JP2020067353A - 時計部品および時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸を回転したときの板部材の軸方向の振れを小さくすることができる時計部品を提供する。【解決手段】がんぎ車18は互いに同軸に一体に設けられた第1軸部44と、第1軸部44より大径の第2軸部45と、第1軸部44と第2軸部45との接続部に設けられた座面48と、を有する軸部材24と、座面48と接して配置され、第1軸部44に挿入される第1穴49aを有し、第2軸部45より大径の案内部材49と、案内部材49と接して配置され、第1軸部44に挿入される第2穴23cを有するがんぎ歯車部23と、がんぎ歯車部23と接して配置され、第1軸部44に挿入される第3穴50aを有し、第2軸部45より大径の固定部材50と、を備る。【選択図】図6

Description

本発明は、時計部品および時計に関するものである。
シリコン製の回転部材に金属製の軸部材を挿通し、金属製の固定部材で固定した機械部品が特許文献1に開示されている。軸部材はピニオンから軸に沿って棒状の部材が突出している。回転部材の中心には穴が形成されている。固定部材も形状は円板状であり中心に穴が形成されている。そして、回転部材の穴に棒状の部材が挿入されている。さらに、固定部材の穴に棒状の部材が挿入されている。
軸部材の軸方向にはピニオン、回転部材、固定部材がこの順に配置されている。そして、固定部材が棒状の部材に勘合して固定されている。回転部材はピニオンと固定部材とに挟まれて保持されている。
欧州特許出願公開第1705533号明細書
特許文献1ではピニオンと回転部材とが接して配置されている。回転軸としての軸部材に対して回転部材は滑り動くようになっている。ピニオンと回転部材とが接する面を第1面とし、固定部材と回転部材とが接する面を第2面とする。このとき、軸部材の軸に対して回転部材の軸に対する回転部材の平面方向の角度は、第1面及び第2面とで規定される。
第1面及び第2面が共に回転部材の軸から離れた場所で接するとき、軸部材の軸に対する回転部材の平面方向を直角に近づけることができる。例えば、旋盤加工により軸部材にピニオンを形成する場合、軸部材の最大径はピニオンの歯先外径となってしまう制約があった。この場合、第1面の大きさはピニオンの歯先外径の大きさで決定される。このため、ピニオンの歯先外径が小さいときには軸部材の軸に対する回転部材の平面方向を直角に近づけることができない。このとき、軸部材を回転したときに回転部材としての板部材の軸方向の振れが大きくなることがある。そこで、軸部材の形状にかかわりなく軸部材を回転したときの板部材の軸方向の振れを小さくすることができる時計部品が望まれていた。
本願の時計部品は、互いに同軸に一体に設けられた第1軸部と、前記第1軸部より大径の第2軸部と、前記第1軸部と前記第2軸部との接続部に設けられた座面と、を有する回転軸と、前記座面と接して配置され、前記第1軸部に挿入される第1の開口を有し、前記第2軸部より大径の案内部材と、前記案内部材と接して配置され、前記第1軸部に挿入される第2の開口を有する板部材と、前記板部材と接して配置され、前記第1軸部に挿入される第3の開口を有し、前記第2軸部より大径の固定部材と、を備ることを特徴とする。
上記の時計部品において、前記案内部材は鉄合金またはチタン合金であり、前記板部材はシリコンを含み、前記固定部材は銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることが好ましい。
上記の時計部品において、前記固定部材は、前記板部材と接する面において凹んで前記板部材と接触しない部分を有していることが好ましい。
上記の時計部品において、前記第1軸部は軸方向に設けられた溝を有し、前記板部材は前記軸方向から見たときの平面視において前記案内部材と前記固定部材とに重なる保持部と、複数の歯部を有するリム部と、を有し、前記保持部は前記リム部と前記回転軸との間に設けられた複数の第1梁部と、複数の前記第1梁部の間に設けられた第2梁部とを有し、前記第1梁部の端は前記溝内に配置され、前記第2梁部の端は前記回転軸を押圧することが好ましい。
上記の時計部品において、前記第2梁部は、前記第1梁部から分岐して設けられ、前記第2梁部の端と前記分岐との間にばね部を有していることが好ましい。
上記の時計部品は、がんぎ歯車、アンクル、香歯車および歯車のいずれかであることが好ましい。
本願の時計は、上記に記載の時計部品を備えたことを特徴とする。
実施形態にかかわる機械式時計のムーブメントの構造を示す模式平面図。 脱進機構の構造を示す模式平面図。 がんぎ車の構造を示す概略斜視図。 がんぎ車の構造を示す概略斜視図。 がんぎ車の構造を示す模式側断面図。 案内部材、がんぎ歯車部及び固定部材の固定構造を説明するための要部模式側断面図。 第1軸部、案内部材及びがんぎ歯車部の位置関係を説明するための要部模式平断面図。 第1軸部、がんぎ歯車部及び固定部材の位置関係を説明するための要部模式平断面。 がんぎ車の製造方法を示すフローチャート。 組立工程を説明するための模式側断面図。 組立工程を説明するための模式側断面図。 組立工程を説明するための模式側断面図。
以下、実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(実施形態)
本実施形態では、機械式時計と、この機械式時計のムーブメントにおける時計部品を構成する歯車の1つであるがんぎ車との特徴的な例について、図に従って説明する。実施形態にかかわる機械式時計及びがんぎ車について図1〜図8に従って説明する。
[機械式時計]
はじめに、本実施形態にかかる時計としての機械式時計1について説明する。図1は、本実施形態にかかる機械式時計のムーブメントの構造を示す模式平面図である。図1はムーブメントの表側の図である。図1に示すように、機械式時計1はムーブメント2及びムーブメント2を収納する図示しないケーシング部材を備えている。
ムーブメント2は図中紙面の手前側を表側といい、奥側を裏側という。ムーブメント2は地板3を有している。地板3の裏側には、図示しない文字板が配置されている。ムーブメント2の表側に組み込まれる輪列を表輪列と称し、ムーブメント2の裏側に組み込まれる輪列を裏輪列という。
地板3の側面には巻真案内穴3aが形成されている。巻真案内穴3aは地板3の図中上側から下側に向けて形成されている。巻真案内穴3aには巻真4が回転自在に組み込まれている。巻真4は、おしどり5、かんぬき6、かんぬきばね7及び裏押さえ8等で構成される切換装置により巻真4の軸方向の位置が決められている。巻真4にはきち車9が回転自在に設けられている。
操作者は巻真4を軸方向に移動することにより巻真位置を切り替えることができる。操作者が巻真4をムーブメント2の内部へ押し込んだときの巻真4の位置を第1の巻真位置とする。第1の巻真位置は巻真4がムーブメント2の内側に一番近い方の位置にある状態である。巻真4が第1の巻真位置にあるときに操作者が巻真4を回転させる。このとき、図示しないつづみ車の回転を介してきち車9が回転する。地板3には丸穴車10、角穴車11及び香箱車12が回転可能に設置されている。そして、きち車9が回転することにより、きち車9と噛合う丸穴車10が回転する。そして、丸穴車10が回転することにより、丸穴車10と噛合う角穴車11が回転する。さらに、角穴車11が回転することにより、香箱車12に収容された図示しないぜんまいを巻き上げる。ぜんまいはムーブメント2を駆動する動力源になっている。
地板3には二番車13、三番車14及び四番車15が回転可能に配置されている。二番車13、三番車14及び四番車15は番車と呼ばれている。そして、ムーブメント2の表輪列は、香箱車12、二番車13、三番車14及び四番車15により構成されている。表輪列は香箱車12の回転力を伝達する機能を果している。また、ムーブメント2の表側において地板3には脱進機構16及び調速機構17が配置されている。脱進機構16及び調速機構17は表輪列の回転を制御する。
二番車13は香箱車12と噛合う歯車である。三番車14は二番車13と噛合う歯車である。四番車15は三番車14と噛合う歯車である。脱進機構16は表輪列の回転を制御する機構である。脱進機構16は時計部品としてのがんぎ車18及びアンクル21を備えている。従って、機械式時計1はがんぎ車18を備えている。がんぎ車18は四番車15と噛み合い、四番車15のトルクを受けて回転する。アンクル21はがんぎ車18を脱進させて回転速度を一定にさせる。調速機構17は脱進機構16の動作を調速する機構である。調速機構17は一定の周期で搖動するてんぷ22を備えている。
[がんぎ車]
次に、がんぎ車18について詳細に説明する。図2は、脱進機構の構造を示す模式平面図である。図3及び図4は、がんぎ車の構造を示す概略斜視図である。図3と図4とはがんぎ車18を異なる方向から見た図になっている。図5は、がんぎ車の構造を示す模式側断面図であり、図2のA−A’線に沿う断面図である。
図2〜図5に示すように、がんぎ車18は板部材としてのがんぎ歯車部23と回転軸としての軸部材24とで構成されている。従って、機械式時計1はがんぎ歯車部23を備えている。軸部材24はがんぎ歯車部23と同軸に固定されている。軸部材24の軸を通る線を軸線25とする。以下の説明では軸線25に沿う方向を単に軸方向といい、軸線25に直交する方向を径方向という。そして、軸線25回りに周回する方向を周方向という。また、径方向において、軸線25側を内周側といい、軸線25側とは反対側を外周側という。がんぎ歯車部23の歯先円の直径は特に限定されないが、本実施形態では例えば、約5mmである。
図2〜図5に示すように、がんぎ歯車部23は板状であり、全面に亘って厚みが均一になっている。がんぎ歯車部23の一方の面を表面23aとし、表面23aと反対側の面を裏面23bとする。がんぎ歯車部23は単結晶シリコン等、結晶方位を有する脆性材料からなる。本実施形態では、例えば、がんぎ歯車部23の材質は単結晶シリコンである。
がんぎ歯車部23はリム部26及び保持部27を有している。リム部26はがんぎ歯車部23の外周側に位置する部分である。リム部26は複数の歯部28を有し、歯部28はリム部26の外周側に位置する。歯部28は特殊な鉤型状に形成され径方向の外側に向けて突設されている。保持部27はがんぎ歯車部23の中央の部分に位置する。そして、保持部27は軸部材24を保持する。
保持部27はリム部26の軸部材24側に配置されている。保持部27の個数は特に限定されない。本実施形態では、例えば、がんぎ歯車部23は7つの保持部27を有している。保持部27は環状のリム部26の周方向に360°/7の等角度で配置されている。尚、保持部27の数は、3つから7つの範囲でもよいし7つ以上でもよく、特に限定されない。
保持部27は複数の第1梁部29及び複数の第2梁部30を有している。第1梁部29はリム部26に配置されリム部26側から軸部材24側に設けられている。複数の第1梁部29の間に第2梁部30が設けられている。そして、第2梁部30は第1梁部29から分岐して設けられている。第1梁部29、第2梁部30及びリム部26は、同一の材料で一体に形成されている。
がんぎ歯車部23の中央では保持部27で囲まれた領域に、軸部材24が挿通されている。保持部27によりがんぎ歯車部23の中央に第2の開口としての第2穴23cが構成されている。この第2穴23cに軸部材24が挿入されている。
第2梁部30は複数のばね部としての板ばね部31及び押圧部32を有している。そして、第2梁部30の軸部材24側の端と、第1梁部29と第2梁部30とが分岐する場所と、の間に板ばね部31が配置されている。複数の板ばね部31は第1梁部29に接続されている。各板ばね部31は第1梁部29から分岐して形成されている。板ばね部31は長方形の板状であり、板ばね部31の長手方向は第1梁部29の長手方向と交差する方向となっている。複数の板ばね部31は、互いに略平行に配置されている。押圧部32は、複数の板ばね部31に接続されている。押圧部32は棒状であり、押圧部32の長手方向はリム部26から軸部材24に向かう方向になっている。板ばね部31は押圧部32を付勢し、押圧部32は軸部材24を複数の方向から押圧する。複数の板ばね部31は押圧部32を付勢し、付勢された押圧部32が軸部材24を押圧する。
がんぎ歯車部23を軸部材24の軸方向から見ると、第1梁部29と押圧部32とはそれぞれ放射状に径方向の外側に長い形状になっている。板ばね部31が撓むとき押圧部32には径方向の力が作用する。そして、板ばね部31により押圧部32が軸部材24を押圧する。
図2に示すように、がんぎ歯車部23の複数の歯部28はアンクル21と噛合する。アンクル21はアンクル体33を備えている。アンクル体33は3つの柱状のアンクルビーム34がT字状に接合した形状になっている。アンクルビーム34が接合した場所には円柱状のアンクル真35が配置されている。アンクル真35の両端は地板3及び図示しないアンクル受により回動可能に支持されている。そして、アンクル体33はアンクル真35を軸にして搖動する。
3つのアンクルビーム34のうち図中右側のアンクルビーム34の先端には第1爪石36が設けられている。3つのアンクルビーム34のうち図中左側のアンクルビーム34には第2爪石37が設けられている。3つのアンクルビーム34のうち図中上側のアンクルビーム34にはアンクルハコ38が設けられている。第1爪石36,第2爪石37は、四角柱状に形成されたルビーであり、接着剤等によりアンクルビーム34に接着固定されている。
アンクル21がアンクル真35を中心に搖動するとき、第1爪石36或いは第2爪石37が、がんぎ歯車部23の歯部28の先端に接触する。この際、アンクルハコ38が取り付けられたアンクルビーム34がドテピン41に接触する。ドテピン41は地板3に設置された柱状のピンである。アンクルビーム34がドテピン41に接触することにより、アンクル21は同方向にそれ以上回動しない。その結果、がんぎ車18の回転が一時的に規制される。
図3〜図5に示すように軸部材24は第1ほぞ部42、ガイド部43、第1軸部44、第2軸部45及び第2ほぞ部46を有している。そして、第1ほぞ部42、ガイド部43、第1軸部44、第2軸部45及び第2ほぞ部46がこの順に軸方向に並んで配置されている。第1ほぞ部42、ガイド部43、第1軸部44、第2軸部45及び第2ほぞ部46は互いに同軸に一体に設けられている。軸部材24は、剛性や耐熱性に優れ切削加工や研削加工等の加工性も高い炭素鋼からなる。軸部材24の材料は、炭素鋼以外にタンタル(Ta)またはタングステン(W)であってもよい。
第1ほぞ部42及び第2ほぞ部46は軸部材24における軸方向の両端に位置している。第1ほぞ部42及び第2ほぞ部46は棒状の形状をしており、軸部材24が回転するときの軸として機能する。がんぎ歯車部23において第1ほぞ部42側の面を表面23aとし、第2ほぞ部46側の面を裏面23bとする。第1ほぞ部42は、地板3に回転可能に支持され、第2ほぞ部46は、図示しない輪列受に回転可能に支持されている。
第2軸部45には複数の歯47が形成されている。第2軸部45には歯47の歯先47aから歯元47bまですべての波形が形成されている。第2軸部45はピニオンとして機能する。第2軸部45は四番車15の歯車部に噛合される。これにより、四番車15の回転力が軸部材24に伝達され、がんぎ車18が回転する。
第1軸部44及びガイド部43では歯47の歯元47bから歯先47aの途中までが形成されている。ガイド部43、第1軸部44及び第2軸部45には歯元47bから歯先47aの途中までの部分の溝24aが配置されている。従って、第1軸部44は軸方向に設けられた溝24aを有している。軸部材24は周方向において溝24aにより7等分に分断されている。したがって、軸部材24の第2ほぞ部46側の周方向における7箇所に、360°/7の等角度で溝24a、歯先47a及び歯元47bが配置されている。
第2軸部45の歯数は特に限定されないが本実施形態では、例えば、7つの歯47を有している。歯47は、第2軸部45の周方向における7箇所に、360°/7の等角度で配置されている。そして、歯元47b及び溝24aは第1軸部44から第2軸部45まで続いている。したがって、第1軸部44には歯元47bが第1軸部44の周方向における7箇所に360°/7の等角度で配置されている。
図5に示すように、第1軸部44の直径を第1直径44aとする。第2軸部45の直径を第2直径45aとする。第2直径45aは第1直径44aより大径になっている。そして、第1軸部44の側面を第1側面44bとする。第2軸部45の側面を第2側面45bとする。軸部材24では第1側面44bと第2側面45bとの接続部に座面48が設けられている。座面48は軸線25と直交する面になっている。ここで、前記大径とは、円形のみに限定されず、比較対象の形状に対して外径形状の少なくとも一部が前記比較対象の外径形状よりも大きい形状を有する場合も含む概念である。
第1軸部44には座面48側からガイド部43に向かって案内部材49、がんぎ歯車部23及び固定部材50がこの順に並べて配置されている。がんぎ歯車部23を案内部材49及び固定部材50が挟んで配置されている。そして、固定部材50が第1軸部44に固定されている。案内部材49は座面48と接して配置されている。そして、座面48と固定部材50との間に案内部材49及びがんぎ歯車部23が配置されている。従って、案内部材49及びがんぎ歯車部23を座面48と固定部材50とが挟んで固定している。
案内部材49と固定部材50とは形状が類似している。案内部材49の色と固定部材50の色とを異なる色にしても良い。組み立てるときに案内部材49と固定部材50とを間違えて組み立てないようにすることができる。案内部材49及び固定部材50にはめっきを施すことにより色をつけることができる。他にも、案内部材49と固定部材50との厚みを変えることにより案内部材49と固定部材50とを識別できるようにしても良い。
ガイド部43はがんぎ歯車部23の表面23a側に配置されている。ガイド部43は、第1軸部44に対して、第2軸部45とは反対側の第1ほぞ部42側に形成されている。ガイド部43の直径は第1ほぞ部42の直径よりも大きい。案内部材49、がんぎ歯車部23及び固定部材50に軸部材24を挿通する際に、ガイド部43は各部材を案内する機能を有する。
ガイド部43は、第1軸部44から第1ほぞ部42側へ遠ざかるにしたがって径が小さくなるように形成されている。ガイド部43にも歯元47b及び溝24aが形成されている。
図6は案内部材、がんぎ歯車部及び固定部材の固定構造を説明するための要部模式側断面図である。図6に示すように、案内部材49は第1の開口としての第1穴49aを有し、第1穴49aに第1軸部44が挿入されている。第1穴49aの直径を第1穴径49bとする。第1穴径49bは第1直径44aより大きくなっている。そして、案内部材49は第1側面44bに沿って容易に摺動する。このため、案内部材49を座面48と隙間なく接触させることができる。軸部材24の径方向における案内部材49の長さを案内部材直径49hとする。案内部材直径49hは第2直径45aより大径になっている。なお、案内部材の第1穴49aは円環状としているが、案内部材の第1穴49aは図7に示す第1軸部44の断面外径形状である、歯元47b及び溝24aの輪郭形状と類似する形状であっても良い。固定部材50も、同様に、第1軸部44の断面外径形状である、歯元47b及び溝24aの輪郭形状と類似する形状であっても良い。
案内部材49ががんぎ歯車部23と接触する面を案内接触面49cとする。案内接触面49cにおける第1軸部44側の部分を案内内周側面49dとする。案内接触面49cにおける外周側の部分を案内外周側面49fとする。案内接触面49cにおける案内内周側面49dと案内外周側面49fとの間の部分を案内中間面49eとする。案内中間面49eは案内内周側面49d及び案内外周側面49fより凹んでおり、円環状の案内部材溝49gが形成されている。
がんぎ歯車部23は案内部材49と接して配置される。案内内周側面49d及び案内外周側面49fががんぎ歯車部23と接し、案内中間面49eはがんぎ歯車部23と離れている。がんぎ歯車部23は7つの押圧部32が第1軸部44を押圧している。そして、がんぎ歯車部23では押圧部32及び第1梁部29が案内部材49と接触する。
固定部材50は第3の開口としての第3穴50aを有し、第3穴50aに第1軸部44が挿入されている。軸部材24の径方向における固定部材50の長さを固定部材直径50hとする。固定部材直径50hは第2直径45aより大径になっている。そして、固定部材50はがんぎ歯車部23と接して配置されている。第3穴50aの直径を第3穴径50bとする。第3穴径50bは第1直径44aより小さく形成されている。これにより、固定部材50は第1軸部44にしまりばめで固定されている。尚、固定部材50は円環状でも良く、Cリングでも良い。従って、固定部材50がCリングのとき“固定部材50がしまりばめで固定されている”とは第1軸部44が固定部材50に挟まれて固定されている状態を含む。この固定方法、すなわち前記しまりばめにすることにより、軸部材24に対してがんぎ歯車部23を接着剤を用いなくても固定することができる。
第1穴49aの直径である第1穴径49bは第1直径44aより大きい。従って、案内部材49を第1軸部44に挿入しても案内部材49が変形することが低減される。そして、固定部材50は軸部材24にしまりばめで固定されている。従って、固定部材50をがんぎ歯車部23に押圧することにより、案内部材49とがんぎ歯車部23とが接した状態にすることができる。さらに、がんぎ歯車部23と固定部材50とを接した状態にすることができる。その結果、軸部材24の軸線25に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度を案内部材49及び固定部材50が規制することができる。
軸部材24の座面48と案内部材49とが接しており、案内部材49とがんぎ歯車部23とが接している。がんぎ歯車部23と固定部材50とが接しており、固定部材50は軸部材24に固定される。従って、がんぎ歯車部23は案内部材49と固定部材50とに挟まれて保持されている。
第1軸部44の軸と離れている場所でがんぎ歯車部23を保持する方が、第1軸部44の軸と近い場所でがんぎ歯車部23を保持するときに比べて、第1軸部44の軸に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度を直角に近づけることができる。軸部材24の径方向における案内部材49の長さは第2直径45aより長くなっている。従って、座面48に接してがんぎ歯車部23を配置するときに比べて、座面48とがんぎ歯車部23との間に案内部材49を配置した方が、第2軸部45の軸に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度を直角に近づけることができる。
また、固定部材直径50hは第2直径45aより長くなっている。従って、固定部材直径50hが第2直径45aと同等のときに比べて、第2直径45aより長い固定部材50を配置した方が、第1軸部44の軸に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度を直角に近づけることができる。そして、第1軸部44の軸に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度が直角に近い程、軸部材24を回転したときのがんぎ歯車部23の軸方向の振れを小さくすることができる。従って、軸部材24を回転したときのがんぎ歯車部23の軸方向の振れを小さくすることができる。
座面48と固定部材50とでがんぎ歯車部23を挟むときに比べて、案内部材49と固定部材50とでがんぎ歯車部23を挟むときの方が、軸部材24の軸方向から見たときにがんぎ歯車部23を挟む面積を広くすることができる。従って、案内部材49及び固定部材50はがんぎ歯車部23を確実に挟むことができる。このため、案内部材49及び固定部材50はがんぎ歯車部23を安定して保持することができる。さらに、案内部材49を設けたことにより、がんぎ歯車部23と案内部材49とが接触する面積を広くすることができるため、がんぎ歯車部23の割れや欠けの発生を抑制することができる。
固定部材50ががんぎ歯車部23と接触する側の面を固定接触面50cとする。固定接触面50cにおいて第1軸部44側を内周部としての固定内周側面50dとし、外周側を外周部としての固定外周側面50fとし、固定内周側面50dと固定外周側面50fとの間を中間部としての固定中間面50eとする。固定中間面50eは固定内周側面50d及び固定外周側面50fより凹んでおり、円環状の固定部材溝50gが形成されている。固定内周側面50d及び固定外周側面50fががんぎ歯車部23と接し、固定中間面50eはがんぎ歯車部23と離れている。従って、固定部材50は、がんぎ歯車部23と接する面において凹んでがんぎ歯車部23と接触しない部分を有している。
固定内周側面50dは凹んでいないので固定部材50と第1軸部44との接触面積を広く確保することができる。そして、固定中間面50eが凹んでいないときには、固定中間面50eの平面度のばらつきにより固定中間面50eががんぎ歯車部23と接触して固定外周側面50fががんぎ歯車部23と接触しない恐れがある。固定中間面50eが凹んでいるときには、固定中間面50eががんぎ歯車部23と接触しないので固定外周側面50fをがんぎ歯車部23と確実に接触させることができる。その結果、第1軸部44から離れた部分で固定部材50とがんぎ歯車部23とを接触させることができる。そして、固定部材50の凹んでいない部分をがんぎ歯車部23と確実に接触させることができる。
案内部材49の材質は鉄合金またはチタン合金が好ましい。本実施形態では、例えば、案内部材49の材質に炭素鋼を用いている。鉄合金またはチタン合金は剛性が高いので、変形し難い。がんぎ歯車部23の材質はシリコンを含むのが好ましい。がんぎ歯車部23はシリコンを含んでおり脆性材料である。従って、がんぎ歯車部23は硬度が高く案内部材49より変形し難くすることができる。
固定部材50の材質は銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金であるのが好ましい。銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金は案内部材49やがんぎ歯車部23の材質より変形し易い材質になっている。案内部材49、がんぎ歯車部23及び固定部材50に第1軸部44を挿入し、固定部材50を座面48側に押圧する。押圧することにより、座面48と案内部材49とが互いに接触させられる。同様に、案内部材49とがんぎ歯車部23とが互いに接触させられる。さらに、がんぎ歯車部23と固定部材50とが互いに接触させられる。このとき、案内部材49及びがんぎ歯車部23を変形させずに固定部材50を第1軸部44に固定させることができる。その結果、第1軸部44の軸に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度を直角に近づけることができる。
図7は第1軸部、案内部材及びがんぎ歯車部の位置関係を説明するための要部模式平断面であり、図5のBB線に沿う模式断面図である。図7に示すように、がんぎ歯車部23は7本の第1梁部29と7本の押圧部32とが第1軸部44に向かって放射状に配置されている。7本の第1梁部29と7本の押圧部32とは軸部材24の周方向に交互に配置されている。がんぎ歯車部23は第1梁部29及び押圧部32で囲まれた部分が穴になっている。この穴を第2穴23cとする。そして、第2穴23cに第1軸部44が挿入される。換言すれば、がんぎ歯車部23は第1軸部44に挿入される第2穴23cを有している。
第1梁部29の端は溝24a内に配置されている。そして、押圧部32は押圧部32を付勢する板ばね部31を有し、押圧部32は7つの方向から第1軸部44を押圧する。従って、第2梁部30の端は軸部材24を押圧する。溝24aは、軸部材24の径方向において歯先47aよりも内側に窪んだ形状に形成されている。第1梁部29の端は溝24a内に配置されているので、第1梁部29は確実に案内部材49及び固定部材50に挟まれて固定されている。そして、軸部材24が回転するとき、第1梁部29は軸部材24のトルクをリム部26に伝達してリム部26を回転させる。
第2梁部30の押圧部32は第1梁部29から分岐する。第1梁部29が7つあるので、第2梁部30も7つ設置されている。そして、第2梁部30は板ばね部31を有し軸部材24を7つの方向から押圧して軸部材24を保持している。7つの第2梁部30が第1軸部44を押圧するので、各第2梁部30の内部応力を小さくできる。がんぎ歯車部23はシリコンであり脆性材料である。しかし、軸部材24から受けるトルクを第1梁部29が受け、軸部材24を保持するために押圧する力を7つの第2梁部30が分散して受けている。従って、保持部27が応力により破壊されることを低減することができる。
また、7つの押圧部32の端は第1側面44bの円と接する位置に配置されている。そして、この円は歯部28が配列された歯先円と中心が同じ円になっている。従って、軸部材24が回転するとき歯部28は軸線25を中心にして回転する。
図8は第1軸部、がんぎ歯車部及び固定部材の位置関係を説明するための要部模式平断面であり、図5のCC線に沿う模式断面図である。図8に示すように、がんぎ歯車部23の保持部27は軸部材24の軸方向から見たときの平面視において案内部材49と固定部材50とに重なっている。案内部材49及び固定部材50ががんぎ歯車部23を挟むとき、案内部材49及び固定部材50は第1梁部29と押圧部32とを挟んでいる。第1梁部29及び押圧部32はそれぞれ7本配置されているので、案内部材49及び固定部材50はがんぎ歯車部23を14カ所で挟むことができる。そして、第1梁部29及び押圧部32は第1軸部44から放射状に配置されている。従って、案内部材49及び固定部材50はがんぎ歯車部23の第1軸部44側を偏り無く確実に保持することができる。
[がんぎ車の製造方法]
次に、がんぎ車18の製造方法について説明する。
図9はがんぎ車の製造方法を示すフローチャートである。図9に示すように、がんぎ車18の製造方法はがんぎ歯車部23を形成する歯車部形成工程と、軸部材24を形成する軸部材形成工程と、がんぎ歯車部23に軸部材24を挿通してがんぎ車18を形成する組立工程と、を有している。
歯車部形成工程は、がんぎ歯車部23に保持部27、リム部26及び歯部28を形成する工程であり、ステップS1〜ステップS6を有する。ステップS1は基材準備工程である。この工程は、シリコンを含むウェハー状の基材を準備する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2はフォトレジスト塗布工程である。この工程は、スピンコート法やスプレーコート法等により、基材の表面にフォトレジストを塗布する工程である。塗布するフォトレジストは、ネガ型、及びポジ型のいずれの材料も採用することができる。次にステップS3に移行する。
ステップS3は露光工程である。この工程は、基材の表面に塗布したフォトレジストに対して露光する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は現像工程である。この工程は、フォトレジストを現像する工程である。がんぎ歯車部23の平面視外形に対応するエッチングマスクとして機能するフォトレジストパターンが形成される。がんぎ歯車部23の平面視外形に保持部27及びリム部26が含まれる。次にステップS5に移行する。
ステップS5は異方性エッチング工程である。この工程は、フォトレジストパターンをマスクとして、基材に異方性エッチングを施す工程である。異方性エッチングには、例えば、ディープ・リアクティブ・イオンエッチング(Deep ReactiveIon Etching:DRIE)が用いられる。これにより、フォトレジストパターンを介して、基材が表面側から略垂直方向に深掘りされ、複数の歯部28を有するリム部26と、第1梁部29及び第2梁部30を有する保持部27とを有するがんぎ歯車部23の外形形状が得られる。次にステップS6に移行する。
ステップS6はフォトレジスト除去工程である。この工程は、フォトレジストパターンを除去する工程である。例えば、フォトレジストを溶解・剥離可能な発煙硝酸や有機溶剤等でのウェットエッチング、あるいは、酸素プラズマアッシング等により、フォトレジストを除去できる。以上の工程によりがんぎ歯車部23を形成する工程は終了する。次にステップS21に移行する。
このように、がんぎ歯車部23の基材をシリコンとすることで、がんぎ歯車部23の第1梁部29、第2梁部30、及びリム部26等の各部を、同一の基材から同じエッチング工程により形成することができ、1枚の基材からがんぎ歯車部23を複数取りできるので、がんぎ歯車部23の生産性を向上させるとともに生産コストを低減することができる。また、フォトリソグラフィーやエッチング技術を用いて形成するので、各部の形状を所望の形状に形成でき、かつ、その加工精度を向上できる。
軸部材形成工程は軸部材24に第1ほぞ部42、ガイド部43、第1軸部44、第2軸部45及び第2ほぞ部46を形成する工程である。軸部材形成工程はステップS11とステップS12とを有する。軸部材形成工程は歯車部形成工程とは別に行われる。
ステップS11は軸部材準備工程である。この工程は、軸部材24の原料となる線材を準備する工程である。軸部材24の原料は、軸体として十分な剛性を有しているとともに、耐熱性を有していることが望ましい。炭素鋼は、上述した剛性や耐熱性に優れた材料であることに加えて、切削加工や研削加工等の加工性も高い材料であるため、軸部材24の材料として特に好適である。次にステップS12に移行する。
ステップS12は軸部材加工工程である。この工程は、軸部材24となる部材に対して、切削加工や研削加工等の機械加工をする工程である。旋盤に線材を配置して線材を軸方向に回転する。次に、回転している線材に刃具であるバイトが当てられる。そして、第2ほぞ部46の形状にバイトが移動される。その結果、第2ほぞ部46が形成されて歯47が形成される前の軸部材24が形成される。歯47が形成される前の軸部材24を未歯割部材とする。この段階で、未歯割部材が線材から分離される。
次に、未歯割部材に歯47が形成される。軸部材24の外形が形成された未歯割部材が歯割装置に配置される。歯割装置は歯47の形状をした刃具が未歯割部材の軸方向に移動する。その結果、軸部材24に歯47が形成される。次に、軸部材24にニッケルめっき等のめっきが施される。以上の工程により軸部材24を形成する工程は終了する。次にステップS21に移行する。
ステップS21は組立工程である。この工程では軸部材24に案内部材49、がんぎ歯車部23及び固定部材50が挿通される。そして、固定部材50を第1軸部44に嵌合させる工程である。がんぎ歯車部23に軸部材24を挿通することにより、がんぎ車18が形成される。
次に、ステップS21の組立工程を、図10〜図12を参照して説明する。図10〜図12は、組立工程を説明するための模式側断面図である。尚、図10〜図12では、軸部材24に対して案内部材49、がんぎ歯車部23及び固定部材50を押し込む場合の例を示しているが、案内部材49、がんぎ歯車部23及び固定部材50に対して軸部材24を挿入して押し込むこととしてもよい。
まず、図10に示すように、軸部材24のガイド部43側から第1軸部44に案内部材49を挿入して配置する。第1穴径49bは第1直径44aより大きくなっている。そして、第1軸部44と案内部材49とのはめあい公差はすきまばめになっている。このため、案内部材49を容易に第1軸部44に挿入することができる。案内部材49は座面48に接触する。そして、案内部材溝49gがガイド部43を向くように案内部材49を配置する。
次に、図11に示すように、軸部材24のガイド部43側から第1軸部44にがんぎ歯車部23の第2穴23cを挿入して配置する。このとき、第1軸部44の周方向において、第1梁部29と溝24aとが同じ位置となる。そして、押圧部32が第1側面44bを押圧するように、軸部材24とがんぎ歯車部23とを配置する。
このとき、まず、第1ほぞ部42からガイド部43に第2穴23cを挿入する。次に、第1梁部29を溝24aに合わせる。そして、押圧部32をガイド部43の外周に接触させる。続いて、がんぎ歯車部23を案内部材49に向けて押し込む。ガイド部43の外周の直径は第1ほぞ部42側より座面48側が大きくなっている。そして、がんぎ歯車部23を軸部材24に挿入する前の状態では押圧部32の内接円の直径は第1直径44aより小さくなっている。押圧部32は板ばね部31により支持されているので、がんぎ歯車部23の径方向に移動可能になっている。このため、がんぎ歯車部23が案内部材49に接近するにとき、押圧部32は径方向の外側へ徐々に押し広げられる。
この結果、がんぎ歯車部23がガイド部43から第1軸部44へ移動する。そして、押圧部32が第1側面44bに接した状態になる。押圧部32は板ばね部31により付勢されているので第1軸部44を押圧する。
次に、図12に示すように、軸部材24のガイド部43側から第1軸部44に固定部材50の第3穴50aを挿入して配置する。このとき、第3穴径50bは第1直径44aより小さく形成されている。そして、第1軸部44と固定部材50とのはめあい公差はしまりばめになっている。このため、固定部材50は第1軸部44に押圧して挿入される。これにより、固定部材50は第1軸部44にしまりばめで固定される。以上の工程を経ることによってがんぎ車18の製造工程が終了する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、がんぎ車18は軸部材24を備え、軸部材24は第1軸部44の第1側面44bと第2軸部45の第2側面45bとが座面48を介して接続する形状になっている。第2軸部45の直径である第2直径45aは第1軸部44の直径である第1直径44aより大きい。そして、第2直径45aから第1直径44aを引いた長さの半分が座面48の幅になっている。案内部材49は第1穴49aを有する。がんぎ歯車部23は第2穴23cを有する。固定部材50は第3穴50aを有する。そして、第1軸部44に案内部材49の第1穴49a、がんぎ歯車部23の第2穴23c、固定部材50の第3穴50aが挿入されている。そして、第2軸部45側から順に案内部材49、がんぎ歯車部23、固定部材50が並べて配置されている。
軸部材24の座面48と案内部材49とが接しており、案内部材49とがんぎ歯車部23とが接している。がんぎ歯車部23と固定部材50とが接しており、固定部材50は第1軸部44に固定される。従って、がんぎ歯車部23は案内部材49と固定部材50とに挟まれて保持されている。
第1軸部44の軸線25と離れている場所でがんぎ歯車部23を保持する方が、第1軸部44の軸線25と近い場所でがんぎ歯車部23を保持するときに比べて、第1軸部44の軸線25に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度を直角に近づけることができる。軸部材24の径方向における案内部材49の長さは第2直径45aより長くなっている。従って、座面48に接してがんぎ歯車部23を配置するときに比べて、座面48とがんぎ歯車部23との間に案内部材49を配置した方が、第1軸部44の軸線25に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度を直角に近づけることができる。
また、軸部材24の径方向における固定部材50の長さは第2直径45aより長くなっている。従って、軸部材24の径方向における固定部材50の長さが第2直径45aと同等の長さのときに比べて、第2直径45aより長い固定部材50を配置した方が、第1軸部44の軸線25に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度を直角に近づけることができる。そして、第1軸部44の軸線25に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度が直角に近い程、軸部材24を回転したときのがんぎ歯車部23の軸方向の振れを小さくすることができる。従って、がんぎ車18は軸部材24を回転したときのがんぎ歯車部23の軸方向の振れを小さくすることができる。
また、案内部材49及び固定部材50は第1梁部29及び押圧部32を挟んでがんぎ歯車部23を保持している。案内部材49が設置されないときには座面48及び固定部材50が第1梁部29及び押圧部32を挟んでがんぎ歯車部23を保持することになる。このときに比べて、本実施形態では、第1梁部29及び押圧部32の広い範囲を案内部材49及び固定部材50が挟んでがんぎ歯車部23を保持することができる。従って、案内部材49及び固定部材50は安定してがんぎ歯車部23を保持することができる。
(2)本実施形態によれば、第1穴49aの直径である第1穴径49bは第1直径44aより大きい。従って、案内部材49を第1軸部44に挿入しても案内部材49が変形することが低減される。そして、固定部材50は軸部材24にしまりばめで固定されている。従って、固定部材50を第1軸部44に挿入してがんぎ歯車部23に押圧することにより、案内部材49とがんぎ歯車部23とが接した状態にすることができる。さらに、がんぎ歯車部23と固定部材50とを接した状態にすることができる。その結果、軸部材24の軸線25に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度を案内部材49及び固定部材50が規制することができる。
(3)本実施形態によれば、案内部材49の材質は鉄合金またはチタン合金である。鉄合金またはチタン合金は剛性が高いので、変形し難い。がんぎ歯車部23はシリコンを含んでおり脆性材料である。従って、がんぎ歯車部23は硬度が高く案内部材49より変形し難くなっている。そして、固定部材50の材質は銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金になっている。固定部材50は案内部材49やがんぎ歯車部23より変形し易い材質になっている。
案内部材49、がんぎ歯車部23及び固定部材50を第1軸部44に挿入し、固定部材50を座面48側に押圧する。押圧することにより、座面48と案内部材49とが互いに接触させられる。同様に、案内部材49とがんぎ歯車部23とが互いに接触させられる。さらに、がんぎ歯車部23と固定部材50とが互いに接触させられる。このとき、案内部材49及びがんぎ歯車部23を変形させずに固定部材50を第1軸部44に固定させることができる。その結果、第1軸部44の軸線25に対するがんぎ歯車部23の平面方向の角度を直角に近づけることができる。
(4)本実施形態によれば、固定部材50ががんぎ歯車部23と接する固定接触面50cには、固定内周側面50d、固定中間面50e及び固定外周側面50fが設定されている。固定内周側面50dは第1軸部44側である。固定外周側面50fは外周側である。固定中間面50eは固定内周側面50dと固定外周側面50fとの間の面である。そして、固定中間面50eは固定内周側面50d及び固定外周側面50fより凹んでいる。このため、固定内周側面50d及び固定外周側面50fががんぎ歯車部23と接しており、固定中間面50eはがんぎ歯車部23と離れている。
固定内周側面50dは凹んでいないので固定部材50と第1軸部44との接触面積を広くすることができる。そして、固定中間面50eが凹んでいないときには、固定部材50の平面度のばらつきにより固定中間面50eががんぎ歯車部23と接触して固定外周側面50fががんぎ歯車部23と接触しない恐れがある。固定中間面50eが凹んでいるときには、固定中間面50eががんぎ歯車部23と接触しないので固定外周側面50fをがんぎ歯車部23と確実に接触させることができる。
(5)本実施形態によれば、第1軸部44は溝24aを有し、溝24aは第1軸部44の軸方向に配置されている。がんぎ歯車部23は保持部27及びリム部26を有している。リム部26は複数の歯部28を有するので、がんぎ車18は歯車として機能する。保持部27は軸部材24を保持する。保持部27は第1梁部29と第2梁部30とを有する。第1梁部29はリム部26に複数配置され軸部材24側に向かって設けられている。第1梁部29の端は溝24a内に配置され、第1梁部29は案内部材49と固定部材50とに挟まれている。軸部材24が回転するとき、軸部材24のトルクが第1梁部29に伝達される。第1梁部29は軸部材24のトルクをリム部26に伝達してリム部26を回転させる。
第2梁部30は第1梁部29から分岐する。第1梁部29が複数あるので、第2梁部30も複数設置されている。そして、第2梁部30は板ばね部31を有し軸部材24を複数の方向から押圧して軸部材24を保持している。複数の第2梁部30が第1軸部44を押圧するので、各第2梁部30の内部応力を小さくできる。がんぎ歯車部23はシリコンであり脆性材料である。しかし、軸部材24から受けるトルクを第1梁部29で受け、軸部材24を保持するために押圧する力を複数の第2梁部30で分散している。従って、保持部27が応力により破壊されることを低減することができる。
なお、第2梁部30は第1梁部29から分岐する構成としたが、第1梁部29と同様に、リム部26から軸部材24側に向かって設けられてもよい。この場合でも、第2梁部の端と軸部材24とがしまりばめ設定寸法にすることで、第2梁部30が軸部材24を複数の方向から押圧して軸部材24を保持することができる。あるいは、第2梁部にばね部を設けることで、第2梁部30が軸部材24を押圧する構成としてもよい。
(6)本実施形態によれば、第2梁部30は、第1梁部29から分岐して設けられている。そして、第2梁部30の軸部材24側の端と、第1梁部29と第2梁部30とが分岐する場所と、の間に板ばね部31が配置されている。第2梁部30はばね部を有している為、確実に押圧部を付勢することができる。
(7)本実施形態によれば、機械式時計1は上記のがんぎ車18を備えている。上記のがんぎ車18は軸部材24を回転したときのがんぎ歯車部23の軸方向の振れを小さくすることができる。従って、がんぎ歯車部23が軸方向に振れることにより生じる不具合を低減可能な機械式時計1とすることができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記実施形態では、時計の一例として機械式時計の脱進機構に使用するがんぎ車18の例を示した。他にも、時計の動力源からの動力により動作する各種時計部品として、脱進機構に使用するアンクル21、てんぷ22等や時計の表輪列に使用する香箱車12、二番車13、三番車14、四番車15等の歯車や裏輪列に使用される歯車などにも上記の構造及び製造方法を適用することができる。他にも、電子式時計に適用しても良い。他にも、時計部品以外でもMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の部品に適用してもよい。上記の時計部品の構造を適用されたがんぎ歯車、アンクル、香歯車、歯車及びMEMS部品は回転軸を回転したときの板部材の軸方向の振れを小さくすることができる。
(変形例2)
前記実施形態では、がんぎ歯車部23の材料に脆性材料の板状部材であるシリコンを用いた。他にも、がんぎ歯車部23の材料に炭化シリコン、水晶、ガラス、サファイア等を用いてもよい。
(変形例3)
前記実施形態では、がんぎ歯車部23における保持部27の数が、第1軸部44の歯47の数と同じ7つの構成であった。つまり、第1梁部29及び第2梁部30の数が7つの構成であった。保持部27の数と第1軸部44の歯47の個数は同じ個数に限定されない。保持部27の数が第2軸部45の歯47の数よりも少ない構成であっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例4)
がんぎ車18の製造方法において、ステップS21でがんぎ歯車部23に軸部材24を挿通した後で、がんぎ歯車部23の表面に、二酸化ケイ素(SiO2)からなるシリコン酸化膜を形成する酸化処理を行うこととしてもよい。がんぎ歯車部23に酸化処理を行うと、シリコンを含む材料からなるがんぎ歯車部23の表面に形成されるシリコン酸化膜により、がんぎ歯車部23の機械的強度が向上する。酸化処理を行う場合は、例えば1000℃以上の高温で行う熱酸化処理を行うことが好ましい。
(変形例5)
前記実施形態のがんぎ歯車部23では板ばね部31が押圧部32を付勢した。板ばね部31以外にもコイルばね、トーションバー等の形式のばねを用いても良い。
(変形例6)
前記実施形態では、案内部材49に案内部材溝49gを配置した。案内部材49においてがんぎ歯車部23と接触する面が平坦であるときには案内部材溝49gを配置しなくても良い。案内部材溝49gを加工しないので案内部材49を生産性良く製造することができる。同様に、固定部材50に固定部材溝50gを配置した。固定部材50においてがんぎ歯車部23と接触する面が平坦であるときには固定部材溝50gを配置しなくても良い。固定部材溝50gを加工しないので固定部材50を生産性良く製造することができる。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
時計部品は、互いに同軸に一体に設けられた第1軸部と、前記第1軸部より大径の第2軸部と、前記第1軸部と前記第2軸部との接続部に設けられた座面と、を有する回転軸と、前記座面と接して配置され、前記第1軸部に挿入される第1の開口を有し、前記第2軸部より大径の案内部材と、前記案内部材と接して配置され、前記第1軸部に挿入される第2の開口を有する板部材と、前記板部材と接して配置され、前記第1軸部に挿入される第3の開口を有し、前記第2軸部より大径の固定部材と、を備ることを特徴とする。
この構成によれば、時計部品は回転軸を備え、第1軸部の側面と第2軸部の側面との接続部に座面が設けられている。第2軸部の直径である第2直径は第1軸部の直径である第1直径より大径である。そして、第2直径から第1直径を引いた長さの半分が座面の幅になっている。案内部材は第1の開口を有する。板部材は第2の開口を有する。固定部材は第3の開口を有する。そして、第1軸部に案内部材の第1の開口、板部材の第2の開口、固定部材の第3の開口が挿入されている。そして、第2軸部側から順に案内部材、板部材、固定部材が互いに同軸に並べて配置されている。
回転軸の座面と案内部材とが接しており、案内部材と板部材とが接している。板部材と固定部材とが接しており、固定部材は第1軸部に固定される。従って、板部材は案内部材と固定部材とに挟まれて保持されている。
第1軸部の軸と離れている場所で板部材を保持する方が、第1軸部の軸と近い場所で板部材を保持するときに比べて、第1軸部の軸に対する板部材の平面方向の角度を直角に近づけることができる。回転軸の径方向における案内部材の長さは第2直径より長くなっている。従って、座面に接して板部材を配置するときに比べて、座面と板部材との間に案内部材を配置した方が、第1軸部の軸に対する板部材の平面方向の角度を直角に近づけることができる。
また、回転軸の径方向における固定部材の長さは第2直径より長くなっている。従って、回転軸の径方向における固定部材の長さが第2直径と同等の長さのときに比べて、第2直径より長い固定部材を配置した方が、第1軸部の軸に対する板部材の平面方向の角度を直角に近づけることができる。そして、第1軸部の軸に対する板部材の平面方向の角度が直角に近い程、回転軸を回転したときの板部材の軸方向の振れを小さくすることができる。従って、本時計部品は回転軸を回転したときの板部材の軸方向の振れを小さくすることができる。
上記の時計部品は、前記案内部材は鉄合金またはチタン合金であり、前記板部材はシリコンを含み、前記固定部材は銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることが好ましい。
この構成によれば、案内部材の材質は鉄合金またはチタン合金である。鉄合金またはチタン合金は剛性が高いので、変形し難い。板部材はシリコンを含んでおり脆性材料である。従って、板部材は硬度が高く案内部材より変形し難くなっている。そして、固定部材の材質は銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金になっている。固定部材は案内部材や板部材より変形し易い材質になっている。
案内部材、板部材及び固定部材を第1軸部に挿入し、固定部材を座面側に押圧する。押圧することにより、座面と案内部材とが互いに接触させられる。同様に、案内部材と板部材とが互いに接触させられる。さらに、板部材と固定部材とが互いに接触させられる。このとき、案内部材及び板部材を変形させずに固定部材を第1軸部に固定させることができる。その結果、第1軸部の軸に対する板部材の平面方向の角度を直角に近づけることができる。
上記の時計部品において、前記固定部材は、前記板部材と接する面において凹んで前記板部材と接触しない部分を有していることが好ましい。
この構成によれば、固定部材は、板部材と接する面において凹んでいる部分がある。固定部材の凹んでいない部分は板部材と接しており、凹んでいる部分は板部材と離れている。従って、凹んでいない部分を板部材と確実に接触させることができる。
上記の時計部品において、前記第1軸部は軸方向に設けられた溝を有し、前記板部材は前記軸方向から見たときの平面視において前記案内部材と前記固定部材とに重なる保持部と、複数の歯部を有するリム部と、を有し、前記保持部は前記リム部と前記回転軸との間に設けられた複数の第1梁部と、複数の前記第1梁部の間に設けられた第2梁部とを有し、前記第1梁部の端は前記溝内に配置され、前記第2梁部の端は前記回転軸を押圧することが好ましい。
この構成によれば、第1軸部は溝を有し、溝は第1軸部の軸方向に長く配置されている。板部材は保持部及びリム部を有している。リム部は複数の歯部を有するので、時計部品は歯車として機能する。保持部は回転軸を保持する。保持部は第1梁部と第2梁部とを有する。第1梁部はリム部に複数配置され回転軸側に長い形状になっている。第1梁部の端は溝内に配置されており、案内部材と固定部材とに挟まれて保持されているので、回転軸が回転するとき、第1梁部は回転軸のトルクをリム部に伝達してリム部を回転させる。
第2梁部は第1梁部の間に設けられている。第1梁部が複数あるので、第2梁部も複数設置されている。そして、押圧部は回転軸を複数の方向から押圧して回転軸を保持している。複数の第2梁部が第1軸部を押圧するので、各第2梁部の内部応力を小さくできる。板部材はシリコンであり脆性材料である。しかし、回転軸から受けるトルクを複数の第1梁部で受け、回転軸を保持するために押圧する力を複数の第2梁部で分散している。従って、保持部が応力により破壊されることを低減することができる。
上記の時計部品において、前記第2梁部は、前記第1梁部から分岐して設けられ、前記第2梁部の端と前記分岐との間にばね部を有していることが好ましい。
この構成によれば、第2梁部は、第1梁部から分岐して設けられている。そして、第2梁部の端と前記分岐との間にばね部を有している。第2梁部はばね部を有している為、確実に押圧部を付勢することができる。
上記の時計部品は、がんぎ歯車、アンクル、香歯車および歯車のいずれかであることが好ましい。
がんぎ歯車、アンクル、香歯車および歯車のいずれかが上記の時計部品の構造を適用することができる。上記の時計部品の構造を適用されたがんぎ歯車、アンクル、香歯車および歯車は回転軸を回転したときの板部材の軸方向の振れを小さくすることができる。
時計は、上記に記載の時計部品を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、時計は上記の時計部品を備えている。上記の時計部品は回転軸を回転したときの板部材の軸方向の振れを小さくすることができる。従って、板部材が軸方向の振れることにより生じる不具合を低減可能な時計とすることができる。
上記の時計部品において、前記第1の開口の直径は前記第1軸部の直径より大きく、前記固定部材は前記回転軸にしまりばめで固定されていることが好ましい。
この構成によれば、第1の開口の直径は第1軸部の直径より大きい。従って、案内部材を第1軸部に挿入しても案内部材が変形することが低減される。そして、固定部材は回転軸にしまりばめで固定されている。従って、固定部材を板部材に押圧することにより、案内部材と板部材とが接した状態にすることができる。さらに、板部材と固定部材とを接した状態にすることができる。その結果、回転軸の軸に対する板部材の平面方向の角度を案内部材及び固定部材が規制することができる。
1…時計としての機械式時計、18…時計部品としてのがんぎ車、23…板部材としてのがんぎ歯車部、23c…第2の開口としての第2穴、24…回転軸としての軸部材、24a…溝、26…リム部、27…保持部、29…第1梁部、30…第2梁部、31…ばね部としての板ばね部、44…第1軸部、44a…第1直径、44b…第1側面、45…第2軸部、45a…第2直径、45b…第2側面、48…座面、49…案内部材、49a…第1の開口としての第1穴、50…固定部材、50a…第3の開口としての第3穴。

Claims (7)

  1. 互いに同軸に一体に設けられた第1軸部と、前記第1軸部より大径の第2軸部と、前記第1軸部と前記第2軸部との接続部に設けられた座面と、を有する回転軸と、
    前記座面と接して配置され、前記第1軸部に挿入される第1の開口を有し、前記第2軸部より大径の案内部材と、
    前記案内部材と接して配置され、前記第1軸部に挿入される第2の開口を有する板部材と、
    前記板部材と接して配置され、前記第1軸部に挿入される第3の開口を有し、前記第2軸部より大径の固定部材と、を備ることを特徴とする時計部品。
  2. 請求項1に記載の時計部品であって、
    前記案内部材は鉄合金またはチタン合金であり、前記板部材はシリコンを含み、前記固定部材は銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする時計部品。
  3. 請求項1または2に記載の時計部品であって、
    前記固定部材は、前記板部材と接する面において凹んで前記板部材と接触しない部分を有していることを特徴とする時計部品。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の時計部品であって、
    前記第1軸部は軸方向に設けられた溝を有し、
    前記板部材は前記軸方向から見たときの平面視において前記案内部材と前記固定部材とに重なる保持部と、複数の歯部を有するリム部と、を有し、
    前記保持部は前記リム部と前記回転軸との間に設けられた複数の第1梁部と、複数の前記第1梁部の間に設けられた第2梁部とを有し、
    前記第1梁部の端は前記溝内に配置され、前記第2梁部の端は前記回転軸を押圧することを特徴とする時計部品。
  5. 請求項4に記載の時計部品であって、
    前記第2梁部は、前記第1梁部から分岐して設けられ、前記第2梁部の端と前記分岐との間にばね部を有していることを特徴とする時計部品。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の時計部品であって、
    前記時計部品は、がんぎ歯車、アンクル、香歯車および歯車のいずれかであることを特徴とする時計部品。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の時計部品を備えたことを特徴とする時計。
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