JP2020078924A - 紫外線レーザーマーキング組成物、それを用いた印刷物および積層体 - Google Patents

紫外線レーザーマーキング組成物、それを用いた印刷物および積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、包装材、特に食品包装材料に好適に使用できる、優れたレーザー印字視認性(印字濃度)と印刷層の透明性とを同時に実現する、紫外線レーザーマーキング組成物およびそれを用いた印刷物と積層体を提供する。【解決手段】ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル共重合樹脂および塩素化ポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種のバインダー樹脂を含有し、亜鉛、チタン、セリウム、アンチモン、スズ、鉄およびジルコニウムから選ばれる金属に由来する金属酸化物(A)を少なくとも1種含有する、紫外線レーザーマーキング組成物。【選択図】なし

Description

本発明は紫外線レーザーマーキング組成物に関する。またそれを用いた印刷物および積層体に関する。
より具体的には、紫外線レーザーでの印字で、視認性および透明性に優れた積層体を提供できるレーザーマーキング組成物に関する。
食品、薬品などのパッケージに使用される包装材や容器、ラベル等においては、その製品の製造ロット番号、製造場所、製造年月日、消費期限、賞味期限、製品の特徴等をマーキング(印字ともいう)することが必要とされる。特に近年では、これら製品のセキュリティ、トレーサビリティ(製造日、製造場所その他の生産に関する履歴情報)に加え、消費者とのコミュニケーションといった観点から、多種多様な印字の必要性が高まっている。
従前では、これらの印字を行う方法として、ホットスタンプ印刷法、インクジェット印刷法、感熱転写リボン法等が用いられてきた。しかし、このような印字方法では、インキからなる印刷層が対象物の表面上に印字される方法であることから、印刷層の衝撃や擦れによる剥離、アルコールや油分等による損傷および消字の恐れがあった。
これを解決し得るマーキング方法として、近年、レーザー光を照射してマーキングを行う方法が提案されている。レーザーマーキング方式は、インキを付着させるのではなく、レーザー光で対象部分の素材の変質や変形(彫り込み)を引き起こす印字方式であるため剥離や消字の懸念が低く、改ざん防止性に優れるほか、非接触で印字するため材料への不要な影響がないこと、高速印字が可能なこと、可変印字に優れること、被印字面の表面形状を選ばない等の特徴がある。またレーザー光の種類としては、樹脂、金属、紙、ガラス等幅広い対象素材への印字適性を有することや、照射装置が比較的安価であることから、赤外線レーザー(例として、レーザー波長1064nmの、基本波Nd:YAGレーザーや、基本波YVO4レーザー、またはレーザー波長10640nmの炭酸ガスレーザーなど)が主に使用されてきた。
更に近年では、紫外線レーザー(例として、レーザー波長355nmの、第3高調波Nd:YAGレーザー、第3高調波YVO4レーザー等)が産業利用に広まっており、紫外線レーザーに対応したマーキング材料の必要性が高まっている。
レーザーマーキング方式の例として、特許文献1には、光活性な充填剤を配合したポリアセタール樹脂組成物からなる成形品への紫外線レーザーマーキングが開示されている。しかしながら、この方法では成形品の素材表面自体に変質や変形(彫り込み)を発生させるためレーザー照射箇所の損傷(凹凸)が避けられず、内容物を守るという観点で包装材への適用は困難である。さらに、ポリアセタール樹脂では多種多様な素材から構成される積層体へ使用した場合密着性等に懸念がある。さらに、組成物が着色しているため透明性が必要とされる包装材への活用は困難である。
特許文献2には、プラスチックフィルム、印刷インキ皮膜層、基材からなるレーザーマーキング用積層体へのレーザーマーキングが紹介されている。印字視認性に優れるものの、この方法では印刷層は着色しているため、透明性が必要とされる包装材への活用は限定される。更には好適なレーザーとして赤外線レーザーが挙げられており、紫外線レーザーでの実施は言及されていない。
従って包装材に使用されるレーザーマーキング組成物であって、紫外線レーザー印字において視認性および透明性に優れた積層体を得ることのできるレーザーマーキング組成物は開発されるに至っていない。
特開平10−16390号公報 特開2009−137261号公報
本発明は、包装材、特に食品包装材料に好適に使用できる、優れたレーザー印字視認性(印字濃度)と印刷層の透明性とを同時に実現する、紫外線レーザーマーキング組成物およびそれを用いた印刷物と積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を鑑みて鋭意検討を行った結果、以下に記載の紫外線レーザーマーキング組成物およびそれを用いた印刷物並びに積層体を用いることで当該課題を解決することを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち本発明はポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル共重合樹脂および塩素化ポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種のバインダー樹脂を含有し、亜鉛、チタン、セリウム、アンチモン、スズ、鉄およびジルコニウムから選ばれる金属に由来する金属酸化物(A)を少なくとも1種含有する、紫外線レーザーマーキング組成物に関する。
また、本発明は、前記金属酸化物(A)の平均粒子径は5〜300nmである、前記紫外線レーザーマーキング組成物に関する。
また、本発明は、前記金属酸化物(A)は酸化亜鉛および/または酸化チタンを含む、前記紫外線レーザーマーキング組成物に関する。
また、本発明は、前記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂と、塩化ビニル共重合樹脂とを質量比95:5〜40:60で含有する、前記紫外線レーザーマーキング組成物に関する。
また、本発明は、基材1上に前記紫外線レーザーマーキング組成物からなる印刷層を有する印刷物に関する。
また、本発明は、前記印刷物の印刷層上に、更に基材2を有する積層体に関する。
本発明により、包装材、特に食品包装材料に好適に使用できる、優れたレーザー印字視認性(印字濃度)と印刷層の透明性とを同時に実現する、紫外線レーザーマーキング組成物およびそれを用いた印刷物と積層体を提供することができた。
以下に本発明の実施形態を詳細に示して説明するが、以下に記載する事項は本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
以下の説明においてレーザーマーキング組成物のことを「組成物」または「インキ」と表記する場合があるがいずれも同義である。
また、以下の説明において上記組成物からなる印刷層のことを「インキ層」または「インキ被膜」と表現する場合があるがいずれも同義である。
以下の説明においてレーザーマーキングを単に「マーキング」または「印字」と略記する場合があるが同義である。
<紫外線レーザーマーキング組成物>
本発明は、バインダー樹脂としてポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル共重合樹脂および塩素化ポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、亜鉛、チタ
ン、セリウム、アンチモン、スズ、鉄およびジルコニウムから選ばれる金属に由来する金属酸化物(A)のうち少なくとも1種とを必須の成分とする、紫外線レーザーマーキング
組成物である。上記バインダー樹脂を用い、かつ上記金属酸化物(A)を用いることで紫外線レーザーに適応できるレーザーマーキング組成物を提供できる。
<バインダー樹脂>
本発明において、バインダー樹脂としてポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル共重合樹脂および塩素化ポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有す
ることで、前記金属酸化物(A)を良好に分散でき、優れたインキ製造適性、インキ経時安定性、および該インキを用いた印刷物において高い透明性が得られる。さらには二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルムその他の基材への密着性に優れ、ラミネートして得られる積層体において良好なラミネート強度が得られる。
なかでもフィルムへの密着性とラミネート強度等の面で、ポリウレタン樹脂と塩化ビニル共重合樹脂を含むことが好ましく、バインダー樹脂の総量中に合計で50質量%〜100質量%含むことが好ましい。なお、ポリウレタン樹脂と塩化ビニル共重合樹脂とを質量比95:5〜40:60で含有することが好ましい。
本発明の紫外線レーザーマーキング組成物におけるバインダー樹脂の含有量は、インキ100質量部中、4〜25質量部の範囲内とすることが好ましい。インキのフィルム密着性や、インキ製造適性の面から、より好ましくは6〜18質量部の範囲である。
<ポリウレタン樹脂>
ポリウレタン樹脂は、重量平均分子量として10,000〜100,000のものが好ましく、ガラス転移温度が−60℃〜0℃であることが好ましく、更には動的粘弾性測定において40℃における貯蔵弾性率が1〜100MPaであるものが好ましい。
なお、本明細書においてガラス転移温度とは示差走査熱量計(DSC)により測定し、ガラス転移が起こる温度範囲の変曲点を表す。
ポリウレタン樹脂は、アミン価および/または水酸基価を有するものが好ましく、アミン価は1〜20mgKOH/gであることが好ましい。また水酸基価は1〜20mgKOH/gであることが好ましい。なお、本発明のポリウレタン樹脂はウレア結合を有していても良いし、ウレア結合を有していなくても良く、更に2種類以上を併用してもよい。
本発明のポリウレタン樹脂は特に制限はなく、例えば特開2013−213109号公報や特開2005−298618号公報に記載された公知の方法により適宜製造される。製造方法にて限定されるものではないが、例えばポリオールとポリイソシアネートからなるポリウレタン樹脂や、ポリオールとポリイソシアネートからなる末端イソシアネートのウレタンプレポリマーと、更にアミン化合物で鎖延長反応させることで得られるポリウレタン樹脂が好ましい。
上記ポリオールとしては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、水素添加ひまし油ポリオール、ダイマージオール、水添ダイマージオールなどが挙げられる。ポリエステルポリオールを使用することが好ましく、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールを併用することがより好ましい。
上記ポリエーテルポリオールは例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリトリメチレングリコールや、これら2種以上の組み合わせからなる共重合体のポリエーテルポリオール類が挙げられる。中でもポリテトラメチレングリコールやポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールが好ましく、数平均分子量は500〜10,000であることが好ましい。なお、本明細書に記載したポリオールの数平均分子量は、ポリオール一分子の有する水酸基の価数(平均個数)と、ポリオール固形分1g中水酸基価(水酸基モル数の水酸化カリウム量換算値)から計算されるものであり、(式1)により求められる。
(式1)ポリオールの数平均分子量=1000×56.1×水酸基の価数/水酸基価
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、二塩基酸とジオールとのエステル化反応により得られる縮合物等が挙げられる。二塩基酸としては、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等が挙げられる。ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等が挙げられる。上記二塩基酸としてはセバシン酸、アジピン酸が特に好ましい。また、カルボキシル基を3個以上有する多価カルボン酸を併用することもできる。
上記ポリエステルポリオールを構成するジオールとしては、アルキル基を有するジオールが好ましい。アルキル基を有するジオールとは、ジオールに含まれるアルキレン基の水素原子の少なくとも1つがアルキル基によって置換された構造を有するジオールを意味し、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、および2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。これらは、後述する様々な基材に対して強い密着性を発現するため、特に好ましい。また、ヒドロキシル基を3個以上有するポリオールを併用することもできる。
これらのポリエステルポリオールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
ポリエステルポリオールの数平均分子量は、好ましくは500〜10,000である。数平均分子量は、上記(式1)により求められる。本発明に用いるポリエステルポリオールの酸価は1.0mgKOH/g以下であることが好ましく、0.5mgKOH/g以下
であることがより好ましい。
ポリウレタン樹脂は、上記ポリエーテルポリオール由来の構造単位を含むものが好ましく、前記構造単位の含有量はポリウレタン樹脂100質量部中、0.5〜30質量部であることが好ましく、更に好ましくは1〜25質量部である。本明細書において、ポリエーテルポリオール由来の構造単位とは、ポリウレタン樹脂の原料であるポリエーテルポリオールの、一つの末端の水酸基の酸素原子から、他の末端の水酸基の酸素原子までの構造を示し、ポリエーテルポリオールの配合量より算出した値である。
ポリウレタン樹脂は、上記ポリエステルポリオール由来の構造単位を含むものが好ましく、前記構造単位の含有量はポリウレタン樹脂100質量部中、30〜75質量部であることが好ましく、より好ましくは40〜75質量部であり、更に好ましくは45〜75質量部である。本明細書において、ポリエステルポリオール由来の構造単位とは、ポリウレタン樹脂の原料であるポリエステルポリオールの、一つの末端の水酸基の酸素原子から、他の末端の水酸基の酸素原子までの構造を示し、ポリエステルポリオールの配合量より算出した値である。
ポリウレタン樹脂は、上記ポリエステルポリオール由来の構造単位と上記ポリエーテルポリオール由来の構造単位の両方を含有することが好ましく、ポリエステルポリオール由来の構造単位とポリエーテルポリオール由来の構造単位を質量比(ポリエステル/ポリエーテル)が55/45〜99/1で含有することが好ましく、60/40〜90/10の質量比で含有することがより好ましく、70/30〜90/10の質量比で含有することが更に好ましい。後述する様々な基材に対して、より密着性を向上させることができるためである。
なお、ポリエステルポリオール由来の構造単位とポリエーテルポリオール由来の構造単位は合計で、ポリウレタン樹脂総質量中、30〜85質量部含有することが好ましく、45〜85質量部含有することがより好ましい。
上記ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられ、脂環族ジイソシアネートとしては例えば、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、やダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。
これらは3量体となってイソシアヌレート環構造となっていても良い。これらのポリイソシアネートは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも好ましくはトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、水素添加キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体等である。
上記アミン化合物は、ウレタンプレポリマーの鎖延長を行うためポリアミン化合物を含む。一実施形態において、上記アミン化合物は、ポリアミン化合物に加えて、必要に応じて、重合停止剤となるアミン化合物を含んでもよい。
鎖延長剤となるポリアミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、分子量500以下が好ましく、ジアミン系、多官能アミン系等のものが挙げられ、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、p−フェニレンジアミンなどのジアミン系鎖延長剤の他、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど水酸基を有するジアミン系鎖延長剤も用いることが出来る。これらの鎖延長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。また必要に応じて3官能以上の多官能のアミン系鎖延長剤も使用出来る。具体的には、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン:(IBPA、3,3’−ジアミノジプロピルアミン)、トリエチレンテトラミン、N−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン:(スペルミジン)、6,6−イミノジヘキシルアミン、3,7−ジアザノナン−1,9−ジアミン、N,N’−ビス(3‐アミノプロピル)エチレンジアミンが挙げられる。中でも好ましくはイソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミンである。
重合停止剤となるアミン化合物は、例えば1価のアミン化合物が挙げられる。1価のアミン化合物は1級アミンであってもよいし2級アミンであってもよい。1価のアミン化合物は過剰な反応を停止することを目的とした重合停止剤として機能する。かかる化合物としては例えば、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類や2−エタノールアミンなどのアミノアルコール類等があげられる。
以下の説明において、(メタ)アクリル、(メタ)アクリレートとはそれぞれメタクリルおよびアクリルの併記並びにメタクリレートおよびアクリレートの併記を意味する。
<アクリル樹脂>
上記のアクリル樹脂とはアクリルモノマーをラジカル重合して得られる樹脂をいい、従来公知の方法で製造でき、製造方法は特に制限されるものではない。当該アクリル樹脂は、得られるインキの耐ブロッキング性や、インキ製造適性の面から、酸価は0.5〜50mgKOH/gの範囲内とすることが好ましく、2〜40mgKOH/gの範囲内である
ことがなお好ましく、2〜30mgKOH/gであることが更に好ましい。また同様の理
由により、重量平均分子量は5000〜200000の範囲内とすることが好ましく、10000〜100000の範囲内であることがなお好ましい。また、ガラス転移温度としては20〜120℃であることが好ましく、40〜110℃であることがなお好ましく、40〜105℃であることが更に好ましい。
当該アクリルモノマーとしては例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アルキル基の炭素数は1〜20が好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどが挙げられ
る。アルキル基は更にベンゼン環構造を有しても良い。これらは単独または2種以上を併用できる。
またアクリルモノマーは水酸基を有するものも好ましく、例としては(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルや、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのグリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミドなどが挙げられる。
アクリル樹脂はメタクリル酸メチル由来の構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましく、前記構造単位をアクリル樹脂総質量中に10〜95質量%含有することが好ま
しく、30〜95質量%含有することがなお好ましく、40〜95質量%含有することが
更に好ましい。また、アクリル樹脂は水酸基を有することが好ましい。
<塩化ビニル共重合樹脂>
本発明の塩化ビニル共重合樹脂としては、塩化ビニル由来の構造単位とその他モノマー由来の構造単位を含有するものであれば特に限定されない。中でも塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂および塩化ビニル‐アクリル共重合樹脂が好ましい。
<塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂>
塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合したものであり、分子量としては重量平均分子量で5,000〜100,000のものが好ましく、20,000〜70,000が更に好ましい。塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合樹脂の100質量部中の酢酸ビニルモノマー由来の構造は、1〜30質量部が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造は、70〜95質量部であることが好ましい。この場合有機溶剤への溶解性が向上し、更に基材への密着性、被膜物性、ラミネート強度等が良好となる。
また、有機溶剤への溶解性が向上するため、ケン化反応あるいは共重合でビニルアルコール由来の水酸基を含むものが更に好ましく、水酸基価として20〜200mgKOH/gであることが好ましい。また、ガラス転移温度は50℃〜90℃であることが好ましい。
<塩化ビニル−アクリル共重合樹脂>
塩化ビニル−アクリル共重合樹脂は塩化ビニルモノマーとアクリルモノマーを主成分とする共重合樹脂であり、アクリルモノマーとしては、基材に対する密着性と有機溶剤に対する溶解性が向上するため(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルを含むことが好ましい。アクリルモノマーは、ポリ塩化ビニルの主鎖にブロックないしランダムに組み込まれていても良いし、ポリ塩化ビニルの側鎖にグラフトされていても良い。塩化ビニル−アクリル共重合樹脂は、重量平均分子量が10,000から100,000であることが好ましく、30,000から70,000であることが更に好ましい。
また、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂中の塩化ビニルモノマー由来の構造は、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂固形分100質量部中、70〜95質量部であることが好ましい。この場合有機溶剤への溶解性が向上し、更に基材への密着性、被膜物性、ラミネート強度等が良好となる。
なお、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂に用いられるアクリルモノマーは上記アクリル樹脂の場合と同様ものもが好適に挙げられ、同一でも異なっていてもよい。中でも(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルが有機溶剤に対する溶解性を向上させるため、なお好ましい。これらは単独または2種以上を併用できる。
<塩素化ポリオレフィン樹脂>
本発明における塩素化ポリオレフィン樹脂は、フィルムへの密着性やラミネート強度が向上するため、塩素含有率が25〜45質量%であることが好ましく、26〜40質量%であることがより好ましい。ここで、本発明における塩素含有率とは、塩素化ポリオレフィン樹脂100質量%中の塩素原子の含有質量%である。また、エステル系溶剤/アルコール系溶剤などの混合溶剤への溶解性の観点から、本発明における塩素化ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は、5000〜50000であることが好ましい。
本発明において、塩素化ポリオレフィン樹脂はα−オレフィンの重合体の水素を塩素置換した構造を有するものであり、α−オレフィンとは下記一般式(1)であらわされる、炭素-炭素二重結合がα位、つまり末端にあるアルケンである。
一般式(1)

CH=CH−R

(式中、Rは炭素数1以上のアルキル基である。)
塩素化ポリオレフィン樹脂は、柔軟性を持つアルキル基を分枝構造として有するため、低温下でも柔軟であり、基材密着性を向上させる。塩素化ポリオレフィン樹脂におけるα−オレフィン構造は、特に制限はない。例えばポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン系不飽和炭化水素の単独重合体又は共重合体を含有する樹脂が好ましい。中でもポリプロピレン構造(すなわち塩素化ポリプロピレン構造)を含むものが特に好ましい。
また、上記塩素化ポリオレフィン樹脂は、他のモノマーとの共重合樹脂であっても良く、上記塩素含有率であれば、特段限定は無い。共重合可能なモノマーはアクリルモノマー、酸性モノマー、酢酸ビニルモノマー、スチレンモノマーなどが好ましい。なお、アクリルモノマーとしては前述のアクリルモノマー等が挙げられ、酸性モノマーは、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、無水ハイミック酸、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
(併用樹脂)
なお本発明においては、バインダー樹脂として上記のポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル共重合樹脂および塩素化ポリオレフィン樹脂のうち単独、または2種以上を混合して用いることができるほか、これに加え、必要に応じて上記以外の樹脂も併用することができる。併用樹脂としては例えば、セルロース樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラールなどが挙げられる。併用樹脂の使用量としてはバインダー樹脂総質量中に1〜50質量%で含有することが好ましい。
<金属酸化物(A)>
本発明の紫外線レーザーマーキング組成物においては、レーザーマーキング可能な化合物として、亜鉛、チタン、セリウム、アンチモン、スズ、鉄およびジルコニウムから選ばれる金属に由来する金属酸化物(A)を含有する。なお、金属酸化物(A)は微粒子であるものをいう。
本発明における金属酸化物(A)の平均粒子径は、印刷層や積層体における良好な透明
性や、インキ製造適性およびインキ経時安定性を得るため、5〜400nmであることが好ましい。5〜350nmであることがなお好ましく、10〜250nmであることが更に好ましい。なお、本発明における平均粒子径とは、動的光散乱法での測定におけるD50粒子径をいう。例えばマイクロトラックベル社製MicrotracWaveII−EX150を用いて測定することができる。更には一次粒子径が5〜100nmであることが好ましく、5〜80nmであることがなお好ましく、10〜50nmであることが更に好ましい。ここでいう一次粒子径は、BET法によるガス吸着量から得られる比表面積を用い算出されるものをいう。また更に吸油量としては14〜33ml/100gであることが好ましく、17〜30ml/100gであることがなお好ましい。当該吸油量とは、JISK5101による測定値をいう。
これらの金属酸化物(A)は、10〜400nmの紫外線レーザー、好ましくは260〜400nmの領域の紫外線レーザーを吸収することによって、インキ被膜の改質・変色を促進し、非印字部の透明性を維持しつつも、紫外線レーザー印字部においては優れた視認性を発現する。当該紫外線レーザーの出力としては低エネルギーでも優れた印字視認性を得られる効果を奏するため、紫外線レーザーマーキング組成物を用いた積層体はレーザー照射箇所の損傷(凹凸)を抑制することができ、バリアー性や外観の劣化を抑えた包装材を得られる。
本発明における金属酸化物(A)としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化スズ、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、二酸化ジルコニウム等が好適に挙げられる。
印刷層の透明性、インキ製造適性の点から、酸化亜鉛および/または酸化チタンを含有することが好ましく、酸化亜鉛を含有することが更に好ましい。また、金属酸化物(A)の総量中に、酸化亜鉛および酸化チタンを総量で50質量%〜100質量%含むことが好ましい。
本発明における金属酸化物(A)の含有量は、良好なレーザー印字視認性や、インキ製造適性および被膜物性を得るため、インキ100質量部中、4〜60質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましい。
<媒体>
紫外線レーザーマーキング組成物は媒体として有機溶剤または水を含有することが好ましく、媒体の主成分として有機溶剤を含有する有機溶剤系組成物であることが好ましい。かかる有機溶剤としては、トルエン、キシレンといった芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといったケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、エステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、などのアルコール系有機溶剤、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤など公知の溶剤を使用でき、これらの混合溶剤として含有することが好ましい。また、媒体の主成分として水を含有する水系組成物であってもよく、この場合は必要に応じて水溶性のアルコール等を少量20質量%以下で使用できる。
(添加剤)
本発明においては、添加剤として公知のものを適宜含むことができ、紫外線レーザーマーキング組成物の製造においては必要に応じて公知の添加剤、例えば分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、ワックス成分、イソシアネート系硬化剤、シランカップリング剤などを使用することができる。
(硬化剤)
本発明のレーザーマーキング組成物を塗布する際には、印刷層の強度、耐熱性、耐水性、耐溶剤性等の向上を目的に硬化剤を併用することができる。硬化剤としてはイソシアネート系、オキサゾリン系、カルボジイミド系、エチレンイミン系等が使用できる。膜強度、膜物性の点からはイソシネート系硬化剤が好ましい。イソシアネート系硬化剤の中でも3官能以上のものが特に好ましい。
<紫外線レーザーマーキング組成物の製造>
次に本発明の紫外線レーザーマーキング組成物の製造工程について一例を説明する。上記バインダー樹脂と、上記金属酸化物(A)と、媒体となる有機溶剤、必要に応じて併用樹脂、各種添加剤を予め撹拌混合した後、分散機に投入し、金属酸化物(A)が充分に分散された紫外線レーザーマーキング組成物を得る。
分散機としては、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、ホモミキサー、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」)等が挙げられる。分散機にメディアを使う場合には、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、磁性ビーズ、スチレンビーズ等を用いることが好ましい。
<印刷物の製造>
本発明の印刷物は、基材1上に、従来公知の方法、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、スプレーコート、スピンコート、ダイコート、リップコート、ナイフコート、ディップコート、カーテンコート、ロールコート等で本発明の組成物を印刷または塗布した後、適宜乾燥することにより製造される。印刷層または塗布層の膜厚は、0.1〜15μmであることが好ましく、0.3〜3μmであることがより好ましい。印刷物の製造は印刷法であることが好ましい。
<基材1>
本様態に用いられる基材1としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸などのポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、紙、アルミなど、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状の基材が挙げられる。また、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの無機化合物をポリエチレンテレフタレート、ナイロンフィルムに蒸着した蒸着基材も用いることができ、更に蒸着処理面がポリビニルアルコールなどによるコート処理を施されていても良い。
基材1は、印刷される面(印刷層と接する面)が易接着処理されていることが好ましく、易接着処理とは、例えば、コロナ放電処理、紫外線/オゾン処理、プラズマ処理、酸素プラズマ処理、プライマー処理等が挙げられる。例えばコロナ放電処理では基材上に水酸基、カルボキシル基、カルボニル基等が発現する。水素結合を利用できるためインキ中には水酸基やアミノ基といった官能基を有する化合物を含むことが好ましい。
基材1の厚みは特に限定されない。プラスチックフィルムの場合、通常印刷に用いられるフィルムがそのまま適用できる。例えばPETフィルムの場合12〜40μm、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムの場合は20〜50μmが好適に使用できる。
<積層体の製造>
本発明の積層体は、上記印刷物の印刷層上に、更に基材2をこの順に有するものであり、印刷物と基材2を貼り合せ(ラミネート)により製造される。なお、当該積層体は接着剤層を含む積層体が好ましく、基材1、印刷層、接着剤層、基材2を順に有する積層体が
好ましい。接着剤層は、アンカーコート剤、ウレタン系ラミネート接着剤、溶融樹脂等からなる層が挙げられる。アンカーコート剤(AC剤)としてはイミン系AC剤、イソシアネート系AC剤、ポリブタジエン系AC剤、チタン系AC剤が挙げられ、ウレタン系ラミネート接着剤としてはポリエーテルウレタン系ラミネート接着剤、ポリエステル系ラミネート接着剤などが挙げられ、有機溶剤を含むものと、無溶剤のものとがある。また、溶融樹脂としては、溶融ポリエチレン等が挙げられる。
積層体の製造方法としては、例えば、印刷層上に、イミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン系、チタン系等の各種アンカーコート剤を介して、溶融ポリエチレン樹脂を積層する通常のエクストルジョンラミネート(押し出しラミネート)法、印刷面にウレタン系等の接着剤を塗工し、その上にプラスチックフィルムを積層するドライラミネート法やノンソルベントラミネート法、また印刷面に直接溶融ポリプロピレンを圧着して積層するダイレクトラミネート法等、公知のラミネート工程により得られる。
<基材2>
基材2としては、基材1と同様のものが好適に挙げられ、基材1と同一でも異なっていてもよい。未延伸ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン、ナイロン基材、アルミニウム箔基材、アルミニウム蒸着基材などが好ましい。
<紫外線レーザーマーキング>
次にレーザーマーキング方法について説明する。本様態に好適に使用できるレーザーとしては、紫外線レーザー(例として、波長355nmの、第3高調波Nd;YAGレーザー、第3高調波YVO4レーザー等)である。レーザー照射は、一般に基材1側から行われる。ただし、基材2が透明な場合、レーザー照射は基材1側からだけではなく基材2からも可能な場合がある。
レーザーによる印字は、英数字、ひらがな、漢字等で目的とする内容を表示する他、バーコード、或いは2次元バーコードとして、更に多量の各種情報を書き込むことも可能である。2次元コードとしては、QR(モデル1)、QR(モデル2)、マイクロQR、DataMatrix等がある。また、写真、図形をパソコンを通して取り込み描画することも可能である。
本発明のレーザーマーキング組成物を用いた積層体は、積層体の内部に直接印字し、後でマーキングを変更できない。また、レーザー印字場所、字、図形、コード類の大きさによっては第3者が、その存在、或いはその内容を認識しがたいので偽造防止の機能も発揮できる。
また本態様のレーザーマーキング用積層体では、レーザーマーキング印字層が、基材1および基材2で挟まれて存在する。このため、印字時および使用中において印字面の剥離、飛散、摩耗等を防ぐことが可能となる。
紫外線レーザーの照射による印字品質は、1)レーザーパワー、2)走査速度、3)Qスイッチ周波数の選択に依存する。レーザーパワーは積層体の照射箇所に損傷(凹凸)が発生せず、かつ印字が鮮明となる出力で印字することが好ましい。走査速度とは印字ドットの間隔、印字時間等を制御するもので、印字ドットを集中させることなく、過剰に広げることなく適度に走査し印字濃度、印字品質を維持できる走査速度にて行うことが好ましい。Qスイッチ周波数は、パルスを発生させる周波数を表す。Qスイッチ周波数も印字品質に影響を及ぼす。適切に調整することが好ましい。
本発明の積層体はラベルとしても有用に使用できる。例えば、積層体の最外層に、更に着剤層、剥離紙をこの順番で具備させると、具体的には、バーコードラベル、商品表示ラベル等、或いは類似の機能を有する荷物用タッグ、ワッペン、シール、ステッカー等に利
用できる。
ラベルとして用いるために使用する粘着剤層は、天然ゴム、合成ゴム、ポリイソブチレン、2−エチルヘキシルアクリレート/n−ブチルアクリレート等を用いたアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の塗工液を塗工、乾燥した塗膜で形成される。塗工液には必要応じて、アビエチン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体等の粘着付与剤、イソシアネート系、エポキシ系硬化剤を併用することができる。
剥離紙としては、紙基材にシリコーン系、フッ素系剥離剤を塗付した離型紙、ポリオレフィン樹脂で被覆されたラミネート紙等が利用できる。
レーザー照射は、ラベルを対象とするものに貼付する前、或いは貼付した後でも可能である。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、質量部および質量%を表わす。
(水酸基価)
JIS K0070に従って求めた。
(酸価)
JIS K0070に従って求めた。
(アミン価)
アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸の当量と同量の水酸化カリウムのmg数でJISK0070に準じて以下の方法に従って求めた。試料を0.5〜2g精秤した(試料固形分:Sg)。精秤した試料にメタノール/メチルエチルケトン=60/40(質量比)の混合溶液50mLを加え溶解させた。得られた溶液に指示薬としてブロモフェノールブルーを加え、得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なった。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い、下記(式2)によりアミン価を求めた。
(式2)アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S [mgKOH/g]
(平均粒子径)
金属酸化物(A)の平均粒子径は、各レーザマーキング組成物を酢酸エチル/イソプロパノール=50/50(質量比)の混合溶剤で希釈して、25℃でレーザー回折・散乱法にて測定し、D50の値を平均粒子径とした。なお、測定機はマイクロトラックベル社製
マイクロトラックWaveII−EX150を用いた。
(重量平均分子量)
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置(東ソー株式会社製HLC−8220)を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレンを標準物質に用いた換算分子量として求めた。下記に測定条件を示す。
カラム:下記カラムを直列に連結して使用した。
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW2500
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW3000
東ソー株式会社製 TSKgel SuperAW4000
東ソー株式会社製 TSKgel guardcolumnSuperAWH
検出器:RI(示差屈折計)
測定条件:カラム温度40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
(ガラス転移温度(Tg))
ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定測定)により求めた。なお、測定機は株式会社リガク社製DSC8231を使用し、測定温度範囲−70〜250℃、昇温速度10℃/分、DSC曲線におけるガラス転移に基づくベースライン変化の変曲点をガラス転移温度とした。
(合成例1)[ポリウレタン樹脂PU1の合成]
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸の縮合物である数平均分子量5000のポリエステルポリオール(以下「MPD/AA」)100部、プロピレングリコールとアジピン酸の縮合物である数平均分子量2000のポリエステルポリオール(以下「PP/AA」)24部、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール(以下「PPG」)16部、イソホロンジイソシアネート(以下「IPDI」)20.5部、および酢酸エチル73.7部を窒素気流下に80℃で4時間反応させ、末端イソシアネートウレタンプレポリマーの溶剤溶液を得た。次いでイソホロンジアミン(以下「IPDA」)8.2部、2−エタノールアミン(以下「2EtAm」)0.5部、酢酸エチル222.9部、イソプロパノール(以下「IPA」)127.1部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマー溶液を40℃で徐々に添加し、次に80℃で1時間反応させ、固形分30%、アミン価3.5mgKOH/g、水酸基価1.7mgKOH/g、重量平均分子量50000、ガラス転移温度は−40℃のポリウレタン樹脂PU1溶液を得た。
(合成例2)[アクリル樹脂Ac1の合成]
攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコにIPA600部を仕込み、攪拌下、窒素雰囲気下で80℃迄昇温した。次に、予め調整しておいたアクリル酸20部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル58部、アクリル酸メチル20部、メタクリル酸メチル370部、アクリル酸ブチル130部およびアゾビスイソブチロニトリル12部の混合液を2時間で滴下した。滴下後1時間経て、アゾビスイソブチロニトリル2部を加え、更に2時間反応させた。反応終了後、メチルエチルケトンで固形分の調整を行った。このようにして固形分30%、酸価26mgKOH/g、重量平均分子量20000、ガラス転移温度46℃、メタクリル酸メチル構造単位の含有量62質量%のアクリル樹脂Ac1溶液を得た。
(実施例1)
<紫外線レーザーマーキング組成物S1>
酸化亜鉛A(酸化亜鉛粒子 平均粒子径200nm 一次粒子径25nm 吸油量24ml/100g)35部、ポリウレタン樹脂PU1溶液25部、塩化ビニル共重合樹脂(ソルバインTA5R:日信化学工業社製 塩化ビニル:酢酸ビニル:ビニルアルコール=88:1:11(質量比)、固形分25%酢酸エチル溶液)10部、酢酸エチル20部、イソプロパノール(IPA)10部を混合し、ディスパーで撹拌した後、サンドミルを使用してこれを10分間で分散し、紫外線レーザーマーキング組成物S1を得た。
<印刷物および積層体の作成>
(印刷物)
紫外線レーザーマーキング組成物S1を、酢酸n−プロピル/イソプロピルアルコール=50/50の混合溶剤を用い、離合社製のザーンカップNo.3で16秒(25℃)になるように粘度を調整して希釈し、以下の基材1(OPP、PET、NY)それぞれのコロナ処理面側に、イワセ社製の小型印刷機を用い、レーザー175線 版深30μベタ版にてグラビア印刷し、各印刷物を得た。
・コロナ処理延伸ポリプリピレン(OPP)フィルム(フタムラ化学製「FOR」、厚さ20μm)
・コロナ処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製「E5100
」、厚さ12μm)
・コロナ処理ナイロン(ONy)フィルム(ユニチカ製「ON−RT」、厚さ15μm)(積層体)
上記で得た印刷物の印刷層上に接着剤(東洋モートン製「TM320/CAT13B」)を乾燥塗布量3.5g/mとなるように塗工し、基材2としての無延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学製「FHK2」、厚さ30μm)とドライラミネーションにより貼り合わせて上記それぞれの積層体を得た。
(実施例2〜18)<紫外線レーザーマーキング組成物S2〜S18>
表1に示した原材料および配合組成を使用した以外は実施例1の場合と同様に組成物を調製した。また上記と同様の方法にて印刷物(OPP、PET、ONy)および積層体(OPP、PET、ONy)を得た。なお、表中の略称は以下を表す。
・セルロース樹脂:T.N.C.INDUSTRIAL CO.,LTD製 ニトロセルロース 製品名TR2 固形分30%(メチルシクロヘキサン/IPA/酢酸エチル溶液)
・塩素化ポリオレフィン樹脂:(日本製紙社製 塩素化ポリプロピレン樹脂 製品名370M 塩素含有率30%、固形分50%溶液)
・酸化亜鉛B:酸化亜鉛粒子(平均粒子径50nm 一次粒子径15nm 吸油量28ml/100g)
・酸化亜鉛C:酸化亜鉛粒子(平均粒子径300nm 一次粒子径35nm 吸油量21ml/100g)
・酸化亜鉛D:酸化亜鉛粒子(平均粒子径400nm 一次粒子径60nm 吸油量16ml/100g)
・酸化チタン:酸化チタン粒子(平均粒子径100nm 吸油量23ml/100g)
・酸化セリウム:酸化セリウム粒子(平均粒子径200nm)
・酸化スズ:酸化スズ粒子(平均粒子径200nm)
・酸化鉄(III):酸化鉄(III)粒子(平均粒子径200nm)
(比較例1〜6)<紫外線レーザーマーキング組成物SS1〜SS6>
表2に示した原材料および配合組成を使用した以外は実施例1の場合と同様に組成物を調製した。また上記と同様の方法にて印刷物(OPP、PET、ONy)および積層体(OPP、PET、ONy)を得た。なお、表中の略称は以下を表す。
・ポリアセタール樹脂:三菱ケミカル社製 製品名ユピタールFU2025
・シリカ:シリカ粒子(平均粒子径300nm)
・硫酸バリウム:硫酸バリウム(平均粒子径300nm)
・アルミナ:酸化アルミニウム(平均粒子径300nm)
・酸化マグネシウム:酸化マグネシウム(平均粒子径300nm)
<性能評価>
表1に示した実施例1〜18、および比較例1〜6で得られた紫外線レーザーマーキング組成物(S1〜S18(実施例)、SS1〜SS6(比較例))、それらの印刷物および積層体の性能を、下記の方法で評価した。結果を表3および表4に示した。
[インキ製造適性]
紫外線レーザーマーキング組成物(S1〜S18(実施例)、SS1〜SS6(比較例))を製造する際のサンドミル分散時の流動性を目視により評価した。なお流動性の判断は、サンドミル分散時の組成物の粘度が、離合社製ザーンカップNo.4で30秒未満であると「良好」、ザーンカップNo.4で30〜90秒であると「やや低い」、ザーンカップNo.4で90秒を超えると「不良」とした。
A:サンドミル分散時の流動性が良好、インキ作成容易
B:サンドミル分散時の流動性がやや低いが、インキ作成可能
C:サンドミル分散時の流動性が不良、インキ作成不可
産業上利用可能な評価はAおよびBである。
[経時安定性]
紫外線レーザーマーキング組成物(S1〜S18(実施例)、SS1〜SS6(比較例))をガラス瓶に入れ密栓し、40℃の環境下に7日間保存した後、組成物の状態(粘度変化、沈殿)変化を評価した。粘度変化は保存前後においてのザーンカップNo.4の25℃における流出秒数の差とした。
A:組成物の経時変化なし(粘度変化が5秒未満であり沈殿がない)
B:組成物にやや経時変化あり(粘度変化が5秒以上20秒未満であり、僅かに沈殿がある)
C:著しい経時変化あり(粘度変化が20秒を超え、沈殿が著しい)
産業上利用可能な評価はAおよびBである。
[印刷物透明性]
紫外線レーザーマーキング組成物(S1〜S18(実施例)、SS1〜SS6(比較例))を使用した印刷物(OPP)について当該印刷物の透明性を評価した。透明性は、日本電色工業社製「SH7000」を用いて、全光線透過率(TT)を測定することにより評価した。
A:透明性良好(全光線透過率80%以上)
B:透明性劣る(全光線透過率50%以上80%未満)
C:透明性不良(全光線透過率50%未満)
産業上利用可能な評価はAおよびBである。
[基材密着性]
紫外線レーザーマーキング組成物(S1〜S18(実施例)、SS1〜SS6(比較例))を使用した印刷物(OPP、PET、ONy)について当該印刷物の接着性を評価した。評価は粘着テープ(ニチバン社製 セロテープ(登録商標))を用いて印刷層に貼り付けて印刷層の90°方向に急速に引きはがして印刷層の剥がれ具合で評価した。
A:粘着テープ貼付部の20%未満の面積で印刷層が剥がれる
B:粘着テープ貼付部の20〜50%の面積で印刷層が剥がれる
C:粘着テープ貼付部の50%を超える面積で印刷層が剥がれる
産業上利用可能な評価はAおよびBである。
[積層体透明性]
紫外線レーザーマーキング組成物(S1〜S18(実施例)、SS1〜SS6(比較例))を使用した積層体(OPP、PET、ONy)について透明性を評価した。透明性は、日本電色工業社製「SH7000」を用いて、全光線透過率(TT)を測定することにより評価した。
A:透明性良好(全光線透過率80%以上)
B:透明性劣る(全光線透過率50〜80%)
C:透明性不良(全光線透過率50%未満)
産業上利用可能な評価はAおよびBである。
[ラミネート強度]
紫外線レーザーマーキング組成物(S1〜S18(実施例)、SS1〜SS6(比較例))を使用した積層体(OPP、PET、ONy)についてラミネート強度を以下の基準により評価した。
A:ラミネート強度が0.8N/15mm以上。
B:ラミネート強度が0.3N/15mm以上、0.8N/15mm未満。
C:ラミネート強度が0.3N/15mm未満
産業上利用可能な評価はAおよびBである。
(紫外線レーザー印字)
紫外線レーザーマーキング組成物(S1〜S18(実施例)、SS1〜SS6(比較例))を使用した積層体(OPP、PET、ONy)について、紫外線レーザー「MD−U1000C」(キーエンス社製)を用い、紫外線レーザーによる印字を以下の条件で行った。印字は全て基材1側から行った。
1)レーザーパワー 50%
2)走査速度 2000mm/秒
3)Qスイッチ周波数 120kHz
[レーザー印字の視認性]
上記の方法でレーザー印字を行った積層体(OPP、PET、ONy)について、目視により視認性(印字濃度)を評価した。
A:印字濃度が高く、視認性が良好
B:印字濃度が高くないが、視認性はある
C:印字濃度が低く、視認性がない
産業上利用可能な評価はAおよびBである。
[照射箇所の凹凸(損傷)の有無]
上記の方法でレーザー印字を行った積層体について、目視により照射箇所の凹凸(損傷)の有無を評価した。なお、凹凸(損傷)とは積層体における表面層(基材1)が変形し、表面粗さが増大し平滑性を失った状態をいう。
A:照射箇所の凹凸(損傷)が無い。
C:照射箇所に凹凸(損傷)が認められる。
産業上利用可能な評価はAである。
上記より本願は発明の紫外線レーザーマーキング組成物を用いた場合は紫外線レーザーでの視認性に優れ、かつ非印字部分の透明性に優れる印刷物ないし積層体を提供することができた。なお印刷物の印刷層は基材密着性が良好であり、更に、当該組成物の容易に製造可能であり、組成物の経時安定性も良好であることも示された。
Figure 2020078924
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Claims (6)

  1. ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル共重合樹脂および塩素化ポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種のバインダー樹脂を含有し、亜鉛、チタン、セリウム、アンチモン、スズ、鉄およびジルコニウムから選ばれる金属に由来する金属酸化物(A)を少なくとも1種含有する、紫外線レーザーマーキング組成物。
  2. 前記金属酸化物(A)の平均粒子径は5〜300nmである、請求項1に記載の紫外線レーザーマーキング組成物。
  3. 前記金属酸化物(A)は酸化亜鉛および/または酸化チタンを含む、請求項1または2に記載の紫外線レーザーマーキング組成物。
  4. 前記バインダー樹脂は、ポリウレタン樹脂と、塩化ビニル共重合樹脂とを質量比95:5〜40:60で含有する、請求項1〜3いずれかに記載の紫外線レーザーマーキング組成物。
  5. 基材1上に請求項1〜4いずれかに記載の紫外線レーザーマーキング組成物からなる印刷層を有する印刷物。
  6. 請求項5に記載の印刷物の印刷層上に、更に基材2を有する積層体。













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