JP5845822B2 - ポリエステル系合撚糸およびこれを用いた織編物 - Google Patents
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KA=TA×√(DA) ・・・ 式(1)
ただし、KA:糸条Aの撚係数
TA:糸条Aの撚数(回/M)
DA:糸条Aの繊度(dtex)×0.9
K=T×√D ・・・ 式(2)
ただし、K:合撚糸の撚係数
T:合撚糸の撚数(回/M)
D:合撚糸の繊度(dtex)×0.9
本発明のポリエステル系合撚糸の好ましい態様によれば、前記の糸条Aと前記の条Bの糸長差が下式(3)を満たすことである。
{(Lb−La)/(Lb)}×100≧3 ・・・ 式(3)
La:糸条Aの長さ
Lb:糸条Bの長さ
本発明のポリエステル系合撚糸の好ましい態様によれば、前記の糸条Bが、その表面に微細な凹凸孔を有することである。
KA=TA×√(DA) ・・・ 式(1)
ただし、KA:糸条Aの撚係数
TA:糸条Aの撚数(回/M)
DA:糸条Aの繊度(dtex)×0.9
整経や製織条件によっても異なるが、高次工程通過性や製品においてさらに良好な反発感を得られるという観点から、撚係数(KA)のより好ましい範囲は15000以上20000以下である。
K=T×√D・・・ 式(2)
ただし、K :合撚糸の撚係数
T:合撚糸の撚数(回/M)
D:合撚糸の繊度(dtex)×0.9
艶感やソフト・反発などの風合いの観点から、撚係数(K)の好ましい範囲は、3000以上10000以下である。
{(Lb−La)/(Lb)}×100≧3 ・・・式(3)
La:糸条Aの長さ
Lb:糸条Bの長さ
芯部と鞘部の糸長差を3%以上とすることにより、鞘部が芯部をより多く被覆し、芯糸と鞘糸間に空隙が生じることになり、フクラミや発色性、艶感が向上する。しかしながら、この糸長差を大きくしすぎることにより、フカツキや芯部の糸条Aの特徴が小さくなる傾向があるため、この糸長差は3%以上15%以下の範囲であることが好ましい。糸長差は、さらに好ましくは、5%以上12%以下の範囲である。
京大化研式ロータリースタティテスターにより、摩擦対象布として精錬、漂白した綿の平織カキナン3号(目付100g/M2)を用い、ローター回転数400rpm、校正印加電圧100V、温度20℃、相対湿度40%の環境条件中で測定した値である。ここで洗濯後とは,2009年度版JIS L1094規定の洗濯法に準じ、20回繰り返した後のものを指す。
環境条件が、温度:20±2℃、湿度:30±2% RHの試験室に試験布と上記綿摩擦布(カナキン3号)およびタバコの灰を24時間以上放置後、試験室内で直径20cmの木製の円形ホルダーに試験布をしっかり取り付け、30cm×30cmの綿摩擦布4つ折り16枚重ねにし、試験布面を約500g前後の押圧で円を描くように均一に15回摩擦する。摩擦後ただちに摩擦した試験布面を約10cm×10cmの面積に約1.5gの灰を均一に分散させた容器の底から1cmの距離まで近づけ5秒間静止させる。灰の付着状況を観察し、次の4段階判定を行い、◎と○を合格範囲とした。
全く付かない:◎
わずかに付く:○
やや目立つ:△
著しく付く:×
で表示した。
SMカラーコンピューター(スガ試験機(株)製)を用いて、L値を測定した。数値の低いものほど、発色性に優れていることを示す。
艶感の数値化については、製品の黒発色性も大きく数値に反映されるため、色によるバラツキを無くすため、染色直前の白生地を採取し、測定サンプルとしている。
艶感については、人間の感じ方によって高級感の発現が上記光沢度計では表せないこともあり、生地の艶感の目視評価でも、熟練者10名にて以下の5段階の判定方法で評価した。2以上4以下の範囲を合格範囲とする。
5: 光沢が強すぎる
4:やや強めの艶感を有する
3:上質な艶感を有する
2:やや弱めの艶感を有する
1:艶感がほとんどなし。
フクラミ感、ソフト感およびハリコシ感のそれぞれの評価について、熟練者10名にて4段階判定法で評価した。
◎:優
○:良
△:可
×:不可
で表示した。
複合加工糸を0.11cN/dtexの荷重下で長さ10cmの間隔に印を付け、その中から無作為に5本の複合加工糸を取り出し、これらの複合加工糸を分解して糸条Aと糸条Bの単糸長さを測定し、それぞれの平均長さLaとLbを出し、次式(3)により求める。
{(La−Lb)/(Lb)}×100・・・ 式(3)。
1回の洗濯を2槽式洗濯機で、液温度40℃、洗濯時間5分、スズキ30℃×2分×2回、脱水30秒のサイクルで5回繰り返す。洗剤は、花王の“アタック”(登録商標)を1g/L使用した。
防シワ性は、2009年度版JIS L 1059−2(リンクル法)に準じ、加重時間を20分、温度120分とし、3人の評価者が各々3個のサンプルについて除重24時間後に観察し、1級〜5級で評価し、平均を算出した。試験室の環境条件としては、温度:20±2℃、湿度:30±2% RHである。
2010年度版JIS−L1096 A法(タンブル乾燥)3人の評価者が各々3個のサンプルについて観察し、1級〜5級で評価し、平均を算出した。
芯部を構成する糸条Aとして、先ずドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの制電剤を6重量%含有したポリエーテルエステルアミド系制電剤を調整し、次にこの制電剤が糸条A全体の2重量%になるよう固有粘度0.65ポリエステルに分散させたポリマーを36ホール、速度4000M/分で紡糸し、伸度48%の84dtex、36フィラメント(断面円形)の制電性延伸糸を得た。ついで、得られた延伸糸を村田機械(株)製のダブルツイスター撚糸機を用いて、1800回/Mの撚数でS方向に撚糸した糸と、Z方向に撚糸した糸をそれぞれ作成した。その後、80℃×30分のスチーム撚止めセットを実施し、糸条Aとした。
実施例1で用いた特殊構造合撚糸を用い、交織する糸条Cとして、実施例1の糸条Aと同一の制電性延伸糸を用い、実施例1の糸条CのS方向に撚糸、撚止めセットを実施した。製織において、経糸の配列には、特殊構造合撚糸S方向と同合撚糸Z方向と撚糸された糸条Cとを1:1:1で交互に配置し、緯糸の配列には、同合撚糸S方向とZ方向とを2:2で交互に配置した。組織は、表面がアムンゼン組織(1リピートが120本×120本)、裏面がサテン面(5枚サテン)のバックサテンアムンゼン組織にて織物を作成した。
実施例1の糸条Bで用いた微細凹凸を形成する高配向未延伸フィラメントを1.3倍延伸し、84dtex、48フィラメントの延伸糸を1800回/Mで撚糸し、80℃×30分のスチーム撚止めセットを実施し、糸条Aとした。糸条Bについては、実施例1の糸条Bと同一のものを使用し、実施例1の合撚方法で特殊構造のポリエステル繊維合撚糸を得た。糸条Cとして、実施例2で用いた制電性延伸糸を用いている。
実施例1の合撚数を800回/Mにしたこと以外は、同一の方法にて平二重織の製品を作成した。得られた製品の評価を表1に示す。艶感やフクラミがやや抑えられ、締まった表面感と風合いを持つ素材として、実施例1の素材とは違った特徴を持つ素材であった。
実施例1の糸条Aとして用いた制電性延伸糸を芯側に、実施例1の糸条Bとして用いた弛緩熱処理糸を鞘側に配置するように、インターレース加工、フィード率(%)3:6で加工し、212dtexの混繊糸を得た。得られた混繊糸をダブルツイスター撚糸機にて1800回/Mで追撚し、80℃×30分のスチーム撚止めセットを実施し、この追撚した混繊糸を実施例1の特殊構造合撚糸の代わりに用いた。糸条Cとして、実施例2で用いた制電性延伸糸を用いている。糸条Cと製織、染色加工方法については実施例1と同様に行い、平二重織の製品を作成した。得られた製品の評価を表2に示す。艶感がなく、防シワ性も劣っていた。
実施例1の糸条Aおよび、実施例1の糸条Bと同じ弛緩熱処理糸に糸条Aと同一方向に1000回/Mの撚糸、同様の撚止めを実施したものを糸条Bとして用いた。次に、糸条Aと糸条Bを引き揃え、村田製のダブルツイスター撚糸機を用いて、糸条Aの撚方向と同方向に800回/Mの追撚を施し、その後、80℃×40分のスチーム撚止めセットを実施し、合撚糸を得た。糸条Cには実施例1にて用いた糸条Cを用い、製織、染色加工方法については実施例1と同様に行い、平二重織の製品を作成した。得られた製品の評価を表2に示す。艶感も低く、表面感に高級感がなく、風合いも粗悪なものであった。
実施例1の糸条Cで用いた高反発性ポリエステルマルチフィラメントを1800回/Mの撚糸を施し、その後、80℃×30分のスチーム撚止めセットを実施し、糸条Aとした。その他の工程については、実施例3と同様の方法で行い、バックサテンアムンゼン組織の製品を作成した。得られた製品の評価を表2に示す。反発やフクラミの風合いに優れたものであった。
ビスコースレーヨンフィラメント70dtex、24フィラメントを1600回/Mの撚糸を施し、その後、75℃×20分のスチーム撚止めセットを2回実施し糸条Aとした。セルローストリアセテートフィラメント120dtex、26フィラメントを糸条Bとした。これらを実施例2と同様の方法で合撚、撚止めセットを行い、非ポリエステルの特殊構造のポリエステル系合撚糸とした。糸条Cとして、セルローストリアセテートフィラメント84dtex、20フィラメントを実施例2と同様の方法にて撚糸、撚止めセット、製織、染色加工を実施し、バックサテンアムンゼン組織の製品を作成した。得られた製品の評価を表2に示す。発色性と艶感には優れていたが、シワが付きやすく、洗濯による変化が大きいものであった。
Claims (6)
- 2種類以上のポリエステル系マルチフィラメントで構成された合撚糸であって、前記合撚糸を構成する一方の糸条Aが、下式(1)に示す撚係数(KA)8000以上25000以下の撚糸で芯部を形成し、前記合撚糸を構成する他方の糸条Bは無撚で鞘部に給糸されており、前記糸条Aと前記糸条Bとが、下式(2)に示す撚係数(K)が1000以上15000以下で、前記糸条Aの撚方向と同一の方向に合撚されていることを特徴とするポリエステル系合撚糸。
KA=TA×√(DA) ・・・ 式(1)
ただし、KA:糸条Aの撚係数
TA:糸条Aの撚数(回/M)
DA:糸条Aの繊度(dtex)×0.9
K=T×√D ・・・ 式(2)
ただし、K:合撚糸の撚係数
T:合撚糸の撚数(回/M)
D:合撚糸の繊度(dtex)×0.9 - 糸条Aと糸条Bとの糸長差が下式(3)を満たすことを特徴とする請求項1記載のポリエステル系合撚糸。
{(Lb−La)/(Lb)}×100≧3 ・・・ 式(3)
La:糸条Aの長さ
Lb:糸条Bの長さ - 糸条Bが、その表面に微細な凹凸孔を有することを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル系合撚糸。
- 糸条Aが繊維軸方向に微細間隔の筋を有する請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル系合撚糸。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル系合撚糸を少なくとも一部に用いてなる織編物。
- 糸条Aが制電性を有するポリマーを有する複合フィラメントで構成されており、洗濯5回後の摩擦耐電圧が3.0KV以下であることを特徴とする請求項5記載の織編物。
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