JP2020073623A - シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法、その硬化物からなるシートの製造方法、およびシートを備えるパワーデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐湿性、熱伝導性および可撓性を有する硬化物を形成するのに適した樹脂組成物の製造方法を提供する。【解決手段】アクリル樹脂前駆体及びウレタン樹脂前駆体から選択される少なくとも一種を含む樹脂前駆体と、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子とを含有するシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法であって、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子を製造する粒子製造工程と、得られたシリカ被覆窒化アルミニウム粒子と樹脂前駆体とを混合する混合工程とを有し、粒子製造工程は窒化アルミニウム粒子の表面を特定の有機シリコーン化合物により被覆する第1工程と、有機シリコーン化合物により被覆された窒化アルミニウム粒子を150〜800℃の温度で熱処理する第2工程とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法、その硬化物からなるシートの製造方法、およびシートを備えるパワーデバイスの製造方法に関する。
放熱材料の分野では、高電流化やハイパワー化が進む自動車用途、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)用途などの分野を中心に、熱伝導率の高い高性能な素材の需要が高まっている。パワーモジュール用放熱シート向けなどサーマルインターフェースマテリアル(TIM)に使用される樹脂組成物の充填材として、優れた熱伝導性と電気絶縁性を備えた窒化アルミニウムには、特に大きな期待がかかっている。しかし、電子部品の分野などではハイパワー化と小型化が進み、信頼性の確保が厳しくなってきており、窒化アルミニウムの耐湿性に懸念を生じる可能性が出てきた。すなわち、窒化アルミニウムは水分との反応で、加水分解によりアンモニアを発生し、熱伝導率の低い水酸化アルミニウムに変性してしまう。放熱シート、放熱グリース、電子部品の封止材などに用いられる樹脂組成物に窒化アルミニウムを添加した場合、窒化アルミニウムの加水分解によって発生したアンモニアにより、電子部品の耐湿性に影響を与える可能性がある。
そこで、窒化アルミニウムの耐湿性を向上させるため、これまでに種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、窒化アルミニウム粉末表面にケイ酸エステル層を塗布した後、350〜1000℃の温度で熱処理することにより、Si−Al−O−Nからなる層を表面に形成する方法が記載されている。また、特許文献2には、窒化アルミニウム粉末、シリケート処理剤、およびシランカップリング剤を含む混合物を熱処理することによって得られる、表面に被覆層を形成した窒化アルミニウム粉末が記載されている。また、特許文献3には、窒化アルミニウム粉末に対してシリケート処理剤を所定量含む混合物を調製する工程を含み、90℃を超える温度下で行われる工程を含まない窒化アルミニウム系粉末の製造方法が記載されている。また、特許文献4には、窒化アルミニウム粒子、窒化ホウ素粒子、酸化マグネシウム粒子から選択される粒子の表面が、粒子に対して0.5〜5mg/m2の所定の構造式を有する酸性リン酸エステルによって被覆されている表面修飾粒子が記載されている。
しかしながら、上記の技術では、窒化アルミニウム粒子の耐湿性は改善されるものの十分なレベルではなく、さらには、窒化アルミニウム粒子の耐湿性向上のために形成させた窒化アルミニウム粒子表面の被覆が本来の窒化アルミニウムの熱伝導性を低下させる場合も多い。そのため、このような窒化アルミニウム粒子を添加した樹脂組成物の硬化物についても、その耐湿性および熱伝導性が十分なレベルではないことがある。
また、近年では、樹脂組成物が様々な分野で使用されている。なかでも、可撓性や絶縁性に優れた樹脂組成物の硬化物には、高い耐湿性および熱伝導性を有することが求められている。
本発明の目的は、優れた耐湿性、熱伝導性および可撓性を有する硬化物を形成するのに適したシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法、その硬化物からなるシートの製造方法、およびシートを備えるパワーデバイスの製造方法を提供することである。
本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
[1] アクリル樹脂前駆体及びウレタン樹脂前駆体から選択される少なくとも一種を含む樹脂前駆体と、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子とを含有するシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法であって、
前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子を製造する粒子製造工程と、
前記粒子製造工程で得られた前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子と前記樹脂前駆体とを混合する混合工程とを有し、
前記粒子製造工程は、窒化アルミニウム粒子の表面を下記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物により被覆する第1工程と、
第1工程後の前記有機シリコーン化合物により被覆された窒化アルミニウム粒子を、150〜800℃の温度で熱処理する第2工程とを有し、
前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物中の前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の含有量は、50.0体積%以上90.0体積%以下の範囲内であり、
前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物は、熱伝導率が10.0W/(m・K)以上で且つ体積抵抗率が1.0×1012Ω・cm以上である、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法。
(式(1)中、Rは炭素原子数が4以下のアルキル基を表す。)
[2] 前記窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積(m2/g)から求めた表面積1m2に対して、前記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物を0.1〜1.0mg使用する、上記[1]に記載のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法。
[3] 前記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物が、下記式(2)で示される化合物および下記式(3)で示される化合物の少なくとも一方を含む、上記[1]または[2]に記載のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法。
(式(2)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、R1およびR2の少なくとも一方は水素原子であり、nは0〜10の整数を表す。)
(式(3)中、mは3〜6の整数を表す。)
[4] 前記第1工程を10〜200℃の温度条件下で行う、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法で製造されたシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物を硬化する工程を含む、シートの製造方法。
[6] シートを備えるパワーデバイスの製造方法であって、上記[5]に記載のシートの製造方法によって前記シートを製造する工程を有する、パワーデバイスの製造方法。
[1] アクリル樹脂前駆体及びウレタン樹脂前駆体から選択される少なくとも一種を含む樹脂前駆体と、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子とを含有するシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法であって、
前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子を製造する粒子製造工程と、
前記粒子製造工程で得られた前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子と前記樹脂前駆体とを混合する混合工程とを有し、
前記粒子製造工程は、窒化アルミニウム粒子の表面を下記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物により被覆する第1工程と、
第1工程後の前記有機シリコーン化合物により被覆された窒化アルミニウム粒子を、150〜800℃の温度で熱処理する第2工程とを有し、
前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物中の前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の含有量は、50.0体積%以上90.0体積%以下の範囲内であり、
前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物は、熱伝導率が10.0W/(m・K)以上で且つ体積抵抗率が1.0×1012Ω・cm以上である、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法。
[2] 前記窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積(m2/g)から求めた表面積1m2に対して、前記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物を0.1〜1.0mg使用する、上記[1]に記載のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法。
[3] 前記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物が、下記式(2)で示される化合物および下記式(3)で示される化合物の少なくとも一方を含む、上記[1]または[2]に記載のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法。
[4] 前記第1工程を10〜200℃の温度条件下で行う、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法で製造されたシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物を硬化する工程を含む、シートの製造方法。
[6] シートを備えるパワーデバイスの製造方法であって、上記[5]に記載のシートの製造方法によって前記シートを製造する工程を有する、パワーデバイスの製造方法。
本発明によれば、優れた耐湿性、熱伝導性および可撓性を有する硬化物を形成するのに適したシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法、その硬化物からなるシートの製造方法、およびシートを備えるパワーデバイスの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法は、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子を製造する粒子製造工程と、粒子製造工程で得られたシリカ被覆窒化アルミニウム粒子と、アクリル樹脂前駆体及びウレタン樹脂前駆体から選択される少なくとも一種を含む樹脂前駆体とを混合する混合工程とを有するものであり、粒子製造工程は、窒化アルミニウム粒子の表面を式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物により被覆する第1工程と、第1工程後の有機シリコーン化合物により被覆された窒化アルミニウム粒子を、150〜800℃の温度で熱処理する第2工程とを有する。そして、この製造方法によって、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の含有量が50.0体積%以上90.0体積%以下の範囲内であるシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物であって、この組成物の硬化物の耐湿性、熱伝導性および可撓性が優れる、例えば硬化物の熱伝導率が10.0W/(m・K)以上で且つ体積抵抗率が1.0×1012Ω・cm以上である、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物を得ることができる。
樹脂前駆体とシリカ被覆窒化アルミニウム粒子とを含有するシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物について、その熱伝導率が10.0W/(m・K)以上であり、その体積抵抗率が1.0×1012Ω・cm以上であると、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物は、高い熱伝導性および電気絶縁性を有することができる。このような優れた熱伝導性および電気絶縁性を有する硬化物を形成するのに適したシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物は、詳しくは後述するが、上記粒子製造工程を有する製造方法により得られるシリカ被覆窒化アルミニウム粒子を含有する。
このシリカ被覆窒化アルミニウム粒子の含有量は、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物中で、50.0体積%以上90.0体積%以下、好ましくは60.0体積%以上90.0体積%以下、より好ましくは70.0体積%以上90.0体積%以下の範囲内である。シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の含有量が上記範囲内であると、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の使用時の作業性が良好になり、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物の熱伝導性および電気絶縁性が十分に高くなる。
また、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物の熱伝導性および電気絶縁性は高いほど好ましい。シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物中のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子の含有量が増えるにつれて、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物の熱伝導性および電気絶縁性は増加する。シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物について、その熱伝導率は、10.0W/(m・K)以上である。また、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物の体積抵抗率は、1.0×1012Ω・cm以上である。
以下、本発明を実施形態に基づきさらに詳細に説明する。
以下、本発明を実施形態に基づきさらに詳細に説明する。
<<粒子製造工程>>
粒子製造工程ではシリカ被覆窒化アルミニウム粒子を製造する。粒子製造工程は、窒化アルミニウム粒子の表面を式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物により被覆する第1工程と、第1工程後の有機シリコーン化合物により被覆された窒化アルミニウム粒子を、150〜800℃の温度で熱処理する第2工程とを有する。図1を参照しながら、粒子製造工程について詳細に説明する。図1は、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法の一例を示すフローである。
粒子製造工程ではシリカ被覆窒化アルミニウム粒子を製造する。粒子製造工程は、窒化アルミニウム粒子の表面を式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物により被覆する第1工程と、第1工程後の有機シリコーン化合物により被覆された窒化アルミニウム粒子を、150〜800℃の温度で熱処理する第2工程とを有する。図1を参照しながら、粒子製造工程について詳細に説明する。図1は、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法の一例を示すフローである。
[窒化アルミニウム粒子]
シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の原料として用いられる窒化アルミニウム粒子は、市販品など公知のものを使用することができる。窒化アルミニウム粒子は、どのような製法で得られたものでもよく、例えば、金属アルミニウム粉と窒素またはアンモニアとを直接反応させる直接窒化法や、アルミナを炭素還元しながら窒素またはアンモニア雰囲気下で加熱することで同時に窒化反応を行う還元窒化法などで得られたものなどがある。また、窒化アルミニウム微粒子の凝集体を焼結により顆粒状にした粒子を窒化アルミニウム粒子として用いることができる。特に、体積累計のd50が0.1〜100μm程度の高純度窒化アルミニウムの焼結顆粒を窒化アルミニウム粒子に好適に用いることができる。ここで、高純度窒化アルミニウムとは、酸素含有量が非常に低く、金属不純物も極めて少ない窒化アルミニウムのことである。具体的には、酸素含有量が1質量%以下であり、アルミニウム以外の金属原子の総量が1000質量ppm以下の高純度窒化アルミニウムが、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物に含まれる無機粒子の高い熱伝導性を得るためには好適である。これらの窒化アルミニウム粒子を単独または組み合わせて使用することができる。なお、この酸素含有量は酸素検出用赤外線検出器を付帯する、無機分析装置などで測定できる。具体的には酸素・窒素・水素分析装置(ONH836:LECOジャパン合同会社製)を使用することにより測定することができる。また、アルミニウム以外の金属原子の総質量含有率についてはICP質量分析装置などで測定できる。具体的にはICP質量分析計(ICPMS−2030:株式会社島津製作所製)を使用することにより測定することができる。
シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の原料として用いられる窒化アルミニウム粒子は、市販品など公知のものを使用することができる。窒化アルミニウム粒子は、どのような製法で得られたものでもよく、例えば、金属アルミニウム粉と窒素またはアンモニアとを直接反応させる直接窒化法や、アルミナを炭素還元しながら窒素またはアンモニア雰囲気下で加熱することで同時に窒化反応を行う還元窒化法などで得られたものなどがある。また、窒化アルミニウム微粒子の凝集体を焼結により顆粒状にした粒子を窒化アルミニウム粒子として用いることができる。特に、体積累計のd50が0.1〜100μm程度の高純度窒化アルミニウムの焼結顆粒を窒化アルミニウム粒子に好適に用いることができる。ここで、高純度窒化アルミニウムとは、酸素含有量が非常に低く、金属不純物も極めて少ない窒化アルミニウムのことである。具体的には、酸素含有量が1質量%以下であり、アルミニウム以外の金属原子の総量が1000質量ppm以下の高純度窒化アルミニウムが、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物に含まれる無機粒子の高い熱伝導性を得るためには好適である。これらの窒化アルミニウム粒子を単独または組み合わせて使用することができる。なお、この酸素含有量は酸素検出用赤外線検出器を付帯する、無機分析装置などで測定できる。具体的には酸素・窒素・水素分析装置(ONH836:LECOジャパン合同会社製)を使用することにより測定することができる。また、アルミニウム以外の金属原子の総質量含有率についてはICP質量分析装置などで測定できる。具体的にはICP質量分析計(ICPMS−2030:株式会社島津製作所製)を使用することにより測定することができる。
窒化アルミニウム粒子の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、無定形(破砕状)、球形、楕円形、板状(鱗片状)などが挙げられる。また、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物中に含有させる窒化アルミニウム粒子としては、同じ形状や構造を有する同種の窒化アルミニウム粒子(単一物)だけを用いてもよいが、異なる形状や構造をもつ2種類以上の異種の窒化アルミニウム粒子を種々の割合で混合した窒化アルミニウム粒子の混合物の形で用いることもできる。シリカ被覆窒化アルミニウム粒子はシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物中に分散しているので、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物に対する窒化アルミニウム粒子の体積比(充填量)が大きいほど、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物の熱伝導率が高くなる。そのため、窒化アルミニウム粒子の形状は、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の添加によるシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の粘度上昇の少ない球形に近いことが好ましい。窒化アルミニウム粒子の平均アスペクト比は、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.85以上1.0以下、さらに好ましくは0.9以上1.0以下の範囲内である。ここで、窒化アルミニウム粒子の平均アスペクト比とは、任意に抽出した窒化アルミニウム粒子100個の電子顕微鏡写真像について、それぞれ短径(D1)と長径(D2)を測定し、その比(D1/D2)の相加平均値とする。なお、短径(D1)とは、窒化アルミニウム粒子の電子顕微鏡写真像について、2本の平行線で挟まれた最小長さであり、長径(D2)とは、当該電子顕微鏡写真像について、2本の平行線で挟まれた最大長さである。
本発明で用いられる窒化アルミニウム粒子の体積累計のd50は、好ましくは0.2μm以上200μm以下であり、より好ましくは10μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは10μm以上50μm以下の範囲である。この理由としては0.2μm以上の粒子は、均一なシリカ被覆の形成がし易く、これにより耐湿性向上により効果があるためである。また、200μm以下の粒子であれば、シリカ被覆後の窒化アルミニウム粒子を、パワー系電子部品を搭載する放熱材料のフィラーとして用いる場合に、最小厚みの薄い放熱材料の供給が可能となる。なお、本発明における粒子製造工程では、窒化アルミニウム粒子表面に薄いシリカの被覆層を形成できるので、体積累計のd50が50μm以下の比較的細かい窒化アルミニウム粒子に処理した場合も熱伝導性に与える影響は小さい。
なお、本明細書において、粒子の体積累計のd50とは、ある粒度分布に対して体積累計の積算値が50%となる粒径(体積累計のd50)を示している。具体的には、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置(マイクロトラックMT3300EX2:マイクロトラック・ベル株式会社製)を使用して測定することができる。
[有機シリコーン化合物]
シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の原料として用いられる有機シリコーン化合物は、下記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物である。
(式(1)中、Rは炭素原子数が4以下のアルキル基を表す。)
シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の原料として用いられる有機シリコーン化合物は、下記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物である。
上記式(1)で示される構造は、シリコン原子に直接水素原子が結合した、ハイドロジェンシロキサン単位である。
式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれの形態でもよく、形態に関わらず特に制限なく使用できる。式(1)において、炭素数が4以下のアルキル基であるRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などが好ましく、特に好ましいのはメチル基である。有機シリコーン化合物は、シリコン原子に直接水素原子が結合した、式(1)で示す構造を含む有機シリコーン化合物のオリゴマまたはポリマー等である。
式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれの形態でもよく、形態に関わらず特に制限なく使用できる。式(1)において、炭素数が4以下のアルキル基であるRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などが好ましく、特に好ましいのはメチル基である。有機シリコーン化合物は、シリコン原子に直接水素原子が結合した、式(1)で示す構造を含む有機シリコーン化合物のオリゴマまたはポリマー等である。
式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物としては、例えば、下記式(2)で示される化合物や下記式(3)で示される化合物が好適である。
(式(2)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、R1およびR2の少なくとも一方は水素原子であり、nは0〜10の整数を表す。)
(式(3)中、mは3〜6の整数を表す。)
特に、式(3)におけるmが5である環状ハイドロジェンシロキサンオリゴマが、窒化アルミニウム粒子表面に均一な被膜を形成できる点で優れている。
式(1)で示す構造を含む有機シリコーン化合物の重量平均分子量は好ましくは100〜2000であり、より好ましくは150〜1000であり、さらに好ましくは180〜500の範囲である。この範囲の重量平均分子量成分を添加することで、窒化アルミニウム粒子表面に薄くて均一な被膜を形成しやすい。「重量平均分子量」はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いたポリスチレン換算重量平均分子量であり、具体的にはカラム(ショウデックス (登録商標)LF−804:昭和電工株式会社製)と示差屈折率検出器(ショウデックス(登録商標) RI−71S:昭和電工株式会社製)の組み合わせで測定することができる。
<第1工程>
第1工程では、上記窒化アルミニウム粒子の表面を上記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物により被覆する。
第1工程では、窒化アルミニウム粒子の表面を式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物で被覆することができれば、特に方法は限定されない。第1工程の方法としては、一般的な粉体混合装置を用いて、原料の窒化アルミニウム粒子を撹拌しながら式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物を噴霧などで添加して、乾式混合することで被覆する方法などが挙げられる。粉体混合装置としては、例えば、ヘンシェルミキサー、容器回転型のVブレンダー、ダブルコーン型ブレンダーなどや、混合羽根を有するリボンブレンダー、スクリュー型ブレンダー、密閉型ロータリーキルン、マグネットカップリングを用いた密閉容器の撹拌子による撹拌器などが挙げられる。この時の温度条件は、式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の沸点や蒸気圧にもより、特に限定されるものではないが、好ましい温度としては10〜200℃であり、より好ましくは20〜150℃であり、さらに好ましくは40〜100℃の範囲である。
第1工程では、上記窒化アルミニウム粒子の表面を上記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物により被覆する。
第1工程では、窒化アルミニウム粒子の表面を式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物で被覆することができれば、特に方法は限定されない。第1工程の方法としては、一般的な粉体混合装置を用いて、原料の窒化アルミニウム粒子を撹拌しながら式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物を噴霧などで添加して、乾式混合することで被覆する方法などが挙げられる。粉体混合装置としては、例えば、ヘンシェルミキサー、容器回転型のVブレンダー、ダブルコーン型ブレンダーなどや、混合羽根を有するリボンブレンダー、スクリュー型ブレンダー、密閉型ロータリーキルン、マグネットカップリングを用いた密閉容器の撹拌子による撹拌器などが挙げられる。この時の温度条件は、式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の沸点や蒸気圧にもより、特に限定されるものではないが、好ましい温度としては10〜200℃であり、より好ましくは20〜150℃であり、さらに好ましくは40〜100℃の範囲である。
また、式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の蒸気単独もしくは窒素ガスなどの不活性ガスとの混合物を、静置した窒化アルミニウム粒子表面に付着または蒸着させる方法を用いることもできる。この時の温度条件は、式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の沸点や蒸気圧にもより、特に限定されるものではないが、好ましい温度としては10〜200℃であり、より好ましくは20〜150℃であり、さらに好ましくは40〜100℃の範囲である。さらに必要であれば、系内を加圧させることもできる。この場合に使用できる装置としては、密閉系かつ系内の気体を容易に置換できる装置が好ましく、例えば、スクリュー管瓶、マヨネーズ瓶、デシケーター、CVD装置などを使用できる。撹拌しない場合の処理時間は、長めに取る必要があるが、処理容器を間歇的にバイブレーター上に置くことで、粉体同士が接触して陰になっている場所や、上空気相部から遠い粉体に対しても、位置を動かすことにより効率よく処理できる。小型のスクリュー管瓶であれば間歇的に手で振ることも有効である。
式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の使用量は、特に限定されないが、窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積(m2/g)から求めた表面積1m2に対して0.1〜1.0mgを使用することが好ましく、より好ましくは0.2〜0.8mgの範囲であり、さらに好ましくは0.3〜0.6mgの範囲である。この理由としては、0.1mg以上で被覆率の高い均一なシリカを形成でき、0.8mg以下とすることで熱伝導率を低下させることの少ない薄いシリカ被膜を形成できるためである。なお、BET法による比表面積の測定法としては、JIS Z 8830(2001年)に準じて窒素吸着能から測定することができる。評価装置としては、窒素吸着測定装置(AUTOSORB−1:QUANTACHROME社製)などを用いることができる。
<第2工程>
第2工程では、第1工程後の有機シリコーン化合物により被覆された窒化アルミニウム粒子を、150〜800℃の温度で熱処理する。
第2工程では、第1工程後の有機シリコーン化合物により被覆された窒化アルミニウム粒子を、150〜800℃の温度で熱処理する。
第2工程では、第1工程で得られた、有機シリコーン化合物により被覆された窒化アルミニウム粒子を、所定の温度範囲に保持できるものであれば、一般の加熱炉を使用することができる。第2工程の熱処理工程では、熱処理の初期段階で窒化アルミニウム粒子表面を被覆している式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物が、脱水素反応により、有機シリコーン化合物同士、または窒化アルミニウム粒子表面の水酸基などと結合し、被覆がさらに強固になると考えられる。その後の熱処理で、有機シリコーン化合物の有機基(炭素数4以下のアルキル基)が分解して揮散することにより、窒化アルミニウム粒子表面に、シリカ被覆が形成される。このシリカ被覆は、例えば炭素原子含有率が1000質量ppm未満である。炭素原子含有率が1000質量ppm未満であれば、偏在した炭素粒子が絶縁性などへ影響を与える心配はなく、好ましくは500質量ppm未満であり、より好ましくは300質量ppm未満である。炭素原子含有率の測定は管状電気炉方式による非分散赤外吸収法を用いた炭素・硫黄分析装置などで測定できる。具体的には炭素・硫黄分析装置(Carbon Anlyzer EMIA−821:株式会社堀場製作所製)を使用することにより測定することができる。
第2工程の熱処理温度150〜800℃の範囲で行うことで、耐湿性の良好なシリカ被膜が得られる。第2工程の熱処理温度は、より好ましくは300〜700℃であり、さらに好ましくは500〜600℃の範囲である。この時の処理時間としては30分〜6時間の範囲が好ましく、より好ましくは45分〜4時間であり、さらに好ましくは1〜2時間の範囲である。熱処理温度が150〜800℃の範囲であれば、窒化アルミニウム粒子にシリカの均一な被膜が得られる。また、150℃以上であれば、シリカ被膜は絶縁性に優れたものになるため好ましく、800℃以下であれば、エネルギーコスト的にも有効である。処理時間は30分以上であれば、有機シリコーン化合物の有機基(炭素数4以下のアルキル基)の分解物の残存が実質的になく、窒化アルミニウム粒子表面に炭素原子含有率の非常に少ない被膜が得られる。処理時間を6時間以下とすることで、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子を生産効率よく製造することができる。
第2工程の熱処理の雰囲気については、特に限定されるものではなく、第2工程は空気中で行ってもよいが、不活性ガス中または真空中などの酸素を含まない雰囲気中で行うことが好ましい。この理由としては、窒化アルミニウムの酸化を防止することで、熱伝導率の悪いアルミナに変性することを避けるためである。経済性を考慮すると窒素ガス雰囲気下での熱処理が好ましい。
第2工程の熱処理後に、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子同士が部分的に融着することがある。その場合は、これを解砕することで固着・凝集のないシリカ被覆窒化アルミニウム粒子を得ることができる。解砕に使用する装置は、特に限定されるものではないが、ローラーミル、ハンマーミル、ジェットミル、ボールミルなどの一般的な粉砕機を使用することができる。
第2工程終了後に、第1工程〜第2工程を何回か繰り返し実行することもできる。上記第1工程および第2工程を有する粒子製造工程は、通常の液体処理で行う方法と比較して、均一で薄いシリカ被膜を形成することが可能であるため、第1工程および第2工程を2〜5回程度繰り返して複数回被覆しても、窒化アルミニウム粒子の良好な熱伝導率を発揮させることができる。一方、耐湿性に関しては、被覆の回数と耐湿性には正の相関が認められる。従って実際の用途で求められる耐湿性のレベルに応じて、被覆の回数を自由に選択することができる。
このようにして得られた、窒化アルミニウム粒子がシリカで被覆されているシリカ被覆窒化アルミニウム粒子は、窒化アルミニウム粒子本来の高熱伝導性を維持し、耐湿性にも優れている。
粒子製造工程で得られるシリカ被覆窒化アルミニウム粒子は、シリカに加えて、窒化ホウ素粒子を含む被膜で被覆されていてもよい。シリカ被覆窒化アルミニウム粒子を、シリカに加えて窒化ホウ素粒子を含む被膜で被覆する方法としては、例えば、上記第1工程において、窒化アルミニウム粒子と窒化ホウ素粒子とを撹拌しながら、式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物を噴霧などで添加して、乾式混合することで被覆する方法などが挙げられる。
窒化ホウ素粒子をシリカ被覆窒化アルミニウム粒子の被膜に含ませる目的は二つある。第一の目的は、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子が熱伝導率の高い窒化ホウ素粒子を含むことにより、窒化アルミニウム粒子のシリカ被覆による熱伝導性の低下をより抑制することにある。第二の目的は、第2工程の熱処理後に、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子同士が部分的に融着することがあり、これを解砕する場合に関わるものである。すなわち、解砕時にシリカ被覆窒化アルミニウム粒子同士がほぐれる過程で、窒化アルミニウム粒子と被膜との界面で剥離が生じ、窒化アルミニウム粒子の表面が露出する可能性がある。窒化アルミニウム粒子の露出は加水分解による耐湿性の低下に関わるため、窒化アルミニウム粒子の表面を被覆する被膜の欠損を最小限に抑制する必要がある。そこで、モース硬度が小さく、へき開面に沿って破壊しやすい窒化ホウ素粒子が被膜中に含まれることにより、解砕時に被膜が窒化ホウ素粒子を基点として破断しやすくなり、窒化アルミニウム粒子の表面からの被膜の剥離が抑制されて、個々のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子に容易に分離することができる。窒化ホウ素粒子の含有量は、窒化アルミニウム粒子の100質量部に対し、好ましくは0.1質量部以上10.0質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上7.0質量部以下、さらに好ましくは1.0質量部以上5.0質量部以下の範囲内である。
窒化ホウ素粒子の結晶構造は、特に限定されるものではないが、六方晶系窒化ホウ素粒子が好ましく、粒子形状は鱗片状または顆粒状のどちらでもよいが、鱗片状のものが好ましい。窒化ホウ素粒子の体積累計のd50は、好ましくは0.3μm以上30μm以下、より好ましくは0.5μm以上15μm以下、さらに好ましくは1μm以上5μm以下の範囲内である。窒化ホウ素粒子のd50が0.3μm以上であると、上述の解砕時に破断の基点となる効果を十分に発揮し、窒化ホウ素粒子のd50が30μm以下であると、被膜からの窒化ホウ素粒子の抜け落ちを防ぐことができる。
シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の体積累計のd50は、好ましくは0.2μm以上200μm以下であり、より好ましくは10μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは10μm以上50μm以下の範囲内である。シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の体積累計のd50が上記範囲内であると、パワー系電子部品を搭載する放熱材料にシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物を用いる場合でも、最小厚みの薄い放熱材料の供給が可能となることに加えて、被膜が窒化アルミニウム粒子の表面を均一に被覆しやすいため、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の耐湿性が十分に向上する。
<<混合工程>>
混合工程では、上記粒子製造工程で得られたシリカ被覆窒化アルミニウム粒子と樹脂前駆体とを混合する。
混合工程では、上記粒子製造工程で得られたシリカ被覆窒化アルミニウム粒子と樹脂前駆体とを混合する。
[樹脂前駆体]
樹脂前駆体としては、アクリル樹脂前駆体、ウレタン樹脂前駆体を用いる。アクリル樹脂前駆体の硬化物やウレタン樹脂前駆体の硬化物は、可撓性に優れるため、アクリル樹脂前駆体やウレタン樹脂前駆体を含むシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物は可撓性に優れる。本発明のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法で得られる硬化物は、可撓性に優れるため、例えば、曲率半径を直径1m、好ましくは50cm、より好ましくは30cm、更に好ましくは10cm、特に好ましくは5cmに曲げることが可能である。ここで、樹脂前駆体の硬化物とは、樹脂前駆体の硬化反応によって得られる硬化物、すなわち樹脂である。例えば、アクリル樹脂前駆体の硬化物はアクリル樹脂であり、ウレタン樹脂前駆体の硬化物はウレタン樹脂である。
樹脂前駆体としては、アクリル樹脂前駆体、ウレタン樹脂前駆体を用いる。アクリル樹脂前駆体の硬化物やウレタン樹脂前駆体の硬化物は、可撓性に優れるため、アクリル樹脂前駆体やウレタン樹脂前駆体を含むシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物は可撓性に優れる。本発明のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法で得られる硬化物は、可撓性に優れるため、例えば、曲率半径を直径1m、好ましくは50cm、より好ましくは30cm、更に好ましくは10cm、特に好ましくは5cmに曲げることが可能である。ここで、樹脂前駆体の硬化物とは、樹脂前駆体の硬化反応によって得られる硬化物、すなわち樹脂である。例えば、アクリル樹脂前駆体の硬化物はアクリル樹脂であり、ウレタン樹脂前駆体の硬化物はウレタン樹脂である。
アクリル樹脂前駆体は、硬化してアクリル樹脂が形成されればよい。例えば、アクリル樹脂前駆体は、炭素数30以下、好ましくは炭素数4〜18の直鎖もしくは分岐のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの1種または2種以上を含む。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、ドデシル基などが挙げられる。
また、アクリル樹脂前駆体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸もしくはクロトン酸のようなカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸もしくは無水イタコン酸のような酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルもしくは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートのようなヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸のようなスルホン酸基含有モノマー、または2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートのようなリン酸基含有モノマーなども挙げられる。
また、アクリル樹脂前駆体は、上記の化合物の種類に応じた重合開始剤を含む。
また、ウレタン樹脂前駆体は、硬化してウレタン樹脂が形成されればよい。例えば、ウレタン樹脂前駆体は、ウレタンプレポリマーおよびアミン硬化剤を含む。
ウレタンプレポリマーとしては、例えば、ポリイソシアネート類およびそのブロックされたものが挙げられる。ポリイソシアネート類としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート類(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート)、脂環式ポリイソシアネート類(例えば、水素添加キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート)、芳香族ポリイソシアネート類(例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)、任意の上記ポリイソシアネート類の多価アルコール付加体(例えば、ジオール、低分子量ヒドロキシ基を含有するポリエステル樹脂、水など)、上記ポリイソシアネート類の付加体(例えば、イソシアネート類、ビウレット)およびこれらの混合物などが挙げられる。
アミン硬化剤としては、例えば、芳香族アミン、アルキル−芳香族アミン、アルキル多官能性アミンなどが挙げられ、好ましくは一級アミンである。アミン硬化剤の好ましい例としては、4,4’−メチレンジアニリン、CURITHANE 103(ダウケミカル社製)およびMDA−85(バイエル社製)として知られているものを含む2.1〜4.0個の官能基を有する高分子メチレンジアニリン、1,5−ジアミン−2−メチルペンタン、トリス(2−アミノエチル)アミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(すなわちイソホロンジアミン)、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート、ビス(o−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−メチレンビス(ジメチルアントラニレート)、ビス(4−アミノ−3−エチルフェニル)メタン、およびビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタンなどが挙げられる。
このような樹脂前駆体を、上記粒子製造工程で得られたシリカ被覆窒化アルミニウム粒子と混合する。これにより、樹脂前駆体とシリカ被覆窒化アルミニウム粒子とを含有するシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物が得られる。
作業性をよくするために溶剤を用いることができる。溶剤としては特に限定するものではないが、ケトン系溶剤のアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、エーテル系溶剤の1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、グリコールエーテル系溶剤のメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、その他ベンジルアルコール、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミドなどを単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
得られるシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物をシート状に形成するためには、シート形状を保持するシート形成性が必要になる。このようにシート形成性を得るために、混合工程において、高分子量成分を添加することができる。高分子量成分としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、アクリルゴム等が挙げられ、その中でも、耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂、ポリカルボジイミド樹脂などが好ましく、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリルゴムがより好ましい。これらは、単独または2種以上の混合物や共重合体として使用することができる。
高分子量成分の分子量としては、10,000〜100,000の重量平均分子量が好ましく、さらに好ましくは20,000〜50,000の範囲である。この範囲の重量平均分子量成分を添加することで、取り扱い性のよい良好なシート形状を保持することができる。高分子量成分の添加量は、特に限定されないが、シート性状を保持するためには、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%であり、さらに好ましくは2〜10質量%の範囲である。0.1〜20質量%の添加量で取り扱い性もよく、良好なシート形成性や膜形成性が得られる。
また、混合工程において、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子以外に通常使用される窒化ホウ素、アルミナ、シリカ、酸化亜鉛などのフィラーを併用してもよい。この場合の窒化ホウ素やシリカとは、上記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の被膜中に含まれる窒化ホウ素やシリカとは異なる。
シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物において、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子を含むフィラーの総含有量は50〜95体積%であり、好ましくは60〜90体積%であり、さらに好ましくは70〜90体積%の範囲である。フィラーの総含有量が50体積%以上であれば良好な放熱性を発揮でき、95体積%以下であれば樹脂組成物の使用時に良好な作業性が得られる。
シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の含有量は、フィラーの総含有量の30〜100体積%が好ましく、より好ましくは40〜100体積%であり、さらに好ましくは50〜100体積%の範囲である。フィラーの総含有量の30体積%以上で良好な放熱性を発揮できる。
また、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物は、反応促進剤、分散安定剤などの添加剤を含んでもよい。
混合する工程は特に限定されないが、樹脂前駆体、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子、及びその他に必要に応じて用いるその他の成分を、一括または分割して、らいかい器、プラネタリーミキサー、自転・公転ミキサー、ニーダー、ロールミルなどの分散・溶解装置を単独または適宜組み合わせ、必要に応じて加熱して混合、溶解、混練する方法が挙げられる。
上記製造方法により得られたシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物を、熱や光で硬化させることで、硬化物が得られる。上記製造方法により得られたシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物を硬化させることで、熱伝導率が10.0W/(m・K)以上で且つ体積抵抗率が1.0×1012Ω・cm以上である硬化物が得られる。硬化物について、その熱伝導率が10.0W/(m・K)以上であり、その体積抵抗率が1.0×1012Ω・cm以上であると、上述のとおり、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物は、高い熱伝導性および電気絶縁性を有することができる。
この硬化物は、シートなど、様々な形態で使用することができる。シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物からなるシートは、パワーデバイス、パワーモジュールなどのサーマルインターフェースマテリアル(TIM)に好適に用いることができる。
シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物からなるシートを製造する場合には、例えば次の方法を用いることができる。まず、基材フィルムで両面を挟む形でシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物を圧縮プレスなどで成形することや、基材フィルム上にシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物をバーコーター、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーター、コンマコーターなどの装置を用いて塗布する。続いて、成形または塗布されたシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物を加熱して、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物からなるシートが得られる。このときの加熱温度は、樹脂前駆体の種類等に応じて適宜設定される。
シート状の硬化物の製造時に使用する基材フィルムは、硬化物の製造時の加熱などの条件に耐えうるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは2種以上組み合わせた多層フィルムであってもよく、表面がシリコーン系などの離型剤処理されたものであってもよい。基材フィルムの厚さは10〜100μmが好ましい。
硬化物からなるシートの厚さは、好ましくは20μm以上500μm以下、より好ましくは50μm以上200μm以下の範囲内である。シートの厚さが上記範囲内であると、均一な組成のシートが容易に得られやすく、良好な放熱性が得られる。
以上説明した実施形態によれば、優れた耐湿性、熱伝導性および可撓性を有する硬化物を形成するのに適したシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物、その硬化物からなるシート、およびシートを備えるパワーデバイスを提供することができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
次に、実施例および比較例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の作製]
(作製例1)
第1工程は、板厚20mmのアクリル製で内寸法が260mm×260mm×100mmであり、貫通孔を有する仕切りで上下二段に分けられた構造の真空デシケーターを使用して、窒化アルミニウム粒子の表面被覆を行う。前記真空デシケーターの上段に、体積累計のd50が3μm、BET法による比表面積が2.4m2/gの窒化アルミニウム粒子−A(JM:東洋アルミニウム社製)約30gをステンレス製トレーに均一に広げて静置する。次に、前記真空デシケーターの下段には、有機シリコーン化合物−A(環状メチルハイドロジェンシロキサン4量体:東京化成工業社製)を10g、ガラス製シャーレに入れて静置する。その後、真空デシケーターを閉じ、80℃のオーブンで30時間加熱を行う。なお、反応により発生する水素ガスを、真空デシケーターに付随する開放弁から逃がすなどの安全対策を取って操作を行う。第1工程終了後に窒化アルミニウム粒子表面を被覆した式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の被覆量は、窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積から求めた表面積1m2に対して0.33mgである。第1工程を終了後したサンプルを650℃、1.5時間の条件で第2工程の熱処理を行うことで、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子1を得る。
(作製例1)
第1工程は、板厚20mmのアクリル製で内寸法が260mm×260mm×100mmであり、貫通孔を有する仕切りで上下二段に分けられた構造の真空デシケーターを使用して、窒化アルミニウム粒子の表面被覆を行う。前記真空デシケーターの上段に、体積累計のd50が3μm、BET法による比表面積が2.4m2/gの窒化アルミニウム粒子−A(JM:東洋アルミニウム社製)約30gをステンレス製トレーに均一に広げて静置する。次に、前記真空デシケーターの下段には、有機シリコーン化合物−A(環状メチルハイドロジェンシロキサン4量体:東京化成工業社製)を10g、ガラス製シャーレに入れて静置する。その後、真空デシケーターを閉じ、80℃のオーブンで30時間加熱を行う。なお、反応により発生する水素ガスを、真空デシケーターに付随する開放弁から逃がすなどの安全対策を取って操作を行う。第1工程終了後に窒化アルミニウム粒子表面を被覆した式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の被覆量は、窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積から求めた表面積1m2に対して0.33mgである。第1工程を終了後したサンプルを650℃、1.5時間の条件で第2工程の熱処理を行うことで、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子1を得る。
(作製例2)
作製例1の原料に用いた窒化アルミニウム粒子−Aを体積累計のd50が16μm、BET法による比表面積が0.5m2/gの窒化アルミニウム粒子−B(TFZ−N15P:東洋アルミニウム社製)に置き換える以外は、作製例1と同様にして、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子2を作製する。なお、第1工程終了後に窒化アルミニウム粒子表面を被覆した式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の被覆量は、窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積から求めた表面積1m2に対して0.70mgである。
作製例1の原料に用いた窒化アルミニウム粒子−Aを体積累計のd50が16μm、BET法による比表面積が0.5m2/gの窒化アルミニウム粒子−B(TFZ−N15P:東洋アルミニウム社製)に置き換える以外は、作製例1と同様にして、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子2を作製する。なお、第1工程終了後に窒化アルミニウム粒子表面を被覆した式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の被覆量は、窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積から求めた表面積1m2に対して0.70mgである。
(作製例3)
作製例1の原料に用いた窒化アルミニウム粒子−Aを体積累計のd50が50μm、BET法による比表面積が0.07m2/gの窒化アルミニウム粒子−C(FAN−f50−A1:古河電子株式会社製)に置き換える以外は、作製例1と同様にして、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子3を作製する。なお、第1工程終了後に窒化アルミニウム粒子表面を被覆した式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の被覆量は、窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積から求めた表面積1m2に対して0.71mgである。
作製例1の原料に用いた窒化アルミニウム粒子−Aを体積累計のd50が50μm、BET法による比表面積が0.07m2/gの窒化アルミニウム粒子−C(FAN−f50−A1:古河電子株式会社製)に置き換える以外は、作製例1と同様にして、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子3を作製する。なお、第1工程終了後に窒化アルミニウム粒子表面を被覆した式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の被覆量は、窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積から求めた表面積1m2に対して0.71mgである。
(作製例4)
作製例2の原料に用いた有機シリコーン化合物−Aを、式(2)で示されるR1がメチル基であり、R2が水素であり、nが1である有機シリコーン化合物−B(製品名LS−8150:信越化学工業株式会社製)に置き換える以外は、作製例2と同様にして、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子4を作製する。なお、第1工程終了後に窒化アルミニウム粒子表面を被覆した式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の被覆量は、窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積から求めた表面積1m2に対して0.56mgである。
作製例2の原料に用いた有機シリコーン化合物−Aを、式(2)で示されるR1がメチル基であり、R2が水素であり、nが1である有機シリコーン化合物−B(製品名LS−8150:信越化学工業株式会社製)に置き換える以外は、作製例2と同様にして、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子4を作製する。なお、第1工程終了後に窒化アルミニウム粒子表面を被覆した式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の被覆量は、窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積から求めた表面積1m2に対して0.56mgである。
(比較作製例1)
作製例1と原材料及び工程条件も同じに第1工程までの処理を行い、その後の第2工程の熱処理は行わず、被覆窒化アルミニウム粒子5を作製する。なお、第1工程終了後に窒化アルミニウム粒子表面を被覆した式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の被覆量は、窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積から求めた表面積1m2に対して0.35mgである。
作製例1と原材料及び工程条件も同じに第1工程までの処理を行い、その後の第2工程の熱処理は行わず、被覆窒化アルミニウム粒子5を作製する。なお、第1工程終了後に窒化アルミニウム粒子表面を被覆した式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物の被覆量は、窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積から求めた表面積1m2に対して0.35mgである。
(比較作製例2)
作製例2に原料として用いた窒化アルミニウム粒子−Bであり、作製例の全ての工程を経ていない未処理品である。
作製例2に原料として用いた窒化アルミニウム粒子−Bであり、作製例の全ての工程を経ていない未処理品である。
[炭素原子含有量の測定]
粒子の炭素原子含有量の測定は管状電気炉方式による非分散赤外吸収法を用いた炭素・硫黄分析装置(Carbon Anlyzer EMIA-821:株式会社堀場製作所製)により測定する。シリカ被覆窒化アルミニウム粒子1〜4、被覆窒化アルミニウム粒子5及び窒化アルミニウム粒子−Bの測定結果を表1に示す。
粒子の炭素原子含有量の測定は管状電気炉方式による非分散赤外吸収法を用いた炭素・硫黄分析装置(Carbon Anlyzer EMIA-821:株式会社堀場製作所製)により測定する。シリカ被覆窒化アルミニウム粒子1〜4、被覆窒化アルミニウム粒子5及び窒化アルミニウム粒子−Bの測定結果を表1に示す。
[粒子の耐湿性]
粒子の耐湿性評価は、50mlのサンプル管にpH4に調整した塩酸水溶液を17gと粒子3gとを投入して密封した後、振とう式高温槽で60℃、80rpm、2時間の条件で振とうし、静置後室温まで冷却し、上澄み液のアンモニア濃度を、25℃の温度条件でアンモニア電極を用いて(アンモニア電極5002A:株式会社堀場製作所製)測定する。シリカ被覆窒化アルミニウム粒子1〜4、被覆窒化アルミニウム粒子5及び窒化アルミニウム粒子−Bの測定結果を表1に示す。
これらの結果から、特定の方法で製造したシリカ被覆窒化アルミニウム粒子1〜4は窒化アルミニウム粒子の耐湿性を格段に向上できることが分かる。また、窒化アルミニウム粒子を有機シリコーン被覆したものに関して、耐湿性と炭素原子含有量との間に密接な関係があると考えられる。すなわち、炭素原子含有量が低いことは、有機シリコーン被膜が無機のシリカ被膜に変化することによるため、この被覆の膜質の違いが耐湿性を大幅に向上させると推察できる。
粒子の耐湿性評価は、50mlのサンプル管にpH4に調整した塩酸水溶液を17gと粒子3gとを投入して密封した後、振とう式高温槽で60℃、80rpm、2時間の条件で振とうし、静置後室温まで冷却し、上澄み液のアンモニア濃度を、25℃の温度条件でアンモニア電極を用いて(アンモニア電極5002A:株式会社堀場製作所製)測定する。シリカ被覆窒化アルミニウム粒子1〜4、被覆窒化アルミニウム粒子5及び窒化アルミニウム粒子−Bの測定結果を表1に示す。
これらの結果から、特定の方法で製造したシリカ被覆窒化アルミニウム粒子1〜4は窒化アルミニウム粒子の耐湿性を格段に向上できることが分かる。また、窒化アルミニウム粒子を有機シリコーン被覆したものに関して、耐湿性と炭素原子含有量との間に密接な関係があると考えられる。すなわち、炭素原子含有量が低いことは、有機シリコーン被膜が無機のシリカ被膜に変化することによるため、この被覆の膜質の違いが耐湿性を大幅に向上させると推察できる。
(実施例1〜5及び比較例1〜2)
[粒子分散樹脂組成物およびその硬化物(樹脂シート)の製造]
表2に記載した種類及び質量部の粒子及び樹脂前駆体成分を、粒子の含有量が70体積%になるように溶剤と共に配合した配合物を調整する。なお、粒子の含有量(体積%)は、粒子の理論密度を3.26g/cm3、溶剤以外の樹脂前駆体成分の理論密度を1.17g/cm3として計算する。調整した配合物を、自公転ミキサーに投入して2,000rpm、30秒の条件で混合物(粒子分散樹脂組成物)を調整する。
なお、樹脂前駆体成分として、実施例1〜4及び比較例1〜2では、アクリル樹脂前駆体成分(メタクリル酸メチル(MMA)100質量部、過酸化ベンゾイル0.5質量部をメチルエチルケトンに溶解して得られた溶液)を用い、実施例5では、ウレタン樹脂前駆体(ウレタンプレポリマー(Chemtura CorporationのADIPRENE BL16)72.3%、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)の42質量%PMA溶液 26.8%及びビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン0.9%の混合物。)を用いる。
得られた実施例及び比較例の混合物を、コーターを用いて450μm厚さのシートにする。その後、乾燥機で常圧60℃、1時間乾燥し、さらに減圧下60℃、10分間乾燥を行う。得られたシートを温度90℃の等速熱ロールに通過させる。等速熱ロールでは450μm、400μm、350μmの三段階の間隙を通過させてシート厚さを均一にする。最後にシートを熱硬化させて、シート状の硬化物を得る。該熱硬化条件は、アクリル樹脂前駆体を用いた実施例1〜4及び比較例1〜2では、50℃で5時間加熱、ウレタン樹脂前駆体を用いた実施例5では、127℃で20分間加熱の条件とする。
[粒子分散樹脂組成物およびその硬化物(樹脂シート)の製造]
表2に記載した種類及び質量部の粒子及び樹脂前駆体成分を、粒子の含有量が70体積%になるように溶剤と共に配合した配合物を調整する。なお、粒子の含有量(体積%)は、粒子の理論密度を3.26g/cm3、溶剤以外の樹脂前駆体成分の理論密度を1.17g/cm3として計算する。調整した配合物を、自公転ミキサーに投入して2,000rpm、30秒の条件で混合物(粒子分散樹脂組成物)を調整する。
なお、樹脂前駆体成分として、実施例1〜4及び比較例1〜2では、アクリル樹脂前駆体成分(メタクリル酸メチル(MMA)100質量部、過酸化ベンゾイル0.5質量部をメチルエチルケトンに溶解して得られた溶液)を用い、実施例5では、ウレタン樹脂前駆体(ウレタンプレポリマー(Chemtura CorporationのADIPRENE BL16)72.3%、4,4’−メチレンビス(2−エチルアニリン)の42質量%PMA溶液 26.8%及びビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン0.9%の混合物。)を用いる。
得られた実施例及び比較例の混合物を、コーターを用いて450μm厚さのシートにする。その後、乾燥機で常圧60℃、1時間乾燥し、さらに減圧下60℃、10分間乾燥を行う。得られたシートを温度90℃の等速熱ロールに通過させる。等速熱ロールでは450μm、400μm、350μmの三段階の間隙を通過させてシート厚さを均一にする。最後にシートを熱硬化させて、シート状の硬化物を得る。該熱硬化条件は、アクリル樹脂前駆体を用いた実施例1〜4及び比較例1〜2では、50℃で5時間加熱、ウレタン樹脂前駆体を用いた実施例5では、127℃で20分間加熱の条件とする。
[熱伝導率の測定]
実施例および比較例で得られた硬化物について、レーザーフラッシュ法熱拡散率測定装置(LFA447 NanoFlash:NETZSCH社製)により熱拡散率を測定し、それにそれぞれの硬化物の比熱と密度の理論値を掛けることにより算出した値を、硬化物の厚み方向の熱伝導率とする。熱拡散率測定用のサンプルは10mm×10mmのサイズに切り出し、イオンコーター(IB−3:株式会社エイコー製)を用いて両面に金コーティングを施した後、さらに両面をグラファイトコーティングしたものを使用する。なお、各実施例および比較例の硬化物の比熱は、窒化アルミニウムの理論比熱を0.73J/g・K、樹脂成分の理論比熱を1.80J/g・Kとして計算する。また、各実施例および比較例の硬化物の密度は、窒化アルミニウムの理論密度を3.26g/cm3、樹脂成分の理論密度を1.17g/cm3として計算する。熱伝導率の結果を表2に示す。
実施例および比較例で得られた硬化物について、レーザーフラッシュ法熱拡散率測定装置(LFA447 NanoFlash:NETZSCH社製)により熱拡散率を測定し、それにそれぞれの硬化物の比熱と密度の理論値を掛けることにより算出した値を、硬化物の厚み方向の熱伝導率とする。熱拡散率測定用のサンプルは10mm×10mmのサイズに切り出し、イオンコーター(IB−3:株式会社エイコー製)を用いて両面に金コーティングを施した後、さらに両面をグラファイトコーティングしたものを使用する。なお、各実施例および比較例の硬化物の比熱は、窒化アルミニウムの理論比熱を0.73J/g・K、樹脂成分の理論比熱を1.80J/g・Kとして計算する。また、各実施例および比較例の硬化物の密度は、窒化アルミニウムの理論密度を3.26g/cm3、樹脂成分の理論密度を1.17g/cm3として計算する。熱伝導率の結果を表2に示す。
[体積抵抗率の測定]
実施例および比較例で得られた各粒子分散樹脂組成物の硬化物について、試験片を切り出し、両端面に銀ペーストを全面塗布し、室温で乾燥した後に、テスターで該両端面間の抵抗値(RL:単位Ω)を測定し、体積抵抗率R(単位:Ωcm)を、次式より算出する。
R=RL×AL/L
(式中、ALは、試験片の断面積(単位:cm2)を、Lは、試験片の長さ(単位:cm)を意味する。)
体積抵抗率の結果を表2に示す。
実施例および比較例で得られた各粒子分散樹脂組成物の硬化物について、試験片を切り出し、両端面に銀ペーストを全面塗布し、室温で乾燥した後に、テスターで該両端面間の抵抗値(RL:単位Ω)を測定し、体積抵抗率R(単位:Ωcm)を、次式より算出する。
R=RL×AL/L
(式中、ALは、試験片の断面積(単位:cm2)を、Lは、試験片の長さ(単位:cm)を意味する。)
体積抵抗率の結果を表2に示す。
表2から、実施例1〜5の粒子分散樹脂組成物(シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物)の硬化物について、熱伝導率が10.0W/(m・K)以上であり、体積抵抗率が1.0×1012Ω・cm以上である。また、実施例1〜5の粒子分散樹脂組成物(シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物)の硬化物について、窒化アルミニウム粒子を用いた比較例2と比較して、同等レベルの良好な熱伝導率および体積抵抗率を示す。
また、実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれについて、耐湿性の指標の1つである硬化物のアンモニア濃度について上記と同様にして測定した結果、表1に示す粒子のアンモニア濃度と同様な挙動を示す。すなわち、実施例1〜5の硬化物は、良好な耐湿性を有する。
また、用いたアクリル樹脂前駆体の硬化物およびウレタン樹脂前駆体の硬化物は、可撓性に優れるため、これらアクリル樹脂前駆体またはウレタン樹脂前駆体を含む実施例1〜5のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物は可撓性に優れている。
また、実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれについて、耐湿性の指標の1つである硬化物のアンモニア濃度について上記と同様にして測定した結果、表1に示す粒子のアンモニア濃度と同様な挙動を示す。すなわち、実施例1〜5の硬化物は、良好な耐湿性を有する。
また、用いたアクリル樹脂前駆体の硬化物およびウレタン樹脂前駆体の硬化物は、可撓性に優れるため、これらアクリル樹脂前駆体またはウレタン樹脂前駆体を含む実施例1〜5のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物は可撓性に優れている。
Claims (6)
- アクリル樹脂前駆体及びウレタン樹脂前駆体から選択される少なくとも一種を含む樹脂前駆体と、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子とを含有するシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法であって、
前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子を製造する粒子製造工程と、
前記粒子製造工程で得られた前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子と前記樹脂前駆体とを混合する混合工程とを有し、
前記粒子製造工程は、窒化アルミニウム粒子の表面を下記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物により被覆する第1工程と、
第1工程後の前記有機シリコーン化合物により被覆された窒化アルミニウム粒子を、150〜800℃の温度で熱処理する第2工程とを有し、
前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物中の前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子の含有量は、50.0体積%以上90.0体積%以下の範囲内であり、
前記シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の硬化物は、熱伝導率が10.0W/(m・K)以上で且つ体積抵抗率が1.0×1012Ω・cm以上である、シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法。
- 前記窒化アルミニウム粒子のBET法による比表面積(m2/g)から求めた表面積1m2に対して、前記式(1)で示される構造を含む有機シリコーン化合物を0.1〜1.0mg使用する、請求項1に記載のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法。
- 前記第1工程を10〜200℃の温度条件下で行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法で製造されたシリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物を硬化する工程を含む、シートの製造方法。
- 請求項5に記載のシートの製造方法によって前記シートを製造する工程を有する、パワーデバイスの製造方法。
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JP2018243240A JP2020073623A (ja) | 2018-12-26 | 2018-12-26 | シリカ被覆窒化アルミニウム粒子分散樹脂組成物の製造方法、その硬化物からなるシートの製造方法、およびシートを備えるパワーデバイスの製造方法 |
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-
2018
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WO2022215326A1 (ja) * | 2021-04-08 | 2022-10-13 | 昭和電工株式会社 | 熱伝導性ウレタン樹脂組成物及び硬化物 |
JP7315107B2 (ja) | 2021-04-08 | 2023-07-26 | 株式会社レゾナック | 熱伝導性ウレタン樹脂組成物及び硬化物 |
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