JP2020075501A - 回路基板用積層体およびその製造方法 - Google Patents

回路基板用積層体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリイミド層と銅層との密着性に優れた回路基板用積層体の提供。【解決手段】ポリイミド層4と、ポリイミド層4上に積層された銅層3とを備え、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層4と銅層3との界面から銅層の厚さ方向に5nm離れた位置を一方端とし、界面からポリイミド層の厚さ方向に20nm離れた位置を他方端とする第1領域におけるCu3Oフラグメントのカウント数が5000以下である回路基板用積層体6。【選択図】図6

Description

本開示は、回路基板用積層体およびその製造方法に関する。
フレキシブル基板として、ポリイミド層と該ポリイミド層上に積層された銅層とを備える回路基板用積層体がある。このような積層体を製造する方法としては、ラミネート法、スパッタめっき法、キャスティング法等が広く用いられている。たとえば、特許文献1(特開2016−060138号公報)には、キャスティング法として、銅箔層上にポリイミドの前駆体溶液を塗布して乾燥させることによって、銅箔層上にポリイミド層を形成する方法が開示されている。
特開2016−060138号公報
上記のような回路基板用積層体においては、ポリイミド層と銅層との高い密着性が求められる。しかし、ラミネート法、スパッタめっき法、キャスティング法といった従来の製造方法により製造された回路基板用積層体において、密着性は未だ十分ではない。本開示では、ポリイミド層と銅層との密着性に優れた回路基板用積層体を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る回路基板用積層体は、ポリイミド層と、ポリイミド層上に積層された銅層と、を備え、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第1領域におけるCuOフラグメントのカウント数が5000以下である。第1領域は、界面から銅層の厚さ方向に5nm離れた位置を一方端とし、界面からポリイミド層の厚さ方向に20nm離れた位置を他方端とする領域である。
本開示の一態様に係る回路基板用積層体の製造方法は、主面に保護層が設けられた基板を準備する工程と、保護層上に銅層を形成する工程と、銅層上にポリイミド前駆体液を塗布して硬化処理することにより、銅層上にポリイミド層を形成する工程と、基板、保護層、銅層およびポリイミド層を含む中間積層体から、基板および保護層を除去する工程と、を備え、硬化処理は、300℃以上かつ3時間以上の熱処理である。
上記によれば、ポリイミド層と銅層との密着性に優れた回路基板用積層体を提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の手順を示すフローチャートである。 図2は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。 図3は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。 図4は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。 図5は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。 図6は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。 図7は、実施例1および比較例1のTOF−SIMS分析結果であって、CuOフラグメントのカウント数を示すグラフである。 図8は、実施例1および比較例1のTOF−SIMS分析結果であって、Cuフラグメントのカウント数を示すグラフである。 図9は、実施例1および比較例1のTOF−SIMS分析結果であって、CuHフラグメントのカウント数を示すグラフである。 図10は、実施例1および比較例1のTOF−SIMS分析結果であって、CNフラグメントのカウント数を示すグラフである。 図11は、実施例1および比較例1のTOF−SIMS分析結果であって、Cフラグメントのカウント数を示すグラフである。 図12は、ポリイミドフィルムのTOF−SIMS分析結果であって、CNフラグメントおよびCフラグメントのカウント数を示すグラフである。 図13は、実施例1および比較例1のTOF−SIMS分析結果であって、CuNフラグメントのカウント数を示すグラフである。 図14は、実施例1および比較例1のTOF−SIMS分析結果であって、CuNフラグメントのカウント数を示すグラフである。 図15は、実施例1および比較例1のTOF−SIMS分析結果であって、Oフラグメントのカウント数を示すグラフである。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
〔1〕本開示の一態様に係る回路基板用積層体は、ポリイミド層と、ポリイミド層上に積層された銅層と、を備え、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第1領域におけるCuOフラグメントのカウント数が5000以下である。第1領域は、界面から銅層の厚さ方向に5nm離れた位置を一方端とし、界面からポリイミド層の厚さ方向に20nm離れた位置を他方端とする領域である。
上記回路基板用積層体は、ポリイミド層と銅層との密着性に優れる。界面に存在する銅酸化物の量が従来と比して少ないためである。TOF−SIMS分析に関し、第1領域にて測定されるCuOフラグメントは、銅酸化物由来のフラグメントである。
〔2〕上記回路基板用積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第2領域におけるCNフラグメントのカウント数が15×10以下である。第2領域は、界面を一方端とし、界面からポリイミド層の厚さ方向に30nm離れた位置を他方端とする領域である。
上記回路基板用積層体は、さらに密着性に優れることができる。界面におけるポリイミドの分解が十分に低減されているためである。TOF−SIMS分析に関し、第2領域にて測定されるCNフラグメントは、ポリイミド分解物由来のフラグメントである。
〔3〕上記回路基板用積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第3領域におけるCuNフラグメントのカウント数が9000以上である。第3領域は、界面から銅層の厚さ方向に20nm離れた位置を一方端とし、界面からポリイミド層の厚さ方向に40nm離れた位置を他方端とする領域である。
上記回路基板用積層体は、さらに密着性に優れることができる。界面におけるCu−N結合が十分に生成されているためである。TOF−SIMS分析に関し、第3領域にて測定されるCuNフラグメントは、銅層とポリイミド層との界面におけるCu−N結合を含む部分に由来するフラグメントである。
〔4〕上記回路基板用積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第3領域におけるCuNフラグメントのカウント数が2000以上である。第3領域は、界面から銅層の厚さ方向に20nm離れた位置を一方端とし、界面からポリイミド層の厚さ方向に40nm離れた位置を他方端とする領域である。
上記回路基板用積層体は、さらに密着性に優れることができる。界面におけるCu−N結合が十分に生成されているためである。TOF−SIMS分析に関し、第3領域にて測定されるCuNフラグメントは、銅層とポリイミド層との界面におけるCu−N結合を含む部分に由来するフラグメントである。
〔5〕上記回路基板用積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第4領域におけるOフラグメントのカウント数が10000以下である。第4領域は、界面から銅層の厚さ方向に10nm離れた位置を一方端とし、界面からポリイミド層の厚さ方向に40nm離れた位置を他方端とする領域である。
上記回路基板用積層体は、さらに密着性に優れることができる。界面に存在する銅酸化物の量が従来と比して少ないためである。TOF−SIMS分析に関し、第4領域にて測定されるOフラグメントは、銅酸化物由来のフラグメントと考えられる。
〔6〕本開示の一態様に係る回路基板用積層体の製造方法は、主面に保護層が設けられた基板を準備する工程と、保護層上に銅層を形成する工程と、銅層上にポリイミド前駆体液を塗布して硬化処理することにより、銅層上にポリイミド層を形成する工程と、基板、保護層、銅層およびポリイミド層を含む中間積層体から、基板および保護層を除去する工程と、を備え、硬化処理は、300℃以上かつ3時間以上の熱処理である。
上記回路基板用積層体の製造方法によれば、銅層とポリイミド層との密着性に優れた回路基板用積層体を製造することができる。上記硬化処理を実施することにより、銅層とポリイミド層との界面における銅酸化物の量が低減されるためである。
〔7〕上記回路基板用積層体の製造方法において、ポリイミド前駆体液は、水を含む。
上記ポリイミド前駆体液が水を含むことによって、上記ポリイミド前駆体液中で上記ポリアミック酸の加水分解が進行し、カルボキシル基が新たに生成される。その結果、上記ポリイミド前駆体液における酸性環境がより強くなり、ポリイミド層と銅層との界面に存在する銅酸化物の分解が更に促進される。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の一実施形態(以下「本実施形態」と記す。)について説明する。ただし、本実施形態はこれに限定されるものではない。なお以下の実施形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表わす。本明細書において「A〜B」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上B以下)を意味し、Aにおいて単位の記載がなく、Bにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とBの単位とは同じである。
〈回路基板用積層体の製造方法〉
本実施形態に係る回路基板用積層体の理解を容易とするために、まず、回路基板用積層体の製造方法の一実施形態について、図1〜図6を用いながら説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の手順を示すフローチャートである。図2〜図6は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。
図1〜図6を参照し、本実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法は、主面1aに保護層2が設けられた基板1を準備する工程(ステップS10)と、保護層2上に銅層3を形成する工程(ステップS11)と、銅層3上にポリイミド前駆体液を塗布して硬化処理することにより、銅層3上にポリイミド層4を形成する工程(ステップS12)と、基板1、保護層2、銅層3およびポリイミド層4を含む中間積層体5から、基板1および保護層2を除去する工程(ステップS13)とを備える。また上記硬化処理は、300℃以上かつ3時間以上の熱処理である。以下、各工程ついて詳述する。
《主面に保護層が設けられた基板を準備する工程》
図1および図2を参照し、本工程は、主面1aに保護層2が設けられた基板1を準備する工程である(ステップS10)。
たとえば、プラズマCVD法(プラズマ化学気相成長法)、スパッタ法等により、基板1の主面1aに保護層2を形成することができる。スパッタ法としては、イオンプレーティングスパッタ法、マグネトロンスパッタ法等が挙げられる。特に、マグネトロンイオンスパッタ法が好ましい。スパッタ量が多く、スパッタ速度が速いからである。
基板1は、続く工程で形成される銅層3の形状を維持するための部材である。基板1としては、たとえばGaAs基板(ヒ化ガリウム基板)、サファイア基板、GaN基板(窒化ガリウム基板)等を用いることができる。劈開性が高く、取り扱いが容易な点から、GaAs基板を用いることが好ましい。また、基板1として、2種以上の基板が積層されてなる複合基板を用いてもよい。取り扱いの容易性から、基板1の厚さは、0.35〜0.7mmが好ましい。
基板1の主面1aは平滑であることが好ましい。これに伴い、保護層2を介して主面1a上に形成される銅層3の表面の表面平滑性が向上するためである。具体的には、主面1aの表面粗さ(Ra)を0.1nm以下に設計しておくことが好ましい。なお、ここでの銅層3の表面平滑性とは、銅層3の表面のうちの保護層2と接する面の表面平滑性を意味している。すなわち、回路基板用積層体6における銅層3の向かい合う面のうち、ポリイミド層4と接していない側の面の表面平滑性である(図6参照)。なお表面粗さ(Ra)は、原子間力顕微鏡により算出した値である。
保護層2は、後述の工程(ステップS13)で銅層3上から除去される層であり、基板1と銅層3とを容易に分離させるための層である。このため、保護層2としては、SiO層、SiN層等を用いることができる。これらの層は、エッチング除去が容易だからである。なかでも、保護層2はSiO層であることが好ましい。特にエッチング除去が容易だからである。
保護層2の厚さは、20〜100nmが好ましい。保護層2の厚さが100nm以下の場合、保護層2の表面2aにおいて、基板1の主面1aの平滑性を十分に反映させることができる。保護層2の表面2aが平滑であることにより、表面2a上に形成される銅層3の表面(保護層2と接する面)の平滑性も担保される。また保護層2の厚さが20nm未満の場合、保護層2から基板1を取り除く際に、銅層3を損傷させてしまう恐れがある。
以上を考慮すると、基板1および保護層2はそれぞれ、GaAs基板およびSiO層が好ましい。両者の分離性が高いためである。また、SiO層は銅層3に接する層として特に好適である。SiO層はエッチング除去が容易であるため、過剰なエッチングを必要とせず、故に、SiO層と接する銅層3への負荷を低減できるためである。
《保護層上に銅層を形成する工程》
図1および図3を参照し、本工程は、保護層2上に銅層3を形成する工程である(ステップS11)。
銅層3の形成方法としては、たとえば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、2極スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、イオンプレーティングスパッタ法、無電解めっき法等が挙げられる。薄い銅層3を形成する場合、たとえば厚さが50nm以下の銅層3を形成する場合には、抵抗加熱蒸着法が好ましい。1nm単位での膜厚制御が容易だからである。厚い銅層3を形成する場合、たとえば厚さが50nm超の銅層3を形成する場合には、無電解めっき法が好ましい。低コストで成膜できるからである。
本工程によれば、技術的には、銅層3の厚さの下限値をCuの1原子分とすることが可能である。しかし、銅層3が回路基板の回路としての機能を発揮するためには、少なくとも20nmの厚さが必要となる。したがって、銅層3の厚さは20nm以上であり、300nm以上であることが好ましい。また銅層3の厚さの上限値も特に制限されないが、銅層3の厚さが20μm以下の場合に、銅層3のフレキシブル性が十分に担保され、回路基板用積層体6をフレキシブル基板として好適に利用することができる。したがって、銅層3の厚さは20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
たとえば、回路基板用積層体6をフレキシブル基板として利用する場合には、銅層3の厚さは300nm〜20μmがより好ましく、300〜500nmがさらに好ましい。銅層3の回路としての機能を十分に維持しつつ、高いフレキシブル性を発揮することができるためである。一方で、銅層3の厚さを500nm以上とした場合、銅層3とポリイミド層4との密着性がさらに向上することが期待される。その理由は以下のとおりである。
銅層3のうちの表面2aに接する面は、保護層2の表面平滑性を受け継ぐことができる。一方、銅層3のうちの表面2aに接しない面、すなわちポリイミド層4と接することとなる面の表面平滑性は、保護層2上に形成されていく銅層3の厚さが大きくなるに連れて徐々に低下していく。表面平滑性の低い銅層3の表面とポリイミド層4との界面にはアンカー効果が発生するため、アンカー効果が発生しない場合と比して、両層の密着性が高まることとなる。本発明者らは、銅層3の厚さを500nm以上とした場合、アンカー効果により、両層の密着性がさらに向上すると考えている。
また、本工程(ステップS11)から続く工程(ステップS12)への移行は、素早く、たとえば24時間以内で行うことが好ましい。また銅層3の形成後は、銅層3を大気環境下に晒さないように、たとえば銅層3を窒素雰囲気下に置くことが好ましい。その理由は、以下のとおりである。
銅層3を大気環境下に放置した場合、銅層3の露出する表面において、銅の酸化が進行し、銅層3の表面に意図しない銅酸化物が生成されてしまう。銅層3の表面に存在する銅酸化物は、銅層3とポリイミド層4との密着性を低下させる因子である。この段階で生成された銅酸化物は、後述するステップS12において除去されるが、より効率的な銅酸化物の除去を可能にすべく、この段階において銅酸化物の形成を抑制しておくことが好ましい。このため、銅層3と大気との接触をできるだけ回避すべく、上記のような措置を採用することが好ましい。
銅層3は、銅のみから構成されてもよく、銅を主成分とする合金であってもよい。合金としては、銅−アルミニウム合金、銅−クロム合金等が挙げられる。本実施形態において、銅層3は銅のみから構成されることが好ましい。後述する銅酸化物の低減に伴う密着性の向上が顕著となるためである。
《銅層上にポリイミド層を形成する工程》
図1および図4を参照し、本工程は、銅層3上にポリイミド前駆体液を塗布して硬化処理することにより、銅層3上にポリイミド層4を形成する工程である(ステップS12)。これにより、基板1、保護層2、銅層3およびポリイミド層4を含む中間積層体5が形成される(図5参照)。
具体的には、まず、ポリイミド前駆体液を銅層3上に塗布する。ポリイミド前駆体液とは、ポリイミド前駆体と溶媒とを含む塗布液である。ポリイミド前駆体とは、重合することによってポリイミドを構成する化合物であり、例えば、ポリアミック酸が挙げられる。上記ポリアミック酸は、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物とから、公知の縮重合反応によって生成することができる。溶媒は、該化合物を分散または溶解させる機能を有する。塗布方法としては、たとえばドクターブレード法、ディップコーティング法、スピンコーティング法等が挙げられる。
次に、塗布されたポリイミド前駆体液を硬化処理する。硬化処理は、300℃以上かつ3時間以上の熱処理である。このような熱処理により、銅層3の表面に存在している銅酸化物が除去される。また、銅酸化物が除去された銅層3上においては、ポリイミド前駆体が重合するとともに溶媒が除去される。これにより、銅層3上にポリイミド層4が生成される。したがって、結果的に、銅酸化物が除去された銅層3上に、ポリイミド層4が形成されることとなる。本工程において銅酸化物の除去が可能な理由は以下のとおりである。
上記のような過酷な熱処理により、銅層3の表面においては、銅酸化物とポリイミド前駆体が接している状態で、300℃以上の高温が3時間以上加えられることとなる。ポリイミド前駆体であるポリアミック酸は、強い酸であることから、銅酸化物は高温酸性環境下に長時間晒されることとなり、結果的に、銅酸化物が分解されて銅層3から除去されることとなる。
上記溶媒は極性溶媒が好ましく、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の有機溶媒が好適である。
ポリイミド前駆体液におけるポリイミド前駆体の濃度は、十分な密度のポリイミド層4が形成可能であればよく、特に制限されない。たとえば、ポリイミド前駆体としてポリアミック酸を用い、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを用いた場合には、取り扱いの容易性から、ポリイミド前駆体液におけるポリイミド前駆体の濃度は、0.2〜0.3g/mlが好ましい。
本実施形態の一側面において、上記ポリイミド前駆体液は、水を含むことが好ましい。このようにすることによって、上記ポリイミド前駆体液中で上記ポリアミック酸の加水分解が進行し、カルボキシル基が新たに生成される。その結果、上記ポリイミド前駆体液における酸性環境がより強くなり、上述の銅酸化物の分解が更に促進される。上記水の含有割合は、上記ポリイミド前駆体液を基準として、0.1体積%以上1体積%以下であることが好ましい。上記水の含有割合が1体積%を超えると、ポリアミック酸からポリイミドへの縮重合反応が阻害される傾向がある。上記水の含有割合が0.1体積%未満であると、ポリアミック酸の加水分解が進行しにくくなる傾向があり、結果として生成されるカルボキシル基の数が増加しにくくなる傾向がある。
硬化処理における温度は、300℃〜350℃が好ましい。ポリイミドの生成、溶媒の除去、および銅酸化物の除去に関して好適だからである。また硬化処理の時間は、1時間超〜3時間が好ましい。1時間未満の場合、銅酸化物の除去が不十分となり、3時間を超えても、銅酸化物の除去率の向上は期待されないためである。
本実施形態の一側面において、硬化処理の時間は3時間以上8時間以下であってもよいし、3時間以上6時間以下であってもよい。このようにすることで、銅層とポリイミド層との界面におけるCu−N結合の数が増加しやすい傾向があると考えられる。
また硬化処理は、窒素雰囲気下で実施されることが好ましい。銅層3の酸化を抑制するためである。硬化処理前に予備加熱処理を行ってもよい。たとえば、予備加熱処理として、窒素雰囲気下において、100〜150℃で1〜3時間熱処理することができる。これにより、ポリイミド前駆体液を乾燥させることができる。
ポリイミド層4の厚さは特に制限されないが、たとえば10〜25μmが好ましい。ポリイミド層4の厚さが25μmを超えると、フレキシブル性が低下する恐れがある。ポリイミド層4の厚さが10μm未満の場合、十分な強度を維持できない恐れがある。
《基板および保護層を除去する工程》
図1、図5および図6を参照し、本工程は、基板1、保護層2、銅層3およびポリイミド層4を含む中間積層体5から、基板1および保護層2を除去する工程(ステップS13)である。なお、本工程の理解が容易となるように、図4に対して中間積層体5の上下方向を反転させてなる図5を示す。
具体的には、まず図5に示されるように、基板1、保護層2、銅層3およびポリイミド層4を含む中間積層体5から、基板1および保護層2を除去する。これにより、図6に示されるように、ポリイミド層4とポリイミド層4上に積層された銅層3とを備える、回路基板用積層体6が製造される。
基板1は、たとえば保護層2から剥離させることにより、中間積層体5から除去することができる。基板1がGaAs基板であり、保護層2がSiO層である場合、基板1の剥離は特に容易である。保護層2は、たとえばエッチングにより、中間積層体5から除去することができる。エッチング方法としては、ドライエッチング、ウェットエッチング等が挙げられる。ドライエッチングとしてはリアクティブイオンエッチングが好ましい。ウェットエッチングとしてはフッ酸を用いた処理が好ましい。銅層3の表面を荒らすことなく、銅層3の表面から保護層2を選択的に除去することができるためである。
また基板1を剥離除去することなく、保護層2のエッチングのみを実施してもよい。これによれば、中間積層体5から基板1および保護層2を一体的に除去することができる。
《作用効果》
本実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法(以下、「本製造方法」とも言う)によれば、ポリイミド層と銅層との密着性に優れた回路基板用積層体を製造することができる。この理由について、従来技術と比較しながら以下に詳述する。
ラミネート法は、銅箔とポリイミドフィルムとを熱圧着する方法である。またキャスティング法は、銅箔上にポリイミド前駆体液を塗布してこれを硬化させる方法である。それぞれに用いられる銅箔の表面には、銅酸化物が存在する。銅そのものが酸化され易い金属だからである。このため、銅箔とポリイミド層との界面近傍には、銅酸化物が存在していた。
また、仮に熱圧着前に銅箔の表面の銅酸化物を除去したとしても、最終製品である回路基板用積層体における上記界面近傍には、銅酸化物が存在してしまう。この理由は、酸素、二酸化炭素等がポリイミド層内を通過してポリイミド層と接する銅箔の表面にまで到達してしまい、これにより、銅箔の表面が再酸化されてしまうためである。
スパッタめっき法は、スパッタ蒸着と電解めっきにより、ポリイミドフィルム上に銅層を形成する方法である。これにより製造された回路基板用積層体においても、やはり最終製品である回路基板用積層体における界面近傍には、銅酸化物が存在してしまう。上述のように、酸素、二酸化炭素等がポリイミド層内を通過するためである。
すなわち、従来の方法で製造された回路基板用積層体において、銅層とポリイミド層との界面には、銅酸化物が多く存在している。この銅酸化物は、両層の密着性の低下を引き起こす因子であり、故に、両層の十分な密着性を担保することができない。
これに対し本製造方法によれば、上記ステップS12において銅層上にポリイミド層が形成されるが、この際の硬化処理として、300℃以上かつ3時間以上の熱処理が実施される。このような過酷な熱処理により、銅層の表面(ポリイミド層と接する面)に存在する銅酸化物が分解され、表面から酸素が除去される。特に、強酸性のポリイミド前駆体を用いた場合には、より効率的に銅酸化物を分解することができる。
さらに、酸素原子が除去されることにより発生した銅の結合サイトは、硬化処理中に、ポリイミド前駆体と化学的に結合することができる。このため最終製品である回路基板用積層体において、酸素、二酸化炭素等が、ポリイミド層と接する銅層の表面にまで到達したとしても、当該表面において酸素と結合可能なサイトは従来と比して少なくなっているため、銅の再酸化が十分に抑制されることとなる。したがって本製造方法によれば、従来と比して、銅層とポリイミド層との密着性に優れた回路基板用積層体を製造することができる。
また従来、酸素プラズマ法等によって機械的に銅層の表面またはポリイミド層の表面に微細な凹凸を形成し、アンカー効果によって両層の密着性を向上させることが試みられていた。しかし、この方法では、銅層とポリイミド層との界面に数十nm程度の高低差(例えば、10〜100nmの高低差)が生じるため、銅層の厚さを数十nm以上(例えば、100nm以上)に設定する必要があった。
これに対し本製造方法によれば、十分に高い密着性を維持しつつ、nmオーダーの銅層(例えば、厚さが2〜500nmである銅層)を形成することができる。すなわち本製造方法は、銅層の厚さ設計に対して高い自由度を有する。なお、銅層の厚さを大きくするほど、界面における銅層の表面平滑性が低下すると考えられるが、その凹凸は数十nmオーダー(例えば、10nm超100nm以下)ではなく、少なくとも、銅層の表面のうちポリイミド層と接する表面の表面粗さ(Ra)は10nm以下である。
またスパッタめっき法においては、ポリイミド層上に銅層が形成されていくが、この際にポリイミドの一部が分解されてしまう。ポリイミドの分解により生成されたポリイミド分解物は、銅酸化物と同様に、銅層とポリイミド層との密着性の低下を引き起こす因子である。これに対し本製造方法によれば、銅層上にポリイミド層が形成されるため、上記のようなポリイミドの分解は起こらない。
〈回路基板用積層体〉
本実施形態に係る回路基板用積層体は、ポリイミド層と、ポリイミド層上に積層された銅層と、を備え、TOF−SIMS(Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第1領域(後述する)におけるCuOフラグメントのカウント数が5000以下である。この回路基板用積層体は、上述の製造方法によって製造することができる。
《ポリイミド層》
ポリイミド層はポリイミドからなる層である。ただし、上述のステップS12において重合しなかった低分子化合物等の不純物、不可避不純物を含み得ることはいうまでもない。
ポリイミド層の厚さは特に制限されないが、たとえば10〜25μmが好ましい。ポリイミド層の厚さが25μmを超えると、フレキシブル性が低下する恐れがある。ポリイミド層の厚さが10μm未満の場合、十分な機械的強度を維持できない恐れがある。
《銅層》
銅層は、回路基板の回路として動作する層である。本実施形態の一側面において、上記銅層は、回路基板の回路として機能する層と把握することもできる。したがって、上記銅層は銅のみから構成されてもよく、銅を主成分とする合金であってもよい。合金としては、銅−アルミニウム合金、銅−クロム合金等が挙げられる。なかでも、銅層は銅のみから構成されることが好ましい。この場合、銅酸化物の低減に伴う密着性の向上が顕著となる。
銅層の厚さは、300nm〜20μmであることが好ましく、300nm〜15μmであることがより好ましい。銅層が回路基板の回路としての機能を十分に発揮しつつ、高いフレキシブル性を発揮できるためである。銅層の厚さは、300〜500nmであることがより好ましい。なお、15μm以下の銅層を従来のキャスティング法で作製するのは難しいのが実情である。
また銅層のうち、ポリイミド層と接する面の表面粗さ(Ra)は、1nm以下であることが好ましく、0.2nm以下であることがより好ましい。この場合、回路基板用積層体を好適に高周波デバイスに利用することができる。当該表面粗さの下限は特に制限されないが、例えば0.1nm以上であってもよい。
《CuOフラグメント》
本実施形態に係る回路基板用積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第1領域におけるCuOフラグメントのカウント数が5000以下である。上記第1領域におけるCuOフラグメントのカウント数の下限値は、特に制限されないが例えば、0以上であってもよい。TOF−SIMS分析は次のようにして実施される。
まず、回路基板用積層体のうち、銅層の表面側からTOF−SIMS分析を実施する。具体的には、露出する銅層の表面をセシウムでスパッタしながら、二次イオンを測定する。測定される二次イオンに関し、Cuの強度(カウント数)が低下し始めた位置を界面とみなす。具体的には、Cuフラグメントのカウント数が、その最大値の1/2にまで低下した位置を界面とみなす。
上記の通り界面を特定した後、界面から銅層の厚さ方向(界面の法線方向)に5nm離れた位置を一方端とし、界面からポリイミド層の厚さ方向(界面の法線方向)に20nm離れた位置を他方端とする。この一方端から界面を介して他方端までの領域を第1領域とし、該第1領域に対してTOF−SIMS分析を実施する。そして、第1領域内において検出されたCuOフラグメントのカウント数の総数を算出し、これを「第1領域におけるCuOフラグメントのカウント数」とする。すなわち本明細書において、各領域におけるカウント数とは、各領域におけるカウント数の総数を意味する。
本実施形態において、銅層の厚さは20nm以上とする。銅層の厚さが20nm未満の場合、銅層の露出する表面(ポリイミド層と接していない側の面)に存在する銅酸化物と、第1領域に存在する銅酸化物との区別が困難なためである。また銅層の厚さが20nmを超える場合、界面領域以外に該当する銅層を予め除去した後に、TOF−SIMS分析を実施してもよい。銅層の除去方法は特に制限されず、Arイオンスパッタリング等により除去することができる。TOF−SIMS分析条件は以下のとおりである。
測定装置 :TOF−SIMS質量分析計
一次イオン源 :ビスマス(Bi)
スパッタイオン源 :セシウム(Cs)
深さ方向ピッチ :1nm
一次イオン加速電圧 :30kV
スパッタイオン加速電圧:1kV
測定対象面領域 :500nm×500nm
なお、TOF−SIMS分析の深さ方向に関し、深さの値(nm)(グラフにおける横軸)は、Cu標準試料(99%以上のCu標準試料)の測定結果をもとに校正される。
《CNフラグメント》
本実施形態に係る回路基板用積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第2領域におけるCNフラグメントのカウント数が15×10以下であることが好ましい。上記第2領域におけるCNフラグメントのカウント数の下限値は、特に制限されないが後述する理由から、13×10以上であってもよい。第2領域は、以下のように決定される。なお、TOF−SIMS分析の条件は、上記と同様である。
まず、上記と同様の方法により界面を特定した後、界面を一方端とし、界面からポリイミド層の厚さ方向(界面の法線方向)に30nm離れた位置を他方端とする。この一方端から他方端、すなわち界面から他方端までの領域を第2領域とする。
《CuNフラグメント》
本実施形態に係る回路基板用積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第3領域におけるCuNフラグメントのカウント数が9000以上であることが好ましい。上記第3領域におけるCuNフラグメントのカウント数の上限値は、特に制限されないが、18000以下であってもよい。第3領域は、以下のように決定される。なお、TOF−SIMS分析の条件は、上記と同様である。
まず、上記と同様の方法により界面を特定した後、界面から銅層の厚さ方向に20nm離れた位置を一方端とし、界面からポリイミド層の厚さ方向(界面の法線方向)に40nm離れた位置を他方端とする。この一方端から他方端までの領域を第3領域とする。
《CuNフラグメント》
本実施形態に係る回路基板用積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第3領域におけるCuNフラグメントのカウント数が2000以上であることが好ましい。上記第3領域におけるCuNフラグメントのカウント数の上限値は、特に制限されないが4000以下であってもよい。第3領域は、上述のように決定される。なお、TOF−SIMS分析の条件は、上記と同様である。
《Oフラグメント》
本実施形態に係る回路基板用積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第4領域におけるOフラグメントのカウント数が10000以下であることが好ましい。上記第4領域におけるOフラグメントのカウント数の下限値は、特に制限されないが5000以上であってもよい。第4領域は、以下のように決定される。なお、TOF−SIMS分析の条件は、上記と同様である。
まず、上記と同様の方法により界面を特定した後、界面から銅層の厚さ方向に10nm離れた位置を一方端とし、界面からポリイミド層の厚さ方向(界面の法線方向)に40nm離れた位置を他方端とする。この一方端から他方端までの領域を第4領域とする。
《作用効果》
本実施形態に係る回路基板用積層体(以下、「本積層体」とも言う。)によれば、ポリイミド層と銅層との密着性に優れることができる。ポリイミド層と銅層との間の銅酸化物の量が従来と比して十分に低いためである。銅酸化物の量が十分に低いことは、TOF−SIMS分析を行った場合に、第1領域におけるCuOフラグメントのカウント数が5000以下であることから確認される。CuOフラグメントは、銅酸化物、具体的にはCuOに由来するフラグメントだからである。
上記のCuOフラグメントのカウント数は、4500以下であることがより好ましく、4000以下であることがさらに好ましい。なお、スパッタめっき法により製造される回路基板用積層体においては、第1領域におけるCuOフラグメントのカウント数は、8000を超えることが確認されている。
また本積層体は、上記TOF−SIMS分析を行った場合に、第1領域におけるCuフラグメントのカウント数が500以下であることが好ましい。Cuフラグメントは、銅酸化物、具体的にはCuOに由来するフラグメントである。上記の場合、第1領域におけるCuOの量が十分に低いために、これによる密着性の低減が十分に抑制されることとなる。
上記のCuフラグメントのカウント数は450以下であることがより好ましい。なお、スパッタめっき法により製造される回路基板用積層体においては、第1領域におけるCuフラグメントのカウント数は、800を超えることが確認されている。
また本積層体は、上記TOF−SIMS分析を行った場合に、第1領域におけるCuHフラグメントのカウント数が4000以下であることが好ましい。CuHフラグメントは、銅酸化物、具体的にはCu(OH)に由来するフラグメントである。上記の場合、第1領域におけるCu(OH)の量が十分に低いために、これによる密着性の低減が十分に抑制されることとなる。
上記のCuHフラグメントのカウント数は3800以下であることがより好ましい。なお、スパッタめっき法により製造される回路基板用積層体においては、第1領域におけるCuHフラグメントのカウント数は、4200を超えることが確認されている。
上記の3種の銅酸化物のうち、銅酸化物として界面中に最も多く存在する傾向があるものはCuOである。このため、CuOフラグメントのカウント数が5000以下であることにより、十分に銅酸化物の低減がなされているとみなすことができる。なお、第1領域におけるCuOフラグメント、Cuフラグメント、およびCuHフラグメントのカウント数の下限値は、それぞれ0であることが好ましいことはいうまでもない。
また本積層体は、上記TOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミド層と銅層との界面を含む第2領域におけるCNフラグメントのカウント数が15×10以下であることが好ましい。CNフラグメントは、ポリイミドの分解物に由来するフラグメントである。上記CNフラグメントが少ないことにより、界面領域におけるポリイミド分解物の量が十分に低減されているとみなすことができる。なお、ポリイミド自体に対してTOF−SIMS分析を行った場合に、ポリイミドの表面と、該表面から内部方向に30nm離れた位置とに挟まれる領域におけるCNフラグメントのカウント数が13×10であったことから、本積層体に関し、第2領域におけるCNフラグメントのカウント数の下限値は、これと同等とすることができる。すなわち、上記第2領域におけるCNフラグメントのカウント数の下限値は、13×10であってもよい。
ポリイミドの分解物は、銅酸化物と同様に、銅層とポリイミド層との密着性の低下を引き起こす因子である。したがって、界面領域におけるCNフラグメントのカウント数が15×10以下であることにより、本積層体はさらに密着性に優れることができる。なお、スパッタめっき法により製造される回路基板用積層体においては、界面領域におけるCNフラグメントのカウント数は、20×10を超えることが確認されている。
本積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、第3領域におけるCuNフラグメントのカウント数が9000以上であることが好ましく、10500以上であることがより好ましい。CuNフラグメントは、銅層とポリイミド層との界面におけるCu−N結合を含む部分に由来するフラグメントである。上記の場合、第3領域におけるCu−N結合の数が十分多いため、酸素、二酸化炭素がポリイミド層を通過して銅層の表面に到達したとしても、銅の酸化を抑制できる。その結果、銅層とポリイミド層との界面における密着性が更に向上する。
本積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、第3領域におけるCuNフラグメントのカウント数が2000以上であることが好ましく、3000以上であることがより好ましい。CuNフラグメントは、銅層とポリイミド層との界面におけるCu−N結合を含む部分に由来するフラグメントである。上記の場合、第3領域におけるCu−N結合の数が十分多いため、酸素、二酸化炭素がポリイミド層を通過して銅層の表面に到達したとしても、銅の酸化を抑制できる。その結果、銅層とポリイミド層との界面における密着性が更に向上する。
本積層体は、TOF−SIMS分析を行った場合に、第4領域におけるOフラグメントのカウント数が10000以下であることが好ましく、7500以下であることがより好ましい。Oフラグメントは、銅酸化物に由来するフラグメントである。上記の場合、第4領域における銅酸化物の量が十分低いため、これによる密着性の低減が十分に抑制されることとなる。
また本回路基板用積層体においては、銅層のうち、ポリイミド層と接する面の表面粗さ(Ra)が10nm以下であっても、十分に高い密着性を発揮することができる。その理由は、本製造方法にて詳述したように、過酷な熱処理を経ることによって、銅層とポリイミド層とが化学的に結合している部分が、従来品、たとえば従来のキャスティング法によって製造されたものよりも多くなっているためである。
以下、実施例を挙げて本開示をより詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
〈検討1:TOF−SIMS分析〉
《実施例1》
以下の手順により、ポリイミド層と、ポリイミド層上に積層された銅層とを備える回路基板用積層体を製造した。
まず、表面粗さ(Ra)が0.01nmのGaAs基板を準備した。そして、プラズマCVD法により、GaAs基板の一方の表面に、40nmの厚さを有するSiO層を形成した。これにより、一方の表面(主面)に保護層であるSiO層が設けられたGaAs基板が準備された(主面に保護層が設けられた基板を準備する工程)。次に、抵抗加熱蒸着法により、SiO層上に、20nmの厚さを有する銅層を形成した(保護層上に銅層を形成する工程)。次に、形成された銅層上に、ポリイミド前駆体液を塗布して硬化処理することによりポリイミド層を形成した(銅層上にポリイミド層を形成する工程)。具体的な手順は以下のとおりである。
(ポリイミド前駆体液の調製)
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル94.3gをN−メチル−2−ピロリドン803gに溶解させた後、ピロメリット酸二無水物102.7gを加えることにより、溶液を調製した。次に、窒素雰囲気下、25℃で上記溶液を1時間攪拌した後、60℃に昇温してさらに20時間攪拌した。攪拌後、溶液を室温まで冷却し、さらに1時間攪拌した。これにより、ポリアミック酸を含むポリイミド前駆体液が調製された。
(ポリイミド層の形成)
銅層の露出する表面に、ドクターブレードを用いてポリイミド前駆体液を塗布し、銅層上に塗膜を形成した。次に、窒素雰囲気下において120℃で60分間塗膜を予備乾燥させた。次に、窒素雰囲気下において300℃で3時間の熱処理(硬化処理)を、上述の予備乾燥させた塗膜に対して実施した。これにより、10μmの厚さを有するポリイミド層が形成された。以上により、GaAs基板、SiO層、銅層、およびポリイミド層を含む中間積層体が作製された。
次に、中間積層体からGaAs基板を剥離した。当該剥離は、作業者の手で行われた。次に、GaAs基板を剥離することにより露出したSiO層に対し、リアクティブイオンエッチングを実施した。エッチング装置には、多目的ドライエッチング装置(サコム株式会社製、RIE−200NL)を用い、反応性ガスにはフルオロホルムを用いた。これにより、中間積層体から、GaAs基板およびSiO層が除去された(基板および保護層を除去する工程)。以上により、銅層およびポリイミド層からなる回路基板用積層体を得た。
《比較例1》
従来のスパッタめっき法により、ポリイミド層と、ポリイミド層上に積層された銅層とを備える回路基板用積層体を製造した。具体的には、10μmの厚さを有するポリイミドフィルムの1つの表面上に、スパッタめっき法を用いて、20nmの厚さを有する銅層を形成した。
《TOF−SIMS分析1》
実施例1および比較例1の各回路基板用積層体に対し、上述のTOF−SIMS分析を実施した。TOF−SIMS質量分析計としては、IONTOF社製のTOF.SIMS 5を用いた。また、検証のために、比較例1で用いたポリイミドフィルムと同様のポリイミドフィルムに対しても、上述のTOF−SIMS分析を実施した。その結果を図7〜図11の各グラフに示す。
図7〜図11において、各フラグメントの二次イオン強度(カウント数)を縦軸とし、銅層の表面からの深さ(銅層の露出する表面から、該表面の法線方向における距離)を横軸とする。実施例1の結果を実線で示し、比較例1の結果を点線で示す。また銅層とポリイミド層との界面の位置(20nm)を一点鎖線で示す。なお、上記界面の位置は、TOF−SIMS分析におけるCuフラグメントのカウント数が、その最大値の1/2にまで低下した位置と一致することを確認している。
図7は、CuOフラグメントのカウント数を示すグラフである。図7において、2つの白矢印で挟まれる領域、すなわち一点破線で示される界面の位置から銅層の厚さ方向に5nm離れた位置と、界面の位置からポリイミド層の厚さ方向に20nm離れた位置とに挟まれる領域が、第1領域に該当する。
図8は、Cuフラグメントのカウント数を示すグラフである。図9は、CuHフラグメントのカウント数を示すグラフである。図8および図9において、2つの白矢印で挟まれる領域、すなわち一点破線で示される界面の位置から銅層の厚さ方向に5nm離れた位置と、界面の位置からポリイミド層の厚さ方向に20nm離れた位置とに挟まれる領域が、第1領域に該当する。
図10は、CNフラグメントのカウント数を示すグラフである。図11は、Cフラグメントのカウント数を示すグラフである。図10および図11において、2つの白矢印で挟まれる領域、すなわち一点破線で示される界面の位置と、界面の位置からポリイミド層の厚さ方向に30nm離れた位置とに挟まれる領域が、第2領域に該当する。
CuOフラグメント、CuフラグメントおよびCuHフラグメントの第1領域におけるカウント数を表1に示す。また、CNフラグメントの第2領域におけるカウント数を表1に示す。なお、言うまでもないが、表1に示される各フラグメントのカウント数は、各フラグメントに対応するグラフ(図7〜図10)に基づいて算出した。
Figure 2020075501
図7〜図11および表1を参照し、実施例1において、第1領域におけるCuOフラグメントのカウント数は4405であり、5000以下であった。また、実施例1におけるCuフラグメントおよびCuHフラグメントの第1領域におけるカウント数は、比較例1と比して十分に小さかった。また実施例1において、第2領域におけるCNフラグメントのカウント数は、13.9×10であり、比較例1と比して十分に小さかった。
図7〜図9に示す各フラグメントは、銅酸化物由来のフラグメントである。したがって、これらの結果から、実施例1において界面近傍に存在する銅酸化物の量が、比較例1と比して十分に少ないことがわかった。
図10および図11に示す各フラグメントは、ポリイミドの分解物由来のフラグメントである。ここで参考として、ポリイミドフィルムのTOF−SIMS分析結果であって、CNフラグメントおよびCフラグメントのカウント数を示すグラフを、図12に示す。
図10〜図12を参照し、ポリイミドフィルムのTOF−SIMS分析結果(図12)に示されるCNフラグメントおよびCフラグメントのプロファイルと、実施例1のCNフラグメントおよびCフラグメントのプロファイルは類似していた。一方で、比較例1のCNフラグメントおよびCフラグメントのプロファイルは、ポリイミドフィルムのそれとは、大きく異なっていた。この理由は、比較例1のポリイミドフィルムがスパッタめっき法を経ることによって、ポリイミドが分解されているためと考えられた。
《TOF−SIMS分析2》
実施例1および比較例1の各回路基板用積層体に対し、上述のTOF−SIMS分析1と同様の方法によってTOF−SIMS分析を実施した。このTOF−SIMS分析では、CuOフラグメント、Cuフラグメント、CuHフラグメントおよびCNフラグメントに加えて、CuNフラグメント、CuNフラグメントおよびOフラグメントについても分析を行った。これら新たに分析した3種類のフラグメントの結果を図13〜図15の各グラフに示す。なお、CuOフラグメント、Cuフラグメント、CuHフラグメントおよびCNフラグメントについては、図7〜図10の各グラフと同様の傾向であったため、省略した。
図13〜図15において、各フラグメントの二次イオン強度(カウント数)を縦軸とし、銅層の表面からの深さ(銅層の露出する表面から、該表面の法線方向における距離)を横軸とする。実施例1の結果を実線で示し、比較例1の結果を点線で示す。また銅層とポリイミド層との界面の位置(20nm)を一点鎖線で示す。
図13は、CuNフラグメントのカウント数を示すグラフである。図13において、2つの白矢印で挟まれる領域、すなわち一点破線で示される界面の位置から銅層の厚さ方向に20nm離れた位置と、界面の位置からポリイミド層の厚さ方向に40nm離れた位置とに挟まれる領域が、第3領域に該当する。
図14は、CuNフラグメントのカウント数を示すグラフである。図14において、2つの白矢印で挟まれる領域、すなわち一点破線で示される界面の位置から銅層の厚さ方向に20nm離れた位置と、界面の位置からポリイミド層の厚さ方向に40nm離れた位置とに挟まれる領域が、第3領域に該当する。
図15は、Oフラグメントのカウント数を示すグラフである。図15において、2つの白矢印で挟まれる領域、すなわち一点破線で示される界面の位置から銅層の厚さ方向に10nm離れた位置と、界面の位置からポリイミド層の厚さ方向に40nm離れた位置とに挟まれる領域が、第4領域に該当する。
CuNフラグメントおよびCuNフラグメントの第3領域におけるカウント数を表2に示す。また、Oフラグメントの第4領域におけるカウント数を表2に示す。さらに、CuOフラグメント、CuフラグメントおよびCuHフラグメントの第1領域におけるカウント数を表2に示す。また、CNフラグメントの第2領域におけるカウント数を表2に示す。なお、言うまでもないが、表2に示される各フラグメントのカウント数は、各フラグメントに対応するグラフ(例えば、図13〜図15)に基づいて算出した。
Figure 2020075501
表2のCuOフラグメント、Cuフラグメント、CuHフラグメントおよびCNフラグメントについて、上述のTOF−SIMS分析1と近似するカウント数であることが確認された。表1と比較して、対応するフラグメントのカウント数にばらつきが見られるのは測定誤差によるものと考えられる。
図13〜図15および表2を参照し、実施例1におけるCuNフラグメントの第3領域におけるカウント数は、10913であり、9000以上であった。また、実施例1において、第3領域におけるCuNフラグメントのカウント数は3128であり、2000以上であった。また、実施例1において、第4領域におけるOフラグメントのカウント数は、5201であり、10000以下であった。
図13及び図14に示す各フラグメントは、銅層とポリイミド層との界面におけるCu−N結合を含む部分に由来するフラグメントである。したがって、これらの結果から、実施例1において界面近傍において、Cu−N結合の数が、比較例1と比して十分に多いことがわかった。また、図15に示すフラグメントは、銅酸化物由来のフラグメントと考えられる。したがって、この結果から、実施例1において界面近傍に存在する銅酸化物の量が、比較例1と比して十分に少ないことが示唆された。
〈検討2:密着性の確認〉
《実施例2》
銅層の厚さを300nmとした以外は、実施例1と同様にして、回路基板用積層体を作製した。
《実施例3》
銅層の厚さを500nmとした以外は、実施例1と同様にして、回路基板用積層体を作製した。
《比較例2》
銅層の厚さを300nmとした以外は、比較例1と同様にして、回路基板用積層体を作製した。
《比較例3》
銅層の厚さを500nmとした以外は、比較例1と同様にして、回路基板用積層体を作製した。
《剥離試験》
実施例2、3および比較例2、3で製造された各回路基板用積層体に対して、SAICAS(Surface And International Cutting Analysis System)装置を用いて、剥離試験を実施した。剥離試験の条件は以下のとおりである。
装置:ダイプラ・ウィンテス株式会社製のSAICAS DN−20S型
試験モード:定速度モード
切刃の材質:単結晶ダイヤモンド切刃
切刃の形状:刃幅0.3mm、刃角60度、すくい角20度、逃げ角10度
水平速度 :0.5μm/秒
垂直速度 :0.01μm/秒
N数 :3。
上記条件下で剥離試験を行い、下記式より密着強度Pを算出した。Pの値が大きいほど、銅層とポリイミド層の密着性が高いことを意味する。
P=Fh/W(N/m)(ただし、Wは切刃の刃幅(m)であり、Fhは測定された水平力(N)である)。
算出した結果、実施例2および実施例3においては、Pの値がそれぞれ330N/mであった。比較例2および比較例3においては、Pの値がそれぞれ100N/mであった。したがって、実施例2および実施例3の回路基板用積層体は、比較例2および比較例3の回路基板用積層体と比して、高い密着性を有していることが確認された。
なお剥離試験では、剥離の目視が容易なように、300nmおよび500nmの厚さの銅層を有する回路基板用積層体を用いたが、検討1で作製された、20nmの厚さの銅層を有する回路基板用積層体においても、同様の結果が得られると考えられる。
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態及び実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本開示に係る回路基板用積層体は、フレキシブル基板に好適であり、また、高周波デバイス用のフレキシブル基板にも適用可能である。また銅層の厚さ設計の自由度が高く、産業上有益である。
1 基板
2 保護層
3 銅層
4 ポリイミド層
5 中間積層体
6 回路基板用積層体

Claims (7)

  1. ポリイミド層と、前記ポリイミド層上に積層された銅層と、を備え、
    TOF−SIMS分析を行った場合に、前記ポリイミド層と前記銅層との界面を含む第1領域におけるCuOフラグメントのカウント数が5000以下であり、
    前記第1領域は、前記界面から前記銅層の厚さ方向に5nm離れた位置を一方端とし、前記界面から前記ポリイミド層の厚さ方向に20nm離れた位置を他方端とする領域である、回路基板用積層体。
  2. 前記TOF−SIMS分析を行った場合に、前記ポリイミド層と前記銅層との界面を含む第2領域におけるCNフラグメントのカウント数が15×10以下であり、
    前記第2領域は、前記界面を一方端とし、前記界面から前記ポリイミド層の厚さ方向に30nm離れた位置を他方端とする領域である、請求項1に記載の回路基板用積層体。
  3. 前記TOF−SIMS分析を行った場合に、前記ポリイミド層と前記銅層との界面を含む第3領域におけるCuNフラグメントのカウント数が9000以上であり、
    前記第3領域は、前記界面から前記銅層の厚さ方向に20nm離れた位置を一方端とし、前記界面から前記ポリイミド層の厚さ方向に40nm離れた位置を他方端とする領域である、請求項1又は請求項2に記載の回路基板用積層体。
  4. 前記TOF−SIMS分析を行った場合に、前記ポリイミド層と前記銅層との界面を含む第3領域におけるCuNフラグメントのカウント数が2000以上であり、
    前記第3領域は、前記界面から前記銅層の厚さ方向に20nm離れた位置を一方端とし、前記界面から前記ポリイミド層の厚さ方向に40nm離れた位置を他方端とする領域である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の回路基板用積層体。
  5. 前記TOF−SIMS分析を行った場合に、前記ポリイミド層と前記銅層との界面を含む第4領域におけるOフラグメントのカウント数が10000以下であり、
    前記第4領域は、前記界面から前記銅層の厚さ方向に10nm離れた位置を一方端とし、前記界面から前記ポリイミド層の厚さ方向に40nm離れた位置を他方端とする領域である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の回路基板用積層体。
  6. 主面に保護層が設けられた基板を準備する工程と、
    前記保護層上に銅層を形成する工程と、
    前記銅層上にポリイミド前駆体液を塗布して硬化処理することにより、前記銅層上にポリイミド層を形成する工程と、
    前記基板、前記保護層、前記銅層および前記ポリイミド層を含む中間積層体から、前記基板および前記保護層を除去する工程と、を備え、
    前記硬化処理は、300℃以上かつ3時間以上の熱処理である、回路基板用積層体の製造方法。
  7. 前記ポリイミド前駆体液は、水を含む、請求項6に記載の回路基板用積層体の製造方法。
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