JP2020075361A - 二軸延伸petフイルム積層材及びその製造方法 - Google Patents

二軸延伸petフイルム積層材及びその製造方法 Download PDF

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大樹 山浦
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Abstract

【課題】 飲食品の保存袋等に用いる二軸延伸PETフイルム積層材において、再利用を可能とすると共に破袋しない強度を持った二軸延伸PETフイルム積層材を提供する。【解決手段】 二軸延伸PETフイルムaに、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂70〜98重量%とポリエステル系熱可塑性エラストマー2〜30重量%とからなる混合PET樹脂を押出し積層する。混合PET樹脂層cを金属チルロール7に接触させて急冷させる。混合PET樹脂層の結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上である。【選択図】 図1

Description

本発明は、飲食品の保存袋等に用いる二軸延伸PETフイルム積層材において、再利用を可能とすると共に破袋しない強度を持った二軸延伸PETフイルム積層材及びその製造方法に関するものである。
二軸延伸PETフイルムは、耐熱性、耐薬品性、印刷適性、耐引き裂き性等の好ましい物性を有しているので、飲食品等の袋体の表面基材として広く用いられている。
しかしながら、二軸延伸PETフイルムはヒートシール性を有していないものであった。すなわち、二軸延伸PETフイルムは、MD方向(縦)とTD方向(横)とにニ軸延伸され、250℃内外で熱固定されたフイルムであるので、上述したように熱固定温度までの高い耐熱性を有するものであるが、その結果、ヒートシール性が極めて小さいものであった。
したがって、袋体の製作時にヒートシール出来るように、PEフイルムやPPフイルムをドライラミネート方法で積層し、二軸延伸PETフイルム層/PEフイルム層又はPPフイルム層という積層材として用いていた。
しかしながら、上述した二軸延伸PETフイルムにPEフイルムやPPフイルムを積層した二軸延伸PETフイルム積層材においては、以下の記載するような問題点があった。
1.使用後に再利用が出来ない問題
近年、マイクロプラスチックが海洋環境に与える悪影響が大きな問題であり、マイクロプラスチックの原因となるプラスチックフイルム袋等の廃棄を防止し、PETボトルのように回収してその樹脂を再利用することが望まれている。しかしながら、上述した二軸延伸PETフイルム積層材においては、PET樹脂とPE樹脂又はPP樹脂とを分離することが困難であり、樹脂の再利用が出来ないものであった。
2.フレーバー吸着の問題
PEフイルムやPPフイルムはリモネンに代表されるフレーバーを吸着し保香が失われるものであるので、保香が要求される用途には用いることが出来ないものであった。
以上のように、上述したような二軸延伸PETフイルム積層材にはPEフイルム層又はPPフイルム層を用いていることから問題があり、これらのPEフイルム層又はPPフイルム層をPET樹脂からなる層に代替することが望まれていた。
ところで本出願人は、PET樹脂層にヒートシール性を付与することが出来るようにした紙容器用積層材を提案した(特許文献1参照)。この紙容器用積層材は、固有粘度が0.55〜0.7dl/gであるPET樹脂にスチレン−(メタ)アクリル酸メチル−メタクリル酸グリシジルからなる鎖延長剤を添加して、ベント孔が2以上ある押出機に投入し、PET樹脂が加熱・溶融した状態でベント孔から−99.99kPa以上の高真空下で吸引・脱気して押出適性を改良した後、紙層上に押出しPET樹脂層を積層し、積層直後PET樹脂層面を冷却ロールで急冷するものであった。
特許第5180272号公報
そこで、二軸延伸PETフイルム積層材において、PET樹脂層を用いても袋体を作製できるようにしたものである。
また、上記二軸延伸PETフイルムにPET樹脂を押出し積層した、二軸延伸PETフイルム層/PET樹脂層からなる二軸延伸PETフイルム積層材においては、実際の製品に利用できない場合があることが判明した。
すなわち、PET樹脂は、曲げ弾性率が約2200MPaと硬い樹脂であるので、袋体に内容物を充填した状態で落下した際、応力が集中し破袋する問題があった。
本発明は、以上の問題点を解決し、PET樹脂層にヒートシール性を付与することが出来るようにし、また、ヒートシール可能なPET樹脂層の曲げ弾性率をPE樹脂フイルム層と同等程度に小さくし、内容物を充填した袋体が落下しても破袋しないようにした二軸延伸PETフイルム積層材及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る二軸延伸PETフイルム積層材は、二軸延伸PETフイルム層と、該二軸延伸PETフイルム層に押出し積層されたPET樹脂層とを有し、該PET樹脂層の下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上であることを特徴として構成されている。
Figure 2020075361
請求項2に係る二軸延伸PETフイルム積層材は、二軸延伸PETフイルム層と、該二軸延伸PETフイルム層に押出し積層された混合PET樹脂層とを有し、該混合PET樹脂層は、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂70〜98重量%とポリエステル系熱可塑性エラストマー2〜30重量%とで構成され、かつ、下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上であることを特徴として構成されている。
Figure 2020075361
請求項3に係る二軸延伸PETフイルム積層材は、二軸延伸PETフイルム層に無機蒸着層が積層されており、該無機蒸着層の厚みが、1,000〜5,000Å(0.1〜0.5μm)であることを特徴として構成されている。
請求項4に係る二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法は、二軸延伸PETフイルムに、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂を押出し積層するPET樹脂押出工程と、該PET樹脂押出工程で形成されたPET樹脂層を金属チルロールに接触させて急冷させる急冷工程とを具備し、前記PET樹脂層の下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上であることを特徴として構成されている。
Figure 2020075361
請求項5に係る二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法は、二軸延伸PETフイルムに、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂70〜98重量%とポリエステル系熱可塑性エラストマー2〜30重量%とからなる混合PET樹脂を押出し積層する混合PET樹脂押出工程と、該混合PET樹脂押出工程で形成された混合PET樹脂層を金属チルロールに接触させて急冷させる急冷工程と具備し、前記混合PET樹脂層の下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上であることを特徴として構成されている。
Figure 2020075361
請求項6に係る二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法は、二軸延伸PETフイルムとして、厚みが1,000〜5,000Å(0.1〜0.5μm)である無機蒸着層を積層した二軸延伸PETフイルムを用いたことを特徴として構成されている。
請求項1に係る二軸延伸PETフイルム積層材においては、二軸延伸PETフイルム層に、PET樹脂層が積層されており、このPET樹脂層は、下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上である。
Figure 2020075361
したがって、PEフイルムやPPフイルムと同等のヒートシール性を有しているので、袋体を良好に作製することができるとともに、使用済み等の袋体を廃棄することなく回収し、PET樹脂として再利用することができる。
また、保香性が要求される果汁等の内容物であっても、長期間、香りを失うことなく保存することができる。
請求項2に係る二軸延伸PETフイルム積層材においては、二軸延伸PETフイルム層に、混合PET樹脂層が積層されており、この混合PET樹脂層は、下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上である。
Figure 2020075361
したがって、PEフイルムやPPフイルムと同等のヒートシール性を有しているので、袋体を良好に作製することができる。
また、混合PET樹脂層は、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂70〜98重量%とポリエステル系熱可塑性エラストマー2〜30重量%とで構成されているので、混合PET樹脂層の曲げ弾性率を、PE樹脂やPP樹脂と同等程度に低下させることができる。その結果、落下時の応力集中を防止することができるので、袋体に内容物を充填した状態で落とした場合であっても、袋体が破れると言うようなことが無い。
さらに、混合PET樹脂層は、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂70〜98重量%とポリエステル系熱可塑性エラストマー2〜30重量%とで構成されているので、使用済み等の袋体を廃棄することなく回収し、PET樹脂として再利用することができる。
さらにまた、保香性が要求される果汁等の内容物であっても、長期間、香りを失うことなく保存することができる。
請求項3に係る二軸延伸PETフイルム積層材においては、無機蒸着層が積層されているので、高度の酸素バリヤー性、水蒸気バリヤー性を保持することができる。また、この無機蒸着層に用いられる無機材料(例えば、SiOx、Al)はPET樹脂と反応することが無く、また、厚みが1,000〜5,000Å(0.1〜0.5μm)と薄いので、袋体を回収してPET樹脂として再利用する際、PET樹脂の回収作業の妨げとなることが無い。
請求項4に係る二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法においては、PET樹脂押出工程で形成されたPET樹脂層を金属チルロールに接触させて急冷させる急冷工程が設けられているので、PET樹脂層の最適結晶化温度帯域の通過時間を短くすることができる。したがって、PET樹脂層の下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上とすることが出来る。
Figure 2020075361
請求項5に係る二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法においては、混合PET樹脂押出工程で形成された混合PET樹脂層を金属チルロールに接触させて急冷させる急冷工程が設けられているので、混合PET樹脂層の最適結晶化温度帯域の通過時間を短くすることができる。したがって、混合PET樹脂層の下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上とすることが出来る。
Figure 2020075361
請求項6に係る二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法においては、厚みが1,000〜5,000Å(0.1〜0.5μm)である無機蒸着層を積層した二軸延伸PETフイルムを用いるので、極めて簡単に、無機蒸着層を積層した二軸延伸PETフイルム積層材を製造することができる。
本発明の二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法に用いる積層装置の概略図 PETの結晶化速度を表す図
本発明の二軸延伸PETフイルム積層材は、二軸延伸PETフイルム層とPET樹脂層又は混合PET樹脂層とで構成されている。二軸延伸PETフイルム層としては、市販されている帝人フィルムソリューション(株)製『テトロン(登録商標)』や東レ(株)製『ルミラー(登録商標)Sタイプ』や三菱ケミカル(株)製『ダイアホイル(登録商標)』やユニチカ(株)製『エンブレット(登録商標)』等を用いることが出来る。二軸延伸PETフイルム層の厚さは、10〜25μmが好ましく、12μmが最も汎用的に使われておりコストも安く、強度も充分である。
PET樹脂層又は混合PET樹脂層は、下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上である。
Figure 2020075361
したがって、PEフイルムやPPフイルムと同様に、ヒートシール性を有している。すなわち、非晶部分が85%以上であると、軟化する部分が多くなり、その結果、ヒートシール性を確保できるようになる。
混合PET樹脂層の非晶部分を85%以上にするには、二軸延伸PETフイルムに押出積層したPET樹脂層又は混合PET樹脂層を金属チルロールに接触させて急冷させることにより行う。すなわち、図2に示すPETの結晶化速度のグラフに示すように、約140〜220℃の最適結晶化温度の帯域を出来るだけ早く通過し、結晶化するのを防止するものである。
また、混合PET樹脂層は、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂70〜98重量%とポリエステル系熱可塑性エラストマー2〜30重量%とで構成されている。したがって、曲げ弾性率を低下させることができ、PE樹脂層やPP樹脂層と同等の軟らかい樹脂層とすることが出来るので、落下した時の折れじわ等の発生がなく、内容物が液体状であっても応力集中することがなく落下破袋を防ぐことが出来る。
すなわち、曲げ弾性率の小さなポリエステル系熱可塑性エラストマーを混合することにより、全体としての曲げ弾性率を低下させたものである。PET樹脂とポリエステル系熱可塑性エラストマーとの混合樹脂の曲げ弾性率は、以下の式により求めることが出来る。
Figure 2020075361
なお、本発明の二軸延伸PETフイルム積層材で作製した袋体において、シールエッジ際から切れる場合がある。これはシールバーによるシール工程の次工程である冷却バーによる冷却工程において、冷却バーがシールバーと同じ幅であると、シールエッジ際が放冷されることになり、図2のPETの最適結晶化温度に長く保持され、PETの結晶化が進みもろくなるためと考えられる。したがって、冷却バーはシールバーより幅広く設定し、シールエッジ際も急冷することにより改良されると考えられる。
上述したように、PET樹脂層又は混合PET樹脂層は、二軸延伸PETフイルムに押出形成するものであるが、二軸延伸PETフイルムとPET樹脂層又は押出す混合PET樹脂は同種の樹脂であり、押出したPET樹脂層又は混合PET樹脂の熱で二軸延伸PETフイルムの表面が半溶融し、そのまま融着するものである。しかし、ラミネート強度が不足する場合は、二軸延伸PETフイルムにアンカーコート剤をコートし、そのコート面にPET樹脂層又は混合PET樹脂を押出し積層すればラミネート強度を強くすることが出来る。
アンカーコート剤としては、例えば、サカタインクス(株)製『XWL−999』(主剤:ウレタン系ビヒクル+硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート+希釈溶媒:水)がある。
PET樹脂層又は混合PET樹脂層の厚さは、10〜50μmが好ましく、15〜30μmがより好ましい。厚さが10μm未満であると、非晶部分の軟化する量も少なくなるのでシールバーの圧力の不均一やほこり等の異物のかみ込み等によってシールが不均一になる。また、50μmを超えると、コスト的に高くなるだけである。
無機蒸着層は、二軸延伸PETフイルム層に1,000〜5,000Åの厚さで形成されたAl、SiOx等の透明な蒸着層であ。このような無機蒸着層が積層された二軸延伸PETフイルムは、各社から販売されており、例えば、Al蒸着PETフイルムとしては、東レフィルム化工(株)『BARRIALOX』、SiOx蒸着PETフイルムとしては、凸版印刷(株)『GLフィルム』、三井化学東セロ(株)『マックスバリアフイルム』、三菱樹脂(株)『テックバリア』等が上げられる。
図1に示す積層装置を用い、二軸延伸PETフイルム上にPET樹脂とポリエステル系熱可塑性エラストマーの混合PET樹脂を押出し積層した。
まず、繰出しロール1から二軸延伸PETフイルム(東レ株式会社、『ルミラー“S”タイプ』 厚さ:12μm、巾:1000mm)aを繰出し、コロナ放電処理機(巴工業株式会社)2で、濡れ指数42dyne/cm以上となるようにコロナ放電処理を行った。次いで、二軸延伸PETフイルムaのコロナ放電処理面に、ヘリオの彫刻で彫られたグラビアロール(スタイラス角度130°、スクリーン線数90線)3で、アンカーコート剤(サカタインクス株式会社、主剤:ウレタン製ビヒクル16.7.重量%、硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート5.0重量%、水78.3重量%)bを塗工し、乾燥ゾーン4で90℃の熱風を吹き付けながら乾燥させた。
一方、押出機(住友重機械モダン株式会社、『E−115V』L/D:36、吐出量:300kg/hr)5のホッパー6に、140℃で一夜乾燥させたPET樹脂(中華人民共和国、華潤包装材料公司『CR8816』固有粘度:0.815dl/g、水分量50ppm以下、曲げ弾性率2200MPa)93重量%と、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(三菱化学株式会社『プリマロイ、A−1600』、曲げ弾性率150MPa)7重量%とからなる混合PET樹脂を投入し、二軸延伸PETフイルムaのアンカーコート層の塗工面に押出温度280℃で押出し、混合PET樹脂層cを積層し、この混合PET樹脂層c面を金属チルロール7に接触させて急冷して積層加工した。加工速度は120m/minで行なった。この積層した二軸延伸PETフイルム層(12μm)/アンカーコート層/混合PET樹脂層(30μm)からなる二軸延伸PETフイルム積層材dを巻き取り40℃の恒温室で24時間保管し、エージングを行った。
<押出し混合PET樹脂層の非晶部分の割合>
エージングを行った二軸延伸PETフイルム積層材の混合PET樹脂層の表面を工業用カミソリの刃を立てながら掻き取り、測定用サンプルとした。示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社、『DSC220』)でその溶解挙動を測定して、下記の式に基づいて結晶部分の割合を測定し、非晶部分を算定した。
Figure 2020075361
結晶部分:9.8%
非晶部分:100−9.8=90.2%
非晶部分の割合が90.2%であり85%以上であるので、充分なヒートシール性があることが確認された。
<押出し混合PET樹脂層の曲げ弾性率>
二軸延伸PETフイルム積層材の混合PET樹脂層の曲げ弾性率を、下記の式により求めた。
Figure 2020075361
本実施例においては、曲げ弾性率2200MPaのPET樹脂93重量%と、曲げ弾性率150MPaのポリエステル系熱可塑性エラストマー(プリマロイA−1600)7重量%とを混合したものであるので、
曲げ弾性率は、下記の式の通り、1142MPaとなった。
Figure 2020075361
したがって、一般的に使われているレトルトパウチの最内層であるポリプロピレン樹脂層の曲げ弾性率1000〜1200MPaとほぼ同等であることが確認された。
<パウチとしての落下強度の評価>
長辺15.5.cm×短辺11.5cmに裁断した二軸延伸PETフイルム積層材cを2枚用い、シール巾7mmで三方をヒートシールしてパウチを作製した。ヒートシールはJIS Z−1707に準じて、圧力0.2MPa、シール時間1秒間、140℃で行なった。冷却バーはシールバーより5mm程大きくしてシールエッジ際も冷却されるようにした。
作製したパウチの開放している短辺側から水を100ml充填し、ヘッドスペースの空間部にほとんど空気が残らないようにしてヒートシールを行い、水を密封充填した。
一方、板紙を用い、パウチとほぼ同じ大きさの長辺15.51cm×短辺11.51cmで厚さが1.5cmの個箱を作製し、上記の水を密封充填したパウチを収納し、落下強度の評価用サンプルを作製した。
この評価用サンプルを落下試験機を用いて、コンビニエンスストアの一般的な陳列棚の高さ1.6mから垂直方向に1回、水平方向に1回落下させ、水充填パウチの破袋の有無を観察した。落下個数は5個とした。結果を表1に示す。
Figure 2020075361
5個落下させ、垂直落下、水平落下のいずれも破袋は起らなかった。
これはパウチの最内層を形成する押出し混合PET樹脂層に柔軟性を付与した結果、応力集中が分散されたものと考えられる。
1:繰出しロール
2:コロナ放電処理機
3:グラビアロール
4:乾燥ゾーン
5:押出機
6:ホッパー
7:金属チルロール
a:二軸延伸PETフイルム
b:アンカーコート剤
c:混合PET樹脂層
d:二軸延伸PETフイルム積層材
請求項1に係る二軸延伸PETフイルム積層材は、二軸延伸PETフイルム層と、該二軸延伸PETフイルム層に押出し積層された混合PET樹脂層とを有し、該混合PET樹脂層は、下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上であり、かつ固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂70〜98重量%とポリエステル系熱可塑性エラストマー2〜30重量%とで構成されることを特徴として構成されている。
請求項に係る二軸延伸PETフイルム積層材は、二軸延伸PETフイルム層に無機蒸着層が積層されており、該無機蒸着層の厚みが、1,000〜5,000Å(0.1〜0.5μm)であることを特徴として構成されている。
請求項3に係る二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法は、二軸延伸PETフイルムに、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂70〜98重量%とポリエステル系熱可塑性エラストマー2〜30重量%とからなる混合PET樹脂を押出し積層する混合PET樹脂押出工程と、該混合PET樹脂押出工程で形成された混合PET樹脂層を金属チルロールに接触させて急冷させる急冷工程と具備し、前記混合PET樹脂層の下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上であることを特徴として構成されている。
請求項に係る二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法は、二軸延伸PETフイルムとして、厚みが1,000〜5,000Å(0.1〜0.5μm)である無機蒸着層を積層した二軸延伸PETフイルムを用いたことを特徴として構成されている。
請求項1に係る二軸延伸PETフイルム積層材においては、二軸延伸PETフイルム層に、混合PET樹脂層が積層されており、この混合PET樹脂層は、下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上である。
したがって、PEフイルムやPPフイルムと同等のヒートシール性を有しているので、袋体を良好に作製することができるとともに、混合PET樹脂層は、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂70〜98重量%とポリエステル系熱可塑性エラストマー2〜30重量%とで構成されているので、使用済み等の袋体を廃棄することなく回収し、PET樹脂として再利用することができる。
請求項に係る二軸延伸PETフイルム積層材においては、無機蒸着層が積層されているので、高度の酸素バリヤー性、水蒸気バリヤー性を保持することができる。また、この無機蒸着層に用いられる無機材料(例えば、SiOx、Al)はPET樹脂と反応することが無く、また、厚みが1,000〜5,000Å(0.1〜0.5μm)と薄いので、袋体を回収してPET樹脂として再利用する際、PET樹脂の回収作業の妨げとなることが無い。
請求項に係る二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法においては、混合PET樹脂押出工程で形成された混合PET樹脂層を金属チルロールに接触させて急冷させる急冷工程が設けられているので、混合PET樹脂層の最適結晶化温度帯域の通過時間を短くすることができる。したがって、混合PET樹脂層の下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上とすることが出来る。
請求項に係る二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法においては、厚みが1,000〜5,000Å(0.1〜0.5μm)である無機蒸着層を積層した二軸延伸PETフイルムを用いるので、極めて簡単に、無機蒸着層を積層した二軸延伸PETフイルム積層材を製造することができる。

Claims (6)

  1. 二軸延伸PETフイルム層と、該二軸延伸PETフイルム層に押出し積層されたPET樹脂層とを有し、該PET樹脂層の下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上であることを特徴とする二軸延伸PETフイルム積層材。
    Figure 2020075361
  2. 二軸延伸PETフイルム層と、該二軸延伸PETフイルム層に押出し積層された混合PET樹脂層とを有し、該混合PET樹脂層は、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂70〜98重量%とポリエステル系熱可塑性エラストマー2〜30重量%とで構成され、かつ、下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上であることを特徴とする二軸延伸PETフイルム積層材。
    Figure 2020075361
  3. 前記二軸延伸PETフイルム層に無機蒸着層が積層されており、該無機蒸着層の厚みが、1,000〜5,000Å(0.1〜0.5μm)であることを特徴とする請求項1又は2記載の二軸延伸PETフイルム積層材。
  4. 二軸延伸PETフイルムに、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂を押出し積層するPET樹脂押出工程と、該PET樹脂押出工程で形成されたPET樹脂層を金属チルロールに接触させて急冷させる急冷工程とを具備し、前記PET樹脂層の下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上であることを特徴とする請求項2記載の二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法。
    Figure 2020075361
  5. 二軸延伸PETフイルムに、固有粘度が0.75dl/g以上のPET樹脂70〜98重量%とポリエステル系熱可塑性エラストマー2〜30重量%とからなる混合PET樹脂を押出し積層する混合PET樹脂押出工程と、該混合PET樹脂押出工程で形成された混合PET樹脂層を金属チルロールに接触させて急冷させる急冷工程と具備し、前記混合PET樹脂層の下記の式で示される結晶部分が15%未満、非晶部分が85%以上であることを特徴とする二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法。
    Figure 2020075361
  6. 前記二軸延伸PETフイルムとして、厚みが1,000〜5,000Å(0.1〜0.5μm)である無機蒸着層を積層した二軸延伸PETフイルムを用いたことを特徴とする請求項4又は5記載の二軸延伸PETフイルム積層材の製造方法。
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JPS55166248A (en) * 1979-06-11 1980-12-25 Dainippon Printing Co Ltd Polyester film having heat sealing property and its preparation
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