JP2020079126A - エレベーターのドア制御装置、及びドア制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ステップS10においては、ドア開閉指令信号14を受けて駆動部12の電動機19を駆動させて、かご側ドア4、及び乗場側ドア5の開き動作を実行する。開き動作が開始されるとステップS11に移行する。
ステップS11においては、電動機19の駆動軸の回転情報に係数K1を掛けて演算することで、移動距離情報を算出し、更に、移動距離情報に係数K2を掛けて演算することで、かご側ドア4の移動距離を算出する。ここで、かご側ドア4の移動距離は、かご側ドアに設けられている係合子3の移動距離と実質的に等価である。このステップS11では、図2のパルス演算部21と位置演算部22の機能ブロックの動作を実行している。かご側ドア4の移動距離を算出するとステップS12に移行する。
ステップS12においては、回転情報に基づいて算出された移動距離情報を微分することで、かご側ドア4の移動速度(Va)を算出する。もちろん、かご側ドア4の移動速度(Va)は、かご側ドアに設けられている係合子3の移動速度と実質的に等価である。このステップS12では、図2のパルス演算部21と速度演算部23の機能ブロックの動作を実行している。かご側ドア4の移動速度を算出するとステップS13に移行する。
ステップS13においては、ステップS12で求めたかご側ドア4の移動速度(Va)が予め設定された速度閾値(Vsh)を下回ったか否かを判断する。尚、速度閾値(Vsh)は、速度指令演算部15の速度指令値よりも遅い速度に設定されている。
ステップS14においては、かご側ドア4の係合子3が乗場側ドア5の係合ローラ2に接触したと判断されているので、この時のかご側ドア4の実移動距離を実係合距離(La)として推定し、かご側ドア4の実係合距離(La)を係合位置として記憶する。更に、このかご側ドア4の実係合距離(La)は、後述の演算のためにRAMのワークエリアに記憶される。
ステップS15においては、予め定めた基準係合距離(Lset)と、RAMのワークエリアに記憶されている実係合距離(La)を用いて、実際の実係合ずれ量(ΔLa)を「ΔLa=Lset−La」の式に基づいて算出して記憶する。更に、この実係合ずれ量(ΔLa)も、後述の演算のためにRAMのワークエリアに記憶される。尚、基準係合距離(Lset)は設計段階で決められた仕様値であるが、実際にエレベーターを建築物に設置して、設置初期の昇降動作で得られた実係合距離(La)を基準係合距離(Lset)としても良い。
ステップS16においては、かご側ドア4の係合子3、及び乗場側ドア5の可動ローラ2の間の基準係合距離(Lset)から予め決められた許容係合ずれ量である係合ずれ量閾値(ΔLsh)と、RAMのワークエリアに記憶されている実係合ずれ量(ΔLa)との「係合ずれ差分」から、調整作業が必要な係合ずれ調整量(ΔLajt)を「ΔLajt=ΔLa−ΔLsh」の式に基づいて算出して記憶する。更に、この係合ずれ調整量(ΔLajt)も、後述の演算のためにRAMのワークエリアに記憶される。係合ずれ調整量(ΔLajt)が求められるとステップS17に移行する。
ステップS17においては、階床判別信号を受信して現在の階床を特定する。これによって、現時点の階床のかご側ドア4の係合子3と乗場側ドア5の係合ローラ3の係合位置(実係合距離La)、実係合ずれ量(ΔLa)、係合ずれ調整量(ΔLajt)等が特定されることになる。階床の特定が完了するとステップS18に移行する。
ステップS18においては、ステップS17で特定された階床に紐つけて、係合位置(実係合距離La)、実係合ずれ量(ΔLa)、係合ずれ調整量(ΔLajt)等を記憶部27に記憶する。したがって、階床毎に係合位置(実係合距離La)、実係合ずれ量(ΔLa)、係合ずれ調整量(ΔLajt)等の情報を検索することが可能となる。係合位置(実係合距離La)、実係合ずれ量(ΔLa)、係合ずれ調整量(ΔLajt)等を記憶部27に記憶すると、ステップS19に移行する。
ステップS19においては、全階床、或いは予め設定された複数の階床で、上述した係合機構の係合位置(実係合距離La)、実係合ずれ量(ΔLa)、係合ずれ調整量ΔLajt等の測定を完了したかどうかを判定する。
ステップS20は、本実施形態の変形例として追加している制御ステップであるので破線で表示している。したがって、このステップS20を実行しない場合は、これ以降の制御ステップは個別の階床毎に係合ずれ調整量(ΔLajt)を使用することになる。
ステップS21においては、階床毎にステップS16で求められた調整作業が必要な係合ずれ調整量(ΔLajt)を異常検出閾値(第1差分判定閾値)と比較する。係合ずれ調整量(ΔLajt)が大きいほど、かご側ドア4の係合子3と乗場側ドア5の係合ローラ2の実係合距離(La)が短く、係合子3と係合ローラ2が近接していることを示している。したがって、係合子3と係合ローラ2とが接触する可能性が高いことになる。
ステップS22においては、ステップS21で係合ずれ調整量(ΔLajt)が、異常検出閾値を超えていると判定されているので、実係合ずれ量(ΔLa)が異常に大きいと見做されて異常判定される。このように、異常と判定されると係合子3と係合ローラ2とが接触する可能性が高いので、エレベーターを止めるようなメッセージ送ることや、特別に異常を発生する環境に陥っている可能性が高いので、重点点検階床に設定して保守員に充分な点検確認を促すメッセージを送ることもできる。
ステップS23においては、ステップS16で求められた調整作業が必要な係合ずれ調整量(ΔLajt)を予兆検出閾値(第2差分判定閾値)と比較する。上述したように、係合ずれ調整量(ΔLajt)が大きいほど、かご側ドア4の係合子3と乗場側係合ローラ2の実係合距離(La9が短く、係合子3と係合ローラ2が近接していることを示している。したがって、係合ずれ調整量(ΔLajt)が予兆検出閾値を超えている場合は、将来的に係合子3と係合ローラ2とが接触する可能性が高いと見做している。
ステップS24においては、ステップS23で係合ずれ調整量(ΔLajt)が、予兆検出閾値を超えていない判定されているので、実係合ずれ量(ΔLa)が許容範囲内にあると見做されて正常判定される。尚、正常判定されると、保守員に正常である旨のメッセージを送ることができる。正常判定されるとステップS26に移行する。
ステップS25においては、ステップS23で係合ずれ調整量(ΔLajt)が、予兆検出閾値を超えていると判定されているので、実係合ずれ量(ΔLa)が将来的に大きくなると見做されて調整促進判定される。
ステップS26においては、ステップS22の異常判定、ステップS24の正常判定、及びステップS25の調整促進判定の結果を、管制センター32に発報信号30として階床毎に「正常」「異常」「調整促進」の情報を付して送信し、また調整作業が必要な各階床の係合ずれ調整量(ΔLajt)を係合調整量31として発報する。
ステップS27においては、管制センター32の制御ステップを示しており、管制センター32は、ステップS26の発報信号30や係合ずれ調整量(ΔLajt)、或いは一律係合ずれ調整量(ΔLajtm)の情報を受信すると、保守員による現地作業指示と調整作業が必要な係合ずれ調整量(ΔLajt)、一律係合ずれ調整量(ΔLajtm)の情報を、保守員が備える作業用端末に送信する。
図4のステップS19が実行された後に、ステップS28においては、前回の判定時期から所定の判定時間が経過しているかどうかを判定している。この判定時間は、係合子3と係合ローラ2との実係合距離(La)が変動する可能性がある時間に設定されている。したがって、この判定時間は、経験的に求められた時間や、シミュレーションによって求められた実係合距離(La)が変動する時間から設定することができ、比較的長い時間である。ステップS28で判定時間を過ぎていないと判定されると再びステップS28に戻り、判定時間を過ぎていると判定されるとステップS29に移行する。
ステップS29においては、前回の判定時期で求めた、前々回の係合ずれ調整量(ΔLajt-2)と前回の係合ずれ調整量(ΔLajt-1)の差分(ΔLajt-1−ΔLajt-2)に対して、今回の判定時期で求めた、前回の係合ずれ調整量(ΔLajt-1)と今回の係合ずれ調整量(ΔLajtc)の差分(ΔLajtc−ΔLajt-1)の方が大きいかどうかを判定する。
ステップS29で係合子3と係合ローラ2の実係合距離(La)の変動傾向が促進されていると判定されているので、ステップS30においては、予兆検出差分閾値と比較して、予兆の確からしさを判定している。したがって、今回の係合ずれ調整量の差分(ΔLajtc−ΔLajt-1)が予兆検出差分閾値より小さいと判定されると、ステップS24に移行する。一方、今回の係合ずれ調整量の差分(ΔLajtc−ΔLajt-1)が予兆検出差分閾値より大きいと判定されると、ステップS25に移行する。尚、ステップS24〜ステップS27は図5に示す制御ステップと同じなので、説明は省略する。
Claims (9)
- エレベーターの乗りかごの乗降口を開閉するかご側ドアと、各階床の乗場の乗降口を開閉する乗場側ドアと、前記かご側ドアを開閉駆動する電動機と、前記かご側ドアと前記乗り場側ドアとの間に設けられ、前記電動機の開閉駆動による前記かご側ドアの開閉動作に連動して前記乗場側ドアを開閉動作する前記かご側ドアに設けた係合部材と前記乗場側ドアに設けた被係合部材からなる係合機構と、前記電動機を制御する駆動制御手段を有するエレベーターのドア制御装置であって、
前記駆動制御手段は、
前記かご側ドアが開き動作、或いは閉じ動作されて、前記かご側ドアに設けた前記係合部材が、前記乗場側ドアに設けた前記被係合部材に係合された時の前記係合部材の移動距離である実係合距離を求める実係合距離算出手段と、
前記実係合距離と予め定められた前記係合部材と前記被係合部材の間の所定の基準係合距離とに基づいて、前記係合部材と前記被係合部材の近接度合いを表す近接距離を求める近接距離算出手段と、
前記近接距離に基づいて前記係合部材と前記被係合部材が所定の距離以上に近接していると判断されると異常状態と判定する異常判定手段とを備える
ことを特徴とするエレベーターのドア制御装置。 - 請求項1に記載のエレベーターのドア制御装置において、
前記駆動制御手段は、
更に、前記近接距離に基づいて前記係合部材と前記被係合部材の間の前記実係合距離を調整する調整量を求める調整量算出手段を備える
ことを特徴とするエレベーターのドア制御装置。 - 請求項2に記載のエレベーターのドア制御装置において、
前記実係合距離算出手段は、前記係合部材の移動が開始されて前記被係合部材に接触した時までの前記係合部材の移動距離から前記実係合距離を求めるものであり、
前記近接距離算出手段は、前記基準係合距離から前記実係合距離を減算して前記近接距離(以下、係合ずれ量と表記する)を求めるものであり、
前記異常判定手段は、前記係合ずれ量と前記基準係合距離に基づいて予め定めた許容係合ずれ量である係合ずれ量閾値との差分である係合ずれ差分を、予め定めた差分判定閾値と比較して異常状態を判定するものであり、
前記調整量算出手段は、前記係合ずれ量と前記係合ずれ量閾値との差分である前記係合ずれ差分を前記調整量である係合ずれ調整量として求めるものである、
ことを特徴とするエレベーターのドア制御装置。 - 請求項3に記載のエレベーターのドア制御装置において、
前記異常判定手段は、
前記差分判定閾値として、第1差分判定閾値、及び前記第1差分判定閾値より小さい第2差分判定閾値を備え、
前記係合ずれ差分が前記第1差分判定閾値より大きいと異常状態と判定し、
前記係合ずれ差分が前記第1差分判定閾値より小さく前記第2差分判定閾値より大きいと、前記実係合距離の調整が必要な状態と判定する
ことを特徴とするエレベーターのドア制御装置。 - 請求項3に記載のエレベーターのドア制御装置において、
前記近接距離算出手段の演算で使用される前記基準係合距離は、
設計段階で予め決められた係合距離であるか、或いは実際に前記エレベーターを建築物に設置して、設置初期の昇降動作で得られた前記実係合距離である
ことを特徴とするエレベーターのドア制御装置。 - 請求項3乃至請求項5のいずれか1項に記載のエレベーターのドア制御装置において、
前記駆動制御手段は、
少なくとも、前記異常判定手段で判定された異常状態と、前記調整量算出手段で求めた前記係合ずれ調整量を、管制センター、或いは保守員の作業端末に送信する
ことを特徴とするエレベーターのドア制御装置。 - エレベーターの乗りかごの乗降口を開閉するかご側ドアと、各階床の乗場の乗降口を開閉する乗場側ドアと、前記かご側ドアを開閉駆動する電動機と、前記かご側ドアと前記乗り場側ドアとの間に設けられ、前記電動機の開閉駆動による前記かご側ドアの開閉動作に連動して前記乗場側ドアを開閉動作する前記かご側ドアに設けた係合部材と前記乗場側ドアに設けた被係合部材からなる係合機構と、前記電動機を制御する駆動制御手段を有するエレベーターのドア制御方法であって、
前記駆動制御手段はマイクロコンピュータを備えており、前記マイクロコンピュータは、
前記かご側ドアが開き動作、或いは閉じ動作されて、前記かご側ドアに設けた前記係合部材が、前記乗場側ドアに設けた前記被係合部材に係合された時の前記係合部材の移動距離である実係合距離を求め、
前記実係合距離と予め定められた前記係合部材と前記被係合部材の間の所定の基準係合距離とに基づいて、前記係合部材と前記被係合部材の近接度合いを表す近接距離を求め、
前記近接距離に基づいて前記係合部材と前記被係合部材が所定の距離以上に近接していると判断されると異常状態と判定し、
前記近接距離に基づいて前記係合部材と前記被係合部材の間の前記実係合距離を調整する調整量を求める
ことを特徴とするエレベーターのドア制御方法。 - 請求項7に記載のエレベーターのドア制御方法において、
前記駆動制御手段は、
前記係合部材の移動が開始されて前記被係合部材に接触した時までの前記係合部材の移動距離から前記実係合距離を求め、
前記基準係合距離から前記実係合距離を減算して前記近接距離(以下、係合ずれ量と表記する)を求め、
前記係合ずれ量と前記基準係合距離に基づいて予め定めた許容係合ずれ量である係合ずれ量閾値との差分である係合ずれ差分を、予め定めた差分判定閾値と比較して異常状態を判定し、
前記係合ずれ量と前記係合ずれ量閾値との差分である前記係合ずれ差分を前記調整量である係合ずれ調整量として求める
ことを特徴とするエレベーターのドア制御方法。 - 請求項8に記載のエレベーターのドア制御方法において、
少なくとも、前記異常状態と前記係合ずれ調整量を、管制センター、或いは保守員の作業端末に送信する
ことを特徴とするエレベーターのドア制御方法。
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