[第1実施形態]
以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る第1実施形態を、図1〜図9に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10の遊技盤11は、ガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域YRが形成され、その遊技領域YR内に表示装置13が備えられている。遊技領域YRのうち表示装置13の下方中央には、第1始動入賞口14A、第2始動入賞口14B、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。
図2(A)に拡大して示すように、上下の各始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
上側に配置された第1始動入賞口14Aは、上方を向いて開放しており、その開口幅は遊技球が1つだけ入る大きさになっている。一方、下側に配置された第2始動入賞口14Bは、第1始動入賞口14Aの真下に配置されて上方を向いて開放しており、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、可動翼片14C,14Cに挟まれた第2始動入賞口14Bの開口幅は、第1始動入賞口14Aの開口幅よりも大きく遊技球が複数個入る大きさになっている。また、第2始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、図2(A)に示すように、可動扉15Tにて閉塞されている。図1に示すように、大入賞口15の両サイドには、一般入賞口21,21が左右対称に設けられている。これら一般入賞口21,21は、上記第1始動入賞口14Aと同様に、所謂、上方を向いて開放したポケット構造をなし、その開口幅は遊技球が1つだけ入る大きさになっている。
遊技領域YRのうち表示装置13の左側には、始動ゲート18及び風車形ホイール19が設けられ、風車形ホイール19の下方には、普通図柄表示部20が一体に設けられている。始動ゲート18は、遊技球が上下方向に1球ずつ通過可能な幅ゲート構造をなしている。また、普通図柄表示部20には、7セグメントLEDが備えられ、0〜9の数字を表示することができるようになっている。
さらに、遊技領域YRのうち上下の始動入賞口14A,14Bの右側方には、第1と第2の特図表示部17A,17Bが上下に並べて設けられ、それらのうち下側の第2特図表示部17Bの左横には普通保留数表示部18Hが設けられている。これら第1と第2の特図表示部17A,17B及び普通保留数表示部18Hには、7セグメントLEDがそれぞれ備えられている。また、表示装置13は、表示画面34の縁部を表示枠体23で覆った構造になっている。なお、遊技領域YRには、図示しない複数の障害釘が起立している。
遊技盤11の前面側は、遊技領域YRに対応したガラス窓10Wを有する前面枠10Zによって覆われている。前面枠10Zのうちガラス窓10Wの縁部には、装飾ランプ35が備えられている。また、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより上側の両角部寄り位置には、それぞれスピーカ56S,56Sが設けられている。一方、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。そして、前面枠10Zのうち右下角部に設けた操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が遊技盤11の遊技領域YRに向けて弾き出されて遊技が開始される。
また、ガラス窓10Wの下側縁部には、第1の遊技球排出ボタン29Aが備えられ、それを押すと上皿27Aに収容されている遊技球を下皿27Bに移すことができる。また、下皿27Bの上面右寄り位置には、第2の遊技球排出ボタン29Bが備えられ、下皿27Bの下方に図示しない箱を配置して第2の遊技球排出ボタン29Bを押すと、下皿27Bに収容されている遊技球を箱に移すことができる。
下皿27Bの上面左側端部には、操作ジョグ90が備えられている。この操作ジョグ90は、表示装置13に表示された画像を選択等するために設けられている。
次に上記した遊技領域YRにおける所要の各部位について詳説する。始動ゲート18は、ゲートスイッチ30(図3参照)を内蔵している。そして、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄表示部20に、例えば、「0」〜「9」までの数字を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示する。その普通図柄表示部20が確定表示した数字が奇数であった場合に、遊技者に一定の特典を付与する。この点において、始動ゲート18に遊技球が通過すると、第2始動入賞口14Bの可動翼片14Cを開くか否かの普図判定を受ける権利(「普図判定権利」という)が発生する。その普図判定権利は使うことによって消滅する。即ち、普図判定権利は消化される。そして、普通図柄表示部20に数字が変動表示されている間に始動ゲート18に遊技球が入賞すると、普図判定権利は保留されて貯まっていく。その保留数は、普通図柄表示部20への変動表示中の保留数を含めずに、例えば、最高4つに設定されており、その普図判定権利の保留数は、普通保留数表示部18Hの7セグメントLEDにて表示される。
普通図柄表示部20で停止表示された数字図柄が奇数になると、遊技盤11の裏に設けたソレノイド14Sが駆動されて、図2(B)に示すように、第2始動入賞口14Bの可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.5秒間)に亘って横に倒される。すると、第2始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼14C,14Cに受け止められて第2始動入賞口14Bに案内されるようになる。
始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、始動入賞口14A,14B内に設けた始動口スイッチ31A,31B(図3参照)が遊技球を検出する。すると、遊技状態を遊技者にとって特典が多い状態に移行させるか否かの特図判定を受ける権利、即ち、本発明に係る「特図判定権利」が発生する。また、その特図判定権利は使うことによって消滅する。即ち、特図判定権利は消化される。そして、特図判定権利を消化して特図判定が行われると、特別図柄13A,13B,13Cが変動表示され、その後、停止表示した特別図柄13A,13B,13Cによって当否の判定結果が報知される。この特別図柄13A,13B,13Cが変動表示されている間に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、特図判定権利は保留されて貯まっていく。その保留数は、変動表示中の保留数を含めずに、例えば、最高4つに設定されており、その特図判定権利の保留数は、特図表示部17A,17Bの7セグメントLEDにて表示される。なお、第1始動入賞口14Aと第2始動入賞口14Bのそれぞれに対して4つずつの保留が可能となっている。第2始動入賞口14Bに遊技球が入賞した場合には、上述した特図判定権利が遊技者に付与されると共に、5球の賞球が払出される。
表示装置13は、表示枠体23の内側に液晶の表示画面34を有し、遊技者は、表示枠体23を通して表示画面34に表示された画像を見ることができる。表示画面34には、図1に示すように、通常は、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが、横並びに表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが、表示画面34に確定表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに当否判定を行い、各特別図柄13A,13B,13Cを、上下方向にスクロールして変動表示し、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄13A,13B,13Cを停止表示し、このときの、左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cの組み合わせによって、当否判定の結果を報知する。具体的には、例えば、当否判定の結果が「大当り」の場合には、全ての特別図柄13A,13B,13Cが同じ図柄、即ち、ぞろ目になって停止表示され、遊技が「大当り状態」となる。
上記上下の始動入賞口14A,14Bへの入賞に対する当否判定結果が当りの場合には、パチンコ遊技機10が、「当り状態」になり、「当り遊技」が実行される。その当り遊技が実行されると、遊技盤11の裏に設けたソレノイド15S(図3参照)が駆動され、大入賞口15に備えた可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。この大入賞口15に遊技球を入賞させる毎に、15球の賞球が払出される。
前述した「大当り」には、「時短付き大当り」と「時短無し大当り」とが存在し、例えば、特別図柄13A,13B,13Cが奇数のぞろ目で確定停止する等の所定の条件を満たした場合に、「時短付き大当り」となり、「当り遊技」が終了した後に「時短遊技」が実行される。ここで、「時短遊技」とは、普通図柄表示部20に表示される数字の変動開始から確定表示されるまでの時間が通常よりも短くなる遊技状態のことで、普図判定の抽選回数が増える。そして、普図判定において当りとなる確率が高くなっている。また、「時短遊技」に対して、普通図柄表示部20に表示される数字の変動開始から確定表示されるまでの時間が通常となる遊技状態を「通常遊技」という。
通常遊技状態において、前述した始動ゲート18への入賞を起因に行われる普図判定が当りとなった時には、可動翼片14C,14Cが0.5秒間開放する開放パターンを実行する。これに対し、時短遊技状態において普図判定が当りとなった時には、可動翼片14C,14Cが3回に亘って1.5秒間開放する開放パターンを実行し、通常遊技状態よりも第2始動入賞口14Bに遊技球が入賞しやすくなる。また、この時短遊技状態は、例えば特図判定が100回行われるか、特図判定で「大当り」になった時点で終了し通常遊技状態へと移行する。なお、第1始動入賞口14Aに入賞した場合よりも、第2始動入賞口14Bに入賞した場合の方が、特図判定において「時短付き大当り」になりやすいように設定されている。
図3には、パチンコ遊技機10の制御に係る電気的な構成が示されている。同図において符合50は、メイン制御基板であって、CPU51AとRAM51B及びROM51Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン51を主要部として備えている。そして、メイン制御基板50のCPU51Aは、パチンコ遊技機10の電源をオンするとROM51Cから後述するメインプログラムPG1を取り出してランする。そして、メイン制御基板50のCPU51Aは、入出力回路を介して、入賞球を検出するための始動ゲートスイッチ30、始動口スイッチ31A,31B及びその他のセンサ、スイッチ類等から検出信号を受け取り、メインプログラムPG1の各処理を行い、その処理結果に応じて、サブ制御基板52及び払出制御基板59と、ランプ制御基板55及び音声制御基板56、さらには、発射制御装置60等に制御データを出力して各部位を制御する。
サブ制御基板52は、メイン制御基板50と同様に、CPU52AをRAM52B及びROM52Cと共にパッケージしたワンチップマイコンとして備えている。そして、サブ制御基板52のCPU52Aも、パチンコ遊技機10の電源をオンするとROM52Cから図示しないメインプログラムPG2を取り出してランする。また、ROM52Cには、メインプログラムPG2等の制御用プログラムの他に、表示装置13に画像を表示するための画像制御データや画像データ等が記憶されている。そして、ROM52Cが、メイン制御基板50から受け取った制御データに基づき、ROM52Cから所定のデータを取り出し、RAM52Bの作業領域にて遊技画像(特別図柄13A,13B,13C、演出図柄、背景画像、キャラクタ画像、文字画像等)を作成し、表示装置13に表示させる。また、サブ制御基板52は、メイン制御基板50から出力された制御データに応じてランプ制御基板55及び音声制御基板56へと制御データを出力する。即ち、サブ制御基板52は、ランプ、音声、表示からなる演出を制御する演出制御基板として機能する。
払出制御基板59は、各入賞口14、15、20、21への遊技球の入賞に基づいたワンチップマイコン51からの信号や、パチンコ遊技機10の一側部に備えたプリペイドカードユニット150(図3参照)からの信号に基づいて、賞球払出装置62及び貸球払出装置63を駆動して遊技球を上皿27Aに払い出す。
メイン制御基板50に備えたワンチップマイコン51は、パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから図4に示したメインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、メインプログラムPG1がランされると、まず初期設定が行われる(S1)。初期設定(S1)では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。そして、RAMクリアスイッチがONされているか、もしくは電源断フラグがONでRAM51Bの内容が異常と判断された場合には、RAM51Bの初期化が行われる。なお、初期設定(S1)は、メインプログラムPG1が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S1)に次いで、割り込みが禁止され(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)では、種々の各カウンタ値が1加算されて更新される。各カウンタの設定上限値に至ると次に0に戻って再び加算が行なわれる。更新されたカウンタ値はメイン制御基板50のRAM51Bの記憶領域のうち、更新値記憶領域(図示せず)に逐一記憶され、この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了する。なお、ここで更新されている種々のカウンタ値は、前述した普図判定や特図判定に用いられる。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、メイン制御基板割り込み処理(S5)が実行可能となる。メイン制御基板割り込み処理(S5)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力されると、例えば、4msec周期で繰り返して実行される。そして、メイン制御基板割り込み処理(S5)が終了してから、次にメイン制御基板割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力された場合は、メイン制御基板割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可(S4)がされてから開始される。
メイン制御基板割り込み処理(S5)について説明する。図5に示すように、メイン制御基板割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が実行される。この処理(S10)では、以下説明する各処理においてメイン制御基板50のRAM51Bに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、対応するサブ制御基板52、払出制御基板59等に出力する。ここで出力されるコマンド(制御信号)等には、変動パターン、大当り判定データ、小当り判定データ、大当り種別(通常大当りか、時短付き大当りか、確変付き大当りか)データ等が挙げられる。
出力処理(S10)に次いで行われる入力処理(S11)では、主にパチンコ遊技機10に取り付けられている各種センサ(ゲートスイッチ30、第1始動口スイッチ31A,第2始動口スイッチ31B、その他センサ、スイッチ類(図3参照)等)が検知した検出信号を取り込み、払出数情報として、RAM51Bの出力バッファに記憶する。また、下皿27Bが満杯になったときに発生する下皿満杯スイッチ32の検出信号も下皿満杯データとして取り込み、RAM51Bの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)は、メインプログラムPG1のループ処理内で行われている上記普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、各種カウンタ値は、メイン制御基板割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(メイン制御基板割り込み処理(S5)の終了後、次のメイン制御基板割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の間の期間との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)に次いで入賞有効判別処理(S13)が実行される。なお、この入賞有効判別処理(S13)を実行することで本発明に係る「入賞有効判別手段」として機能する。第2始動入賞口14Bへの入賞を有効とするか否かを決定する処理となっていて、可動翼片14C,14Cの開放パターンが終了し、規定時間が経過してからの第2始動入賞口14Bへの入賞を無効にする。なお、ここでの「入賞」とは、「第2始動口スイッチ31Bが遊技球を検出すること」を指していて、以降特筆しない限り「入賞」をこの意味で用いる。
具体的には、図6に示すように、可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行中か否かが判別され(S131)、実行中であったら(S131でyes)、入賞有効フラグが「ON」しているか否か(F1が1であるか否か)が判別される(S132)。入賞有効フラグが「ON」している場合(S132でyes)には、この入賞有効判別処理(S13)を抜け、入賞有効フラグが「ON」していない場合(S132でno)には、入賞有効フラグを「ON」にセット(S133)してからこの入賞有効判別処理(S13)を抜ける。なお、この入賞有効フラグは、初期設定(S1)にて「OFF」にセットされるので、パチンコ遊技機10の電源をオンした直後には、入賞有効フラグは「OFF」になっている。
可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行中でなかったら(S131でno)、入賞有効フラグが「ON」しているか否かが判別される(S134)。入賞有効フラグが「ON」していない場合(S134でno)には、この入賞有効判別処理(S13)を抜け、入賞有効フラグが「ON」している場合(S134でyes)には、タイマが作動中であるか否かが判別される(S135)。ここで、このタイマは、可動翼片14C,14Cの開放パターンが終了してから経過した時間を計測するものであり、単位をmsecとする。タイマが作動中である場合(S135でyes)には、S137に進み、タイマが作動中でない場合(S135でno)には、タイマを作動させて(S136)からS137に進む。
S137では、時短中であるか否かが判別され、時短中である場合(S137でyes)には、タイマが1000以上であるか否か(可動翼片14C,14Cの開放パターンが終了してから1秒経過したか否か)が判別される(S1371)。タイマが1000以上である場合(S1371でyes)には、入賞有効フラグを「OFF」にセット(S1372)してから、タイマを停止してリセット(S1373)し、この入賞有効判別処理(S13)を抜ける。タイマが1000以上でない場合(S1371でno)には、この入賞有効判別処理(S13)を抜ける。
時短中でない場合(S137でno)には、タイマが200以上であるか否かが判別される(S1374)。タイマが200以上である場合(S1374でyes)には、入賞有効フラグを「OFF」にセット(S1375)してから、タイマを停止してリセット(S1376)し、この入賞有効判別処理(S13)を抜ける。タイマが200以上でない場合(S1374でno)には、この入賞有効判別処理(S13)を抜ける。
遊技者が遊技を開始したばかりの時には、可動翼片14C,14Cは閉鎖中で、入賞有効フラグは「OFF」になっている(S131、S134でno)ので、何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13)を抜ける。そして、ある時点で普図判定が当りになり、可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されると、入賞有効フラグを「ON」にセットし、入賞有効判別処理(S13)を抜ける。可動翼片14C,14Cの開放パターンが継続する限りは、何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13)を抜ける。そして、ある時点で可動翼片14C,14Cの開放パターンが終了すると、タイマの作動が開始され入賞有効判別処理(S13)を抜ける。
時短中である場合には、タイマが1000以上になるまで何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13)を抜け、タイマが1000以上になると入賞有効フラグを「OFF」にセットすると共に、タイマを停止しリセットして入賞有効判別処理(S13)を抜ける。そして、次に可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されるまでは何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13)を抜ける。この可動翼片14C,14Cの開放パターンと入賞有効フラグの関係性は、図9に示されている。
時短中でない場合には、タイマが200以上になるまで何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13)を抜け、タイマが200以上になると入賞有効フラグを「OFF」にセットすると共に、タイマを停止しリセットして入賞有効判別処理(S13)を抜ける。そして、次に可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されるまでは何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13)を抜ける。この可動翼片14C,14Cの開放パターンと入賞有効フラグの関係性は、図8に示されている。
なお、タイマが規定時間(1000又は、200)以上であるか否かを判別するステップ(S1371とS1374)における規定時間が、本発明に係る「入賞判別基準」である。
入賞有効判別処理(S13)に次いで、図7に示す入賞検出処理(S14)を行う。具体的には、入賞有効フラグが「ON」であるか否かが判別され(S141)、入賞有効フラグが「ON」である場合(S141でyes)には、第2始動入賞口14Bへの入賞があるか否かの判別を実行する(S142)。第2始動入賞口14Bへの入賞が無い場合(S142でno)には、S147に進む。第2始動入賞口14Bへの入賞がある場合(S142でyes)には、払出処理(S143)と特図判定処理(S144)が実行され、この入賞検出処理(S14)を抜ける。
この払出処理(S143)では、遊技球5球を払出すためのコマンドをRAM51Bに設けられた出力バッファにセットする。そして、次の出力処理(S10)にてそのコマンドを払出制御基板59に出力して遊技球5球を払出させる。特図判定処理(S144)では、特図判定用のカウンタ値を取得して特図判定を行い、大当りか否かについてや、大当り種別(通常大当りか、時短付き大当りか、確変付き大当りか)等についての決定を行う。
入賞有効フラグが「OFF」である場合(S141でno)にも、第2始動入賞口14Bへの入賞があるか否かの判別を実行する(S145)。第2始動入賞口14Bへの入賞がある場合(S145でyes)には、異常報知処理(S146)を実行され、この入賞検出処理(S14)を抜ける。この異常報知処理(S146)では、例えばパチンコホールの管理室へ異常を知らせるためのコマンドをRAM51Bに設けられた出力バッファにセットする。そして、次の出力処理(S10)にてそのコマンドを出力して管理室へ異常を知らせる。つまり、入賞有効フラグが「OFF」であるにも拘わらず、第2始動入賞口14Bへの入賞があった場合に管理室へ異常が報知されることになる。なお、この異常報知処理(S146)が、本発明に係る「異常報知手段」である。
第2始動入賞口14Bへの入賞が無い場合(S145でno)には、第1始動入賞口14Aへの入賞があるか否かの判別を実行する(S147)。第1始動入賞口14Aへの入賞がある場合(S147でyes)には、特図判定処理(S144)が実行され、この入賞検出処理(S14)を抜ける。なお、第1始動入賞口14Aへ入賞した場合よりも、第2始動入賞口14Bへ入賞した場合の方が特図判定処理(S144)にて、「時短付き大当り」になりやすいように設定されている。
第1始動入賞口14Aへの入賞がない場合(S147でno)には、始動ゲート18を遊技球が通過したか否かの判別を実行する(S148)。始動ゲート18を遊技球が通過していなければ(S148でno)、この入賞検出処理(S14)を抜ける。始動ゲート18を遊技球が通過していれば(S148でyes)、普図判定処理(S149)が実行され、この入賞検出処理(S14)を抜ける。普図判定処理(S149)では、普図判定用のカウンタ値を取得して普図判定を行う。通常遊技状態の時に普図判定が当りになった場合は、可動翼片14C,14Cを0.5秒間開放する開放パターンのコマンドをRAM51Bに設けられた出力バッファにセットし、時短遊技状態の時に普図判定が当りになった場合は、可動翼片14C,14Cを3回に亘って1.5秒間開放する開放パターンのコマンドをRAM51Bに設けられた出力バッファにセットする。
そして、普図判定の結果が普通図柄表示部20にて報知されると共に、出力処理(S10)にて開放パターンのコマンドが、中継回路を経由してソレノイド14Sに送信され、可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行される。なお、可動翼片14C,14Cを3回に亘って1.5秒間開放する開放パターンが本発明に係る「第1開放パターン」で、可動翼片14C,14Cを0.5秒間開放する開放パターンが本発明に係る「第2開放パターン」である。
ここで、図6と図7に示したフローチャートについて簡単に整理する。普図判定で当りになると可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行される。それと共に入賞有効フラグが「ON」となり、その状態で第2始動入賞口14Bへの入賞が発生すると有効と認められ、5球の賞球と、特図判定権利(「特典」という)が遊技者に付与される。可動翼片14C,14Cの開放パターンが終了し、規定時間(時短遊技では1秒、通常遊技では0.2秒)が経過すると、入賞有効フラグが「OFF」になる。この状態で第2始動入賞口14Bへの入賞が発生すると無効とされ、特典は付与されずに管理室へ異常が報知される。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成に関する説明は、以上である。次ぎに本実施形態の作用効果について説明する。遊技者が遊技を開始した時は、通常遊技状態となっていて、始動ゲート18を遊技球が通過して普図判定で当りになったとしても可動翼片14C,14Cは、0.5秒間しか開かず第2始動入賞口14Bに遊技球が入賞する可能性は極めて低い。第1始動入賞口14Aに遊技球が入賞し、特図判定において「時短付き大当り」に当選すると大入賞口15の可動扉15Tが開放する「当り遊技」が終了した後に時短遊技状態となる。この時短遊技状態においては、普図判定で普通図柄表示部20に表示される数字の変動開始から確定表示されるまでの時間が通常よりも短くなるので、普図判定の抽選回数が多くなり、さらに普図判定の当りになる確率が高くなっている。これにより、可動翼片14C,14Cが開放する頻度が高くなり、さらには可動翼片14C,14Cが3回に亘って1.5秒間開くので、第2始動入賞口14Bに遊技球が入賞する可能性が極めて高くなる。つまり、時短遊技状態においては、特図判定の抽選回数が多くなる。また、第1始動入賞口14Aよりも第2始動入賞口14Bに入賞した場合の方が特図判定において「時短付き大当り」に当選しやすく、1度時短遊技状態になると時短遊技状態が継続しやすくなっている。なお、時短遊技状態は、例えば特図判定が100回行われるか、特図判定で「大当り」になった時点で終了し通常遊技状態へと移行する。
前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常遊技状態と、時短遊技状態とで、可動翼片14C,14Cの開放パターンが終了した後の第2始動入賞口14Bへの入賞が有効となる時間(入賞判別基準)が異なる。具体的には、通常遊技状態では0.2秒間で、時短遊技状態では1秒間である。ここで、不正行為(ゴト行為や、電波を悪用して始動口スイッチ31Bを反応させる等)によって第2始動入賞口14Bへ入賞させようとすると、通常遊技状態においては開放パターンが終了した後に0.2秒間しか入賞が有効とならないので、不正行為による入賞に対して特典を付与してしまうことを規制できる。また、0.2秒経過した後の入賞に対しては管理室へ異常が報知される設定となっているので、いち早く不正行為を発見することもできる。もし、通常遊技状態において1秒間入賞が有効と認められてしまうと、不正行為による入賞に対して特図判定を実行してしまい、さらに第2始動入賞口14Bでは「時短付き大当り」となる確率が高くなっているので、「時短付き大当り」となってしまう場合が大いに考えられる。その後、時短遊技状態が複数回継続したとするとその損害は多大なものとなってしまう。
また、時短遊技状態では元々遊技球が第2始動入賞口14Bへ入賞し易くなっているので、わざわざ不正行為によって第2始動入賞口14Bへ入賞させようとすることは考えにくい。もし、時短遊技状態において開放パターンの終了後に0.2秒間しか入賞が有効と認められなかったら、開放パターンの終了後に第2始動入賞口14Bの開口付近に球噛みしている遊技球の入賞まで無効となってしまい、遊技者に不満感を与えてしまう。しかしながら、本実施形態では1秒間の猶予が与えられているので前述したような懸念は解消される。
つまり、通常遊技状態と時短遊技状態とで、可動翼片14C,14Cの開放パターンが異なるが、それぞれの開放パターンに適した入賞判別基準が設定されているので不正行為を従来より規制しつつも、公正な方法による入賞を無効にしてしまうことを防止できる。
[第2実施形態]
本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1実施形態のパチンコ遊技機10の変形例であって、図10に示す入賞有効判別処理(S13X)においてタイマの代わりに入賞カウンタを使用している以外は、第1実施形態のパチンコ遊技機10と構成が同じである。ここで、入賞カウンタとは、可動翼片14C,14Cの開放パターンが終了した後に第2始動入賞口14Bに入賞した遊技球の個数を計測するものである。
図10に示す入賞有効判別処理(S13X)のフローチャートでは、遊技者が遊技を開始したばかりの時には、可動翼片14C,14Cは閉鎖中で、入賞有効フラグは「OFF」になっている(S131、S134でno)ので、何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13X)を抜ける。そして、ある時点で普図判定が当りになり、可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されると、入賞有効フラグを「ON」にセットし、入賞有効判別処理(S13X)を抜ける。可動翼片14C,14Cの開放パターンが継続する限りは、何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13X)を抜ける。そして、ある時点で可動翼片14C,14Cの開放パターンが終了すると、入賞カウンタが作動(S235〜S236)され入賞有効判別処理(S13X)を抜ける。入賞カウンタが作動した状態で、第2始動入賞口14Bに遊技球が入賞すると入賞カウンタが1加算される。
時短中である場合には、入賞カウンタが5以上になるまで何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13X)を抜け、入賞カウンタが5以上になると入賞有効フラグを「OFF」にセットすると共に、入賞カウンタを停止しリセットして入賞有効判別処理(S13X)を抜ける(S2371〜S2373)。そして、次に可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されるまでは何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13X)を抜ける。
時短中でない場合には、入賞カウンタが1以上になるまで何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13X)を抜け、入賞カウンタが1以上になると入賞有効フラグを「OFF」にセットすると共に、入賞カウンタを停止しリセットして入賞有効判別処理(S13X)を抜ける(S2374〜S2376)。そして、次に可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されるまでは何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13X)を抜ける。
なお、入賞カウンタが規定個数(5又は、1)以上であるか否かを判別するステップ(S2371とS2374)における規定個数が、本発明に係る「入賞判別基準」である。また、入賞カウンタが規定個数に達しずに遊技が進行していくことが考えられるが、例えば開放パターンが終了してから1秒経過したら入賞有効フラグを「OFF」にセットすると共に、入賞カウンタを停止しリセットするようにしてもよい。または、普通図柄表示部20で次の普図判定の変動が開始したら入賞有効フラグを「OFF」にセットすると共に、入賞カウンタを停止しリセットするようにしてもよい。
ここで、図7と図10に示したフローチャートについて簡単に整理する。普図判定で当りになると可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行される。それと共に入賞有効フラグが「ON」となり、その状態で第2始動入賞口14Bへの入賞が発生すると有効と認められ、5球の賞球と、特図判定権利(「特典」という)が遊技者に付与される。可動翼片14C,14Cの開放パターンが終了し、規定個数(時短遊技では5球、通常遊技では1球)の遊技球が入賞すると入賞有効フラグが「OFF」になる。この状態で第2始動入賞口14Bへの入賞が発生すると無効とされ、得点は付与されずに管理室へ異常が報知される。また、本実施形態において得られる効果は第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1実施形態のパチンコ遊技機10の変形例であって、図6に示す入賞有効判別処理(S13)の代わりに図11に示す入賞有効判別処理(S13Y)を実行している。この入賞有効判別処理(S13Y)では、可動翼片14C,14Cの開放パターンが開始し、規定時間が経過してからの第2始動入賞口14Bへの入賞を無効にする。
具体的には、可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行中か否かが判別され(S331)、実行中であったら(S331でyes)、入賞有効フラグが「ON」しているか否か(F1が1であるか否か)が判別される(S332)。入賞有効フラグが「ON」している場合(S332でyes)には、S334に進み、入賞有効フラグが「ON」していない場合(S332でno)には、入賞有効フラグを「ON」にセット(S333)してからS334に進む。S334では、タイマが作動中か否かが判別され、作動中であったら(S334でyes)、S337に進む。タイマが作動中でなかったら(S334でno)、タイマを作動させて(S335)、S337に進む。
可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行中でなかったら(S331でno)、入賞有効フラグが「ON」しているか否かが判別される(S336)。入賞有効フラグが「ON」していない場合(S336でno)には、この入賞有効判別処理(S13Y)を抜け、「ON」している場合(S336でyes)には、S337に進む。ここで、このタイマは、可動翼片14C,14Cの開放パターンが開始してからの時間を計測するものであり、単位をmsecとする。
S337では、時短中であるか否かを判別し、時短中であれば(S337でyes)、タイマが5900以上であるか否かを判別する(S3371)。タイマが5900以上であれば(S3371でyes)、入賞有効フラグを「OFF」にセット(S3372)して、タイマを停止しリセット(S3373)してこの入賞有効判別処理(S13Y)を抜ける。タイマが5900以上でなければ(S3371でno)、この入賞有効判別処理(S13Y)を抜ける。
時短中でなければ(S337でno)、タイマが700以上であるか否かを判別する(S3374)。タイマが700以上であれば(S3374でyes)、入賞有効フラグを「OFF」にセット(S3375)して、タイマを停止しリセット(S3376)してこの入賞有効判別処理(S13Y)を抜ける。タイマが700以上でなければ(S3374でno)、この入賞有効判別処理(S13Y)を抜ける。
遊技者が遊技を開始したばかりの時には、可動翼片14C,14Cは閉鎖中で、入賞有効フラグは「OFF」になっている(S331、S336でno)ので、何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13Y)を抜ける。そして、ある時点で普図判定が当りになり、可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されると、入賞有効フラグを「ON」にセットし、タイマを作動させ入賞有効判別処理(S13Y)を抜ける。
時短中である場合には、タイマが5900以上になるまで何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13Y)を抜け、タイマが5900以上になると入賞有効フラグを「OFF」にセットすると共に、タイマを停止しリセットして入賞有効判別処理(S13Y)を抜ける。そして、次に可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されるまでは何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13Y)を抜ける。
時短中でない場合には、タイマが700以上になるまで何れの実行もせずに入賞有効判別処理(S13Y)を抜け、タイマが700以上になると入賞有効フラグを「OFF」にセットすると共に、タイマを停止しリセットして入賞有効判別処理(S13Y)を抜ける。そして、次に可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されるまでは何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13Y)を抜ける。
なお、タイマが規定時間(5900又は、700)以上であるか否かを判別するステップ(S3371とS3374)における規定時間が、本発明に係る「入賞判別基準」である。
ここで、図7と図11に示したフローチャートについて簡単に整理する。普図判定で当りになると可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行される。それと共に入賞有効フラグが「ON」となり、その状態で第2始動入賞口14Bへの入賞が発生すると有効と認められ、5球の賞球と、特図判定権利(「特典」という)が遊技者に付与される。可動翼片14C,14Cの開放パターンが開始してから規定時間(時短遊技では5.9秒、通常遊技では0.7秒)が経過すると、入賞有効フラグが「OFF」になる。この状態で第2始動入賞口14Bへの入賞が発生すると無効とされ、特典は付与されずに管理室へ異常が報知される。
[第4実施形態]
本実施形態のパチンコ遊技機10は、第3実施形態のパチンコ遊技機10の変形例であって、図12に示す入賞有効判別処理(S13Z)においてタイマの代わりに入賞カウンタを使用している以外は、第3実施形態のパチンコ遊技機10と構成が同じである。ここで、入賞カウンタとは、可動翼片14C,14Cの開放パターンが開始した時からの第2始動入賞口14Bに入賞した遊技球の個数を計測するものである。
図12に示す入賞有効判別処理(S13Z)のフローチャートでは、遊技者が遊技を開始したばかりの時には、可動翼片14C,14Cは閉鎖中で、入賞有効フラグは「OFF」になっている(S331、S336でno)ので、何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13Z)を抜ける。そして、ある時点で普図判定が当りになり、可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されると、入賞有効フラグを「ON」にセットし、入賞カウンタを作動させ入賞有効判別処理(S13Z)を抜ける(S434〜S435)。入賞カウンタが作動した状態で、第2始動入賞口14Bに遊技球が入賞すると入賞カウンタが1加算される。
時短中である場合には、入賞カウンタが15以上になるまで何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13Z)を抜け、入賞カウンタが15以上になると入賞有効フラグを「OFF」にセットすると共に、入賞カウンタを停止しリセットして入賞有効判別処理(S13Z)を抜ける(S4371〜S4373)。そして、次に可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されるまでは何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13Z)を抜ける。
時短中でない場合には、入賞カウンタが1以上になるまで何れの実行もせずに入賞有効判別処理(S13Z)を抜け、入賞カウンタが1以上になると入賞有効フラグを「OFF」にセットすると共に、入賞カウンタを停止しリセットして入賞有効判別処理(S13Z)を抜ける(S4374〜S4376)。そして、次に可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行されるまでは何れの実行処理もせずに入賞有効判別処理(S13Z)を抜ける。
なお、入賞カウンタが規定個数(15又は、1)以上であるか否かを判別するステップ(S2371とS2374)における規定個数が、本発明に係る「入賞判別基準」である。
ここで、図7と図12に示したフローチャートについて簡単に整理する。普図判定で当りになると可動翼片14C,14Cの開放パターンが実行される。それと共に入賞有効フラグが「ON」となり、その状態で第2始動入賞口14Bへの入賞が発生すると有効と認められ、5球の賞球と、特図判定権利(「特典」という)が遊技者に付与される。可動翼片14C,14Cの開放パターンが開始してから、規定個数(時短遊技では15球、通常遊技では1球)の遊技球が入賞すると入賞有効フラグが「OFF」になる。この状態で第2始動入賞口14Bへの入賞が発生すると無効とされ、得点は付与されずに管理室へ異常が報知される。
[他の実施形態]
(1)前記第1〜第4実施形態では、可動翼片14C,14Cの開放パターン毎に入賞判別基準を異ならせる構成であったが、大入賞口15の可動扉15Tの開放パターン毎に入賞判別基準を異ならせる構成であってもよいし、図示しない特定領域(所謂Vゾーン)の開放パターン毎に入賞判別基準を異ならせる構成であってもよい。
(2)前記第1実施形態では、通常遊技状態において可動翼片14C,14Cの開放パターン終了後に、第2始動入賞口14Bへの入賞が有効と認められる時間が0.2秒間に設定されている構成であったが、0秒間に設定されている構成であってもよい。
(3)前記第2実施形態では、通常遊技状態において可動翼片14C,14Cの開放パターン終了後に、第2始動入賞口14Bへの入賞が有効と認められる上限個数が1個に設定されている構成であったが、0個に設定されている構成であってもよい。
(4)前記第1〜第4実施形態では、通常遊技状態と時短遊技状態のそれぞれにおいて可動翼片14C,14Cの開放パターンが1つずつしか設けられていない構成であったが、開放パターンを複数ずつ設けて開放パターン毎に入賞判別基準を異ならせる構成であってもよい。
(5)前記第1〜第4実施形態において、例えば、通常遊技状態の時に普通図柄表示部20で停止表示された数字図柄が奇数の内「7」であった場合に、可動翼片14C,14Cを3秒間開放する開放パターンを実行する構成であってもよい。また、この開放パターンの終了後に例えば0.5秒間第2始動入賞口14Bへの入賞を有効とする構成であってもよい。つまり、この3秒間の開放パターンに対して、0.5秒間の開放パターンよりは緩く、3回に亘る1.5秒間の開放パターンよりは厳しい入賞判別基準を設ける構成であってもよい。
<付記1>
前記実施形態で例示したパチンコ遊技機(遊技機)には、以下の発明群が含まれていると考えることができる。なお、本付記の末尾には、以下の発明群の構成要素に対応する実施形態上の各部位が示されている。
(第1の発明群)
[発明1]
遊技球が入賞容易な開状態と入賞困難な閉状態とに切り替え可能でありかつ通常は前記閉状態に保持され、予め設定された開放条件の成立に起因して、予め設定された複数の開放パターンの何れか1の前記開放パターンで前記開状態になる第1可変入賞口と、
前記第1可変入賞口への遊技球の入賞が有効か否かを判別する入賞有効判別手段と、
前記第1可変入賞口への有効な入賞毎に起因して遊技者に特典を付与する特典付与手段と、を備える遊技機であって、
前記第1可変入賞口への遊技球の入賞が有効か否かを判別する入賞判別基準が前記複数の開放パターンに応じて複数設けられ、
前記入賞有効判別手段は、各前記開放パターンに応じた前記入賞判別基準で、前記第1可変入賞口への遊技球の入賞が有効か否かを判別する遊技機。
本発明によれば、第1可変入賞口の複数種類の開放パターンを有する遊技機であっても、それら開放パターンに対応して入賞判別基準も複数種類設けているので、それぞれの開放パターンに適した入賞判別基準で不正行為を従来より規制することができる。
[発明2]
前記開放パターンの終了後に検出される前記入賞に対する前記入賞判別基準が、前記複数の開放パターンの間で異なる発明1に記載の遊技機。
本発明によれば、第1可変入賞口の複数種類の開放パターンを有する遊技機であっても、開放パターンが終了した後に対してそれぞれ適した入賞判別基準を設けることができ、開放パターンが終了した後の不正行為を従来より規制することができる。
[発明3]
前記複数の開放パターンには、遊技球が前記第1可変入賞口に入賞し易い第1開放パターンと入賞し難い第2開放パターンとが含まれ、
前記第1開放パターンの終了後に検出される前記入賞に対する前記入賞判別基準より、前記第2開放パターンの終了後に検出される前記入賞に対する前記入賞判別基準の方が、前記入賞を有効と認められ難く設定されている発明2に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、入賞し難い第2開放パターンの終了後において、入賞が認められ難く設定されているので、不正行為を従来より規制することができる。
[発明4]
前記第1開放パターンの終了後の前記入賞に対する前記入賞判別基準より、前記第2開放パターンの終了後の前記入賞に対する前記入賞判別基準の方が、前記入賞を有効と認める上限数が少なく設定されている発明3に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、入賞し難い第2開放パターンの終了後において、有効と認められる入賞の上限数が少なく設定されているので、不正行為を従来より規制することができる。
[発明5]
前記第1開放パターンの終了後の前記入賞に対する前記入賞判別基準より、前記第2開放パターンの終了後の前記入賞に対する前記入賞判別基準の方が、前記入賞を有効と認める時間が短く設定されている発明3に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、入賞し難い第2開放パターンの終了後において、入賞が有効と認められる時間が短く設定されているので、不正行為を従来より規制することができる。
[発明6]
複数の前記入賞判別基準は、前記開放パターンの長短に拘わらず前記開放パターンの実行中の前記入賞を全て有効と認めるように設定されている発明2に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、開放パターンの実行中には入賞が有効と認められるので、正規の方法による入賞を無効にしてしまうことを防止できる。
[発明7]
前記特典付与手段は、大当り当否判定権を前記特典として遊技者に付与し、
遊技球が入賞容易な開状態と入賞困難な閉状態とに切り替え可能でありかつ通常は前記閉状態に保持されている第2可変入賞口と、
遊技者に付与された前記大当り当否判定権を使用して、前記第2可変入賞口を開状態にするか否かの大当り当否判別を行う大当り当否判定手段とを備える発明1乃至6の何れか1の発明に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、不正行為による入賞に対して大当り当否判定権を付与してしまうことを従来より規制することができる。
[発明8]
有効ではない前記第1可変入賞口への入賞に起因して異常報知を行う異常報知手段を備える発明1乃至7の何れか1の発明に記載の遊技機。
本発明の遊技機によれば、不正行為による入賞の可能性が高い無効な入賞に対して異常報知を行うので、不正行為を従来より規制することができる。
[第1の発明群の発明の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:パチンコ遊技機10 第1可変入賞口:第2始動入賞口14B
第2可変入賞口:大入賞口15