JP7438718B2 - 作業車両用の自動走行システム - Google Patents

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本発明は、作業車両の自動走行を可能にする作業車両用の自動走行システムに関する。
上記のような作業車両用の自動走行システムに関する背景技術としては、自動走行が可能な作業車両(自律走行作業車両)と、作業車両と通信可能な遠隔操作装置とを備え、作業車両には、衛星測位システムを利用して作業車両の位置を測定する測位ユニット(位置算出手段)と、送受信機を介して遠隔操作装置から取得した目標経路(設定走行経路)に沿って作業車両を自動走行させる制御ユニット(制御装置)とが備えられ、遠隔操作装置には、目標経路を表示するとともに作業車両の既作業経路を塗りつぶし表示することで、未作業経路と既作業経路とを認識可能に表示する表示部が備えられた作業監視システムがある(例えば特許文献1参照)。
特開2019-40635号公報
特許文献1に記載の作業監視システムにおいては、測位衛星からの電波強度が低下するなどの異常が生じた場合に、作業車両の自動走行を停止させて作業を中断するように構成されている。このように、作業車両の自動走行を停止させて作業を中断する場合には、作業車両の自動走行が停止されるのに連動して、作業車両が自動走行で移動した経路の取得(移動経路取得処理)も中断されることになる。
しかしながら、移動経路取得処理が中断されると、例えば、測位ユニットの測位誤差に起因して、作業車両の測定位置が、作業車両の実際の停止位置から作業車両の作業走行方向に位置ずれした場合には、この位置ずれ分が移動経路として取得されなくなる。これにより、前述した位置ずれが生じた場合において、例えば、測位衛星からの電波強度が回復して作業車両の自動走行が再開されると、測位ユニットの測位情報においては、実際の停止位置から作業走行方向に位置ずれした測定位置から作業車両が自動走行を再開したことになり、作業車両の自動走行とともに再開される移動経路取得処理においては、位置ずれした測定位置から作業車両が自動走行した経路が、自動走行再開後の移動経路として取得される。
すると、作業車両の作業状態での移動経路が既作業経路として塗りつぶし表示される表示部においては、作業車両が自動走行を停止する前の既作業経路と、作業車両が自動走行を再開した後の既作業経路との間に、実際には存在しない未作業部分が塗りつぶしのない状態で誤表示される。その結果、ユーザが表示部を目視して作業の進捗状況を確認する場合に、既作業経路に未作業部分が残存していると誤解する虞がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、作業車両の既作業経路が表示される表示部をユーザが目視した場合に、測位ユニットの測位誤差に起因した既作業経路の誤表示により、既作業経路に未作業部分が残存していると誤解される虞を回避する点にある。
本発明の第1特徴構成は、作業車両用の自動走行システムにおいて、
衛星測位システムを利用して作業車両の位置を測定する測位ユニットと、
前記測位ユニットの測位情報に基づいて前記作業車両を事前に設定された目標経路に従って自動走行させる制御ユニットと、
前記測位ユニットの測位情報と前記目標経路とに基づいて前記作業車両の位置を前記目標経路とともに表示部にて表示する表示制御部と、
前記作業車両の一時停止状態への切り換えを指示する一時停止指示部と、を備え、
前記作業車両には、作業状態と非作業状態とに切り換え可能な作業装置が備えられ、
前記制御ユニットは、前記一時停止指示部にて前記一時停止状態への切り換えが指示された場合に、前記作業車両の状態を、前記作業装置が前記作業状態に切り換えられた状態で前記作業車両が自動走行する自動作業走行状態から、前記作業装置が前記非作業状態に切り換えられた状態で前記作業車両が自動走行を一時停止する一時停止状態に切り換え、
前記表示制御部は、前記作業車両の状態が前記自動作業走行状態である場合は、前記測位ユニットの測位情報に基づいて前記作業車両の移動経路を取得する移動経路取得処理と、取得した前記移動経路を既作業経路として前記表示部にて前記目標経路と重畳して表示する既作業経路表示処理と、を行い、
前記表示制御部は、前記作業車両の状態が前記自動作業走行状態から前記一時停止状態に切り換えられた場合でも、前記移動経路取得処理と前記既作業経路表示処理とを継続して行う点にある。
本構成によれば、表示制御部は、作業車両の自動作業走行状態においては、作業車両の自動作業走行状態での測位ユニットの測位情報に基づいて移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを行う。これにより、作業車両の自動作業走行状態での移動経路を取得することができ、取得した移動経路を既作業経路として表示部にて目標経路と重畳して表示することができる。
表示制御部は、作業車両の状態が自動作業走行状態から一時停止状態に切り換えられた場合には、作業車両の一時停止状態での測位ユニットの測位情報に基づいて移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを行う。これにより、作業車両の一時停止状態において、例えば、測位ユニットの測位誤差に起因して、作業車両の測定位置が、作業車両の実際の一時停止位置から作業車両の作業走行方向に位置ずれした場合には、この位置ずれ分を、作業車両が移動した移動経路と見なして取得することができ、取得した移動経路を既作業経路として表示部にて目標経路と重畳して表示することができる。
その結果、前述した位置ずれが生じた後に作業車両の状態が一時停止状態から自動作業走行状態に切り換えられた場合には、測位ユニットの測位情報においては、実際の一時停止位置から作業走行方向に位置ずれした測定位置から作業車両の作業走行が再開されたことになったとしても、前述した位置ずれ分の移動経路が既作業経路として表示部にて目標経路と重畳して表示されていることから、作業走行再開後の表示部においては、作業車両が自動作業走行状態から一時停止状態に切り換えられる前の移動経路と、作業車両が一時停止状態から自動作業走行状態に切り換えられた後の移動経路と、それらの間の前述した位置ずれ分に基づく移動経路とが、実際の作業に即して連続する既作業経路として目標経路と重畳して表示される。
従って、測位ユニットの測位誤差に起因した表示部における既作業経路の誤表示を解消することができ、よって、ユーザが表示部を目視して作業の進捗状況を確認する場合に、既作業経路に未作業部分が残存していると誤解する虞を回避することができる。
本発明の第2特徴構成は、
前記作業装置は、原動部からの動力で駆動されることで前記非作業状態から前記作業状態に切り換えられ、
前記作業装置の駆動回転数を検出する回転センサと、前記作業車両の前記一時停止状態から前記自動作業走行状態への切り換えを指示する作業走行指示部と、を備え、
前記制御ユニットは、前記作業走行指示部からの切り換え指示に基づいて前記作業車両の状態を前記一時停止状態から前記自動作業走行状態に切り換える場合には、前記回転センサが検出する前記駆動回転数が設定回転数以上に上昇した後に、前記作業車両の自動走行を再開させる点にある。
本構成によれば、制御ユニットは、作業走行指示部からの切り換え指示に基づいて作業車両の状態を一時停止状態から自動作業走行状態に切り換える場合には、先ず、作業装置を駆動させて非作業状態から作業状態に切り換えるとともに、回転センサにて検出される作業装置の駆動回転数を監視する。そして、制御ユニットは、回転センサにて検出される作業装置の駆動回転数が設定回転数以上に上昇した後に、作業車両の自動走行を再開させる。
つまり、制御ユニットは、作業装置の駆動回転数が設定回転数以上に上昇したタイミングで作業車両の自動走行を再開させることから、作業車両の自動走行による作業の再開当初から作業装置による作業を良好に行うことができる。これにより、作業装置の駆動回転数が設定回転数に達する前の段階から作業車両の自動走行による作業が再開されることに起因して、作業の再開当初において、作業装置による作業が良好に行われずに未作業部分が残存する不都合の発生を回避することができる。
その結果、表示部においては、未作業部分が残存していると誤解される虞のない既作業経路を表示するようにしながらも、実際には、作業車両の自動走行による作業の再開当初において未作業部分が残存している、といった不都合の発生を回避することができる。
本発明の第3特徴構成は、
前記表示制御部は、前記作業車両の状態が前記一時停止状態から前記自動作業走行状態に切り換えられる場合には、前記回転センサが検出する前記駆動回転数が前記設定回転数以上に上昇した時点で、前記一時停止状態での前記移動経路取得処理と前記既作業経路表示処理との継続を解除する点にある。
本構成によれば、作業車両の状態が一時停止状態から自動作業走行状態に切り換えられる場合には、制御ユニットは、前述したように作業装置の駆動回転数が設定回転数以上に上昇した後に作業車両の自動走行を再開させる。これに対し、表示制御部は、作業装置の駆動回転数が設定回転数以上に上昇した時点で、移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを、作業車両の一時停止状態での測位ユニットの測位情報に基づいて行う状態から、作業車両の自動作業走行状態での測位ユニットの測位情報に基づいて行う状態に切り換わる。
つまり、表示制御部は、作業車両の自動走行による作業が再開されるタイミングで、移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを、作業車両の一時停止状態での測位ユニットの測位情報に基づいて行う状態から、作業車両の自動作業走行状態での測位ユニットの測位情報に基づいて行う状態に切り換えることができる。
その結果、作業車両の自動走行による作業が再開された後の表示部での既作業経路の表示を、作業車両の自動走行による作業の再開当初から、作業車両の自動走行による作業に即した状態で適正に行うことができる。
本発明の第4特徴構成は、
前記表示制御部は、前記作業車両の状態が前記一時停止状態から前記作業装置が前記作業状態に切り換えられた状態で前記作業車両が手動で走行する手動作業走行状態に切り換えられた場合は、前記移動経路取得処理と前記既作業経路表示処理とを行う点にある。
本構成によれば、表示制御部は、作業車両の手動作業走行状態においては、作業車両の手動作業走行状態での測位ユニットの測位情報に基づいて移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを行う。これにより、作業車両の手動作業走行状態での移動経路を取得することができ、取得した移動経路を既作業経路として表示部にて目標経路と重畳して表示することができる。
これにより、例えば、測位ユニットの測位精度が低下することで、作業車両の自動走行による作業の継続が不可能になって作業車両の手動走行で作業を行うようにした場合においても、既作業経路を表示部にて目標経路と重畳して表示することができる。
その結果、ユーザは、作業車両の手動走行で作業を行う場合においても、表示部を目視することで作業の進捗状況を容易に確認することができる。
作業車両用の自動走行システムの概略構成を示す図 トラクタの伝動構成を示す概略図 作業車両用の自動走行システムの概略構成を示すブロック図 障害物検出ユニットなどの概略構成を示すブロック図 自動走行用の目標経路の一例を示す平面図 測位ユニットの測位誤差に起因した作業車両の測定位置の位置ずれ分を含む既作業経路が目標経路と重畳して表示された表示部の表示状態を示す図 既作業経路表示制御における表示制御部の制御作動を示すフローチャート 測位ユニットの測位誤差に起因した作業車両の測定位置の位置ずれ分を含まない既作業経路が目標経路と重畳して表示された比較例での表示部の表示状態を示す図
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る作業車両用の自動走行システムを、作業車両の一例であるトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、本発明に係る作業車両用の自動走行システムは、トラクタ以外に、例えば、乗用管理機、乗用草刈機、乗用田植機、コンバイン、除雪車、ホイールローダ、及び、運搬車、などの自動走行可能な乗用作業車両、並びに、無人耕耘機や無人草刈機などの無人作業車両に適用することができる。
図1に示すように、本実施形態に例示されたトラクタ1は、その後部に、リンク機構2を介して、作業装置の一例であるロータリ耕耘装置3が昇降可能かつローリング可能に連結されている。これにより、トラクタ1は、ロータリ耕耘仕様に構成されている。
尚、トラクタ1の後部には、ロータリ耕耘装置3に代えて、例えば、プラウ、ディスクハロー、カルチベータ、サブソイラ、播種装置、散布装置、草刈装置、収穫装置、などの作業装置を連結することができる。
トラクタ1は、作業車両用の自動走行システムを使用することにより、作業地の一例である圃場A(図5参照)などにおいて自動走行させることができる。図1、図3に示すように、作業車両用の自動走行システムには、トラクタ1に搭載された自動走行ユニット4、及び、自動走行ユニット4と無線通信可能に通信設定された無線通信機器の一例である携帯通信端末5、などが含まれている。携帯通信端末5には、自動走行に関する各種の情報表示や入力操作などを可能にするマルチタッチ式の表示デバイス(表示部の一例)50などが備えられている。
尚、携帯通信端末5には、タブレット型のパーソナルコンピュータやスマートフォンなどを採用することができる。又、無線通信には、Wi-Fi(登録商標)などの無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信などを採用することができる。
図1~3に示すように、トラクタ1には、駆動可能で操舵可能な左右の前輪10、駆動可能な左右の後輪11、搭乗式の運転部12を形成するキャビン13、コモンレールシステムを有する電子制御式のディーゼルエンジン(原動部の一例で、以下、エンジンと称する)14、エンジン14などを覆うボンネット15、及び、エンジン14からの動力を変速する変速ユニット16、などが備えられている。尚、エンジン14には、電子ガバナを有する電子制御式のガソリンエンジン(原動部の一例)などを採用してもよい。
図3に示すように、トラクタ1には、左右の前輪10を操舵する全油圧式のパワーステアリングユニット17、左右の後輪11を制動するブレーキユニット18、ロータリ耕耘装置3への伝動を断続する電子油圧制御式の作業クラッチユニット19、ロータリ耕耘装置3を昇降駆動する電子油圧制御式の昇降駆動ユニット20、ロータリ耕耘装置3のロール方向への駆動を可能にする電子油圧制御式のローリングユニット21、トラクタ1における各種の設定状態や各部の動作状態などを検出する各種のセンサやスイッチなどを含む車両状態検出機器22、及び、各種の制御部を有する車載制御ユニット23、などが備えられている。尚、パワーステアリングユニット17には、操舵用の電動モータを有する電動式を採用してもよい。
図1に示すように、運転部12には、手動操舵用のステアリングホイール25、搭乗者用の座席26、及び、各種の情報表示や入力操作などを可能にする操作端末27が備えられている。図示は省略するが、運転部12には、アクセルレバーや変速レバーなどの操作レバー類、及び、アクセルペダルやクラッチペダルなどの操作ペダル類、などが備えられている。操作端末27には、マルチタッチ式の液晶モニタやISOBUS(イソバス)対応のバーチャルターミナルなどを採用することができる。
図2に示すように、変速ユニット16には、エンジン14からの動力を走行用に変速する走行伝動系16Aと作業用に変速する作業伝動系16Bとが備えられている。そして、走行伝動系16Aによる変速後の動力が、前輪駆動用の伝動軸28、及び、前車軸ケース29に内蔵された前輪用差動装置30、などを介して左右の前輪10に伝えられる。又、作業伝動系16Bによる変速後の動力がロータリ耕耘装置3に伝えられる。変速ユニット16には、左右の後輪11を個別に制動する左右のブレーキ31が備えられている。
走行伝動系16Aには、エンジン14からの動力を変速する電子制御式の主変速装置32、主変速装置32からの動力を前進用と後進用とに切り換える電子油圧制御式の前後進切換装置33、前後進切換装置33からの前進用又は後進用の動力を高低2段に変速するギア式の副変速装置34、前後進切換装置33からの前進用又は後進用の動力を超低速段に変速するギア式のクリープ変速装置35、副変速装置34又はクリープ変速装置35からの動力を左右の後輪11に分配する後輪用差動装置36、後輪用差動装置36からの動力を減速して左右の後輪11に伝える左右の減速装置37、及び、副変速装置34又はクリープ変速装置35から左右の前輪10への伝動を切り換える電子油圧制御式の伝動切換装置38、などが含まれている。
作業伝動系16Bには、エンジン14からの動力を断続する油圧式の作業クラッチ39、作業クラッチ39を経由した動力を正転3段と逆転1段とに切り換える作業用変速装置40、及び、作業用変速装置40からの動力を作業用として出力するPTO軸41、などが含まれている。PTO軸41から取り出された動力は、外部伝動軸などを介してロータリ耕耘装置3に伝えられる。作業クラッチ39は、作業クラッチ39に対するオイルの流れを制御する電磁制御弁(図示せず)などとともに作業クラッチユニット19に含まれている。
主変速装置32には、静油圧式無段変速装置(HST:Hydro Static Transmission)よりも伝動効率が高い油圧機械式無段変速装置の一例であるI-HMT(Integrated Hydro-static Mechanical Transmission)が採用されている。
尚、主変速装置32には、I-HMTの代わりに、油圧機械式無段変速装置の一例であるHMT(Hydraulic Mechanical Transmission)、静油圧式無段変速装置、又は、ベルト式無段変速装置、などの無段変速装置を採用してもよい。又、無段変速装置の代わりに、複数の油圧式の変速クラッチ、及び、それらに対するオイルの流れを制御する複数の電磁式の変速バルブ、などを有する電子油圧制御式の有段変速装置を採用してもよい。
伝動切換装置38は、左右の前輪10への伝動状態を、左右の前輪10への伝動を遮断する伝動遮断状態と、左右の前輪10の周速が左右の後輪11の周速と同じになるように左右の前輪10に伝動する等速伝動状態と、左右の後輪11の周速に対して左右の前輪10の周速が約2倍になるように左右の前輪10に伝動する倍速伝動状態とに切り換える。これにより、このトラクタ1の駆動状態を、2輪駆動状態と4輪駆動状態と前輪倍速状態とに切り換えることができる。
図示は省略するが、ブレーキユニット18には、前述した左右のブレーキ31、運転部12に備えられた左右のブレーキペダルの踏み込み操作に連動して左右のブレーキ31を作動させるフットブレーキ系、運転部12に備えられたパーキングレバーの操作に連動して左右のブレーキ31を作動させるパーキングブレーキ系、及び、左右の前輪10の設定角度以上の操舵に連動して旋回内側のブレーキ31を作動させる旋回ブレーキ系、などが含まれている。
車両状態検出機器22は、トラクタ1の各部に備えられた各種のセンサやスイッチなどの総称である。図4に示すように、車両状態検出機器22には、アクセルレバーの操作位置を検出するアクセルセンサ22A、主変速レバーの操作位置を検出する変速センサ22B、前後進切り換え用のリバーサレバーの操作位置を検出するリバーサセンサ22C、エンジン14の出力回転数を検出する第1回転センサ22D、トラクタ1の車速を検出する車速センサ22E、前輪10の操舵角を検出する舵角センサ22F、ロータリ耕耘装置3の高さ位置を検出する高さセンサ22G、及び、PTO軸41の回転数をロータリ耕耘装置3の駆動回転数として検出する第2回転センサ22H、などが含まれている。
図3~4に示すように、車載制御ユニット23には、エンジン14に関する制御を行うエンジン制御部23A、トラクタ1の車速や前後進の切り換えなどの変速ユニット16に関する制御を行う変速ユニット制御部23B、ステアリングに関する制御を行うステアリング制御部23C、ロータリ耕耘装置3などの作業装置に関する制御を行う作業装置制御部23D、操作端末27などに対する表示や報知に関する制御を行う表示制御部23E、自動走行に関する制御を行う自動走行制御部23F、及び、圃場Aに応じて生成された自動走行用の目標経路P(図5参照)などを記憶する不揮発性の車載記憶部23G、などが含まれている。各制御部23A~23Fは、マイクロコントローラなどが集積された電子制御ユニットや各種の制御プログラムなどによって構築されている。各制御部23A~23Fは、CAN(Controller Area Network)を介して相互通信可能に接続されている。
尚、各制御部23A~23Fの相互通信には、CAN以外の通信規格や次世代通信規格である、例えば、車載EthernetやCAN-FD(CAN with FLexible Data rate)などを採用してもよい。
エンジン制御部23Aは、アクセルセンサからの検出情報と回転センサからの検出情報とに基づいて、エンジン回転数をアクセルレバーの操作位置に応じた回転数に維持するエンジン回転数維持制御、などを実行する。
変速ユニット制御部23Bは、変速センサからの検出情報と車速センサ22Eからの検出情報などに基づいて、トラクタ1の車速が変速レバーの操作位置に応じた速度に変更されるように主変速装置32の作動を制御する車速制御、及び、リバーサセンサ22Cからの検出情報に基づいて前後進切換装置の伝動状態を切り換える前後進切り換え制御、などを実行する。車速制御には、変速レバーが零速位置に操作された場合に、主変速装置32を零速状態まで減速制御してトラクタ1の走行を停止させる減速停止処理が含まれている。
作業装置制御部23Dには、運転部12に備えられたPTOスイッチ22K(図4参照)の操作などに基づいて作業クラッチユニット19の作動を制御する作業クラッチ制御、運転部12に備えられた昇降スイッチ22L(図4参照)の操作や高さ設定ダイヤルの設定値などに基づいて昇降駆動ユニット20の作動を制御する昇降制御、及び、運転部12に備えられたロール角設定ダイヤルの設定値などに基づいてローリングユニット21の作動を制御するローリング制御、などを実行する。PTOスイッチ22K、昇降スイッチ22L、高さ設定ダイヤル、及び、ロール角設定ダイヤルは、車両状態検出機器22に含まれている。
図3に示すように、トラクタ1には、トラクタ1の位置や方位などを測定する測位ユニット42が備えられている。測位ユニット42には、衛星測位システムの一例であるGNSS(Global Navigation Satellite System)を利用してトラクタ1の位置と方位とを測定する衛星航法装置43、及び、3軸のジャイロスコープ及び3方向の加速度センサなどを有してトラクタ1の姿勢や方位などを測定する慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)44、などが含まれている。GNSSを利用した測位方法には、DGNSS(Differential GNSS:相対測位方式)やRTK-GNSS(Real Time Kinematic GNSS:干渉測位方式)などがある。本実施形態においては、移動体の測位に適したRTK-GNSSが採用されている。そのため、図1に示すように、圃場周辺の既知位置には、RTK-GNSSによる測位を可能にする基地局6が設置されている。
図1、図3に示すように、トラクタ1と基地局6とのそれぞれには、測位衛星7(図1参照)から送信された電波を受信するGNSSアンテナ45,60、及び、トラクタ1と基地局6との間における測位情報を含む各情報の無線通信を可能にする通信モジュール46,61、などが備えられている。これにより、測位ユニット42の衛星航法装置43は、トラクタ1のGNSSアンテナ45が測位衛星7からの電波を受信して得た測位情報と、基地局6のGNSSアンテナ60が測位衛星7からの電波を受信して得た測位情報とに基づいて、トラクタ1の位置及び方位を高い精度で測定することができる。又、測位ユニット42は、衛星航法装置43と慣性計測装置44とを有することにより、トラクタ1の位置、方位、姿勢角(ヨー角、ロール角、ピッチ角)を高精度に測定することができる。
このトラクタ1において、測位ユニット42の慣性計測装置44、GNSSアンテナ45、及び、通信モジュール46は、図1に示すアンテナユニット47に含まれている。アンテナユニット47は、キャビン13の前面側における上部の左右中央箇所に配置されている。
図示は省略するが、トラクタ1の位置を特定するときの車体位置は後輪車軸中心位置に設定されている。車体位置は、測位ユニット42からの測位情報、及び、トラクタ1におけるGNSSアンテナ45の取り付け位置と後輪車軸中心位置との位置関係を含む車体情報から求めることができる。
図3に示すように、携帯通信端末5には、マイクロコントローラなどが集積された電子制御ユニットや各種の制御プログラムなどを有する端末制御ユニット51などが備えられている。端末制御ユニット51には、表示デバイス50などに対する表示や報知に関する制御を行う表示制御部51A、自動走行用の目標経路Pを生成する目標経路生成部51B、及び、目標経路生成部51Bが生成した目標経路Pなどを記憶する不揮発性の端末記憶部51C、などが含まれている。端末記憶部51Cには、目標経路Pの生成に使用する各種の情報として、トラクタ1の旋回半径やロータリ耕耘装置3の作業幅などの車体情報、及び、前述した測位情報から得られる圃場情報、などが記憶されている。圃場情報には、圃場Aの形状や大きさなどを特定する上において、トラクタ1を圃場Aの外周縁に沿って走行させたときにGNSSを利用して取得した圃場Aにおける複数の形状特定地点(形状特定座標)となる4つの角部地点Cp1~Cp4(図5参照)、及び、それらの角部地点Cp1~Cp4を繋いで圃場Aの形状や大きさなどを特定する矩形状の形状特定線SL(図5参照)、などが含まれている。
図3に示すように、トラクタ1及び携帯通信端末5には、車載制御ユニット23と端末制御ユニット51との間における測位情報などを含む各情報の無線通信を可能にする通信モジュール48,52が備えられている。トラクタ1の通信モジュール48は、携帯通信端末5との無線通信にWi-Fiが採用される場合には、通信情報をCANとWi-Fiとの双方向に変換する変換器として機能する。端末制御ユニット51は、車載制御ユニット23との無線通信にてトラクタ1の位置や方位などを含むトラクタ1に関する各種の情報を取得することができる。これにより、携帯通信端末5の表示デバイス50にて、目標経路Pに対するトラクタ1の位置や方位などを含む各種の情報を表示させることができる。
目標経路生成部51Bは、車体情報に含まれたトラクタ1の旋回半径やロータリ耕耘装置3の作業幅、及び、圃場情報に含まれた圃場Aの形状や大きさ、などに基づいて目標経路Pを生成する。
例えば、図5に示すように、矩形状の圃場Aにおいて、自動走行の開始位置p1と終了位置p2とが設定され、トラクタ1の作業走行方向が圃場Aの短辺に沿う方向に設定されている場合は、目標経路生成部51Bは、先ず、圃場Aを、前述した4つの角部地点Cp1~Cp4と矩形状の形状特定線SLとに基づいて、圃場Aの外周縁に隣接するマージン領域A1と、マージン領域A1の内側に位置する作業可能領域A2とに区分けする。
次に、目標経路生成部51Bは、トラクタ1の旋回半径やロータリ耕耘装置3の作業幅などに基づいて、作業可能領域A2を、作業可能領域A2における各長辺側の端部に設定される一対の端部領域A2aと、一対の端部領域A2aの間に設定される中央側領域A2bとに区分けする。その後、目標経路生成部51Bは、中央側領域A2bに、圃場Aの長辺に沿う方向に作業幅に応じた所定間隔を置いて並列に配置される複数の並列経路P1を生成する。又、目標経路生成部51Bは、各端部領域A2aに、複数の並列経路P1をトラクタ1の走行順に接続する複数の接続経路P2を生成する。
これにより、目標経路生成部51Bは、図5に示す圃場Aに設定された自動走行の開始位置p1から終了位置p2にわたってトラクタ1を自動走行させることが可能な目標経路Pを生成することができる。
図5に示す圃場Aにおいて、マージン領域A1は、トラクタ1が作業可能領域A2の端部を自動走行するときに、ロータリ耕耘装置3などが圃場Aに隣接する畦や柵などの他物に接触するのを防止するために、圃場Aの外周縁と作業可能領域A2との間に確保された領域である。各端部領域A2aは、トラクタ1が現在走行中の並列経路P1から次の並列経路P1に向けて接続経路P2に従って方向転換移動するときの方向転換領域である。中央側領域A2bは、トラクタ1が各並列経路P1に従って作業状態で自動走行する作業領域である。
図5に示す目標経路Pにおいて、各並列経路P1は、トラクタ1がロータリ耕耘装置3による作業を行いながら自動走行する作業経路である。各接続経路P2は、トラクタ1がロータリ耕耘装置3による作業を行わずに自動走行する非作業経路である。各並列経路P1の始端位置p3は、トラクタ1がロータリ耕耘装置3による作業を開始する作業開始位置である。各並列経路P1の終端位置p4は、トラクタ1がロータリ耕耘装置3による作業を停止する作業停止位置である。各並列経路P1の始端位置p3のうち、トラクタ1の走行順位が一番目に設定された並列経路P1の始端位置p3が自動走行の開始位置p1である。そして、残りの並列経路P1の始端位置p3が、接続経路P2の終端位置との接続位置である。又、トラクタ1の走行順位が最後に設定された並列経路P1の終端位置p4が自動走行の終了位置p2である。そして、残りの並列経路P1の終端位置p4が、接続経路P2の始端位置との接続位置である。
各接続経路P2には、トラクタ1を現在走行中の並列経路P1から次の並列経路P1に向けて方向転換させる方向転換経路が含まれている。方向転換経路には、トラクタ1の旋回半径とロータリ耕耘装置3の作業幅との関係などに応じて、トラクタ1をU字状に方向転換走行させるU字旋回経路、及び、スイッチバックを利用しトラクタ1をフィッシュテール状に方向転換走行させるスイッチバック旋回経路、などを採用することができる。
尚、図5に示す目標経路Pはあくまでも一例であり、目標経路生成部51Bは、トラクタ1の機種や作業装置の種類などに応じて異なる車体情報、及び、圃場Aに応じて異なる圃場Aの形状や大きさなどの圃場情報、などに基づいて、それらに適した種々の目標経路Pを生成することができる。
目標経路Pは、車体情報や圃場情報などに関連付けされた状態で端末記憶部51Cに記憶されており、携帯通信端末5の表示デバイス50にて表示することができる。目標経路Pには、各並列経路P1や各接続経路P2などにおいて設定されたトラクタ1の進行方向、目標車速、前輪操舵角、自動走行の開始位置p1、自動走行の終了位置p2、作業開始位置p3、及び、作業停止位置p4、などの自動走行に関する各種の情報が含まれている。
端末制御ユニット51は、車載制御ユニット23からの送信要求指令に応じて、端末記憶部51Cに記憶されている圃場情報や目標経路Pなどを車載制御ユニット23に送信する。車載制御ユニット23は、受信した圃場情報や目標経路Pなどを車載記憶部23Gに記憶する。目標経路Pの送信に関しては、例えば、端末制御ユニット51が、トラクタ1が自動走行を開始する前の段階において、目標経路Pの全てを端末記憶部51Cから車載制御ユニット23に一挙に送信するようにしてもよい。又、端末制御ユニット51が、目標経路Pを所定距離ごとの複数の分割経路情報に分割して、トラクタ1が自動走行を開始する前の段階からトラクタ1の走行距離が所定距離に達するごとに、トラクタ1の走行順位に応じた所定数の分割経路情報を端末記憶部51Cから車載制御ユニット23に逐次送信するようにしてもよい。
自動走行制御部23Fには、車両状態検出機器22に含まれた各種のセンサやスイッチなどからの検出情報が入力されている。これにより、自動走行制御部23Fは、トラクタ1における各種の設定状態や各部の動作状態などを監視することができる。
自動走行制御部23Fは、搭乗者や管理者などのユーザにより、トラクタ1の自動走行を可能にするための各種の手動設定操作が行われて、トラクタ1の走行モードが手動走行モードから自動走行モードに切り換えられた状態において、携帯通信端末5の表示デバイス50が操作されて自動走行の開始が指示された場合に、測位ユニット42にてトラクタ1の位置や方位などを取得しながら目標経路Pに従ってトラクタ1を自動走行させる自動走行制御を開始する。
自動走行制御部23Fは、自動走行制御の実行中に、例えば、ユーザにより携帯通信端末5の表示デバイス50が操作されて自動走行の終了が指示された場合や、運転部12に搭乗しているユーザにてステアリングホイール25やアクセルペダルなどの手動操作具が操作された場合は、自動走行制御を終了するとともに走行モードを自動走行モードから手動走行モードに切り換える。
自動走行制御部23Fによる自動走行制御には、エンジン14に関する自動走行用の制御指令をエンジン制御部23Aに送信するエンジン用自動制御処理、トラクタ1の車速や前後進の切り換えに関する自動走行用の制御指令を変速ユニット制御部23Bに送信する車速用自動制御処理、ステアリングに関する自動走行用の制御指令をステアリング制御部23Cに送信するステアリング用自動制御処理、及び、ロータリ耕耘装置3などの作業装置に関する自動走行用の制御指令を作業装置制御部23Dに送信する作業用自動制御処理、などが含まれている。
自動走行制御部23Fは、エンジン用自動制御処理においては、目標経路Pに含まれた設定回転数などに基づいてエンジン回転数の変更を指示するエンジン回転数変更指令、などをエンジン制御部23Aに送信する。エンジン制御部23Aは、自動走行制御部23Fから送信されたエンジン14に関する各種の制御指令に応じてエンジン回転数を自動で変更するエンジン回転数変更制御、などを実行する。
自動走行制御部23Fは、車速用自動制御処理においては、目標経路Pに含まれた目標車速に基づいて主変速装置32の変速操作を指示する変速操作指令、及び、目標経路Pに含まれたトラクタ1の進行方向などに基づいて前後進切換装置の前後進切り換え操作を指示する前後進切り換え指令、などを変速ユニット制御部23Bに送信する。変速ユニット制御部23Bは、自動走行制御部23Fから送信された主変速装置32や前後進切換装置などに関する各種の制御指令に応じて、主変速装置32の作動を自動で制御する自動車速制御、及び、前後進切換装置の作動を自動で制御する自動前後進切り換え制御、などを実行する。自動車速制御には、例えば、目標経路Pに含まれた目標車速が零速である場合に、主変速装置32を零速状態まで減速制御してトラクタ1の走行を停止させる自動減速停止処理などが含まれている。
自動走行制御部23Fは、ステアリング用自動制御処理においては、目標経路Pに含まれた前輪操舵角などに基づいて左右の前輪10の操舵を指示する操舵指令、などをステアリング制御部23Cに送信する。ステアリング制御部23Cは、自動走行制御部23Fから送信された操舵指令に応じて、パワーステアリングユニット17の作動を制御して左右の前輪10を操舵する自動ステアリング制御、及び、左右の前輪10が設定角度以上に操舵された場合に、ブレーキユニット18を作動させて旋回内側のブレーキを作動させる自動ブレーキ旋回制御、などを実行する。
自動走行制御部23Fは、作業用自動制御処理においては、目標経路Pに含まれた各作業開始位置(各並列経路P1の始端位置)p3へのトラクタ1の到達に基づいてロータリ耕耘装置3の作業状態への切り換えを指示する作業開始指令、及び、目標経路Pに含まれた各作業停止位置(各並列経路P1の終端位置)p4へのトラクタ1の到達に基づいてロータリ耕耘装置3の非作業状態への切り換えを指示する作業停止指令、などを作業装置制御部23Dに送信する。作業装置制御部23Dは、自動走行制御部23Fから送信されたロータリ耕耘装置3に関する各種の制御指令に応じて、作業クラッチユニット19及び昇降駆動ユニット20の作動を制御して、ロータリ耕耘装置3を駆動させて作業高さまで下降させる自動作業開始制御、及び、ロータリ耕耘装置3を非作業高さまで上昇させて駆動停止させる自動作業停止制御、などを実行する。これにより、目標経路Pに従って自動走行するトラクタ1の状態を、ロータリ耕耘装置3が作業状態に切り換えられた状態でトラクタ1が自動走行する自動作業走行状態と、ロータリ耕耘装置3が非作業状態に切り換えられた状態でトラクタ1が自動走行する自動非作業走行状態とに切り換えることができる。
つまり、前述した自動走行ユニット4には、パワーステアリングユニット17、ブレーキユニット18、作業クラッチユニット19、昇降駆動ユニット20、ローリングユニット21、車両状態検出機器22、車載制御ユニット23、測位ユニット42、及び、通信モジュール46,48、などが含まれている。そして、これらが適正に作動することにより、トラクタ1を目標経路Pに従って精度良く自動走行させることができるとともに、ロータリ耕耘装置3による耕耘作業を適正に行うことができる。
図3~4に示すように、トラクタ1には、トラクタ1の周辺状況を取得する周辺状況取得システム8が備えられている。図4に示すように、周辺状況取得システム8には、トラクタ1の周囲を撮像して画像情報を取得する撮像ユニット80、及び、トラクタ1の周囲に存在する障害物を検出する障害物検出ユニット85が含まれている。障害物検出ユニット85が検出する障害物には、圃場Aにて作業する作業者などの人物や他の作業車両、及び、圃場Aに既存の電柱や樹木などが含まれている。
図1、図4に示すように、撮像ユニット80には、キャビン13から前方の所定範囲が撮像範囲に設定された前カメラ81、キャビン13から後方の所定範囲が撮像範囲に設定された後カメラ82、及び、前後の各カメラ81,82からの画像情報を処理する画像処理装置83(図4参照)、が含まれている。画像処理装置83は、マイクロコントローラなどが集積された電子制御ユニットや各種の制御プログラムなどによって構築されている。画像処理装置83は、車載制御ユニット23などにCANを介して相互通信可能に接続されている。
画像処理装置83は、前後の各カメラ81,82から順次送信される画像情報に対して、各カメラ81,82の撮像範囲に対応したトラクタ1の前側画像と後側画像とを生成する画像生成処理などを行う。そして、生成した各画像を、車載制御ユニット23の表示制御部23Eに送信する画像送信処理を行う。表示制御部23Eは、画像処理装置83からの各画像を、CANを介して操作端末27に送信するとともに、通信モジュール48,52を介して携帯通信端末5の表示制御部5Aに送信する。
これにより、画像処理装置83が生成したトラクタ1の前側画像と後側画像とを、トラクタ1の操作端末27や携帯通信端末5の表示デバイス50などにおいて表示することができる。そして、この表示により、ユーザは、トラクタ1の前方側と後方側の状況を容易に把握することができる。
図1、図4に示すように、障害物検出ユニット85には、トラクタ1の前方側が障害物の検出範囲に設定された前障害物センサ86と、トラクタ1の後方側が障害物の検出範囲に設定された後障害物センサ87と、トラクタ1の左右両横側が障害物の検出範囲に設定された横障害物センサ88とが含まれている。前障害物センサ86及び後障害物センサ87には、障害物の検出にパルス状の近赤外レーザ光を使用するライダーセンサが採用されている。横障害物センサ88には、障害物の検出に超音波を使用するソナーが採用されている。
図4に示すように、前障害物センサ86及び後障害物センサ87は、近赤外レーザ光を使用して測定範囲に存在する各測距点(測定対象物)までの距離を測定する測定部86A,87A、及び、測定部86A,87Aからの測定情報に基づいて距離画像の生成などを行う制御部86B,87Bを有している。横障害物センサ88は、超音波の送受信を行う右超音波センサ88Aと左超音波センサ88B、及び、各超音波センサ88A,88Bでの超音波の送受信に基づいて測定範囲に存在する測定対象物までの距離を測定する単一の制御部88Cを有している。
各障害物センサ86~88の制御部86B,87B,88Cは、マイクロコントローラなどが集積された電子制御ユニットや各種の制御プログラムなどによって構築されている。各制御部86B,87B,88Cは、車載制御ユニット23などにCANを介して相互通信可能に接続されている。
自動走行制御部23Fは、測位ユニット42の測位情報、及び、車載制御ユニット23に送信された各障害物センサ86~88の検出情報、などに基づいて、トラクタ1の走行を制御して障害物との衝突を回避する衝突回避制御を実行する。自動走行制御部23Fは、衝突回避制御においては、各障害物センサ86~88の検出情報などに応じた各衝突回避用の走行制御の実行を変速ユニット制御部23Bに指示することで、トラクタ1の走行を制御する。
携帯通信端末5の表示デバイス50に表示される表示画面には、目標経路生成用の経路生成画面や図6に示す自動走行用の作業画面70などが含まれている。携帯通信端末5の表示制御部51Aは、表示デバイス50に対して作業画面表示用の操作が行われた場合に、表示デバイス50の表示画面を作業画面70に切り換える。
図6に示すように、作業画面70には、トラクタ1の自動走行の開始又は一時停止を指示する走行用指示ボタン71、自動走行中のトラクタ1の非常停止を指示する非常停止ボタン72、撮像ユニット80からのトラクタ1の前側画像と後側画像とを表示する画像表示部73、及び、各種の情報を表示する情報表示部74、などが表示されている。画像表示部73は、撮像ユニット80からのトラクタ1の前側画像を表示する前画像表示領域73Aと、後側画像を表示する後画像表示領域73Bとに上下に区画されている。
携帯通信端末5の表示制御部51Aは、車載制御ユニット23から送信される各種の情報に基づいてトラクタ1の停止状態を検知している間は、走行用指示ボタン71を、トラクタ1の走行開始を指示するスタートボタンに切り換える。又、トラクタ1の自動走行状態を検知している間は、走行用指示ボタン71を、トラクタ1の一時停止を指示する一時停止ボタンに切り換える。
表示制御部51Aは、トラクタ1の自動走行状態において走行用指示ボタン(一時停止ボタン)71が操作された場合は、トラクタ1の一時停止状態への切り換えを車載制御ユニット23に指示する。車載制御ユニット23は、一時停止状態への切り換えが指示されると、自動走行制御部23Fが、そのときのトラクタ1の位置が作業経路(並列経路)P1上か非作業経路(接続経路)P2上かを判定する。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の位置が作業経路P1上である場合は、トラクタ1の走行状態から一時停止状態への切り換えを変速ユニット制御部23Bに指示するとともに、ロータリ耕耘装置3の作業状態から非作業状態への切り換えを作業装置制御部23Dに指示する。すると、変速ユニット制御部23Bが、トラクタ1を走行状態から一時停止状態に切り換えるとともに、作業装置制御部23Dが、ロータリ耕耘装置3を作業状態から非作業状態に切り換える。これにより、トラクタ1の状態を自動作業走行状態から一時停止状態に適切に切り換えることができる。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の位置が非作業経路P2上である場合は、トラクタ1の走行状態から一時停止状態への切り換えを変速ユニット制御部23Bに指示する。すると、変速ユニット制御部23Bが、トラクタ1を走行状態から一時停止状態に切り換える。これにより、トラクタ1の状態を自動非作業走行状態から一時停止状態に切り換えることができる。
表示制御部51Aは、トラクタ1の一時停止状態において走行用指示ボタン(スタートボタン)71が操作された場合は、トラクタ1の自動走行状態への切り換えを車載制御ユニット23に指示する。車載制御ユニット23は、自動走行状態への切り換えが指示されると、自動走行制御部23Fが、そのときのトラクタ1の位置が作業経路P1上か非作業経路P2上かを判定する。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の位置が作業経路P1上である場合は、ロータリ耕耘装置3の非作業状態から作業状態への切り換えを作業装置制御部23Dに指示した後に、トラクタ1の一時停止状態から走行状態への切り換えを変速ユニット制御部23Bに指示する。すると、作業装置制御部23Dが、ロータリ耕耘装置3を非作業状態から作業状態に切り換え、その後、変速ユニット制御部23Bが、トラクタ1を一時停止状態から走行状態に切り換える。これにより、トラクタ1の状態を一時停止状態から自動作業走行状態に適切に切り換えることができる。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の位置が非作業経路P2上である場合は、トラクタ1の一時停止状態から走行状態への切り換えを変速ユニット制御部23Bに指示する。すると、変速ユニット制御部23Bが、トラクタ1を一時停止状態から走行状態に切り換える。これにより、トラクタ1の状態を一時停止状態から自動非作業走行状態に切り換えることができる。
つまり、走行用指示ボタン71は、トラクタ1の一時停止状態への切り換えを指示する一時停止指示部、及び、トラクタ1の一時停止状態から自動作業走行状態への切り換えを指示する作業走行指示部として機能する。
尚、本実施形態においては、トラクタ1の非作業走行時やトラクタ1が非作業経路P2上で一時停止するときのロータリ耕耘装置3の非作業状態を、ロータリ耕耘装置3を作業高さまで上昇させて駆動停止させた状態とする。これに対し、トラクタ1が作業経路P1上で一時停止するときのロータリ耕耘装置3の非作業状態を、ロータリ耕耘装置3を作業高さに維持したまま駆動停止させた状態とする。そして、これらのロータリ耕耘装置3の非作業状態を区別するために、以下においては、前者のロータリ耕耘装置3の非作業状態を第1非作業状態と称し、後者のロータリ耕耘装置3の非作業状態を第2非作業状態と称する。
ちなみに、トラクタ1が作業経路P1上で一時停止するときのロータリ耕耘装置3の非作業状態を、トラクタ1の非作業走行時などにおけるロータリ耕耘装置3の非作業状態と同様に、ロータリ耕耘装置3を作業高さまで上昇させて駆動停止させた状態としてもよい。
表示制御部51Aは、自動走行制御部23Fによる自動走行制御の実行中に表示デバイス50の作業画面70に表示された非常停止ボタン72が操作された場合は、自動走行制御の終了を車載制御ユニット23に指示する。車載制御ユニット23は、自動走行制御の終了が指示されると、自動走行制御部23Fが、そのときのトラクタ1の位置が作業経路(並列経路)P1上か非作業経路(接続経路)P2上かを判定する。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の位置が作業経路P1上である場合は、ロータリ耕耘装置3の作業状態から第1非作業状態への切り換えを作業装置制御部23Dに指示するとともに、トラクタ1の走行状態から停止状態への切り換えを変速ユニット制御部23Bに指示する。すると、作業装置制御部23Dが、ロータリ耕耘装置3を作業状態から第1非作業状態に切り換えるとともに、変速ユニット制御部23Bが、トラクタ1を走行状態から走行を停止する停止状態に切り換える。これにより、トラクタ1の状態を自動作業走行状態から停止状態に切り換えることができる。そして、トラクタ1の状態が停止状態に切り換えられた後に、自動走行制御部23Fが自動走行制御を終了して、トラクタ1の走行モードを自動走行モードから手動走行モードに切り換える。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の位置が非作業経路P2上である場合は、トラクタ1の走行状態から停止状態への切り換えを変速ユニット制御部23Bに指示する。すると、変速ユニット制御部23Bが、トラクタ1を走行状態から停止状態に切り換える。これにより、トラクタ1の状態を自動非作業走行状態から停止状態に切り換えることができる。そして、トラクタ1の状態が停止状態に切り換えられた後に、自動走行制御部23Fが自動走行制御を終了して、トラクタ1の走行モードを自動走行モードから手動走行モードに切り換える。
測位ユニット42は、例えば、周囲環境の悪化により、GNSSアンテナ45にて受信可能な測位衛星7の数量が減少することや、測位衛星7からの電波強度が低下することなどに起因して、測位精度が、移動体の測位に適した高精度測位状態から低下する場合がある。又、携帯通信端末5と自動走行ユニット4との無線通信は、周囲環境の悪化によって通信不良に陥ることがある。そこで、図3~4に示すように、自動走行制御部23Fには、測位ユニット42の測位状態、及び、携帯通信端末5と自動走行ユニット4との通信状態を判定する判定モジュール23Faが含まれている。
判定モジュール23Faは、自動走行制御部23Fの自動走行制御によってトラクタ1が目標経路Pに従って自動走行している自動走行状態において、測位ユニット42の測位精度が高精度測位状態から低下したと判定した場合、又は、携帯通信端末5と自動走行ユニット4との間において通信不良が発生したと判定した場合に、トラクタ1の一時停止状態への切り換えを自動走行制御部23Fに指示する。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の一時停止状態への切り換えが指示された場合は、一時停止状態への切り換えが指示される前の測位ユニット42の測位情報に基づいてトラクタ1の位置が作業経路P1上か非作業経路P2上かを判定する。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の位置が作業経路P1上である場合はトラクタ1の状態が自動作業走行状態であることから、トラクタ1の走行状態から一時停止状態への切り換えを変速ユニット制御部23Bに指示した後に、ロータリ耕耘装置3の作業状態から第2非作業状態への切り換えを作業装置制御部23Dに指示する。すると、変速ユニット制御部23Bが、トラクタ1を走行状態から一時停止状態に切り換え、その後、作業装置制御部23Dが、ロータリ耕耘装置3を作業状態から第2非作業状態に切り換える。これにより、トラクタ1の状態を自動作業走行状態から一時停止状態に適切に切り換えることができる。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の位置が非作業経路P2上である場合はトラクタ1の状態が自動非作業走行状態であることから、トラクタ1の走行状態から一時停止状態への切り換えを変速ユニット制御部23Bに指示する。すると、変速ユニット制御部23Bが、トラクタ1を走行状態から一時停止状態に切り換える。これにより、トラクタ1の状態を、自動非作業走行状態から一時停止状態に切り換えることができる。
そして、上記のようにトラクタ1の状態が一時停止状態に切り換えられることで、測位精度が低下した測位ユニット42の測定情報に基づいてトラクタ1が自動走行することに起因してトラクタ1が目標経路Pから逸脱する虞や、携帯通信端末5を利用したトラクタ1の監視や遠隔操作が不能な状態でトラクタ1の自動走行が継続される不都合の発生、などを回避することができる。
判定モジュール23Faは、測位ユニット42の測位精度が高精度測位状態に復帰したと判定した場合、又は、携帯通信端末5と自動走行ユニット4との通信が回復したと判定した場合に、トラクタ1の一時停止状態から自動走行状態への切り換えを指示する。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の自動走行状態への切り換えが指示された場合は、自動走行状態への切り換えが指示されたときの測位ユニット42の測位情報に基づいてトラクタ1の位置が作業経路P1上か非作業経路P2上かを判定する。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の位置が作業経路P1上である場合は、ロータリ耕耘装置3の第2非作業状態から作業状態への切り換えを作業装置制御部23Dに指示した後に、トラクタ1の一時停止状態から走行状態への切り換えを変速ユニット制御部23Bに指示する。すると、作業装置制御部23Dが、ロータリ耕耘装置3を第2非作業状態から作業状態に切り換え、その後、変速ユニット制御部23Bが、トラクタ1を一時停止状態から走行状態に切り換える。これにより、トラクタ1の状態を一時停止状態から自動作業走行状態に適切に切り換えることができる。
自動走行制御部23Fは、トラクタ1の位置が非作業経路P2上である場合は、トラクタ1の一時停止状態から走行状態への切り換えを変速ユニット制御部23Bに指示する。すると、変速ユニット制御部23Bが、トラクタ1を一時停止状態から走行状態に切り換える。これにより、トラクタ1の状態を一時停止状態から自動非作業走行状態に切り換えることができる。
つまり、判定モジュール23Faは、走行用指示ボタン71と同様に、トラクタ1の一時停止状態への切り換えを指示する一時停止指示部、及び、トラクタ1の一時停止状態から自動作業走行状態への切り換えを指示する作業走行指示部として機能する。
携帯通信端末5の表示制御部51Aは、表示デバイス50に対する各種の表示情報切り換え操作に応じて、作業画面70に表示された情報表示部74の表示状態を、作業の進捗状況などの作業情報を表示する作業情報表示状態(図6参照)や、各障害物センサ86~88にて検出された障害物の位置などを表示する障害物情報表示状態、などに切り換える。図6に示すように、表示制御部51Aは、情報表示部74の作業情報表示状態においては、自動走行ユニット4との通信で取得したトラクタ1の位置を目標経路Pとともに表示する。
表示制御部51Aは、自動走行制御部23Fによる自動走行制御が実行された場合に、トラクタ1が作業走行状態で自動走行した既作業経路Pwを目標経路Pと重畳して塗りつぶし表示する既作業経路表示制御を実行する。これにより、情報表示部74の作業情報表示状態においては、図6に示すように、自動走行ユニット4との通信で取得したトラクタ1の位置を目標経路Pとともに表示するのに加えて、トラクタ1の既作業経路Pwを目標経路Pと重畳して塗りつぶし表示することができる。
その結果、ユーザは、トラクタ1の自動走行時には、携帯通信端末5の表示デバイス50に表示された作業画面70の情報表示部74を作業情報表示状態に切り換えて作業情報表示状態を目視することで、トラクタ1による作業の進捗状況を容易に把握することができる。
既作業経路表示制御には、測位ユニット42の測位情報に基づいてトラクタ1の移動経路を取得する移動経路取得処理、及び、取得した移動経路を既作業経路Pwとして情報表示部74において目標経路Pと重畳して塗りつぶし表示する既作業経路表示処理、などが含まれている。
以下、図7のフローチャートに基づいて、既作業経路表示制御での表示制御部51Aの制御作動について説明する。
表示制御部51Aは、目標経路Pと測位ユニット42の測定情報とに基づいて、トラクタ1の位置が作業経路(並列経路)P1上か否かを判定する第1判定処理を行う(ステップ#1)。そして、第1判定処理において、トラクタ1の位置が作業経路P1上である場合は、トラクタ1の状態が自動作業走行状態であることから、前述した移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを行う(ステップ#2~3)。
これにより、図6に示すように、作業情報表示状態の情報表示部74においては、トラクタ1が自動作業走行状態で移動した経路を既作業経路Pwとして目標経路Pと重畳して塗りつぶし表示することができる。
表示制御部51Aは、第1判定処理において、トラクタ1の位置が作業経路P1上でない場合は、トラクタ1の位置が非作業経路(接続経路)P2上で、トラクタ1の状態が自動非作業走行状態であることから、移動経路取得処理は行わずに既作業経路表示処理のみを行う(ステップ#4)。
これにより、図6に示すように、作業情報表示状態の情報表示部74においては、トラクタ1が自動非作業走行状態で移動した経路が目標経路Pと重畳して塗りつぶし表示されるのを回避することができる。
表示制御部51Aは、移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを行っている状態においては、トラクタ1の状態が自動作業走行状態から停止状態に切り換えられたか否かを判定する第2判定処理を行う(ステップ#5)。そして、第2判定処理において、トラクタ1の状態が停止状態に切り換えられている場合は、移動経路取得処理を終了した状態で既作業経路表示処理を継続する既作業経路表示継続処理を行う(ステップ#6)。
尚、トラクタ1の停止状態は、ロータリ耕耘装置3が第1非作業状態又は第2非作業状態に切り換えられた状態でトラクタ1が走行を停止する停止状態である。そして、この停止状態への切り換えは、自動走行制御部23Fの制御作動などにより、例えば、トラクタ1が目標経路Pにおける自動走行の終了位置p2に到達した場合や、表示デバイス50の非常停止ボタン72が操作された場合などにおいて行われる。
これにより、トラクタ1が目標経路Pにおける自動走行の終了位置p2に到達した場合や、表示デバイス50の非常停止ボタン72が操作された場合においても、トラクタ1の状態が停止状態に切り換えられる以前に取得した既作業経路Pwを、作業情報表示状態の情報表示部74において、目標経路Pと重畳して塗りつぶし表示させた状態で継続して表示することができる。
表示制御部51Aは、ステップ#4の既作業経路表示処理を行った後、ステップ#5の第2判定処理にてトラクタ1の状態が停止状態に切り換えられていない場合、及び、ステップ#6の既作業経路表示継続処理を行った後においては、携帯通信端末5の表示デバイス50に対する所定の操作などによって既作業経路表示制御の終了が指示されたか否かを判定する第3判定処理を行う(ステップ#7)。そして、第3判定処理において、既作業経路表示制御の終了が指示された場合は既作業経路表示制御を終了し、既作業経路表示制御の終了が指示されていない場合はステップ#1の第1判定処理に遷移する。
ところで、上記の既作業経路表示制御の実行中においては、トラクタ1が作業経路P1に従って自動作業走行状態で移動している場合に、走行用指示ボタン71又は判定モジュール23Faからトラクタ1の一時停止状態への切り換えが指示されることがある。そして、このような切り換えが指示された場合には、この指示に基づく自動走行制御部23Fなどの制御作動により、トラクタ1の状態が自動作業走行状態から一時停止状態に切り換えられる。
上記のようにトラクタ1の状態が自動作業走行状態から一時停止状態に切り換えられる場合には、この切り換えに連動して、表示制御部51Aが前述した移動経路取得処理を中断することが考えられる。しかしながら、移動経路取得処理を中断すると、例えば、測位ユニット42の測位誤差に起因して、トラクタ1の測定位置が、トラクタ1の実際の一時停止位置からトラクタ1の作業走行方向に位置ずれした場合には、この位置ずれ分が移動経路として取得されなくなる。そして、このような位置ずれが生じた場合において、走行用指示ボタン71又は判定モジュール23Faからトラクタ1の一時停止状態から自動作業走行状態への切り換えが指示されると、測位ユニット42の測位情報においては、上記のように位置ずれした測定位置からトラクタ1の自動走行が再開されたことになる。すると、自動走行の再開とともに再開される移動経路取得処理においては、位置ずれした測定位置からトラクタ1が自動走行した経路が、自動走行再開後の移動経路として取得される。
そのため、既作業経路表示処理によって移動経路が既作業経路Pwとして塗りつぶし表示される作業情報表示状態の情報表示部74においては、図8に示すように、トラクタ1が自動作業走行状態から一時停止状態に切り換えられる前の既作業経路Pwと、トラクタ1が一時停止状態から自動作業走行状態に切り換えられた後の既作業経路Pwとの間に、実際には存在しない未作業部分が塗りつぶしのない空白Bの状態で表示される。その結果、ユーザが作業情報表示状態の情報表示部74を目視して作業の進捗状況を確認する場合に、既作業経路Pwに未作業部分が残存していると誤解する虞がある。
そこで、本実施形態においては、トラクタ1の状態が自動作業走行状態から一時停止状態に切り換えられる場合には、この切り換えにかかわらず、表示制御部51Aが前述した移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを継続するように設定されている。
これにより、トラクタ1が作業経路P1上で一時停止している一時停止状態において、例えば、測位ユニット42の測位誤差に起因して、トラクタ1の測定位置が、トラクタ1の実際の一時停止位置からトラクタ1の作業走行方向に位置ずれした場合には、この位置ずれ分を、トラクタ1が自動作業走行状態で走行した移動経路と見なして取得することができ、取得した移動経路を既作業経路Pwとして作業情報表示状態の情報表示部74において目標経路Pと重畳して塗りつぶし表示することができる。
その結果、前述した位置ずれが生じた後にトラクタ1の状態が一時停止状態から自動作業走行状態に切り換えられた場合には、測位ユニット42の測位情報においては、実際の一時停止位置から作業走行方向に位置ずれした測定位置からトラクタ1の作業走行が再開されたことになったとしても、前述した位置ずれ分の移動経路が既作業経路Pwとして作業情報表示状態の情報表示部74において目標経路Pと重畳して塗りつぶし表示されていることから、作業走行再開後の作業情報表示状態の情報表示部74においては、トラクタ1が自動作業走行状態から一時停止状態に切り換えられる前の移動経路と、トラクタ1が一時停止状態から自動作業走行状態に切り換えられた後の移動経路と、それらの間の前述した位置ずれ分に基づく移動経路とが、実際の作業に即して連続する既作業経路Pwとして目標経路Pと重畳して塗りつぶし表示される。
従って、作業情報表示状態の情報表示部74においては、測位ユニット42の測位誤差に起因した既作業経路Pwの誤表示が解消されていることから、ユーザが作業情報表示状態の情報表示部74を目視して作業の進捗状況を確認する場合に、既作業経路Pwに未作業部分が残存していると誤解する虞を回避することができる。
自動走行制御部23Fは、走行用指示ボタン71又は判定モジュール23Faからのトラクタ1の一時停止状態から作業走行状態への切り換え指示に基づいて、トラクタ1を一時停止状態から自動作業走行状態に切り換える場合には、先ず、ロータリ耕耘装置3の第2非作業状態から作業状態への切り換えを作業装置制御部23Dに指示して、ロータリ耕耘装置3を第2非作業状態から作業状態に切り換えるとともに、前述した第2回転センサ22Hにて検出されるロータリ耕耘装置3の駆動回転数を監視する。そして、自動走行制御部23Fは、第2回転センサ22Hにて検出されるロータリ耕耘装置3の駆動回転数が耕耘作業に適した設定回転数以上に上昇した後に、トラクタ1の一時停止状態から走行状態への切り換えを変速ユニット制御部23Bに指示してトラクタ1の自動走行を再開させる。
つまり、自動走行制御部23Fは、トラクタ1の駆動回転数が設定回転数以上に上昇したタイミングでトラクタ1の自動走行を再開させることから、トラクタ1の自動走行による作業の再開当初からトラクタ1による作業を良好に行うことができる。これにより、トラクタ1の駆動回転数が設定回転数に達する前の段階からトラクタ1の自動走行による作業が再開されることに起因して、作業の再開当初において、トラクタ1による作業が良好に行われずに未作業部分が残存する不都合の発生を回避することができる。
その結果、前述したように、作業情報表示状態の情報表示部74においては、未作業部分が残存していると誤解される虞のない既作業経路Pwを塗りつぶし表示するようにしながらも、実際には、トラクタ1の自動走行による作業の再開当初において未作業部分が残存している、といった不都合の発生を回避することができる。
表示制御部51Aは、トラクタ1の状態が一時停止状態から自動作業走行状態に切り換えられる場合には、第2回転センサ22Hが検出するロータリ耕耘装置3の駆動回転数が作業に適した設定回転数以上に上昇した時点で、トラクタ1の一時停止状態での測位ユニット42の測位情報に基づく移動経路取得処理と既作業経路表示処理との継続を解除する。
これにより、トラクタ1の状態が一時停止状態から自動作業走行状態に切り換えられる場合には、自動走行制御部23Fは、前述したようにロータリ耕耘装置3の駆動回転数が設定回転数以上に上昇した後にトラクタ1の自動走行を再開させる。これに対し、表示制御部51Aは、ロータリ耕耘装置3の駆動回転数が設定回転数以上に上昇した時点で、移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを、トラクタ1の一時停止状態での測位ユニット42の測位情報に基づいて行う状態から、トラクタ1の自動作業走行状態での測位ユニット42の測位情報に基づいて行う状態に切り換わる。
つまり、表示制御部51Aは、トラクタ1の自動走行による作業が再開されるタイミングで、移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを、トラクタ1の一時停止状態での測位ユニット42の測位情報に基づいて行う状態から、トラクタ1の自動作業走行状態での測位ユニット42の測位情報に基づいて行う状態に切り換えることができる。
その結果、トラクタ1の自動走行による作業が再開された後の作業情報表示状態の情報表示部74での既作業経路Pwの表示を、トラクタ1の自動走行による作業の再開当初から、トラクタ1の自動走行による作業に即した状態で適正に行うことができる。
表示制御部51Aは、トラクタ1の状態が一時停止状態からロータリ耕耘装置3が作業状態に切り換えられた状態でトラクタ1が手動で走行する手動作業走行状態に切り換えられた場合は、移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを行う。
つまり、表示制御部51Aは、トラクタ1の手動作業走行状態においては、トラクタ1の手動作業走行状態での測位ユニット42の測位情報に基づいて移動経路取得処理と既作業経路表示処理とを行う。これにより、トラクタ1の手動作業走行状態での移動経路を取得することができ、取得した移動経路を既作業経路Pwとして作業情報表示状態の情報表示部74において目標経路Pと重畳して塗りつぶし表示することができる。
その結果、例えば、測位ユニット42の測位精度が低下することや、携帯通信端末5と自動走行ユニット4との間での通信不良などに起因して、トラクタ1の自動走行による作業の継続が不可能になってトラクタ1の手動走行で作業を行うようにした場合においても、既作業経路Pwを作業情報表示状態の情報表示部74において塗りつぶし表示することができ、作業の進捗状況を視認し易くすることができる。
〔別実施形態〕
本発明の別実施形態について説明する。
なお、以下に説明する各別実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の別実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)作業車両1の構成は種々の変更が可能である。
例えば、作業車両1は、左右の後輪11に代えて左右のクローラが備えられたセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、左右の前輪10及び左右の後輪11に代えて左右のクローラが備えられたフルクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、原動部14として、エンジンの代わりに電動モータが備えられた電動仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両1は、原動部14として、エンジンと電動モータとが備えられたハイブリッド仕様に構成されていてもよい。
(2)運転部12の操作端末27に備えられた表示デバイスが、携帯通信端末5の表示デバイス(表示部)50と同様に、既作業経路を目標経路と重畳して表示する表示部として機能するように構成されていてもよい。
(3)作業装置3が非作業高さ位置から作業高さ位置に下降操作で非作業状態から作業状態に切り換えられる場合には、制御ユニット23が、作業走行指示部23Fa,71からの切り換え指示に基づいて作業車両1を一時停止状態から作業走行状態に切り換える場合に、高さセンサ22gの検出に基づいて作業装置3の作業高さ位置への到達を検知した後に、作業車両1の自動走行を再開させるようにすることで、作業車両1の作業走行を再開させた当初において、作業装置3による作業が良好に行われずに未作業部分が残存する不都合の発生を回避するようにしてもよい。
1 作業車両
3 作業装置
14 原動部
22H 回転センサ
23 制御ユニット
23Fa 一時停止指示部(作業走行指示部)
42 測位ユニット
50 表示部
51A 表示制御部
71 一時停止指示部(作業走行指示部)
P 目標経路
P1 作業経路
P2 非作業経路
Pw 既作業経路

Claims (4)

  1. 衛星測位システムを利用して作業車両の位置を測定する測位ユニットと、
    前記測位ユニットの測位情報に基づいて前記作業車両を事前に設定された目標経路に従って自動走行させる制御ユニットと、
    前記測位ユニットの測位情報と前記目標経路とに基づいて前記作業車両の位置を前記目標経路とともに表示部にて表示する表示制御部と、
    前記作業車両の一時停止状態への切り換えを指示する一時停止指示部と、を備え、
    前記作業車両には、作業状態と非作業状態とに切り換え可能な作業装置が備えられ、
    前記制御ユニットは、前記一時停止指示部にて前記一時停止状態への切り換えが指示された場合に、前記作業車両の状態を、前記作業装置が前記作業状態に切り換えられた状態で前記作業車両が自動走行する自動作業走行状態から、前記作業装置が前記非作業状態に切り換えられた状態で前記作業車両が自動走行を一時停止する一時停止状態に切り換え、
    前記表示制御部は、前記作業車両の状態が前記自動作業走行状態である場合は、前記測位ユニットの測位情報に基づいて前記作業車両の移動経路を取得する移動経路取得処理と、取得した前記移動経路を既作業経路として前記表示部にて前記目標経路と重畳して表示する既作業経路表示処理と、を行い、
    前記表示制御部は、前記作業車両の状態が前記自動作業走行状態から前記一時停止状態に切り換えられた場合でも、前記移動経路取得処理と前記既作業経路表示処理とを継続して行い、前記一時停止状態において前記作業車両に作業走行方向の位置ずれが生じた場合には、当該位置ずれ分についても、前記作業車両が移動した移動経路とみなして前記既作業経路として前記表示部にて前記目標経路と重畳して表示する作業車両用の自動走行システム。
  2. 前記作業装置は、原動部からの動力で駆動されることで前記非作業状態から前記作業状態に切り換えられ、
    前記作業装置の駆動回転数を検出する回転センサと、前記作業車両の前記一時停止状態から前記自動作業走行状態への切り換えを指示する作業走行指示部と、を備え、
    前記制御ユニットは、前記作業走行指示部からの切り換え指示に基づいて前記作業車両の状態を前記一時停止状態から前記自動作業走行状態に切り換える場合には、前記回転センサが検出する前記駆動回転数が設定回転数以上に上昇した後に、前記作業車両の自動走行を再開させる請求項1に記載の作業車両用の自動走行システム。
  3. 前記表示制御部は、前記作業車両の状態が前記一時停止状態から前記自動作業走行状態に切り換えられる場合には、前記回転センサが検出する前記駆動回転数が前記設定回転数以上に上昇した時点で、前記一時停止状態での前記移動経路取得処理と前記既作業経路表示処理との継続を解除する請求項2に記載の作業車両用の自動走行システム。
  4. 前記表示制御部は、前記作業車両の状態が前記一時停止状態から前記作業装置が前記作業状態に切り換えられた状態で前記作業車両が手動で走行する手動作業走行状態に切り換えられた場合は、前記移動経路取得処理と前記既作業経路表示処理とを行う請求項1~3のいずれか一項に記載の作業車両用の自動走行システム。
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