JP2020076069A - 粘着フィルムおよび表面保護フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱処理後においても、使用時には剥がれにくく、使用後には剥離しやすく、かつ、加熱処理後に剥離した際の被着体表面に対する汚染が少ない粘着フィルムを提供する。【解決手段】粘着フィルムは、基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを有し、前記粘着剤層が(メタ)アクリル系共重合体(A)およびエポキシ系架橋剤(B)を含有する粘着剤組成物から形成されたものであり、前記粘着剤層のゲル分率が70質量%以上であり、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、環状基を有する構造単位(a−1)と、酸性基を有する構造単位(a−2)とを含み、かつ、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が20万〜200万、分子量分布(PDI)が3.0未満であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、表面保護フィルムなどに使用できる粘着フィルムに関する。
各種部材を搬送、加工する際、一時的に部材を固定、保護するために再剥離型の粘着フィルムが広く用いられている。例えば、偏光板、フレキシブルプリント配線(FPC)基板、透明基材の一方の面に透明電極として酸化インジウム錫(ITO)などの薄膜が形成された導電性フィルム、ガラス基板等の光学部材は、表面の汚れや傷が原因で屈折率の変化等の製品不良が発生する。そのため、光学部材の搬送時、光学部材を使用しての製品の組み立て時または加工時に、光学部材の表面に表面保護用の粘着フィルム(以下「表面保護フィルム」ともいう)を貼付し、光学部材への汚れの付着または傷の発生を防止している。このような、表面保護フィルムには、光学部材の搬送・加工時には剥がれにくく、使用後には剥離しやすいことが求められている。
光学部材に表面保護フィルムを貼付することで、光学部材への汚れの付着または傷の発生を防止できる。しかし、表面保護フィルムの剥離後に、光学部材が粘着剤により汚染されると、光学部材を使用した製品を組み上げたときに製品不良が発生する。また、粘着剤により光学部材が汚染されると、光学部材に接着剤やハードコート剤などを塗布して製品とする場合、光学部材に微小な塗布ムラが発生しやすく、輝度や色むら不良が発生して製品不良となっていた。そのため、表面保護フィルムには、剥離後の被着体表面に対する汚染が少ないことも求められている。
さらに、偏光板の製造工程、FPC基板の製造工程、ITO透明電極層の製造工程や、偏光板、FPC基板、導電性フィルム、ガラス基板などを積層するフラットディスプレイの製造工程などには、表面保護フィルムが高温に曝される工程がある。そのため、表面保護フィルムには、加熱処理後においても、光学部材の搬送・加工時には剥がれにくく、使用後には剥離しやすいくいこと、剥離後の被着体表面に対する汚染が少ないことが求められている。
ここで、表面保護フィルムなどの再剥離型の粘着フィルムによる被着体表面の汚染には、目視で確認可能な汚染と、目視では確認不可能な汚染がある。目視で確認可能な汚染は、千切れた粘着剤などに由来するものであり、一般にのり残りと称されている。目視では確認不可能な汚染は、目視では確認不可能なオリゴマーや粘着剤分解物等に由来するものであり、被着体表面の水接触角の変化(濡れ性の変化)として確認することができる。
粘着フィルムは基材フィルムの少なくとも一方の面に粘着剤層を有している。粘着剤には、光学的特性に優れ、かつ、粘着剤の設計が比較的容易であることから、(メタ)アクリル系共重合体と、架橋剤とからなる(メタ)アクリル系粘着剤が用いられている。例えば、特許文献1には、粘着剤に(メタ)アクリル系粘着剤を用いて、表面保護フィルム剥離後の被着体表面の水接触角変化が初期に対して30°以内とすることで、表面保護フィルムの剥離後においても接着剤やハードコート剤の塗布性が良好になることが開示されている(特許文献1(段落0011)参照)。なお、粘着剤に使用される(メタ)アクリル系共重合体は、一般的にフリーラジカル重合法で製造されるが、共重合体組成の均一性を取ることが困難であり、その結果としてオリゴマーが多く生成する。
特許文献2には、リビングラジカル重合法により製造した(メタ)アクリル系共重合体を粘着剤組成物に用いることで、糊残りが少ない粘着フィルムが得られることが開示されている(特許文献2(段落0002)参照)。
特開2002−173650号公報 国際公開第2007/119884号
しかし、特許文献1の粘着フィルムには、加熱処理後の使用について何ら記載がなく、また加熱処理後の耐汚染性は検討されていない。特許文献2には、加熱処理後において、糊残りや水接触角変化を小さくする方法、および微粘着力(0.96N/24mm以下、1N/25mm以下)の粘着フィルムについて何ら記載がない。
本発明は上記事情を鑑みなされたものであり、加熱処理後においても、使用時には剥がれにくく、使用後には剥離しやすく、かつ、加熱処理後に剥離した際の被着体表面に対する汚染が少ない粘着フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明の粘着フィルムは、基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを有し、前記粘着剤層が、(メタ)アクリル系共重合体(A)およびエポキシ系架橋剤(B)を含有する粘着剤組成物から形成されたものであり、前記粘着剤層のゲル分率が70質量%以上であり、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、環状基を有する構造単位(a−1)と、酸性基を有する構造単位(a−2)とを含み、かつ、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が20万〜200万、分子量分布(PDI)が3.0未満であることを特徴とする。
本発明の粘着フィルムは、粘着剤層が耐熱性に優れており、加熱処理後においても、使用時には剥がれにくく、使用後には剥離しやすく、かつ、加熱処理後に剥離した際の被着体表面に対する汚染が少ない。このように粘着剤層が耐熱性に優れている理由は、(メタ)アクリル系重合体が環状基を有する構造単位(a−1)を有し、かつ、所定の重量平均分子量および分子量分布を有するためと考えられる。
本発明の粘着フィルムは、加熱処理後においても、使用時には剥がれにくく、使用後には剥離しやすく、かつ、加熱処理後に剥離した際の被着体表面に対する汚染が少ない。
<粘着フィルム>
本発明の粘着フィルムは、基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に、粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する。前記粘着剤層は基材フィルムの少なくとも片面または少なくとも一部に形成されている。前記粘着剤層は、単層でも良いし、多層構造としてもよい。
一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚さが長さと幅の割には小さい平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さおよび幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JIS K6900)。例えば、厚さに関して言えば、狭義では100μm以上のものをシートと称し、100μm未満のものをフィルムと称することがある。しかし、シートとフィルムの境界は定かではなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとし、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むのとする。
本発明の粘着フィルムを構成する各構成成分等について以下説明する。
(1.粘着剤組成物)
前記粘着剤組成物は、(メタ)アクリル系共重合体(A)(以下、単に「共重合体(A)」と称する場合がある。)およびエポキシ系架橋剤(B)を含有する。前記共重合体(A)は、環状基を有する構造単位(a−1)と、酸性基を有する構造単位(a−2)とを含み、かつ、重量平均分子量が20万〜200万、分子量分布(PDI)が3.0未満である。
前記粘着剤組成物は、基材フィルム上に組成物を塗布し、共重合体(A)が有する酸性基と、エポキシ系架橋剤(B)が有するエポキシ基とを反応させることで、粘着剤層を形成できる。
(1−1.(メタ)アクリル系共重合体(A))
前記共重合体(A)は、重量平均分子量20万〜200万、分子量分布(PDI)が3.0未満であり、環状基を有する構造単位(a−1)と、酸性基を有する構造単位(a−2)とを含む(メタ)アクリル系共重合体である。
(メタ)アクリル系共重合体とは、(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位を主成分(50質量%以上)とする共重合体であればよく、(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーに由来する構造単位を含有することができる。前記共重合体(A)中の(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位の含有率は、共重合体全体において、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。なお、前記共重合体(A)は、(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位のみから構成されていてもよい。
本発明において、「(メタ)アクリル」は「アクリルおよびメタクリルの少なくとも一方」をいう。「(メタ)アクリルモノマー」は、分子中に「(メタ)アクリロイル基」を有するモノマーをいう。「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイルおよびメタクリロイルの少なくとも一方」をいう。「ビニルモノマー」とは分子中にラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーのことをいう。「(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位」とは、(メタ)アクリルモノマーのラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合が、重合して炭素−炭素単結合になった構造単位をいう。「ビニルモノマーに由来する構造単位」とは、ビニルモノマーのラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合が、重合して炭素−炭素単結合になった構造単位をいう。
前記共重合体(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の何れでもよく、好ましくはランダム共重合体である。
前記共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、20万以上、好ましくは30万以上であり、200万以下、好ましくは100万未満、より好ましくは80万未満、さらに好ましくは50万未満である。前記共重合体(A)のMwが20万未満では、凝集力が不足し耐熱性が低下するおそれ、及び、被着体表面を汚染するおそれがあり、200万を超えると粘着剤組成物の塗工作業性が悪くなるおそれがある。重量平均分子量(Mw)の測定方法は後述する。
前記共重合体(A)の分子量分布(PDI)は3.0未満であり、好ましくは2.5未満であり、さらに好ましくは2.0未満である。PDIが小さいほど分子量分布の幅が狭い、分子量の揃った共重合体となり、その値が1.0のとき最も分子量分布の幅が狭い。即ち、PDIの下限値は1.0である。PDIが3.0未満であれば、設計した共重合体の分子量に比べて、分子量の小さいものや、分子量の大きいものの含有量が低く、粘着剤組成物に用いたときに被着体汚染が少ない粘着フィルムを得ることができる。なお、本発明において、分子量分布(PDI)とは、(重量平均分子量(Mw))/(数平均分子量(Mn))によって算出される値であり、MwおよびMnの測定方法は後述する。
前記共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、−80℃以上が好ましく、より好ましくは−70℃以上であり、さらに好ましくは−50℃以上、特に好ましくは−40℃以上であり、20℃以下が好ましく、より好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−10℃以下である。ガラス転移温度が−80℃以上であれば粘着剤組成物に十分な凝集力を与え、粘着剤層の耐熱性が向上し、20℃以下であれば粘着剤層の支持基材に対する密着性が高くなり、剥がれ等が抑制され、耐久性が向上する。
前記共重合体(A)のガラス転移温度(Tg)とは、下記FOX式(数式(1))により算出された値である。数式(1)中、Tgは共重合体のガラス転移温度(℃)を示す。Tgiはビニルモノマーiがホモポリマーを形成した際のガラス転移温度(℃)を示す。Wiは共重合体を形成する全ビニルモノマーにおけるビニルモノマーiの質量比率を示し、ΣWi=1である。iは1〜nの自然数である。
Figure 2020076069
代表的なホモポリマーのガラス転移温度を表1に示す。
Figure 2020076069
前記共重合体(A)は、後述する酸性基の含有量が、0.05mmol/g以上が好ましく、より好ましくは0.1mmol/g以上、さらに好ましくは0.2mmol/g以上、最も好ましくは0.4mmol/g以上であり、3mmol/g以下が好ましく、より好ましくは2mmol/g以下、さらに好ましくは1mmol/g以下である。酸性基の含有量が、0.05mmol/g以上であれば粘着剤の凝集破壊が抑制され、3mmol/g以下であれば高温に曝された際のフィルムはがれを抑制することができる。前記酸性基の含有量は、共重合体(A)が有する全ての酸性基の総和であり、共重合体(A)の単位g当たりの酸性基の総モル数である。
前記共重合体(A)は、酸性基の他に、エポキシ系架橋剤(B)の反応基と反応し得る反応性官能基を有していてもよい。前記反応性官能基としては、前記酸性基の他に、例えば、ヒドロキシ基が挙げられる。前記共重合体(A)は、反応性官能基の含有量が、0.05mmol/g以上が好ましく、より好ましくは0.15mmol/g以上、さらに好ましくは0.25mmol/g以上、特に好ましくは0.45mmol/g以上であり、5mmol/g以下が好ましく、より好ましくは3.5mmol/g以下、さらに好ましくは2.0mmol/g以下、特に好ましくは1.0mmol/g以下である。前記反応性官能基の含有量は、共重合体(A)が有する全ての反応性官能基の総和であり、共重合体(A)の単位g当たりの反応性官能基の総モル数である。
(1−1−1.構造単位(a−1))
環状基を有する構造単位(a−1)は、1種のみであってもよいし、2種以上を有していてもよい。構造単位(a−1)を有することで、共重合体(A)とエポキシ系架橋剤(B)とを粘着剤組成物に用いたときに、理由は定かではないが、被着体汚染、特に高温に曝された場合においても水接触角および粘着力の変化を小さくすることができる。前記環状基を有する構造単位(a−1)は、後述する酸性基およびヒドロキシ基を有さないことが好ましい。
環状基としては、例えば、芳香族基および脂環式炭化水素基よりなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができ、好ましくは芳香族基である。
芳香族基は、芳香環構造を有する置換基であり、例えば、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、アリールオキシアルキル基が挙げられ、好ましくはアリール基、アラルキル基およびアリールオキシアルキル基よりなる群から選択される少なくとも1種である。前記アリール基は、炭素数が6〜12が好ましく、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。前記アルキルアリール基は、炭素数が6〜12が好ましく、トリル基、キシリル基などが挙げられる。前記アラルキル基は、炭素数が6〜12が好ましく、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。前記アリールオキシアルキル基は、炭素数が6〜12が好ましく、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、環状アルキル基、多環式構造を有する置換基が挙げられる。前記環状アルキル基としては、単環構造を有する環状アルキル基(シクロアルキル基)が挙げられ、鎖状部分を有していてもよい。単環構造を有する環状アルキル基の炭素数は3〜12が好ましく、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロドデシル基などが挙げられる。多環式構造を有する置換基としては、橋かけ環構造を有する環状アルキル基が挙げられ、鎖状部分を有していてもよい。橋かけ環構造を有する環状アルキル基の炭素数は5〜12が好ましく、ボルニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基などが挙げられる。
前記環状基は、(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーに由来する構造単位のいずれに有していてもよい。前記構造単位を形成するモノマーは、環状基を有する(メタ)アクリルモノマー、および環状基を有する(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーである。
環状基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。環状基を有する(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーとしては、芳香族ビニルモノマー、脂環式炭化水素基を有するビニルモノマー等を挙げることができる。これらの中でも、芳香族基を有する(メタ)アクリレート、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、芳香族基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
前記芳香族基を有する(メタ)アクリレートとしては、炭素数が6〜12の芳香族基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。前記芳香族基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基にアリール基が直接結合した化合物、(メタ)アクリロイルオキシ基にアラルキル基が直接結合した化合物、(メタ)アクリロイルオキシ基にアルキルアリール基が直接結合した化合物、(メタ)アクリロイルオキシ基にアリールオキシアルキル基が直接結合した化合物、(メタ)アクリロイルオキシ基にアルキレンオキサイドを介して芳香環を有する構造が結合した化合物、ならびに、これらの誘導体が挙げられる。芳香族基を有する(メタ)アクリレートとしては、フェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−(o−フェノキシフェニル)エチル(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性フェノキシ(メタ)アクリレート;フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレートベンゾエートなどが挙げられ、好ましくはベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートおよびフェノキシエチル(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
前記脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートとしては、環状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、多環式構造を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記環状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、炭素数が6〜12の環状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。前記環状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基に環状アルキル基が直接結合した化合物が挙げられる。単環構造の環状アルキル基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタニルオキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記多環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、炭素数が6〜12の多環式構造を有する(メタ)アクリレートが好ましい。前記多環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリロイルオキシ基に橋かけ環構造を有する環状アルキル基が直接結合した化合物などが挙げられる。多環式構造を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−2−(1−アダマンチル)プロパン、2−(メタ)アクリルロイルオキシ−2−(1−アダマンチル)ブタン、3−(メタ)アクリルロイルオキシ−3−(1−アダマンチル)ペンタン、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、1−ビニルナフタレン、4−t−ブトキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、4−t−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン、4−エトキシエトキシスチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレンなどが挙げられる。
脂環式炭化水素基を有するビニルモノマーとしては、ビニルシクロヘキサン、ビニルアダマンタンなどが挙げられる。
構造単位(a−1)の含有率は、共重合体(A)全体100質量%中において5質量%以上が好ましく、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上であり、80質量%以下が好ましく、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、特に好ましくは50質量%以下、最も好ましくは40質量%以下である。構造単位(a−1)の含有率を前記範囲とすることで、高温に曝された後において、使用時には剥がれにくく、使用後には剥離しやすく、剥離後の被着体表面に対する汚染が少ない粘着フィルムとすることができる。
(1−1−2.構造単位(a−2))
酸性基を有する構造単位(a−2)は、1種のみであってもよいし、2種以上を有していてもよい。酸性基とは、後述するエポキシ系架橋剤(B)が有する反応性基と反応し得る官能基(反応性官能基)である。前記酸性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基およびホスフィン基よりなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができ、好ましくはカルボキシ基である。なお、酸性基を有する構造単位(a−2)は前記環状基を有する構造単位(a−1)を含まない。
前記酸性基は、(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位、(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーに由来する構造単位のいずれに有していてもよい。前記構造単位(a−2)を形成するモノマーは、酸性基を有する(メタ)アクリルモノマー、および酸性基を有する(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーである。
酸性基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、カルボキシ基を有する(メタ)アクリルモノマー、スルホン酸基を有する(メタ)アクリルモノマー、リン酸基を有する(メタ)アクリルモノマー等が挙げられる。酸性基を有する(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーとしては、カルボキシ基を有するビニルモノマー等が挙げられる。これらの中でも、カルボキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーが好ましい。
カルボキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレエート等のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートに無水マレイン酸、無水コハク酸等の酸無水物を反応させたモノマー、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸が好ましい。
スルホン酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、スルホン酸エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
リン酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−(ホスホノオキシ)エチル等が挙げられる。
カルボキシ基を有するビニルモノマーとしては、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、桂皮酸等が挙げられる。
構造単位(a−2)の含有率は、共重合体(A)全体100質量%中において0.3質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上、特に好ましくは2.0質量%以上であり、20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは8質量%以下、最も好ましくは6質量%以下である。構造単位(a−2)の含有率が0.3質量%以上であれば粘着剤の凝集破壊が抑制され、20質量%以下であれば高温に曝された際のフィルムはがれを抑制することができる。
前記共重合体中の前記構造単位(a−1)と前記構造単位(a−2)との質量比((a−1)/(a−2))は、0.25以上が好ましく、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1.0以上、特に好ましくは4.0以上であり、200以下が好ましく、より好ましくは100以下、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは20以下、最も好ましくは10以下である。質量比((a−1)/(a−2))が0.25以上であれば高温に晒された後も被着体への汚染が少なく、剥がれを抑制することができ、200以下であれば高温に晒された後も凝集破壊を抑制することができる。
(1−1−3.構造単位(a−3))
前記共重合体(A)は、構造単位(a−1)および構造単位(a−2)以外に他の構造単位(a−3)を有していてもよい。構造単位(a−3)は、構造単位(a−1)および構造単位(a−2)を形成するモノマーの両方と共重合し得るビニルモノマーにより形成されるものであれば特に制限はなく、1種のみであってもよいし、2種以上を有していてもよい。
構造単位(a−3)を形成し得るビニルモノマーとしては、直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル基を有する(メタ)アクリレート、アルコキシ基を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリルモノマー、エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマー、含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレート、三級アミノ基を有する(メタ)アクリルレート、(メタ)アクリルアミド類等の(メタ)アクリルモノマー;ヒドロキシ基を有するビニルモノマー、エポキシ基を有するビニルモノマー、ヘテロ環を有するビニルモノマー、カルボン酸ビニル、三級アミノ基を有するビニルモノマー、四級アンモニウム塩基を有するビニルモノマー、ビニルアミド類、α−オレフィン、ジエン類等の(メタ)アクリルモノマー以外のビニルモノマーを挙げることができる。これらの中でも、直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートよるなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、直鎖状アルキル基の炭素数が1〜20である直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、直鎖状アルキル基の炭素数が1〜10である直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。前記直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、分岐鎖状アルキル基の炭素数が3〜20である分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、分岐鎖状アルキル基の炭素数が3〜10である分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。前記分岐鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコール(重合度=2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度=2〜10)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度=2〜10)プロピルエーテル(メタ)アクリレート等のポリオキシエチレンアルキルエーテル基を有する(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコール(重合度=2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度=2〜10)エチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度=2〜10)プロピルエーテル(メタ)アクリレート等のポリオキシプロピレンアルキルエーテル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加物等が挙げられる。これらの中でもヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が1〜5のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートがより好ましい。
エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレートとしては、4員環〜6員環の含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレートであることが好ましい。含酸素ヘテロ環基を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、2−〔(2−テトラヒドロピラニル)オキシ〕エチル(メタ)アクリレート、1,3−ジオキサン−(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三級アミノ基を有する(メタ)アクリルレートとしては、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキル(メタ)アクリルアミド;N−(メタ)アクリイロルモルフォリン等の環状アミド;N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド等のアルコキシアルキルアクリルアミド等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有するビニルモノマーとしては、アリルアルコール等が挙げられる。
エポキシ基を有するビニルモノマーとしては、2−アリルオキシラン、グリシジルビニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
ヘテロ環を有するビニルモノマーとしては、ヘテロ環を有するビニルモノマーとしては、2−ビニルチオフェン、N−メチル−2−ビニルピロール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
カルボン酸ビニルとしては、酢酸ビニル、ピバル酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。
三級アミノ基を有するビニルモノマーとしては、N,N−ジメチルアリルアミン等が挙げられる。
四級アンモニウム塩基を有するビニルモノマーとしては、N−メタクリロイルアミノエチル−N,N,N−ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
ビニルアミド類としては、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、1−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム等が挙げられる。
α−オレフィンとしては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
ジエン類としては、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等が挙げられる。
構造単位(a−3)の含有率は、共重合体(A)全体100質量%中において20質量%以上が好ましく、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、90質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
また、構造単位(a−3)として、直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、および、分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の(メタ)アクリレートに由来する構造を有することが好ましい。この場合、前記直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、および、分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有率は、共重合体全体100質量%中において10質量%以上が好ましく、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、95質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
また、前記共重合体(A)は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構造単位を有さないことが好ましい。そのため、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有率は、共重合体全体100質量%中において0.1質量%未満が好ましく、より好ましくは0.05質量%以下である。
(1−1−4.共重合体(A)の製造方法)
共重合体(A)は、2種以上のビニルモノマーを含有するモノマー組成物をラジカル重合することで製造することができ、好ましくはリビングラジカル重合することで得られたもの(リビングラジカル重合法を用いて重合することで得られたもの)である。
従来のラジカル重合法(フリーラジカル重合法)は、開始反応、成長反応だけでなく、停止反応、連鎖移動反応により成長末端の失活が起こり、様々な分子量、不均一な組成のポリマーの混合物となり易い傾向がある。前記リビングラジカル重合法は、従来のラジカル重合法の簡便性と汎用性を保ちながら、停止反応や、連鎖移動が起こりにくく、成長末端を失活させる副反応で妨げることなく成長するため、高分子量でありながら、分子量分布の精密制御、均一な組成のポリマーの製造が容易である。
そのため、リビングラジカル重合法で製造された共重合体は、低分子量成分(オリゴマー)が少なく、粘着剤組成物に用いたときに転写汚染物(糊残りなど)が少ないという利点があるものと考えられる。また、共重合体(A)はリビングラジカル重合法で製造することで構成単位((a−1)〜(a−3))が各ポリマー分子中に均一に重合されており、その共重合体(A)を使用した粘着剤組成物は、共重合体(A)の重量平均分子量が小さくなると被着体の水接触角変化が小さくなるという想定外の効果が得られている。
リビングラジカル重合法においては、構造単位(a−1)を形成するビニルモノマーと、構造単位(a−2)を形成するビニルモノマーと、必要に応じて構造単位(a−3)を形成するビニルモノマーとの混合物(単に「ビニルモノマー」と称する場合もある。)を使用することにより、ランダム共重合体とすることができる。また、共重合体(A)を構成するビニルモノマーを順次反応させることでブロック共重合体とすることもできる。例えば、ジブロック共重合体である場合は、第一のブロックを先に製造し、第一のブロックに第二のブロックを構成するビニルモノマーを重合する方法;第二のブロックを先に製造し、第二のブロックに第一のブロックを構成するビニルモノマーを重合する方法等が挙げられる。また、トリブロック共重合体である場合は、第一のブロックを先に製造し、第一のブロックに第二のブロックを構成するビニルモノマーを重合し、さらに第三のブロックを構成するビニルモノマーを重合して製造する方法等が挙げられる。
リビングラジカル重合法には、重合成長末端を安定化させる手法の違いにより、遷移金属触媒を用いる方法(ATRP法);硫黄系の可逆的連鎖移動剤を用いる方法(RAFT法);有機テルル化合物を用いる方法(TERP法)等の方法がある。ATRP法は、アミン系錯体を使用するため、酸性基を有するビニルモノマーの酸性基を保護せず使用することができない場合がある。RAFT法は、多種のモノマーを使用した場合、低分子量分布になりづらく、かつ硫黄臭や着色等の不具合がある場合がある。これらの方法のなかでも、使用できるモノマーの多様性、高分子領域での分子量制御、均一な組成、あるいは着色の観点から、TERP法を用いることが好ましい。
TERP法とは、有機テルル化合物を連鎖移動剤として用い、ラジカル重合性化合物(ビニルモノマー)を重合させる方法であり、例えば、国際公開第2004/14848号、国際公開第2004/14962号、国際公開第2004/072126号、および国際公開第2004/096870号に記載された方法である。
TERP法の具体的な重合法としては、下記(a)〜(d)が挙げられる。
(a)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物を用いて重合する。
(b)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤との混合物を用いて重合する。
(c)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物と一般式(2)で表される有機ジテルリド化合物との混合物を用いて重合する。
(d)ビニルモノマーを、一般式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤と一般式(2)で表される有機ジテルリド化合物との混合物を用いて重合する。
Figure 2020076069
[一般式(1)において、R1は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基を示す。R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。R4は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アルコキシ基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基、シアノ基、アリル基またはプロパルギル基を示す。
一般式(2)において、R1は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基を示す。]
1で表される基は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基または芳香族ヘテロ環基であり、具体的には次の通りである。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
2およびR3で表される基は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、各基は、具体的には次の通りである。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
4で表される基は、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アルコキシ基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基、シアノ基、アリル基またはプロパルギル基であり、具体的には次の通りである。
炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。好ましくは炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル基またはエチル基である。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。好ましくはフェニル基である。
置換アリール基としては、置換基を有しているフェニル基、置換基を有しているナフチル基等を挙げることができる。前記置換基を有しているアリール基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、−COR41で示されるカルボニル含有基(R41は炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基またはアリールオキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。また、これらの置換基は、1個または2個置換しているのがよい。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルキル基が酸素原子に結合した基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基等を挙げることができる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
アミド基としては、−CONR421422(R421、R422は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基)を挙げることがきる。
オキシカルボニル基としては、−COOR43(R43は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基)で表される基が好ましく、例えばカルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等を挙げることができる。好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が挙げられる。
アリル基としては、−CR441442−CR443=CR444445(R441、R442は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、R443、R444、R445は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基であり、それぞれの置換基が環状構造で繋がっていてもよい)等を挙げることができる。
プロパルギル基としては、−CR451452−C≡CR453(R451、R452は、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基、R453は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基またはシリル基)等を挙げることができる。
一般式(1)で表される有機テルル化合物は、具体的には(メチルテラニルメチル)ベンゼン、(メチルテラニルメチル)ナフタレン、エチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート、(2−トリメチルシロキシエチル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート、(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネートまたは(3−トリメチルシリルプロパルギル)−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート等、国際公開第2004/14848号、国際公開第2004/14962号、国際公開第2004/072126号、および国際公開第2004/096870号に記載された有機テルル化合物の全てを例示することができる。
一般式(2)で表される有機ジテルリド化合物の具体例としては、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−s−ブチルジテルリド、ジ−t−ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリドまたはジピリジルジテルリド等を例示することができる。
アゾ系重合開始剤は、通常のラジカル重合で使用するアゾ系重合開始剤であれば特に制限なく使用することができる。例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70)、2,2’−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、または2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等を例示することができる。
重合工程は、不活性ガスで置換した容器で、ビニルモノマーと一般式(1)の有機テルル化合物とに、ビニルモノマーの種類に応じて反応促進、分子量および分子量分布の制御等の目的で、さらにアゾ系重合開始剤および/または一般式(2)の有機ジテルリド化合物を混合する。このとき、不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができる。好ましくは、アルゴン、窒素が良い。
前記(a)、(b)、(c)および(d)におけるビニルモノマーの使用量は、目的とする共重合体(A)の物性により適宜調節すればよい。一般式(1)の有機テルル化合物1molに対しビニルモノマーを200mol〜30000molとすることが好ましい。
前記(b)の一般式(1)の有機テルル化合物とアゾ系重合開始剤とを併用する場合、一般式(1)の有機テルル化合物1molに対してアゾ系重合開始剤を0.01mol〜10molとすることが好ましい。
前記(c)の一般式(1)の有機テルル化合物と一般式(2)の有機ジテルリド化合物とを併用する場合、一般式(1)の有機テルル化合物1molに対して一般式(2)の有機ジテルリド化合物を0.01mol〜100molとすることが好ましい。
前記(d)の一般式(1)の有機テルル化合物と一般式(2)の有機ジテルリド化合物とアゾ系重合開始剤とを併用する場合、一般式(1)の有機テルル化合物1molに対して一般式(2)の有機ジテルリド化合物を0.01mol〜100molとすることが好ましく、一般式(2)の有機ジテルリド化合物1molに対してアゾ系重合開始剤を0.01mol〜10molとすることが好ましい。
重合反応は、無溶媒でも行うことができるが、ラジカル重合で一般に使用される非プロトン性溶媒またはプロトン性溶媒を使用し、前記混合物を撹拌して行なってもよい。使用できる非プロトン性溶媒は、例えば、アニソール、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、2−ブタノン(メチルエチルケトン)、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートまたはトリフルオロメチルベンゼン等を例示することができる。また、プロトン性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノールまたはジアセトンアルコール等を例示することができる。
溶媒の使用量としては、適宜調節すればよく、例えば、ビニルモノマー1gに対して、0.01ml以上が好ましく、より好ましくは0.05ml以上、さらに好ましくは0.1ml以上であり、50ml以下が好ましく、より好ましくは10ml以下、さらに好ましくは1ml以下である。
反応温度、反応時間は、得られる共重合体(A)の分子量あるいは分子量分布により適宜調節すればよいが、通常、0℃〜150℃で、1分〜100時間撹拌する。TERP法は、低い重合温度および短い重合時間であっても高い収率と精密な分子量分布を得ることができる。このとき、圧力は、通常、常圧で行われるが、加圧または減圧しても構わない。
重合反応の終了後、得られた反応混合物から、通常の分離精製手段により、使用溶媒、残存ビニルモノマーの除去等を行い、目的とする共重合体(A)を分離することができる。また、粘着剤組成物の物性に支障がなければ、反応混合物をそのまま粘着剤組成物に用いてもよい。
重合反応により得られる共重合体の成長末端は、テルル化合物由来の−TeR1(式中、R1は上記と同じである)の形態であり、重合反応終了後の空気中の操作により失活していくが、テルル原子が残存する場合がある。テルル原子が末端に残存した共重合体は着色したり、熱安定性が劣ったりするため、テルル原子を除去することが好ましい。
テルル原子を除去する方法としては、トリブチルスタンナンまたはチオール化合物等を用いるラジカル還元方法;活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土、モレキュラーシーブスおよび高分子吸着剤等で吸着する方法;イオン交換樹脂等で金属を吸着する方法;過酸化水素水または過酸化ベンゾイル等の過酸化物を添加したり、空気または酸素を系中に吹き込むことで共重合体末端のテルル原子を酸化分解させ、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留テルル化合物を除去する液−液抽出法や固−液抽出法;特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限界ろ過等の溶液状態での精製方法等を用いることができ、また、これらの方法を組み合わせて用いることもできる。
なお、重合反応により得られる共重合体の他方端(成長末端と反対側の末端)は、テルル化合物由来の−CR234(式中、R2、R3およびR4は、式(1)中のR2、R3およびR4と同じである。)の形態である。
(1−2 エポキシ系架橋剤(B))
エポキシ系架橋剤(B)は、反応性基としてエポキシ基を1分子中に2つ以上有する化合物をいう。前記エポキシ系架橋剤(B)は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ系架橋剤(B)としては、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンよりなるエポキシ系樹脂、N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、分子中に2個〜6個のエポキシ基を有する化合物が好ましく、より好ましくは3個〜5個のエポキシ基を有する化合物が好ましい。
前記エポキシ系架橋剤(B)の反応性基の含有量は、0.1mmol/g以上が好ましく、より好ましくは0.5mmol/g以上、さらに好ましくは1.0mmol/g以上、特に好ましくは3.0mmol/g以上であり、50mmol/g以下が好ましく、より好ましくは20mmol/g以下、さらに好ましくは10mmol/g以下である。エポキシ系架橋剤(B)の反応性基の含有量が0.1mmol/g以上であれば粘着剤層の凝集破壊が抑制され、50mmol/g以下であれば架橋密度が高くなり過ぎず、粘着力が良好となる。
前記粘着剤組成物におけるエポキシ系架橋剤(B)の含有量は、前記共重合体(A)100質量部に対して0.01質量部以上が好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1.0質量部以上、特に好ましくは2.5質量部以上であり、20質量部以下が好ましく、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下、特に好ましくは8質量部以下である。エポキシ系架橋剤(B)の含有量が0.01質量部以上であれば粘着剤層の凝集力が良好となり、20質量部以下であれば架橋密度が高くなり過ぎず、粘着力が良好となる。
前記粘着剤組成物は、共重合体(A)が有する反応性官能基に対する架橋剤(B)が有する反応性基のモル比(反応性基のモル量/反応性官能基のモル量)は、0.005以上が好ましく、より好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.6以上であり、特に好ましくは0.8以上であり、2.0以下が好ましく、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.0以下である。
(1−3.他の架橋剤)
前記粘着剤組成物には、必要に応じて、エポキシ系架橋剤(B)以外の架橋剤を配合して使用することができる。エポキシ系架橋剤(B)以外の架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート型架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤等が挙げられる。
前記エポキシ系架橋剤(B)以外の架橋剤を配合する場合、全架橋剤中のエポキシ系架橋剤(B)の含有率は、80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。前記粘着剤組成物は、架橋剤として、前記エポキシ系架橋剤(B)のみを含有することが好ましい。
(1−4.その他添加剤)
前記粘着剤組成物には、前記共重合体(A)、エポキシ系架橋剤(B)以外に、その他添加剤を配合して使用することができる。その他の添加剤としては、架橋遅延剤、粘着性付与樹脂(タッキファイヤー)、架橋促進剤、可塑剤、軟化剤、剥離助剤、シランカップリング剤、染料、顔料、色素、蛍光増白剤、帯電防止剤、湿潤剤、界面活性剤、増粘剤、防黴剤、防腐剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、近赤外線吸収剤、水溶性消光剤、香料、金属不活性剤、造核剤、アルキル化剤、難燃剤、滑剤、加工助剤などが挙げられる。これらは粘着剤の用途や使用目的に応じて、適宜選択して配合して使用される。
(1−4−1.架橋遅延剤)
前記粘着剤組成物には、必要に応じて、架橋遅延剤を配合して使用することができる。架橋遅延剤とは、粘着剤組成物の過剰な粘度上昇を抑制することができる化合物である。架橋遅延剤の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、アセチルアセトン、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、オクタン−2,4−ジオン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸オレイル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル等のβ−ケトエステル類;ベンゾイルアセトン;イソプロピルアルコール等のアルコール類等を使用することができる。前記架橋遅延剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
粘着剤組成物に配合することができる架橋遅延剤の含有量は、共重合体(A)100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1.0質量部以上であり、50質量部以下が好ましく、より好ましくは35質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下である。前記架橋遅延剤の含有量を前記範囲に調節することによって、前記エポキシ系架橋剤(B)を粘着剤組成物に配合した後に、粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制し、粘着剤組成物の貯蔵安定性(ポットライフ)を延長させることができる。
(1−5.粘着剤組成物の製造方法)
前記粘着剤組成物は、前記共重合体(A)、エポキシ系架橋剤(B)および必要に応じて用いられるその他添加剤を混合することにより製造することができる。前記粘着剤組成物は、前記共重合体(A)の製造に由来した溶媒を含有していたり、さらに適当な溶媒が加えられ、粘着剤層を形成するのに適した粘度となるように希釈された溶液であってもよい。
前記溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒の使用量は、粘着剤組成物が塗工に適した粘度となるように適宜調節すればよく、特に制限はないが、塗工性の観点から、粘着剤組成物の固形分濃度が10質量%〜95質量%となるように用いることが好ましい。
(2.基材フィルム)
前記基材フィルムとしては、粘着フィルムの用途に応じて適宜選択して用いることができ、例えば、透視による光学部材の検査及び管理の観点から、透明基材フィルムであることが好ましい。透明基材とは、透明である基材をいう。透明基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート、トリアセチルセロース(TAC)、ポリスチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、フッ素ポリマー、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのプラスチック材料から構成されたフィルムが挙げられる。前記プラスチック材料は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも機械的強度や寸法安定性に優れる点ではPETが好ましい。また、耐熱性に優れる点ではポリイミドが好ましい。すなわち、前記透明基材フィルムとしては、PETフィルム(特に、二軸延伸されたPETフィルム)、ポリイミドフィルムが好ましい。
前記透明基材フィルムの可視光波長領域における全光線透過率(JIS K7361−1(1997))は、特に限定されないが、85%以上であることが好ましい。全光線透過率を85%以上とすることにより透明性に優れるため、粘着フィルムを貼った状態で光学部材の欠陥検査を精度よく行うことできる。
前記基材フィルムの厚さは特に制限はなく、適宜選定されるが、通常5μm以上が好ましく、より好ましくは10μm以上であり、さらに好ましくは20μm以上であり、200μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。厚さ5μmよりも薄いと基材フィルム強度が不足し、十分な保護性能が得られず、剥離時にフィルムが破れる等の問題が発生する。また、基材フィルムの厚さが200μmより厚いと基材フィルムの透過性が悪くなり、フィルム自体が高価になる等の問題が発生する。
前記基材フィルムは、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面または両面に、酸化法、凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。前記酸化法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられる。前記凹凸化法としては、サンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操作性などの面から、好ましく用いられる。また、前記基材フィルムとして片面または両面にプライマー処理を施したものも用いることができる。
(3.粘着剤層)
粘着剤層のゲル分率は70質量%以上であり、好ましくは70質量%〜100質量%であり、より好ましくは80質量%〜100質量%であり、さらに好ましくは90質量%〜100質量%である。ゲル分率が低すぎると、粘着力が上昇しやくすく、剥離時の被着体汚染を生じやすい。ゲル分率は、後述する粘着剤組成物における架橋剤の配合量、架橋処理温度、架橋処理時間により制御できる。
基材フィルム上に形成される粘着剤層の厚さは、例えば、光学部材用表面保護フィルムに求められる粘着力、光学部材の表面粗さ等に応じて適宜設定することができる。粘着剤層の厚さとしては、一般に1μm〜100μmであり、好ましくは5μm〜50μm、より好ましくは10μm〜30μmである。
(3−1.粘着剤層の形成方法)
前記粘着剤層の形成方法としては特に限定されるものではなく、例えば、以下の(1)および(2)の方法が挙げられる。
(1)種々の塗工装置を用いて、基材フィルムの片面または両面に粘着剤組成物を塗布し、溶媒を乾燥除去し、必要に応じて養生を行う方法。
(2)表面に剥離処理が施された剥離フィルムの剥離面に、種々の塗工装置を用いて、粘着剤組成物を塗布し、溶媒を乾燥除去し、基材フィルムの片面または両面に転写した後、必要に応じて養生を行う方法。
前記塗工装置としては、リバースロールコーター、グラビアコーター、フォワードロールコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、ドクターブレードコーター、スロットダイコーター、カーテンコーター、ディップコーター等が挙げられる。
前記溶媒を乾燥除去する際の乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃であり、より好ましくは60℃〜180℃である。乾燥時間は、好ましくは5秒〜20分であり、より好ましくは10秒〜10分である。乾燥の手段としては、熱風、近赤外線、赤外線、高周波等が挙げられる。また、前記養生の条件としては、例えば40℃で3日間〜7日間程度が挙げられる。前記溶媒の乾燥除去および養生により架橋反応(共重合体(A)の酸性基とエポキシ架橋剤(B)との反応)が終了し、粘着剤層が形成される。
(4.剥離フィルム)
前記粘着フィルムは、使用するまでは粘着剤層の表面に剥離フィルム(セパレータ)を有していてもよい。別途の剥離フィルムを使用せず、基材フィルムの粘着剤層積層面と反対面に剥離層が設けられ、当該剥離層の表面には前記粘着剤層の露出面側が接するようにロール状に巻き回され、または段積み状に積層されてなるものであってもよい。剥離フィルムは粘着剤層の保護材として用いられ、本発明の粘着フィルムを被着体に貼付する際に剥がされる。
前記剥離フィルムとしては、例えば、グラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの紙および各種プラスチックフィルムにシリコーン樹脂などの剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。前記剥離フィルムに用いるプラスチックフィルムとしては、基材フィルムとして挙げたものを適宜使用することができる。剥離フィルムの厚さとしては特に制限はないが、通常、10μm〜150μmである。
(5.粘着フィルムの用途)
前記粘着フィルムは、被着体表面に対する汚染が少ないことから、使用後に剥離される表面保護フィルムとして使用できる。特に、前記粘着フィルムは、加熱処理後において、使用時には剥がれにくく、使用後には剥離しやすく、剥離後の被着体表面に対する汚染が少ないことから、例えば、偏光板、フレキシブルプリント配線(FPC)基板、透明基材の一方の面に透明電極として酸化インジウム錫(ITO)などの薄膜が形成された導電性フィルム、ガラス基板等の光学部材用の表面保護フィルムとして好適に用いることができる。
前記粘着フィルムは、粘着フィルムの粘着剤層が被着体表面に接するように、被着体である光学部材に積層して用いられる。前記粘着フィルムは、光学部材と積層後、例えば100℃〜250℃の範囲で加熱処理して用いられることが好ましい。本発明の保護フィルムは、例えば100℃〜250℃の加熱処理工程においては光学部材の表面を保護又は補強し、加熱処理工程後においては容易に剥がすことができ、剥離後の光学部材表面の汚染が少ない。
前記粘着フィルムは、被着体に対する粘着力が0.01N/24mm〜1.0N/24mmであることが好ましい。また、前記粘着フィルムは、熱処理(200℃、1時間)後の被着体に対する粘着力が0.01N/24mm〜2.5N/24mmであることが好ましく、0.01N/24mm〜1.0N/24mmであることがより好ましい。粘着力が2.5N/24mm以下であれば、被着体(例えば、光学部材)から粘着フィルムを剥離するときに、被着体の変形を抑制できる。また、粘着力が0.01N/24mm以上であれば、使用時に被着体から意図せずに剥離することが抑制される。
前記粘着フィルムは、前記粘着剤層を室温(23℃)にて、ガラス面に貼り付けた後、剥離した際の前記ガラス面の水接触角(Y1)と、粘着剤層を張り付ける前の前記ガラス面の水接触角(Y2)との差の絶対値(│Y1−Y2│)が、20°未満であることが好ましく、より好ましくは15°未満、さらに好ましくは10°未満である。前記差の絶対値(│Y1−Y2│)が20°未満であれば、前記粘着フィルムを室温で使用した際の被着体への汚染が低減されている。
前記粘着フィルムは、前記粘着剤層をガラス面に貼り付け200℃で1時間処理した後、剥離した際のガラス面の水接触角(X1)と、粘着剤層を張り付ける前の前記ガラス面(熱処理なし)の水接触角(X2)との差の絶対値(│X1−X2│)が、20°未満であることが好ましく、より好ましくは18°未満、さらに好ましくは16°未満である。前記差の絶対値(│X1−X2│)が20°未満であれば、粘着剤層の耐熱性が良好であり、前記粘着フィルムを貼着した部材に熱処理が施された場合でも、被着体への汚染が低減されている。そのため、前記粘着フィルムを表面保護フィルムとして使用し、各種製造工程の終了後、表面保護テープを剥離して、被着体の剥離面に接着剤やハードコート剤等を塗布しても塗工外観が良好となる。
前記ハードコート剤の硬化タイプとしては、特に限定されないが、例えば、光化学反応による紫外線(UV)硬化型;常温硬化型および二液反応硬化型の熱硬化型;等が上げられる。すなわち、ハードコート剤としては、特に限定されないが、例えば、一般に知られているUV硬化樹脂型、ウレタン系樹脂、縮合系樹脂が挙げられる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、共重合体の重合率、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(PDI)、共重合体溶液の固形分および粘度、粘着剤層のゲル分率、並びに、粘着フィルムの熱処理前粘着力、熱処理後粘着力、熱処理後フィルム剥がれ、熱処理後のり残り、水接触角は、下記の方法に従って評価した。
なお、略語の意味は下記のとおりである。
BTEE:エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
V−70:2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)
MA:メチルアクリレート
BA:n−ブチルアクリレート
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
LA:n−ラウリルアクリレート
BzA:ベンジルアクリレート
CHA:シクロヘキシルアクリレート
PhEA:2−フェノキシエチルアクリレート
4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
AA:アクリル酸
AcOEt:酢酸エチル
IPA:イソプロピルアルコール
[評価方法]
(重合率)
核磁気共鳴(NMR)測定装置(ブルカー・バイオスピン社製、型式:AVANCE500(周波数500MHz))を用いて、1H−NMRを測定(溶媒:CDCl3、内部標準:トリメチルシラン(TMS))した。得られたNMRスペクトルについて、モノマー由来のビニル基とポリマー由来のエステル側鎖のピークの積分比を求め、モノマーの重合率を算出した。
(重量平均分子量(Mw)および分子量分布(PDI))
高速液体クロマトグラフ(東ソー社製、型式HLC−8320GPC)を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた。カラムはTSKgel Super Multipore HZ−H(東ソー社製)を2本、移動相にテトラヒドロフラン溶液、検出器に示差屈折計を使用した。測定条件は、カラム温度を40℃、試料濃度を10mg/mL、試料注入量を10μm、流速を0.2mL/minとした。標準物質としてポリスチレン(分子量1,090,000、775,000、427,000、289,000、190,000、96,400、37,900、10,200、2,630、440)を使用して検量線(校正曲線)を作成し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。この測定値から分子量分布(PDI=Mw/Mn)を算出した。
(固形分)
質量がW1(約1.0g)の共重合体溶液を、アルミカップ(質量W0)に量り取り、130℃、1時間減圧乾燥した。乾燥した共重合体を含むアルミカップの質量(W2)を測定して、以下の式より固形分を算出した。
固形分(質量%)=〔(W2−W0)/W1〕×100
(粘度)
B型粘度計(商品名:TVB−15、東機産業社製)を用い、M3のローターを使用して、25℃下、ローター回転数60rpmで粘度を測定した。
(ゲル分率)
粘着剤組成物を剥離フィルムに塗布し、60℃で2分間乾燥させ、さらに120℃で3分間乾燥した。その後、40℃にて3日間静置した後、剥離フィルム上に形成された粘着剤層を剥離した。
粘着剤層を約0.1gに切り分け、試験片(質量W1)を得た。この試験片を、ステンレス鋼金網(400メッシュ)(質量W0)に入れた。試験片を入れたステンレス鋼金網を、酢酸エチル中に60℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、室温にて24時間乾燥、さらに130℃の条件下で1時間減圧乾燥させた。その後、乾燥した試験片を含むステンレス鋼金網の質量W2を測定して、以下の式よりゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=〔(W2−W0) /W1〕×100
(熱処理前粘着力)
粘着フィルムを被着体(無アルカリガラス板)に圧着装置(ローラの質量2kg)を用いて圧着させて、1分以内に、被着体に対して180°に引きはがした際の粘着力を測定した。測定は、引張試験器を使用し、試験温度は23℃、引きはがし速度は300mm/分とした。粘着フィルムの幅は24mm、長さは300mmとした。測定開始後、最初の25mmの長さの測定値は無視し、その後試験板から引きはがされた50mmの長さの粘着力測定値を平均した。熱処理前粘着力が1.0N/24mm以下のものを「○」、1.0N/24mmを超え、2.5N/24mm以下のものを「△」、2.5N/24mmを超えるものを「×」と評価した。
(熱処理後粘着力)
粘着フィルムを被着体(無アルカリガラス板)に圧着装置(ローラの質量2kg)を用いて圧着させた。この粘着フィルムを貼着したガラス板を、200℃で1時間熱処理した。このガラス板を室温まで放冷した後、粘着フィルムを被着体に対して180°に引きはがした際の粘着力を測定した。測定は、引張試験器を使用し、試験温度は23℃、引きはがし速度は300mm/分とした。粘着フィルムの幅は24mm、長さは300mmとした。測定開始後、最初の25mmの長さの測定値は無視し、その後試験板から引きはがされた50mmの長さの粘着力測定値を平均した。熱処理後粘着力が1.0N/24mm以下のものを「○」、1.0N/24mmを超え、2.5N/24mm以下のものを「△」、2.5N/24mmを超えるものを「×」と評価した。
(熱処理後フィルム剥がれ)
前記熱処理後粘着力を測定する際に、剥離試験を行う前に、熱処理後のガラス板に貼着された粘着フィルムについて、剥がれがあるか目視によって判断した。フィルム剥がれがないものを「○」、フィルム剥がれがあるものを「×」と評価した。
(熱処理後のり残り)
前記熱処理後粘着力を測定した後の被着体上にのり残りがあるか目視によって判断した。のり残りがないものを「○」、のり残りがあるものを「×」と評価した。
(水接触角)
前記熱処理前粘着力および熱処理後粘着力を測定した後の被着体について、水接触角X1(°)を測定した。また、粘着フィルムを接着させる前の無アルカリガラスについて水接触角X2(°)を測定し、これをブランクとした。水接触角の測定には、自動接触角測定計(共和界面科学社製、DM−500)を使用し、試験温度は23℃とした。なお、無アルカリガラスのブランクの水接触角の測定結果は40°であった。各測定値から角度差(X1−X2)を求め、角度差の絶対値(│X1−X2│)が20°未満のものを「○」、差が20°以上のものを「×」と評価した。
<共重合体の合成>
(合成例1)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(330.0g)、BzA(150.0g)、AA(20.0g)、V−70(77.1mg)、AcOEt(328.8g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(374.9mg)を加え、33℃で24時間反応させ、重合した。重合率は90.0%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.1を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.1のMwが321,200、PDIが1.31、溶液の固形分が32.3質量%、粘度が2,480mPa・sであった。
(合成例2)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(330.0g)、PhEA(150.0g)、AA(20.0g)、V−70(77.1mg)、AcOEt(328.8g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(374.9mg)を加え、33℃で24時間反応させ、重合した。重合率は87.8%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.2を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.2のMwが340,300、PDIが1.32、溶液の固形分が38.4質量%、粘度が8,410mPa・sであった。
(合成例3)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(363.0g)、PhEA(165.0g)、AA(22.0g)、AIBN(26.8mg)、AcOEt(410.4g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(122.2mg)を加え、60℃で24時間反応させ、重合した。重合率は77.1%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.3を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.3のMwが958,000、PDIが1.42、溶液の固形分が27.1質量%、粘度が23,490mPa・sであった。
(合成例4)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(330.0g)、CHA(150.0g)、AA(20.0g)、V−70(77.1mg)、AcOEt(328.8g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(374.9mg)を加え、33℃で24時間反応させ、重合した。重合率は85.7%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.4を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.4のMwが318,400、PDIが1.24、溶液の固形分が36.6質量%、粘度が7,520mPa・sであった。
(合成例5)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(522.5g)、AA(27.5g)、V−70(84.8mg)、AcOEt(410.4g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(329.9mg)を加え、33℃で24時間反応させ、重合した。重合率は89.5%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.5を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.5のMwが433,600、PDIが1.33、溶液の固形分が27.4質量%、粘度が4,840mPa・sであった。
(合成例6)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(88.0g)、PhEA(40.0g)、AA(5.3g)、AcOEt(240.2g)仕込み、アルゴン置換後、80℃まで昇温したのちAIBN(0.17g)添加し、その10分後から滴下ロートを用いて、BA(176.0g)、PhEA(80.0g)、AA(10.7g)、AIBN(0.33g)、AcOEt(6.0g)滴下していった。滴下終了後、AcOEt(120.0g)、AIBN(0.5g)を添加し、120分反応させ、重合した。重合率は99.0%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.6を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.6のMwが519,000、PDIが8.87、溶液の固形分が32.3質量%、粘度が2,960mPa・sであった。
(合成例7)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(475.0g)、4−HBA(25.0g)、V−70(57.8mg)、AcOEt(377.2g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(187.4mg)を加え、33℃で20時間反応させ、重合した。重合率は86.2%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.7を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.7のMwが701,000、PDIが1.68、溶液の固形分が19.8質量%、粘度が2,364mPa・sであった。
(合成例8)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、2−EHA(475.0g)、4−HBA(25.0g)、V−70(45.7mg)、AcOEt(377.2g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(111.1mg)を加え、33℃で20時間反応させ、重合した。重合率は88.5%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.8を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.8のMwが975,000、PDIが2.34、溶液の固形分が22.3質量%、粘度が3,881mPa・sであった。
(合成例9)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、MA(50.0g)、2−EHA(350.0g)、LA(75.0g)、4−HBA(25.0g)、V−70(57.1mg)、AcOEt(333.3g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(299.9mg)を加え、33℃で21時間反応させ、重合した。重合率は92.2%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.9を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.9のMwが495,000、PDIが1.74、溶液の固形分が42.2質量%、粘度が8,510mPa・sであった。
(合成例10)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、2−EHA(375.0g)、BzA(100.0g)、4−HBA(25.0g)、V−70(37.1mg)、AcOEt(377.2g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(111.1mg)を加え、33℃で18時間反応させ、重合した。重合率は87.9%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.10を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.10のMwが1,034,000、PDIが2.50、溶液の固形分が23.4質量%、粘度が5,020mPa・sであった。
(合成例11)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(456.0g)、PhEA(120.0g)、AA(24.0g)、V−70(90.5mg)、AcOEt(395.5g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(399.9mg)を加え、33℃で24時間反応させ、重合した。重合率は94.1%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.11を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.11のMwが440,300、PDIが1.39であった。
(合成例12)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(276.0g)、PhEA(300.0g)、AA(24.0g)、V−70(90.5mg)、AcOEt(395.5g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(399.9mg)を加え、33℃で24時間反応させ、重合した。重合率は98.2%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.12を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.12のMwが456,500、PDIが1.43であった。
(合成例13)
アルゴンガス導入管と撹拌機を備えたフラスコに、BA(372.0g)、PhEA(180.0g)、AA(48.0g)、V−70(90.5mg)、AcOEt(395.5g)を仕込み、アルゴン置換後、BTEE(399.9mg)を加え、33℃で24時間反応させ、重合した。重合率は94.2%であった。
反応終了後、反応溶液にAcOEtを加え、共重合体No.13を含有する共重合体溶液を得た。得られた共重合体No.13のMwが460,100、PDIが1.40であった。
合成例のまとめを表2に示した。また、共重合体の組成、物性を表3に示した。なお、共重合体中の各構造単位の含有率、ヒドロキシ基量およびカルボキシ基量は、重合反応に用いたビニルモノマーの仕込み比率から算出した。
Figure 2020076069
Figure 2020076069
<粘着剤組成物の製造>
(粘着剤組成物No.1)
合成例1で得た共重合体No.1の溶液309.6質量部(共重合体成分100質量部、AcOEt209.6質量部)に対して、架橋剤(TETRAD(登録商標)−C)を5.69質量部、IPAを13.3質量部、AcOEtを28.1質量部加え、撹拌して粘着剤組成物No.1を得た。
(粘着剤組成物No.2〜13)
配合を表4に記載するように変更した以外は、粘着剤組成物No.1と同様にして、粘着剤組成物No.2〜13を作製した。なお、表4中の溶媒量は、共重合体の溶液中に含まれるAcOEtと、粘着剤組成物の調製時に追加したAcOEtとの合計量である。
Figure 2020076069
TETRAD(登録商標)−C:三菱ガス化学社製、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノエチル)シクロヘキサン(エポキシ基量;10.14mmol/g)
デュラネート(登録商標)TPA−100:旭化成社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(NCO%;23.1質量%)
ネオスタン(登録商標)U810:日東化成社製、ジオクチル錫
<粘着フィルムの製造>
(粘着フィルムNo.1)
粘着剤組成物No.1を、ポリイミドフィルム(PI)フィルム(厚さ25μm、宇部興産製、「ユーピレックス(登録商標)25S」)上に、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布した。粘着剤組成物を塗布したPIフィルムを60℃で2分間、120℃で3分間乾燥させ、粘着剤層を有する粘着フィルムNo.1を作製した。得られた粘着剤層に剥離フィルム(厚み25μm、東山フイルム製、「HY−PS11」)を貼付し、40℃にて3日間静置して養生した。
(粘着フィルムNo.2〜13)
粘着剤組成物No.1を、粘着剤組成物No.2〜13に変更したこと以外は、粘着フィルムNo.1と同様にして、粘着フィルムNo.2〜13を作製した。
得られた粘着フィルムについてのゲル分率、粘着力、加熱後フィルム剥がれ、のり残り、水接触角の評価結果を表5に示した。
Figure 2020076069
粘着フィルムNo.1〜4および11〜13は、粘着剤層が、所定の重量平均分子量、分子量分布および構造単位を有する(メタ)アクリル系共重合体(A)とエポキシ系架橋剤(B)を含有する粘着剤組成物から形成され、ゲル分率が70質量%以上である。これらの粘着フィルムNo.1〜4および11〜13は、いずれも熱処理前後の粘着力が2.5N/24mm以下であり、熱処理によるフィルム剥がれがなく、また熱処理後に剥離した際に被着体の汚染も抑制されていた。
粘着フィルムNo.5は、粘着剤層が、構造単位(a−1)を有していない共重合体を含有する粘着剤組成物から形成されている。粘着フィルムNo.6は、分子量分布が8.87である共重合体を含有する粘着剤組成物から形成されている。粘着フィルムNo.7〜10は、粘着剤層が、構造単位(a−2)を有していない共重合体とイソシアネート系架橋剤を含有する粘着剤組成物から形成されている。これらの粘着フィルムNo.5〜10は、いずれも熱処理後に剥離した際に被着体の汚染が抑制されていない。
本発明の粘着フィルムは、例えば、偏光板、フレキシブルプリント配線(FPC)基板、透明基材の一方の面に透明電極として酸化インジウム錫(ITO)などの薄膜が形成された導電性フィルム、ガラス基板等の光学部材の表面保護フィルムとして好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを有し、
    前記粘着剤層が、(メタ)アクリル系共重合体(A)およびエポキシ系架橋剤(B)を含有する粘着剤組成物から形成されたものであり、
    前記粘着剤層のゲル分率が70質量%以上であり、
    前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、環状基を有する構造単位(a−1)と、酸性基を有する構造単位(a−2)とを含み、かつ、前記(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量が20万〜200万、分子量分布(PDI)が3.0未満であることを特徴とする粘着フィルム。
  2. 前記構造単位(a−1)の環状基が、芳香族基および脂環式炭化水素基よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の粘着フィルム。
  3. 前記構造単位(a−2)の酸性基が、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基およびホスフィン基よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の粘着フィルム。
  4. 前記構造単位(a−1)の含有率が、(メタ)アクリル系共重合体(A)全体100質量%中において、5質量%〜80質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  5. 前記構造単位(a−2)の含有率が、(メタ)アクリル系共重合体(A)全体100質量%中において、0.3質量%〜20質量%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  6. 前記(メタ)アクリル系共重合体(A)が、モノマー組成物をリビングラジカル重合することで得られたものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  7. 前記粘着剤層をガラス面に貼り付け200℃で1時間熱処理した後に剥離した時、前記ガラス面の初期の水接触角X1(°)と、粘着剤層剥離後の水接触角X2(°)との差の絶対値(│X1−X2│)が、20°未満である請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  8. 粘着力が、0.01N/24mm〜2.5N/24mmである請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の粘着フィルムからなることを特徴とする表面保護フィルム。
  10. 光学部材用である請求項9に記載の表面保護フィルム。
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