JP2020062674A - 異鋼種連続鋳造用仕切板及び異鋼種連続鋳造方法 - Google Patents

異鋼種連続鋳造用仕切板及び異鋼種連続鋳造方法 Download PDF

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【課題】異鋼種の溶鋼を連続して鋳造するにあたり、溶鋼の成分が混合する混合域の長さを短縮する。【解決手段】鋼種の異なる溶鋼を連続して鋳造する際に用いられる異鋼種連続鋳造用仕切板100は、水平方向に延伸した本体部101と、本体部101の長手方向両端部に設けられる支体部102と、を有する。支体部102の一端部102aは、本体部101の長手方向端部に接続され、支体部102の他端部102bは、本体部101の底面より上方に位置する。【選択図】図5

Description

本発明は、鋼種の異なる溶鋼を連続して鋳造する際に用いられる異鋼種連続鋳造用仕切板、及び当該異鋼種連続鋳造用仕切板を用いた異鋼種連続鋳造方法に関する。
鋼の製造における連続鋳造工程では、鋼材の強度や加工性、耐疲労性等の低下の原因となる、酸化物等の介在物を溶鋼から除去するとともに、圧延工程における加工を容易にするために一定の形状を有する半製品を製造する。かかる連続鋳造において、鋼種の異なる2種類の溶鋼を鋳型に連続して注入する場合、それぞれの溶鋼の境界面において両溶鋼の成分が混合し、いずれの鋼種の製品規格も満足せず、スクラップとして廃棄せざるを得ない混合域が発生してしまう。
従来、この異鋼種の溶鋼の連続鋳造において成分の混合を抑制するために、鋳型内のそれぞれの溶鋼の間に仕切板を挿入して溶鋼同士を仕切り、前記混合域をできるだけ小さくすることが行われている。
特許文献1には、異鋼種の溶鋼の連続鋳造方法として、前溶鋼(第1の溶鋼)の注入完了後、異鋼種仕切用のV字型に形成された仕切板を鋳型内に挿入し、当該仕切板を介して、後溶鋼(第2の溶鋼)を鋳型に注入する方法が開示されている。これにより、異鋼種の溶鋼を連続鋳造するに際してタンディッシュ(取鍋と鋳型間の中間容器)を交換する必要が無く、異鋼種の連続鋳造操業が可能となるため、費用、操業時間を削減することができる。
特開平2−197355号公報
特許文献1に記載の異鋼種連続鋳造用の仕切板は、当該仕切板が鋳型の内壁に接触することを回避するため、また、鋳型内に形成された凝固シェルとの干渉を防止するため、鋳型の内壁面と仕切板との間に間隙が発生する程度の大きさで形成されている。このように間隙が存在する状態で第2の溶鋼の注入を行うと、第2の溶鋼が間隙を介して仕切板の下方へ進出し、第1の溶鋼と混合しやすくなる。そうすると、第1の溶鋼と第2の溶鋼が混合した混合域が長くなり、すなわち製品としての不良部が長くなる場合がある。したがって、特許文献1に記載の異鋼種連続鋳造用の仕切板には改善の余地があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、異鋼種の溶鋼を連続して鋳造するにあたり、溶鋼の成分が混合する混合域の長さを短縮することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、鋼種の異なる溶鋼を連続して鋳造する際に用いられる異鋼種連続鋳造用仕切板であって、水平方向に延伸した本体部と、前記本体部の長手方向両端部に設けられる支体部と、を有し、前記支体部の一端部は、前記本体部の長手方向端部に接続され、前記支体部の他端部は、前記本体部の底面より上方に位置することを特徴としている。
本発明によれば、本体部の両端部に設けられる支体部の他端部が、本体部の底面より上方に位置するため、従来と比べて鋳型内における溶鋼の流速最大点(支体部の他端部と鋳型の短辺壁との間隙を流れる溶鋼の流速)を上方にずらすことができる。これにより、流速最大点からの下降流の長さを短縮することができ、すなわち先に注入される第1の溶鋼と後に注入される第2の溶鋼の混合域を狭くすることができる。なお、本発明における鋳型内の溶鋼の流れについては、その詳細を実施形態において説明する。
前記本体部は、長手方向に垂直な断面においてV字型の形状を有していてもよい。
前記支体部は、前記本体部の長手方向端部から上方に傾斜して設けられていてもよい。
前記支体部は、前記本体部の長手方向端部に接続された前記一端部から水平方向に延伸した水平部と、当該水平部から前記他端部に向けて上方に傾斜した傾斜部と、を有していてもよい。
前記支体部の水平方向からの傾斜角度は30〜60度であるのが好ましい。
前記支体部は、前記本体部に対して着脱自在に構成されていてもよい。
前記本体部は、前記タンディッシュ底部に着脱自在に吊り下げて設けられていてもよい。
別な観点による本発明は、前記異鋼種連続鋳造用仕切板を用いて、鋼種の異なる溶鋼を連続して鋳造する異鋼種連続鋳造方法であって、鋳型に第1の溶鋼を注入する工程と、その後、前記鋳型に前記異鋼種連続鋳造用仕切板を挿入する工程と、その後、前記鋳型に第2の溶鋼を注入する工程と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、異鋼種の溶鋼を連続して鋳造するにあたり、溶鋼の成分が混合する混合域の長さを短縮することができる。
本実施形態にかかる仕切板を備えた連続鋳造設備の構成の概略を模式的に示した説明図である。 鋳型と浸漬ノズルの構成の概略を示す横断面の説明図である。 仕切板、鋳型、浸漬ノズル及びタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 仕切板、鋳型、浸漬ノズル及びタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 本実施形態にかかる仕切板の構成の概略を模式的に示した斜視図である。 異鋼種の溶鋼の連続鋳造において鋳型への仕切板の挿入工程を模式的に示した説明図である。 鋳型内における溶鋼の流れを示した説明図である。 鋳型内において第1の溶鋼に対する第2の溶鋼の混合比を示すグラフである。 鋳型内において第1の溶鋼に対する第2の溶鋼の混合比が0.2となる深さを示すグラフである。 他の実施形態にかかる仕切板の構成の概略を模式的に示した斜視図である。 他の実施形態にかかる仕切板の構成の概略を模式的に示した斜視図である。 他の実施形態にかかる仕切板の構成の概略を模式的に示した斜視図である。 他の実施形態にかかる仕切板の構成の概略を模式的に示した斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<連続鋳造設備の構成>
まず、本発明の実施形態にかかる異鋼種連続鋳造用仕切板(以下、仕切板という)を備えた連続鋳造設備1の構成について説明する。図1は、連続鋳造設備1の構成の概略を示す説明図である。なお、以下の説明においては、連続鋳造設備1において、鋼種の異なる溶鋼(後述する第1の溶鋼4a及び第2の溶鋼4b)を連続して鋳造する場合について説明する。
図1に示すように連続鋳造設備1は、溶鋼を貯留するタンディッシュ2、タンディッシュ2の底部から鋳型3に鋼種の異なる第1の溶鋼4a及び第2の溶鋼4bを注入する浸漬ノズル5、鋳型3から引き出される鋳片6を通過させる一対のロール群7、7を備えている。ロール群7には、鋳片6を案内する複数の圧下ロール8が、鋳片6の鋳造方向に並べて配置されている。
タンディッシュ2には、当該タンディッシュ2を鋳型3の厚み方向、すなわち鉛直方向へ移動させるための、例えばアクチュエータ等の昇降機構(図示せず)が設けられる。これにより、タンディッシュ2は底部に設けられた浸漬ノズル5と一体となって鉛直方向に移動自在に構成されており、当該浸漬ノズル5は鋳型3に対して進退自在に構成されている。
図2に示すように鋳型3は、例えば一対の長辺壁10、10と一対の短辺壁11、11を備えた、略長方形の水平断面形状を有している。鋳型3の内部には、浸漬ノズル5及び後述の仕切板100がそれぞれ挿入され、浸漬ノズル5の下端近傍に形成された後述の吐出口50から、第1の溶鋼4a及び第2の溶鋼4bの注入が行われる。
図3及び図4に示すように、鋳型3の上部には、タンディッシュ2の底部に連通する浸漬ノズル5が設けられている。浸漬ノズル5の側面の下端近傍には、鋳型3内へ斜め下向きに第1の溶鋼4a及び第2の溶鋼4bを吐出する吐出口50が、鋳型3の短辺壁11に対向して2箇所形成されている。吐出口50から斜め下方に吐出される溶鋼流F1は、例えば溶鋼が冷却されることで鋳型3の短辺壁11に凝固した凝固シェル30に衝突し、上昇する溶鋼流F2と下降する溶鋼流F3に分岐する。溶鋼流F1には、アルミナやスラグ系等の介在物31が含まれている。介在物31は、例えば上昇する溶鋼流F2等によってメニスカス32近傍まで浮上する。なお、メニスカス32上には、溶融酸化物を有する溶融パウダー33が供給されている。
浸漬ノズル5の下方には、鋳型3内に略水平に挿入され、第1の溶鋼4a及び第2の溶鋼4bの混合を抑制する仕切板100が設けられている。図5に示すように仕切板100は、本体部101、支体部102、及び縦板部103を有している。
本体部101は、その長手方向が水平方向に延伸し、長手方向に垂直な断面において例えばV字型の形状を有している。そして、本体部101は、鋳型3内に略水平に挿入される。ここで、本体部101の下方に介在物31があると、第1の溶鋼4a又は第2の溶鋼4bにおける連結性が悪くなるおそれがある。この点、本実施形態では本体部101がV字形状を有しているので、介在物31を除去できる。但し、本体部101の短手方向の側面形状は、V字形状に限定されず、例えば半円形状であってもよいし、平板形状であってもよい。
支体部102は、本体部101の長手方向両端部に設けられている。支体部102の一端部102aは、本体部101の長手方向端部に接続されている。支体部102の他端部102bは、本体部101の底面より上方に位置している。支体部102は、長手方向側面視において、本体部101の端部から上方に傾斜して設けられている。この支体部102の水平方向からの傾斜角度は、後述するように30〜60度であることが好ましい。なお、支体部102は長手方向に垂直な断面において、本体部101と同様に、例えばV字型の形状を有している。但し、支体部102の短手方向の側面形状は、V字形状に限定されず、例えば半円形状であってもよいし、平板形状であってもよい。
縦板部103は、鋳型3内に挿入された状態において、本体部101から鉛直上方に延伸している。縦板部103は、タンディッシュ2の底部に設けられた取り付け治具20に対して、吊軸104及び吊具105を介して吊り下げて設けられている。吊軸104及び吊具105はそれぞれ、縦板部103の上部(取り付け治具20側)に設けられている。取り付け治具20は、固定部材21、固定部材21に対して回動自在の支持部材22、吊軸104を保持する中空部材23、及び吊具105を吊り下げるフック24を有している。そして、仕切板100は、取り付け治具20及び縦板部103の間で回動自在、及び着脱自在に構成されている。
図2に示すように仕切板100(本体部101、支体部102)は、鋳型3及び凝固シェル30との接触、干渉を回避するため、平面視において鋳型3の開口部(一対の長辺壁10、10及び一対の短辺壁11、11によって囲まれた範囲)よりも小さくなるように形成されている。そして、仕切板100の端部と鋳型3の長辺壁10、10との間には、間隙10a、10aが形成される。また、支体部102の他端部102bと短辺壁11、11との間には、間隙11a、11aが形成される。
<異鋼種溶鋼の連続鋳造方法>
次に、以上のように構成された連続鋳造設備1を用いた、異鋼種の第1の溶鋼4a及び第2の溶鋼4bの連続鋳造方法について説明する。具体的には、タンディッシュ2から鋳型3への第1の溶鋼4a及び第2の溶鋼4bの注入工程について説明する。
まず、図6(a)に示すように仕切板100が鋳型3の外部に退避した状態で、第1の溶鋼4aの注入が行われる。続いて、第1の溶鋼4aの注入が終了すると第2の溶鋼4bの注入前に、図6(b)に示すようにタンディッシュ2が昇降機構(図示せず)により上昇し、これにより取り付け治具20に取り付けられた仕切板100が一体となって持ち上げられ、鋳型3の開口部の上方に仕切板100が配置される。その後、図6(c)に示すようにタンディッシュ2が昇降機構により降下され、鋳型3内に仕切板100が挿入される。仕切板100が鋳型3内の所定位置まで挿入されると、図6(d)に示すように取り付け治具20から仕切板100が取り外された後、浸漬ノズル5の吐出口からの第2の溶鋼4bの注入が開始される。また、取り外された仕切板100は、鋳造速度で下降する。
次に図7に基づいて、吐出口50から注入される第2の溶鋼4bの鋳型3内における流れを説明する。図7(a)、(b)は従来の仕切板500、すなわち支体部を有しない本体部501と縦板部503のみからなる仕切板500を鋳型3内に挿入した直後(図7(a))と、仕切板500の挿入から一定時間経過後の状態(図7(b))を示している。また、図7(c)、(d)は本実施形態にかかる仕切板100、すなわち本体部101、支体部102及び縦板部103を有する仕切板100を鋳型3内に挿入した直後(図7(c))と、仕切板100の挿入から一定時間経過後の状態(図7(d))を示している。
まず図7(a)、(b)に基づいて、本実施形態の比較例として、従来の仕切板500を鋳型3内に投入した場合における第2の溶鋼4bの流れを説明する。
図7(a)に示すように、浸漬ノズル5の吐出口50から吐出された第2の溶鋼4bによる溶鋼流G1は、鋳型3内へ斜め下向きに吐出され、縦板部503によって上昇する溶鋼流G11と下降しつつ中央側に拡散する溶鋼流G12に分岐する。溶鋼流G12は、仕切板500の本体部501の長辺と鋳型3の長辺壁10との間に形成された間隙10aから、仕切板500の下方へと進出し、溶鋼流G13を形成する。
第2の溶鋼4bの注入開始から一定時間が経過すると、図7(b)に示すように仕切板500が鋳型3内を下降する。かかる状態となることで、浸漬ノズル5から吐出される溶鋼流G1は、鋳型3の短辺壁11まで到達するようになり、ここで上昇する溶鋼流G2と下降する溶鋼流G3とに分岐するようになる。溶鋼流G3は、短辺壁11と仕切板との間に形成された間隙11aを通って仕切板500の下方へと進出し、短辺壁11に沿って溶鋼流G4を形成する。
第2の溶鋼4bの流速は、仕切板500の長手方向端部と短辺壁11との間、すなわち、流路が制限されている間隙11aにおいて最も速くなり、仕切板500を通過した後に減衰しながら下方の第1の溶鋼4a側へ進出する。すなわち、かかる溶鋼流G4によって第1の溶鋼4aと第2の溶鋼4bが混合され、不良部となる混合域が生じることになる。
なお、溶鋼流G4の一部は仕切板500の下方へ進出した後、仕切板500の長手方向(水平方向)に沿って鋳型3の中央側へ拡散し(溶鋼流G5)、鋳型3の長辺壁10の中央付近において間隙10aを介して仕切板500の上方へ還流し(溶鋼流G6)、かかる溶鋼流G6は混合域の短縮に寄与する。
次に図7(c)、(d)に基づいて、本実施形態にかかる仕切板100を鋳型3内に投入した場合における第2の溶鋼4bの流れを説明する。
図7(c)に示すように仕切板100を鋳型3内に挿入した直後の第2の溶鋼4bの流れは、図7(a)に示した第2の溶鋼4bの流れとほぼ同様である。すなわち図7(c)に示すように、浸漬ノズル5の吐出口50から吐出された第2の溶鋼4bによる溶鋼流F1は、鋳型3内へ斜め下向きに吐出され、縦板部103によって上昇する溶鋼流F11と下降しつつ中央側に拡散する溶鋼流F12に分岐する。溶鋼流F12は、仕切板100の本体部101の長辺と鋳型3の長辺壁10との間に形成された間隙10aから、仕切板の下方へと進出し、溶鋼流F13を形成する。
第2の溶鋼4bの注入開始から一定時間が経過すると、図7(d)に示すように仕切板100が鋳型3内を下降する。かかる状態となることで、浸漬ノズル5から吐出される溶鋼流F1は、鋳型3の短辺壁11まで到達するようになり、ここで上昇する溶鋼流F2と下降する溶鋼流F3とに分岐するようになる。溶鋼流F3は、短辺壁11と仕切板100の支体部102の他端部102bとの間に形成された間隙11aを通って仕切板100の下方へと進出し、短辺壁11に沿って溶鋼流F4を形成する。
第2の溶鋼4bの流速は、支体部102の他端部102bと短辺壁11との間、すなわち、流路が制限されている間隙11aにおいて最も速くなり、仕切板100を通過した後に減衰しながら下方の第1の溶鋼4a側へ進出する。この際、本実施形態においては支体部102が本体部101に対して傾斜して設けられているため、間隙11aの高さ位置が従来と比べて上方に移動している。これにより、第2の溶鋼4bの流速最大点を上方に移動させることができ、すなわち、より上方から第2の溶鋼4bの流れを減衰させることができ、第1の溶鋼4aと第2の溶鋼4bとの混合域を短縮することができる。
またさらに、溶鋼流F4の一部は仕切板100の下方へ進出した後、仕切板100の支体部102の傾斜に沿って鋳型3の中央側へ拡散し(溶鋼流F5)、鋳型3の長辺壁10の中央付近において間隙10aを介して仕切板100の上方へ還流する(溶鋼流F6)。ここで、第2の溶鋼4bは傾斜に沿って中央部方向へと拡散されるため、鋳型3の中央方向への溶鋼流F5を従来の溶鋼流G5と比べて鉛直上方方向において形成することができ、このことからも第1の溶鋼4aと第2の溶鋼4bとの混合域を短縮することができる。
なお、上述したように支体部102は本体部101に対して、水平方向から30〜60度の傾斜角度をもって配置されるのが好ましい。支体部102の傾斜角度が30度よりも小さいと、仕切板100と鋳型3との間隙11aの位置と本体部101の底面との相対位置、すなわち高低差を大きくとることができないことに加え、当該間隙11aを通過した後の溶鋼流F4が支体部102から剥離して、傾斜に沿って中央方向へ第2の溶鋼4bを導きにくくなる。一方、支体部102の傾斜角度が60度よりも大きいと、支体部102の傾斜に沿って溶鋼流F5が流れやすくなるものの、間隙断面積、すなわち短辺壁11と支体部102の他端部102bとの間との距離が大きくなり、溶鋼流F4が減衰する効果が小さくなる。したがって、支体部102の傾斜を30〜60度の範囲で設定することにより、第1の溶鋼4aと第2の溶鋼4bとの混合域をより短縮することができる。
<本実施形態の効果>
次に、以上の実施形態にかかる仕切板100の効果を確かめるための検証例を示す。本検証例においては、本実施形態として、仕切板100における支体部102の水平方向範囲が100mmであり、支体部102の水平方向からの傾斜角度が45度である仕切板100を使用して、第1の溶鋼4aと第2の溶鋼4bの連続鋳造を行い、当該溶鋼の成分混合を調査した。また、比較例である従来例として、仕切板500を使用して異鋼種の溶鋼の成分混合を調査した。なお、調査は、汎用の流体解析ソフトを用いて、シミュレーションを行った。
図8は、本検証結果を示す線グラフである。図8(a)〜(d)のそれぞれのグラフの縦軸は注入開始5分後における、第1の溶鋼4aに対する第2の溶鋼4bの混合比であり、横軸は仕切板100の本体部101底面から鉛直下方向への距離である。また図8における「幅」は、鋳型3の長手方向における幅を表し、例えば「幅センター」は長辺壁10の中心であり、「幅3/8」、「幅1/4」、「幅1/8」はそれぞれ幅センター(長辺壁1/2)を基準とした長辺壁10上における位置を示している。
図8に示すように、本実施形態では従来と比べて、鋳型3内の長辺壁10のいずれのポイントにおいても、混合比が低下していることが分かる。例えば、幅センターにおける混合比0.1(第2の溶鋼4bの混合率10%)となる仕切板100からの距離、すなわち混合域の長さをみると、従来では混合比0.1となるのが約1.3mの位置だったのに対し、本実施形態では約0.8mとなっている。このように、仕切板100に支体部102のような傾斜部を設けることで、混合域を短縮することができる。
また、図9(a)、(b)はそれぞれ本検証結果として、第2の溶鋼4bの注入開始から5分後における、混合比0.2となる深さ(仕切板100の底面からの距離)を示す棒グラフである。また、図9(a)は鋳型3の短辺壁11から支体部102の他端部102bまでの距離(従来例においては、短辺壁11から仕切板500の端部までの距離)が75mmである場合を示し、図9(b)は当該距離が175mmである場合の結果を示している。なお、混合比0.2は、例えば製品規格としての許容混合比である。
図9(a)に示すように、本実施の形態において短辺壁11から支体部102の端部までの距離を75mmとした場合の、注入開始後5分後に混合比0.2となる深さは、従来の仕切板500を使用した場合と比べて、すなわち支体部102が無い場合と比べて約0.35m短縮された。また、図9(b)に示すように、本実施形態において短辺壁11から支体部102の端部までの距離を175mmとした場合、従来の仕切板500を使用した場合と比べて約0.41m以上短縮された。
この結果によれば、仕切板100に傾斜した支体部102を設けることにより第1の溶鋼4aと第2の溶鋼4bとの混合域を短縮することができ、また、短辺壁11との距離の調節を行うことにより、混合域の短縮効果をさらに向上できることが分かった。また、本検証例のように例えば混合域の長さ、すなわち不良部となる長さを短縮することができるので、歩留まりを改善することができる。またさらに、潜在的な効果として、鋳片分析後に行う追い込み切断を削減することができる可能性がある。
<他の実施形態>
以上の実施形態によれば、仕切板100において本体部101の両端部に傾斜(支体部102)を設けることにより、混合域を短縮することができた。かかる効果は、間隙11aの高さ方向位置が、従来と比べて上方に移動したことに起因するものである。すなわち、間隙11aの高さ方向位置を本体部101の底面より上方に位置することができれば、仕切板100の形状は上記実施形態に限られない。
例えば図10に示すように、仕切板200は鉛直上方に延伸する縦板部103の上端に、短辺壁11に向けて延伸する支体部201を有するように構成してもよい。かかる形状とすることにより上記実施形態と同様に間隙11aの位置を本体部101の底面より上方に位置することができ、混合域の長さを短縮することができる。
なお、かかる形態において支体部201は、長手方向に垂直な断面においてV字型の形状を有するように構成してもよいし、あるいは円形状や平板形状によって構成されていてもよい。また、仕切板200は、支体部201の下方に、本体部101から延伸する別の支体部(図示せず)をさらに有するように構成してもよい。
また、上記検証例によれば、短辺壁11と支体部102の他端部102bとの距離、すなわち間隙11aの大きさを調節することにより、混合域の短縮を調節することができることが分かった。このことから、図11に示すように仕切板300は、例えば支体部102の先端に、短辺壁11との間の距離を調節できる付属部301を接続できるように構成してもよい。付属部301は、支体部102の延伸方向に対して延長して設けられる。また、付属部301の長手方向に垂直な断面における形状は、支体部102と同様であり、例えばV字型の形状である。そして、支体部102に付属部301を延設することで、混合域の長さをさらに短縮することができる。
また、例えば図12及び図13に示すように仕切板400において、支体部401、402は、本体部101に対して着脱自在に構成されていてもよい。これら支体部401、402の形状は任意に設計することができる。図12に示すように支体部401は、上記実施形態の支体部102と略同一の形状、すなわち本体部101から上方に傾斜した形状を有していてもよい。あるいは、図13に示すように支体部402は、本体部101から水平方向に延伸した水平部402aと、当該水平部402aから上方に傾斜した傾斜部402bとを有していてもよい。また、支体部401、402の長手方向に垂直な断面の形状は、それぞれ図示の例のようにV字型であってもよいし、あるいは円形状や平板形状であってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、鋼種の異なる溶鋼を連続して鋳造する際に有用である。
1 連続鋳造設備
2 タンディッシュ
3 鋳型
4a 第1の溶鋼
4b 第2の溶鋼
5 浸漬ノズル
6 鋳片
7 ロール群
8 圧下ロール
10 長辺壁
10a 間隙
11 短辺壁
11a 間隙
20 取り付け治具
21 固定部材
22 支持部材
23 中空部材
24 フック
30 凝固シェル
31 介在物
32 メニスカス
33 溶融パウダー
50 吐出口
100 仕切板
101 本体部
102 支体部
102a 一端部
102b 他端部
103 縦板部
104 吊軸
105 吊具
200 仕切板
201 支体部
300 仕切板
301 付属部
400 仕切板
401、402 支体部
402a 水平部
402b 傾斜部

Claims (8)

  1. 鋼種の異なる溶鋼を連続して鋳造する際に用いられる異鋼種連続鋳造用仕切板であって、
    水平方向に延伸した本体部と、
    前記本体部の長手方向両端部に設けられる支体部と、を有し、
    前記支体部の一端部は、前記本体部の長手方向端部に接続され、
    前記支体部の他端部は、前記本体部の底面より上方に位置することを特徴とする、異鋼種連続鋳造用仕切板。
  2. 前記本体部は、長手方向に垂直な断面においてV字型の形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の異鋼種連続鋳造用仕切板。
  3. 前記支体部は、前記本体部の長手方向端部から上方に傾斜して設けられることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の異鋼種連続鋳造用仕切板。
  4. 前記支体部は、前記本体部の長手方向端部に接続された前記一端部から水平方向に延伸した水平部と、当該水平部から前記他端部に向けて上方に傾斜した傾斜部と、を有することを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の異鋼種連続鋳造用仕切板。
  5. 前記支体部の水平方向からの傾斜角度は30〜60度であることを特徴とする、請求項3又は4のいずれか一項に記載の異鋼種連続鋳造用仕切板。
  6. 前記支体部は、前記本体部に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の異鋼種連続鋳造用仕切板。
  7. 前記本体部は、前記タンディッシュ底部に着脱自在に吊り下げて設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の異鋼種連続鋳造用仕切板。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の異鋼種連続鋳造用仕切板を用いて、鋼種の異なる溶鋼を連続して鋳造する異鋼種連続鋳造方法であって、
    鋳型に第1の溶鋼を注入する工程と、
    その後、前記鋳型に前記異鋼種連続鋳造用仕切板を挿入する工程と、
    その後、前記鋳型に第2の溶鋼を注入する工程と、を有することを特徴とする、異鋼種連続鋳造方法。
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