JP2020076037A - 樹脂組成物及び防曇フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】基材に対して高い防曇性を付与でき、高い耐熱性を備えた被膜を形成する。【解決手段】樹脂組成物は、ポリビニルピロリドンとポリエステルポリオール、及びポリカーボーネートポリオールからなる群から選択される少なくとも1つのポリオール樹脂と、架橋剤とを含有し、上記架橋剤は、イソシアネート系架橋剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及び防曇フィルムに関する。
従来、ガラスやプラスチック等から形成される板ガラスやレンズ等の透明な基材は、当該基材が曝される温湿度によって、その表面が露点以下の温度にまで冷やされることがある。その場合、露点以下となった基材の表面に結露が生じ、曇りが生じてしまう。そのため、カメラやメガネ等のレンズ、家屋、自動車や航空機等の窓ガラス、並びに鏡等は、コーティング剤又はフィルムにより、親水性或いは吸水性を付与することによって、曇りが発生し難くすることがある。
防曇性を有するコーティング剤及びフィルムには、親水性或いは吸水性を有する樹脂が用いられる。例えば、界面活性剤等を配合したコーティング剤からなる塗膜やフィルム等は、長期間光や熱に曝露されることにより界面活性剤が分解したり、変質したり、経時でブリードしたりするため、防曇性能が著しく低下することがある。
例えば、特許文献1には、特定の一般式で表される共重合体と、25℃の水に対する溶解率が40〜100質量%の多官能エポキシ化合物とを、四級アンモニウム塩又は四級ホスホニウム塩の存在下で反応させることによって得られる防曇膜形成材料が記載されている。
特開2014−114430号公報(2014年6月26日公開)
特許文献1に記載の樹脂組成物は、特定の一般式で表される共重合体を多官能エポキシ化合物によって架橋することで、耐熱性の向上を図っているが、防曇性が十分ではないという問題がある。また、特許文献1の樹脂組成物よりも、さらに耐熱性が高い樹脂組成物が求められている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、基材に対して高い防曇性を付与でき、高い耐熱性を備えた被膜を形成できる樹脂組成物、及びその関連技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、以下の態様を包含する。
<1>ポリビニルピロリドンと、ポリエステルポリオール及びポリカーボーネートポリオールからなる群から選択される少なくとも1つのポリオール樹脂と、イソシアネート系架橋剤とを含有する、樹脂組成物。
<2>上記ポリエステルポリオールが、ポリカプロラクトンポリオールである、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>上記イソシアネート系架橋剤が、脂環式イソシアネート由来の架橋剤である、<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4>上記イソシアネート系架橋剤として、さらに脂肪族イソシアネート由来の架橋剤を含有している、<1>〜<3>の何れかに記載の樹脂組成物。
<5>上記脂肪族イソシアネート由来の架橋剤が、脂肪族イソシアネート化合物由来の2官能型架橋剤である、<4>に記載の樹脂組成物。
<6>ポリオール樹脂の水酸基に対する架橋剤の官能基の当量数が0.5〜2.3当量の範囲内である、<1>〜<5>の何れかに記載の樹脂組成物。
<7>ポリオール樹脂の水酸基に対する架橋剤の官能基の当量数が0.7〜2.3当量の範囲内である、<1>〜<6>の何れかに記載の樹脂組成物。
<8>さらに、メラミン系架橋剤を含有する、<1>〜<7>の何れかに記載の樹脂組成物。
<9>フィルムと、当該フィルムに形成されてなる防曇層とを備え、当該防曇層は、<1>〜<8>の何れかに記載の樹脂組成物から形成されてなる、防曇フィルム。
本発明の一態様に係る樹脂組成物によれば、基材に対して高い防曇性を付与でき、高い耐熱性を備えた被膜を形成できるという効果を奏する。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
<樹脂組成物>
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、ポリビニルピロリドンと、ポリエステルポリオール及びポリカーボーネートポリオールからなる群から選択される少なくとも1つのポリオール樹脂と、イソシアネート系架橋剤とを含有するものである。
上記構成によれば、高い防曇性と、高い耐熱性とを備えた被膜(防曇層)を形成できる樹脂組成物が得られる。また、上記構成によれば、高い防曇性と高い耐熱性とを備えつつ、全光線透過率が高く、ヘイズ値が低い被膜を形成できる。このため、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明樹脂基材、並びに、ガラス基材に防曇性を付与するために好適に用いられる。特に、本発明の一態様に係る樹脂組成物は、高い耐熱性を備えていることから、夏季の直射日光によって温度が極めて高くなる車両におけるフロントガラス等の防曇に好適に用いられる。
本発明の樹脂組成物は、基材に直接塗工してもよく、またあらかじめフィルムに樹脂組成物を塗工し、当該フィルムをガラス等に貼り付けて使用してもよい。
〔ポリビニルピロリドン〕
ポリビニルピロリドンは、樹脂組成物によって形成される被膜の防曇性に寄与する水溶性高分子である。
本発明の樹脂組成物に含まれるポリビニルピロリドンの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、8000〜300万の範囲内であることが好ましく、2万〜200万の範囲内であることがより好ましく、4万〜150万の範囲内であることが最も好ましい。ポリビニルピロリドンの重量平均分子量が、8000〜300万の範囲内において、重量平均分子量が小さい程より高い防曇性が得られ、重量平均分子量が大きい程より高い耐熱性(熱に起因する黄変に対する耐性)が得られる。
樹脂組成物におけるポリビニルピロリドンの含有量は、ポリビニルピロリドンと後述するポリオール樹脂との合計100質量部に対して、15〜80質量部の範囲内であることが好ましく、28〜78質量部の範囲内であることがより好ましく、38〜65質量部の範囲内であることが最も好ましい。ポリビニルピロリドンの含有量が、15〜80質量部の範囲内において多くなる程より防曇性が高くなり、少なくなる程より耐水性が高くなる。特に、樹脂組成物中のポリビニルピロリドンとポリオール樹脂との合計を100質量部に対して、ポリビニルピロリドンの含有量が、38〜65質量部の範囲内であることにより、防曇性を飛躍的に向上させつつ、高い耐水性を備えた被膜を形成できる樹脂組成物を得られる。
ポリビニルピロリドンの市販品としては、例えば、ピッツコール(登録商標)、クリージャス(登録商標)及びアイフタクト(登録商標)(いずれも第一製薬工業株式会社製)、並びにコリドン(登録商標)(BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。ポリビニルピロリドンの市販品は粉末状のものを用いてもよく、溶液状のものを用いてもよい。また、例えば、互いに重量平均分子量の異なるポリビニルピロリドンを2種以上併用してもよい。
なお、ポリビニルピロリドンは、典型的には、ビニルピロリドン単独で構成される重合体だが、本発明の効果を損なわない範囲において、ビニルピロリドンと他のモノマーとの共重合体であってもよい。他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステルやアクリル酸、メタクリル酸エステルやメタクリル酸、並びにスチレン及び酢酸ビニル等が挙げられる。また、ポリビニルピロリドンは、例えば、ビニルピロリドンブロックと、他のモノマーがポリビニルアルコールブロックとのブロック重合体、及びグラフト重合体等であってもよい。
〔ポリオール樹脂〕
ポリオール樹脂は、後述する架橋剤と反応する樹脂であり、該架橋剤と反応する官能基として水酸基を有している。ポリオール樹脂1分子が有している水酸基の数は2〜6個であることが好ましく、2〜4個であることがより好ましい。ポリオール樹脂は、典型的には、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールからなる群から選択される少なくとも1つのポリオール樹脂である。ここで、ポリエステルポリオールは、ポリカプロラクトンポリオールであることがより好ましい。本発明の樹脂組成物は、ポリエステルポリオール及び/又はポリカーボネートポリオールと、ポリビニルピロリドンとを配合することによって、熱による防曇性の低下を抑制でき、ヘイズ値が低い被膜を形成できる。
ポリオール樹脂の水酸基価は、30〜350KOHmg/gの範囲内であることが好ましく、耐水性を向上させるという観点からは、80〜250KOHmg/gの範囲内であることがより好ましく、さらに耐摩耗性を向上させるという観点からは、100〜250KOHmg/gの範囲内であることが最も好ましい。
ポリカプロラクトンポリオールは、分子中に複数の水酸基を有する化合物にポリカプロラクトンを反応させて得られる。また、ポリカプロラクトンポリオールは、市販品を使用してもよい。
ポリカプロラクトンポリオールの市販品としては、株式会社ダイセル製のプラクセル(登録商標)が挙げられ、その品番としては、#205(数平均分子量(Mn)530,水酸基の数2個,水酸基価212KOHmg/g)、#208(Mn830、水酸基の数2個)、#210(Mn1000、水酸基の数2個)、#212(Mn1250、水酸基の数2個)、#220(Mn2000、水酸基の数2個、水酸基価56KOHmg/g)、#305(Mn530,水酸基の数3個,水酸基価305KOHmg/g)、#308(Mn850、水酸基の数3個)、#309(Mn900、水酸基の数3個)、#312(Mn1250、水酸基の数3個)、#320(Mn2000、水酸基の数3個)及び#410(Mn1000、水酸基の数4個)が挙げられる。また、ポリカプロラクトンポリオールの市販品としては、パーストープジャパン社製のCAPA2085(Mn830、水酸基の数2個)、CAPA2100(Mn1000、水酸基の数2個)、CAPA2121(Mn1250、水酸基の数2個)、CAPA2125(Mn1250、水酸基の数2個)、CAPA2200(Mn2000、水酸基の数2個)、CAPA2201(Mn2000、水酸基の数2個)、CAPA2205(Mn2000、水酸基の数2個)、CAPA2209(Mn2000、水酸基の数2個)、CAPA3091(Mn900、水酸基の数3個)、CAPA3121J(Mn1200、水酸基の数3個)、CAPA3201(Mn2000、水酸基の数3個)及びCAPA4101(Mn1000、水酸基の数4個)が挙げられる。ポリカプロラクトンポリオールは、1種を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールは、ポリカーボネートジオールであるか、ポリカーボネートポリオールである。前記ポリカーボネートポリオールは、前記ポリカーボネートジオールと分子中に複数の水酸基を有する化合物とを反応させることにより得られる。また、ポリカーボネートポリオールは、市販品を使用してもよい。
ポリカーボネートポリオールの市販品としては、旭化成株式会社製のDURANOL(登録商標)が挙げられ、その品番としては、例えば、T6002(Mn2000、水酸基の数2個、水酸基価51〜61KOHmg/g)、T6001(Mn1000、水酸基の数2個、水酸基価100〜120KOHmg/g)、T5652(Mn2000、水酸基の数2個、水酸基価51〜61KOHmg/g)、T5651(Mn1000、水酸基の数2個、水酸基価100〜120KOHmg/g)、T5650J(Mn500、水酸基の数2個、水酸基価112KOHmg/g)、T5650E(Mn500、水酸基の数2個、水酸基価200〜250KOHmg/g)、T4672(Mn2000、水酸基の数2個、水酸基価45〜56KOHmg/g)、T4671(Mn1000、水酸基の数2個、水酸基価100〜120KOHmg/g)、T4692(Mn2000、水酸基の数2個、水酸基価51〜61KOHmg/g)、T4691(Mn1000、水酸基の数2個、水酸基価100〜120KOHmg/g)、G3452(Mn2000、水酸基の数2個、水酸基価51〜61KOHmg/g)及びG3450J(Mn800、水酸基の数2個、水酸基価130〜150KOHmg/g)等が挙げられる。
また、ポリオール樹脂として、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリエーテルポリオールをポリカプロラクトンポリオール及び/又はポリカーボネートポリオールと併用してもよい。ポリエーテルポリオールには、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、及び、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)等のポリエーテルジオール、並びに、このようなポリエーテルジオールと分子中に複数の水酸基を有する化合物とを反応させて得られるポリエーテルポリオールである。
〔架橋剤〕
本発明における架橋剤の添加量は、ポリオール樹脂が有する水酸基に対し、架橋剤の官能基が0.3〜3.3当量数の範囲内になるように添加することが好ましく、特に0.5〜2.3当量数の範囲内になるように添加することが好ましく、0.7〜2.3当量数の範囲内になるように添加することがより好ましい。ポリオール樹脂が有する水酸基に対し、架橋剤の官能基を0.5〜2.3当量にすることにより、樹脂組成物によって形成される被膜に防曇性を維持したまま耐熱水性を持たせることができ、0.7〜2.3当量にすることにより、樹脂組成物によって形成される被膜の耐摩耗性を向上できる。なお、複数の種類の架橋剤を用いる場合、ポリオール樹脂が有する水酸基に対し、各架橋剤が有している官能基の合計が、0.3〜3.3当量数の範囲内になるように添加するとよい。
架橋剤として、典型的にはイソシアネート系架橋剤が用いられる。また、イソシアネート系架橋剤と併せて、その他の架橋剤を併用してもよい。その他の架橋剤には、例えば、メラミン系架橋剤、ベンゾグアナミン系架橋剤、尿素系架橋剤、金属キレート系架橋剤、オルガノシラン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、酸無水物系架橋剤等が挙げられ、特にメラミン系架橋剤を併用することが好ましい。
〔イソシアネート系架橋剤〕
架橋剤は、ポリオール樹脂が有している水酸基と反応する官能基を有している化合物であって、典型的にはイソシアネート系架橋剤である。イソシアネート系架橋剤を用いることによって、樹脂組成物によって形成される被膜の防曇性が熱により低下することを抑制できる。このような効果は、イソシアネート系架橋剤とポリオール樹脂とが反応して架橋しつつ、この架橋によって形成されたウレタン結合及びアロファネート結合等が、ポリビニルピロリドンのカルボニル部分と疑似架橋することによってもたらされると推察される。
イソシアネート系架橋剤としては、イソシアネート化合物、および当該イソシアネート化合物に由来する架橋剤が挙げられ、炭素数1〜1000程度の有機化合物にイソシアネート基が結合されていればよい。イソシアネート化合物には、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート等のポリメリックMDI、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族イソシアネート化合物、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,4−シクロヘキサンビスメチルイソシアネートのような水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、4,4−メチレンビスシクロヘキシルイソシアネートのような水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)等の脂肪族又は脂環式イソシアネート化合物が挙げられる。また、イソシアネート化合物に由来する架橋剤には、例えば、イソシアネート化合物の2量体もしくは3量体、つまり、ウレトジオンもしくはイソシアヌレート、イソシアネート化合物とポリオール樹脂とのプレポリマー、イソシアネート化合物と、プロピレングリコール(2官能アルコール)、ブチレングリコール(2官能アルコール)、トリメチロールプロパン(TMP,3官能アルコール)、グリセリン(3官能アルコール)、ペンタエリスリトール(4官能アルコール)等の多価アルコール化合物、尿素化合物等とのアダクト体等が挙げられる。このようなアダクト体として、例えば、トリレンジイソシアネート−3官能アルコール付加物、イソホロンジイソシアネート−2官能アルコール付加物、イソホロンジイソシアネート−3官能アルコール付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート−2官能アルコール付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート−3官能アルコール付加物が挙げられる。また、その他のイソシアネート系架橋剤として、ジメチルシリコンジイソシアネート、モノメチルシリコントリイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアネート系架橋剤には、n−ブチルイソシアネート、n−ヘキシルイソシアネート、トリメチルシリコンイソシアネート等が含まれていてもよい。これらイソシアネート系架橋剤は、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物によって形成される被膜の耐熱性(黄変に対する耐性)をより向上させるという観点からは、イソシアネート系架橋剤は、脂肪族イソシアネート化合物及び脂環式イソシアネート化合物、並びに、脂肪族又は脂環式イソシアネート由来するイソシアネート系架橋剤であることがより好ましい。特に脂環式イソシアネート由来するイソシアネート系架橋剤を用いることによって、ポリビニルピロリドンとポリオール樹脂との混合比によらず、樹脂組成物を好適に被膜化できる。特に、脂環式イソシアネート化合物に由来するイソシアヌレート型のイソシアネート系架橋剤を用いることでさらに防曇性を向上できる。
さらに、脂肪族イソシアネート化合物に由来するイソシアネート系架橋剤と、脂環式イソシアネート化合物に由来するイソシアネート系架橋剤とを併用することで、被膜の耐熱性、耐水性を維持しつつ、防曇性を向上できる。防曇性の向上という観点からは、脂肪族イソシアネート由来の2官能型のイソシアネート系架橋剤を併用することがより好ましい。
〔メラミン系架橋剤〕
本発明に係る樹脂組成物には、イソシアネート系架橋剤と併せて、メラミン系架橋剤を用いることもできる。ポリビニルピロリドンの存在下、ポリオール樹脂とメラミン系架橋剤を反応させることによって、樹脂組成物により形成される被膜に高い防曇性と、高い耐水性とを付与できる。このような効果は、メラミン系架橋剤が、ポリオール樹脂と反応して架橋しつつ、メラミン系架橋剤同士も架橋し、さらにはメラミン系架橋剤がポリビニルピロリドンのカルボニル部分と疑似架橋することによってもたらされると推察される。
メラミン系架橋剤としては、例えば、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的もしくは完全にエーテル化した化合物、または、これらの混合物等を用いることができる。また、メラミン系架橋剤としては単量体または2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれでも良く、これらの混合物でもよい。より具体的にはイミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂等が挙げられる。
メラミン系架橋剤は、例えば、以下の一般式(I)によって表される。
(ここで、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、R−OCH−、若しくは式(II)又は式(III)で表されるメラミン残基であり、Rは、水素原子、炭素1〜4のアルキル基、又はグリシジル基である。Rは、水素原子または炭素1〜3のアルキル基である。n1は、1〜8の整数である。)
(ここで、R11〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、R16OCH−、又は、式(III)で表されるメラミン残基であり、R16は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はグリシジル基である。)
(ここで、R21〜R25は、それぞれ独立に、水素原子、R26OCH−、又は、式(II)で表されるメラミン残基であり、R26は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はグリシジル基である。)
また、メラミン系架橋剤は、以下の一般式(IV)によっても表される。
(ここで、R31〜R35は、水素原子、R37−OCH−、若しくは式(II)又は式(III)で表されるメラミン残基であり、R37は、水素原子、炭素1〜4のアルキル基、またはグリシジル基である。R36は、水素原子または炭素1〜3のアルキル基である。n2は、1〜8の整数である。)
また、メラミン系架橋剤は、以下の一般式(V)によっても表される。
(ここで、R41〜R45、R51〜R54は、水素原子、R47−OCH−、若しくは式(II)又は式(III)で表されるメラミン残基であり、R47は、水素原子、炭素1〜4のアルキル基、またはグリシジル基である。R55は、水素原子または炭素1〜3のアルキル基である。n3及びn4は整数であり、n3+n4は2〜8である。)
一般式(I)〜(V)によって表される化合物のうち、メラミン系架橋剤は、好ましくは、ニカラック(登録商標)MS−11、及びMS−001(共に日本カーバイド工業株式会社製)、並びに、マイコート715(日本サイテックインダストリーズ株式会社製)等が挙げられる。
メラミン系架橋剤の添加量は、ポリオール樹脂が有する水酸基に対し、メチロール基が0.3〜3.3当量の範囲内になるようにメラミン系架橋剤を添加することが好ましく、特に0.4〜2.3当量の範囲内になるようにメラミン系架橋剤を添加することにより、樹脂組成物によって形成される被膜の耐摩耗性が向上する。
〔ベンゾグアナミン系架橋剤〕
本発明に係る樹脂組成物には、イソシアネート系架橋剤と併せて、ベンゾグアナミン系架橋剤を用いてもよい。ベンゾグアナミン系架橋剤としては、例えば、ベンゾグアナミン、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化ベンゾグアナミン誘導体、メチロール化ベンゾグアナミンに低級アルコールを反応させて部分的もしくは完全にエーテル化した化合物、または、これらの混合物等を用いることができる。また、ベンゾグアナミン系架橋剤としては単量体または2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれでも良く、これらの混合物でもよい。より具体的にはブチル化ベンゾグアナミン樹脂、メチロール化ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。
〔尿素系架橋剤〕
本発明に係る樹脂組成物には、イソシアネート系架橋剤と併せて、尿素系架橋剤を用いてもよい。尿素系架橋剤としては、例えば、尿素とホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化尿素誘導体、メチロール化尿素に低級アルコールを反応させて部分的もしくは完全にエーテル化した化合物、または、これらの混合物等を用いることができる。また、尿素系架橋剤としては単量体または2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれでも良く、これらの混合物でもよい。より具体的にはブチル化尿素樹脂、メチロール化尿素樹脂等が挙げられる。
〔オルガノシラン系架橋剤〕
本発明に係る樹脂組成物には、イソシアネート系架橋剤と併せて、オルガノシラン系架橋剤を用いてもよい。オルガノシラン系架橋剤には、例えば、アルコキシ基、塩素等のハロゲン、及び水素等の加水分解性基と、アルキル基及びフェニル基等の置換基とを備えたオルガノシラン等が挙げられる。オルガノシラン系架橋剤には、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルハイドロジェンシロキサン等のオルガノシラン、並びにこれらオルガノシランのアルコキシオリゴマー、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン、その他、シリコーン第4級アンモニウム塩等を挙げることがでる。また、オルガノシラン系架橋剤には、アルコキシ基、塩素等のハロゲン、及び水素等の加水分解性基と、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシキ基、アクリロキシ基、スチリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド、及びイソシアネート基等の官能基との両方を備えた、所謂シランカップリング剤を使用できる。このような、オルガノシラン系架橋剤は、例えば、信越化学工業株式会社等から入手できる。
〔金属キレート系架橋剤〕
本発明に係る樹脂組成物には、イソシアネート系架橋剤と併せて、金属キレート系架橋剤を用いてもよい。金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウムキレート系架橋剤、ジルコニウムキレート系架橋剤、チタンキレート系架橋剤、クロムキレート系架橋剤、コバルトキレート系架橋剤、銅キレート系架橋剤、鉄キレート系架橋剤、ニッケルキレート系架橋剤、バナジウムキレート系架橋剤、亜鉛キレート系架橋剤、インジウムキレート系架橋剤、カルシウムキレート系架橋剤、マグネシウムキレート系架橋剤、マンガンキレート系架橋剤、イットリウムキレート系架橋剤、セリウムキレート系架橋剤、ストロンチウムキレート系架橋剤、バリウムキレート系架橋剤、モリブデンキレート系架橋剤、ランタンキレート系架橋剤、スズキレート系架橋剤等を用いることができ、好ましくはアルミニウムキレート系架橋剤、ジルコニウムキレート系架橋剤、チタンキレート系架橋剤である。さらに好ましくはアルミニウムキレート系架橋剤である。これら、金属キレート系架橋剤は、イソシアネート系架橋剤及びオルガノシラン系架橋剤の硬化促進剤としても作用し得る。
〔エポキシ系架橋剤〕
本発明に係る樹脂組成物には、イソシアネート系架橋剤と併せて、エポキシ系架橋剤を用いてもよい。エポキシ系架橋剤としては、トリグリシジルイソシアヌレート、フェノールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類および/またはα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA/D等のジグリシジルエーテル、アルキル置換または非置換のビフェノールのグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール類および/またはナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルとから合成されるフェノール・アラルキル樹脂やナフトール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂等のエポキシ化物、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロロヒドリンとの反応より得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、硫黄原子を含むエポキシ樹脂、オレフィン結合を過酸化物で酸化して得られる脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、または、これらのエポキシ樹脂をシリコーン、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン系ゴム、ポリアミド系樹脂等により変性したエポキシ樹脂等が挙げられる。
〔酸無水物系架橋剤〕
本発明に係る樹脂組成物には、イソシアネート系架橋剤と併せて、酸無水物系架橋剤を用いてもよい。酸無水物系架橋剤としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸等が挙げられる。
(硬化促進剤)
樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤(触媒)を添加してもよい。硬化促進剤は、架橋剤の種類に応じて適宜選択すればよく、イソシアネート系架橋剤に対しては、ルイス酸が好ましく、特に金属アルコキシド、金属塩等が好ましい。具体的な例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、チタンテトライソプロポキシド、チタニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート等が用いられる。また、メラミン系架橋剤に対しては、例えば、イミダゾール類、4級アンモニウム塩類、リン化合物類、アミン類、ホスフィン類、ホスホニウム塩類、双環式アミジン類、及びそれらの塩類等が挙げられ、リン化合物類として、ポリリン酸エステルが好ましく用いられる。これら硬化促進剤のなかでも、リン化合物類を使用することで、熱、光に対する黄変を軽減できる。特にポリリン酸エステルは酸が残っているため、他リン化合物より縮合を促進できる。これら硬化促進剤は、2種以上を併用してもよい。その他、オルガノシラン系架橋剤やエポキシ系架橋剤には、例えば、上述のルイス酸、及び、酸、アミン類等のアルカリ等が硬化促進剤として用いられる。
(溶媒)
樹脂組成物は、ポリビニルピロリドン、ポリオール樹脂及び架橋剤を始めとする材料を溶解する溶媒を含んでいることがより好ましい。溶媒は、これらの材料を溶解できれば特に限定されるものではなく、一般的なコーティング剤に用いられる溶媒であることがより好ましい。溶媒は、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、及びケトン系溶媒等が挙げられる。ここで、アルコール系溶媒には、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(IPA)、1−ブタノール、2−ブタノール、1−アミルアルコール等のモノアルキルアルコール等が挙げられる。また、エーテル系溶媒には、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等が挙げられる。また、エステル系溶媒には、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−1−プロピル、酢酸−2−プロピル、酢酸ブチル、及び酢酸アミル等の酢酸エステル、γ−ブチロラクトン等の環状ポリエステル、及び、エチレングリコール、プロピレングリコール等の二価アルキルアルコールの単量体又は2量体のモノアルキルエステル、若しくは、二価アルキルアルコールの単量体又は2量体のモノアルキルエーテルのアルキルエステル等が挙げられる。また、ケトン系溶媒には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びシクロヘキサノン等が挙げられる。その他、溶媒には、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、プロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒、塩素系溶媒、ヘキサン及びシクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、トルエン及びキシレン等の芳香族系炭化水素、並びに石油系炭化水素等が挙げられる。これら溶媒は、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物に含まれる溶媒の含有量は、当該樹脂組成物によって形成される被膜の膜厚、樹脂組成物の塗工作業性に応じて適宜調整すればよいが、例えば、樹脂組成物の固形分が10〜60重量%の範囲内になるように用いることが好ましい。
(その他の組成)
樹脂組成物は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤、及び粘度調整剤等の添加剤、並びに、着色剤、有機顔料及び無機顔料等を含んでいてもよい。
<防曇フィルム>
本発明の一態様に係る防曇フィルムは、フィルムと、当該フィルムに形成されてなる防曇層とを備え、当該防曇層は、本発明の一態様に係る樹脂組成物から形成されてなる。また、防曇フィルムにおける防曇層が形成されている面の裏面には、防曇フィルムを基材に貼り付けるための接着剤層が形成されていてもよい。
(防曇層)
防曇層は、フィルムの表面上に形成されている。防曇層は、前述の樹脂組成物の架橋反応生成物で構成されている。当該架橋反応生成物は、架橋剤とポリオールとの化学結合による三次元網目構造の分子構造を有している。当該防曇層は、前述の樹脂組成物を、公知の方法によって塗膜とすることで製造できる。防曇層の膜厚は、2〜60μmの範囲内であることが好ましく、10〜50μmの範囲内であることがより好ましい。防曇層の膜厚は、2〜60μmの範囲内において、厚くなるほどに防曇性が高くなり、薄くなるほどに透明性が高くなる。特に、10〜50μmの範囲内であることによって、高い防曇性と、高い透明性とを備えた防曇層を形成できる。
また、防曇フィルムは、防曇層の表面及び接着剤層の表面を保護する保護フィルムを備えていてもよい。当該保護フィルムは、再剥離性を有していることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムを用いるとよい。
(フィルム)
フィルムは、限定されるものではないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、アクリルフィルム、塩ビフィルム、ポリカーボネートフィルム及びウレタンフィルム等が用いられる。なお、これらのフィルムの表面には、防曇層を形成するための樹脂組成物、及び接着剤層を形成するための接着剤組成物の濡れ性を高めるために、例えば、コロナ放電やプライマー層のコーティング等の易接着処理が施されていることが好ましい。
(接着剤層)
接着剤層は、防曇フィルムを基材に貼り付けるための層であって、接着剤組成物を塗工または接着剤層をラミネートすることによってフィルムの表面に形成される。
接着剤層を形成するための接着剤組成物は、例えば、アクリル系接着剤、合成ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、オレフィン系接着剤等の公知の接着剤組成物が用いられる。
本発明は各実施形態や各実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
本発明の一実施例について以下に説明する。
[樹脂組成物の調製]
実施例1の樹脂組成物を次のようにして調製した。まず、ピッツコール(登録商標)K−30(第一工業株式会社製,ポリビニルピロリドン(PVP))をPVPの濃度が33重量%になるようにイソプロピルアルコール(IPA)に溶解することでPVP溶液を得た。次いで、当該PVP溶液に含まれる50質量部のPVPに対し、50質量部になるようにプラクセル(登録商標)205(株式会社ダイセル製,ポリカプロラクトンジオール)を溶解し、さらにテトラヒドロフラン(THF)を添加することで固形分濃度を30重量%に調製した。引き続き、50質量部のプラクセル205に対して、架橋剤として40.19質量部のタケネート(登録商標)D−120N(三井化学株式会社製,水添XDIのTMPアダクト)を溶解することで、実施例1のコーティング剤(樹脂組成物)を得た。
実施例1の樹脂組成物と同様の手順にて実施例2〜20樹脂組成物、並びに比較例1及び比較例2の樹脂組成物を調製した。
[防曇フィルム試験片の作製]
基材として両面易接着処理PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名「コスモシャインA4300」)上に、アプリケーターを用いて樹脂組成物を、防曇層の膜厚が22μmになるように塗工した。その後、熱風乾燥器を用いて150℃の環境で3分間の加熱乾燥を行い、25℃の環境下でコーティング塗膜に保護フィルム(フタムラ化学株式会社製、商品名「太閤ポリプロピレンFSM−020B」)をラミネートした。次に、ラミネートしたフィルムを、熱風乾燥器を用いて60℃の環境下で3日間養生した。
その後、ブチルアクリレート90質量部、アクリル酸10質量部を溶液重合させた、重量平均分子量65万のアクリル樹脂100質量部に、アルミニウムキレート架橋剤(川研ファインケミカル株式会社製、商品名「アルミニウムキレートA」)を0.36質量部添加した接着剤組成物を調製し、アプリケーターを用いてセパレーターに当該接着剤組成物を塗工、乾燥することでセパレーターに接着剤層を形成し、上述したフィルムの防曇層を設けた側とは反対の面に接着剤層が接するようにラミネートし、防曇フィルムを得た。
[膜厚の測定]
防曇フィルムにおける防曇層の膜厚は、ダイヤルゲージ(株式会社テクロック製、PG−02)で測定した。
[全光線透過率の測定]
全光線透過率(%)は、防曇フィルムを厚さ3mmのガラス板に貼付け、保護フィルムを剥離した状態で、ヘイズメーター(日本電飾工業株式会社製、NDH−2000)を用いて測定した。
[ヘイズの測定]
ヘイズの測定は、全光線透過率(%)の測定と同じく、防曇フィルムを厚さ3mmのガラス板に貼付け、保護フィルムを剥離した状態で、ヘイズメーター(日本電飾工業株式会社製、NDH−2000)を用いて測定した。
[低温防曇性の評価]
25mm×25mmに裁断した防曇フィルム試験片を3mm厚のガラス板の両面に貼付け、0℃の環境下に30分間放置した後、23℃/50%RHで呼気を吹きかけ、曇るか否かを評価した。曇りの有無の判断は、フォントサイズ6ポイントの文字を黒字印刷した白色紙面と、呼気を吹きかけた防曇フィルムの表面とが約1cm離れた位置にガラス板を保持し、目視にて6ポイントの「ひらがな」が読めないものを「曇りあり」と認定し、読めるものを「曇りなし」として評価した。
[高温防曇性の評価]
25mm×25mmに裁断した防曇フィルム試験片を3mm厚のガラス板に貼付け、23℃/50%RHの環境下に24時間放置した後、23℃/50%RHの環境下、防曇フィルム側を40℃のお湯を張ったウォーターバスに向け、防曇フィルムの表面と水面とが約1cm離れた位置にガラス板を保持し、防曇フィルムが蒸気で曇るまでの時間を測定した。曇るまでの時間は、フォントサイズ6ポイントの文字を黒字印刷した白色フィルムを水中に沈め、白色フィルムと防曇フィルムとの距離が7cmの位置でガラス板を保持し、目視にて6ポイントの「ひらがな」が読めなくなるまでとした。
[耐熱試験後の防曇性]
25mm×25mmに裁断した防曇フィルム試験片を3mm厚のガラス板に貼付け、100℃の環境下に1000時間放置した後、23℃/50%RHの環境下に1週間放置した。その後、上述の高温防曇性の評価と同様に防曇性を評価し、耐熱試験後の防曇性の評価とした。
なお、防曇性の変化率(%)を以下のように求めた。
/T×100 =変化率(%)
:高温防曇性の評価における防曇フィルムが蒸気で曇るまでの時間
:耐熱試験後の防曇性の評価における防曇フィルムが蒸気で曇るまでの時間
[耐水性]
25mm×25mmに裁断した防曇フィルム試験片を3mm厚のガラス板に貼付け40℃の温水に168時間浸漬させた後、23℃/50%RHにて1週間放置した。その後、上述の高温防曇性の評価と同様に防曇性を評価し、耐水試験後の防曇性の評価とした。
なお、耐水性試験後の防曇性の変化率(%)は、上述の耐熱試験後の防曇性と同じく、以下のように求めた。
/T×100 =変化率(%)
:高温防曇性の評価における防曇フィルムが蒸気で曇るまでの時間
:耐水性試験後の防曇性の評価における防曇フィルムが蒸気で曇るまでの時間
[耐摩耗性の評価]
防曇フィルムをガラス板に貼り付けた状態において、防曇層の鉛筆硬度を、鉛筆引っかき硬度試験機(株式会社安田精機製作所製,No.12944シリーズNo553)、三菱UNI鉛筆6B〜9Hを用い、JIS K5600に準拠して測定した。
[耐熱性]
25mm×25mmに裁断した防曇フィルム試験片を3mm厚のガラス板に貼付け、100℃の環境下に1000時間放置する前と放置後との色差Δb*値をコニカミノルタ製測色機CM−3600dで測色し、耐熱黄変性の評価とした。
実施例1〜20の樹脂組成物、並びに比較例1及び2の樹脂組成物の調製に用いたポリビニルピロリドン、ポリオール樹脂、及び架橋剤は、以下に示す通りである。
(ポリビニルピロリドン)
ピッツコール(登録商標)(第一工業製薬製)
ピッツコール K−30:Mw45000
ピッツコール K−50:Mw250000
ピッツコール K−90:Mw120万
(ポリオール樹脂)
プラクセル(登録商標)(株式会社ダイセル製)
プラクセル 205:ポリカプロラクトンジオール
Mn530,Tg10℃以下,水酸基価212KOHmg/g
プラクセル 320:ポリカプロラクトントリオール
Mn2000,Tg20℃以上,水酸基価85KOHmg/g
DURANOL(登録商標)T5650J(旭化成株式会社製):
ポリカーボネートジオール,Mn500,Tm−5℃以下
PTMG−1000M(三洋化成株式会社製):
ポリエーテルジオール,Tm17℃,水酸基価112KOHmg/g
(架橋剤)
デュラネート(登録商標)D−201(旭化成株式会社製):
HDI系プレポリマー,2官能型,NCO% 16.1%
コロネート(登録商標)HK(東ソー株式会社製):
HDIイソシアヌレート,NCO% 20.1%
タケネート(登録商標)(三井化学株式会社製)
タケネート D120N:水添XDI TMPアダクト,濃度75%,NCO% 11.0%
タケネート D127N:水添XDIイソシアヌレート,濃度75%,NCO% 13.5%
タケネート D140N:IPDIイソシアヌレート,濃度75%,NCO% 10.0%
タケネート D131N:XDIイソシアヌレート,濃度75%,NCO% 14.0%
表1に実施例1〜20の樹脂組成物の組成、及び、各樹脂組成物を用いて作製された防曇フィルムの評価結果を示す。表2に比較例1及び2の樹脂組成物の組成、及び、各樹脂組成物を用いて作製された防曇フィルムの評価結果を示す。表2には、実施例5の樹脂組成物を用いた、膜厚の違いによる防曇性等の評価結果も示す。
実施例2、5、及び6の防曇フィルムの評価結果を対比すると、ポリビニルピロリドンの重量平均分子量が小さいほど、防曇フィルムの高温における防曇性が高くなることが確認された。また、実施例1、2、5及び6の防曇フィルムと、実施例7、9〜11、13〜17の防曇フィルムとの耐熱黄変性の評価結果を比較すると、ポリビニルピロリドンの重量平均分子量が大きいほど、耐熱黄変性が高いことが確認された。また、実施例11の防曇フィルムと、実施例15、及び17の防曇フィルムとの耐熱黄変性の評価結果を対比すると、脂環式イソシアネート系架橋剤を含有させると耐熱試験後の黄変が抑制されることが確認された。
さらに、実施例1、2、4の対比、及び、実施例10〜13の対比から、ポリオール樹脂の水酸基に対するイソシアネート基の当量比が高くなる程、防曇フィルムにおける耐摩耗性が高くなることが確認された。
また、実施例11と実施例15との対比から、IPDIイソシアヌレートを用いることによって、防曇性が高く、耐水性が高い防曇フィルムを得られることが確認された。
また、表2に示すように、実施例5の樹脂組成物を用いた防曇フィルムは、膜厚が厚くなる程に、防曇性が高い傾向を示した。
その他、実施例1〜20の樹脂組成物によって形成された防曇性フィルムは、イソシアネート化合物を架橋剤として含むことによって防曇性と、耐熱性、耐水性に優れた防曇フィルムが得られることが確認された。さらに、23℃/50%RHにおける指触による表面タックの評価において、略タックは確認されなかった。
これに対し、比較例2の樹脂組成物によって形成された防曇性フィルムは、防曇性評価の後、23℃/50%RHにおける指触による表面タックの評価において防曇層の表面にタックが発生していることが確認された。
本発明は、車両、航空機、船舶、及び建築物の窓等並びにカメラのレンズ等のガラス基材、並びにプラスチック基材に防曇性を付与するための材料として利用できる。

Claims (9)

  1. ポリビニルピロリドンと
    ポリエステルポリオール、及びポリカーボーネートポリオールからなる群から選択される少なくとも1つのポリオール樹脂と、
    イソシアネート系架橋剤とを含有する、樹脂組成物。
  2. 上記ポリエステルポリオールが、ポリカプロラクトンポリオールである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 上記イソシアネート系架橋剤が、脂環式イソシアネート由来の架橋剤である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 上記イソシアネート系架橋剤として、さらに脂肪族イソシアネート由来の架橋剤を含有している、請求項1〜3の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 上記脂肪族イソシアネート由来の架橋剤が、脂肪族イソシアネート化合物由来の2官能型架橋剤である、請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. ポリオール樹脂の水酸基に対する架橋剤の官能基の当量数が0.5〜2.3当量の範囲内である、請求項1〜5の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  7. ポリオール樹脂の水酸基に対する架橋剤の官能基の当量数が0.7〜2.3当量の範囲内である、請求項1〜6の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  8. さらに、メラミン系架橋剤を含有する、請求項1〜7の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  9. フィルムと、当該フィルムに形成されてなる防曇層とを備え、当該防曇層は、請求項1〜8の何れか1項に記載の樹脂組成物から形成されてなる、防曇フィルム。
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