JP2020080377A - 固体撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】暗電流が抑制され、低雑音化された固体撮像装置を提供する。【解決手段】それぞれの画素に設けられたリセットトランジスタが、p型の基体領域20と、p型の基体領域20の上部に設けられ光電変換された電荷を一時蓄積するn型の電荷蓄積領域22と、電荷蓄積領域22に蓄積された電荷を受け取り電源線に排出するn型のリセットドレイン23と、基体領域20の上部に設けられたn型のリセット素子閾値制御層21と、リセット素子閾値制御層21の上に配置されたp型のリセット素子界面層24を有する。この画素が複数個配列して固体撮像装置を構成している。リセット素子界面層24は、リセットゲート電極40にオフ電圧を印加した状態で中性領域を残す不純物密度に設定されている。【選択図】図6

Description

本発明は、固体撮像装置に係り、特にCMOSイメージセンサに関する。
4トランジスタ型CMOSイメージセンサの暗電流は、従来、その発生源となるフォトダイオード、転送トランジスタ、分離部、浮遊拡散領域(電荷蓄積領域)での暗電流の低減が行われてきた。しかし、リセットトランジスタで発生する暗電流の低減はあまり考慮されておらず、低雑音化を進める中で課題となってきた。特に、車載用途のように使用環境温度が高温になる場合は暗電流の影響がより大きくなる問題がある。
従来技術では、リセットトランジスタにはデプレッション型のMOSFETが使用されており、デプレッション型にするために、ゲート電極の下部はn型の閾値制御用不純物層が界面部分に設けられていた(特許文献1参照。)。このため、オフ状態時においてもチャネル電位が正となり、過剰電子を電荷蓄積領域からリセットドレインへ排出することが可能である。しかし、この場合、リセットトランジスタの界面は空乏化しており、暗電流の大きな発生源になる。この暗電流の一部は電荷蓄積領域へ流入し、残りはリセットドレインへ流入する。電荷蓄積領域へ流入した暗電流は、暗電流ショットノイズとして雑音源になるという欠点があった。
特に入射光が大きい場合に用いられるワイドダイナミックレンジ(Wide Dynamic Range, WDR)方式では切替ゲート部で発生する暗電流が大きくなり、暗電流ショットノイズも大きくなるという欠点があった(特許文献2参照。)。
特開2017−027972号公報 国際公開第2005/083790号パンフレット
上記問題点を鑑み、本発明は、暗電流が抑制され、低雑音化された固体撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、(a)第1導電型の半導体領域からなる基体領域と、(b)基体領域の上部に設けられ、フォトダイオードで光電変換された電荷を一時蓄積する第2導電型の電荷蓄積領域と、(c)基体領域の上部に電荷蓄積領域から離間して設けられ、電荷蓄積領域に蓄積された電荷の少なくとも一部を受け取り電源線に排出する第2導電型のリセットドレインと、(d)電荷蓄積領域及びリセットドレインの間に挟まれて基体領域の上部の一部に設けられ、電荷蓄積領域及びリセットドレインよりも低不純物密度で、第2導電型のリセット素子閾値制御層と、(e)電荷蓄積領域及びリセットドレインの間に挟まれ、リセット素子閾値制御層の上に配置され、基体領域よりも高不純物密度で、第1導電型のリセット素子界面層と、(f)リセット素子界面層の上に設けられたゲート絶縁膜と、(g)ゲート絶縁膜の上に設けられたリセットゲート電極を有するリセットトランジスタがそれぞれ設けられた画素を、画素アレイを構成するように複数個配列した固体撮像装置であることを要旨とする。第1の態様に係る固体撮像装置において、リセット素子閾値制御層はリセットゲート電極にオフ電圧を印加した状態で、リセット素子閾値制御層を電荷が移動可能なチャネルが形成される不純物密度に設定される。又、リセット素子界面層はリセットゲート電極にオフ電圧を印加した状態で、ゲート絶縁膜の直下に中性領域を残す不純物密度に設定されている。
本発明の第2の態様は、(a)第1導電型の半導体領域からなる基体領域と、(b)基体領域の上部に設けられ、フォトダイオードで光電変換された電荷を一時蓄積する第2導電型の電荷蓄積領域と、(c)基体領域の上部に電荷蓄積領域から離間して設けられ、電荷蓄積領域に蓄積された電荷の少なくとも一部を受け取る第2導電型の切替ドレインと、(d)電荷蓄積領域及び切替ドレインの間に挟まれて基体領域の上部の一部に設けられ、電荷蓄積領域及び切替ドレインよりも低不純物密度で、第2導電型の切替素子閾値制御層と、(e)電荷蓄積領域及び切替ドレインの間に挟まれ、切替素子閾値制御層の上に配置され、基体領域よりも高不純物密度で、第1導電型の切替素子界面層と、(f)切替素子界面層の上に設けられたゲート絶縁膜と、(g)ゲート絶縁膜の上に設けられた切替ゲート電極を有する切替トランジスタがそれぞれ設けられた画素を、画素アレイを構成するように複数個配列した固体撮像装置であることを要旨とする。第2の態様に係る固体撮像装置において、切替素子閾値制御層は切替ゲート電極にオフ電圧を印加した状態で、切替素子閾値制御層を電荷が移動可能なチャネルが形成される不純物密度に設定される。又、第2の態様に係る固体撮像装置において、切替素子界面層は切替ゲート電極にオフ電圧を印加した状態で、ゲート絶縁膜の直下に中性領域を残す不純物密度に設定されている。
本発明に係る固体撮像装置によれば、暗電流が抑制され、低雑音化された固体撮像装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素の一例を示す概略図である。 第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素の動作を説明する駆動タイミング図である。 第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素の各構成要素における電位と信号電荷の蓄積量の変化を説明する概略図である。 図4(a)は従来技術に係る固体撮像装置の画素のリセットトランジスタの断面図であり、図4(b)は各構成要素の位置に対する電位を示す概略図である。 図5(a)は図4に示すリセットトランジスタのチャネル部の深さ方向の不純物密度分布のプロファイルを示す図であり、図5(b)は電位を示す概略図である。 第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に用いられるリセットトランジスタの断面図である。 図7(a)は図6に示すリセットトランジスタのチャネル部の深さ方向の不純物密度分布であり、図7(b)は電位を示す概略図である。 図8(a)は、図9に示すような不純物分布のプロファイルの場合におけるVg=0V及びVg=3Vにおけるゲート電極直下のシリコン中の深さに沿った電位分布を示す図であり、図8(b)は、図8(a)の横軸に示した深さの内0〜400nmまでの浅い表面側の領域の電位分布を拡大して示す図である。 第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素に用いられるリセットトランジスタのチャネル部の深さ方向の不純物密度分布の具体例を示す図である。 図10(a)は、図11に示すような不純物分布のプロファイルの場合におけるVg=0V及びVg=3Vにおけるゲート電極直下のシリコン中の深さに沿った電位分布を示す図であり、図10(b)は、図10(a)の横軸に示した深さの内0〜400nmまでの浅い表面側の領域の電位分布を拡大して示す図である。 従来の固体撮像装置の画素に用いられていたリセットトランジスタのチャネル部の深さ方向の不純物密度分布の具体例を示す図である。 半導体中で価電子帯の電子がバンドギャップ準位を介して伝導体へ励起される様子を表す概略図である。 第1の実施形態に係る固体撮像装置においてSTI構造を用いる場合の、リセットトランジスタのチャネル幅方向の断面図である。 第1の実施形態に係る固体撮像装置において、STI構造を用いない場合の、リセットトランジスタのチャネル幅方向の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置の画素の一例を示す概略図である。 第2の実施形態に係る固体撮像装置の画素の動作を説明する駆動タイミング図である。 本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置の画素の一例を示す概略図である。 第3の実施形態に係る固体撮像装置の画素の動作を説明する駆動タイミング図である。 第3の実施形態に係る固体撮像装置の画素の各構成要素における電位と信号電荷の蓄積量の変化を説明する概略図である。 第3の実施形態に係る固体撮像装置の画素に用いられる切替トランジスタの断面図である。 第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置の画素の動作を説明する駆動タイミング図である。 第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置の画素の各構成要素における電位と信号電荷の蓄積量の変化を説明する概略図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。本発明の第1〜第3の実施形態に係る固体撮像装置に係る図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
又、第1〜第3の実施形態に係る固体撮像装置は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、回路素子や回路ブロックの構成や配置、或いは半導体チップ上でのレイアウト等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
尚、以下の第1〜第3の実施形態に係る固体撮像装置の説明では、nチャネルタイプ、即ち、信号は信号電荷(電子)が担うとして説明するが、pチャネルタイプ、即ち、信号は正孔が担うとしても、電気的な極性を反対にすれば同様な効果が得られることは容易に理解できるであろう。よって、以下の説明で第1導電型がp型、第2導電型がn型の場合について例示的に説明するが、導電型を逆の関係に選択して、第1導電型をn型、第2導電型をp型としても構わない。この場合、パルス波形のハイレベルとローレベルも、当業者の技術常識に応じて、適宜反転する必要が発生する場合もあることは勿論である。またnやpに付す+や−の上付き文字の表記は、+及び−が付記されていない半導体領域に比して、それぞれ相対的に不純物密度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置の例として、4トランジスタ型CMOSイメージセンサの画素の基本的部の等価回路を図1に示す。図1に示す固体撮像装置の画素は、光電変換を行い、信号電荷を発生するpn接合フォトダイオードPDと、信号電荷を蓄積し、信号電圧に変換する電荷蓄積領域FDを備える。電荷蓄積領域FDは、例えば浮遊拡散領域から構成される。図1に示す固体撮像装置は更に、フォトダイオードPDと電荷蓄積領域FDの間に配置され、フォトダイオードPDから電荷蓄積領域FDへの信号電荷の転送を制御する転送トランジスタTGと、電荷蓄積領域FDとリセットドレインRDの間に配置され、電荷蓄積領域FDに蓄積された信号電荷をリセットするリセットトランジスタRGを備える。即ち、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置は、図1に等価回路が示された画素の複数個が、2次元マトリクス状に配列されて画素アレイを構成している。
そして、この画素アレイの上辺等の周辺部には図示を省略した駆動回路が、下辺等の周辺部には水平シフトレジスタが、それぞれ画素行方向に沿って設けられ、画素アレイ部の右辺又は左辺等の周辺部には画素列方向に沿って垂直シフトレジスタ及び垂直走査回路が設けられている。リセットドレインRDは駆動回路のアナログ電源VDD1(図示省略。)に接続されている。電荷蓄積領域FDの電位は金属配線等の表面配線を通してソースフォロアトランジスタSFのゲートに接続されている。ソースフォロアトランジスタSFのドレインはアナログ電源VDD2に接続され、ソースフォロアトランジスタSFのソースは選択トランジスタSELを介し、更に、垂直信号線11を通って図示を省略したカラム回路に接続されており、電荷蓄積領域FDの電位はこれらを通ってカラム回路に送られる。
第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素アレイを構成するマトリクスの1行の読み出し期間におけるタイミングチャートを図2に示す。まず、ゲート電圧Vg=0Vの場合をオフ電圧として、オン電圧となる電位(例えばVg=3V)のパルスを選択トランジスタSELのゲートに垂直走査回路から選択信号SELとして印加し、選択トランジスタSELがオンになることで固体撮像装置を構成している画素アレイの特定の行が選択される。続いてリセットトランジスタRGが一時的にオンになり、電荷蓄積領域FDがリセットドレインRDの電圧にリセットされる。リセットトランジスタRGには、ゲート電圧Vg=0Vの場合をオフ電圧として、オン電圧となる電位(例えばVg=3V)がリセットパルスRGとして垂直走査回路から印加される。カラム回路において、このリセットレベルは垂直走査回路から供給されるリセットサンプリングパルスRSのタイミングでカラム回路にサンプリングされる。リセットサンプリングパルスRSは、例えばゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)とVg=3V(オン電圧)の間で振動するパルスである。
次に、対応する画素の対応する画素の転送トランジスタTGが一時オンになり、フォトダイオードPDから電荷蓄積領域FDへ信号電荷が転送される。転送トランジスタTGには、ゲート電圧Vg=0Vの場合をオフ電圧として、オン電圧となる電位(例えばVg=3V)が転送パルスTGとして垂直走査回路から印加される。電荷蓄積領域FDに信号電荷が蓄えられた信号レベルは信号サンプリングパルスSSのタイミングでカラム回路にサンプリングされる。信号サンプリングパルスSSは、例えばゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)とVg=3V(オン電圧)の間で振動するパルスで垂直走査回路から供給される。再びリセットトランジスタRGがオンになり、電荷蓄積領域FDがリセットされる。選択トランジスタSELがオフ状態になり、この行の読み出しは終了し、画素アレイを構成しているマトリクスの次の行の読み出しに移る。カラム回路では、サンプルされた信号レベルとリセットレベルの差が作られる。相関二重サンプリングであり、雑音低減やオフセット除去の役割を果たす。差成分が信号として扱われ、アナログデジタル変換され、固体撮像装置外に出力される。
電荷蓄積領域FDの暗電流は、リセットトランジスタRGが最初にオフとなる時刻t1から選択信号SSのパルスがオフとなる時刻t2までに電荷蓄積領域FDに蓄積される。時刻t1から時刻t2までの期間は数100nsから数μsであり、蓄積時間と呼ばれる。フォトダイオードPDが信号電荷を発生する露光時間は通常数100nsから数sである。露光時間はこれより短い場合、長い場合もある。フォトダイオードPDは埋込フォトダイオード構造が採用されており、単位時間当たりの暗電流の発生が小さくなるように設計されている。リセットトランジスタRGは、駆動電圧の低電圧化やブルーミング防止のためにデプレッション型に設計されている。
図3に、図1に示す各構成要素における電位と信号電荷の蓄積量の変化を説明する概略図を示す。図3において、斜線で示された部分は、蓄積された信号電荷である。図3(a)は入射光量が大きくない場合、図3(b)は入射光量が大きい場合、図3(c)は入射光量がさらに大きい場合である。図3(a)では、入射光量が大きくないため、発生した信号電荷がフォトダイオードPDの飽和以下である。図3(b)では、入射光量が大きいため、発生した信号電荷がフォトダイオードPDのn型半導体領域がなす電位の谷に蓄積可能な飽和量を超えている。フォトダイオードPDの周囲には電位障壁があり、信号電荷が蓄積可能になっているが、電位が高く電子にとって比較的流れ易い電位障壁となっているのは転送トランジスタTGのチャネル部分である。第1の実施形態に係る固体撮像装置の転送トランジスタTGをデプレッション型としておけば、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)において過剰電子が転送トランジスタTGを流れることができる。過剰電子は転送トランジスタTGがなす電位障壁を超えて電荷蓄積領域FDに流れ込む。
図3(c)では、さらに入射光量が大きいため、過剰電子が電荷蓄積領域FDの電位の井戸を一杯にし、リセットトランジスタRGのチャネル部分がなす電位障壁を超えてリセットドレインRDに溢れている。第1の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGをデプレッション型にしておくことで、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)において過剰電子がリセットトランジスタRGを流れることができる。ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のときの転送トランジスタTGやリセットトランジスタRGのチャネル電位Vchが正、即ちデプレッション型であるため、過剰電子は周囲の画素に溢れ出るように設計されているので、偽信号となるブルーミング現象が発生しない。
図1に示す等価回路に対応する従来のリセットトランジスタRGの断面模式図を図4(a)に、図4(a)の各構成要素の位置に対する電位図を図4(b)に示す。図4(a)に示すように、従来技術におけるリセットトランジスタRGは、第1導電型(p型)の基体領域20と、基体領域20の上部に互いに離間して設けられた第2導電型(n型)の電荷蓄積領域22及びリセットドレイン23と、電荷蓄積領域22及びリセットドレイン23の間に挟まれ、基体領域20の上部の一部に設けられたn型のリセット素子閾値制御層21と、リセット素子閾値制御層21の上部に設けられたゲート絶縁膜30と、ゲート絶縁膜30の上部に設けられたリセットゲート電極40を備えている。
「基体領域20」はp型のウェル領域(pウェル)、p型の半導体基板、p型若しくはn型の半導体基板の上に成長したp型のエピタキシャル成長層等で構成できる。リセット素子閾値制御層21はデプレッション型の閾値に制御するために、ヒ素やリン等のn型を呈するイオンが注入された半導体層である。リセット素子閾値制御層21は、通常、電荷蓄積領域22及びリセットドレイン23よりも低不純物密度に設定される。図4(b)に示すように、オン時のリセットトランジスタRGのチャネル電位が電源電圧より深くなり、リニア領域でスムーズにリセットすることができる。しかし、オフ状態、即ちゲート電圧Vgが0Vの時、界面が空乏化した状態になる。
図4に示す従来のリセットトランジスタRGのチャネル部の深さ方向の不純物密度分布を図5(a)に示す。図5(a)では図面を簡略化するため、リセット素子閾値制御層21を単に「閾値制御層」と表示している。不純物密度分布は階段状に近似している。ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のときにおける図5(a)の深さ方向に対応する価電子帯端に着目した電位図を図5(b)に示す。図5(b)においては電位の正の方向を下向きに定義している。デプレッション型であるので、ゲート電圧Vg=0Vにおいて、リセットトランジスタRGはn型のリセット素子閾値制御層21を介して過剰の電荷を排出することができるが、ゲート絶縁膜30とリセット素子閾値制御層21との間の界面において電位が正になって空乏化している。空乏化した界面には界面欠陥が多数存在し、界面欠陥が電荷生成再結合センター(GRセンター)となって暗電流を多く生成する。
第1の実施形態に係る固体撮像装置の画素のそれぞれに配置されたリセットトランジスタRGの断面模式図を図6に示す。図4(a)に示す従来技術におけるリセットトランジスタRGと比較すると、リセット素子閾値制御層21の上にp型のリセット素子界面層24を新たに設けている。リセット素子界面層24は、基体領域20よりも高不純物密度に設定される。
なお、ゲート絶縁膜30としては、シリコン酸化膜(SiO)膜が好適であるが、SiO膜以外の種々の絶縁膜を用いてもよい。例えば、SiO膜/Si膜/SiO膜の3層積層膜からなるONO膜でもよい。さらに、ストロンチウム(Sr)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、イットリウム(Y)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、ビスマス(Bi)のいずれか一つの元素を少なくとも含む酸化物、又はこれらの元素を含むシリコン窒化物等がゲート絶縁膜30として使用可能である。
以下の説明ではゲート絶縁膜30がSiO膜である場合について例示的に説明するが、SiO膜に限定されるものではない。図6に示すリセットトランジスタRGのチャネル部の深さ方向の不純物密度分布を図7(a)に示す。図7(a)では図面を簡略化するため、リセット素子閾値制御層21を単に「閾値制御層」と表示し、リセット素子界面層24を単に「界面層」と表示している。ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のときにおける図7(a)の深さ方向に対応する価電子帯端に着目した電位図を図7(b)に示す。図7(b)においては電位の正の方向を下向きに定義している。デプレッション型であるので、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)において、リセットトランジスタRGはn型のリセット素子閾値制御層21を介して過剰の電荷を排出することができる。
第1の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGでは、リセット素子界面層24を設けることにより、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のとき、Si/SiO界面の電位が0VになってSi/SiO界面側に空乏化しない中性領域が残る。即ち、Si/SiO界面が空乏化していない状態で正孔が蓄積し、Si/SiO界面に存在する界面欠陥は不活性化し、暗電流の発生が抑制される。Vgのオフ電圧を特別な電源を用意する必要がある負電圧にすることなく、0VでSi/SiO界面側に空乏化しない中性領域が残ることを実現している。
図8(a)は、図9に示すような不純物分布のプロファイルの場合におけるゲート電圧Vg=0V及びゲート電圧Vg=3Vにおける第1の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGのリセットゲート電極40の直下のシリコン中の深さに沿った電位分布を、空乏層近似を用いて計算した結果を示す図である。ここではフラットバンド電圧を0Vとして計算している。リセット素子界面層24のアクセプタ密度を1×1017cm−3、n型のリセット素子閾値制御層21のドナー密度を1×1016cm−3、p型の基体領域20のアクセプタ密度を5×1014cm−3とし、リセット素子界面層24、及びn型のリセット素子閾値制御層21の厚さをそれぞれ30nm及び300nmとする。ゲート酸化膜厚は2.5nmとする。
表1に示すようにSi/SiOの界面電位Vintは、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のとき界面電位Vint=0V、ゲート電圧Vg=3Vのとき界面電位Vint=2.98Vとなる。又、リセットゲート電極40の直下のチャネル電位Vchは、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のときチャネル電位Vch=0.49V、ゲート電圧Vg=3Vのときチャネル電位Vch=3.18Vとなる。Vg=0Vのとき、界面近傍に厚さ0.6nmの中性領域が形成されている。
Figure 2020080377
図8(b)は、図8(a)の横軸に示した深さの内0〜400nmまでの浅い表面側の領域の電位分布を拡大して示す図であり、深さ=0nmにおける界面電位Vintは、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のとき界面電位Vint=0VでSi/SiO界面が空乏化しないで中性領域が残っていることが分かる。ゲート電圧Vg=3Vのとき界面電位Vint=3.18Vであることが分かる。又、リセットゲート電極40の直下のチャネル電位は、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のとき、深さ=275nmの近傍の電位谷の底においてチャネル電位Vch=0.49V、ゲート電圧Vg=3Vのとき深さ=189nmの近傍の電位谷の底においてチャネル電位Vch=3.18Vとなることが分かる。
図10(a)は、図11に示すような従来のリセットトランジスタRGの不純物分布のプロファイルにおけるゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)及びゲート電圧Vg=3Vにおけるリセットゲート電極40の直下のシリコン中の深さに沿った電位分布を、空乏層近似を用いて計算した結果を示す図である。図8(b)に示した第1の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGのゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のときのチャネル電位Vch=0.49Vにほぼ一致するように、n型のリセット素子閾値制御層21のドナー密度を9×1016cm−3、p型の基体領域20のアクセプタ密度を5×1014cm−3とし、n型のリセット素子閾値制御層21の厚さを330nmに設定している。
表2に示すようにリセット素子界面層24が存在しない従来のリセットトランジスタRGのSi/SiOの界面電位Vintは、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のとき界面電位Vint=0.028Vで第1の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGの界面電位Vint=0Vよりも深いことがわかる。ゲート電圧Vg=3Vのときは、界面電位Vint=3.02Vとなる。又、リセットゲート電極40の直下のチャネル電位Vchは、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のときチャネル電位Vch=0.52V、ゲート電圧Vg=3Vのときチャネル電位Vch=3.22Vとなる。
Figure 2020080377
図10(b)は、図10(a)の横軸に示した深さの内0〜400nmまでの浅い表面側の領域の電位分布を拡大して示す図であり、深さ=0nmにおける界面電位Vintは、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のとき界面電位Vint=0.028Vであり、第1の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGの界面電位Vint=0Vよりも深い。このため、従来のリセットトランジスタRGのSi/SiOの界面が空乏化していることがわかる。ゲート電圧Vg=3Vのときには界面電位Vint=3.02Vとなる。又、リセットゲート電極40の直下のチャネル電位Vchは、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)のとき、深さ=270nmの近傍の電位谷の底においてチャネル電位Vch=0.52Vであり、第1の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGのチャネル電位Vch=0.54Vとほぼ等しい。従来のリセットトランジスタRGのゲート電圧Vg=3Vのときは、深さ=186nmの近傍の電位谷の底においてチャネル電位Vch=3.22Vとなる。
デプレッション型MOSFETのSi/SiO界面に、図6及び図9に示すようにリセット素子界面層24を設けることにより、どの程度暗電流が抑制されるのかを以下に示す。図12に示すように、Si/SiO界面のようにバンドギャップ準位が多数ある場合には、価電子帯の電子がバンドギャップ準位を介して伝導体へ励起され、暗電流となる。この場合はショックレー・リード・ホール(Shockley-Read-Hall)モデルで暗電流値を式(1)で表すことができる:

U=σvth(pn−n )/(n+p+2ncosh((E−E)/kT))…(1)

ここで、Uは再結合率であり、正の場合は再結合であるが、負の場合は暗電流生成レートである。σ=σ=σは電子及び正孔のバンドギャップ準位に対する捕獲断面積、vthは熱速度、Nはバンドギャップ準位密度、nは伝導帯の電子密度、pは価電子帯の正孔密度、nは真性キャリア密度、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。
Si/SiO界面が空乏化している場合、n,p<<nであり:

dep=σvth(−n )/2ncosh((E−E)/kT)……(2)

=Eのとき、Si/SiO界面が空乏化している場合の再結合率Udepは最大になり、

max≒−σvth ………(3)

であり、大きな暗電流が発生する。
第1の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGを構成している絶縁ゲート型トランジスタの半導体と絶縁膜の界面が空乏化していない場合、p>>n>>nであり、

|Uneut|≒|σvth(pn−n )/p|≦σvth /p …(4)

であり、界面が空乏化していない場合、暗電流は抑制される。
式(3)と式(4)の比を取り、Si/SiO界面を空乏化させないことによる暗電流の低減率を求める。真性キャリア密度n=1.45×1010cm−3、リセット素子界面層24の正孔密度を1016cm−3と仮定すると、

|Uneut|/|Umax|≦p/2n≒10−6 ……(5)

であり、本発明の第1の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGによると、リセット素子界面層24を設けたことにより暗電流が約6桁ほど、大きく低減されることがわかる。
リセットゲート電極40の直下の正孔の蓄積及び空乏化を円滑にするための、素子分離領域を考慮した正孔の経路について以下に述べる。図13は、素子分離領域としてシャロウ・トレンチ分離(STI)領域を用いる場合の、リセットトランジスタRGのチャネル幅方向の断面図である。図13に示すように、チャネルの右側の分離絶縁膜27を囲むように、右側の素子分離領域を構成する溝部(トレンチ)の表面に、p型の溝部表面保護層25が形成され、チャネルの左側の分離絶縁膜28を囲むように、左側の素子分離領域を構成する溝部の表面にp型の溝部表面保護層26が形成されている。p型の溝部表面保護層25,26を形成することにより、リセットゲート電極40の直下のリセット素子界面層24による効果に加え、リセット素子閾値制御層21フォトダイオードPDの周囲や電荷蓄積領域22周囲の素子分離領域を構成する溝部の表面からの暗電流を抑制することができる。
溝部表面保護層25,26は接地電位であり、少なくとも分離絶縁膜27と溝部表面保護層25の界面、及び分離絶縁膜28と溝部表面保護層26の界面には正孔が蓄積存在している。また、リセット素子界面層24は図13に示すように溝部表面保護層25,26と隣接している。リセットトランジスタRGがオンに変化するとき、リセット素子界面層24に存在する正孔は溝部表面保護層25,26に移動する。リセットトランジスタRGがオフに変化するとき、溝部表面保護層25,26からリセットトランジスタRGを構成している絶縁ゲート型トランジスタの半導体と絶縁膜の界面に正孔が移動する。
一方、STI構造が暗電流を悪化させるという理由から図14に示すようにSTI構造を用いないでp型のチャネルストップ領域50,51を深く形成してもよい。図14に示すようにチャネルストップ領域50,51を用いる場合においても、チャネルストップ領域50,51をp型の基体領域20やp型基板から構成されるp型の基体領域20と同じ接地電位にすることにより、基体領域20に存在する正孔をリセット素子界面層24へ供給、排出を行うことが容易になる。
図13に示すようにSTI構造を用いる場合、図14に示すようにSTI構造を用いない場合いずれも、p型の溝部表面保護層25,26やp型のチャネルストップ領域50,51が接地電位であり、正孔が存在している。正孔の供給、排出を確実に実現するためには、第1の実施形態に係る固体撮像装置の各画素において、pウェル、p型の半導体基板若しくはエピタキシャル成長層等のp型の基体領域20にp型のコンタクト領域を設け、接地電位の表面配線と接続することが効果的である。マトリクス状に配置された各画素に1個以上のp型のコンタクト領域をそれぞれ設けることが好ましい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては4トランジスタ型CMOSイメージセンサを例示的に説明した。本発明の第2の実施形態に係る固体撮像装置においては、3トランジスタ型CMOSイメージセンサについて例示的に説明するが、この場合も第1の実施形態の説明に用いた図6に示したと同様な構造の絶縁ゲート型トランジスタをリセットトランジスタとして用いることによって、リセットトランジスタRGを構成している絶縁ゲート型トランジスタの半導体と絶縁膜の界面から発生する暗電流を抑制でき、その結果、暗電流ショットノイズが低減し、SN比が向上する。
3トランジスタ型CMOSイメージセンサの画素の等価回路を図15に示す。図15に示す固体撮像装置の画素には、光電変換を行い、信号電荷を発生するpn接合フォトダイオードPDが設けられている。フォトダイオードPDを構成しているn型の半導体領域(カソード領域)に蓄積された信号電荷による電位を検出するために、フォトダイオードPDのカソード領域にゲートが電気接続されたソースフォロアトランジスタSFと、フォトダイオードPDカソード領域の信号電荷の排出を制御するリセットトランジスタRGがフォトダイオードPDとリセットドレイン23の間に設けられている。ソースフォロアトランジスタSFのドレインはアナログ電源VDD2に接続され、ソースは選択トランジスタSELを介し、更に、垂直信号線11を通ってカラム回路に接続されており、フォトダイオードPDのカソード領域に蓄積された信号電荷による電位はこれらを通ってカラム回路に送られる。
図15に示した第2の実施形態に係る固体撮像装置の画素アレイを構成しているマトリクスの特定の1行の読み出し期間におけるタイミングチャートを図16に示す。まず、選択トランジスタSELのゲートに選択信号SSを印加し、選択トランジスタSELがオンになることで、固体撮像装置を構成している画素アレイの特定の行が選択される。選択信号SSを印加し、選択トランジスタSELがオンになり、フォトダイオードPDのカソード領域に蓄積された信号電荷による電位が信号電圧としてカラム回路に送られる。次にリセットトランジスタRGがオンになり、フォトダイオードPDのカソード領域に蓄積された信号電荷がリセットドレイン23に排出される。このフォトダイオードPDのリセットレベルはリセットサンプリングパルスRSのタイミングでサンプリングされる。選択トランジスタSELがオフ状態になり、この行の読み出しは終了し、画素アレイを構成しているマトリクスの次の行の読み出しに移る。
カラム回路では、サンプルされた信号レベルとリセットレベルの差を算出して、雑音低減やオフセット除去をする。差成分が信号として扱われ、アナログデジタル変換され、固体撮像装置外に出力される。信号電荷の蓄積期間はリセットトランジスタRGがオフになってから次の読み出し期間の信号サンプリングパルスである選択信号SSのパルスがオフするまでの期間である。電子シャッタモードを使用する場合は、蓄積期間の途中でリセットトランジスタRGがオンになり、更に、オフとなる。このオフとなるタイミング以降が蓄積期間となる。リセットトランジスタRGで発生する暗電流はフォトダイオードPDとリセットドレイン23とに流れ込む。リセットトランジスタRGからの暗電流の寄与は蓄積期間の全期間になる。
第2の実施形態に係る固体撮像装置においても図6に示したのと同様な構造の絶縁ゲート型トランジスタをリセットトランジスタとして用いる。このため、第1の実施形態と同様に、リセットトランジスタのゲート電圧がオフの場合において、リセット素子界面層24の界面側に空乏化しない中性領域ができる。即ち、第2の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGを構成している絶縁ゲート型トランジスタの半導体と絶縁膜の界面に空乏化していない中性領域が存在しており、界面に存在する界面欠陥は不活性化し、暗電流の発生が抑制される。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る固体撮像装置においては、4トランジスタ型の発展形であるワイドダイナミックレンジ(WDR)型CMOSイメージセンサについて例示的に説明する。WDR型CMOSイメージセンサの画素アレイを構成している1画素分の等価回路を図17に示す。図17に等価回路を示した画素は、光電変換を行い、信号電荷を生成するpn接合フォトダイオードPDと、信号電荷を蓄積し、信号電圧に変換する第1電荷蓄積領域FDと、フォトダイオードPDと第1電荷蓄積領域FDの間に配置され、フォトダイオードPDから第1電荷蓄積領域FDへの信号電荷の転送を制御する転送トランジスタTGとが設けられている。
第1電荷蓄積領域FDに隣接して切替トランジスタCSが設けられており、切替トランジスタCSのドレイン(切替ドレイン)である第2電荷蓄積領域FD2には検出容量を大きくして信号電荷を蓄積するための拡張容量ECが接続されている。即ち、第3の実施形態に係る固体撮像装置は、図17に示すように2種類の浮遊拡散容量を用いることを特徴とする。小さい浮遊拡散容量の第1電荷蓄積領域FDを用いるハイゲインモードでは、変換効率が高く、低ノイズが実現できる。大きい浮遊拡散容量の第2電荷蓄積領域FD2及び拡張容量ECを用いるローゲインモードでは、変換効率が低く、ノイズは大きくなるが、大きい飽和電荷量が得られる。第3の実施形態に係る固体撮像装置では、入射光量が小さいときはハイゲインモードを使用し、入射光量が大きいときはローゲインモードを使用することによってワイドダイナミックレンジを実現している。
更に、第2電荷蓄積領域FD2の電位のリセットを制御するリセットトランジスタRGが第2電荷蓄積領域FD2とリセットトランジスタRGのリセットドレインRDとの間に設けられている。そして、第3の実施形態に係る固体撮像装置においても、図6に示したのと同様な構造の絶縁ゲート型トランジスタをリセットトランジスタRGとして用いる。但し、第3の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGでは、図6に示した電荷蓄積領域22に第2電荷蓄積領域FD2が対応する構造となる。リセットドレインRDは図示を省略したアナログ電源VDD1に接続されている。第1電荷蓄積領域FDの電位は表面配線を通してソースフォロアトランジスタSFのゲートに接続されている。ソースフォロアトランジスタSFのドレインはアナログ電源VDD2に接続されている。
ソースフォロアトランジスタSFのソースは選択トランジスタSELを介し、更に、垂直信号線11を通ってカラム回路に接続されており、第1電荷蓄積領域FDの電位はこれらを通ってカラム回路に送られる。切替トランジスタCSがオフのとき、第1電荷蓄積領域FDと第2電荷蓄積領域FD2とは電気的に切り離されており、検出容量は第1電荷蓄積領域FDの容量のみであり、小さい。切替トランジスタCSがオンのときは、第1電荷蓄積領域FDと第2電荷蓄積領域FD2とは電気的に接続され、検出容量は第1電荷蓄積領域FDの容量に拡張容量ECを含む第2電荷蓄積領域FD2の容量、切替トランジスタCSのゲート容量が加算され、大きくなる。
第3の実施形態に係る固体撮像装置の画素アレイの上辺等の周辺部には図示を省略した駆動回路が、下辺等の周辺部には水平シフトレジスタが、それぞれ画素行方向に沿って設けられ、画素アレイ部の右辺又は左辺等の周辺部には画素列方向に沿って垂直シフトレジスタ及び垂直走査回路が設けられている。
図18に、第3の実施形態に係る固体撮像装置の画素アレイを構成するマトリクスの1行の読み出し期間におけるタイミングチャートを示す。マトリクスの行が選択されていない期間、即ち選択トランジスタSELがオフの期間では、切替トランジスタCSがオンの状態である。垂直走査回路が選択トランジスタSELのゲートに選択信号SSを印加し、選択トランジスタSELがオンになることで固体撮像装置を構成している画素アレイの特定の行が選択される。続いて切替トランジスタCSがハイゲイン信号を読み出す間、一時的にオフになる。画素アレイの周辺に設けられたカラム回路において、この時の第1電荷蓄積領域FDの電位はリセットサンプリングパルスRS1のタイミングでサンプリングされる。この電圧がハイゲインモードの基準電位となる。
次に、垂直走査回路のパルスによって、対応する画素の転送トランジスタTGが一時オンになり、フォトダイオードPDから第1電荷蓄積領域FDへ信号電荷が転送される。第1電荷蓄積領域FDに蓄えられた信号電荷による信号レベルは駆動回路からの信号サンプリングパルスSS1のタイミングでサンプリングされる。すでにサンプリングされている基準電位との差がハイゲインモードの信号となる。次に駆動回路からのパルスによって、切替トランジスタCSがオンになり、ローゲインモード用の検出容量となる。再び転送トランジスタTGが一時オンとなり、フォトダイオードPDから第1電荷蓄積容量FDへ信号電荷が転送される。カラム回路において、この時の第1電荷蓄積領域FDの電位を、駆動回路が出力する信号サンプリングパルスSS2のタイミングでサンプリングされる。
続いて、リセットトランジスタRGが一時的にオンになり、第1電荷蓄積領域FDと拡張容量ECを含む第2電荷蓄積領域FD2の電位がリセットドレイン電圧RDにリセットされる。このリセットされた第1電荷蓄積領域FDの電位は、カラム回路において、リセットサンプリングパルスRS2のタイミングでサンプリングされる。すでに信号サンプリングパルスSS2のタイミングでサンプリングされたレベルとリセットサンプリングパルスRS2のタイミングでサンプリングされたレベルとの差がローゲインモードの信号となる。選択トランジスタSELがオフ状態になり、この行の読み出しは終了し、画素アレイを構成しているマトリクスの次の行の読み出しに移る。カラム回路では、サンプルされた信号レベルとリセットレベルの差が作られ、二重サンプリングを行う。ハイゲインモードの二重サンプリングは相関二重サンプリングである。二重サンプリングにより、雑音低減やオフセット除去がされる。差成分が信号として扱われ、アナログデジタル変換され、固体撮像装置外に出力される。
図17の回路の各構成要素における電位と信号電荷の蓄積量の変化の概略を図19に模式的に示す。図19において、斜線で示された部分は、図17の回路の各構成要素に蓄積された信号電荷である。図19(a)は入射光量が小さい場合、図19(b)は入射光量が大きい場合、図19(c)は入射光量がさらに大きい場合である。図19(a)では、入射光量が小さく、発生した信号電荷がフォトダイオードPDのn型半導体領域がなす電位谷の飽和蓄積電荷量を下回っている。
図19(b)では、入射光量が大きくなり、発生した信号電荷の量がフォトダイオードPDの電位谷の飽和蓄積電荷量を超えている。第3の実施形態に係る固体撮像装置の転送トランジスタTGをデプレッション型にしておくことで、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)において過剰電子が転送トランジスタTGを流れることができる。過剰電子は転送トランジスタTGを通って第1電荷蓄積領域FD、切替トランジスタCS、第2電荷蓄積領域FD2及び拡張容量ECに流れ込む。流れ出た電子も信号電荷として扱うことが可能であり、フォトダイオードPDの電位谷に蓄積された信号電荷と合わせて、ローゲインモードの信号として用いられる。
図19(c)では、さらに入射光量が大きく、過剰電子により第1電荷蓄積領域FD、切替トランジスタCS、第2電荷蓄積領域FD2及び拡張容量ECも一杯になり、過剰電子がリセットトランジスタRGを通ってリセットドレインRDに溢れる。第3の実施形態に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGをデプレッション型にしておくことで、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)において過剰電子がリセットトランジスタRGを流れることができる。このように、過剰電子がリセットドレインRDに溢れる経路が確保されるために、着目した画素の周囲の画素に過剰電子があふれ、偽信号になることがなく、ブルーミングは抑制される。
第3の実施形態に係る固体撮像装置において、蓄積時間に第1電荷蓄積領域FD、切替トランジスタCS、第2電荷蓄積領域FD2及び拡張容量ECに蓄積される暗電流による電子は信号電荷と合わさり、ノイズ成分となる。このため、第1電荷蓄積領域FD、切替トランジスタCS、第2電荷蓄積領域FD2、拡張容量EC及びリセットトランジスタRGの暗電流対策が必要である。第1電荷蓄積領域FD、第2電荷蓄積領域FD2及び拡張容量ECについては従来から対策が講じられてきているので本明細書では言及しない。
第3の実施形態に係る固体撮像装置では、リセットトランジスタRGを構成する絶縁ゲート型トランジスタに対して、図6に示したリセットトランジスタRGの構造と同様なp型のリセット素子界面層を設けることで暗電流の低減を図ることができる。即ち、第3の実施形態に係る固体撮像装置の各画素のリセットトランジスタRGは、図6と同様にリセット素子閾値制御層21の上にp型のリセット素子界面層24を新たに設け、リセットトランジスタRGのゲート電圧がオフの場合において、Si/SiO界面側に空乏化しない中性領域が残るようにしている。リセットトランジスタRGのSi/SiO界面が空乏化していないので、Si/SiO界面に存在する界面欠陥は不活性化し、リセットトランジスタRGの暗電流の発生が抑制される。
(第3の実施形態の変形例)
本発明の第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置では、WDR型CMOSイメージセンサにおいてリセットトランジスタRG及び切替トランジスタCSに対してリセット素子界面層24を適用し、切替トランジスタCSに対して切替素子界面層35を適用する。即ち、第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置の各画素のリセットトランジスタRGは、図6と同様にリセット素子閾値制御層21の上にp型のリセット素子界面層24を新たに設け、リセットトランジスタRGのゲート電圧がオフの場合において、Si/SiO界面側に空乏化しない中性領域が残るようにしている。一方、図20に示すように、切替トランジスタCSの切替素子閾値制御層34の上にp型の切替素子界面層35を設けることにより、切替トランジスタCSのゲート電圧がオフの場合において、Si/SiO界面側に空乏化しない中性領域が残る。
図20に示すように、第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置の切替トランジスタCSは、p型の基体領域20と、p型の基体領域20の上部に離間して埋め込まれた電荷蓄積領域32及び切替ドレイン33と、電荷蓄積領域32と切替ドレイン33の間となる基体領域20の上部の一部に設けられたn型の切替素子閾値制御層34と、切替素子閾値制御層34の上部に設けられたp型の切替素子界面層35と、切替素子界面層35の上部に設けられたゲート絶縁膜31と、ゲート絶縁膜31の上部に設けられた切替ゲート電極41を備える。切替素子閾値制御層34は、電荷蓄積領域32及び切替ドレイン33よりも低不純物密度に設定される。切替素子界面層35は、基体領域20よりも高不純物密度の半導体領域である。
p型の「基体領域20」はpウェル、p型の半導体基板、p型若しくはn型の半導体基板の上に成長したp型のエピタキシャル成長層等で構成できる。切替素子閾値制御層34はデプレッション型の閾値に制御するために、ヒ素やリン等のn型を呈するイオンが注入された半導体層である。この切替素子閾値制御層34の上にp型の切替素子界面層35を設けることにより、ゲート電圧がオフの場合において、Si/SiO界面側に空乏化しない中性領域が残る。
リセットトランジスタRG及び切替トランジスタCSのSi/SiO界面が空乏化していないので、Si/SiO界面に存在する界面欠陥は不活性化し、リセットトランジスタRG及び切替トランジスタCSのそれぞれの暗電流の発生が抑制される。
第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置の画素アレイの上辺等の周辺部には図示を省略した駆動回路が、下辺等の周辺部には水平シフトレジスタが、それぞれ画素行方向に沿って設けられ、画素アレイ部の右辺又は左辺等の周辺部には画素列方向に沿って垂直シフトレジスタ及び垂直走査回路が設けられている。
このような第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置の画素アレイを構成しているマトリクスの特定の1行の読み出し期間におけるタイミングは図21に示すタイミングチャートに従う。図18に示すタイミングチャートでは、読み出し期間終了後の蓄積時間、切替トランジスタCSはオン状態となるように垂直走査回路が制御する。図21に示すタイミングチャートでは、読み出し期間終了後の蓄積時間、切替トランジスタCSはオフ状態である。切替トランジスタCSに対して図6に示す構造を適用し、更に図21に示すタイミングチャートに従うことで、オフ状態の切替トランジスタCS界面から発生する暗電流が抑制される。
リセットトランジスタRGに対して図6に示す構造を、切替トランジスタCSに対して図20に示す構造を適用した場合の、図17に示す各構成要素における電位と信号電荷の蓄積量の変化を図22に示す。図22において、斜線で示された部分は、蓄積された信号電荷である。図22(a)は入射光量が小さい場合、図22(b)は入射光量が大きい場合、図22(c)は入射光量がさらに大きい場合、図22(d)は入射光量が図22(c)よりも大きい場合である。図22(a)では、入射光量が小さく、発生した信号電荷がフォトダイオードPDの電位谷の飽和蓄積電荷量を下回っている。図22(b)では、入射光量が大きくなり、発生した信号電荷の量がフォトダイオードPDの電位谷の飽和蓄積電荷量を超えている。第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置の転送トランジスタTGをデプレッション型にしておくことで、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)において過剰電子が転送トランジスタTGを流れることができる。過剰電子は転送トランジスタTGを通って第1電荷蓄積領域FDに流れ込む。
図22(c)では、さらに入射光量が大きく、過剰電子により第1電荷蓄積領域FDから第2電荷蓄積領域FD2に流れ込む。第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置の切替トランジスタCSをデプレッション型にしておくことで、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)において過剰電子が切替トランジスタCSを流れることができる。図22(d)では、過剰電子によって第1電荷蓄積領域FD、第2電荷蓄積領域FD2及び拡張容量ECが一杯になり、リセットトランジスタRGを通ってリセットドレインRDに溢れる。第3の実施形態の変形例に係る固体撮像装置のリセットトランジスタRGをデプレッション型にしておくことで、ゲート電圧Vg=0V(オフ電圧)において過剰電子がリセットトランジスタRGを流れることができる。このように、過剰電子がリセットドレインRDに溢れる経路が確保されるために、周囲の画素に過剰電子があふれ、偽信号になることがなく、ブルーミングは抑制される。更に、上述したとおり、リセットトランジスタRG及び切替トランジスタCSの両方のSi/SiO界面が不活性化し、リセットトランジスタRG及び切替トランジスタCSのそれぞれの暗電流の発生が抑制される。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は第1〜第3の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。例えば、既に述べた第1〜第3の実施形態の説明では、第1導電型をp型、第2導電型をn型として説明したが、第1導電型をn型、第2導電型をp型としても、電気的な極性を反対にすれば同様な効果が得られることは容易に理解できるであろう。
第1〜第3の実施形態の記載では、光電変換部は、pn接合型のフォトダイオードを構成する受光領域を用いて説明してきた。しかし、光電変換部は、透明電極をゲート電極としたMOS構造を用いたフォトゲート構造でもよく、更にフォトダイオードや、フォトゲートの構造に限定されるものではなく、その他、同様な光電変換機能を備える構成であれば、構わない。
上記の第1〜第3の実施形態の説明においては、画素が2次元マトリクス状に配列されたエリアセンサである場合について、例示的に説明したが、本発明の画素はエリアセンサに用いられる画素のみに用いられるように限定して解釈するべきではない。例えば、上記の第1〜第3の実施形態で説明した画素の複数個を、1次元に配列した画素アレイによってラインセンサを構成してもよいことは、上記開示の技術的思想の趣旨から容易に理解できるはずである。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
10…画素,11…垂直信号線,20…基体領域,21…リセット素子閾値制御層,22…電荷蓄積領域.23…リセットドレイン,24…リセット素子界面層,25,26…溝部表面保護層,27, 28…分離絶縁膜,30, 31…ゲート絶縁膜,32…電荷蓄積領域,33…切替ドレイン,34…切替素子閾値制御層,35…切替素子界面層,40…リセットゲート電極,41…切替ゲート電極,50,51…チャネルストップ領域


Claims (16)

  1. 第1導電型の半導体領域からなる基体領域と、
    前記基体領域の上部に設けられ、フォトダイオードで光電変換された電荷を一時蓄積する第2導電型の電荷蓄積領域と、
    前記基体領域の上部に前記電荷蓄積領域から離間して設けられ、前記電荷蓄積領域に蓄積された電荷の少なくとも一部を受け取り電源線に排出する第2導電型のリセットドレインと、
    前記電荷蓄積領域及び前記リセットドレインの間に挟まれて前記基体領域の上部の一部に設けられ、前記電荷蓄積領域及び前記リセットドレインよりも低不純物密度で、第2導電型のリセット素子閾値制御層と、
    前記電荷蓄積領域及び前記リセットドレインの間に挟まれ、前記リセット素子閾値制御層の上に配置され、前記基体領域よりも高不純物密度で、第1導電型のリセット素子界面層と、
    前記リセット素子界面層の上に設けられたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜の上に設けられたリセットゲート電極と
    を有するリセットトランジスタがそれぞれ設けられた画素を、画素アレイを構成するように複数個配列し、
    前記リセット素子閾値制御層は前記リセットゲート電極にオフ電圧を印加した状態で、前記リセット素子閾値制御層を前記電荷が移動可能なチャネルが形成される不純物密度に設定され、
    前記リセット素子界面層は前記リセットゲート電極に前記オフ電圧を印加した状態で、前記ゲート絶縁膜の直下に中性領域を残す不純物密度に設定されていることを特徴とする固体撮像装置。
  2. 前記リセットゲート電極に前記オフ電圧が印加された状態で、前記電荷蓄積領域に蓄積された過剰電荷が、前記リセット素子閾値制御層を介して前記リセットドレインに輸送されることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記オフ電圧は0Vであることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記リセットゲート電極に0Vの前記オフ電圧を印加する垂直走査回路が、前記画素アレイの周辺に更に備えられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  5. 前記画素のそれぞれが転送トランジスタを更に有し、
    前記画素のそれぞれにおいて、前記フォトダイオードで光電変換された前記電荷が、前記転送トランジスタを介して前記電荷蓄積領域に転送されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  6. 第1導電型の半導体領域からなる基体領域と、
    前記基体領域の上部に設けられ、フォトダイオードで光電変換された電荷を一時蓄積する第2導電型の電荷蓄積領域と、
    前記基体領域の上部に前記電荷蓄積領域から離間して設けられ、前記電荷蓄積領域に蓄積された電荷の少なくとも一部を受け取る第2導電型の切替ドレインと、
    前記電荷蓄積領域及び前記切替ドレインの間に挟まれて前記基体領域の上部の一部に設けられ、前記電荷蓄積領域及び前記切替ドレインよりも低不純物密度で、第2導電型の切替素子閾値制御層と、
    前記電荷蓄積領域及び前記切替ドレインの間に挟まれ、前記切替素子閾値制御層の上に配置され、前記基体領域よりも高不純物密度で、第1導電型の切替素子界面層と、
    前記切替素子界面層の上に設けられたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜の上に設けられた切替ゲート電極と
    を有する切替トランジスタがそれぞれ設けられた画素を、画素アレイを構成するように複数個配列し、
    前記切替素子閾値制御層は前記切替ゲート電極にオフ電圧を印加した状態で、前記切替素子閾値制御層を前記電荷が移動可能なチャネルが形成される不純物密度に設定され、
    前記切替素子界面層は前記切替ゲート電極に前記オフ電圧を印加した状態で、前記ゲート絶縁膜の直下に中性領域を残す不純物密度に設定されていることを特徴とする固体撮像装置。
  7. 前記切替ゲート電極に前記オフ電圧が印加された状態で、前記電荷蓄積領域に蓄積された過剰電荷が、前記切替素子閾値制御層を介して前記切替ドレインに輸送されることを特徴とする請求項6に記載の固体撮像装置。
  8. 前記オフ電圧は0Vであることを特徴とする請求項6又は7に記載の固体撮像装置。
  9. 前記切替ゲート電極に0Vの前記オフ電圧を印加する垂直走査回路が、前記画素アレイの周辺に更に備えられていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  10. 前記画素が2次元マトリクス状に複数配列されて、前記画素アレイを構成していることを特徴とする請求項9に記載の固体撮像装置。
  11. 前記垂直走査回路が選択していない、前記画素アレイ中の行に配列された画素のそれぞれに含まれる、前記切替トランジスタの前記切替ゲート電極に対し、
    前記垂直走査回路が前記オフ電圧を印加することを特徴とする請求項10に記載の固体撮像装置。
  12. 前記切替ドレインに前記電荷を蓄積する拡張容量が接続されていることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  13. 前記画素のそれぞれは、
    前記切替ドレインに接続され、ゲート電極にオフ電圧を印加した状態で、ゲート電極の直下に前記電荷が移動可能なチャネルが形成されるデプレッション型のリセットトランジスタを更に有していることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
  14. 前記リセットトランジスタは、
    前記リセットトランジスタのゲート電極の直下において、前記デプレッション型の特性を実現するための第2導電型のリセット素子閾値制御層と、前記リセット素子閾値制御層の上に配置された第1導電型のリセット素子界面層を更に含み、
    前記リセット素子界面層は前記リセットトランジスタの前記ゲート電極にオフ電圧を印加した状態で、中性領域を残す不純物密度に設定されていることを特徴とする請求項13に記載の固体撮像装置。
  15. 前記垂直走査回路は、前記リセットトランジスタの前記ゲート電極に0Vの前記オフ電圧を印加することを特徴とする請求項13又は14に記載の固体撮像装置。
  16. 前記画素のそれぞれが転送トランジスタを更に有し、
    前記画素のそれぞれにおいて、前記フォトダイオードで光電変換された前記電荷が、前記転送トランジスタを介して前記電荷蓄積領域に転送されることを特徴とする請求項6〜15のいずれか1項に記載の固体撮像装置。

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