッド42とは、主走査方向Yに並んで配置されている。第2インクヘッド42は、第1インクヘッド41の右方に設けられている。第3インクヘッド43は、副走査方向Xに関して、第1インクヘッド41および第2インクヘッド42とずれた位置に配置されている。詳しくは、第3インクヘッド43は、第1インクヘッド41および第2インクヘッド42に対して、後方にずれた位置に配置されている。ただし、第3インクヘッド43は、第1インクヘッド41および第2インクヘッド42に対して、副走査方向Xに関して完全にずれてはおらず、一部が重なっている。第3インクヘッド43は、第2インクヘッド42の右方に設けられている。なお、記録ヘッド40が備えるインクヘッドの数はここでは3個であるが、インクヘッドの数は限定されない。
第1インクヘッド41、第2インクヘッド42、第3インクヘッド43は、それぞれ、副走査方向Xに並ぶ複数のノズル41a、42a、43aを備えている。ノズル41a、42a、43aは、インクが吐出される微細な穴である。ノズル41a〜43aは、それぞれ、インクが貯留される圧力室に連通している。インクは、例えば圧電素子等の駆動によって圧力室が膨張/収縮されることによってノズル41a〜43aから吐出される。ノズル41a〜43aは、それぞれ、ベッド20と対向するように形成されている。記録ヘッド40の第1インクヘッド41〜第3インクヘッド43は、それぞれ、複数のノズルが副走査方向Xに並んで配置されたノズル列を備えている。例えば、第1インクヘッド41では、複数のノズル41aは、2つのノズル列41b、41cを形成している。ノズル列41b、41cは、いずれも副走査方向Xに延びている。ノズル列41bと41cとは、主走査方向Yに並んで配置されている。第2インクヘッド42においても、複数のノズル42aは、副走査方向Xに延びるとともに主走査方向Yに並んで配置された2つのノズル列を形成している。第3インクヘッド43においても、複数のノズル43aは、副走査方向Xに延びるとともに主走査方向Yに並んで配置された2つのノズル列を形成している。なお、ここでは1つのインクヘッドにおけるノズル列の数は2列であったが、1列でもよく、3列以上でもよい。また、図4では、1つのノズル列を形成するノズルの数は10個に図示されているが、実際にはもっと多数(例えば300個)形成されている。1つのノズル列を形成するノズルの数は限定されない。
第1インクヘッド41〜第3インクヘッド43には、それぞれ、図示しないインクチューブによってインクカートリッジ45が接続されている。図2に示すように、インクカートリッジ45は、インクカートリッジ収容部46に収容されている。本実施形態では、インクカートリッジ収容部46は、ケース11の左後部に設けられている。第1インクヘッド41〜第3インクヘッド43の複数のノズル列には、それぞれ異なるインクカートリッジ45が接続されている。ここでは、第1インクヘッド41、第2インクヘッド42の4つのノズル列には、それぞれCMYKの4色のプロセスカラーインクの1つを貯留するインクカートリッジ45が接続されている。そこで、第1インクヘッド41、第2インクヘッド42の4つのノズル列のノズルからは、それぞれCMYKの4色のプロセスカラーインクの1つが吐出される。また、第3インクヘッド43の2つのノズル列には、それぞれホワイト、クリアの2色の特色インクを貯留するインクカートリッジ45が接続されている。そこで、第3インクヘッド43の2つのノズル列のノズルからは、それぞれホワイト、クリアの特色インクが吐出される。
本実施形態では、第1インクヘッド41〜第3インクヘッド43から吐出されるインクは、いずれも光硬化性インクである。光硬化性インクは、ここでは、紫外線を照射されると硬化する紫外線硬化型のインクである。光硬化性インクの成分、特性等は特に限定されない。また、吐出されるインクの色も限定されない。記録ヘッド40からはインク以外に、例えば、プライマなどが吐出されてもよい。
図3、図4に示すように、光照射装置50は、キャリッジ30に設けられている。光照射装置50は、記録ヘッド40の左方に配置されている。また、光照射装置50は、副走査方向Xに延びている。光照射装置50は、ここでは、ミストキャッチ31を介して、キャリッジ30の左方側の側面に固定されている。ミストキャッチ31は、板金によって箱型に形成された密閉部材である。ミストキャッチ31の内部には、ファンが配置されている。ミストキャッチ31は、キャリッジ30の左方側の側面に固定され、光照射装置50は、ミストキャッチ31に保持されている。ただし、光照射装置50は、キャリッジ30の右方に配置されていてもよい。あるいは、左右両方に配置されていてもよい。光照射装置50は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。
図4に示すように、光照射装置50は、インクを硬化させる光を照射する光源51と、光源51からの光を通過させる照射口52を備えている。光源51は、例えば、複数の紫外線照射ランプを備えている。複数の紫外線照射ランプは、副走査方向Xに並んで配置されている。照射口52は、ベッド20に向かって開口した開口部である。ここでは、照射口52には、光を通過させるカバーが設けられている。ただし、照射口52は、カバー等に覆われない単なる開口部でもよい。照射口52は、記録ヘッド40の左方に配置されている。照射口52は、前端が第1インクヘッド41および第2インクヘッド42の前端よりも前方にくるように構成されている。また、照射口52は、後端が第3インクヘッド43の後端よりも後方にくるように構成されている。そこで、光照射装置50は、副走査方向Xに関して、記録ヘッド40がインクを吐出することができる領域よりも広い領域に光を照射することができる。以下では適宜、この副走査方向Xに関して光照射装置50が光を照射可能な領域を照射エリアA1と称する。
シャッタ機構60は、光照射装置50が照射する光の一部を遮蔽する機構である。シャッタ機構60は、ミストキャッチ31を介して、キャリッジ30に設けられている。シャッタ機構60は、キャリッジ30に取り付けられたミストキャッチ31に固定されている。シャッタ機構60は、ここでは、光照射装置50の前端付近に配置されている。
シャッタ機構60は、支持部材61と、シャッタ62と、弾性部材63と、センサ64とを備えている。支持部材61は、ミストキャッチ31に固定されている。シャッタ62は、支持部材61に対して回動可能に設けられている。詳しくは後述するが、シャッタ62は、支持部材61に支持されて水平回転することにより、照射口52を開放する開位置P1と、照射口52の一部を遮蔽する閉位置P2(図6参照)とに移動するように構成されている。支持部61bは、シャッタ62を閉位置P2と開位置P1とに移動可能に支持している。弾性部材63は、ここでは、コイルスプリングであり、一端が支持部材61に係合され、他端がシャッタ62に係合されている。弾性部材63は、シャッタ62を開位置P1または閉位置P2に安定的に保持するための部材である。センサ64は、支持部材61に取り付けられ、シャッタ62の回転位置を検知している。なお、図3〜図5は、シャッタ62が開位置P1にある場合を図示している。
図3に示すように、支持部材61は、平板を数か所曲げて成形したような形状を有している。支持部材61は、例えば、板金を曲げることによって形成されている。支持部材61は、固定部61aと、支持部61bと、第1係合部61cと、第1ストッパ受部61dと、第2ストッパ受部61eとを有している。
固定部61aは、支持部材61をキャリッジ30に固定するための部位である。固定部61aは、前後方向に延びる鉛直面である。固定部61aは、ここでは、ミストキャッチ31の右側面にネジ締結されている。
支持部61bは、シャッタ62を支持部材61に対して回転可能に保持するための部材である。支持部61bは、光照射装置50の前方に配置されている。支持部61bは、光照射装置50の下端とほぼ同じ高さに水平に設けられている。支持部61bは、上下方向Zに延びる回転軸61b1を備えている。回転軸61b1は、支持部61bに対して回転するように構成されている。回転軸61b1は、例えば、ブッシュなどを備えているとよい。回転軸61b1は、シャッタ62を水平に回転可能に支持している。なお、本実施形態では、回転軸61b1は、支持部材61に対して回転可能に取り付けられ、シャッタ62に対しては固定されているが、そうでなくてもよい。例えば、上下方向に延びる軸が支持部61bに対して固定され、シャッタ62が上記軸に対して回転可能に構成されていてもよい。
第1係合部61cは、弾性部材63の一端(以下、適宜、第1端部63aと呼ぶ。)が係合される部位である。ここでは、支持部61bと第1係合部61cとは、ともに支持部材61の一部として構成されている。ただし、第1係合部61cは、支持部61bに対して移動不能に設けられていればよく、支持部61bと分離していてもよい。ここでは、第1係合部61cは、支持部材61のキャリッジ30と逆側の端部(左端部)に形成されている。図5に示すように、第1係合部61cは切り欠き61c1を備え、切り欠き61c1に弾性部材63の第1端部63aが係合できるように構成されている。
第1ストッパ受部61dは、シャッタ62が開位置P1にあるときにシャッタ62と突き当たる部位である。第1ストッパ受部61dは、ここでは、支持部61bの左側に配置され、水平に延びている。シャッタ62が開方向に移動する際には、この第1ストッパ受部61dの前方側の側面にシャッタ62の第1ストッパ62eが突き当たる。それにより、シャッタ62は、開位置P1に止まるように構成されている。第1ストッパ受部61dもまた、支持部61bに対して移動不能に設けられていればよく、支持部61bとは分離していてもよい。
第2ストッパ受部61eは、シャッタ62が閉位置P2にあるときにシャッタ62と突き当たる部位である。第2ストッパ受部61eは、支持部61bの後方に配置されている。第2ストッパ受部61eは、前方を向いた鉛直面である。シャッタ62が閉方向に移動する際には、この第2ストッパ受部61eにシャッタ62の第2ストッパ62fが突き当たる。それにより、シャッタ62は、閉位置P2に止まるように構成されている。第2ストッパ受部61eもまた、支持部61bに対して移動不能に設けられていればよく、支持部61bと分離していてもよい。
シャッタ62は、おおむね平板状に形成されている。シャッタ62は、例えば、金属板を加工して形成され、光を遮蔽するように構成されている。記録媒体5が磁性を持つ場合があるため、シャッタ62は、好適には、非磁性体のステンレス板などから形成されているとよい。図3に示すように、シャッタ62は、平面部分を上下方向Zに向けて支持されている。シャッタ62は、平面部分から上方または下方に延びる一部の部位を除いて、支持部材61の支持部61bと略平行である。シャッタ62は、支持部材61の下方に配置されている。シャッタ62は、上下方向Zに関して、光照射装置50の下面とベッド20との間に支持されている。シャッタ62は、遮蔽部62aと、回転軸連結部62bと、第1被当接部62cと、第2被当接部62dと、第1ストッパ62eと、第2ストッパ62fと、第2係合部62gと、被検知部62hを備えている。
シャッタ62の主要部である平面部分は、遮蔽部62aを構成している。遮蔽部62aは、シャッタ62が閉位置P2に配置された際に、光照射装置50が照射する光の一部を遮蔽する部位である。遮蔽部62aの上面は、遮蔽面62a1を構成している。遮蔽面62a1は、シャッタ62が閉位置P2に配置されたときに照射口52に対向するように配置される。また、遮蔽面62a1は、回転軸61b1に直交している。遮蔽部62aは、平面視において、ほぼ矩形に形成されている。遮蔽部62aは、平面視において、シャッタ62の多くの部分を占めている。
回転軸連結部62bは、遮蔽部62aから上方に立ち上がった段部に形成されている。回転軸連結部62bは、水平に配置されている。回転軸連結部62bには、支持部材61の回転軸61b1の下端が接続されている。回転軸連結部62bは、支持部材61の支持部61bの下方に設けられている。本実施形態では、回転軸61b1は、回転軸連結部62bに固定されている。シャッタ62は、回転軸61b1によって、水平面に沿って回転可能に支持されている。図6は、シャッタ62が閉位置P2に配置されたときのキャリッジ30付近の斜視図である。図7は、シャッタ62が閉位置P2に配置されたときのキャリッジ30の下面を下方から見た平面図である。また、図8は、閉位置P2に配置されているときのシャッタ機構60を斜め下方から見た斜視図である。図3および図6に示されているように、シャッタ62は開位置P1から閉位置P2に移動する際、上方から見て反時計回り(図3〜図8のA方向)に90度回転する。逆に、閉位置P2から開位置P1に移動する際、シャッタ62は、上方から見て時計回り(図3〜図8のB方向)に90度回転する。
第1被当接部62cは、シャッタ62を開位置P1から閉位置P2に移動させるために、後述する昇降機構80の当接部材81(図3参照)が当接する部位である。シャッタ62は、キャリッジ30がY1方向(左方)に向かって移動しているときに、第1被当接部62cに当接部材81が当接することによって、A方向に回転する。第1被当接部62cは、開位置P1では、遮蔽部62aの左前方の隅付近から左方に水平に延びている。シャッタ62が開位置P1から閉位置P2に移動する際には、開位置P1における第1被当接部62cの左前方の隅62c1が、当接部材81に当接する。
第2被当接部62dは、シャッタ62を閉位置P2から開位置P1に移動させるために、昇降機構80の当接部材81が当接する部位である。シャッタ62は、キャリッジ30がY2方向(右方)に向かって移動しているときに、第2被当接部62dに当接部材81が当接することによって、B方向に回転する。第2被当接部62dは、閉位置P2では、回転軸連結部62bから前方に向かって水平に延びている。シャッタ62が閉位置P2から開位置P1に移動する際には、閉位置P2における第2被当接部62dの右前方の隅62d1が、当接部材81に当接する。
第1ストッパ62eは、開位置P1において支持部材61の第1ストッパ受部61dと突き当たる部位である。シャッタ62は、第1ストッパ62eが支持部材61の第1ストッパ受部61dと突き当たることによって開位置P1に位置決めされる。第1ストッパ62eは、回転軸連結部62bと第2被当接部62dとの間に配置され、そこから上方に延びている。第1ストッパ62eは、開位置P1において、後方の側面が支持部材61の第1ストッパ受部61dと突き当たるように構成されている。
第2ストッパ62fは、閉位置P2において支持部材61の第2ストッパ受部61eと突き当たる部位である。シャッタ62は、第2ストッパ62fが支持部材61の第2ストッパ受部61eと突き当たることによって閉位置P2に位置決めされる。第2ストッパ62fは、第1被当接部62cの端部(シャッタ62が閉位置P2に配置されている場合には、右端部)から上方に延びている。第2ストッパ62fは、閉位置P2において、後方の側面が支持部材61の第2ストッパ受部61eと突き当たるように構成されている。
第2係合部62gは、第1係合部61cに係合された弾性部材63の第1端部63aとは反対側の端部(以下では適宜、第2端部63bと呼ぶ。)が係合される部位である。図5および図6に示すように、第2係合部62gは切り欠き62g1を備え、切り欠き62g1に弾性部材63の第2端部63bが係合できるように構成されている。第2係合部62gは、ここでは、第2ストッパ62fに形成されている。
被検知部62hは、シャッタ62が閉位置P2に位置していることをセンサ64に検知させる部位である。センサ64は、被検知部62hを検知することにより、シャッタ62が閉位置P2に配置されていることを検知する。被検知部62hは、第2ストッパ62fの上端から水平に延びている。図8に示されるように、閉位置P2において、被検知部62hは、センサ64の投光器64aと受光器64bとの間に配置される。センサ64の検知原理等については後述する。図3に示すように、開位置P1においては、被検知部62hは、センサ64の投光器64aと受光器64bとの間とは離れた場所に配置されている。
なお、上記した支持部材61およびシャッタ62の各部の位置は一例に過ぎず、上記した位置に限定されない。支持部材61の回転軸61b1、第1係合部61c、第1ストッパ受部61d、第2ストッパ受部61eと、シャッタ62の第1ストッパ62e、第2ストッパ62f、第2係合部62gとの好ましい位置関係については後述する。
弾性部材63は、シャッタ62が開位置P1および閉位置P2に安定的に維持されるように、シャッタ62を引っ張る部材である。弾性部材63は、ここでは、コイルスプリングである。弾性部材63は、第1端部63aと第2端部63bとを有している。第1端部63aおよび第2端部63bは、フック状に形成された部分を備えている。第1端部63aのフック状の部分は、第1係合部61cの切り欠き61c1に係合されている。第2端部63bのフック状の部分は、第2係合部62gの切り欠き62g1に係合されている。弾性部材63は、第1係合部61cと第2係合部62gとの間に引き伸ばされた状態で係合されている。そこで、弾性部材63は、第1係合部61cの方に第2係合部62gを引っ張っている。シャッタ62は、開位置P1に配置されているときには、弾性部材63の弾性力によって、そのまま開位置P1を維持しようとする。また、シャッタ62は、閉位置P2に配置されているときには、弾性部材63の弾性力によって、そのまま閉位置P2を維持しようとする。この詳細については後述する。なお、弾性部材63は、ここではコイルスプリングであるが、コイルスプリングに限定されるわけではない。
センサ64は、シャッタ62が開位置P1または閉位置P2に配置されていることを検知して信号を発する部材である。ここでは、センサ64は、シャッタ62が閉位置P2に配置されていることを検知して信号を発するように構成されている。ただし、シャッタ機構60は、シャッタ62が開位置P1に配置されていることを検知する他のセンサを備えていてもよい。センサ64は、ここでは、光電センサである。センサ64は、光を発する投光器64aと、投光器64aに対向する受光器64bとを備えている。センサ64は、投光器64aから照射された光がシャッタ62の被検知部62hに遮蔽されて受光器64bに到達しなくなることによって、シャッタ62が閉位置P2に配置されたことを検知する。センサ64は、制御装置100に接続されている。センサ64は、図示しないアンプを備え、アンプから制御装置100にシャッタ62が閉位置P2に配置されたことを示す信号を送信する。なお、センサ64は光電式のセンサに限られず、他の種々の方式を利用することができる。
図4に示されるように、開位置P1では、シャッタ62は、照射口52とベッド20との間から退避されている。この状態において、照射口52とベッド20との間には何も遮蔽物が存在していない。一方、図7に示されるように、閉位置P2では、シャッタ62は、下方から見て、照射口52の前方側の一部と重なっている。シャッタ62は、それにより、照射エリアA1の前方側の一部に照射されるべき光を遮蔽している。
図7に示すように、閉位置P2におけるシャッタ62の後端は、第3インクヘッド43の前端よりも前方に設定されている。そこで、副走査方向Xに関して、シャッタ62は、閉位置P2に配置されているときでも、第3インクヘッド43がインクを吐出する領域に照射される光を遮蔽しない。シャッタ62は、閉位置P2に配置されているとき、副走査方向Xに関して、第1インクヘッド41および第2インクヘッド42がインクを吐出する領域の一部に照射される光だけを遮蔽する。以下では、このような、副走査方向Xに関してシャッタ62が照射口52からの光を遮蔽する領域を、遮蔽エリアA2と称する。
遮蔽エリアA2の後端は、第3インクヘッド43の前端よりも前方に設定されている。これは、両者の位置が同じだと、第3インクヘッド43の前端付近のノズル43aが吐出したインクに十分に光が照射されないおそれがあるからである。閉位置P2におけるシャッタ62の後端と、第3インクヘッド43の前端との間の副走査方向Xに関する距離は、例えば、第3インクヘッド43の副走査方向Xについての長さの半分程度であるとよい。
図2に示すように、キャリッジ30には、所定のホームポジションHPが設定されている。キャリッジ30のホームポジションHPとは、印刷を行っていないときにキャリッジ30が待機する待機位置である。ホームポジションHPは、ここでは、ガイドレール36の右端に設定されている。ホームポジションHPは、ベッド20よりも右方の位置である。ホームポジションHPにおけるキャリッジ30の下方には、キャッピング装置70が設けられている。キャッピング装置70は、印刷を行っていないときに第1インクヘッド41〜第3インクヘッド43にキャップをして保護する装置である。
キャッピング装置70は、キャップ71と、キャップ移動機構72と、吸引ポンプ73とを備えている。キャップ71は、第1インクヘッド41〜第3インクヘッド43に装着される部材である。キャップ71は、例えば、ゴムで形成されている。キャップ71は、第1インクヘッド41〜第3インクヘッド43と対向するように、キャリッジ30の下方に設けられている。キャップ移動機構72は、キャップ71を下方から支持している。キャップ移動機構72は、キャップ71を上下方向Zに移動させ、第1インクヘッド41〜第3インクヘッド43に装着または離間させる。キャップ移動機構72の構成は限定されないが、ここでは、電動モータを備えている。キャップ移動機構72は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。吸引ポンプ73は、キャップ71に接続されている。吸引ポンプ73は、キャップ71内および第1インクヘッド41〜第3インクヘッド43のノズル41a〜43a内のインクを吸引する部材である。吸引ポンプ73は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。
昇降機構80は、キャリッジ移動装置35とともに、開位置P1および閉位置P2の一方から他方にシャッタ62を移動させる機構である。本実施形態では、シャッタ機構60はシャッタ62を移動させる構成を備えず、昇降機構80とキャリッジ移動装置35とがシャッタ62を開閉させている。図2に示すように、昇降機構80は、ケース11内の右下部に設けられている。昇降機構80は、主走査方向Yに関して、キャリッジ30のホームポジションHPとベッド20との間に設けられている。昇降機構80は、キャリッジ30の下方に設けられている。キャリッジ30は、ホームポジションHPからベッド20上に移動するとき、またはベッド20上からホームポジションHPに移動するとき、昇降機構80の上方を通過するようになっている。さらに詳しくは、キャリッジ30に搭載されたシャッタ機構60が昇降機構80の上方を通過するようになっている。ただし、昇降機構80の設置場所は、上記場所に限られない。昇降機構80は、キャリッジ30以外の場所に設けられていればよい。
図9は、シャッタ機構60と昇降機構80との位置関係を模式的に示す正面図である。図9に示すように、昇降機構80は、当接部材81とアクチュエータ82とを備えている。当接部材81は、ここでは、平板状の部材である。当接部材81は、平面部を主走査方向Yに向けて配置されている(図3参照)。そこで、当接部材81は、Y1方向(左方)を向いた第1当接面81aと、Y2方向(右方)を向いた第2当接面81bとを備えている。当接部材81は、上下方向Zに移動可能に構成されている。図9に示すように、当接部材81は、可動範囲の上端である当接位置Ptにおいてシャッタ62と接触しうる高さまで上昇する。シャッタ62は、キャリッジ30とともに主走査方向Yに移動する。そこで、当接部材81は、当接位置Ptにおいて、シャッタ62の移動経路上に位置している。当接部材81は、当接位置Ptにおいて、シャッタ62の第1被当接部62cおよび第2被当接部62dよりも上方に突出している。また、当接部材81は、少なくとも可動範囲の下端である離間位置Paにおいては、シャッタ62とは接触しない高さに下降する。当接部材81は、離間位置Paにおいて、シャッタ62の第1被当接部62cおよび第2被当接部62dよりも下方に下がっている。当接部材81は、離間位置Paにおいて、シャッタ62の移動経路から離間している。当接部材81は、シャッタ62の移動経路上の当接位置Ptと、シャッタ62の移動経路から離間する離間位置Paとに移動可能に構成されている。
アクチュエータ82は、当接部材81を、離間位置Paと当接位置Ptとに移動させる部材である。アクチュエータ82は、制御装置100に電気的に接続され、制御装置100によって制御されている。アクチュエータ82の構成は特に限定されないが、例えば、エアシリンダと、電磁バルブとを備えている。エアシリンダは、例えば、内部にスプリングを備え、圧縮空気が供給されないときには、スプリングの弾性力によって当接部材81を離間位置Paに維持するように構成されている。そして、圧縮空気が供給されたときには、当接部材81を当接位置Ptに移動させる。電磁バルブは、エアシリンダへの圧縮空気の供給を制御する。電磁バルブは、外部のコンプレッサ等に接続されている。制御装置100は、電磁バルブの開閉動作を制御することによってアクチュエータ82の動作を制御している。
図1に示すように、操作パネル110は、ケース11に設けられている。操作パネル110は、ユーザーが印刷に関する操作を行うパネルである。操作パネル110には、制御装置100が接続されている。図10は、プリンタ10のブロック図である。図10に示すように、制御装置100は、X軸方向モータ26と、Z軸方向モータ27と、Y軸方向モータ38と、第1インクヘッド41〜第3インクヘッド43と、光照射装置50の光源51と、センサ64と、キャップ移動機構72と、吸引ポンプ73と、アクチュエータ82と、操作パネル110とに接続され、それらの動作を制御している。制御装置100は、例えば、プリンタ10に接続されたコンピュータであり、中央演算処理装置(以下、CPUという。)と、CPUが実行するプログラムなどが格納されたROMと、RAMなどを備えていてもよい。制御装置100の各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよいし、ハードウェアによって構成されていてもよい。また、各部は、プロセッサであってもよいし、回路であってもよい。制御装置100の構成は特に限定されない。図10に示すように、制御装置100は、移動制御部101と、吐出制御部102と、照射制御部103と、キャッピング制御部104と、シャッタ制御部105とを備えている。
移動制御部101は、ベッド20およびキャリッジ30の移動を制御する。移動制御部101は、ベッド移動装置25を制御して、ベッド20を副走査方向Xおよび上下方向Zに移動させる。また、移動制御部101は、キャリッジ移動装置35を制御して、キャリッジ30を主走査方向Yに移動させる。
吐出制御部102は、記録ヘッド40を制御して、光硬化性インクを吐出させる。吐出制御部102は、印刷データに基づき、所定のタイミングで所定のノズルから光硬化性インクを吐出させることにより、記録媒体5上に印刷を行う。また、吐出制御部102は、定期的に、または必要に応じて、記録ヘッド40にノズル41a〜43a内の光硬化性インクを吐出するフラッシングを行わせる。
照射制御部103は、光照射装置50の光源51を制御して、光を照射させる。記録媒体5上に吐出された光硬化性インクは、光照射装置50からの光を受けて硬化する。
キャッピング制御部104は、キャッピング装置70を制御して、キャッピングおよびインクの吸引を行わせる。キャッピング制御部104は、印刷待機時、キャップ移動機構72を制御して、ホームポジションHPに配置されたキャリッジ30のインクヘッド41〜43に対してキャップ71を装着させる。印刷開始前には、インクヘッド41〜43に対してキャップ71を離間させる。また、キャッピング制御部104は、定期的に、または必要に応じて、キャップ71内およびノズル41a〜43aのインクを吸引ポンプ73に吸引させる。
シャッタ制御部105は、キャリッジ移動装置35と昇降機構80のアクチュエータ82とを制御して、シャッタ機構60を開閉させる。シャッタ制御部105は、記憶部105aと、開閉制御部105bと、開閉検知部105cと、警告部105dとを備えている。記憶部105aは、シャッタ62を閉位置P2に配置する閉条件を記憶している。開閉制御部105bは、記憶部105aに記憶された閉条件が揃った場合に、キャリッジ移動装置35とアクチュエータ82とを制御してシャッタ62を閉位置P2に配置する。開閉検知部105cは、センサ64からの信号を受信する。警告部105dは、シャッタ62が閉位置P2にあるべきときに開閉検知部105cが信号を受信していない場合には、シャッタ62の開閉の異常であると判断し、警告を発する。
記憶部105aが記憶しているシャッタ62の閉条件は、「閉位置P2におけるシャッタ62の右方に位置するノズルからインクが吐出されないこと」を含んでいる。閉位置P2に配置されている状態のシャッタ62の右方に位置するノズルは、ここでは、第1インクヘッド41のノズル41a、および、第2インクヘッド42のノズル42aである。本実施形態では、プリンタ10は、ノズル41aおよび42aからインク(ここでは、プロセスカラーインク)が吐出されず、かつ、第3インクヘッド43のノズル43aからインク(ここでは、ホワイトインク、クリアインク)が吐出される場合に、シャッタ62を閉位置P2に配置する。このような場合、第3インクヘッド43がインクを吐出する領域には光を照射する必要があり、それ以外の領域には、光を照射する必要がない。ベッド20上の光を照射する必要のない領域に光を照射すると、その分、ベッド20または記録媒体5からの反射光が増加する。このような反射光は、記録ヘッド40に照射され、ノズル41a〜43a内のインクを増粘または硬化させるおそれがある。光を照射する必要のないベッド20上の領域に向かって照射される光は、遮蔽されることが望ましい。そこで、本実施形態では、シャッタ62を閉位置P2に配置することによって、このような光を遮蔽する。なお、記憶部105aには、上記条件の他、例えばインクのレベリングを行いたい場合など、インクを吐出後すぐに硬化したくない場合が閉条件として記憶されていてもよい。
プリンタ10は、印刷開始の指令を受け取ると、キャップ移動機構72を駆動させて、キャップ71をキャリッジ30から離間させる。続いて、キャリッジ30がホームポジションHPからベッド20上に移動され、印刷が開始される。プリンタ10は、このとき、上記した閉条件が満たされている場合には、シャッタ62を閉位置P2に配置してから印刷を開始する。印刷においては、記録ヘッド40がキャリッジ30とともに主走査方向Yに移動されるとともに、ノズル41a〜43aから光硬化性インクが吐出される。その際、キャリッジ30に搭載され、キャリッジ30とともに主走査方向Yに移動する光照射装置50からは光が照射され、吐出された光硬化性インクを順次硬化させる。ベッド20は、ベッド移動装置25により、適宜、副走査方向Xおよび上下方向Zに移動される。印刷終了後、キャリッジ30は、ホームポジションHPに戻る。このとき、シャッタ62が閉位置P2に配置されている場合には、プリンタ10は、シャッタ62を閉位置P2から開位置P1に移動させるように動作する。
以下では、シャッタ62が開閉されるプロセスについて説明する。まず、シャッタ62が開位置P1から閉位置P2に移動されるプロセスについて説明する。シャッタ62は、キャリッジ30がホームポジションHPで待機中、開位置P1に配置されている。
図11は、キャリッジ30がホームポジションHPからベッド20上に移動する際のシャッタ機構60および昇降機構80を示す平面図である。図11は、キャリッジ30が昇降機構80の真上の少し右方を走行しているときの図である。なお、図11では、説明しない部材の図示を適宜省略している。図11において、キャリッジ30は、Y1方向(左方)に移動している。制御装置100の移動制御部101は、印刷開始に先立って、キャリッジ30がY1方向に向かって昇降機構80の上を通過するように、キャリッジ移動装置35を制御する。シャッタ機構60は、図11の時点では、開位置P1に配置されている。
開位置P1において、シャッタ62は、弾性部材63によって第1ストッパ受部61d側に引っ張られている。弾性部材63は、第1ストッパ62eが第1ストッパ受部61dに押し当てられるようにシャッタ62を引っ張っている。この弾性部材63の弾性力により、シャッタ62は、開位置P1に安定的に保持されている。
図11に示すように、支持部材61の第1ストッパ受部61dは、シャッタ62が開位置P1に配置されているときに第2係合部62gが弾性部材63によって引っ張られる力F1の一部を受けるように配置されている。そこで、シャッタ62が第1ストッパ受部61dに突き当たった状態では、シャッタ62は弾性部材63の弾性力によって第1ストッパ受部61dに押し当てられ、安定的に保持される。なお、ここでは、第1ストッパ受部61dとシャッタ62の第2係合部62gとは、第1係合部61cから見て、いずれも前方側に位置しているが、このような配置でなくてもよい。例えば、第1ストッパ受部61dは、第1係合部61cよりも後方側に配置されていてもよい。また、ここでは、第1ストッパ受部61dは、シャッタ62の第2係合部62gよりも後方側に位置しているが、例えば、前方側に配置されていてもよい。
図11に示すように、移動中のシャッタ62の進行方向Y1側には、当接部材81が配置されている。詳しくは、当接部材81は、シャッタ62の第1被当接部62cのY1方向に配置されている。
開閉制御部105bは、シャッタ62を閉じる閉条件が揃っている場合には、昇降機構80のアクチュエータ82を制御して、当接部材81を当接位置Ptに配置する(図9参照)。前述のように、当接位置Ptはシャッタ機構60に当接しうる当接部材81の上下方向Zの位置である。当接位置Ptは、ここでは、当接部材81の可動範囲の上端である。当接部材81は、当接位置Ptにおいて、シャッタ62の第1被当接部62cよりも上方に突出している。
当接部材81が当接位置Ptに配置されている場合、図11の後の時点で、シャッタ62の第1被当接部62cは、当接部材81の第2当接面81bに当接する。図11では、この当接時の第1被当接部62c付近を2点鎖線で図示している。このように、シャッタ62が開位置P1に配置され、かつ、当接部材81が当接位置Ptに配置されている場合に、キャリッジ30がY1方向(左方)に移動すると、シャッタ62の第1被当接部62cは、当接部材81に当接する。
当接部材81が第1被当接部62cに当接すると、シャッタ62は当接部材81によって開位置P1から閉位置P2に移動される。具体的には、シャッタ62は、当接部材81によってY2方向(キャリッジ30の進行方向Y1の逆側)に押され、支持部61bの回転軸61b1を中心に、A方向に回転する。この回転の駆動力は、キャリッジ移動装置35がキャリッジ30をY1方向に移動させる力である。
上記シャッタ62の回転の際、弾性部材63は、平面視において(回転軸61b1と平行な方向に見た場合に)、回転軸61b1上を通過する。図12は、シャッタ62が閉位置P2に配置されているときのシャッタ機構60を示す平面図である。なお、図12でも、説明しない部材の図示を適宜省略している。図11および図12に示されるように、シャッタ62の第2係合部62gは、平面視において、シャッタ62が開位置P1に配置されているときには第1係合部61cと回転軸61b1とを結んだ直線L1に対して一方側(ここでは、左方)に位置し、シャッタ62が閉位置P2に配置されているときには他方側(ここでは、右方)に位置するように配置されている。そこで、弾性部材63は、シャッタ62が開位置P1から閉位置P2に移動する際、直線L1上を通過する。
この弾性部材63の移動において、弾性部材63が直線L1より開位置P1側にあるとき、シャッタ62は、前述したように、開位置P1に保持させるような力を受けている。シャッタ62が回転し、弾性部材63が直線L1上にくると、シャッタ62は開位置P1側にも閉位置P2側にも力を受けない状態となる。その後、弾性部材63が直線L1上よりも閉位置P2側にくると、シャッタ62は、閉位置P2に保持させるような力を受けるようになる。
上記したシャッタ62を閉位置P2に保持させようとする力の発生により、シャッタ62は、弾性部材63が直線L1上を通過した後は、弾性部材63の弾性力により閉位置P2まで移動する。当接部材81は、弾性部材63が直線L1上を通過する時点まで第1被当接部62cをY2方向に押圧すればよい。図12に示されるように、第2ストッパ受部61eは、閉位置P2においてシャッタ62の第2係合部62gが弾性部材63によって引っ張られる力F2の一部を受けるように配置されている。そのため、シャッタ62は、弾性部材63の弾性力により、閉位置P2に安定的に保持される。
上記のようにして閉位置P2に移動されたシャッタ62は、印刷終了後、キャリッジ30がホームポジションHPに戻る際に開位置P1に移動される。図13は、キャリッジ30がベッド20上からホームポジションHPに移動する際のシャッタ機構60および昇降機構80を示す平面図である。図13は、キャリッジ30が昇降機構80の真上の少し左方を走行しているときの図である。図13において、キャリッジ30は、Y2方向に移動している。制御装置100の移動制御部101は、印刷開始終了後に、キャリッジ30がY2方向に向かって昇降機構80の上を通過するように、キャリッジ移動装置35を制御する。シャッタ機構60は、図13の時点では、閉位置P2に配置されている。
図13に示す場合においても、当接部材81は、当接位置Ptに配置されている。そこで、図13の後の時点で、シャッタ62の第2被当接部62dは、当接部材81の第1当接面81aに当接する。図13では、この当接時の第2被当接部62d付近を2点鎖線で図示している。このように、シャッタ62が閉位置P2に配置され、かつ、当接部材81が当接位置Ptに配置されている場合には、キャリッジ30がY2方向に向かって移動すると、シャッタ62の第2被当接部62dは、当接部材81に当接する。当接部材81が第2被当接部62dに当接すると、シャッタ62は当接部材81によって閉位置P2から開位置P1に移動される。具体的には、シャッタ62は、当接部材81によってY1方向(キャリッジ30の進行方向Y2の逆側)に押され、支持部61bの回転軸61b1を中心にB方向に回転する。それにより、シャッタ62は、開位置P1に復帰する。
このように、本実施形態に係るプリンタ10は、キャリッジ30以外の場所に設けられた当接部材81を備え、当接部材81が当接位置Ptに配置されているときに、キャリッジ30とともにシャッタ62を移動させることで、シャッタ62を開位置P1と閉位置P2の一方から他方へ移動させる。シャッタ62がその移動経路上を移動し、かつ、当接部材81が当接位置Ptに位置するときに、シャッタ62は、当接部材81に当接することによって開位置P1および閉位置P2の一方から他方へ移動されるように構成されている。かかるプリンタ10によれば、シャッタ62によって光照射装置50が照射する光の一部を遮蔽することができ、かつ、キャリッジ30にはシャッタ62を移動させるアクチュエータを搭載する必要がないため、キャリッジ30を小型化、軽量化できる。
また、本実施形態に係るプリンタ10では、シャッタ62は、閉位置P2に配置されたときに照射口52に対向する遮蔽面62a1を有し、支持部61bは、遮蔽面62a1に直交する方向に延びるともにシャッタ62を回転可能に支持する回転軸61b1を備えている。シャッタの開状態から閉状態への移動、または閉状態から開状態への移動は、例えば、シャッタが主走査方向Yにスライドする機構によっても実現可能であるが、そのような機構では、開状態においてシャッタが光照射装置50の左右方向に張り出してしまう。また、例えば、シャッタが副走査方向Xにスライドする機構によっても実現可能であるが、そのような機構では、開状態においてシャッタが光照射装置50の前後方向に張り出してしまう。その点、本実施形態のようなシャッタが回転する機構によれば、シャッタ62が左右方向にも前後方向にも大きく張り出すことがない。よって、シャッタ機構をコンパクトにすることができる。
また、本実施形態に係るプリンタ10では、シャッタ機構60の回転軸61b1は、上下方向Zに延びており、当接部材81は、上下方向Zに移動して当接位置Ptおよび離間位置Paに移動するように構成されている。当接部材81は、当接位置Ptにおいてシャッタ62の移動経路上に位置し、離間位置Paにおいてシャッタ62の下方に位置する。かかる構成によれば、シャッタ62を回転させる機構(ここでは、昇降機構80)が遮蔽面62a1の広がる方向(ここでは、水平方向)に張り出さないため、プリンタ10をコンパクトにすることができる。
なお、本実施形態では、当接部材81が移動する方向は、プリンタ10の上下方向Zと一致しているが、必ずしも厳密に一致しなくてもよい。当接部材81が移動する方向は、プリンタ10の上下方向Zから、例えば10度以内の傾きで傾いていてもよい。回転軸61b1の伸長方向も、プリンタ10の上下方向Zと厳密に一致しなくてもよく、当接部材81が移動する方向と厳密に一致する必要もない。また、本実施形態では、離間位置Paは、シャッタ62よりも下方に設定されているが、上方でもよい。その場合は、アクチュエータ82は、当接部材81の上方に設けられていてもよい。
さらに、本実施形態に係るプリンタ10では、弾性部材63は、第1係合部61cと、シャッタ62の第2係合部62gとの間に引き伸ばされた状態で係合されており、第2係合部62gは、第1係合部61cに対して好適な位置関係で配置されている。即ち、第2係合部62gは、平面視において、シャッタ62が開位置P1に配置されているときには第1係合部61cと回転軸61b1とを結んだ直線L1に対して一方側に位置し、シャッタ62が閉位置P2に配置されているときには他方側に位置するように配置されている。かかる構成によれば、1つの弾性部材63によってシャッタ62を開位置P1、閉位置P2のいずれにも安定的に保持できるとともに、弾性力に逆らって力を加えれば、開位置P1、閉位置P2の一方から他方にシャッタ62を回転移動させることができる。
また、本実施形態に係るプリンタ10は、キャリッジ30以外の場所に設けられ、当接部材81を当接位置Ptと離間位置Paとに移動させるアクチュエータ82を備えている。かかる構成によれば、アクチュエータ82を操作することによって当接部材81を容易に移動させることができ、よって、シャッタ62を容易に回転させることができる。
本実施形態に係るプリンタ10は、シャッタ62を移動させる昇降機構80と、シャッタ62を閉位置P2に配置する閉条件が記憶された記憶部105aと、開閉制御部105bとを備えている。開閉制御部105bは、記憶部105aに記憶された閉条件が揃った場合に、キャリッジ移動装置35と昇降機構80とを制御して、シャッタ62を閉位置P2に配置する。それにより、プリンタ10は、所定の場合には、自動でシャッタ62を開閉することができる。
シャッタ62の閉条件は、シャッタ62が閉位置P2に配置されているときに、シャッタ62の主走査方向Yに位置するノズル41a、42aからインクが吐出されないことを含んでいる。かかる場合は、シャッタ62の主走査方向Yに位置するノズル41a、42aがインクを吐出する領域に対して光を照射する必要がない場合であり、そのような場合には、本実施形態に係るプリンタ10は、自動でシャッタを閉位置P2に配置する。なお、シャッタ62の閉条件は、他の条件を含んでいてもよく、上記「シャッタ62の主走査方向Yに位置するノズルからインクが吐出されないこと」は、複数の条件のうちの1つの条件であってもよい。
さらに、プリンタ10は、シャッタ62が開位置P1または閉位置P2に配置されていることを検知して信号を発するセンサ64と、センサ64からの信号を受信する開閉検知部105cとを備えている。本実施形態では、センサ64は、シャッタ62が閉位置P2に配置されていることを検知して信号を発するように構成されている。このようなプリンタ10によれば、シャッタ62の位置を把握することができる。よって、より確実に制御を行うことができる。
なお、シャッタ62の開閉は閉条件が揃った場合の印刷においてだけでなく、他の状況において行われてもよい。例えば、シャッタ62の開閉は、電源投入時などに、シャッタ機構60および昇降機構80の動作確認のために行われてもよい。
以上、好適な一実施形態について説明したが、ここに開示するプリンタは、上記した実施形態に限定されない。例えば、上記した実施形態では、プリンタ10は自動でシャッタ62を開閉していたが、自動でなくてもよい。例えば、プリンタは、手動で昇降機構を操作してシャッタを開閉させるように構成されていてもよい。また、シャッタ機構の構成は上記した構成に限定されない。例えば、シャッタ機構はシャッタを回転させる機構ではなく、スライドさせる機構などであってもよい。弾性部材は1つではなく、複数であってもよい。あるいは、弾性部材を備えなくてもよい。シャッタが照射口から照射する光を遮蔽する遮蔽エリアは、照射口の一部でなくともよく、全部であってもよい。
また、上記した実施形態では、プリンタ10はシャッタ機構60を1つだけ備えていた。しかし、プリンタは2つ以上のシャッタ機構を備えていてもよい。例えば、プリンタは、照射エリアA1の後方側に照射される光を遮蔽する他のシャッタ機構を備えていてもよい。
さらに、上記した実施形態では、記録ヘッド40は、副走査方向Xにずれた複数のインクヘッド41〜43を備えていた。しかし、記録ヘッドにおいて、インクヘッドは必ずしもこのように配置されなくてもよい。複数のインクヘッドは、例えば、副走査方向Xに関して位置が揃っていてもよい。
図14および図15は、複数のインクヘッド41〜43が副走査方向Xに関して揃った位置に配置された記録ヘッド40の構成の一例を示す平面図である。そのうち図14は、シャッタ62が開位置P1に配置された状態を示している。図15は、シャッタ62が閉位置P2に配置された状態を示している。図14に示すように、この記録ヘッド40の構成では、複数のインクヘッド41〜43は、副走査方向Xに関して、光照射装置50の照射口52の後方側の一部(ここでは、後方側の約半分)と同じ位置に配置されている。図14の状態からシャッタ62を閉位置P2に移動させると、図15に示すように、シャッタ62は、光の照射エリアA1のうちの前方側の一部(遮蔽エリアA2)に照射されるべき光を遮蔽する。インクヘッド41〜43は、遮蔽エリアA2よりも後方に配置され、遮蔽エリアA2とは重なっていない。かかるシャッタ62の開閉によれば、光照射装置50からの光が照射される領域および照射出力が調整できる。例えば、シャッタ62を閉じることにより、光が照射される領域を制限し、通常印刷時には不要な光の照射およびその反射を防ぐことができる。一方、インクが硬化不足となる印刷条件のときには、シャッタ62を開いて照射出力を最大にすることができる。このように、複数のインクヘッドは、副走査方向Xに関して揃った位置に配置されていてもよく、またそれらの位置は、遮蔽エリアA2と必ずしも重ならなくてもよい。ただし、このような記録ヘッドの構成も1つの好適な例示に過ぎず、記録ヘッドの構成は特に限定されない。
また、上記した実施形態では、プリンタ10はフラットベッドタイプのプリンタであったが、プリンタの構成は特に限定されない。例えば、ここに開示される技術は、記録媒体がロールから供給されるタイプのプリンタに対して適用されてもよい。
5 記録媒体
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
20 ベッド
30 キャリッジ
35 キャリッジ移動装置
40 記録ヘッド
50 光照射装置
51 光源
52 照射口
60 シャッタ機構
61 支持部材
61b 支持部
61b1 回転軸
61c 第1係合部
62 シャッタ
62c 第1被当接部
62d 第2被当接部
62g 第2係合部
63 弾性部材
64 センサ
80 昇降機構
81 当接部材
82 アクチュエータ
100 制御装置
101 移動制御部
102 吐出制御部
103 照射制御部
105a 記憶部
105b 開閉制御部
105c 開閉検知部
P1 開位置
P2 閉位置
Pt 当接位置
Pa 離間位置

Claims (8)

  1. キャリッジと、
    前記キャリッジを移動させるキャリッジ移動装置と、
    前記キャリッジに設けられ、光硬化性のインクを吐出する記録ヘッドと、
    前記インクを硬化させる光を発する光源と、前記光源からの光を通過させる照射口と、を備え、前記キャリッジに設けられた光照射装置と、
    前記光を遮蔽するシャッタと、前記シャッタを前記照射口の少なくとも一部を遮蔽する閉位置と前記照射口を開放する開位置とに移動可能に支持する支持部と、を備え、前記キャリッジに設けられたシャッタ機構と、
    前記キャリッジ以外の場所に設けられ、前記キャリッジとともに移動する前記シャッタの移動経路上の当接位置と、前記シャッタの移動経路から離間した離間位置とに移動する当接部材と、
    を備え、
    前記シャッタは、前記移動経路上を移動し、かつ、前記当接部材が前記当接位置に位置するときに、前記当接部材に当接することによって前記開位置および前記閉位置の一方から他方へ移動されるように構成されている、
    インクジェットプリンタ。
  2. 前記シャッタは、前記閉位置に配置されたときに前記照射口に対向する遮蔽面を有し、
    前記支持部は、前記遮蔽面に直交する方向に延びるともに前記シャッタを回転可能に支持する回転軸を備えている、
    請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記回転軸は、上下方向に延びており、
    前記当接部材は、上下方向に移動して前記当接位置および前記離間位置に移動するように構成され、前記離間位置において前記シャッタの移動経路の下方または上方に位置し、前記当接位置において前記シャッタの移動経路上に位置する、
    請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記シャッタ機構は、
    第1端部と第2端部とを有する弾性部材と、
    前記支持部に対して移動不能に設けられ、前記弾性部材の前記第1端部が係合される第1係合部と、
    を備え、
    前記シャッタは、前記弾性部材の前記第2端部が係合される第2係合部を備え、
    前記第2係合部は、前記回転軸と平行な方向に見た場合に、前記シャッタが前記開位置に配置されているときには前記第1係合部と前記回転軸とを結んだ直線に対して一方側に位置し、前記シャッタが前記閉位置に配置されているときには他方側に位置するように配置され、
    前記弾性部材は、前記第1係合部と前記第2係合部との間に引き伸ばされた状態で係合されている、
    請求項2または3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記キャリッジ以外の場所に設けられ、前記当接部材を前記離間位置と前記当接位置とに移動させるアクチュエータを備えた、
    請求項1〜4のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記記録ヘッドと前記光源と前記キャリッジ移動装置と前記アクチュエータとを制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記記録ヘッドを制御して、前記インクを吐出させる吐出制御部と、
    前記光源を制御して、光を照射させる照射制御部と、
    前記シャッタを前記閉位置に配置する閉条件が記憶された記憶部と、
    前記閉条件が揃った場合に、前記キャリッジ移動装置と前記アクチュエータとを制御して、前記シャッタを前記閉位置に配置する開閉制御部と、
    を備えている、
    請求項5に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記キャリッジ移動装置は、前記キャリッジを第1方向に移動するように構成され、
    前記照射口は、前記第1方向に直交する第2方向に延び、
    前記記録ヘッドは、前記インクを吐出する複数のノズルが前記第2方向に並んで配置されたノズル列を備えるとともに、前記照射口の前記第1方向に配置され、
    前記閉条件は、前記ノズル列の前記複数のノズルのうち、前記閉位置における前記シャッタの前記第1方向に位置するノズルから前記インクが吐出されないことを含んでいる、
    請求項6に記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記シャッタが前記開位置または前記閉位置に配置されていることを検知して信号を発するセンサを備え、
    前記制御装置は、前記センサからの信号を受信する開閉検知部を備えている、
    請求項6または7に記載のインクジェットプリンタ。
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