JP2020081349A - ゴルフボール、ゴルフボールの挙動計測装置およびゴルフボールへの図柄付与方法 - Google Patents

ゴルフボール、ゴルフボールの挙動計測装置およびゴルフボールへの図柄付与方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴルフボールの意匠性を低下させることなく挙動計測用図柄を付与する。【解決手段】ゴルフボール10の表面10Aには、ゴルフボール10の挙動を計測する際に用いる挙動計測用図柄12が付与されている。挙動計測用図柄12は、可視光照射下においては表面10Aと同色に視認され、かつ所定波長の不可視光照射下においては表面10Aと異なる色に識別可能となる素材が表面10A上に配置されることにより形成されている。また、ゴルフボール10の表面10Aには、製造者名やブランド名を表記する意匠用図柄14が更に付与されている。意匠用図柄14は、可視光照射下においては表面10Aと異なる色に視認され、かつ不可視光照射下においては表面10Aと同色に識別される素材が表面10A上に配置されることにより形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、ゴルフボール、ゴルフボールの挙動計測装置およびゴルフボールへの図柄付与方法に関する。
従来、ゴルフボールの挙動を計測するにあたって、ゴルフボールで撮影した複数の画像を画像処理することによって各種の挙動を示すパラメータを算出する方法が用いられている。
例えば、下記特許文献1は、特殊な機器を用いることなく移動体(ゴルフボール)の挙動を計測することを目的とし、ゴルフボールが移動開始地点に配置された状態である第1の画像と、ゴルフボールが打撃され移動を開始した後の画像である第2の画像に基づいてゴルフボールの挙動を計測する。例えば移動方向は、2枚の画像におけるゴルフボールの位置との変位方向から算出することができる。また、回転軸方向は2枚の画像におけるゴルフボールの図柄の位置および向きの差分から算出することができる。
特開2016−86952号公報
上記従来技術のように、画像を用いてゴルフボールの挙動を計測する場合、ゴルフボールの表面に視認可能な図柄(マーク、以下「挙動計測用図柄」という)を付与し、画像上の図柄の位置に基づいてボールの回転状態などを算出している。
一方で、一般的なゴルフボールには、ゴルフボールの製造者名やブランド名、ロゴマーク、ゴルフボールの所有者を識別するための図柄や文字など(以下「意匠用図柄」という)が付与されている。
元々意匠用図柄が付与されているゴルフボールに、更に挙動計測用図柄を付与した場合、ゴルフボール表面に占める図柄の割合が大きくなり、ゴルフボールの意匠性が低下するという課題がある。また、挙動計測処理において画像上の挙動計測用図柄の位置を抽出する際に、意匠用図柄の影響で挙動計測用図柄の抽出精度が低下し、挙動計測処理の精度が低下する可能性があるという課題がある。
このような課題に対応するため、例えば挙動計測時には意匠用図柄がなく挙動計測用図柄のみを付与したゴルフボールを使用するという方法もあるが、この場合、挙動計測に日常的に使用しているゴルフボール(意匠用図柄が付された一般的なゴルフボール)を用いたいと考えるユーザに対応することができない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、ゴルフボールの意匠性を低下させることなく挙動計測用図柄を付与することにある。
上述の目的を達成するため、請求項1の発明にかかるゴルフボールは、表面に第1の図柄が付与されたゴルフボールであって、前記第1の図柄は、前記ゴルフボールの挙動計測に用いられるとともに、可視光照射下においては前記表面と同色に視認され、かつ所定波長の不可視光照射下においては前記表面と異なる色に識別可能となる素材が前記表面上に配置されることにより形成されている、ことを特徴とする。
請求項2の発明にかかるゴルフボールは、前記表面に第2の図柄が更に付与され、前記第2の図柄は、前記可視光照射下においては前記表面と異なる色に視認され、かつ前記不可視光照射下においては前記表面と同色に識別される素材が前記表面上に配置されることにより形成されている、ことを特徴とする。
請求項3の発明にかかるゴルフボールは、前記第1の図柄を形成する素材の前記不可視光の吸収率は、前記表面の前記不可視光の吸収率よりも所定値以上高い、ことを特徴とする。
請求項4の発明にかかるゴルフボールは、前記第1の図柄の表面に、前記可視光照射下および前記不可視光照射下において無色透明の保護層を更に備える、ことを特徴とする。
請求項5の発明にかかるゴルフボールの挙動計測装置は、請求項1から4のいずれか1項記載のゴルフボールの挙動を計測するゴルフボールの挙動計測装置であって、前記ゴルフボールを撮影領域に含むよう配置されたカメラと、前記ゴルフボールに前記不可視光を照射する不可視光照射手段と、前記不可視光照射手段により前記不可視光が照射された状態の前記ゴルフボールの画像を撮影するよう前記カメラを制御する撮影制御手段と、前記画像に基づいて、前記ゴルフボールの打撃直後の移動方向、移動速度、回転軸方向およびスピン成分の少なくともいずれかを算出する挙動計測手段と、を備えることを特徴とする。
請求項6の発明にかかるゴルフボールの挙動計測装置は、前記カメラは、前記不可視光照射手段が照射する波長の前記不可視光を選択的に透過するフィルタが設けられている、ことを特徴とする。
請求項7の発明にかかるゴルフボールへの図柄付与方法は、ゴルフボールへの図柄付与方法であって、前記ゴルフボールの表面に、可視光照射下においては前記表面と同色に視認され、かつ所定波長の不可視光照射下においては前記表面と異なる色に視認される素材を配置することにより、前記ゴルフボールの挙動計測に用いられる第1の図柄を付与する、ことを特徴とする。
請求項8の発明にかかるゴルフボールへの図柄付与方法は、第1の図柄を付与する前記ゴルフボールの表面には、前記不可視光照射下においては前記表面と異なる色に視認され、かつ前記可視光照射下においては前記表面と同色に視認される素材が配置されることにより、第2の図柄が予め付与されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、ゴルフボールの挙動計測に用いられる第1の図柄が、不可視光照射下でのみ識別可能となるので、ゴルフボールが一般的に使用される可視光下ではユーザに第1の図柄が視認されず、ゴルフボールの意匠性を向上させる上で有利となる。
また、可視光下で視認される第2の図柄がゴルフボールに付与されている場合、任意の図柄を第2の図柄として適用することにより、ゴルフボールの意匠性を更に向上させる上で有利となる。また、第2の図柄は不可視光下ではゴルフボールの表面と同色に識別されるので、ゴルフボールの表面には第1の図柄のみが認識されることになり、ゴルフボールの挙動計測の精度を向上させる上で有利となる。
実施の形態にかかるゴルフボール10の外観図である。 実施の形態にかかるゴルフボール10の外観図である。 挙動計測装置20の構成を示す説明図である。 ゴルフボール10のティー34への載置状態を示す説明図である。 コンピュータ28の構成を示すブロック図である。 挙動計測装置20の機能的構成を示すブロック図である。 挙動計測装置20による処理の手順を示すフローチャートである。 撮影手段206による撮影画像の一例を模式的に示す説明図である。 撮影手段206による撮影画像の一例を模式的に示す説明図である。 挙動計測装置20の他の構成例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるゴルフボール、ゴルフボールの挙動計測装置およびゴルフボールへの図柄付与方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1および図2は、実施の形態にかかるゴルフボール10の外観図であり、図2は図1のS矢視図となっている。各図において、符号Aは可視光照射下における外観、符号Bは不可視光照射下における外観を示す。なお、本実施の形態において、ゴルフボール10の表面10Aの色(可視光照射下において視認される色)は白色とする。
図1に示すように、ゴルフボール10は、その表面10Aに挙動計測用図柄(第1の図柄)12が付与されている。挙動計測用図柄12は、後述する挙動計測装置20(図3参照)における挙動計測処理に用いられる。本実施の形態では、挙動計測用図柄12は、2つの円形図形12A,12Bおよび1つの×印12Cを、それぞれ等距離となるように配置している。
また、図2に示すように、挙動計測用図柄12(第1の挙動計測用図柄)の対心位置にも、挙動計測用図柄12と同様の図柄(第2の挙動計測用図柄)が付与されている。
挙動計測用図柄12は、可視光照射下においてはゴルフボール10の表面10Aと同色に視認され、かつ所定波長の不可視光照射下においては表面10Aと異なる色に識別可能となる素材が、表面10A上に配置されることにより形成されている。
ここで、可視光とは、電磁波(光)のうち人間の目で視認可能な波長帯に属する光であり、具体的には、およそ380nmから810nmの波長帯の光を指す。また、不可視光とは、電磁波(光)のうち可視光の波長帯から外れた波長を有する光である。具体的には、可視光の波長帯より短波長側は紫外線であり、可視光の波長帯より長波長側は赤外線である。
挙動計測用図柄12は、例えば不可視インクを用いてゴルフボール10の表面10Aに印刷されている。不可視インクは、可視光に対する光学的特性(反射率、透過率、吸収率など)と、不可視光(赤外線または紫外線)に対する光学的特性とが大きく異なるように形成されており、可視光照射下では無色透明、すなわち周囲(ゴルフボール10の表面10A)と同色に視認され、不可視光照射下では周囲と異なる色で視認される。なお、本明細書において、無色透明とは、ゴルフボール10の通常の使用時において、挙動計測用図柄12をユーザから目視するのが困難である程度にゴルフボール10の表面10Aの色を透過させることを指す。
具体的には、例えば可視光および紫外線の透過率が高い一方で吸収率、反射率が低く、かつ赤外線の吸収率が高いインク(赤外線吸収インク)や赤外線の反射率が高いインク(赤外線反射インク)、紫外線により蛍光を生じるインク(紫外線蛍光インク)などが挙げられる。
また、例えば可視光照射下ではゴルフボール10の表面10Aと同色(本実施の形態では白色)に視認され、不可視光照射下では周囲と異なる色(白色以外)で視認されるインク(素材)で挙動計測用図柄12を形成してもよい。
本実施の形態では、挙動計測用図柄12が例えば赤外線吸収インクで印刷されているものとする。
このようなインク(赤外線吸収インク)を用いることにより、挙動計測用図柄12は、可視光照射下においては図1Aに示すようにゴルフボール10の表面10Aと同色に視認される(図1Aにおいては挙動計測用図柄12を網掛けで図示)。また、不可視光(赤外線)照射下においては、図1Bに示すようにゴルフボール10の表面10Aよりも濃い色(図1Bにおいては黒色で図示)で識別される。
より詳細には、赤外線吸収インクの赤外線(不可視光)の吸収率は、ゴルフボール10の表面10Aの赤外線(不可視光)の吸収率よりも大幅に(所定値以上)高くなっている。よって、赤外線照射時には挙動計測用図柄12がゴルフボール10の表面10Aよりも暗く認識される。この場合、例えば赤外線反射インクのように不可視光を反射することにより挙動計測用図柄12を識別可能にする場合と比較して、後述する挙動計測装置20における画像処理時に挙動計測用図柄12の輪郭が把握しやすく、挙動の算出精度を向上させることができる。
なお、挙動計測用図柄12は、可視光照射下においてはゴルフボール10の表面10Aと同色に視認、すなわち人間(ユーザ)からほぼ無色透明であると認識されるのが好ましいが、不可視光照射下においては必ずしも人間(ユーザ)から視認可能でなくてもよい。挙動計測用図柄12は、不可視光照射下において後述する挙動計測装置20のカメラ22で撮影した画像上で、ゴルフボール10の表面10Aと異なる色に識別可能であればよい。
また、挙動計測用図柄12は、ゴルフボール10の表面10Aに予め印刷するに限らず、例えば挙動計測用図柄12のシールを形成しておき、後述する挙動計測装置20で計測を行う際にゴルフボール10の表面10Aに貼付するようにしてもよい。
また、図2に示すように、ゴルフボール10は、その表面10Aに意匠用図柄(第2の図柄)14が更に付与されている。意匠用図柄14は、例えばゴルフボール10の製造者名やブランド名、ロゴマーク、ゴルフボールの所有者を識別するための図柄などである。
本実施の形態では、意匠用図柄14として、ゴルフボール10の製造者名である「GOLF」の文字が付与されている。また、後述する挙動計測装置20での計測を精度よく行うために、打撃開始位置(ティー上)にゴルフボール10を配置する際の位置合わせ用マーク(▲)が「GOLF」の文字の左右に配置されている。
また、図2に示す意匠用図柄14(第1の意匠用図柄)の対心位置にも、意匠用図柄14と同様の図柄(第2の意匠用図柄)が付与されている。
意匠用図柄14は、可視光照射下においてはゴルフボール10の表面10Aと異なる色に視認され、かつ不可視光照射下においては表面10Aと同色に識別される素材が、表面10A上に配置されることにより形成されている。
意匠用図柄14は、例えばカーボンブラックを含有しない黒色インクやカラーインクなどを用いてゴルフボール10の表面10Aに印刷されている。カーボンブラックを含有しない黒色インクやカラーインクは、可視光照射下では所定の色(黒や白以外の有色)、すなわち周囲(ゴルフボール10の表面10Aの白色)と異なる色に視認され、不可視光照射下では周囲と略同色で認識される。つまり、意匠用図柄印刷用のインクとして、可視光の吸収率が高く(黒色の場合)、または可視光のうち特定の波長を反射し(有色の場合)、かつ不可視光の透過率が高いインクを用いるのが好ましい。
具体的には、例えば国際公開第2016/052641号に記載の赤外線透過性暗色インキ(一般にIR(赤外線)インク、IR透過インク等と称される)のように、黒色の外観を有しつつ、十分な赤外線透過性を有するインクを用いることができる。
このようなインク(IR透過インク等)を用いることにより、意匠用図柄14は、可視光照射下においては図2Aに示すようにゴルフボール10の表面10Aと異なる色に視認される(図2Aにおいては意匠用図柄14を黒色で図示)。また、不可視光(赤外線)照射下においては、図2Bに示すようにゴルフボール10の表面10Aと同色(図2Bにおいては点線で図示)で識別される。
なお、意匠用図柄14は、可視光照射下においてはゴルフボール10の表面10Aと異なる色に視認、すなわち人間(ユーザ)が意匠用図柄14を認識可能とするのが好ましいが、不可視光照射下においては必ずしも無色となる必要はなく、挙動計測装置20のカメラ22で撮影した画像上で、挙動計測用図柄12との識別が容易となる程度に表面10Aとのコントラストが低くなればよい。
つぎに、ゴルフボール10の挙動を計測する挙動計測装置20について説明する。
本実施の形態では、挙動計測装置20として、ゴルフボール10の打撃直後の移動方向、移動速度、回転軸方向およびスピン成分を計測する場合について説明する。
以下に説明する挙動計測装置20の構成や挙動計測処理の手順等は一例であり、画像を用いてゴルフボール10の挙動を計測する具体的な方法は、従来公知の様々な方法を採用可能である。
図3は、挙動計測装置20の構成を示す説明図であり、図3Aは模式的側面図、図3Bは上面視図である。
図3Aには、ゴルフクラブ32によってゴルフボール10を打撃しようとする計測者(プレイヤー)Iが示されている。図3では図柄を省略しているが、ゴルフボール10には図1および図2に示すような挙動計測用図柄12および意匠用図柄14が付与されている。
ゴルフボール10は、地面(水平面)Gに差し込まれたティー34上に載置されており、この状態でゴルフクラブ32により打撃され、移動を開始する。すなわち、図3Aの例では、ティー34上のゴルフボール10の位置が移動開始地点P0となる。
なお、ゴルフボール10をティー34に載置した状態で計測を行うか、地面Gに載置した状態で計測を行うか、すなわち、ティー34上のゴルフボール10の位置を移動開始地点とするか、地面G上のゴルフボール10の位置を移動開始地点とするかは計測者Iの任意である。
また、符号Xは、ゴルフクラブ32によってゴルフボール10を打撃した際の目標移動方向である。以下、挙動計測装置20が設置された空間の座標の原点を移動開始地点P0とし、目標移動方向Xを向き地面Gと平行な方向にx軸、重力方向と反対方向をz軸、x軸およびz軸と直交する方向をy軸とする。なお、図3では図示の都合上、各座標軸を原点である移動開始地点P0から離れた位置に図示している。
図4に示すように、計測者Iは、ゴルフボール10をティー34に載置する際に、意匠用図柄14である「GOLF」の文字を上面かつ自身が読める方向に向けるとともに、位置合わせ用マーク(▲)の頂点を目標移動方向Xに向けるようにする。これにより、挙動計測用図柄12がy軸方向に位置するカメラ22側を向き、カメラ22の撮影画像に挙動計測用図柄12を確実に写り込ませることが可能となる。
特に、本実施の形態では、可視光下では挙動計測用図柄12が視認しにくいため、挙動計測用図柄12自体を用いてカメラ22との位置合わせをすることが困難である。意匠用図柄14に位置合わせ用マークを設けることにより、カメラ22の撮影画像に挙動計測用図柄12を確実に写り込ませることができ、挙動の計測精度を向上させることができる。
挙動計測装置20は、カメラ22、赤外線ランプ23(不可視光照射手段)、マイク24、ドップラーセンサ25、コンピュータ28を含んで構成される。
カメラ22は、静止画を撮影するカメラであり、ゴルフボール10の移動開始地点P0を含む領域を撮影領域とするように配置される。本実施の形態では、カメラ22は地面G付近に固定して設置されており、図3Bに示すように移動開始地点P0を含む撮影領域H内を撮影する。
カメラ22によって撮影された画像は、後述するコンピュータ28へと出力される。
また、カメラ22の撮影タイミングは、後述するコンピュータ28の撮影制御手段208で制御される。
赤外線ランプ23は、不可視光照射手段の一例であり、本実施の形態では赤外線を発光する。赤外線ランプ23は、カメラ22の撮影タイミングに連動して点灯し、撮影領域H付近に赤外線を照射する。これにより、撮影画像にゴルフボール10を鮮明に映すことができる。赤外線ランプ23の点灯のオンオフをコンピュータ28で制御するようにしてもよい。
なお、図3Bではカメラ22と後述するドップラーセンサ25との位置関係を明確にするため、赤外線ランプ23の図示を省略している。
また、本実施の形態では図示の便宜上、カメラ22と赤外線ランプ23とを別体に図示しているが、カメラ22と赤外線ランプ23とを1つのユニット内に格納してもよい。この場合、例えばユニットの筐体(一般的には矩形)内にカメラ22および赤外線ランプ23を格納し、筐体の前面(ゴルフボール10と対向する面)側にカメラ22のレンズや赤外線ランプ23を配置する。
また、カメラ22のレンズ(図示なし)の表面に、赤外線(赤外線ランプ23で発光する光の波長をピークとする波長帯)以外の光をカットするフィルタを設けてもよい。すなわち、カメラ22に、不可視光照射手段(赤外線ランプ23)が照射する波長の不可視光を選択的に透過するフィルタを設けてもよい。
これにより、周囲の可視光等の影響を排除して、赤外線ランプ照射下におけるゴルフボール10の輪郭や挙動計測用図柄12をより鮮明に撮影することができる。また、特にゴルフボール10の表面10Aが白以外の場合でも、その輪郭を鮮明に撮影する上で有利となる。
また、カメラ22を赤外線カメラとしてもよい。
マイク24は、周囲の音声を集音して音声信号としてコンピュータ28へと出力する。
本実施の形態では、マイク24はゴルフボール10の打撃音を集音し、ゴルフボール10の移動開始を検知するために設けられている。
なお、図3Bではカメラ22と後述するドップラーセンサ25との位置関係を明確にするため、マイク24の図示を省略している。
ドップラーセンサ25は、アンテナ部252を介して送信波W1としてのマイクロ波をゴルフボール10に向けて送信すると共に、ゴルフボール10で反射された反射波W2をアンテナ部252を介して受信して、ドップラー信号Sdを検出するものである。
ドップラー信号とは、送信波W1の周波数F1と受信波W2の周波数F2との差分の周波数F1−F2で定義されるドップラー周波数Fdを有する信号である。
ドップラーセンサ25は、市販されている種々のものが使用可能である。
なお、前記の送信波W1としては、例えば、24GHzのマイクロ波が使用可能であり、ドップラー信号Sdを得られるものであれば送信波W1の周波数は限定されない。
ドップラーセンサ25のアンテナ部252は指向性を有しており、本実施の形態では、アンテナ部252の指向方向Nがゴルフボール10の目標移動方向X(x軸)と一致するように設置される。すなわち、ドップラーセンサ25は移動開始地点P0の後方に、アンテナ部252を目標移動方向Xに向けて設置される。
また、図3Aではx軸方向から挙動計測装置20を図示しているので、ドップラーセンサ25の図示を省略している。
コンピュータ28は、他のカメラ22やマイク24等の他の構成部から出力される情報を用いてゴルフボール10の挙動データを算出する。
図5は、コンピュータ28の構成を示すブロック図である。
コンピュータ28は、CPU1802と、不図示のインターフェース回路およびバスラインを介して接続されたROM1804、RAM1806、ハードディスク装置1808、ディスク装置1810、キーボード1812、マウス1814、ディスプレイ1816、プリンタ1818、入出力インターフェース1820などを有している。
ROM1804は制御プログラムなどを格納し、RAM1806はワーキングエリアを提供するものである。
ハードディスク装置1808はゴルフボール10の挙動の計測を行うための専用のプログラム(挙動計測プログラム)を格納している。
ディスク装置1810はCDやDVDなどの記録媒体に対してデータの記録および/または再生を行うものである。
キーボード1812およびマウス1814は、操作者による操作入力を受け付けるものである。
ディスプレイ1816はデータを表示出力するものであり、プリンタ1818はデータを印刷出力するものであり、ディスプレイ1816およびプリンタ1818によってデータを出力する。
入出力インターフェース1820は、カメラ22、マイク24、ドップラーセンサ25等との間でデータの授受を行うものである。
なお、コンピュータ28としてスマートホンやタブレット等の小型情報機器を用いてもよい。
また、図3ではドップラーセンサ25やカメラ22等と、コンピュータ28とを配線で接続して図示しているが、これらの機器間の通信を無線通信で行ってもよい。
また、コンピュータ28(スマートホンやタブレット等を含む)がカメラ22やマイク24を備えている場合には、コンピュータ28が備えるカメラ22やマイク24を用いて画像の撮影や音声の集音を行ってもよい。この場合、挙動計測装置20を構成する機器の数を少なくして、機器の設置の手間やスペースを省くことができる。
図6は、挙動計測装置20の機能的構成を示すブロック図である。
挙動計測装置20は、機能的には、配置検知手段202、移動開始検知手段204、撮影手段206、撮影制御手段208、挙動計測手段210によって構成される。
これらの構成のうち、撮影制御手段208および挙動計測手段210は、上述したコンピュータ28のCPU1802が挙動計測プログラムを実行することによって実現する。
配置検知手段202は、ゴルフボール10が移動開始地点に配置されたことを検知する。
本実施の形態のようにゴルフボール10の移動開始地点がティー34上である場合、配置検知手段202は、ゴルフボール10がティー34上に配置されたことを検知する。
本実施の形態では、例えばドップラーセンサ25によって配置検知手段202を実現する。
上述のように、ドップラーセンサ25は、図3Bに示すように移動開始地点P0の後方に、アンテナ部252を目標移動方向Xに向けて設置される。よって、ドップラーセンサ25では、x軸に沿ったゴルフボール10の接近(ドップラー信号の周波数変化)を計測可能である。
ここで、計測者Iがアドレス姿勢を取ってバックスイングを行うと、ゴルフクラブ32がx軸にほぼ沿って移動するため、ドップラーセンサ25でドップラー信号の周波数変化が検知される。計測者Iがティー34(移動開始位置P0)周辺でスイング動作を行う場合、ゴルフボール10がティー34に設置されていることが予測される。よって、ドップラーセンサ25でゴルフクラブ32の接近を検知することによって、ゴルフボール10がティー34上に配置されている、すなわち移動開始地点に配置されたことを検知することができる。
すなわち、ゴルフボール10であるゴルフボール10は、打撃具であるゴルフクラブ32によって打撃されることによって移動を開始し、配置検知手段202は、打撃具であるゴルフクラブ32による打撃挙動(スイング)の開始を検知することにより、ゴルフボール10が移動開始地点に配置されたことを検知する。
また、配置検知手段202は、外部から入力される配置完了信号を検知することにより、ゴルフボール10が移動開始地点に配置されたことを検知するものであってもよい。
すなわち、ゴルフボール10をティー34上に配置したことを計測者Iがコンピュータ28のキーボード1812を用いて入力したり、専用のリモコンやスイッチ等を用いて入力したりしてもよい。
移動開始検知手段204は、ゴルフボール10が移動を開始したことを検知する。
本実施の形態では、マイク24によってゴルフボール10の打撃音を集音し、ゴルフボール10の移動開始を検知する。すなわち、移動開始検知手段204は、打撃具によるゴルフボール10の打撃音を検知してゴルフボール10が移動を開始したことを検知する。
なお、マイク24には計測者Iの話し声等、様々な音声が集音されるため、予めゴルフボール10の打撃音を示す周波数帯を特定しておき、音声認識を用いてこの周波数帯の音声が集音されたことを識別することによって、ゴルフボール10が移動を開始したことを検知してもよい。
また、移動開始検知手段204は、マイク24に限らず、通過検知センサであってもよい。
具体的には、ゴルフボール10の設置位置の前方が検知エリアとなるように通過検知センサを設置し、検知エリア内をゴルフボール10またはゴルフクラブ32が通過したことを検知することにより、ゴルフボール10が移動を開始したことを検知してもよい。
すなわち、ゴルフボール10の移動経路上を検知領域とする通過検知センサを用いてゴルフボール10が移動を開始したことを検知するようにしてもよい。
この場合、通過検知センサの検知エリアは、後述する撮影手段206の撮影領域内にゴルフボール10が位置するうちに撮影が行えるように、ティー34のごく近傍に設定するのが好ましい。
撮影手段206は、ゴルフボール10の移動開始地点P0を撮影領域に含むよう配置され、撮影領域内の画像を撮影する。
上述のように、本実施の形態ではカメラ22が撮影手段206を構成し、移動開始地点P0であるティー34上を含むように撮影領域Hが設定されている。
撮影手段206は、後述する撮影制御手段208による撮影タイミング制御によって画像(静止画)が撮影できればよい。
撮影制御手段208は、配置検知手段202および移動開始検知手段204による検知結果に基づいて、撮影手段206による撮影動作を制御する。
より詳細には、撮影制御手段208は、配置検知手段202でゴルフボール10が移動開始地点に配置されたと検知された場合、移動開始地点に配置された状態のゴルフボール10の画像(第1の画像)を撮影するように撮影手段206を制御する。また、撮影制御手段208は、移動開始検知手段204によってゴルフボール10が移動を開始したことを検知された場合、移動開始後のゴルフボール10の画像(第2の画像)を撮影するように撮影手段206を制御する。これにより、ゴルフボール10の移動開始前後(打ち出し前後)の2枚の画像が得られる。
なお、カメラ22でゴルフボール10を撮影する際には、ゴルフボール10に赤外線ランプ23により不可視光(赤外線)が照射されている状態とする。すなわち、撮影制御手段208は、不可視光照射手段により不可視光が照射された状態のゴルフボール10の画像を撮影するようカメラ22を制御する。
挙動計測手段210は、移動開始地点P0に配置された状態のゴルフボール10の画像である第1の画像と、移動開始後のゴルフボール10の画像である第2の画像とに基づいて、ゴルフボール10の打撃直後の移動方向、移動速度、回転軸方向およびスピン成分の少なくともいずれかを算出する。
挙動計測手段210は、移動方向算出手段2102、回転軸方向算出手段2104、移動速度算出手段2106、スピン成分算出手段2108を備える。これらは、ゴルフボール10の挙動情報である、移動方向、回転軸方向、移動速度およびスピン成分をそれぞれ算出する。
ここで、挙動計測手段210による挙動情報の算出方法について説明する。
図8は、撮影手段206による撮影画像の一例を模式的に示す説明図である。
図8Aは第1の画像を示し、移動開始地点に配置された状態のゴルフボール10を撮影したものであり、図8Bは第2の画像を示し、移動開始後のゴルフボール10を撮影したものである。また、図8Cは図8Bからゴルフボール10以外の要素を消去した上で、図8Aおよび図8Bを重畳している。
また、図9も、撮影手段206による撮影画像の一例を模式的に示す説明図であり、図9Aは図8Aと同一の図、図9Bはゴルフボール10がカメラ22に対して近づく方向(y座標プラス方向)に移動した場合の画像であり、図9Cはゴルフボール10がカメラ22に対して遠ざかる方向(y座標マイナス方向)に移動した場合の画像である。
ゴルフボール10の挙動計測用図柄12は、可視光照射下においてはゴルフボール10の表面10Aと同色に視認され、計測者Iからはほぼ視認できない。一方、赤外線照射下で撮影された画像上では、表面10Aと異なる色に識別可能となる。
また、ゴルフボール10の意匠用図柄14は、可視光照射下においてはゴルフボール10の表面10Aと異なる色に視認され、計測者Iが視認可能である。一方、不可視光照射下で撮影された画像上では、表面10Aと略同色に識別され、意匠用図柄14を識別するのは困難である。よって、第1の画像および第2の画像では、ゴルフボール10の表面10Aには挙動計測用図柄12のみが認識され、意匠用図柄14の誤検出による挙動計測精度の低下を防止することができる。
挙動計測手段210は、カメラ22で撮像された画像をデジタルデータとして取り込み、画像処理を行うことによって周囲の環境などの不要な画像を消去し、ゴルフボール10の円形状の輪郭領域を検出する。挙動計測手段210は、ゴルフボール10の像(円形状の輪郭領域)の重心位置および直径を算出するとともに、輪郭領域の内部から挙動計測用図柄12を抽出する。なお、挙動計測用図柄12の形状を挙動計測手段210に予め登録(記憶)しておけば、パターンマッチング等により精度よく挙動計測用図柄12を抽出することができる。
[移動方向の算出方法]
まず、上下方向(x−z平面上)における移動方向θhの算出方法について説明する。
図8Cに示すように、第1の画像におけるゴルフボール10の中心点P1と第2の画像におけるゴルフボール10の中心点P2とを結ぶ線分L1と、第1の画像におけるゴルフボール10の中心点P1を通り地面Gと平行な線分L2とがなす角θhによって、上下方向(x−z平面上)の移動方向を特定することができる。
すなわち、挙動計測手段210は、第1の画像におけるゴルフボール10の位置と第2の画像におけるゴルフボール10の位置との変位方向を移動方向として算出する。
なお、カメラ22の光軸が地面Gと平行でなく、上下方向に傾いている場合は、当該傾きを補正した上で上下方向の移動方向θhを算出する。
つぎに、左右方向(x−y平面上)における移動方向θwの算出方法について説明する。
ゴルフボール10が目標移動方向Xに対して左右方向に傾いて移動している場合には、図9に示すように移動開始前後で画像上のゴルフボール10の直径が異なる。
図9の例では、図9Aの移動開始前のゴルフボール10の直径R0に対して、図9Bのようにゴルフボール10がカメラ22に対して近づく方向に移動した場合には直径R1が大きくなり(R1>R0)、図9Cのようにゴルフボール10がカメラ22に対して遠ざかる方向に移動した場合には直径R2が小さくなる(R2<R0)。
カメラ22の撮影倍率および画角は既知であるので、移動開始前後のゴルフボール10の直径の差分に基づいて、左右方向(x−y平面上)の移動方向θwを特定することができる。
例えば、図9Bのようにゴルフボール10がカメラ22に対して近づく方向(y座標プラス方向)に移動した場合には、画像上のゴルフボール10の直径が大きいほどカメラ22方向に大きく曲がっていることになる。また、図9Cのようにゴルフボール10がカメラ22に対して遠ざかる方向(y座標マイナス方向)に移動した場合には、画像上のゴルフボール10の直径が小さいほどカメラ22と反対方向に大きく曲がっていることになる。
すなわち、挙動計測手段210は、第1の画像および第2の画像におけるゴルフボールの直径の比率に基づいて、カメラ22の撮影方向と直交する方向の移動方向を算出する。
また、移動方向θwを算出する他の方法として、複数台のカメラ22を用いたステレオ計測をおこなってもよい。
図10は、挙動計測装置20の他の構成例を示す説明図である。
図10では、ゴルフボール10の移動開始地点P0を含む領域を撮影領域とするように2台のカメラ22A,22Bが設置されている。カメラ22A,22Bの位置や撮影方向(向き)や撮影倍率などのカメラパラメータは、予め特定されている。
このカメラ22A,22Bで、それぞれ同時にゴルフボール10の移動開始前後(打ち出し前後)の画像を撮影する。
そして、それぞれのカメラ22A,22Bで撮影した画像上におけるゴルフボール10の位置を特定し、上記のカメラパラメータを用いて移動開始前後におけるゴルフボール10の3次元空間上の位置を特定する。この移動開始前後におけるゴルフボール10の3次元空間上の位置の差分からゴルフボール10の移動方向θwを算出することができる。
すなわち、複数台のカメラ22A,22Bでそれぞれ撮影された複数の第1の画像に基づいて移動開始前のゴルフボール10の3次元空間上の位置を特定し、複数台のカメラ22A,22Bでそれぞれ撮影された複数の第2の画像に基づいて移動開始後のゴルフボール10の3次元空間上の位置を特定し、移動開始前後におけるゴルフボール10の3次元空間上の位置の差分に基づいて移動方向を算出するようにしてもよい。
このように、複数台のカメラを用いて撮影することによって、ゴルフボール10の移動方向θwをより精度高く算出することができる。
[移動速度の算出方法]
つづいて、移動速度の算出方法について説明する。
上述した移動方向および回転軸方向の算出は移動開始前後の2枚の画像のみで行うことができるが、画像を用いて移動速度を算出するには、ゴルフボール10が移動を開始してから第2の画像を撮影するまでの経過時間を特定する必要がある。
移動速度の算出には、まずゴルフボール10の移動距離を算出する。上述のようにカメラ22の撮影倍率は既知であるので、画像上の距離と実空間上の距離との比率は既知であり、第1の画像におけるゴルフボール10の位置(移動開始地点)と第2の画像におけるゴルフボール10の位置との間の距離から移動距離の上下方向成分を算出することができる。
また、移動距離の上下方向成分と左右方向(x−y平面上)の移動方向θwとから、移動距離の左右方向成分を算出することができる。
移動距離の上下方向成分および左右方向成分から、ゴルフボール10の直線移動距離を算出することができる。
つぎに、ゴルフボール10が移動を開始した時刻を特定する。移動開始検知手段204がマイク24である場合、マイク24によって打撃音を検知した時刻をゴルフボール10が移動を開始した時刻とすることができる。
この時、移動開始地点とマイク24と間の距離を音速で除した値を打撃音がマイク24に到達するまでの遅れ時間として算出し、この遅れ時間をマイク24によって打撃音を検知した時刻から差し引いてもよい。
この時、移動開始地点周辺の温度を検知する温度センサを設けておき、温度センサの測定温度を用いて音速値を補正してもよい。すなわち、一般的に用いられる音速C=331.5+0.61t(tは摂氏温度)等の式を用いて実際の音速により近い値を算出し、打撃音がマイク24に到達するまでの時間を算出してもよい。これにより、更に精度高くゴルフボール10が移動開始した時刻を特定することができる。
そして、カメラ22で第2の画像を撮影した時刻を特定すれば、ゴルフボール10が移動開始してから第2の画像が撮影されるまでの経過時間を特定することができる。第2の画像を撮影した時刻は、撮影制御手段208がカメラ22に撮影を指示した時刻またはカメラ22で記録した第2の画像の撮影時刻であり、これらは略同一である。
このように算出したゴルフボール10の移動距離を、ゴルフボール10が移動を開始してから第2の画像を撮影するまでの経過時間で除すことによって、2枚の画像からゴルフボール10の移動速度を算出することができる。
[回転軸方向およびスピン成分の算出方法]
つぎに、回転軸方向およびスピン成分の算出方法について説明する。
図8に示すように、ゴルフボール10には挙動計測用図柄12が付加されている。移動開始前後のゴルフボール10の挙動計測用図柄12の位置および方向に基づいて、ゴルフボール10の回転軸方向を特定することができる。
回転軸方向は、例えば移動方向と同様に、上下方向における回転軸の傾きと左右方向における回転軸の傾きとによって表すことができる。また、ゴルフボール10のスピン成分には、サイドスピン成分とバックスピン成分とによって表すことができる。
すなわち、第1の画像における挙動計測用図柄12(以下、第1の図柄という)を、仮想空間Aに設けられた第1の3次元仮想球体Q(以下、第1の仮想球体Qという)の表面に写像(マッピング)する。また、第2の画像における挙動計測用図柄12(以下、第2の図柄という)を、第2の3次元仮想球体q(以下、第2の仮想球体qという)の表面に写像(マッピング)する。挙動計測手段210は、第1の仮想球体Qと、第2の仮想球体qとにより、例えば、画像相関法により3次元空間における回転軸および回転軸周りの回転量(回転角度)を求める。
この場合、第1の仮想球体Qを3次元的に回転させて、第1の図柄と第2の仮想球体qにおける第2の図柄との相関係数が最も高くなる場合における3次元的な回転量を、2つの時刻間におけるゴルフボール10の3次元的な回転量(3次元空間における回転軸および回転軸周りの回転量(回転角度))とする。
画像相関法により得られた3次元的な回転量を、図3等に示す各軸方向に分ける。これにより、バックスピンおよびサイドスピンを求めることができる。
なお、ゴルフボール10に付加する挙動計測用図柄12は、ゴルフボール10がどの方向に回転しても画像上に写るような図柄にするのが好ましい。本実施の形態では、挙動計測用図柄12をゴルフボール10の対心位置である2箇所に付与している。
すなわち、ゴルフボール10は全方位から視認可能な図柄を有し、挙動計測手段210は、第1の画像における図柄の位置および向きと第2の画像における図柄の位置および向きとの差分から回転軸方向を算出する。
図7は、挙動計測装置20による処理の手順を示すフローチャートである。
挙動計測装置20は、まずドップラーセンサ25(配置検知手段202)による計測を開始し(ステップS400)、ゴルフボール10が移動開始地点に配置されたことを検知する(ステップS402:配置検知工程)。本実施の形態では、ドップラー信号によりゴルフクラブ32のスイング開始が検知された場合にゴルフボール10が移動開始地点に配置されたと判断する。
ゴルフボール10が移動開始地点に配置されると(ステップS402:Yes)、撮影制御手段208が撮影手段206に画像撮影を指示し、ゴルフボール10が移動開始地点にある状態を第1の画像として撮影する(ステップS404:第1の撮影工程)。
つぎに、挙動計測装置20は、移動開始検知手段204によってゴルフボール10が移動を開始したことを検知する(ステップS406:移動開始検知工程)。
ゴルフボール10が移動を開始すると(ステップS406:Yes)、撮影制御手段208が撮影手段206に画像撮影を指示し、ゴルフボール10が移動している状態を第2の画像として撮影する(ステップS408:第2の撮影工程)。また、この間もドップラー信号の計測も継続して行う。
つづいて、挙動計測手段210によって、ドップラー信号および2枚の画像から移動方向、回転軸方向、移動速度、スピン成分など、ゴルフボール10の挙動を算出する(ステップS410:挙動計測工程)。
そして、算出した挙動情報をディスプレイ1816や印刷紙等に表示して(ステップS412)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態にかかるゴルフボール10は、挙動計測用図柄12が不可視光照射下でのみ識別可能となるので、ゴルフボール10が一般的に使用される可視光下では計測者Iに挙動計測用図柄12が視認されず、ゴルフボール10の意匠性を向上させる上で有利となる。
また、ゴルフボール10の製造者名やブランド名、ロゴなど任意の図柄を可視光下で視認される意匠用図柄14として適用することにより、ゴルフボール10の意匠性を更に向上させる上で有利となる。また、意匠用図柄14は不可視光下ではゴルフボール10の表面10Aと同色に識別されるので、ゴルフボール10の表面10Aには挙動計測用図柄12のみが認識されることになり、ゴルフボール10の挙動計測の精度を向上させる上で有利となる。
なお、本実施の形態では、ゴルフボール10に予め挙動計測用図柄12と意匠用図柄14とが付与されているものとしたが、これに限らず、例えば挙動計測を行う都度、意匠用図柄14のみが付された一般的なゴルフボール10に、挙動計測用図柄12を付与するようにしてもよい。
この場合、例えば挙動計測用図柄12のシールをゴルフボール10の表面10Aに貼付したり、不可視インクを用いたスタンプをゴルフボール10の表面10Aに押したりする。
すなわち、例えば図7のステップS400に先立って、ゴルフボール10の表面10Aに、可視光照射下においては表面10Aと同色に視認され、かつ所定波長の不可視光照射下においては表面10Aと異なる色に視認される素材を配置することにより、挙動計測用図柄12(第1の図柄)を付与するようにしてもよい。
この時、挙動計測用図柄12(第1の図柄)を付与するゴルフボール10の表面10Aには、不可視光照射下においては表面10Aと異なる色に視認され、かつ可視光照射下においては表面10Aと同色に視認される素材が配置されることにより、意匠用図柄14(第2の図柄)が予め付与されていてもよい。
また、挙動計測用図柄12(および意匠用図柄14)を設けたゴルフボール10の表面10Aに、更に保護層(図示なし)を設けてもよい。これにより、挙動計測用図柄12および意匠用図柄14が消えるのを防止し、図柄の耐久性を向上させることができる。保護層の素材は、可視光および不可視光の両方で透過性が高いものが好ましい。
すなわち、挙動計測用図柄12(第1の図柄)の表面に、可視光照射下および不可視光照射下において無色透明の保護層を更に備えるようにしてもよい。
10 ゴルフボール
10A 表面
12 挙動計測用図柄
14 意匠用図柄
17 赤外線ランプ
20 挙動計測装置
22 カメラ
32 ゴルフクラブ
23 赤外線ランプ
24 マイク
25 ドップラーセンサ
28 コンピュータ
202 配置検知手段
204 移動開始検知手段
206 撮影手段
208 撮影制御手段
210 挙動計測手段

Claims (8)

  1. 表面に第1の図柄が付与されたゴルフボールであって、
    前記第1の図柄は、前記ゴルフボールの挙動計測に用いられるとともに、可視光照射下においては前記表面と同色に視認され、かつ所定波長の不可視光照射下においては前記表面と異なる色に識別可能となる素材が前記表面上に配置されることにより形成されている、
    ことを特徴とするゴルフボール。
  2. 前記表面に第2の図柄が更に付与され、
    前記第2の図柄は、前記可視光照射下においては前記表面と異なる色に視認され、かつ前記不可視光照射下においては前記表面と同色に識別される素材が前記表面上に配置されることにより形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフボール。
  3. 前記第1の図柄を形成する素材の前記不可視光の吸収率は、前記表面の前記不可視光の吸収率よりも所定値以上高い、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフボール。
  4. 前記第1の図柄の表面に、前記可視光照射下および前記不可視光照射下において無色透明の保護層を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のゴルフボール。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載のゴルフボールの挙動を計測するゴルフボールの挙動計測装置であって、
    前記ゴルフボールを撮影領域に含むよう配置されたカメラと、
    前記ゴルフボールに前記不可視光を照射する不可視光照射手段と、
    前記不可視光照射手段により前記不可視光が照射された状態の前記ゴルフボールの画像を撮影するよう前記カメラを制御する撮影制御手段と、
    前記画像に基づいて、前記ゴルフボールの打撃直後の移動方向、移動速度、回転軸方向およびスピン成分の少なくともいずれかを算出する挙動計測手段と、
    を備えることを特徴とするゴルフボールの挙動計測装置。
  6. 前記カメラは、前記不可視光照射手段が照射する波長の前記不可視光を選択的に透過するフィルタが設けられている、
    ことを特徴とする請求項5記載のゴルフボールの挙動計測装置。
  7. ゴルフボールへの図柄付与方法であって、
    前記ゴルフボールの表面に、可視光照射下においては前記表面と同色に視認され、かつ所定波長の不可視光照射下においては前記表面と異なる色に視認される素材を配置することにより、前記ゴルフボールの挙動計測に用いられる第1の図柄を付与する、
    ことを特徴とするゴルフボールへの図柄付与方法。
  8. 第1の図柄を付与する前記ゴルフボールの表面には、前記不可視光照射下においては前記表面と異なる色に視認され、かつ前記可視光照射下においては前記表面と同色に視認される素材が配置されることにより、第2の図柄が予め付与されている、
    ことを特徴とする請求項7記載のゴルフボールへの図柄付与方法。
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