JP2020072158A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2は、トレンチゲート構造のパワートランジスタを有する半導体装置を開示している。この半導体装置は、溝が形成された主面を有するエピタキシャル層(ドリフト層)と、溝の内面に形成されたゲート絶縁層と、ゲート絶縁層を挟んで溝に埋め込まれたダミーゲート電極およびゲート電極と、ダミーゲート電極およびゲート電極の間に介在する絶縁層と、を含む。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置1を一つの方向から見た斜視図である。
図1を参照して、半導体装置1は、半導体層2を含む。半導体層2は、シリコンを含む。半導体層2は、直方体形状に形成されたチップ状に形成されている。半導体層2は、一方側の第1主面3、他方側の第2主面4、ならびに、第1主面3および第2主面4を接続する側面5A,5B,5C,5Dを有している。
平面視において、出力領域6の面積S1は、入力領域7の面積S2以上である(S2≦S1)。面積S2に対する面積S1の比S1/S2は、1を超えて10以下であってもよい(1<S1/S2≦10)。比S1/S2は、1を超えて5以下、または、5以上10以下であってもよい。入力領域7の平面形状および出力領域6の平面形状は、任意であり、特定の形状に限定されない。
入力領域7は、制御回路の一例としてのコントロールIC(Integrated Circuit)10を含む。コントロールIC10は、種々の機能を実現する複数種の機能回路を含む。複数種の機能回路には、外部からの電気信号に基づいてパワーMISFET9を駆動制御するゲート制御信号を生成する回路が含まれる。コントロールIC10は、パワーMISFET9と共に所謂IPD(Intelligent Power Device)を形成している。IPDは、IPM(Intelligent Power Module)とも称される。
半導体層2の上には、複数(この形態では6つ)の電極11,12,13,14,15、16およびゲート制御配線17が形成されている。図1では、ハッチングによって複数の電極11〜16およびゲート制御配線17が示されている。複数の電極11〜16は、この形態では、電源電極11(ドレイン電極)、出力電極12(ソース電極)、入力電極13、基準電位電極14、ENABLE電極15およびSENSE電極16を含む。
電源電極11は、半導体層2の第2主面4の上に形成されている。電源電極11は、半導体層2の第2主面4に電気的に接続されている。電源電極11は、パワーMISFET9のドレインや、コントロールIC10の各種回路に電源電圧を伝達する。
入力電極13、基準電位電極14、ENABLE電極15およびSENSE電極16は、入力領域7の上にそれぞれ形成されている。入力電極13は、コントロールIC10を駆動するための入力電圧を伝達する。
ゲート制御配線17は、出力領域6および入力領域7に選択的に引き回されている。ゲート制御配線17は、この形態では、第1ゲート制御配線17Aおよび第2ゲート制御配線17Bを含む。ゲート制御配線17の個数は任意であり、ゲート制御信号の伝達距離や、伝達すべきゲート制御信号の数に応じて調整される。
出力電極12、入力電極13、基準電位電極14、ENABLE電極15、SENSE電極16およびゲート制御配線17は、Al−Si−Cu(アルミニウム−シリコン−銅)合金、Al−Si(アルミニウム−シリコン)合金、または、Al−Cu(アルミニウム−銅)合金のうちの少なくとも一種をそれぞれ含んでいてもよい。
図2は、図1に示す半導体装置1の電気的構造を示すブロック回路図である。以下では、半導体装置1が車に搭載された場合を例にとって説明する。
電源電極11は、電源に接続される。電源電極11は、パワーMISFET9およびコントロールIC10に電源電圧を提供する。電源電圧は、10V以上20V以下であってもよい。出力電極12は、負荷に接続される。
パワーMISFET9のゲートは、ゲート制御配線17を介してコントロールIC10(後述するゲート制御回路25)に接続されている。パワーMISFET9のドレインは、電源電極11に接続されている。パワーMISFET9のソースは、コントロールIC10(後述する電流検出回路27)および出力電極12に接続されている。
センサMISFET21のゲートは、ゲート制御回路25に接続されている。センサMISFET21のドレインは、電源電極11に接続されている。センサMISFET21のソースは、電流検出回路27に接続されている。
電圧制御回路23は、保護回路24、ゲート制御回路25、電源逆接続保護回路28および異常検出回路29に接続されている。電圧制御回路23は、入力回路22からの電気信号および保護回路24からの電気信号に応じて、種々の電圧を生成する。電圧制御回路23は、この形態では、駆動電圧生成回路30、第1定電圧生成回路31、第2定電圧生成回路32および基準電位・基準電流生成回路33を含む。
第1定電圧生成回路31は、保護回路24を駆動するための第1定電圧を生成する。第1定電圧生成回路31は、ツェナーダイオードを含んでいてもよい。第1定電圧は、1V以上5V以下であってもよい。第1定電圧は、保護回路24(より具体的には、後述する負荷オープン検出回路35等)に入力される。
基準電位・基準電流生成回路33は、各種回路の基準電位および基準電流を生成する。基準電位は、1V以上5V以下であってもよい。基準電流は、1mA以上1A以下であってもよい。基準電位および基準電流は、各種回路に入力される。各種回路がコンパレータを含む場合、基準電位および基準電流は、当該コンパレータに入力されてもよい。
過電流保護回路34は、ゲート制御回路25およびセンサMISFET21のソースに接続されている。過電流保護回路34は、過電流からパワーMISFET9を保護する。過電流保護回路34は、電流モニタ回路を含んでいてもよい。過電流保護回路34によって生成された信号は、ゲート制御回路25(より具体的には、後述する駆動信号出力回路40)に入力される。
過熱保護回路36は、電圧制御回路23に接続されている。過熱保護回路36は、半導体装置1の温度を監視する。過熱保護回路36は、感温ダイオードやサーミスタ等の感温デバイスを含んでいてもよい。過熱保護回路36は、過度な温度上昇からパワーMISFET9を保護する。過熱保護回路36によって生成された信号は、電圧制御回路23に入力される。
ゲート制御回路25は、電圧制御回路23、保護回路24、パワーMISFET9のゲートおよびセンサMISFET21のゲートに接続されている。ゲート制御回路25は、パワーMISFET9のオン・オフおよびセンサMISFET21のオン・オフを制御する。
駆動信号出力回路40は、チャージポンプ回路39からの電気信号および保護回路24(より具体的には、過電流保護回路34)からの電気信号に応じて複数種のゲート制御信号を生成する。複数種のゲート制御信号は、ゲート制御配線17を介してパワーMISFET9のゲートおよびセンサMISFET21のゲートに入力される。センサMISFET21およびパワーMISFET9は、駆動信号出力回路40によって同時に駆動制御される。
異常検出回路29は、電圧制御回路23、保護回路24および電流検出回路27に接続されている。異常検出回路29は、保護回路24の電圧を監視する。保護回路24において、過電流保護回路34、負荷オープン検出回路35、過熱保護回路36および低電圧誤動作抑制回路37のいずれかに異常(電圧の変動等)が生じた場合、保護回路24の電圧に応じた異常検出信号を生成し、外部に出力する。
第2マルチプレクサ回路42は、2つの入力部および1つの出力部を含む。第2マルチプレクサ回路42の入力部には、第2マルチプレクサ回路42の出力部およびENABLE電極15がそれぞれ接続されている。第2マルチプレクサ回路42の出力部には、SENSE電極16が接続されている。
図6は、図5の平面図である。図7は、図3に示す2つのトレンチゲート構造61を含む領域の拡大断面図である。図8は、図7に示す1つのトレンチゲート構造61の拡大断面図である。
エピタキシャル層52は、半導体基板51の厚さTsub未満の厚さTepi(Tepi<Tsub)を有している。半導体基板51の厚さTsubは、50μm以上450μm以下であってもよい。厚さTsubは、50μm以上150μm以下、150μm以上250μm以下、250μm以上350μm以下、または、350μm以上450μm以下であってもよい。
エピタキシャル層52の厚さTepiは、5μm以上20μm以下であってもよい。エピタキシャル層52の厚さTepiは、5μm以上10μm以下、10μm以上15μm以下、または、15μm以上20μm以下であってもよい。厚さTepiは、5μm以上15μm以下であることが好ましい。
ボディ領域55は、ドリフト領域54の表層部に形成されている。ボディ領域55の底部は、ドリフト領域54の底部に対して第1主面3側の領域に形成されている。ボディ領域55の厚さは、0.5μm以上2μm以下であってもよい。ボディ領域55の厚さは、0.5μm以上1μm以下、1μm以上1.5μm以下、または、1.5μm以上2μm以下であってもよい。
複数のトレンチゲート構造61は、平面視において全体としてストライプ状に形成されている。複数のトレンチゲート構造61は、第1方向Xにおいて一方側の第1端部および他方側の第2端部をそれぞれ有している。
各トレンチゲート構造61の幅WTは、0.5μm以上2μm以下であってもよい。幅WTは、各トレンチゲート構造61が延びる方向(第1方向X)に直交する方向(第2方向Y)の幅である。幅WTは、0.5μm以上1μm以下、1μm以上1.5μm以下、または、1.5μm以上2μm以下であってもよい。幅WTは、0.8μm以上1.2μm以下であることが好ましい。
各トレンチゲート構造61の第1側壁62、第2側壁63および底壁64は、ドリフト領域54内に位置している。各トレンチゲート構造61の第1側壁62および第2側壁63は、法線方向Zに沿って延びている。各トレンチゲート構造61の第1側壁62および第2側壁63は、第1主面3に対して垂直に形成されていてもよい。
各トレンチゲート構造61の底壁64は、ドリフト領域54の底部に対して1μm以上10μm以下の間隔ITを空けて第1主面3側の領域に位置している。間隔ITは、1μm以上2μm以下、2μm以上4μm以下、4μm以上6μm以下、6μm以上8μm以下、または、8μm以上10μm以下であってもよい。間隔ITは、1μm以上5μm以下であることが好ましい。
複数のトレンチゲート構造61は、第1空乏層が第2空乏層に重なる態様で配列されている。第1空乏層は、より具体的には、第1トレンチゲート構造61Aおよび第2トレンチゲート構造61Bの間の領域において、各トレンチゲート構造61の底壁64に対して第1主面3側の領域で第2空乏層に重なる。
互いに隣り合うトレンチゲート構造61の中央部間のピッチPCは、1μm以上3μm以下であってもよい。ピッチPCは、1μm以上1.5μm以下、1.5μm以上2μm以下、2μm以上2.5μm以下、または、2.5μm以上3μm以下であってもよい。ピッチPCは、1.2μm以上1.8μm以下であることが好ましい。
ピッチPCを狭めることにより、単位面積当たりのチャネル面積を増加させることができるから、チャネル抵抗の低減を図ることができる。また、ブレークダウン電圧の向上も図ることができる。ただし、この場合、ドリフト領域54内の電流経路の縮小に起因してドリフト領域54のオン抵抗が増加するという背反がある。この背反に対する対策については、後述する。
ゲートトレンチ65は、トレンチゲート構造61の第1側壁62、第2側壁63および底壁64を区画している。以下では、トレンチゲート構造61の第1側壁62、第2側壁63および底壁64を、ゲートトレンチ65の第1側壁62、第2側壁63および底壁64ともいう。
絶縁層66は、半導体層2側からこの順に積層されたSiN層およびSiO2層を含む積層構造を有していてもよい。絶縁層66は、半導体層2側からこの順に積層されたSiO2層およびSiN層を含む積層構造を有していてもよい。絶縁層66は、SiO2層またはSiN層からなる単層構造を有していてもよい。絶縁層66は、この形態では、SiO2層からなる単層構造を有している。
底側絶縁層68は、ゲートトレンチ65の底壁64側の内壁を被覆している。底側絶縁層68は、より具体的には、ボディ領域55の底部に対してゲートトレンチ65の底壁64側の内壁を被覆している。底側絶縁層68は、ゲートトレンチ65の底壁64側においてU字空間を区画している。底側絶縁層68は、U字空間を区画する平滑な内壁面を有している。底側絶縁層68は、ドリフト領域54(より具体的には後述する高濃度ドリフト領域91)に接している。底側絶縁層68の一部は、ボディ領域55に接していてもよい。
ゲートトレンチ65の幅WTに対する第1厚さT1の比T1/WTは、0.1以上0.4以下であってもよい。比T1/WTは、0.1以上0.15以下、0.15以上0.2以下、0.2以上0.25以下、0.25以上0.3以下、0.3以上0.35以下、または、0.35以上0.4以下であってもよい。比T1/WTは、0.25以上0.35以下であることが好ましい。
底側絶縁層68においてゲートトレンチ65の底壁64を被覆する部分の厚さは、底側絶縁層68においてゲートトレンチ65の第1側壁62および第2側壁63を被覆する部分の厚さよりも小さい。底側絶縁層68によって区画されたU字空間の底壁側の開口幅は、第1厚さT1の減少分だけ拡張されている。これにより、U字空間の先細りが抑制されている。
底壁被覆部71は、第1厚さT1の範囲において、側壁被覆部70の厚さTSとは異なる厚さTBを有している。底壁被覆部71の厚さTBは、より具体的には、側壁被覆部70の厚さTS未満(TB<TS)である。
底側絶縁層68によって区画されたU字空間は、製造工程中において、底側絶縁層68の表面部をエッチング法によって除去することによって形成される。エッチング法は、ウエットエッチング法であってもよい。
埋め込み電極67は、絶縁層66を挟んでゲートトレンチ65に埋め込まれている。埋め込み電極67にはゲート電圧を含む所定のゲート制御信号が印加される。埋め込み電極67は、この形態では、底側電極72、開口側電極73および中間絶縁層74を含む絶縁分離型の電極構造を有している。
第1端部72Aは、底側絶縁層68から露出している。第1端部72Aは、底側絶縁層68に対して半導体層2の第1主面3側に突出している。これにより、底側電極72は、ゲートトレンチ65の開口側において、底側絶縁層68および開口側絶縁層69との間で、断面視において逆凹状のリセスを区画している。第1端部72Aの幅は、壁部72Cの幅未満である。
このような構造によれば、底側電極72に対する局所的な電界集中を抑制できるから、ブレークダウン電圧の低下を抑制できる。特に、エッチング法によって拡張された底側絶縁層68のU字空間に底側電極72を埋設することにより、底側電極72が第1端部72Aから第2端部72Bに向けて先細り形状になることを適切に抑制できる。これにより、底側電極72の第2端部72Bに対する局所的な電界集中を適切に抑制できる。
この場合、凹状の空間に埋設される埋め込み電極67(底側電極72)も、凹状の空間の内壁に倣って先細り形状に形成される。先細り形状の埋め込み電極67(底側電極72)が形成された場合、ゲートトレンチ65の底壁64において電界が局所的に集中する。その結果、電界集中に起因してブレークダウン電圧が低下する。
この場合、凹状の空間に埋設される埋め込み電極67(底側電極72)も、凹状の空間の内壁に倣って先細り形状に形成される。先細り形状の埋め込み電極67(底側電極72)が形成された場合、ゲートトレンチ65の底壁64において電界が局所的に集中する。その結果、電界集中に起因してブレークダウン電圧が低下する。
開口側電極73は、絶縁層66を挟んでゲートトレンチ65の開口側に埋設されている。開口側電極73は、より具体的には、開口側絶縁層69を挟んでゲートトレンチ65の開口側に区画された逆凹状のリセスに埋設されている。開口側電極73は、開口側絶縁層69を挟んでボディ領域55に対向している。開口側電極73の一部は、開口側絶縁層69を挟んでドリフト領域54(より具体的には後述する高濃度ドリフト領域91)に対向していてもよい。
中間絶縁層74は、底側電極72および開口側電極73の間に介在し、底側電極72および開口側電極73を電気的に絶縁している。中間絶縁層74は、より具体的には、底側電極72および開口側電極73の間の領域において底側絶縁層68から露出する底側電極72の外面(より具体的には突出部)を被覆している。中間絶縁層74は、底側電極72の第1端部72Aを被覆している。中間絶縁層74は、絶縁層66(底側絶縁層68)に連なっている。
パワーMISFET9を駆動させるとき(つまり、ゲートのオン制御時)、底側電極72にゲート電圧が印加され、開口側電極73にゲート電圧が印加されてもよい。この場合、底側電極72および開口側電極73は、ゲート電極として機能する。これにより、底側電極72および開口側電極73の間の電圧降下を抑制できるから、底側電極72および開口側電極73の間の電界集中を抑制できる。また、半導体層2のオン抵抗を低下させることができるから、消費電力の低減を図ることができる。
他方側のトレンチコンタクト構造81は、一方側のトレンチコンタクト構造81とほぼ同様の構造を有している。他方側のトレンチコンタクト構造81についての具体的な説明は、省略される。
半導体層2内において第1側壁82が第1主面3との間で成す角度(テーパ角)の絶対値は、90°を超えて95°以下(たとえば91°程度)であってもよい。半導体層2内において第2側壁83が第1主面3との間で成す角度(テーパ角)の絶対値は、90°を超えて95°以下(たとえば91°程度)であってもよい。各トレンチコンタクト構造81は、断面視において半導体層2の第1主面3側から底壁84側に向けて幅WTCが狭まる先細り形状(テーパ形状)に形成されていてもよい。
各トレンチコンタクト構造81の底壁84は、ドリフト領域54の底部に対して1μm以上10μm以下の間隔ITCを空けて第1主面3側の領域に位置している。間隔ITCは、1μm以上2μm以下、2μm以上4μm以下、4μm以上6μm以下、6μm以上8μm以下、または、8μm以上10μm以下であってもよい。間隔ITCは、1μm以上5μm以下であることが好ましい。間隔ITCは、トレンチゲート構造61の間隔ITと等しいことが好ましい(ITC=IT)。
コンタクトトレンチ85は、トレンチコンタクト構造81の第1側壁82、第2側壁83および底壁84を区画している。以下では、トレンチコンタクト構造81の第1側壁82、第2側壁83および底壁84を、コンタクトトレンチ85の第1側壁82、第2側壁83および底壁84ともいう。
コンタクト絶縁層86は、コンタクトトレンチ85の内壁に沿って膜状に形成されている。コンタクト絶縁層86は、コンタクトトレンチ85内において凹状の空間を区画している。コンタクト絶縁層86においてコンタクトトレンチ85の底壁84を被覆する部分は、コンタクトトレンチ85の底壁84に倣って形成されている。
コンタクト絶縁層86は、半導体層2側からこの順に積層されたSiN層およびSiO2層を含む積層構造を有していてもよい。コンタクト絶縁層86は、半導体層2側からこの順に積層されたSiO2層およびSiN層を含む積層構造を有していてもよい。コンタクト絶縁層86は、SiO2層またはSiN層からなる単層構造を有していてもよい。コンタクト絶縁層86は、この形態では、SiO2層からなる単層構造を有している。コンタクト絶縁層86は、絶縁層66と同一の絶縁材料からなることが好ましい。
図示は省略されるが、他方側のコンタクトトレンチ85の内壁に形成されたコンタクト絶縁層86は、この形態では、ゲートトレンチ65の内壁に引き出された絶縁引き出し部86Aを有している。絶縁引き出し部86Aは、ゲートトレンチ65およびコンタクトトレンチ85の間の連通部を横切ってゲートトレンチ65の他端部側の内壁を被覆している。
コンタクト電極87は、コンタクト絶縁層86を挟んでコンタクトトレンチ85に埋め込まれている。コンタクト電極87は、埋め込み電極67とは異なり、一体物としてコンタクトトレンチ85に埋め込まれている。コンタクト電極87は、コンタクトトレンチ85から露出する一端部、コンタクト絶縁層86に接する他端部を有している。
コンタクト電極87は、ゲートトレンチ65およびコンタクトトレンチ85の間の接続部において埋め込み電極67の底側電極72に電気的に接続されている。より具体的には、一方側のコンタクトトレンチ85内に形成されたコンタクト電極87は、ゲートトレンチ65の一端部側に引き出された電極引き出し部87Aを有している。電極引き出し部87Aは、ゲートトレンチ65およびコンタクトトレンチ85の間の連通部を横切ってゲートトレンチ65内に位置している。
図示は省略されるが、他方側のコンタクトトレンチ85内に形成されたコンタクト電極87は、より具体的には、ゲートトレンチ65の他端部側に引き出された電極引き出し部87Aを有している。電極引き出し部87Aは、ゲートトレンチ65およびコンタクトトレンチ85の間の連通部を横切ってゲートトレンチ65内に位置している。
図3〜図8を参照して、ドリフト領域54においてトレンチゲート構造61の外壁に沿う領域にはn+型の高濃度ドリフト領域91が形成されている。この形態では、複数の高濃度ドリフト領域91が、複数のトレンチゲート構造61の外壁に対して1対1対応の関係で形成されている。
高濃度ドリフト領域91は、ゲートトレンチ65の内壁からドリフト領域54に対してn型不純物を導入することによって形成されている。したがって、ボディ領域55は、高濃度ドリフト領域91のn型不純物の一部を含む。
間隔IDは、0.1μm以上0.5μm以下、0.5μm以上1μm以下、1μm以上1.5μm以下、1.5μm以上2μm以下、2μm以上2.5μm以下、または、2.5μm以上3μm以下であってもよい。間隔IDは、0.5μm以上2.5μm以下であることが好ましい。
一体化した高濃度ドリフト領域91は、複数のトレンチゲート構造61を一括して被覆している。一体化した高濃度ドリフト領域91は、互いに隣り合うトレンチゲート構造61の間の領域において第1接続部95および第2接続部96を含む。
ボディ領域55の表層部には、複数のn+型のソース領域101が形成されている。ソース領域101のn型不純物濃度は、ドリフト領域54のn型不純物濃度を超えている。ソース領域101のn型不純物濃度は、高濃度ドリフト領域91のn型不純物濃度を超えている。ソース領域101のn型不純物濃度は、1×1019cm−3以上1×1021cm−3以下であってもよい。
複数のコンタクト領域102は、ボディ領域55の表層部において複数のソース領域101の間の領域に形成されている。これにより、複数のコンタクト領域102は、複数のソース領域101に対して交互の配列となる態様でボディ領域55の表層部に形成されている。
同様に、図示はしないが、ソース領域101およびコンタクト領域102は、半導体層2の第1主面3において互いに隣り合うトレンチゲート構造61の他端部によって挟まれた領域に形成されていない。これにより、半導体層2の第1主面3において互いに隣り合うトレンチゲート構造61の他端部によって挟まれた領域からはボディ領域55が露出している。
FET構造110は、この形態では、複数のコンタクト領域102も含む。ボディ領域55において複数のソース領域101および高濃度ドリフト領域91に挟まれた領域にパワーMISFET9のチャネルCHが形成される。
第1FET構造110Aは、第1主面3から第2主面4に向けてこの順に形成された複数の第1ソース領域101A、ボディ領域55および高濃度ドリフト領域91(ドリフト領域54)を含む。第1FET構造110Aは、この形態では、複数の第1コンタクト領域102Aも含む。ボディ領域55において複数の第1ソース領域101Aおよび高濃度ドリフト領域91に挟まれた領域にパワーMISFET9の第1チャネルCH1が形成される。
第1チャネルCH1は、0%以上50%以下の第1チャネル割合RCH1を有している。第1チャネル割合RCH1は、互いに隣り合うトレンチゲート構造61の間の領域において第1チャネル面積SCH1が占める割合である。第1チャネル割合RCH1は、0%以上50%以下の範囲で調整される。
第1チャネル割合RCH1が0%の場合、トレンチゲート構造61の第1側壁62に第1ソース領域101Aは形成されない。この場合、トレンチゲート構造61の第1側壁62にボディ領域55および/または第1コンタクト領域102Aだけが形成される。第1チャネル割合RCH1は、0%を超えることが好ましい。図3〜6では、第1チャネル割合RCH1が25%である例が示されている。
第2チャネルCH2は、0%以上50%以下の第2チャネル割合RCH2を有している。第2チャネル割合RCH2は、第2チャネル面積SCH2が互いに隣り合うトレンチゲート構造61の間の領域に占める割合である。第2チャネル割合RCH2は、0%以上50%以下の範囲で調整される。
第2チャネル割合RCH2が0%の場合、トレンチゲート構造61の第2側壁63に第2ソース領域101Bは形成されない。この場合、トレンチゲート構造61の第2側壁63にボディ領域55および/または第2コンタクト領域102Bだけが形成される。したがって、第2チャネル割合RCH2は、0%を超えることが好ましい。図3〜6では、第2チャネル割合RCH2が25%である例が示されている。
これと同時にまたはこれに代えて、互いに異なる第2チャネル割合RCH2を有する複数の第2FET構造110Bを形成し、単位面積当たりにおけるトータルの第2チャネル割合RCH2(トータルチャネル割合RCH1+RCH2)を平均化する調整が行われてもよい。
図示は省略されるが、複数の第2プラグ電極124は、層間絶縁層122において他方側のトレンチコンタクト構造81のコンタクト電極87を被覆する部分にも埋め込まれている。複数の第2プラグ電極124は、層間絶縁層122を貫通し、他方側のトレンチコンタクト構造81のコンタクト電極87に接続されている。
むろん、複数の第3プラグ電極125が、互いに隣り合う複数のトレンチゲート構造61の間の領域に間隔を空けて形成されていてもよい。この場合、各第3プラグ電極125は、平面視において三角形状、四角形状、五角形状、六角形状等の多角形状、もしくは、円形状または楕円形状に形成されていてもよい。
パワーMISFET9を駆動させるとき(つまり、ゲートのオン制御時)、第1ゲート制御配線17Aに基準電位が印加され、第2ゲート制御配線17Bにゲート電圧が印加されてもよい。この場合、底側電極72に基準電位が印加され、開口側電極73にゲート電圧が印加される。これにより、底側電極72をフィールド電極として機能させ、開口側電極73をゲート電極として機能させることができる。
図9〜図11を参照して、入力領域7(コントロールIC10)は、半導体層2の第1主面3に形成されたCMIS(Complementary Metal Insulator Semiconductor)領域131を含む。CMIS領域131には、前述の高濃度ドリフト領域91は形成されていない。CMIS領域131は、高濃度ドリフト領域91によって高濃度化されていないドリフト領域54(エピタキシャル層52)に形成されている。
したがって、出力領域6だけに高濃度ドリフト領域91を形成することにより、コントロールIC10の電気的特性の変動を抑制しながら、パワーMISFET9の電気的特性を向上させることができる。また、CMIS領域131の設計変更を要しないので、出力領域6(パワーMISFET9)に設計変更を加えても、設計変更の前後において入力領域7(コントロールIC10)の互換性を維持できる。
p型MIS領域133は、n型MIS領域132から間隔を空けて形成されている。p型MIS領域133は、平面視において三角形状、五角形状、六角形状等の多角形状、もしくは、円形状または楕円形状に形成されていてもよい。p型MIS領域133は、この形態では、平面視において四角形状に形成されている。
半導体層2内において第1領域分離構造136の内周壁が第1主面3との間で成す角度(テーパ角)の絶対値は、90°を超えて95°以下(たとえば91°程度)であってもよい。半導体層2内において第1領域分離構造136の外周壁が第1主面3との間で成す角度(テーパ角)の絶対値は、90°を超えて95°以下(たとえば91°程度)であってもよい。第1領域分離構造136は、断面視において半導体層2の第1主面3側から底壁側に向けて幅WS1が狭まる先細り形状(テーパ形状)に形成されていてもよい。
第1領域分離構造136は、第1領域分離トレンチ137、第1領域分離絶縁層138および第1領域分離電極139を含む。第1領域分離トレンチ137は、半導体層2の第1主面3を第2主面4側に向けて掘り下げることによって形成されている。第1領域分離トレンチ137は、第1領域分離構造136の内周壁、外周壁および底壁を区画している。
第1領域分離絶縁層138において第1領域分離トレンチ137の底壁を被覆する部分は、第1領域分離トレンチ137の底壁に倣って形成されている。これにより、第1領域分離絶縁層138は、トレンチゲート構造61の底側絶縁層68(トレンチコンタクト構造81のコンタクト絶縁層86)と同様の態様で、第1領域分離トレンチ137の底壁においてU字状に窪んだU字空間を区画している。
第1領域分離絶縁層138は、半導体層2側からこの順に積層されたSiN層およびSiO2層を含む積層構造を有していてもよい。第1領域分離絶縁層138は、半導体層2側からこの順に積層されたSiO2層およびSiN層を含む積層構造を有していてもよい。第1領域分離絶縁層138は、SiO2層またはSiN層からなる単層構造を有していてもよい。第1領域分離絶縁層138は、この形態では、SiO2層からなる単層構造を有している。第1領域分離絶縁層138は、絶縁層66と同一の絶縁材料からなることが好ましい。
半導体層2の第1主面3の表層部において第1領域分離構造136によって取り囲まれた領域には、p型の第1ウェル領域141が形成されている。第1ウェル領域141の底部は、第1領域分離構造136の底壁に対して第1主面3側の領域に形成されている。
第1ウェル領域141の表層部には、n+型の第1ソース領域143およびn+型の第1ドレイン領域144が形成されている。第1ドレイン領域144は、第1ソース領域143から間隔を空けて形成されている。第1ドレイン領域144のn型不純物濃度は、第1ソース領域143のn型不純物濃度とほぼ等しい。
第1コンタクト領域145は、平面視において第1ソース領域143および第1ドレイン領域144を一括して取り囲む環状に形成されている。第1コンタクト領域145は、第1領域分離構造136から間隔を空けて形成されている。第1コンタクト領域145は、第1領域分離構造136の内周壁を被覆していてもよい。
第1フィールド絶縁層149は、第1プレーナゲート構造146および第1コンタクト領域145の内周縁の間の領域、ならびに、第1領域分離構造136および第1コンタクト領域145の外周縁の間の領域を被覆している。第1フィールド絶縁層149は、第1領域分離トレンチ137の開口において第1領域分離絶縁層138に接続されている。
図9および図11を参照して、p型MIS領域133は、第2領域分離構造156によって区画されている。第2領域分離構造156は、この形態では、第1領域分離構造136から間隔を空けて形成されている。第2領域分離構造156は、半導体層2の一部の領域を挟んで第1領域分離構造136に対向している。
第2領域分離構造156は、p型MIS領域133を区画する内周壁、外周壁、ならびに、内周壁および外周壁を接続する底壁を含む環状に形成されている。第2領域分離構造156は、p型MIS領域133の平面形状に応じて、三角環状、四角環状、五角環状、六角環状等の多角環状、もしくは、円環状または楕円環状に形成されていてもよい。
半導体層2内において第2領域分離構造156の内周壁が第1主面3との間で成す角度(テーパ角)の絶対値は、90°を超えて95°以下(たとえば91°程度)であってもよい。半導体層2内において第2領域分離構造156の外周壁が第1主面3との間で成す角度(テーパ角)の絶対値は、90°を超えて95°以下(たとえば91°程度)であってもよい。第2領域分離構造156は、断面視において半導体層2の第1主面3側から底壁側に向けて幅WS2が狭まる先細り形状(テーパ形状)に形成されていてもよい。
第2領域分離構造156は、第2領域分離トレンチ157、第2領域分離絶縁層158および第2領域分離電極159を含む。第2領域分離トレンチ157は、半導体層2の第1主面3を第2主面4側に向けて掘り下げることによって形成されている。第2領域分離トレンチ157は、第2領域分離構造156の内周壁、外周壁および底壁を区画している。
第2領域分離絶縁層158において第2領域分離トレンチ157の底壁を被覆する部分は、第2領域分離トレンチ157の底壁に倣って形成されている。これにより、第2領域分離絶縁層158は、トレンチゲート構造61の底側絶縁層68(トレンチコンタクト構造81のコンタクト絶縁層86)と同様の態様で、第2領域分離トレンチ157の底壁においてU字状に窪んだU字空間を区画している。
第2領域分離絶縁層158は、半導体層2側からこの順に積層されたSiN層およびSiO2層を含む積層構造を有していてもよい。第2領域分離絶縁層158は、半導体層2側からこの順に積層されたSiO2層およびSiN層を含む積層構造を有していてもよい。第2領域分離絶縁層158は、SiO2層またはSiN層からなる単層構造を有していてもよい。第2領域分離絶縁層158は、この形態では、SiO2層からなる単層構造を有している。第2領域分離絶縁層158は、絶縁層66と同一の絶縁材料からなることが好ましい。
半導体層2の第1主面3の表層部において第2領域分離構造156によって取り囲まれた領域には、p型の第2ウェル領域161が形成されている。第2ウェル領域161の底部は、第2領域分離構造156の底壁に対して第1主面3側の領域に形成されている。
第2ウェル領域161の表層部には、n型の表層ウェル領域162が形成されている。表層ウェル領域162は、平面視において第2領域分離構造156の内周壁から間隔を空けて第2ウェル領域161の中央部に形成されている。表層ウェル領域162は、この形態では、平面視において第2領域分離構造156の内周壁に平行な4辺を有する四角形状に形成されている。表層ウェル領域162の底部は、第2ウェル領域161の底壁に対して第1主面3側の領域に形成されている。
第2ソース領域163および第2ドレイン領域164は、平面視において表層ウェル領域162の中央部に形成されている。第2ソース領域163および第2ドレイン領域164は、平面視において同一方向に沿って延びる帯状にそれぞれ形成されていてもよい。第2ソース領域163の底部および第2ドレイン領域164の底部は、表層ウェル領域162の底部に対して第1主面3側の領域に形成されている。
第2コンタクト領域165は、平面視において第2領域分離構造156および表層ウェル領域162の間の領域に形成されている。第2コンタクト領域165は、平面視において表層ウェル領域162を取り囲む環状に形成されている。
半導体層2の第1主面3の上において第2領域分離構造156によって取り囲まれた領域には、第2プレーナゲート構造166が形成されている。第2プレーナゲート構造166は、第2ソース領域163、第2ドレイン領域164、ならびに、第2ソース領域163および第2ドレイン領域164の間の領域を被覆している。第2プレーナゲート構造166は、平面視において第2ソース領域163および第2ドレイン領域164に沿って延びる帯状に形成されている。
第2フィールド絶縁層169は、第2プレーナゲート構造166および第2コンタクト領域165の内周縁の間の領域、ならびに、第2領域分離構造156および第2コンタクト領域165の外周縁の間の領域を被覆している。第2フィールド絶縁層169は、第2領域分離トレンチ157の開口において第2領域分離絶縁層158に接続されている。
図12A〜図12Vは、図7に対応する領域の断面図であって、図1に示す半導体装置1の製造方法の一例を説明するための断面図である。以下では、出力領域6側の製造方法について説明し、入力領域7側の製造方法についての説明は省略する。
半導体ウエハ層182は、半導体ウエハ185の主面の上にエピタキシャル層52を形成する工程を経て製造される。エピタキシャル層52は、この形態では、半導体ウエハ185の主面からシリコンをエピタキシャル成長させることによって形成されている。
次に、絶縁膜186の上に、所定パターンを有するマスク187が形成される。マスク187は、半導体ウエハ層182の第1主面183においてゲートトレンチ65およびコンタクトトレンチ85を形成すべき領域を露出させる開口188を有している。
次に、絶縁膜186を介するエッチング法によって半導体ウエハ層182の不要な部分が除去される。これにより、半導体ウエハ層182の第1主面183に、ゲートトレンチ65およびコンタクトトレンチ85が形成される。その後、絶縁膜186は除去される。
n型不純物は、燐であってもよい。n型不純物は、斜めイオン注入法によって半導体ウエハ層182に導入されてもよい。第1主面183の法線を0°としたとき、法線に対するn型不純物の導入角の絶対値|θ|は、0°を超えて15°以下であってもよい。
この工程では、導入角の絶対値|θ|を維持した状態で半導体ウエハ層182の第1主面183に対するn型不純物の相対的な導入位置を変更することによって、n型不純物がゲートトレンチ65の内壁の内壁に導入される。
また、図12Eを参照して、ゲートトレンチ65の第2側壁63に入射するように半導体ウエハ層182が90°回転されて、n型不純物が半導体ウエハ層182の第1主面183およびゲートトレンチ65の内壁に導入される。また、半導体ウエハ層182が90°回転されて、n型不純物が半導体ウエハ層182の第1主面183およびゲートトレンチ65の内壁(主に底壁)に導入される。ゲートトレンチ65の内壁に対するn型不純物の導入順序は任意であり、図12Dおよび図12Eの順に限定されない。
次に、図12Gを参照して、絶縁層66の底側絶縁層68およびコンタクト絶縁層86のベースとなるベース絶縁層191が形成される。ベース絶縁層191は、半導体ウエハ層182の第1主面183、ゲートトレンチ65の内壁およびコンタクトトレンチ85の内壁に沿って膜状に形成される。ベース絶縁層191は、酸化処理法(たとえば熱酸化処理法)またはCVD法によって形成されてもよい。ベース絶縁層191は、この形態では、熱酸化処理法によって形成されている。
同様に、ベース絶縁層191は、コンタクトトレンチ85内において凹状の空間を区画している。ベース絶縁層191は、形成すべきコンタクト絶縁層86の第4厚さT4を超える厚さTBA(TBA>T4)を有している。ベース絶縁層191の厚さTBAは、厚さT4に100Å以上1500Å以下の厚さTP1を加えた値に設定される。
次に、図12Hを参照して、ベース絶縁層191が薄化される。この工程では、エッチング法によって、ベース絶縁層191の表層部が除去されることによってベース絶縁層191が薄化される。エッチング法は、ウエットエッチング法であってもよい。ベース絶縁層191は、加算された厚さTP1に応じた分だけ除去される。
ゲートトレンチ65内では、凹状の空間の底壁部の除去量が、凹状の空間の側壁部の除去量よりも多くなるようにベース絶縁層191の表層部がエッチング法によって除去される。これにより、ゲートトレンチ65内において側壁被覆部70および底壁被覆部71(隅部71Aおよび最深部71B)を含むベース絶縁層191に形成される。
コンタクトトレンチ85内では、凹状の空間の底壁部の除去量が、凹状の空間の側壁部の除去量よりも多くなるようにベース絶縁層191の表層部がエッチング法によって除去される。これにより、コンタクトトレンチ85内において側壁被覆部70および底壁被覆部71(隅部71Aおよび最深部71B)を含むベース絶縁層191に形成される。
コンタクト電極87の形成工程では、第1ベース電極層192の不要な部分が、エッチング法(エッチバック法)によって除去されてもよい。エッチング法は、ウエットエッチング法であってもよい。第1ベース電極層192は、ベース絶縁層191が露出するまで除去される。これにより、コンタクトトレンチ85に埋め込まれたコンタクト電極87が形成される。
次に、マスク(図示せず)を介するエッチング法によってゲートトレンチ65内の第1ベース電極層192が除去される。第1ベース電極層192は、ゲートトレンチ65の深さ方向途中部まで除去される。これにより、底側電極72が形成される。
次に、ベース絶縁層191の不要な部分が、マスク(図示せず)を介するエッチング法(エッチバック法)によって除去される。エッチング法は、ウエットエッチング法であってもよい。ベース絶縁層191は、ゲートトレンチ65内において底側電極72の第1端部72Aが露出するまで除去される。これにより、ゲートトレンチ65内に底側絶縁層68が形成される。
次に、図12Pを参照して、半導体ウエハ層182の第1主面183の表層部にボディ領域55が形成される。ボディ領域55は、イオン注入マスク(図示せず)を介するイオン注入法によって半導体ウエハ層182の第1主面183にp型不純物を導入することによって形成される。
また、図示はしないが、ボディ領域55の表層部にコンタクト領域102が形成される。ソース領域101は、イオン注入マスク(図示せず)を介するイオン注入法によって半導体ウエハ層182の第1主面183にp型不純物を導入することによって形成される。
次に、マスク194を介するエッチング法によって、層間絶縁層122の不要な部分が除去される。これにより、層間絶縁層122に、複数のコンタクトホール196が形成される。その後、マスク194は除去される。
以上、半導体装置1によれば、ドリフト領域54において主たる電流経路となる領域が高濃度ドリフト領域91によって高濃度化されている。これにより、ドリフト領域54の全域の高濃度化を回避できるから、オン抵抗を低減しながらブレークダウン電圧の低下を抑制できる。
ドリフト領域54において高濃度化されていない領域は、より具体的には、高濃度ドリフト領域91の底部および半導体基板51の間の領域に介在している。つまり、比較的低いn型不純物濃度を有するドリフト領域54が、比較的高いn型不純物濃度を有する高濃度ドリフト領域91および半導体基板51の間の領域に介在している。このドリフト領域54において高濃度化されていない領域は、耐圧保持領域として機能する。これにより、ブレークダウン電圧の低下を適切に抑制できる。
これにより、オン抵抗の増加およびブレークダウン電圧の低下を抑制しながら、チャネル抵抗の低減を適切に図ることができる。半導体装置1によれば、一例として、複数のトレンチゲート構造61のピッチPCを1μm以上3μm以下に設定できる。
前述の第1形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、トレンチゲート構造61の側壁間のピッチPS以上(PS≦TDB)の厚さTDBを有する底部(底壁被覆部93)を含む。これに対して、第2形態例に係る高濃度ドリフト領域91の底部(底壁被覆部93)の厚さTDBは、トレンチゲート構造61の側壁間のピッチPS未満(PS>TDB)である。
前述の第1形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、トレンチゲート構造61の第1側壁62、第2側壁63および底壁64に沿う領域に形成されている。これに対して、第3形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、トレンチゲート構造61の第1側壁62および第2側壁63を被覆し、トレンチゲート構造61の底壁64を露出させている。つまり、第3形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、底壁被覆部93を有していない。
前述の第1形態例に係る複数の高濃度ドリフト領域91は、互いに隣り合うトレンチゲート構造61の間の領域において互いに接続されている。これに対して、第4形態例に係る複数の高濃度ドリフト領域91は、互いに隣り合うトレンチゲート構造61の間の領域において互いに間隔を空けて形成されている。つまり、第4形態例に係る複数の高濃度ドリフト領域91は、対応するトレンチゲート構造61に対して1対1対応の関係で独立して形成されている。
前述の第1形態例に係る複数の高濃度ドリフト領域91は、互いに隣り合うトレンチゲート構造61の間の領域において互いに接続されている。これに対して、第5形態例に係る複数の高濃度ドリフト領域91は、互いに隣り合うトレンチゲート構造61の間の領域において互いに間隔を空けて形成されている。つまり、第5形態例に係る複数の高濃度ドリフト領域91は、対応するトレンチゲート構造61に対して1対1対応の関係で独立して形成されている。
第5形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、高濃度ドリフト領域91の形成工程(図12D〜図12E参照)においてn型不純物の導入条件を調整することによって形成される。第5形態例に係る高濃度ドリフト領域91が形成される場合であっても、第1形態例に係る高濃度ドリフト領域91が形成される場合の効果と同様の効果を奏することができる。
前述の第1形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、トレンチゲート構造61の第1側壁62、第2側壁63および底壁64に沿う領域に形成されている。これに対して、第6形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、トレンチゲート構造61の第1側壁62および第2側壁63を露出させ、トレンチゲート構造61の底壁64を被覆している。つまり、第6形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、側壁被覆部92を有していない。
前述の第1形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、トレンチゲート構造61の第1側壁62、第2側壁63および底壁64に沿う領域に形成されている。これに対して、第7形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、トレンチゲート構造61の第1側壁62および第2側壁63を露出させ、トレンチゲート構造61の底壁64を被覆している。つまり、第7形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、側壁被覆部92を有していない。
第7形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、高濃度ドリフト領域91の形成工程(図12D〜図12E参照)においてn型不純物の導入条件を調整することによって形成される。第7形態例に係る高濃度ドリフト領域91が形成される場合であっても、第1形態例に係る高濃度ドリフト領域91が形成される場合の効果と同様の効果を奏することができる。
前述の第1形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、トレンチゲート構造61の第1側壁62、第2側壁63および底壁64に沿う領域に形成されている。これに対して、第8形態例に係る高濃度ドリフト領域91は、ドリフト領域54において複数のトレンチコンタクト構造81の外面に沿う領域にも形成されている。
トレンチコンタクト構造81を被覆する高濃度ドリフト領域91は、トレンチゲート構造61を被覆する高濃度ドリフト領域91と一体を成している。これにより、複数のトレンチゲート構造61および複数のトレンチコンタクト構造81を一括して被覆する1つの高濃度ドリフト領域91が、ドリフト領域54の表層部に形成されている。
第1形態例、第2形態例、第3形態例、第4形態例、第5形態例、第6形態例、第7形態例および第8形態例(以下、単に「第1〜第8形態例」という。)に係る高濃度ドリフト領域91のうちの少なくとも2種を同時に含む半導体装置1が形成されてもよい。
図14は、図7に対応する領域の断面図であって、本発明の第2実施形態に係る半導体装置201を示す断面図である。以下では、半導体装置1に対して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
各トレンチゲート構造61の底壁64は、ドリフト領域54の底部に対して1μm以上15μm以下の間隔ITを空けて半導体層2の第1主面3側の領域に形成されている。間隔ITは、1μm以上5μm以下、5μm以上10μm以下、または、10μm以上15μm以下であってもよい。
絶縁層66は、より具体的には、側壁被覆部70および底壁被覆部71を含む。側壁被覆部70は、ゲートトレンチ65の第1側壁62および第2側壁63を被覆し、U字空間の側壁を形成している。底壁被覆部71は、ゲートトレンチ65の底壁64を被覆し、U字空間の底壁を形成している。底壁被覆部71の厚さTBは、側壁被覆部70の厚さTS未満(TB<TS)である。
絶縁層66によって区画されたU字空間は、製造工程中において、絶縁層66の表面部をエッチング法によって除去することによって形成される(図12Hの工程参照)。エッチング法は、ウエットエッチング法であってもよい。つまり、絶縁層66は、ゲートトレンチ65内においてU字空間を区画する平滑な内壁面を有している。絶縁層66の内壁面は、エッチング法によって形成されたエッチング面である。
埋め込み電極67の他端部は、ゲートトレンチ65の底壁64に向かう凸湾曲状に形成されている。埋め込み電極67の他端部は、より具体的には、絶縁層66によって区画されたU字空間の底壁(エッチング面)に倣って形成されており、ゲートトレンチ65の底壁64に向かう滑らかな凸湾曲状に形成されている。これにより、埋め込み電極67に対する局所的な電界集中を抑制できるから、ブレークダウン電圧の低下を抑制できる。
本発明の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
前述の第1実施形態では、トレンチゲート構造61の幅WTが0.5μm以上2μm以下であり、底側絶縁層68の第1厚さT1が1500Å以上4000Å以下である例が示された。しかし、幅WTは、2μm以上5μm以下であってもよい。幅WTは、2.0μm以上2.5μm以下、2.5μm以上3.0μm以下、3.0μm以上3.5μm以下、3.5μm以上4.0μm以下、4.0μm以上4.5μm以下、または、4.5μm以上5.0μm以下であってもよい。
この場合、パワーMISFET9だけを有する半導体装置1,201と、当該半導体装置1,201に電気的に接続され、パワーMISFET9を制御する制御回路と、を含む、電気回路が採用されてもよい。このような電気回路が回路基板に実装された回路モジュールが提供されてもよい。
前述の各実施形態に係る半導体装置1,201は、図15および図16に示されるように、半導体パッケージに組み込まれてもよい。図15は、図1に示す半導体装置1が組み込まれた半導体パッケージ211を、封止樹脂216を透過して示す斜視図である。図16は、図15の平面図である。
図15および図16を参照して、半導体パッケージ211は、この形態では、所謂SOP(Small Outline Package)である。半導体パッケージ211は、半導体装置1、ダイパッド212、導電性接合材213、複数(この形態では8個)のリード電極214A〜214H、複数(この形態では8個)の導線215A〜215Hおよび封止樹脂216を含む。リード電極の個数および導線の個数は、半導体装置1の機能に応じて選択され、図15および図16に示される個数に限定されない。
複数のリード電極214A〜214Hは、鉄、アルミニウムまたは銅を含んでいてもよい。複数のリード電極214A〜214Hは、ダイパッド212から間隔を空けてダイパッド212の周囲に配置されている。
複数のリード電極214A〜214Hは、配列方向に直交する方向に沿って延びる帯状にそれぞれ形成されている。複数のリード電極214A〜214Hは、ダイパッド212に対向する一端部、および、その反対側の他端部を有している。複数のリード電極214A〜214Hの一端部は、半導体装置1に内部接続される。複数のリード電極214A〜214Hの他端部は、配線基板等の接続対象に外部接続される。
第1導線215Aは、第1リード電極214Aの一端部および出力電極12に電気的に接続されている。第1導線215Aは、この形態では、金属クリップからなる。第1導線215Aは、金、アルミニウムまたは銅を含んでいてもよい。第1導線215Aは、パワーMISFETで生じた熱を、外部に効率的に放散させる。むろん、第1導線215Aは、ボンディングワイヤからなっていてもよい。
第5導線215Eは、第5リード電極214Eの一端部およびダイパッド212に電気的に接続されている。第6導線215Fは、第6リード電極214Fの一端部およびダイパッド212に電気的に接続されている。第7導線215Gは、第7リード電極214Gの一端部および入力電極13に電気的に接続されている。第8導線215Hは、第8リード電極214Hの一端部およびダイパッド212に電気的に接続されている。
半導体パッケージ211の形態は、SOPに制限されない。半導体パッケージ211としては、TO(Transistor Outline)、QFN(Quad For Non Lead Package)、DFP(Dual Flat Package)、DIP(Dual Inline Package)、QFP(Quad Flat Package)、SIP(Single Inline Package)またはSOJ(Small Outline J-leaded Package)、もしくは、これらに類する種々の形態が適用されてもよい。
この明細書および図面から抽出される特徴の例を以下に示す。
[項1]一方側の第1主面および他方側の第2主面を有する半導体層と、側壁および底壁を有し、前記半導体層の前記第1主面において前記第1主面から前記第2主面に向かう先細り形状に形成されたトレンチと、第1厚さを有し、前記トレンチの前記側壁に倣って膜状に形成された側壁被覆部、および、前記第1厚さ未満の第2厚さを有し、前記トレンチの前記底壁に倣って膜状に形成された底壁被覆部を含み、前記トレンチ内において凹状の空間を区画する絶縁層と、前記トレンチ内において前記絶縁層によって区画された前記凹状の空間に埋設された電極と、を含む、半導体装置。
この場合、トレンチに埋設される電極も、凹状の空間の内壁に倣って先細り形状に形成される。先細り形状の電極が形成された場合、トレンチの底壁部において電界が局所的に集中する。その結果、電界集中に起因してブレークダウン電圧が低下する。
これにより、凹状の空間に埋設される電極も先細り形状になることが抑制されるから、トレンチの底壁部における電界集中を抑制できる。その結果、ブレークダウン電圧の低下を抑制できる。
[項3]前記トレンチは、断面視において前記第1主面から前記第2主面に向けて開口幅が狭まるテーパ形状に形成されている、項1に記載の半導体装置。
[項4]前記トレンチは、前記第2主面に向かう凸湾曲状の前記底壁を有し、断面視において前記第1主面から前記第2主面に向けて開口幅が狭まるテーパ形状に形成されている、項1に記載の半導体装置。
[項6]前記底壁被覆部は、前記側壁被覆部の前記第1厚さに対する比が、0.5以上0.8以下となる前記第2厚さを有している、項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
[項8]前記電極は、前記絶縁層を挟んで前記トレンチの前記底壁側に埋設された底側電極、前記絶縁層を挟んで前記トレンチの開口側に埋設された開口側電極、ならびに、前記底側電極および前記開口側電極の間に介在する中間絶縁層を含む絶縁分離型の電極構造を有している、項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
[項10]前記絶縁層は、前記トレンチの前記底壁側の内壁に形成され、前記側壁被覆部および前記底壁被覆部を有する底側絶縁層、ならびに、前記トレンチの開口側の内壁に形成され、前記底側絶縁層の厚さ未満の厚さを有する開口側絶縁層を含み、前記底側電極は、前記底側絶縁層を挟んで前記トレンチの前記底壁側に埋設され、前記開口側電極は、前記開口側絶縁層を挟んで前記トレンチの開口側に埋設されている、項8または9に記載の半導体装置。
そこで、この半導体装置では、先細り形状に形成されたコンタクトトレンチの内壁において側壁被覆部の第1厚さ未満の第2厚さを有する底壁被覆部を有するコンタクト絶縁層を形成している。この半導体装置によれば、底壁被覆部が第1厚さ未満の第2厚さを有しているので、コンタクト絶縁層によって区画される凹状の空間が先細り形状になることが抑制される。
[項12]前記コンタクトトレンチは、前記第2主面に向かう凸湾曲状の前記第2底壁を有している、項11に記載の半導体装置。
[項14]前記コンタクトトレンチは、前記第2主面に向かう凸湾曲状の前記第2底壁を有し、断面視において前記第1主面から前記第2主面に向けて開口幅が狭まるテーパ形状に形成されている、項11に記載の半導体装置。
[項16]前記底壁被覆部は、前記側壁被覆部の前記第1厚さに対する比が0.5以上0.8以下となる前記第2厚さを有している、項11〜15のいずれか一項に記載の半導体装置。
[項18]前記ゲートトレンチの内壁に形成された絶縁層と、前記絶縁層を挟んで前記ゲートトレンチの前記第1底壁側に埋設された底側電極、前記絶縁層を挟んで前記ゲートトレンチの開口側に埋設された開口側電極、ならびに、前記底側電極および前記開口側電極の間に介在する中間絶縁層を含む絶縁分離型の電極構造と、をさらに含む、項11〜17のいずれか一項に記載の半導体装置。
[項20]前記コンタクト電極は、前記ゲートトレンチおよび前記コンタクトトレンチの連通部において前記電極構造の前記底側電極に接続されている、項19に記載の半導体装置。
[項22]前記トレンチ形成工程において、前記半導体層の前記第1主面から前記第2主面に向かう先細り形状の前記トレンチが形成される、項21に記載の半導体装置の製造方法。
[項24]前記トレンチ形成工程において、断面視において前記第1主面から前記第2主面に向けて開口幅が狭まるテーパ形状の前記トレンチが形成される、項22に記載の半導体装置の製造方法。
[項26]前記トレンチの側壁が前記半導体層内において前記第1主面との間で成すテーパ角は、90°を超えて95°以下である、項24または25に記載の半導体装置の製造方法。
[項28]前記絶縁層形成工程において、前記側壁被覆部の前記第1厚さに対する比が、0.5以上0.8以下となる前記第2厚さを有する前記底壁被覆部が形成される、項27に記載の半導体装置の製造方法。
[項30]前記絶縁層形成工程において、酸化処理法によって前記絶縁層が形成される、項21〜29のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
[項32]前記エッチング法は、ウエットエッチング法である、項21〜31のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
2 半導体層
3 第1主面
51 半導体基板
52 エピタキシャル層
54 ドリフト領域
55 ボディ領域
61 トレンチゲート構造
61A 第1トレンチゲート構造
61B 第2トレンチゲート構造
62 第1側壁
63 第2側壁
64 底壁
65 ゲートトレンチ
66 絶縁層
67 埋め込み電極
68 底側絶縁層
69 開口側絶縁層
70 側壁被覆部
71 底壁被覆部
72 底側電極
72A 第1端部
72B 第2端部
73 開口側電極
74 中間絶縁層
91 高濃度ドリフト領域
92 側壁被覆部
93 底壁被覆部
101 ソース領域
201 半導体装置
Claims (22)
- 主面を有する半導体層と、
前記主面の表層部に形成された第1導電型のドリフト領域と、
前記主面に形成され、前記ドリフト領域に側壁および底壁を有するトレンチ、前記トレンチの内壁に形成された絶縁層、および、前記絶縁層を挟んで前記トレンチに埋設され、ゲート電圧が印加される埋め込み電極を含むトレンチゲート構造と、
前記ドリフト領域において前記トレンチゲート構造の外壁に沿う領域に形成され、前記ドリフト領域の第1導電型不純物濃度を超える第1導電型不純物濃度を有する第1導電型の高濃度ドリフト領域と、を含む、半導体装置。 - 前記高濃度ドリフト領域は、前記トレンチの前記側壁を被覆する側壁被覆部を有している、請求項1に記載の半導体装置。
- 前記高濃度ドリフト領域は、前記トレンチの前記底壁を被覆する底壁被覆部を有している、請求項1または2に記載の半導体装置。
- 前記高濃度ドリフト領域は、前記トレンチの前記側壁を被覆する側壁被覆部、および、前記トレンチの前記底壁に沿う領域に形成され、前記側壁被覆部の第1導電型不純物濃度を超える第1導電型不純物濃度を有する底壁被覆部を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記高濃度ドリフト領域は、前記ドリフト領域の底部に対して前記トレンチの前記底壁側の領域に位置する底部を有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記ドリフト領域は、5μm以上20μm以下の厚さを有しており、
前記高濃度ドリフト領域は、前記ドリフト領域の底部に対して0.1μm以上3μm以下の間隔を空けて前記半導体層の前記主面側に形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。 - 複数の前記トレンチゲート構造が、前記半導体層の前記主面に間隔を空けて形成され、
複数の前記高濃度ドリフト領域が、複数の前記トレンチゲート構造に対して1対1対応の関係で形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。 - 複数の前記高濃度ドリフト領域は、互いに隣り合う複数の前記トレンチゲート構造の間の領域において互いに連なっている、請求項7に記載の半導体装置。
- 複数の前記トレンチゲート構造は、互いに隣り合う第1トレンチゲート構造および第2トレンチゲート構造を含み、前記第1トレンチゲート構造から拡がる第1空乏層が前記第2トレンチゲート構造から拡がる第2空乏層に重なる態様で、前記半導体層の前記主面に間隔を空けて形成されている、請求項7または8に記載の半導体装置。
- 前記第1空乏層は、前記第1トレンチゲート構造の底壁および前記第2トレンチゲート構造の底壁に対して前記ドリフト領域の底部側の領域において前記第2空乏層に重なる、請求項9に記載の半導体装置。
- 複数の前記トレンチゲート構造の中央部の間のピッチは、1μm以上3μm以下である、請求項7〜10のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記埋め込み電極は、前記絶縁層を挟んで前記トレンチの前記底壁側に埋設された底側電極、前記絶縁層を挟んで前記トレンチの開口側に埋設された開口側電極、ならびに、前記底側電極および前記開口側電極の間に介在する中間絶縁層を含む絶縁分離型の電極構造を有している、請求項1〜11のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記底側電極には、ゲートのオン制御時に基準電位が印加され、
前記開口側電極には、ゲートのオン制御時にゲート電圧が印加される、請求項12に記載の半導体装置。 - 前記底側電極には、ゲートのオン制御時にゲート電圧が印加され、
前記開口側電極には、ゲートのオン制御時にゲート電圧が印加される、請求項12に記載の半導体装置。 - 前記底側電極は、前記トレンチの開口側に位置する第1端部、および、前記トレンチの前記底壁側に位置し、前記トレンチの前記底壁に向かって凸湾曲状に形成された第2端部を有している、請求項12〜14のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記絶縁層は、前記トレンチの前記底壁側の内壁に形成された底側絶縁層、および、前記トレンチの開口側の内壁に形成され、前記底側絶縁層の厚さ未満の厚さを有する開口側絶縁層を含み、
前記底側電極は、前記底側絶縁層を挟んで前記トレンチの前記底壁側に埋設され、
前記開口側電極は、前記開口側絶縁層を挟んで前記トレンチの開口側に埋設されている、請求項12〜15のいずれか一項に記載の半導体装置。 - 前記底側絶縁層は、前記トレンチの前記側壁を被覆する側壁被覆部、および、前記トレンチの前記底壁を被覆し、前記側壁被覆部の厚さ未満の厚さを有する底壁被覆部を有している、請求項16に記載の半導体装置。
- 前記側壁被覆部の厚さに対する前記底壁被覆部の厚さの比は、0.5以上0.8以下である、請求項17に記載の半導体装置。
- 前記底側絶縁層は、断面視において前記トレンチの前記底壁に向かってU字状に窪んだU字状の空間を区画している、請求項16〜18のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記トレンチは、前記主面から厚さ方向に向けて先細り形状に形成されている、請求項1〜19のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記ドリフト領域の表層部において前記トレンチゲート構造の側方に形成された第2導電型のボディ領域と、
前記ボディ領域の表層部において前記トレンチゲート構造の側方に形成された第1導電型のソース領域と、をさらに含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の半導体装置。 - 前記半導体層は、第1導電型の半導体基板および前記半導体基板の上に積層され、前記半導体基板の第1導電型不純物濃度未満の第1導電型不純物濃度を有し、前記ドリフト領域を形成する第1導電型のエピタキシャル層を含む積層構造を有している、請求項1〜21のいずれか一項に記載の半導体装置。
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