JP2003057258A - 移動体の移動パラメータ測定装置 - Google Patents

移動体の移動パラメータ測定装置

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JP2003057258A
JP2003057258A JP2002164503A JP2002164503A JP2003057258A JP 2003057258 A JP2003057258 A JP 2003057258A JP 2002164503 A JP2002164503 A JP 2002164503A JP 2002164503 A JP2002164503 A JP 2002164503A JP 2003057258 A JP2003057258 A JP 2003057258A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2方向から撮像した画像を処理してゴルフボー
ルの初速度、打ち出し角度および回転方向と回転角速度
などの移動パラメータを測定する移動体パラメータ測定
装置であって、1台のカメラによって撮像することを可
能とする。 【解決手段】移動経路の周りに配置して、2方向から見
た移動体の像の各々を反射するミラー10、12と、こ
の反射した移動体の像のうち、一方の像を反射し、他方
の像を透過するハーフミラー14と、移動体の像を撮像
する1台のカメラ16と、撮像された移動体の像に基づ
いて移動体の移動パラメータを算出する移動パラメータ
算出部17とを有し、ミラー10、12の配置を調整し
て、カメラ16の撮像位置から見える移動体の像を近接
させ、この近接した移動体の像をカメラ16を用いて1
つの画像として撮像する。また、カメラ16で撮影され
る移動体の像がともに鏡像となるように調整用ミラーを
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CCD(Charged
Coupled Device) カメラ等のカメラによって撮像された
画像をデジタル化して読み取り、このデジタル化して読
み取られた画像を用いて演算処理を行なうことによっ
て、移動体の移動速度、移動方向、回転角速度あるいは
回転方向等の移動パラメータを算出する移動体の移動パ
ラメータ測定装置に関し、特に、ゴルフボールの初期弾
道測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフボールの初速度、打ち出し角度お
よびゴルフボールの回転方向と回転角度などの初期弾道
パラメータを正確に測定することができるゴルフボール
の初期弾道測定装置は、試打されたゴルフボールの初速
度、打ち出し角度、回転角速度あるいは回転方向によっ
てゴルフボールの飛距離を推測し、また、ゴルフボール
の回転角速度や回転方向などによってゴルフボールの曲
がりや球筋を推測し、ゴルフスイングにおけるゴルフク
ラブヘッドのインパクトの状態とゴルフボールの初期弾
道パラメータとの関係を解析することができるので、ゴ
ルフボールやゴルフクラブの評価には欠かせないもので
ある。
【0003】このようなゴルフボールの初期弾道測定装
置としては各種の形式のものが知られているが、正確な
測定結果を迅速に得られるものとして、2台のカメラを
用いたゴルフボールの初期弾道測定装置が挙げられる。
このゴルフボールの初期弾道測定装置は、ゴルファー自
身によって、或いはゴルフクラブのスイングロボットに
よって打ち出されたゴルフボールを所定の時間間隔で2
方向から同時に撮像し、この撮像された画像を画像解析
して、所定の時間内に移動したゴルフボールの移動距離
や移動方向を測定することによってゴルフボールの初速
度と打ち出し角度を算出し、さらに、ゴルフボールの表
面に付された目印の位置の移動や移動方向によってゴル
フボールの回転角速度と回転方向などを算出する、ゴル
フボールの初期弾道パラメータを測定するものである。
【0004】この2台のカメラによるゴルフボールの初
期弾道測定装置は、正確な測定結果を比較的迅速に得ら
れるものであるが、2方向から同時に撮像するために2
台のカメラを完全に同期してシャッターを開閉する作動
をさせなければならない。そのため、装置の設定や制御
に手間が掛かる他、高い分解能を要するカメラを2台使
用しなければならないので装置が高価なものとなってい
た。そこで、必要とするカメラを1台にすることによっ
て、同じ性能で取り扱いが容易であるとともに、より安
価なゴルフボールの初期弾道測定装置を開発することが
求められていた。
【0005】この目的を達成する試みの一つとして、実
開平6−13878号公報には、1台のカメラによって
ゴルフボールの初期弾道を測定するゴルフボールの初期
弾道測定装置が開示されている。このゴルフボールの初
期弾道測定装置は、1台のカメラによって、試打された
ゴルフボールの軌跡の画像を上方から直接撮像するとと
もに、ゴルフボールの試打方向と直交する方向に配置
し、ミラー面が地面に対して45°の傾斜角度に調整さ
れたミラーで反射したゴルフボールの軌跡の画像も同時
に撮像するものである。これにより、1台のカメラによ
ってゴルフボールの初期弾道を測定することができると
されている。
【0006】しかしながら、試打されたゴルフボールの
軌跡を上方から直接撮像する画像と、ミラーで反射した
ゴルフボールの軌跡を撮像する画像とでは、被写体であ
るゴルフボールから撮影に用いるカメラまでの距離が異
なっているので、双方の距離にピントを正確に合わせる
ことは不可能であり、どちらかの画像にボケが生じるこ
とは避けられない。特に、ゴルフボールの回転角速度や
回転方向を正確に測定するためには、ゴルフボールの表
面上に付された目印の像にボケが生じることは許されな
い。また、被写体であるゴルフボールからカメラまでの
距離が異なっているので、撮像されたゴルフボールの像
の大きさも異なり、最初に、双方の画像の大きさを統一
してからゴルフボールの移動距離や移動方向、目印の位
置の移動や移動方向を測定しなければないので、測定精
度が落ちることは避けられない。
【0007】一方、2個のミラーとハーフミラーを組み
合わせて3次元の形状を測定する装置が、特開平9−8
9534号公報に開示されている。すなわち、特開平9
−89534号公報では、2個のミラーとハーフミラー
を組み合わせた3次元形状測定装置が開示されており、
この3次元形状測定装置は、被測定物を移送するテーブ
ルと、被測定物に光を照射する光源(実施例ではスリッ
ト光またはスポット光を照射するレーザ光源)とを有
し、スリット光またはスポット光を照射する光源からの
光が被測定物の表面で反射して線状または点状となった
反射光の画像を、一対のミラーとハーフミラーとからな
る光学系で集め、それぞれ対応する線または点の位置が
一致するように調整して合成光とし、この合成光の画像
上の位置によって被測定物の3次元形状を測定するもの
である。
【0008】しかし、この3次元形状測定装置は、被測
定物の外形を測定するものであって、外形が同一でしか
も球状の移動体であるゴルフボールの回転角速度や回転
方向を測定することはできない。一方、固定されたスリ
ット光またはスポット光の領域にゴルフボールを通過さ
せ、ゴルフボールの表面に投影されて形成されるスリッ
ト光やスポット光の反射光の像の形状の変化から移動速
度を測定することは可能である。しかし、この場合、ス
リット光やスポット光の領域をゴルフボールが通過する
時間を画像から割り出すため、測定精度は極めて劣る。
また、ゴルフボールの初期弾道測定装置のように、移動
体であるゴルフボールは、試打するたびにゴルフボール
の移動方向や移動速度が微妙に変動するので、ゴルフボ
ールがスリット光またはスポット光の領域の範囲内に常
に収まり移動速度や移動方向が測定できるわけではな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決して、移動体の移動速度や移動方向や回転
角速度や回転方向を1台のカメラのみを使用することに
よって正確に移動体の移動パラメータを測定することが
できる移動体の移動パラメータ測定装置、特に、打ち出
し直後のゴルフボールの初速度、打ち出し角度およびゴ
ルフボールの回転角速度と回転方向などのゴルフボール
の初期弾道パラメータを正確に測定することができるゴ
ルフボールの初期弾道測定装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、移動体の移動経路の回りの異なる位置に
配置され、移動体を異なる2方向から見た2つの移動体
の像をそれぞれ別々に反射する2個のミラーと、一方の
側より投影された像を少なくとも透過させ、他方の側よ
り投影された像を少なくとも反射させる境界面を有する
部材であって、前記2個のミラーを少なくとも用いて前
記2つの移動体の像が前記境界面の互いに異なる側より
前記境界面に投影されて、一方の側より投影された移動
体の像を透過し、他方の側より投影された移動体の像を
反射する光学部材と、この光学部材を透過した移動体の
像およびこの光学部材で反射した移動体の像を撮像する
1台のカメラと、このカメラによって撮像された移動体
の像に基づいて移動体の移動パラメータを算出する移動
パラメータ算出部とを有し、前記2個のミラーの配置を
調整することによって、前記カメラの撮像位置から前記
光学部材および前記2個のミラーを介して見える2つの
移動体の像を近接させ、この近接した異なる2方向から
見た移動体の像を前記カメラを用いて1つの画像として
撮像することを特徴とする移動体の移動パラメータ測定
装置を提供する。
【0011】ここで、前記光学部材は、例えば、ハーフ
ミラーである。あるいは、プリズムであってもよい。ま
た、前記移動体の移動パラメータ測定装置は、前記2個
のミラーのうち一方のミラーで反射された移動体の像を
さらに反射して前記光学部材の前記境界面に投影させる
調整ミラーを有するものであってもよい。
【0012】また、前記カメラは、所定の時間経過前後
の前記2方向から見た移動体の像を1つの画像として撮
像するのが好ましい。さらに、前記2個のミラーの配置
を調整することで、前記光学部材の前記境界面に投影さ
れる移動体の像の、前記境界面に対する投影角度を略一
致させるのが好ましい。また、前記光学部材の前記境界
面に対する前記2個のミラーの反射面の傾斜角度は、正
負の符号が互いに異なりかつ絶対値が略等しい角度であ
るのが好ましい。
【0013】また、前記移動体は球状の移動体であり、
前記移動体パラメータ算出部は、前記カメラで撮影され
た所定の時間経過前後の前記2方向から見た移動体の像
に基づいて、前記移動体の中心位置の移動距離と移動方
向を求めることによって、移動体の移動速度と移動方向
を算出するのが好ましい。また、前記移動体は球状の移
動体であり、前記移動体パラメータ算出部は、前記カメ
ラで撮影された所定の時間経過前後の前記2方向から見
た移動体の像に基づいて、前記移動体上の特定点の位置
の移動距離と移動方向を求めることによって、移動体の
回転角速度と回転方向を算出するものであってもよい。
また、本発明の移動パラメータ測定装置の移動体は、例
えば、打ち出し直後のゴルフボールであって、前記移動
体パラメータ算出部は、前記カメラで撮影された所定の
時間経過前後の前記2方向から見たゴルフボールの像に
基づいて、打ち出し直後のゴルフボールの初速度と打ち
出し角度、および打ち出し直後のゴルフボールの回転角
速度と回転方向の少なくとも1方を算出するゴルフボー
ルの初期弾道測定装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の移動体の移動パラ
メータ測定装置について、ゴルフボールの初期弾道測定
装置を好適実施例として説明する。図1は本発明の移動
体の移動パラメータ測定装置であるゴルフボールの初期
弾道測定装置の第1の実施例を概念的に示す側面図、図
2はカメラで撮像された画像の1例を示す説明図、図3
は第2の実施例を概念的に示す側面図である。なお、本
発明の移動体の移動パラメータ測定装置は、ゴルフボー
ルの初期弾道測定装置に限定されず、野球のボールやテ
ニスボール等の移動体の移動パラメータを測定するもの
であってもよい。
【0015】図1に示すように、ゴルフボールの初期弾
道測定装置2は、例えばゴルファー4がゴルフクラブ6
によってゴルフボール8を試打した際のゴルフボールの
初期弾道パラメータを測定するものである。初期弾道測
定装置2は、被写体であるゴルフボール8を挟んでゴル
ファー4と対向する側に、ゴルフボール8を載置したテ
ィーから打ち出されたゴルフボール8の像を反射する2
個のミラー10、12と、この2個のミラー10、12
によって反射した2つの打ち出し直後のゴルフボールの
像が異なる面に投影され、ミラー10から投影された像
を反射し、ミラー12から投影された像を透過するハー
フミラー14と、ハーフミラー14を透過したゴルフボ
ールの像とハーフミラー14で反射したゴルフボールの
像をまとめて撮像する分解能の高いCCDカメラ16
と、CCDカメラ16によって撮像されたゴルフボール
の像に基づいてゴルフボールの初期弾道パラメータを算
出する初期弾道パラメータ算出部17とを主に有して構
成される。ここで、ミラー10、12は、ゴルフボール
8の打ち出し直後の想定される弾道経路の周りに配置さ
れ、打ち出し直後のゴルフボール8から略等距離離れ、
異なる2方向から見たゴルフボール8の像の各々を反射
するように構成される。ハーフミラー14は、一方の側
より投影された像を少なくとも透過させ、他方の側より
投影された像を少なくとも反射させる境界面を有する光
学部材であって、ミラー10、12の配置位置を略対称
位置とする対称平面18上に、この対称平面18とハー
フミラー14の境界面が平行になるように配置される。
すなわち、ハーフミラー14の面または対象平面18に
対するミラー10、12の反射面の傾斜角度は、正負の
符号が互いに異なりかつ絶対値が等しくなっている(図
1中の角度+α°および−α°)。
【0016】また、ゴルフボールの初期弾道測定装置2
は、ミラー10、12で反射された、異なる2方向から
見た打ち出し直後のゴルフボール8の像をハーフミラー
14上に投影するが、ミラー10、12の配置を微調整
することによって、ハーフミラー14上に投影される2
つのゴルフボールの像の投影角度を略一致させるととも
に、お互いのゴルフボールの像が可能な限り重ならない
ようにミラー10、12の配置位置の微調整によって近
接してゴルフボールの像を形成させ、この近接したゴル
フボール8の像をCCDカメラ16で1つの画像として
撮像するように構成される。そして、このCCDカメラ
16には制御装置22が接続されて設けられており、制
御装置22は所定のタイミングで撮像するために電子シ
ャッターを自動的に開閉する制御を行う。このように、
ハーフミラー14を用いて、異なる2方向から見たゴル
フボールの像を近接させることで、CCDカメラ16の
撮像領域の視野を狭くすることができ、ゴルフボールの
像を精度良く撮像することができる。また、2つのゴル
フボールの像が重なりにくいので、以降で行なわれる画
像処理や初期弾道パラメータの測定が可能となる。
【0017】このCCDカメラ16は任意の光学カメラ
とすることもできるが、以降で説明するように、ゴルフ
ボール8の初速度と打ち出し角度、および回転角速度と
回転方向等の初期弾道パラメータ(移動パラメータ)を
測定する際、ゴルフボール8の撮像された画像の画像処
理を行ってゴルフボール8の像を迅速に検出するので、
画像をデジタル化して出力するCCDカメラ16を使用
してゴルフボール8の位置の検出を容易にすることが望
ましい。また、本実施例のゴルフボールの初期弾道測定
装置2は、それぞれの配置を固定し、2個のミラー1
0、12に投影される2個の被写体の像の通過する面を
透明体で覆った任意のケース20に収納することによっ
てポータブル化し、容易に移動して任意の場所に設置す
ることができる。もちろん、この他にゴルフボールの撮
像時にゴルフボールを照明するストロボ装置あるいは、
場合によってはゴルフボールを照明するに十分な明るさ
の自然光または人工光の照明装置等が用いられる。
【0018】このように構成されているゴルフボールの
初期弾道測定装置2では、ゴルフボールの初期弾道パラ
メータを測定する際には、インパクト直後の打ち出され
て飛翔しているゴルフボール8の像を所定の時間間隔の
2回のストロボ発光により1つの平面画像として撮像す
る。このとき、図1から明らかなように、ミラー10で
反射しハーフミラー14で再度反射してCCDカメラ1
6に投影されたゴルフボール8の画像(以下、上側の画
像という)はCCDカメラ16により撮像される画像内
の上側に、ミラー12で反射してハーフミラー14を透
過してCCDカメラ16に投影されたゴルフボール8の
画像(以下、下側の画像という)はCCDカメラ16に
より撮像される画像内の下側に撮像されるようにミラー
10、12の配置が設定されるので、図2に示すよに、
1つの平面画像30の中に、4個のゴルフボールの像3
2、34、36、38が画像として撮像される。
【0019】ここで、ゴルフボールの像32、34が前
述した上側の画像であり、ゴルフボールの像36、38
が下側の画像となる。また、所定の時間間隔で2回スト
ロボが発光するので、最初のストロボ発光でゴルフボー
ルの像32、36が、後のストロボ発光でゴルフボール
の像34、38が撮像される。この2回のストロボの発
光は、従来技術と同様に、スイングされたゴルフクラブ
のゴルフボール8へのインパクトの寸前にゴルフクラブ
の通過によって生成されたトリガー信号から所定の時間
遅れて、CCDカメラ16のシャッターが開いた後、行
なわれる。そして、2回のストロボ発光時のゴルフボー
ル8の像が撮像される。
【0020】したがって、平面画像30には、上側の画
像としてのゴルフボールの像32、34と下側の画像と
してのゴルフボールの像36、38、および最初に撮像
されたゴルフボールの像32、36と所定の時間経過後
のゴルフボールの像34、38が組み合わさって撮像さ
れた4個のゴルフボールの像32、34、36、38が
画像として撮像される。
【0021】初期弾道測定装置2は、打ち出されたゴル
フボールのバックスピンやサイドスピン等の回転角速度
や回転方向を測定するために、ゴルフボール8には、目
印として黒丸や十字形のマーキングを付して特定点と
し、このマーキングの位置のゴルフボール8の表面上の
移動距離と移動方向によってゴルフボールの回転角速度
と回転方向を測定する。図2の平面画像30では、ゴル
フボールの像32、34、36、38の内部に、黒丸で
描かれたマーキングの像32a、34a、36a、38
aが表示されている。図示の場合、上側の画像におい
て、マーキングの像32aからマーキングの像34aま
でゴルフボール8の表面上を回転して移動し、下側の画
像において、マーキングの像36aからマーキングの像
38aまでゴルフボール8の表面上を回転して移動した
ことを示している。
【0022】なお、この平面画像30は、所定の時間間
隔をあけてストロボを発光させてCCDカメラ16で撮
像した4個のゴルフボールの像32、34、36、38
が画像として写っている画像に限定されるものではな
く、上記所定の時間間隔をあけてカメラのシャッターを
2回開き多重露光してゴルフボールの像32、34、3
6、38を撮像した画像であってもよいし、さらに、上
記所定の時間間隔だけシャッターを開放して、移動方向
に残像を有するゴルフボールの画像を得て、この残像を
有するゴルフボールの両端の像を4個のゴルフボールの
像32、34、36、38としてもよく、高速ビデオカ
メラで撮像した画像から同じ所定の時間間隔で画像を取
り出し、この両端の画像を4個のゴルフボールの像3
2、34、36、38としてもよい。CCDカメラ16
で撮像された平面画像30は、初期弾道パラメータ算出
部17に送られる。このように、ハーフミラー14上に
投影される2つのゴルフボールの像の投影角度を略一致
させ、しかも、ゴルフボールの像を近接させ、さらに、
ハーフミラー14の面に対するミラー10、12の反射
面の傾斜角度を、正負の符号が互いに異なりかつ絶対値
が略等しくするので、被写体であるゴルフボール8から
ミラー10またはミラー12で反射しCCDカメラ16
に至るゴルフボール8の像の経路長は、略等しくなり、
従来のように、一方のゴルフボールの像のピントがボケ
ることはない。
【0023】一方、初期弾道パラメータ算出部17は、
画像読取装置40、位置測定装置42、演算装置44、
およびCPU46を有して構成される。画像読取装置4
0は、CCDカメラ16で撮像された平面画像30を、
デジタルデータとして取り込み、画像処理を行うことに
よって周囲の環境などの不要な画像を消去した後、ゴル
フボールの外形の画像に画像処理を施して、ゴルフボー
ルの像32、34、36、38の重心位置を算出し、続
いて、ゴルフボールに形成されたマーキングの像32
a、34a、36a、38aの画像を画像処理して、マ
ーキングの像32a、34a、36a、38aの中心位
置を算出して位置測定装置42に出力する部位である。
【0024】位置測定装置42は、このゴルフボールの
像32、34、36、38の重心位置とマーキングの像
32a、34a、36a、38aの中心位置のデータが
入力されると、ゴルフボール8の実際の移動経路におけ
る鉛直面および水平面の成分を算出する部位である。す
なわち、図1に示すように、2個のミラー10、12は
任意の角度だけ傾斜しているので、これらのミラー1
0、12によって投影されて平面画像30として撮像さ
れた画像におけるゴルフボールの像32、34、36、
38の重心位置の座標やマーキングの像32a、34
a、36a、38aの中心位置の座標は、ミラー10、
12の傾斜角度に応じて鉛直面および水平面の成分が合
成されたものとなっている。従って、ゴルフボールの像
32、34、36、38の重心の位置の座標やマーキン
グの像32a、34a、36a、38aの中心位置の座
標の数値が鉛直面および水平面の成分となるようにミラ
ー10、12の配置に応じて演算して分解する。そし
て、分解して得られた鉛直面および水平面の成分のそれ
ぞれにおける最初のストロボ発光時点でのゴルフボール
の重心位置の座標とこの重心位置に対するマーキングの
中心位置の座標および2回目のストロボ発光時点でのゴ
ルフボールの重心位置の座標とこの重心位置に対するマ
ーキングの中心位置の座標を測定する。測定された各座
標は演算装置44に送られる。
【0025】演算装置44は、最初および2回目のスト
ロボ発光時点でのゴルフボール8の重心位置の座標とマ
ーキングの中心位置の座標から、ゴルフボール8の重心
位置の移動距離および移動方向を求めることでゴルフボ
ールの初速度、打ち出し角度を算出し、マーキングの中
心位置の移動距離および移動方向を求めることでゴルフ
ボール8の回転角速度と回転方向を算出する部位であ
る。
【0026】さらに、このゴルフボール8の初速度、打
ち出し角度および回転方向と回転角速度に、試打時の風
速等の環境条件を付加して演算することによって、ゴル
フボール8の飛距離を推測し、さらにはゴルフボール8
のキャリーやランやスライスやフックの曲がりを推測し
て最終的な飛距離や曲がり量を演算し、演算結果をデー
タとして表示装置48に表示する。ここで、これらの演
算のためのデータの受け渡しや演算の指示は、CPU4
6によって制御されている。ゴルフボールの初期弾道測
定装置2は以上のように構成される。
【0027】図3は本発明の移動体の移動パラメータ測
定装置であるゴルフボールの初期弾道測定装置の第2の
実施例を概念的に示す側面図である。図3に示すゴルフ
ボールの初期弾道測定装置52は、固定された大型の設
備として設置されるものであって、ゴルファー54また
はゴルフクラブのスイングロボット(図示しない)がゴ
ルフクラブ56によってゴルフボール58を試打した際
のゴルフボールの初期弾道を測定するものである。ゴル
フボールの初期弾道測定装置52は、被写体であるゴル
フボール58の鉛直上方の位置に配置されたミラー60
とゴルフボール58と水平な面上に配置されたミラー6
2と、初期弾道パラメータ算出部63を有し、このミラ
ー60、62は、それぞれ水平面に対して45°傾斜し
てゴルフボール58の載置位置から略等距離の位置に相
互に対向して配置されている。すなわち、打ち出し直後
のゴルフボール58の経路上の所定の位置から略等距離
離れてミラー60、62が配置され、ゴルフボール58
を水平方向および鉛直方向の2方向から見た移動体の像
の各々を反射する。
【0028】また、ミラー60、62によって反射した
2方向から見たゴルフボール56の像が異なる面に投影
され、ミラー60で反射されたゴルフボールの像を透過
し、ミラー62の像を反射するハーフミラー64が、ミ
ラー60、62の配置位置を略対称位置とする対称平面
68上に、この対称平面68とハーフミラー64の境界
面が平行になるように配置される。すなわち、ゴルフボ
ールの初期弾道測定装置52は、ハーフミラー64にミ
ラー60、62で反射された水平方向および鉛直方向か
ら見た打ち出し直後のゴルフボール58の像を投影する
が、ミラー60、62の配置位置を微調整することによ
って、ハーフミラー64で透過したミラー60からのゴ
ルフボール58の像(鉛直方向から見たゴルフボール5
8の像)とハーフミラー64で反射したミラー62から
のゴルフボール58の像(水平方向から見たゴルフボー
ル58の像)を、可能な限り重ならないように近接させ
て形成させ、この近接したゴルフボール58の像をCC
Dカメラ66で1つの画像として撮像する。しかも、ミ
ラー60、62を水平面に対して45°傾斜させること
で、ハーフミラー64に投影されるゴルフボールの像の
投影角度を略一致させている。CCDカメラ66には制
御装置72が接続されて設けられており、制御装置72
は所定のタイミングで撮像するために電子シャッターを
自動的に開閉する制御を行う。そして、電子シャッター
が開いた際、所定の時間間隔で2回ストロボ発光するこ
とで、第1の実施例と同様に、4個のゴルフボール58
の像を1つの平面画像として撮像する。勿論、第1の実
施例と同様に、上記所定の時間間隔をあけてカメラのシ
ャッターを2回開き多重露光してゴルフボールの像を撮
像しもよいし、上述した他の方法でゴルフボールの像を
撮像してもよい。また、ゴルフボール58からCCDカ
メラ66に至るゴルフボール58の像の経路長は、ミラ
ー60あるいはミラー62で反射しても略等しいため、
従来のように、一方のゴルフボールの像のピントがボケ
ることはない。
【0029】ここで、ゴルフボールの初期弾道測定装置
52では、2個のミラー60、62がゴルフボール58
の鉛直方向および水平方向の位置にそれぞれ略45°傾
斜して配置されており、ハーフミラー64は対称平面6
8上に配置されているので、2回のストロボ発光によっ
てCCDカメラ66で撮像される4個のゴルフボール5
8の像はゴルフボール58を鉛直方向および水平方向の
互いに直交する方向から見た像となり、ゴルフボール5
8の初期弾道の水平方向の成分を上側の画像で、鉛直方
向の成分を下側の画像で撮像することができる。
【0030】この第2の実施例でも、CCDカメラ66
で撮像された平面画像30は、第1の実施例と同様に、
初期弾道パラメータ算出部63に送られる。初期弾道パ
ラメータ算出部63は、初期弾道パラメータ算出部17
と同様に、画像読取装置80、位置測定装置82、演算
装置84およびCPU86を有する。すなわち、平面画
像30は、画像読取装置80によってデジタルデータと
して読み取られ、画像処理してゴルフボールの像32、
34、36、38の重心の位置およびゴルフボールに形
成されたマーキングの像32a、34 a、36a、3
8aの中心位置を算出する。次に、位置測定装置82で
このゴルフボールの像32、34、36、38の重心位
置とマーキングの像32a、34a、36a、38aの
中心位置の座標をデータとして入力し、演算装置84で
ゴルフボールの初速度、打ち出し角度および回転方向と
回転角度を算出する。この実施例では、2個のミラー6
0、62がゴルフボール58の鉛直方向および水平方向
に配置されており、撮像された画像からゴルフボール5
8の飛翔経路の鉛直方向および水平方向の座標を演算す
ることなく直ちに読み取ることができるので、より精度
の高い測定を行うことができる。
【0031】このゴルフボールの初速度、打ち出し角度
および回転方向と回転角度に、試打時の風速等の環境条
件を付加して演算することによって、ゴルフボールの飛
距離を推測し、或いはゴルフボールのキャリーやランや
スライスやフックの曲がりを推測して最終的な飛距離や
曲がり量を演算し、演算結果をデータとして表示装置8
8に表示する。ここで、これらの演算のためのデータの
受け渡しや演算の指示は、CPU86によって制御され
ていることは第1の実施例と同様である。上記第1の実
施例および第2の実施例は、いずれも2回ストロボ発光
して所定時間経過前後の2方向から見たゴルフボールの
像(4つのゴルフボールの像)を1つの画像として撮像
するものであるが、2方向から見たゴルフボールの像を
所定時間間隔で別個に撮像して2つの画像を得てもよ
い。
【0032】次に、ゴルフボールの初期弾道測定装置に
おける測定方法について説明する。図4は本発明の移動
体の移動パラメータ測定装置であるゴルフボールの初期
弾道測定装置2、52の動作を説明するフローチャート
である。まず、ゴルファー4、54または図示しないス
イングロボットによってゴルフクラブ6、56のスイン
グが開始される(ステップ100)。ゴルフクラブ6、
56のゴルフクラブヘッドがインパクト直前の領域に設
置された図示しないゴルフクラブヘッド検出装置の検出
位置を通過すると、図5(a)に示すようなトリガー信
号がゴルフクラブヘッド検出装置において生成されて
(ステップ102)、ゴルフクラブヘッド検出装置から
制御装置22、72に送られる。制御装置22、72で
は、トリガー信号の立ち上がりからT1 秒後にCCDカ
メラ16、66の電子シャッターが開くように、図5
(b)に示すようなカメラ作動信号が生成されてCCD
カメラ16、56に送られ、このカメラ作動信号によっ
て、電子シャッターがT2 秒間開く(ステップ10
4)。
【0033】同時に、制御装置22、72から、図5
(c)に示すようなストロボ発光信号が図示しないスト
ロボに送られ、電子シャッターが開くT2 秒の間に、T
3 秒の時間間隔でストロボが2回発光して(ステップ1
06)、ゴルフボール8、58を照明する。こうしてT
3 秒間隔の2回のストロボ発光によって、打ち出された
直後のゴルフボール8、58の初期弾道が撮像され(ス
テップ108)、T3 秒の時間経過前後におけるゴルフ
ボール8、58の像が撮像された1つの平面画像30が
得られる。なお、後述するように、1つの平面画像を得
るのに2回以上シャッターを開いてゴルフボールの像を
撮像する、すなわち多重露光による撮像を行なう高速度
カメラを用いてもよい。
【0034】同時に、図示しないヘッドスピード計測装
置によってゴルフクラブ6、56のヘッドスピードが計
測される(ステップ110)。このヘッドスピード計測
装置は、本実施例のゴルフボールの初期弾道測定装置と
は別の装置であってもよく、或いは、前述のゴルフクラ
ブヘッド検出装置に所定の間隔で2個のセンサーを配置
し、この2個のセンサーでクラブヘッドを検出する時間
間隔によってゴルフクラブのヘッドスピードを計測して
もよい。
【0035】ステップ108で得られたゴルフボール
8、58の初期弾道を撮像した平面画像は、ステップ1
10で得られたゴルフクラブのヘッドスピード等のデー
タとともに表示装置48、88に表示される(ステップ
112)とともに、画像読取装置40、80でデジタル
データとして読み取られ、周囲の環境などの不要な画像
を消去した後、ゴルフボールの外径の画像を画像処理し
て(ステップ114)ゴルフボールの像32、34、3
6、38の重心位置を算出する(ステップ116)。同
時にゴルフボール8、58に形成されたマーキングの像
32a,34a,36a,38aの画像を画像処理して
(ステップ118)マーキングの像32a,34a,3
6a,38aの中心位置を算出する(ステップ12
0)。
【0036】これらの位置を位置測定装置42、82で
測定して(ステップ122)、ゴルフボールの重心位置
の移動距離および移動方向からゴルフボールの初速度、
打ち出し角度、また、マーキングの中心位置の移動距離
および移動方向からゴルフボールの回転方向と回転角速
度等、初期弾道パラメータを演算装置44、84で算出
し(ステップ124)、さらに、試打時の風速等の環境
条件を付加して演算することによって、ゴルフボールの
飛距離を推測し、或いはゴルフボールのキャリーやラン
やスライスやフックの曲がりを推測して最終的な飛距離
や曲がり量を演算し、演算結果をデータとして表示装置
48、88に表示する(ステップ126)。このように
して、ゴルフボールの初期弾道の測定を繰り返した後、
測定が終了した時点でデータを保存し(ステップ12
8)、ゴルフボールの初期弾道測定装置2、52による
測定を終了する。
【0037】上記方法は、CCDカメラ16のシャッタ
ーが開いている間に、T3 秒間隔で2回ストロボを発光
させてゴルフボールの像を撮像するが、図6(a)〜
(c)に示すように、高速度カメラを用いて、トリガー
信号(図6(a))の立ち上がりからT1 秒後にシャッ
ターを開き、続いてシャッターをT3 秒後に再度開くよ
うにカメラ作動信号(図6(b))を生成し、ゴルフボ
ールの像を2重露光して撮像してもよい。この場合、撮
像に十分な光量が確保できない場合、図6(c)に示す
ように、少なくともシャッターが2回開く間中ストロボ
を長時間発光させるようにストロボ発光信号を生成す
る。あるいは、2回のシャッターに同期させて、ストロ
ボを2回発光させるストロボ発光信号を生成する。一
方、撮像に十分な光量が自然光等により確保できればス
トロボ等の照明光を不要とする。特に、2重露光による
撮像を屋外で行なう場合、十分な光量が得られるので、
ストロボ等の照明光が不要となり、撮像を容易に行なう
ことができる。
【0038】以上、本発明の移動体の移動パラメータ測
定装置について上記第1の実施例および第2の実施例を
挙げて説明したが、本発明の移動体の移動パラメータ測
定装置について以下に示す第3の実施例を挙げて説明す
ることもできる。図7は本発明の移動体の移動パラメー
タ測定装置の第3の実施例を概念的に示す平面図であ
る。
【0039】図7に示すゴルフボールの初期弾道測定装
置102は、ミラー104、106と、調整用ミラー1
08と、ハーフミラー110と、CCDカメラ112
と、CCDカメラ112と接続された制御装置114
と、初期弾道パラメータ算出部116とを有して構成さ
れる。
【0040】ミラー104、106と、調整用ミラー1
08と、ハーフミラー110と、CCDカメラ112は
本体部118を形成し、本体部118はケース120に
収納され携帯可能となっている。制御装置114はCC
Dカメラ112と接続され、CCDカメラ112から出
力される画像は初期弾道パラメータ算出部116に供給
されるように初期弾道パラメータ算出部116と接続さ
れている。また、初期弾道パラメータ算出部116に表
示装置130が接続されている。ケース120に収納さ
れる本体部118は、ゴルフボール122を試打するゴ
ルファー124とゴルフボール122を挟んで対向する
位置に配置される。
【0041】ミラー104、106は、ゴルフボール1
22を異なる2方向から見たゴルフボール122の像を
反射するミラーで、ゴルフボール122の打ち出し方向
(図7中右方向)の異なる位置に配置されている。ゴル
フボール122は、ゴルファー124の試打によって、
打ち出し方向に打ち出されるが、打ち出された直後のゴ
ルフボール122の像は、ミラー106で反射されてハ
ーフミラー110に投影され、投影されたゴルフボール
122の像はハーフミラー110を透過してCCDカメ
ラ112に至るように構成されている。また、打ち出さ
れた直後のゴルフボール122の像は、ミラー104
で、この後、調整用ミラー108で反射され、調整用ミ
ラー108で反射されたゴルフボール122の像はさら
にハーフミラー110で反射されてCCDカメラ112
に至るように構成されている。
【0042】このような2つのゴルフボール122の像
が、CCDカメラ112で撮影される場合、異なる方向
から見たゴルフボール122の像が可能な限り重ならな
いように、ミラー104、106又は調整用ミラー10
8の配置が調整されている。本実施例は、上記第1の実
施例、第2の実施例と異なり、ミラー104、106を
打ち出し方向の前後方向に配置している。しかし、本実
施例のミラー104、106の配置は、打ち出し方向の
前後方向に配置することに限定されるものでなく、上述
した第1の実施例や第2の実施例と同様に鉛直方向の異
なる位置に配置されてもよい。また、本実施例は、上記
第1の実施例及び第2の実施例と異なり、調整用ミラー
108を有して構成される。調整用ミラー108を有す
る理由については後述する。
【0043】CCDカメラ112に接続される制御装置
114は、上記第1の実施例の制御装置22と同様の構
成及び機能を有する。従ってこの説明は省略する。初期
弾道パラメータ算出部116は、画像読取装置122、
位置測定装置124、演算装置126、CPU128を
有し、これらは上記第1の実施例の画像読取装置40、
位置測定装置42、演算装置44、CPU46と同様の
構成及び機能を有する。従ってこれらの説明は省略す
る。
【0044】上述したように、本実施例では調整用ミラ
ー108を有する。この調整用ミラー108は、ミラー
104とハーフミラー110とともに投影された像を反
射するので、CCDカメラ112で撮像するゴルフボー
ル122の像はゴルフボール122の鏡像となる。一
方、ミラー106で反射しハーフミラー110で透過し
てCCDカメラ112に至るゴルフボール122の像も
鏡像となる。このように調整用ミラー108は、ミラー
104で反射されてCCDカメラ112に至るゴルフボ
ール122の像を鏡像とするための調整用のミラーであ
り、ミラー106で反射されてCCDカメラ112に至
るゴルフボール122の像と同様に鏡像とする。
【0045】図8には、本実施例においてCCDカメラ
112で撮影された平面画像の一例が示されている。図
8に示す平面画像131は、打ち出された直後のゴルフ
ボール122の像を、図4におけるステップ104、1
06のように、ストロボ発光して実際に撮像したもので
ある。すなわち、打ち出されたゴルフボール122の像
を一定の時間間隔で2回撮像して4つのゴルフボールの
像132、134、136、138が得られる。
【0046】ここで、ゴルフボールの像132は、ミラ
ー104、調整用ミラー108、ハーフミラー110で
反射された最初(1回目)のストロボ発光によるゴルフ
ボール122の像であり、ゴルフボールの像136は、
ミラー106で反射されハーフミラー110を透過した
1回目のストロボ発光によるゴルフボール122の像で
ある。一方、ゴルフボールの像134は、ミラー10
4、調整用ミラー108、ハーフミラー110で反射さ
れた2回目のストロボ発光によるゴルフボール122の
像であり、ゴルフボールの像138は、ミラー106で
反射されハーフミラー110を透過した2回目のストロ
ボ発光によるゴルフボール122の像である。ここで、
平面画像131においてゴルフボールの像132が下側
に、ゴルフボールの像136が上側に撮像されるよう
に、ミラー104、106または調整用ミラー108の
反射面の傾斜角等の配置の調整が成されている。
【0047】なお、ゴルフボール122の表面には、白
丸、黒丸および十字形のマーキングが特定点として付さ
れており、図8に示されるように、白丸、黒丸および十
字形のマーキングが鮮明に写っている。このマーキング
は、上述したように、ゴルフボール122の初期弾道パ
ラメータを算出するために用いられる。この初期弾道パ
ラメータの算出のためにはゴルフボールの像を精度良く
撮像することが好ましく、そのため、ミラー104およ
びミラー106の配置を調整してゴルフボール122の
像を近接させ、CCDカメラ112の撮像領域の視野を
狭くすることが望まれる。しかし、ゴルフボール122
の像を近接させると、1回目のストロボ発光によるゴル
フボール122の像が重ならなくても、2回目のストロ
ボ発光によるゴルフボール122の像が重なるおそれが
ある。
【0048】これに対し、本実施例は、調整用ミラー1
08を用いて、撮像されるゴルフボール122の像はと
もに鏡像となり、図7中、ゴルフボール122の像は同
一方向に移動する。従って、ゴルフボールの像132と
ゴルフボールの像136を近接させても、2回目のスト
ロボ発光によるゴルフボールの像134とゴルフボール
の像138とが重なることは極めて少なくなる。
【0049】一方、調整用ミラー108を配置しない場
合、CCDカメラ112で撮像されるゴルフボール12
2の像は鏡像と正像によって構成されることから、この
像の移動方向が逆方向となる。また、上述したようにC
CDカメラ112の撮像領域の視野を狭くすることが望
まれるので、図9に示すように図中左から右に移動する
ゴルフボールの像142のうち1回目のストロボ発光に
よる像を撮影領域の左側に、図中右から左に移動するゴ
ルフボールの像144の1回目のストロボ発光による像
を図中右側に来るように、ミラー104、106および
調整用ミラー108を調整する。そのため、1回目のス
トロボ発光によるゴルフボール122の像が重ならない
場合でも、図9に示すように、2回目のストロボ発光に
よるゴルフボールの像146、148が重なるおそれが
ある。そのため、初期弾道パラメータの算出ができない
といった問題が生じる。このような点から、本実施例の
ように、調整用ミラー108を用いてゴルフボール12
2の像をともに鏡像とするのが好ましい。これによっ
て、CCDカメラ112の撮像領域の視野を狭くしてゴ
ルフボール122の像を高精度に撮像することができる
とともに、ゴルフボール122の像が重なる場合が極め
て少なくなり、初期弾道パラメータをほぼ常に算出する
ことができる。
【0050】なお、本発明においては、本実施例のよう
にカメラで撮像するゴルフボールの像をともに鏡像とす
る場合に限定されず、ともに正像とするように構成して
もよい。調整用ミラーはミラー104とハーフミラー1
10の間のみならず、ミラー106とハーフミラー11
0の間に配置してもよい。また、本実施例では、調整用
ミラーを1つ用いるが、調整用ミラーを奇数個用いて鏡
像としてもよい。少なくとも、ミラー104の反射によ
ってCCDカメラ112に至るゴルフボール122の像
とミラー106の反射によってCCDカメラ112に至
るゴルフボール122の像をともに鏡像または正像とす
るように調整用ミラーを配置するとよい。
【0051】また、上記第1〜第3の実施例はいずれ
も、一方の側より投影された像を少なくとも透過させ、
他方の側より投影された像を少なくとも反射させる境界
面を有する光学部材としてハーフミラーを用いたが、本
発明においてはこれに限定されない。例えば、直角プリ
ズムの斜面にクロム膜等の金属薄膜又は誘電体多層膜を
コーティングしたものを接着することで、上記境界面を
備えるプリズム、特に反射率と透過率が略1対1となっ
ているハーフプリズムをハーフミラーの替わりに用いて
もよい。
【0052】本発明の移動体の移動パラメータ測定装置
は、以上に述べたように構成されているので、ゴルフボ
ール以外の移動体、例えば野球のボールやテニスのボー
ルなどの移動体の移動パラメータ(移動速度や移動方向
や回転角速度や回転方向)の測定にも同じように適用す
ることが可能である。本発明の移動体の移動パラメータ
測定装置は、以上に記載した実施例や説明に限定される
ものではないことは明らかであり、本発明の要旨を変更
しない範囲で各種の改良や改変を行うことが可能なもの
である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の移動体の
移動パラメータ測定装置、特に実施例として例示したゴ
ルフボールの初期弾道測定装置は、2方向から見たゴル
フボールの像を処理してゴルフボールの初速度、打ち出
し角度およびボールの回転方向と角度などのゴルフボー
ルの初期弾道を正確に測定することができるゴルフボー
ルの初期弾道測定装置を、1台のカメラによって実現し
たものであって、測定精度が高く正確な測定結果を迅速
に得られ、取り扱いを容易にしてポータブル化すること
ができる。また、調整用ミラーを用いて、異なる2方向
から見る移動体の像をともに鏡像あるいは正像とするこ
とができるので、移動体の像が2回の撮像を行っても重
なることが極めてない。従って、移動体の移動パラメー
タをほぼ常に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の移動体の移動パラメータ測定装置の
一実施例であるゴルフボールの初期弾道パラメータ測定
装置を概念的に示す側面図である。
【図2】 ゴルフボールの初期弾道パラメータ測定装置
で得られた画像の一例を示す説明図である。
【図3】 本発明の移動体の移動パラメータ測定装置の
他の実施例を概念的に示す側面図である。
【図4】 本発明の移動体の移動パラメータ測定装置の
動作を説明するフローチャートである。
【図5】 (a)〜(c)は、ゴルフボールの初期弾道
パラメータ測定装置のカメラの動作を制御する信号のタ
イミングの一例を説明する説明図である。
【図6】 (a)〜(c)は、ゴルフボールの初期弾道
パラメータ測定装置のカメラの動作を制御する信号のタ
イミングの他の例を説明する説明図である。
【図7】 発明の移動体の移動体パラメータ測定装置の
他の実施例であるゴルフボールの初期弾道測定装置を概
念的に示す平面図である。
【図8】 図7に示すゴルフボールの初期弾道測定装置
で得られた画像の一例を示す説明図である。
【図9】 ゴルフボールの初期弾道測定装置で得られる
画像の一例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
2,52,102 初期弾道測定装置 4,54,124 ゴルファー 6,56 ゴルフクラブ 8,58,122 ゴルフボール 10,12,60,62,104,106 ミラー 14,64,110 ハーフミラー 16,66,112 CCDカメラ 17,63,116 初期弾道パラメータ算出部 18,68 対称平面 20,120 ケース 22,72,114 制御装置 30,131 平面画像 32,34,36,38 ゴルフボールの像 32a,34a,36a,38a マーキングの像 40,80,122 画像読取装置 42,82,124 位置測定装置 44,84,126 演算装置 46,86,128 CPU 48,88,130 表示装置 108 調整用ミラー 118 本体部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動体の移動経路の回りの異なる位置に配
    置され、移動体を異なる2方向から見た2つの移動体の
    像をそれぞれ別々に反射する2個のミラーと、 一方の側より投影された像を少なくとも透過させ、他方
    の側より投影された像を少なくとも反射させる境界面を
    有する部材であって、前記2個のミラーを少なくとも用
    いて前記2つの移動体の像が前記境界面の互いに異なる
    側より前記境界面に投影されて、一方の側より投影され
    た移動体の像を透過し、他方の側より投影された移動体
    の像を反射する光学部材と、 この光学部材を透過した移動体の像およびこの光学部材
    で反射した移動体の像を撮像する1台のカメラと、 このカメラによって撮像された移動体の像に基づいて移
    動体の移動パラメータを算出する移動パラメータ算出部
    とを有し、 前記2個のミラーの配置を調整することによって、前記
    カメラの撮像位置から前記光学部材および前記2個のミ
    ラーを介して見える2つの移動体の像を近接させ、この
    近接した異なる2方向から見た移動体の像を前記カメラ
    を用いて1つの画像として撮像することを特徴とする移
    動体の移動パラメータ測定装置。
  2. 【請求項2】前記光学部材は、ハーフミラーである請求
    項1に記載の移動体の移動パラメータ測定装置。
  3. 【請求項3】前記2個のミラーのうち一方のミラーで反
    射された移動体の像をさらに反射して前記光学部材の前
    記境界面に投影させる調整ミラーを有する請求項1また
    は2に記載の移動体の移動パラメータ測定装置。
  4. 【請求項4】前記カメラは、所定の時間経過前後の前記
    2方向から見た移動体の像を1つの画像として撮像する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動体の移動パラ
    メータ測定装置。
  5. 【請求項5】前記2個のミラーの配置を調整すること
    で、前記光学部材の前記境界面に投影される移動体の像
    の、前記境界面に対する投影角度を略一致させた請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の移動体の移動パラメータ
    測定装置。
  6. 【請求項6】前記光学部材の前記境界面に対する前記2
    個のミラーの反射面の傾斜角度は、正負の符号が互いに
    異なりかつ絶対値が略等しい角度である請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の移動体の移動パラメータ測定装
    置。
  7. 【請求項7】前記移動体は球状の移動体であり、 前記移動体パラメータ算出部は、前記カメラで撮像され
    た所定の時間経過前後の前記2方向から見た移動体の像
    に基づいて、前記移動体の中心位置の移動距離と移動方
    向を求めることによって、移動体の移動速度と移動方向
    を算出する請求項1〜6のいずれか1項に記載の移動体
    の移動パラメータ測定装置。
  8. 【請求項8】前記移動体は球状の移動体であり、 前記移動体パラメータ算出部は、前記カメラで撮像され
    た所定の時間経過前後の前記2方向から見た移動体の像
    に基づいて、前記移動体上の特定点の位置の移動距離と
    移動方向を求めることによって、移動体の回転角速度と
    回転方向を算出する請求項1〜7のいずれか1項に記載
    の移動体の移動パラメータ測定装置。
  9. 【請求項9】前記移動体は打ち出し直後のゴルフボール
    であって、 前記移動体パラメータ算出部は、前記カメラで撮像され
    た所定の時間経過前後の前記2方向から見たゴルフボー
    ルの像に基づいて、打ち出し直後のゴルフボールの初速
    度と打ち出し角度、および打ち出し直後のゴルフボール
    の回転角速度と回転方向の少なくとも1方を算出するゴ
    ルフボールの初期弾道測定装置である請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の移動体の移動パラメータ測定装置。
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