JP2020073457A - アルミナ粒子材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】形状の変化を抑制しながら粒子材料をα相に相転移できるアルミナ粒子材料の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。【解決手段】粒子材料を真球度を概ね保ったままα化する方法である。α化の進行速度が一定以上であると、粒子材料が変形し真球度が低下するとの知見に基づき完成した。α化の進行抑制は(i)加熱温度を低くする方法と(ii)α化速度を低下するケイ素含有化合物を用いる方法とを見出した。(i)の加熱温度を低くする方法では単純に温度を低下させるとα相の割合が低い状態ではα化が進行しないことが明らかになったため最初に粒子材料の一部をα化した後に温度を低下させることによりその後のα化の進行をゆっくり行うことが可能になった。(ii)の方法ではケイ素含有化合物の含有量を適正に制御することによりα化の進行速度を適正に制御することが可能になった。【選択図】図2

Description

本発明は、真球性の高いアルミナ粒子材料及びその製造方法に関する。
半導体の封止材などの実装材料としては樹脂中にフィラーを分散させた樹脂組成物が汎用されている。フィラーを分散させることにより実装材料の物理的特性が向上する。
フィラーの形態としては真球に近い方が、流動性、充填性、摩耗性等の観点から好ましいことが知られている(従来のαアルミナの例として図3:スミコランダムAA3、住友化学工業株式会社製)。フィラーとしてはシリカやアルミナが汎用されるが、特にアルミナが熱伝導性に優れるという利点がある(特許文献1など)。
特開2001-019425号公報 特開2016-028993号公報
ところで、アルミナの結晶構造としてはα相の熱伝導性が高いが、α相アルミナからなる真球状の粒子材料を製造することは困難である(特許文献2など)。真球のアルミナを製造するにはVMC法(爆燃法)による方法があるが、VMC法では非晶質のアルミナが形成されるため、α相への相転移を行う必要がある。α相に相転移させるためにはある温度以上に加熱する必要があるが、その相転移に伴って粒子材料の形状が変化して真球形状を保つことができなかったり、粒子材料間で融着したりする問題があった(代表的な例として図1)。特に粒径が小さい場合にはα化した後に真球度を向上することは不可能であ
った。
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり、形状の変化を抑制しながら粒子材料をα相に相転移できるアルミナ粒子材料の製造方法及び真球度とα化度が高いアルミナ粒子材料を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明のアルミナ粒子材料の製造方法は真球度が0.9以上であるアルミナ粒子材料を真球度を概ね保ったままα化する方法である(代表的な例として図2)。α化の進行速度が一定以上であると、粒子材料が変形し真球度が低下するとの知見に基づき完成したものである。
α化の進行速度を抑制する方法として(i)加熱温度を低くする方法と(ii)α化速度を低下する元素であるケイ素を含む化合物であるケイ素含有化合物を用いる方法とを見出した。
(i)の加熱温度を低くする方法では単純に温度を低下させるとα相の割合が低い状態ではα化が進行しないことが明らかになったため最初に粒子材料の一部をα化した後に温度を低下させることによりその後のα化の進行をゆっくり行うことが可能になった。α化の進行は最初はゆっくり進むことを明らかにしており、α化が低い状態で中断することが可能であるが、そのままの条件で加熱を続けると一気にα化が進行してしまうことが分かったためα化の割合が低い状態でα化の進行を中断した後、それより低い温度にて加熱することでその後のα化の速度を制御可能な程度にまで低下することに成功した。中断後の温度としてはα相が存在しない場合では殆どα化が進行しない温度であったとしても、一度生成したα相を種としてα化が進行できる。
(ii)の方法ではケイ素含有化合物の含有量を適正に制御することによりα化の進行速度を適正に制御することが可能になった。また、ケイ素含有化合物に加えて特定の窒素化合物を共存させることによりα化の進行速度を向上できるため、α化の進行を適正に制御することが可能である。
(1)本発明のアルミナ粒子材料の製造方法は特に上記(i)知見に基づき完成したものである。すなわち、本発明のアルミナ粒子材料の製造方法は、真球度が0.9以上でアルミナを主成分とする粒子材料と、1200℃超の温度でα相が10%以上40%以下になるまで加熱する前処理工程と、前記前処理工程での加熱温度より低く且つ1225℃未満1150℃超の温度で加熱して真球度が0.9以上のα化アルミナ粒子材料にするα化工程とを有する。
前処理工程として1200℃以上の高温で加熱することにより速やかにアルミナ粒子材料のα化が進行する。ここで、前処理工程の終了条件として粒子材料の少しがα相になることを規定する。α化は初期段階では容易に停止できるからである。その後、α化工程として前処理工程よりも低い温度で加熱することでα化を更に進行させる。低い温度でもα化が進行するのは前処理工程で生成したα相が起点となって更なるα化が進行するからである。
(2)ここで(1)において前記前処理工程は1220℃以上の温度で加熱する工程であることが好ましい。この温度範囲にすることによりα相の生成が制御可能な範囲で確実に進行できる。
(3)先述の(1)及び/又は(2)において前記α化工程はα化率90%以下で終えることが好ましい。α化の進行をこの範囲にすることで粒子材料の変形が抑制できる。
(4)本発明のアルミナ粒子材料の製造方法は上記(ii)の知見に基づくものである。すなわち、本発明のアルミナ粒子材料の製造方法は、真球度が0.9以上でアルミナを主成分とする粒子材料と、前記粒子材料の表面積を基準として、6.4μmol/m未満0μmol/m超のケイ素原子を有するケイ素含有化合物とを混合して混合物とする混合工程と、前記混合物を1200℃超1325℃以下で加熱して真球度が0.9以上のα化アルミナ粒子材料にする第2α化工程とを有する。
ケイ素含有化合物を上述の範囲で含有させることでα化の進行速度を適正な速度に制御可能にできるから粒子材料の変形が抑制できる。
(5)本発明のアルミナ粒子材料の製造方法は上記(ii)の知見に基づくものである。すなわち、本発明のアルミナ粒子材料の製造方法は、真球度が0.9以上でアルミナを主成分とする粒子材料と、ケイ素原子を有するケイ素含有化合物と、前記ケイ素含有化合物と同一でもよく且つ加熱によりNH結合をもつ化合物を放出する含窒素化合物とを混合して混合物とする第2混合工程と、前記混合物を1200℃超1325℃以下で加熱して真球度が0.9以上のα化アルミナ粒子材料にする第2α化工程とを有する。
ケイ素含有化合物を上述の範囲で含有させることでα化の進行速度を適正な速度に制御可能にできるから粒子材料の変形が抑制できるとの(4)に開示の発明の効果を発揮することができると共に、更に含窒素化合物を含有させることでα化の進行速度を精密に制御可能としたものである。
(6)ここで、上述の(4)、(5)の発明における前記ケイ素含有化合物は、側鎖の一部が水素であるポリシロキサン化合物、粒径が100nm以下のシリカ粒子、ヘキサメチルジシラザンのうちの1つ以上であることが好ましい。
(7)本発明のアルミナ粒子材料は、粒径が500μm以下且つ真球度が0.9以上であって、α相アルミナを主成分とするα化アルミナ粒子材料からなる。
粒径が大きいアルミナ粒子材料であればα化した後に真球度を向上することも機械的な加工により可能かも知れないが、粒径が小さい(500μm以下)と真球度の向上は不可能である。特に粒径が50μm以下である場合は機械的加工による真球度の向上の実現可能性は考えられない。
真球状のアルミナ粒子を加熱することで融着した試料についてのSEM写真である。 真球状のアルミナ粒子を加熱しても融着していない試料についてのSEM写真である。 市販のアルミナ粒子のSEM写真である。 実施例の試験7における融着していないアルミナ粒子についてのSEM写真である。 実施例の試験7における融着しているアルミナ粒子についてのSEM写真である。
本発明のアルミナ粒子材料及びその製造方法について以下実施形態に基づき詳細に説明を行う。なお、本実施形態のアルミナ粒子材料の製造方法は本実施形態のアルミナ粒子材料の製造に適した方法ではあるが本実施形態のアルミナ粒子材料のみを製造する方法ではない。例えば本実施形態のアルミナ粒子材料の粒径は500μm以下であるが、本実施形態のアルミナ粒子材料の製造方法は粒径500μm超の粒子材料に適用しても効果的にその形態を保ったままα化を進行することができる。
本実施形態のアルミナ粒子材料はα化度が高いと共に真球度の高い材料である。樹脂組成物のフィラーに採用する場合に高い熱伝導性を発揮できるほか、フィラーの充填性、樹脂組成物の流動性の向上、フィラーによる摩耗性の低減といった効果等が期待される。
本実施形態のアルミナ粒子材料の製造方法は上述した(i)及び(ii)の2つの形態に大きく分類される。真球度が高くα化度が低いアルミナからなる粒子材料から真球度は高いままα化度が高いアルミナ粒子材料を製造する方法である。なお、2つの形態は排他的なものでは無く両立可能である。最終的に製造されるアルミナ粒子材料のα化率は特に限定しないが50%以上、60%以上、70%以上とすることが好ましい。なお、本実施形態のアルミナ粒子材料の製造方法によれば形態の変化を少なくできる。僅かに形態が変化して粒子同士が固まっても簡単に解砕可能である。
真球度が高い粒子材料を製造する方法は特に限定しない。例えばVMC法が挙げられる。VMC法は金属アルミニウムの粉粒体を酸素と共に火炎中に投入することで燃焼させることで粒子材料を形成する方法である。金属アルミニウムの粒径、供給速度、酸素との混合比などを制御することで生成する粒子材料の粒径・真球度などを制御することができる。
粒子材料の粒径は特に限定しないが、粒径が小さい粒子材料に適用する場合に効果を特に発揮する。粒径が小さいとα化に伴い融着の影響が大きいこと、加熱による熱伝導が速く加熱の制御が困難であることなどの理由からである。また、小さい粒子材料を適用すれば、実装材料の軽薄化が進む状況下、そのような実装材料にも本発明により得られたアルミナ粒子材料を利用することが可能となる。具体的には適用すると効果的な粒子材料の粒径の上限としては500μm、200μm、100μm、50μm、20μm、10μm、5μm、3μm、2μm、1μmなどが挙げられる。この粒径は個々の粒子の粒径にて判断できるほか、D50や体積平均粒径にて判断することもできる。また、本実施形態のアルミナ粒子材料の好ましい粒径として同様の範囲を採用することができる。
真球度の値としては0.95以上であることが好ましく、0.99以上であることが更に好ましい。真球度の測定はSEM写真から測定・算出する。具体的にはSEM写真から任意の粒子を選択し、その粒子の投影面積(A)と周囲長(M)を測定する。測定した周囲長(M)をもつ真球を想定するとその半径(r)はM/2πであり、想定した真球の面積(B)はπ×(M/2π)となる。こうして測定・算出した面積A、Bから真球度(A/B)=A×4π/Mを算出する。100個の粒子について真球度を測定し、その平均値を真球度として採用する。
(第1形態)
本実施形態のアルミナ粒子材料の製造方法は上述の(i)に相当し、前処理工程とα化工程とを有する。更に必要に応じて解砕工程を有することができる。
・前処理工程
前処理工程は1200℃超の温度で原料となる粒子材料を加熱する工程である。加熱温度の下限としては1210℃、1220℃、1225℃が採用できる。上限としてはα化の進行速度の制御の容易さから1275℃、1260℃、1250℃などが挙げられる。
加熱時間はα相が10%以上40%以下になるまで行う。アルミナ粒子材料の全体がα化していない(α相が50%未満)範囲で有り、加熱の停止によりα化の進行を停止できる範囲として設定された範囲である。下限値としては15%、20%が採用でき、上限値としては35%、30%が採用できる。
・α化工程
α化工程は前処理工程よりも低い温度で加熱する工程である。前処理工程よりも低い温度での加熱なので通常はα化の進行はしないか或いはしても遅いのであるが前処理工程により粒子の一部がα化されているために、そのα相を起点としてα化を進行することができる。また、上限としては1225℃未満の温度とし、下限としては1150℃超とする。本工程を行うと真球度は低下することが推測できる。本工程は真球度が0.9以上の範囲で行う。加熱を行う具体的な方法としては特に限定しないが、ロータリーキルンなどの公知の装置・方法が採用できる。
本工程でのα化の程度としてはα相が90%以下で停止することが好ましく、80%以下とすることが更に好ましい。本工程の処理時間はα化の割合を予備的に行う試験で検討した結果に基づいて決定することが好ましい。
・解砕工程
前述したα化工程では一次粒子が凝集することがある。その場合には何らかの方法にて解砕することが好ましい。解砕工程を特に設けなくてもアルミナ粒子材料を取り扱ううちに解砕が進行することも充分に期待できるが解砕工程を採用することで速やかに一次粒子に近い状態まで解砕できる。具体的には好ましい解砕の方法は粉砕機、混合機を用いて凝集した一次粒子に剪断力を加える方法であり、例えばジェットミルにて処理する方法が挙げられる。
(第2形態)
本実施形態のアルミナ粒子材料の製造方法は(第2)混合工程と第2α化工程とを有する。必要に応じて第1形態で説明した解砕工程をそのまま採用することもできる。第1形態の製造方法と組み合わせる場合には第1形態のα化工程の前に第2形態の混合工程又は第2混合工程を採用することができる。
・混合工程
混合工程は粒子材料に対してケイ素含有化合物を混合する工程である。混合の方法は特に限定しないが、ケイ素含有化合物により粒子材料を被覆するように混合することが好ましい。つまり粒子材料の界面にケイ素含有化合物が配設されることが好ましい。粒子材料の界面にケイ素含有化合物が配設されるものが形成できるならば混合によらないで後述のα化工程に供したときに好ましいα化の挙動を示す組成物が得られる可能性がある(第2混合工程も同様である)。
ケイ素含有化合物は組成中にケイ素原子を含む化合物である。例えばポリシロキサン、シリカなどが例示できる。ポリシロキサンは側鎖の一部が水素化されていることが好ましい。シリカは粒径が小さいことが好ましい。例えば粒径が100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが更に好ましい。粒径が小さいシリカの製造方法としては特に限定されず、ゾルゲル法、VMC法などにより製造できる。粒径が小さいシリカはコロイダルシリカなどと称される水に分散された状態で混合工程に供しても良いほか、乾燥状態で用いても良い。乾燥状態で用いる場合には一次粒子にまで分離可能な状態で用いることが好ましい。後述する表面処理を行ったシリカ粒子を採用すると必要に応じて洗浄により不純物の量を低減可能になるため好ましい。
ケイ素含有化合物は粒子材料の表面積を基準として6.4μmol/m未満0μmol/m超のケイ素原子を有するように混合することが好ましい。上限としては5μmol/m、4μmol/m、3μmol/m程度が例示でき、下限としては0.5μmol/m、1μmol/m、1.5μmol/m程度が例示できる。この範囲にすることでα化の進行速度が抑制されて制御が容易になる。
・第2混合工程
混合工程に代えて第2混合工程を採用することもできる。第2混合工程ではケイ素含有化合物に加えて加熱によりNH結合をもつ化合物を放出する含窒素化合物も混合する。含窒素化合物としては特に限定しないがケイ素含有化合物の分子内にNH結合をもつヘキサメチルジシラザン(HMDS)などのような化合物を単独で又は併せて採用することもできる。
含窒素化合物を含有させるとケイ素含有化合物がα化の進行を抑制するのとは反対にα化を促進する効果を発揮する。そのためにケイ素含有化合物を混合する適正量も含窒素化合物の添加量に従い増加するため上述の混合工程にて示した適正値をそのまま当てはめることが困難になる。HMDSによる知見によると、HMDSの添加量が少ない範囲ではα化の進行抑制効果が主たる効果になってα化の促進効果は目立たない。HMDSの添加量を増加させていくとα化の進行抑制効果よりも促進効果が主たる効果になる。そのためHMDSの添加量としてはケイ素原子の量として34.3μmol/m近傍(30〜40μmol/m程度)と85.7μmol/m近傍(75〜95μmol/m程度)とに好ましい添加量が認められる。
・第2α化工程
得られた混合物を1200℃超1325℃以下で加熱して真球度が0.9以上のα化アルミナ粒子材料にする。本工程を行うと真球度は低下することが推測できる。加熱温度の下限としては1220℃、1225℃、1250℃が例示できる。加熱を行う具体的な方法としては特に限定しないが、ロータリーキルンなどの公知の方法が採用できる。
(ケイ素含有化合物としてシリカ粒子を採用する場合の表面処理の一例:表面処理されたシリカ粒子の製造)
表面処理を行ったシリカ粒子を製造する方法を以下に例示する。表面処理されたシリカ粒子(表面処理済みシリカ粒子)は、式(1):−OSiXで表される官能基と、式(2):−OSiYで表される官能基とが表面に結合している。以下、式(1)で表される官能基を第1の官能基と呼び、式(2)で表される官能基を第2の官能基と呼ぶ。
第1の官能基におけるXは、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基である。X、Xは、それぞれ、−OSiR3又は−OSiYである。YはRである。Y、Yは、それぞれ、R又は−OSiR3である。
第2の官能基におけるYはRである。Y、Yは、それぞれ、−OSiR3又は−OSiYである。
第1の官能基および第2の官能基に含まれる−OSiR3が多い程、表面処理済みシリカ粒子の表面にRを多く持つ。第1の官能基および第2の官能基に含まれるR(炭素数1〜3のアルキル基)が多い程、表面処理済みシリカ粒子は凝集し難い。
第1の官能基に関していえば、X、Xがそれぞれ−OSiR3である場合に、Rの数が最小となる。また、XおよびXがそれぞれ−OSiYであり、かつ、Y、Yがそれぞれ−OSiR3である場合に、Rの数が最大となる。
第2の官能基に関していえば、Y、Yがそれぞれ−OSiR3である場合に、Rの数が最小となる。また、YおよびYがそれぞれ−OSiYであり、かつ、Y、Yがぞれぞれ−OSiR3である場合に、Rの数が最大となる。
第1の官能基に含まれるXの数、第1の官能基に含まれるRの数、第2の官能基に含まれるRの数は、RとXとの存在数比や、シリカ粒子の粒径や用途に応じて適宜設定すれば良い。
なお、X、X、Y、Y、Y、及びYの何れかは、隣接する官能基のX、X、Y、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合しても良い。例えば、第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかが、この第1の官能基に隣接する第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。同様に、第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかが、この第2の官能基に隣接する第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。さらには、第1の官能基のX、X、Y、及びYの何れかが、この第1の官能基に隣接する第2の官能基のY、Y、Y、及びYの何れかと−O−にて結合していても良い。
表面処理済みシリカ粒子において、第1の官能基と第2の官能基との存在数比が1:12〜1:60であれば、表面処理済みシリカ粒子の表面にXとRとがバランス良く存在する。このため、第1の官能基と第2の官能基との存在数比が1:12〜1:60である表面処理済みシリカ粒子は、樹脂に対する親和性および凝集抑制効果に特に優れる。また、Xが表面処理済みシリカ粒子の単位表面積(nm)あたり0.5〜2.5個であれば、表面処理済みシリカ粒子の表面に充分な数の第1の官能基が結合し、第1の官能基および第2の官能基に由来するRもまた充分な数存在する。したがってこの場合にも、樹脂に対する親和性およびシリカ粒子の凝集抑制効果が充分に発揮される。
何れの場合にも、表面処理済みシリカ粒子の単位表面積(nm)あたりのRは、1個〜10個であるのが好ましい。この場合には、表面処理済みシリカ粒子の表面に存在するXの数とRの数とのバランスが良くなり、樹脂に対する親和性および表面処理済みシリカ粒子の凝集抑制効果との両方がバランス良く発揮される。
表面処理済みシリカ粒子においては、シリカ粒子の表面に存在していた水酸基の全部が第1の官能基または第2の官能基で置換されているのが好ましい。第1の官能基と第2の官能基との和が、表面処理済みシリカ粒子の単位表面積(nm)あたり2.0個以上であれば、表面処理済みシリカ粒子において、シリカ粒子の表面に存在していた水酸基のほぼ全部が第1の官能基または第2の官能基で置換されているといえる。
表面処理済みシリカ粒子は、表面にRを持つ。これは、赤外線吸収スペクトルによって確認できる。詳しくは、表面処理済みシリカ粒子の赤外線吸収スペクトルを固体拡散反射法で測定すると、2962±2cm−1にC−H伸縮振動の極大吸収がある。このため、表面処理済みシリカ粒子であるか否かは、赤外線吸収スペクトルによって確認できる。
また、上述したように表面処理済みシリカ粒子は凝集し難い。したがって、表面処理済みシリカ粒子は粒径の小さいなシリカ粒子に適用できる。例えば、表面処理済みシリカ粒子は、平均粒径3nm〜5000nm程度にできる。平均粒径3〜200nmのシリカ粒子に適用するのが好ましい。
なお、表面処理済みシリカ粒子は、例え僅かに凝集した場合にも、超音波処理することによって再度分散可能である。詳しくは、表面処理済みシリカ粒子をメチルエチルケトンに分散させたものに、発振周波数39kHz、出力500Wの超音波を照射することで、表面処理済みシリカ粒子を実質的に一次粒子にまで分散できる。このときの超音波照射時間は10分間以下で良い。表面処理済みシリカ粒子が一次粒子にまで分散したか否かは、粒度分布を測定することで確認できる。詳しくは、このシリカ粒子のメチルエチルケトン分散材料をマイクロトラック装置等の粒度分布測定装置で測定し、シリカ粒子の粒度分布があれば、表面処理済みシリカ粒子が一次粒子にまで分散したといえる。
表面処理済みシリカ粒子は、凝集し難いため、水やアルコール等の液状媒体に分散されていないシリカ粒子として提供できる。この場合、液状媒体の持ち込みがないために、樹脂材料用のフィラーとして好ましく用いられる。
表面処理済みシリカ粒子は嵩密度が450g/L以下であることが望ましい。本明細書における嵩密度の測定は筒井理化学器械株式会社製:電磁振動式カサ密度測定器(MVD−86型)を使用して行う。具体的には試料槽としての上部500μm篩に測定対象のサンプルを投入し、加速度4Gの条件で電磁振動により上部・下部の2つの500μm篩を通してサンプルを分散させ100mLの試料容器に落下投入した後、質量を測定し、その質量と体積とからかさ密度を算出した。自重による嵩密度の低下を防止するため測定は落下投入後1時間以内に実施する。
好ましい上限としては400g/L、350g/L、300g/L、250g/Lが挙げられる。好ましい下限としては100g/Lが挙げられる。嵩密度をこれら上限よりも下の値にすることにより一次粒子の分離がより確実に行われる。また、嵩密度をこれら下限よりも上の値にすることで嵩が小さく取り扱いやすくなる。
シリカ粒子に表面処理を行って表面処理済みシリカ粒子を得る方法としては、水を含む液状媒体中で、シランカップリング剤およびオルガノシラザンによってシリカ粒子を表面処理する工程(表面処理工程)を持つ。シランカップリング剤は、3つのアルコキシ基と、フェニル基、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、イソシアネート基、又はアクリル基(すなわち上記のX)とを持つ。
シランカップリング剤で表面処理することで、シリカ粒子の表面に存在する水酸基がシランカップリング剤に由来する官能基で置換される。シランカップリング剤に由来する官能基は式(3);−OSiXで表される。式(3)で表される官能基を第3の官能基と呼ぶ。第3の官能基におけるXは式(1)で表される官能基におけるXと同じである。X、Xは、それぞれ、アルキコキシ基である。オルガノシラザンで表面処理することで、第3の官能基のX、Xがオルガノシラザンに由来する−OSiY(式(2)で表される官能基、第2の官能基)で置換される。シリカ粒子の表面に存在する水酸基の全てが第3の官能基で置換されていない場合には、シリカ粒子の表面に残存する水酸基が第2の官能基で置換される。このため、表面処理されたシリカ粒子の表面には、式(1):−OSiXで表される官能基(すなわち第1の官能基)と、式(2):−OSiYで表される官能基と(すなわち第2の官能基)が結合する。なお、シランカップリング剤とオルガノシラザンとのモル比は、シランカップリング剤:オルガノシラザン=1:2〜1:10であるため、得られた表面処理済みシリカ粒子における第1の官能基と第2の官能基との存在数比は理論上1:12〜1:60となる。
表面処理工程においては、シリカ粒子をシランカップリング剤及びオルガノシラザンで同時に表面処理しても良い。または、先ずシリカ粒子をシランカップリング剤で表面処理し、次いでオルガノシラザンで表面処理しても良い。または、先ずシリカ粒子をオルガノシラザンで表面処理し、次いでシランカップリング剤で表面処理し、さらにその後にオルガノシラザンで表面処理しても良い。何れの場合にも、シリカ粒子の表面に存在する水酸基全てが第2の官能基で置換されないように、オルガノシラザンの量を調整すれば良い。なお、シリカ粒子の表面に存在する水酸基は、全てが第3の官能基で置換されても良いし、一部のみが第3の官能基で置換され、他の部分が第2の官能基で置換されても良い。第3の官能基に含まれるX、Xは、全て第2の官能基で置換されるのが良い。
なお、オルガノシラザンの一部を、第2のシランカップリング剤で置き換えても良い。第2のシランカップリング剤としては、3つのアルコキシ基と、1つのアルキル基とを持つものを用いることができる。この場合には、第3の官能基に含まれるX、Xが、第2のシランカップリング剤に由来する第4の官能基で置換される。第4の官能基は式(4);−OSiYで表される。Yは第2の官能基におけるYと同じRであり、X、Xはそれぞれアルコキシ基または水酸基である。第4の官能基に含まれるX、Xは、オルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換されるか、または、別の第4の官能基で置換される。この場合には、シリカ粒子の表面に存在するRの量をさらに多くする事ができる。なお、オルガノシラザンの一部を、第2のシランカップリング剤に置き換える場合、第2のシランカップリング剤で表面処理した後に、再度オルガノシラザンで表面処理する必要がある。第4の官能基に含まれるX、Xを、最終的にはオルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換するためである。
オルガノシラザンの一部を第2のシランカップリング剤で置き換える場合、上述した第1の官能基に含まれるX、Xは、オルガノシラザンに由来する第2の官能基で置換されるか、第2のシランカップリング剤に由来する第4の官能基で置換される。X、Xが第4の官能基で置換された場合、第4の官能基に含まれるX、Xは、第2の官能基で置換されるか、別の第4の官能基によって置換される。第4の官能基に含まれるX、Xが別の第4の官能基によって置換された場合、第4の官能基に含まれるX、Xは、第2の官能基で置換される。このため第2のシランカップリング剤は、第1のカップリング剤及びオルガノシラザンのみで表面処理する場合(オルガノシラザンを第2のシランカップリング剤で置き換えなかった場合)に設定されるオルガノシラザンの量(a)molに対して、最大限5a/3mol置き換えることができる。この場合に必要になるオルガノシラザンの量は、8a/3molである。
シランカップリング剤および第2のシランカップリング剤のアルコキシ基は特に限定しないが、比較的炭素数の小さなものが好ましく、炭素数1〜12であることが好ましい。アルコキシ基の加水分解性を考慮すると、アルコキシ基はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基の何れかであることがより好ましい。
シランカップリング剤として、具体的には、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
オルガノシラザンとしては、シリカ粒子の表面に存在する水酸基およびシランカップリング剤に由来するアルコキシ基を、上述した第2の官能基で置換できるものであれば良いが、分子量の小さなものを用いるのが好ましい。具体的には、テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザン等が挙げられる。
第2のシランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
なお、表面処理工程において、シランカップリング剤の重合や第2のシランカップリング剤の重合を抑制するため、重合禁止剤を加えても良い。重合禁止剤としては、3,5−ジブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、p−メトキシフェノール(メトキノン)等の一般的なものを用いることができる。
シリカ粒子の表面処理方法は、表面処理工程後に固形化工程を備えても良い。固形化工程は、表面処理後のシリカ粒子を鉱酸で沈殿させ、沈殿物を水で洗浄・乾燥して、シリカ粒子の固形物を得る工程である。上述したように、一般的なシリカ粒子は非常に凝集し易いため、一旦固形化したシリカ粒子を再度分散するのは非常に困難である。しかし、シリカ粒子は凝集し難いため、固形化しても凝集し難く、また、例え凝集しても再分散し易い。なお、上述したように、シリカ粒子を水で洗浄することで、電子部品等の用途に用いられるシリカ粒子を容易に製造できる。なお、洗浄工程においては、シリカ粒子の抽出水(詳しくは、シリカ粒子を121℃で24時間浸漬した水)の電気伝導度が50μS/cm以下となるまで、洗浄を繰り返すのが好ましい。
固形化工程で用いる鉱酸としては塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などが例示でき、特に塩酸が望ましい。鉱酸はそのまま用いても良いが、鉱酸水溶液として用いるのが好ましい。鉱酸水溶液における鉱酸の濃度は0.1質量%以上が望ましく、0.5質量%以上が更に望ましい。鉱酸水溶液の量は、洗浄対象であるシリカ粒子の質量を基準として6〜12倍程度にすることができる。
鉱酸水溶液による洗浄は複数回数行うことも可能である。鉱酸水溶液による洗浄は表面処理済みシリカ粒子を鉱酸水溶液に浸漬後、撹拌することが望ましい。また、浸漬した状態で1時間から24時間、更には72時間程度放置することができる。放置する際には撹拌を継続することもできるし、撹拌しないこともできる。鉱酸含有液中にて洗浄する際には常温以上に加熱することもできる。
その後、洗浄して懸濁させた表面処理済みシリカ粒子をろ取した後、水にて洗浄する。使用する水はアルカリ金属などのイオンを含まない(例えば質量基準で1ppm以下)ことが望ましい。例えば、イオン交換水、蒸留水、純水などである。水による洗浄は鉱酸水溶液による洗浄と同じく、表面処理済みシリカ粒子を分散、懸濁させた後、ろ過することもできるし、ろ取した表面処理済みシリカ粒子に対して水を継続的に通過させることによっても可能である。水による洗浄の終了時期は、上述した抽出水の電気伝導度で判断しても良いし、表面処理済みシリカ粒子を洗浄した後の排水中のアルカリ金属濃度が1ppm以下になった時点としても良いし、抽出水のアルカリ金属濃度が5ppm以下になった時点としても良い。なお、水で洗浄する際には常温以上に加熱することもできる。
表面処理済みシリカ粒子の乾燥は、常法により行うことができる。例えば、加熱や、減圧(真空)下に放置する等である。
乾燥以外で表面処理済みシリカ粒子を脱水する方法として、含水している表面処理済みシリカ粒子に対して、水よりも沸点が高い水系有機溶媒を添加後、その水系有機溶媒に溶解可能な混合材料を混合し、水を除去する方法を用いることができる。水系有機溶媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル(プロピレングリコール−1−メチルエーテル、沸点119℃程度;プロピレングリコール−2−メチルエーテル、沸点130℃程度)、ブタノール(沸点117.7℃)、N−メチル−2−ピロリドン(沸点204℃程度)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃程度)などが例示できる。
(試験1:粒子材料への加熱によるα化:その1)
D50が0.58μm、当初のα化率2%のアルミナからなる粒子材料に対して種々の温度で加熱したときのα化率の時間依存性を検討した。同時に得られた加熱物の形態をSEMにて観察し融着の程度を評価した。
加熱温度としては1225℃、1250℃、1275℃、1300℃、1325℃とした。加熱時間は3分、5分、10分、20分とした。結果を表1に示す。測定したD50は焼成後の試料を自動乳鉢にて一定の条件下で解砕したものについて測定した。D50が大きい方が融着の程度が大きいと考えられる。ここで1325℃で3分間処理したもののSEM写真を図1に示す。
表より明らかなように、α化率が20%前後まで進んだ後、僅かな時間でα化率90%前後にまで進んでおり、又、融着の程度も進んでいることが分かった。α化率の変化は急激であり、途中の状態で止めることは困難であることが分かった(α化度30%〜80%の間に入るような条件が発見できなかった)。
(試験2:粒子材料への加熱によるα化:その2)
D50が8.8μm、当初のα化率19%のアルミナからなる粒子材料に対して種々の温度で加熱したときのα化率の時間依存性を検討した。同時に得られた加熱物の形態をSEMにて観察し融着の程度を評価した。
加熱温度としては1225℃、1250℃、1275℃、1300℃、1325℃とした。加熱時間は3分、5分、10分とした。結果を表2に示す。
表より明らかなように、19%程度だったα化度は3分から5分で90%超える値となり「その1」の試験と同様にα化度の進行は速やかなものであることが分かった。なお、本条件下では融着の程度は弱かった。これは本条件では当初のD50が8.8μmと「その1」のD50よりも大きく、また、粒径も揃っていたために粒子同士の接触が少ないことが原因であると推測された。なお、表面に粒径が小さい粒子が当初から存在していたがその小さな粒子は加熱により大きな粒子に融着していた。なお、α化度が19%から速やかに(数分で)90%以上に変化しているおり、「その1」の試験と比べて変化が速いことから最初のα化度がある程度高いとそのα相を起点として相転移が速やかに進むことが推測された。
(試験3:粒子材料への加熱温度の多段階化の検討)
試験1にて1225℃で10分間加熱するとα化度が25%になることが分かった。その試料を原料として種々の温度で加熱したときのα化の進行を検討した。
D50が0.58μm、当初のα化率2%のアルミナからなる粒子材料に対して1225℃で10分間熱処理を行った。その結果、α化度が33%、D50が2.4となった。その試料について1100℃、1150℃、1200℃で加熱を行った。加熱時間は5分、10分、15分、20分としα化率の時間依存性を検討した。同時に得られた加熱物の形態をSEMにて観察し融着の程度を評価した。結果を表3に示す。ここで1200℃で20分間処理したもののSEM写真を図2に示す。
表より明らかなように、1200℃以下の加熱では問題になるような融着は進行せずD50も余り大きくならなかった。1200℃での加熱では時間の経過と共にα化度が線形的に上昇し、α化度の制御が容易になった。また、1150℃でも僅かながらではあるがα化度の上昇が認められ、α化度の制御に利用することが期待できた。なお、本条件下では1100℃の加熱ではα化度の変動の傾向は分からなかった。なお、同じ試料を1125℃にて加熱すると10分間でα化度86%まで進行し、D50も16.0μm・融着度は強となり融着の程度が高くなることが分かった。
(試験4:ケイ素含有化合物の検討:一部の側鎖が水素置換されたポリシロキサン)
D50が0.58μm、当初のα化率2%のアルミナからなる粒子材料に対してケイ素含有化合物としての一部の側鎖が水素化されたポリシロキサン(信越化学工業製、KF9901)を種々の比率(粒子材料の質量を基準とした質量%:粒子材料の表面積を基準としたモル量)で混合し得られた混合物について1275℃で加熱したときのα化率の時間依存性を検討した。同時に得られた加熱物の形態をSEMにて観察し融着の程度を評価した。加熱時間は3分、5分、10分とした。結果を表4に示す。
表より明らかなように、ケイ素含有化合物の添加によりα化の進行速度を抑制できることが分かった。また添加量の増加に伴いα化の進行速度も低下する傾向が分かった。特に0.1%又は0.2%添加した試料のα化の進行速度が制御性に優れていることが分かった。
(試験5:ケイ素含有化合物の検討:シリカ)
D50が0.58μm、当初のα化率2%のアルミナからなる粒子材料に対してケイ素含有化合物としてのシリカ粒子(体積平均粒径10nm、表面にフェニル基を導入、アドマテックス製)を種々の比率(粒子材料の質量を基準とした質量%:粒子材料の表面積を基準としたモル量)で混合し得られた混合物について1275℃で加熱したときのα化率の時間依存性を検討した。同時に得られた加熱物の形態をSEMにて観察し融着の程度を評価した。加熱時間は3分、5分、10分とした。結果を表5に示す。
表より明らかなように、ケイ素含有化合物の添加によりα化の進行速度を抑制できることが分かった。また添加量の増加に伴いα化の進行速度も低下する傾向が分かった。特に0.1%〜0.5%の範囲で添加した試料のα化の進行速度が制御性に優れていることが分かった。
(試験6:ケイ素含有化合物及び含窒素化合物の検討:HMDS)
D50が0.58μm、当初のα化率2%のアルミナからなる粒子材料に対してケイ素含有化合物及び含窒素化合物としてのHMDSを種々の比率(粒子材料の質量を基準とした質量%:粒子材料の表面積を基準としたモル量)で混合し得られた混合物について1275℃で加熱したときのα化率の時間依存性を検討した。同時に得られた加熱物の形態をSEMにて観察し融着の程度を評価した。加熱時間は3分、5分、10分とした。結果を表6に示す。
表より明らかなように、ケイ素含有化合物に加えて含窒素化合物を添加することにより単純に添加量とα化の進行速度とが相関するような関係ではなく変動することが分かった。具体的にはHDMSにて処理した後、60℃で12時間熟成処理を行ったものについては5.0%の添加でα化の進行速度の制御性に優れていることが判った。熟成処理を行わないものについては2.0%の添加でα化の進行速度の制御性に優れていることが判った。つまり、熟成の有無により2.0%添加(熟成無し)と5.0%(熟成有り:アンモニア生成)とが同様のα化抑制効果を発揮したものと考えられた。なお、60℃12時間の熟成によりHMDSは加水分解されてアンモニアが生成するが、そのアンモニアが残存することで、アンモニアに起因するα化の促進効果が発揮されたために濃度が異なる試験同士で同様の抑制効果が認められたと考えられる。アンモニアによるα化の促進効果はアルミナのα相と類似の結晶構造をもつ窒化アルミニウム生成に関連することが推測された。
(試験7)
試験1〜6について得られたアルミナ粒子材料の真球度を測定した。真球度の測定は前述の方法にて行った。図4は融着が進んだ試料の一例、図5には融着が進んでいない試料の一例を示す。図4及び5には粒子の周囲を囲む線が描写されており、この線の長さと粒子の面積とを用いて先述の式により真球度を算出する。図4の試料では真球度0.67,図5の試料では真球度0.96であった。試験1〜6において融着度「弱」と判断して試料は全て真球度が0.9以上であった。
(試験8)
上述の試験1〜7において融着度が「強」のものと「弱」のものとについてジェットミルにて解砕した前後の様子を検討した。「弱」のものについては解砕後に真球度を保ったまま一次粒子に近い状態にすることができた。例えばKF9901を0.1%(Si量としては2.1μmol/m)で処理した後、1275℃で10分間加熱した試料を試験4と同等の条件にて作成したところ、加熱直後はD50が8.8μm、真比重が3.7g/mLであったところ、ジェットミルにて解砕後はD50が0.6、真比重が3.9と粒径を原料とした粒子材料の0.58μmと同程度の値まで解砕することができた。更に解砕後の真球度は原料の粒子材料とほぼ変わらない値であることが分かった上、α化度は83%と非常に高いものであった。
その他の融着度「弱」の試料も原料の粒子材料と同程度の粒径及び真球度にまで解砕することができた。融着度が「強」の試料では解砕ができても「弱」のものより解砕に必要なエネルギーが増えたり、解砕ができないものもあった。また、解砕ができたものでもα化度は高くできたものの真球度は原料の粒子材料よりも大きく低下することが明らかになった。
表より明らかなように、ケイ素含有化合物に加えて含窒素化合物を添加することにより単純に添加量とα化の進行速度とが相関するような関係ではなく変動することが分かった。具体的にはHDMSにて処理した後、60℃で12時間熟成処理を行ったものについては5.0%の添加でα化の進行速度の制御性に優れていることが判った。熟成処理を行わないものについては2.0%の添加でα化の進行速度の制御性に優れていることが判った。つまり、熟成の有無により2.0%添加(熟成無し)と5.0%(熟成有り:アンモニア生成)とが同様のα化抑制効果を発揮したものと考えられた。なお、60℃12時間の熟成によりHMDSは加水分解されてアンモニアが生成するが、そのアンモニアが残存することで、アンモニアに起因するα化の促進効果が発揮されたために濃度が異なる試験同士で同様の抑制効果が認められたと考えられる。アンモニアによるα化の促進効果はアルミナのα相と類似の結晶構造をもつ窒化アルミニウム生成に関連することが推測された。
(試験7)
試験1〜6について得られたアルミナ粒子材料の真球度を測定した。真球度の測定は前述の方法にて行った。図は融着が進んだ試料の一例、図には融着が進んでいない試料の一例を示す。図4及び5には粒子の周囲を囲む線が描写されており、この線の長さと粒子の面積とを用いて先述の式により真球度を算出する。図の試料では真球度0.67,図の試料では真球度0.96であった。試験1〜6において融着度「弱」と判断して試料は全て真球度が0.9以上であった。
(試験8)
上述の試験1〜7において融着度が「強」のものと「弱」のものとについてジェットミルにて解砕した前後の様子を検討した。「弱」のものについては解砕後に真球度を保ったまま一次粒子に近い状態にすることができた。例えばKF9901を0.1%(Si量としては2.1μmol/m)で処理した後、1275℃で10分間加熱した試料を試験4と同等の条件にて作成したところ、加熱直後はD50が8.8μm、真比重が3.7g/mLであったところ、ジェットミルにて解砕後はD50が0.6、真比重が3.9と粒径を原料とした粒子材料の0.58μmと同程度の値まで解砕することができた。更に解砕後の真球度は原料の粒子材料とほぼ変わらない値であることが分かった上、α化度は83%と非常に高いものであった。

Claims (8)

  1. 真球度が0.9以上でアルミナを主成分とする粒子材料と、
    1200℃超の温度でα相が10%以上40%以下になるまで加熱する前処理工程と、
    前記前処理工程での加熱温度より低く且つ1225℃未満1150℃超の温度で加熱して真球度が0.9以上のα化アルミナ粒子材料にするα化工程と、
    を有するアルミナ粒子材料の製造方法。
  2. 前記前処理工程は1220℃以上の温度で加熱する工程である請求項1に記載のアルミナ粒子材料の製造方法。
  3. 前記α化工程はα化率90%以下で終える請求項1又は2に記載のアルミナ粒子材料の製造方法。
  4. 真球度が0.9以上でアルミナを主成分とする粒子材料と、前記粒子材料の表面積を基準として、6.4μmol/m2未満0μmol/m2超のケイ素原子を有するケイ素含有化合物とを混合して混合物とする混合工程と、
    前記混合物を1200℃超1325℃以下で加熱して真球度が0.9以上のα化アルミナ粒子材料にする第2α化工程と、
    を有するアルミナ粒子材料の製造方法。
  5. 真球度が0.9以上でアルミナを主成分とする粒子材料と、ケイ素原子を有するケイ素含有化合物と、前記ケイ素含有化合物と同一でもよく且つ加熱によりNH結合をもつ化合物を放出する含窒素化合物とを混合して混合物とする第2混合工程と、
    前記混合物を1200℃超1325℃以下で加熱して真球度が0.9以上のα化アルミナ粒子材料にする第2α化工程と、
    を有するアルミナ粒子材料の製造方法。
  6. 前記ケイ素含有化合物は、側鎖の一部が水素であるポリシロキサン化合物、粒径が100nm以下のシリカ粒子、ヘキサメチルジシラザンのうちの1つ以上である請求項4又は5に記載のアルミナ粒子材料の製造方法。
  7. 粒径が500μm以下且つ真球度が0.9以上であって、α相アルミナを主成分とするα化アルミナ粒子材料からなるアルミナ粒子材料。
  8. 粒径が50μm以下である請求項7に記載のアルミナ粒子材料。
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