JP2007505742A - フッ素化トップコート上への再コーティング接着を達成する方法 - Google Patents
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Abstract
フッ素化有機シラン・トップコートよりなるベースコート/クリアコート仕上げまたはコーティングの修理方法。フッ素化ウレタン添加物が修理ベースコートとの再コーティング接着性を改良するためにフッ素化有機シラン・トップコート組成物に添加される。
Description
本発明は、トップコート組成物がフッ素化有機シランポリマーを含むベースコート/トップコート・システムで以前にコーティングされた基材を再コーティングする方法に関する。具体的には、本発明は、特に自動車またはトラックの最初の製造中の自動車またはトラックの仕上げのインラインおよびエンドオブライン修理中に再コーティング接着を得るための方法に関する。
自動車または他の車両上の仕上げの美的品質を保護するおよび保持するために、ベースコートが環境または風化への長期にわたる曝露時にさえも影響を受けないままであるように、着色した(顔料入り)ベースコート上にクリア(顔料なしまたは僅かに顔料入り)トップコートを提供することは一般に公知である。これは、ベースコート/トップコートまたはベースコート/クリアコート仕上げと言われる。フルオロカーボンが、屋外使用条件下で比較的汚れのないままであり、かつ、汚れた時に例えば水で洗浄することによって容易にきれいにされるトップコーティングを提供することもまた一般に公知である。フルオロカーボン成分を含有するトップコーティングを開示する先行技術特許の模範的なものは、米国特許公報(特許文献1)、米国特許公報(特許文献2)、米国特許公報(特許文献3)、米国特許公報(特許文献4)、米国特許公報(特許文献5)、および米国特許公報(特許文献6)である。消費者が魅力的な美的外観を有する外装仕上げの自動車およびトラックを好むことが周知であることを考えれば、仕上げの急速な汚れはなおさらに望ましくないことである。
しかしながら、フッ素化トップコート仕上げ剤の商業化は、幾つかの重大なまたは決定的に重要でさえある技術的ハードルによって妨げられてきた。仕上げ中の欠陥は正規製造工程中に時々起こり、オンサイト修理を必要とするかもしれないので、例えば、商業上実用的な仕上げは、他の要件の中でも特に、修理コーティングへの十分な接着性、または当該技術で再コーティング接着性として知られているものを持たなければならない。さらに、商業上実用的な仕上げは、塗布するのに問題があってはまたは困難であってはならない。
自動車仕上げの通常のインラインまたはエンドオブライン修理では、修理ベースコート/クリアコート・システムが、以前に硬化したが欠陥のある元のベースコート/クリアコート上に塗布される。全仕上げは次に別の硬化サイクルにかけられる。欠陥のある仕上げの研磨または除去は通常省略される。修理(第2)ベースコートは、通常の硬化条件で元の(第1)クリアコートに接着することが期待される。
フッ素化トップコート組成物、特に硬化した時に強いシラン結合のために優れた引っ掻き抵抗性と酸性雨および他の環境汚染物質によるエッチングに対する耐性とを仕上げに提供する、フッ素化シランポリマーを含有するトップコートの開発中に、出願者らは、従来の修理ベースコートは硬化したトップコートへの不満足なまたは不十分な接着性を示すことを見いだした。この不満足な接着性は、クリアコートの外面(空気に接触する面)でのフッ素層化の現象のためと考えられる。かかる層化は、それが非常に低い表面エネルギー、高い撥水性および撥油性、ならびに従って顕著な耐汚染性およびクリーナビリティに寄与するので一般には望ましいが、それにもかかわらずかかる層化はまた当該技術で再コーティング接着性として知れられるものへの悪影響を有すると思われる。出願者らは、アルキル化メラミン・ホルムアルデヒドまたは修理ベースコート中に通常存在する他のアミノプラスト樹脂架橋剤とよく反応するフッ素化ウレタン化合物を含む接着性改良添加物を元のトップコート組成物に含めることによって再コーティング接着性のこの問題を解決することができた。
特許請求される本発明は、それ故、元のトップコートが硬化したフッ素化シランポリマーを含む元のベースコート/トップコート仕上げの修理方法に関する。本修理方法は、
(a)アミノプラスト樹脂架橋剤を含むベースコート組成物を、フッ素化シランポリマーとその上に実質的に硬化したフッ素化ウレタン化合物を含む接着性改良添加物とを含むトップコーティングを有する基材に塗布する工程と、
(b)トップコート組成物を前記ベースコート上に塗布する工程と、
(c)新たなベースコート/トップコート仕上げを硬化させる工程と
を含む。
(a)アミノプラスト樹脂架橋剤を含むベースコート組成物を、フッ素化シランポリマーとその上に実質的に硬化したフッ素化ウレタン化合物を含む接着性改良添加物とを含むトップコーティングを有する基材に塗布する工程と、
(b)トップコート組成物を前記ベースコート上に塗布する工程と、
(c)新たなベースコート/トップコート仕上げを硬化させる工程と
を含む。
用語「実質的に硬化した」または「部分的に硬化した」とは、少なくとも幾らかの硬化は起こったが、さらなる硬化が時間と共に起こってもよいことを意味する。好ましい実施形態では、修理および元のベースコート組成物は同じものであり、かつ、元のおよび修理トップコートまたはクリアコート組成物は同じものである。トップコート組成物は好適には約45〜90重量%のバインダーを含み、バインダーは10〜90重量%、好ましくは40〜80%のフッ素化シランポリマーを含む。好ましくは、フッ素化シランポリマーは、そのうち約1.5〜70重量%、好ましくは5〜50%がシラン官能基を含有するエチレン性不飽和モノマーであり、そのうち約0.5〜25重量%、好ましくは1〜10%がフッ素官能基を含有するエチレン性不飽和モノマーであるモノマー混合物の重合生成物である。
特許請求される本発明はさらに、本方法で使用できる修理可能なトップコート組成物と本方法に従って製造された被覆基材とを含む。
本発明の方法は、クリア・フッ素化トップコートを顔料入りベースコート上に形成するために特に有用である。かかるトップコートは、水または有機溶剤を含有するベースコートおよび粉体ベースコートをはじめとする、様々なベースコート上に塗布することができる。
上に示されたように、本発明は、例えば、米国特許公報(特許文献7)、米国特許公報(特許文献8)および米国特許公報(特許文献9)に示されるように、シランポリマーが改良された引っ掻きおよび表面損傷抵抗性と酸性雨および他の環境汚染物質によるエッチングに対する耐性とをコーティングに提供することが一般に知られているので、フッ素化学を含むコーティング、より具体的にはフッ素化有機シランポリマーを含むコーティングの塗布に関する。より具体的には、本発明は、硬化したまたは少なくとも部分的に硬化したフッ素化シランポリマーを含むトップコートを有する仕上げを修理する時に再コーティング接着性を得るための方法を提供する。本方法は、自動車およびトラック本体またはそれらの部品の外装上の元の仕上げのインラインおよびエンドオブライン修理に特に有用である。本方法は、フッ素化ウレタン化合物を含む接着性改良添加物を元のトップコートに組み込む工程と、アミノプラスト樹脂架橋剤を用いる修理ベースコートをその上に塗布する工程とを含む。
典型的には、自動車スチールパネルまたは基材は先ず、無機錆止めリン酸亜鉛または鉄層でコーティングされ、その上に電着プライマーまたは修理プライマーであり得るプライマーが提供される。典型的な電着プライマーは陰極電着エポキシ変性樹脂を含む。典型的な修理プライマーはアルキド樹脂を含む。場合により、プライマーサーフェーサーを、より良好な外観および/またはプライマーコートへのベースコートの改良された接着性を提供するためにプライマーコーティング上に塗布することができる。顔料入りベースコートまたはカラーコートが次に塗布される。典型的なベースコートは、メタリック仕上げのケースでは金属粉を含んでもよい顔料、ならびにポリエステルまたはアクリロウレタン・フィルム形成性バインダーおよびアミノプラスト樹脂架橋剤を含む。
クリア・トップコート(クリアコート)が次に顔料入りベースコート(カラーコート)に塗布されてもよい。カラーコートおよびクリアコートは好ましくは、それぞれ、約0.1〜2.5ミルおよび1.0〜3.0ミルの厚さを有するように溶着される。本発明では、トップコートはフッ素化有機シランポリマーを含む。
上に示されたように、本発明によれば、元のベースコート/クリアコート仕上げの修理目的のために、元のクリアコートは、1つまたは複数のフッ素化ウレタン化合物を含む接着性改良添加物を含有するように調合され、修理ベースコートは、修理ベースコートを硬化させるために通常使用されるもののような少なくとも1つのアミノプラスト樹脂架橋剤を含有する。
トップコートは時々またフッ素化ウレタン化合物とよく反応するアミノプラスト樹脂架橋剤を含有するけれども、元のトップコートは、本明細書で使用される種類のフッ素化ウレタン化合物をその中に含むことによって悪影響も受けず、また効果的に硬化もしない。通常の硬化サイクル中に、何の実質的な反応も起こらず、修理ベースコート中のアミノプラスト架橋剤と反応させるために添加物を表面で利用可能であるままにする。
本発明の商業的な応用では、1種類だけのトップコートおよびベースコート組成物が必要であるように、元の仕上げ剤および修理仕上げ剤の両方に同じコーティング組成物を使用することが最も便利である。別の利点は、インライン修理のために、同じ配送ラインおよび製造サイクルを元の組成物および修理組成物に利用できることである。従って、修理仕上げに使用されるトップコート組成物は、それが再コーティング接着性に何の効果も持たないかもしれないが、フッ素化ウレタン接着性改良添加物を含有するであろう。
本発明で用いられるトップコート組成物は、クリアコーティング組成物、すなわち、何の顔料も含有しないかまたは少量の透明な顔料を含有する組成物である。組成物はまた、約45〜90重量%の比較的高い固形分含有率のフィルム形成性バインダーと、バインダー用の溶剤または溶剤の混合物および非水性分散系を形成するであろう非溶剤であり得る約10〜55重量%の有機キャリアとを有する。典型的には、コーティング組成物は約50〜80重量%のフィルム形成性バインダーおよび約20〜50重量%の有機溶剤キャリアを含有する。本発明のコーティングはまた、好ましくは低いVOC(揮発性有機含有率)コーティング組成物であり、それは、米国材料試験協会(ASTM)D3960に提供される手順下に測定されるように組成物のリットル当たり0.6キログラム(ガロン当たり5ポンド)未満の有機溶剤を含むコーティングを意味する。
上に示されたように、ポリマー成分を含む本発明のトップコート組成物のフィルム形成部分は、「バインダー」または「バインダー固形分」と言われ、有機溶剤または液体キャリア中に溶解、乳化または別のやり方で分散されている。バインダー固形分には一般に、組成物の普通は固体のポリマー非液体成分すべてが含まれる。一般に、触媒、顔料または本明細書で用いられるように安定剤および接着性改良添加物のような化学添加剤は、バインダー固形分の一部とは考えられない。顔料以外の非バインダー固形分は通常、合計して組成物の約10重量%より多くにならない。本開示では、本発明のトップコート組成物に関して、用語バインダーには、本明細書で下に記載されるように、フッ素化シランポリマー、分散ポリマー、およびすべての他の任意のフィルム形成性ポリマーが含まれる。
本発明で用いられるバインダーは、本明細書ではフッ素化シランポリマーとも言われる、約10〜90重量%、好ましくは40〜80%のフィルム形成性フッ素化有機シランポリマーを含有する。
バインダーのフッ素化シランポリマー部分は典型的には、約500〜30,000、好ましくは約3,000〜10,000の重量平均分子量を有する。本明細書で開示されるすべての分子量は、特に記載のない限り、ポリスチレン標準を用いるゲル浸透クロマトグラフィーによって測定される。
好ましくは、フッ素化シランポリマーは、そのうち約1.5〜70重量%、好ましくは5〜50重量%が加水分解性シラン官能基を含有するエチレン性不飽和モノマーであり、約5〜98重量%、好ましくは約40〜95重量%がエチレン性不飽和非シランおよび非フッ素含有モノマーであり、そして約0.5〜25重量%、好ましくは約1〜10重量%がフッ素官能基を含有するエチレン性不飽和モノマーであるモノマーの混合物の重合生成物である。8重量%の重合したシランモノマーおよび1.5%フロオロアルキルモノマーを有するアクリロシラン樹脂は、良好な耐酸エッチング性、表面損傷抵抗性、およびクリーナビリティを有することが分かった。
使用されてフッ素化シランポリマーを形成する好適なエチレン性不飽和非シランおよび非フッ素含有モノマーは、アルキル基が1〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子を有する、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキルおよびそれらの任意の混合物である。使用されてフッ素化シランポリマーを形成する好適なメタクリル酸アルキルモノマーは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸ラウリルなどである。同様に、好適なアクリル酸アルキルモノマーには、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ラウリルなどが含まれる。例えば、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、またはメタクリル酸t−ブチルシクロヘキシルのような脂環式メタクリレートおよびアクリレートもまた使用することができる。例えば、アクリル酸ベンジルおよびメタクリル酸ベンジルのようなアクリル酸アリールおよびメタクリル酸アリールもまた使用することができる。勿論、上述モノマーの2つ以上の混合物もまた好適である。
アルキルアクリレートまたはメタクリレートに加えて、ポリマーの約50重量%までの他の非シランおよび非フッ素含有重合性モノマーを、硬度、外観、表面損傷抵抗性などのような所望の物理的性質を達成するという目的のためにアクリロシランポリマーに使用することができる。かかる他のモノマーの模範的なものはスチレン、メチルスチレン、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどである。ヒドロキシ官能性モノマーもまた、20〜160のヒドロキシ価を有するポリマーを生み出すためにフッ素化シランポリマー中へ組み込むことができるし、好ましくは組み込まれる。好適なヒドロキシ官能性モノマーは、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのような、アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルアクリレートおよびヒドロキシアルキルメタクリレートを意味するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートである。ヒドロキシ官能性モノマーの存在は、ヒドロキシ基とシランポリマー上のシラン部分との間および/またはヒドロキシ基とトップコート組成物中に存在するかもしれないバインダー成分上の他の架橋基との間で追加の架橋が起こるのを可能にする。
フッ素化シランポリマーを形成するために使用することができる好適なシラン含有モノマーは、次の構造式
(式中、RはCH3、CH3CH2、CH3O、CH3OCH2CH2O、またはCH3CH2Oのいずれかであり、R1およびR2は独立してCH3、CH3CH2、またはCH3OCH2CH2であり、R3はH、CH3、CH3CH2、またはCH3OCH2CH2のいずれかであり、nは0または1〜10の正の整数である。好ましくは、RはCH3OまたはCH3CH2Oであり、かつ、nは1である)
を有するアルコキシシランである。
を有するアルコキシシランである。
かかるアルコキシシランの典型的な例は、ガンマ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシランのようなアクリラトアルコキシシラン、ならびにガンマ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランおよびガンマ−メタクリルオキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シランのようなメタクリラトアルコキシシランである。
他の好適なアルコキシシランモノマーは次の構造式
(式中、R、R1およびR2は上記の通りであり、nは1〜10の正の整数である)
を有する。
を有する。
かかるアルコキシシランの例は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランのようなビニルアルコキシシランである。
他の好適なシラン含有モノマーは、アクリラトオキシシラン、メタクリラトオキシシランならびにビニルメチルジアセトキシシランのようなビニルアセトキシシラン、アクリラトプロピルトリアセトキシシラン、およびメタクリラトプロピルトリアセトキシシランをはじめとする、エチレン性不飽和アクリルオキシシランである。勿論、上述のシラン含有モノマーの混合物もまた好適である。
シラン官能性マクロモノマーもまたフッ素化シランポリマーを形成するのに使用することができる。例えば、かかる一マクロモノマーは、エポキシドまたはイソシアネートのような反応性基を有するシラン含有化合物と、反応性基、典型的にはシランモノマーと共反応性(co−reactive)であるヒドロキシルまたはエポキシド基を有するエチレン性不飽和非シラン含有モノマーとの反応生成物である。有用なマクロモノマーの例は、アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシルアルキルアクリレートまたはメタクリレートのようなヒドロキシ官能性エチレン性不飽和モノマーと、イソシアナトプロピルトリエトキシシランのようなイソシアナトアルキルアルコキシシランとの反応生成物である。
かかる上述のシラン官能性マクロモノマーの典型的なものは、次の構造式
(式中、R、R1、およびR2は上記の通りであり、R4はHまたはCH3であり、R5は1〜8個の炭素原子を有するアルキレン基であり、nは1〜8の正の整数である)
を有するものである。
を有するものである。
フッ素含有モノマーは好ましくは、フッ素化シランポリマーの総重量を基準にして約0.5〜10重量%の量で使用される。フルオロカーボンモノマーは高価であるので、本発明組成物は好ましくはフルオロカーボン成分の低い含有率を有する。有用なフッ素含有モノマーは式
(式中、R6は水素または1〜2個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは1〜18の整数であり、Rfは少なくとも4個の炭素原子を有するフルオロアルキル含有基であり、好ましくは、場合により酸素原子を含有することができる4〜20個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖フルオロアルキル基である)
で表されるフルオロアルキルモノマーである。
で表されるフルオロアルキルモノマーである。
典型的な有用なフルオロアルキル含有モノマーは、パーフルオロメチルエチルメタクリレート、パーフルオロエチルエチルメタクリレート、パーフルオロブチルエチルメタクリレート、パーフルオロペンチルエチルメタクリレート、パーフルオロヘキシルエチルメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、パーフルオロデシルエチルメタクリレート、パーフルオロラウリルエチルメタクリレート、パーフルオロステアリルエチルメタクリレート、パーフルオロメチルエチルアクリレート、パーフルオロエチルエチルアクリレート、パーフルオロブチルエチルアクリレート、パーフルオロペンチルエチルアクリレート、パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、パーフルオロオクチルエチルアクリレート、パーフルオロデシルエチルアクリレート、パーフルオロラウリルエチルアクリレート、パーフルオロステアリルエチルアクリレートなどである。フルオロアルキル基が4〜20個の炭素原子を含有するパーフルオロアルキルエチルメタクリレートが好ましい。
他の有用なフルオロアルキル含有モノマーは式
(式中、
R6は上に定義された通りであり、
Rf’は4〜12個の炭素原子を有するフルオロアルキル基であり、
R7は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして
nは1〜4の整数である)
で表される。
R6は上に定義された通りであり、
Rf’は4〜12個の炭素原子を有するフルオロアルキル基であり、
R7は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして
nは1〜4の整数である)
で表される。
これらのモノマーの典型的なものは下記である。
上述の成分と一致して、本発明のトップコート組成物で有用なフッ素化アクリロシランポリマーの例は次の成分を含有してもよい:約10〜30重量%のスチレン、約2〜20重量%のガンマ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、約10〜30重量%のメタクリル酸イソブチル、5〜30重量%のアクリル酸2−エチルヘキシル、15〜45重量%のヒドロキシエチルメタクリレートおよびアルキル基中に4〜20個の炭素原子を有する約0.5〜5重量%のフルオロアルキルエチルメタクリレート。
特に好ましい一フッ素化アクリロシランポリマーは、約20重量%スチレン、約8重量%ガンマ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、約70.5重量%の、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸ブチルおよびメタクリル酸イソブチルならびにそれらの任意の混合物のような非官能性アクリレートまたはメタクリレート、ならびに約1.5重量%の上記フルオロアルキルエチルメタクリレートモノマーを含有する。
コーティング組成物に使用されるフッ素化シランポリマーは、モノマー、溶媒、および重合開始剤が1〜24時間、好ましくは2〜8時間にわたって通常の重合反応器中へ装入され、その反応器中で成分が約60〜175℃、好ましくは約110〜170℃に加熱される通常の重合技術によって好ましくは製造される。
フッ素化シランポリマーの好ましい形成方法では、フルオロアルキル含有モノマーは長時間にわたって他のモノマーと一緒に加えられないが、開始、終了または中間のような重合プロセス中の任意の時間に加えられる。重合性のフルオロアルキル含有モノマーは通常溶媒とブレンドされ、次に反応器に加えられる。フルオロアルキル含有モノマーは、ポリマーの総重合時間の約0.01〜10%で加えられる。好ましくは、フルオロアルキル含有モノマーは、他のモノマーの少なくとも幾らかが加えられ、ある程度重合した後で加えられる。上記やり方での、典型的には重合反応の終わりごろにショットでのフルオロアルキル含有モノマーの添加は、大量の高価なフッ素モノマーを使用することなく、ある一定百分率のポリマー鎖をフッ素含有率の点で高くする方法である。これは、実質的なコスト削減を提供しながら高いクリーナビリティを達成させる。フッ素含有率の点で富むだけでなく、架橋性基のような他の官能性基の点でも富む鎖を提供して、高い引っ掻きおよび表面損傷抵抗性ならびに風防シーラントへの優れた接着性のような他の所望のフィルム特性を達成するために、他の官能性モノマー、例えば、シラン含有−およびヒドロキシル含有−モノマーの一部を典型的には重合反応の終わりごろにショットで加えることもまた有益である。この技法はまた、フッ素基の少なくとも一部分が他の官能基によって最終フィルムネットワーク中へ架橋されるのを可能にし、それはフッ素基がだんだん洗い落とされ、究極的にコーティングフィルムの表面から消失するのを防ぐので、フッ素表面の寿命を延ばす方法でもある。
本方法で使用される典型的な重合開始剤は、アゾ−ビス−イソブチロニトリル、1,1’−アゾ−ビス(シアノシクロヘキサン)のようなアゾタイプ開始剤、過酢酸t−ブチルのような過酢酸エステル、ジ−t−ブチルペルオキシドのようなペルオキシド、過安息香酸t−ブチルのような安息香酸エステル、過オクタン酸t−ブチルのようなオクタン酸エステルなどである。
本方法で使用することができる典型的な溶媒は、メタノール、エタノール、n−ブタノール、n−プロパノール、およびイソプロパノールのようなアルコール、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンのようなケトン、トルエン、キシレン、ソルベッソ(Solvesso)(登録商標)100のような芳香族炭化水素、プロピレンカーボネートのようなアルキレンカーボネート、N−メチルピロリドン、エーテル、エステル、アセテートならびに上記の任意の混合物である。
フッ素化シランポリマーに加えて、他のフィルム形成性および/または架橋溶液ポリマーが本出願に含まれてもよい。例には、通常公知のアクリロシラン、ポリアクリレート、セルロース誘導体、アミノプラスト、イソシアネート、ウレタン、ポリエステル、エポキシドまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましい任意の一フィルム形成性ポリマーは、ポリオール、例えば、重合したモノマーのアクリルポリオール溶液ポリマーである。かかるモノマーには、前述のアルキルアクリレートおよび/またはメタクリレートならびにさらに、ヒドロキシアルキルアクリレートおよび/またはメタクリレートが含まれてもよい。好適なアルキルアクリレートおよび/またはメタクリレートは、アルキル基中に1〜12個の炭素原子を有する。ポリオールポリマーは好ましくは、約50〜200のヒドロキシル価および約1,000〜200,000、好ましくは約1,000〜20,000の重量平均分子量を有する。
ポリオール中にポリオールの約90重量%まで、好ましくは20〜50重量%のヒドロキシ官能基を提供することは、ヒドロキシ官能基の重合したモノマーを含む。好適なモノマーには、例えば、本明細書で上にリストされたヒドロキシアルキルアクリレートおよびメタクリレートならびにそれらの混合物のような、ヒドロキシアルキルアクリレートおよびメタクリレートが含まれる。他の重合性の非ヒドロキシ含有モノマーが約90重量%まで、好ましくは50〜80%の量で、ポリオールポリマー成分に含まれてもよい。かかる重合性モノマーには、例えば、スチレン、メチルスチレン、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、メチロールアクリルアミドなど、およびそれらの混合物が含まれる。
アクリルポリオールポリマーの一例は、約10〜20重量%のスチレン、アルキル基中に1〜6個の炭素原子を有する40〜60重量%のアルキルメタクリレートまたはアクリレート、およびアルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する10〜50重量%のヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレートを含む。かかる一ポリマーは、約15重量%スチレン、約29重量%メタクリル酸イソブチル、約20重量%アクリル酸2−エチルヘキシル、および約36重量%ヒドロキシプロピルアクリレートを含有する。
上記の成分に加えて、分散ポリマーが場合によりコーティング組成物中に含まれてもよい。有機(実質的に非水性)媒体中に分散されたポリマーは、当該技術では、非水性分散系(NAD)ポリマー、非水性微小粒子分散系、非水性ラテックス、またはポリマーコロイドと様々に言われてきた。一般的には、(非特許文献1)を参照されたい。また、参照により本明細書によって援用される、米国特許公報(特許文献10)、米国特許公報(特許文献11)、米国特許公報(特許文献12)、米国特許公報(特許文献13)および米国特許公報(特許文献14)も参照されたい。一般に、分散ポリマーは、その粒子が粒子−媒体界面での溶媒和ポリマーまたはオリゴマー層の付着により成し遂げられる立体安定化によって安定化されている、有機媒体中に分散されたポリマー粒子として特徴づけられる。分散ポリマーは、シランコーティングに関連した従来の亀裂の問題を解決するために本発明で使用される。シランポリマーと併せた使用に好適な分散ポリマーは、そっくりそのまま参照により本明細書によって援用される米国特許公報(特許文献15)に開示されている。好ましくは、約20重量%のかかる分散ポリマーが亀裂を防ぐために含まれる。
一般に好ましい2構成要素または2パッケージ・システム用に、多官能性有機イソシアネートを、イソシアネート化合物が1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する限り特定の制限なしに架橋剤として使用することができる。好ましいポリイソシアネート化合物は、分子当たり2〜3個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物である。多官能性有機イソシアネート化合物の典型的な例は、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシリデンジイソシアネートなどである。商品名デスモデュール(Desmodur)(登録商標)N−3390で販売されているヘサメチレンジイソシアネートの三量体(イソシアヌレート)、商品名デスモデュール(登録商標)Z−4470で販売されているイソホロンジイソシアネートの三量体(イソシアヌレート)などのようなジイソシアネートの三量体もまた使用することができる。前述の有機ポリイソシアネートの任意のものとポリオールとから形成されるポリイソシアネート官能性付加体もまた使用することができる。トリメチロールプロパンまたはエタンのようなトリメチロールアルカンなどのポリオールを使用することができる。有用な一付加体はテトラメチルキシリデンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの反応生成物であり、サイセーン(Cythane)(登録商標)3160の商品名で販売されている。本発明の架橋性樹脂が外装コーティングに使用される場合、耐候性および耐黄変性の観点から、脂肪族または脂環式イソシアネートの使用が芳香族イソシアネートの使用よりも好ましい。
場合により、本発明コーティング組成物は、特に任意のポリオールポリマーと併せて、追加の架橋剤、例えば、アミノプラスト架橋剤をさらに含んでもよい。特に好ましいアミノプラスト樹脂は、通常使用されるアルキル化メラミン・ホルムアルデヒド架橋剤の任意のものである。典型的に有用なアルキル化メラミン・ホルムアルデヒド架橋剤は、例えば、部分または完全アルキル化されている通常のモノマーまたはポリマーのアルキル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂である。有用な一架橋剤は、約1〜3の重合度を有するメチル化およびブチル化またはイソブチル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂である。一般に、このメラミン・ホルムアルデヒド樹脂は、約50%ブチル化基またはイソブチル化基と50%メチル化基とを含有する。かかる架橋剤は典型的には約300〜600の数平均分子量および約500〜1500の重量平均分子量を有する。商業的に入手可能な樹脂の例は、サイメル(Cymel)(登録商標)1168、サイメル(登録商標)1161、サイメル(登録商標)1158、レジミン(Resimine)(登録商標)4514およびレジミン(登録商標)354である。好ましくは、架橋剤は、バインダーの重量を基準にして約5〜50重量%の量で使用される。他の熟慮される架橋剤は、尿素ホルムアルデヒド、ベンゾクォーナミン(benzoquanamine)ホルムアルデヒドおよびブロックされたポリイソシアネートまたは前述の架橋剤の任意の相溶性混合物である。好ましくは約10〜60重量%のかかる架橋剤がコーティングのバインダーに含まれる。
上記のクリアコート組成物はまた、延びた貯蔵寿命を有するワン−パッケージ・システムとして(ブロックされていない有機ポリイソシアネートなしで)調合することができる。
触媒は、シランポリマーのシラン部分のそれ自体とのおよび/または組成物の他の成分との架橋を触媒するために典型的には添加される。ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオキシド、ジブチル錫ジオクトエート、オクタン酸錫、チタン酸アルミニウム、アルミニウムキレート、ジルコニウムキレートなどのような、多種多様な触媒を使用することができる。ブロックされているかブロックされていないかのどちらかの、ドデシルベンゼンスルホン酸のようなスルホン酸は有効な触媒である。ブロックされているかブロックされていないかのどちらかの、フェニル酸性リン酸エステルのようなアルキル酸性リン酸エステルもまた用いられてもよい。前述の触媒の任意の混合物も同様に有用であるかもしれない。他の有用な触媒は当業者には容易に思い浮かぶであろう。好ましくは、触媒は、組成物に使用されるバインダーの総重量を基準にして約0.1〜5.0%の量で使用される。
本発明のコーティング組成物の鍵となる成分は、上記の成分に加えて、本明細書では接着促進剤または再コーティング接着性改良添加物とも言われる、接着性改良添加物である。有効な接着性増強量の接着性改良添加物が上述の再コーティング接着性問題を解決するためにトップコート組成物に添加される。本発明の接着性改良添加物はまた、車両の本体に風防を適切に貼り付けるために必要とされる、商業的に入手可能な湿気硬化風防接合接着剤への優れたプライマーなし接着をトップコート組成物に提供する。接着性改良添加物は、組成物に使用されるバインダーの総重量を基準にして約0.1〜15重量%、好ましくは約5〜10重量%の範囲の接着性増強量でトップコート組成物に典型的には添加される。
より具体的には、本明細書で使用される接着性改良添加物は、通常の有機ポリイソシアネート、フッ素化一官能性アルコール、およびオリゴマーまたはポリマーのエトキシル化/プロポキシル化グリコールのポリイソシアネート由来付加体であるフッ素化ウレタン化合物であり、何の残留または遊離−NCO基も含有しない。フッ素化ウレタン添加物はまた好ましくは、添加物が塗膜の永久的な部分になるのを防ぐために、トップコート組成物中のフィルム形成性バインダー成分と反応することができる残留ヒドロキシル基なしである。添加物はそれによって塗膜中で未反応の可動性成分のままであることができ、それは好ましい。
いかなる特定の理論で縛られることを欲しないが、フッ素化ウレタン添加物は硬化中にフィルムの表面に移行し、そしてウレタン基(すなわち、カルバメート基)はメラミン基と反応することができるので、界面で十分な混り合いがあり、その結果メラミンを含有する修理ベースコートが元のトップコート中のウレタン基と反応し、改良された再コーティング接着性をもたらすであろうと推測される。
好ましくは、本発明のフッ素化ウレタン付加体は、フッ素化モノアルコールと反応し、さらにポリエーテルポリオールと反応して、後で修理ベースコート中に存在するアミノプラスト樹脂と反応することができる反応性カルバメート基を持った付加体を提供する通常の有機ポリイソシアネート樹脂から形成される。
付加体を形成するために使用されてもよい有機ポリイソシアネートは、使用可能な任意の通常の芳香族、脂肪族、脂環式の二官能性および三官能性ポリイソシアネートであることができ、上にリストされた有機ポリイソシアネートの任意のものなどである。使用することができる典型的なジイソシアネートには、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ビスシクロヘキシルジイソシアネート、テトラメチレンキシレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、2,3−ジメチルエチレンジイソシアネート、1−メチルトリメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)−メタン、4,4’−ジイソシアナトジフェニルエーテルなどをはじめとする、本明細書で上にリストされたものの任意のものが含まれる。使用することができる典型的な三官能性イソシアネートは、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,3,5−ベンゼントリイソシアネート、2,4,5−トルエントリイソシアネートなどをはじめとする、本明細書で上にリストされたものの任意のものである。商品名デスモデュール(登録商標)Nで販売されているヘサメチレンジイソシアネートの三量体(イソシアヌレート)のような、ジイソシアネートのオリゴマーもまた使用することができる。特に好ましい一オリゴマーはデスモデュール(登録商標)N−3390である。カルボジイミド基、ウレタン基、アロファネート基、イソシアヌレート基、ビウレット基、およびウレア基を含有する任意の他のポリイソシアネートもまた好適である。
有機ポリイソシアネートは、例えば、任意のフッ素化一官能性アルコールと反応させることができる。好適なフッ素化一官能性アルコールは式
(式中、Rfは上に定義されたように、場合によりエーテル基のような酸素原子を含有することができる、または1〜5個の塩素原子または1〜5個の水素原子を含有することができる少なくとも4個の炭素原子を有するフルオロアルキル含有基、好ましくは4〜20個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖フルオロアルキル基である。好ましくは、Rfは4〜20個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基であり、最も好ましくは、Rfは6〜12個の炭素原子を含有するパーフルオロアルキル基である。Xは二価基、好ましくは−CH2CH2O−、−SO2N(R4)CH2CH2O−、−CH2−、−O−、−CH2O−(ここで、R4は好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)である。R3はHまたは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、Hおよびメチルが好ましく、nは0〜1であり、mは0〜30である、ただし、nが0である場合、mは1より大きいかまたはそれに等しくなければならず、mが0である場合、nは1であり、Xが−O−である場合、mは1より大きいかまたはそれに等しくなければならず、mは好ましくは1〜20である)
で表される。
で表される。
下記が好ましいフッ素化一官能性アルコールである。
F(CF2CF2)a(CH2CH2O)bH
(式中、aは1〜約8、またはその混合物であり、好ましくは約3〜約6であり、bは5〜15である)
H−(CF2CF2)n−CH2OH
(式中、nは1〜6である)
F(CF2CF2)a(CH2CH2O)bH
(式中、aは1〜約8、またはその混合物であり、好ましくは約3〜約6であり、bは5〜15である)
H−(CF2CF2)n−CH2OH
(式中、nは1〜6である)
(式中、cは4〜8であり、dは2c+1であり、R5は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは1〜30である)
(式中、nは0〜10であり、mは1〜20である)、および
F(CF2CF2)a(CH2)eOH
(式中、aは上に記載されており、eは約2〜約10、好ましくは2である)
F(CF2CF2)a(CH2)eOH
(式中、aは上に記載されており、eは約2〜約10、好ましくは2である)
かかるフッ素化モノアルコールの具体的な例は、商品名ゾニール(ZONYL)(登録商標)BA、BA−L、BA−NまたはBA−LDフルオロアルコール(Fluoroalcohol)で販売されている。ゾニール(登録商標)フルオロアルコールは、本願特許出願人、(デラウェア州ウィルミントン(Wilmington、DE))から入手可能な式F(CF2CF2)2−8CH2CH2OHのアルコールの混合物である。
ポリエーテルポリオールが、キャップして、すなわち、残留イソシアネート末端基と反応してフッ素化ウレタン付加体を形成するために使用される。好ましいポリオールはオリゴマーもしくはポリマーのエトキシル化/プロポキシル化グリコールまたはこれらのグリコールの組み合わせである。好適なエトキシル化/プロポキシル化グリコールには、一般式
(式中、mおよびnは、それぞれ、繰り返しオキシエチレン(EO)およびオキシプロピレン(PO)基の平均数である、ただし、mは常に正の整数であるが、nは正の整数またはゼロである(後者のケースではEOホモポリマーを意味する))のポリオキシエチレングリコールおよびポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールが含まれる。
本明細書で使用されるEO/POグリコールは好ましくは、約500〜約5,000、好ましくは約980〜約2,500の重量平均分子量を有するオリゴマー材料である。かかるポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレングリコールの典型的な例は、ユニオン・カーバイド(Union Carbide)から商品名「ユーコン(Ucon)75−H」で入手可能である。「ユーコン75−Hシリーズ(Series)」EO/POグリコールは、75重量%オキエチレン(EO)基および25重量%オキシプロピレン(PO)基を有する線状共重合体であり、上述の範囲内の分子量を有する。本質的に線状の共重合体上の唯一の側鎖は、オキシプロピレン残基のメチル基による。特に好ましい一EO/POグリコールは、約980の重量分子量および37.8℃で450susの粘度を有する「ユーコン−75−H−450」である。
本発明では、添加物のフルオロケミカル部分は追加の撥水性および撥油性ならびに耐汚染性をトップコートに提供するが、EO/POグリコール部分は添加物に水溶性、それ故典型的なベースコート組成物への溶解性を与えると考えられる。EO/PO基の好適な選択によって、ベースコート中へのフッ素化添加物の拡散速度を予測通りに制御することができる。
フッ素化ウレタン添加物は、同時法またはステップワイズ法を用いる通常の重合技術によって製造することができ、好ましくは製造される。好ましい実施形態では、ステップワイズ法が用いられる。この実施形態では、ポリイソシアネートは先ずフッ素化一官能性アルコールと反応されられてフッ素官能基が付加体に含まれることを確実にする。フッ素化イソシアネート中間体は次にポリエーテルグリコールでキャップされて何の残留イソシアネート基も持たないフッ素化ウレタン付加体を提供する。
工程1はこのように有機ポリイソシアネートをフッ素化モノアルコールと反応させることを伴う。典型的には、成分は、ジブチル錫ジラウレートのような触媒で不活性溶媒中約45〜120℃の温度で約0.1〜4時間反応して中間体を形成する。工程1でポリイソシアネートと反応するモノアルコールの量は、当量のイソシアネート当たり化学量論的1当量またはそれ未満であるべきである。好ましくは、用いられるモノアルコールの量は、イソシアネートの当量当たり約0.45当量以上、より好ましくはイソシアネート当量に対して約0.50〜1.0のモノアルコールを形成する。
工程2で、EO/POグリコールが第1工程で製造されたフッ素化ポリイソシアネート中間体と反応させられる。用いられるEO/POグリコールの量は典型的には、生じたポリイソシアネート由来付加体中に残留イソシアネート反応性官能基のいかなるものも残すことなくイソシアネート官能基の約99%、好ましくは100%を消費するのに十分な化学量論的1当量の5〜15%過剰である。
グリコールとフッ素化イソシアネート中間体との反応は、フーリエ(Fourier)変換赤外分光光度計を用いることによるイソシアネート吸光度バンドおよびイソシアネート滴定によって監視することができる。反応終点は、何のイソシアネート官能基も生じたポリイソシアネート由来付加体中に残っていない時に達成される。
原則として、ポリイソシアネートのイソシアネート官能基のすべてを反応させることが意図されるが、100パーセント完全な反応が達成できるとは限らず、それ故、微量の未反応イソシアネートおよび/または未反応ヒドロキシルが予期され得ることは理解されるべきである。あるいはまた、本発明の目的のためにはイソシアネートの「すべて」を反応させることは、少なくとも99パーセント完全な反応、好ましくは100パーセントと定義されるかもしれない。
特に好ましい一フッ素化ウレタン付加体は、1当量のゾニール(登録商標)BAフルオロアルコールと反応させられ、次に1当量のユーコン(登録商標)75−H−450でキャップされたイソホロンジイソシアネートの反応生成物である。
別の実施形態では、接着性改良添加物は、風防を車両に付けるために使用される商業的に入手可能な湿気硬化ウレタン風防シーラントへの硬化したまたは少なくとも部分的に硬化したトップコート組成物の接着を改良するために、追加の加水分解性シラン官能基を含有してもよい。添加物中に加水分解性シラン官能基を提供するために、イソシアネート基をキャップするために使用されるポリエーテルポリオールは、アミノ官能性シランで置き換えられてもよい。添加物は、キャップの変更を除いて上記と同じ方法で製造されてもよい。
このフルオロウレタンシラン添加物を形成するために使用することができるアミノ官能性シランは式
(式中、R1は独立してC1〜C16アルキルであり、R2は独立してHまたはC1〜C12アルキルであり、R3は独立してアルキレン、シクロアルキレン、複素環、アリーレン、アルコキシレン、アラルキレン、アルケニレンおよび低分子量ポリマー部分よりなる群から選択された部分であり、nは1〜16の整数である。R1にとってはC1〜C4のアルキルが好ましく、C1〜C2が最も好ましい。アルキル置換基は線状または環式であることができ、アミン機能は第一級または第二級であることができる。R3に代表的な低分子量ポリマー価値(values)はポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミンなどである。「低分子量」とは、約3000(数平均)以下を意味する。R3が低分子量ポリマーである時、nは1である。しかしながら、好ましくは、R3については2〜20個の炭素原子を含有するアルキレン基であり、nは1〜3である)
で表される。
で表される。
下記は好ましいアミノ官能性シランである。
式中、R3は1〜20個、より好ましくは1〜2個の炭素原子を含有するアルキレン基であり、nは1〜3である。
商業的に入手可能であるかかるアミノ官能性シランの具体的な例は、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、およびトリメトキシシラン基がメチルジアルコキシシラン基の様々な組み合わせによって置換されている場合のようなその類似物である。
この添加物のフルオロケミカル部分は追加の撥水性および撥油性ならびに耐汚染性をトップコートに提供するが、アミノプラスト部分はプライマーなしで風防シーラントに改良された接着性だけでなく添加物に水溶性、それ故典型的なベースコート組成物での溶解性を与えると考えられる。アミノ基の好適な選択によって、ベースコート中へのフッ素化添加物の拡散速度もまた予測通りに制御することができる。
上記の成分に加えて、トップコート組成物で製造されたクリア仕上げの耐候性を改良するために、紫外線安定剤または紫外線安定剤の組み合わせを、バインダーの重量を基準にして約0.1〜10重量%の量でトップコート組成物に添加することができる。かかる安定剤には、紫外線吸収剤、スクリーナー、失活剤、および特有のヒンダードアミン光安定剤が含まれる。また、酸化防止剤も、バインダーの重量を基準にして約0.1〜5重量%の量で添加することができる。有用である典型的な紫外線安定剤には、ベンゾフェノン、トリアゾール、トリアジン、ベンゾエート、ヒンダードアミンおよびそれらの混合物が含まれる。
オルト酢酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、テトラシリケートなどのような好適な量(好ましくはバインダーの2〜6重量%)の水捕捉剤が、典型的にはそのポットライフを延ばすためにトップコート組成物に添加される。約3%ミクロゲル(好ましくはアクリル)および1%疎水性シリカがレオロジー調整のために用いられてもよい。組成物はまた、例えば、レジフロー(Resiflow)(登録商標)S(ポリアクリル酸ブチル)、BYK(登録商標)320および325(高分子量ポリアクリレート)などの流動調整剤のような他の通常の調合添加剤を含んでもよい。
少量の顔料もまた、黄変のような仕上げでの望ましくない色を排除するためにトップコート組成物に添加することができる。
本方法によれば、修理ベースコートが上記の元のトップコート上に塗布される時に、再コーティング接着性を達成することができる。一般に、ベースコートの組成物は、それがアミノプラスト樹脂架橋剤を含有しなければならない程度を除いて、本発明によって限定されない。好ましいベースコートは、メラミン架橋剤およびポリオールと組み合わせてポリエステルまたはポリエステルウレタンを含む。好適なポリオールには、アクリル、ポリエステル、ポリエステルウレタン、または60〜160のヒドロキシ価を有するアクリルウレタンポリオールが含まれる。かかるポリオールは、トップコートが実質的にまたは部分的に硬化してしまったけれどもクリアコート中の未反応または残留シラン基の幾らかと反応するポリオール上のヒドロキシ基によってシラン・クリアコート上の再コーティング接着性に寄与するかもしれない。好適なベースコートの例は、顔料、アルミニウムフレーク、およびUV吸収剤に加えて、組成物の重量で、約25%のレオロジー調整のためのミクロゲル、21%のメラミン・ホルムアルデヒド樹脂、17%の分岐ポリエステル樹脂、3%の120のヒドロキシ価を有するアクリロウレタン、2%のブロックト・ジブチルドデシルベンジルスルホン酸触媒、および2%のジブチルジアセテートを含む。
追加のフィルム形成性および/または架橋ポリマーが本発明で用いられるベースコートに含まれてもよい。例には、通常知られているポリアクリレート、セルロース誘導体、アミノプラスト、ウレタン、ポリエステル、エポキシドまたはそれらの混合物が挙げられる。追加の任意のアクリルポリマーの一例はアクリルポリオール溶液ポリマーである。かかるポリオールは好ましくは、約50〜200のヒドロキシル価および約1,000〜200,000、好ましくは約1,000〜20,000の重量平均分子量を有する。好ましいポリオールは、25重量%スチレン、31重量%メタクリル酸ブチル、17%アクリル酸ブチルおよび38%ヒドロキシプロピルアクリレートからなり、18.5℃のTgを有する。
理論で縛られることを欲しないが、元のトップコート中のフッ素化ウレタン添加物の存在は、修理ベースコート中のアミノプラスト樹脂とクリアコート中のウレタン基との反応を引き起こして元のクリアコート界面と修理ベースコート界面との間の接着を促進するカーバメート結合を形成するかもしれないと推測される。
様々な顔料および金属粉が、当業者に明らかであるように、ベースコートに用いられてもよい。ベースコート組成物中の典型的な顔料には次のものが含まれる:二酸化チタン、酸化亜鉛、様々な色の酸化鉄のような金属酸化物、カーボンブラック;タルク、陶土、バライト、炭酸塩、ケイ酸塩のようなフィラー顔料;およびキナクリドン、銅フタロシアニン、ペリレン、アゾ顔料、インダンスロンブルー、例えばカルバゾールバイオレットなどのカルバゾール、イソインドリノン、イソインドロン、チオインジゴレッド、ベンゾイミダゾリノンのような多種多様な有機着色顔料;アルミニウムフレークのような金属粉顔料、真珠光沢フレークなど。
顔料は、高速混合、サンド研削、ボールミリング、磨砕機研削または2ロールミリングのような通常の技法によりコーティング組成物に使用される前述ポリマーの任意のものでまたは別の相溶性ポリマーもしくは分散剤で練り顔料または顔料分散系を先ず形成することによってベースコート中へ導入することができる。練り顔料は次にコーティング組成物に使用される他の成分とブレンドされる。
本発明で用いられるベースコート組成物はまた、例えば、レジフロー(登録商標)S(ポリアクリル酸ブチル)、BYK(登録商標)320および325(高分子量ポリアクリレート)などの流動調整剤;例えば溶融シリカなどのレオロジー調整剤のような他の通常の調合添加剤を含んでもよい。
本発明で用いられるベースコートおよびトップコートの両方で、通常の溶剤および希釈剤がまた一般に、上述のポリマーを分散させるおよび/または希釈させるために使用される。典型的な溶剤および希釈剤には、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサン、アセトン、エチレングリコール、モノエチルエーテル、VMおよびPナフサ、ミネラルスピリット、ヘプタンおよび他の脂肪族、脂環式、芳香族炭化水素、エステル、エーテルならびにケトンなどが含まれる。典型的なベースコートでは、現在使用されるほとんどのベースコートは水性システムであるので、水が典型的には共溶剤として使用される。
本発明によれば、コーティング組成物の任意のものを、吹き付け塗り、静電塗装、浸し塗り、刷毛塗り、流し塗りなどのような通常の技法によって塗布することができる。好ましい技法は吹き付け塗りおよび静電塗装である。塗布後に、コーティング組成物は典型的には100〜150℃で約15〜30分間ベークされて約0.1〜3.0ミル厚さのコーティングを形成する。組成物がクリアコートとして使用される場合、それは、クリアコートが塗布される前に粘着性なしの状態まで乾燥され、硬化させられてもまたは好ましくは短時間フラッシュ乾燥されてもよいカラーコート上に塗布される。カラーコート/クリアコート仕上げは次に、上述のようにベークされて乾燥し、硬化した仕上げを提供する。
「ウェット・オン・ウェット」塗布を用いてベースコート上にクリア・トップコートを塗布することは、特に自動車産業で慣例になった、すなわち、トップコートは、ベースコートを硬化させるまたは完全に乾燥させることなくベースコートに塗布される。被覆基材は次に、予め定められた時間加熱されてベースコートおよびクリアコートを同時硬化させる。
本発明のクリア・トップコート組成物の硬化時に、フッ素化シラン含有ポリマーの一部はまた、耐久性の耐候性クリアコートを生み出すために、特にフッ素化有機シランポリマーがポリオールと組み合わせて使用される場合に、クリアコートのトップ部分に優先的に移行し、その中で層状になるかもしれない。かかる層化はまた、フルオロカーボン成分の存在のおかげで、それが非常に低い表面エネルギー、高い撥水性および撥油性、ならびに従って顕著な耐汚染性およびクリーナビリティに寄与するので一般には望ましい。かかる層化は、トップコートの硬化した層の断面の電子走査化学分析(ESCA)によって示されてきた。
本発明のコーティング組成物は、基材に塗布され十分に硬化させられた時に、最も望ましくは少なくとも100°、好ましくは100°〜120°の水前進接触角および少なくとも40°、好ましくは45〜85°、より好ましくは60°〜85°のヘキサデカン前進接触角を有し、それは、上に議論されたように、比較的汚れのないままであり、かつ、容易に洗浄されるまたはきれいに拭かれる仕上げを提供する。水および有機液体接触角とクリーナビリティおよび汚れ固着との関係は、実施例で下により十分に記載される。
別の実施形態では、本発明の組成物は顔料入りであり、カラーコートとして、またはモノコートとしてもしくはさらにプライマーもしくはプライマーサーフェーサーとして使用することができる。モノコートとして使用される場合、これらの組成物は、航空、農場および建設機械、ならびに改良されたクリーナビリティが同様に望まれる建築コーティング向けに特に有用である。本発明のコーティング組成物がベースコート、モノコート、プライマーまたはプライマーサーフェーサーとして使用される場合、顔料は、高速混合、サンド研削、ボールミリング、磨砕機研削または2ロールミリングのような通常の技法によりコーティング組成物に使用される前述ポリマーの任意のものでまたは別の相溶性ポリマーもしくは分散剤で練り顔料または顔料分散系を先ず形成することによってコーティング組成物中へ導入することができる。練り顔料は次に、コーティング組成物に使用される他の成分とブレンドされる。通常の溶剤および希釈剤が、上述のポリマーを分散させておよび/または希釈させて顔料入りコーティング組成物を得るために使用される。
本発明のさらに別の実施形態では、上記のフッ素化ウレタン添加物は、「ミックス−イン」ポリマーまたは添加物(典型的にはバインダーの重量を基準にして約0.1〜15重量%の量で)として任意の商業的に入手可能なコーティング・システムに有効であるかもしれない。例えば、フルオロウレタンは、改良されたクリーナビリティおよび耐汚染性のために艶出剤、ワックス、ペイント、ワニスおよび建設用塗料で添加物として使用することができる。フルオロウレタンは、高められたクリーナビリティを提供するために硬質フローリング用の添加物として使用することができる。フルオロウレタンはまた、器具、レンジフード、自動車車輪など用のコーティングへのクリーナビリティおよび耐汚染性を改良するために使用することができる。
次の実施例は本発明を例示する。すべての部および百分率は特に明記しない限り重量基準である。本明細書で開示されるすべての分子量はポリスチレン標準を用いるGPCによって測定する。
次のオリゴマーおよびポリマーを製造し、実施例1ならびに比較例2および3に示すように使用した。
(フッ素化アクリロシランポリマーの製造)
フッ素化アクリロシランポリマーを、かき混ぜ機、熱電対、還流冷却器、および加熱マントルを備えた、窒素で覆われた12リットル反応フラスコ中へ次の成分を装入することによって製造した。
フッ素化アクリロシランポリマーを、かき混ぜ機、熱電対、還流冷却器、および加熱マントルを備えた、窒素で覆われた12リットル反応フラスコ中へ次の成分を装入することによって製造した。
部分Iを反応フラスコ中へ装入し、かき混ぜ下にその還流温度まで加熱した。部分IIを予め混合し、次に、反応混合物を還流温度に維持しながら、それに240分間にわたって加えた。部分IIIを予め混合し、次に、部分IIの添加の開始230分後に反応混合物に一度に加えた。240分フィードの完了後に、予め混合した部分IVを30分間にわたって加え、次に反応混合物をその還流に追加の60分間保持した。生じたポリマー溶液を次に室温まで冷却した。
生じたポリマー溶液は56.7%の重量固形分、25℃で測定されたJのガードナー−ホルツ(Gardner−Holdt)粘度、約2,175の数平均分子量および1.9の多分散性を有し、そして20/15/23.5/5/29//1.5/3/3の重量比で次の成分Sty/2−EHA/iBMA/A−174/HEMA//ゾニールTM(登録商標)(ショット)/A174(ショット)/HEMA(ショット)を含有する。
(フッ素化ウレタン添加物の製造)
フルオロ−ウレタン添加物を、上記のように装備された窒素で覆われた500ミリリットル反応フラスコ中へ次の成分を装入することによって製造した。
フルオロ−ウレタン添加物を、上記のように装備された窒素で覆われた500ミリリットル反応フラスコ中へ次の成分を装入することによって製造した。
部分Iの成分を与えられた順に反応フラスコ中へ装入し、かき混ぜおよび窒素雰囲気下に46℃に加熱した。部分IIを次に部分Iに加え、僅かな発熱を観察し、溶液を撹拌しながら46℃に2時間保持した。次に、部分IIIを30分間にわたって加え、溶液を75℃に2時間保持し、次に室温まで冷却して96%収率のフッ素化ウレタン添加物溶液を与えた。
生じたフッ素化ウレタン添加物溶液は82.6%固形分含有率を有する。
(シラン官能基を持ったフッ素化ウレタン添加物の製造)
シラン官能基を持ったフルオロ−ウレタン添加物を、上記のように装備された窒素で覆われた2リットル反応フラスコ中へ次の成分を装入することによって製造した。
シラン官能基を持ったフルオロ−ウレタン添加物を、上記のように装備された窒素で覆われた2リットル反応フラスコ中へ次の成分を装入することによって製造した。
部分Iの成分を与えられた順に反応フラスコ中へ装入し、かき混ぜおよび窒素雰囲気下に還流温度まで加熱した。部分IIを次に部分Iに加え、溶液を撹拌しながら45〜50℃に3時間保持した。次に、部分IIIを75℃の溶液温度で120分間にわたって加えた。溶液を、赤外分光分析法によって監視されるようにNCOピークが消失するまで保持した。
(非フッ素化アクリロシラン樹脂の製造)
比較目的のために、非フッ素化ヒドロキシ官能性アクリロシラン樹脂を、上記のように装備された窒素で覆われたフラスコ中へ次の成分を装入することによって製造した。
比較目的のために、非フッ素化ヒドロキシ官能性アクリロシラン樹脂を、上記のように装備された窒素で覆われたフラスコ中へ次の成分を装入することによって製造した。
部分Iを反応フラスコ中へ装入し、かき混ぜおよび窒素雰囲気下に還流温度まで加熱した。部分IIおよびIIIを別々に予め混合し、溶液を還流温度に維持しながら、270分間にわたって部分Iに加えた。生じたポリマー溶液を次に還流温度に30分間保持した。
生じたポリマー溶液は64%固形分含有率、ガードナー−ホルツ尺度で測定されるようにT粘度、および約5,000の重量平均分子量を有する。
(アクリルポリオール樹脂の製造)
場合により本発明の組成物に含まれてもよいアクリルポリオール樹脂を、上記のように装備された窒素で覆われたフラスコ中へ下記を装入することによって製造した。
場合により本発明の組成物に含まれてもよいアクリルポリオール樹脂を、上記のように装備された窒素で覆われたフラスコ中へ下記を装入することによって製造した。
部分Iを反応器中へ装入し、還流温度まで加熱した。部分IIおよびIIIを別々に予め混合し、次に、反応混合物を還流温度に保持しながら、260分間にわたって反応器に同時に加えた。溶液を次に還流温度に30分間保持した。
生じたアクリルポリオール樹脂は66重量%固形分であり、約6,000の重量平均分子量を有する。
(アクリルNAD樹脂の製造)
場合により本発明の組成物に含まれてもよいヒドロキシ官能性アクリルNAD樹脂を、上記のように装備された窒素で覆われたフラスコ中へ下記を装入することによって製造した。
場合により本発明の組成物に含まれてもよいヒドロキシ官能性アクリルNAD樹脂を、上記のように装備された窒素で覆われたフラスコ中へ下記を装入することによって製造した。
部分Iを反応容器中へ装入し、還流温度まで加熱した。部分IIを次に、部分IIIおよびIVが反応容器中へのフィードを始める前の5分以内に反応容器に加えた。部分IIIおよびIVを別々に予め混合し、210分間にわたって還流温度で反応容器中へ同時にフィードした。部分Vを予め混合し、還流温度を維持しながら60分間にわたって加えた。反応溶液を次に還流温度に60分間保持した。真空を次に反応容器にかけ、236.84重量部溶媒を取り除いた。
生じたNAD樹脂は60%の重量固形分、約100,000〜200,000の重量平均分子量を有するコア、およびコアに結合した約10,000〜15,000の重量平均分子量を有するアームを有する。
(アクリルミクロゲル樹脂の製造)
メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体を、下記のアクリルミクロゲル樹脂の合成で使用される、また、場合により本発明の組成物中に含まれる中間体安定化ポリマーとして製造した。この安定化ポリマーを、上記のように装備された窒素で覆われたフラスコ中へ下記を装入することによって製造した。
メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体を、下記のアクリルミクロゲル樹脂の合成で使用される、また、場合により本発明の組成物中に含まれる中間体安定化ポリマーとして製造した。この安定化ポリマーを、上記のように装備された窒素で覆われたフラスコ中へ下記を装入することによって製造した。
部分Iを反応器に装入し、96〜100℃の温度にした。部分IIおよびIIIを別々に予め混合し、次に、96〜100℃の反応温度を維持しながら、180分間にわたって同時に加えた。溶液を次に90分間保持した。順に、部分IV、V、およびVIを別々に予め混合し、反応器に加えた。反応溶液を次に還流まで加熱し、酸価が0.5以下であるまで保持した。生じたポリマー溶液は40%固形分含有率を有する。
アクリルミクロゲル樹脂を次に、上記のように装備された窒素で覆われたフラスコ中へ下記を装入することによって製造した。
部分Iを反応容器中へ装入し、その還流温度まで加熱し、45分間保持した。部分IIおよびIIIを別々に予め混合し、次に、反応混合物をその還流温度に維持しながら、混合される反応容器に120分間にわたって同時に加えた。部分IVを次に加えた。部分VおよびVIを別々に予め混合し、次に、混合物を還流温度に維持しながら120分間にわたってバッチに同時に加えた。混合物を次に還流温度に30分間保持した。
生じたポリマー溶液は50%の重量固形分、および60センチポイズの粘度を有する。
(クリアコート実施例1ならびに比較例2および3の調製)
本方法の実施で有用なクリアコート組成物は、次の成分を与えられた順に一緒にブレンドすることによって調製した。
本方法の実施で有用なクリアコート組成物は、次の成分を与えられた順に一緒にブレンドすることによって調製した。
電着プライマーで電着したリン酸塩処理スチールパネルを、それぞれ、通常の無地のブラック、シルバーメタリック、およびブルーメタリック溶剤希釈型ベースコーティング組成物で吹き付け塗りし、コートして約0.5〜1.0ミル厚さのベースコートを形成した。ベースコートにそれぞれ5分のフラッシュを与えた。次に、上に調合したクリアコート・ペイントをベースコートのそれぞれの上に「ウェット・オン・ウェット」塗布して約1.8〜2.2ミル厚さのクリアコート層を形成した。パネルを次に、典型的なOEMベークである、約250°Fで30分間ベークすることによって十分に硬化させた。生じた被覆パネルを下記の特性について測定した。結果を表2に一覧にする。第2セットのパネルを上に明記したようにコートした。さらに、冷却後に、第2のベースコート/クリアコート修理コート層を最初のコートと同じ手順によって塗布した。何の研摩も表面処理も、修理ベースコートの塗布前に行わなかった。生じた被覆パネルをまた下に明記される試験にかけて接着性を評価し、元のトップコーティングからの修理トップコーティングのピックオフの量を記録した。結果を下の表1および3に報告する。
OEMおよび修理コートパネルの次の特性を測定した:20°光沢、画像の明確さ(DOI)、硬度、ビデオ接触角システムによって測定されるような前進および後退水接触角ならびに前進および後退ヘキサデカン溶剤接触角、初期クロスハッチ接着性、40℃で100%相対湿度への曝露の96または240時間後のクロスハッチ接着性、ならびにプライマーなし風防接合接着性。
上記の接触角測定値は、具体的には、クリアコートした表面のクリーナビリティおよび汚れ固着を評価するために用いた。接触角は、参照により本明細書によって本明細書に援用される(非特許文献2)に十分に記載されている液滴法(Sessile Drop Method)によって測定する。
手短に言えば、液滴法では、水か溶剤かどちらかの液体の滴を表面上に置き、正接を滴と表面との接触ポイントで正確に測定する。前進角は、液体の滴のサイズを大きくすることによって測定し、後退角は液体の滴のサイズを小さくすることによって測定する。機器およびこれらの接触角を測定するために必要な手順に関する追加情報は、参照により本明細書に援用される(非特許文献3)にさらに十分に記載されている。
水および有機液体接触角とクリーナビリティおよび汚れ固着との関係は、(非特許文献4)に記載されている。一般に、接触角が高ければ高いほど、表面はより耐汚れまたは汚染性であり、表面はきれいにするのがより容易である。
上記のクロスハッチ接着性測定値は、具体的には、元のベースコートへの元のクリアコートの接着性と元のクリアコートへの修理ベースコートの再コーティング接着性とを評価するために用いた。上に示したように、再コーティング接着性については、塗布されたベースコートおよびクリアコートを250℃で30分間ベークした。ベークの24時間以内に、同じベースコートおよびクリアコートを、ベークしたOEMベースコートおよびクリアコートのトップ上に上記の同じ手順によって塗布した。新たに塗布したトップコートを再び250℃で30分間ベークした。これらの再コーティングパネルを次に最低24時間老化させ、下記のクロスハッチ接着性法に従って再コーティング接着性について試験した。
手短に言えば、クロスハッチ接着性は、ジェネラル・モーターズ・コーポレーション(General Motors Corporation)によって公表されたジェネラル・モーターズ試験手順(Test Procedure)GM9071PおよびASTM D−3359−93に従って試験した。試験は、ベーキング後室温で72時間老化させたパネルについて行う。パネルを格子パターンに刻みをつけ、粘着テープを刻みマーク上に貼り付け、次にテープをフィルムから素早く引っ張る。基材からのコーティングの観察される剥離の大きさが接着性を示す。コーティングがそれから剥離した格子またはクロスハッチ面積の百分率を格付けされたい。5%以上の剥離した塗膜の格付けは不合格と見なされる。
プライマーなし風防接合接着性について試験するために、風防接着剤のビーズをベーキング後にクリアコート表面に塗布した。使用した風防接着剤は、ダウ・エセックス・スペシャルティ・プロダクツ・カンパニー(Dow Essex Specialty Products Company)から商業的に入手可能である。おおよそ5mm×5mm×250mm接着剤ビーズを硬化したクリアコート表面上に置いた。接着剤プラスクリア複合体を約75°F(24℃)および20〜50%相対湿度で72時間硬化させた。硬化した接着剤ビーズをかみそりの刃でカットした。カットは、180°角度で接着剤のエッジを引き戻しながら12mm間隔で60°角度で接着剤ビーズを通して行った。最低10カットを各システムについて行った。所望の結果は、100%凝集破壊(CF)として記載する。凝集破壊(CF)は、接着剤ビーズの完全性がカットすることおよび接着剤ビーズとクリアコート表面との間の接合よりかなり引っ張ることの結果として失われた時に起こる。OEM初期コートおよび修理コートフィルムの両方について、2、3の着色ベースコートにわたる結果を下の表にまとめる。
上の結果は、本発明のフッ素化ウレタン添加物を使用して製造したクリアコーティング組成物(実施例1)が再コーティング接着性を示すが、該添加物を含有しない比較システム(比較例2)が必要な再コーティング接着性を持たないことを示す。
上の結果は、本発明のフッ素化ウレタン添加物を使用して製造したクリアコーティング組成物(実施例1)が、耐汚染性である、かつ、容易に洗浄されるまたはきれいに拭かれる仕上げを提供する水についておよび溶剤について高い接触角を有するだけでなく、本発明の方法の操作を可能にする必要な再コーティング接着性を有することを示す。市販のクリアコート組成物に相当する非フッ素化アクリロシランポリマー含有クリアコート組成物(比較例3)は、ほとんどすべての色についてそれほど良好なクリーナビリティを示さない。
本発明の方法および組成物の様々な修正、変更、追加または置換は、本発明の範囲および精神から逸脱することなしに当業者に明らかであろうし、本発明が本明細書に述べられた例示された実施形態に限定されないが、むしろ次の特許請求の範囲に列挙されるようであることが理解されるべきである。
Claims (12)
- 自動車またはトラックの最初の製造中における自動車またはトラックの元のベースコート/トップコート仕上げのインラインまたはエンドオブライン修理方法であって、元のトップコートが実質的に硬化したフッ素化シランポリマーを含み、
(a)フッ素化ウレタン化合物を含む接着性改良添加物を前記元のトップコートに組み込む工程と、
(b)アミノプラスト樹脂架橋剤を含む修理ベースコート組成物を前記元のトップコート上に塗布する工程と、
(c)修理トップコート組成物を前記修理ベースコート上に塗布する工程と、
(d)新たなベースコート/トップコート仕上げを硬化させる工程と
を改良点として含むことを特徴とする方法。 - 修理トップコートが前記修理ベースコート上にウェット・オン・ウェット(wet−on−wet)で塗布され、そして新たなトップコートおよびベースコートが一緒に硬化させられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 元のベースコート/トップコートおよび修理ベースコート/トップコートの両方のコーティング組成物が同じものであり、その結果、1種類だけのトップコート組成物および1種類だけのベースコート組成物が使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- フッ素化ウレタン化合物が有機ポリイソシアネート、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレングリコール、およびフッ素化一官能性アルコールの付加体から本質的になり、かつ、残留イソシアネート基を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- フッ素化ウレタン化合物が有機ポリイソシアネート、アミノ官能性シラン、およびフッ素化一官能性アルコールの付加体から本質的になり、かつ、残留イソシアネート基を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- フッ素化ウレタン化合物が、元のトップコートのバインダーの重量を基準にして約0.1〜10重量%の量で元のトップコート組成物に用いられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 修理コーティングの被覆基材への接着性の改良方法であって、
(a)フッ素化シランポリマーと、フッ素化ウレタン化合物を含む接着性改良添加物とを含むフィルム形成性バインダーを含む少なくとも1つのコーティング組成物を基材に塗布する工程と、
(b)少なくとも1つのコーティング組成物を硬化させて被覆基材を提供する工程と、
(c)基材に塗布された第1修理コーティングがアミノプラスト樹脂架橋剤を含む、1つまたは複数の修理コーティングを被覆基材に塗布する工程と、
(d)1つまたは複数の修理コーティングを硬化させて新たな仕上げを前記基材上に形成する工程と
を含むことを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法に従ってコーティングされることを特徴とする基材。
- 約45〜90重量%のフィルム形成性バインダーおよび10〜55重量%の有機液体キャリアを含有するコーティング組成物であって、バインダーが
(A)ポリマーの重量を基準にして約5〜98重量%の、シランまたはフッ素官能基を含有しない重合したエチレ性不飽和モノマー、ポリマーの重量を基準にして約1.5〜70重量%の、シラン官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー、およびポリマーの重量を基準にして約0.5〜25重量%の、フッ素官能基を含有する重合したエチレン性不飽和モノマーから本質的になる、バインダーの重量を基準にして約10〜90重量%のフィルム形成性フッ素化有機シランポリマーと、
(B)バインダーの重量を基準にして約0〜60%の非水性分散ポリマーと、
(C)有機ポリイソシアネートおよびメラミン架橋剤の1つまたは両方から選択された、バインダーの重量を基準にして約10〜90重量%の架橋剤とを含み、そしてさらに組成物が、
(D)組成物中のバインダー固形分の総重量を基準にして約0.1〜15重量%のフッ素化ウレタン化合物
を含むことを特徴とする組成物。 - フッ素化ウレタン化合物が有機ポリイソシアネート、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレングリコール、およびフッ素化一官能性アルコールの付加体から本質的になり、かつ、残留イソシアネート基を実質的に含有しないことを特徴とする請求項9に記載の組成物。
- フッ素化ウレタン化合物が有機ポリイソシアネート、アミノ官能性シラン、およびフッ素化一官能性アルコールの付加体から本質的になり、かつ、残留イソシアネート基を実質的に含有しないことを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 請求項9に記載の組成物でトップコーティングされていることを特徴とする自動車またはトラック。
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