JP2020072709A - 作業車両の燃料管理システム - Google Patents

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【課題】圃場内での燃料切れによる停止を防止できる作業車両の燃料管理システムを提供する。【解決策】圃場内において、制御部50に予め記憶された予定走行経路Rに沿って自律走行しながら作業を行う作業車両1において、前記制御部50は前記作業車両1に備えられた自己位置を検出する測位装置17から信号を受信し、予め記憶された圃場面積と作業幅情報Wを備え、前記作業幅情報Wおよび前記測位装置17により算出される走行軌跡から作業面積を算出するとともに、作業中に消費した燃料量に基づいて単位面積当たりの燃料消費量を算出し、前記圃場面積および前記作業面積から残りの作業面積を算出し、前記単位面積当たりの燃料消費量および前記残りの作業面積から必要燃料量を算出し、燃料残量と前記必要燃料量を比較することにより、残りの燃料で圃場内の作業を完了できるか否かを判定する。【選択図】図6

Description

本発明は、作業車両の燃料管理システムに関する。
車両が燃料切れを起こしてしまうと、エンジン系統内の空気を除去する作業などが必要になる。これを防ぐため、自動走行する作業車両において、燃料残量を検出する燃料検出手段を設け、燃料が設定量以下になると燃料供給を停止する手段を作動させる技術が公知である(特許文献1)。
実開昭61−9336号公報
しかし、自律走行中に圃場内で走行が停止してしまうと、燃料供給や車両移動のために作業者が圃場内の車両近くまで入って行かなければならなかった。圃場内を歩くのは困難であり、また耕耘や代掻きなどの作業中であれば、作業後の地面を荒らしてしまうことにもなるので、圃場内での車両の停止は改善する必要があった。
本発明では圃場内での燃料切れによる停止を防止できる作業車両の燃料管理システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、実施形態の一態様に係る作業車両の燃料管理システムは、燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量センサを備え、走行を制御する制御部を備え、圃場内において、制御部に予め記憶された予定走行経路に沿って自律走行しながら作業を行う作業車両において、前記制御部は前記作業車両に備えられた自己位置を検出する測位装置から信号を受信し、予め記憶された圃場面積と作業幅情報を備え、前記作業幅情報および前記測位装置により算出される走行軌跡から作業面積を算出するとともに、作業中に消費した燃料量に基づいて単位面積当たりの燃料消費量を算出し、前記圃場面積および前記作業面積から残りの作業面積を算出し、前記単位面積当たりの燃料消費量および前記残りの作業面積から必要燃料量を算出し、燃料残量と前記必要燃料量を比較することにより、残りの燃料で圃場内の作業を完了できるか否かを判定することを特徴とする。
実施形態の一態様によれば、圃場内での燃料切れによる停止を防止できる。
燃料管理システムの構成概略図 燃料管理システムの制御ブロック図 圃場形状測定時の概略図 圃場形状測定時の概略図 給油時の作業車両と無人航空機の側面図 圃場内作業車両の平面図
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、燃料管理システムの構成概略図である。本発明の発明における作業車両の一例としてのトラクタ1は、エンジンEで発生した動力を適宜減速し、後輪3又は前輪2を駆動して走行する。
エンジンEはボンネット5の内部に設けられ、燃料タンク4内に貯蔵された燃料を内部で燃焼することにより動力を発生させる。トラクタ1は後方にロータリ耕耘装置などの作業機(図示せず)が装着される。エンジンEで発生した動力は、走行駆動に使用されるほか、動力を外部へ取り出すPTO軸(図示せず)を通して、作業機を駆動するのにも使用される。
キャビン6は前方フレーム6f、中間フレーム6m、後方フレーム6r、キャビンルーフ8などにより構成され、運転部を覆うように設けられる。後方フレーム6rと中間フレーム6mの間にはサイドウィンドウ6wが設けられ、前方フレーム6fと中間フレーム6mに間には運転者が乗り降りするドア部6dが設けられている。
キャビン6内部空間後部には運転者が手動運転する際に着座するシート9が設けられ、シート9前方には前輪2を操向操作するためのステアリングホイール10が設けられる。このステアリングホイール10は自動走行の際はステアリングモータ(図示せず)により電気的に自動で回動操作される。
ステアリングホイール10の下方には車両の前進と後進を切り換える前後進レバー11が設けられ、さらにその下方のシート9に運転者が着座した際の左足付近にはクラッチペダル12、右足付近にはアクセルペダル13等が設けられている。
前述の燃料タンク4はキャビン6の下方左右に設けられており、左側の燃料タンク4から上方に向かって、キャビン6の左側前方フレーム6fに沿うように給油路14が設けられ、キャビンルーフ8の上方に給油口15が設けられている。
給油口15の周辺には後述する無人航空機30の着陸台16が設けられており、キャビンルーフの前部中央には測位装置としての車載GPSアンテナ17が設置されている。なお、給油路14の反対側には、エンジンの排気を外部に放出するテールパイプ18がキャビン6の右側前方フレーム6fに沿って立設されている。
トラクタ1はタブレット等の携帯端末20と通信により信号の送受信を行う。携帯端末20は後述する無人航空機30とも通信可能に構成されており、無人航空機30を操作スティック20L、20R等により遠隔操作するコントローラとしての機能を併せ持つ。
携帯端末20の中央には画像表示部21があり、後述する無人航空機30のカメラ31が撮影した映像や、無人航空機30の操縦ボタン等が表示される。
無人航空機30はプロペラ32を装着した複数のモータ33の出力バランスにより姿勢が制御され、飛行による移動やホバリングを自在に行うことができる。機体の姿勢制御は携帯端末20から送信される操作信号による制御と、内蔵する加速度センサ等による自動の制御が同時に行われる。
無人航空機30の機体下部には着陸用の脚部34や下方を撮影するカメラ31、給油用の燃料を搭載する給油タンク35が搭載されており、給油タンク35の下部中央に給油ノズル36が設けられて、バランスよく飛行できるように構成されている。給油ノズル36には給油シャッタ37が設けられ、給油を任意のタイミングで中断することが可能である。また、無人航空機30の機体上部には飛行GPSアンテナ38が搭載されている。
図2は燃料管理システムの制御ブロック図である。トラクタ1には車両の走行を制御する制御部としての車両ECU(Electronic Control Unit)50と車載GPSアンテナ17で得た信号を基に位置情報を処理する位置情報処理ECU60が搭載されている。
車両ECUには走行車速を検出する車速センサ51からの信号と、前輪2の操向角度を検出するステリングセンサ52からの信号と、変速位置を検出する変速センサ53からの信号と、燃料タンク4内の燃料残量を検出する燃料残量センサからの信号とが入力される。車両ECUからはエンジンEの出力を制御する信号と、ステアリングホイール10の操向角度を制御するステアリングモータ55の操作信号と、変速装置56の変速操作信号と、車両の走行を停止するブレーキを操作するブレーキシリンダ57へのブレーキ操作信号とが出力される。
位置情報処理ECU60と車両ECU50とは有線通信により上方を互いに送受信することができ、車両の位置に応じて各種制御を実行することも可能である。車両ECU50は携帯端末20とは無線通信により情報の送受信を行い、車両の状態や作業状況を携帯端末20の画像表示部21に表示することもできる。
携帯端末20は無人航空機30に搭載された無人航空機30制御用の無人航空機(UAV:Unmaned Aerial Vehicle)ECU70とも無線通信により情報の送受信ができる。無人航空機ECU70には飛行GPSアンテナ38からの位置情報信号やカメラ31からの映像信号、加速度センサ71からの姿勢情報信号などが入力され、無人航空機ECU70からは給油シャッタ37への開閉信号やモータ33の出力制御信号が出力される。
図3、図4は車両の自走走行用経路設定用に圃場形状を登録するときの概略図である。圃場の位置情報と形状情報を無人航空機30を用いて測定し、携帯端末20に登録するときには、図3に示すように無人航空機30を用いる。カメラ31で撮影されている映像を画像表示部21で確認しながら、測定したい圃場の角部Aの上方に手動で無人航空機30を飛ばし、マーカー22を基準に無人航空機30の位置を調整して位置設定ボタン24をタップすると、その時の無人航空機30の位置が点で記憶される。その時の座標は座標表示部23に表示される。
同様にして角部B、角部Cを登録していき、図4に示すように角部D上空で最後の角部を登録した後に設定終了ボタン25をタップすると圃場形状が確定し、自動走行する際の走行経路が圃場形状情報に基づいて自動生成される。
図5は無人航空機30を用いた給油時の作業車両の一例としてのトラクタ1と無人航空機30の側面図である。カメラ31の映像を確認しながら位置を合わせて無人航空機30を着陸台16に着陸させると給油ノズル36が給油口15に挿入されるように設計されている。
給油ノズル36の挿入が確認されると、給油シャッタ37を開放し、給油を開始する。給油中は燃料タンク4中の燃料残量センサ54の検出値が所定の範囲、つまり満タン近くまで燃料が入れられていることを検出した場合、車両ECU50から信号が携帯端末20を経由して無人航空機ECU70に送信され、信号を受信した無人航空機ECU70は給油シャッタ37を閉じて給油作業を中止する。
また、無人航空機ECU70は給油停止操作の信号を携帯端末20から受信した場合、または燃料残量センサ54の検出値が所定時間変化しなくなった場合の信号を受信した場合、もしくは燃料残量センサ54の検出値が異常値を示している場合の信号を受信した場合にも給油シャッタ37を閉じて給油作業を停止する。
以上の構成により、燃料の不足によって圃場内等で作業車両が停止した場合にも、作業者が圃場内に入ることなく給油作業を行うことができる。
図6は圃場内作業車両の平面図である。圃場内に設定された予定走行経路R上を自律走行中に中途位置1bで燃料残量センサ54が所定量以下の値を検知すると、トラクタ1は給油待機モードに移行し、作業を中断して畦際1aの位置まで自動で走行して停止する。この状態で停止するので作業者は圃場内に入ることなく、畦の上から燃料タンク4へ直接給油作業を行うことができる。位置情報処理ECU60は作業中断時に中途位置1bを記憶しており、給油作業完了後に作業再開操作が行われると、中途位置1bに自動的に戻って作業が再開される。
無人航空機30による給油作業中において、給油シャッタ37が開放されているにもかかわらず、燃料残量センサ54が燃料の増加を検知しない場合は、無人航空機30の給油タンク35が空になっていることが予想される。このため、トラクタ1は着陸台16上の無人航空機30を固定しつつ給油待機モードに移行して畦際1aまで自動で移動する。この時、無人航空機側のGPSアンテナ38の方が高精度であれば、こちらの測位情報を利用してもよい。この時、着陸台16の位置と車両の前端、後端、左右両側面との位置関係を予め記憶しておき、無人航空機側のGPSアンテナ38の測位情報に加えることで精度よく畦際にトラクタ1を寄せることが可能となる。
また、車両ECU50は作業幅Wを予め記憶しており、この作業幅Wと走行軌跡とにより作業面積を算出する。この作業面積と、作業中に消費した燃料量から単位作業面積当たりの燃料消費量を算出できる。圃場の面積は角部A,B,C,Dの座標から求めることができる。この圃場面積と作業面積との差から残りの作業面積を求め、これに単位面積当たりの燃料消費量を掛けて必要燃料量を算出する。この必要燃料量と燃料残量とを比較することで残りの燃料で圃場内の作業を完了することが可能か否かを判定する。
燃料残量が足りない場合は携帯端末20にその旨が送信され、管理者に報知される。これにより予め燃料の供給が必要か否かを管理者が判断することができ、必要な場合は適切なタイミングで給油作業の手配を行うことが容易となる。
また、本実施例ではトラクタ1について説明したが、コンバインや田植機、その他作業車両にも応用することが可能である。
E エンジン
R 予定走行経路
W 作業幅(作業幅情報)
1 トラクタ(作業車両)
4 燃料タンク
17 測位装置(GPSアンテナ)
20 携帯端末
30 無人航空機
37 給油シャッタ
50 車両ECU(制御部)
54 燃料残量センサ

Claims (2)

  1. 燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量センサを備え、
    走行を制御する制御部を備え、
    圃場内において、制御部に予め記憶された予定走行経路に沿って自律走行しながら作業を行う作業車両において、
    前記制御部は前記作業車両に備えられた自己位置を検出する測位装置から信号を受信し、
    予め記憶された圃場面積と作業幅情報を備え、
    前記作業幅情報および前記測位装置により算出される走行軌跡から作業面積を算出するとともに、作業中に消費した燃料量に基づいて単位面積当たりの燃料消費量を算出し、
    前記圃場面積および前記作業面積から残りの作業面積を算出し、
    前記単位面積当たりの燃料消費量および前記残りの作業面積から必要燃料量を算出し、
    燃料残量と前記必要燃料量を比較することにより、残りの燃料で圃場内の作業を完了できるか否かを判定する、
    作業車両の燃料供給システム。
  2. 前記制御部は携帯端末と信号を送受信し、
    燃料残量と前記必要燃料量を比較して、前記燃料残量が足りないと判定した場合は、前記携帯端末に判定結果を送信する、
    作業車両の燃料供給システム
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