JP2020076173A - 織物及びその製造方法 - Google Patents

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昌樹 橋本
Masaki Hashimoto
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Abstract

【課題】凹凸感が大きく、肌に接した時のサラサラ感に優れる楊柳調織物を提供すること。【解決手段】楊柳を有する織物であって、該織物の断面において、該楊柳の高さHは0.40〜1.50mmであることを特徴とする織物。総繊度が50〜90dtexの糸を、撚り数2000〜3200T/mで撚糸し、一旦熱セットした後に、さらに同方向に撚糸し、合計の撚り数を2500〜3500T/mとし、熱セットして、撚糸Aを作製する工程と、得られた撚糸Aを含む緯糸を用いて製織する工程と、を有することを特徴とする織物の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、楊柳を有する織物及びその製造方法に関する。
ジーンズやコーデュロイに代表される、綿等の紡績糸を経糸及び緯糸に用いた織物は、その独特の外観や膨らみ感等の風合いから、パンツ、チノパン、スカート等のボトムやシャツとして多用されている。しかしながら、ニーズの多様化に伴い、表面外観が従来とは一味違った織物が要求されている。
その1つとして、楊柳を有する織物(楊柳調織物)が提案されており、特許文献1には、紡績糸特有の糸ムラ感に楊柳調が融合した紬調の外観を有する楊柳調織物が提案されている。
また、特許文献2には、光沢が高度に抑えられ、ソフトで膨らみ感のある風合い、ナチュラルな凹凸感のあるシボを有する織物が提案されている。
特開2003−342854号公報 特開2013−019078号公報
しかしながら、これらの文献で提案されている織物は、凹凸感の大きさや、肌触りに改善の余地があった。
従って、本発明の目的は、凹凸感が大きく、肌に接した時のサラサラ感に優れる楊柳調織物を提供することにある。
本発明は、以下の[1]〜[14]に係る発明である。
[1]楊柳を有する織物であって、該織物の断面において、該楊柳の高さHは0.40〜1.50mmであることを特徴とする織物。
[2]前記織物の断面において、前記楊柳の頂点の隣り合う間隔Wが、0.40〜1.50mmである[1]に記載の織物。
[3]前記織物の厚さD(mm)と、前記楊柳の高さH(mm)の比(H/D)が、1.0〜2.0である[1]または[2]に記載の織物。
[4]緯糸は、総繊度が50〜90dtexであり、かつ、撚り数が2500〜3500T/mである撚糸Aを含み、該緯糸の全量に対する該撚糸Aの含有量が30質量%以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の織物。
[5]前記撚糸Aが、セルロース系化学繊維Aと、ポリエステル繊維Aとの混繊糸Aである[4]に記載の織物。
[6]前記緯糸が、シルク、および、前記セルロース系化学繊維Aとは異なるセルロース系化学繊維Bから選ばれる繊維Iを含み、該緯糸として、該繊維Iを含む糸と、前記混繊糸Aとが交互に配されている[5]に記載の織物。
[7]経糸として、S撚りの撚糸Bと、Z撚りの撚糸Cとが交互に配されている[1]〜[6]のいずれかに記載の織物。
[8]前記撚糸B及び前記撚糸Cが、それぞれ、セルロース系化学繊維Cと、ポリエステル繊維Bとの混繊糸Bである[7]に記載の織物。
[9]緯方向の平均摩擦係数(MIU)が、0.2〜0.4である[1]〜[8]のいずれかに記載の織物。
[10]緯方向の摩擦係数の平均偏差(MMD)が、0.02〜0.05である[1]〜[9]のいずれかに記載の織物。
[11]織物の緯方向の湿潤時の摩擦抵抗力が、20〜50gfであり、下記式1で算出される湿潤時と乾燥時との摩擦抵抗力差が、1〜10gfである[1]〜[10]のいずれに記載の織物:
式1 (湿潤時の摩擦抵抗力)−(乾燥時の摩擦抵抗力)。
[12]総繊度が50〜90dtexの糸を、撚り数2000〜3200T/mで撚糸し、一旦熱セットした後に、さらに同方向に撚糸し、合計の撚り数を2500〜3500T/mとし、熱セットして、撚糸Aを作製する工程と、得られた撚糸Aを含む緯糸を用いて製織する工程と、を有することを特徴とする織物の製造方法。
[13]前記織物を構成する経糸に、S撚りの撚糸Bと、Z撚りの撚糸Cとを交互に配する[12]に記載の織物の製造方法。
[14]前記織物を構成する緯糸に、シルクまたはセルロース系化学繊維を、前記撚糸Aと交互に配する[12]または[13]に記載の織物の製造方法。
本発明によれば、凹凸感が大きく、肌に接した時のサラサラ感に優れる楊柳調織物が提供される。
本発明の織物の一実施形態における、楊柳の高さH及び楊柳の頂点の隣り合う間隔Wの特定方法を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について具体的に説明する。
<織物>
本発明の織物は、楊柳(経方向のシワ)を有する織物(楊柳調織物)であって、当該織物の断面における楊柳の高さHが、0.40〜1.50mmである。
楊柳の高さHが、0.40mm以上であればサラサラ感に優れ、1.50mm以下であれば目付が重くなりすぎず、製品のシルエットが安定しやすい。同様の観点から、前記楊柳の高さHは、0.50〜1.30mmであることが好ましい。
なお、楊柳の高さHは、図1に示すように、楊柳の方向(経方向)に対して、(任意の位置で)垂直に織物を切断した際の切断面において、基準面(当該織物を配置した水平な台の表面)Rからの任意の5点の楊柳の高さの平均値を測定することにより特定することができる。ここで、図1には、デジタルカメラにより撮影された上記切断面の任意の点における楊柳の高さHが示されている。
本発明の織物は、当該織物の断面における楊柳の頂点の隣り合う間隔Wが、0.40〜1.50mmであることが好ましい。
前記楊柳の頂点の間隔Wが、0.40〜1.50mmであれば、サラサラ感に優れる。同様の観点から、前記頂点の間隔Wは、0.70〜1.30mmであることがより好ましい。
なお、楊柳の頂点の間隔Wは、以下の方法により特定することができる。即ち、楊柳の方向(経方向)に対して、(任意の位置で)垂直に織物を切断した際の切断面において、隣り合う楊柳の頂点t間の距離を任意に5点測定し、その平均値を求めることにより楊柳の頂点の間隔Wを特定することができる。なお、図1には、デジタルカメラにより撮影された上記切断面の任意の楊柳の頂点tとtとの間の間隔W1−2が示されている。
本発明の織物は、織物の厚さD(mm)と、楊柳の高さH(mm)の比(H/D)が、1.0〜2.0であることが好ましい。この比が1.0以上であれば凹凸が大きくなり、2.0以下であれば織物の形態が安定する。
同様の観点から、上記比は、1.5以下であることがより好ましい。なお、織物の厚さDは、通常の厚さ測定器により測定することができる。
本発明の織物は、経糸と緯糸とを組み合わせて構成されており、当該緯糸は、総繊度が50〜90dtexであり、かつ、撚り数が2500〜3500T/mである撚糸Aを含み、該緯糸の全量に対する該撚糸Aの含有量が30質量%以上であることが好ましい。
撚糸Aの総繊度が50dtex以上であれば、凹凸感が出やすくなり、90dtex以下であれば、楊柳の頂点の間隔Wを0.40〜1.50mmの範囲に調整しやすい。同様の観点から、前記撚糸Aの総繊度は、60〜90dtexであることがより好ましい。
また、撚糸Aの撚り数が2500T/m以上あれば、凹凸感が出やすくなり、3500T/m以下であれば、風合いが硬くなるのを防ぎやすい。同様の観点から、撚糸Aの撚り数は、2600〜3300T/mであることがより好ましい。
緯糸の全量に対する撚糸Aの含有量が30質量%以上であれば、楊柳の高さHを0.40〜1.50mmの範囲に調整しやすい。
同様の観点から、緯糸の全量に対する撚糸Aの含有量は、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上がさらに好ましい。
前記撚糸Aは、セルロース系化学繊維Aと、ポリエステル繊維Aとの混繊糸Aであることが好ましい。
撚糸Aが、セルロース系化学繊維とポリエステル繊維の混繊糸であることで、清涼感が良くなり、さらにクーリング効果が生じやすい。混繊糸Aを構成するセルロース系化学繊維Aとポリエステル繊維Aとはいずれも、特に限定されず、織物の分野で公知のものをそれぞれ適宜選択して用いることができる。セルロース系化学繊維Aとしては、例えば、トリアセテート繊維(品番:TAB50T34、三菱ケミカル社製)、レーヨン繊維(品番:84T31F、吉林化繊有限公司社製)及びキュプラ等を用いることができる。また、ポリエステル繊維Aとしては、例えば、ポリエステル繊維(品番:PESD22T12A234、三菱ケミカル社製)を用いることができる。
なお、上記撚糸Aは、上記総繊度及び上記撚り数を満たすものであれば、セルロース系化学繊維とポリエステル繊維との混合比及び撚り方向等は特に限定されず、適宜設定することができる。しかしながら、後述する2度撚りにより作製された撚糸Aを用いることが好ましい。
また、前記緯糸は、シルクと、(前記セルロース系化学繊維Aとは異なる)セルロース系化学繊維Bとから選ばれる繊維Iを含有し、該繊維Iを含む糸と該混繊糸Aとが交互に配されていることが好ましい。
緯糸にシルクまたは前記セルロース系化学繊維Aとは異なるセルロース系化学繊維を含有することで、吸水性が増し、清涼感の効果を得やすくなる。また、前記混繊糸Aと繊維Iを含む糸とが交互に配されていることで、よりランダムで自然な表情を得やすくなる。なお、繊維Iとして、シルク及びセルロース系化学繊維Bを併用しても良いし、いずれか一方を用いても良い。シルクとしては、織物の分野で公知のものを適宜選択して用いることができる。また、セルロース系化学繊維Bとしては、混繊糸Aに用いたセルロース系化学繊維A以外のものであれば、適宜選択して用いることができる。
なお、本発明の織物を構成する緯糸中の上記繊維I(を含む糸)の含有量は、凹凸感の観点から、20質量%以上、40質量%以下であることが好ましい。
上記繊維Iを含む糸は、繊維Iを所定の撚り回数、所定の撚り方向に撚糸することにより作製することができる。ここで、この撚り回数及び撚り方向は特に限定されないが、凹凸感の観点から、2000〜3500T/mとすることが好ましい。
本発明の織物を構成する経糸は、S撚りの撚糸Bと、Z撚りの撚糸Cとが交互に配されていることが好ましい。
経糸について、S撚りとZ撚りの撚糸が交互に配されることで、生地の形態が安定する効果が生じやすい。
また、前記撚糸B及び撚糸Cはそれぞれ、セルロース系化学繊維Cと、ポリエステル繊維Bとの混繊糸Bであることが好ましい。
セルロース系化学繊維とポリエステル繊維の混繊糸Bであることで、織物の強度をより高くすることができる。なお、セルロース系化学繊維C及びポリエステル繊維Bは、特に限定されず、織物の分野で公知のものから適宜選択して用いることができ、上述した緯糸に用いる、セルロース系化学繊維A及びB、ポリエステル繊維Aと同一のものであっても良いし、異なるものであっても良い。従って、経糸に用いる撚糸B及び撚糸Cが、緯糸に用いる上記撚糸Aと同一のものであっても良いし、異なるものであっても良い。
前記撚糸B及び撚糸Cの総繊度及び撚り数は適宜設定することができ、特に限定されない。
本発明の織物は、緯方向の平均摩擦係数(MIU)が、0.2〜0.4であることが好ましい。
緯方向の平均摩擦係数(MIU)が、0.2以上であれば、サラサラ感が得やすくなり、0.4以下であれば、ザラザラ感がなく、良好な風合いにし易い。
なお、緯方向の平均摩擦係数は、摩擦感テスター(商品名:KES−SE、カトーテック株式会社製)を用いて測定することができる。具体的には、織物の緯糸方向に沿って、5回測定を行い、その平均値から、織物の緯方向の平均摩擦係数(MIU)を特定することができる。ここで、KES表面摩擦特性値の平均摩擦係数(MIU)は、試料(織物)表面のすべりやすさを表し、値が大きくなるほど表面がすべりにくくなることを示す。
本発明の織物は、緯方向の摩擦係数の平均偏差(MMD)が、0.02〜0.05であることが好ましい。
緯方向の摩擦係数の平均偏差(MMD)が、0.02以上であれば、サラサラ感が得やすく、0.05以下であれば、ザラザラ感がなく、良好な風合いにし易い。また、同様の観点から、本発明の織物は、緯方向の摩擦係数の平均偏差(MMD)が、0.03〜0.05であることがより好ましい。
なお、緯方向の摩擦係数の平均偏差(平均摩擦係数の変動)は、摩擦感テスター(商品名:KES−SE、カトーテック株式会社製)を用いて測定することができる。具体的には、織物の緯糸方向に沿って、5回測定を行い、その平均値から、織物の緯方向の摩擦係数の平均偏差(MMD)を特定することができる。ここで、摩擦係数の変動(MMD)は、試料(織物)表面のざらつき感、凹凸感を表し、値が大きくなるほど表面のざらつきが大きくなることを示す。
織物の緯方向の湿潤時の摩擦抵抗力は、20〜50gf(0.20〜0.49N)であることが好ましく、更に、下記式1で算出される湿潤時と乾燥時との摩擦抵抗力差が1〜10gf(0.0098〜0.098N)であることが好ましい。
式1 (湿潤時の摩擦抵抗力)−(乾燥時の摩擦抵抗力)
織物の緯方向の湿潤時の摩擦抵抗力が20〜50gfであれば、汗をかいた時でもサラサラ感の効果が維持しやすくなる。また、上記摩擦抵抗力差が1〜10gfであれば、サラサラ感の変化が少なく、良好な着心地が得やすくなる。
なお、織物の緯方向における湿潤時及び乾燥時の摩擦抵抗力は、UGT(ユニチカガーメンテック)法を用いて特定することができる。
<織物の製造方法>
本発明の織物の製造方法は、以下の工程を有する。
・総繊度が50〜90dtexの糸を、撚り数2000〜3200T/mで撚糸し、一旦熱セットした後に、さらに同方向に撚糸し、合計の撚り数を2500〜3500T/mとし、熱セットして、撚糸Aを作製する工程(撚糸A作製工程)。
・得られた撚糸Aを含む緯糸を用いて製織する工程(製織工程)。
なお、前記製織工程より得られる生成りの織物に対して、以下の工程を有することもできる。
・得られた生成りの織物を仕上げ加工する工程(加工工程)。
以下に各工程について説明する。
(撚糸A作製工程)
撚糸Aの作製に、総繊度が50〜90dtexの糸を用いることにより、凹凸感が出やすくなり、織物にサラサラ感を付与しやすくなる。
また、この特定の総繊度を有する糸を、撚り数2000〜3200T/mで撚糸して、一旦、熱セットする。続いて、更に、同方向に撚糸して、合計の撚り数を2500〜3500T/mとし、熱セットする。このように、緯糸に用いる撚糸Aを同方向に2度撚りして作製することで、凹凸感が一層出やすくなる。なお、1度目の撚り数は、凹凸感の観点から、2000T/m以上、3200T/m以下が好ましい。また、2度目の撚り数も、凹凸感の観点から、2度撚りの合計の撚り数が2500T/m以上、3500T/m以下となるように設定することが好ましい。2度撚りにおける撚糸方向は、追撚加工となるように同方向に行う。
撚糸Aを作製する際の熱セットの方法は特に限定されず、織物の分野で公知の方法を適宜用いることができる。
なお、上述したように、清涼感等の観点から、撚糸Aに用いる糸は、セルロース系化学繊維とポリエステル繊維との混繊糸Aであることが好ましい。
(製織工程)
得られた撚糸Aを含む緯糸を用いて製織して、生成りの織物を得る。この際、上述したように、肌触りの観点から、緯糸の全量に対する撚糸Aの含有量は30質量%以上であることが好ましい。また、清涼感等の観点から、緯糸として、シルクまたはセルロース系化学繊維(繊維I)を含む糸を、前記撚糸Aと交互に配することが好ましい。さらに、生地形態の安定化の観点から、織物を構成する経糸として、上述したS撚りの撚糸Bと、Z撚りの撚糸Cとを交互に配することが好ましい。なお、製織機は従来公知のものを適宜用いることができる。
(加工工程)
得られた生成りの織物に対して、従来公知の仕上げ加工を行うことができる。加工方法としては特に限定されないが、例えば、得られた生成りの織物を従来公知の染色機を用いて染色加工することができる。
上述したような製造方法により、上述した楊柳の高さH、頂点間隔W、比(H/D)等を満たす楊柳調の織物を作製することができる。
以下、本発明を、下記実施例を用いて、より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
各例より得られた織物の各種物性を、以下の方法により測定した。
(楊柳の頂点間隔W)
得られた織物を、任意の位置で経方向に対して垂直に裁断し、水平な台の上に静置し、その断面をデジタルカメラを用いて撮影して、得られた画像から、隣り合う楊柳の頂点の距離を任意の5箇所で測定し、その平均値を楊柳の頂点の間隔Wとした。
(楊柳の高さH)
得られた織物を、任意の位置で経方向に対して垂直に裁断し、水平な台の上に静置しその断面をデジタルカメラを用いて撮影して、得られた画像において、基準面Rからの高さを任意の5箇所で測定し、その平均値を楊柳の高さHとした。
(織物の厚さD)
得られた織物の厚さを、厚さ測定器(型番:H−1A、PEACOCK社製)にて測定した。
(緯方向の平均摩擦係数(MIU))
得られた織物の緯方向の平均摩擦係数(MIU)を、KES−SE(商品名、カトーテック株式会社製)にて測定した。
具体的には、得られた織物の緯糸方向に沿って、5回測定を行い、その平均値を緯方向の平均摩擦係数(MIU)とした。
(緯方向の摩擦係数の平均偏差(MMD))
得られた織物の緯方向の摩擦係数の平均偏差(MMD)を、KES−SE(商品名、カトーテック株式会社製)にて測定した。
具体的には、得られた織物の緯糸方向に沿って、5回測定を行い、その平均値を緯方向の摩擦係数の平均偏差(MMD)とした。
(乾燥時及び湿潤時の摩擦抵抗力)
得られた織物の緯方向の乾燥時及び湿潤時の摩擦抵抗力を、それぞれ、ユニチカガーメンテック株式会社のUGT法にて測定した。
[実施例1]
<経糸の準備>
まず、以下の2種類の繊維をエアー混繊し、続けて、撚り数2000T/mのS撚りで追撚し、経糸用の撚糸(複合合撚糸)Bを得た。
(撚糸Bの原料)
・セルロース系化学繊維
トリアセテート繊維(三菱ケミカル社製、品番:TAB50T34)
・ポリエステル繊維(三菱ケミカル社製、品番:PESD22T12A210)。
次に、撚り方向をZ方向に変更した以外は、上記撚糸Bと同様にして、経糸用の撚糸Cを得た。
<緯糸の準備>
続いて、以下の2種類の繊維を、2800T/mのS撚り(2度撚り:1度目(2400T/m)、2度目(400T/m))で合撚し、撚り毎に撚り止めセット(熱セット)を行い、緯糸用の撚糸Aを得た。なお、得られた撚糸Aの総繊度は83dtexであった。
(撚糸Aの原料)
・セルロース系化学繊維
トリアセテート繊維(三菱ケミカル社製、品番:TAB50T34)
・ポリエステル繊維(三菱ケミカル社製、品番:PESD22T12A210)。
続いて、繊維Iとして、シルク21中を3本引き揃えた後、撚り数2800T/mのS撚りで合撚し、緯糸用の撚糸Dを得た。
得られた経糸及び緯糸を用いて、織物を作製した。
具体的には、経糸に、前記撚糸Bと撚糸Cとを2本ずつ交互に配置し、緯糸に前記撚糸Aと撚糸Dとを交互に配置した平組織の織物生地を製織機(津田駒社製)を用いて作製した。この際、得られた織物生地中の緯糸の全量に対する前記撚糸Aの含有量は51質量%であった。
得られた織物生地に対して、液流染色機を使用した楊柳リラックス後に仕上げ加工を行い、平組織の織物を得た。詳細を表1に示す。
得られた織物は、凹凸感が大きく、肌に接した時のサラサラ感に優れる楊柳調織物であった。
[実施例2]
緯糸用の撚糸Dを、レーヨン繊維(品番:84T31F、吉林化繊有限公司社製)を撚り数2400T/mのS撚りで撚糸した撚糸Eに変更した以外は、実施例1と同様にして平組織の織物を得た。なお、実施例2では、得られた織物生地中の緯糸の全量に対する前記撚糸Aの含有量は50質量%であった。詳細を表1に示す。
得られた織物は、凹凸感が大きく、肌に接した時のサラサラ感に優れる楊柳調織物であった。
[実施例3]
緯糸に、上記撚糸Dを用いず、前記撚糸Aのみを使用した以外は、実施例1と同様にして平組織の織物を得た。詳細を表1に示す。
得られた織物は、凹凸感が大きく、肌に接した時のサラサラ感に優れる楊柳調織物であった。
[比較例1]
まず、ポリエステル繊維(三菱ケミカル社製、品番:PEB84T48E128)を撚り数2800T/mのS撚りで撚糸し、経糸用の撚糸Fを得た。
次に、ポリエステル繊維(三菱ケミカル社製、品番:PEB84T48E128)を撚り数2800T/mのZ撚りで撚糸し、緯糸用の撚糸Gを得た。
経糸に前記撚糸Fを配置し、緯糸に前記撚糸Gを配置し、平組織の織物生地を製織機(津田駒社製)を用いて作製した。
その後、実施例1と同様にして仕上げ加工を行い、平組織の織物を得た。詳細を表1に示す。
得られた織物は、実施例1〜3で得られた織物と比較して、凹凸感が小さく、肌に接した時のサラサラ感に劣る織物であった。
任意の点における楊柳の高さ
、t 任意の楊柳の頂点
1−2 頂点tとtとの間の間隔
R 基準面

Claims (14)

  1. 楊柳を有する織物であって、該織物の断面において、該楊柳の高さHは0.40〜1.50mmであることを特徴とする織物。
  2. 前記織物の断面において、前記楊柳の頂点の隣り合う間隔Wが、0.40〜1.50mmである請求項1に記載の織物。
  3. 前記織物の厚さD(mm)と、前記楊柳の高さH(mm)の比(H/D)が、1.0〜2.0である請求項1または2に記載の織物。
  4. 緯糸は、総繊度が50〜90dtexであり、かつ、撚り数が2500〜3500T/mである撚糸Aを含み、該緯糸の全量に対する該撚糸Aの含有量が30質量%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の織物。
  5. 前記撚糸Aが、セルロース系化学繊維Aと、ポリエステル繊維Aとの混繊糸Aである請求項4に記載の織物。
  6. 前記緯糸が、シルク、および、前記セルロース系化学繊維Aとは異なるセルロース系化学繊維Bから選ばれる繊維Iを含み、該緯糸として、該繊維Iを含む糸と、前記混繊糸Aとが交互に配されている請求項5に記載の織物。
  7. 経糸として、S撚りの撚糸Bと、Z撚りの撚糸Cとが交互に配されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の織物。
  8. 前記撚糸B及び前記撚糸Cが、それぞれ、セルロース系化学繊維Cと、ポリエステル繊維Bとの混繊糸Bである請求項7に記載の織物。
  9. 緯方向の平均摩擦係数(MIU)が、0.2〜0.4である請求項1〜8のいずれか一項に記載の織物。
  10. 緯方向の摩擦係数の平均偏差(MMD)が、0.02〜0.05である請求項1〜9のいずれか一項に記載の織物。
  11. 前記織物の緯方向の湿潤時の摩擦抵抗力が、20〜50gfであり、
    下記式1で算出される湿潤時と乾燥時との摩擦抵抗力差が、1〜10gfである請求項1〜10のいずれか一項に記載の織物:
    式1 (湿潤時の摩擦抵抗力)−(乾燥時の摩擦抵抗力)。
  12. 総繊度が50〜90dtexの糸を、撚り数2000〜3200T/mで撚糸し、一旦熱セットした後に、さらに同方向に撚糸し、合計の撚り数を2500〜3500T/mとし、熱セットして、撚糸Aを作製する工程と、
    得られた撚糸Aを含む緯糸を用いて製織する工程と、
    を有することを特徴とする織物の製造方法。
  13. 前記織物を構成する経糸に、S撚りの撚糸Bと、Z撚りの撚糸Cとを交互に配する請求項12に記載の織物の製造方法。
  14. 前記織物を構成する緯糸に、シルクまたはセルロース系化学繊維を、前記撚糸Aと交互に配する請求項12または13に記載の織物の製造方法。
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