JP2020064005A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ素子の強度を維持した状態で、発熱体からセンサ素子の外部への放熱を抑制することができるガスセンサを提供する。【解決手段】センサ素子2は、固体電解質体31、一対の電極311,312、絶縁体33A,33B及び発熱体34を備える。絶縁体33A,33Bは、固体電解質体31に隣接して積層されて、気体を通過させない緻密セラミック材料からなる第1絶縁部331と、第1絶縁部331の積層方向Dの外側に積層されて、第1絶縁部331よりも気孔率が高い多孔質セラミック材料からなる第2絶縁部332とを有する。第2絶縁部332は、ガス室側絶縁体33Aの、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1に位置する表面部位に形成された凹部333に配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、センサ素子を有するガスセンサに関する。
ガスセンサは、例えば、内燃機関の排気管に配置され、排気管を流れる排ガスを検出対象ガスとして、検出対象ガスにおける空燃比、又は酸素、NOx、アンモニア等の特定ガス成分の濃度を検出するために用いられる。ガスセンサのセンサ素子は、酸素イオンの伝導性を有する固体電解質体と、固体電解質体の両表面における互いに重なる位置に設けられた一対の電極とを有する。また、固体電解質体に積層された絶縁体には、通電によって発熱する発熱体が埋設されている。また、発熱体における発熱部は、固体電解質体と絶縁体との積層方向において、一対の電極に重なる位置に配置されている。そして、発熱部から発生する熱によって、一対の電極及び一対の電極間に挟まれた固体電解質体の部分を活性温度に加熱している。
また、ガスセンサにおいては、ヒータの無駄な放熱を抑制して、消費電力を低減する工夫がなされている。例えば、特許文献1の酸素センサにおいては、センサ素子に積層されてセンサ素子を加熱するヒータの表面を、多孔質体によって覆うことが記載されている。そして、多孔質体を断熱材として作用させることにより、ヒータから発生する熱が酸素センサの外部へ逃げにくくしている。
特開平10−260154号公報
特許文献1の酸素センサにおいては、多孔質体がセンサ素子及びヒータのほぼ全長に亘って設けられている。そのため、ヒータから発生する熱が酸素センサの外部へ逃げにくいものの、酸素センサ(センサ素子)の強度が低下するといった課題が生じる。そのため、センサ素子の強度を維持した状態で、発熱体からセンサ素子の外部への放熱を抑制するためには更なる工夫が必要とされる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、センサ素子の強度を維持した状態で、発熱体からセンサ素子の外部への放熱を抑制することができるガスセンサを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、長尺形状のセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)において、
前記センサ素子は、
板状の固体電解質体(31)と、
前記固体電解質体における、両表面(301,302)の互いに重なる位置に設けられた一対の電極(311,312)と、
前記固体電解質体の積層方向(D)に積層された絶縁体(33A,33B)と、
前記絶縁体における、一対の前記電極に重なる位置に埋設された発熱部(341)及び前記発熱部に繋がる一対のリード部(342)を有する発熱体(34)と、を備え、
前記絶縁体は、
前記固体電解質体に隣接して積層されて、気体を通過させない緻密セラミック材料からなる第1絶縁部(331)と、
前記第1絶縁部の前記積層方向の外側に積層されて、前記第1絶縁部よりも気孔率が高い多孔質セラミック材料からなる第2絶縁部(332)と、を有し、
前記第1絶縁部の、前記センサ素子の長尺方向(L)の先端側(L1)に位置する表面部位であって、前記積層方向から見て前記発熱部に重なる部位には、前記第1絶縁部の表面から凹んだ凹部(333)が形成されており、
前記第2絶縁部は、前記凹部に配置されている、ガスセンサにある。
前記一態様のガスセンサのセンサ素子においては、緻密セラミック材料からなる第1絶縁部と、多孔質セラミック材料からなる第2絶縁部との配置の仕方に工夫をしている。具体的には、第1絶縁部の長尺方向の先端側に位置する表面部位であって、積層方向から見て発熱部に重なる部位には、第1絶縁部の表面から凹んだ凹部が形成されている。そして、第2絶縁部は、凹部内に配置されている。
つまり、前記一態様のガスセンサのセンサ素子の絶縁体の外側表面においては、長尺方向の先端側に位置する、発熱部の積層方向に重なる表面部位に、多孔質セラミック材料からなる第2絶縁部が配置されている。また、絶縁体の外側表面における残りの表面部位には、緻密セラミック材料からなる第1絶縁部が配置されている。発熱体において、実際に発熱する部位は発熱部であり、発熱部によって、一対の電極及び一対の電極間に挟まれた固体電解質体の部分が加熱される。そして、センサ素子においては、発熱部の積層方向に重なる表面部位に第2絶縁部が配置されていることにより、発熱部の周辺において、発熱部からセンサ素子の外部への放熱を抑制することができる。
また、センサ素子において、発熱部に繋がる一対のリード部の一部等の積層方向に重なる表面部位には、第1絶縁部が配置されていることにより、センサ素子の強度の低下を抑制することができる。
それ故、前記一態様のガスセンサによれば、センサ素子の強度を維持した状態で、発熱体からセンサ素子の外部への放熱を抑制することができる。
なお、本発明の一態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
実施形態1にかかる、ガスセンサを示す断面図。 実施形態1にかかる、積層前のセンサ素子を示す斜視図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す断面図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す、図3のIV−IV断面図。 実施形態1にかかる、センサ素子を示す、図3のV−V断面図。 実施形態1にかかる、他のセンサ素子を示す、図3のIV−IV断面相当図。 実施形態1にかかる、他のセンサ素子を示す、図6のVII−VII断面図。 実施形態2にかかる、センサ素子を示す、図3のIV−IV断面相当図。 実施形態2にかかる、センサ素子を示す、図8のIX−IX断面図。 実施形態3にかかる、センサ素子を示す、図3のIV−IV断面相当図。 実施形態3にかかる、他のセンサ素子を示す、図3のIV−IV断面相当図。 実施形態3にかかる、他のセンサ素子を示す、図3のIV−IV断面相当図。 実施形態4にかかる、センサ素子を示す、図3のIV−IV断面相当図。 実施形態4にかかる、センサ素子を示す、図13のXIV−XIV断面図。 実施形態4にかかる、他のセンサ素子を示す、図3のIV−IV断面相当図。 実施形態4にかかる、他のセンサ素子を示す、図3のIV−IV断面相当図。
前述したガスセンサにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態のガスセンサ1は、図1〜図5に示すように、長尺形状のセンサ素子2を有する。センサ素子2は、板状の固体電解質体31、一対の電極311,312、絶縁体33A,33B及び発熱体34を備える。一対の電極311,312は、固体電解質体31における、両表面の互いに重なる位置に設けられている。絶縁体33A,33Bは、固体電解質体31の積層方向Dに積層されている。発熱体34は、絶縁体33Aにおける、一対の電極311,312に重なる位置に埋設された発熱部341と、発熱部341に繋がる一対の発熱体リード部(リード部)342とを有する。
図2及び図3に示すように、絶縁体33A,33Bは、固体電解質体31に隣接して積層されて、気体を通過させない性質を有する緻密セラミック材料からなる第1絶縁部331と、第1絶縁部331の積層方向Dの外側に積層されて、第1絶縁部331よりも気孔率が高い多孔質セラミック材料からなる第2絶縁部332とを有する。ガス室側絶縁体33Aの、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1に位置する表面部位であって、積層方向Dから見て発熱部341に重なる部位には、ガス室側絶縁体33Aの表面から凹んだ凹部333が形成されている。第2絶縁部332は、凹部333に配置されている。
以下に、本形態のガスセンサ1について詳説する。
(ガスセンサ1)
図1に示すように、ガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)の排気管7の取付口71に配置され、排気管7を流れる排ガスを検出対象ガスGとして、検出対象ガスGにおける酸素濃度等を検出するために用いられる。ガスセンサ1は、排ガスにおける酸素濃度、未燃ガス濃度等に基づいて、内燃機関における空燃比を求める空燃比センサ(A/Fセンサ)として用いることができる。また、ガスセンサ1は、空燃比センサ以外にも、酸素濃度を求める種々の用途として用いることができる。
排気管7には、排ガス中の有害物質を浄化するための触媒が配置されており、ガスセンサ1は、排気管7における排ガスの流れ方向において、触媒の上流側又は下流側のいずれに配置することもできる。また、ガスセンサ1は、排ガスを利用して内燃機関が吸入する空気の密度を高める過給機の吸入側の配管に配置することもできる。また、ガスセンサ1を配置する配管は、内燃機関から排気管7に排気される排ガスの一部を、内燃機関の吸気管に再循環させる排気再循環機構における配管とすることもできる。
空燃比センサは、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が多い燃料リッチの状態から、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が少ない燃料リーンの状態まで定量的に連続して空燃比を検出することができるものである。空燃比センサにおいては、拡散抵抗部(拡散律速部)32によって、ガス室35へ導かれる検出対象ガスGの拡散速度が絞られる際に、一対の電極としての検出電極311と大気電極312との間に、酸素イオン(O2-)の移動量に応じた電流が出力される限界電流特性を示すための所定の電圧が印加される。
空燃比センサにおいて、燃料リーン側の空燃比を検出する際には、検出対象ガスGに含まれる酸素が、イオンとなって検出電極311から固体電解質体31を介して大気電極312へ移動する際に生じる電流を検出する。また、空燃比センサにおいて、燃料リッチ側の空燃比を検出する際には、検出対象ガスGに含まれる未燃ガス(炭化水素、一酸化炭素、水素等)を反応させるために、大気電極312から固体電解質体31を介して検出電極311へイオンとなった酸素が移動し、未燃ガスと酸素とが反応する際に生じる電流を検出する。
(他のガスセンサ1)
ガスセンサ1は、空燃比センサとする以外にも、検出対象ガスGの組成から求められるエンジンの空燃比が、理論空燃比に対して燃料リッチ側にあるのか燃料リーン側にあるのかをON−OFFで判別する酸素センサとしてもよい。酸素センサにおいては、大気Aと検出対象ガスGとの酸素濃度の差によって、大気電極312と検出電極311との間に生じる起電力が検出され、この起電力が所定の閾値を超えているか否かのセンサ出力が出力される。
また、ガスセンサ1は、NOx(窒素酸化物)等の特定ガス成分の濃度を検出するセンサとしてもよい。NOxセンサにおいては、検出電極311に接触する検出対象ガスGの流れの上流側に、電圧の印加によって検出電極311から大気電極312へ酸素をポンピングするポンプ電極が配置される。大気電極312はポンプ電極に対して固体電解質体31を介して対向する位置にも形成される。
(センサ素子2)
図2〜図4に示すように、本形態のセンサ素子2は、長尺の長方形状に形成されており、固体電解質体31、一対の電極としての検出電極311及び大気電極312、ガス室側絶縁体33A、ダクト側絶縁体33B、ガス室35、大気ダクト36及び発熱体34を備える。センサ素子2は、固体電解質体31に、絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された積層タイプのものである。
本形態において、センサ素子2の長尺方向Lとは、センサ素子2が長尺形状に延びる方向のことをいう。また、長尺方向Lに直交し、固体電解質体31と絶縁体33A,33Bとが積層された方向、換言すれば、固体電解質体31、絶縁体33A,33B及び発熱体34が積層された方向を、積層方向Dという。また、長尺方向Lと積層方向Dとに直交する方向を、幅方向Wという。また、センサ素子2の長尺方向Lにおいて、検知部21が形成された側を先端側L1といい、先端側L1の反対側を後端側L2という。
(固体電解質体31、検出電極311及び大気電極312)
図3及び図4に示すように、固体電解質体31は、所定の活性温度において、酸素イオン(O2-)の伝導性を有するものである。検出電極311は、固体電解質体31における、検出対象ガスGが接触する第1表面301に設けられており、大気電極312は、固体電解質体31における、大気Aが接触する第2表面302に設けられている。検出電極311と大気電極312とは、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位において、固体電解質体31を介して互いに対向している。センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位には、検出電極311及び大気電極312と、これらの電極311,312の間に挟まれた固体電解質体31の部分とによる検知部21が形成されている。ガス室側絶縁体33Aは、固体電解質体31の第1表面301に積層されており、ダクト側絶縁体33Bは、固体電解質体31の第2表面302に積層されている。
固体電解質体31は、ジルコニア系酸化物からなり、ジルコニアを主成分とし(50質量%以上含有し)、希土類金属元素又はアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる。固体電解質体31を構成するジルコニアの一部は、イットリア、スカンジア又はカルシアによって置換することができる。
検出電極311及び大気電極312は、酸素に対する触媒活性を示す貴金属としての白金、及び固体電解質体31との共材としてのジルコニア系酸化物を含有している。共材は、固体電解質体31にペースト状の電極材料を印刷(塗布)して両者を焼成する際に、電極材料によって形成される検出電極311及び大気電極312と固体電解質体31との結合強度を維持するためのものである。
図3に示すように、検出電極311及び大気電極312には、これらの電極311,312をガスセンサ1の外部と電気接続するための電極リード部313が接続されており、この電極リード部313は、長尺方向Lの後端側L2の部位まで引き出されている。
(ガス室35)
図3及び図4に示すように、固体電解質体31の第1表面301には、ガス室側絶縁体33Aと固体電解質体31とに囲まれたガス室35が隣接して形成されている。ガス室35は、ガス室側絶縁体33Aにおける、検出電極311を収容する位置に形成されている。ガス室35は、ガス室側絶縁体33Aと拡散抵抗部32と固体電解質体31とによって閉じられた空間部として形成されている。排気管7内を流れる排ガスである検出対象ガスGは、拡散抵抗部32を通過してガス室35内に導入される。
(拡散抵抗部32)
本形態の拡散抵抗部32は、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して形成されている。拡散抵抗部32は、ガス室側絶縁体33Aにおいて、ガス室35の長尺方向Lの先端側L1に隣接して開口された導入口内に配置されている。拡散抵抗部32は、アルミナ等の多孔質の金属酸化物によって形成されている。ガス室35に導入される検出対象ガスGの拡散速度(流量)は、検出対象ガスGが拡散抵抗部32における気孔を透過する速度が制限されることによって決定される。
拡散抵抗部32は、ガス室35の幅方向Wの両側に隣接して形成してもよい。この場合には、拡散抵抗部32は、ガス室側絶縁体33Aにおいて、ガス室35の幅方向Wの両側に隣接して開口された導入口内に配置される。なお、拡散抵抗部32は、多孔質体を用いて形成する以外にも、ガス室35に連通された小さな貫通穴であるピンホールを用いて形成することもできる。
(大気ダクト36)
図3及び図4に示すように、固体電解質体31の第2表面302には、ダクト側絶縁体33Bと固体電解質体31とに囲まれた大気ダクト36が隣接して形成されている。大気ダクト36は、ダクト側絶縁体33Bにおける、大気電極312を収容する位置からセンサ素子2の後端位置まで形成されている。センサ素子2の長尺方向Lの後端位置には、大気ダクト36の後端開口部361が形成されている。大気ダクト36は、後端開口部361から固体電解質体31を介してガス室35と対向する位置まで形成されている。大気ダクト36には、後端開口部361から大気Aが導入される。
大気ダクト36における、長尺方向Lに直交する断面の断面積は、ガス室35における、長尺方向Lに直交する断面の断面積よりも大きい。また、大気ダクト36の積層方向Dの厚み(幅)は、ガス室35の積層方向Dの厚み(幅)よりも大きい。大気ダクト36の断面積、厚み、体積等が、ガス室35の断面積、厚み、体積等よりも大きいことにより、検出電極311における未燃ガスを反応させるための、大気A中の酸素を、大気ダクト36から検出電極311へ十分に供給することができる。
(発熱体34)
図3〜図5に示すように、発熱体34は、ガス室35を形成するガス室側絶縁体33A内に埋設されており、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341に繋がる発熱体リード部342とを有する。発熱部341は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの積層方向Dにおいて、少なくとも一部が検出電極311及び大気電極312に重なる位置に配置されている。
また、発熱体34は、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341の、長尺方向Lの後端側L1に繋がる一対の発熱体リード部342とを有する。発熱部341は、直線部分及び曲線部分によって蛇行する線状の導体部によって形成されている。本形態の発熱部341の直線部分は、長尺方向Lに平行に形成されている。発熱体リード部342は、直線状の導体部によって形成されている。発熱部341の単位長さ当たりの抵抗値は、発熱体リード部342の単位長さ当たりの抵抗値よりも大きい。発熱体リード部342は、長尺方向Lの後端側L2の部位まで引き出されている。発熱体34は、導電性を有する金属材料を含有している。
本形態の発熱部341は、発熱体34における長尺方向Lの先端側L1の位置において、長尺方向Lに蛇行する形状に形成されている。なお、発熱部341は、幅方向Wに蛇行して形成されていてもよい。発熱部341は、長尺方向Lに直交する積層方向Dにおいて、検出電極311及び大気電極312に対向する位置に配置されている。発熱体リード部342からの通電によって発熱部341が発熱することにより、検出電極311、大気電極312、及び固体電解質体31における、各電極311,312の間に挟まれた部分が目標とする温度に加熱される。
発熱部341の断面積は、発熱体リード部342の断面積よりも小さく、発熱部341の単位長さ当たりの抵抗値は、発熱体リード部342の単位長さ当たりの抵抗値よりも高い。この断面積とは、発熱部341及び発熱体リード部342が延びる方向に直交する面の断面積のことをいう。そして、一対の発熱体リード部342に電圧が印加されると、発熱部341がジュール熱によって発熱し、この発熱によって、検知部21の周辺が加熱される。
(絶縁体33A,33B)
図3及び図4に示すように、絶縁体33A,33Bには、ガス室側絶縁体33Aとダクト側絶縁体33Bとがある。ガス室側絶縁体33Aは、固体電解質体31の積層方向Dの第1表面301に積層されており、かつガス室35を形成するとともに発熱体34を埋設するものである。ダクト側絶縁体33Bは、固体電解質体31の積層方向Dの第2表面302に積層されており、かつ大気ダクト36を形成するものである。ガス室35は、ガス室側絶縁体33Aの、固体電解質体31の第1表面301に隣接する部位に形成されており、大気ダクト36は、ダクト側絶縁体33Bの、固体電解質体31の第2表面302に隣接する部位に形成されている。
本形態の第2絶縁部332は、ガス室側絶縁体33Aの第1絶縁部331の、長尺方向Lの先端側L1に位置する部位に形成された凹部333に配置されている。凹部333は、第1絶縁部331の長尺方向Lの先端から発熱部341の長尺方向Lの基端よりも基端側L2まで、第1絶縁部331の幅方向Wの全体において形成されている。そして、第2絶縁部332は、第1絶縁部331の幅方向Wの全体において形成されている。なお、図示は省略するが、凹部333及び第2絶縁部332は、第1絶縁部331の、幅方向Wの両端部付近を除く中央部付近にのみ形成されていてもよい。
図3に示すように、第1絶縁部331における、凹部333が形成された先端側L1の部位の、固体電解質体31の第1表面301から第1絶縁部331の外側表面までの厚みは、第1絶縁部331における、凹部333が形成されていない基端側L2の部位の、固体電解質体31の第1表面301から第1絶縁部331の外側表面までの厚みに比べて薄い。第1絶縁部331の外側表面における、第1絶縁部331の先端側L1の部位と第1絶縁部331の基端側L2の部位との間には、段差面330が形成されている。段差面330は、発熱部341の基端よりも基端側L2に位置して形成されている。第1絶縁部331の凹部333は、発熱体34を埋設する第1絶縁部331の絶縁プレートの積層方向Dの外側における、長尺方向Lの基端側L2の部位に対して、別の絶縁プレートを積層することによって形成されている。
第2絶縁部332は、凹部333の全体に配置されており、第2絶縁部332の外側表面は、第1絶縁部331の外側表面と同一面を形成している。センサ素子2の積層方向Dの外側表面(最も外側の表面)における第1絶縁部331と第2絶縁部332との間には、段差はほとんど形成されていない。また、凹部333に配置された第2絶縁部332は、ガス室側絶縁体33Aの第1絶縁部331に埋設された発熱部341の全体を積層方向Dから覆っている。
ガス室側絶縁体33A及びダクト側絶縁体33Bにおける第1絶縁部331は、検出対象ガスG、大気A等の気体が透過することができない緻密体として形成されている。第1絶縁部331には、気体が通過することができる気孔がほとんど形成されていない。第1絶縁部331は、アルミナ(酸化アルミニウム)等のセラミック粒子が焼成されたことによって、セラミック粒子間に隙間がほとんど形成されていない状態にある。緻密セラミック材料は、セラミック粒子間に隙間がほとんど形成されていないセラミック材料とすることができる。
ガス室側絶縁体33Aにおける第2絶縁部332は、検出対象ガスG、大気A等の気体が透過することができる多孔質体として形成されている。第2絶縁部332には、気体が透過することができる多数の気孔が形成されている。第2絶縁部332における気孔は、アルミナ(酸化アルミニウム)等のセラミック粒子が焼成されたときに、セラミック粒子間に形成された隙間によって構成されている。多孔質セラミック材料は、セラミック粒子間に隙間が形成されたセラミック材料とすることができる。
各絶縁体33A,33Bにおける各絶縁部331,332は、アルミナ以外にも、固体電解質体31との接合強度が保たれる種々の金属酸化物によって形成することができる。各絶縁部331,332は、ジルコニア(二酸化ジルコニウム)等を含有する絶縁性のセラミック材料によって構成することもできる。
第2絶縁部332を構成する多孔質セラミック材料の気孔率は、第1絶縁部331を構成する緻密セラミック材料の気孔率よりも高い。気孔率とは、各絶縁部331,332の単位体積当たりに占める気孔の割合のことをいう。気孔率は、各絶縁部331,332の断面の単位面積当たりに占める気孔の割合に基づいて求めることができる。気孔率は、例えば、各絶縁部331,332を切断した断面を、SEM(走査型電子顕微鏡)によって観察することによって求めることができる。例えば、各絶縁部331,332を所定の間隔で切断した10〜100箇所の切断面についての単位面積当たりの断面気孔率を測定し、全体の気孔率は、複数の断面気孔率の平均に基づいて求めることができる。また、気孔率は、各絶縁部331,332における気体の透過量に基づいて求めることもできる。
例えば、第1絶縁部331の気孔率は、0〜1体積%未満とすることができ、第2絶縁部332の気孔率は、1〜20体積%とすることができる。気孔率が1体積%未満であることにより、第1絶縁体331を気体が透過することができなくなる。また、気孔率が20体積%超過になると、第2絶縁部332の強度が低下するおそれがある。
また、例えば、第2絶縁部332を構成する多孔質セラミック材料に形成された気孔(空隙)は、1〜10μmの大きさの範囲内に形成することができる。気孔の大きさは、気孔の長さを種々の方向から観察した場合に、最大となる長さのこととする。気孔の大きさが1μm未満になると、センサ素子2の製造コストが増大するおそれがある。気孔の大きさが10μm超過になると、第2絶縁部332の強度が低下するおそれがある。
また、第1絶縁部331と第2絶縁部332とは、同質のセラミック材料によって構成することができ、異なるセラミック材料によって構成することもできる。第1絶縁部331と第2絶縁部332とを同質のセラミック材料によって構成する場合には、第2絶縁部332の密度は、第1絶縁部331の密度よりも低くなる。
(多孔質層37)
図1に示すように、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位の全周には、検出電極311に対する被毒物質、排気管7内に生じる凝縮水等を捕獲するための多孔質層37が設けられている。多孔質層37は、アルミナ等の多孔質のセラミック(金属酸化物)によって形成されている。多孔質層37の気孔率は、拡散抵抗部32の気孔率よりも大きく、多孔質層37を透過することができる検出対象ガスGの流量は、拡散抵抗部32を透過することができる検出対象ガスGの流量よりも多い。
(ガスセンサ1の他の構成)
図1に示すように、ガスセンサ1は、センサ素子2の他に、センサ素子2を保持する第1インシュレータ42、第1インシュレータ42を保持するハウジング41、第1インシュレータ42に連結された第2インシュレータ43、第2インシュレータ43に保持されてセンサ素子2に接触する接点端子44を備える。また、ガスセンサ1は、ハウジング41の先端側L1の部分に装着されてセンサ素子2の先端側L1の部分を覆うガス側カバー45、ハウジング41の後端側L2の部分に装着されて第2インシュレータ43、接点端子44等を覆う大気側カバー46、接点端子44に繋がるリード線48を大気側カバー46に保持するためのブッシュ47等を備える。
センサ素子2の先端側L1の部分及びガス側カバー45は、内燃機関の排気管7内に配置される。ガス側カバー45には、検出対象ガスGとしての排ガスを通過させるためのガス通過孔451が形成されている。ガス側カバー45は、二重構造のものとすることができ、一重構造のものとすることもできる。ガス側カバー45のガス通過孔451からガス側カバー45内に流入する検出対象ガスGとしての排ガスは、センサ素子2の多孔質層37及び拡散抵抗部32を通過して検出電極311へと導かれる。
大気側カバー46は、内燃機関の排気管7の外部に配置される。大気側カバー46には、大気側カバー46内へ大気Aを導入するための大気導入孔461が形成されている。大気導入孔461には、液体を通過させない一方、気体を通過させるフィルタ462が配置されている。大気導入孔461から大気側カバー46内に導入される大気Aは、大気側カバー46内の隙間及び大気ダクト36を通過して大気電極312へと導かれる。
接点端子44は、検出電極311及び大気電極312の各電極リード部313、発熱体34の発熱体リード部342のそれぞれに接続されるよう、第2インシュレータ43に複数配置されている。また、リード線48は、接点端子44のそれぞれに接続されている。
図1に示すように、ガスセンサ1におけるリード線48は、ガスセンサ1におけるガス検出の制御を行うセンサ制御装置6に電気接続される。センサ制御装置6は、エンジンにおける燃焼運転を制御するエンジン制御装置と連携してガスセンサ1における電気制御を行うものである。センサ制御装置6には、検出電極311と大気電極312との間に流れる電流を測定する測定回路61、検出電極311と大気電極312との間に電圧を印加する印加回路62等が形成されている。なお、センサ制御装置6は、エンジン制御装置内に構築してもよい。
センサ制御装置6には、発熱体34に通電を行うための通電回路も形成されている。センサ素子2における、検出電極311、大気電極312、及び検出電極311と大気電極312との間に挟まれた固体電解質体31の部分の温度は、発熱体34への通電量によって所定の活性温度になるよう制御される。
(センサ素子2の製造方法)
センサ素子2を製造する際には、固体電解質体31を構成するシート、各第1絶縁部331を構成するシート等を、積層するとともに接着層を介して接着する。また、固体電解質体31を構成するシートには、一対の電極311,312を構成するペースト材料を印刷(塗布)し、ガス室側絶縁体33Aの第1絶縁部331を構成するシートには、発熱体34を構成するペースト材料を印刷(塗布)する。また、第1絶縁部331を構成するシートには、第2絶縁部332を構成するシートを積層する。そして、各シート、各ペースト材料によって形成されたセンサ素子2の中間体を、所定の焼成温度において焼成して、センサ素子2を形成する。
(作用効果)
本形態のガスセンサ1のセンサ素子2においては、緻密セラミック材料からなる第1絶縁部331と、多孔質セラミック材料からなる第2絶縁部332との配置の仕方に工夫をしている。具体的には、第1絶縁部331の長尺方向Lの先端側L1に位置する積層方向Dの表面部位であって、積層方向Dから見て発熱部341に重なる部位には、第1絶縁部331の表面から凹んだ凹部333が形成されている。そして、第2絶縁部332は、凹部333内に配置されており、発熱部341の全体を積層方向Dから覆っている。
つまり、本形態のセンサ素子2のガス室側絶縁体33Aの外側表面においては、長尺方向Lの先端側L1に位置する、発熱部341の積層方向Dに重なる表面部位に、多孔質セラミック材料からなる第2絶縁部332が配置されている。また、ガス室側絶縁体33Aの外側表面における残りの表面部位には、緻密セラミック材料からなる第1絶縁部331が配置されている。
発熱体34において、実際に発熱する部位は発熱部341であり、発熱部341によって、検出電極311及び大気電極312、並びに検出電極311と大気電極312との間に挟まれた固体電解質体31の部分が加熱される。そして、センサ素子2においては、発熱部341の周辺の温度が最も高くなり、発熱部341の周辺が、温度を維持したい部位となる。
本形態のセンサ素子2においては、発熱部341の積層方向Dに重なる表面部位に第2絶縁部332が配置されていることにより、第2絶縁部332の多孔質セラミック材料に含まれる気孔によって、第2絶縁部332における伝熱性が低下する。これにより、発熱部341の周辺において、発熱部341からセンサ素子2の外部への放熱を抑制することができる。
また、第2絶縁部332は、第1絶縁部331の全長には設けられておらず、第1絶縁部331の長尺方向Lの先端側L1の部分を置き換える状態で設けられている。そして、第2絶縁部332の長尺方向Lの基端側L2には、第1絶縁部331が隣接して設けられている。換言すれば、センサ素子2のガス室側絶縁体33Aの基端側L2の部位の表面には第1絶縁部331が配置されていることにより、センサ素子2の強度の低下を抑制することができる。
また、本形態の第2絶縁部332は、発熱体34が埋設されたガス室側絶縁体33Aに設けられている。センサ素子2の積層方向Dにおける一対の外側表面においては、発熱体34の発熱部341が配置された側の外側表面の温度が、反対側の外側表面の温度よりも高くなる。そのため、センサ素子2の積層方向Dにおける、より高温に加熱される側の外側表面に第2絶縁部332を設けることにより、センサ素子2から外部への放熱がより効果的に抑制される。
それ故、本形態のガスセンサ1によれば、センサ素子2の強度を維持した状態で、発熱体34からセンサ素子2の外部への放熱を抑制することができる。
また、第2絶縁部332は、多孔質セラミック材料によって構成されていることにより、第1絶縁部331に比べて熱容量が小さい。そのため、センサ素子2の絶縁体33A,33Bにおける第2絶縁部332の割合が多くなるほど、発熱体34に通電を行うために要する消費電力が低減され、センサ素子2を活性化させるための時間、換言すれば、一対の電極311,312及び一対の電極311,312間に挟まれた固体電解質体31の部分を活性化させるための時間が短縮される。
なお、図6及び図7に示すように、発熱体34は、ダクト側絶縁体33Bに埋設することもできる。この場合には、第2絶縁部332は、発熱体34が埋設されたダクト側絶縁体33Bを構成する第1絶縁部331の表面に配置することができる。この場合にも、発熱体34がガス室側絶縁体33Aに埋設された場合と同様の作用効果を奏することができる。また、図6に示すように、第2絶縁部332は、ダクト側絶縁体33Bを構成する第1絶縁部331の表面だけでなく、ガス室側絶縁体33Aを構成する第1絶縁部331の表面に配置することもできる。
一方、比較品としてのガスセンサにおいて、センサ素子2における全長に亘って第2絶縁部332が設けられている場合には、発熱部341が設けられた長尺方向Lの部位の周辺だけでなく、発熱部341が設けられていない長尺方向Lの部位の周辺においても、センサ素子2の外部への放熱が抑制される。しかし、センサ素子2の一対の発熱体リード部342が設けられた基端側L2の部位においては、先端側L1の部位に必要とされる活性温度までは加熱される必要がなく、センサ素子2の外部への放熱を抑制するメリットがほとんどない。そのため、第2絶縁部332は、センサ素子2の長尺方向Lの先端側L1の部位に設けることで十分であり、センサ素子2の長尺方向Lの基端側L2の部位にまで設ける場合には、センサ素子2の強度が低下する要因となる。
本形態のセンサ素子2においては、ガス室側絶縁体33Aの一部が第2絶縁部332によって形成されていることにより、発熱体34の発熱部341の発熱によって、検知部21を構成する各電極311,312等の温度を所定の作動温度(活性温度)にするために要する、発熱体34への通電のための電力を低減させることができる。具体的には、各電極311,312等の温度を750℃に維持する際に、発熱部341の発熱に要する電力は、第2絶縁部332が第1絶縁部331に置き換えられた場合に比べて、約15%低減されることが分かった。
<実施形態2>
本形態は、図8及び図9に示すように、ガス室側絶縁体33Aだけでなく、ダクト側絶縁体33Bにも第2絶縁部332を配置した場合について示す。第1絶縁部331は、固体電解質体31の積層方向Dの両表面301,302に積層されており、凹部333は、両表面301,302に積層された第1絶縁部331のそれぞれに形成されており、第2絶縁部332は、凹部333のそれぞれに配置されている、
本形態の第2絶縁部332は、ガス室側絶縁体33Aの第1絶縁部331の、長尺方向Lの先端側L1に位置する部位に形成された凹部333と、ダクト側絶縁体33Bの第1絶縁部331の、長尺方向Lの先端側L1に位置する部位に形成された凹部333とに配置されている。換言すれば、第2絶縁部332は、センサ素子2の積層方向Dの両側の外側表面における先端側L1の部位に配置されている。ガス室側絶縁体33Aにおける第2絶縁部332とダクト側絶縁体33Bにおける第2絶縁部332とは、発熱部341の全体を積層方向Dから覆っている。
本形態においては、第2絶縁部332がセンサ素子2の積層方向Dの両側の最表面に配置されていることにより、センサ素子2の中間体を焼成してセンサ素子2を製造する際の、各絶縁体33A,33Bにおける収縮率ができるだけ等しくなるようにすることができる。これにより、製造後のセンサ素子2が積層方向Dに反る等の変形の発生を抑制することができる。
また、本形態のガスセンサ1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態3>
本形態は、図10に示すように、第1絶縁部331に、気孔率が互いに異なる複数層の第2絶縁部332が積層された場合について示す。本形態の第2絶縁部332は、センサ素子2の積層方向Dにおいて第1絶縁部331に隣接して積層された内側絶縁部334と、内側絶縁部334の積層方向Dの外側に隣接して積層されて、内側絶縁部334よりも気孔率が高い外側絶縁部335とによって構成されている。本形態の内側絶縁部334及び外側絶縁部335は、発熱体34が埋設されたガス室側絶縁体33Aの表面に配置されている。
内側絶縁部334の気孔率は、第1絶縁部331の気孔率よりも高い。内側絶縁部334の気孔率は、1〜15体積%とすることができ、より好ましくは、3〜12体積%とすることができる。外側絶縁部335の気孔率は、内側絶縁部334の気孔率よりも高いことを前提として、5〜20体積%とすることができ、より好ましくは、8〜15体積%とすることができる。第1絶縁部331の気孔率は、実施形態1の場合と同様である。
セラミック材料における、熱による、体積の膨張又は長さの伸びの割合を示す熱膨張係数は、物体の気孔率が増加するほど小さくなる傾向にある。そのため、複数の物体間の気孔率を近づけることにより、物体間の熱膨張係数を近づけることができる。また、物体間の熱膨張係数の差が大きいほど、物体間の界面においては、大きな応力が生じ、界面の剥離が生じやすくなる。
本形態においては、第1絶縁部331に隣接して積層された内側絶縁部334の気孔率を、第1絶縁部331の気孔率に近くし、内側絶縁部334に隣接して積層された外側絶縁部335の気孔率を、内側絶縁部334の気孔率に近くすることができる。つまり、第2絶縁部332の気孔率が、第1絶縁部331から離れるに従って段階的に高くなるようにすることができる。これにより、第1絶縁部331と第2絶縁部332との界面に生じる熱膨張係数の差をできるだけ小さくすることができる。そのため、第1絶縁部331と第2絶縁部332との間に熱応力が生じにくくすることができ、第1絶縁部331と第2絶縁部332との界面に剥離が生じにくくすることができる。
また、外側絶縁部335は、内側絶縁部334に比べて熱膨張係数が小さいため、センサ素子2が加熱された際に、外側絶縁部335の長尺方向Lへの伸び量は、内側絶縁部334の長尺方向Lへの伸び量よりも小さくなる。センサ素子2が加熱された際に、外側絶縁部335が形成された積層方向Dの部位の、長尺方向Lの全長における伸び量と、内側絶縁部334が形成された積層方向Dの部位の、長尺方向Lの全長における伸び量とを揃えるために、以下の構成にすることができる。
すなわち、センサ素子2においては、外側絶縁部335の長尺方向Lの長さを、内側絶縁部334の長尺方向Lの長さよりも短くするとともに、外側絶縁部335の長尺方向Lの基端側L2に隣接する第1絶縁部331の長尺方向Lの長さを、内側絶縁部334の長尺方向Lの基端側L2に隣接する第1絶縁部331の長尺方向Lの長さを長くすることができる。
換言すれば、外側絶縁部335の長尺方向Lへの伸び量が少ない分、外側絶縁部335の積層方向Dの形成部位においては、センサ素子2の全長に占める、第1絶縁部331の割合を多くして、外側絶縁部335の基端側L2に隣接する第1絶縁部331の長尺方向Lへの伸び量を多くする。また、内側絶縁部334の長尺方向Lへの伸び量が多い分、内側絶縁部334の積層方向Dの形成部位においては、センサ素子2の全長に占める、第1絶縁部331の割合を少なくして、内側絶縁部334の基端側L2に隣接する第1絶縁部331の長尺方向Lへの伸び量を少なくする。
これにより、外側絶縁部335と内側絶縁部334との界面に熱膨張係数の差による熱応力が作用しにくくして、外側絶縁部335と内側絶縁部334との界面に剥離が生じにくくすることができる。なお、外側絶縁部335及び内側絶縁部334は、長尺方向Lの先端から基端側L2に向けて形成されている。
また、図11に示すように、内側絶縁部334及び外側絶縁部335は、ガス室側絶縁体33Aの表面だけでなく、ダクト側絶縁体33Bの表面に配置することもできる。
また、図12に示すように、第2絶縁部332は、気孔率が互いに異なる3層以上に形成し、積層方向Dの外側に位置するものほど気孔率が高くなるようにすることができる。例えば、内側絶縁部334と外側絶縁部335との間には、内側絶縁部334よりも気孔率が高いとともに外側絶縁部335よりも気孔率が低い中間絶縁部336を形成することができる。中間絶縁部336は、内側絶縁部334と外側絶縁部335との気孔率の差を緩和するものであり、中間絶縁部336があることによって、絶縁部334,335,336間の界面に作用する熱応力を緩和することができる。また、中間絶縁部336は、さらに気孔率が互いに異なる複数の絶縁部の層として形成されていてもよい。絶縁部334,335,336は、ガス室側絶縁体33Aに形成するだけでなく、ダクト側絶縁体33Bに形成してもよい。
また、本形態のガスセンサ1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
<実施形態4>
本形態は、図13及び図14に示すように、第2絶縁部332に、多数の気孔を形成する以外に、セラミック材料の固体部分が除かれた空洞337が形成された場合について示す。空洞337は、第2絶縁部332における、第1絶縁部331と対面する表面から第2絶縁部332内に凹む状態で形成されている。空洞337は、第1絶縁部331を構成する緻密セラミック材料と、第2絶縁部332を構成する多孔質セラミック材料とによって囲まれている。本形態の空洞337が形成された第2絶縁部332は、発熱体34が埋設されたガス室側絶縁体33Aの表面に配置されている。
空洞337の長尺方向Lの長さは、発熱部341の長尺方向Lの長さよりも大きく、空洞337の幅方向Wの幅は、発熱部341の幅方向Wの幅よりも大きい。そして、センサ素子2を積層方向Dから見た場合に、空洞337は、発熱部341の全体に対して重なる位置に形成されている。
空洞337の積層方向Dの厚みは、0.01〜0.1mmの範囲内にある。空洞337を0.01mm未満の厚みに形成することは難しく、空洞337を0.01mm未満の厚み形成しようとすると、空洞337が閉塞されるおそれがある。一方、空洞337の厚みを0.1mm超過にすると、第2絶縁部332の強度が低下するおそれがある。
空洞337が形成されていることにより、第2絶縁部332における伝熱性をより低下させることができる。そして、発熱部341からセンサ素子2の外部への放熱をより効果的に抑制することができる。
また、図15に示すように、空洞337が形成された第2絶縁部332は、ガス室側絶縁体33Aの表面だけでなく、ダクト側絶縁体33Bの表面に配置することもできる。
また、図16に示すように、空洞337は、第2絶縁部332の内部において、第2絶縁部332を構成する多孔質セラミック材料によって囲まれた状態で形成することもできる。この場合には、空洞337によって、中空形状の第2絶縁部332が形成される。
また、本形態のガスセンサ1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の場合と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の場合と同様である。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
1 ガスセンサ
2 センサ素子
31 固体電解質体
311,312 電極
33A,33B 絶縁体
331 第1絶縁部
332 第2絶縁部
333 凹部
34 発熱体
341 発熱部

Claims (5)

  1. 長尺形状のセンサ素子(2)を有するガスセンサ(1)において、
    前記センサ素子は、
    板状の固体電解質体(31)と、
    前記固体電解質体における、両表面(301,302)の互いに重なる位置に設けられた一対の電極(311,312)と、
    前記固体電解質体の積層方向(D)に積層された絶縁体(33A,33B)と、
    前記絶縁体における、一対の前記電極に重なる位置に埋設された発熱部(341)及び前記発熱部に繋がる一対のリード部(342)を有する発熱体(34)と、を備え、
    前記絶縁体は、
    前記固体電解質体に隣接して積層されて、気体を通過させない緻密セラミック材料からなる第1絶縁部(331)と、
    前記第1絶縁部の前記積層方向の外側に積層されて、前記第1絶縁部よりも気孔率が高い多孔質セラミック材料からなる第2絶縁部(332)と、を有し、
    前記第1絶縁部の、前記センサ素子の長尺方向(L)の先端側(L1)に位置する表面部位であって、前記積層方向から見て前記発熱部に重なる部位には、前記第1絶縁部の表面から凹んだ凹部(333)が形成されており、
    前記第2絶縁部は、前記凹部に配置されている、ガスセンサ。
  2. 前記絶縁体の前記第1絶縁部は、前記固体電解質体の前記積層方向の両表面に積層されており、
    前記凹部は、前記両表面に積層された前記第1絶縁部のそれぞれに形成されており、
    前記第2絶縁部は、前記凹部のそれぞれに配置されている、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記絶縁体には、
    前記固体電解質体の前記積層方向の第1表面(301)に積層され、拡散抵抗部(32)を介して検出対象ガス(G)が導入されるとともに前記一対の電極のうちの検出電極(311)を収容するガス室(35)が前記第1表面に隣接して形成されたガス室側絶縁体(33A)と、
    前記固体電解質体の前記積層方向の第2表面(302)に積層され、大気(A)が導入されるとともに前記一対の電極のうちの大気電極(312)を収容する大気ダクト(36)が前記第2表面に隣接して形成されたダクト側絶縁体(33B)とがあり、
    前記第2絶縁部には、
    前記ガス室側絶縁体の前記第1絶縁部の、前記長尺方向の先端側に位置する部位に形成された前記凹部に配置されて、前記発熱部を前記積層方向から覆うものと、
    前記ダクト側絶縁体の前記第1絶縁部の、前記長尺方向の先端側に位置する部位に形成された前記凹部に配置されて、前記発熱部を前記積層方向から覆うものとがある、請求項1に記載のガスセンサ。
  4. 前記第2絶縁部は、
    前記積層方向において前記第1絶縁部に隣接して積層された内側絶縁部(334)と、
    前記内側絶縁部の前記積層方向の外側に隣接して積層され、前記内側絶縁部よりも気孔率が高い外側絶縁部(335)と、を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  5. 前記第2絶縁部内には、空洞(337)が形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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