JP4104384B2 - 移動体の移動パラメータ測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD(Charged Coupled Device) カメラ等のカメラによって撮像された画像をデジタル化して読み取り、このデジタル化して読み取られた画像を用いて演算処理を行なうことによって、移動体の移動速度、移動方向、回転角速度あるいは回転方向等の移動パラメータを算出する移動体の移動パラメータ測定装置に関し、特に、ゴルフボールの初期弾道測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフボールの初速度、打ち出し角度およびゴルフボールの回転方向と回転角度などの初期弾道パラメータを正確に測定することができるゴルフボールの初期弾道測定装置は、試打されたゴルフボールの初速度、打ち出し角度、回転角速度あるいは回転方向によってゴルフボールの飛距離を推測し、また、ゴルフボールの回転角速度や回転方向などによってゴルフボールの曲がりや球筋を推測し、ゴルフスイングにおけるゴルフクラブヘッドのインパクトの状態とゴルフボールの初期弾道パラメータとの関係を解析することができるので、ゴルフボールやゴルフクラブの評価には欠かせないものである。
【0003】
このようなゴルフボールの初期弾道測定装置としては各種の形式のものが知られているが、正確な測定結果を迅速に得られるものとして、2台のカメラを用いたゴルフボールの初期弾道測定装置が挙げられる。このゴルフボールの初期弾道測定装置は、ゴルファー自身によって、或いはゴルフクラブのスイングロボットによって打ち出されたゴルフボールを所定の時間間隔で2方向から同時に撮像し、この撮像された画像を画像解析して、所定の時間内に移動したゴルフボールの移動距離や移動方向を測定することによってゴルフボールの初速度と打ち出し角度を算出し、さらに、ゴルフボールの表面に付された目印の位置の移動や移動方向によってゴルフボールの回転角速度と回転方向などを算出する、ゴルフボールの初期弾道パラメータを測定するものである。
【0004】
この2台のカメラによるゴルフボールの初期弾道測定装置は、正確な測定結果を比較的迅速に得られるものであるが、2方向から同時に撮像するために2台のカメラを完全に同期してシャッターを開閉する作動をさせなければならない。そのため、装置の設定や制御に手間が掛かる他、高い分解能を要するカメラを2台使用しなければならないので装置が高価なものとなっていた。
そこで、必要とするカメラを1台にすることによって、同じ性能で取り扱いが容易であるとともに、より安価なゴルフボールの初期弾道測定装置を開発することが求められていた。
【0005】
この目的を達成する試みの一つとして、実開平6−13878号公報には、1台のカメラによってゴルフボールの初期弾道を測定するゴルフボールの初期弾道測定装置が開示されている。このゴルフボールの初期弾道測定装置は、1台のカメラによって、試打されたゴルフボールの軌跡の画像を上方から直接撮像するとともに、ゴルフボールの試打方向と直交する方向に配置し、ミラー面が地面に対して45°の傾斜角度に調整されたミラーで反射したゴルフボールの軌跡の画像も同時に撮像するものである。これにより、1台のカメラによってゴルフボールの初期弾道を測定することができるとされている。
【0006】
しかしながら、試打されたゴルフボールの軌跡を上方から直接撮像する画像と、ミラーで反射したゴルフボールの軌跡を撮像する画像とでは、被写体であるゴルフボールから撮影に用いるカメラまでの距離が異なっているので、双方の距離にピントを正確に合わせることは不可能であり、どちらかの画像にボケが生じることは避けられない。特に、ゴルフボールの回転角速度や回転方向を正確に測定するためには、ゴルフボールの表面上に付された目印の像にボケが生じることは許されない。
また、被写体であるゴルフボールからカメラまでの距離が異なっているので、撮像されたゴルフボールの像の大きさも異なり、最初に、双方の画像の大きさを統一してからゴルフボールの移動距離や移動方向、目印の位置の移動や移動方向を測定しなければないので、測定精度が落ちることは避けられない。
【0007】
一方、2個のミラーとハーフミラーを組み合わせて3次元の形状を測定する装置が、特開平9−89534号公報に開示されている。すなわち、特開平9−89534号公報では、2個のミラーとハーフミラーを組み合わせた3次元形状測定装置が開示されており、この3次元形状測定装置は、被測定物を移送するテーブルと、被測定物に光を照射する光源(実施例ではスリット光またはスポット光を照射するレーザ光源)とを有し、スリット光またはスポット光を照射する光源からの光が被測定物の表面で反射して線状または点状となった反射光の画像を、一対のミラーとハーフミラーとからなる光学系で集め、それぞれ対応する線または点の位置が一致するように調整して合成光とし、この合成光の画像上の位置によって被測定物の3次元形状を測定するものである。
【0008】
しかし、この3次元形状測定装置は、被測定物の外形を測定するものであって、外形が同一でしかも球状の移動体であるゴルフボールの回転角速度や回転方向を測定することはできない。一方、固定されたスリット光またはスポット光の領域にゴルフボールを通過させ、ゴルフボールの表面に投影されて形成されるスリット光やスポット光の反射光の像の形状の変化から移動速度を測定することは可能である。しかし、この場合、スリット光やスポット光の領域をゴルフボールが通過する時間を画像から割り出すため、測定精度は極めて劣る。また、ゴルフボールの初期弾道測定装置のように、移動体であるゴルフボールは、試打するたびにゴルフボールの移動方向や移動速度が微妙に変動するので、ゴルフボールがスリット光またはスポット光の領域の範囲内に常に収まり移動速度や移動方向が測定できるわけではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を解決して、移動体の移動速度や移動方向や回転角速度や回転方向を1台のカメラのみを使用することによって正確に移動体の移動パラメータを測定することができる移動体の移動パラメータ測定装置、特に、打ち出し直後のゴルフボールの初速度、打ち出し角度およびゴルフボールの回転角速度と回転方向などのゴルフボールの初期弾道パラメータを正確に測定することができるゴルフボールの初期弾道測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、移動体の移動経路の周りの異なる位置に配置され、前記移動体を異なる2方向から見た2つの移動体の像をそれぞれ別々に反射する2個のミラーと、
前記2個のミラーのうちの一方のミラーで反射された移動体の像を反射する1以上の調整用ミラーと、
一方の側より投影された像を少なくとも透過させ、他方の側より投影された像を少なくとも反射させる境界面を有する部材であって、前記2個のミラーおよび前記調整用ミラーを用いて前記2つの移動体の像が前記境界面の互いに異なる側より前記境界面に投影されて、一方の側より投影された移動体の像を透過し、他方の側より投影された移動体の像を反射する光学部材と、
この光学部材を透過した移動体の像およびこの光学部材で反射した移動体の像を撮像する1台のカメラと、
このカメラによって撮像された2つの移動体の像に基づいて前記移動体の移動パラメータを算出する移動パラメータ算出部とを有し、
前記調整用ミラーは、前記1台のカメラによって撮像される2つの移動体の像をともに鏡像あるいは正像の一方とするものであり、
前記2個のミラーまたは前記調整用ミラーの配置を調整することによって、前記カメラの撮像位置から前記光学部材、前記調整用ミラーおよび前記2個のミラーを介して見える2つの移動体の像を近接させ、この近接した2つの移動体の像を前記カメラを用いて1つの画像として撮像することを所定の時間経過前後で2回行い、前記移動パラメータ算出部において、前記カメラで撮像された所定の時間経過前後の2方向から見た移動体の像に基づいて前記移動体の移動パラメータを算出することを特徴とする移動体の移動パラメータ測定装置を提供する。
【0011】
ここで、前記光学部材は、例えば、ハーフミラーである。あるいは、プリズムであってもよい。
【0013】
また、前記移動体は球状の移動体であり、
前記移動体パラメータ算出部は、前記カメラで撮像された所定の時間経過前後の前記2方向から見た移動体の像に基づいて、前記移動体の中心位置の移動距離と移動方向を求めることによって、前記移動パラメータとして、前記移動体の移動速度と移動方向を算出するのが好ましい。
また、前記移動体は球状の移動体であり、
前記移動体パラメータ算出部は、前記カメラで撮像された所定の時間経過前後の前記2方向から見た移動体の像に基づいて、前記移動体上の特定点の位置の移動距離と移動方向を求めることによって、前記移動パラメータとして、前記移動体の回転角速度と回転方向を算出するものであってもよい。
また、本発明の移動パラメータ測定装置の移動体は、例えば、打ち出し直後のゴルフボールであって、
前記移動体パラメータ算出部は、前記カメラで撮像された所定の時間経過前後の前記2方向から見たゴルフボールの像に基づいて、前記移動パラメータとして、打ち出し直後のゴルフボールの初速度と打ち出し角度、および打ち出し直後のゴルフボールの回転角速度と回転方向の少なくとも1方を算出するゴルフボールの初期弾道測定装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の移動体の移動パラメータ測定装置について、ゴルフボールの初期弾道測定装置を好適実施例として説明する。
図1は本発明の移動体の移動パラメータ測定装置であるゴルフボールの初期弾道測定装置の第1の実施例を概念的に示す側面図、図2はカメラで撮像された画像の1例を示す説明図、図3は第2の実施例を概念的に示す側面図である。
なお、本発明の移動体の移動パラメータ測定装置は、ゴルフボールの初期弾道測定装置に限定されず、野球のボールやテニスボール等の移動体の移動パラメータを測定するものであってもよい。
【0015】
図1に示すように、ゴルフボールの初期弾道測定装置2は、例えばゴルファー4がゴルフクラブ6によってゴルフボール8を試打した際のゴルフボールの初期弾道パラメータを測定するものである。初期弾道測定装置2は、被写体であるゴルフボール8を挟んでゴルファー4と対向する側に、ゴルフボール8を載置したティーから打ち出されたゴルフボール8の像を反射する2個のミラー10、12と、この2個のミラー10、12によって反射した2つの打ち出し直後のゴルフボールの像が異なる面に投影され、ミラー10から投影された像を反射し、ミラー12から投影された像を透過するハーフミラー14と、ハーフミラー14を透過したゴルフボールの像とハーフミラー14で反射したゴルフボールの像をまとめて撮像する分解能の高いCCDカメラ16と、CCDカメラ16によって撮像されたゴルフボールの像に基づいてゴルフボールの初期弾道パラメータを算出する初期弾道パラメータ算出部17とを主に有して構成される。
ここで、ミラー10、12は、ゴルフボール8の打ち出し直後の想定される弾道経路の周りに配置され、打ち出し直後のゴルフボール8から略等距離離れ、異なる2方向から見たゴルフボール8の像の各々を反射するように構成される。
ハーフミラー14は、一方の側より投影された像を少なくとも透過させ、他方の側より投影された像を少なくとも反射させる境界面を有する光学部材であって、ミラー10、12の配置位置を略対称位置とする対称平面18上に、この対称平面18とハーフミラー14の境界面が平行になるように配置される。すなわち、ハーフミラー14の面または対象平面18に対するミラー10、12の反射面の傾斜角度は、正負の符号が互いに異なりかつ絶対値が等しくなっている(図1中の角度+α°および−α°)。
【0016】
また、ゴルフボールの初期弾道測定装置2は、ミラー10、12で反射された、異なる2方向から見た打ち出し直後のゴルフボール8の像をハーフミラー14上に投影するが、ミラー10、12の配置を微調整することによって、ハーフミラー14上に投影される2つのゴルフボールの像の投影角度を略一致させるとともに、お互いのゴルフボールの像が可能な限り重ならないようにミラー10、12の配置位置の微調整によって近接してゴルフボールの像を形成させ、この近接したゴルフボール8の像をCCDカメラ16で1つの画像として撮像するように構成される。そして、このCCDカメラ16には制御装置22が接続されて設けられており、制御装置22は所定のタイミングで撮像するために電子シャッターを自動的に開閉する制御を行う。このように、ハーフミラー14を用いて、異なる2方向から見たゴルフボールの像を近接させることで、CCDカメラ16の撮像領域の視野を狭くすることができ、ゴルフボールの像を精度良く撮像することができる。また、2つのゴルフボールの像が重なりにくいので、以降で行なわれる画像処理や初期弾道パラメータの測定が可能となる。
【0017】
このCCDカメラ16は任意の光学カメラとすることもできるが、以降で説明するように、ゴルフボール8の初速度と打ち出し角度、および回転角速度と回転方向等の初期弾道パラメータ(移動パラメータ)を測定する際、ゴルフボール8の撮像された画像の画像処理を行ってゴルフボール8の像を迅速に検出するので、画像をデジタル化して出力するCCDカメラ16を使用してゴルフボール8の位置の検出を容易にすることが望ましい。また、本実施例のゴルフボールの初期弾道測定装置2は、それぞれの配置を固定し、2個のミラー10、12に投影される2個の被写体の像の通過する面を透明体で覆った任意のケース20に収納することによってポータブル化し、容易に移動して任意の場所に設置することができる。もちろん、この他にゴルフボールの撮像時にゴルフボールを照明するストロボ装置あるいは、場合によってはゴルフボールを照明するに十分な明るさの自然光または人工光の照明装置等が用いられる。
【0018】
このように構成されているゴルフボールの初期弾道測定装置2では、ゴルフボールの初期弾道パラメータを測定する際には、インパクト直後の打ち出されて飛翔しているゴルフボール8の像を所定の時間間隔の2回のストロボ発光により1つの平面画像として撮像する。このとき、図1から明らかなように、ミラー10で反射しハーフミラー14で再度反射してCCDカメラ16に投影されたゴルフボール8の画像(以下、上側の画像という)はCCDカメラ16により撮像される画像内の上側に、ミラー12で反射してハーフミラー14を透過してCCDカメラ16に投影されたゴルフボール8の画像(以下、下側の画像という)はCCDカメラ16により撮像される画像内の下側に撮像されるようにミラー10、12の配置が設定されるので、図2に示すよに、1つの平面画像30の中に、4個のゴルフボールの像32、34、36、38が画像として撮像される。
【0019】
ここで、ゴルフボールの像32、34が前述した上側の画像であり、ゴルフボールの像36、38が下側の画像となる。また、所定の時間間隔で2回ストロボが発光するので、最初のストロボ発光でゴルフボールの像32、36が、後のストロボ発光でゴルフボールの像34、38が撮像される。この2回のストロボの発光は、従来技術と同様に、スイングされたゴルフクラブのゴルフボール8へのインパクトの寸前にゴルフクラブの通過によって生成されたトリガー信号から所定の時間遅れて、CCDカメラ16のシャッターが開いた後、行なわれる。そして、2回のストロボ発光時のゴルフボール8の像が撮像される。
【0020】
したがって、平面画像30には、上側の画像としてのゴルフボールの像32、34と下側の画像としてのゴルフボールの像36、38、および最初に撮像されたゴルフボールの像32、36と所定の時間経過後のゴルフボールの像34、38が組み合わさって撮像された4個のゴルフボールの像32、34、36、38が画像として撮像される。
【0021】
初期弾道測定装置2は、打ち出されたゴルフボールのバックスピンやサイドスピン等の回転角速度や回転方向を測定するために、ゴルフボール8には、目印として黒丸や十字形のマーキングを付して特定点とし、このマーキングの位置のゴルフボール8の表面上の移動距離と移動方向によってゴルフボールの回転角速度と回転方向を測定する。図2の平面画像30では、ゴルフボールの像32、34、36、38の内部に、黒丸で描かれたマーキングの像32a、34a、36a、38aが表示されている。図示の場合、上側の画像において、マーキングの像32aからマーキングの像34aまでゴルフボール8の表面上を回転して移動し、下側の画像において、マーキングの像36aからマーキングの像38aまでゴルフボール8の表面上を回転して移動したことを示している。
【0022】
なお、この平面画像30は、所定の時間間隔をあけてストロボを発光させてCCDカメラ16で撮像した4個のゴルフボールの像32、34、36、38が画像として写っている画像に限定されるものではなく、上記所定の時間間隔をあけてカメラのシャッターを2回開き多重露光してゴルフボールの像32、34、36、38を撮像した画像であってもよいし、さらに、上記所定の時間間隔だけシャッターを開放して、移動方向に残像を有するゴルフボールの画像を得て、この残像を有するゴルフボールの両端の像を4個のゴルフボールの像32、34、36、38としてもよく、高速ビデオカメラで撮像した画像から同じ所定の時間間隔で画像を取り出し、この両端の画像を4個のゴルフボールの像32、34、36、38としてもよい。
CCDカメラ16で撮像された平面画像30は、初期弾道パラメータ算出部17に送られる。
このように、ハーフミラー14上に投影される2つのゴルフボールの像の投影角度を略一致させ、しかも、ゴルフボールの像を近接させ、さらに、ハーフミラー14の面に対するミラー10、12の反射面の傾斜角度を、正負の符号が互いに異なりかつ絶対値が略等しくするので、被写体であるゴルフボール8からミラー10またはミラー12で反射しCCDカメラ16に至るゴルフボール8の像の経路長は、略等しくなり、従来のように、一方のゴルフボールの像のピントがボケることはない。
【0023】
一方、初期弾道パラメータ算出部17は、画像読取装置40、位置測定装置42、演算装置44、およびCPU46を有して構成される。
画像読取装置40は、CCDカメラ16で撮像された平面画像30を、デジタルデータとして取り込み、画像処理を行うことによって周囲の環境などの不要な画像を消去した後、ゴルフボールの外形の画像に画像処理を施して、ゴルフボールの像32、34、36、38の重心位置を算出し、続いて、ゴルフボールに形成されたマーキングの像32a、34a、36a、38aの画像を画像処理して、マーキングの像32a、34a、36a、38aの中心位置を算出して位置測定装置42に出力する部位である。
【0024】
位置測定装置42は、このゴルフボールの像32、34、36、38の重心位置とマーキングの像32a、34a、36a、38aの中心位置のデータが入力されると、ゴルフボール8の実際の移動経路における鉛直面および水平面の成分を算出する部位である。
すなわち、図1に示すように、2個のミラー10、12は任意の角度だけ傾斜しているので、これらのミラー10、12によって投影されて平面画像30として撮像された画像におけるゴルフボールの像32、34、36、38の重心位置の座標やマーキングの像32a、34a、36a、38aの中心位置の座標は、ミラー10、12の傾斜角度に応じて鉛直面および水平面の成分が合成されたものとなっている。従って、ゴルフボールの像32、34、36、38の重心の位置の座標やマーキングの像32a、34a、36a、38aの中心位置の座標の数値が鉛直面および水平面の成分となるようにミラー10、12の配置に応じて演算して分解する。そして、分解して得られた鉛直面および水平面の成分のそれぞれにおける最初のストロボ発光時点でのゴルフボールの重心位置の座標とこの重心位置に対するマーキングの中心位置の座標および2回目のストロボ発光時点でのゴルフボールの重心位置の座標とこの重心位置に対するマーキングの中心位置の座標を測定する。測定された各座標は演算装置44に送られる。
【0025】
演算装置44は、最初および2回目のストロボ発光時点でのゴルフボール8の重心位置の座標とマーキングの中心位置の座標から、ゴルフボール8の重心位置の移動距離および移動方向を求めることでゴルフボールの初速度、打ち出し角度を算出し、マーキングの中心位置の移動距離および移動方向を求めることでゴルフボール8の回転角速度と回転方向を算出する部位である。
【0026】
さらに、このゴルフボール8の初速度、打ち出し角度および回転方向と回転角速度に、試打時の風速等の環境条件を付加して演算することによって、ゴルフボール8の飛距離を推測し、さらにはゴルフボール8のキャリーやランやスライスやフックの曲がりを推測して最終的な飛距離や曲がり量を演算し、演算結果をデータとして表示装置48に表示する。ここで、これらの演算のためのデータの受け渡しや演算の指示は、CPU46によって制御されている。
ゴルフボールの初期弾道測定装置2は以上のように構成される。
【0027】
図3は本発明の移動体の移動パラメータ測定装置であるゴルフボールの初期弾道測定装置の第2の実施例を概念的に示す側面図である。
図3に示すゴルフボールの初期弾道測定装置52は、固定された大型の設備として設置されるものであって、ゴルファー54またはゴルフクラブのスイングロボット(図示しない)がゴルフクラブ56によってゴルフボール58を試打した際のゴルフボールの初期弾道を測定するものである。
ゴルフボールの初期弾道測定装置52は、被写体であるゴルフボール58の鉛直上方の位置に配置されたミラー60とゴルフボール58と水平な面上に配置されたミラー62と、初期弾道パラメータ算出部63を有し、このミラー60、62は、それぞれ水平面に対して45°傾斜してゴルフボール58の載置位置から略等距離の位置に相互に対向して配置されている。すなわち、打ち出し直後のゴルフボール58の経路上の所定の位置から略等距離離れてミラー60、62が配置され、ゴルフボール58を水平方向および鉛直方向の2方向から見た移動体の像の各々を反射する。
【0028】
また、ミラー60、62によって反射した2方向から見たゴルフボール56の像が異なる面に投影され、ミラー60で反射されたゴルフボールの像を透過し、ミラー62の像を反射するハーフミラー64が、ミラー60、62の配置位置を略対称位置とする対称平面68上に、この対称平面68とハーフミラー64の境界面が平行になるように配置される。
すなわち、ゴルフボールの初期弾道測定装置52は、ハーフミラー64にミラー60、62で反射された水平方向および鉛直方向から見た打ち出し直後のゴルフボール58の像を投影するが、ミラー60、62の配置位置を微調整することによって、ハーフミラー64で透過したミラー60からのゴルフボール58の像(鉛直方向から見たゴルフボール58の像)とハーフミラー64で反射したミラー62からのゴルフボール58の像(水平方向から見たゴルフボール58の像)を、可能な限り重ならないように近接させて形成させ、この近接したゴルフボール58の像をCCDカメラ66で1つの画像として撮像する。しかも、ミラー60、62を水平面に対して45°傾斜させることで、ハーフミラー64に投影されるゴルフボールの像の投影角度を略一致させている。
CCDカメラ66には制御装置72が接続されて設けられており、制御装置72は所定のタイミングで撮像するために電子シャッターを自動的に開閉する制御を行う。そして、電子シャッターが開いた際、所定の時間間隔で2回ストロボ発光することで、第1の実施例と同様に、4個のゴルフボール58の像を1つの平面画像として撮像する。勿論、第1の実施例と同様に、上記所定の時間間隔をあけてカメラのシャッターを2回開き多重露光してゴルフボールの像を撮像しもよいし、上述した他の方法でゴルフボールの像を撮像してもよい。
また、ゴルフボール58からCCDカメラ66に至るゴルフボール58の像の経路長は、ミラー60あるいはミラー62で反射しても略等しいため、従来のように、一方のゴルフボールの像のピントがボケることはない。
【0029】
ここで、ゴルフボールの初期弾道測定装置52では、2個のミラー60、62がゴルフボール58の鉛直方向および水平方向の位置にそれぞれ略45°傾斜して配置されており、ハーフミラー64は対称平面68上に配置されているので、2回のストロボ発光によってCCDカメラ66で撮像される4個のゴルフボール58の像はゴルフボール58を鉛直方向および水平方向の互いに直交する方向から見た像となり、ゴルフボール58の初期弾道の水平方向の成分を上側の画像で、鉛直方向の成分を下側の画像で撮像することができる。
【0030】
この第2の実施例でも、CCDカメラ66で撮像された平面画像30は、第1の実施例と同様に、初期弾道パラメータ算出部63に送られる。
初期弾道パラメータ算出部63は、初期弾道パラメータ算出部17と同様に、画像読取装置80、位置測定装置82、演算装置84およびCPU86を有する。
すなわち、平面画像30は、画像読取装置80によってデジタルデータとして読み取られ、画像処理してゴルフボールの像32、34、36、38の重心の位置およびゴルフボールに形成されたマーキングの像32a、34a、36a、38aの中心位置を算出する。次に、位置測定装置82でこのゴルフボールの像32、34、36、38の重心位置とマーキングの像32a、34a、36a、38aの中心位置の座標をデータとして入力し、演算装置84でゴルフボールの初速度、打ち出し角度および回転方向と回転角度を算出する。この実施例では、2個のミラー60、62がゴルフボール58の鉛直方向および水平方向に配置されており、撮像された画像からゴルフボール58の飛翔経路の鉛直方向および水平方向の座標を演算することなく直ちに読み取ることができるので、より精度の高い測定を行うことができる。
【0031】
このゴルフボールの初速度、打ち出し角度および回転方向と回転角度に、試打時の風速等の環境条件を付加して演算することによって、ゴルフボールの飛距離を推測し、或いはゴルフボールのキャリーやランやスライスやフックの曲がりを推測して最終的な飛距離や曲がり量を演算し、演算結果をデータとして表示装置88に表示する。ここで、これらの演算のためのデータの受け渡しや演算の指示は、CPU86によって制御されていることは第1の実施例と同様である。
上記第1の実施例および第2の実施例は、いずれも2回ストロボ発光して所定時間経過前後の2方向から見たゴルフボールの像(4つのゴルフボールの像)を1つの画像として撮像するものであるが、2方向から見たゴルフボールの像を所定時間間隔で別個に撮像して2つの画像を得てもよい。
【0032】
次に、ゴルフボールの初期弾道測定装置における測定方法について説明する。図4は本発明の移動体の移動パラメータ測定装置であるゴルフボールの初期弾道測定装置2、52の動作を説明するフローチャートである。
まず、ゴルファー4、54または図示しないスイングロボットによってゴルフクラブ6、56のスイングが開始される(ステップ100)。ゴルフクラブ6、56のゴルフクラブヘッドがインパクト直前の領域に設置された図示しないゴルフクラブヘッド検出装置の検出位置を通過すると、図5(a)に示すようなトリガー信号がゴルフクラブヘッド検出装置において生成されて(ステップ102)、ゴルフクラブヘッド検出装置から制御装置22、72に送られる。制御装置22、72では、トリガー信号の立ち上がりからT1 秒後にCCDカメラ16、66の電子シャッターが開くように、図5(b)に示すようなカメラ作動信号が生成されてCCDカメラ16、56に送られ、このカメラ作動信号によって、電子シャッターがT2 秒間開く(ステップ104)。
【0033】
同時に、制御装置22、72から、図5(c)に示すようなストロボ発光信号が図示しないストロボに送られ、電子シャッターが開くT2 秒の間に、T3 秒の時間間隔でストロボが2回発光して(ステップ106)、ゴルフボール8、58を照明する。こうしてT3 秒間隔の2回のストロボ発光によって、打ち出された直後のゴルフボール8、58の初期弾道が撮像され(ステップ108)、T3 秒の時間経過前後におけるゴルフボール8、58の像が撮像された1つの平面画像30が得られる。
なお、後述するように、1つの平面画像を得るのに2回以上シャッターを開いてゴルフボールの像を撮像する、すなわち多重露光による撮像を行なう高速度カメラを用いてもよい。
【0034】
同時に、図示しないヘッドスピード計測装置によってゴルフクラブ6、56のヘッドスピードが計測される(ステップ110)。このヘッドスピード計測装置は、本実施例のゴルフボールの初期弾道測定装置とは別の装置であってもよく、或いは、前述のゴルフクラブヘッド検出装置に所定の間隔で2個のセンサーを配置し、この2個のセンサーでクラブヘッドを検出する時間間隔によってゴルフクラブのヘッドスピードを計測してもよい。
【0035】
ステップ108で得られたゴルフボール8、58の初期弾道を撮像した平面画像は、ステップ110で得られたゴルフクラブのヘッドスピード等のデータとともに表示装置48、88に表示される(ステップ112)とともに、画像読取装置40、80でデジタルデータとして読み取られ、周囲の環境などの不要な画像を消去した後、ゴルフボールの外径の画像を画像処理して(ステップ114)ゴルフボールの像32、34、36、38の重心位置を算出する(ステップ116)。同時にゴルフボール8、58に形成されたマーキングの像32a,34a,36a,38aの画像を画像処理して(ステップ118)マーキングの像32a,34a,36a,38aの中心位置を算出する(ステップ120)。
【0036】
これらの位置を位置測定装置42、82で測定して(ステップ122)、ゴルフボールの重心位置の移動距離および移動方向からゴルフボールの初速度、打ち出し角度、また、マーキングの中心位置の移動距離および移動方向からゴルフボールの回転方向と回転角速度等、初期弾道パラメータを演算装置44、84で算出し(ステップ124)、さらに、試打時の風速等の環境条件を付加して演算することによって、ゴルフボールの飛距離を推測し、或いはゴルフボールのキャリーやランやスライスやフックの曲がりを推測して最終的な飛距離や曲がり量を演算し、演算結果をデータとして表示装置48、88に表示する(ステップ126)。このようにして、ゴルフボールの初期弾道の測定を繰り返した後、測定が終了した時点でデータを保存し(ステップ128)、ゴルフボールの初期弾道測定装置2、52による測定を終了する。
【0037】
上記方法は、CCDカメラ16のシャッターが開いている間に、T3 秒間隔で2回ストロボを発光させてゴルフボールの像を撮像するが、図6(a)〜(c)に示すように、高速度カメラを用いて、トリガー信号(図6(a))の立ち上がりからT1 秒後にシャッターを開き、続いてシャッターをT3 秒後に再度開くようにカメラ作動信号(図6(b))を生成し、ゴルフボールの像を2重露光して撮像してもよい。この場合、撮像に十分な光量が確保できない場合、図6(c)に示すように、少なくともシャッターが2回開く間中ストロボを長時間発光させるようにストロボ発光信号を生成する。あるいは、2回のシャッターに同期させて、ストロボを2回発光させるストロボ発光信号を生成する。一方、撮像に十分な光量が自然光等により確保できればストロボ等の照明光を不要とする。特に、2重露光による撮像を屋外で行なう場合、十分な光量が得られるので、ストロボ等の照明光が不要となり、撮像を容易に行なうことができる。
【0038】
以上、本発明の移動体の移動パラメータ測定装置について上記第1の実施例および第2の実施例を挙げて説明したが、本発明の移動体の移動パラメータ測定装置について以下に示す第3の実施例を挙げて説明することもできる。
図7は本発明の移動体の移動パラメータ測定装置の第3の実施例を概念的に示す平面図である。
【0039】
図7に示すゴルフボールの初期弾道測定装置102は、ミラー104、106と、調整用ミラー108と、ハーフミラー110と、CCDカメラ112と、CCDカメラ112と接続された制御装置114と、初期弾道パラメータ算出部116とを有して構成される。
【0040】
ミラー104、106と、調整用ミラー108と、ハーフミラー110と、CCDカメラ112は本体部118を形成し、本体部118はケース120に収納され携帯可能となっている。制御装置114はCCDカメラ112と接続され、CCDカメラ112から出力される画像は初期弾道パラメータ算出部116に供給されるように初期弾道パラメータ算出部116と接続されている。また、初期弾道パラメータ算出部116に表示装置130が接続されている。
ケース120に収納される本体部118は、ゴルフボール122を試打するゴルファー124とゴルフボール122を挟んで対向する位置に配置される。
【0041】
ミラー104、106は、ゴルフボール122を異なる2方向から見たゴルフボール122の像を反射するミラーで、ゴルフボール122の打ち出し方向(図7中右方向)の異なる位置に配置されている。
ゴルフボール122は、ゴルファー124の試打によって、打ち出し方向に打ち出されるが、打ち出された直後のゴルフボール122の像は、ミラー106で反射されてハーフミラー110に投影され、投影されたゴルフボール122の像はハーフミラー110を透過してCCDカメラ112に至るように構成されている。
また、打ち出された直後のゴルフボール122の像は、ミラー104で、この後、調整用ミラー108で反射され、調整用ミラー108で反射されたゴルフボール122の像はさらにハーフミラー110で反射されてCCDカメラ112に至るように構成されている。
【0042】
このような2つのゴルフボール122の像が、CCDカメラ112で撮影される場合、異なる方向から見たゴルフボール122の像が可能な限り重ならないように、ミラー104、106又は調整用ミラー108の配置が調整されている。
本実施例は、上記第1の実施例、第2の実施例と異なり、ミラー104、106を打ち出し方向の前後方向に配置している。しかし、本実施例のミラー104、106の配置は、打ち出し方向の前後方向に配置することに限定されるものでなく、上述した第1の実施例や第2の実施例と同様に鉛直方向の異なる位置に配置されてもよい。
また、本実施例は、上記第1の実施例及び第2の実施例と異なり、調整用ミラー108を有して構成される。調整用ミラー108を有する理由については後述する。
【0043】
CCDカメラ112に接続される制御装置114は、上記第1の実施例の制御装置22と同様の構成及び機能を有する。従ってこの説明は省略する。
初期弾道パラメータ算出部116は、画像読取装置122、位置測定装置124、演算装置126、CPU128を有し、これらは上記第1の実施例の画像読取装置40、位置測定装置42、演算装置44、CPU46と同様の構成及び機能を有する。従ってこれらの説明は省略する。
【0044】
上述したように、本実施例では調整用ミラー108を有する。
この調整用ミラー108は、ミラー104とハーフミラー110とともに投影された像を反射するので、CCDカメラ112で撮像するゴルフボール122の像はゴルフボール122の鏡像となる。一方、ミラー106で反射しハーフミラー110で透過してCCDカメラ112に至るゴルフボール122の像も鏡像となる。このように調整用ミラー108は、ミラー104で反射されてCCDカメラ112に至るゴルフボール122の像を鏡像とするための調整用のミラーであり、ミラー106で反射されてCCDカメラ112に至るゴルフボール122の像と同様に鏡像とする。
【0045】
図8には、本実施例においてCCDカメラ112で撮影された平面画像の一例が示されている。
図8に示す平面画像131は、打ち出された直後のゴルフボール122の像を、図4におけるステップ104、106のように、ストロボ発光して実際に撮像したものである。すなわち、打ち出されたゴルフボール122の像を一定の時間間隔で2回撮像して4つのゴルフボールの像132、134、136、138が得られる。
【0046】
ここで、ゴルフボールの像132は、ミラー104、調整用ミラー108、ハーフミラー110で反射された最初(1回目)のストロボ発光によるゴルフボール122の像であり、ゴルフボールの像136は、ミラー106で反射されハーフミラー110を透過した1回目のストロボ発光によるゴルフボール122の像である。
一方、ゴルフボールの像134は、ミラー104、調整用ミラー108、ハーフミラー110で反射された2回目のストロボ発光によるゴルフボール122の像であり、ゴルフボールの像138は、ミラー106で反射されハーフミラー110を透過した2回目のストロボ発光によるゴルフボール122の像である。
ここで、平面画像131においてゴルフボールの像132が下側に、ゴルフボールの像136が上側に撮像されるように、ミラー104、106または調整用ミラー108の反射面の傾斜角等の配置の調整が成されている。
【0047】
なお、ゴルフボール122の表面には、白丸、黒丸および十字形のマーキングが特定点として付されており、図8に示されるように、白丸、黒丸および十字形のマーキングが鮮明に写っている。このマーキングは、上述したように、ゴルフボール122の初期弾道パラメータを算出するために用いられる。
この初期弾道パラメータの算出のためにはゴルフボールの像を精度良く撮像することが好ましく、そのため、ミラー104およびミラー106の配置を調整してゴルフボール122の像を近接させ、CCDカメラ112の撮像領域の視野を狭くすることが望まれる。しかし、ゴルフボール122の像を近接させると、1回目のストロボ発光によるゴルフボール122の像が重ならなくても、2回目のストロボ発光によるゴルフボール122の像が重なるおそれがある。
【0048】
これに対し、本実施例は、調整用ミラー108を用いて、撮像されるゴルフボール122の像はともに鏡像となり、図7中、ゴルフボール122の像は同一方向に移動する。従って、ゴルフボールの像132とゴルフボールの像136を近接させても、2回目のストロボ発光によるゴルフボールの像134とゴルフボールの像138とが重なることは極めて少なくなる。
【0049】
一方、調整用ミラー108を配置しない場合、CCDカメラ112で撮像されるゴルフボール122の像は鏡像と正像によって構成されることから、この像の移動方向が逆方向となる。また、上述したようにCCDカメラ112の撮像領域の視野を狭くすることが望まれるので、図9に示すように図中左から右に移動するゴルフボールの像142のうち1回目のストロボ発光による像を撮影領域の左側に、図中右から左に移動するゴルフボールの像144の1回目のストロボ発光による像を図中右側に来るように、ミラー104、106および調整用ミラー108を調整する。そのため、1回目のストロボ発光によるゴルフボール122の像が重ならない場合でも、図9に示すように、2回目のストロボ発光によるゴルフボールの像146、148が重なるおそれがある。そのため、初期弾道パラメータの算出ができないといった問題が生じる。
このような点から、本実施例のように、調整用ミラー108を用いてゴルフボール122の像をともに鏡像とするのが好ましい。これによって、CCDカメラ112の撮像領域の視野を狭くしてゴルフボール122の像を高精度に撮像することができるとともに、ゴルフボール122の像が重なる場合が極めて少なくなり、初期弾道パラメータをほぼ常に算出することができる。
【0050】
なお、本発明においては、本実施例のようにカメラで撮像するゴルフボールの像をともに鏡像とする場合に限定されず、ともに正像とするように構成してもよい。調整用ミラーはミラー104とハーフミラー110の間のみならず、ミラー106とハーフミラー110の間に配置してもよい。
また、本実施例では、調整用ミラーを1つ用いるが、調整用ミラーを奇数個用いて鏡像としてもよい。少なくとも、ミラー104の反射によってCCDカメラ112に至るゴルフボール122の像とミラー106の反射によってCCDカメラ112に至るゴルフボール122の像をともに鏡像または正像とするように調整用ミラーを配置するとよい。
【0051】
また、上記第1〜第3の実施例はいずれも、一方の側より投影された像を少なくとも透過させ、他方の側より投影された像を少なくとも反射させる境界面を有する光学部材としてハーフミラーを用いたが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、直角プリズムの斜面にクロム膜等の金属薄膜又は誘電体多層膜をコーティングしたものを接着することで、上記境界面を備えるプリズム、特に反射率と透過率が略1対1となっているハーフプリズムをハーフミラーの替わりに用いてもよい。
【0052】
本発明の移動体の移動パラメータ測定装置は、以上に述べたように構成されているので、ゴルフボール以外の移動体、例えば野球のボールやテニスのボールなどの移動体の移動パラメータ(移動速度や移動方向や回転角速度や回転方向)の測定にも同じように適用することが可能である。
本発明の移動体の移動パラメータ測定装置は、以上に記載した実施例や説明に限定されるものではないことは明らかであり、本発明の要旨を変更しない範囲で各種の改良や改変を行うことが可能なものである。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の移動体の移動パラメータ測定装置、特に実施例として例示したゴルフボールの初期弾道測定装置は、2方向から見たゴルフボールの像を処理してゴルフボールの初速度、打ち出し角度およびボールの回転方向と角度などのゴルフボールの初期弾道を正確に測定することができるゴルフボールの初期弾道測定装置を、1台のカメラによって実現したものであって、測定精度が高く正確な測定結果を迅速に得られ、取り扱いを容易にしてポータブル化することができる。
また、調整用ミラーを用いて、異なる2方向から見る移動体の像をともに鏡像あるいは正像とすることができるので、移動体の像が2回の撮像を行っても重なることが極めてない。従って、移動体の移動パラメータをほぼ常に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の移動体の移動パラメータ測定装置の一実施例であるゴルフボールの初期弾道パラメータ測定装置を概念的に示す側面図である。
【図2】 ゴルフボールの初期弾道パラメータ測定装置で得られた画像の一例を示す説明図である。
【図3】 本発明の移動体の移動パラメータ測定装置の他の実施例を概念的に示す側面図である。
【図4】 本発明の移動体の移動パラメータ測定装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】 (a)〜(c)は、ゴルフボールの初期弾道パラメータ測定装置のカメラの動作を制御する信号のタイミングの一例を説明する説明図である。
【図6】 (a)〜(c)は、ゴルフボールの初期弾道パラメータ測定装置のカメラの動作を制御する信号のタイミングの他の例を説明する説明図である。
【図7】 本発明の移動体の移動体パラメータ測定装置の他の実施例であるゴルフボー
ルの初期弾道測定装置を概念的に示す平面図である。
【図8】 図7に示すゴルフボールの初期弾道測定装置で得られた画像の一例を示す説明図である。
【図9】 ゴルフボールの初期弾道測定装置で得られる画像の一例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
2,52,102 初期弾道測定装置
4,54,124 ゴルファー
6,56 ゴルフクラブ
8,58,122 ゴルフボール
10,12,60,62,104,106 ミラー
14,64,110 ハーフミラー
16,66,112 CCDカメラ
17,63,116 初期弾道パラメータ算出部
18,68 対称平面
20,120 ケース
22,72,114 制御装置
30,131 平面画像
32,34,36,38 ゴルフボールの像
32a,34a,36a,38a マーキングの像
40,80,122 画像読取装置
42,82,124 位置測定装置
44,84,126 演算装置
46,86,128 CPU
48,88,130 表示装置
108 調整用ミラー
118 本体部

Claims (5)

  1. 移動体の移動経路の周りの異なる位置に配置され、前記移動体を異なる2方向から見た2つの移動体の像をそれぞれ別々に反射する2個のミラーと、
    前記2個のミラーのうちの一方のミラーで反射された移動体の像を反射する1以上の調整用ミラーと、
    一方の側より投影された像を少なくとも透過させ、他方の側より投影された像を少なくとも反射させる境界面を有する部材であって、前記2個のミラーおよび前記調整用ミラーを用いて前記2つの移動体の像が前記境界面の互いに異なる側より前記境界面に投影されて、一方の側より投影された移動体の像を透過し、他方の側より投影された移動体の像を反射する光学部材と、
    この光学部材を透過した移動体の像およびこの光学部材で反射した移動体の像を撮像する1台のカメラと、
    このカメラによって撮像された2つの移動体の像に基づいて前記移動体の移動パラメータを算出する移動パラメータ算出部とを有し、
    前記調整用ミラーは、前記1台のカメラによって撮像される2つの移動体の像をともに鏡像あるいは正像の一方とするものであり、
    前記2個のミラーまたは前記調整用ミラーの配置を調整することによって、前記カメラの撮像位置から前記光学部材、前記調整用ミラーおよび前記2個のミラーを介して見える2つの移動体の像を近接させ、この近接した2つの移動体の像を前記カメラを用いて1つの画像として撮像することを所定の時間経過前後で2回行い、前記移動パラメータ算出部において、前記カメラで撮像された所定の時間経過前後の2方向から見た移動体の像に基づいて前記移動体の移動パラメータを算出することを特徴とする移動体の移動パラメータ測定装置。
  2. 前記光学部材は、ハーフミラーである請求項1に記載の移動体の移動パラメータ測定装置。
  3. 前記移動体は球状の移動体であり、
    前記移動体パラメータ算出部は、前記カメラで撮像された所定の時間経過前後の前記2方向から見た移動体の像に基づいて、前記移動体の中心位置の移動距離と移動方向を求めることによって、前記移動パラメータとして、前記移動体の移動速度と移動方向を算出する請求項1または2に記載の移動体の移動パラメータ測定装置。
  4. 前記移動体は球状の移動体であり、
    前記移動体パラメータ算出部は、前記カメラで撮像された所定の時間経過前後の前記2方向から見た移動体の像に基づいて、前記移動体上の特定点の位置の移動距離と移動方向を求めることによって、前記移動パラメータとして、前記移動体の回転角速度と回転方向を算出する請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動体の移動パラメータ測定装置。
  5. 前記移動体は打ち出し直後のゴルフボールであって、
    前記移動体パラメータ算出部は、前記カメラで撮像された所定の時間経過前後の前記2方向から見たゴルフボールの像に基づいて、前記移動パラメータとして、打ち出し直後のゴルフボールの初速度と打ち出し角度、および打ち出し直後のゴルフボールの回転角速度と回転方向の少なくとも1方を算出するゴルフボールの初期弾道測定装置である請求項1または2に記載の移動体の移動パラメータ測定装置。
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