JP2020069435A - 表面改質剤、表面改質方法および表面改質分離膜 - Google Patents

表面改質剤、表面改質方法および表面改質分離膜 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、薬品に対する安定性に優れ、長期にわたり優れた耐ファウリング性を実現することができる表面改質剤および表面改質方法を提供する。【解決手段】本発明は、水処理分離膜用表面改質剤であって、前記表面改質剤がポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシドのいずれかの構造を含み、かつ活性エステル構造を少なくとも1つ含むことを特徴とする表面改質剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、水処理分離膜の表面改質剤に関するものである。本発明の表面改質剤は、例えばかん水や海水の淡水化に用いられる水処理用分離膜に好適に用いることができ、高い汚染物質の付着抑制性を長期にわたり付与することができる。
分離膜は、溶媒(例えば水)に溶解した物質(例えば塩類)を除くために利用される。ファウリング現象は分離膜を用いた分離技術における課題である。ファウリング現象とは、被処理水中に含まれる物質等が分離膜の表面や内孔に吸着されることにより、溶液の透過が阻害され、分離膜の分離性能が劣化する現象である。ファウリング現象は、付着する物質の種類により分類され、有機物の吸着によるケミカルファウリング、微生物の吸着によるバイオファウリングなどがある。
ケミカルファウリングは、排水等の被処理水中に含まれる有機物が分離膜の表面に堆積したり分離膜の内部に吸着したりすることで、分離膜が目詰まりを起こし、被処理水の透過水量が減少することにより分離性能が低下する現象である。
一方、バイオファウリングは、被処理水中に含まれる微生物が前述のケミカルファウリングにより分離膜に吸着した有機物を栄養源として分離膜の表面や内部で繁殖することで、分離膜が目詰まりを起こす現象である。ファウリングは、分離膜の透水性を著しく劣化させる。そこで、分離膜を改質して吸着抑制能を付与することが検討されている。
分離膜を改質する方法としては、分離機能層として架橋ポリアミド重合体を有する複合半透膜に、亜硝酸を含む水溶液を接触させる方法(特許文献1)や、塩素を含む水溶液を接触させる方法(特許文献2)などが知られている。また、チオールから選択されたペンダント官能基を含むフェニルアミン化合物を含む溶液を界面重合後に塗布する方法が知られている(特許文献3)。
一方、分離膜に吸着抑制能を付与する方法としては、ポリビニルアルコール等の親水性高分子を膜表面へと付与する方法が知られている(特許文献4)。また、近年ではホスホリルコリン類等の両性イオン型のファウリング抑止剤も開発されている。特許文献5ではホスホリルコリン類似基を有するモノマーと、アルキルメタクリレートまたは有機ケイ素基を有するモノマーを共重合させることで、疎水性相互作用、またはシランカップリングによる架橋構造を形成し、この架橋構造により、分離膜の表面にホスホリルコリン類似基を有するポリマーを吸着させることが開示されている。特許文献6ではホスホリルコリン類似基を有するモノマーと、カチオン性(メタ)アクリルアミドを共重合させることで、静電相互作用により分離膜の表面にホスホリルコリン類似基を有するポリマーを吸着させることが開示されている。
特開2011−125856号公報 特開昭63−54905号公報 特許4838352号 国際公開第97/34686号パンフレット 特開2006−239636号公報 特開2015−150544号公報
しかしながら、従来の分離膜では、透水性の低下が充分に抑制できないことがある。特許文献1〜3に記載の方法は膜の透水性や塩除去性を向上することができるが、汚染物質の付着抑制に対しての効果は小さい。特許文献4〜6に記載の方法は汚染物質の付着抑制に効果はあるものの、運転中に表面改質層が剥がれてしまう懸念がある。また、膜面に付着した汚染物質の洗浄に酸やアルカリ等の薬品を用いる場合があり、薬品に対する安定性も求められている。
本発明は、薬品に対する安定性に優れ、長期にわたり優れた耐ファウリング性を実現することができる表面改質剤および表面改質方法を提供する。
上記目的を達成するための本発明は、以下の構成をとる。
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシドのいずれかの構造を含み、かつ化学式(1)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1種の活性エステル構造を含む
水処理用分離膜用表面改質剤。
Figure 2020069435
ここでR1、R2はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ヒドロキシ基、スルホン酸基であり、R3、R4は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、シクロヘキシル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数1〜10のメチルアミノアルキル基、炭素数1〜10のジメチルアミノアルキル基である。
本発明の表面改質剤を用いて水処理用分離膜の表面改質を行うことで、長期間にわたり優れた耐ファウリング性を維持することが出来る。
1.表面改質剤
本発明の表面改質剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシドのうちの少なくとも1種の構造を含み、少なくとも1種の活性エステル構造を含むポリマーである。ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシドのいずれかの構造を含むことで、表面改質により分離膜に優れた耐ファウリング性を付与することができる。ここで、耐ファウリング性とは、ファウリングを抑制することと、ファウリングが起きたとしても性能低下を小さく抑えることとのいずれをも含み得る。
表面改質剤は、単独重合体であってもよいし、例えばポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニルの共重合体やポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの共重合体など、共重合体であってもよい。
また、表面改質剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシドのいずれかの構造を含めばよいので、これら以外の他のポリマーとの共重合体であってもよい。
表面改質剤において、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニルおよびポリアルキレンオキシドの構造は、合計で80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であるとより好ましい。
活性エステルとは、通常のエステル結合に比べ、アルコール側の脱離能が優れるものであり、通常のエステル結合に比べ求核剤に対する反応性が高い。そのため、分離膜表面に接触させた際に分離膜中の求核性基、例えばアミノ基などと速やかに反応が進行し、表面改質を行うことができる。本発明の表明改質剤は、以下の化学式1〜6に示す活性エステル構造を少なくとも1つ含む。
Figure 2020069435
ここでR、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基であり、R、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、シクロヘキシル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数1〜10のメチルアミノアルキル基、炭素数1〜10のジメチルアミノアルキル基である。特にN−ヒドロキシスクシンイミド型の活性エステルは保管安定性に優れるため、好適に用いることができる。
活性エステル類似の構造として、酸塩化物、酸臭化物、酸無水物などが挙げられるが、反応性が高すぎるため、保管安定性の観点から活性エステル構造の方が望ましい。
本発明の活性エステル構造は、表面改質剤の化学的安定性の観点からアクリル酸エステルまたは/およびメタクリル酸エステルの活性エステル構造であることが好ましい。アクリル酸エステルまたは/およびメタクリル酸エステルは、本発明の表面改質剤に含まれるポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシドと、共重合することにより導入することができる。また、アクリル酸エステルまたは/およびメタクリル酸エステルと、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシドをブロック共重合で導入することで、活性エステル構造をポリマー鎖の端部に導入することができ、表面改質を効率よく進行させることができるため、より好ましい。
本発明の表面改質剤の重量平均分子量は2,000以上1,000,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が2,000以上であることで、表面改質を行った際に十分な厚みを有する表面改質層を設けることができ、優れた耐ファウリング性を発現できる。また、重量平均分子量が1,000,000以下であることで、表面改質層を透過する水の抵抗増大を抑え、高い透過流速を維持することが出来る。好ましくは3,000以上800,000以下、より好ましくは5,000以上500,000以下である。
本発明の表面改質剤を加水分解して得られる化合物が、化合物1gあたり不凍水量をAg、融点低下水量をBgとしたとき、以下の式1、2を満たすことが好ましい。
A+B ≧ 2.5 (1)
B/(A+B) ≧ 0.7 (2)
上記式を満たすことにより、より優れた汚染物質付着抑制性能を発現する機構について、詳細には判明していないが、表面改質剤がもつ水和水ならびに水和水層が影響していると推定される。本発明の表面改質剤が式1を満たすことにより、表面改質剤が十分な量の水和水をもつことで汚染物質の接近を抑制する水和水層を形成し、さらに式2を満たすことにより、表面改質剤が持つ水和水と周囲の自由水との交換が十分に速い速度で行うことができ、汚染物質が表面改質剤のもつ水和水層を破壊し分離膜表面に接近した際に、水和水層を修復可能であると考えられる。
不凍水量および融点低下水量は示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。不凍水量および融点低下水量の測定方法は実施例に詳細に記載する。
2.水処理用分離膜
本発明の表面改質剤は、水処理用分離膜に適用することで、耐ファウリング性を向上することができる。
具体的には、改質された後の水処理用分離膜は、基材と、前記基材上の多孔性支持層と、前記多孔性支持層上の分離機能層と、を備える複合半透膜であり、前記分離機能層は、架橋ポリアミド(以下、単に“ポリアミド”と称することがある。)と、架橋ポリアミド中のアミノ基と前記活性エステル基とがアミド結合している表面改質剤と、を含有する。
ポリアミドが有するアミノ基は酸化などの影響を受けやすいが、本発明の表面改質剤がアミノ基に結合することで、耐ファウリング性を向上しつつ、薬品に対する耐性も向上することができる。
(2−1)分離機能層
分離機能層は、複合半透膜において溶質の分離機能を担う層である。分離機能層の組成および厚み等の構成は、複合半透膜の使用目的に合わせて設定される。
分離機能層は、具体的には、架橋ポリアミドおよび表面改質層を含む。
架橋ポリアミドは、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合によって得られる。
ここで多官能アミンは、芳香族多官能アミンまたは脂肪族多官能アミンから選ばれる少なくとも1つのアミンであることが好ましい。
芳香族多官能アミンとは、一分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族アミンであり、特に限定されるものではないが、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼンなどが例示される。また、そのN−アルキル化物として、N,N−ジメチルメタフェニレンジアミン、N,N−ジエチルメタフェニレンジアミン、N,N−ジメチルパラフェニレンジアミン、N,N−ジエチルパラフェニレンジアミンなどが例示される。性能発現の安定性から、特にメタフェニレンジアミン(以下、m−PDAという)、または1,3,5−トリアミノベンゼンが好ましい。
また、脂肪族多官能アミンとは、一分子中に2個以上のアミノ基を有する脂肪族アミンであり、好ましくはピペラジン系アミン及びその誘導体である。例えば、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−メチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、2,3,5−トリメチルピペラジン、2,5−ジエチルピペラジン、2,3,5−トリエチルピペラジン、2−n−プロピルピペラジン、2,5−ジ−n−ブチルピペラジン、エチレンジアミンなどが例示される。性能発現の安定性から、特に、ピペラジンまたは2,5−ジメチルピペラジンが好ましい。これらの多官能アミンは、1種を単独で用いても、2種類以上を混合物として用いてもよい。
多官能酸ハロゲン化物とは、一分子中に2個以上のハロゲン化カルボニル基を有する酸ハロゲン化物であり、上記多官能アミンとの反応によりポリアミドを与えるものであれば特に限定されない。多官能酸ハロゲン化物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸等のハロゲン化物を用いることができる。酸ハロゲン化物の中でも、酸塩化物が好ましく、特に経済性、入手の容易さ、取り扱い易さ、反応性の容易さ等の点から、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸の酸ハロゲン化物であるトリメシン酸クロライド(以下、TMCという)が好ましい。上記多官能酸ハロゲン化物は1種を単独で用いても、2種類以上を混合物として用いてもよい。
上記ポリアミドは、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物の重合反応に由来するアミド基、未反応末端官能基に由来するアミノ基及びカルボキシ基を有する。これらの官能基量は、複合半透膜の透水性能や塩除去率に影響を与える。
表面改質剤が分離機能層にアミド結合によって導入されていることで、分離膜は高い耐ファウリング性を発現することができる。親水性高分子が弱い結合や相互作用で導入されている場合には、薬液洗浄等により容易に脱離するため好ましくない。
分離機能層表面の自乗平均面粗さ(以下、Rmsともいう)は、60nm以上であることが好ましい。自乗平均面粗さが60nm以上であることで、分離機能層の表面積が大きくなり、透過水量が高くなる。一方、自乗平均面粗さが60nm未満の場合には透過水量が低下する。
なお、自乗平均面粗さは原子間力顕微鏡(以下、AFMという)で測定できる。自乗平均面粗さは基準面から指定面までの偏差の自乗を平均した値の平方根である。ここで測定面とは全測定データの示す面をいい、指定面とは粗さ計測の対象となる面で、測定面のうちクリップで指定した特定の部分をいい、基準面とは指定面の高さの平均値をZ0とするとき、Z=Z0で表される平面をいう。AFMは、例えばデジタル・インスツルメンツ社製NanoScopeIIIaが使用できる。
分離機能層表面の自乗平均面粗さは、界面重縮合によって分離機能層を形成する時のモノマー濃度や温度によって制御できる。例えば、界面重縮合時の温度が低いと自乗平均面粗さは小さくなり、温度が高いと自乗平均面粗さは大きくなる。また、分離機能層表面に親水性高分子による修飾を行う場合は、親水性高分子層が厚いと自乗平均面粗さは小さくなるため、自乗平均面粗さが60nm以上となるように修飾することが好ましい。
(2−2)支持膜
支持膜は、分離機能層に強度を与えるためのものであり、それ自体は、実質的にイオン等の分離性能を有さない。支持膜は、基材と多孔性支持層からなる。
支持膜における孔のサイズや分布は特に限定されないが、例えば、均一で微細な孔、あるいは分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面まで徐々に大きな微細孔をもち、かつ、分離機能層が形成される側の表面における微細孔の大きさが0.1nm以上100nm以下であるような支持膜が好ましい。
支持膜は、例えば基材上に高分子重合体を流延することで、基材上に多孔性支持層を形成することにより得ることができる。支持膜に使用する材料やその形状は特に限定されない。
基材としては、ポリエステルおよび芳香族ポリアミドから選ばれる少なくとも一種からなる布帛が例示される。機械的および熱的に安定性の高いポリエステルを使用するのが特に好ましい。
基材に用いられる布帛としては、長繊維不織布や短繊維不織布を好ましく用いることができる。基材上に高分子重合体の溶液を流延した際にそれが過浸透により裏抜けしたり、基材と多孔性支持層が剥離したり、さらには基材の毛羽立ち等により膜の不均一化やピンホール等の欠点が生じたりすることがないような優れた製膜性が要求されることから、長繊維不織布をより好ましく用いることができる。
長繊維不織布としては、熱可塑性連続フィラメントより構成される長繊維不織布などが挙げられる。基材が長繊維不織布からなることにより、短繊維不織布を用いたときに起こる、毛羽立ちによって生じる高分子溶液流延時の不均一化や、膜欠点を抑制することができる。また、複合半透膜を連続製膜する工程においては、基材の製膜方向に張力がかけられることからも、基材としては、寸法安定性に優れる長繊維不織布を用いることが好ましい。
特に、基材の多孔性支持層と反対側に配置される繊維の配向が、製膜方向に対して縦配向であることにより、基材の強度を保ち、膜破れ等を防ぐことができるので好ましい。ここで、縦配向とは、繊維の配向方向が製膜方向と平行であることを言う。逆に、繊維の配向方向が製膜方向と直角である場合は、横配向と言う。
不織布基材の繊維配向度としては、多孔性支持層と反対側における繊維の配向度が0°以上25°以下であることが好ましい。ここで繊維配向度とは、支持膜を構成する不織布基材の繊維の向きを示す指標であり、連続製膜を行う際の製膜方向を0°とし、製膜方向と直角方向、すなわち不織布基材の幅方向を90°としたときの、不織布基材を構成する繊維の平均の角度のことを言う。よって、繊維配向度が0°に近いほど縦配向であり、90°に近いほど横配向であることを示す。
複合半透膜の製造工程やエレメントの製造工程には、加熱工程が含まれるが、加熱により支持膜または複合半透膜が収縮する現象が起きる。特に連続製膜において、幅方向には張力が付与されていないので、幅方向に収縮しやすい。支持膜または複合半透膜が収縮することにより、寸法安定性等に問題が生じるため、基材としては熱寸法変化率が小さいものが望まれる。
不織布基材において多孔性支持層と反対側に配置される繊維と、多孔性支持層側に配置される繊維との配向度差が10°以上90°以下であると、熱による幅方向の変化を抑制することができ好ましい。
基材の通気度は2.0cc/cm/sec以上であることが好ましい。通気度がこの範囲だと、複合半透膜の透過水量が高くなる。これは、支持膜を形成する工程で、基材上に高分子重合体を流延し、凝固浴に浸漬した際に、基材側からの非溶媒置換速度が速くなることで多孔性支持層の内部構造が変化し、その後の分離機能層を形成する工程においてモノマーの保持量や拡散速度に影響を及ぼすためと考えられる。
なお、通気度はJIS L1096(2010)に基づき、フラジール形試験機によって測定できる。例えば、200mm×200mmの大きさに基材を切り出し、サンプルとする。このサンプルをフラジール形試験機に取り付け、傾斜形気圧計が125Paの圧力になるように吸込みファン及び空気孔を調整し、このときの垂直形気圧計の示す圧力と使用した空気孔の種類から基材を通過する空気量、すなわち通気度を算出することができる。フラジール形試験機は、カトーテック株式会社製KES−F8−AP1などが使用できる。
また、基材の厚みは、10μm以上200μm以下の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは30μm以上120μm以下の範囲内である。
多孔性支持層の素材にはポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエステル、セルロース系ポリマー、ビニルポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンオキシドなどのホモポリマーあるいはコポリマーを単独であるいはブレンドして使用することができる。ここでセルロース系ポリマーとしては酢酸セルロース、硝酸セルロースなど、ビニルポリマーとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリルなどが使用できる。中でもポリスルホン、ポリアミド、ポリエステル、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホンなどのホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。より好ましくは酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、またはポリフェニレンスルホンが挙げられ、さらに、これらの素材の中では化学的、機械的、熱的に安定性が高く、成型が容易であることからポリスルホンが一般的に使用できる。
上記の支持膜の厚みは、得られる複合半透膜の強度およびそれをエレメントにしたときの充填密度に影響を与える。支持膜の厚みは、十分な機械的強度および充填密度を得るためには、30μm以上300μm以下の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは100μm以上220μm以下の範囲内である。
多孔性支持層の形態は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間顕微鏡により観察できる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば、基材から多孔性支持層を剥がした後、これを凍結割断法で切断して断面観察のサンプルとする。このサンプルに白金または白金−パラジウムまたは四塩化ルテニウム、好ましくは四塩化ルテニウムを薄くコーティングして3〜15kVの加速電圧で高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)によって観察する。高分解能電界放射型走査電子顕微鏡は、日立製作所社製S−900型電子顕微鏡などが使用できる。
本発明に使用する支持膜は、ミリポア社製”ミリポアフィルターVSWP”(商品名)や、東洋濾紙社製”ウルトラフィルターUK10”(商品名)のような各種市販材料から選択することもできるし、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法などに従って製造することもできる。
多孔性支持層の厚みは、20μm以上100μm以下の範囲内にあることが好ましい。多孔性支持層の厚みが20μm以上であることで、良好な耐圧性が得られると共に、欠点のない均一な支持膜を得ることができるので、このような多孔性支持層を備える複合半透膜は、良好な塩除去性能を示すことができる。多孔性支持層の厚みが100μmを超えると、製造時の未反応物質の残存量が増加し、それにより透過水量が低下するとともに、耐薬品性が低下する。
なお、基材の厚みおよび複合半透膜の厚みは、デジタルシックネスゲージによって測定することができる。また、分離機能層の厚みは支持膜と比較して非常に薄いので、複合半透膜の厚みを支持膜の厚みとみなすことができる。従って、複合半透膜の厚みをデジタルシックネスゲージで測定し、複合半透膜の厚みから基材の厚みを引くことで、多孔性支持層の厚みを簡易的に算出することができる。デジタルシックネスゲージとしては、尾崎製作所株式会社のPEACOCKなどが使用できる。デジタルシックネスゲージを用いる場合は、20箇所について厚みを測定して平均値を算出する。
なお、基材の厚みもしくは複合半透膜の厚みをシックネスゲージによって測定することが困難な場合、走査型電子顕微鏡で測定してもよい。1つのサンプルについて任意の5箇所における断面観察の電子顕微鏡写真から厚みを測定し、平均値を算出することで厚みが求められる。
3.表面改質剤の製造方法
以下、表面改質剤の製法を具体的に説明するが、本発明は以下の製法に限定されるものではない。
改質剤の製造方法は、
・前記ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシドのいずれかの構造を含むポリマーを合成する工程と、
・上記ポリマーに含まれるカルボン酸を活性エステル構造へと変換する工程と、
を含むことが好ましい。
ポリマーの合成製法は、特に限定されないが、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の重合による方法、ポリビニルエーテルの加水分解等の別のポリマーから反応により変換する方法等、公知の方法を適用することができる。
活性エステル構造への変換反応についても、G.W. Anderson, et al . , J. Am . Chem. Soc. , 85, 3039 (1963)等に例示される公知の方法を適用することができる。
4.水処理用分離膜の製造方法
以下、水処理用分離膜の製法を具体的に説明するが、本発明は以下の製法に限定されるものではない。
(4−1)概要
表面改質された水処理用分離膜の製造方法は、基材と、前記基材上の多孔性支持層と、前記多孔性支持層上に配置され、架橋ポリアミドを含有する層と、を有する複合膜に対して、表面改質剤の活性エステル基と上記架橋ポリアミド中のアミノ基とをアミド結合させる改質工程を含む。
以下では、
(a)複合膜の製造工程、つまり、多官能アミンを含有する水溶液と、多官能酸ハロゲン化物を有機溶媒に溶解した溶液とを用い、前記基材及び前記多孔性支持層を含む支持膜の表面で界面重縮合を行うことにより、架橋ポリアミドを形成する工程と、
(b)前記改質工程と、
を含む方法を例示する。ただし、複合膜の製造方法としては公知の方法を適用することができる。
(4−2)複合膜の製造工程
(4−2−1)支持膜の形成工程
支持膜の形成工程は、基材に高分子溶液を塗布する工程および溶液を塗布した前記基材を凝固浴に浸漬させて高分子を凝固させる工程を含む。
基材に高分子溶液を塗布する工程において、高分子溶液は、多孔性支持層の成分である高分子を、その高分子の良溶媒に溶解して調製する。
高分子溶液塗布時の高分子溶液の温度は、高分子としてポリスルホンを用いる場合、10℃以上60℃以下であることが好ましい。高分子溶液の温度が、この範囲内であれば、高分子が析出することがなく、高分子溶液が基材の繊維間にまで充分含浸したのち固化される。その結果、アンカー効果により多孔性支持層が基材に強固に接合し、良好な支持膜を得ることができる。なお、高分子溶液の好ましい温度範囲は、用いる高分子の種類や、所望の溶液粘度などによって適宜調整することができる。
基材上に高分子溶液を塗布した後、凝固浴に浸漬させるまでの時間は、0.1秒以上5秒以下であることが好ましい。凝固浴に浸漬するまでの時間がこの範囲であれば、高分子を含む有機溶媒溶液が基材の繊維間にまで充分含浸したのち固化される。なお、凝固浴に浸漬するまでの時間の好ましい範囲は、用いる高分子溶液の種類や、所望の溶液粘度などによって適宜調整することができる。
凝固浴としては、通常水が使われるが、多孔性支持層の成分である高分子を溶解しないものであればよい。凝固浴の温度は、−20℃以上100℃以下が好ましく、さらに好ましくは10℃以上50℃以下である。凝固浴の温度がこの範囲以内であれば、熱運動による凝固浴面の振動が激しくならず、膜形成後の膜表面の平滑性が保たれる。また温度がこの範囲内であれば凝固速度が適当で、製膜性が良好である。
次に、このようにして得られた支持膜を、膜中に残存する溶媒を除去するために熱水洗浄する。このときの熱水の温度は40℃以上100℃以下が好ましく、さらに好ましくは60℃以上95℃以下である。この範囲内であれば、支持膜の収縮度が大きくならず、透過水量が良好である。また、温度がこの範囲内であれば洗浄効果が十分である。
(4−2−2)架橋ポリアミドの形成工程
架橋ポリアミドの層は、多官能アミンを含有する水溶液と、多官能酸ハロゲン化物を有機溶媒に溶解した溶液とを用い、前記基材及び前記多孔性支持層を含む支持膜の表面で界面重縮合を行うことにより形成することができる。
多官能酸ハロゲン化物を溶解する有機溶媒としては、水と非混和性のものであって、支持膜を破壊しないものであり、かつ、架橋ポリアミドの生成反応を阻害しないものであればいずれであってもよい。代表例としては、液状の炭化水素、トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられる。オゾン層を破壊しない物質であることや入手のしやすさ、取り扱いの容易さ、取り扱い上の安全性を考慮すると、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ヘプタデカン、ヘキサデカン、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、1−デセンなどの単体あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
多官能アミン水溶液や多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液には、両成分間の反応を妨害しないものであれば、必要に応じて、アシル化触媒や極性溶媒、酸捕捉剤、界面活性剤、酸化防止剤等の化合物が含まれていてもよい。
界面重縮合を支持膜上で行うために、まず、多官能アミン水溶液で支持膜表面を被覆する。ここで、多官能アミンを含有する水溶液の濃度は、0.1重量%以上20重量%以下が好ましく、より好ましくは0.5重量%以上15重量%以下である。
多官能アミン水溶液で支持膜表面を被覆する方法としては、支持膜の表面がこの水溶液によって均一にかつ連続的に被覆されればよく、公知の塗布手段、例えば、水溶液を支持膜表面にコーティングする方法、支持膜を水溶液に浸漬する方法等で行えばよい。支持膜と多官能アミン水溶液との接触時間は、5秒以上10分以下の範囲内であることが好ましく、10秒以上3分以下の範囲内であるとさらに好ましい。次いで、過剰に塗布された水溶液を液切り工程により除去することが好ましい。液切りの方法としては、例えば膜面を垂直方向に保持して自然流下させる方法等がある。液切り後、膜面を乾燥させ、水溶液の水の全部あるいは一部を除去してもよい。
その後、多官能アミン水溶液で被覆した支持膜に、前述の多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布し、界面重縮合により架橋ポリアミドを形成させる。界面重縮合を実施する時間は、0.1秒以上3分以下が好ましく、0.1秒以上1分以下であるとより好ましい。
有機溶媒溶液における多官能酸ハロゲン化物の濃度は、特に限定されないが、低すぎると活性層であるポリアミドの形成が不十分となり欠点になる可能性があり、高すぎるとコスト面から不利になるため、0.01重量%以上1.0重量%以下程度が好ましい。
次に、反応後の有機溶媒溶液を液切り工程により除去することが好ましい。有機溶媒の除去は、例えば、膜を垂直方向に把持して過剰の有機溶媒を自然流下して除去する方法を用いることができる。この場合、垂直方向に把持する時間としては、1分以上5分以下であることが好ましく、1分以上3分以下であるとより好ましい。把持する時間が1分以上であることで目的の機能を有するポリアミドを得やすく、3分以下であることで有機溶媒の過乾燥による欠点の発生を抑制できるので、性能低下を抑制することができる。
次に、上述の方法により得られたポリアミドを、25℃以上90℃以下の範囲内で、1分以上60分以下熱水で洗浄処理することで、水処理用分離膜の溶質阻止性能や透過水量をより一層向上させることができる。ただし、熱水の温度が高すぎた場合、熱水洗浄処理後に急激に冷却すると耐薬品性が低下する。そのため、熱水洗浄は、25℃以上60℃以下の範囲内で行うことが好ましい。また、61℃以上90℃以下の高温で熱水洗浄処理する際には、熱水洗浄処理後は、緩やかに冷却することが好ましい。例えば、段階的に低い温度の熱水と接触させて室温まで冷却させる方法等がある。
また、上記の熱水洗浄する工程において、熱水中に酸またはアルコールが含まれていてもよい。酸またはアルコールを含むことで、ポリアミドにおける水素結合の形成をより制御しやすくなる。酸としては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸や、クエン酸、シュウ酸などの有機酸などが挙げられる。酸の濃度は、pH2以下となるように調整することが好ましく、pH1以下であるとより好ましい。アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの1価アルコールや、エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールが挙げられる。アルコールの濃度は、好ましくは10重量%以上100重量%以下であり、より好ましくは10重量%以上50重量%以下である。
(4−3)改質工程
改質工程について、具体的に説明する。改質工程で使用される表面改質剤の構造、種類等については、上述したとおりである。
まず、表面改質剤を含む溶液を、架橋ポリアミドの層の表面(支持層とは逆の面)に接触させる。架橋ポリアミドの層に表面改質剤を含む溶液を接触させる方法は特に限定されず、例えば、表面改質剤を含む溶液中に複合膜全体を浸漬してもよいし、表面改質剤を含む溶液を複合膜表面にスプレーしてもよく、ポリアミドと表面改質剤が接触するのであれば、その方法は限定されない。
ポリアミドに接触させる表面改質剤は単独であっても数種混合して用いてもよい。表面改質剤は、重量濃度で10ppm以上50,000ppm以下の溶液として使用するのが好ましい。表面改質剤の濃度が10ppm以上であれば、ポリアミドに存在する官能基と表面改質剤を十分に反応させるために必要な表面改質剤を接触させることができる。一方で、50,000ppmを超えると表面改質層が厚くなるため、造水量が低下する。より好ましくは50ppm以上10,000以下である。
次に、接触させた表面改質剤の活性エステル基と架橋ポリアミド中のアミノ基とのアミド結合を形成する。アミド結合は強固な結合であるため、運転中や薬品洗浄により表面改質剤が脱離しにくい。
アミド結合の形成反応を促進させる手法は、特に限定されないが、オーブン等を用いて加熱する方法、熱水による処理方法、求核触媒を接触させる方法等が例示される。特に、熱水による処理方法ではアミド結合形成を促進させるとともに、余分な表面改質剤の洗浄することができるため好ましい。熱水は25℃以上90℃以下の範囲内で、1分以上60分以下接触させることが好ましい。ただし、高温はポリアミドの分離機能を低下させる可能性があるため、熱水による処理は25℃以上60℃以下の範囲内で行うことが好ましい。また、61℃以上90℃以下の高温で熱水洗浄処理する際には、熱水処理後は、緩やかに冷却することが好ましい。
以上の製造方法は、言い換えると、支持層の上に架橋ポリアミドを主成分とする第1層を形成する工程と、その後、第1層の表面に表面改質層である第2層を形成する工程と、を含む。表面改質剤は分離機能を実質的に担う第1層をほとんど通過しないので、第1層の表面に接触した表面改質剤は、架橋ポリアミドの層の表面にとどまり、第2層を形成することができる。
5.水処理用分離膜の利用
本発明の水処理用分離膜は、プラスチックネットなどの原水流路材と、トリコットなどの透過水流路材と、必要に応じて耐圧性を高めるためのフィルムと共に、多数の孔を穿設した筒状の集水管の周りに巻回され、スパイラル型の分離膜エレメントとして好適に用いられる。さらに、このエレメントを直列または並列に接続して圧力容器に収納した分離膜モジュールとすることもできる。
また、上記の水処理用分離膜やそのエレメント、モジュールは、それらに原水を供給するポンプや、その原水を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、原水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
流体分離装置の操作圧力は高い方が塩除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、水処理用分離膜の耐久性を考慮すると、水処理用分離膜に被処理水を透過する際の操作圧力は0.1MPa以上、10MPa以下が好ましい。供給水温度は高くなると塩除去率が低下するが、低くなるに従い膜透過流束も減少するので、5℃以上、45℃以下が好ましい。また、供給水pHは、高くなると海水などの高塩濃度の供給水の場合、マグネシウムなどのスケールが発生する恐れがあり、また、高pH運転による膜の劣化が懸念されるため、中性領域での運転が好ましい。
本発明に係る水処理用分離膜によって処理される原水としては、海水、かん水、排水等の500mg/L〜100g/LのTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、TDSは総溶解固形分量を指し、「質量÷体積」あるいは「重量比」で表される。定義によれば、0.45ミクロンのフィルターで濾過した溶液を39.5〜40.5℃の温度で蒸発させた残留物の重さから算出できるが、より簡便には実用塩分(S)から換算する。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(NaCl除去率)
複合半透膜に、温度25℃、pH7、塩化ナトリウム濃度32,000ppmに調整した評価水を操作圧力5.5MPaで供給して膜ろ過処理を行なった。供給水および透過水の電気伝導度を東亜電波工業株式会社製電気伝導度計で測定して、それぞれの実用塩分、すなわちNaCl濃度を得た。こうして得られたNaCl濃度および下記式に基づいて、NaCl除去率を算出した。
NaCl除去率(%)=100×{1−(透過水中のNaCl濃度/供給水中のNaCl濃度)}
(透過水量)
前項の試験において、供給水(NaCl水溶液)の膜透過水量を測定し、膜面1平方メートル当たり、1日の透水量(立方メートル)に換算した値を膜透過流束(m/m/日)とした。
(ファウリング性試験)
膜性能の測定は以下のように行った。初めに、25℃、pH7、NaCl濃度が32,000mg/Lである水溶液を5.5MPaの圧力で2時間ろ過したときの透過水量を測定し、初期透過水量(F1)とした。続いてカゼインを200mg/Lの濃度となるように水溶液に加えて2時間ろ過したときの透過水量をF2とし、F2/F1の値を算出した。
(洗浄後のファウリング性試験)
上記ファウリング性試験後の膜に2N硫酸を用いてpH2に調整した水溶液を2
5℃、0.7MPaの圧力で1時間通水し、続いて1N水酸化ナトリウム溶液を用いてpH12に調整した水溶液を25℃、0.7MPaの圧力で1時間通水し、洗浄を行った。
洗浄後の膜について、上記ファウリング性試験を行い、カゼイン添加前の透過水量をF3とし、カゼイン添加後の透過水量をF4として、F4/F3の値を算出した。
(通気度)
通気度は、JIS L1096(2010)に基づき、フラジール形試験機によって測定した。基材を200mm×200mmの大きさに切り出し、フラジール形試験機に取り付け、傾斜形気圧計が125Paの圧力になるように吸込みファン及び空気孔を調整し、このときの垂直形気圧計の示す圧力と使用した空気孔の種類から通気度を求めた。フラジール形試験機は、カトーテック株式会社製KES−F8−AP1を使用した。
(表面改質剤の作製)
1.ポリマー合成
(合成例1)
メトキシポリエチレングリコール♯400メタクリレート(M−90G、新中村化学社製)を、あらかじめ窒素でバブリングを行った純水に溶解した後、開始剤である過硫酸ナトリウムを添加して、70℃で2時間重合反応を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を透析膜(BIOTECH RC 分画分子量3.5−5kD、Spectrum社)を用いて透析による精製を行い、凍結乾燥を行うことで試料を得た。
(合成例2)
メトキシポリエチレングリコール♯400メタクリレートとメタクリル酸をモル比で1:1となるように仕込み、あらかじめ窒素でバブリングを行った純水に溶解した後、開始剤である過硫酸ナトリウムを添加して、70℃で2時間重合反応を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を合成例1と同様にして精製を行い、試料を得た。
(合成例3)
メトキシポリエチレングリコール♯400メタクリレートとメタクリル酸をモル比で7:1となるように仕込んだ以外は合成例2と同様にして、試料を得た。
(合成例4)
メトキシポリエチレングリコール♯400メタクリレートに代えて、メトキシポリエチレングリコール♯1000メタクリレート(M−230G、新中村化学社製)を用いた以外は合成例2と同様にして、試料を得た。
(合成例5)
メトキシポリエチレングリコール♯400メタクリレートに代えて、メトキシポリエチレングリコール♯1000メタクリレート(M−230G、新中村化学社製)を用いた以外は合成例3と同様にして、試料を得た。
(合成例6)
ビニルピロリドンとメタクリル酸をモル比で1:1となるように仕込み、あらかじめ窒素でバブリングを行った純水に溶解した後、開始剤である過硫酸ナトリウムを添加して、70℃で2時間重合反応を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を合成例1と同様にして精製を行い、試料を得た。
(合成例7)
ビニルピロリドンとメタクリル酸をモル比で4:1となるように仕込み、あらかじめ窒素でバブリングを行った純水に溶解した後、開始剤である過硫酸ナトリウムを添加して、70℃で2時間重合反応を行い、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を合成例1と同様にして精製を行い、試料を得た。
(合成例8)
メトキシポリエチレングリコール♯400メタクリレートに代えて、メタクリル酸を用いた以外は合成例1と同様にして、試料を得た。
2.分子量の測定
各合成例で得られた試料を1.0w/v%になるよう20mMリン酸バッファー(pH7.4)に溶解し、この溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過して試験溶液とし、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により重量平均分子量を測定・算出した。各合成例で得られた共重合体のモル比、および重量平均分子量を表1に示す。なお、GPC分析の測定条件は次の通りである。
(GPC分析の測定条件)
カラム;TSKgel PWXL-CP(東ソー株式会社製)、溶離溶媒;20mMリン酸バッファー(pH7.4)、標準物質;ポリエチレングリコール(Polymer Laboratories Ltd.製)、検出;示差屈折計RI−8020(東ソー株式会社製)、流速;0.5mL/分、試料溶液使用量;10μL、カラム温度;45℃。
3.活性エステル化
(実施例1)
合成例2で得られた試料5gをジメチルスルホキシド200gに溶解し、N−ヒドロキシスクシンイミド12gを添加して溶解した。次に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を20g添加し、攪拌して完全に溶解させた後、30℃で16時間攪拌して反応を行った。次いで、メタノール/アセトン=1:4(v/v)を用いて晶析を行い、得られた反応物を40℃で24時間減圧乾燥し、試料を得た。
(実施例2)
合成例3で得られた試料を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、試料を得た。
(実施例3)
合成例4で得られた試料を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、試料を得た。
(実施例4)
合成例5で得られた試料を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、試料を得た。
(実施例5)
合成例6で得られた試料を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、試料を得た。
(実施例6)
合成例7で得られた試料を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、試料を得た。
(実施例7)
ポリ(エチレングリコール)ビス(カルボキシメチル)エーテル(Mn600、シグマアルドリッチ社製)を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、試料を得た。
(実施例8)
アニオン変性ポリビニルアルコール(ゴーセネックスT−330、日本合成化学社製)を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、試料を得た。
(比較例1)
合成例1で得られた試料を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、試料を得た。
(比較例2)
合成例8で得られた試料を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、試料を得た。
(不凍水量、融点低下水量の測定)
1.試料の調整
試料(ポリマー)を5,000ppmとなるようイオン交換水に溶解させ、攪拌しながら70℃で2時間加水分解反応を進行させた。冷却後、透析膜(BIOTECH RC 分画分子量3.5−5kD、Spectrum社)を用いて透析による精製を行い、凍結乾燥を行うことで加水分解試料を得た。得られた加水分解試料を16.7重量%(水分率500%)となるようイオン交換水を加え、DSC測定試料を調整した。
2.DSCの測定
DSC装置(EXSTAR6000 示差走査熱量計DSC6200、SII社製)を用い、窒素流量40mL/分の条件で測定を行った。温度プログラムは、(i)冷却速度20℃/分で25℃から−100℃まで冷却、(ii)−100℃で5分間保持、(iii)昇温速度5℃/分で−100℃から25℃まで昇温を行った。上記(iii)において、水の融解に起因する吸熱ピークを測定した。
3.不凍水量と融点低下水量の計算
0℃未満での吸熱量から融点低下水量、0℃以上での吸熱量から自由水量を計算し、不凍水量は以下の式(3)により求めた。なお、水の融解エンタルピーは式(4)を用いて算出した。各実施例、比較例で得られた試料の不凍水量および融点低下水量について表2に示す。
=W0−Wf−W (3)
ΔH(T) = 334.1 + 2.119(T-273.15) - 0.00783(T-273.15)2 (4)
(W:全水分量、W:不凍水量、W:融点低下水量、W:自由水量)
(複合半透膜の作製)
(比較例3)
長繊維からなるポリエステル不織布(通気度2.0cc/cm/sec)上にポリスルホン(PSf)の15.0重量%DMF溶液を25℃の条件下でキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置することによって、多孔性支持層の厚みが40μmである支持膜を作製した。
次に、この支持膜を4.0重量%のm−PDA水溶液に浸漬した後、余分な水溶液を除去し、室温40℃に制御した環境で、さらに0.17重量%のTMCとなるように溶解した40℃のn−デカン溶液を多孔性支持層の表面が完全に濡れるように塗布した。次に膜から余分な溶液を除去するために、膜を垂直にして液切りを行って、送風機を使い25℃の空気を吹き付けて乾燥させた後、50℃の純水で洗浄した。このようにして得られた複合半透膜の製膜時膜性能、及びファウリング後膜性能を測定したところ、表3に示す値であった。
(実施例9)
比較例3で得られた複合半透膜を、実施例1で得られたポリマーを1000ppmとなるようトルエンに溶解し、20℃で24時間接触させた後、水洗し、実施例9の複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を評価したところ、膜性能は表3に示す値であった。
(実施例10)
実施例1で得られたポリマーに代えて実施例2で得られたポリマーを用いた以外は実施例9と同様にして実施例10の複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を評価したところ、膜性能は表3に示す値であった。
(実施例11)
実施例1で得られたポリマーに代えて実施例3で得られたポリマーを用いた以外は実施例9と同様にして実施例11の複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を評価したところ、膜性能は表3に示す値であった。
(実施例12)
実施例1で得られたポリマーに代えて実施例4で得られたポリマーを用いた以外は実施例9と同様にして実施例12の複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を評価したところ、膜性能は表3に示す値であった。
(実施例13)
実施例1で得られたポリマーに代えて実施例5で得られたポリマーを用いた以外は実施例9と同様にして実施例13の複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を評価したところ、膜性能は表3に示す値であった。
(実施例14)
実施例1で得られたポリマーに代えて実施例6で得られたポリマーを用いた以外は実施例9と同様にして実施例14の複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を評価したところ、膜性能は表3に示す値であった。
(実施例15)
実施例1で得られたポリマーに代えて実施例7で得られたポリマーを用いた以外は実施例9と同様にして実施例15の複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を評価したところ、膜性能は表3に示す値であった。
(実施例16)
実施例1で得られたポリマーに代えて実施例8で得られたポリマーを用いた以外は実施例9と同様にして実施例16の複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を評価したところ、膜性能は表3に示す値であった。
(比較例4)
実施例1で得られたポリマーに代えて比較例1で得られたポリマーを用いた以外は実施例9と同様にして実施例11の複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を評価したところ、膜性能は表3に示す値であった。
(比較例5)
実施例1で得られたポリマーに代えて比較例2で得られたポリマーを用いた以外は実施例9と同様にして実施例11の複合半透膜を得た。得られた複合半透膜を評価したところ、膜性能は表3に示す値であった。
Figure 2020069435
Figure 2020069435
Figure 2020069435
以上のように、本発明の表面改質剤を水処理分離膜に適用することで、膜汚染物質に対する高い付着抑制能を持ち、長期間安定して高い性能を維持することができる。
本発明の水処理用分離膜を用いれば、原水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。本発明の水処理用分離膜は、特に、かん水または海水の脱塩に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシドのいずれかの構造を含み、かつ化学式(1)〜(6)からなる群より選択される少なくとも1種の活性エステル構造を含む
    水処理用分離膜用表面改質剤。
    Figure 2020069435
    (ここでR、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ヒドロキシル基、またはスルホン酸基であり、R、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、シクロヘキシル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜10のアミノアルキル基、炭素数1〜10のメチルアミノアルキル基、または炭素数1〜10のジメチルアミノアルキル基である。)
  2. 重量平均分子量が2,000以上1,000,000以下である
    請求項1に記載の表面改質剤。
  3. 前記ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシドのいずれかの構造が80重量%以上である
    請求項1または2に記載の表面改質剤。
  4. 前記活性エステル構造がアクリル酸および/またはメタクリル酸の誘導体である
    請求項1から3のいずれかに記載の表面改質剤。
  5. 前記表面改質剤を加水分解して得られる化合物1gあたり不凍水量をAg、融点低下水量をBgとしたとき、以下の式1、2を満たす
    請求項1から4のいずれかに記載の表面改質剤。
    A+B ≧ 2.5 (1)
    B/(A+B) ≧ 0.7 (2)
  6. 界面重合により形成される架橋ポリアミドを含む複合膜に対して適用される
    請求項1から5のいずれかに記載の表面改質剤。
  7. 基材と、前記基材上の多孔性支持層と、前記多孔性支持層上に配置され、架橋ポリアミドを含有する層と、を有する複合膜に対して、請求項1〜6のいずれかに記載の表面改質剤の活性エステル基と前記架橋ポリアミド中のアミノ基とをアミド結合させる改質工程を含む、水処理用分離膜の製造方法。
  8. (a)多官能アミンを含有する水溶液と、多官能酸ハロゲン化物を有機溶媒に溶解した溶液とを用い、前記基材及び前記多孔性支持層を含む支持膜の表面で界面重縮合を行うことにより、架橋ポリアミドを形成する工程と、
    (b)前記改質工程と、
    を含む請求項7に記載の水処理用分離膜の製造方法。
  9. 基材と、前記基材上の多孔性支持層と、前記多孔性支持層上の分離機能層と、を備え、
    前記分離機能層は、架橋ポリアミドと、架橋ポリアミド中のアミノ基と前記活性エステル基とがアミド結合している請求項1〜6のいずれかに記載の表面改質剤と、を含有する
    水処理用分離膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015123394A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 東レ株式会社 複合半透膜およびその製造方法
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