JP2020067061A - オイル供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルポンプの下流のアクチュエータの油圧室容積の変動の多寡に応じてオイルポンプの仕事量を変化させ燃費向上を図る。【解決手段】オイル供給装置は、車両に用いられるオイルの循環経路上に設けられたオイル貯留部と、吸入したオイルを被供給部に供給するオイルポンプと、前記オイル貯留部に配置され、オイルに対して浮力を有するフロートと、前記フロートの上下位置に応じて可動部が第1位置に位置する第1状態と前記可動部が第2位置に位置する第2状態を切り換える切り替え機構と、を備え、前記第1状態及び前記第2状態に応じて前記オイルポンプから前記被供給部に供給される単位時間あたりのオイル量が異なる構成とした。【選択図】図2

Description

本発明は、オイルを潤滑させるためのポンプを有するオイル供給装置に関する。具体的には、複数の吐出ポートを有するオイルポンプとサクション戻りオイルを一時的に貯めるタンクを備えるオイル供給装置についての技術分野に関する。
エンジンやトランスミッションなどの動力機構においては、円滑な動作を行うことや保護のためにオイルなどを潤滑させることが一般的である。このような動力機構は、各部にオイルを供給するためのオイル供給装置を備えている。
車両におけるオイル供給装置は、車両における各部を動かすための仕事量が大きい場合に油圧が不足しないように設計されており、一定速で走行中である場合などのようにアクチュエータの油圧室容積の変動が少ない場合には、オイルポンプから供給されるオイルがほとんど使用されずオイルパンに戻される。従って、オイルポンプの駆動ロスが生じ、燃費が低下してしまっていた。
特開2003−214356号公報
そこで、本発明は、上記の状況に鑑み、オイルポンプの下流のアクチュエータの油圧室容積の変動の多寡に応じてオイルポンプの仕事量を変化させ車両の燃費向上を図ることを目的とする。
本発明に係るオイル供給装置は、車両に用いられるオイルの循環経路上に設けられたオイル貯留部と、吸入したオイルを被供給部に供給するオイルポンプと、前記オイル貯留部に配置され、オイルに対して浮力を有するフロートと、前記フロートの上下位置に応じて可動部が第1位置に位置する第1状態と前記可動部が第2位置に位置する第2状態を切り換える切り替え機構と、を備え、前記第1状態及び前記第2状態に応じて前記オイルポンプから前記被供給部に供給される単位時間あたりのオイル量が異なる構成とされる。
車両の走行状態などによって必要なオイル量は異なる。車両のオイル供給システムは、最も高い油圧が必要とされる状態に合わせてオイルを供給するため、必要とされる油圧が少ない状態においては、供給するオイルの大半が無駄となってしまい、車両の燃費を低下させてしまう虞がある。本構成では、オイル貯留部に貯留されたオイルの多寡に応じてフロートが上下することにより、オイルポンプから被供給部に供給される油圧が可変とされている。
上記したオイル供給装置の前記切り替え機構は、前記フロートが下方に位置した状態において前記第1状態とされ、前記フロートが上方に位置した状態において前記第2状態とされ、前記単位時間あたりのオイル量は、前記切り替え機構が前記第2状態とされるよりも前記第1状態とされる方が多くされてもよい。
オイル貯留部に貯留されたオイルに配置されたフロートが下方に位置した状態は、貯留されたオイルが少なく各部で消費されているオイル量や必要とされる油圧が多いことを示しており、フロートが上方に位置した状態は貯留されたオイルが多く各部で消費されているオイル量や必要とされる油圧が少ないことを示している。本構成によれば、各部で消費されているオイル量や必要とされる油圧が多い第1状態においては、各部で消費されているオイル量や必要とされる油圧が少ない第2状態よりも被供給部に供給されるオイル量が多くなるため、オイル量や油圧の需要と供給のバランスが取れた状態とされる。
上記したオイル供給装置の前記オイルポンプは第1吐出回路と第2吐出回路を有し、前記切り替え機構は前記可動部とされたピストンを備えたシリンダ機構とされ、前記ピストンが前記第1状態とされたことに応じて前記第2吐出回路と前記被供給部への供給回路が接続される供給位置に位置し、前記ピストンが前記第2状態とされたことに応じて前記第2吐出回路とオイルポンプの吸入側に戻すドレン回路が接続されるドレン位置に位置するスプールを備えてもよい。
オイルポンプが第1吐出回路と第2吐出回路を備えることにより、双方の吐出回路から被供給部にオイルが供給される状態と一方の吐出回路からのみ被供給部にオイルが供給される状態を切り換えることが可能となる。
上記したオイル供給装置の前記スプールは、前記ピストンの移動によって生じる油圧を用いて前記供給位置と前記ドレン位置を移動可能とされてもよい。
ピストンの移動によって油圧が変化し、該油圧の変化に応じてスプールが移動されることにより、油路の切換が行われる。
上記したオイル供給装置においては、前記切り替え機構が前記第1状態とされることによってエンジン動力を前記オイルポンプの駆動軸に伝達する第1伝達機構と、前記切り替え機構が前記第2状態とされることによってエンジン動力を前記駆動軸に伝達する第2伝達機構と、を備え、前記第1伝達機構の変速比は前記第2伝達機構の変速比よりも小さくされてもよい。
第1伝達機構及び第2伝達機構を切り換える構造が用いられ、二つの伝達機構の変速比が異なるものとされることにより、オイルポンプを駆動する駆動軸の回転数が可変とされる。
上記したオイル供給装置においては、前記可動部を前記第1位置側に付勢する付勢手段を備えてもよい。
第1伝達機構と第2伝達機構の比較においては、第1伝達機構によって駆動軸が駆動される方がオイルの供給量及び油圧が高くされている。仮に、切り替え機構に不具合が生じ、切り替え機構が正常に動作しなくなった場合に、本構成によれば第1伝達機構によってオイルポンプの駆動軸の回転動作が行われる。
本発明によれば、オイルポンプの下流のアクチュエータの油圧室容積の変動の多寡に応じてオイルポンプの仕事量を変化させ駆動ロスを低減させることができる。
本発明に係る実施形態としてのオイル供給装置を備えた車両の構成概要を示した図である。 オイル供給装置の第1構成例を説明するための説明図である。 オイル供給装置の第1構成例における第1状態を説明するための説明図である。 オイル供給装置の第1構成例における第2状態を説明するための説明図である。 オイル供給装置の第2構成例を説明するための説明図である。 オイル供給装置の第2構成例における第1状態を説明するための説明図である。 オイル供給装置の第2構成例における第2状態を説明するための説明図である。 オイル供給装置の第3構成例を説明するための説明図である。 オイル供給装置の第3構成例におけるピストン非作動状態を説明するための説明図である。 オイル供給装置の第3構成例におけるピストン半作動状態を説明するための説明図である。 オイル供給装置の第3構成例におけるピストン作動状態を説明するための説明図である。
以下に、本発明のオイル供給装置を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。
<1.車両の構成概要>
図1は、本発明に係る実施形態としてのオイル供給装置1を備えた車両100の構成概要を示した図である。なお、図1では、車両100の構成のうち主に本発明に係る要部の構成のみを抽出して示している。
本実施の形態の車両100は、走行動力源としてのエンジン2と、動力伝達装置3と、動力伝達装置3に作動油を供給するオイル供給装置1と、ギヤ4,ギヤ5と、ディファレンシャルギヤ6と、駆動輪7a及び駆動輪7bと、エンジン制御ユニット8と、伝達装置制御ユニット9と、バス10とを備えている。
エンジン2は、車両100を走行させる走行用動力源(原動機)であり、燃料を消費して車両100の駆動輪7a,7bに作用させる動力を発生させる。エンジン2は、燃料を燃焼させて機関出力軸であるクランクシャフト2aに機械的な動力(エンジントルク)を発生させ、該機械的動力をクランクシャフト2aから駆動輪7a,7bに向けて出力可能とされている。
動力伝達装置3は、トルクコンバータ11、前後進切換機構12,及び無段変速機13を備えて構成されており、エンジン2から駆動輪7a,7bへの動力伝達経路中に設けられている。動力伝達機構3は、エンジン2から駆動輪7a,7bに動力を伝達する機構であり、液状媒体としてのオイル(作動油)の油圧によって動作する。
動力伝達装置3においては、エンジン2のクランクシャフト2aと無段変速機13のインプットシャフト14とがトルクコンバータ11、前後進切換機構12等を介して接続され、無段変速機構13のアウトプットシャフト15がギヤ4,5、ディファレンシャルギヤ6等を介して駆動輪7a,7bに接続されている。
トルクコンバータ11は、エンジン2と前後進切換機構12との間に配置され、エンジン2から伝達された動力のトルクを増幅させて(または維持して)、前後進切換機構12に伝達可能に構成されている。トルクコンバータ11は、回転自在に対向配置されたポンプインペラ11a及びタービンランナ11bを備え、フロントカバー11cを介してポンプインペラ11aをクランクシャフト2aと一体回転可能に結合し、タービンランナ11bを前後進切換機構12に連結して構成されている。
これらポンプインペラ11a及びタービンランナ11bの回転に伴い、ポンプインペラ11aとタービンランナ11bとの間に介在された作動油などの粘性流体が循環流動することにより、その入出力間の差動を許容しつつトルクを増幅して伝達することが可能とされている。
また、トルクコンバータ11は、タービンランナ11bとフロントカバー11cとの間に設けられタービンランナ11bと一体回転可能に連結されたロックアップクラッチ11dを更に備える。ロックアップクラッチ11dは、オイル供給装置1から供給される作動油の圧力によって作動し、フロントカバー11cとの係合状態(ロックアップON)と開放状態(ロックアップOFF)とを切り換え可能とされる。
ロックアップクラッチ11dがフロントカバー11cと係合している状態では、フロントカバー11c(即ちポンプインペラ11a)とタービンランナ11bが係合され、ポンプインペラ11aとタービンランナ11bとの相対回転が規制され、入出力間の差動が禁止されるので、トルクコンバータ11は、エンジン2から伝達されたトルクをそのまま前後進切換機構12に伝達する。
前後進切換機構12は、エンジン2からの動力(回転出力)を変速可能であると共に、該動力の回転方向(最終的には駆動輪7a,7bの回転方向)を切り替え可能に構成されている。前後進切換機構12は、遊星歯車機構12a、摩擦係合要素としての前進クラッチ(フォワードクラッチ)CL及び後退ブレーキ(リバースブレーキ)BR等を含んで構成される。
遊星歯車機構12aは、相互に差動回転可能な複数の回転要素としてサンギヤ、リングギヤ、キャリア等を含んで構成される差動機構である。前進クラッチCL及び後退ブレーキBRは、遊星歯車機構12aの作動状態を切り換えるための係合要素であり、例えば多板クラッチなどの摩擦式の係合機構等によって構成することができ、ここでは油圧式の湿式多板クラッチが用いられている。
前後進切換機構12は、オイル供給装置1から供給される作動油の圧力によって前進クラッチCL、後退ブレーキBRが作動し、作動状態の切り替えを行う。具体的に、前後進切換機構12は、前進クラッチCLが係合状態(締結状態:ON状態)、後退ブレーキBRが開放状態(OFF状態)である場合にエンジン2からの動力を正転回転(車両100が前進する際にインプットシャフト14が回転する方向)でインプットシャフト14に伝達する。一方、前後進切換機構12は、前進クラッチCLが開放状態、後退ブレーキBRが係合状態である場合にエンジン2からの動力を逆転回転(車両100が後進する際にインプットシャフト14が回転する方向)でインプットシャフト14に伝達する。前後進切換機構12は、ニュートラル時には前進クラッチCL及び後退ブレーキBRが共に開放状態とされる。
以下の説明においては、上記のような前進クラッチCL及び後退ブレーキBRの係合/解除の制御を行う制御系をまとめて「CB制御系12b」と表記する。
無段変速機構13は、エンジン2からの駆動輪7a,7bへの動力の伝達経路における前後進切換機構12と駆動輪7a,7bとの間に設けられ、エンジン2の動力を無段階に(連続的に)変速して出力可能な変速装置である。具体的に、無段変速機構13は、インプットシャフト14に伝達(入力)されるエンジン2からの回転動力(回転出力)を所定の変速比で変速して変速機出力軸であるアウトプットシャフト15に伝達し、アウトプットシャフト15から駆動輪7a,7bに向けて変速された動力を出力する。
無段変速機構13は、インプットシャフト14(プライマリシャフト)に対して設けられたプライマリプーリ16と、アウトプットシャフト15(セカンダリシャフト)に対して設けられたセカンダリプーリ17と、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ17との間に掛け渡された(巻き掛けられた)ベルトやチェーン等の巻き掛け部材18を備えており、巻き掛け式の無段変速機(連続可変トランスミッション:Continuously Variable Transmission=CVT)として構成されている。
プライマリプーリ16は、インプットシャフト14に対する位置が固定とされインプットシャフト14と同軸に一体回転するプライマリ側固定シーブ19と、インプットシャフト14の軸方向に変位可能なプライマリ側可動シーブ20とを、同軸に対向配置することにより形成されている。
また、セカンダリプーリ17は、アウトプットシャフト15に対する位置が固定とされアウトプットシャフト15と同軸に一体回転するセカンダリ側固定シーブ21と、アウトプットシャフト15の軸方向に変位可能なセカンダリ側可動シーブ22とを、同軸に対向配置することにより形成されている。
巻き掛け部材18は、プライマリ側固定シーブ19とプライマリ側可動シーブ20との間、セカンダリ側固定シーブ21とセカンダリ側可動シーブ22との間に形成された略V字の溝(以下「V溝」と表記する)に掛け渡されている。
無段変速機構13では、オイル供給装置1からプライマリプーリ16の油圧室(プライマリ油圧室)、セカンダリプーリ17の油圧室(セカンダリ油圧室)に供給される作動油の油圧(プライマリ圧、セカンダリ圧)に応じて、プライマリ側可動シーブ20、セカンダリ側可動シーブ22がプライマリ側固定シーブ21、セカンダリ側固定シーブ21との間に巻き掛け部材18を挟み込む力(挟圧力:クランプ力)を制御することが可能とされる。これにより、プライマリプーリ16及びセカンダリプーリ17のそれぞれにおいて、V溝の幅を変更して巻き掛け部材18の回転半径(巻き掛け径)を調節することができ、プライマリプーリ16の入力回転速度に相当する入力軸回転数(プライマリ回転数)とセカンダリプーリ17の出力回転速度に相当する出力軸回転数(セカンダリ回転数)との比である変速比を無段階に変更可能とされている。また、プライマリプーリ16及びセカンダリプーリ17の巻き掛け部材18についての挟圧力が調整されることで、これに応じたトルク容量で動力を伝達することが可能となっている。
無段変速機構13におけるアウトプットシャフト15に伝達された動力は、ギヤ4,5を介してディファレンシャルギヤ6に伝達される。ディファレンシャルギヤ6は、伝達された動力を各駆動軸を介して駆動輪7a,7bに伝達する。ディファレンシャルギヤ6は、車両100が旋回する際に生じる駆動輪7a,7b間の回転速度差を吸収することにより、駆動輪7a,7bの空転を防止している。
上記構成により、車両100においては、エンジン2が発生させた動力をトルクコンバータ11、前後進切換機構12、無段変速機構13、ディファレンシャルギヤ6等を介して駆動輪7a,7bに伝達することができる。この結果、車両100は、駆動輪7a,7bの路面との設置面に駆動力が生じ、走行することができる。
オイル供給装置1は、動力伝達装置3の一部として設けられ、作動油の油圧によってトルクコンバータ11のロックアップクラッチ11d、前後進切換機構12の前進クラッチCL及び後退ブレーキBR、無段変速機構13のプライマリ側可動シーブ20及びセカンダリ側可動シーブ22等を含む動力伝達装置3を作動させるものである。
オイル供給装置1は、動力伝達装置3のケース(外筐)内に設けられた各種油路、オイルリザーバ、オイルポンプ、複数の電磁弁などを含んで構成され、伝達装置制御ユニット9からの信号に応じて、動力伝達装置3の各部に供給される作動油の油量や油圧を制御する。また、オイル供給装置1は、動力伝達装置3の所定の箇所の潤滑や冷却を行う潤滑・冷却油供給装置としても機能する。
エンジン制御ユニット8及び伝達装置制御ユニット9は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、等を備えたマイクロコンピュータを有して構成され、CAN(Controller Area Network)等の所定の車載ネットワーク通信規格に対応したバスバス10を介して相互にデータ通信可能に接続されている。
エンジン制御ユニット8は、エンジン2についての燃料噴射制御、点火制御、吸入空気量調節制御などの各種運転制御を行う。具体的には、エンジン2に設けられた各種のアクチュエータ(例えばスロットル弁を駆動するスロットルアクチュエータや燃料噴射を行うインジェクタ等)を制御することでエンジン2についての各種運転制御を行う。
エンジン制御ユニット8は、伝達装置制御ユニット9と通信を行っており、必要に応じてエンジン2の運転状態に関するデータを伝達装置制御ユニット9に出力する。また、必要に応じ、伝達装置制御ユニット9からの各種信号に基づいてエンジン2の運転制御を行う。
伝達装置制御ユニット9は、オイル供給装置1を制御することによって、トルクコンバータ11、前後進切換機構12、無段変速機構13などの動力伝達装置3の各部の動作制御を行う。特に、無段変速機構13の変速比制御等を行う。
<2.オイル供給装置の第1構成例>
本実施の形態におけるオイル供給装置1の構成について、図2を参照して説明する。
オイル供給装置1は、オイルパン23、ストレーナ24、機械式のオイルポンプ25、ライン圧調整バルブ26、副調圧バルブ27、各種の油路Yを備えている。
また、本例におけるオイル供給装置1は、ポンプ仕事量調整機構28を備えている。
オイルパン23は、各部の潤滑や冷却のために使用されたオイルや油圧室にて過剰となり環流されたオイルを一時的に貯留しておくためのものである。オイルパン23に貯留されたオイルは、オイルポンプ25の吸入動作によりオイルポンプ25の吸入回路を介してオイルポンプ25に供給され、該オイルポンプ25の動作により各部に供給される。
オイルパン23とオイルポンプ25の吸入回路の間には、ストレーナ24が取り付けられている。ストレーナ24の内部には、オイルに含まれる不純物を取り除くための濾過フィルタ(不図示)が設けられている。
ストレーナ24とオイルポンプの吸入回路の間の油路は油路Y1とされている。
オイルポンプ25は、例えばトロコイドポンプ等の内接歯車式ポンプやベーンポンプ等とされ、エンジン2の動力によりロータが回転されることでオイルの吸入及び吐出を行う。
また、第1構成例におけるオイルポンプ25には、吐出回路が二つ設けられている。メインの吐出回路は、油路Y2とされ、サブの吐出回路は油路Y3とされている。
オイルポンプ25から吐出されたオイルのうち、メイン吐出回路である油路Y2を通過するオイルは、ライン圧調整バルブ26へと供給される。サブ吐出回路である油路Y3を通過するオイルは、ポンプ仕事量調整機構28へと供給される。
ライン圧調整バルブ26は、オイルポンプ25で発生された油圧の調圧を行う。ライン圧調整バルブ26により調整された油圧(ライン圧)は、油路Y4を介して各部へと供給される。具体的には、ロックアップクラッチ11dの駆動機構やCB制御系12b、無段変速機構13の各油圧室(前述したプライマリ油圧室やセカンダリ油圧室)等、動力伝達装置3における必要各部に供給される。
図示は省略するが、油路Y4の先には、油路Y4から供給されるライン圧を更に調圧するための各種バルブ等の油圧調整部が設けられている。図1に示した伝達装置制御ユニット9は該油圧調整部の制御を行うことで、ロックアップクラッチ11dの締結及び解除の制御、前進クラッチCLや後退ブレーキBRの動作制御、無段変速機構13の変速制御等を実現する。
副調圧バルブ27は、ライン圧調整バルブ26から排出され油路Y5を介して供給される余剰流の油圧を調圧する。副調圧バルブ27により調圧された油圧は、油路Y6を介して動力伝達装置3の各部潤滑及び冷却に用いられる。
副調圧バルブ27の調圧により生じるオイルの余剰流は、帰還油路Y7を介して吸入回路(油路Y1)へ環流する。
ここで、本例における帰還油路Y7の経路上には、帰還オイルを一時的に貯留するオイル貯留部29が設けられている。オイル貯留部29には、貯留されたオイルに対して浮力を有するフロート30が配置されている。
ポンプ仕事量調整機構28は切り替え機構31を備えて構成されている。切り替え機構31は、オイルポンプ25からポンプ仕事量調節機構28に供給された油圧を油路Y8を介してライン圧調整バルブ26へ供給するか、或いは、油路Y9(ドレン回路)を介してオイルパン23へ帰還させるかを切り換える機構である。切り替え機構31の切り替え動作は、オイル貯留部29に配置されたフロート30によって可能とされている。
オイル貯留部29、フロート30及びポンプ仕事量調整機構28(切り替え機構31)の具体的な構成について、図3及び図4を参照して説明する。
ポンプ仕事量調整機構28は、切り替え機構31の一例としてのシリンダ機構31Aと、スプール弁32を備えている。
シリンダ機構31Aは、円筒形状のシリンダチューブ33と、シリンダチューブ33の内部に配置されシリンダチューブ33の内径と略同じ大きさとされシリンダチューブ33の内部をシリンダチューブ33の軸方向に摺動可能に配置されたピストン34と、ピストン34とフロート30を連結する棒状に形成されたピストンロッド35を有して構成されている。
スプール弁32は、円筒形状のバルブボディ36と、バルブボディ36内を摺動可能とされたスプール37を有して構成されている。
スプール37は、断面がバルブボディ36の断面と略同じ大きさ同じ形状とされた第1ランド38と、第1ランド38に対してバルブボディ36の軸方向に離隔して配置され第1ランド38と略同形状とされた第2ランド39と、バルブボディ36の内径よりも径が細くされ第1ランド38及び第2ランド39を接続する軸部40とを備えている。
バルブボディ36の内部空間は、スプール37によって三つの空間に分割される。具体的には、バルブボディ36と第1ランド38で囲まれた第1空間41、バルブボディ36と第1ランド38と第2ランド39で囲まれた第2空間42、バルブボディ36と第2ランド39で囲まれた第3空間43に分割される。
ピストンチューブ33における両端のうち、ピストンロッド35が挿入された側を第1端33a、他端を第2端33bとすると、第3空間43は、第2端33bに形成された孔を介してシリンダチューブ33の内部空間と連通されており、第3空間43とシリンダチューブ33の内部空間は油密とされている。これにより、ピストンロッド35を軸方向に可動させることにより、シリンダチューブ33内でピストン34が摺動し、第3空間43内の油圧が変化し、スプール37がバルブボディ36に対して軸方向に摺動可能な構成とされている。
なお、第3空間43とシリンダチューブ33の内部空間は密閉空間とされ、オイル以外の液体が充填されていてもよいし、空気が充填されていてもよい。
図3は、オイル貯留部29に貯留された油量が少なく、フロート30に連結されたピストン34がシリンダチューブ33に対して十分押し込まれていない状態を示している。シリンダチューブ33に対して十分押し込まれていない状態におけるピストン34の位置を「第1位置」とする。また、ピストン34が第1位置に位置したときの切り替え機構31(シリンダ機構31A)の状態を「第1状態」と呼称する。
一方、図4は、オイル貯留部29に貯留された油量が多く、フロート30の浮力によりピストン34がシリンダチューブ33に対して十分押し込まれた状態を示している。シリンダチューブ33に対して十分押し込まれた状態におけるピストン34の位置を「第2位置」とする。また、ピストン34が第2位置に位置したときの切り替え機構31(シリンダ機構31A)の状態を「第2状態」と呼称する。
シリンダ機構31Aが第1状態にあるとき(図3)、スプール弁32のスプール37は第1空間41が広くされ且つ第3空間43が狭くされる位置に移動される。この状態においては、油路Y9は第1ランド38の外周面によって閉塞されており、サブ吐出回路(油路Y3)から供給されたオイルが油路Y9へ移動することが不可能とされている。
また、第1状態において、サブ吐出回路(油路Y3)及び油路Y8は共に第2空間42と連通されており、サブ吐出回路(油路Y3)から供給されたオイルは油路Y8を介してライン圧調整バルブ26へ供給される。
第1空間41が広くされ且つ第3空間43が狭くされる図3に示すようなスプール37の位置は、サブ吐出回路から供給される油圧をライン圧調整バルブ26へ供給する位置であるため、「供給位置」とされる。
一方、シリンダ機構31Aが第2状態にあるとき(図4)、スプール弁32のスプール37は第1空間41が狭くされ且つ第3空間43が広くされる位置に移動される。この状態においては、サブ吐出回路(油路Y3)及び油路Y9は共に第2空間42と連通されており、サブと出回路(油路Y3)から供給されたオイルは油路Y9(ドレン回路)を介してオイルパン23へ帰還する。
また、第2状態において、油路Y8は、第2ランド39の外周面によって閉塞されており、サブ吐出回路(油路Y3)から供給されたオイルが油路Y8へ移動することが不可能とされている。
第1空間41が狭くされ且つ第3空間43が広くされる図4に示すようなスプール37の位置は、サブ吐出回路から供給されるオイルをドレン回路(油路Y9)を介してオイルパン32へ帰還させる位置であるため、「ドレン位置」とされる。
まとめると、シリンダ機構31Aが第1状態にあるときに、オイル貯留部29に貯留される作動油が増加しフロート30が上方に移動した場合には、シリンダ機構31Aは第2状態へと遷移し、スプール弁32による油路の切り替えが行われる。
また、シリンダ機構31Aが第2状態にあるときに、オイル貯留部29に貯留される作動油が減少しフロート30が下方に移動した場合には、シリンダ機構31Aは第1状態へと遷移し、スプール弁32による油路の切り替えが行われる。
なお、図3及び図4においては、油路Y8がライン圧調整バルブ26へ接続される例を示したが、油路Y8がメイン吐出回路(油路Y2)と連通することにより、間接的にライン圧調整バルブ26へ接続されてもよい。
また、図示はしていないが、スプール37に対する軸方向の力が働いていない場合にスプール37の位置が図3に示す状態を保つように、バネなどの部材によりスプール37が一方向に付勢されていてもよい。これにより、スプール37に対する軸方向の力が働かない状態(故障などの状態)に陥ったとしても、サブ吐出回路が油路Y8と接続され、十分な量のオイルが必要各部に供給される。
<3.オイル供給装置の第2構成例>
オイル供給装置の第2構成例について、図5を参照して説明する。なお、図2に示した第1構成例と同様の部分については、同一の符号を付し適宜説明を省略する。
本例におけるオイル供給装置1は、オイルポンプ25から吐出される作動油が流れる吐出回路が一つとされている。即ち、前述したサブ吐出回路が設けられていない。
吐出回路(油路Y2)は、オイルポンプ25から吐出された作動油をライン圧調整バルブ26へ供給するための油路とされている。
また、本例におけるオイル供給装置1のポンプ仕事量調整機構28は、オイルポンプ25が備えるロータの回転数を調整することによりオイルポンプ25の仕事量を調整する機構である。
オイル貯留部29、フロート30及びポンプ仕事量調整機構28(切り替え機構31)の具体的な構成について、図6及び図7を参照して説明する。
ポンプ仕事量調整機構28は、切り替え機構31の一例としてのスリーブ機構31Bを備えている。更に、ポンプ仕事量調整機構28は、トルクコンバータ11のポンプインペラ11aの軸(インペラ軸)の回転がギヤ等を介して伝達されることによりインペラ軸に従動して回転する従動軸S1の回転を更にオイルポンプ25の駆動軸S2に伝達する第1伝達機構44と、同じく従動軸S1の回転をオイルポンプ25の駆動軸S2に伝達する第2伝達機構45を備えている。
第1伝達機構44と第2伝達機構45は変速比が異なるものとされ、状況に応じて何れか一方の伝達機構のみを用いて従動軸S1の回転が駆動軸S2に伝達される。
第1伝達機構44は、従動軸S1と同軸に回転自在に取り付けられた第1スプロケット44aと、駆動軸S2に取り付けられ駆動軸S2と同期して回転される第2スプロケット44bと、第1スプロケット44aと第2スプロケット44bの間に巻き掛けられる第1チェーン44cとを備えている。
第2伝達機構45は、従動軸S1と同軸に回転自在に取り付けられた第3スプロケット45aと、駆動軸S2に取り付けられ駆動軸S2と同期して回転される第4スプロケット45bと、第3スプロケット45aと第4スプロケット45bの間に巻き掛けられる第2チェーン45cとを備えている。なお、第4スプロケット45bの巻き掛け径は、第2スプロケット44bの巻き掛け径と略同じとされている。
スリーブ機構31Bは、従動軸S1にスプライン嵌合され軸方向の移動が自在とされたスリーブ46と、スリーブ46とフロート30を連結する三つのアーム(第1アーム47、第2アーム48、第3アーム49)を有して構成されている。
第1アーム47は、略L字状に形成され、一端がフロート30に取り付けられると共に他端が第2アーム48の一端に連結される。第1アーム47のL字状の曲げ部分はオイル貯留部29に対する位置が固定された固定部47aとされている。即ち、第1アーム47は、フロート30の浮沈状態に応じて固定部47aを中心とした回転が可能とされている。
第2アーム48は、棒状に形成され、一端が第1アーム47と連結され他端が第3アーム48と連結されている。
第3アーム49は、棒状に形成され、一端が第2アーム48と連結され他端がスリーブ46と連結されている。
図6は、オイル貯留部29に貯留された油量が少なく、フロート30が比較的下方に位置した状態を示している。また、図7は、オイル貯留部29に貯留された油量が多く、フロート30が比較的上方に位置した状態を示している。
図6に示す状態においては、スリーブ46が第1スプロケット44aと係合することにより、第1スプロケット44aが従動軸S1と一体に回転される。このとき、第3スプロケット45aは従動軸S1に対して非同期で回転運動される(即ち空転する)。スリーブ46と第1スプロケット44aが係合した状態におけるスリーブ46の位置を「第1位置」とする。また、この状態におけるスリーブ機構31Bの状態を「第1状態」とする。
スリーブ46によって第1スプロケット44aと従動軸S1を締結するための機構としては、例えばシンクロメッシュ機構を用いることができる。
図6に示す状態からオイル貯留部29に貯留された油量が増えると、フロート30が浮力によって上方に移動される。これに応じて、第1アーム47が固定部47aを中心として回転し(図6においては時計回りに回転し)、第2アーム48及び第3アーム49を介してスリーブ46が第1スプロケット44aと係合された位置から第3スプロケット45aと係合する位置まで移動される。この状態を示した図が図7である。
図7に示す状態においては、スリーブ46が第3スプロケット45aと係合することにより、第3スプロケット45aが従動軸S1と一体に回転される。このとき、第1スプロケット44aは従動軸S1に対して非同期で回転運動される(即ち空転する)。スリーブ46と第3スプロケット45aが係合した状態におけるスリーブ46の位置を「第2位置」とする。また、この状態におけるスリーブ機構31Bの状態を「第2状態」とする。
スリーブ46によって第3スプロケット45aと従動軸S1を締結するための機構としては、例えばシンクロメッシュ機構を用いることができる。
第1伝達機構44は、第2伝達機構45よりも変速比が小さくされている。即ち、従動軸S1が一定回転されている状況においては、第1伝達機構44によって従動軸S1の回転を駆動軸S2へ伝達した方が(即ち第1状態の方が)第2伝達機構45によって従動軸S1の回転を駆動軸S2へ伝達するよりも(即ち第2状態よりも)駆動軸S2の回転速度が高くなる。
なお、スリーブ機構31Bは、スリーブ46を第1スプロケット44a側に押し付けるための付勢バネ50を有している。付勢バネ50のばね定数は、所定以上の油量が貯留された状態のオイル貯留部29の油面に対してフロート30が一定以上沈んだ場合に生じる浮力によってスリーブ46が第1スプロケット44aから第3スプロケット45aに向かって移動されるように調整されている。
従って、例えば、フロート30や第1アーム47、第2アーム48、或いは第3アーム49に不具合が生じ、フロート30の浮力がスリーブ46に適切に伝達されなくなった場合には、スリーブ46は第1スプロケット44a側に位置した状態が保たれる。
<4.オイル供給装置の第3構成例>
オイル供給装置の第3構成例について、図8を参照して説明する。第3構成例は、第2構成例と第3構成例を組み合わせた例である。前述した各例と同様の構成については、適宜説明を省略する。
本例におけるオイルポンプ25は、吐出回路を二つ有しており、それぞれメイン吐出回路(油路Y2)とサブ吐出回路(油路Y3)とされている。
ポンプ仕事量調整機構28は切り替え機構31を備えて構成されている。切り替え機構31は、オイルポンプ25からポンプ仕事量調節機構28に供給された油圧を油路Y8を介してライン圧調整バルブ26へ供給するか、或いは、油路Y9(ドレン回路)を介してオイルパン23へ帰還させるかを切り換える機構である。切り替え機構31の切り替え動作は、オイル貯留部29に配置されたフロート30によって可能とされている。
また、切り替え機構31は、オイルポンプ25が備えるロータの回転数を調整することによりオイルポンプ25の仕事量を調整する機構を兼ねている。即ち、切り替え機構31は、油路の切り替え可能とされると共にオイルポンプ25のロータの回転数を調整可能とされることで、オイルポンプ25の仕事量の調整が可能とされている。
具体的に、第3構成例におけるオイル貯留部29、フロート30及びポンプ仕事量調整機構28(切り替え機構31)の具体的な構成について、図9を参照して説明する。
ポンプ仕事量調整機構28は、切り替え機構31として、シリンダ機構31Aとスリーブ機構31Bの双方を備えている。また、ポンプ仕事量調整機構28は、シリンダ機構31Aによって駆動されるスプール弁32を備え、更に、スリーブ機構31Bによって切り換えられる第1伝達機構44と第2伝達機構45を備えている。
シリンダ機構31Aは、シリンダチューブ33と、ピストン34と、ピストンロッド35を備えている。シリンダチューブ33とピストン34とピストンロッド35の形状等は、第1構成例と同様である。
スプール弁32は、バルブボディ36とスプール37を備えている。バルブボディ36とスプール37の構成は、第1構成例と同様である。即ち、スプール37は、第1ランド38と第2ランド39と軸部40とを備え、これにより、バルブボディ36内の空間が第1空間41、第2空間42、第3空間43に分断される。
スリーブ機構31Bは、従動軸S1に軸方向の移動が可能に取り付けられるスリーブ46と、スリーブ46を軸方向に移動させる力を伝達するアーム部材51と、アーム部材51の一端に取り付けられアーム部材51の軸方向に伸縮するバネ部材52と、バネ部材52の他端とピストンロッド35を接続するリンク53とを備えて構成されている。
リンク53は、一端がピストンロッド35と接続され、他端には被案内突部53aが設けられている。
ポンプ仕事量調整機構28は、リンク53の被案内突部53aを案内するための案内部材54を備えており、案内部材54には案内溝55が形成されている。リンク53の一端に設けられた被案内突部53aが案内溝55に嵌合することにより、リンク53の一端は所定の軌跡を描くように移動される。
具体的には、案内溝55は、スリーブ46に近づくにつれて第1スプロケット44a側から第3スプロケット45a側に近づくように変位する略円弧状とされた円弧溝55aと、円弧溝55aの一端からスリーブ46に近づく方向に一直線に形成された直線溝55bとを備えている。従って、被案内突部53aが形成されたリンク53の一端は、ピストンロッド35の移動に伴って円弧を描きながら第1スプロケット44a側から第3スプロケット45a側へ移動された後、スリーブ46に近づくように移動される。
次に、図9乃至図11の各図を参照して、フロート33の上下移動に伴うシリンダ機構31Aとスリーブ機構31Bの動作を説明する。
先ず、図9に示す状態は、フロート33が配置されたオイル貯留部29に貯留されたオイルが少なく、フロート33が下方に位置している状態(ピストン非作動状態)を示している。
なお、図9においては、フロート33が最も下方に位置する最下点よりも更に下方に油面が位置している状態を示しているが、フロート33が油面に浮いた状態であってもよい。
ピストン非作動状態においては、オイルポンプ25のサブ吐出回路(油路Y3)と油路Y8が第2空間42を介して連通された状態とされる。即ち、サブ吐出回路に吐出された作動油はライン圧調整バルブ26へ供給される状態とされる。また、ピストン非差動状態においては、スリーブ46が第1スプロケット44aと係合することにより、第1スプロケット44aと従動軸S1が同期して回転した状態とされる。即ち、第1伝達機構44によって従動軸S1の回転がオイルポンプ25の駆動軸S2に伝達され、駆動軸S2の回転速度は速い状態とされる。
即ち、ピストン非作動状態は、シリンダ機構31A及びスリーブ機構31Bが共に「第1状態」とされる。
次に、図10に示す状態は、フロート33が配置されたオイル貯留部29に貯留されたオイルがピストン非作動状態よりも多くされ、フロート33に生じる浮力によってピストンロッド35及びピストン34がシリンダチューブ33に少し押し込まれた状態(ピストン半作動状態)とされる。
ピストン半作動状態においては、ピストン非作動状態と同様に、オイルポンプ25のサブ吐出回路(油路Y3)と油路Y8が第2空間42を介して連通された状態とされる。但し、スプール37の位置は、ピストン非作動状態と異なる位置とされていてもよい。また、ピストン半作動状態においては、リンク53の一端(被案内突部53a)が案内溝55の円弧溝55aによって案内されることにより、スリーブ46が第1スプロケット44a側から第3スプロケット45a側に移動され、第1スプロケット44aと従動軸S1の係合が解除されると共に第3スプロケット45aと従動軸S1が係合される。これにより、第3スプロケット45aと従動軸S1が同期して回転され、第2伝達機構45によって従動軸S1の回転がオイルポンプ25の駆動軸S2に伝達される。これにより、駆動軸S2の回転速度は遅い状態とされる。
即ち、ピストン半作動状態は、シリンダ機構31Aが「第1状態」とされ、スリーブ機構31Bが「第2状態」とされる。
更に、図11に示す状態は、フロート33が配置されたオイル貯留部29に貯留されたオイルがピストン半作動状態よりも更に多くされ、フロート33に生じる浮力によってピストンロット35及びピストン34がシリンダチューブ33に更に押し込まれた状態(ピストン作動状態)とされる。
ピストン作動状態においては、オイルポンプ25のサブ吐出回路(油路Y3)と油路Y9が第2空間42を介して連通された状態とされる。即ち、サブ吐出回路に吐出された作動油は各部に供給されずに直接オイルパン23へ帰還する。
また、ピストン作動状態においては、リンク53の一端(被案内突部53a)が案内溝55の直線溝55bによって案内され、バネ部材52が収縮される。但し、スリーブ46は第3スプロケット45aと係合された状態は維持されるため、駆動軸S2の回転速度は遅い状態とされる。
即ち、ピストン作動状態は、シリンダ機構31A及びスリーブ機構31Bが共に「第2状態」とされる。
第3構成例においては、スリーブ46を第1スプロケット44a側に付勢するための付勢バネ50が設けられている。従って、例えばリンク53の破損などによりピストンロッド35の動きがバネ部材52に伝達されない状態となったとしても、スリーブ46と第1スプロケット44aの係合状態は維持される。即ち、第1伝達機構44によって従動軸S1の回転の回転がオイルポンプ25の駆動軸S2へ伝達されるため、駆動軸S2の回転速度は速い状態が確保される。これによって、各部へ供給されるオイルの油量や油圧が不足してしまう状態が回避される。
<5.まとめ>
上述した各例において、オイル供給装置1は、車両100に用いられるオイル(作動油)の循環経路上に設けられたオイル貯留部29と、吸入したオイルを被供給部(ライン圧調整バルブ26等)に供給するオイルポンプ25と、オイル貯留部29に配置され、オイルに対して浮力を有するフロート30と、フロート30の上下位置に応じて可動部(ピストン34、スリーブ46)が第1位置に位置する第1状態と可動部が第2位置に位置する第2状態を切り換える切り替え機構(31,31A,31B)と、を備え、第1状態及び第2状態に応じてオイルポンプ25から被供給部に供給される単位時間あたりのオイル量が異なるように構成されている。
車両100の走行状態などによって必要なオイル量は異なる。車両100のオイル供給装置1は、最も高い油圧が必要とされる状態に合わせてオイルを供給するため、必要とされる油圧が少ない状態においては、供給するオイルの大半が無駄となってしまい、車両100の燃費を低下させてしまう虞がある。本構成では、オイル貯留部29に貯留されたオイルの多寡に応じてフロート30が上下することにより、オイルポンプ25から被供給部に供給される油圧が可変とされている。
これにより、オイル貯留部29に貯留されたオイルの量に応じてオイルポンプ25から被供給部に適切な油圧が供給されるため、オイルポンプ25の仕事量が適切に調整され、車両100の燃費向上に寄与することができる。
上述した各例において説明したように、オイル供給装置1の切り替え機構(31,31A,31B)は、フロート30が下方に位置した状態において第1状態とされ、フロート30が上方に位置した状態において第2状態とされ、単位時間あたりのオイル量は、切り替え機構が第2状態とされるよりも第1状態とされる方が多くされてもよい。
オイル貯留部29に貯留されたオイルに配置されたフロート30が下方に位置した状態は、貯留されたオイルが少なく各部で消費されているオイル量や必要とされる油圧が多いことを示しており、フロート30が上方に位置した状態は貯留されたオイルが多く各部で消費されているオイル量や必要とされる油圧が少ないことを示している。本構成によれば、各部で消費されているオイル量や必要とされる油圧が多い第1状態においては、各部で消費されているオイル量や必要とされる油圧が少ない第2状態よりも被供給部に供給されるオイル量が多くなるため、オイル量や油圧の需要と供給のバランスが取れた状態とされる。
オイル量や油圧の供給が適切とされることにより、オイルポンプ25の仕事量が最適化され、車両100の燃費向上に寄与することができる。
オイル供給装置の第1構成例や第3構成例で説明したように、オイルポンプ25は第1吐出回路(メイン吐出回路:油路Y2)と第2吐出回路(サブ吐出回路:油路Y3)を有し、切り替え機構(31,31A,31B)は可動部(ピストン34、スリーブ46)とされたピストン34を備えたシリンダ機構31Aとされ、ピストン34が第1状態とされたことに応じて第2吐出回路と被供給部(ライン圧調整バルブ26等)への供給回路(油路Y8)が接続される供給位置に位置し、ピストン34が第2状態とされたことに応じて第2吐出回路とオイルポンプ25の吸入側に戻すドレン回路(油路Y9)が接続されるドレン位置に位置するスプール37を備えてもよい。
オイルポンプ25は第1吐出回路と第2吐出回路を備えることにより、双方の吐出回路から被供給部にオイルが供給される状態と一方の吐出回路からのみ被供給部にオイルが供給される状態を切り換えることが可能となる。
即ち、被供給部に供給すべきオイル量や油圧の多寡に応じて適宜第2吐出回路の接続先が切り換えられるため、オイルポンプ25の仕事量の最適化が図られ、車両100の燃費向上に寄与することが可能となる。
オイル供給装置の第1構成例や第3構成例で説明したように、スプール37は、ピストン34の移動によって生じる油圧を用いて供給位置とドレン位置を移動可能とされてもよい。
ピストン34の移動によって油圧が変化し、該油圧の変化に応じてスプール37が移動されることにより、油路の切換が行われる。
所謂スプール弁を用いることにより、第2吐出回路から供給されるオイルの油圧の影響を受けずに、油路の切り替えを行うことが可能である。
オイル供給装置の第2構成例や第3構成例で説明したように、切り替え機構(31,31A,31B)が第1状態とされることによってエンジン動力をオイルポンプ25の駆動軸S2に伝達する第1伝達機構44と、切り替え機構が第2状態とされることによってエンジン動力を駆動軸S2に伝達する第2伝達機構45と、を備え、第1伝達機構44の変速比は第2伝達機構45の変速比よりも小さくされてもよい。
第1伝達機構44及び第2伝達機構45を切り換える構造が用いられ、二つの伝達機構の変速比が異なるものとされることにより、オイルポンプ25を駆動する駆動軸S2の回転数が可変とされる。
これにより、オイルポンプ25の仕事量が可変とされるため、オイルポンプ25の仕事量の最適化を図ることができ、車両100の燃費向上に寄与することができる。
オイル供給装置の第2構成例や第3構成例で説明したように、可動部(ピストン34、スリーブ46)を第1位置側に付勢する付勢手段(付勢バネ50)を備えてもよい。
第1伝達機構44と第2伝達機構45の比較においては、第1伝達機構44によって駆動軸S2が駆動される方がオイルの供給量及び油圧が高くされている。仮に、切り替え機構(31,31A,31B)に不具合が生じ、切り替え機構が正常に動作しなくなった場合に、本構成によれば第1伝達機構44によってオイルポンプ25の駆動軸S2の回転動作が行われる。
従って、切り替え機構に不具合が生じた場合に被供給部(ライン圧調整バルブ26等)に供給されるオイル量や油圧は高い状態が維持されるため、油量不足による各部の摩耗や損傷、或いは油圧不足による各部の動作不良を回避することができ、車両100が正常に動作する状態を確保することができる。
なお、上述した各例では、オイル貯留部29は副調圧バルブ27の調圧で更に余剰となった余剰流が吸入回路(油路Y1)へ帰還するための油路Y7上(即ちサクション回路上)に設けられている例を説明した。
サクション回路(油路Y7)は、ライン圧調整バルブ26や副調圧バルブ27の下流に配置された油圧室等の必要各部に供給されなかった余剰のオイルが通る油路であるため、油圧室容積の変動等に対して油面が上下する際の応答性が良好となる。一方、オイルパン23に戻されたオイルは各部で使用されたオイルも戻ってくるため、油面の高さがそのまま油圧室容積の変動をダイレクトに反映したものとなるとは限らない。
従って、オイル貯留部29をサクション回路上に設けることにより、油圧室容積の変動に応じて即座にオイルポンプ25の仕事量を適切に変化させることができるため、車両100の燃費向上に好適である。
1…オイル供給装置、2…エンジン、25…オイルポンプ、26…ライン圧調整バルブ、29…オイル貯留部、30…フロート、31…切り替え機構、31A…シリンダ機構、31B…スリーブ機構、34…ピストン(可動部)、37…スプール、44…第1伝達機構、45…第2伝達機構、46…スリーブ(可動部)、50…付勢バネ(付勢手段)、Y2…油路(第1吐出回路)、Y3…油路(第2吐出回路)、Y8…油路(供給回路)、Y9…油路(ドレン回路)、S2…駆動軸、100…車両

Claims (6)

  1. 車両に用いられるオイルの循環経路上に設けられたオイル貯留部と、
    吸入したオイルを被供給部に供給するオイルポンプと、
    前記オイル貯留部に配置され、オイルに対して浮力を有するフロートと、
    前記フロートの上下位置に応じて可動部が第1位置に位置する第1状態と前記可動部が第2位置に位置する第2状態を切り換える切り替え機構と、を備え、
    前記第1状態及び前記第2状態に応じて前記オイルポンプから前記被供給部に供給される単位時間あたりのオイル量が異なる
    オイル供給装置。
  2. 前記切り替え機構は、前記フロートが下方に位置した状態において前記第1状態とされ、前記フロートが上方に位置した状態において前記第2状態とされ、
    前記単位時間あたりのオイル量は、前記切り替え機構が前記第2状態とされるよりも前記第1状態とされる方が多くされた
    請求項1に記載のオイル供給装置。
  3. 前記オイルポンプは第1吐出回路と第2吐出回路を有し、
    前記切り替え機構は前記可動部とされたピストンを備えたシリンダ機構とされ、
    前記ピストンが前記第1状態とされたことに応じて前記第2吐出回路と前記被供給部への供給回路が接続される供給位置に位置し、前記ピストンが前記第2状態とされたことに応じて前記第2吐出回路とオイルポンプの吸入側に戻すドレン回路が接続されるドレン位置に位置するスプールを備えた
    請求項2に記載のオイル供給装置。
  4. 前記スプールは、前記ピストンの移動によって生じる油圧を用いて前記供給位置と前記ドレン位置を移動可能とされた
    請求項3に記載のオイル供給装置。
  5. 前記切り替え機構が前記第1状態とされることによってエンジン動力を前記オイルポンプの駆動軸に伝達する第1伝達機構と、
    前記切り替え機構が前記第2状態とされることによってエンジン動力を前記駆動軸に伝達する第2伝達機構と、を備え、
    前記第1伝達機構の変速比は前記第2伝達機構の変速比よりも小さくされた
    請求項2に記載のオイル供給装置。
  6. 前記可動部を前記第1位置側に付勢する付勢手段を備えた
    請求項2に記載のオイル供給装置。
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