JP2020079200A - 高塩基性塩化アルミニウムの製造方法 - Google Patents

高塩基性塩化アルミニウムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 塩基度75%〜95%の高塩基性塩化アルミニウムの製造方法を提供する。【解決手段】 本願の高塩基性塩化アルミニウムの製造方法は、SO4含有量(モル比)0〜0.1、塩基度40%〜65%の塩基性塩化アルミニウム第一溶液を、アルカリ溶液と反応させアルミナゲルを生成させる第一工程と、第一工程で得られるアルミナゲルを、SO4含有量(モル比)0〜0.1、塩基度40%〜55%の塩基性塩化アルミニウム第二溶液に、40℃〜80℃で添加し溶解する第二工程と、第二工程で得られた溶液に炭酸アルカリを添加し塩基度75%〜95%の塩基性塩化アルミニウム第三溶液を得る第三工程と、第三工程で得られる第三溶液を、40℃〜90℃で熟成して熟成溶液を得る第四工程と、第四工程で得られる熟成溶液に硫酸塩を添加して、該熟成溶液のSO4含有量を(モル比)=0〜0.35に調製する第五工程と、を含む。【選択図】 なし

Description

本発明は、高塩基性塩化アルミニウムの製造方法に関する。
近年、飲料水中のアルミニウムに関して濃度規制が行われるようになり、世界保健機構(WHO)の飲料水水質ガイドラインでは、0.2mg/L、米国環境保護庁の安全飲料水法第二種飲料水規制では0.05〜0.2mg/L(暫定)、欧州連合の飲料水水質基準ではガイドレベルを0.05mg/L、最大許容濃度を0.2mg/Lと定めている。
一方、日本においても厚生労働省が定めた水道水質に関する基準の快適水質項目にAlが示され、その目標値を0.2mg/L以下と定めている。
河川水から飲料水とするためには、通常塩基性塩化アルミニウムによる浄水用凝集剤を使用することが多く、この塩基性塩化アルミニウムは、一般的に、加圧下で塩酸とアルミニウム水和物を反応させて、塩基性塩化アルミニウムとし、これに硫酸又は水溶性硫酸塩を添加し含硫酸塩塩基性塩化アルミニウム(PAC)が製造されている。塩基度は40%〜60%である。
また塩基度を上げ凝集性能を向上させる製法として、特許文献1(特許6186528)に開示されている方法がある。すなわち塩基性塩化アルミニウムにアルカリ(炭酸ナトリウム、アルミン酸ソーダなど)を加えゲル化させたのち、このゲルを塩基性塩化アルミニウム溶液に加え溶解して高塩基性塩化アルミニウムを得る方法である。この場合73%程度の高塩基度の塩基性塩化アルミニウム得られることが示されている。この方法を以下ゲル法と称する。
特許第6186528号公報
塩基度を上げ凝集性能を向上させた高塩基性塩化アルミニウム凝集剤は河川水の変動による凝集特性のバラつきが少ないという利点があり、塩基度を極限にまで高めることで残存Al等の低減が可能な凝集剤とすることが期待できるものの、特許文献1の発明では、塩基性塩化アルミニウムの塩基度を高めて行くときに、塩基度が75%を超えると急激に増粘するという問題点がある。
また最近では、飲料水の水質基準がさらに厳しくなり、有機成分の含有量ができるだけ小さく(E260の値により評価)、クリプトスポリジウム、ピコプランクトンなどの生物由来の微粒子(微粒子数の個数により評価)の値が極めて低いことが望まれている。
発明者らは、鋭意努力を重ね、前記アルミナゲル法の改良について検討した結果、アルミナゲル化に際しての原料の塩化アルミニウム第一溶液中のSOの含有量、アルミナゲルを溶解するための塩化アルミニウム第二溶液中のSOの含有量を、共にSO/Alのモル比で0〜0.1とすること、溶解後の塩基性塩化アルミニウム溶液に炭酸アルカリを添加し反応を完結させ塩基度を75%〜95%に高めること、これらの溶解熟成
を40℃〜80℃の加温下で行うこと、により、高塩基度にもかかわらず極めて安定した高塩基性塩化アルミニウム溶液が得られることを見出し、本発明を完成した。
そして、得られた高塩基性塩化アルミニウムを凝集剤として使用することにより、処理後の浄水中の残存Al濃度、微生物由来の微粒子数、および有機物の含有量を示すE260値を、いずれも顕著に低下させることに成功した。
本発明の目的は、このような高塩基性塩化アルミニウムの製造方法を提供することにある。
本発明は、(1)SO含有量(SO/Al(モル比))が0〜0.1であり塩基度40%〜65%の塩基性塩化アルミニウム第一溶液を、アルカリ溶液と反応させアルミナゲルを生成させる第一工程と、
(2)第一工程で得られるアルミナゲルを、SO含有量(SO/Al(モル比))が0〜0.1であり塩基度40%〜55%の塩基性塩化アルミニウム第二溶液に、40℃〜80℃で添加し溶解する第二工程と、
(3)第二工程で得られる溶液に炭酸アルカリを添加し塩基度75%〜95%の塩基性塩化アルミニウム第三溶液を得る第三工程と、
(4)第三工程で得られる第三溶液を、40℃〜90℃で熟成して熟成溶液を得る第四工程と、
(5)第四工程で得られる熟成溶液に硫酸塩を添加して、該熟成溶液中のSO含有量をSO/Al(モル比)=0〜0.35に調製する第五工程と、を包含することを特徴とする高塩基性塩化アルミニウムの製造方法である。
本発明により、製造される塩基性塩化アルミニウムは、組成が、M/Al(モル比)=0.8〜2.2(Mはアルカリ金属のモル数を示す)、E/Al(モル比)=0〜0.3(Eはアルカリ土類金属のモル数を示す)、Cl/Al(モル比)=1.0〜3.0、SO/Al(モル比)=0〜0.35であり、塩基度が75%〜95%の高塩基性塩化アルミニウムである。
本発明により、製造される塩基性塩化アルミニウムは、塩基性塩化アルミニウムの塩基度を75%〜95%にまで高めることができ、保存安定性にも優れ、凝集剤として使用することにより処理後の浄水中の残存Al、E260の値および微粒子数を共に顕著に減少させることが可能である。
本発明の高塩基性塩化アルミニウムは、
(1)SO含有量(SO/Al(モル比))が0〜0.1であり塩基度が40%〜65%の塩基性塩化アルミニウム第一溶液を、アルカリ溶液と反応させアルミナゲルを生成させる第一工程と、
(2)第一工程で得られるアルミナゲルを、SO含有量(SO/Al(モル比))が0〜0.1であり塩基度が40%〜55%の塩基性塩化アルミニウム第二溶液に、40℃〜80℃で添加し溶解する第二工程と、
(3)第二工程で得られる溶液に炭酸アルカリを添加し塩基度75%〜95%の塩基性塩化アルミニウム第三溶液を得る第三工程と、
(4)第三工程で得られる第三溶液を、40℃〜90℃で熟成して熟成溶液を得る第四工程と、
(5)第四工程で得られる熟成溶液に硫酸塩を添加して、該熟成溶液中のSO含有量をSO/Al(モル比)=0〜0.35に調製する第五工程を経ることにより製造することができる。
第一工程では、SO含有量(SO/Al(モル比))が0〜0.1であり塩基度が40%〜65%の塩基性塩化アルミニウム第一溶液を、アルカリ溶液と反応させアルミナゲルを生成させる。
この第一工程で用いる塩基性塩化アルミニウムの第一溶液は、特に限定されないが通常塩基度40%〜65%のものであり、既知の方法で製造されるものであればよく、たとえばオートクレーブ中で塩酸と水酸化アルミニウムとを反応させることにより製造することができる。
その1例をあげると、35%塩酸:649g、水酸化アルミニウム(含水率2.6%):325.3g、水:35.7gをオートクレーブ中で160℃、160分反応させて合成されるものである。
また、本発明において、第一工程で用いる原料のアルカリ溶液は、そのpHが10以上のアルカリ溶液であればよく、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどのアルミン酸アルカリ金属塩を含む溶液があげられる。炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アルカリ金属塩も使用することができる。
これらの内、水酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属塩を単独で用いる場合には、ナトリウムの含有量が多くなり、必然的に製品の塩基性塩化アルミニウム中に、塩化ナトリウムの量が多く含まれることになるので、アルミン酸アルカリ金属塩と併用することが好ましい。
アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどのアルミン酸アルカリ金属塩は、アルミナ分が塩基度向上に寄与し、所定の塩基度にするために必要なNa量を少なくし、反応による残留塩化ナトリウムの量を少なくすることができるので好ましい。また、アルミン酸アルカリのアルカリ金属とAlモル比は、1.0〜2.0のものが使用できる。
この塩基性塩化アルミニウム中には、前記アルカリ金属に加えて、アルカリ土類金属がAl1モルに対し0〜0.3モル、特に好ましくは0.02〜0.2モル含まれる。
またこの塩基性塩化アルミニウム中には、ClがAl1モルに対し1.0〜3.0モル、特に好ましくは2.0〜3.0モル含まれる。このClは、Alに結合しているClとアルカリ金属に結合しているClを合算したものである。1.0モル未満であっても、3.0モルを超えても塩基性塩化アルミニウムの安定性が悪くなるので好ましくない。
またこの塩基性塩化アルミニウム中には、SOがAl1モルに対し0〜0.35モル含まれる。このSOは凝集性に対し補助的に用いられ、水の種類によっては含まなくても可能である。
塩基性塩化アルミニウム中にMgなどアルカリ土類金属を含有させる方法としては、第一工程における塩基性塩化アルミニウム第1溶液に塩化マグネシウムなどと混合溶解する方法、第二工程における原料の塩基性塩化アルミニウム第2溶液に塩化マグネシウムなどとして混合溶解する方法をあげることができる。
SOを含有させる方法としては、第一工程における原料の塩基性塩化アルミニウム第一溶液にSO化合物などと混合溶解する方法、第二工程における原料の塩基性塩化アルミニウム第2溶液にSO化合物などとして混合溶解する方法が挙げられ、第二工程で得られる溶解液にSO化合物を添加してもよい。
SO化合物としては、硫酸バンド、硫酸アルカリ金属塩、硫酸アルカリ土類金属塩、硫酸などがあげられ、このうち、硫酸バンド、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムが好ましい。
ここで留意しなければならないのは、塩基性塩化アルミニウム溶液(第一溶液)にSOが含まれる場合、このSOの濃度は、Al1モルに対し0〜0.1モルである必要がある。0.1モルを超えた場合には第三工程以降で増粘し、ゲル化し易く、固化しやすくなるので好ましくない。
アルミナゲル生成に際しては、pHが10以上の前記アルカリ溶液に、前記第一溶液を添加して反応させる。アルミナゲル生成の初期状態においては、前記強アルカリ溶液に酸性の塩基性塩化アルミニウム第一溶液を添加することにより析出したアルミナゲルは速やかにアルカリ溶液に溶解する。
反応が進むとアルミナゲルを溶解したアルカリ溶液は、過飽和になり、アルミナゲルを析出するが、pH10以上の反応液中で混合して、アルミナゲルを調製することにより、
この析出アルミナゲルは酸に難溶性の結晶性アルミナゲルには成長せず易溶性アルミナゲルとなる。
また、前記アルカリ溶液と塩基性塩化アルミニウム第一溶液の混合時の温度を0〜40℃に維持することで、アルカリ環境下においても安定的にアルミナゲルを生成できる。更に、生成したアルミナゲルは、第二工程に移行する前に熟成することが好ましい。
この熟成により、第二工程での溶解がさらに容易になる。この熟成時の温度も0℃〜40℃が好ましい。混合・熟成時の温度が40℃を越えると、アルミナゲルのポリマー化が進みすぎ、出来上がりの塩基性塩化アルミが半透明の白く濁ったものになるため、好ましくない。熟成時間は、0〜2時間程度行うことが好ましい。
第二工程では、第一工程で得られるアルミナゲルを、SO含有量(SO/Al(モル比))が0〜0.1であり塩基度が40%〜55%の塩基性塩化アルミニウム第二溶液に、40℃〜80℃で添加し溶解する。この場合、アルミナゲル溶液に、前記第二溶液を添加してもよい。
前記第二溶液は、前記第一工程で用いる塩基性塩化アルミニウム第一溶液と同様にして製造したものを用いることができる。
さらに、第二工程で得られる溶解液は、溶解時および/または溶解後に50℃〜90℃で加温処理を行うことが好ましい。処理時間は、1〜3時間行う。この処理により、未溶解アルミナゲルを少なくすると共に塩基性塩化アルミニウムを安定化させ、保管時の析出沈降を防止することができる。
この塩基性塩化アルミニウム溶液(第二溶液)についても、SOが含まれる場合には、このSOの濃度は、第一溶液と同様、Al1モルに対し0〜0.1モルである必要がある。0.1モルを超えた場合には溶解後のアルミナゲルが再びゲル化し易く、固化し易くなるので好ましくない。特に塩基度が高くなると、この傾向が著しい。
第三工程では、第二工程で得られた溶液に炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アルカリを添加し、塩基度を75%〜95%とした塩基性塩化アルミニウム第三溶液を得る。
第四工程では、塩基性塩化アルミニウム第三溶液を50℃〜80℃の温度を維持した状態で2時間程度熟成をする。これにより安定化された塩基度75%〜95%の高塩基性塩化アルミニウムの熟成溶液を得ることができる。
次いで、熟成溶液に、硫酸塩を添加して、SO含有量が0〜0.35となるよう調整することにより、本発明の高塩基性塩化アルミニウムを製造することができる。
なお、SO含有量が前記範囲に足りない場合には、その必要量(第一、第二溶液にSOを一部含有している場合には必要量からその量を差し引いた量)を添加して、高塩基性塩化アルミニウムとする。またマグネシウム含ませる場合には、前記のとおり、いずれかの工程に塩化マグネシウムの形態で添加するのが好ましい。
硫酸塩としては、硫酸バンド、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどを使用することができる。
本発明の製造方法により、製造される高塩基性塩化アルミニウムは、組成が、M/Al(モル比)=0.8〜2.2(Mはアルカリ金属のモル数を示す)、E/Al(モル比)=0〜0.3(Eはアルカリ土類金属のモル数を示す)、Cl/Al(モル比)=1.0〜3.0、SO/Al(モル比)=0〜0.35であり、塩基度が75%〜95%である高塩基性塩化アルミニウムである。
前記高塩基性塩化アルミニウムにおいて、高塩基性塩化アルミニウム中のアルカリ金属は、Al1モルに対し、0.8〜2.2モル、好ましくは1.3〜1.9モル含まれる。アルカリ金属が、Al1モルに対し0.8モル未満では、残存Al、E260および微粒子数の低減効果が十分には得られず、また、2.2モルを超えると増粘して製造困難となる。
前記高塩基性塩化アルミニウムにおいて、Mで示されるアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウムなどがあげられ、カリウム、ナトリウムが好ましい。
また、高塩基性塩化アルミニウム中のアルカリ土類金属は、Al1モルに対し、0〜0.3モル、好ましくは0.02〜0.2モル含まれる。アルカリ土類金属はAl1モルに対しこのアルカリ土類金属は、ケイ素化合物との相乗効果により、さらに凝集性を高める効果がある。アルカリ土類金属はAl1モルに対し0.3モルを超えると効果は飽和する。
また、前記高塩基性塩化アルミニウムにおいて、Eで示されるアルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどがあげられ、マグネシウム、カルシウムが好ましい。
また、前記高塩基性塩化アルミニウムにおいて、高塩基性塩化アルミニウム中のClは、Al1モルに対し、1.0〜3.0モル、好ましくは2.0〜3.0モル含まれる。このClは、Alに結合しているClとアルカリ金属に結合しているClを合算したものである。塩基度が高くなるほど、Alに結合しているClが少なくなり、アルカリ金属に結合しているClが多くなる。
また、前記高塩基性塩化アルミニウムにおいて、高塩基性塩化アルミニウム中のSOは、Al1モルに対しSOを0〜0.35モル、好ましくは0.05〜0.25モル含まれる。
前記高塩基性塩化アルミニウムにおいては、SO(硫酸根)は、河川の種類によっては含まなくても可能である。SOは凝集性を高くする効果があるが、残留Alの低減効果についてはマイナスの効果があり、残留Alの低減を目的とする場合は、できるだけ少ない方が良い。
前記高塩基性塩化アルミニウムにおいて、アルカリ土類金属は、前記のとおり、ケイ素化合物との相乗効果により、さらに凝集性を高めることができ、特にSOによる凝集性が必要な河川水に対しては、マグネシウム、ケイ素と組合せることによりSOの含有量を減らすことが可能となるので、アルカリ土類金属とケイ素化合物とを併用することが好ましい。
ケイ素化合物は、高塩基性塩化アルミニウム中に、ケイ素としてAl1モルに対し0.001〜0.1モル、好ましくは0.01〜0.05モル含まれる。
ケイ素は凝集性を高めると共に特に高濁度での処理水に効果がある。0.001モルより少ないと、凝集性に改善が認められず、0.1モルを超えても効果が飽和するので好ましくない。
前記高塩基性塩化アルミニウムの塩基度は、75%〜95%であり、好ましくは80%〜90%であり、本発明では高塩基度の塩基性塩化アルミニウムが可能である。
また、前記高塩基性塩化アルミニウムは、水にAl換算で8重量%〜12重量%含むようにして、水処理用凝集剤組成物とすることができる。
前記水処理用凝集剤組成物は、前記高塩基性塩化アルミニウムを水にAl換算で8重量%〜12重量%、好ましくは10重量%〜11重量%含み、使用する河川水やその他の採水される水の水質によって適宜濃度を変更することができる。
さらに、前記水処理用凝集剤組成物は、種々の添加剤を使用することもでき、添加剤としては凝集作用を阻害せず、凝集処理がなされた処理水の飲用に支障のないものであれば、特に限定されない。
具体的な添加剤としては、例えば高分子凝集剤、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムなどがあげられる。
本発明の水処理用凝集剤組成物は、高塩基性塩化アルミニウムを水に所定の濃度となるように添加、混合することにより使用することができる。
本発明の水処理用凝集剤組成物は、凝集剤として使用すると、処理後の処理水中の残存Al、E260および微粒子数は顕著に減少する。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例によっ
て限定されるものではない。
実施例1
アルミン酸ナトリウム溶液(Al換算19.7%、NaO換算20.2%)109.0gと、ケイ酸ナトリウム溶液(SiO換算28%、NaO換算10%)7.0gを混合した。
これに塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度49.7%、Al濃度19.1%、SO濃度0%)126.7gを混合し、アルミナゲルを生成した。その後、このアルミナゲルを室温で0.25〜2時間熟成し、さらに塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度49.7%、Al濃度19.1%、SO濃度0%)281.1gを添加し溶解した。
この溶液を40℃〜80℃で60〜180分熟成し、炭酸ナトリウム28.4gを添加して塩基度を高めた。さらにこの塩基性塩化アルミニウム溶液を40℃〜90℃で60〜240分間熟成した。
その後、液体硫酸バンド(Al8.0%、SO22.3%)30.8gと塩化マグネシウム6水和物12gを添加し、最終的に塩基度80.5%の高塩基性塩化アルミニウム溶液(Al10.3%)を得た。
得られた高塩基性塩化アルミニウムの組成は、Si/Al(モル比)=0.03、Na/Al(モル比)=1.3、Mg/Al(モル比)=0.06、Cl/Al(モル比)=2.7、SO/Al(モル比)=0.07であり、得られた高塩基性塩化アルミニウムは、ほとんど増粘せず保存安定性も非常に良好であった。
この高塩基性塩化アルミニウムについて、河川水を用いて、凝集剤としての性能を下記の試験条件により評価した。組成を表1に、結果は表2に示す。
<試験条件>
ビーカーに河川水1リットルを入れ、急速攪拌(100rpm:64cm/sec)しながら高塩基性塩化アルミニウムを添加し、引き続き上記条件と同じ急速攪拌1分、緩速攪拌(60rpm;38cm/sec)を10分行い、10分間静置し、上澄液をサイホンにて採取し、濁度、残留アルミ濃度、E260(紫外部吸光度:トリハロメタン除去率) 、微粒子数を求めた。
また、高塩基性塩化アルミニウムを50℃のウォーターバスに保管して、保存安定性を目視にて確認した。
<測定方法>
濁度:前記上澄み液を試料として、濁度計(日本電色工業株式会社製、WA−6000)を用いて測定した。
残留アルミニウム濃度:前記上澄み液を試料として、0.5μmのろ紙(アドバンテック東洋株式会社製 GC-90)を用いてろ過したろ液をICP発光分光法を用いて測定
した。ICP発光分光分析装置は、VARIAN製ICP−OES、SPS5000を用いた。
E260:前記上澄み液を試料として、0.5μmのろ紙(アドバンテック東洋株式会社
製 GC-90)を用いてろ過したろ液を、光路長1cmの石英ガラスセルを用いて分光
光度計(株式会社島津製作所 UV−2400PC)にて波長260nmの吸光度を測定した。
微粒子数:高感度濁度計(日本電色工業株式会社製 NP−6000T)を用いて測定した。
<評価>
濁度は測定値で評価した。保存安定性は50℃のウォーターバスに保管して、目視で評価した。残存アルミニウム濃度、E260および微粒子数は測定値で評価した。
実施例2
実施例1のケイ酸ナトリウム溶液、塩化マグネシウム6水和物および液体硫酸バンドを添加せず、他は実施例1と同様にして高塩基性塩化アルミニウムを得た。組成は表1に示す。また実施例1と同様に試験をして評価した。結果を表2に示す。
実施例3
実施例1における炭酸ナトリウムを、60.6g添加する以外は、実施例1と同様にして塩基度90%の高塩基性塩化アルミニウムを得た。組成は表1に示す。また実施例1と同様に試験をして評価した。結果を表2に示す。
実施例4
実施例3の第五工程にて、不足分のSOを添加するため、硫酸ナトリウムを26.6g添加する以外は、実施例3と同様にして高塩基性塩化アルミニウムを得た。組成は表1に示す。また実施例1と同様に試験をして評価した。結果を表2に示す。
実施例5
実施例1の炭酸ナトリウムを14.5g添加する以外は、実施例1と同様にして、塩基度を75.5%の高塩基性塩化アルミニウムを得た。組成は表1に示す。また実施例1と同様に試験をして評価した。結果を表2に示す。
実施例6
アルミン酸ナトリウム溶液(Al換算19.7%、NaO換算20.2%)110.7gと、基性塩化アルミニウム溶液(塩基度49.7%、Al濃度19.1%、SO濃度0%)128.7gを混合し、アルミナゲルを生成した。その後、このアルミナゲルを室温で0.25〜2時間熟成し、さらに塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度49.7%、Al濃度19.1%、SO濃度0%)273.8gを添加し溶解した。この溶液を40℃〜80℃で60〜180分熟成し、炭酸ナトリウム14.5gを添加して塩基度を高めた。
さらにこの塩基性塩化アルミニウム溶液を40℃〜90℃で60〜240分間熟成した。その後、液体硫酸バンド(Al8.0%、SO22.3%)39.7gを添加し、最終的に塩基度75.5%の高塩基性塩化アルミニウム溶液(Al10.2%)を得た。また実施例1と同様に試験をして評価した。結果を表2に示す。
比較例1
実施例1の高塩基性塩化アルミニウムに代えて、市販(朝日化学工業株式会社製)のPAC(Al:10.3%、塩基度:52%、SO:2.6%(SO/Al(モル比)=0.27)を実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
比較例2
アルミン酸ナトリウム溶液(Al換算19.7%、NaO換算20.2%)109.0gと、ケイ酸ナトリウム溶液(SiO換算28%、NaO換算10%)7.0gを混合した。
これに塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基性塩化アルミニウム、塩基度52%、Al10.3%、SO2.6%、Cl11.4%)231.4gを混合し、アルミナゲルを生成した。
ついで、このアルミナゲルを室温で0.25〜2時間熟成し、さらに塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度49.7%、Al19.1%)290.9g、液体硫酸バンド(Al8.0%、SO22.3%)5.3gおよび塩化マグネシウム6水和物12gを添加し溶解した。
この溶液を30℃〜50℃で90分間熟成し、塩基度71%の高塩基性塩化アルミニウム溶液(Al10.3%)を実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
比較例3
金属アルミニウム片45.5gを塩酸(35.6%)94.6gで溶解させて、塩基性塩化アルミニウム溶液(塩基度83.3%、Al23.1%)402.4gを得た。
これに、液体硫酸バンド112.1gを添加して混合した。その後、炭酸ナトリウムを13.0g添加して、80℃で120分間溶解熟成させ、塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。
得られた高塩基性塩化アルミニウムの組成は、Na/Al(モル比)=0.3、Cl/Al(モル比)=0.9、SO/Al(モル比)=0.26であった。組成は表1に示すが、50℃での安定性が悪く、また評価での濁度が1以上となり、使用できるものではなかった。
比較例4
比較例2の液体硫酸バンド添加前までに炭酸ナトリウムを7g添加して、熟成温度を65℃とした以外は、実施例2と同様にして、塩基度73.5%の高塩基性塩化アルミニウムを得た。この溶液を実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。

Claims (1)

  1. (1)SO含有量(SO/Al(モル比))が0〜0.1であり塩基度40%〜65%の塩基性塩化アルミニウム第一溶液を、アルカリ溶液と反応させアルミナゲルを生成させる第一工程と、
    (2)第一工程で得られるアルミナゲルを、SO含有量(SO/Al(モル比))が0〜0.1であり塩基度40%〜55%の塩基性塩化アルミニウム第二溶液に、40℃〜80℃で添加し溶解する第二工程と、
    (3)第二工程で得られた溶液に炭酸アルカリを添加し塩基度75%〜95%の塩基性塩化アルミニウム第三溶液を得る第三工程と、
    (4)第三工程で得られる第三溶液を、40℃〜90℃で熟成して熟成溶液を得る第四工程と、
    (5)第四工程で得られる熟成溶液に硫酸塩を添加して、該熟成溶液のSO含有量をSO/Al2O3(モル比)=0〜0.35に調製する第五工程と、
    を包含することを特徴とする高塩基性塩化アルミニウムの製造方法。
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