JP2024033244A - 回路基板用積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリイミド層と、該ポリイミド層上に配置された中間層(第1層)との密着性に優れた回路基板用積層体を提供する。【解決手段】ポリイミド層4と、ポリイミド層上に配置された第1層3と、を備える回路基板用積層体6であって、第1層は、クロム、ニッケル、およびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を含み、第1層は、第1領域7を有し、ポリイミド層4と第1層との界面と、界面から厚み方向に5nm離れた仮想面Pと、に挟まれた領域であり、第1領域のXPS分析において、(i)金属クロム由来、Cr2O3由来、CrO3由来、Cr(OH)3由来の各ピーク面積の関係、(ii)金属ニッケル由来、NiO由来、Ni(OH)2由来の各ピーク面積の関係、(iii)金属チタン由来、TiO2由来、Ti(OH)4由来の各ピーク面積の関係、のいずれかについて規定の関係を満たす、回路基板用積層体とする。【選択図】図7

Description

本開示は、回路基板用積層体に関する。
従来から、フレキシブル基板として、ポリイミド層と、該ポリイミド層上に配置された金属層とを備える回路基板用積層体が知られている。このような積層体を製造する方法としては、ラミネート法、スパッタめっき法、キャスティング法等が挙げられる(特許文献1、非特許文献1)。
特開2020-075501号公報
宮村剛夫(2009).「金属/ポリイミド界面の界面密着強度と影響因子」,博士論文,東北大学
近年、フレキシブル基板を備えるフレキシブルデバイスの回路は微細化が進んでおり、フレキシブル基板において、より薄い金属層(中間層)を用いて回路幅・間隔を更に小さくすることが求められている。また、フレキシブルデバイスでは、金属層(中間層)とポリイミド層との界面の密着強度を向上させることが、製品の信頼性を確保する上で求められている。しかしながら、ラミネート法、スパッタめっき法、キャスティング法といった従来の製造方法により製造された回路基板用積層体において、特に微細加工の目的で厚みを薄く抑えることが求められる中間層と、ポリイミド層との界面の密着強度を向上することが困難な場合があった。
そこで、本開示では、ポリイミド層と、該ポリイミド層上に配置された中間層との密着性に優れた回路基板用積層体を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る回路基板用積層体は、ポリイミド層と、該ポリイミド層上に配置された第1層と、を備える回路基板用積層体であって、
該第1層は、クロム、ニッケル、およびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を含み、
該第1層は、第1領域を有し、
該第1領域は、該ポリイミド層と該第1層との界面と、該界面から厚み方向に5nm離れた仮想面Pと、に挟まれた領域であり、
該第1領域のXPS分析において、以下の(i)~(iii)のいずれかを満たす。
(i)金属クロム由来のピーク面積X1に対する、Cr由来のピーク面積とCrO由来のピーク面積との合計面積X2の比率X2/X1は、1.0以上であり、且つ該X1に対する、Cr(OH)由来のピーク面積X3の比率X3/X1は、0.5以上である。
(ii)金属ニッケル由来のピーク面積Y1に対する、NiO由来のピーク面積Y2の比率Y2/Y1は、1.0以上であり、且つ該Y1に対する、Ni(OH)由来のピーク面積Y3の比率Y3/Y1は、0.5以上である。
(iii)金属チタン由来のピーク面積Z1に対する、TiO由来のピーク面積Z2の比率Z2/Z1は、1.0以上であり、且つ該Z1に対する、Ti(OH)由来のピーク面積Z3の比率Z3/Z1は、0.5以上である。
本開示によれば、ポリイミド層と、該ポリイミド層上に配置された中間層(第1層)との密着性に優れた回路基板用積層体を提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の手順を示すフローチャートである。 図2は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。 図3は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。 図4は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。 図5は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。 図6は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。 図7は、本実施形態の一態様における回路基板用積層体の模式断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示の回路基板用積層体は、ポリイミド層と、前記ポリイミド層上に配置された第1層と、を備える回路基板用積層体であって、
前記第1層は、クロム、ニッケル、およびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を含み、
前記第1層は、第1領域を有し、
前記第1領域は、前記ポリイミド層と前記第1層との界面と、前記界面から厚み方向に5nm離れた仮想面Pと、に挟まれた領域であり、
前記第1領域のXPS分析において、以下の(i)~(iii)のいずれかを満たす。
(i)金属クロム由来のピーク面積X1に対する、Cr由来のピーク面積とCrO由来のピーク面積との合計面積X2の比率X2/X1は、1.0以上であり、且つ前記X1に対する、Cr(OH)由来のピーク面積X3の比率X3/X1は、0.5以上である。
(ii)金属ニッケル由来のピーク面積Y1に対する、NiO由来のピーク面積Y2の比率Y2/Y1は、1.0以上であり、且つ前記Y1に対する、Ni(OH)由来のピーク面積Y3の比率Y3/Y1は、0.5以上である。
(iii)金属チタン由来のピーク面積Z1に対する、TiO由来のピーク面積Z2の比率Z2/Z1は、1.0以上であり、且つ前記Z1に対する、Ti(OH)由来のピーク面積Z3の比率Z3/Z1は、0.5以上である。
本開示によれば、ポリイミド層と、該ポリイミド層上に配置された中間層(第1層)との密着性に優れた回路基板用積層体を提供することが可能である。
[2]前記第1層の厚みは、5nm以上30nm以下であることが好ましい。これによると、ポリイミド層と、該ポリイミド層上に配置された第1層との密着性に優れた回路基板用積層体を提供することが可能であることに加えて、該第1層の厚みが薄い為、エッチングによる微細加工を行い易くなることから、デバイスが微細化および高集積化され易くなる。
[3]前記ポリイミド層の厚みは、10μm以上30μm以下であることが好ましい。これによって、ポリイミド層と、該ポリイミド層上に配置された中間層(第1層)との密着性により優れた回路基板用積層体を提供することが可能である。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の一実施形態(以下、「本実施形態」とも記す。)について、以下に図面を参照しつつ説明する。本開示の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、必ずしも実際の寸法関係を表すものではない。
本明細書において「A~B」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上B以下)を意味し、Aにおいて単位の記載がなく、Bにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とBの単位とは同じである。
本明細書において化合物などを化学式で表す場合、原子比を特に限定しないときは従来公知のあらゆる原子比を含むものとし、必ずしも化学量論的範囲のもののみに限定されるべきではない。
[実施形態1:回路基板用積層体]
本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体について、図7を用いて説明する。
本開示の一実施形態(以下、「本実施形態」とも記す。)は、ポリイミド層4と、該ポリイミド層4上に配置された第1層3と、を備える回路基板用積層体6であって、
該第1層3は、クロム、ニッケル、およびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を含み、
該第1層3は、第1領域7を有し、
該第1領域7は、該ポリイミド層4と該第1層3との界面と、該界面から厚み方向に5nm離れた仮想面Pと、に挟まれた領域であり、
該第1領域7のXPS分析において、以下の(i)~(iii)のいずれかを満たす、回路基板用積層体6である。
(i)金属クロム由来のピーク面積X1に対する、Cr由来のピーク面積とCrO由来のピーク面積との合計面積X2の比率X2/X1は、1.0以上であり、且つ該X1に対する、Cr(OH)由来のピーク面積X3の比率X3/X1は、0.5以上である。
(ii)金属ニッケル由来のピーク面積Y1に対する、NiO由来のピーク面積Y2の比率Y2/Y1は、1.0以上であり、且つ該Y1に対する、Ni(OH)由来のピーク面積Y3の比率Y3/Y1は、0.5以上である。
(iii)金属チタン由来のピーク面積Z1に対する、TiO由来のピーク面積Z2の比率Z2/Z1は、1.0以上であり、且つ該Z1に対する、Ti(OH)由来のピーク面積Z3の比率Z3/Z1は、0.5以上である。
本開示によれば、ポリイミド層4と、該ポリイミド層4上に配置された中間層(第1層3)との密着性に優れた回路基板用積層体6を提供することが可能となる。その理由は、以下の通りと推察される。
本実施形態に係る回路基板用積層体6は、上記第1領域7のXPS分析において、以下の(i)~(iii)のいずれかを満たす。
(i)金属クロム由来のピーク面積X1に対する、Cr由来のピーク面積とCrO由来のピーク面積との合計面積X2の比率X2/X1は、1.0以上であり、且つ該X1に対する、Cr(OH)由来のピーク面積X3の比率X3/X1は、0.5以上である。
(ii)金属ニッケル由来のピーク面積Y1に対する、NiO由来のピーク面積Y2の比率Y2/Y1は、1.0以上であり、且つ該Y1に対する、Ni(OH)由来のピーク面積Y3の比率Y3/Y1は、0.5以上である。
(iii)金属チタン由来のピーク面積Z1に対する、TiO由来のピーク面積Z2の比率Z2/Z1は、1.0以上であり、且つ該Z1に対する、Ti(OH)由来のピーク面積Z3の比率Z3/Z1は、0.5以上である。
これによって、上記第1層3と上記ポリイミド層4との間において、(金属元素(Cr、Ni、Ti))-O-C結合を多く生じることに起因して、中間層(第1層3)とポリイミド層4との密着性が向上する。
その為、本開示によれば、ポリイミド層4と、該ポリイミド層4上に配置された中間層(第1層3)との密着性に優れた回路基板用積層体6を提供することが可能となる。
≪ポリイミド層≫
<ポリイミド層の組成>
ポリイミド層4はポリイミドからなる層である。ただし、本開示の効果を奏す限り、後述するステップS12において重合しなかった低分子化合物等の不純物、不可避不純物を含み得ることはいうまでもない。ポリイミド層4の組成は、以下の測定条件および以下のピーク分離条件でX線光電子分光法を用いて試料表面を分析することにより特定できる。
(測定条件)
メーカー:アルバック・ファイ(株)
機種名:Quantera SXM
X線源:単色化Al(X線エネルギー:1486.6 eV)
真空度:1×10-6Pa未満、
分析径:100μmΦ、
X線入射角:90°、
光電子取り出し角:45°、
パスエネルギー:112eV
(ピーク分離条件)
使用ソフトウェア:アルバック・ファイ(株)製の「MultiPakTM
<ポリイミド層の厚み>
ポリイミド層4の厚みは、10μm以上30μm以下であることが好ましい。これによって、回路基板としての柔軟性または屈曲性、必要な機械的強度を確保することができる。ポリイミド層4の厚みの下限は、10μm以上であることが好ましく、12.5μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることが更に好ましい。ポリイミド層4の厚みの上限は、30μm以下であることが好ましく、27.5μm以下であることがより好ましく、25μm以下であることが更に好ましい。ポリイミド層4の厚みは、10μm以上30μm以下であることが好ましく、12.5μm以上27.5μm以下であることがより好ましく、15μm以上25μm以下であることが更に好ましい。ポリイミド層4の厚みは、例えば、断面加工及び、走査電子顕微鏡により断面観察することにより特定できる。なお、出願人が測定した限りでは、同一の試料において測定する限りにおいては、測定箇所を任意に設定して上記の手順に従い測定を複数回行っても、測定結果のばらつきは少なく、測定箇所を任意に設定しても恣意的にはならないことが確認された。
≪第1層≫
第1層3は、回路基板の中間層としての役割を果たす層である。本実施形態の一側面において、上記第1層3は、回路基板の中間層として機能する層と把握することもできる。
<第1層の組成>
上記第1層3は、クロム、ニッケル、およびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を含む。これによって、該金属元素の酸化物および水酸化物と、ポリイミド層4のポリイミドとが(金属元素)-O-C結合を形成しやすい為、上記ポリイミド層4と、該ポリイミド層4上に配置された該第1層3(中間層)との密着性を高めることができる。なお、ここで、「クロム、ニッケル、およびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を含む」とは、「クロム、ニッケル、およびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素の含有率の合計が0atm%超である」と言い換えることができる。
上記第1層3は、クロム、ニッケル、およびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を、合計で80atm%以上で含むことが好ましく、90atm%以上で含むことがより好ましく、95atm%以上で含むことが更に好ましい。
上記第1層3において、クロム、ニッケル、およびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素の含有率の合計(atm%)は、以下の測定条件および以下のピーク分離条件でX線光電子分光法によって試料表面を分析することにより求められる。
(測定条件)
メーカー:アルバック・ファイ(株)
機種名:Quantera SXM
X線源:単色化Al(X線エネルギー:1486.6 eV)
真空度:1×10-6Pa未満、
分析径:100μmΦ、
X線入射角:90°、
光電子取り出し角:45°、
パスエネルギー:112eV
(ピーク分離条件)
使用ソフトウェア:アルバック・ファイ(株)製の「MultiPakTM
なお、ピーク分離においては、シャーリー法によりバックグラウンドを除去する。また、例えばCr金属ピークとCrOピークとの距離を1.0eV、Cr金属ピークとCrピークとの距離を2.0eV、Cr金属ピークとCr(OH)ピークとの距離を3.2eV、Cr金属ピークとCrOピークとの距離を4.6eVに固定する。また、例えばCr金属ピークの半値幅は、その他のCrO、Cr、Cr(OH)、CrOの4つのピークの半値幅より0.6eV小さい値に固定する。
なお、出願人が測定した限りでは、同一の試料において測定する限りにおいては、測定箇所を任意に設定して上記の手順に従い測定を複数回行っても、測定結果のばらつきは少なく、測定箇所を任意に設定しても恣意的にはならないことが確認された。
<第1層の厚み>
上記第1層3の厚みは、5nm以上30nm以下であることが好ましい。これによって、回路基板用積層体6をフレキシブル基板として利用する場合において、第1層3の中間層としての機能を十分に維持しつつ、高いフレキシブル性を発揮することができる。上記第1層3の厚みの下限は、5nm以上であることが好ましく、7nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが更に好ましい。上記第1層3の厚みの上限は、30nm以下であることが好ましく、25nm以下であることがより好ましく、15nm以下であることが更に好ましい。上記第1層3の厚みは、5nm以上30nm以下であることが好ましく、7nm以上25nm以下であることがより好ましく、10nm以上15nm以下であることが更に好ましい。なお、ここで、上記第1層3(中間層)の厚みが「30nm以下」であることは、「中間層の厚みが薄い」ことを意味する。
上記第1層3の厚みは、例えば、試料薄膜化加工及び透過電子顕微鏡による断面観察により求められる。
なお、出願人が測定した限りでは、同一の試料において測定する限りにおいては、測定箇所を任意に設定して上記の手順に従い測定を複数回行っても、測定結果のばらつきは少なく、測定箇所を任意に設定しても恣意的にはならないことが確認された。
<第1領域の組成>
上記第1層3は、第1領域7を有する。ここで、上記第1領域7は、上記ポリイミド層4と上記第1層3との界面と、該界面から厚み方向に5nm離れた仮想面Pと、に挟まれた領域である。上記第1領域7のXPS分析において、以下の(i)~(iii)のいずれかを満たす。
(i)金属クロム由来のピーク面積X1に対する、Cr由来のピーク面積とCrO由来のピーク面積との合計面積X2の比率X2/X1は、1.0以上であり、且つ該X1に対する、Cr(OH)由来のピーク面積X3の比率X3/X1は、0.5以上である。
(ii)金属ニッケル由来のピーク面積Y1に対する、NiO由来のピーク面積Y2の比率Y2/Y1は、1.0以上であり、且つ該Y1に対する、Ni(OH)由来のピーク面積Y3の比率Y3/Y1は、0.5以上である。
(iii)金属チタン由来のピーク面積Z1に対する、TiO由来のピーク面積Z2の比率Z2/Z1は、1.0以上であり、且つ該Z1に対する、Ti(OH)由来のピーク面積Z3の比率Z3/Z1は、0.5以上である。
これによって、ポリイミド層4と、該ポリイミド層4上に配置された第1層3(中間層)との間に(金属元素)-O-C結合が生じ易くなる為、ポリイミド層4と、該ポリイミド層4上に配置された第1層3との間に優れた密着性を備えさせることができる。
上記X2/X1の下限は、1.3以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。上記X2/X1の上限は、高い程好ましい。
上記X3/X1の下限は、0.7以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。上記X3/X1の上限は、高い程好ましい。
上記Y2/Y1の下限は、1.3以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。上記Y2/Y1の上限は、高い程好ましい。
上記Y3/Y1の下限は、0.7以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。上記Y3/Y1の上限は、高い程好ましい。
上記Z2/Z1の下限は、1.3以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。上記Z2/Z1の上限は、高い程好ましい。
上記Z3/Z1の下限は、0.7以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。上記Z3/Z1の上限は、高い程好ましい。
上記X1、上記X2、上記X3、上記Y1、上記Y2、上記Y3、上記Z1、上記Z2、及び上記Z3は、以下の方法により求めることができる。すなわち、上記X1、上記X2、上記X3、上記Y1、上記Y2、上記Y3、上記Z1、上記Z2、及び上記Z3は、第1層の表面から厚み方向に削りながら、以下の測定条件および以下のピーク分離条件でXPS(X線光電子分光)分析を実行し、更にその金属の2pピークをフォークト関数でカーブフィッティングして、各酸化物や金属のピーク面積比を算出することにより求めることができる。なお、該XPS分析は、該表面から厚み方向に5nm毎の間隔で実行され、該XPS分析において、炭素(C)の含有量が最初に急増する地点を「ポリイミド層と第1層との界面」と定義する。
(測定条件)
メーカー:アルバック・ファイ(株)
機種名:Quantera SXM
X線源:単色化Al(X線エネルギー:1486.6 eV)
真空度:1×10-6Pa未満、
分析径:100μmΦ、
X線入射角:90°、
光電子取り出し角:45°、
パスエネルギー:112eV
(ピーク分離条件)
使用ソフトウェア:アルバック・ファイ(株)製の「MultiPakTM
なお、ピーク分離においては、シャーリー法によりバックグラウンドを除去する。また、例えばCr金属ピークとCrOピークとの距離を1.0eV、Cr金属ピークとCrピークとの距離を2.0eV、Cr金属ピークとCr(OH)ピークとの距離を3.2eV、Cr金属ピークとCrOピークとの距離を4.6eVに固定する。また、例えばCr金属ピークの半値幅は、その他のCrO、Cr、Cr(OH)、CrOの4つのピークの半値幅より0.6eV小さい値に固定する。
なお、出願人が測定した限りでは、同一の試料において測定する限りにおいては、測定箇所を任意に設定して上記の手順に従い測定を複数回行っても、測定結果のばらつきは少なく、測定箇所を任意に設定しても恣意的にはならないことが確認された。
[実施形態2:回路基板用積層体の製造方法]
本実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一実施形態について、図1~図6を用いながら説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の手順を示すフローチャートである。図2~図6は、本開示の一実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法の一部を図解する模式的な断面図である。
図1~図6を参照し、本実施形態に係る回路基板用積層体の製造方法は、主面1aに保護層2を有する基板1を準備する工程(ステップS10)と、保護層2上に第1層3を形成する工程(ステップS11)と、該第1層3上にポリイミド前駆体液を塗布して硬化処理することにより、該第1層3上にポリイミド層4を形成する工程(ステップS12)と、基板1、保護層2、第1層3およびポリイミド層4を含む中間積層体5から、基板1および保護層2を除去する工程(ステップS13)とを備える。以下、各工程ついて詳述する。
≪主面に保護層を有する基板を準備する工程(ステップS10)≫
本工程は、主面1aに保護層2を有する基板1を準備する工程(ステップS10)である(図1および図2)。
たとえば、プラズマCVD法(プラズマ化学気相成長法)、スパッタ法等により、基板1の主面1aに保護層2を形成することができる。スパッタ法としては、イオンプレーティングスパッタ法、マグネトロンスパッタ法等が挙げられる。特に、マグネトロンイオンスパッタ法が好ましい。スパッタ量が多く、スパッタ速度が速いからである。
基板1は、続く工程で形成される第1層3の形状を維持するための部材である。基板1としては、たとえばGaAs基板(ヒ化ガリウム基板)、サファイア基板、GaN基板(窒化ガリウム基板)等を用いることができる。劈開性が高く、取り扱いが容易な点から、GaAs基板を用いることが好ましい。また、基板1として、2種以上の基板が積層されてなる複合基板を用いてもよい。取り扱いの容易性から、基板1の厚みは、0.35~0.7mmが好ましい。
基板1の主面1aは平滑であることが好ましい。これに伴い、保護層2を介して主面1a上に形成される第1層3の表面の表面平滑性が向上するためである。具体的には、主面1aの表面粗さ(Ra)を0.1nm以下に設計しておくことが好ましい。なお、ここでの第1層3の表面平滑性とは、第1層3の表面のうちの保護層2と接する面の表面平滑性を意味している。すなわち、回路基板用積層体6における第1層3の向かい合う面のうち、ポリイミド層4と接していない側の面の表面平滑性である(図6参照)。なお表面粗さ(Ra)は、原子間力顕微鏡により算出した値である。
保護層2は、後述の工程(ステップS13)で第1層3上から除去される層であり、基板1と第1層3とを容易に分離させるための層である。このため、保護層2としては、SiO層、SiN層等を用いることができる。これらの層は、エッチング除去が容易だからである。なかでも、保護層2はSiO層であることが好ましい。特にエッチング除去が容易だからである。
保護層2の厚みは、20~100nmが好ましい。保護層2の厚みが100nm以下の場合、保護層2の表面2aにおいて、基板1の主面1aの平滑性を十分に反映させることができる。保護層2の表面2aが平滑であることにより、表面2a上に形成される第1層3の表面(保護層2と接する面)の平滑性も担保される。また保護層2の厚みが20nm未満の場合、保護層2から基板1を取り除く際に、第1層3を損傷させてしまう恐れがある。
以上を考慮すると、基板1および保護層2はそれぞれ、GaAs基板およびSiO層が好ましい。両者の分離性が高いためである。また、SiO層は第1層3に接する層として特に好適である。SiO層はエッチング除去が容易であるため、過剰なエッチングを必要とせず、故に、SiO層と接する第1層3への負荷を低減できるためである。
≪保護層上に第1層を形成する工程(ステップS11)≫
本工程は、保護層2上に第1層3を形成する工程(ステップS11)である(図1および図3)。
第1層3の形成方法としては、たとえば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、2極スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、イオンプレーティングスパッタ法等が挙げられる。特に、1nm単位での膜厚制御が容易であるという観点で、抵抗加熱蒸着法が好ましい。
本工程は、真空度が10-3Pa以上の条件下で実行される。これによって、本工程において空気や水分が十分に存在することとなる為、Cr、Ni、Tiが酸化や水酸化され易くなる。その結果として、第1層とポリイミド層との間で、(金属元素)-O-C結合が形成され易くなり、本実施形態に係る回路基板用積層体は、上記第1領域のXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)分析において、上記(i)~(iii)のいずれかを満たすことができることとなる。真空度が10-3Pa以上の条件下で本工程を実行することにより、本実施形態に係る回路基板用積層体は、上記第1領域のXPS分析において、上記(i)~(iii)のいずれかを満たすことができることとなるのは、本発明者らが鋭意検討の結果、新たに見出したものである。
また、本工程(ステップS11)から続く工程(ステップS12)への移行は、本工程(ステップS11)により得られた第1層3を、たとえば24時間以上の間、大気環境下に置くことが好ましい。その理由は、以下のとおりである。
第1層3を大気環境下に置いた場合、第1層3の露出する表面において、第1層に含まれる金属元素の酸化が進行し、第1層3の表面に金属酸化物が生成され易くなる。これによって、本実施形態に係る回路基板用積層体は、上記第1領域のXPS分析において、上記(i)~(iii)のいずれかを満たすことができることとなる。
≪第1層上にポリイミド層を形成する工程(ステップS12)≫
本工程は、第1層3上にポリイミド前駆体液を塗布して硬化処理することにより、第1層3上にポリイミド層4を形成する工程(ステップS12)である(図1および図4)。これにより、基板1、保護層2、第1層3およびポリイミド層4を含む中間積層体5が形成される(図5参照)。
具体的には、まず、ポリイミド前駆体液を第1層3上に塗布する。ポリイミド前駆体液とは、ポリイミド前駆体と溶媒とを含む塗布液である。ポリイミド前駆体とは、重合することによってポリイミドを構成する化合物であり、例えば、ポリアミック酸が挙げられる。上記ポリアミック酸は、例えば、4,4’-ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物とから、公知の縮重合反応によって生成することができる。溶媒は、該化合物を分散または溶解させる機能を有する。塗布方法としては、たとえばドクターブレード法、ディップコーティング法、スピンコーティング法等が挙げられる。
次に、塗布されたポリイミド前駆体液を硬化処理する。硬化処理は、例えば、250℃以上300℃以下かつ1時間以上3時間以下の熱処理とすることができる。このような熱処理により、第1層3の表面に存在している金属酸化物が除去され難くなる。また、該第1層3上においては、ポリイミド前駆体が重合するとともに溶媒が除去される。これにより、第1層3上にポリイミド層4が生成される。したがって、結果的に、本実施形態に係る回路基板用積層体は、上記第1領域のXPS分析において、上記(i)~(iii)のいずれかを満たすことができることとなる。本工程において金属酸化物が除去され難くなる理由は以下のとおりである。
上記のような穏やかな熱処理により、第1層3の表面においては、金属酸化物とポリイミド前駆体が接している状態で、250℃以上300℃以下の温度の雰囲気に1時間以上3時間以下晒されることとなる。ポリイミド前駆体であるポリアミック酸は、強い酸であることから、金属酸化物は高温酸性環境下に長時間晒されれば、金属酸化物が分解されて第1層3から除去されることとなるところ、上記のような穏やかな熱処理によれば、ポリイミドの生成、および溶媒の除去を可能としつつ、金属酸化物が高温酸性環境下に曝される時間を短く抑えられ、金属酸化物が分解されて第1層3から除去されるのを抑制できるからである。
上記溶媒は極性溶媒が好ましく、たとえば、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の有機溶媒が好適である。
ポリイミド前駆体液におけるポリイミド前駆体の濃度は、十分な密度のポリイミド層4が形成可能であればよく、特に制限されない。たとえば、ポリイミド前駆体としてポリアミック酸を用い、溶媒としてN-メチル-2-ピロリドンを用いた場合には、取り扱いの容易性から、ポリイミド前駆体液におけるポリイミド前駆体の濃度は、0.2~0.3g/mlが好ましい。
また硬化処理は、硬化を促進させるという観点で、窒素雰囲気下で実施することができる。また、硬化処理前に予備加熱処理を行ってもよい。たとえば、予備加熱処理として、窒素雰囲気下において、100~140℃で0.5~1.5時間熱処理することができる。これにより、ポリイミド前駆体液を乾燥させることができる。
≪基板および保護層を除去する工程(ステップS13)≫
本工程は、基板1、保護層2、第1層3およびポリイミド層4を含む中間積層体5から、基板1および保護層2を除去する工程(ステップS13)である(図1、図5、および図6)。なお、本工程の理解が容易となるように、図4に対して中間積層体5の上下方向を反転させてなる図5を示す。
具体的には、まず図5に示されるように基板1、保護層2、第1層3およびポリイミド層4を含む中間積層体5から、基板1および保護層2を除去する。これにより、図6に示されるように、ポリイミド層4と該ポリイミド層4上に積層された第1層3とを備える、回路基板用積層体6が製造される。
基板1は、たとえば保護層2から剥離させることにより、中間積層体5から除去することができる。基板1がGaAs基板であり、保護層2がSiO層である場合、基板1の剥離は特に容易である。保護層2は、たとえばエッチングにより、中間積層体5から除去することができる。エッチング方法としては、ドライエッチング、ウェットエッチング等が挙げられる。ドライエッチングとしてはリアクティブイオンエッチングが好ましい。ウェットエッチングとしてはフッ酸を用いた処理が好ましい。第1層3の表面を荒らすことなく、第1層3の表面から保護層2を選択的に除去することができるためである。
また基板1を剥離除去することなく、保護層2のエッチングのみを実施してもよい。これによれば、中間積層体5から基板1および保護層2を一体的に除去することができる。
以下、本開示の実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
≪回路基板用積層体の製造≫
以下のようにして、試料1および試料101の回路基板用積層体を製造した。
<試料1の回路基板用積層体の製造>
[主面に保護層が設けられた基板を準備する工程(ステップS10)]
試料1の回路基板用積層体を製造するため、まず、表面粗さ(Ra)が0.01nmのGaAs基板を準備した。そして、プラズマCVD法により、GaAs基板の一方の表面に、50nmの厚みを有するSiO層を形成した。これにより、一方の表面(主面)に保護層であるSiO層が設けられたGaAs基板が準備された。
[保護層上に第1層を形成する工程(ステップS11)]
次に、試料1を製造するため、抵抗加熱蒸着法により、SiO層上に、3×10-3Paの真空度で、表1に記載の厚みを有する第1層を形成した。
[第1層上にポリイミド層を形成する工程(ステップS12)]
次に、形成された第1層上に、ポリイミド前駆体液を塗布して硬化処理することによりポリイミド層を形成した。具体的な手順は以下のとおりである。
(ポリイミド前駆体液の調製)
9.43gの4,4’-オキシジアニリン(ODA)を80.3gのN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に溶解させた後、10.3gのピロメリット酸二無水物(PMDA)を加えることにより、溶液を調製した。次に、窒素雰囲気下、25℃、1時間の条件で上記溶液を攪拌した後、60℃に昇温してさらに20時間攪拌した。攪拌後、溶液を室温まで冷却した。これにより、ポリアミック酸を含むポリイミド前駆体液が調製された。
(ポリイミド層の形成)
第1層の露出する表面に、ドクターブレードを用いてポリイミド前駆体液を塗布し、第1層上に塗膜を形成した。次に、窒素雰囲気下において120℃、1時間の条件で予備乾燥(予備加熱処理)させた。次に、窒素雰囲気下において300℃、3時間の熱処理(硬化処理)を、上述の予備乾燥させた塗膜に対して実施した。これにより、表1に記載の厚みを有するポリイミド層が形成された。以上により、GaAs基板、SiO層、第1層、およびポリイミド層を含む中間積層体が作製された。
<基板および保護層を除去する工程(ステップS13)>
次に、中間積層体からGaAs基板を剥離した。当該剥離は、作業者の手で行われた。次に、GaAs基板を剥離することにより露出したSiO層に対し、リアクティブイオンエッチングを実施した。エッチング装置には、多目的ドライエッチング装置(サコム株式会社製、RIE-200NL)を用い、反応性ガスにはフルオロホルムを用いた。これにより、中間積層体から、GaAs基板およびSiO層が除去された(基板および保護層を除去する工程)。以上により、第1層およびポリイミド層からなる回路基板用積層体を得た。
<試料101の回路基板用積層体の製造>
試料101の回路基板用積層体を製造するため、硬化したPMDA-ODA型ポリイミドフィルム(株式会社カネカ、アピカル NPI、厚み:ポリイミド層の厚みとして表1に記載の通り)(ポリイミド層)に対し、以下の条件で抵抗加熱式の真空蒸着法でCrを蒸着することにより、Cr層(第1層)を形成した。なお、Crは、0.05nm/sで、Cr層(第1層)の厚みが表1に記載の厚みになるまで成膜した(装置の水晶振動子でCr層(第1層)の厚みをモニターした)。
(条件)
真空蒸着装置:株式会社サンバック、RD-1400、
蒸着時の真空度:2.0×10―3Pa、
蒸着時のポリイミドの温度:60℃以下、
Cr蒸着源:株式会社フルヤ金属、純度:4N
≪回路基板用積層体の特性評価≫
<上記X1~X3、上記Y1~Y3、及び上記Z1~Z3の測定>
試料1、および試料101の回路基板用積層体に関し、上記X1~X3、上記Y1~Y3、及び上記Z1~Z3のそれぞれを実施形態1に記載の方法により求めた。また、求められた上記X1~X3、上記Y1~Y3、及び上記Z1~Z3に基づいて、上記X2/X1、上記X3/X1、上記Y2/Y1、上記Y3/Y1、上記Z2/Z1、および上記Z3/Z1を算出した。得られた結果をそれぞれ表1の「X1」欄、「X2」欄、「X3」欄、「Y1」欄、「Y2」欄、「Y3」欄、「Z1」欄、「Z2」欄、「Z3」欄、「X2/X1」欄、「X3/X1」欄、「Y2/Y1」欄、「Y3/Y1」欄、「Z2/Z1」欄、および「Z3/Z1」欄に記す。なお、上記(i)~(iii)のいずれかを満たすことは、Cr-O-C結合が多いことを意味し、上記(i)~(iii)のいずれかを満たす場合において、第1層とポリイミド層との間における密着性が高いことは明らかである。
Figure 2024033244000002
上記試料1は実施例に該当し、上記試料101は比較例に該当する。上記試料1の回路基板用積層体は上記(i)~(iii)のいずれかを満たす一方で、上記試料101の回路基板用積層体は上記(i)~(iii)のいずれをも満たさない。よって、上記試料1の回路基板用積層体は、上記試料101の回路基板用積層体に比して、第1層とポリイミド層との間に格別に優れた密着性を有する。
以上により、上記試料1の回路基板用積層体は、第1層(中間層)とポリイミド層との間に格別に優れた密着性を有することが分かった。なお、上記試料1の回路基板用積層体は、第1領域のXPS分析において、上記(i)を充足する回路基板用積層体のみであるが、NiとTiとはCrと同様の性質を持つという理由で、上記(ii)又は上記(iii)を充足する回路基板用積層体においても、同様の効果を奏するものと予想される。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本開示に係る回路基板用積層体は、フレキシブル基板に好適であり、また、高周波デバイス用のフレキシブル基板にも適用可能である。
1 基板
1a 主面
2 保護層
3 第1層
4 ポリイミド層
5 中間積層体
6 回路基板用積層体
7 第1領域
P 仮想面

Claims (3)

  1. ポリイミド層と、前記ポリイミド層上に配置された第1層と、を備える回路基板用積層体であって、
    前記第1層は、クロム、ニッケル、およびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を含み、
    前記第1層は、第1領域を有し、
    前記第1領域は、前記ポリイミド層と前記第1層との界面と、前記界面から厚み方向に5nm離れた仮想面Pと、に挟まれた領域であり、
    前記第1領域のXPS分析において、以下の(i)~(iii)のいずれかを満たす、回路基板用積層体。
    (i)金属クロム由来のピーク面積X1に対する、Cr由来のピーク面積とCrO由来のピーク面積との合計面積X2の比率X2/X1は、1.0以上であり、且つ前記X1に対する、Cr(OH)由来のピーク面積X3の比率X3/X1は、0.5以上である。
    (ii)金属ニッケル由来のピーク面積Y1に対する、NiO由来のピーク面積Y2の比率Y2/Y1は、1.0以上であり、且つ前記Y1に対する、Ni(OH)由来のピーク面積Y3の比率Y3/Y1は、0.5以上である。
    (iii)金属チタン由来のピーク面積Z1に対する、TiO由来のピーク面積Z2の比率Z2/Z1は、1.0以上であり、且つ前記Z1に対する、Ti(OH)由来のピーク面積Z3の比率Z3/Z1は、0.5以上である。
  2. 前記第1層の厚みは、5nm以上30nm以下である、請求項1に記載の回路基板用積層体。
  3. 前記ポリイミド層の厚みは、10μm以上30μm以下である、請求項1または請求項2に記載の回路基板用積層体。
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