JP2020061246A - Si及びTiCを含有する負極材料 - Google Patents

Si及びTiCを含有する負極材料 Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池の容量維持率を改善可能な、Siを含有する新たな負極材料を提供する。【解決手段】Si及びTiCを含有し、かつ、Si及びTiCの含有量が以下の式を満足することを特徴とする負極材料。15≦100×(TiCの質量%)/(Siの質量%+TiCの質量%)【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池に採用可能な、Si及びTiCを含有する負極材料に関する。
リチウムイオン二次電池などの二次電池の負極活物質として、Siを含有する負極活物質が知られている。Siを含有する負極活物質は理論上のエネルギー密度が高いため、これらの負極活物質を具備する二次電池は高容量の二次電池になり得る。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、負極活物質がシリコンであるリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献3及び特許文献4には、負極活物質がSiOであるリチウムイオン二次電池が記載されている。
特許文献5には、CaSiを酸と反応させてCaを除去した層状ポリシランを主成分とする層状シリコン化合物を合成し、当該層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して水素を離脱させたシリコン材料を製造したこと、及び、当該シリコン材料を負極活物質として具備するリチウムイオン二次電池が好適な容量維持率を示すことが記載されている。
特許文献6には、Siを含有する負極活物質はエネルギー密度が高いことが記載されており、そして、負極活物質としてSiO、Si合金を具備するリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。
特開2014−203595号公報 特開2015−57767号公報 特開2015−185509号公報 特開2015−179625号公報 国際公開第2014/080608号 特開2015−185509号公報
Siを含有する負極活物質はエネルギー密度が高いことが知られているものの、充放電時の膨張及び収縮の程度が大きいことも知られている。充放電に伴う負極活物質の膨張及び収縮は、負極や負極活物質自体が破損する原因となるため、Siを含有する負極活物質を備える二次電池は容量維持率に課題があると考えられている。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものであり、二次電池の容量維持率を改善可能な、Siを含有する新たな負極材料を提供することを目的とする。
本発明者は、まず、Siの充電時の膨張の程度を緩和するために、市販の結晶性Si粉末をさらに粉砕することを想起した。粉砕前後の結晶性Si粉末を負極活物質として含有する二次電池を製造して、両者の電池特性を比較したところ、粉砕後の結晶性Si粉末を負極活物質として含有する二次電池の方が容量維持率に優れることを知見した。
さらなる電池特性の改善を目指して、導電性に劣る結晶性Si粉末に対して、導電助剤として金属Ti粉末を添加した混合物を混合粉砕して負極材料を製造した。しかしながら、SiとTiが反応してSi−Ti合金が製造されたため、二次電池の充放電に寄与し得るSiの量が減じることになった。
そこで、本発明者は、結晶性Si粉末に対して、金属Ti粉末ではなくTiCを添加した混合物を混合粉砕して負極材料を製造したところ、Si−Ti合金は生成せず、二次電池の充放電に寄与し得るSiの量が概ね維持されることを確認した。さらに、TiCの添加水準を変化させたところ、TiCの添加量が一定程度を超えた場合の負極材料が、二次電池の容量維持率を好適化することを知見した。
本発明者はかかる知見に基づき本発明を完成させた。
本発明の負極材料は、Si及びTiCを含有し、かつ、Si及びTiCの含有量が以下の式を満足することを特徴とする。
15≦100×(TiCの質量%)/(Siの質量%+TiCの質量%)
本発明の負極材料は、新たな負極材料であって、二次電池の容量維持率を好適化する。
評価例2におけるX線回折チャートである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに数値範囲内から任意に選択した数値を上限、下限の数値とすることができる。
本発明の負極材料は、Si及びTiCを含有し、かつ、Si及びTiCの含有量が以下の式を満足することを特徴とする。
15≦100×(TiCの質量%)/(Siの質量%+TiCの質量%)
本発明の負極材料においてSiは負極活物質として機能する。TiCは導電性に優れるため導電助剤として機能するし、かつ、容量維持剤としても機能するといえる。
本発明の負極材料においてSiの割合が過小であり、TiCの割合が過大であれば、本発明の負極材料における単位質量あたりの容量が低下する。逆に、本発明の負極材料においてSiの割合が過大であり、TiCの割合が過小であれば、本発明の負極材料を具備する負極の容量が好適に維持されない場合がある。
以上の点から、本発明の負極材料における単位質量あたりの容量を重視するのであれば、100×(TiCの質量%)/(Siの質量%+TiCの質量%)の値は小さい方が好ましいといえるし、他方、容量維持率を重視するのであれば、100×(TiCの質量%)/(Siの質量%+TiCの質量%)の値は大きい方が好ましいといえる。
本発明の負極材料における単位質量あたりの容量及び容量維持率の両者をバランスよく満足する点からは、Si及びTiCの含有量は、15≦100×(TiCの質量%)/(Siの質量%+TiCの質量%)≦60を満足するのが好ましく、20≦100×(TiCの質量%)/(Siの質量%+TiCの質量%)≦50を満足するのがより好ましく、20≦100×(TiCの質量%)/(Siの質量%+TiCの質量%)≦40を満足するのがさらに好ましいといえる。
本発明の負極材料におけるSiは、二次電池の負極活物質として機能し得るシリコン材料の一部であってもよいし、又は全部であってもよい。
Siを含む具体的なシリコン材料として、ケイ素単体、ケイ素酸化物、SiOx(0.3≦x≦1.6)、Siと他の金属との合金、特許文献5に記載のシリコン材料を例示できる。なお、シリコン材料には、酸素、アルカリ金属、アルカリ土類金属などの不純物が含まれていてもよい。
ただし、SiOx(0.3≦x≦1.6)や、特許文献5に記載のシリコン材料においては、ある程度の容量維持率の改善策:すなわち酸素の導入などの技術が施されており、さらには、これらのシリコン材料を炭素で被覆することに因り、導電性を向上させる技術も知られている。そのため、本発明の技術内容をさらに付与したとしても、その効果は顕著とまではいえない場合が想定される。
しかし、ケイ素単体、とりわけ結晶性Siからなるシリコン材料や、酸素の導入量が少ないSiOx(0<x<0.3)からなるシリコン材料においては、本発明の技術内容を付与することで、著しい機能改善が期待される。
以上の点から、好ましい本発明の負極材料におけるSi及びTiCの合計量の割合としては、90〜100質量%が好ましく、93〜99.5質量%がより好ましく、95〜99質量%がさらに好ましい。本発明の負極材料における酸素の割合としては、0〜10質量%、0.1〜5質量%、0.5〜3質量%を例示できる。
本発明の負極材料における原料としてのシリコン材料は粉末状のものが好ましい。粉末状のシリコン材料は、平均粒子径が0.5〜20μmの範囲内のものが好ましく、1〜15μmの範囲内のものがより好ましく、3〜10μmの範囲内のものがより好ましい。なお、シリコン材料についての平均粒子径とは、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で測定した場合における、D50を意味する。
本発明の負極材料における原料としてのTiCは粉末状のものが好ましい。粉末状のTiCは、平均粒子径が0.1〜5μmの範囲内のものが好ましく、0.3〜3μmの範囲内のものがより好ましく、0.5〜2μmの範囲内のものがより好ましい。なお、TiCについての平均粒子径とは、Sub Sieve Sizer法で測定した場合における粒子径を意味する。
本発明の負極材料は、負極活物質として機能するシリコン材料及びTiCを、混合することで製造される。
混合に用いられる装置としては、自転及び公転する粉砕用容器と該粉砕用容器に内蔵される粉砕子とを具備する粉砕機を例示できる。当該粉砕機は、一般に、遊星型ボールミルと称されるものである。遊星型ボールミルは、粉砕用容器の自転により生じる力と、粉砕用容器の公転により生じる力(遠心力を含む)とで、粉砕子をシリコン材料及びTiCに激しく衝突させることで、シリコン材料及びTiCを粉砕し、場合によっては二次粒子化し得る。遊星型ボールミルとして、フリッチュ社のPULVERISETTEシリーズや、premium lineシリーズを挙げることができる。
混合に用いられる他の装置としては、株式会社奈良機械製作所のハイブリダイゼーションシステム(NHS)及びミラーロ(MIRALO)、ホソカワミクロン株式会社のメカノフュージョン及びノビルタ、株式会社徳寿工作所のシータ・コンポーザを挙げることができる。
混合に用いられる装置のパラメーターは適宜適切に設定すればよい。例えば遊星型ボールミルを用いた場合、自転速度200〜1000rpm、公転速度200〜1000rpm、混合時間1〜10時間を例示できる。
混合後には、本発明の負極材料を解砕する工程や分級する工程を設けてもよい。
以下、本発明の負極材料を具備する負極を本発明の負極といい、本発明の負極を備える二次電池を本発明の二次電池という。
本発明の負極は、具体的には、集電体と、集電体の表面に形成された負極活物質層とを具備する。そして、負極活物質層には、本発明の負極材料が含まれる。
集電体は、二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性な電子伝導体をいう。集電体としては、銀、銅、金、アルミニウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、鉄、白金、錫、インジウム、チタン、ルテニウム、タンタル、クロム、モリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。
集電体は箔、シート、フィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
負極活物質層全体に対する本発明の負極材料の割合は、30〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、70〜85質量%がさらに好ましい。
負極活物質層は、本発明の負極材料以外の黒鉛などの負極活物質を含有してもよいし、また、必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含有してもよい。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子高伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber)、および各種金属粒子などが例示される。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどが例示される。これらの導電助剤を単独または二種以上組み合わせて負極活物質層に添加することができる。
負極活物質層全体に対する導電助剤の割合は、1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。
結着剤は、負極活物質や導電助剤を集電体の表面に繋ぎ止め、電極中の導電ネットワークを維持する役割を果たすものである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂、アルコキシシリル基含有樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩、水溶性セルロースエステル架橋体、デンプン−アクリル酸グラフト重合体を例示することができる。
結着剤として、ポリ(メタ)アクリル酸等のアクリル系樹脂と、ジアミンなどのポリアミンとを反応させたアミド樹脂又はイミド樹脂を用いてもよい。上記ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン等の含飽和炭素環ジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ベンジジン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ナフタレンジアミン等の芳香族ジアミンを挙げることができる。
これらの結着剤を単独で又は複数で採用すれば良い。
負極活物質層全体に対する結着剤の割合は、1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。
本発明の二次電池は金属イオンを電荷担体とする二次電池であればよく、例えば、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、アルミニウムイオン二次電池のいずれでもよい。
以下、二次電池として汎用されているリチウムイオン二次電池を代表例として、本発明の二次電池の説明を行う。
本発明のリチウムイオン二次電池の一態様は、本発明の負極、正極及び固体電解質、又は、本発明の負極、正極、電解液及びセパレータを具備する。
正極は、集電体と、集電体の表面に形成された正極活物質層を有する。集電体については、上述したものを適宜適切に採用すれば良い。正極活物質層は正極活物質、並びに必要に応じて導電助剤及び/又は結着剤を含む。
正極活物質としては、一般式:LiNiCo(MはMn及びAlから選択される。DはW、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素である。a、b、c、d、e、fは0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、1.7≦f≦3を満足する。)で表される層状岩塩構造のリチウム複合金属酸化物、一般式:LiNiMn2―y―z(Aは、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、P、Ga、Geから選ばれる少なくとも1の元素、並びに、Ni及びMn以外の遷移金属元素から選ばれる少なくとも1種の金属元素から選択される。xは0<x≦2.2を満足する。y及びzは0≦y≦1、zは0≦z<1、0≦y+z≦1を満足する。)で表されるスピネル構造のリチウムマンガン複合金属酸化物を例示できる。
さらに、正極活物質として、LiMPO、LiMVO又はLiMSiO(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物、LiFePOFなどのLiMPOF(Mは遷移金属)で表されるタボライト系化合物、LiFeBOなどのLiMBO(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の各組成式を基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも正極活物質として使用可能である。また、正極活物質として、充放電に寄与するリチウムイオンを含まない正極活物質材料、たとえば、硫黄単体、硫黄と炭素を複合化した化合物、TiSなどの金属硫化物、V、MnOなどの酸化物、ポリアニリン及びアントラキノン並びにこれら芳香族を化学構造に含む化合物、共役二酢酸系有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシド、ニトロニルニトロキシド、ガルビノキシル、フェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。リチウムを含まない正極活物質材料を用いる場合には、正極および/または負極に、公知の方法により、予めイオンを添加させておく必要がある。ここで、当該イオンを添加するためには、金属または当該イオンを含む化合物を用いればよい。
正極に用いる導電助剤及び結着剤については、負極で説明したものを適宜適切に採用すれば良い。
集電体の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、溶剤、並びに必要に応じて結着剤及び/又は導電助剤を混合し、スラリーを調製する。上記溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。該スラリーを集電体の表面に塗布後、乾燥する。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。
固体電解質としては、リチウムイオン二次電池の固体電解質として使用可能なものを適宜採用すればよい。
電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質とを含んでいる。
非水溶媒としては、環状カーボネート、環状エステル、鎖状カーボネート、鎖状エステル、エーテル類等が使用できる。環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネートを例示でき、環状エステルとしては、ガンマブチロラクトン、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネートを例示でき、鎖状エステルとしては、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。
電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(FSO等のリチウム塩を例示できる。
電解液としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒にリチウム塩を0.5mol/Lから3mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂、セルロース、アミロース等の多糖類、フィブロイン、ケラチン、リグニン、スベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。
次に、リチウムイオン二次電池の製造方法の一態様について説明する。
正極および負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体および負極の集電体から、外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電極に含まれる活物質の種類に適した電圧範囲で充放電を実行されればよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、たとえば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ、携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電、太陽光発電、水力発電その他電力系統の蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類の電力供給源、航空機、宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源、移動式の家庭用ロボットの電源、システムバックアップ用電源、無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、実施例および比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
76.8質量部の結晶性Si粉末(株式会社高純度化学研究所:粒子径5μm)及び23.2質量部のTiC粉末(日本新金属株式会社:粒子径0.9〜1.5μm)を、遊星型ボールミルの粉砕用容器に投入した。
遊星型ボールミルの粉砕用容器に、粉砕子として酸化ジルコニウム製の直径5mmのボールを複数配置し、さらにアルゴンガスを封入した。遊星型ボールミルを自転速度400rpm及び公転速度400rpmで15分間作動させて、5分間休止するとのサイクルを15サイクル繰り返し、結晶性Si粉末及びTiC粉末を混合粉砕して、実施例1の負極材料を製造した。
実施例1の負極材料を72.5質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを13.5質量部、結着剤としてポリアクリル酸とジアミンとの反応物を14質量部、及び、適量のN−メチル−2−ピロリドンを混合して、スラリー状の負極活物質層形成用組成物とした。集電体として銅箔を準備し、これに負極活物質層形成用組成物を塗布して、乾燥することで、集電体上に負極活物質層が形成された実施例1の負極を得た。
リチウム箔を準備し、これを対極とした。セパレータとしてガラスフィルター(ヘキストセラニーズ社)及び単層ポリプロピレンであるcelgard2400(ポリポア株式会社)を準備した。また、エチレンカーボネート1体積部及びジエチルカーボネート1体積部を混合した溶媒にLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解した電解液を準備した。セパレータを、実施例1の負極と対極で挟持し電極体とした。この電極体をコイン型電池ケースCR2032(宝泉株式会社)に収容し、さらに電解液を注入して、密閉型のコイン型電池を得た。これを実施例1のリチウムイオン二次電池とした。
(実施例2)
結晶性Si粉末の量を53.7質量部、TiC粉末の量を46.3質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の負極材料、負極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
(実施例3)
結晶性Si粉末の量を42.0質量部、TiC粉末の量を58.0質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の負極材料、負極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例1)
実施例1の負極材料に替えて、結晶性Si粉末(株式会社高純度化学研究所:粒子径5μm)をそのまま使用して負極を製造した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の負極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例2)
TiC粉末を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2の負極材料、負極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例3)
TiC粉末に替えて、金属Ti粉末を使用した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例3の負極材料、負極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例4)
結晶性Si粉末の量を88.4質量部、TiC粉末の量を11.6質量部とした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例4の負極材料、負極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
(評価例1)
蛍光X線元素分析法(XRF)にて、実施例1〜実施例3、比較例3、比較例4の負極材料を分析したところ、原料としてのSi及びTiの使用量に対応した分析結果が得られた。
また、酸素・窒素・水素分析装置を用いて、実施例1〜実施例3、比較例2〜比較例4の負極材料、及び、使用した結晶性Si粉末の酸素含量を分析したところ、実施例1〜実施例3、比較例2〜比較例4の負極材料の酸素含量は概ね2質量%であり、使用した結晶性Si粉末の酸素含量は0.5質量%であった。
(評価例2)
CuKαを用いる粉末X線回折装置にて、実施例1及び比較例3の負極材料、並びに、使用した結晶性Si粉末を分析した。得られたX線回折チャートを図1に示す。
結晶性Si粉末と金属Ti粉末を混合した比較例3の負極材料からは、SiとTiが合金化したTiSiのピークが検出された。比較例3の負極材料においては、その混合工程において、SiとTiが合金化して、二次電池の充放電に寄与し得る金属Siの量が減じたといえる。
他方、結晶性Si粉末とTiC粉末を混合した実施例1の負極材料からは、Si−Ti合金に関するピークが検出されなかった。実施例1の負極材料においては、その混合工程において、Si及びTiCがそれぞれ減じることなく製造されたことがわかる。
(評価例3)
実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例4のリチウムイオン二次電池に対して、0.05Cで0.01Vまで充電を行い、その後、0.05Cで1Vまで放電を行うとの初回充放電を行った。初期効率を以下の式で算出した。
初期効率(%)=100×(初回放電容量)/(初回充電容量)
また、各負極におけるSiの質量あたりの初回放電容量を算出した。そして、比較例1の負極におけるSiの質量あたりの初回放電容量を100%とした場合の、各負極におけるSiの質量あたりの初回放電容量の割合を、Si利用率として算出した。
以上の結果を表1に示す。以下の表において、rは100×(TiCの質量%)/(Siの質量%+TiCの質量%)の値を意味する。
表1のSi利用率の結果から、金属Tiを使用した比較例3においては、Si利用率が大きく低下していることがわかる。
初期効率に関しては、いずれのリチウムイオン二次電池も同等であったが、rが大きくなるに従い、初期効率は低下傾向にあるといえる。
(評価例4)
実施例1〜実施例3、比較例1、比較例2、比較例4のリチウムイオン二次電池に対して、0.2Cで0.01Vまで充電を行い、その後、0.2Cで1Vまで放電を行うとの充放電サイクルを、50回繰り返した。
容量維持率(%)を以下の式で算出した。以上の結果を表2に示す。
容量維持率(%)=100×(50サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)
比較例1と比較例2の結果から、Siを粉砕することで、容量維持率が改善することがわかる。また、実施例1〜実施例3と比較例2の結果から、TiCの存在に因り、容量維持率がさらに改善することがわかる。しかしながら、比較例4の結果から、TiCの量が少ない場合には、容量維持率が悪化するといえる。
ここで、容量維持率の値をyとして、実施例1と比較例4の結果からrとyの関係を線形で示すと、y=2.24r−19となる。この式に比較例2の容量維持率であるy=13を代入して、rを求めるとr=14となる。よって、rが14を超える値であれば、容量維持率の改善効果が期待されるといえる。
以上の結果から、本発明の技術的意義が裏付けられたといえる。

Claims (4)

  1. Si及びTiCを含有し、かつ、Si及びTiCの含有量が以下の式を満足することを特徴とする負極材料。
    15≦100×(TiCの質量%)/(Siの質量%+TiCの質量%)
  2. Si及びTiCの含有量が以下の式を満足する請求項1に記載の負極材料。
    15≦100×(TiCの質量%)/(Siの質量%+TiCの質量%)≦60
  3. 請求項1又は2に記載の負極材料を具備する負極。
  4. 請求項3に記載の負極を備える二次電池。
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