JP2020079445A - めっき方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】めっきムラの発生を低減でき、密着性に優れためっき膜を形成可能なめっき方法を提供すること。【解決手段】鉄系金属基材、ニッケル系金属基材、銅系金属基材、および銀系金属基材から選択されるいずれかである金属基材の表面をめっきする方法であって、ヒドロキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物の塩、アンモニウム塩、およびハロゲン化塩から選択される少なくとも1種を含有する水溶液を用いて、前記金属基材の表面を水洗する工程と、水洗を行った前記金属基材の表面に、めっきを行う工程とを備えるめっき方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、金属基材の表面にめっき膜を形成するためのめっき方法に関し、さらに詳しくは、めっきムラの発生を低減でき、密着性に優れためっき膜を、金属基材の表面に形成可能なめっき方法に関する。
ステンレス系基材などの鉄系金属基材に代表される金属基材は、耐食性などの各種特性を付与するために、その表面にめっき処理が施されることが一般的である。たとえば、特許文献1では、ステンレス鋼材の表面に対し、硫酸濃度が20〜25体積%である硫酸水溶液を用いて、表面改質を行った後、水洗を行い、次いで、無電解パラジウム合金により、無電解めっき膜を形成する技術が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1の技術では、めっき工程への搬送時間が長くなってしまった場合に形成されるめっき膜の密着性が不安定であるという課題や、得られるめっき膜に、めっきムラが発生してしまうという課題があった。特に、このような課題は、金属基材のなかでも、鉄系金属基材、ニッケル系金属基材、銅系金属基材、銀系金属基材、特にステンレス鋼などの鉄系金属基材を用いた場合や、形成するめっき膜の厚みを薄くした薄膜めっきを行った場合に顕著であった。
特開2016−113697号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、めっきムラの発生を低減でき、密着性に優れためっき膜を形成可能なめっき方法を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、鉄系金属基材、ニッケル系金属基材、銅系金属基材、および銀系金属基材から選択されるいずれかである金属基材の表面にめっきを施すに際し、めっきを行う前に、金属基材の表面を、ヒドロキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物の塩、アンモニウム塩、およびハロゲン化塩から選択される少なくとも1種を含有する水溶液を用いて水洗することで、めっきムラの発生を低減でき、密着性に優れためっき膜を形成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、金属基材の表面をめっきする方法であって、
ヒドロキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物の塩、アンモニウム塩、およびハロゲン化塩から選択される少なくとも1種を含有する水溶液を用いて、前記金属基材の表面を水洗する水洗工程と、
水洗を行った前記金属基材の表面に、めっきを行うめっき工程とを備え、
前記金属基材が、鉄系金属基材、ニッケル系金属基材、銅系金属基材、および銀系金属基材から選択されるいずれかであるめっき方法が提供される。
本発明のめっき方法において、前記金属基材の表面のめっきを、無電解めっきにより行うことが好ましい。
本発明のめっき方法において、前記無電解めっきを行う際における無電解めっき浴中の金属イオン濃度が1.0〜7.0g/Lであることが好ましい。
本発明のめっき方法において、前記金属基材が、鉄系金属基材であることが好ましい。
本発明のめっき方法において、前記鉄系金属基材が、ステンレス鋼であることが好ましい。
本発明のめっき方法において、前記金属基材を、硫酸水溶液、硝酸水溶液、硫酸を主とする混酸の水溶液、フッ酸水溶液、およびフッ化水素アンモニウム水溶液から選ばれる水溶液中に浸漬させることで、前記金属基材の表面活性化処理を行う表面活性化処理工程をさらに備え、前記水洗工程が、前記表面活性化処理を行った前記金属基材に対し、前記水溶液を用いた水洗を行う工程であることが好ましい。
本発明によれば、めっきムラの発生を低減でき、密着性に優れためっき膜を形成可能なめっき方法を提供することができる。
本発明のめっき方法は、
金属基材の表面をめっきする方法であって、
ヒドロキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物の塩、アンモニウム塩、およびハロゲン化塩から選択される少なくとも1種を含有する水溶液を用いて、前記金属基材の表面を水洗する水洗工程と、
水洗を行った前記金属基材の表面に、めっきを行うめっき工程とを備え、
前記金属基材が、鉄系金属基材、ニッケル系金属基材、銅系金属基材、および銀系金属基材から選択されるいずれかであるものである。
<金属基材>
まず、本発明のめっき方法において用いられる、めっきの対象となる金属基材について、説明する。
本発明のめっき方法で用いる金属基材としては、鉄系金属基材、ニッケル系金属基材、銅系金属基材、および銀系金属基材のいずれかであれば特に限定されないが、これらのなかでも、本発明の作用効果がより一層顕著になるという点より、鉄系金属基材が好ましい。また、金属基材としては、鉄、ニッケル、銅、あるいは銀などの各金属基材を構成する金属単体からなるものであっても、これらの金属を含む合金からなるものであってもよい。さらに、金属基材としては、基材となる材料の表面に、鉄、ニッケル、銅、または銀、あるいはこれらの合金をめっきすることにより得られたものであってもよい。
鉄系金属基材としては、特に限定されないが、たとえば、炭素鋼、合金鋼、鋳鉄、焼結合金、およびステンレス鋼などが挙げられる。これらのなかでも、本発明の作用効果がより一層顕著になるという点より、ステンレス鋼が好ましい。金属基材として、鉄系金属基材を用いることにより、めっきムラの発生を低減でき、密着性に優れることに加えて、耐食性にも優れためっき膜を形成可能である。
ステンレス鋼としては、特に限定されないが、SUS316、SUS316L、SUS304などのステンレス鋼材が挙げられる。また、ステンレス鋼には、マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系などの種類があるが、特にオーステナイト系ステンレス鋼が好適である。
ニッケル系金属基材としては、特に限定されないが、たとえば、純ニッケルの他、鉄−ニッケル合金、ニッケル−銅合金、ニッケル−クロム合金、ニッケル−モリブデン合金、ニッケル−コバルト合金、ニッケル−リン合金、ニッケル−ボロン合金などのニッケル合金が挙げられる。また、これらを表面に被覆した表面処理材(たとえば、鉄や非鉄金属、あるいは樹脂材料の表面を、これら純ニッケルやニッケル合金で被覆した材料)などを用いることもできる。なお、純ニッケルとしては、特に限定されないが、たとえば、電鋳法や、溶融製錬法などによって製造されたものなどが挙げられる。
銅系金属基材としては、特に限定されないが、たとえば、純銅の他、JIS規格の無酸素銅、タフピッチ銅、リン青銅、黄銅、銅ベリリウム系合金(たとえば、ベリリウム2重量%、残部が銅の合金など)、銅銀系合金(たとえば、銀3〜5重量%、残部が銅の合金など)などの銅合金が挙げられる。また、これらを表面に被覆した表面処理材(たとえば、鉄や非鉄金属、あるいは樹脂材料の表面を、これら純銅や銅合金で被覆した材料)などを用いることもできる。
銀系金属基材としては、特に限定されないが、たとえば、純銀の他、銀銅合金などの銀合金が挙げられる。また、これらを表面に被覆した表面処理材(たとえば、鉄や非鉄金属、あるいは樹脂材料の表面を、これら純銀や銀合金で被覆した材料)などを用いることもできる。
<水洗工程>
次いで、本発明のめっき方法について説明する。
本発明のめっき方法の水洗工程は、ヒドロキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物の塩、アンモニウム塩、およびハロゲン化塩から選択される少なくとも1種を含有する水溶液を用いて、金属基材の表面を水洗する工程である。
本発明のめっき方法においては、ヒドロキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物の塩、アンモニウム塩、およびハロゲン化塩から選択される少なくとも1種の特定処理剤を含有する水溶液(以下、適宜、「特定処理剤含有水溶液」とする。)を用いて、金属基材の表面を水洗し、このような水洗を行った後に、めっきを行うことでめっき膜を形成するものであり、これにより、めっきムラの発生を低減でき、密着性に優れためっき膜を形成できるものである。
特に、金属基材表面に対し、めっきを施してめっき膜を形成する際には、めっき性の向上を目的として、金属基材の表面を活性化するために、めっきを行う前の金属基材に対し、酸などの各種薬液を用いた表面活性化処理が行われるのが一般的であり、また、この際には、表面活性化処理を行った金属基材に対し、表面活性化処理に用いた薬液を洗い流すために、通常は、水洗が行われる。
このような状況において、本発明者等が検討を行ったところ、表面活性化処理およびこれに続く水洗を行った金属基材において、その表面に局所的に酸化が進行してしまうこと、このような局所的な酸化により、得られるめっき膜が、めっきムラが大きく、密着性に劣るものとなってしまうこと、これに対して、上述した特定処理剤含有水溶液を用いて水洗を行うことで、表面活性化処理に用いた薬液を洗い流すとともに、このような局所的な酸化の進行を抑制することができ、その結果として、得られるめっき膜を、めっきムラの発生を低減でき、密着性に優れるものとすることができること、を見出したものである。なお、本発明において、このような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、特定処理剤含有水溶液を用いた洗浄を行うことで、洗浄に用いた特定処理剤含有水溶液中の特定処理剤のうち、一部が、金属基材表面に残存することで、局所的な酸化を防止できることによると考えられる。
特定処理剤含有水溶液を形成する特定処理剤としてのヒドロキシル基含有有機化合物としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどの1価のアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリンなどの多価アルコール;乳酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、グリセリン酸、酒石酸、シトラマル酸、サリチル酸、没食子酸などのヒドロキシ酸;などが挙げられる。これらのなかでも、その作用効果が高いという観点より、ヒドロキシ酸が好ましく、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸がより好ましく、クエン酸がさらに好ましい。ヒドロキシル基含有有機化合物は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ヒドロキシ酸は、ヒドロキシ基を有するカルボン酸であるため、ヒドロキシル基含有有機化合物であるとともに、カルボキシル基含有有機化合物にも該当する、ヒドロキシル基/カルボキシル基含有有機化合物である。
特定処理剤含有水溶液を形成する特定処理剤としてのカルボキシル基含有有機化合物としては、特に限定されないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などの脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸;エチレンジアミン四酢酸などの3価以上の脂肪族カルボン酸;安息香酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族カルボン酸;乳酸、クエン酸、イソクエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、グリセリン酸、酒石酸、シトラマル酸、サリチル酸、没食子酸などのヒドロキシ酸;などが挙げられる。これらのなかでも、その作用効果が高いという観点より、ヒドロキシ酸が好ましく、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸がより好ましく、クエン酸がさらに好ましい。カルボキシル基含有有機化合物は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、上述したように、ヒドロキシ酸は、ヒドロキシ基を有するカルボン酸であるため、カルボキシル基含有有機化合物であるとともに、ヒドロキシル基含有有機化合物にも該当する、ヒドロキシル基/カルボキシル基含有有機化合物である。
特定処理剤含有水溶液を形成する特定処理剤としてのカルボキシル基含有有機化合物の塩としては、特に限定されないが、上述したカルボキシル基含有有機化合物のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などが挙げられる。カルボキシル基含有有機化合物の塩の中でも、その作用効果が高いという観点より、ヒドロキシ酸の塩が好ましく、ヒドロキシ酸のナトリウム塩がより好ましく、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムがさらに好ましく、クエン酸ナトリウムが特に好ましい。カルボキシル基含有有機化合物の塩は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ヒドロキシ酸の塩は、カルボキシル基含有有機化合物の塩であるとともに、ヒドロキシル基含有有機化合物にも該当する、ヒドロキシル基/カルボキシル基含有有機化合物の塩である。
また、特定処理剤含有水溶液を形成する特定処理剤としてのアンモニウム塩としては、特に限定されないが、第四級アンモニウムカチオンと、対アニオンとからなる塩などが挙げられ、第四級アンモニウムカチオンとしては、アンモニウムカチオン、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、トリメチルエチルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。対アニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオンなどが挙げられる。これら第四級アンモニウムカチオンと、対アニオンとは、任意の組み合わせとすることができる。なお、対アニオンとしては、フッ化物イオン、塩化物イオン、または臭化物イオンを備えるものは、アンモニウム塩であるとともに、ハロゲン化塩にも該当するものである。アンモニウム塩としては、その作用効果が高いという観点より、硫酸アンモニウムが好ましい。アンモニウム塩は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、特定処理剤含有水溶液を形成する特定処理剤としてのハロゲン化塩としては、特に限定されないが、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウムなどの塩化物;臭化ナトリウム、臭化マグネシウム、臭化カリウムなどの臭化物;などが挙げられる。これらのなかでも、その作用効果が高いという観点より、塩化物が好ましく、塩化ナトリウムがより好ましい。ハロゲン化塩は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
特定処理剤含有水溶液を形成する特定処理剤のなかでも、ヒドロキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物、およびカルボキシル基含有有機化合物の塩が好ましく、ヒドロキシル基/カルボキシル基含有有機化合物、およびヒドロキシル基/カルボキシル基含有有機化合物の塩がより好ましく、ヒドロキシ酸、およびヒドロキシ酸の塩が特に好ましい。
特定処理剤含有水溶液中における、特定処理剤の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜100g/L、より好ましくは0.5〜100g/L、さらに好ましくは1〜40g/L、さらにより好ましくは2〜25g/L、特に好ましくは4〜23g/L、最も好ましくは12〜20g/Lである。特定処理剤の濃度を上記範囲とすることにより、特定処理剤含有水溶液を用いた水洗による効果をより適切に高めることができる。また、より少ない濃度で処理することで環境影響を小さく抑え、またコストも最小化することができる。
本発明のめっき方法の水洗工程における、特定処理剤含有水溶液を用いた金属基材の表面の水洗方法としては特に限定されないが、金属基材を、特定処理剤含有水溶液中に浸漬させる方法などが挙げられる。なお、この際には、特定処理剤含有水溶液を攪拌してもよい。
本発明のめっき方法の水洗工程における、水洗温度(すなわち、特定処理剤含有水溶液の温度)は、特に限定されないが、好ましくは0〜50℃、より好ましくは10〜30℃であり、より好ましくは15〜25℃である。また、本発明のめっき方法の水洗工程における、水洗時間は、特に限定されないが、好ましくは5秒〜5分、より好ましくは8秒〜1分、さらに好ましくは10秒〜30秒である。さらに、本発明のめっき方法の水洗工程における、水洗時のpHは、特に限定されないが、好ましくは1.0〜8.0、より好ましくは6.0〜8.0である。
なお、本発明のめっき方法の水洗工程においては、特定処理剤含有水溶液を用いた水洗を行う際には、水洗の対象となる金属基材としては、後述するめっき工程におけるめっきを良好に行うという観点より、通常、表面活性化処理を行ったものが挙げられ、この場合においては、表面活性化処理に用いた薬剤を洗い流すために、特定処理剤含有水溶液を用いた水洗を行うような態様とすることが好ましい。
このような表面活性化処理としては、特に限定されないが、金属基材を、硫酸水溶液、硝酸水溶液、硫酸を主とする混酸の水溶液、フッ酸水溶液、およびフッ化水素アンモニウム水溶液から選ばれる水溶液中に浸漬させることで、その表面を活性化させる方法などが好適に挙げられる。あるいは、金属基材を、これらの水溶液に有機酸を添加した水溶液中に浸漬させることで、その表面を活性化させる方法なども好適に挙げられる。これらのなかでも、硫酸水溶液または硝酸水溶液中に浸漬させることが好ましい。表面活性化処理に用いる水溶液中における濃度は、好ましくは10〜35体積%であり、より好ましくは15〜30体積%、さらに好ましくは20〜25体積%であり、この際における、表面活性化処理温度(すなわち、表面活性化処理に用いる水溶液の温度)は、好ましくは50〜85℃、より好ましくは55〜80℃、さらに好ましくは65〜75℃であり、処理時間(浸漬時間)は、好ましくは5〜600秒、より好ましくは5〜300秒である。
なお、金属基材としては、上記表面活性化処理を行う前に、必要に応じて脱脂や、塩酸水溶液、フッ酸水溶液、またはフッ化水素アンモニウム水溶液を用いた酸洗を行ってもよく、この際においては、脱脂の後、塩酸水溶液を用いた酸洗の後に、それぞれイオン交換水や水道水を用いた水洗を行うことが好ましい。
<めっき工程>
本発明のめっき方法のめっき工程は、上記水洗工程において、水洗を行った金属基材の表面に、めっきを行うことで、金属基材の表面にめっき膜を形成する方法である。
水洗を行った金属基材の表面にめっき膜を形成するためのめっき方法としては、特に限定されず、電解めっき、無電解めっきのいずれのめっき方法であってもよいが、本発明の作用効果がより一層顕著となるという点より、無電解めっきが好ましい。
以下においては、本発明の好適な態様の一例として、無電解めっきにより、M1−M2−M3合金(ただし、M1は、Ni、Fe、Co、Cu、Zn、およびSnから選択される少なくとも1つの元素、M2は、Pd、Re、Pt、Rh、Ag、およびRuから選択される少なくとも1つの元素、M3は、P、およびBから選択される少なくとも1つの元素である。)により構成されるめっき膜、および、M1−M3合金(ただし、M1は、Ni、Fe、Co、Cu、Zn、およびSnから選択される少なくとも1つの元素、M3は、P、およびBから選択される少なくとも1つの元素である。)により構成されるめっき膜を、無電解めっきにより形成する方法を例示して説明するが、本発明により形成するめっき膜は、M1−M2−M3合金により構成されるめっき膜およびM1−M3合金により構成されるめっき膜に特に限定されるものではなく、上述した特定処理剤を含有する特定処理剤含有水溶液を用いた水洗を行った後に、めっきを行う方法であればよく、本発明のめっき方法によれば、このような方法を採用することにより、電解めっき、無電解めっきを問わず、めっきムラの発生を低減でき、密着性に優れためっき膜を形成できるものである。たとえば、M1−M2−M3合金により構成されるめっき膜以外に、Au単体、Cr単体、M1(ただし、M1は、Ni、Fe、Co、Cu、Zn、およびSnから選択される1つの元素)単体、M2(ただし、Pd、Re、Pt、Rh、Ag、およびRuから選択される1つの元素(特に、Pd、Pt、およびAgから選択される1つの元素))単体、Cr合金、M1−M2−M3合金およびM1−M3合金以外のZn合金も好適に挙げることができる。なお、本発明により形成するめっき膜は、得られるめっき膜の接触抵抗値を低くできるという点より、M1−M2−M3合金により構成されるめっき膜が好ましい。
まず、本発明の好適な態様としてのめっき方法により形成される、M1−M2−M3合金におけるM1は、Ni、Fe、Co、Cu、Zn、およびSnから選択される少なくとも1つの元素であり、これらを単独で用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて、たとえば、Ni−Fe、Ni−Co、Ni−Cuなどを用いてもよい。M1を構成する各元素は、単独で、金属基材上にめっき層を形成することができるという特性を有する元素である。なお、M1としては、めっき液の自己分解を防止し、めっき液の安定性を高めることができるという点より、Ni、およびCoから選択される少なくとも1つの元素を用いるのが好ましく、Niを用いるのが特に好ましい。
また、M1−M2−M3合金におけるM2は、Pd、Re、Pt、Rh、Ag、およびRuから選択される少なくとも1つの元素であり、これらを単独で用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。M2を構成する各元素は、金属基材上に析出した際に、めっき浴中の還元剤の反応に対する触媒として作用し、金属析出反応を連続的に進行させる作用を有するものである。なお、M2としては、コストを抑えることができるという点より、Pd、およびAgから選択される少なくとも1つの元素を用いるのが好ましく、Pdを用いるのが特に好ましい。
さらに、M1−M2−M3合金におけるM3は、P、およびBのいずれかから選択される少なくとも1つの元素であり、これらの元素を単独で用いてもよいし、これらを組み合わせたP−Bを用いてもよい。M3を構成する各元素は、M1−M2−M3合金より構成されるめっき膜を形成するためのめっき浴中の還元剤を構成するメタロイドであり、通常、めっき膜を形成する際に不可避的にめっき膜中に取り込まれることとなる。なお、M3としては、めっき液の自己分解を防止し、めっき液の安定性を高めることができるという点より、Pを用いるのが好ましい。
M1−M2−M3合金における各元素の比率は、耐食性および耐摩耗性に優れるという観点より、好ましくはM1が15〜65原子%、M2が20〜60原子%、M3が15〜40原子%であり、より好ましくはM1が20〜50原子%、M2が30〜50原子%、M3が20〜30原子%である。さらに、得られるめっき膜の耐食性を大きく低下させない範囲であれば、M1−M2−M3合金中には、不可避的に混入してしまう不純物がわずかに含まれていてもよい。不可避的に混入してしまう不純物としては、たとえば、めっき液の自己分解を防止し、めっき液を安定させる安定剤として添加されるPb、Tl、Biなどの重金属が挙げられ、これらの含有割合は、通常、1原子%未満である。なお、このような安定剤としては、環境負荷軽減の観点から、Biが好ましく用いられる。
M1−M2−M3合金としては、各元素を任意に組み合わせたものを用いることができるが、めっき液の自己分解を防止し、めっき液の安定性を高めることができるという点より、Ni−Pd−P合金、Ni−Pt−P合金、Co−Pd−P合金、Co−Ag−P合金が好ましく、Ni−Pd−P合金が特に好ましい。
水洗を行った金属基材の表面に、このようなM1−M2−M3合金からなるめっき膜を形成する方法としては特に限定されないが、M1、M2、およびM3で表される元素、ならびに、還元剤および錯化剤を含有する無電解合金めっき浴を用いた、無電解めっきを行う方法が好適である。
たとえば、M1−M2−M3合金からなるめっき膜として、Ni−Pd−P合金からなるめっき膜を形成する場合には、無電解合金めっき浴としては、通常用いられるニッケルめっき浴と、パラジウムめっき浴とを混合して得られるものなどを用いることができる。ニッケルめっき浴としては、たとえば、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケルなどのニッケル塩と、次亜リン酸塩などのリンを含む還元剤と、クエン酸などの錯化剤とからを含むめっき浴などが挙げられる。パラジウムめっき浴としては、たとえば、塩化パラジウムなどのパラジウム塩と、次亜リン酸塩、亜リン酸塩などのリンを含む還元剤や、ギ酸などの還元剤と、チオジグリコール酸などの錯化剤とからなるめっき浴などが挙げられる。
この場合において、ニッケルめっき浴と、パラジウムめっき浴とを混合して無電解合金めっき浴を作製する際には、ニッケル塩としては塩化ニッケルや硫酸ニッケルなどを用いることが好ましく、パラジウム塩としては塩化パラジウムなどを用いるのが好ましい。ニッケルめっき浴と、パラジウムめっき浴との混合比率は、無電解合金めっき浴中におけるNi原子とPd原子とのモル比が、「Ni:Pd(モル比)」で、好ましくは0.62:1.0〜3.32:1.0、より好ましくは0.88:1.0〜2.68:1.0、さらに好ましくは0.88:1.0〜2.14:1.0である。
なお、上記においては、M1−M2−M3合金からなるめっき膜を、Ni−Pd−P合金とする場合を例示したが、M1−M2−M3合金からなるめっき膜を、Ni−Pd−P合金以外で構成する場合においても、同様に、M1、M2、およびM3の各元素を含み、還元剤、錯化剤が添加された無電解合金めっき浴を適宜調製し、これを用いて無電解めっきを行えばよい。この際においては、M1、M2、およびM3の各元素を含む無電解合金めっき浴中におけるM1原子とM2原子とのモル比は、M1:M2(モル比)が、上述したNi:Pd(モル比)と同様の範囲とすることが好ましい。
なお、上述した無電解合金めっき浴を用いた無電解めっきは、pH4.0〜7.0、浴温30〜50℃、浸漬時間5〜20分の条件で行うことが好ましい。
また、無電解合金めっき浴中の金属イオン濃度(無電解合金めっき浴中に含まれる合計の金属イオンの濃度であり、Ni−Pd−P合金からなるめっき膜を形成する場合には、主として、NiおよびPdとなる。)は、好ましくは1.0〜7.0g/Lであり、より好ましくは1.5〜6.0g/Lである。無電解合金めっき浴中の金属イオン濃度を上記範囲とすることにより、得られるめっき膜の密着性をより高めることができる。
また、本発明の好適な態様としてのめっき方法により形成される、M1−M3合金におけるM1は、Ni、Fe、Co、Cu、Zn、およびSnから選択される少なくとも1つの元素であり、これらを単独で用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて、たとえば、Ni−Fe、Ni−Co、Ni−Cuなどを用いてもよい。M1を構成する各元素は、単独で、金属基材上にめっき層を形成することができるという特性を有する元素である。なお、M1としては、めっき液の自己分解を防止し、めっき液の安定性を高めることができるという点より、Ni、およびCoから選択される少なくとも1つの元素を用いるのが好ましく、Niを用いるのが特に好ましい。
また、M1−M3合金におけるM3は、P、およびBのいずれかから選択される少なくとも1つの元素であり、これらの元素を単独で用いてもよい。M3を構成する各元素は、M1−M3合金より構成されるめっき膜を形成するためのめっき浴中の還元剤を構成するメタロイドであり、通常、めっき膜を形成する際に不可避的にめっき膜中に取り込まれることとなる。なお、M3としては、めっき液の自己分解を防止し、めっき液の安定性を高めることができるという点より、Pを用いるのが好ましい。
M1−M3合金における各原子の比率は、耐食性および耐摩耗性に優れるという観点より、好ましくはM1が85〜99原子%、M3が1〜15原子%であり、より好ましくはM1が86〜90原子%、M3が10〜14原子%である。さらに、得られるめっき膜の耐食性を大きく低下させない範囲であれば、M1−M3合金中には、不可避的に混入してしまう不純物がわずかに含まれていてもよい。不可避的に混入してしまう不純物としては、たとえば、めっき液の自己分解を防止し、めっき液を安定させる安定剤として添加されるPb、Tl、Biなどの重金属が挙げられ、これらの含有割合は、通常、1原子%未満である。なお、このような安定剤としては、環境負荷軽減の観点から、Biが好ましく用いられる。
M1−M3合金としては、各元素を任意に組み合わせたものを用いることができるが、めっき液の自己分解を防止し、めっき液の安定性を高めることができるという点より、Ni−P合金、Co−P合金が好ましく、Ni−P合金が特に好ましい。
水洗を行った金属基材の表面に、このようなM1−M3合金からなるめっき膜を形成する方法としては特に限定されないが、M1およびM3で表される元素、ならびに、還元剤および錯化剤を含有する無電解合金めっき浴を用いた、無電解めっきを行う方法が好適である。
たとえば、M1−M3合金からなるめっき膜として、Ni−P合金からなるめっき膜を形成する場合には、無電解合金めっき浴としては、通常用いられるニッケルめっき浴などを用いることができる。ニッケルめっき浴としては、たとえば、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケルなどのニッケル塩と、次亜リン酸塩などのリンを含む還元剤と、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの錯化剤とからなるめっき浴などが挙げられる。
なお、上記においては、M1−M3合金からなるめっき膜を、Ni−P合金とする場合を例示したが、M1−M3合金からなるめっき膜を、Ni−P合金以外で構成する場合においても、同様に、M1およびM3の各元素を含み、還元剤、錯化剤が添加された無電解合金めっき浴を適宜調製し、これを用いて無電解めっきを行えばよい。
なお、上述した無電解合金めっき浴を用いた無電解めっきは、pH4.0〜7.0、浴温30〜100℃、浸漬時間5〜20分の条件で行うことが好ましい。
また、無電解合金めっき浴中の金属イオン濃度(無電解合金めっき浴中に含まれる合計の金属イオンの濃度であり、Ni−P合金からなるめっき膜を形成する場合には、主として、Niとなる。)は、好ましくは1.0〜7.0g/Lであり、より好ましくは1.5〜6.0g/Lである。無電解合金めっき浴中の金属イオン濃度を上記範囲とすることにより、得られるめっき膜の密着性をより高めることができる。
本発明のめっき方法のめっき工程により形成するめっき膜の厚みは、特に限定されないが、好ましくは5nm〜30μmであり、より好ましくは10nm〜10μm、さらに好ましくは30〜100nm、特に好ましくは30〜50nmであり、本発明のめっき方法によれば、めっき膜の厚みを上記範囲のごとく薄膜化した場合でも、めっきムラの発生を適切に低減でき、しかも、密着性に優れためっき膜を形成することができるものである。
以下に、実施例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
<<実施例1>>
まず、鉄系金属基材として、ステンレス鋼材(SUS316L)を準備した。次いで、ステンレス鋼材を、温度50℃に調整したアルカリ脱脂剤(商品名「フォーミュラー618−TK2」、日本クエーカーケミカル社製)の水溶液中に、2分間の条件にて浸漬させることで、脱脂を行った。次いで、脱脂を行ったステンレス鋼材を水道水で水洗した後、温度50℃に調整した25体積%の塩酸水溶液中に、30秒間浸漬させることで、酸洗処理を行った。次いで、酸洗処理を行ったステンレス鋼材を水道水で水洗した後、温度70℃に調整した25体積%の硫酸水溶液中に、30秒間浸漬させることで、表面活性化処理を行った。
続いて、表面活性化処理を行ったステンレス鋼材を、特定処理剤としてのクエン酸を含有するクエン酸含有水溶液(クエン酸の濃度は100g/L)中に、温度20℃の条件にて、10秒間浸漬させることで、クエン酸含有水溶液を用いた水洗を行った。その後、大気中で5秒〜2分間保持した。
次いで、クエン酸含有水溶液を用いた水洗を行ったステンレス鋼材について、下記に示すパラジウムめっき浴と、ニッケルめっき浴とを、パラジウムめっき浴:ニッケルめっき浴=3:1(体積比)の割合で混合した無電解めっき浴を用いて、温度37℃、4分間の条件で、無電解めっき処理を施すことにより、クエン酸含有水溶液を用いた水洗を行ったステンレス鋼材の表面(表面および裏面)に、厚さ40nmのNi−Pd−P合金めっき膜を形成することで、めっき膜形成ステンレス鋼材を得た。なお、めっき浴中におけるパラジウム塩、還元剤、および錯化剤については、従来公知の化合物を用いた。また、パラジウムめっき浴と、ニッケルめっき浴とを混合しためっき浴中におけるNi:Pd(モル比)は、0.88:1.0であった(無電解合金めっき浴中に含まれる合計の金属イオンの濃度:2.5g/L)。
<パラジウムめっき浴>
パラジウム塩:パラジウムめっき浴中におけるPd量が0.2重量%となる量
還元剤:1.8重量%
錯化剤:0.63重量%
水:97.2重量%
pH:5.5
<ニッケルめっき浴>
ニッケル塩:ニッケルめっき浴中におけるNi量が0.6重量%となる量
還元剤(次亜燐酸ソーダ):2.4重量%
錯化剤:2.4重量%
水:93.2重量%
pH:5.2
<密着性試験>
得られためっき膜形成ステンレス鋼材について、めっき膜の表面に粘着テープ(ニチバン株式会社製 ナイスタック強力タイプ)を貼付した後、勢いよく基板に対して垂直方向に引きはがすことによりテープ剥離試験を実施した。そして、テープ剥離試験前、およびテープ剥離試験後のめっき膜形成ステンレス鋼材のめっき膜形成面に対し、蛍光X線測定(株式会社リガク製 蛍光X線分析装置 型式ZSX)を行い、蛍光X線測定の結果に基づいて、下記式にしたがって、めっき膜の残存率を求めた。めっき膜の残存率が高いほど、めっき膜の密着性が高いと判断できる。
めっき膜の残存率(%)={(テープ剥離試験後の、蛍光X線測定によるPd強度)/(テープ剥離試験前の、蛍光X線測定によるPd強度)}×100
<耐食性試験>
得られためっき膜形成ステンレス鋼材を、pH=2の硫酸水溶液中に、温度90℃、100時間の条件で浸漬させ、100時間浸漬させた後における、基材となるステンレス鋼材からの鉄(Fe)の溶出量を、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)(株式会社島津製作所製 型式ICPE―9820)により測定した。鉄(Fe)の溶出量が少ないほど、耐食性に優れると判断できる。
<抵抗測定>
得られためっき膜形成ステンレス鋼材について、抵抗測定を行った。具体的には、幅20mm、長さ20mmの大きさに加工した、めっき膜形成ステンレス鋼材について、電気接点シミュレータ(株式会社山崎精機研究所製 型式CRS―1)を用いて接触抵抗値を測定した。なお、鉄系金属基材であるステンレス鋼材の接触抵抗値を測定したところ、200mΩであった。
<めっきムラの確認>
得られためっき膜形成ステンレス鋼材の、めっき膜形成面について、目視にてめっきムラの有無を確認し、以下の基準で評価した。
◎:めっき膜の表面は均一であり、めっきムラは確認できなかった。
〇:めっき膜の表面は均一であったが、僅かにめっきムラが確認された。
×:めっきムラが顕著に発生していた。
<<実施例2>>
クエン酸含有水溶液を用いた水洗を、100g/Lのクエン酸含有水溶液に代えて、40g/Lのクエン酸含有水溶液(pH:1.98)を使用して行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例3>>
クエン酸含有水溶液を用いた水洗を、100g/Lのクエン酸含有水溶液に代えて、20g/Lのクエン酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例4>>
クエン酸含有水溶液を用いた水洗を、100g/Lのクエン酸含有水溶液に代えて、5g/Lのクエン酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例5>>
クエン酸含有水溶液を用いた水洗を、100g/Lのクエン酸含有水溶液に代えて、2g/Lのクエン酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例6>>
クエン酸含有水溶液を用いた水洗を、100g/Lのクエン酸含有水溶液に代えて、1g/Lのクエン酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例7>>
クエン酸含有水溶液に代えて、クエン酸ナトリウムを20g/Lの濃度で含有するクエン酸ナトリウム含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例8>>
クエン酸含有水溶液に代えて、リンゴ酸を20g/Lの濃度で含有するリンゴ酸含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例9>>
リンゴ酸含有水溶液を用いた水洗を、20g/Lのリンゴ酸含有水溶液に代えて、1g/Lのリンゴ酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例8と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例10>>
クエン酸含有水溶液に代えて、酒石酸を20g/Lの濃度で含有する酒石酸含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例11>>
酒石酸含有水溶液を用いた水洗を、20g/Lの酒石酸含有水溶液に代えて、1g/Lの酒石酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例10と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例12>>
クエン酸含有水溶液に代えて、ギ酸を20g/Lの濃度で含有するギ酸含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例13>>
クエン酸含有水溶液に代えて、酢酸を20g/Lの濃度で含有する酢酸含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例14>>
クエン酸含有水溶液に代えて、コハク酸を20g/Lの濃度で含有するコハク酸含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例15>>
クエン酸含有水溶液に代えて、シュウ酸を20g/Lの濃度で含有するシュウ酸含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例16>>
クエン酸含有水溶液に代えて、安息香酸を20g/Lの濃度で含有する安息香酸含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例17>>
クエン酸含有水溶液に代えて、エチレンジアミン四酢酸の2ナトリウム塩を20g/Lの濃度で含有するエチレンジアミン四酢酸の2ナトリウム塩含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例18>>
クエン酸含有水溶液に代えて、エタノールを20g/Lの濃度で含有するエタノール含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例19>>
クエン酸含有水溶液に代えて、塩化ナトリウムを20g/Lの濃度で含有する塩化ナトリウム含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<実施例20>>
クエン酸含有水溶液に代えて、硫酸アンモニウムを20g/Lの濃度で含有する硫酸アンモニウム含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
<<比較例1>>
クエン酸含有水溶液に代えて、特定処理剤を含有しないイオン交換水を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2020079445
<実施例1〜20、比較例1の評価>
表1に示すように、特定の金属基材の表面に、特定処理剤を含有する特定処理剤含有水溶液を用いて、金属基材の表面を水洗し、このような水洗を行った後に、めっきを行うことでめっき膜を形成した場合には、得られるめっき膜のめっきムラの発生を低減でき、かつ、形成されるめっき膜を、密着性に優れたものとすることが可能であった(実施例1〜20)。
特に、金属基材として、鉄系金属基材を用いた場合には、形成されるめっき膜を、密着性に優れたものとすることに加え、鉄系金属基材を耐食性にも優れたものとすることが可能であった(実施例1〜20)。
また、めっき膜として、Ni−Pd−P合金めっき膜を用いた場合には、形成されるめっき膜を、密着性に優れたものとすることに加え、接触抵抗値も低いものとすることが可能であった(実施例1〜20)。
一方、特定処理剤を含有する特定処理剤含有水溶液に代えて、特定処理剤を含有しないイオン交換水を使用した場合には、得られるめっき膜のめっきムラの発生が顕著となり、また、形成されるめっき膜は、密着性にも劣るものであった(比較例1)。
特に、金属基材として、鉄系金属基材を用いた場合には、形成されるめっき膜は、密着性に劣るものであることに加え、耐食性にも劣るものであった(比較例1)。
また、めっき膜として、Ni−Pd−P合金めっき膜を用いた場合には、形成されるめっき膜は、密着性に劣るものであることに加え、接触抵抗値も高いものであった(比較例1)。
<<実施例21>>
ニッケル系金属基材として、電鋳法により形成されたニッケル板を準備した。次いで、ニッケル板を、温度50℃に調整したアルカリ脱脂剤(商品名「フォーミュラー618−TK2」、日本クエーカーケミカル社製)の水溶液中に、2分間の条件にて浸漬させることで、脱脂を行った。次いで、温度70℃に調整した25体積%の硫酸水溶液中に、30秒間浸漬させることで、表面活性化処理を行った。
次いで、クエン酸含有水溶液を用いた水洗を、100g/Lのクエン酸含有水溶液に代えて、20g/Lのクエン酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例1と同様にして行い、めっき膜形成ニッケル板を得た。そして、得られためっき膜形成ニッケル板について、実施例1と同様に、密着性試験およびめっきムラの確認の評価を行った。結果を表2に示す。
<<比較例2>>
ニッケル板に代えて、ニッケル系金属基材として、鋼板表面に電解ニッケルめっきにより形成されたニッケルめっき層を有するニッケルめっき鋼板を使用するとともに、クエン酸含有水溶液に代えて、特定処理剤を含有しないイオン交換水を使用して水洗を行った以外は、実施例21と同様にしてめっき膜形成ニッケルめっき鋼板を得た。しかしながら、得られためっき膜形成ニッケルめっき鋼板は、めっき膜が形成できていないものであったか、もしくは、形成しためっき膜が、形成後すぐにニッケルめっき鋼板から剥離してしまうものであった。そのため、得られためっき膜形成ニッケルめっき鋼板について、密着性試験およびめっきムラの確認の評価を行うことができなかった。
Figure 2020079445
<実施例21、比較例2の評価>
表2に示すように、特定の金属基材の表面に、特定処理剤を含有する特定処理剤含有水溶液を用いて、金属基材の表面を水洗し、このような水洗を行った後に、めっきを行うことでめっき膜を形成した場合には、得られるめっき膜のめっきムラの発生を低減でき、かつ、形成されるめっき膜を、密着性に優れたものとすることが可能であった(実施例21)。
一方、特定処理剤を含有する特定処理剤含有水溶液に代えて、特定処理剤を含有しないイオン交換水を使用した場合には、めっき膜の密着性が非常に劣るものであり、金属基材の表面にめっき膜が形成できないか、もしくは、形成しためっき膜が、形成後すぐに金属基材から剥離してしまい、そもそもめっき膜形成金属基材を得ることができなかった(比較例2)。
<<実施例22>>
実施例1と同様にして得られたクエン酸含有水溶液を用いた水洗を行ったステンレス鋼材について、公知のリンゴ酸−コハク酸系高リンタイプの無電解ニッケルリンめっき浴を用いて、温度85度、120分間の条件で、無電解めっき処理を施すことにより、クエン酸含有水溶液を用いた水洗を行ったステンレス鋼材の表面(表面および裏面)に、厚さ10μmのNi−P合金めっき膜を形成することで、めっき膜形成ステンレス鋼材を得た。なお、めっき浴中におけるニッケル塩、還元剤、および酸化剤については、従来公知の化合物を用いた。
<密着性試験>
得られためっき膜形成ステンレス鋼材について、めっき膜の表面に粘着テープ(ニチバン株式会社製 ナイスタック強力タイプ)を貼付した後、勢いよく基板に対して垂直方向に引きはがすことによりテープ剥離試験を実施した。そして、テープ剥離試験前、およびテープ剥離試験後のめっき膜形成ステンレス鋼材のめっき膜形成面に対し、蛍光X線測定(株式会社リガク製 蛍光X線分析装置 型式ZSX)を行い、蛍光X線測定の結果に基づいて、下記式にしたがって、めっき膜の残存率を求めた。めっき膜の残存率が高いほど、めっき膜の密着性が高いと判断できる。結果を表3に示す。
めっき膜の残存率(%)={(テープ剥離試験後の、蛍光X線測定によるNi強度)/(テープ剥離試験前の、蛍光X線測定によるNi強度)}×100
<抵抗測定>
得られためっき膜形成ステンレス鋼材について、実施例1と同様にして、抵抗測定の評価を行った。結果を表3に示す。
<めっきムラの確認>
得られためっき膜形成ステンレス鋼材について、実施例1と同様にして、めっきムラの確認の評価を行った。結果を表3に示す。
<<実施例23>>
クエン酸含有水溶液を用いた水洗を、100g/Lのクエン酸含有水溶液に代えて、20g/Lのクエン酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例22と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。
<耐食性試験>
得られためっき膜形成ステンレス鋼材を、5重量%の塩酸水溶液中に、温度30℃、72時間の条件で浸漬させ、72時間浸漬させた後における、基材となるステンレス鋼材からの鉄(Fe)の溶出量を、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)(株式会社島津製作所製 型式ICPE―9820)により測定した。鉄(Fe)の溶出量が少ないほど、耐食性に優れると判断できる。その結果、鉄の溶出量は、0.8重量ppmであった。
<<実施例24>>
クエン酸含有水溶液を用いた水洗を、100g/Lのクエン酸含有水溶液に代えて、1g/Lのクエン酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例22と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。また、耐食性試験について、実施例23と同様に評価を行ったところ、鉄の溶出量は、0.78重量ppmであった。
<<実施例25>>
クエン酸含有水溶液に代えて、リンゴ酸を20g/Lの濃度で含有するリンゴ酸含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例22と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。
<<実施例26>>
リンゴ酸含有水溶液を用いた水洗を、20g/Lのリンゴ酸含有水溶液に代えて、1g/Lのリンゴ酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例25と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。また、耐食性試験について、実施例23と同様に評価を行ったところ、鉄の溶出量は、0.75重量ppmであった。
<<実施例27>>
クエン酸含有水溶液に代えて、酒石酸を20g/Lの濃度で含有する酒石酸含有水溶液を使用して水洗を行った以外は、実施例22と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。
<<実施例28>>
酒石酸含有水溶液を用いた水洗を、20g/Lの酒石酸含有水溶液に代えて、1g/Lの酒石酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例27と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、同様に評価を行った。結果を表3に示す。また、耐食性試験について、実施例23と同様に評価を行ったところ、鉄の溶出量は、0.85重量ppmであった。
<<比較例3>>
クエン酸含有水溶液に代えて、特定処理剤を含有しないイオン交換水を使用して水洗を行った以外は、実施例22と同様にして、めっき膜形成ステンレス鋼材を得て、密着性試験およびめっきムラの確認について、同様に評価を行った。結果を表3に示す。また、耐食性試験について、実施例23と同様に評価を行ったところ、鉄の溶出量は、3.8重量ppmであった。なお、形成されためっき膜は、密着性が悪く、指でこするだけで剥離してしまうものであったため、抵抗測定を行うことができなかった。
Figure 2020079445
<実施例22〜28、比較例3の評価>
表3に示すように、特定の金属基材の表面に、特定処理剤を含有する特定処理剤含有水溶液を用いて、金属基材の表面を水洗し、このような水洗を行った後に、めっきを行うことでめっき膜を形成した場合には、得られるめっき膜のめっきムラの発生を低減でき、かつ、形成されるめっき膜を、密着性に優れたものとすることが可能であった(実施例22〜28)。
また、めっき膜として、Ni−P合金めっき膜を用いた場合には、形成されるめっき膜を、密着性に優れたものとすることに加え、Ni−P合金めっき膜を形成していない場合の接触抵抗値である200mΩと比較して、接触抵抗値も低いものとすることが可能であった(実施例22〜28)。
一方、特定処理剤を含有する特定処理剤含有水溶液に代えて、特定処理剤を含有しないイオン交換水を使用した場合には、得られるめっき膜のめっきムラの発生が顕著となり、また、形成されるめっき膜は、密着性にも劣るものであった(比較例3)。
また、金属基材として、鉄系金属基材を用いた場合には、形成されるめっき膜が密着性に劣ることにより、耐食性試験において塩酸水溶液に浸漬させた際、めっき膜が浮いてしまい、金属基材が露出してしまうことから、耐食性にも劣るものであった(比較例3)。
<<実施例29>>
銅系金属基材として銅板を準備した。次いで、銅板を、温度50℃に調整したアルカリ脱脂剤(商品名「フォーミュラー618−TK2」、日本クエーカーケミカル社製)の水溶液中に、2分間の条件にて浸漬させることで、脱脂を行った。次いで、温度70℃に調整した25体積%の硫酸水溶液中に、30秒間浸漬させることで、表面活性化処理を行った。
次いで、クエン酸含有水溶液を用いた水洗を、100g/Lのクエン酸含有水溶液に代えて、20g/Lのクエン酸含有水溶液を使用して行った以外は、実施例22と同様にして行い、めっき膜形成銅板を得た。そして、得られためっき膜形成銅板について、実施例22と同様に、密着性試験およびめっきムラの確認の評価を行った。結果を表4に示す。
<<比較例4>>
実施例29と同様にして、脱脂および表面活性化処理を行った銅板を準備した。次いで、クエン酸含有水溶液に代えて、特定処理剤を含有しないイオン交換水を使用して水洗を行った以外は、実施例1と同様にして、めっき膜形成銅板を得た。しかしながら、得られためっき膜形成銅板は、めっき膜が形成できていないものであったか、もしくは、形成しためっき膜が、形成後すぐに銅板から剥離してしまうものであった。そのため、得られためっき膜形成銅板について、密着性試験およびめっきムラの確認の評価を行うことができなかった。
Figure 2020079445
<実施例29、比較例4の評価>
表4に示すように、特定の金属基材の表面に、特定処理剤を含有する特定処理剤含有水溶液を用いて、金属基材の表面を水洗し、このような水洗を行った後に、めっきを行うことでめっき膜を形成した場合には、得られるめっき膜のめっきムラの発生を低減でき、かつ、形成されるめっき膜を、密着性に優れたものとすることが可能であった(実施例29)。
一方、特定処理剤を含有する特定処理剤含有水溶液に代えて、特定処理剤を含有しないイオン交換水を使用した場合には、めっき膜の密着性が非常に劣るものであり、金属基材の表面にめっき膜が形成できないか、もしくは、形成しためっき膜が、形成後すぐに金属基材から剥離してしまい、そもそもめっき膜形成金属基材を得ることができなかった(比較例4)。

Claims (6)

  1. 金属基材の表面をめっきする方法であって、
    ヒドロキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物、カルボキシル基含有有機化合物の塩、アンモニウム塩、およびハロゲン化塩から選択される少なくとも1種を含有する水溶液を用いて、前記金属基材の表面を水洗する水洗工程と、
    水洗を行った前記金属基材の表面に、めっきを行うめっき工程とを備え、
    前記金属基材が、鉄系金属基材、ニッケル系金属基材、銅系金属基材、および銀系金属基材から選択されるいずれかであるめっき方法。
  2. 前記金属基材の表面のめっきを、無電解めっきにより行う請求項1に記載のめっき方法。
  3. 前記無電解めっきを行う際における無電解めっき浴中の金属イオン濃度が1.0〜7.0g/Lである請求項2に記載のめっき方法。
  4. 前記金属基材が、鉄系金属基材である請求項1〜3のいずれかに記載のめっき方法。
  5. 前記鉄系金属基材が、ステンレス鋼である請求項4に記載のめっき方法。
  6. 前記金属基材を、硫酸水溶液、硝酸水溶液、硫酸を主とする混酸の水溶液、フッ酸水溶液、およびフッ化水素アンモニウム水溶液から選ばれる水溶液中に浸漬させることで、前記金属基材の表面活性化処理を行う表面活性化処理工程をさらに備え、
    前記水洗工程が、前記表面活性化処理を行った前記金属基材に対し、前記水溶液を用いた水洗を行う工程である請求項1〜5のいずれかに記載のめっき方法。
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