JP2020066720A - 発泡性スチレン系樹脂粒子 - Google Patents
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Abstract
Description
高級脂肪酸金属塩(C1)、高級脂肪酸エステル(C2)及びシリコーンオイル(C3)を含み、前記粒子本体の表面を被覆する被覆剤(C)と、を有し、
前記共重合体(A)100質量部に対する前記流動パラフィン(B1)と前記環式脂肪族炭化水素(B2)との含有量の合計は2.0〜4.0質量部であり、
前記粒子本体100質量部に対する前記高級脂肪酸金属塩(C1)の被覆量は0.05〜0.30質量部であり、前記高級脂肪酸エステル(C2)の被覆量は0.06〜0.30質量部であり、前記シリコーンオイル(C3)の被覆量は0.01〜0.10質量部である、発泡性スチレン系樹脂粒子にある。
以下の説明において、括弧内に付されたアルファベットや数字は、本発明を何ら限定するものではない。また、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後に記載される数値あるいは物理値を含む意味で用いることとする。
共重合体(A)は、99.0質量%超え99.9質量%以下のスチレン系単量体(A1)と0.1質量%以上1.0質量%未満のアクリル酸アルキルエステル(A2)との共重合体からなる。なお、前記の比は、スチレン系単量体(A1)とアクリル酸アルキルエステル(A2)との合計を100質量%とした場合の値である。
発泡性粒子の粒子本体には、添加剤(B)としての流動パラフィン(B1)と、環式脂肪族炭化水素(B2)とが含まれている。流動パラフィン(B1)の含有量(b1)と、環式脂肪族炭化水素(B2)の含有量(b2)の合計(b1)+(b2)は、上記共重合体(A)100質量部に対して2.0〜4.0質量部である。
流動パラフィン(B1)は、CmHn(n<2m+1、n,mは自然数)で示される飽和炭化水素の混合物である。流動パラフィンは、常温常圧(例えば、25℃、1気圧)で液体のパラフィン類である。また、流動パラフィン(B1)としては、JIS K2231に定められた流動パラフィンが特に好ましく使用される。
環式脂肪族炭化水素(B2)としては、炭素数が5〜7の環式脂肪族炭化水素を用いることができる。これらの環式脂肪族炭化水素(B2)は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、環式脂肪族炭化水素(B2)は、常温常圧(例えば、25℃、1気圧)で液体である。
流動パラフィン(B1)の含有量(b1)に対する前記環式脂肪族炭化水素(B2)の含有量の比(b2)/(b1)は1.0〜2.0であることが好ましい。前述したように、本発明においては、流動パラフィン(B1)と環式脂肪族炭化水素(B2)とを併用することが重要である。なお、通常、成形体が使用される常温常圧において、流動パラフィン(B1)は液体であり、環式炭化水素(B2)は液体である。
粒子本体には、添加剤(B)としての炭素数3〜6の鎖式脂肪族炭化水素(B3)が含まれていることが好ましい。鎖式脂肪族炭化水素(B3)としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等を使用することができる。これらの鎖式脂肪族炭化水素(B3)は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記発泡性粒子は、共重合体(A)と添加剤(B)とを含む粒子本体の表面を被覆する被覆剤(C)を有している。被覆剤には、高級脂肪酸金属塩(C1)と、高級脂肪酸エステル(C2)と、シリコーンオイル(C3)とが含まれている。前記発泡性粒子は、樹脂本体の表面をこれら3種の化合物(C1)〜(C3)を含む被覆剤(C)で被覆することにより、発泡時のブロッキング、つまり、発泡性粒子同士が融着し、塊状になる現象を抑制しつつ、型内成形時においては低い成形圧でも発泡粒子同士を容易に融着させることができる。それ故、前記発泡性粒子を発泡させて得られる発泡粒子によれば、幅広い成形条件において、表面性状が良好であり、強度の高い発泡粒子成形体の作製が可能となる。上記観点から、被覆剤(C)の被覆量の合計は、粒子本体100質量部に対して0.20〜0.50質量部であることが好ましく、0.20〜0.40質量部であることがより好ましい。
高級脂肪酸金属塩(C1)としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウム等のステアリン酸金属塩や、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム等のラウリン酸金属塩等を使用することができる。これらの高級脂肪酸金属塩(C1)は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。発泡時のブロッキングを抑制しつつ低い成形圧での型内成形を可能にする観点から、高級脂肪酸金属塩(C1)は、ステアリン酸亜鉛であることが特に好ましい。
高級脂肪酸エステル(C2)としては、例えば、高級脂肪酸と高級脂肪族1価アルコールとのエステル、高級脂肪酸とソルビタンとのエステル、高級脂肪酸とグリセリンとのエステル、硬化油等を使用することができる。これらの高級脂肪酸エステル(C2)は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、高級脂肪酸金属塩(C1)及び高級脂肪酸エステル(C2)における「高級脂肪酸」という概念には、例えば、炭素数が12個以上の脂肪酸が含まれる。高級脂肪酸としては、炭素数が12〜24の脂肪酸を用いることが好ましく、炭素数14〜20の脂肪酸を用いることより好ましい。また、高級脂肪酸は、飽和脂肪酸であることがより好ましい。
シリコーンオイル(C3)は、オルガノポリシロキサンからなり、常温においてオイル状を呈する化合物である。シリコーンオイル(C3)としては、例えば、メチルフェニルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル等を用いることができる。シリコーンオイル(C3)は、前述した化合物のうち1種のみから構成されていてもよいし、2種以上の混合物であってもよい。これらの中でも、メチルフェニルシリコーンオイルを用いることが好ましい。なお、メチルフェニルシリコーンオイルは、ジメチルポリシロキサンにおけるメチル基の一部がフェニル基に置換された化学構造を有する化合物である。
発泡性粒子を製造する方法としては、例えば次のような方法がある。まず、撹拌装置の付いた密閉容器内で、スチレン系単量体(A1)とアクリル酸アルキルエステル(A2)とを、前述した流動パラフィン(B1)、環式脂肪族炭化水素(B2)及び重合開始剤と共に適当な懸濁剤の存在下で水性溶媒中に分散させる。
発泡性粒子を発泡させることにより発泡粒子を得ることができる。発泡の方法としては、例えば、撹拌装置の付いた円筒形の発泡機内で、発泡性粒子にスチーム等の加熱媒体を供給することにより、発泡性粒子を加熱して発泡させる方法がある。
多数の発泡粒子を型内成形することにより、発泡粒子成形体を得ることができる。型内成形は、例えば、所望とする成形体形状のキャビティを有する金型内に多数の発泡粒子を充填し、スチーム等の加熱媒体によって発泡粒子を加熱することにより製造される。つまり、発泡粒子は、加熱により発泡すると共に、発泡粒子が相互に融着する。これにより、発泡粒子成形体が得られる。特に、上記特定の組成の発泡性粒子を発泡させることにより、低い成形圧での型内成形が可能な、成形性に優れる発泡粒子を得ることができ、さらにこれらの発泡粒子を型内成形することにより、強度に優れる発泡粒子成形体を得ることができる。
撹拌装置の付いた内容積が3Lのオートクレーブ内に、脱イオン水833g、懸濁剤(第3リン酸カルシウム)0.9g、界面活性剤(α-オレフィンスルホン酸ナトリウム)0.03g、界面活性剤(アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム)0.01g、電解質(酢酸ナトリウム)1.25gを投入した。
SM:スチレン
BA:アクリル酸ブチル
RCMS:流動パラフィン
CH:シクロヘキサン
ZnSt:ステアリン酸亜鉛
GMS:グリセリンモノステアレート
GDS:グリセリンジステアレート
GTS:グリセリントリステアレート
CW:硬化ひまし油
MePh:メチルフェニルシリコーンオイル
GLN:グリセリン
粒子本体100質量部に対して、被覆剤(C)としてのステアリン酸亜鉛0.099質量部、ヒマシ硬化油0.060質量部、グリセリンモノステアレート0.046質量部、グリセリンジステアレート0.015質量部、グリセリントリステアレート0.002質量部、グリセリン0.025質量部、メチルフェニルシリコーンオイル0.025質量部を添加して混合した以外は、実施例1と同様の方法により発泡性粒子を作製した。実施例2の発泡性粒子の処方は、表1に示す通りである。
被覆剤(C)としてのステアリン酸亜鉛の量を0.133質量部、グリセリンモノステアレートの量を0.084質量部、メチルフェニルシリコーンオイルの量を0.020質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により発泡性粒子を作製した。実施例3の発泡性粒子の重合時の処方は、表1に示す通りである。
懸濁重合におけるアクリル酸ブチル(A2)の添加量を変更した以外は、実施例1と同様の方法により発泡性粒子を作製した。比較例1、2の発泡性粒子の処方は、表2に示す通りである。
懸濁重合における流動パラフィン(B1)、シクロヘキサン(B2)の添加量を変更した以外は、実施例1と同様の方法により発泡性粒子を作製した。比較例3、4の発泡性粒子の処方は、表1に示す通りである。
被覆剤(C)におけるステアリン酸亜鉛の添加量を変更した以外は、実施例1と同様の方法により発泡性粒子を作製した。比較例5、6の発泡性粒子の処方は、表1に示す通りである。
被覆剤(C)における高級脂肪酸エステルの添加量を変更した以外は、実施例1と同様の方法により発泡性粒子を作製した。比較例7、8の発泡性粒子の処方は、表1に示す通りである。
被覆剤(C)におけるメチルフェニルシリコーンオイルの添加量を変更した以外は、実施例1と同様の方法により発泡性粒子を作製した。比較例9、10の発泡性粒子の処方は、表1に示す通りである。
発泡性粒子をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させた後、溶解液のガスクロマトグラフィー分析を行うことにより、発泡性粒子中の発泡剤として機能する成分の含有量を測定した。そして、これらの成分の含有量の合計を、発泡剤の含有量とした。
各成分濃度(質量%)=[(Wi/10000)×2]×[An/Ai]×Fn÷Ws×100・・・(1)
Wi:内部標準溶液中のシクロペンタノールの質量(g)
Ws:DMFに溶解させた発泡性粒子の質量(g)
An:クロマトグラムから算出した各発泡剤成分のピーク面積
Ai:クロマトグラムから算出した内部標準物質のピーク面積
Fn:あらかじめ作成した検量線より求めた各発泡剤成分の補正係数
分析装置:(株)島津製作所製ガスクロマトグラフGC−6AM
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
カラム材質:内径3mm、長さ5000mmのガラスカラム
カラム充填剤:[液相名]FFAP(遊離脂肪酸)、[液相含浸率]10質量%、[担体名]ガスクロマトグラフ用珪藻土Chomasorb W、[担体粒度]60/80メッシュ、[担体処理方法]AW−DMCS(水洗・焼成・酸処理・シラン処理)、[充填量]90mL
注入口温度:250℃
カラム温度:120℃
検出部温度:250℃
キャリヤーガス:N2、流量40ml/分
ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により発泡性粒子のクロマトグラムを取得し、得られたクロマトグラムから算出した重量平均分子量を共重合体(A)の重量平均分子量Mwとすることができる。
次に、実施例及び比較例の発泡性粒子を発泡させて発泡粒子を作製し、これらの発泡粒子を用いて発泡粒子成形体を作製した。具体的には、まず、発泡性粒子を常圧発泡機内または、加圧発泡機(ダイセン社製のDYHL−500−U)内(300mm×300mm×50mm)に投入した。次いで、発泡性粒子を撹拌しながら予備発泡機内にスチームを供給することにより、発泡性粒子を発泡させ、嵩密度が16.6kg/m3の発泡粒子を得た。なお、嵩密度の測定方法は後述する。
発泡性粒子の発泡性(発泡力)は、次のような条件で発泡性粒子を発泡させたときの発泡粒子の嵩密度に基づいて評価することができる。まず棚式発泡機を用いて、発泡性粒子を加熱スチーム温度107℃で270秒間加熱することにより、発泡性粒子を発泡させて発泡粒子を得た。次いで、発泡粒子を温度23℃で24時間乾燥させた。その後、1Lのメスシリンダーに乾燥後の発泡粒子を1Lの標線まで充填し、1Lあたりの発泡粒子の質量(g)を測定し、単位換算することで、嵩密度(g/L)を算出した。
嵩密度16.6kg/m3に発泡させた発泡粒子の表面を目視により観察した。表1の「発泡後収縮」欄には、ほとんどの発泡粒子の表面に皺が発生していない場合は記号「A」、表面に皺が発生した発泡粒子が多数確認された場合は記号「B」を記載した。発泡後収縮の評価においては、記号「A」の場合を、発泡後の収縮がないため合格と判定し、記号「B」の場合を、発泡後の収縮があるため不合格と判定した。
500gの発泡粒子を目開き10mmの篩で分級し、篩上に残った発泡粒子の質量を測定した。表1における「ブロッキング」欄には、篩上に発泡粒子が残らなかった場合には記号「A」、篩上に残った発泡粒子の割合が0.1質量%(つまり、0.5g)以下の場合には記号「B」、篩上に残った発泡粒子の割合が0.1質量%を超える場合には記号「C」を記載した。
型内成形時の成形性は、発泡粒子成形体における発泡粒子同士の融着性及び表面性状に基づいて評価することができる。成形性の評価においては、型内成形する際にキャビティ内に供給するスチームの圧力(つまり、成形圧)を0.03MPa、0.04MPa、0.05MPa、0.09MPaのいずれかに設定して発泡粒子成形体を作製した。これらの発泡粒子成形体を用い、以下の評価を行った。なお、これらの成形圧は、いずれもゲージ圧(G)である。
長さ300mm×幅75mm×厚み25mmの板状の成形体の一方の表面(つまり、長さ300mm、幅75mmの片面)に、2mmの深さを有し、成形体の長さ方向の中心を通る直線状の切込みを成形体の全幅にわたって形成して試験片を作製した。次いで、試験片の切込みを広げる方向に、試験片が破断するか、または、試験片の端部同士が互いに当接するまで試験片を折り曲げた。次に、試験片の断面を目視により観察し、破断(材料破壊)した発泡粒子数と、発泡粒子同士の界面で剥離した発泡粒子数をそれぞれ計測した。次いで、破断した発泡粒子と界面で剥離した発泡粒子との合計に対する、破断した発泡粒子の割合を算出し、これを百分率で表して融着性(%)とした。
発泡粒子成形体の表面を目視観察し、表面に露出した発泡粒子同士の間に隙間が存在しているか否か、及び、発泡粒子成形体の表面に溶融痕が存在しているか否かを評価した。表1の「表面間隙」欄には、発泡粒子成形体の表面に隙間がほとんど存在せず、表面全体が平滑である場合に記号「A」、発泡粒子成形体の表面に発泡粒子同士の隙間が散見される場合に記号「B」、発泡粒子成形体の表面の至る所に発泡粒子同士の隙間が存在する場合に記号「C」を記載した。表面間隙の評価においては、記号「A」及び記号「B」の場合を、表面性状が良好であるため合格と判定し、記号「C」の場合を、表面性状が悪いため不合格と判定した。
発泡粒子成形体の質量を、外形寸法に基づいて算出した見掛けの体積で除した値を発泡粒子成形体の見掛け密度とした。
発泡倍率を適宜調整した発泡粒子を0.05MPaの成形圧で型内成形し、見掛け密度16.6kg/m3の発泡粒子成形体を得た。この発泡粒子成形体から縦300mm、横75mm、厚さ25mmの板状を呈する試験片を採取した。この試験片を用い、JIS K7221−2(1999年)の附属書1に記載された大形試験片による曲げ試験方法に準拠して3点曲げ試験を行い、応力−歪曲線を取得した。この応力−歪曲線に基づいて算出した最大荷重における曲げ応力を発泡粒子成形体の曲げ強度とした。なお、3点曲げ試験には万能試験機(株式会社島津製作所製「オートグラフ(登録商標)」)を使用し、下部支点間距離200mm、試験速度10mm/分の条件で試験を行った。
発泡倍率を適宜調整した発泡粒子を0.05MPaの成形圧で型内成形し、見掛け密度16.6kg/m3の発泡粒子成形体を得た。この発泡粒子成形体の中央部分から縦50mm、横50mm、厚み25mmの直方体状の試験片を採取した。この試験片を用いて、JIS K6767(1999年)に準拠して3点曲げ試験を行い、ひずみ10%における圧縮荷重を測定した。そして、ひずみ10%における圧縮荷重を試験片の受圧面積で除した値を圧縮応力(10%圧縮応力)とした。なお、3点曲げ試験には万能試験機(株式会社島津製作所製「オートグラフ(登録商標)」)を使用し、下部支点間距離200mm、試験速度10mm/分の条件で試験を行った。
また、比較例2の発泡性粒子は、アクリル酸アルキルエステル(A2)の含有量が多すぎるため、発泡性粒子の発泡後に収縮が生じてしまった。
また、比較例4の発泡性粒子は、流動パラフィン(B1)の含有量(b1)と環式脂肪族炭化水素(B2)の含有量(b2)との合計(b1)+(b2)が多すぎたため、発泡性粒子の発泡後に収縮が生じてしまった。
また、比較例6の発泡性粒子は、高級脂肪酸金属塩(C1)の被覆量が多すぎたため、低い成形圧で型内成形を行った場合に、発泡粒子同士の融着が不十分となった。また、得られた発泡粒子成形体の表面には発泡粒子同士の隙間が多数存在しており、良好な表面性状を有する発泡粒子成形体を得られなかった。
また、比較例8の発泡性粒子は、高級脂肪酸エステル(C2)の被覆量が多すぎたため、幅広い成形条件において、発泡粒子同士の融着が良好な発泡粒子成形体を得ることができなかった。
また、比較例10の発泡性粒子は、シリコーンオイル(C3)の被覆量が多すぎたため、幅広い成形条件において、発泡粒子同士の融着が良好な発泡粒子成形体を得ることができなかった。
Claims (12)
- 99.0質量%を超え99.9質量%以下のスチレン系単量体(A1)と0.1質量%以上1.0質量%未満のアクリル酸アルキルエステル(A2)との共重合体(A)(ただし、スチレン系単量体(A1)とアクリル酸アルキルエステル(A2)との合計を100質量%とする)からなるスチレン系樹脂、流動パラフィン(B1)及び炭素数5〜7の環式脂肪族炭化水素(B2)を含む粒子本体と、
高級脂肪酸金属塩(C1)、高級脂肪酸エステル(C2)及びシリコーンオイル(C3)を含み、前記粒子本体の表面を被覆する被覆剤(C)と、を有し、
前記共重合体(A)100質量部に対する前記流動パラフィン(B1)と前記環式脂肪族炭化水素(B2)との含有量の合計は2.0〜4.0質量部であり、
前記粒子本体100質量部に対する前記高級脂肪酸金属塩(C1)の被覆量は0.05〜0.30質量部であり、前記高級脂肪酸エステル(C2)の被覆量は0.06〜0.30質量部であり、前記シリコーンオイル(C3)の被覆量は0.01〜0.10質量部である、発泡性スチレン系樹脂粒子。 - 前記共重合体(A)は99.5質量%を超え99.8質量%以下のスチレン系単量体(A1)と0.2質量%以上0.5質量%未満のアクリル酸アルキルエステル(A2)との共重合体(ただし、(ただし、スチレン系単量体(A1)とアクリル酸アルキルエステル(A2)との合計を100質量%とする)である、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記アクリル酸アルキルエステル(A2)はアクリル酸ブチルである、請求項1または2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記流動パラフィン(B1)の含有量に対する前記環式脂肪族炭化水素(B2)の含有量の比は1.0〜2.0である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記流動パラフィン(B1)と前記環式脂肪族炭化水素(B2)との含有量の合計に対する前記高級脂肪酸エステル(C2)の被覆量の比は0.02〜0.06である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記高級脂肪酸エステル(C2)の被覆量に対する前記シリコーンオイル(C3)の被覆量の比は0.05〜0.50である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記高級脂肪酸エステル(C2)の被覆量に対する前記高級脂肪酸金属塩(C1)の被覆量の比は0.5〜1.5である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記被覆剤(C)には前記高級脂肪酸エステル(C2)としての硬化ひまし油が含まれており、前記高級脂肪酸エステル(C2)中の前記硬化ひまし油の含有量は45質量%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記被覆剤(C)には、前記高級脂肪酸エステル(C2)として、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート及びグリセリントリステアレートのうち1種または2種以上が含まれている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記シリコーンオイル(C3)がメチルフェニルシリコーンオイルである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記粒子本体には、更に、炭素数3〜6の鎖式脂肪族炭化水素(B3)が含まれている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 前記鎖式脂肪族炭化水素(B3)には、ブタン及びペンタンが含まれており、前記発泡性スチレン系樹脂粒子中の、ブタンの含有量が4.0〜6.0質量%であり、ペンタンの含有量が0.5〜1.0質量%である、請求項11に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
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