JP4953458B2 - 新規な塩基性塩化アルミニウム及びその製造方法並びにその用途 - Google Patents

新規な塩基性塩化アルミニウム及びその製造方法並びにその用途 Download PDF

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Description

本発明は、水処理用凝集剤等に使用する塩基性塩化アルミニウムにおいて、凝集性能に優れ、且つ秀抜した有機物の除去性能を有する新規な塩基性塩化アルミニウム及びその製造方法並びにその用途に関する。
近年、浄水処理や排水処理の分野では、濁質を除去するだけでなく、水中に溶解している各種の有機物から発生する臭いや有機物と消毒剤である次亜塩素酸ソーダとの反応によって生成するトリハロメタンなどの副生産物の低減、あるいは膜処理モジュールの膜閉塞の原因となる低分子量有機物の除去など、各種の有機物の除去が求められている。
このような状況下で、現在使用されている無機の水処理用薬剤としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩基性塩化アルミニウムなどのアルミ系凝集剤や、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などの鉄系凝集剤などが用いられている。
これら凝集剤の中で、鉄系凝集剤は、凝集性能が優れ、有機物の除去性能も高い特徴を有するが、不純物として原料由来のMnやその他の重金属類を含有していたり、凝集沈殿処理で発生するスラッジが酸化鉄由来の茶色に着色するなどの理由から規制が厳しい浄水処理の分野ではほとんど使用されず、主に排水処理の分野で使用されている。また、排水処理の分野でも、重金属類の混入やスラッジの着色が問題になる場合などは、アルミ系凝集剤が使用されている。
一方、浄水処理の分野では上記問題のない凝集剤として硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウムなどのアルミ系凝集剤が広く利用されており、その中でも塩基性塩化アルミニウムは、特に凝集性能に優れ、高い除濁性を示すことから浄水処理の主力薬剤となっている。
現在、最も優れた凝集性能を持つとされている日本水道協会規格の塩基性塩化アルミニウムに於ける塩基度規格は45〜65%であり、市販品は塩基度49〜60%の範囲内にある。
このような塩基性塩化アルミニウムの性能向上を目指して塩基度を高くするなどの数多くの改良検討が実施されているが、有機物の除去性能を向上できる技術は無かった。
例えば、凝集沈殿処理後の残留アルミニウム濃度を低減させるために塩基度が高い塩基性塩化アルミニウムの製造方法として特公平7−10727号公報には、常圧法に於いてアルミニウムイオンと塩素イオンと硫酸イオンを含む水溶液を調整する(a)段階と、この水溶液をアルカリ土類金属化合物と接触させる(b)段階と、アルカリ土類硫酸塩を除去する(c)段階とによって構成される塩基性クロロスルホン酸アルミニウムの製造方法が開示されている。(特許文献1参照)
しかしながら、この方法で製造された高塩基性塩化アルミニウムは、残留アルミニウム濃度を低減できるが、有機物の除去性能は従来の塩基性塩化アルミニウムとほぼ同等で、性能向上は見られない。
上述のように、塩基性塩化アルミニウムは各種の技術改良が試みられ、凝集性能の改善、貯蔵安定性の向上あるいは残留アルミニウム濃度の低減などの技術改良は成されてきたが、塩基性塩化アルミニウムの有機物除去性能を向上させる技術は無かった。
このように、今後規制の強化が予想され、また浄水処理においてはカビ臭や味などの観点から消費者から嫌われている原水に含有される有機物の除去は、従来から塩基性塩化アルミニウムに強く要望されていながら、これまで有効な解決方法を見出せない状況にあった。
特公平7−10727号公報
上述したように、従来の方法では有機物の除去性能に優れた塩基性塩化アルミニウムの製造方法が見出されていない。そこで本発明者らは、上述の各種製法で製造される塩基性塩化アルミニウムについて、塩基度、製造時の温度、アルミニウム原料、原料の添加速度、添加順序、塩基度を上げるために使用されるアルカリ剤の種類などについて鋭意検討を重ねた結果、塩基性塩化アルミニウムで有機物の除去率を向上させるためには、組成Al濃度5〜17%、Cl/Al(モル比)=1.80〜3.60、SO/Al(モル比)=0〜0.35でかつ塩基度40〜63%の塩基性塩化アルミニウム溶液に、85℃以下の温度下でアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の化合物を添加した後、65〜85℃で、0.5〜2時間熟成を行うことにより、有機物の除去率が格段に優れた塩基性塩化アルミニウムを製造できること発見した。
本発明は、これらの知見に基づきなされたものであって、塩基性塩化アルミニウムの優れた凝集性を保持し、且つ秀抜した有機物の除去性能を有する塩基性塩化アルミニウムを製造することを目的とする。
即ち、本発明は、組成M/Al(モル比)=0.08〜1.40(但し、Mはアルカリ金属のモル数および/又はアルカリ土類金属のモル数の2倍のモル数を表す。)、Cl/Al(モル比)=1.50〜2.80及びSO/Al(モル比)=0.10〜0.35である塩基性塩化アルミニウムに於いて、下記の条件での27Al−NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有することを特徴とする新規な塩基性塩化アルミニウムに関する。
更に、本発明は組成Al濃度5〜17%、Cl/Al(モル比)=1.80〜3.60、SO/Al(モル比)=0〜0.35でかつ塩基度が40〜63%の塩基性塩化アルミニウム溶液に、85℃以下の温度下でアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の化合物を添加した後、65〜85℃で、0.5〜2時間熟成を行うことを特徴とする新規な塩基性塩化アルミニウムの製造方法に関する。
本発明の新規な塩基性塩化アルミニウムは、優れた凝集性と、且つ秀抜した有機物の除去性能を有するため、殊に浄水の水処理剤として有用である。
本発明の塩基性塩化アルミニウムは、組成M/Al(モル比)=0.08〜1.40(但し、Mはアルカリ金属のモル数および/又はアルカリ土類金属のモル数の2倍のモル数を表す。)、Cl/Al(モル比)=1.50〜2.80及びSO/Al(モル比)=0.10〜0.35である塩基性塩化アルミニウムに於いて、下記の条件での27Al−NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有する塩基性塩化アルミニウムである。なお、下記のNMR測定条件(以下、所定のNMR測定条件と云う。)を示す。
<NMR測定条件>
装置 :核磁気共鳴分光光度計
試料希釈倍率:希釈なし
温度 :室温
プローブ :5mmφ
測定モード :逆ゲーテッドカップリング照射定量測定
共鳴周波数 :103MHz
パルス幅 :0.410秒
パルス繰返し:5.41秒
積算回数 :1024回
ケミカルシフト基準:外部基準法で、3mol/L硝酸アルミニウム溶液中のAl(HO) 3+を0ppmとする。
次に、本発明の塩基性塩化アルミニウムの物理的性質について述べると、本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液に含まれるAl濃度は水処理凝集剤としての実用性を考慮すると濃度が高い方がよく、10%以上が好ましいが特にこれに限定されるものではない。
まず、本発明のM/Al(モル比)は0.08〜1.40の範囲(但し、Mはアルカリ金属のモル数および/又はアルカリ土類金属のモル数の2倍のモル数を表す。)であって、この範囲以下では有機物除去性能が低下する。また、この範囲を超えると貯蔵安定性が悪くなる。より好ましいM/Al(モル比)の範囲は0.2から1.2である。
次に、Cl/Al(モル比)は1.50〜2.80の範囲であり、この範囲を下廻ると、本発明の塩基性塩化アルミニウムの製造が困難になったり、例え製造できたとしても、凝集性が低下する。一方、この範囲を超えると本発明の塩基性塩化アルミニウムを得るために必要となる上述のアルカリ金属またはアルカリ土類金属が多くなりすぎるため貯蔵安定性が低下する。より好ましいCl/Al(モル比)の範囲は1.80〜2.60である。
SO/Al(モル比)については0.10〜0.35の範囲であり、この範囲を下廻ると凝集性が低下し、逆にこの範囲を上廻ると得られる塩基性塩化アルミニウムの貯蔵安定性が著しく低下する。より好ましいSO/Al(モル比)の範囲は0.15 〜0.30である。
上述のような、本発明の塩基性塩化アルミニウムの塩基度は、概ね65〜75%の範囲となる。
ところで、本発明の新規な塩基性塩化アルミニウムは上記の物理的性質に加えて、所定のNMR測定条件によって得られる27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有する。
このような物理的性質を有する本発明の新規なる塩基性塩化アルミニウムの製造方法について述べると、まず、組成M/Al(モル比)=0.08〜1.40(但し、Mはアルカリ金属のモル数および/又はアルカリ土類金属のモル数の2倍のモル数を表す。)、Cl/Al(モル比)=1.50〜2.80及びSO/Al(モル比)=0.10〜0.35の塩基性塩化アルミニウムを製造する第一工程と、第一工程で製造された塩基性塩化アルミニウムを一定の温度範囲で一定時間熟成する第二工程に分けられる。
また、この第一工程は、通常は2つの段階に分けられる。即ち、(1)組成Al濃度5〜17%、Cl/Al(モル比)=1.80〜3.60、SO/Al(モル比)=0〜0.35でかつ塩基度が40〜63%の塩基性塩化アルミニウム溶液(以下、調整前の塩基性塩化アルミニウムと云う。)を製造する第一段階と、(2)この調整前の塩基性塩化アルミニウムに85℃以下の温度下でアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の化合物を添加し、また、必要に応じてアルミニウム原料を添加して、組成M/Al(モル比)=0.08〜1.40(但し、Mはアルカリ金属のモル数および/又はアルカリ土類金属のモル数の2倍のモル数を表す。)、Cl/Al(モル比)=1.50〜2.80及びSO/Al(モル比)=0.10〜0.35となる塩基性塩化アルミニウム(以下、熟成前の塩基性塩化アルミニウムと云う。)を製造する第二段階である。
第一工程の調整前の塩基性塩化アルミニウムを製造する第一段階は、公知のいかなる製造方法を用いてもよい。
通常、塩基性塩化アルミニウムを製造するために使用される方法、例えば、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物をオートクレーブ中で塩酸で溶解し、Cl/Al(モル比)=3.00〜3.60、塩基度40〜50%の調整前の塩基性塩化アルミニウムを製造する方法等を利用することができる。
その他、第一工程の第一段階の調整前の塩基性塩化アルミニウムを製造する公知の製造方法例を挙げれば、
(1)金属アルミニウムを塩酸や塩化アルミニウムに溶解する方法(特公昭49−47639号公報等)
(2)アルミニウム含有物質を塩酸などの1価の酸と硫酸との混酸で分解後、硫酸イオンを不溶性沈殿物として除去する方法(特公昭44−24883号公報,特公昭45−6687号公報等)
(3)水酸化アルミニウムなどのアルミニウム含有物質を硫酸で溶解後この溶液に塩化カルシウムと炭酸カルシウムを添加し、不溶化した硫酸カルシウムを分離する方法(特開昭48−50998号公報等)
(4)予め酸易溶解性のアルミナゲルを製造し、このアルミナゲルを塩酸や塩化アルミニウムあるいは塩基性塩化アルミニウムと混合・溶解する方法(特公昭50−5159号,特公昭45−38121号公報,特開平7−172824号公報等)
などが挙げられる。なお、SOは硫酸や硫酸アルミニウムなどで調整する。これらの製造方法の特徴を簡単に述べれば、
(1)の金属アルミニウムを塩酸や塩化アルミニウムに溶解する方法では、塩酸や塩化アルミニウムに対して過剰の金属アルミニウムを溶解する必要があるため、溶解時間が長くなる。このため溶解温度を高くした方が良いが、凝集性の良い塩基性塩化アルミニウムとするためには、溶解温度が高くなり過ぎるのは好ましくなく、両者のバランスを取りながら製造する事が肝要である。この製造方法で製造できる塩基性塩化アルミニウムは、概ねAl濃度10〜23%、組成Cl/Al(モル比)=1.00〜3.60で、塩基度が40〜80%程度の塩基性塩化アルミニウム溶液である。なお、Cl/Al(モル比)に関しては、2以上になるように製造すればよい。
(2)のアルミニウム含有物質を塩酸などの1価の酸と硫酸との混酸で分解後、硫酸イオンを不溶性沈殿物として除去する方法は、加圧装置などを必要とせず、比較的短時間で製造する事ができるが、硫酸イオンを不溶性塩として除去する際の固液分離が重要で、緻密なろ過をしないと製品中に不溶性の硫酸化合物が残り安定性を損ねる。この製造方法で製造できる塩基性塩化アルミニウムは、概ねAl濃度10〜11%、組成Cl/Al(モル比)=2.00〜2.50で、SO/Al(モル比)=0.10〜0.30、塩基度が45〜60%程度の塩基性塩化アルミニウム溶液である。
(3)の水酸化アルミニウムなどのアルミニウム含有物質を硫酸で溶解後この溶液に塩化カルシウムと炭酸カルシウムを添加し、不溶化した硫酸カルシウムを分離する方法についても概ね(2)の方法と同様の点に注意する必要がある。この製造方法で製造できる塩基性塩化アルミニウムは、概ねAl濃度10〜11%、組成Cl/Al(モル比)=2.50〜3.50で、SO/Al(モル比)=0.10〜0.20、塩基度が45〜55%程度の塩基性塩化アルミニウム溶液である。
(4)の予め酸易溶解性のアルミナゲルを製造し、このアルミナゲルを塩酸や塩化アルミあるいは塩基性塩化アルミニウムと混合・溶解する方法においても、凝集性の良い塩基性塩化アルミを製造するためには、やはりアルミナゲルを溶解する際の温度が重要である。温度が高いと溶解は容易であるが、先に述べた様な理由から凝集性が犠牲になってしまう。両者のバランスを取りながら製造する必要がある。この製造方法で製造できる塩基性塩化アルミニウムは、概ねAl濃度10〜14%、組成Cl/Al(モル比)=2.00〜3.50で、SO/Al(モル比)=0.15〜0.30、塩基度が45〜70%程度の塩基性塩化アルミニウム溶液である。
以上のような公知の製造方法を用いて第一工程の第一段階で調整前の塩基性塩化アルミニウム溶液を製造する。そして、次に第一工程の第二段階として調整前の塩基性塩化アルミニウムから、熟成前の塩基性塩化アルミニウムを製造する。
例えば第一工程の第一段階で、先述のオートクレーブを用いて製造されたCl/Al(モル比)=3.00〜3.60、塩基度40〜50%の調整前の塩基性塩化アルミニウムから第二段階の熟成前の塩基性塩化アルミニウムを製造する場合は次のようにして製造する。
まず、第一段階でオートクレーブを用いて製造された調整前の塩基性塩化アルミニウムは、Cl/Al(モル比)が高いために、Cl/Al(モル比)が1.50〜2.80になるようにアルミニウム原料を添加溶解する。即ち、先述の特開平7−172824号公報に記載の如く硫酸アルミニウムや塩化アルミニウムをアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物や炭酸塩で中和し、生成した中和物を洗浄することにより得られる公知のアルミナゲル(水酸化アルミニウムゲル)や塩基度80%以上の高塩基性塩化アルミニウムなどのアルミニウム原料を添加溶解してCl/Al(モル比)が1.50〜2.80になるように調整する。その後、硫酸あるいは硫酸アルミニウムなどの硫酸塩をSO/Al(モル比)=0.10〜0.35になるように添加し、その後、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の化合物をM/Al(モル比)=0.08〜1.40(但し、Mはアルカリ金属のモル数および/又はアルカリ土類金属のモル数の2倍のモル数を表す。)になるように添加すれば熟成前の塩基性塩化アルミニウム溶液を製造することができる。
この第一工程の第二段階の反応条件としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の化合物を添加する際の温度が85℃以下の温度下ということである。添加・反応時に温度が85℃を超えると最終的に製造される本発明の新規な塩基性塩化アルミニウム溶液の貯蔵安定性が悪くなる。
また、このとき使用できるアルカリ金属やアルカリ土類金属の化合物としては水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などが使用できる。さらに具体的に述べると、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウムなどが挙げられ、最も好ましいのは炭酸ナトリウム、炭酸カリウムである。
以上が第一段階でオートクレーブを用いて製造された調整前の塩基性塩化アルミニウムから第二段階の熟成前の塩基性塩化アルミニウムを製造する一例である。
このように、第一工程の第一段階で公知の方法で得られた調整前の塩基性塩化アルミニウムの組成が、Cl/Al(モル比)=2.80以上の場合はアルミニウム原料を撹拌しながら添加溶解してCl/Al(モル比)が1.50〜2.80になるように調整する。また、同様に必要に応じて硫酸あるいは硫酸アルミニウムなどの硫酸塩をSO/Al(モル比)=0.10〜0.35になるように添加し、その後、85℃以下の温度下で、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の化合物をM/Al(モル比)=0.08〜1.40(但し、Mはアルカリ金属のモル数および/又はアルカリ土類金属のモル数の2倍のモル数を表す。)になるように添加すれば、第一工程の第二段階の熟成前の塩基性塩化アルミニウム溶液を製造することができる。
以上のような方法で熟成前の塩基性塩化アルミニウムは製造できるが、この第一工程で得られる熟成前の塩基性塩化アルミニウムの塩基度は概ね65〜75%となる。
また例えば、先述の、酸易溶解性のアルミゲルを製造し、このアルミゲルを塩酸で溶解させる、ような製造方法を用いる場合に、製造したアルミナゲル、所謂活性なアルミナゲルに炭酸ナトリウムなどのアリカリ金属化合物あるいはアルカリ土類金属化合物を、予めM/Al(モル比)=0.08〜1.40(但し、Mはアルカリ金属のモル数及び/又はアルカリ土類金属のモル数の2倍のモル数を表す。)になるように配合しておき、これに塩酸と硫酸の混合液を、Cl/Al(モル比)=1.50〜2.80、SO/Al(モル比)=0.10 〜0.35になるように撹拌しながら徐々に添加し、85℃以下の温度下で反応させれば、第一工程の第一段階と第二段階を同時に行うことができる。
このようにして第一工程で得られる熟成前の塩基性塩化アルミニウムは、水処理凝集剤としての凝集性能が優れることや凝集処理後に残存する残留アルミニウム濃度が低いなどの性能を発揮できることが知られていたが(特許文献1参照)、実際には、熟成前の塩基性塩化アルミニウムは液の粘度が高く使用困難であったり、貯蔵安定性が極めて短い、などのために実際に使用されることが無かった。また、このような塩基性塩化アルミニウムは、有機物の除去性能において、市販されている塩基性塩化アルミニウム(塩基度65%以下) との有意差が認められなかったことも使用されなかった一因である。
次に、本発明の特徴である第二工程では、第一工程で製造された熟成前の塩基性塩化アルミニウム溶液を65〜85℃の温度で加熱熟成を行う。このときの熟成時間と熟成温度のおよその関係を述べれば、例えば65℃で熟成するのであれば2時間、70℃であれば1時間、85℃の場合は30分の熟成を行う。但し、組成あるいは含有される硫酸イオン濃度などが異なると各温度での最適な熟成時間が若干異なるため、製造する組成を決めた上で所定のNMR測定条件で27Al―NMRスペクトルに所定のピークが得られるように最適な熟成温度と時間を決定すればよい。
本発明の新規な塩基性塩化アルミニウムは、上述の如く溶液として製造されるが、熱風乾燥機等の乾燥機を利用し常法に従って乾燥し粉末として利用することもできる。
本発明の新規な塩基性塩化アルミニウムが持つ優れた有機物除去性能が発現するメカニズムは定かではないが、前述のように本発明の新規な塩基性塩化アルミニウムは、27Al―NMRスペクトルの所定の位置に特定のピークが見られることから、含有されるアルミニウムの形態が従来の塩基性塩化アルミニウムに含有されるアルミニウムの形態から変化していると考えられる。一般的に塩基性塩化アルミニウム溶液のアルミニウムは多核錯体を形成しているといわれているが、本発明の塩基性塩化アルミニウムのアルミニウム形態を調査するために各種の物性測定を行った。
まず、水酸化アルミニウムを塩酸と硫酸の混酸で溶解し、これに炭酸カルシウムを加えて硫酸カルシウムを除去する方法で、組成(Caのモル数×2)/Al(モル比)=0.16、Cl/Al(モル比)=2.3、SO/Al(モル比)=0.29、Al濃度=約12%の塩基性塩化アルミニム(塩基度54.8%)を製造した(以下、(A)と云う。)。製造時の反応温度は80℃であった。これを水で希釈することによりAl濃度=10.2%の通常市販されている塩基性塩化アルミニムを製造した(以下、市販相当品の塩基性塩化アルミニウムと云う。)。この市販相当品の塩基性塩化アルミニウムは、所定のNMR測定条件で27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppmと3−5ppmにはピークを有したが、6−14ppm、50−65ppmにピークを有することは無かった。
次に、上述の(A)を75℃にして撹拌しながら、21%炭酸ナトリウム溶液を約40分かけて添加したもの(以下、(B)と云う。)を、添加後75℃で1時間熟成させ、組成(Naのモル数+Caのモル数×2)/Al(モル比)=1.10、Cl/Al(モル比)=2.3、SO/Al(モル比)=0.29、Al濃度=10.5%の塩基性塩化アルミニム(塩基度70.1%)を製造し、これを水で希釈することによりAl濃度=10.2%の本発明の新規な塩基性塩化アルミニウムとした(以下、本発明品の塩基性塩化アルミニウムと云う。)。この本発明品の塩基性塩化アルミニウムは所定のNMR測定条件において27Al―NMRスペクトルがケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有した。
次に、市販相当品の塩基性塩化アルミニウムの粒度分布を動的散乱光法で測定したところ、一次粒子径と二次粒子径は、それぞれ14〜18nm、1100〜1300 nmであったのに対し、同一条件で測定した本発明品の塩基性塩化アルミニウムの一次粒子径と二次粒子径は、それぞれ20〜24nm、1350〜1550nmと、一次粒子、二次粒子とも大きくなっており、本発明の塩基性塩化アルミニウムの方が粒子径が大きくアルミニウムの多核化が進んでいることを示した。
また、静的散乱光法による分子量測定でも、粒度分布測定に用いたのと同じ試料を用いて測定したところ、市販相当品の塩基性塩化アルミニウムの分子量は約30kDaであったのに対し、同一条件で測定した本発明品の塩基性塩化アルミニウムの分子量は約50kDaと分子量も大きく、粒度分布測定と同様の結果を示した。
さらに、粒度分布測定や分子量測定に加えて、分画分子量1万の限外ろ過膜(ポリサルホン製)で分画されるアルミニム成分を測定した。測定方法は、測定する塩基性塩化アルミニウム溶液をAl濃度を1.0%になるように希釈し、これを加圧法により限外ろ過膜を通過させ、通過した溶液中のAl濃度を測定し、分画されたアルミニウム成分割合を算定した。その結果、市販相当品の塩基性塩化アルミニウム溶液は59.5%であった。これに対し本発明品のそれは70.2%と分画割合が多く、多核化が進んでいることを示す結果となった。
加えて、市販相当品の塩基性塩化アルミニウムと本発明品の塩基性塩化アルミニウムの凝固点を測定したところ、それぞれ−14℃と−7℃となり、本発明品の塩基性塩化アルミニウムの凝固点は、市販相当品の塩基性塩化アルミニウムの凝固点より約7℃高いという結果になった。この結果から、本発明品の塩基性塩化アルミニウムは、市販相当品の塩基性塩化アルミニウムと比較して単に多核化が進んだだけでなく、溶媒である水への影響も少なくなっていることを示唆しており、多核化に加えて結晶化なども進んでいる可能性が示唆された。
そこで、ラマン分光分析(測定波長532nm、180度散乱、Cretトリプル)で1800〜1900cm−1のラマンスペクトルを確認したところ、本発明品の塩基性塩化アルミニウムのスペクトルの方が僅かにピーク強度が強くなっていたが、結晶化が進行したことを示すほどでは無かった。
次に、製造時の熟成行程、即ち第二工程がアルミニウムの多核化に与える影響をさらに確認するために、先述の(B)(加熱熟成なし)組成(Naのモル数+Caのモル数×2)/Al(モル比)=1.10組成、Cl/Al(モル比)=2.3、SO/Al(モル比)=0.29、Al濃度=10.5%の塩基性塩化アルミニム(塩基度70.1%)を製造し、これを水で希釈することによりAl濃度=10.2%の塩基性塩化アルミニウム(加熱熟成なし)を製造した。この塩基性塩化アルミニウムは所定のNMR測定において27Al―NMRスペクトルがケミカルシフトが0ppmと3−5ppmにはピークを有したが、6−14ppm、50−65ppmにピークを有することは無かった。
このようにして得られた塩基性塩化アルミニウム(加熱熟成なし)の動的散乱光法による粒度分布を先述の測定と同一条件で測定したところ、一次粒子径と二次粒子径は、それぞれ16〜20nmと1200〜1400 nmであった。また、同様に静的散乱光法による分子量測定結果は約40kDaとなったが、測定誤差などを考慮すると本発明品の塩基性塩化アルミニウムとの物性の相違は不明確なもので、加熱熟成によってアルミニウムの多核化が更に進行したかどうかを明確に判断することはできなかった。さらに、同様に凝固点やラマンスペクトルも測定したが、加熱熟成によってアルミニウム多核錯体の結晶化が進行したかどうかを示すことはできなかった。
以上のように本発明の新規な塩基性塩化アルミニウムが持つ優れた有機物除去性能のメカニズムを解明するために各種の検討を実施し、アルミニウム多核錯体の多核化が進行している可能性や、アルミニウム多核錯体の結晶化が進んでいる可能性が示唆されたが、有機物除去性能のメカニズムを明確にするには至らなかった。
以下に本発明の実施例を掲げて更に説明を行う。なお、実施例に於いて、%は特に断らない限り全て質量%を示す。
本発明で使用する有機物濃度の指標に用いるE260とは、「上水試験方法2001年版(日本水道協会発行)」に準じたものであって、原水や処理水の波長260nmの吸光度のことである。この「上水試験方法2001年版」によると、「水中の不飽和結合を有する有機物は、紫外部に吸収を示すことから、250〜260nmの波長における吸光度を測定し、原水の有機性汚濁の状況や浄水処理過程の水の処理性の評価に利用することができる。」と記載されていることから本実施例でも有機物濃度の測定はE260で行い、比較対照との差を確認した。
[実施例1及び比較例1]
通常市販されている塩基性塩化アルミニウム溶液を次の方法により製造した。
まず、水酸化アルミニウムを塩酸と硫酸の混酸で溶解し、これに炭酸カルシウムを加えて生成する硫酸カルシウムを除去する方法で、組成(Caのモル数×2)/Al(モル比)=0.16、Cl/Al(モル比)=2.0、SO/Al(モル比)=0.29、Al濃度=12%の塩基性塩化アルミニム溶液(塩基度59.9%)を製造した(以下、(C)と云う。)。これを水で希釈することによりAl濃度=10.2%の塩基性塩化アルミニム溶液を製造した(比較例1)。この塩基性塩化アルミニウム溶液は、下記の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフト0ppmと3−5ppmにはピークを有したが、6−14ppm、50−65ppmにピークを有することは無かった。
<NMR測定条件>
装置 :核磁気共鳴分光光度計
試料希釈倍率:希釈なし
温度 :室温
プローブ :5mmφ
測定モード :逆ゲーテッドカップリング照射定量測定
共鳴周波数 :103MHz
パルス幅 :0.410秒
パルス繰返し:5.41秒
積算回数 :1024回
ケミカルシフト基準:外部基準法で、3mol/L硝酸アルミニウム溶液中のAl(HO) 3+を0ppmとする。
次に、本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液を製造するために、上述の(C)を75℃にして撹拌しながら、21%炭酸ナトリウム溶液を40分かけて添加し、添加後75℃で1時間熟成させ、組成(Naのモル数+Caのモル数×2)/Al(モル比)=0.77、Cl/Al(モル比)=2.0、SO/Al(モル比)=0.29、Al濃度=10.5%の塩基性塩化アルミニム溶液(塩基度70.0%)を製造し、これを水で希釈することによりAl濃度=10.2%の本発明の新規な塩基性塩化アルミニウム溶液を製造した(実施例1)。この本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液は先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有した。
このようにして製造した本発明の新規な塩基性塩化アルミニウム溶液と比較例1の塩基性塩化アルミニウム溶液を用いて有機物除去試験を実施した。
有機物除去試験には表1に示した北海道新釧路川愛国浄水場付近の河川水を用いた。また、本試験では、河川水のpHの経時変化や季節変動を考慮して0.1規定の塩酸と水酸化ナトリウム溶液を河川水に添加して有機物除去処理後の処理水pHが、pH7〜8程度になるように調整した。このようにpH調整処理した河川水に、塩基性塩化アルミニウム溶液を所定量添加して有機物除去試験を行った。
有機物除去試験の具体的な方法は、pH調整した河川水を1Lガラスビーカーに1L入れ、これに塩基性塩化アルミニウム溶液を、30mg/Lになるように添加した後、撹拌条件を浄水試験方法に準じて、120rpmで3分撹拌し、さらに40rpm×10分撹拌して凝集フロックを形成・成長させ、その後に10min静置して凝集フロックを沈降させた後で上澄みを採取した。なお、このときの処理水の液温は約20℃であった。その採取した試料の濁度を濁度計で、pHをガラス電極式pH計で測定した。また、試料をガラス繊維ろ紙でろ過した後、光路長1cmの石英ガラスセルを用いて分光光度計にてE260を測定した。また併せて残留アルミニウム濃度をICP発光分光法で測定した。結果を表2に示した。
Figure 0004953458
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表2から明らかなように、本発明の塩基性塩化アルミニウムは、通常市販されている塩基性塩化アルミニウム(比較例1)と比較して、E260が大幅に低減できた。
さらに本発明の塩基性塩化アルミニウムは、通常市販されている塩基性塩化アルミニウム(比較例1)と比較して残留アルミニウム濃度も大幅に低く、また除濁性も高いという水処理凝集剤として優れた性能を発揮した。
[実施例2及び比較例2]
オートクレーブを用いて、水酸化アルミニウム(Al 64.0%)を加圧下で塩酸溶解することにより得られた塩基性塩化アルミニウム溶液(Al 16.0%、Cl 20.0%、塩基度40%)1000gに、硫酸アルミニウム溶液を水酸化ナトリウム溶液で中和し、生成した中和沈殿物を充分に洗浄して得られた水酸化アルミニウムゲル(Al 10.4%)1200gを約60分かけて添加・溶解させ、更に、この溶液に硫酸アルミニウム溶液(Al 8.0%、SO22.5%)200gを混合し、Al 濃度12.5%、Cl濃度8.3%、組成Cl/Al(モル比)=1.91、SO/Al(モル比)=0.16でかつ塩基度が62.8%の塩基性塩化アルミニウム溶液を2400g得た。この塩基性塩化アルミニウム溶液の全量を攪拌装置、冷却管、温度計を備えた反応容器に入れ、50℃に加熱した。その後、5%水酸化ナトリウム溶液330gを約30分かけて徐々に添加した。添加終了後、85℃で30分の熟成を行った後、水200gを添加して組成Na/Al(モル比)=0.14、Cl/Al(モル比)=1.91、SO/Al(モル比)=0.16、Al濃度=10.3%の本発明の新規な塩基性塩化アルミニウム溶液を2930g製造した。なお、その他の濃度は、Cl 6.8%、Na 0.3%、SO 1.5%で、塩基度は65.2%であった。
また、上述の如く製造した本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液は先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有した(実施例2)。
また、同様の製造方法で熟成を行わない塩基性塩化アルミニウム溶液も製造した。
この熟成を行わなかった塩基性塩化アルミニウムには、先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppmと3−5ppmにはピークを有したが、6−14ppm、50−65ppmにピークが無かった(比較例2)。
以上のようにして製造した本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液と、熟成を行わなかった塩基性塩化アルミニウム溶液について実施例1に準じた有機物除去試験を処理後pH7.6において実施した。その結果、本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液のE260は0.050で、熟成を行わなかった塩基性塩化アルミニウム溶液(比較例2)のE260は0.065となり、比較例2のE260に対する低減率は−23%と優れた有機物除去性能を示した。
[実施例3]
オートクレーブを用いて、水酸化アルミニウム(Al 64.0%)を加圧下で塩酸溶解することにより得られた塩基性塩化アルミニウム溶液(Al 16.0%、Cl 20.0%、塩基度40%)1000gに、金属アルミニウム粉末を塩酸に溶解して製造した高塩基性の塩化アルミニウム溶液(Al 23.0%、Cl 8.4%、塩基度82.5%)を1000g添加して撹拌・混合した。これに水1200gと硫酸アルミニウム(Al 8.0%、SO 22.6%)300gを添加し撹拌混合して、Al 濃度11.8%、Cl濃度8.1%、組成Cl/Al(モル比)=1.97、SO/Al(モル比)=0.17でかつ塩基度が61.3%の塩基性塩化アルミニウム溶液3700gを得た。
この塩基性塩化アルミニウム溶液の全量を液温50℃にして撹拌しながら25%炭酸ナトリウム溶液600gを約50分かけて徐々に添加した。添加終了後に液温を75℃に調整して撹拌しながら1時間熟成を行い、本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液のAl濃度は10.3%で、Na/Al(モル比)=0.70、Cl/Al(モル比)=1.97、SO/Al(モル比)=0.17であった。先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有した。また、塩基度は73.0%であった。
この本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液の有機物除去性能を確認するために、福岡県久留米市放光寺浄水場付近の筑後川の河川水を原水に使用して試験を行った。試験の手順や方法は実施例1に準じて行った。原水の水質を表3に、試験結果を表4に示した。
[比較例3]
製造時に熟成を行わないことを除いては実施例3と同一条件で、塩基性塩化アルミニウム溶液を製造した。従って、この塩基性塩化アルミニウム溶液の組成は実施例3と同じである。しかし、先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppmと3−5ppmにはピークを有したが、6−14ppm、50−65ppmにピークを有しなかった。
この塩基性塩化アルミニウム溶液の有機物除去性能を確認するために、実施例3に準じて試験を行った。原水の水質を表3に、試験結果を表4に示した。
Figure 0004953458
Figure 0004953458
表4から明らかなように、本発明の塩基性塩化アルミニウムは、熟成を行わなかった塩基性塩化アルミニウム(比較例3)と比較して、E260が大幅に低減できた。
さらに本発明の塩基性塩化アルミニウムは、熟成を行わなかった塩基性塩化アルミニウム(比較例3)と比較して除濁性も高く水処理凝集剤として優れると同時に、残留アルミニウム濃度も若干低減できるという優れた性能を発揮した。
[比較例4]
実施例3と同じ方法で製造した調整前の塩基性塩化アルミニウム溶液(Al 16.0%、Cl 20.0%、塩基度40%)1000gに、金属アルミニウム粉末を塩酸に溶解して製造した高塩基性の塩化アルミニウム溶液(Al 23.0%、Cl 8.4%、塩基度82.5%)を1200g添加して撹拌・混合した。これに水2000gと硫酸アルミニウム(Al 8.0%、SO 22.6%)200gを添加して撹拌混合し、Al 濃度10.2%、Cl濃度6.5%、組成Cl/Al(モル比)=1.85、SO/Al(モル比)=0.21でかつ塩基度が62.4%の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。そして、この塩基性塩化アルミニウム溶液の液温を50℃にして撹拌しながら25%炭酸ナトリウム溶液60gを約10分かけて徐々に添加した。添加終了後に液温を75℃に調整して撹拌しながら1時間熟成を行い、塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この塩基性塩化アルミニウム溶液のAl濃度は10.1%で、Na/Al(モル比)=0.06、Cl/Al(モル比)=1.85、SO/Al(モル比)=0.21であった。先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppmと3−5ppmにはピークを有したが、6−14ppm、50−65ppmにピークを有しなかった。塩基度は63.4%であった。
この塩基性塩化アルミニウム溶液の有機物除去性能を確認するために、実施例3に準じて有機物除去の試験を行ったが、E260は、処理後pHに応じて0.025〜0.035となり比較例3などの従来の塩基性塩化アルミニウム溶液の有機物除去性能と同等であった。
[比較例5]
実施例3と同じ方法で製造した調整前の塩基性塩化アルミニウム溶液(Al 16.0%、Cl 20.0%、塩基度40%)500gに、金属アルミニウム粉末を塩酸に溶解して製造した高塩基性の塩化アルミニウム溶液(Al 23.0%、Cl 8.4%、塩基度82.5%)500g添加して撹拌・混合した。これに水250gと硫酸アルミニウム(Al 8.0%、SO 22.6%)を300gを添加して撹拌混合し、Al 濃度14.1%、Cl濃度9.2%、組成Cl/Al(モル比)=1.86、SO/Al(モル比)=0.33でかつ塩基度が58.0%の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。そして、この塩基性塩化アルミニウム溶液の液温を50℃にして撹拌しながら25%炭酸ナトリウム溶液700gを約90分かけて徐々に添加した。添加終了後に液温を75℃に調整して撹拌しながら1時間熟成を行い、塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この塩基性塩化アルミニウム溶液のAl濃度は10.2%で、Na/Al(モル比)=1.54、Cl/Al(モル比)=1.86、SO/Al(モル比)=0.33であった。先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有した。また、塩基度は83.6%であった。
この塩基性塩化アルミニウム溶液は、Na/Al(モル比)が高すぎたために、25℃保管で約30日程度で白濁と増粘が始まるなど貯蔵安定性が悪かった。
[比較例6]
実施例3と同じ方法で製造した調整前の塩基性塩化アルミニウム溶液(Al 16.0%、Cl 20.0%、塩基度40%)250gに、金属アルミニウム粉末を塩酸に溶解して製造した高塩基性の塩化アルミニウム溶液(Al 23.0%、Cl 8.4%、塩基度82.5%)を1000g添加して撹拌・混合した。これに水1100gと硫酸アルミニウム(Al 8.0%、SO 22.6%)300gを添加して撹拌混合し、Al 濃度11.1%、Cl濃度5.1%、組成Cl/Al(モル比)=1.31、SO/Al(モル比)=0.25でかつ塩基度が70.0%の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。その後、この塩基性塩化アルミニウム溶液の液温を50℃にして撹拌しながら25%炭酸ナトリウム溶液300gを約40分かけて徐々に添加した。添加終了後に液温を75℃に調整して撹拌しながら1時間熟成を行い、塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この塩基性塩化アルミニウム溶液のAl濃度は10.1%で、Na/Al(モル比)=0.49、Cl/Al(モル比)=1.31、SO/Al(モル比)=0.25であった。先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有した。また、塩基度は78.2%であった。
この塩基性塩化アルミニウム溶液の有機物除去性能を確認するために、実施例3に準じて有機物除去の試験を行ったが、凝集性が悪く濁度が比較例3よりも高かった。そのためかE260も、0.03以上の値となり従来の塩基性塩化アルミニウム溶液の有機物除去性能より悪い値であった。
[比較例7]
実施例3と同じ方法で製造した調整前の塩基性塩化アルミニウム溶液(Al 16.0%、Cl 20.0%、塩基度40%)1000gに、金属アルミニウム粉末を塩酸に溶解して製造した高塩基性の塩化アルミニウム溶液(Al 23.0%、Cl 8.4%、塩基度82.5%)を50g添加して撹拌・混合した。これに硫酸アルミニウム(Al 8.0%、SO 22.6%)200gを添加して撹拌混合し、Al 濃度15.0%、Cl濃度16.3%、組成Cl/Al(モル比)=3.13、SO/Al(モル比)=0.26でかつ塩基度が39.3%の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。そして、この塩基性塩化アルミニウム溶液の液温を50℃にして撹拌しながら25%炭酸ナトリウム溶液650gを約70分かけて徐々に添加した。添加終了後に液温を75℃に調整して撹拌しながら1時間熟成を行い、塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この塩基性塩化アルミニウム溶液のAl濃度は10.4%で、Na/Al(モル比)=1.67、Cl/Al(モル比)=3.13、SO/Al(モル比)=0.26であった。先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有した。また、塩基度は67.0%であった。この塩基性塩化アルミニウム溶液は、Na/Al(モル比)が高すぎた結果、25℃保管で約20日程度で白濁と増粘が始まるなど貯蔵安定性が悪かった。
[比較例8]
実施例3と同じ方法で製造した調整前の塩基性塩化アルミニウム溶液(Al 16.0%、Cl 20.0%、塩基度40%)1000gに、金属アルミニウム粉末を塩酸に溶解して製造した高塩基性の塩化アルミニウム溶液(Al 23.0%、Cl 8.4%、塩基度82.5%)を1200g添加して撹拌・混合した。これに水1600gと硫酸アルミニウム(Al 8.0%、SO 22.6%)150gを添加して撹拌混合しAl 濃度11.3%、Cl濃度7.6%、組成Cl/Al(モル比)=1.93、SO/Al(モル比)=0.08でかつ塩基度が65.1%の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。そして、この塩基性塩化アルミニウム溶液の液温を50℃にして撹拌しながら25%炭酸ナトリウム溶液500gを約50分かけて徐々に添加した。添加終了後に液温を75℃に調整して撹拌しながら1時間熟成を行い、塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この塩基性塩化アルミニウム溶液のAl濃度は10.2%で、Na/Al(モル比)=0.54、Cl/Al(モル比)=1.93、SO/Al(モル比)=0.08であった。先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有した。また、塩基度は74.1%であった。
この塩基性塩化アルミニウム溶液の有機物除去性能を確認するために、実施例3に準じて有機物除去の試験を行ったが、SO/Al(モル比)=0.08と低すぎるために凝集性が悪く濁度が比較例3よりも高かった。そのためかE260も、0.03以上の値となり従来の塩基性塩化アルミニウム溶液の有機物除去性能より悪い値であった。
[比較例9]
実施例3と同じ方法で製造した調整前の塩基性塩化アルミニウム溶液(Al 16.0%、Cl 20.0%、塩基度40%)1000gに、金属アルミニウム粉末を塩酸に溶解して製造した高塩基性の塩化アルミニウム溶液(Al 23.0%、Cl 8.4%、塩基度82.5%)を1500g添加して撹拌・混合した。これに水1900gと硫酸アルミニウム(Al 8.0%、SO 22.6%)900gを添加して撹拌混合しAl 濃度10.9%、Cl濃度6.2%、組成Cl/Al(モル比)=1.62、SO/Al(モル比)=0.37でかつ塩基度が60.5%の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。そして、この塩基性塩化アルミニウム溶液の液温を50℃にして撹拌しながら25%炭酸ナトリウム溶液400gを約40分かけて徐々に添加した。添加終了後に液温を75℃に調整して撹拌しながら1時間熟成を行い、塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この塩基性塩化アルミニウム溶液のAl濃度は10.2%で、Na/Al(モル比)=0.33、Cl/Al(モル比)=1.62、SO/Al(モル比)=0.37であった。先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有した。また、塩基度は66.0%であった。
この塩基性塩化アルミニウム溶液は、SO/Al(モル比)が0.37と高すぎたために、25℃保管で約14日程度で白濁と増粘が始まるなど貯蔵安定性が悪かった。
[実施例4及び比較例10]
実施例3と同じ方法で製造した調整前の塩基性塩化アルミニウム溶液(Al 14.0%、Cl 16.0%、塩基度45.2%)300gに、常温で硫酸アルミニウム溶液(Al 8.0%、SO 22.6%)50gと水50gを混合し、Al 濃度11.5%、Cl濃度12.0%、組成Cl/Al(モル比)=3.00、SO/Al(モル比)=0.26でかつ塩基度が41.3%の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。そして、この塩基性塩化アルミニウム溶液に、塩化アルミニウム溶液をアルミン酸ナトリウム溶液で中和し、生成した中和沈殿物を軽く洗浄して得られたClとNaを含んだ水酸化アルミニウムゲル(Al 9.5%、Cl 2.8%、Na 2.0%)700gを撹拌しながら80℃で45分かけて添加した。添加終了後に液温を85℃に調整して撹拌しながら30分間熟成を行い、本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液を得た。この本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液のAl濃度は10.2%で、Na/Al(モル比)=0.55、Cl/Al(モル比)=1.73、SO/Al(モル比)=0.11であった。先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有した。また、塩基度は76.8%であった(実施例4)。
また、同様の製造方法で熟成を行わない塩基性塩化アルミニウム溶液も製造した。
この熟成を行わなかった塩基性塩化アルミニウム溶液には、先述の測定条件の27Al―NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppmにピークを有したが、6−14ppm、50−65ppmにピークが無かった(比較例10)。
以上のようにして製造した本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液と、熟成を行わなかった塩基性塩化アルミニウム溶液について、実施例1に準じた有機物除去試験を処理後pH7.6において実施した。その結果、本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液のE260は0.045で、熟成を行わなかった塩基性塩化アルミニウム溶液のE260は0.067となり、熟成を行わなかった塩基性塩化アルミニウム溶液(比較例10)のE260に対する低減率は−33%と優れた有機物除去性能を示した。
[実施例5]
実施例1で用いた本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液と、一般的に有機物除去性能が優れていると言われている塩化第二鉄溶液(Fe濃度 13%)を用いて有機物除去試験を行った。
また、同時に比較例1の塩基性塩化アルミニウム溶液についても合わせて試験した。試験に使用した原水は、加古川市水道水にカオリンと試薬特級のフミン酸を添加して有機物を多量に含むモデル原水を作製した。また、本発明の塩基性塩化アルミニウム溶液、塩化第二鉄溶液と比較例1の塩基性塩化アルミニウム溶液の添加量は有姿で、それぞれ50mg/Lになるように添加した。その他の試験条件は実施例1に準じて行った。その試験結果を表6に示した。
Figure 0004953458
Figure 0004953458

その結果、本発明の塩基性塩化アルミニウムの有機物除去性能は、一般的に有機物除去性能が優れていると言われている塩化第二鉄と比較して、中性領域でほぼ同等なだけでなく、pH7.5〜8.5の領域では本発明の塩基性塩化アルミニウムの有機物除去性能の方が、塩化第二鉄の有機物除去性能より優れるという従来のアルミニウム系凝集剤には見られなかった性能を示した。

Claims (3)

  1. 組成M/Al(モル比)=0.08〜1.40(但し、Mはアルカリ金属のモル数アルカリ土類金属のモル数の2倍のモル数を表す。)、Cl/Al(モル比)=1.50〜2.80及びSO/Al(モル比)=0.10〜0.35である塩基性塩化アルミニウムに於いて、27Al−NMRスペクトルにおいてケミカルシフトが0ppm、3−5ppm、6−14ppm、50−65ppmにピークを有することを特徴とする新規な塩基性塩化アルミニウム。
  2. 請求項1記載の新規な塩基性塩化アルミニウムからなる水処理凝集剤。
  3. 組成Al濃度5〜17%、Cl/Al(モル比)=1.80〜3.60、SO/Al(モル比)=0〜0.35でかつ塩基度が40〜63%の塩基性塩化アルミニウム溶液に、85℃以下の温度下でアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の化合物を添加した後、65〜85℃で、0.5〜2時間熟成を行うことを特徴とする請求項1記載の新規な塩基性塩化アルミニウムの製造方法。
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