JP2020064106A - 吸音構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率よく生産できる吸音構造体を提供する。【解決手段】中空板材20の主面にスキン層30、40が積層された吸音構造体10であって、前記スキン層30、40には複数の孔15が形成されており、前記孔15は、前記中空板材20の内外を連通する第1の孔15aと、前記中空板材20の内外を連通しない第2の孔15bを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、中空板材の内外を連通する連通孔が形成された吸音構造体及びその製造方法に関する。
内部に複数のセルが並設された中空板状の中空構造体は、軽量でありながら適度な強度を備えているため、容器やボックス等に使用する場合がある。また、こうした中空構造体に何らかの機能を付加して、その汎用性を向上させようとする試みが行われている。特許文献1には、内部に複数のセルが立設された中空構造体の上面に複数の連通孔を形成し、吸音性能を向上させた中空構造体である吸音構造体に係る発明が記載されている。
特開2017−65026号公報
特許文献1に記載される吸音構造体は、複数のセルが並設された中空板状のコア層の上面及び下面にシート状のスキン層が接合された中空構造体のいずれか一方の主面にセルの内外を連通する複数の連通孔が形成されている。こうした複数の連通孔は、中空板材にスキン層が接合された中空構造体を製造し、後加工として、中空構造体の一方の主面から針状の連通冶具を連通させることによって形成されている。したがって、中空構造体の製造工程と、連通孔成形工程とが別工程となるため、製造工程が増えて大量生産をするには好ましくないといった問題があった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率よく生産できる吸音構造体を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、中空板材の主面にスキン層が積層された吸音構造体であって、前記スキン層には複数の孔が形成されており、前記孔は、前記中空板材の内外を連通する第1の孔と、前記中空板材の内外を連通しない第2の孔を備えていることを特徴とする。
上記の構成によれば、中空板材の主面に積層されたスキン層には、中空板材の内外を連通する第1の孔と中空板材の内外を連通しない第2の孔が形成されている。例えば、中空板材の表面及び裏面の少なくともいずれかに、中空状部分が閉塞された箇所と開放された箇所が存在する場合、孔が形成されたスキン層を積層することにより、スキン層に形成された孔が前記開放された箇所に位置すると、中空板材の内外を連通する第1の孔となり、スキン層に形成された孔が前記閉塞された箇所に位置すると、中空板材の内外を連通しない第2の孔となる。第1の孔と第2の孔が混在した吸音構造体は、あらかじめ孔が形成されたスキン層を中空板材に積層すればよいため、その生産効率が高い。
上記の構成において、前記中空板材には複数のセルが並設されており、前記中空板材は、厚み方向に立設されて前記セルを区画する側壁部と、前記側壁部の端縁に設けられた上壁部及び下壁部を備え、前記上壁部及び前記下壁部の一方の壁部には複数の開口部が形成されているとともに前記一方の壁部に設けられたスキン層には複数の孔が形成されており、前記第1の孔は、前記開口部が形成された部分に位置しており、前記第2の孔は、前記開口部が形成されていない部分に位置していることが好ましい。
上記の構成において、前記孔の形成ピッチは前記開口部の形成ピッチより小さいことが好ましい。
上記課題を解決するため、本発明は、複数のセルが並設された中空板材の主面にスキン層が積層されてなり、前記セルの内外を連通する複数の孔が形成された吸音構造体の製造方法であって、シートに複数の孔を貫設して孔開きシートを形成する孔成形工程と、前記孔開きシートを、前記スキン層として前記中空板材の主面に積層する積層工程を備えていることを特徴とする。
上記の構成によれば、中空板材の主面にスキン層を積層する前に、あらかじめ複数の孔が貫設された孔開きシートを形成し、孔開きシートをスキン層として積層する。そのため、例えば、中空板材の主面に孔開きシートを順次供給していくような態様で、連続的に吸音構造体を製造することができる。孔が形成されていないスキン層を順次供給して中空構造体を製造した後に、別工程として連通孔を形成する場合に比べて、その製造工程を効率化することができる。吸音構造体の生産性を向上させることができる。
上記の構成において、凹凸形状が賦形されたシート材を折り畳み成形して、厚み方向に立設されて前記セルを区画する側壁部と、前記側壁部の上下端縁に設けられた上壁部及び下壁部を備えた前記中空板材を成形する折り畳み工程をさらに備え、前記折り畳み工程では、前記上壁部及び前記下壁部の一方の壁部に複数の開口部が形成された前記中空板材を成形することが好ましい。
上記の構成において、前記孔成形工程では、前記孔の形成ピッチを、前記折り畳み工程で形成された前記開口部の形成ピッチより小さくすることが好ましい。
本発明によれば、効率よく生産できる吸音構造体が得られる。
(a)は第1実施形態の吸音構造体の斜視図、(b)は(a)におけるα−α線断面図、(c)は(a)におけるβ−β線断面図。 (a)は第1実施形態の吸音構造体のコア層を構成するシート材の斜視図、(b)は同シート材の折り畳み途中の状態を示す斜視図、(c)は同シート材を折り畳んだ状態を示す斜視図。 第1実施形態のコア層の斜視図。 吸音構造体の製造工程について説明する図。 (a)は第2実施形態の吸音構造体の斜視図、(b)は(a)におけるγ−γ線断面図、(c)は(a)におけるσ−σ線断面図。 (a)は第2実施形態の吸音構造体のコア層を構成するシート材の斜視図、(b)は同シート材の折り畳み途中の状態を示す斜視図、(c)は同シート材を折り畳んだ状態を示す斜視図。 (a)は吸音構造体の変更例の斜視図、(b)はその断面図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態の吸音構造体を図1に従って説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の吸音構造体は、内部に複数のセルSが並設されたコア層20と、コア層20の上面に接合されたシート状のスキン層30と、コア層20の下面に接合されたシート状のスキン層40とで構成されている。本実施形態のコア層20及びスキン層30、40は、熱可塑性樹脂製とされている。
コア層20を構成する熱可塑性樹脂は、従来周知の熱可塑性樹脂であればよく、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン共重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。本実施形態のコア層20はポリプロピレン樹脂製とされている。また、スキン層30、40を構成する熱可塑性樹脂も、従来周知の熱可塑性樹脂であればよい。スキン層30、40を構成する熱可塑性樹脂は、コア層20と同じ材質の熱可塑性樹脂であることが好ましく、本実施形態のスキン層30、40はポリプロピレン樹脂製とされている。
図1(b)及び図1(c)に示すように、コア層20は、所定形状に成形された1枚の熱可塑性樹脂製のシート材を折り畳んで形成されている。そして、コア層20は、上壁部21と、下壁部22と、上壁部21及び下壁部22の間に立設されてセルSを六角柱形状に区画する側壁部23とで構成されている。セルSの大きさは、特に限定されないが、例えば、セルSの断面形状である正六角形の対向する辺の間の距離が、5〜20mm程度であることが好ましい。また、吸音構造体10の厚み方向におけるセルSの高さが、例えば、5〜40mm程度であることが好ましく、10〜30mm程度であることがより好ましい。
図1(b)及び図1(c)に示すように、コア層20の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。図1(b)に示すように、第1セルS1においては、側壁部23の上部に2層構造の上壁部21が設けられている。この2層構造の上壁部21の各層は互いに接合されている。また、第1セルS1においては、側壁部23の下部に1層構造の下壁部22が設けられている。一方、図1(c)に示すように、第2セルS2においては、側壁部23の上部に1層構造の上壁部21が設けられている。また、第2セルS2においては、側壁部23の下部に2層構造の下壁部22が設けられている。この2層構造の下壁部22の各層は互いに接合されている。また、図1(b)及び図1(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ2層構造の側壁部23によって区画されている。なお、図1(a)及び図3では、コア層20の上壁部21及び下壁部22は1層構造として示している。
図1(a)に示すように、第1セルS1はX方向に沿って列を成すように並設されていて、上面視した場合に、隣り合う2つの第1セルS1が六角形の1辺を共有している。同様に、第2セルS2はX方向に沿って列を成すように並設されていて、上面視した場合に、隣り合う2つの第2セルS2が六角形の1辺を共有している。第1セルS1の列及び第2セルS2の列は、X方向に直交するY方向において交互に配列されている。そして、これら第1セルS1及び第2セルS2により、コア層20は、全体としてハニカム構造をなしている。
図1(a)及び図3に示すように、コア層20の上壁部21及び下壁部22には、セルSの断面形状である正六角形の最も長い対角線となる位置に、上壁部21及び下壁部22を二分するような略紡錘形状の開口部24が形成されている。開口部24は、第1セルS1では上壁部21のみに形成されており、第2セルS2では下壁部22のみに形成されている。つまり開口部24は、各セルSにおいて、2層構造の上壁部21及び下壁部22のみに形成されている。
図1(a)〜図1(c)に示すように、コア層20の上面にはスキン層30が接合され、コア層20の下面にはスキン層40が接合されている。そのため、コア層20における側壁部23の上端縁には、コア層20の上壁部21及びスキン層30が設けられてセルSが閉塞されている。同様に、コア層20における側壁部23の下端縁には、コア層20の下壁部22及びスキン層40が設けられてセルSが閉塞されている。
図1(a)〜図1(c)に示すように、スキン層30、40には、スキン層30、40を連通させるように複数の孔15が形成されている。複数の孔15は、スキン層30、40の縦方向及び横方向(図1(a)のX方向及びY方向)に並設されるように形成されている。縦方向及び横方向の形成ピッチはいずれも等間隔となるように規則的に形成されている。また、孔15の形成ピッチは、セルSの形成ピッチより小さく、セルSの形成ピッチの1/5〜5/5程度であることが好ましく、1/5〜3/5程度であることがより好ましい。そのため、コア層20の1つのセルSに対して複数の孔15が形成されていることになる。なお、セルSの形成ピッチとは、六角形の1辺を共有して隣り合うセルSの中心同士の間隔を言う。
孔15の形状は特に限定されないが、上面視丸形状、矩形状であってもよく、不定形状であってもよい。また、孔15の大きさは特に限定されないが、吸音構造体の吸音性の点から、セルSの断面形状である正六角形の対向する辺の間の距離の1/20〜1/5程度の径を有する大きさであることが好ましい。例えば、孔15の直径は、約0.25〜4.0mm程度であることが好ましく、0.5〜1.5mm程度であることがより好ましい。
図1(b)に示すように、上壁部21に開口部24が形成された第1セルS1では、スキン層30に形成された複数の孔15のうちの一部が、開口部24と重複する位置に形成されている。これにより、孔15と開口部24によって第1セルS1の内外が連通されている。また、第1セルS1では、スキン層30に形成された複数の孔15のうちの一部が開口部24と重複しない位置に形成されており、第1セルS1の内外が連通されていない。ここでは、開口部24と重複する位置に形成された孔15を第1の孔15aといい、開口部24と重複しない位置に形成された孔15を第2の孔15bという。第1の孔15aは、少なくともその一部が開口部24と重複する位置に形成されて、第1セルS1の内外が連通されている孔15であり、開口部24と重複することなく第1セルS1の内外が連通されていない孔15が第2の孔15bである。一方、下壁部22に開口部24が形成されていない第1セルS1では、スキン層40に形成された複数の孔15は、すべて第2の孔15bとなる。
図1(c)に示すように、下壁部22に開口部24が形成された第2セルS2では、スキン層40に形成された複数の孔15のうちの一部が、開口部24と重複する位置に形成された第1の孔15aとなる。これにより、孔15と開口部24によって第2セルS2の内外が連通されている。また、第2セルS2では、スキン層40に形成された複数の孔15のうちの一部が開口部24と重複しない位置に形成された第2の孔15bとなる。一方、上壁部21に開口部24が形成されていない第2セルS2では、スキン層30に形成された複数の孔15は、すべて第2の孔15bとなる。
次に、吸音構造体10を製造する方法を、図2〜図4に従って説明する。
吸音構造体10を製造する方法は、折り畳み工程と、加熱工程と、孔成形工程と、積層工程とからなる。折り畳み工程は、所定の凹凸形状に真空形成されたシート材100を折り畳み成形して中空板材としてのコア層20を成形する工程である。加熱工程は、コア層20の上面側及び下面側を加熱して、2層構造の上壁部21及び下壁部22同士を接合するとともに開口部24を形成する工程である。孔成形工程は、スキン層30、40となるシートに複数の孔15を貫設して孔開きシート70、80を形成する工程である。積層工程は、孔開きシート70、80を中空板材としてのコア層20の主面に積層して吸音構造体10を得る工程である。
本実施形態では、これら各工程を図4に示す装置Tによって一連の流れで行う。図4は装置Tを模式図として示しており、左側が上流側、右側が下流側である。装置Tには、上流側から順に、熱可塑性樹脂製のシートが巻回されたシートロール61、凹凸形状が賦形されたシート材100を成形するための真空成形用ドラム62、コア層20を折り込むための搬送ロール63及び第1のコンベヤ64、コア層20を加熱するための第2のコンベヤ65、スキン層30、40となるシートが巻回されたシートロール66、スキン層30、40となるシートに複数の孔を貫設して孔開きシート70、80を形成するための孔成形ロール67、孔開きシート70、80を接合してスキン層30、40を形成するための第3のコンベヤ68が配置されている。なお、ここでは、孔開きシート70、80に形成された孔について、吸音構造体10に形成された孔15と区別するために「孔16」とする。
図4に示すように、折り畳み工程では、シートロール61に巻回された熱可塑性樹脂製のシートが真空成形用ドラム62に供給されて、シートに所定の凹凸形状が賦形されたシート材100が成形されるとともに、シート材100が搬送ロール63及び第1のコンベヤ64に供給されて折り畳まれてコア層20が形成される。
図2(a)に示すように、真空成形用ドラム62で成形されたシート材100は、所定の凹凸形状を有する。シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120が、シート材100の長手方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体にわたって形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
また、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。
なお、こうした第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。
図4に示すように、シート材100は、搬送ロール63及び第1のコンベヤ64に向かって移動する。第1のコンベヤ64の搬送速度は、搬送ロール63の回転速度よりも遅くなるように設定されている。これにより、図2(a)〜図2(c)に示すように、シート材100は、境界線P、Qに沿って順次折り畳まれてコア層20が形成される。具体的には、シート材100は、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りされるとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りされてX方向に折り畳まれる。そして、図2(b)及び図2(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより中空板状のコア層20が形成される。
上記のようにシート材100が折り畳まれるとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層20の上壁部21が形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層20の下壁部22が形成される。なお、図2(c)に示すように、上壁部21における第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって2層構造を形成する部分、及び下壁部22における第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって2層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
また、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱形状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱形状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側壁部23を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁部23を構成する。そして、第2膨出部122の上面同士の当接部位、及び膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が2層構造をなす側壁部23となる。
続いて、加熱工程では、シート材100が折り畳まれてなるコア層20が、第2のコンベヤ65に向かって移動する。第2のコンベヤ65による搬送速度は、第1のコンベヤ64による搬送速度と等しくなるように設定されている。また、第2のコンベヤ65内には、加熱装置65aが設けられている。加熱装置65aの加熱温度は、コア層20を構成する熱可塑性樹脂が溶融する程度に設定されている。そのため、第2のコンベヤ65を通過したコア層20では、加熱装置65aによる加熱によりコア層20を構成する熱可塑性樹脂が溶融するとともに熱収縮し、第1セルS1の2層構造の上壁部21、及び第2セルS2の2層構造の下壁部22に開口部24が形成される。
図3に示すように、第1セルS1の上壁部21は、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なった重ね合わせ部131が2層構造として形成されており、隣り合う区画体130における2層構造の上壁部21が突き合わされて1つの第1セルS1の上壁部21が形成されている。そのため、第1セルS1の2層構造の上壁部21に形成された開口部24は、突き合わされた部分が熱収縮することによって形成され、第1セルS1の六角形の上壁部21を二分するような略紡錘形状に形成される。一方、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成された第2セルS2の上壁部21は、第1膨出部121で形成された1層構造であり、開口部24は形成されない。
第2セルS2の下壁部22は、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なった重ね合わせ部131が2層構造として形成されており、この重ね合わせ部131が突き合わされて1つの第2セルS2の下壁部22が形成されている。そのため、第2セルS2の2層構造の下壁部22に形成された開口部24は、突き合わされた重ね合わせ部131が熱収縮することによって形成され、第2セルS2の六角形の下壁部22を二分するような略紡錘形状に形成される。一方、第1セルS1の下壁部22は、平面領域110で形成された1層構造であり、開口部24は形成されない。
図4に示すように、第2のコンベヤ65により加熱されたコア層20は、第3のコンベヤ68に向かって移動する。第3のコンベヤ68による搬送速度は第2のコンベヤ65による搬送速度と等しくなるように設定されている。
第3のコンベヤ68の搬入口近傍には、孔成形工程のための各種ロール等が配置されている。具体的には、スキン層30、40となる熱可塑性樹脂製のシートが巻回されたシートロール66、スキン層30、40となるシートに複数の孔16を貫設して孔開きシート70、80を形成するための孔成形ロール67が、コア層20に対して上方及び下方のそれぞれに配置されている。シートロール66、孔成形ロール67による搬送速度は、第2のコンベヤ65、第3のコンベヤ68による搬送速度と等しくなるように設定されている。シートロール66に巻回されたシートには接着層が積層されている。
孔成形ロール67の表面には、スキン層30、40となるシートに孔16を形成するための多数の針状部材が突設されている。そのため、シートが装置Tの上方側に配置された孔成形ロール67を通過すると、多数の孔16が形成された孔開きシート70が形成され、シートが下方側に配置された孔成形ロール67を通過すると、多数の孔16が形成された孔開きシート80が形成される。
図4に示すように、孔形成ロール67は、スキン層30、40の表面となる側に配置されている。針状部材がシートを貫通する際には、針状部材の先端がシートに突き刺さってシートを押し広げるようにして孔16を形成することから、シートに貫設された孔16では、その周縁にシートの返り片が形成される。本実施形態では、孔形成ロール67がスキン層30、40の表面となる側に配置されていることから、孔16の周縁の返り片はスキン層30、40の裏面となる側に形成されることになる。そのため、スキン層30、40の表面が平滑面となる。
上方側の孔成形ロール67と下方側の孔成形ロール67は同一の構成とされており、突設された針状部材の形状、本数は同一である。針状部材は、その形成ピッチが、コア層20に形成された開口部24の形成ピッチより小さくなるように突設されている。また、針状部材の直径は、実際の孔15の直径よりは大きく形成されている。これは、後に説明する積層工程における第3のコンベヤ68の加熱装置68aによる加熱で、孔開きシート70.80を加熱接合する際に、孔16の開孔径が小さくなるためである。
続いて、積層工程では、孔開きシート70が第3のコンベヤ68の上流でコア層20の上面に供給されるとともに、孔開きシート80が第3のコンベヤ68の上流でコア層20の下面に供給される。そして、コア層20が第3のコンベヤ68の間を通過することにより、コア層20の上面及び下面には、孔開きシート70、80が順次接合される。第3のコンベヤ68には加熱装置68aが設けられており、第3のコンベヤ68を通過する際には、コア層20に供給された孔開きシート70、80の接着層は溶融状態とされる。そのため、孔開きシート70、80が積層された状態のコア層20は、第3のコンベヤ68を通過すると接着層が冷却固化される。これにより、孔開きシート70はスキン層30としてコア層20に接合され、孔開きシート80はスキン層40としてコア層20に接合される。このとき、孔開きシート70.80に形成された孔16の開孔径が小さくなって、孔15が形成される。このようにして、コア層20の上面及び下面に接着層を介してスキン層30、40が接合されるとともに、セルSの内外を連通する第1の孔15aとセルSの内外を連通しない第2の孔15bが形成された吸音構造体10が得られる。
なお、コア層20を形成する際の加熱工程で、2層構造の上壁部21同士、2層構造の下壁部22同士は接合される。また、2層構造の側壁部23の上端縁及び下端縁では、熱可塑性樹脂が溶融して熱溶着される一方でコア層20の厚み方向中央部では、側壁部23が互いに熱溶着されていない部分が形成される。
次に、上記第1実施形態の吸音構造体10の作用をその効果とともに説明する。
(1)上記実施形態の吸音構造体10は、コア層20の主面に積層されたスキン層30、40に複数の孔15が形成され、複数の孔15は、コア層20の内外を連通する第1の孔15aとコア層20の内外を連通しない第2の孔15bを有している。こうした孔15a、15bは、あらかじめ複数の孔16が形成された孔開きシート70.80をコア層20に積層することで形成されている。そのため、コア層20にスキン層30、40を積層した後にセルSの内外を連通する孔が形成された吸音構造体に比べて効率よく製造することができる。
(2)上記実施形態の吸音構造体10は、複数のセルSが並設されたコア層20の上壁部21及び下壁部22に複数の開口部24が形成されている。そして、スキン層30、40に形成された複数の孔15の一部は、開口部24が形成された部分に位置してセルSの内外を連通する第1の孔15aを形成し、残りの一部は、開口部24が形成されていない部分に位置してセルSの内外を連通しない第2の孔15bを形成する。そのため、あらかじめ複数の孔16が形成された孔開きシート70.80をコア層20に積層することで第1の孔15aと第2の孔15bが形成される。セルSの内外を連通する第1の孔15aの形成が容易である。
(3)スキン層30、40に形成された孔15の形成ピッチは、上壁部21及び下壁部22に形成された開口部24の形成ピッチより小さい。そのため、スキン層30、40に形成された孔15のいずれかが開口部24の形成された位置と重複しやすい。
(4)上記実施形態の吸音構造体10の製造方法では、コア層20にスキン層30、40を接合する前に、シートに複数の孔16を貫設して孔開きシート70、80を形成する孔成形工程を備えており、孔開きシート70、80をコア層20の主面に積層している。そのため、コア層20にスキン層30、40を接合した後に、セルSの内外を連通する連通孔を形成する場合に比べて、吸音構造体10の生産性を向上させることができる。
(5)コア層20にスキン層30、40を接合した後に、セルSの内外を連通する連通孔を形成する場合には、連通孔を形成する際に生じた熱可塑樹脂の微細片等の異物がセルS内に入り込む場合がある。そして、一旦セルS内に入り込んだ微細片等の異物を取り除くことは困難である。この点、上記実施形態の吸音構造体10の製造方法では、孔開きシート70、80をコア層20の主面に積層しているため、セルS内に微細片等の異物が入り込むことが抑制される。
(6)上記実施形態の吸音構造体10の製造方法では、各工程を装置Tによって一連の流れで行っている。そのため、コア層20を形成する工程、コア層20を加熱して開口部24を形成する工程、孔開きシート70、80を形成する工程、コア層20に孔開きシート70、80を供給する工程を連続的に行うことができる。吸音構造体10を効率的に製造することができ、生産性が向上する。
(7)孔成形工程では、多数の針状部材が突設された孔成形ロール67にシートを通過させることによって孔16を形成している。そのため、孔開きシート70、80を連続的に製造することができ、コア層20に対して連続的に供給することができる。吸音構造体10を効率的に製造することができる。
(8)孔開きシート70、80は、第3のコンベヤ68の上流近傍に設けられたシートロール66、孔成形ロール67等によって形成される。そして、シートロール66、孔成形ロール67等は、第2のコンベヤ65、第3のコンベヤ68と同期している。そのため、コア層20に対する孔開きシート70、80の供給が容易であり、吸音構造体10の生産性が向上する。
(9)上記実施形態の吸音構造体10は、折り畳み工程、加熱工程によって形成されたコア層20の上壁部21及び下壁部22に開口部24が形成されている。そのため、孔開きシート70、80を積層することで、セルSの内外を連通する第1の孔15aを容易に形成することができる。
(10)上記実施形態の吸音構造体10の製造方法では、孔成形工程で形成する孔16のピッチが開口部24の形成ピッチより小さくなるようにしている。そのため、孔16と開口部24との位置合わせを厳密にすることなく、セルSの内外を連通する第1の孔15aを容易に形成することができる。
(11)孔成形工程での孔形成ロール67は、スキン層30、40の表面となる側に配置されている。そのため、シートに貫設された孔16の周縁の返り片はスキン層30、40の裏面となる側に形成される。スキン層30、40の表面が平滑面となり、吸音構造体10の表面を平滑面とすることができる。
(12)孔成形工程における孔形成ロール67の針状部材は、その直径が実際の孔15の直径より大きく形成されている。そのため、積層工程における第3のコンベヤ68の加熱装置68aによる加熱で、孔開きシート70、80の孔16の開孔径が小さくなっても、吸音構造体10の孔15に必要な開孔径を確保することができる。
(13)孔成形工程では、シートに貫設された孔16の周縁にリング状の返り片が形成される。そのため、積層工程での加熱によって、孔16の周縁の返り片が肉溜まりとなり、孔開きシート70、80の孔16の周縁が裂けにくくなる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態の吸音構造体を図5及び図6に従って説明する。
第2実施形態の吸音構造体10aは、コア層20aの構造が第1実施形態のコア層20とは相違している。コア層20aの構造以外は第1実施形態の吸音構造体10と同様であり、その製造方法も基本的に第1実施形態の吸音構造体10の製造方法と同様であるため、以下では、相違点を中心に説明する。
コア層20aは、図6(a)に示すような形状に賦形されたシート材200を折り畳み成形することによって形成されている。コア層20aの内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1aと第2セルS2aとが存在する。図5(b)に示すように、第1セルS1は、その上端が1層構造の上壁部21aによって閉塞されるとともに、その下端は閉塞されることなく下方に開口している。つまり、第1セルS1aでは、コア層20aの上面は1層構造の上壁部21aで構成され、下面は側壁部23aの下端縁で構成されている。閉塞されていない第1セルS1aの下端が下壁部22aに形成された開口部24aとして機能している。
一方、図5(c)に示すように、第2セルS2aは、その下端が1層構造の下壁部22によって閉塞されるとともに、その上端は閉塞されることなく上方に開口している。つまり、第2セルS2aでは、コア層20aの下面は1層構造の下壁部22aで構成され、上面は側壁部23aの上端縁で構成されている。閉塞されていない第2セルS2aの上端が上壁部21aに形成された開口部24aとして機能している。
図5(a)に示すように、第1セルS1a及び第2セルS2aは、X方向において第1セルS1a同士又は第2セルS2a同士が隣接して列を形成するように配置されている。また、X方向に直交するY方向において、第1セルS1aの列と第2セルS2aの列とが交互に配置されている。
図5(b)及び図5(c)に示すように、隣接する第1セルS1a同士の間、及び隣接する第2セルS2a同士の間は、上壁部21a及び下壁部22aに対して垂直に形成された2層構造の側壁部23aによって区画されている。一方、隣接する第1セルS1aと第2セルS2aの間は、上壁部21及び下壁部22に対して垂直に形成される1層構造の側壁部23によって区画されている。
図5(a)に示すように、スキン層30、40は、コア層20aの上壁部21aの上面及び下壁部22aの下面に、図示しない接着層を介してそれぞれ接合されている。スキン層30は、コア層20aの上面では、第1セルS1aの上壁部21a及び第2セルS2aの側壁部23aの上端に接合されている。また、スキン層40は、コア層20aの下面では、第1セルS1aの側壁部23aの下端及び第2セルS2aの下壁部22aに接合されている。そのため、第2実施形態の吸音構造体10aの上面は、第1セルS1aでは、コア層20aの上壁部21aとスキン層30からなる2層構造とされ、第2セルS2aでは、開口部24aがスキン層30で閉塞されてスキン層30のみの1層構造とされている。また、吸音構造体10aの下面は、第1セルS1aでは、開口部24aがスキン層40で閉塞されてスキン層40のみの1層構造とされ、第2セルS2aでは、コア層20aの下壁部22aとスキン層40からなる2層構造とされている。
次に、第2実施形態の吸音構造体10aの製造方法について、図6に従って説明する。
第2実施形態の吸音構造体10aを製造する方法は、第1実施形態の吸音構造体10を製造する方法と同様に、折り畳み工程と、加熱工程と、孔成形工程と、積層工程とからなり、折り畳み工程のみが第1実施形態とは相違している。各工程は、図4に示す装置Tと同様な装置によって一連の流れで行う。装置Tとの相違点は、真空成形用ドラム62の表面形状が異なることのみである。
コア層20aは、図6(a)に示すような所定の凹凸形状に真空形成されたシート材200を折り畳み成形して得られる。シート材200には、帯状をなす第1膨出部210及び第2膨出部220がその幅方向(Y方向)に交互に配置されている。第1膨出部210は、上方へ突出する形状に形成され、第2膨出部220は、下方へ突出する形状に形成されている。第1膨出部210と第2膨出部220はX方向に延びるように交互に配置されている。シート材200を上面視した場合の第1膨出部210と、シート材200を下面視した場合の第2膨出部220は、同形状であってX方向に1/2ピッチずつずれた位置に形成されている。
第1膨出部210は、上面210aと、一対の側面210bと、一対の端面210cからなり、Y方向断面形状が、正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなしている。一対の端面210cは、図6(a)に示す境界線P´の位置に形成されている。端面210cと上面210aとのなす角度は約90゜である。
一方、第2膨出部220は、下面220aと一対の側面220bと、一対の端面220cからなり、Y方向断面形状が、正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなしている。一対の端面220cは、図6(a)に示す境界線Q´の位置に形成されている。端面220cと下面220aとのなす角度は約90゜である。第2膨出部220のX方向の長さ、つまり、一対の端面220c間の長さは、第1膨出部210のX方向の長さ、つまり、一対の端面210c間の長さと同じである。第2膨出部220の端面220cは、第1膨出部210のX方向の中央に位置している。なお、第1膨出部210の側面210bと第2膨出部220の側面220bは説明の便宜上分けているが、同じ構成である。
シート材200は、境界線P´、Q´に沿って順次折り畳まれることによりコア層20aが形成される。具体的には、図6(b)に示すように、シート材200は、境界線P´に沿って山折りされ、境界線Q´に沿って谷折りされる。図6(c)に示すように、一つの第1膨出部210では、X方向の中央部分に設けられた境界線Q´で谷折りされて、X方向右側の上面210aとX方向左側の上面210aが立設状態で当接する。折り畳まれた第1膨出部210では、立設状態で当接したX方向右側の上面210aとX方向左側の上面210aにより、コア層20aの2層構造の側壁部23aが形成され、側面210bにより、コア層20aの1層構造の側壁部23aが形成される。側壁部23aの上端には、隣り合う第1膨出部210の端面210cからなる1層構造の上壁部21aが形成される一方、側壁部23aの下端には開口部24aが形成される。
また、一つの第2膨出部220では、隣り合う境界線Q´のX方向中央に設けられた境界線P´で山折りされ、X方向右側の下面220aとX方向左側の下面220aが立設状態で当接する。折り畳まれた第2膨出部220では、立設状態で当接したX方向右側の下面220aとX方向左側の下面220aにより、コア層20aの2層構造の側壁部23aが形成され、側面220bにより、コア層の20aの1層構造の側壁部23aが形成される。側壁部23aの下端には、隣り合う第2膨出部220の端面220cからなる1層構造の下壁部22aが形成される一方、側壁部23aの上端には開口部24aが形成される。
第2のコンベヤ65は加熱装置65aにより加熱されているため、折り畳まれて形成されたコア層20aは、第2のコンベヤ65によって加熱押圧される。これにより、折り畳まれたコア層20aの2層構造の側壁部23aの上端縁及び下端縁は熱溶着された状態となる一方で上端縁及び下端縁を除いた部分は熱溶着されていない。また、加熱により上壁部21a及び下壁部22aが部分的に溶融することにより、セルSの内側に向かってバリ状の突起が形成される。これにより、接合工程でのコア層20aとスキン層30、40との接合面積が増える。
コア層20aに対して、第1実施形態の吸音構造体10と同様に孔開きシート70、80が接合される。そのため、孔15が形成された孔開きシート70、80を接合することにより、開口部24aに位置する孔15は第1の孔15aとなり、開口部24aに位置しない孔15は第2の孔15bとなる。
次に、上記第2実施形態の吸音構造体10aによれば、第1実施形態の吸音構造体10による効果(1)〜(10)に加えて以下の効果が得られる。
(11)吸音構造体10aは、第1セルS1aの下端縁の全体で開口部24aが形成され、第2セルS2aの上端縁の全体で開口部24aが形成されている。そのため、孔開きシート70、80を接合する際に、セルSの内外を連通する第1の孔15aを形成しやすい。孔15と開口部24との位置合わせを厳密にすることなく第1の孔15aを容易に形成することができる。
上記各実施形態は、次のように変更できる。なお、上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて適用することができる。
・複数の孔15は、スキン層30のみに形成されていてもよく、スキン層40のみに形成されていてもよい。この場合、装置Tでは、孔15が形成されていないスキン層30、40側の孔成形ロール67として、針状部材が突設されていないものを設置すればよい。
・複数の孔15は、縦方向及び横方向においての形成ピッチが等間隔となるように規則的に形成されているがこれに限定されない。すべての孔15の形成ピッチが等間隔となっていなくてもよく、不規則的に形成されていてもよい。また、縦方向及び横方向の形成ピッチの少なくともいずれか一方が等間隔でなくてもよい。さらに、スキン層30とスキン層40で形成ピッチが異なっていてもよい。
・複数の孔15は、すべて同一形状でなくてもよい。異なる形状の孔15が混在していてもよい。
・複数の孔15の形成ピッチは、開口部24の形成ピッチと同じであってもよい。この場合、積層工程では、孔開きシート70、80に形成された孔16が、コア層20の開口部24の位置に合致するように調整すればよい。コア層20の上面に積層された孔開きシート70では、第1セルS1の上壁部21の開口部24の位置に形成された孔16が第1の孔15aとなり、第2セルS2の上壁部21の位置に形成された孔16が第2の孔15bとなる。また、孔開きシート80では、第2セルS2の下壁部22の開口部24の位置に形成された孔16が第1の孔15aとなり、第1セルS1の下壁部22の位置に形成された孔16が第2の孔15bとなる。
・開口部24は、第1セルS1のすべての上壁部21に形成されていなくてもよく、第2セルS2のすべての下壁部22に形成されていなくてもよい。第1セルS1に開口部24が形成された上壁部21と形成されていない上壁部21が混在していてもよく、第2セルS2に開口部24が形成された下壁部22と形成されていない下壁部22が混在していてもよい。
・開口部24の形状は略紡錘形状でなくてもよい。2層構造の上壁部21、下壁部22が熱収縮して形成されたものであればその形状は特に限定されない。
・開口部24は、2層構造の上壁部21、下壁部22が熱収縮して形成されたものでなくてもよい。コア層20が形成されたのちに、コア層20に対して連通冶具等で開口部24を形成してもよい。
・中空板材に形成されたセルの形状は特に六角柱形状に限定されるものではない。例えば、円柱形状でもよいし、四角柱形状、八角柱形状などの多角柱形状であってもよい。また、セルSの形状は、例えば、錐台形状や錐台形状の頂面同士を突き合わせたような形状であってもよい。すなわち、全体として柱形状をなしているのであればどのような形状であってもよい。さらに、コア層20内において異なる形状のセルが混在していてもよいし、セルとセルとの間に空間(隙間)が生じていてもよい。中空板材に形成された中空部分に、その内外を連通させる連通部分が形成されていれば、孔開きシート70、80を積層したときに第1の孔15aを形成することができる。
・中空板材はシートを折り畳み成形したものでなくてもよい。例えば、図7(a)に示すように、熱可塑性樹脂のシート材101を膨出成形することによって、柱状の中空状突部が複数形成された中空板材90を使用してもよい。中空状突部の内部空間がセルCを構成する。中空板材90の一方の主面90aは中空状突部が膨出成形されていない部分のシート材101により形成され、他方の主面90bは中空状突部(セルC)の頂面91により形成される。また、主面90aには、中空状突部(セルC)の開口部92が形成されている。図7(b)に示すように、こうした中空板材90の主面90aに孔開きシート70を接合してスキン層30とし、主面90bに孔開きシート80を接合してスキン層40とすると、スキン層30に形成された孔15のうち、セルCの開口部92が形成された部分に位置する孔15が第1の孔15aとなり、セルCが形成されていない部分(シート材101の部分)に位置する孔15が第2の孔15bとなる。また、スキン層40に形成された孔15のうち、セルCが形成されていない部分に位置する孔15が第1の孔15aとなり、セルCの頂面91が形成された部分に位置する孔15が第2の孔15bとなる。そして、セルCの頂面91が形成された部分とセルCが形成されていない部分に跨った孔15も第1の孔15aとなる。なお、図7(b)では、図7(a)における上下方向の面をそれぞれ逆転させた状態の断面図として示している。
・吸音構造体10の製造は、装置Tによる一連の流れで行わなくてもよい。孔開きシート70、80を中空板材に接合する工程を備えていれば、異なる装置を組み合わせて行ってもよい。
・上記各実施形態の孔成形工程では、シートロール66、孔成形ロール67を経た孔開きシート70、80をコア層20の上面及び下面に供給したが、これに限定されない。例えば、シートロール66、孔成形ロール67を経た孔開きシート70、80を一旦別のシートロールに巻取り、孔開きシート70、80が巻回されたシートロールからコア層20の上面及び下面に供給するようにしてもよい。また、この場合に、シートロール66、孔成形ロール67を経た孔開きシート70、80を一旦別のシートロールに巻取る工程を別の装置で行い。装置Tには、孔開きシート70、80が巻回されたシートロールを配置するようにしてもよい。さらに、シートを押出し成形した後に孔成形工程を行って孔開きシート70、80を得るとともに、孔開きシート70、80をシートロールに巻取った後、そのシートロールを装置に設置してもよい。この場合、このシートロールを直接上記実施形態の装置Tに移動させてもよい。
・孔開きシート70、80の孔16は、孔成形ロール67によって形成されるものでなくてもよい。多数の針状部材が取り付けられた連通冶具をシートに対して上下移動させることによって複数の孔16を形成してもよい。
・接合工程では、第3のコンベヤ68に設けられた加熱装置68aで、コア層20に供給された孔開きシート70、80の接着層は溶融状態としたが、加熱装置68aを省略してもよい。この場合、第3のコンベヤ68に供給される前の孔開きシート70、80の接着層が溶融状態となっていれば、第3のコンベヤ68を通過する際に、接着層が冷却固化されて、コア層20にスキン層30、40が接合される。
・孔開きシート70、80に形成される孔16は、孔15と同じ大きさであってもよい。
・コア層20、スキン層30、40を構成する熱可塑性樹脂に対して、例えば、難燃性の樹脂を添加して難燃性を高めるなどのように、機能性の樹脂を添加してもよい。また、木粉・タルクなどの無機物を添加して、曲げ強度を向上させるようにしてもよい。吸音構造体10に異なる機能を付与することができ、吸音構造体10の汎用性が向上する。
・コア層20は、一枚のシート材100を折り畳み成形して形成するのに限らず、複数枚のシート材を用いて形成してもよい。例えば、帯状のシート材を所定間隔毎に屈曲させ、これら複数のシート材を並設することでコア層を形成してもよい。この変更例の場合、各シート材において屈曲させた部分がセルの側壁部を構成することになる。
・スキン層30、40に接着層が積層されていなくてもよい。加熱装置65aによってスキン層30、40を熱溶融されてコア層20に熱溶着してもよい。
・スキン層30及びスキン層40の少なくともいずれかの外面に他のシート材を接合してもよい。他のシート材は合成樹脂製でなくてもよく、例えば金属シート(金属箔、鋼板)、紙、布などであってもよく、不織布シート、織物シート、編物シートであってもよい。また、印刷を施した樹脂シートやメラミン等の樹脂シートであってもよい。さらに、スキン層30やスキン層40そのものを、金属シート(金属箔、鋼板)、紙、布などで構成してもよい。この場合、他のシート材も同様に、あらかじめ複数の孔を形成した後接合することが好ましい。他のシート材が不織布シート、織物シート、編物シートである場合には、それ自体に多数の孔が形成されているため、あらかじめ複数の孔を形成しなくても第1の孔15aの連通状態を維持することもできる。
・樹脂シートと不織布を貼り合せわせた不織布付きシートに複数の孔15を形成してもよい。この場合、不織布付きシートを装置Tに設置して、孔成形ロールで孔を開けた後にコア層20に接合してもよく、不織布付き孔開きシートを別の装置で成形後に、不織布付き孔開きシートが巻回されたシートロールを装置Tに設置してコア層20に接合してもよい。
・孔15は、1つの角を共通として隣接する3つのセルSに跨るように形成されていてもよく、側壁部を共通として連続して延びる複数のセルSに跨るように形成されていてもよい。
S…セル、S1、S1a…第1セル、S2、S2a…第2セル、10、10a…吸音構造体、15…孔、15a…第1の孔、15b…第2の孔、20、20a…コア層(中空板材)、21、21a…上壁部、22、22a…下壁部、23、23a…側壁部、24、24a、92…開口部、30…スキン層、40…スキン層、70、80…孔開きシート、100、200…シート材。

Claims (6)

  1. 中空板材の主面にスキン層が積層された吸音構造体であって、
    前記スキン層には複数の孔が形成されており、
    前記孔は、前記中空板材の内外を連通する第1の孔と、前記中空板材の内外を連通しない第2の孔を備えていることを特徴とする吸音構造体。
  2. 前記中空板材には複数のセルが並設されており、
    前記中空板材は、厚み方向に立設されて前記セルを区画する側壁部と、前記側壁部の端縁に設けられた上壁部及び下壁部を備え、
    前記上壁部及び前記下壁部の一方の壁部には複数の開口部が形成されているとともに前記一方の壁部に設けられたスキン層には複数の孔が形成されており、
    前記第1の孔は、前記開口部が形成された部分に位置しており、前記第2の孔は、前記開口部が形成されていない部分に位置している請求項1に記載の吸音構造体。
  3. 前記孔の形成ピッチは前記開口部の形成ピッチより小さい請求項2に記載の吸音構造体。
  4. 複数のセルが並設された中空板材の主面にスキン層が積層されてなり、前記セルの内外を連通する複数の孔が形成された吸音構造体の製造方法であって、
    シートに複数の孔を貫設して孔開きシートを形成する孔成形工程と、
    前記孔開きシートを、前記スキン層として前記中空板材の主面に積層する積層工程を備えていることを特徴とする吸音構造体の製造方法。
  5. 凹凸形状が賦形されたシート材を折り畳み成形して、厚み方向に立設されて前記セルを区画する側壁部と、前記側壁部の上下端縁に設けられた上壁部及び下壁部を備えた前記中空板材を成形する折り畳み工程をさらに備え、
    前記折り畳み工程では、前記上壁部及び前記下壁部の一方の壁部に複数の開口部が形成された前記中空板材を成形することを特徴とする請求項4に記載の吸音構造体の製造方法。
  6. 前記孔成形工程では、前記孔の形成ピッチを、前記折り畳み工程で形成された前記開口部の形成ピッチより小さくすることを特徴とする請求項5に記載の吸音構造体の製造方法。
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