本発明は、道路脇や駅や空港など、交通機関の停留所に設置されるサイネージに関する。
道路脇や駅や空港など、交通機関の停留所に設置されるサイネージが知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載されたサイネージは、インターネットと接続されている。また、管理サーバがインターネットに接続されている。管理サーバは、バスの系統やバス番号を含むバス識別情報及び位置情報を各バスからそれぞれ収集し、各系統ごとに各バスの位置を管理する。サイネージは、ポーリングによって管理サーバと通信し、バスの位置情報を管理サーバから定期的に受信する。サイネージは、バスの系統や、時刻表や、受信したバスの位置を表示部に表示させる。
特許文献1に記載されたサイネージを導入する場合、サイネージは、既に可動している管理サーバと通信する必要がある。そうすると、サイネージは、導入する事業者が運用するサーバの種類に応じて、バスの系統や時刻表などを要求するリクエストのフォーマット等を変更しなければならなくなる。すなわち、サイネージに実装するプログラムにおけるバスの系統や時刻表などを取得する部分を、サーバに応じてカスタマイズしなければならないという問題が生じる。
本願発明者らは、交通機関を運営する事業者等から運行情報を取得してユーザに開示するシステムであるGTFS(General Transit Feed Specification)に着目した。GTFSは、世界規模で普及している。 本願発明者らは、GTFSを利用することにより、サイネージにおいて、プログラムのカスタマイズの手間を低減して、汎用性の高いサイネージを実現できる可能性に気が付いた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、プログラムのカスタマイズの手間を低減して、汎用性の高いサイネージを提供することにある。
(1) 本発明に係るサイネージは、インターネットを通じて、路線情報、運行予定時刻情報、運行される移動体の位置情報を少なくとも含む交通情報を受信し、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスする機能を有するサーバと通信する通信モジュールと、メモリを有するコントローラと、上記コントローラが生成した表示情報を表示する表示装置と、を備える。上記コントローラは、交通機関の停留所を特定する識別情報を取得して上記メモリに記憶させる識別情報取得と、上記サーバが指定する第1指定アドレスを取得するアドレス取得処理と、セットアップ指示を取得するセットアップ指示取得処理と、上記セットアップ指示を取得したことに応じて、上記識別情報取得で取得した上記識別情報に応じた設置位置情報と、上記識別情報で特定される停留所を含む路線情報を返信することの要求と、を含むリクエストを、上記通信モジュールを通じて、上記第1指定アドレス宛てに送信する路線情報要求処理と、上記路線情報要求処理に対するレスポンスを受信する路線情報受信処理と、上記路線情報要求処理で受信したレスポンスに含まれる上記路線情報を上記メモリに記憶させる記憶処理と、を実行する。
コントローラは、セットアップ指示を取得すると、識別情報に応じた設置位置情報と、サイネージが設置された停留所を含む路線情報を返信することの要求とを含むリクエストを、サーバが指定する第1指定アドレス宛てに送信する。そして、コントローラは、リクエストに対するレスポンスを受信し、受信したレスポンスに含まれる路線情報をメモリに記憶させる。したがって、本発明に係るサイネージは、サーバとのみ通信するだけで路線情報を取得することができ、路線情報の取得のために、種々の管理サーバと通信する必要が無い。その結果、本発明に係るサイネージは、プログラムのカスタマイズの手間を低減して、汎用性を高めることができる。
(2) 上記コントローラは、上記セットアップ指示を取得したことに応じて、上記設置位置情報と、上記識別情報で特定される停留所における運行予定時刻情報を返信することの要求と、を含むリクエストを、上記通信モジュールを通じて、上記第1指定アドレス宛てに送信する時刻情報要求処理と、上記時刻情報要求処理に対するレスポンスを受信する時刻情報受信処理と、上記時刻情報受信処理で受信した上記運行予定時刻情報を上記メモリにさらに記憶させる上記記憶処理と、をさらに実行してもよい。
コントローラは、設置された停留所における運行予定時刻情報を返信することを要求するリクエストを、サーバが指定する第1指定アドレス宛てに送信する。そして、コントローラは、リクエストに対するレスポンスを受信し、受信したレスポンスに含まれる運行予定時刻情報をメモリに記憶させる。したがって、本発明に係るサイネージは、サーバとのみ通信するだけで運行予定時刻情報を取得することができ、運行予定時刻情報の取得のために、種々の管理サーバと通信する必要が無い。その結果、本発明に係るサイネージは、プログラムのカスタマイズの手間をさらに低減して、汎用性をさらに高めることができる。
(3) 上記コントローラは、上記メモリに記憶された上記路線情報及び上記運行予定時刻情報に基づいて、上記表示情報を生成する生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記路線情報及び上記運行予定時刻情報を上記表示装置に表示させる表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、メモリに記憶された路線情報及び運行予定時刻情報に基づいて表示情報を生成して出力し、路線情報及び運行予定情報を表示装置に表示させる。したがって、本発明に係るサイネージは、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、路線情報及び運行予定時刻情報を表示することができる。
(4) 上記コントローラは、上記メモリに記憶された上記路線情報が示す路線における上記移動体の位置を示す位置情報を返信することの要求を含むリクエストを、上記通信モジュールを通じて、上記第1指定アドレス宛てに定期的に送信する位置情報要求処理と、上記位置情報要求処理に対するレスポンスを受信する位置情報受信処理と、上記位置情報受信処理で受信したレスポンスに含まれる位置情報にさらに基づいて、上記表示情報を生成する上記生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記位置情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、メモリに記憶された路線情報が示す路線における移動体の位置を示す位置情報を返信することを要求するリクエストを、サーバが指定する第1指定アドレス宛てに定期的に送信する。そして、コントローラは、レスポンスに含まれる位置情報を、路線情報及び運行予定時刻情報とともに表示装置に表示させる。すなわち、本発明に係るサイネージは、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、路線情報、運行予定時刻情報、及び移動体の位置情報を表示することができる。
(5) 上記コントローラは、上記メモリに記憶された上記路線情報が示す路線における上記移動体の遅延を示す遅延情報を返信することの要求を含むリクエストを、上記通信モジュールを通じて、上記第1指定アドレス宛てに定期的に送信する遅延情報要求処理と、上記遅延情報要求処理に対するレスポンスを受信する遅延情報受信処理と、上記遅延情報受信処理で受信したレスポンスに含まれる上記遅延情報にさらに基づいて、上記表示情報を生成する上記生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記遅延情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、メモリに記憶された路線情報が示す路線における移動体の遅延を示す遅延情報を返信することを要求するリクエストを、サーバが指定する第1指定アドレス宛てに定期的に送信する。そして、コントローラは、レスポンスに含まれる遅延情報を、路線情報及び運行予定時刻情報とともに表示装置に表示させる。すなわち、本発明に係るサイネージは、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、路線情報、運行予定時刻情報、及び遅延情報を表示することができる。
(6) 上記コントローラは、イベントの有無及びイベントが有る場合はイベントの種類を示すイベント情報を返信することの要求を含むリクエストを上記通信モジュールを通じて上記第1指定アドレス宛てに送信する問合せ処理と、上記問合せ処理に対するレスポンスを受信するイベント情報受信処理と、上記イベント情報受信処理で受信した上記レスポンスに、上記路線情報の変更を示す上記イベント情報が含まれることに応じて、上記路線情報要求処理、上記路線情報受信処理、及び上記記憶処理と、を実行してもよい。
コントローラは、路線情報の変更を示すイベント情報がレスポンスに含まれることに応じて、路線情報をサーバに再度要求して路線情報を取得し、再度取得した路線情報をメモリに記憶させる。したがって、路線が変更されるたびに、作業者がサイネージの設定を変更する手間が省かれる。その結果、本発明に係るサイネージは、路線変更に伴う作業者の手間を省くことができ、また、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、表示する路線情報を確実に変更することができる。
(7) 上記コントローラは、イベントの有無及びイベントが有る場合はイベントの種類を示すイベント情報を返信することの要求を含むリクエストを上記通信モジュールを通じて上記第1指定アドレス宛てに送信する問合せ処理と、上記問合せ処理に対するレスポンスを受信するイベント情報受信処理と、上記イベント情報受信処理で受信した上記レスポンスに、上記運行予定時刻情報の変更を示す上記イベント情報が含まれることに応じて、上記時刻情報要求処理、上記時刻情報受信処理、及び上記記憶処理と、を実行してもよい。
コントローラは、運行予定時刻情報の変更を示すイベント情報がレスポンスに含まれることに応じて、運行予定時刻情報をサーバに再度要求して運行予定時刻情報を取得し、再度取得した運行予定時刻情報をメモリに記憶させる。したがって、運行予定時刻が変更されるたびに、作業者がサイネージの設定を変更する手間が省かれる。その結果、本発明に係るサイネージは、運行予定時刻の変更に伴う作業者の手間を省くことができ、また、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、表示する運行予定時刻情報を確実に変更することができる。
(8) 上記コントローラは、イベントの有無及びイベントが有る場合はイベントの種類を示すイベント情報を返信することの要求を含むリクエストを、上記通信モジュールを通じて定期的に送信する問合せ処理と、上記問合せ処理に対するレスポンスを受信するイベント情報受信処理と、上記イベント情報受信処理で受信した上記レスポンスに、上記メモリに記憶された上記路線情報に関連した事故を示す上記イベント情報が含まれることに応じて、事故に関する事故情報の要求を含むリクエストを、上記通信モジュールを通じて送信する事故情報要求処理と、上記事故情報要求処理に対するレスポンスを受信する事故情報受信処理と、上記事故情報受信処理で受信した上記レスポンスに含まれる上記事故情報に基づいて上記表示情報をさらに生成する上記生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記事故情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、事故が発生したことを示すイベント情報がレスポンスに含まれることに応じて、事故に関連する事故情報を要求するリクエストを送信して事故情報を取得し、取得した事故情報を表示装置に表示させる。したがって、本発明に係るサイネージは、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、事故情報をリアルタイムで表示することができる。
(9) 上記コントローラは、イベントの有無及びイベントが有る場合はイベントの種類を示すイベント情報を返信することの要求を含むリクエストを、上記通信モジュールを通じて定期的に送信する問合せ処理と、上記問合せ処理に対するレスポンスを受信するイベント情報受信処理と、上記イベント情報受信処理で受信した上記レスポンスに、災害が発生したことを示す上記イベント情報が含まれることに応じて、災害の内容を示す災害情報の要求を含むリクエストを、上記通信モジュールを通じて送信する災害情報要求処理と、上記災害情報要求処理に対するレスポンスを受信する災害情報受信処理と、上記災害情報受信処理で受信した上記レスポンスに含まれる上記災害情報に基づいて上記表示情報をさらに生成する上記生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記災害情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、災害が発生したことを示す情報がレスポンスに含まれることに応じて、災害情報を要求して災害情報を取得し、取得した災害情報を表示装置に表示させる。したがって、本発明に係るサイネージは、災害情報をリアルタイムで表示することができる。
(10) 上記コントローラは、広告情報を返信することの要求を含むリクエストを、上記通信モジュールを通じて、上記メモリに記憶された第2指定アドレス宛てに送信する広告情報要求処理と、上記広告情報要求処理に対するレスポンスを受信する広告情報受信処理と、上記広告情報受信処理で受信した上記レスポンスに含まれる上記広告情報を上記メモリにさらに記憶させる上記記憶処理と、上記メモリに記憶された上記広告情報に基づいて上記表示情報をさらに生成する上記生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記広告情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、広告情報を返信することの要求を含むリクエストを送信して広告情報を取得し、取得した広告情報を表示装置に表示させる。したがって、本発明のサイネージは、表示する広告を容易に変更することができる。
(11) 上記コントローラは、イベントの有無及びイベントが有る場合はイベントの種類を示すイベント情報を返信することの要求を含むリクエストを、上記通信モジュールを通じて定期的に送信する問合せ処理と、上記問合せ処理に対するレスポンスを受信するイベント情報受信処理と、上記イベント情報受信処理で受信した上記レスポンスに、緊急時を示す上記イベント情報が含まれることに応じて、緊急情報を返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて定期的に送信する緊急情報要求処理と、上記緊急情報要求処理に対するレスポンスを受信する緊急情報受信処理と、上記緊急情報受信処理で受信した上記レスポンスに含まれる上記緊急情報に基づいて上記表示情報を生成する緊急情報生成処理と、上記路線情報及び上記運行予定時刻情報の表示を中止し、上記緊急情報生成処理で生成した上記表示情報を出力して、上記緊急情報を上記表示装置に表示させる緊急情報表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、緊急時であることを示すイベント情報がレスポンスに含まれることに応じて、緊急情報を要求するリクエストを送信して緊急情報を取得し、路線情報及び運行予定時刻情報の表示を中止した上で、取得した緊急情報を表示装置に表示させる。したがって、本発明に係るサイネージは、緊急時においては、緊急情報をリアルタイムで、かつ大画面で表示することができる。
(12) 本発明に係るサイネージは、上記表示装置の表示画面に重畳されたタッチセンサをさらに備えていてもよい。上記コントローラは、上記表示装置が表示する表示内容を切り替えることを指示する表示切替指示の入力を上記タッチセンサから受け付ける表示切替受付処理と、上記表示切替受付処理で上記表示切替指示を受け付けたことに応じて、上記表示装置に表示させる表示内容を切り替える表示切替処理と、をさらに実行する。
本発明に係るサイネージの利用者は、表示画面にタッチして画面を切り替えることにより、必要とする情報を見ることができる。その結果、本発明に係るサイネージは、利用者が画面を切り替えることができないサイネージに比べ、利用者の使い勝手を良くすることができる。
(13) 本発明に係るサイネージは、センサをさらに備えていてもよい。上記コントローラは、上記センサが出力する検出信号に基づいて、人の有無を判断する判断処理と、上記判断処理で人がいないと判断したことに応じて、人がいると判断したときよりも大きく表示を行う拡大表示を行う。
コントローラは、サイネージの周囲に人がいないと判断すると、路線情報や運行予定時刻情報の表示を、周囲に人がいると判断したときよりも大きく表示する拡大表示を行う。したがって、本発明に係るサイネージは、周囲に人がいない場合に、遠くからでも人に路線情報や運行予定時刻情報を視認させることができる。
(14) 上記コントローラは、上記表示装置に供給される電流、電圧、及び電力の少なくとも1つに応じた動作情報の入力を受け付ける受付処理と、上記受付処理で受け付けた上記動作情報に基づいて、上記表示装置の故障の有無を判断する自己診断処理と、上記自己診断処理で故障と判断したことに応じて、上記メモリに記憶された第3指定アドレス宛に、故障を示す故障情報を上記通信モジュールを用いて送信する故障通知処理と、をさらに実行してもよい。
コントローラは、自己診断処理で故障と判断すると、担当者等のメールアドレス宛に、故障を示す故障情報を送信する。したがって、本発明に係るサイネージは、表示装置が故障したことを担当者に即座に通知することができる。
(15) 上記メモリは、複数の言語で表現された定型表示情報を、当該言語と対応付けて記憶していてもよい。上記コントローラは、上記表示装置に表示させる言語を指定する指定言語情報を取得する指定言語取得処理と、上記指定言語取得処理で取得した上記指定言語情報が示す言語で表現された上記定型表示情報を上記メモリから読み出し、読み出した当該定型表示情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行する。
コントローラは、指定言語情報を取得し、取得した指定言語情報が示す言語で表現された定型表示情報を表示する。したがって、本発明に係るサイネージは、サイネージを設置する作業者に、サイネージのローカライズを容易に行わせることができる。その結果、種々の国で使用可能な汎用性の高いサイネージが実現される。
本発明によれば、作業者の初期設定の手間を低減でき、かつ、汎用性の高いサイネージを提供することができる。
図1は、実施形態に係るシステム10の構成図である。
図2は、実施形態に係るサイネージ13の機能ブロック図である。
図3は、実施形態に係るサイネージ13の正面図である。
図4は、初期設定処理のフローチャートである。
図5は、第1表示制御処理のフローチャートである。
図6は、第2表示制御処理のフローチャートである。
図7は、第3表示制御処理のフローチャートである。
図8は、ダイヤ改正処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
図1が示すシステム10は、バスや電車や航空機などの交通機関に用いられるシステムである。より詳しくは、システム10は、道路脇や駅や空港などに設置されるサイネージ13に、路線図や時刻表などを表示するシステムである。以下では、システム10がバス15に用いられた例が説明される。すなわち、サイネージ13は、バス15の停留所に設置される。なお、図示例では、1台のバス15のみが表示されているが、運行されるバス15は、複数台である。バス15は、本発明の「移動体」の一例である。また、図示例では、3台のサイネージ13が表示されているが、サイネージ13は、停留所の数に応じて設けられ、3台に限られない。
本実施形態のシステム10は、交通情報サーバ11と、管理サーバ12と、複数のサイネージ13と、各バス15にそれぞれ搭載された情報収集装置16と、を備える。交通情報サーバ11及び管理サーバ12は、インターネット14にそれぞれ接続されている。サイネージ13は、停留所に設置された後、インターネット14に接続される。なお、図1が示す事業者サーバ18は、システム10に含まれない。事業者サーバ18は、サイネージ13に表示させるPR動画の配信に用いられる。詳しくは後述される。
交通情報サーバ11は、交通機関を運営する事業者等から運行情報を取得してユーザに開示するGTFS機能を実現するサーバである。詳しく説明すると、交通情報サーバ11は、公開されたURL(Uniform Resource Locator)を有している。交通情報サーバ11は、URLに対して送信された交通情報を受信し、受信した交通情報を、ストレージサーバなどに作成された交通データベースに記憶させる。そして、交通情報サーバ11は、交通情報の開示の要求を含むリクエストを受信し、受信したリクエストが要求する交通情報を交通データベースから取得し、取得した交通情報を含むレスポンスを返信する。交通情報サーバ11は、所定の事業者によって運用及び管理されている。なお、交通情報を受信するURLと、上記リクエストを受信するURLとは、同一であってもよいし、別であってもよい。交通情報の開示の要求を含むリクエストを受信するためのURLは、本発明の「第1指定アドレス」の一例である。第1指定アドレスは、交通情報サーバ11が指定するアドレスであれば、URLに限られない。以下では、交通情報の開示の要求を含むリクエストを受信するためのURLを第1URLと記載する。
管理サーバ12は、バス15を運行するバス事業者や、当該バス事業者から委託された委託事業者など、交通情報サーバ11を運用する事業者とは異なる事業者(以下、バス事業者等と記載する)によって運用及び管理されるサーバである。交通情報サーバ11は、本発明の「サーバ」の一例である。
管理サーバ12は、バス15の運行管理を行う。具体的には、各バス15が送信する情報を受信して運行管理データベースに記憶させる。詳しく説明すると、各バス15は、不図示の各種センサと、情報収集装置16と、GPSアンテナ17と、をそれぞれ搭載している。各種センサは、バス15の車速を検出する車速センサや、エンジンの回転数を検出する回転数センサや、バスの加速度を検出するジャイロセンサなどである。GPSアンテナ17は、不図示のGPS衛星が送信した位置情報を受信する。
情報収集装置16は、識別IDを記憶する不図示のメモリと、不図示の通信モジュールと、を有している。情報収集装置16は、各種センサから入力された検出信号に応じた情報と、GPSアンテナ17が受信した位置情報と、メモリに記憶された識別IDと、を含む情報を、通信モジュールを通じて無線送信する。バス15から送信された情報は、通信事業者の基地局で受信され、インターネット等の通信網を通じて管理サーバ12に入力される。管理サーバ12は、入力された情報を、付設のメモリやストレージサーバなどに作成した運行管理データベースに、運行管理情報として登録する。
運行管理データベースは、バスの位置情報などに加え、バスの路線情報や、各停留所における各バスの出発時刻を示す出発時刻情報や、遅延情報なども記憶する。路線情報や出発時刻情報は、例えば、オペレータによって運行管理データベースに記憶される。遅延情報は、管理サーバ12にインストールされた管理プログラムによって運行管理データベースに記憶される。管理プログラムは、例えば、出発時刻情報と、情報収集装置16から入力された位置情報とに基づいて遅延情報を算出し、運行管理データベースに記憶させる。
管理サーバ12は、運行管理データベースから運行管理情報や路線情報や出発時刻情報や遅延情報などの所定の情報を読み出し、交通情報サーバ11が公開する第1URL宛てに、読み出した情報を交通情報として送信する。交通情報の送信は、例えば、交通情報サーバ11が規定する所定のフォームにしたがって行われる。交通情報サーバ11と管理サーバ12との間でのインターネット14を通じた交通情報の送受信は、どのような手法(通信プロトコル等)で行われてもよいので、詳しい説明は省略される。
事業者サーバ18は、インターネット14に接続されている。事業者サーバ18は、公開されたURLを有しており、URLに送信されたリクエストに応じて、PR動画を含むレスポンスを返信する。事業者サーバ18は、バス事業者等が所持するサーバであってもよいし、その他の事業者が所持するサーバであってもよい。その他の事業者は、バス事業者等と、PR動画をサイネージ13に表示させる契約を締結する。事業者サーバ18は、サイネージ13から送信されたリクエストに応じて、PR動画を含むレスポンスをサイネージ13に返信する。事業者サーバ18が公開するURLは、本発明の「第2指定アドレス」の一例である。以下では、事業者サーバ18が公開するURLを第2URLと記載して説明がされる。
サイネージ13は、バス15の各停留所にそれぞれ設置される。サイネージ13は、停留所に設置された後、インターネット14と接続される。サイネージ13は、インターネット14を通じて交通情報サーバ11や管理サーバ12や事業者サーバ18と通信を行い、路線図や時刻表やバス15の現在位置や遅延情報や事故情報や災害情報や緊急情報やPR動画を表示する。以下、詳しく説明する。
図3が示すように、サイネージ13は、上下方向に長い矩形状の前面を有する直方体状である。サイネージ13の奥行方向の寸法は、前面の縦方向や幅方向の寸法に比べて小さい。すなわち、サイネージ13は、場所を取らずに設置可能なように、薄型の外形を有している。なお、サイネージ13は、横方向に長い薄型の外形を有していてもよい。すなわち、サイネージ13の外形は、図示例に限られない。
サイネージ13は、図2が示すように、表示装置20と、通信モジュール23と、人感センサ24と、クロックモジュール25と、コントローラ30と、電源回路26と、不図示の接続コネクタと、を備える。接続コネクタは、入力デバイス27に一端が接続された通信ケーブルの他端と接続される。すなわち、入力デバイス27が、着脱自在にサイネージ13に接続される。入力デバイス27は、例えば携帯端末やタブレットやノート型のパーソナルコンピュータなど、携帯可能なデバイスである。入力デバイス27は、サイネージ13の初期設定を行う場合などにおいて、サイネージ13と接続される。入力デバイス27は、例えばRS232などの通信プロトコルを用いてサイネージ13と通信を行う。
表示装置20は、ディスプレイ21と、ディスプレイ21に重畳された透明な膜状のタッチセンサ22と、を有する。ディスプレイ21は、入力された表示情報に応じた画像を表示させる。タッチセンサ22は、感圧式や静電式など種々の方式のものを用いることができる。タッチセンサ22は、人の指先などが触れた位置に応じた検出信号を出力する。
ディスプレイ21は、図3が示すように、路線図表示領域41と、時刻表表示領域42と、PR表示領域43と、運行情報表示領域44と、を有する。路線図表示領域41は、バス15の路線図を表示する。時刻表表示領域42は、バスの出発時刻を表示する。PR表示領域43は、PR動画を表示する。運行情報表示領域44は、走行するバス15の現在位置やバス15の遅延情報を表示する。図示例では、運行情報表示領域44の下に路線図表示領域41が位置し、路線図表示領域41の下にPR表示領域43が位置し、PR表示領域43の下に時刻表表示領域42が位置している。但し、路線図表示領域41と、時刻表表示領域42と、PR表示領域43と、運行情報表示領域44とは、どのような位置関係で配置されていてもよい。
通信モジュール23は、TCP/IPなどの通信プロトコルを用いて通信を行うモジュールである。通信モジュール23は、ルータなど、ファイアウォールを構築する機器を通じてインターネット14と接続される。なお、通信モジュール23は、インターネット14と有線接続されていてもよいし、無線接続されていてもよい。
人感センサ24は、サイネージ13の周囲にいる人を検出するセンサである。人感センサ24は、例えは、受光した赤外線に応じた信号を出力する赤外線センサであってもよいし、電波や光や音波を放射し、検知対象物で反射された電波や光や音波を受信し、受信した電波や光や音波に応じた信号を出力するレーダであってもよい。人感センサ24は、本発明の「センサ」の一例である。
クロックモジュール25は、日付及び時刻を示す日時情報を出力するモジュールである。
電源回路26は、表示装置20や通信モジュール23や人感センサ24やコントローラ30に直流電圧を供給する回路である。電源回路26は、例えば、交流の商用電源と接続され、入力された交流電圧を、所定の電圧値の直流電圧に変換して出力する。所定の直流電圧は、例えば、15V、10V、5V、3.3Vなどである。電源回路26は、例えば、スイッチングレギュレータや、シリーズレギュレータや、オペアンプやダイオードを用いた定電圧回路などを組み合わせて形成される。なお、図2では、電源回路26から表示装置20や通信モジュール23や人感センサ24やコントローラ30への給電線の図示が省略されている。
コントローラ30は、中央演算処理装置であるCPU31と、メモリ32と、通信バス38とを有している。CPU31、メモリ32、表示装置20、通信モジュール23、人感センサ24、クロックモジュール25、及び上述の不図示の接続コネクタが、通信バス38に接続されている。コントローラ30は、通信バス38を通じて、表示装置20のディスプレイ21に表示情報を送信し、通信バス38を通じて、表示装置20のタッチセンサ22から検出信号を受信する。また、コントローラ30は、通信バス38通じて、人感センサ24から検出信号を受信する。また、コントローラ30は、通信バス38を通じて、クロックモジュールから日時情報を受信する。また、コントローラ30は、通信バス38を通じて、接続コネクタと接続された入力デバイス27から後述の識別情報などを受信する。また、コントローラ30は、通信バス38及び通信モジュール23を通じてインターネット14に接続された交通情報サーバ11や管理サーバ12や事業者サーバ18と通信を行う。
なお、コントローラ30は、後述のポーリングを行うためのタイマカウンタを有していてもよい。コントローラ30は、例えば、カウントダウンタイマの出力値に応じて、リクエストを定期的に送信するポーリングを実行する。詳しくは後述される。
メモリ32は、プログラムを記憶するプログラム記憶領域33と、データを記憶するデータ記憶領域34とを有する。プログラム記憶領域33は、例えば、ROMである。データ記憶領域34は、例えば、ROMやRAMである。
プログラム記憶領域33は、OS(Operation System)35と、制御プログラム36と、通信プログラム37と、を記憶する。OS35と、制御プログラム36と、通信プログラム37とは、アドレスに記述された命令がCPU31によって順に実行されることにより、実行される。また、OS35と、制御プログラム36と、通信プログラム37とは、並列して実行され得る(マルチタスク処理)。
通信プログラム37は、通信モジュール23を通じた通信の制御を行うプログラムである。なお、通信プログラム37は、制御プログラム36の一部として制御プログラム36に組み込まれていてもよい。
制御プログラム36は、後述の各処理を実行し、かつ表示装置20の表示制御などを行うプログラムである。詳しくは後述される。
データ記憶領域34は、通信アドレスと、識別情報と、第1URLと、第2URLと、第3URLなどを記憶する。
通信アドレスは、インターネット14においてサイネージ13を特定するIPアドレスや、サイネージ13の製造時に付与されたMACアドレスなどである。
識別情報は、サイネージ13がいずれの停留所に設置されたサイネージであるかを識別するための情報である。識別情報は、例えば、停留所名や、住所や、地名や、停留所番号などの識別コードなどである。なお、サイネージ13が電車の駅に設置される場合、識別情報は、駅名であってもよい。また、サイネージ13が空港に設置される場合、識別情報は、空港名や、KIXなどの識別コードであってもよい。
第1URLは、交通情報サーバ11が公開するURLである。第2URLは、事業者サーバ18が公開するURLである。第3URLは、管理サーバ12が公開するURLである。
以下、制御プログラム36及び通信プログラム37が実行する各処理について説明がされる。なお、制御プログラム36及び通信プログラム37が実行する処理は、コントローラ30が行う処理として記載される。各処理は、発明の要旨を変更しない範囲で、処理順序が適宜変更されてもよい。
サイネージ13を停留所に設置する作業者は、サイネージ13を停留所に設置した後、サイネージ13を電源及びインターネット14に接続し、さらに、サイネージ13に入力デバイス27を接続する。そして、作業者は、入力デバイス27を用いてインターネット14に関する設定入力や識別情報の入力等を行って、サイネージ13の初期設定を行う。
サイネージ13の初期設定において、コントローラ30は、図4に示される初期設定処理を実行する。まず、コントローラ30は、電源が投入されると、初期設定フラグに「OFF」が設定されているか否かを判断する。初期設定フラグは、初期値が「OFF」であり、初期設定処理が終了すると「ON」が設定されるフラグである。なお、コントローラ30は、初期設定フラグが「OFF」であるか否かの判断に代えて、識別情報がメモリ32に記憶されているか否かを判断してもよい。すなわち、コントローラ30は、ステップS11の処理において、サイネージ13の初期設定が終了しているか否かを判断する。
コントローラ30は、初期設定フラグに「OFF」が設定されていないと判断すると(S11:No)、初期設定が終了していると判断して、初期設定処理を終了する。一方、コントローラ30は、初期設定フラグに「OFF」が設定されていると判断すると(S11:Yes)、初期設定が終了していないと判断して、ステップS12以降の処理を実行する。
まず、コントローラ30は、識別情報が入力されるまで待機する(S12:No)。コントローラ30は、入力デバイス27から識別情報が入力されたと判断すると(S12:Yes)、入力された識別情報をメモリ32に記憶させる(S13)。識別情報をメモリ32に記憶させるステップS13の処理は、本発明の「識別情報取得処理」の一例である。
なお、コントローラ30は、入力デバイス27から入力される方法以外の方法で識別情報を取得してもよい。例えば、USB(登録商標)メモリなどの可搬記憶媒体を装着可能なスロットがサイネージ13に設けられる。識別情報が可搬記憶媒体に予め記憶される。コントローラ30は、可搬記憶媒体から識別情報を読み出して取得する。コントローラ30は、入力デバイス27や可搬記憶媒体を用いた識別情報の取得の他、他の方法によって識別情報を取得してもよい。
コントローラ30は、ステップS13の実行後、或いは、ステップS12の実行前や、ステップS12、S13の処理と平行して、第1URLを取得する処理を実行する。具体的には、コントローラ30は、第1URLが入力されるまで待機する(S14:No)。コントローラ30は、入力デバイス27から第1URLが入力されたと判断すると(S14:Yes)、入力された第1URLをメモリ32に記憶させる(S15)。第1URLをメモリ32に記憶させるステップS15の処理は、本発明の「アドレス取得処理」の一例である。なお、交通情報サーバ11は、バスや電車や航空機など交通機関の種類に拘わりなく用いられるので、交通情報サーバ11が公開する第1URLは、サイネージ13が停留所に設置される前に、メモリ32に予め記憶されていてもよい。その場合、コントローラ30は、メモリ32から第1URLを読み出すことによって第1URLを取得する。
次に、コントローラ30は、セットアップ指示を取得する(S16)。セットアップ指示は、バス15の路線を示す路線情報やバスの出発時刻を示す出発時刻情報の取得の実行を指示する情報である。作業者は、例えば入力デバイス27や上述の可搬記憶媒体を用いてセットアップ指示をコントローラ30に入力する。コントローラ30は、セットアップ指示が入力されたことに応じて、ステップS17以降の処理を実行する。なお、コントローラ30は、識別情報の取得を、セットアップ指示の取得としてもよい。すなわち、コントローラ30は、識別情報を取得したことに応じて、S17以降の処理を実行する。セットアップ指示を取得するS16の処理や、識別情報を取得するステップS13の処理は、本発明の「セットアップ指示取得処理」の一例である。
コントローラ30は、セットアップ指示を取得したことに応じて、リクエストを生成する(S17)。当該リクエストは、送信宛先としての第1URLと、送信元を示す通信アドレスと、交通機関の種類を示す種別情報と、設置位置情報と、所定の要求と、を含む。すなわち、当該リクエストは、第1URLを公開する交通情報サーバ11に送信される。なお、当該リクエストは、HTTP(HyperText Transfer Protocol)やHTTPs(HyperText Transfer Protocol over transport layer security)などの通信プロトコルに準じて生成される。
種別情報は、バス、電車、航空機など、交通機関の種類を示す情報である。種別情報は、メモリ32に予め記憶される。サイネージ13が、バスや、電車や、航空機などに対して共通で使用される場合、種別情報は、入力デバイス27などを用いて作業者が選択する。コントローラ30は、作業者によって選択された種別情報をリクエストに含ませる。
設置位置情報は、メモリ32に記憶された識別情報に応じた情報であって、交通情報サーバ11が停留所の位置を特定可能な情報である。交通情報サーバ11が住所や地名や停留所名によって停留所の位置を特定可能であれば、コントローラ30は、設置位置情報として識別情報をリクエストに含める。交通情報サーバ11が地名や停留所名や停留所番号によって位置を特定できなければ、コントローラ30は、交通情報サーバ11が位置を特定可能な情報として、識別情報に応じた設置位置情報を特定する。例えば、識別情報と住所(設置位置情報)とが対応付けられた対応テーブルがメモリ32に予め記憶される。コントローラ30は、メモリ32から読み出した識別情報と対応する住所をメモリ32から読み出し、設置位置情報として取得する。なお、識別情報を設置位置情報としてリクエストにそのまま含められるように、交通情報サーバ11が停留所の位置を特定可能な情報が識別情報とされることが望ましい。
リクエストに含まれる所定の要求とは、設置位置情報が示す停留所に停車するバス15の路線を示す路線情報を返信することの要求と、当該停留所におけるバスの出発時刻を示す出発時刻情報を返信することの要求とである。具体的には、コントローラ30は、路線情報を返信することを要求するコマンドと、出発時刻を返信することを要求するコマンドとを含むリクエストを生成する。当該コマンドは、メモリ32に予め記憶される。
路線情報を返信することを要求するコマンド及び出発時刻を返信することを要求するコマンドは、上述の種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、路線情報を返信することを要求するコマンドは、付帯情報である種別情報が示す交通機関(バス)において、付帯情報である設置位置情報が示す停留所を含む路線の路線情報を返信することを要求する。また、出発時刻情報を返信することを要求するコマンドは、付帯情報である種別情報が示す交通機関(バス)において、付帯情報である設置位置情報が示す停留所におけるバスの出発時刻を示す出発時刻情報を返信することを要求する。
なお、路線情報を返信することを要求するコマンドと、出発時刻を返信することを要求するコマンドとは、一のコマンドとされていてもよい。また、交通情報サーバ11が解読可能であれば、コマンドを用いた要求以外の要求がリクエストに含まれていてもよい。さらにまた、コントローラ30は、路線情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストと、出発時刻を返信することを要求するコマンドを含むリクエストとの2つのリクエストを生成してもよい。コントローラ30が、一のリクエストを生成するか複数のリクエストを生成するかは、生成するリクエストのデータ構造によって決まる。リクエストは、例えば、リクエストを特定する送信番号を記憶する領域と、コマンドを記憶する領域と、付帯情報を記憶する領域等とで構成される。コマンドを記憶する領域が、複数のコマンドを含むことが可能であれば、コントローラ30は、複数のコマンドを含む一のリクエストを生成する。
出発時刻情報は、本発明の「運行予定時刻情報」の一例である。運行予定時刻情報は、出発時刻の他、バス15が停留所に到着する到着予定時刻を示す到着予定時刻情報や、停留所での停車時間を示す停車時間情報などを含んでいてもよい。すなわち、ステップS17で生成されるリクエストは、出発時刻情報や到着予定時刻情報や停車時間情報の返信の要求を含んでいてもよい。
また、路線情報の返信を要求するコマンドを含むリクエストを送信するステップS18の処理は、本発明の「路線情報要求処理」の一例である。出発時刻情報の返信を要求するコマンドを含むリクエストを送信するステップS18の処理は、本発明の「時刻情報要求処理」の一例である。
コントローラ30は、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S18)。そして、コントローラ30は、送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S19:No)。なお、コントローラ30は、リクエストを送信してからの所定の時間が経過してもレスポンスを受信できなかったと判断すると、リクエストを再送信する。
一方、フローチャートには示されていないが、コントローラ30が送信したリクエストは、交通情報サーバ11によって受信される。交通情報サーバ11は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、交通情報サーバ11は、コマンドに含まれる種別情報が示す交通機関(バス)において、設置位置情報が示す停留所を含む路線の路線情報及び出発時刻情報を交通データベースから読み出し、読み出した交通情報を含むレスポンスを生成する。そして、交通情報サーバ11は、生成したレスポンスを、受信したリクエストに含まれていた通信アドレス宛に返信する。なお、読み出される交通情報は、管理サーバ12が交通情報サーバ11に予め送信して交通情報サーバ11の交通データベースに記憶されている情報である。なお、交通情報サーバ11は、HTTPやHTTPsの通信プロトコルに準じてレスポンスを生成する。すなわち、交通情報サーバ11が返信するレスポンスは、ルータが生成するファイアウォールを超えてサイネージ13に受信される。
コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S19:Yes)、受信したレスポンスに含まれる路線情報及び出発時刻情報をメモリ32に記憶させる(S20)。路線情報を含むレスポンスを受信するステップS19:Yesの処理は、本発明の「路線情報受信処理」の一例である。出発時刻情報を含むレスポンスを受信するステップS19:Yesの処理は、本発明の「時刻情報受信処理」の一例である。路線情報及び出発時刻情報をメモリ32に記憶させるステップS20の処理は、本発明の「記憶処理」の一例である。
コントローラ30は、路線情報及び出発時刻情報をメモリ32に記憶させたことに応じて、初期設定フラグに「ON」を設定し(S21)、初期設定処理を終了する。なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ30は、初期設定処理が終了したことに応じて、初期設定処理が終了したことを通知してもよい。具体的には、コントローラ30は、初期設定処理が終了したことを示すメールを、メモリ32に予め記憶されたメールアドレス宛に送信する。当該メールアドレスは、例えば、バス事業者等の担当者のメールアドレスである。
次に、コントローラ30が、路線情報、出発時刻情報、バス15の位置情報、及びバスの遅延情報を表示装置20のディスプレイ21に表示させる第1表示制御処理について説明がされる。
まず、コントローラ30は、図5が示すように、表示開始時刻になったか否かを判断する(S30)。具体的には、コントローラ30は、クロックモジュール25から入力された日時情報が示す時刻が、メモリ32に記憶された始発のバス15の出発時刻、或いは当該出発時刻の所定時間前になったか否かを判断する。なお、サイネージ13にクロックモジュール25が設けられる代わりに、コントローラ30が、インターネット14を通じて日時情報を定期的に取得してもよい。
コントローラ30は、表示開始時刻になるまで待機する(S30:No)。そして、コントローラ30は、表示開始時刻になったと判断すると(S30:Yes)、リクエストを生成する(S31)。当該リクエストは、第1URLと、通信アドレスと、種別情報と、設置位置情報と、所定の要求と、を含む。すなわち、コントローラ30は、交通情報サーバ11に返信を要求するリクエストを生成する。
所定の要求は、設置位置情報が示す停留所を含む路線を走行するバス15の位置情報を返信することの要求と、遅延情報を返信することの要求とである。遅延情報は、バスが予定より遅延していることを示す情報或いは遅延時間を示す情報との少なくとも一方の情報である。
コントローラ30は、位置情報を返信することを要求するコマンドと、遅延情報を返信することを要求するコマンドとを含むリクエストを生成する。当該コマンドは、メモリ32に予め記憶される。位置情報を返信することを要求するコマンド及び遅延情報を返信することを要求するコマンドは、種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、位置情報を返信することを要求するコマンドは、付帯情報である種別情報が示す交通機関(バス)において、付帯情報である設置位置情報が示す停留所を含む路線を走行するバス15の現在位置を返信することを要求する。また、遅延情報を返信することを要求するコマンドは、付帯情報である種別情報が示す交通機関(バス)において、付帯情報である設置位置情報が示す停留所を含む路線を走行するバス15の遅延情報を返信することを要求する。
なお、位置情報を返信することを要求するコマンドと、遅延情報を返信することを要求するコマンドとは、一のコマンドとされていてもよい。また、交通情報サーバ11が解読可能であれば、コマンドを用いた要求以外の要求がリクエストに含まれていてもよい。さらにまた、コントローラ30は、位置情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストと、遅延情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストとの2つのリクエストを生成してもよい。
コントローラ30は、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S32)。そして、コントローラ30は、送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S33:No)。なお、コントローラ30は、レスポンスを受信するまでに、リクエストを送信してからの経過時間が所定の時間に達したと判断すると、リクエストの再送信を実行する。位置情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストを送信するステップS32の処理は、本発明の「位置情報要求処理」の一例である。遅延情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストを送信するステップS32の処理は、本発明の「遅延情報要求処理」の一例である。
一方、フローチャートには示されていないが、コントローラ30が送信したリクエストは、交通情報サーバ11によって受信される。交通情報サーバ11は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、交通情報サーバ11は、コマンドに含まれる種別情報が示す交通機関(バス)において、設置位置情報が示す停留所を含む路線を走行するバス15の位置情報及び遅延情報を交通データベースから読み出し、読み出した情報を含むレスポンスを生成する。そして、交通情報サーバ11は、生成したレスポンスを、受信したリクエストに含まれていた通信アドレス宛に返信する。なお、読み出される位置情報及び遅延情報は、管理サーバ12が交通情報サーバ11に予め送信して交通情報サーバ11の交通データベースに記憶されている情報である。
コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S33:Yes)、受信したレスポンスに含まれる位置情報及び遅延情報をメモリ32に記憶させる(S34)。位置情報を含むレスポンスを受信するステップS33:Yesの処理は、本発明の「位置情報受信処理」の一例である。遅延情報を含むレスポンスを受信するステップS33:Yesの処理は、本発明の「遅延情報受信処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS34でメモリ32に記憶させた位置情報及び遅延情報に基づいて、表示装置20のディスプレイ21に表示させる表示情報を生成する(S35)。ステップS35で生成される表示情報は、バス15が遅延していること、或いはバス15の遅延時間を示す情報と、バス15の位置を示す情報とを含む。バス15の位置を示す情報は、例えば、バス15の現在位置を示す住所や、地図上に表示されるマーカの位置を示す情報である。位置が示されるバス15は、サイネージ13が設置された停留所を含む路線上にある全てのバス15であってもよいし、サイネージ13が設置された停留所と、当該停留所の隣の停留所との間に位置するバス15であってもよい。コントローラ30は、ステップS34でメモリ32に記憶させた位置情報から所定のバスの15の位置情報を選択し、選択した位置情報に基づいて、表示情報を生成する。表示情報を生成するステップS34の処理は、本発明の「生成処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS34で生成した表示情報を表示装置20に入力し、路線図、時刻表、バス15の位置情報、及びバス15の遅延情報をディスプレイ21に表示させる(S36)。路線図は、図3に示される路線図表示領域41に表示される。時刻表は、時刻表表示領域42に表示される。位置情報及び遅延情報は、運行情報表示領域44に表示される。バス15の位置情報及び遅延情報をディスプレイ21に表示させるステップS36の処理は、本発明の「表示処理」の一例である。
次に、コントローラ30は、表示終了時刻になったか否かを判断する(S37)。具体的には、コントローラ30は、クロックモジュール25から入力された日時情報が示す時刻が、メモリ32に記憶された最終のバス15の走行が終了する時刻になったか否かを判断する。コントローラ30は、表示終了時刻になっていないと判断すると(S37:No)、ステップS31以降の処理を再度実行する。繰り返して実行されるステップS32のリクエストの送信は、例えば、ポーリングによって実行される。すなわち、コントローラ30は、所定の時間間隔でリクエストを繰り返して送信する。一方、コントローラ30は、表示終了時刻になったと判断すると(S37:Yes)、第1表示制御処理を終了する。
次に、コントローラ30が、事故情報や、災害情報や、緊急情報を表示装置20のディスプレイ21に表示させる第2表示制御処理について説明がされる。
コントローラ30は、図6が示すように、リクエストを生成する(S41)。生成されるリクエストは、第1URLと、通信アドレスと、種別情報と、設置位置情報と、所定の要求とを含む。すなわち、コントローラ30は、交通情報サーバ11に送信するリクエストを生成する。所定の要求とは、イベント情報を返信することの要求である。すなわち、コントローラ30は、イベント情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストを生成する。当該コマンドは、メモリ32に予め記憶される。
イベント情報を返信することを要求するコマンドは、種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、当該コマンドは、種別情報が示す交通機関(バス)について、設置位置情報が示す停留所に関連するイベント情報の返信を要求するコマンドである。
コントローラ30は、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S42)。ステップS41で生成したリクエストを交通情報サーバ11に送信するステップS42の処理は、本発明の「問合せ処理」の一例である。
一方、フローチャートには示されていないが、コントローラ30が送信したリクエストは、交通情報サーバ11によって受信される。交通情報サーバ11は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、交通情報サーバ11は、コマンドに含まれる種別情報が示す交通機関(バス)において、設置位置情報が示す停留所に関するイベント情報の有無を確認する。そして、交通情報サーバ11は、イベント情報がある場合は、当該イベント情報を含むレスポンスを生成し、イベント情報がない場合は、イベント情報がないことを示す情報を含むレスポンスを生成する。交通情報サーバ11は、生成したレスポンスを、受信したリクエストに含まれる通信アドレス宛に返信する。
イベント情報は、複数の種類を有する。一の種類のイベント情報は、事故を示す。事故は、例えば、バス15に関する事故や、バス15の路線における他の車両等の事故や、或いは、バス15と接続する電車や航空機などの他の交通機関に関する事故などである。
他の一の種類のイベント情報は、災害を示す。災害は、例えば、バス15の路線における地震や火災やゲリラ雷雨や津波や台風などである。
さらに他の一の種類のイベント情報は、緊急事態を示す。緊急事態は、例えば、道路などが破壊される大地震や、テロの発生などである。
なお、コントローラ30は、ステップS41で生成したリクエストを、交通情報サーバ11以外のサーバに送信してもよい。例えば、交通情報サーバ11が災害や緊急事態に関する情報の配信を行っていない場合、コントローラ30は、災害や緊急事態に関する情報の配信を行っているサーバに、生成したリクエストを送信する。具体的には、コントローラ30は、第1URLに代えて、災害や緊急事態に関する情報を配信するサーバが公開するURLをリクエストに含ませる。当該URLは、例えば、メモリ32に予め記憶される。
コントローラ30は、送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S43:No)。コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S43:Yes)、受信したレスポンスにイベント情報が含まれるか否かを判断する(S44)。コントローラ30は、受信したレスポンスにイベント情報が含まれないと判断すると(S44:No)、ステップS45からS58までの処理をスキップする。一方、コントローラ30は、受信したレスポンスにイベント情報が含まれると判断すると(S44:Yes)、イベント情報の種類を判断する(S45)。交通情報サーバ11が返信したレスポンスを受信するステップS43:Yesの処理は、本発明の「イベント情報受信処理」の一例である。
コントローラ30は、イベント情報の種類が事故を示すと判断すると(S45:事故)、リクエストを生成し、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S46)。当該リクエストは、第1URL、通信アドレス、及び事故情報を返信することを要求するコマンドを含む。当該コマンドは、種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、コントローラ30は、種別情報が示す交通機関(バス)について、設置位置情報が示す停留所に関する事故情報を返信することを要求するリクエストを、交通情報サーバ11宛てに送信する。事故情報とは、事故の種類や、事故が生じた場所や、事故によって生じた車両15の遅延時間や遅延状況を示す遅延情報や、事故が生じたときの迂回経路を示す迂回情報や、車両15や電車や航空機の欠航や欠便を示す欠便情報や、事故などによって変更されたライブの情報などである。ステップS45で生成したリクエストを交通情報サーバ11に送信するステップS46の処理は、本発明の「事故情報要求処理」の一例である。
なお、交通情報サーバ11は、管理サーバ12や、種々の交通機関を運営する事業者等が運用する管理サーバなどから事故情報を収集し、要求(リクエスト)に応じて収集した事故情報を返信(レスポンス)する。
コントローラ30は、ステップS46で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S47:No)。コントローラ30は、ステップS46で送信したリクエストに対するレスポンスを受信したと判断すると(S47:Yes)、受信したレスポンスに含まれる事故情報に基づいて、表示情報を生成する(S48)。そして、コントローラ30は、生成した表示情報を表示装置20に入力し、事故情報をディスプレイ21に表示させる(S49)。事故情報は、例えば、運行情報表示領域44(図3)に表示される。なお、事故情報は、ディスプレイ21に設けられた専用の表示領域に表示されてもよい。
事故情報を含むレスポンスを受信するステップS47:Yesの処理は、本発明の「事故情報受信処理」の一例である。事故情報を示す表示情報を生成するステップS48の処理は、本発明の「生成処理」の一例である。事故情報をディスプレイ21に表示させるステップS49の処理は、本発明の「表示処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS45において、イベント情報の種類が災害を示すと判断すると(S45:災害)、リクエストを生成し、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S50)。当該リクエストは、第1URL、通信アドレス、及び災害情報を返信することを要求するコマンドを含む。当該コマンドは、上述の種別情報及び設置位置情報を含む。すなわち、コントローラ30は、種別情報が示す交通機関(バス)について、設置位置情報が示す停留所に関する災害情報を返信することを要求するリクエストを、交通情報サーバ11宛てに送信する。災害情報の返信の要求を含むリクエストを送信するステップS50の処理は、本発明の「災害情報要求処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS50で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S51:No)。コントローラ30は、ステップS50で送信したリクエストに対するレスポンスを受信したと判断すると(S51:Yes)、受信したレスポンスに含まれる災害情報に基づいて、表示情報を生成する(S52)。そして、コントローラ30は、生成した表示情報を表示装置20に入力し、災害情報をディスプレイ21に表示させる(S53)。災害情報は、例えば、運行情報表示領域44に表示される。なお、災害情報は、ディスプレイ21に設けられた専用の表示領域に表示されてもよい。
災害情報を含むレスポンスを受信するステップS51:Yesの処理は、本発明の「災害情報受信処理」の一例である。災害情報を示す表示情報を生成するステップS52の処理は、本発明の「生成処理」の一例である。災害情報をディスプレイ21に表示させるステップS53の処理は、本発明の「表示処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS45において、イベント情報の種類が緊急事態(緊急時)を示すと判断すると(S45:緊急)、リクエストを生成し、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S54)。当該リクエストは、第1URL、通信アドレス、及び緊急情報を返信することを要求するコマンドを含む。当該コマンドは、上述の種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、コントローラ30は、種別情報が示す交通機関(バス)について、設置位置情報が示す停留所に関する緊急情報を返信することを要求するリクエストを、交通情報サーバ11宛てに送信する。緊急情報の返信の要求を含むリクエストを送信するステップS54の処理は、本発明の「緊急情報要求処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS54で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S55:No)。コントローラ30は、ステップS54で送信したリクエストに対するレスポンスを受信したと判断すると(S55:Yes)、受信したレスポンスに含まれる緊急情報に基づいて、表示情報を生成する(S56)。そして、コントローラ30は、第1表示制御処理(図5)を停止するとともに、ステップS56で生成した表示情報を表示装置20に入力し、緊急情報をディスプレイ21に表示させる(S57)。緊急情報は、例えば、ディスプレイ21の全面に表示される。
緊急情報を含むレスポンスを受信するステップS55:Yesの処理は、本発明の「緊急情報受信処理」の一例である。緊急情報を示す表示情報を生成するステップS56の処理は、本発明の「緊急情報生成処理」の一例である。緊急情報をディスプレイ21に表示させるステップS57の処理は、本発明の「緊急情報表示処理」の一例である。
コントローラ30は、緊急情報の表示を終了するか否かを判断する(S58)。コントローラ30は、例えば、入力デバイス27によって解除指示が入力されたことに応じて、緊急情報の表示を終了すると判断する。コントローラ30は、緊急情報の表示を終了しないと判断すると(S58:No)、ステップS54以降の処理を再度実行する。コントローラ30は、例えばポーリングにより、ステップS54で生成したリクエストを所定の時間間隔で定期的に交通情報サーバ11に送信する。すなわち、緊急時において、サイネージ13は、常に最新の緊急情報を表示することができる。
コントローラ30は、ステップS49、S53の処理の実行後、緊急情報の表示を終了すると判断した後(S58:Yes)、或いは、イベント情報がレスポンスに含まれないと判断した後(S44:No)、表示を終了するか否かを判断する(S59)。コントローラ30は、例えば、入力デバイス27を用いてリセット指示が入力されたことに応じて、表示を終了すると判断する(S59:Yes)。すなわち、コントローラ30は、意図的に処理が終了されない限り、昼夜を問わずイベント情報を定期的に取得して、事故情報や災害情報や緊急情報を表示する。なお、コントローラ30は、ステップS41で生成したリクエストを、ポーリングなどによって定期的に繰り返し送信する(S42)。
次に、サイネージ13がPR動画を表示する第3表示制御処理が、図7を参照して説明される。まず、コントローラ30は、事業者サーバ18(図1)が公開する第3URLの入力を受け付ける(S61)。第3URLは、例えば、入力デバイス27や可搬記憶媒体を用いてサイネージ13に入力される。或いは、コントローラ30は、第3URLを返信することを要求するコマンドを含むリクエストを管理サーバ12宛てに送信し、レスポンスに含まれる第3URLを取得する。なお、第3URLは、第2URLと同じURLであってもよい。すなわち、バス事業者等が、契約した事業者からPR動画を受け取り、サイネージ13に配信してもよい。第3URLは、バス事業者等と契約する事業者が変更した場合などにおいて更新される。
コントローラ30は、第3URLを取得したことに応じて、リクエストを生成する(S62)。当該リクエストは、第3URLと、通信アドレスと、PR動画を返信することを要求するコマンドと、を含む。コントローラ30は、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S63)。PR動画を返信することを要求するコマンドを含むリクエストを送信するステップS53の処理は、本発明の「広告情報要求処理」の一例である。PR動画は、本発明の「広告情報」の一例である。
一方、フローチャートには示されていないが、コントローラ30が送信したリクエストは、事業者サーバ18によって受信される。事業者サーバ18は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、事業者サーバ18は、付設するメモリに記憶されたPR動画を含むレスポンスを受信したリクエストに含まれる通信アドレス宛に返信する。
コントローラ30は、ステップS63で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S64:No)。コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S64:Yes)、受信したレスポンスに含まれるPR動画をメモリ32に記憶させる(S65)。PR動画を含むレスポンスを受信するステップS64:Yesの処理は、本発明の「広告情報受信処理」の一例である。PR動画をメモリ32に記憶させるステップS65の処理は、本発明の「記憶処理」の一例である。
コントローラ30は、メモリ32に記憶されたPR動画に基づいて表示情報を生成し(S66)、生成した表示情報を表示装置20に入力してPR動画をディスプレイ21に表示させ(S67)、第3表示制御処理を終了する。PR動画は、PR表示領域43(図3)に表示される。なお、PR動画に代えて、静止画像がPR表示領域43に表示されてもよい。すなわち、事業者サーバ18は、PR動画に代えて、静止画像を含むレスポンスを返信する。静止画像は、本発明の「広告情報」の一例である。表示情報を生成するステップS66の処理は、本発明の「生成処理」の一例である。PR画像をディスプレイ21に表示させるステップS67の処理は、本発明の「表示処理」の一例である。
なお、サイネージ13におけるPR動画を表示する機能は、適宜選択可能な事項である。すなわち、サイネージ13は、PR動画を表示する機能を有していてもよいし、有していなくてもよい。
コントローラ30は、上述の第1表示制御処理、第2表示制御処理、及び第3表示制御処理の実行中において、人感センサ24が検知する人の有無に応じて、ディスプレイ21への表示情報の入力を実行或いは停止する。すなわち、コントローラ30は、サイネージ13の周囲に人がいない場合、ディスプレイ21での表示を停止させて電力の無駄な消費を抑える。コントローラ30が、人感センサ24が出力する検出信号に応じて人の有無を判断する処理は、本発明の「判断処理」の一例である。なお、人感センサ24に代えて、カメラが用いられてもよい。ガメラは、サイネージ13の周囲を撮像して画像データを生成し、生成した画像データをコントローラ30に送信する、コントローラ30は、入力された画像データに基づいて、人の有無を判断する。
また、コントローラ30は、路線図や時刻表や運行管理情報の表示を切り替える切替アイコンをディスプレイ21に表示させる。そして、コントローラ30は、利用者が切替アイコンに触れたか否かを監視する。具体的には、コントローラ30は、タッチセンサが出力する検出信号を監視する。
コントローラ30は、利用者が切替アイコンに触れたと判断すると、ディスプレイ21に表示させる画面を切り替える。具体的には、コントローラ30は、複数の路線図の内の一の路線図の表示から、他の路線図の表示に表示を切り替える。或いは、コントローラ30は、一の路線の時刻表の表示から、他の路線の時刻表の表示に表示を切り替える。或いは、コントローラ30は、一の路線の運行情報の表示から、他の路線の運行情報の表示に表示を切り替える。人が触れたことに応じてタッチセンサ22が出力する検出信号は、本発明の「表示切替指示」の一例である。コントローラ30が、人が触れたことに応じてタッチセンサ22が出力する検出信号の入力を受け付ける処理は、本発明の「表示切替受付処理」の一例である。コントローラ30が、ディスプレイ21に表示させる表示内容を切り替える処理は、本発明の「表示切替処理」の一例である。
なお、人感センサ24及びタッチセンサ22の実装の有無は、適宜選択され得る事項である。すなわち、サイネージ13は、周囲の人の有無によってディスプレイ21での表示と非表示とを切り替える機能を有していなくてもよいし、画面を切り替えて表示する機能を有していなくてもよい。
次に、サイネージ13のローカライズについて説明する。コントローラ30は、例えば、ステップS34においてメモリ32に記憶させたバス15の位置情報などに基づいて、設置された停留所に間もなくバス15が到着すると判断すると、「間もなくバス15が到着します」などの表示を行う。メモリ32は、「間もなくバス15が到着します」などの定型表示情報を、複数の言語で、それぞれ言語IDと対応付けて記憶する。言語IDは、本発明の「指定言語情報」の一例である。
コントローラ30は、言語IDの入力を受け付ける。言語IDは、例えば、入力デバイス27を用いてサイネージ13に入力される。コントローラ30は、入力された言語IDに対応する定型表示情報をメモリ32から読み出し、読み出した定型表示情報をディスプレイ21に表示させる。コントローラ30が言語IDを取得する処理は、本発明の「指定言語取得処理」の一例である。コントローラ30が定型表示情報をディスプレイ21に表示させる処理は、本発明の「表示処理」の一例である。
また、コントローラ30は、ディスプレイ21に供給される直流電流、直流電圧、及び直流電力のうちの少なくとも1つの値に応じた検出値の入力を受け付ける。例えば、ディスプレイ21に供給される直流電流を検出する検出回路が設けられ、検出回路の出力端が通信バス38と接続される。ディスプレイ21に供給される直流電流、直流電圧、及び直流電力のうちの少なくとも1つの値に応じた検出値は、本発明の「動作情報」の一例である。コントローラ30が当該検出値の入力を受け付ける処理は、本発明の「受付処理」の一例である。
コントローラ30は、受け付けた上記検出値が、メモリ32に記憶された閾値範囲内であるか否かを判断する。コントローラ30が当該判断を行う処理は、本発明の「自己診断処理」の一例である。コントローラ30は、受け付けた上記検出値がメモリ32に記憶された閾値範囲内でないと判断すると、ディスプレイ21に故障が生じていることを示す故障情報を、メモリ32に記憶されたメールアドレス宛に送信する。メールアドレスは、例えば、バス事業者等の担当者のメールアドレスである。メールアドレスは、サイネージ13が停留所に設置される前、或いはサイネージ13が停留所に設置された後に、入力デバイス27を用いてサイネージ13に入力される。コントローラ30は、入力されたメールアドレスをメモリ32に記憶させる。コントローラ30が故障情報を含むメールを送信する処理は、本発明の「故障情報処理」の一例である。
次に、路線や時刻表などのダイヤ改正がされる場合において、サイネージ13が、ダイヤ改正後の路線図や時刻表をディスプレイ21に表示する場合にコントローラ30が実行するダイヤ改正処理について、図8を参照して説明がされる。
まず、コントローラ30は、リクエストを生成する(S71)。当該リクエストは、第1URLと、通信アドレスと、ダイヤ改正を含むイベントの有無を示すイベント情報を返信することを要求するコマンドとを含む。当該コマンドは、種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、コントローラ30は、種別情報が示す交通機関(バス)であって、設置位置情報が示すバス停を含む路線についてダイヤ改正などのイベントがあるか否かを交通情報サーバ11に問い合わせるリクエストを生成する。コントローラ30は、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S72)。ダイヤ改正があるか否かを問い合わせるリクエストを送信するステップPS72の処理は、本発明の「問合せ処理」の一例である。
一方、フローチャートには示されていないが、サイネージ13が送信したリクエストは、交通情報サーバ11によって受信される。交通情報サーバ11は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、交通情報サーバ11は、ダイヤ改正等に関する情報が交通データベースに記憶されているか否かを確認する。コントローラ30は、ダイヤ改正等に関する情報が交通データベースに記憶されていないと判断すると、ダイヤ改正がないことを示すイベント情報を含むレスポンスを生成し、受信したリクエストに含まれる通信アドレス宛に返信する。交通情報サーバ11は、ダイヤ改正に関する情報が交通データベースに記憶されていると判断すると、ダイヤ改正があることを示すイベント情報を含むレスポンスを生成し、受信したリクエストに含まれる通信アドレス宛に返信する。
コントローラ30は、ステップS72で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S73:No)。コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S73:Yes)、レスポンスに含まれるイベント情報に基づいて、ダイヤ改正があるか否かを判断する(S74)。コントローラ30は、ダイヤ改正がないと判断すると(S74:No)、ダイヤ改正処理を終了する。交通情報サーバ11が返信したレスポンスを受信するステップS73:Yesの処理は、本発明の「イベント情報受信処理」の一例である。
コントローラ30は、ダイヤ改正があると判断すると(S74:Yes)、リクエストを生成する(S75)。当該リクエストは、第1URLと、通信アドレスと、ダイヤ改正の日時、ダイヤ改正後の路線情報、及びダイヤ改正後の出発時刻情報を返信することを要求するコマンドと、を含む。当該コマンドは、種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、コントローラ30は、種別情報が示す交通機関(バス)であって、設置位置情報が示すバス停を含む路線について、ダイヤ改正の日時、ダイヤ改正後の路線情報及び出発時刻情報を返信することを交通情報サーバ11に要求するリクエストを生成する。なお、コントローラ30は、ステップS75において、複数のリクエストを生成してもよい。一のリクエストは、ダイヤ改正の日時を返信することを要求するコマンドを含む。他の一のリクエストは、ダイヤ改正後の路線情報を返信することを要求するコマンドを含む。さらに他の一のリクエストは、ダイヤ改正後の出発時刻情報を返信することを要求するコマンドを含む。
コントローラ30は、ステップS75で生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S76)。
一方、フローチャートには示されていないが、サイネージ13が送信したリクエストは、交通情報サーバ11によって受信される。交通情報サーバ11は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、コントローラ30は、ダイヤ改正の日時、ダイヤ改正後の路線情報、及びダイヤ改正後の出発時刻情報をデータテーブルから読み出す。交通情報サーバ11は、読み出したダイヤ改正の日時、ダイヤ改正後の路線情報、及びダイヤ改正後の出発時刻情報を含むレスポンスを、受信したリクエストに含まれる通信アドレス宛に返信する。
サイネージ13のコントローラ30は、ステップS76で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S77:No)。コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S77:Yes)、レスポンスに含まれるダイヤ改正の日時、ダイヤ改正後の路線情報、及びダイヤ改正後の出発時刻情報をメモリ32に記憶させる(S78)。
コントローラ30は、クロックモジュール25が出力する日時情報が示す日付が、メモリ32に記憶されたダイヤ改正日時が示す日付になるまで待機する(S79:No)。コントローラ30は、クロックモジュール25が出力する日時情報が示す日付が、メモリ32に記憶されたダイヤ改正日時が示す日付になったと判断すると(S79:Yes)、ダイヤ改正後の路線情報及び出発時刻情報をメモリ32から読み出す。コントローラ30は、読み出したダイヤ改正後の路線情報及び出発時刻情報に基づいて表示情報を生成する(S80)。コントローラ30は、生成した表示情報を表示装置20に入力して、ダイヤ改正後の路線情報及び出発時刻情報をディスプレイ21に表示させ(S81)、ダイヤ改正処理を終了する。コントローラ30は、例えば、毎日の所定の時刻(例えば、午前0時)に、ダイヤ改正処理を実行する。
なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ30は、ステップS81において、ダイヤ改正後の路線情報及び出発時刻情報をディスプレイ21に表示させた後、ダイヤ改正前の路線情報、出発時刻情報、及びダイヤ改正日時をメモリ32から削除する。
[実施形態の作用効果]
本実施形態のサイネージ13は、図4が示す初期設定処理を実行する。したがって、サイネージ13を停留所に設置する作業者は、入力デバイス27を用いて識別情報及びセットアップ指示をサイネージ13に入力するだけで、路線情報や出発時刻情報をサイネージ13のメモリ32に記憶させる初期設定をサイネージ13に自動で行わせることができる。その結果、サイネージを各停留所にそれぞれ設置し、設置したサイネージごとに異なる路線情報を入力する従来のサイネージに比べ、作業者の手間が省かれる。また、本実施形態のサイネージ13は、管理サーバ12ではなく、交通情報サーバ11から路線情報や出発時刻情報を取得するので、管理サーバ12から路線情報や出発時刻情報を取得する従来のサイネージに比べ、汎用性が高い。詳しく説明すると、従来のサイネージでは、交通機関の種類に応じたカスタマイズが必要であるが、本実施形態のサイネージ13では、交通機関の種類に応じてカスタマイズすることなく使用することができる。また、従来のサイネージでは、既に運用されている管理サーバ12の仕様に合わせてカスタマイズする必要があるが、本実施形態のサイネージでは、管理サーバ12の仕様に合わせてカスタマイズすることなく使用することができる。すなわち、本実施形態のサイネージ13は、従来のサイネージよりも汎用性が高い。
また、本実施形態のサイネージ13は、図5が示す第1表示制御処理を実行する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスする交通情報サーバ11の既存の機能を利用して、バス15の現在位置や遅延情報を表示することができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、図6が示す第2表示制御処理を実行する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、事故や災害や緊急事態が生じたときに、事故情報、災害情報、及び緊急情報を即座に表示することができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、図7が示す第3表示制御処理を実行する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、PR動画などの広告を、作業者の手間を必要とせずに表示することができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、図8が示すダイヤ改正処理を実行する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、ダイヤ改正後の路線図及び時刻表を、作業者の手間を必要とせずに、適切な日に表示することができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、タッチセンサ22を有するので、利用者がディスプレイ21に触れるだけで、利用者が望む画面(情報)をディスプレイ21に表示させることができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、人感知センサを有するので、サイネージ13の周囲に人がいない場合にディスプレイ21を消灯させて、消費電力を低減させることができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、表示装置20が故障した場合、バス事業者等の担当者に、故障情報を含むメールを送信する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、故障が生じた場合に、バス事業者等に即座に修理を行わせることができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、言語IDとそれぞれ対応付けられた複数の定型表示情報をメモリ32に記憶する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、設置された国の言語で表現された定型表示情報を表示することができる。
[変形例]
また、上述の実施形態では、コントローラ30が、サイネージ13の周囲に人がいないと判断した場合に、表示装置20での表示を停止する例が説明された。しかしながら、コントローラ30は、サイネージ13の周囲に人がいないと判断した場合、路線図や時刻表などの情報の一部を拡大して表示してもよい。すなわち、コントローラ30は、遠くからでも表示装置20に表示された内容を視認可能なように、路線図や時刻表の一部を拡大して表示させる。なお、コントローラ30は、路線図や時刻表の一部を拡大して表示する代わりに、遠くからでも視認し易いような形式や表示態様に路線情報や出発時刻情報を編集して表示装置20に大きく表示させてもよい。
11・・・交通情報サーバ
12・・・管理サーバ
13・・・サイネージ
15・・・車両
16・・・データ収集装置
20・・・表示装置
21・・・ディスプレイ
22・・・タッチセンサ
23・・・通信モジュール
24・・・人感センサ
25・・・クロックモジュール
30・・・コントローラ
36・・・制御プログラム
本発明は、道路脇や駅や空港など、交通機関の停留所に設置されるサイネージに関する。
道路脇や駅や空港など、交通機関の停留所に設置されるサイネージが知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載されたサイネージは、インターネットと接続されている。また、管理サーバがインターネットに接続されている。管理サーバは、バスの系統やバス番号を含むバス識別情報及び位置情報を各バスからそれぞれ収集し、各系統ごとに各バスの位置を管理する。サイネージは、ポーリングによって管理サーバと通信し、バスの位置情報を管理サーバから定期的に受信する。サイネージは、バスの系統や、時刻表や、受信したバスの位置を表示部に表示させる。
特許文献1に記載されたサイネージを導入する場合、サイネージは、既に可動している管理サーバと通信する必要がある。そうすると、サイネージは、導入する事業者が運用するサーバの種類に応じて、バスの系統や時刻表などを要求するリクエストのフォーマット等を変更しなければならなくなる。すなわち、サイネージに実装するプログラムにおけるバスの系統や時刻表などを取得する部分を、サーバに応じてカスタマイズしなければならないという問題が生じる。
本願発明者らは、交通機関を運営する事業者等から運行情報を取得してユーザに開示するシステムであるGTFS(General Transit Feed Specification)に着目した。GTFSは、世界規模で普及している。 本願発明者らは、GTFSを利用することにより、サイネージにおいて、プログラムのカスタマイズの手間を低減して、汎用性の高いサイネージを実現できる可能性に気が付いた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、プログラムのカスタマイズの手間を低減して、汎用性の高いサイネージを提供することにある。
(1) 本発明に係るサイネージは、路線情報、運行予定時刻情報及び運行される移動体の位置情報を含む交通情報をインターネットを通じて受信し、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバと通信する通信モジュールと、メモリを有し、交通機関の停留所を特定する識別情報を取得して上記メモリに記憶させる識別情報取得処理と、上記サーバを特定する第1指定アドレスを取得するアドレス取得処理と、セットアップ指示を取得するセットアップ指示取得処理と、上記セットアップ指示の取得を条件に、上記識別情報に応じた設置位置情報及び上記識別情報で特定される停留所を含む路線情報を返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて上記第1指定アドレスに送信する路線情報要求処理と、上記路線情報要求処理に対するレスポンスを受信する路線情報受信処理と、上記路線情報受信処理で受信したレスポンスに含まれる上記路線情報を上記メモリに記憶させる記憶処理とを実行するコントローラと、上記メモリに記憶された上記路線情報を含む表示情報を表示する表示装置とを備える。
コントローラは、セットアップ指示を取得すると、識別情報に応じた設置位置情報及びサイネージが設置された停留所を含む路線情報を返信することを要求するリクエストを、サーバが指定する第1指定アドレス宛てに送信する。そして、コントローラは、リクエストに対するレスポンスを受信し、受信したレスポンスに含まれる路線情報をメモリに記憶させる。したがって、本発明に係るサイネージは、サーバとのみ通信するだけで路線情報を取得することができ、路線情報の取得のために、種々の管理サーバと通信する必要が無い。その結果、本発明に係るサイネージは、プログラムのカスタマイズの手間を低減して、汎用性を高めることができる。
(2) 上記コントローラは、上記セットアップ指示を取得したことに応じて、上記設置位置情報と、上記識別情報で特定される停留所における運行予定時刻情報とを返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて、上記第1指定アドレス宛てに送信する時刻情報要求処理と、上記時刻情報要求処理に対するレスポンスを受信する時刻情報受信処理と、上記時刻情報受信処理で受信した上記運行予定時刻情報を上記メモリにさらに記憶させる上記記憶処理と、をさらに実行してもよい。
コントローラは、設置された停留所における運行予定時刻情報を返信することを要求するリクエストを、サーバが指定する第1指定アドレス宛てに送信する。そして、コントローラは、リクエストに対するレスポンスを受信し、受信したレスポンスに含まれる運行予定時刻情報をメモリに記憶させる。したがって、本発明に係るサイネージは、サーバとのみ通信するだけで運行予定時刻情報を取得することができ、運行予定時刻情報の取得のために、種々の管理サーバと通信する必要が無い。その結果、本発明に係るサイネージは、プログラムのカスタマイズの手間をさらに低減して、汎用性をさらに高めることができる。
(3) 上記コントローラは、上記メモリに記憶された上記路線情報及び上記運行予定時刻情報に基づいて、上記表示情報を生成する生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記路線情報及び上記運行予定時刻情報を上記表示装置に表示させる表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、メモリに記憶された路線情報及び運行予定時刻情報に基づいて表示情報を生成して出力し、路線情報及び運行予定情報を表示装置に表示させる。したがって、本発明に係るサイネージは、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、路線情報及び運行予定時刻情報を表示することができる。
(4) 上記コントローラは、上記メモリに記憶された上記路線情報が示す路線における上記移動体の位置を示す位置情報を返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて、上記第1指定アドレス宛てに定期的に送信する位置情報要求処理と、上記位置情報要求処理に対するレスポンスを受信する位置情報受信処理と、上記位置情報受信処理で受信したレスポンスに含まれる位置情報にさらに基づいて、上記表示情報を生成する上記生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記位置情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、メモリに記憶された路線情報が示す路線における移動体の位置を示す位置情報を返信することを要求するリクエストを、サーバが指定する第1指定アドレス宛てに定期的に送信する。そして、コントローラは、レスポンスに含まれる位置情報を、路線情報及び運行予定時刻情報とともに表示装置に表示させる。すなわち、本発明に係るサイネージは、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、路線情報、運行予定時刻情報、及び移動体の位置情報を表示することができる。
(5) 上記コントローラは、上記メモリに記憶された上記路線情報が示す路線における上記移動体の遅延を示す遅延情報を返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて、上記第1指定アドレス宛てに定期的に送信する遅延情報要求処理と、上記遅延情報要求処理に対するレスポンスを受信する遅延情報受信処理と、上記遅延情報受信処理で受信したレスポンスに含まれる上記遅延情報にさらに基づいて、上記表示情報を生成する上記生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記遅延情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、メモリに記憶された路線情報が示す路線における移動体の遅延を示す遅延情報を返信することを要求するリクエストを、サーバが指定する第1指定アドレス宛てに定期的に送信する。そして、コントローラは、レスポンスに含まれる遅延情報を、路線情報及び運行予定時刻情報とともに表示装置に表示させる。すなわち、本発明に係るサイネージは、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、路線情報、運行予定時刻情報、及び遅延情報を表示することができる。
(6) 上記コントローラは、イベントの有無及びイベントが有る場合はイベントの種類を示すイベント情報を返信することを要求するリクエストを上記通信モジュールを通じて上記第1指定アドレス宛てに送信する問合せ処理と、上記問合せ処理に対するレスポンスを受信するイベント情報受信処理と、上記イベント情報受信処理で受信した上記レスポンスに、上記路線情報の変更を示す上記イベント情報が含まれることに応じて、上記路線情報要求処理、上記路線情報受信処理、及び上記記憶処理と、を実行してもよい。
コントローラは、路線情報の変更を示すイベント情報がレスポンスに含まれることに応じて、路線情報をサーバに再度要求して路線情報を取得し、再度取得した路線情報をメモリに記憶させる。したがって、路線が変更されるたびに、作業者がサイネージの設定を変更する手間が省かれる。その結果、本発明に係るサイネージは、路線変更に伴う作業者の手間を省くことができ、また、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、表示する路線情報を確実に変更することができる。
(7) 上記コントローラは、イベントの有無及びイベントが有る場合はイベントの種類を示すイベント情報を返信することを要求するリクエストを上記通信モジュールを通じて上記第1指定アドレス宛てに送信する問合せ処理と、上記問合せ処理に対するレスポンスを受信するイベント情報受信処理と、上記イベント情報受信処理で受信した上記レスポンスに、上記運行予定時刻情報の変更を示す上記イベント情報が含まれることに応じて、上記時刻情報要求処理、上記時刻情報受信処理、及び上記記憶処理と、を実行してもよい。
コントローラは、運行予定時刻情報の変更を示すイベント情報がレスポンスに含まれることに応じて、運行予定時刻情報をサーバに再度要求して運行予定時刻情報を取得し、再度取得した運行予定時刻情報をメモリに記憶させる。したがって、運行予定時刻が変更されるたびに、作業者がサイネージの設定を変更する手間が省かれる。その結果、本発明に係るサイネージは、運行予定時刻の変更に伴う作業者の手間を省くことができ、また、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、表示する運行予定時刻情報を確実に変更することができる。
(8) 上記コントローラは、イベントの有無及びイベントが有る場合はイベントの種類を示すイベント情報を返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて定期的に送信する問合せ処理と、上記問合せ処理に対するレスポンスを受信するイベント情報受信処理と、上記イベント情報受信処理で受信した上記レスポンスに、上記メモリに記憶された上記路線情報に関連した事故を示す上記イベント情報が含まれることに応じて、事故に関する事故情報を返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて送信する事故情報要求処理と、上記事故情報要求処理に対するレスポンスを受信する事故情報受信処理と、上記事故情報受信処理で受信した上記レスポンスに含まれる上記事故情報に基づいて上記表示情報をさらに生成する上記生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記事故情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、事故が発生したことを示すイベント情報がレスポンスに含まれることに応じて、事故に関連する事故情報を要求するリクエストを送信して事故情報を取得し、取得した事故情報を表示装置に表示させる。したがって、本発明に係るサイネージは、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスするサーバの既存の機能を利用して、事故情報をリアルタイムで表示することができる。
(9) 上記コントローラは、イベントの有無及びイベントが有る場合はイベントの種類を示すイベント情報を返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて定期的に送信する問合せ処理と、上記問合せ処理に対するレスポンスを受信するイベント情報受信処理と、上記イベント情報受信処理で受信した上記レスポンスに、災害が発生したことを示す上記イベント情報が含まれることに応じて、災害の内容を示す災害情報を返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて送信する災害情報要求処理と、上記災害情報要求処理に対するレスポンスを受信する災害情報受信処理と、上記災害情報受信処理で受信した上記レスポンスに含まれる上記災害情報に基づいて上記表示情報をさらに生成する上記生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記災害情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、災害が発生したことを示す情報がレスポンスに含まれることに応じて、災害情報を要求して災害情報を取得し、取得した災害情報を表示装置に表示させる。したがって、本発明に係るサイネージは、災害情報をリアルタイムで表示することができる。
(10) 上記コントローラは、広告情報を返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて、上記メモリに記憶された第2指定アドレス宛てに送信する広告情報要求処理と、上記広告情報要求処理に対するレスポンスを受信する広告情報受信処理と、上記広告情報受信処理で受信した上記レスポンスに含まれる上記広告情報を上記メモリにさらに記憶させる上記記憶処理と、上記メモリに記憶された上記広告情報に基づいて上記表示情報をさらに生成する上記生成処理と、上記生成処理で生成した上記表示情報を出力し、上記広告情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、広告情報を返信することを要求するリクエストを送信して広告情報を取得し、取得した広告情報を表示装置に表示させる。したがって、本発明のサイネージは、表示する広告を容易に変更することができる。
(11) 上記コントローラは、イベントの有無及びイベントが有る場合はイベントの種類を示すイベント情報を返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて定期的に送信する問合せ処理と、上記問合せ処理に対するレスポンスを受信するイベント情報受信処理と、上記イベント情報受信処理で受信した上記レスポンスに、緊急時を示す上記イベント情報が含まれることに応じて、緊急情報を返信することを要求するリクエストを、上記通信モジュールを通じて定期的に送信する緊急情報要求処理と、上記緊急情報要求処理に対するレスポンスを受信する緊急情報受信処理と、上記緊急情報受信処理で受信した上記レスポンスに含まれる上記緊急情報に基づいて上記表示情報を生成する緊急情報生成処理と、上記路線情報及び上記運行予定時刻情報の表示を中止し、上記緊急情報生成処理で生成した上記表示情報を出力して、上記緊急情報を上記表示装置に表示させる緊急情報表示処理と、を実行してもよい。
コントローラは、緊急時であることを示すイベント情報がレスポンスに含まれることに応じて、緊急情報を要求するリクエストを送信して緊急情報を取得し、路線情報及び運行予定時刻情報の表示を中止した上で、取得した緊急情報を表示装置に表示させる。したがって、本発明に係るサイネージは、緊急時においては、緊急情報をリアルタイムで、かつ大画面で表示することができる。
(12) 本発明に係るサイネージは、上記表示装置の表示画面に重畳されたタッチセンサをさらに備えていてもよい。上記コントローラは、上記表示装置が表示する表示内容を切り替えることを指示する表示切替指示の入力を上記タッチセンサから受け付ける表示切替受付処理と、上記表示切替受付処理で上記表示切替指示を受け付けたことに応じて、上記表示装置に表示させる表示内容を切り替える表示切替処理と、をさらに実行する。
本発明に係るサイネージの利用者は、表示画面にタッチして画面を切り替えることにより、必要とする情報を見ることができる。その結果、本発明に係るサイネージは、利用者が画面を切り替えることができないサイネージに比べ、利用者の使い勝手を良くすることができる。
(13) 本発明に係るサイネージは、センサをさらに備えていてもよい。上記コントローラは、上記センサが出力する検出信号に基づいて、人の有無を判断する判断処理と、上記判断処理で人がいないと判断したことに応じて、人がいると判断したときよりも大きく表示を行う拡大表示を行う。
コントローラは、サイネージの周囲に人がいないと判断すると、路線情報や運行予定時刻情報の表示を、周囲に人がいると判断したときよりも大きく表示する拡大表示を行う。したがって、本発明に係るサイネージは、周囲に人がいない場合に、遠くからでも人に路線情報や運行予定時刻情報を視認させることができる。
(14) 上記コントローラは、上記表示装置に供給される電流、電圧、及び電力の少なくとも1つに応じた動作情報の入力を受け付ける受付処理と、上記受付処理で受け付けた上記動作情報に基づいて、上記表示装置の故障の有無を判断する自己診断処理と、上記自己診断処理で故障と判断したことに応じて、上記メモリに記憶された第3指定アドレス宛に、故障を示す故障情報を上記通信モジュールを用いて送信する故障通知処理と、をさらに実行してもよい。
コントローラは、自己診断処理で故障と判断すると、担当者等のメールアドレス宛に、故障を示す故障情報を送信する。したがって、本発明に係るサイネージは、表示装置が故障したことを担当者に即座に通知することができる。
(15) 上記メモリは、複数の言語で表現された定型表示情報を、当該言語と対応付けて記憶していてもよい。上記コントローラは、上記表示装置に表示させる言語を指定する指定言語情報を取得する指定言語取得処理と、上記指定言語取得処理で取得した上記指定言語情報が示す言語で表現された上記定型表示情報を上記メモリから読み出し、読み出した当該定型表示情報を上記表示装置にさらに表示させる上記表示処理と、を実行する。
コントローラは、指定言語情報を取得し、取得した指定言語情報が示す言語で表現された定型表示情報を表示する。したがって、本発明に係るサイネージは、サイネージを設置する作業者に、サイネージのローカライズを容易に行わせることができる。その結果、種々の国で使用可能な汎用性の高いサイネージが実現される。
本発明によれば、作業者の初期設定の手間を低減でき、かつ、汎用性の高いサイネージを提供することができる。
図1は、実施形態に係るシステム10の構成図である。
図2は、実施形態に係るサイネージ13の機能ブロック図である。
図3は、実施形態に係るサイネージ13の正面図である。
図4は、初期設定処理のフローチャートである。
図5は、第1表示制御処理のフローチャートである。
図6は、第2表示制御処理のフローチャートである。
図7は、第3表示制御処理のフローチャートである。
図8は、ダイヤ改正処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
図1が示すシステム10は、バスや電車や航空機などの交通機関に用いられるシステムである。より詳しくは、システム10は、道路脇や駅や空港などに設置されるサイネージ13に、路線図や時刻表などを表示するシステムである。以下では、システム10がバス15に用いられた例が説明される。すなわち、サイネージ13は、バス15の停留所に設置される。なお、図示例では、1台のバス15のみが表示されているが、運行されるバス15は、複数台である。バス15は、本発明の「移動体」の一例である。また、図示例では、3台のサイネージ13が表示されているが、サイネージ13は、停留所の数に応じて設けられ、3台に限られない。
本実施形態のシステム10は、交通情報サーバ11と、管理サーバ12と、複数のサイネージ13と、各バス15にそれぞれ搭載された情報収集装置16と、を備える。交通情報サーバ11及び管理サーバ12は、インターネット14にそれぞれ接続されている。サイネージ13は、停留所に設置された後、インターネット14に接続される。なお、図1が示す事業者サーバ18は、システム10に含まれない。事業者サーバ18は、サイネージ13に表示させるPR動画の配信に用いられる。詳しくは後述される。
交通情報サーバ11は、交通機関を運営する事業者等から運行情報を取得してユーザに開示するGTFS機能を実現するサーバである。詳しく説明すると、交通情報サーバ11は、公開されたURL(Uniform Resource Locator)を有している。交通情報サーバ11は、URLに対して送信された交通情報を受信し、受信した交通情報を、ストレージサーバなどに作成された交通データベースに記憶させる。そして、交通情報サーバ11は、交通情報の開示の要求を含むリクエストを受信し、受信したリクエストが要求する交通情報を交通データベースから取得し、取得した交通情報を含むレスポンスを返信する。交通情報サーバ11は、所定の事業者によって運用及び管理されている。なお、交通情報を受信するURLと、上記リクエストを受信するURLとは、同一であってもよいし、別であってもよい。交通情報の開示の要求を含むリクエストを受信するためのURLは、本発明の「第1指定アドレス」の一例である。第1指定アドレスは、交通情報サーバ11が指定するアドレスであれば、URLに限られない。以下では、交通情報の開示の要求を含むリクエストを受信するためのURLを第1URLと記載する。
管理サーバ12は、バス15を運行するバス事業者や、当該バス事業者から委託された委託事業者など、交通情報サーバ11を運用する事業者とは異なる事業者(以下、バス事業者等と記載する)によって運用及び管理されるサーバである。交通情報サーバ11は、本発明の「サーバ」の一例である。
管理サーバ12は、バス15の運行管理を行う。具体的には、各バス15が送信する情報を受信して運行管理データベースに記憶させる。詳しく説明すると、各バス15は、不図示の各種センサと、情報収集装置16と、GPSアンテナ17と、をそれぞれ搭載している。各種センサは、バス15の車速を検出する車速センサや、エンジンの回転数を検出する回転数センサや、バスの加速度を検出するジャイロセンサなどである。GPSアンテナ17は、不図示のGPS衛星が送信した位置情報を受信する。
情報収集装置16は、識別IDを記憶する不図示のメモリと、不図示の通信モジュールと、を有している。情報収集装置16は、各種センサから入力された検出信号に応じた情報と、GPSアンテナ17が受信した位置情報と、メモリに記憶された識別IDと、を含む情報を、通信モジュールを通じて無線送信する。バス15から送信された情報は、通信事業者の基地局で受信され、インターネット等の通信網を通じて管理サーバ12に入力される。管理サーバ12は、入力された情報を、付設のメモリやストレージサーバなどに作成した運行管理データベースに、運行管理情報として登録する。
運行管理データベースは、バスの位置情報などに加え、バスの路線情報や、各停留所における各バスの出発時刻を示す出発時刻情報や、遅延情報なども記憶する。路線情報や出発時刻情報は、例えば、オペレータによって運行管理データベースに記憶される。遅延情報は、管理サーバ12にインストールされた管理プログラムによって運行管理データベースに記憶される。管理プログラムは、例えば、出発時刻情報と、情報収集装置16から入力された位置情報とに基づいて遅延情報を算出し、運行管理データベースに記憶させる。
管理サーバ12は、運行管理データベースから運行管理情報や路線情報や出発時刻情報や遅延情報などの所定の情報を読み出し、交通情報サーバ11が公開する第1URL宛てに、読み出した情報を交通情報として送信する。交通情報の送信は、例えば、交通情報サーバ11が規定する所定のフォームにしたがって行われる。交通情報サーバ11と管理サーバ12との間でのインターネット14を通じた交通情報の送受信は、どのような手法(通信プロトコル等)で行われてもよいので、詳しい説明は省略される。
事業者サーバ18は、インターネット14に接続されている。事業者サーバ18は、公開されたURLを有しており、URLに送信されたリクエストに応じて、PR動画を含むレスポンスを返信する。事業者サーバ18は、バス事業者等が所持するサーバであってもよいし、その他の事業者が所持するサーバであってもよい。その他の事業者は、バス事業者等と、PR動画をサイネージ13に表示させる契約を締結する。事業者サーバ18は、サイネージ13から送信されたリクエストに応じて、PR動画を含むレスポンスをサイネージ13に返信する。事業者サーバ18が公開するURLは、本発明の「第2指定アドレス」の一例である。以下では、事業者サーバ18が公開するURLを第2URLと記載して説明がされる。
サイネージ13は、バス15の各停留所にそれぞれ設置される。サイネージ13は、停留所に設置された後、インターネット14と接続される。サイネージ13は、インターネット14を通じて交通情報サーバ11や管理サーバ12や事業者サーバ18と通信を行い、路線図や時刻表やバス15の現在位置や遅延情報や事故情報や災害情報や緊急情報やPR動画を表示する。以下、詳しく説明する。
図3が示すように、サイネージ13は、上下方向に長い矩形状の前面を有する直方体状である。サイネージ13の奥行方向の寸法は、前面の縦方向や幅方向の寸法に比べて小さい。すなわち、サイネージ13は、場所を取らずに設置可能なように、薄型の外形を有している。なお、サイネージ13は、横方向に長い薄型の外形を有していてもよい。すなわち、サイネージ13の外形は、図示例に限られない。
サイネージ13は、図2が示すように、表示装置20と、通信モジュール23と、人感センサ24と、クロックモジュール25と、コントローラ30と、電源回路26と、不図示の接続コネクタと、を備える。接続コネクタは、入力デバイス27に一端が接続された通信ケーブルの他端と接続される。すなわち、入力デバイス27が、着脱自在にサイネージ13に接続される。入力デバイス27は、例えば携帯端末やタブレットやノート型のパーソナルコンピュータなど、携帯可能なデバイスである。入力デバイス27は、サイネージ13の初期設定を行う場合などにおいて、サイネージ13と接続される。入力デバイス27は、例えばRS232などの通信プロトコルを用いてサイネージ13と通信を行う。
表示装置20は、ディスプレイ21と、ディスプレイ21に重畳された透明な膜状のタッチセンサ22と、を有する。ディスプレイ21は、入力された表示情報に応じた画像を表示させる。タッチセンサ22は、感圧式や静電式など種々の方式のものを用いることができる。タッチセンサ22は、人の指先などが触れた位置に応じた検出信号を出力する。
ディスプレイ21は、図3が示すように、路線図表示領域41と、時刻表表示領域42と、PR表示領域43と、運行情報表示領域44と、を有する。路線図表示領域41は、バス15の路線図を表示する。時刻表表示領域42は、バスの出発時刻を表示する。PR表示領域43は、PR動画を表示する。運行情報表示領域44は、走行するバス15の現在位置やバス15の遅延情報を表示する。図示例では、運行情報表示領域44の下に路線図表示領域41が位置し、路線図表示領域41の下にPR表示領域43が位置し、PR表示領域43の下に時刻表表示領域42が位置している。但し、路線図表示領域41と、時刻表表示領域42と、PR表示領域43と、運行情報表示領域44とは、どのような位置関係で配置されていてもよい。
通信モジュール23は、TCP/IPなどの通信プロトコルを用いて通信を行うモジュールである。通信モジュール23は、ルータなど、ファイアウォールを構築する機器を通じてインターネット14と接続される。なお、通信モジュール23は、インターネット14と有線接続されていてもよいし、無線接続されていてもよい。
人感センサ24は、サイネージ13の周囲にいる人を検出するセンサである。人感センサ24は、例えは、受光した赤外線に応じた信号を出力する赤外線センサであってもよいし、電波や光や音波を放射し、検知対象物で反射された電波や光や音波を受信し、受信した電波や光や音波に応じた信号を出力するレーダであってもよい。人感センサ24は、本発明の「センサ」の一例である。
クロックモジュール25は、日付及び時刻を示す日時情報を出力するモジュールである。
電源回路26は、表示装置20や通信モジュール23や人感センサ24やコントローラ30に直流電圧を供給する回路である。電源回路26は、例えば、交流の商用電源と接続され、入力された交流電圧を、所定の電圧値の直流電圧に変換して出力する。所定の直流電圧は、例えば、15V、10V、5V、3.3Vなどである。電源回路26は、例えば、スイッチングレギュレータや、シリーズレギュレータや、オペアンプやダイオードを用いた定電圧回路などを組み合わせて形成される。なお、図2では、電源回路26から表示装置20や通信モジュール23や人感センサ24やコントローラ30への給電線の図示が省略されている。
コントローラ30は、中央演算処理装置であるCPU31と、メモリ32と、通信バス38とを有している。CPU31、メモリ32、表示装置20、通信モジュール23、人感センサ24、クロックモジュール25、及び上述の不図示の接続コネクタが、通信バス38に接続されている。コントローラ30は、通信バス38を通じて、表示装置20のディスプレイ21に表示情報を送信し、通信バス38を通じて、表示装置20のタッチセンサ22から検出信号を受信する。また、コントローラ30は、通信バス38通じて、人感センサ24から検出信号を受信する。また、コントローラ30は、通信バス38を通じて、クロックモジュールから日時情報を受信する。また、コントローラ30は、通信バス38を通じて、接続コネクタと接続された入力デバイス27から後述の識別情報などを受信する。また、コントローラ30は、通信バス38及び通信モジュール23を通じてインターネット14に接続された交通情報サーバ11や管理サーバ12や事業者サーバ18と通信を行う。
なお、コントローラ30は、後述のポーリングを行うためのタイマカウンタを有していてもよい。コントローラ30は、例えば、カウントダウンタイマの出力値に応じて、リクエストを定期的に送信するポーリングを実行する。詳しくは後述される。
メモリ32は、プログラムを記憶するプログラム記憶領域33と、データを記憶するデータ記憶領域34とを有する。プログラム記憶領域33は、例えば、ROMである。データ記憶領域34は、例えば、ROMやRAMである。
プログラム記憶領域33は、OS(Operation System)35と、制御プログラム36と、通信プログラム37と、を記憶する。OS35と、制御プログラム36と、通信プログラム37とは、アドレスに記述された命令がCPU31によって順に実行されることにより、実行される。また、OS35と、制御プログラム36と、通信プログラム37とは、並列して実行され得る(マルチタスク処理)。
通信プログラム37は、通信モジュール23を通じた通信の制御を行うプログラムである。なお、通信プログラム37は、制御プログラム36の一部として制御プログラム36に組み込まれていてもよい。
制御プログラム36は、後述の各処理を実行し、かつ表示装置20の表示制御などを行うプログラムである。詳しくは後述される。
データ記憶領域34は、通信アドレスと、識別情報と、第1URLと、第2URLと、第3URLなどを記憶する。
通信アドレスは、インターネット14においてサイネージ13を特定するIPアドレスや、サイネージ13の製造時に付与されたMACアドレスなどである。
識別情報は、サイネージ13がいずれの停留所に設置されたサイネージであるかを識別するための情報である。識別情報は、例えば、停留所名や、住所や、地名や、停留所番号などの識別コードなどである。なお、サイネージ13が電車の駅に設置される場合、識別情報は、駅名であってもよい。また、サイネージ13が空港に設置される場合、識別情報は、空港名や、KIXなどの識別コードであってもよい。
第1URLは、交通情報サーバ11が公開するURLである。第2URLは、事業者サーバ18が公開するURLである。第3URLは、管理サーバ12が公開するURLである。
以下、制御プログラム36及び通信プログラム37が実行する各処理について説明がされる。なお、制御プログラム36及び通信プログラム37が実行する処理は、コントローラ30が行う処理として記載される。各処理は、発明の要旨を変更しない範囲で、処理順序が適宜変更されてもよい。
サイネージ13を停留所に設置する作業者は、サイネージ13を停留所に設置した後、サイネージ13を電源及びインターネット14に接続し、さらに、サイネージ13に入力デバイス27を接続する。そして、作業者は、入力デバイス27を用いてインターネット14に関する設定入力や識別情報の入力等を行って、サイネージ13の初期設定を行う。
サイネージ13の初期設定において、コントローラ30は、図4に示される初期設定処理を実行する。まず、コントローラ30は、電源が投入されると、初期設定フラグに「OFF」が設定されているか否かを判断する。初期設定フラグは、初期値が「OFF」であり、初期設定処理が終了すると「ON」が設定されるフラグである。なお、コントローラ30は、初期設定フラグが「OFF」であるか否かの判断に代えて、識別情報がメモリ32に記憶されているか否かを判断してもよい。すなわち、コントローラ30は、ステップS11の処理において、サイネージ13の初期設定が終了しているか否かを判断する。
コントローラ30は、初期設定フラグに「OFF」が設定されていないと判断すると(S11:No)、初期設定が終了していると判断して、初期設定処理を終了する。一方、コントローラ30は、初期設定フラグに「OFF」が設定されていると判断すると(S11:Yes)、初期設定が終了していないと判断して、ステップS12以降の処理を実行する。
まず、コントローラ30は、識別情報が入力されるまで待機する(S12:No)。コントローラ30は、入力デバイス27から識別情報が入力されたと判断すると(S12:Yes)、入力された識別情報をメモリ32に記憶させる(S13)。識別情報をメモリ32に記憶させるステップS13の処理は、本発明の「識別情報取得処理」の一例である。
なお、コントローラ30は、入力デバイス27から入力される方法以外の方法で識別情報を取得してもよい。例えば、USB(登録商標)メモリなどの可搬記憶媒体を装着可能なスロットがサイネージ13に設けられる。識別情報が可搬記憶媒体に予め記憶される。コントローラ30は、可搬記憶媒体から識別情報を読み出して取得する。コントローラ30は、入力デバイス27や可搬記憶媒体を用いた識別情報の取得の他、他の方法によって識別情報を取得してもよい。
コントローラ30は、ステップS13の実行後、或いは、ステップS12の実行前や、ステップS12、S13の処理と平行して、第1URLを取得する処理を実行する。具体的には、コントローラ30は、第1URLが入力されるまで待機する(S14:No)。コントローラ30は、入力デバイス27から第1URLが入力されたと判断すると(S14:Yes)、入力された第1URLをメモリ32に記憶させる(S15)。第1URLをメモリ32に記憶させるステップS15の処理は、本発明の「アドレス取得処理」の一例である。なお、交通情報サーバ11は、バスや電車や航空機など交通機関の種類に拘わりなく用いられるので、交通情報サーバ11が公開する第1URLは、サイネージ13が停留所に設置される前に、メモリ32に予め記憶されていてもよい。その場合、コントローラ30は、メモリ32から第1URLを読み出すことによって第1URLを取得する。
次に、コントローラ30は、セットアップ指示を取得する(S16)。セットアップ指示は、バス15の路線を示す路線情報やバスの出発時刻を示す出発時刻情報の取得の実行を指示する情報である。作業者は、例えば入力デバイス27や上述の可搬記憶媒体を用いてセットアップ指示をコントローラ30に入力する。コントローラ30は、セットアップ指示が入力されたことに応じて、ステップS17以降の処理を実行する。なお、コントローラ30は、識別情報の取得を、セットアップ指示の取得としてもよい。すなわち、コントローラ30は、識別情報を取得したことに応じて、S17以降の処理を実行する。セットアップ指示を取得するS16の処理や、識別情報を取得するステップS13の処理は、本発明の「セットアップ指示取得処理」の一例である。
コントローラ30は、セットアップ指示を取得したことに応じて、リクエストを生成する(S17)。当該リクエストは、送信宛先としての第1URLと、送信元を示す通信アドレスと、交通機関の種類を示す種別情報と、設置位置情報と、所定の要求と、を含む。すなわち、当該リクエストは、第1URLを公開する交通情報サーバ11に送信される。なお、当該リクエストは、HTTP(HyperText Transfer Protocol)やHTTPs(HyperText Transfer Protocol over transport layer security)などの通信プロトコルに準じて生成される。
種別情報は、バス、電車、航空機など、交通機関の種類を示す情報である。種別情報は、メモリ32に予め記憶される。サイネージ13が、バスや、電車や、航空機などに対して共通で使用される場合、種別情報は、入力デバイス27などを用いて作業者が選択する。コントローラ30は、作業者によって選択された種別情報をリクエストに含ませる。
設置位置情報は、メモリ32に記憶された識別情報に応じた情報であって、交通情報サーバ11が停留所の位置を特定可能な情報である。交通情報サーバ11が住所や地名や停留所名によって停留所の位置を特定可能であれば、コントローラ30は、設置位置情報として識別情報をリクエストに含める。交通情報サーバ11が地名や停留所名や停留所番号によって位置を特定できなければ、コントローラ30は、交通情報サーバ11が位置を特定可能な情報として、識別情報に応じた設置位置情報を特定する。例えば、識別情報と住所(設置位置情報)とが対応付けられた対応テーブルがメモリ32に予め記憶される。コントローラ30は、メモリ32から読み出した識別情報と対応する住所をメモリ32から読み出し、設置位置情報として取得する。なお、識別情報を設置位置情報としてリクエストにそのまま含められるように、交通情報サーバ11が停留所の位置を特定可能な情報が識別情報とされることが望ましい。
リクエストに含まれる所定の要求とは、設置位置情報が示す停留所に停車するバス15の路線を示す路線情報を返信することの要求と、当該停留所におけるバスの出発時刻を示す出発時刻情報を返信することの要求とである。具体的には、コントローラ30は、路線情報を返信することを要求するコマンドと、出発時刻を返信することを要求するコマンドとを含むリクエストを生成する。当該コマンドは、メモリ32に予め記憶される。
路線情報を返信することを要求するコマンド及び出発時刻を返信することを要求するコマンドは、上述の種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、路線情報を返信することを要求するコマンドは、付帯情報である種別情報が示す交通機関(バス)において、付帯情報である設置位置情報が示す停留所を含む路線の路線情報を返信することを要求する。また、出発時刻情報を返信することを要求するコマンドは、付帯情報である種別情報が示す交通機関(バス)において、付帯情報である設置位置情報が示す停留所におけるバスの出発時刻を示す出発時刻情報を返信することを要求する。
なお、路線情報を返信することを要求するコマンドと、出発時刻を返信することを要求するコマンドとは、一のコマンドとされていてもよい。また、交通情報サーバ11が解読可能であれば、コマンドを用いた要求以外の要求がリクエストに含まれていてもよい。さらにまた、コントローラ30は、路線情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストと、出発時刻を返信することを要求するコマンドを含むリクエストとの2つのリクエストを生成してもよい。コントローラ30が、一のリクエストを生成するか複数のリクエストを生成するかは、生成するリクエストのデータ構造によって決まる。リクエストは、例えば、リクエストを特定する送信番号を記憶する領域と、コマンドを記憶する領域と、付帯情報を記憶する領域等とで構成される。コマンドを記憶する領域が、複数のコマンドを含むことが可能であれば、コントローラ30は、複数のコマンドを含む一のリクエストを生成する。
出発時刻情報は、本発明の「運行予定時刻情報」の一例である。運行予定時刻情報は、出発時刻の他、バス15が停留所に到着する到着予定時刻を示す到着予定時刻情報や、停留所での停車時間を示す停車時間情報などを含んでいてもよい。すなわち、ステップS17で生成されるリクエストは、出発時刻情報や到着予定時刻情報や停車時間情報の返信の要求を含んでいてもよい。
また、路線情報の返信を要求するコマンドを含むリクエストを送信するステップS18の処理は、本発明の「路線情報要求処理」の一例である。出発時刻情報の返信を要求するコマンドを含むリクエストを送信するステップS18の処理は、本発明の「時刻情報要求処理」の一例である。
コントローラ30は、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S18)。そして、コントローラ30は、送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S19:No)。なお、コントローラ30は、リクエストを送信してからの所定の時間が経過してもレスポンスを受信できなかったと判断すると、リクエストを再送信する。
一方、フローチャートには示されていないが、コントローラ30が送信したリクエストは、交通情報サーバ11によって受信される。交通情報サーバ11は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、交通情報サーバ11は、コマンドに含まれる種別情報が示す交通機関(バス)において、設置位置情報が示す停留所を含む路線の路線情報及び出発時刻情報を交通データベースから読み出し、読み出した交通情報を含むレスポンスを生成する。そして、交通情報サーバ11は、生成したレスポンスを、受信したリクエストに含まれていた通信アドレス宛に返信する。なお、読み出される交通情報は、管理サーバ12が交通情報サーバ11に予め送信して交通情報サーバ11の交通データベースに記憶されている情報である。なお、交通情報サーバ11は、HTTPやHTTPsの通信プロトコルに準じてレスポンスを生成する。すなわち、交通情報サーバ11が返信するレスポンスは、ルータが生成するファイアウォールを超えてサイネージ13に受信される。
コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S19:Yes)、受信したレスポンスに含まれる路線情報及び出発時刻情報をメモリ32に記憶させる(S20)。路線情報を含むレスポンスを受信するステップS19:Yesの処理は、本発明の「路線情報受信処理」の一例である。出発時刻情報を含むレスポンスを受信するステップS19:Yesの処理は、本発明の「時刻情報受信処理」の一例である。路線情報及び出発時刻情報をメモリ32に記憶させるステップS20の処理は、本発明の「記憶処理」の一例である。
コントローラ30は、路線情報及び出発時刻情報をメモリ32に記憶させたことに応じて、初期設定フラグに「ON」を設定し(S21)、初期設定処理を終了する。なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ30は、初期設定処理が終了したことに応じて、初期設定処理が終了したことを通知してもよい。具体的には、コントローラ30は、初期設定処理が終了したことを示すメールを、メモリ32に予め記憶されたメールアドレス宛に送信する。当該メールアドレスは、例えば、バス事業者等の担当者のメールアドレスである。
次に、コントローラ30が、路線情報、出発時刻情報、バス15の位置情報、及びバスの遅延情報を表示装置20のディスプレイ21に表示させる第1表示制御処理について説明がされる。
まず、コントローラ30は、図5が示すように、表示開始時刻になったか否かを判断する(S30)。具体的には、コントローラ30は、クロックモジュール25から入力された日時情報が示す時刻が、メモリ32に記憶された始発のバス15の出発時刻、或いは当該出発時刻の所定時間前になったか否かを判断する。なお、サイネージ13にクロックモジュール25が設けられる代わりに、コントローラ30が、インターネット14を通じて日時情報を定期的に取得してもよい。
コントローラ30は、表示開始時刻になるまで待機する(S30:No)。そして、コントローラ30は、表示開始時刻になったと判断すると(S30:Yes)、リクエストを生成する(S31)。当該リクエストは、第1URLと、通信アドレスと、種別情報と、設置位置情報と、所定の要求と、を含む。すなわち、コントローラ30は、交通情報サーバ11に返信を要求するリクエストを生成する。
所定の要求は、設置位置情報が示す停留所を含む路線を走行するバス15の位置情報を返信することの要求と、遅延情報を返信することの要求とである。遅延情報は、バスが予定より遅延していることを示す情報或いは遅延時間を示す情報との少なくとも一方の情報である。
コントローラ30は、位置情報を返信することを要求するコマンドと、遅延情報を返信することを要求するコマンドとを含むリクエストを生成する。当該コマンドは、メモリ32に予め記憶される。位置情報を返信することを要求するコマンド及び遅延情報を返信することを要求するコマンドは、種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、位置情報を返信することを要求するコマンドは、付帯情報である種別情報が示す交通機関(バス)において、付帯情報である設置位置情報が示す停留所を含む路線を走行するバス15の現在位置を返信することを要求する。また、遅延情報を返信することを要求するコマンドは、付帯情報である種別情報が示す交通機関(バス)において、付帯情報である設置位置情報が示す停留所を含む路線を走行するバス15の遅延情報を返信することを要求する。
なお、位置情報を返信することを要求するコマンドと、遅延情報を返信することを要求するコマンドとは、一のコマンドとされていてもよい。また、交通情報サーバ11が解読可能であれば、コマンドを用いた要求以外の要求がリクエストに含まれていてもよい。さらにまた、コントローラ30は、位置情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストと、遅延情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストとの2つのリクエストを生成してもよい。
コントローラ30は、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S32)。そして、コントローラ30は、送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S33:No)。なお、コントローラ30は、レスポンスを受信するまでに、リクエストを送信してからの経過時間が所定の時間に達したと判断すると、リクエストの再送信を実行する。位置情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストを送信するステップS32の処理は、本発明の「位置情報要求処理」の一例である。遅延情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストを送信するステップS32の処理は、本発明の「遅延情報要求処理」の一例である。
一方、フローチャートには示されていないが、コントローラ30が送信したリクエストは、交通情報サーバ11によって受信される。交通情報サーバ11は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、交通情報サーバ11は、コマンドに含まれる種別情報が示す交通機関(バス)において、設置位置情報が示す停留所を含む路線を走行するバス15の位置情報及び遅延情報を交通データベースから読み出し、読み出した情報を含むレスポンスを生成する。そして、交通情報サーバ11は、生成したレスポンスを、受信したリクエストに含まれていた通信アドレス宛に返信する。なお、読み出される位置情報及び遅延情報は、管理サーバ12が交通情報サーバ11に予め送信して交通情報サーバ11の交通データベースに記憶されている情報である。
コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S33:Yes)、受信したレスポンスに含まれる位置情報及び遅延情報をメモリ32に記憶させる(S34)。位置情報を含むレスポンスを受信するステップS33:Yesの処理は、本発明の「位置情報受信処理」の一例である。遅延情報を含むレスポンスを受信するステップS33:Yesの処理は、本発明の「遅延情報受信処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS34でメモリ32に記憶させた位置情報及び遅延情報に基づいて、表示装置20のディスプレイ21に表示させる表示情報を生成する(S35)。ステップS35で生成される表示情報は、バス15が遅延していること、或いはバス15の遅延時間を示す情報と、バス15の位置を示す情報とを含む。バス15の位置を示す情報は、例えば、バス15の現在位置を示す住所や、地図上に表示されるマーカの位置を示す情報である。位置が示されるバス15は、サイネージ13が設置された停留所を含む路線上にある全てのバス15であってもよいし、サイネージ13が設置された停留所と、当該停留所の隣の停留所との間に位置するバス15であってもよい。コントローラ30は、ステップS34でメモリ32に記憶させた位置情報から所定のバスの15の位置情報を選択し、選択した位置情報に基づいて、表示情報を生成する。表示情報を生成するステップS34の処理は、本発明の「生成処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS34で生成した表示情報を表示装置20に入力し、路線図、時刻表、バス15の位置情報、及びバス15の遅延情報をディスプレイ21に表示させる(S36)。路線図は、図3に示される路線図表示領域41に表示される。時刻表は、時刻表表示領域42に表示される。位置情報及び遅延情報は、運行情報表示領域44に表示される。バス15の位置情報及び遅延情報をディスプレイ21に表示させるステップS36の処理は、本発明の「表示処理」の一例である。
次に、コントローラ30は、表示終了時刻になったか否かを判断する(S37)。具体的には、コントローラ30は、クロックモジュール25から入力された日時情報が示す時刻が、メモリ32に記憶された最終のバス15の走行が終了する時刻になったか否かを判断する。コントローラ30は、表示終了時刻になっていないと判断すると(S37:No)、ステップS31以降の処理を再度実行する。繰り返して実行されるステップS32のリクエストの送信は、例えば、ポーリングによって実行される。すなわち、コントローラ30は、所定の時間間隔でリクエストを繰り返して送信する。一方、コントローラ30は、表示終了時刻になったと判断すると(S37:Yes)、第1表示制御処理を終了する。
次に、コントローラ30が、事故情報や、災害情報や、緊急情報を表示装置20のディスプレイ21に表示させる第2表示制御処理について説明がされる。
コントローラ30は、図6が示すように、リクエストを生成する(S41)。生成されるリクエストは、第1URLと、通信アドレスと、種別情報と、設置位置情報と、所定の要求とを含む。すなわち、コントローラ30は、交通情報サーバ11に送信するリクエストを生成する。所定の要求とは、イベント情報を返信することの要求である。すなわち、コントローラ30は、イベント情報を返信することを要求するコマンドを含むリクエストを生成する。当該コマンドは、メモリ32に予め記憶される。
イベント情報を返信することを要求するコマンドは、種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、当該コマンドは、種別情報が示す交通機関(バス)について、設置位置情報が示す停留所に関連するイベント情報の返信を要求するコマンドである。
コントローラ30は、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S42)。ステップS41で生成したリクエストを交通情報サーバ11に送信するステップS42の処理は、本発明の「問合せ処理」の一例である。
一方、フローチャートには示されていないが、コントローラ30が送信したリクエストは、交通情報サーバ11によって受信される。交通情報サーバ11は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、交通情報サーバ11は、コマンドに含まれる種別情報が示す交通機関(バス)において、設置位置情報が示す停留所に関するイベント情報の有無を確認する。そして、交通情報サーバ11は、イベント情報がある場合は、当該イベント情報を含むレスポンスを生成し、イベント情報がない場合は、イベント情報がないことを示す情報を含むレスポンスを生成する。交通情報サーバ11は、生成したレスポンスを、受信したリクエストに含まれる通信アドレス宛に返信する。
イベント情報は、複数の種類を有する。一の種類のイベント情報は、事故を示す。事故は、例えば、バス15に関する事故や、バス15の路線における他の車両等の事故や、或いは、バス15と接続する電車や航空機などの他の交通機関に関する事故などである。
他の一の種類のイベント情報は、災害を示す。災害は、例えば、バス15の路線における地震や火災やゲリラ雷雨や津波や台風などである。
さらに他の一の種類のイベント情報は、緊急事態を示す。緊急事態は、例えば、道路などが破壊される大地震や、テロの発生などである。
なお、コントローラ30は、ステップS41で生成したリクエストを、交通情報サーバ11以外のサーバに送信してもよい。例えば、交通情報サーバ11が災害や緊急事態に関する情報の配信を行っていない場合、コントローラ30は、災害や緊急事態に関する情報の配信を行っているサーバに、生成したリクエストを送信する。具体的には、コントローラ30は、第1URLに代えて、災害や緊急事態に関する情報を配信するサーバが公開するURLをリクエストに含ませる。当該URLは、例えば、メモリ32に予め記憶される。
コントローラ30は、送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S43:No)。コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S43:Yes)、受信したレスポンスにイベント情報が含まれるか否かを判断する(S44)。コントローラ30は、受信したレスポンスにイベント情報が含まれないと判断すると(S44:No)、ステップS45からS58までの処理をスキップする。一方、コントローラ30は、受信したレスポンスにイベント情報が含まれると判断すると(S44:Yes)、イベント情報の種類を判断する(S45)。交通情報サーバ11が返信したレスポンスを受信するステップS43:Yesの処理は、本発明の「イベント情報受信処理」の一例である。
コントローラ30は、イベント情報の種類が事故を示すと判断すると(S45:事故)、リクエストを生成し、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S46)。当該リクエストは、第1URL、通信アドレス、及び事故情報を返信することを要求するコマンドを含む。当該コマンドは、種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、コントローラ30は、種別情報が示す交通機関(バス)について、設置位置情報が示す停留所に関する事故情報を返信することを要求するリクエストを、交通情報サーバ11宛てに送信する。事故情報とは、事故の種類や、事故が生じた場所や、事故によって生じた車両15の遅延時間や遅延状況を示す遅延情報や、事故が生じたときの迂回経路を示す迂回情報や、車両15や電車や航空機の欠航や欠便を示す欠便情報や、事故などによって変更されたライブの情報などである。ステップS45で生成したリクエストを交通情報サーバ11に送信するステップS46の処理は、本発明の「事故情報要求処理」の一例である。
なお、交通情報サーバ11は、管理サーバ12や、種々の交通機関を運営する事業者等が運用する管理サーバなどから事故情報を収集し、要求(リクエスト)に応じて収集した事故情報を返信(レスポンス)する。
コントローラ30は、ステップS46で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S47:No)。コントローラ30は、ステップS46で送信したリクエストに対するレスポンスを受信したと判断すると(S47:Yes)、受信したレスポンスに含まれる事故情報に基づいて、表示情報を生成する(S48)。そして、コントローラ30は、生成した表示情報を表示装置20に入力し、事故情報をディスプレイ21に表示させる(S49)。事故情報は、例えば、運行情報表示領域44(図3)に表示される。なお、事故情報は、ディスプレイ21に設けられた専用の表示領域に表示されてもよい。
事故情報を含むレスポンスを受信するステップS47:Yesの処理は、本発明の「事故情報受信処理」の一例である。事故情報を示す表示情報を生成するステップS48の処理は、本発明の「生成処理」の一例である。事故情報をディスプレイ21に表示させるステップS49の処理は、本発明の「表示処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS45において、イベント情報の種類が災害を示すと判断すると(S45:災害)、リクエストを生成し、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S50)。当該リクエストは、第1URL、通信アドレス、及び災害情報を返信することを要求するコマンドを含む。当該コマンドは、上述の種別情報及び設置位置情報を含む。すなわち、コントローラ30は、種別情報が示す交通機関(バス)について、設置位置情報が示す停留所に関する災害情報を返信することを要求するリクエストを、交通情報サーバ11宛てに送信する。災害情報の返信の要求を含むリクエストを送信するステップS50の処理は、本発明の「災害情報要求処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS50で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S51:No)。コントローラ30は、ステップS50で送信したリクエストに対するレスポンスを受信したと判断すると(S51:Yes)、受信したレスポンスに含まれる災害情報に基づいて、表示情報を生成する(S52)。そして、コントローラ30は、生成した表示情報を表示装置20に入力し、災害情報をディスプレイ21に表示させる(S53)。災害情報は、例えば、運行情報表示領域44に表示される。なお、災害情報は、ディスプレイ21に設けられた専用の表示領域に表示されてもよい。
災害情報を含むレスポンスを受信するステップS51:Yesの処理は、本発明の「災害情報受信処理」の一例である。災害情報を示す表示情報を生成するステップS52の処理は、本発明の「生成処理」の一例である。災害情報をディスプレイ21に表示させるステップS53の処理は、本発明の「表示処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS45において、イベント情報の種類が緊急事態(緊急時)を示すと判断すると(S45:緊急)、リクエストを生成し、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S54)。当該リクエストは、第1URL、通信アドレス、及び緊急情報を返信することを要求するコマンドを含む。当該コマンドは、上述の種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、コントローラ30は、種別情報が示す交通機関(バス)について、設置位置情報が示す停留所に関する緊急情報を返信することを要求するリクエストを、交通情報サーバ11宛てに送信する。緊急情報の返信の要求を含むリクエストを送信するステップS54の処理は、本発明の「緊急情報要求処理」の一例である。
コントローラ30は、ステップS54で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S55:No)。コントローラ30は、ステップS54で送信したリクエストに対するレスポンスを受信したと判断すると(S55:Yes)、受信したレスポンスに含まれる緊急情報に基づいて、表示情報を生成する(S56)。そして、コントローラ30は、第1表示制御処理(図5)を停止するとともに、ステップS56で生成した表示情報を表示装置20に入力し、緊急情報をディスプレイ21に表示させる(S57)。緊急情報は、例えば、ディスプレイ21の全面に表示される。
緊急情報を含むレスポンスを受信するステップS55:Yesの処理は、本発明の「緊急情報受信処理」の一例である。緊急情報を示す表示情報を生成するステップS56の処理は、本発明の「緊急情報生成処理」の一例である。緊急情報をディスプレイ21に表示させるステップS57の処理は、本発明の「緊急情報表示処理」の一例である。
コントローラ30は、緊急情報の表示を終了するか否かを判断する(S58)。コントローラ30は、例えば、入力デバイス27によって解除指示が入力されたことに応じて、緊急情報の表示を終了すると判断する。コントローラ30は、緊急情報の表示を終了しないと判断すると(S58:No)、ステップS54以降の処理を再度実行する。コントローラ30は、例えばポーリングにより、ステップS54で生成したリクエストを所定の時間間隔で定期的に交通情報サーバ11に送信する。すなわち、緊急時において、サイネージ13は、常に最新の緊急情報を表示することができる。
コントローラ30は、ステップS49、S53の処理の実行後、緊急情報の表示を終了すると判断した後(S58:Yes)、或いは、イベント情報がレスポンスに含まれないと判断した後(S44:No)、表示を終了するか否かを判断する(S59)。コントローラ30は、例えば、入力デバイス27を用いてリセット指示が入力されたことに応じて、表示を終了すると判断する(S59:Yes)。すなわち、コントローラ30は、意図的に処理が終了されない限り、昼夜を問わずイベント情報を定期的に取得して、事故情報や災害情報や緊急情報を表示する。なお、コントローラ30は、ステップS41で生成したリクエストを、ポーリングなどによって定期的に繰り返し送信する(S42)。
次に、サイネージ13がPR動画を表示する第3表示制御処理が、図7を参照して説明される。まず、コントローラ30は、事業者サーバ18(図1)が公開する第3URLの入力を受け付ける(S61)。第3URLは、例えば、入力デバイス27や可搬記憶媒体を用いてサイネージ13に入力される。或いは、コントローラ30は、第3URLを返信することを要求するコマンドを含むリクエストを管理サーバ12宛てに送信し、レスポンスに含まれる第3URLを取得する。なお、第3URLは、第2URLと同じURLであってもよい。すなわち、バス事業者等が、契約した事業者からPR動画を受け取り、サイネージ13に配信してもよい。第3URLは、バス事業者等と契約する事業者が変更した場合などにおいて更新される。
コントローラ30は、第3URLを取得したことに応じて、リクエストを生成する(S62)。当該リクエストは、第3URLと、通信アドレスと、PR動画を返信することを要求するコマンドと、を含む。コントローラ30は、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S63)。PR動画を返信することを要求するコマンドを含むリクエストを送信するステップS53の処理は、本発明の「広告情報要求処理」の一例である。PR動画は、本発明の「広告情報」の一例である。
一方、フローチャートには示されていないが、コントローラ30が送信したリクエストは、事業者サーバ18によって受信される。事業者サーバ18は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、事業者サーバ18は、付設するメモリに記憶されたPR動画を含むレスポンスを受信したリクエストに含まれる通信アドレス宛に返信する。
コントローラ30は、ステップS63で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S64:No)。コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S64:Yes)、受信したレスポンスに含まれるPR動画をメモリ32に記憶させる(S65)。PR動画を含むレスポンスを受信するステップS64:Yesの処理は、本発明の「広告情報受信処理」の一例である。PR動画をメモリ32に記憶させるステップS65の処理は、本発明の「記憶処理」の一例である。
コントローラ30は、メモリ32に記憶されたPR動画に基づいて表示情報を生成し(S66)、生成した表示情報を表示装置20に入力してPR動画をディスプレイ21に表示させ(S67)、第3表示制御処理を終了する。PR動画は、PR表示領域43(図3)に表示される。なお、PR動画に代えて、静止画像がPR表示領域43に表示されてもよい。すなわち、事業者サーバ18は、PR動画に代えて、静止画像を含むレスポンスを返信する。静止画像は、本発明の「広告情報」の一例である。表示情報を生成するステップS66の処理は、本発明の「生成処理」の一例である。PR画像をディスプレイ21に表示させるステップS67の処理は、本発明の「表示処理」の一例である。
なお、サイネージ13におけるPR動画を表示する機能は、適宜選択可能な事項である。すなわち、サイネージ13は、PR動画を表示する機能を有していてもよいし、有していなくてもよい。
コントローラ30は、上述の第1表示制御処理、第2表示制御処理、及び第3表示制御処理の実行中において、人感センサ24が検知する人の有無に応じて、ディスプレイ21への表示情報の入力を実行或いは停止する。すなわち、コントローラ30は、サイネージ13の周囲に人がいない場合、ディスプレイ21での表示を停止させて電力の無駄な消費を抑える。コントローラ30が、人感センサ24が出力する検出信号に応じて人の有無を判断する処理は、本発明の「判断処理」の一例である。なお、人感センサ24に代えて、カメラが用いられてもよい。ガメラは、サイネージ13の周囲を撮像して画像データを生成し、生成した画像データをコントローラ30に送信する、コントローラ30は、入力された画像データに基づいて、人の有無を判断する。
また、コントローラ30は、路線図や時刻表や運行管理情報の表示を切り替える切替アイコンをディスプレイ21に表示させる。そして、コントローラ30は、利用者が切替アイコンに触れたか否かを監視する。具体的には、コントローラ30は、タッチセンサが出力する検出信号を監視する。
コントローラ30は、利用者が切替アイコンに触れたと判断すると、ディスプレイ21に表示させる画面を切り替える。具体的には、コントローラ30は、複数の路線図の内の一の路線図の表示から、他の路線図の表示に表示を切り替える。或いは、コントローラ30は、一の路線の時刻表の表示から、他の路線の時刻表の表示に表示を切り替える。或いは、コントローラ30は、一の路線の運行情報の表示から、他の路線の運行情報の表示に表示を切り替える。人が触れたことに応じてタッチセンサ22が出力する検出信号は、本発明の「表示切替指示」の一例である。コントローラ30が、人が触れたことに応じてタッチセンサ22が出力する検出信号の入力を受け付ける処理は、本発明の「表示切替受付処理」の一例である。コントローラ30が、ディスプレイ21に表示させる表示内容を切り替える処理は、本発明の「表示切替処理」の一例である。
なお、人感センサ24及びタッチセンサ22の実装の有無は、適宜選択され得る事項である。すなわち、サイネージ13は、周囲の人の有無によってディスプレイ21での表示と非表示とを切り替える機能を有していなくてもよいし、画面を切り替えて表示する機能を有していなくてもよい。
次に、サイネージ13のローカライズについて説明する。コントローラ30は、例えば、ステップS34においてメモリ32に記憶させたバス15の位置情報などに基づいて、設置された停留所に間もなくバス15が到着すると判断すると、「間もなくバス15が到着します」などの表示を行う。メモリ32は、「間もなくバス15が到着します」などの定型表示情報を、複数の言語で、それぞれ言語IDと対応付けて記憶する。言語IDは、本発明の「指定言語情報」の一例である。
コントローラ30は、言語IDの入力を受け付ける。言語IDは、例えば、入力デバイス27を用いてサイネージ13に入力される。コントローラ30は、入力された言語IDに対応する定型表示情報をメモリ32から読み出し、読み出した定型表示情報をディスプレイ21に表示させる。コントローラ30が言語IDを取得する処理は、本発明の「指定言語取得処理」の一例である。コントローラ30が定型表示情報をディスプレイ21に表示させる処理は、本発明の「表示処理」の一例である。
また、コントローラ30は、ディスプレイ21に供給される直流電流、直流電圧、及び直流電力のうちの少なくとも1つの値に応じた検出値の入力を受け付ける。例えば、ディスプレイ21に供給される直流電流を検出する検出回路が設けられ、検出回路の出力端が通信バス38と接続される。ディスプレイ21に供給される直流電流、直流電圧、及び直流電力のうちの少なくとも1つの値に応じた検出値は、本発明の「動作情報」の一例である。コントローラ30が当該検出値の入力を受け付ける処理は、本発明の「受付処理」の一例である。
コントローラ30は、受け付けた上記検出値が、メモリ32に記憶された閾値範囲内であるか否かを判断する。コントローラ30が当該判断を行う処理は、本発明の「自己診断処理」の一例である。コントローラ30は、受け付けた上記検出値がメモリ32に記憶された閾値範囲内でないと判断すると、ディスプレイ21に故障が生じていることを示す故障情報を、メモリ32に記憶されたメールアドレス宛に送信する。メールアドレスは、例えば、バス事業者等の担当者のメールアドレスである。メールアドレスは、サイネージ13が停留所に設置される前、或いはサイネージ13が停留所に設置された後に、入力デバイス27を用いてサイネージ13に入力される。コントローラ30は、入力されたメールアドレスをメモリ32に記憶させる。コントローラ30が故障情報を含むメールを送信する処理は、本発明の「故障情報処理」の一例である。
次に、路線や時刻表などのダイヤ改正がされる場合において、サイネージ13が、ダイヤ改正後の路線図や時刻表をディスプレイ21に表示する場合にコントローラ30が実行するダイヤ改正処理について、図8を参照して説明がされる。
まず、コントローラ30は、リクエストを生成する(S71)。当該リクエストは、第1URLと、通信アドレスと、ダイヤ改正を含むイベントの有無を示すイベント情報を返信することを要求するコマンドとを含む。当該コマンドは、種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、コントローラ30は、種別情報が示す交通機関(バス)であって、設置位置情報が示すバス停を含む路線についてダイヤ改正などのイベントがあるか否かを交通情報サーバ11に問い合わせるリクエストを生成する。コントローラ30は、生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S72)。ダイヤ改正があるか否かを問い合わせるリクエストを送信するステップPS72の処理は、本発明の「問合せ処理」の一例である。
一方、フローチャートには示されていないが、サイネージ13が送信したリクエストは、交通情報サーバ11によって受信される。交通情報サーバ11は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、交通情報サーバ11は、ダイヤ改正等に関する情報が交通データベースに記憶されているか否かを確認する。コントローラ30は、ダイヤ改正等に関する情報が交通データベースに記憶されていないと判断すると、ダイヤ改正がないことを示すイベント情報を含むレスポンスを生成し、受信したリクエストに含まれる通信アドレス宛に返信する。交通情報サーバ11は、ダイヤ改正に関する情報が交通データベースに記憶されていると判断すると、ダイヤ改正があることを示すイベント情報を含むレスポンスを生成し、受信したリクエストに含まれる通信アドレス宛に返信する。
コントローラ30は、ステップS72で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S73:No)。コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S73:Yes)、レスポンスに含まれるイベント情報に基づいて、ダイヤ改正があるか否かを判断する(S74)。コントローラ30は、ダイヤ改正がないと判断すると(S74:No)、ダイヤ改正処理を終了する。交通情報サーバ11が返信したレスポンスを受信するステップS73:Yesの処理は、本発明の「イベント情報受信処理」の一例である。
コントローラ30は、ダイヤ改正があると判断すると(S74:Yes)、リクエストを生成する(S75)。当該リクエストは、第1URLと、通信アドレスと、ダイヤ改正の日時、ダイヤ改正後の路線情報、及びダイヤ改正後の出発時刻情報を返信することを要求するコマンドと、を含む。当該コマンドは、種別情報及び設置位置情報を付帯情報として含む。すなわち、コントローラ30は、種別情報が示す交通機関(バス)であって、設置位置情報が示すバス停を含む路線について、ダイヤ改正の日時、ダイヤ改正後の路線情報及び出発時刻情報を返信することを交通情報サーバ11に要求するリクエストを生成する。なお、コントローラ30は、ステップS75において、複数のリクエストを生成してもよい。一のリクエストは、ダイヤ改正の日時を返信することを要求するコマンドを含む。他の一のリクエストは、ダイヤ改正後の路線情報を返信することを要求するコマンドを含む。さらに他の一のリクエストは、ダイヤ改正後の出発時刻情報を返信することを要求するコマンドを含む。
コントローラ30は、ステップS75で生成したリクエストを、通信モジュール23を通じてインターネット14に対して送信する(S76)。
一方、フローチャートには示されていないが、サイネージ13が送信したリクエストは、交通情報サーバ11によって受信される。交通情報サーバ11は、受信したリクエストに含まれるコマンドを実行する。具体的には、コントローラ30は、ダイヤ改正の日時、ダイヤ改正後の路線情報、及びダイヤ改正後の出発時刻情報をデータテーブルから読み出す。交通情報サーバ11は、読み出したダイヤ改正の日時、ダイヤ改正後の路線情報、及びダイヤ改正後の出発時刻情報を含むレスポンスを、受信したリクエストに含まれる通信アドレス宛に返信する。
サイネージ13のコントローラ30は、ステップS76で送信したリクエストに対するレスポンスを受信するまで待機する(S77:No)。コントローラ30は、レスポンスを受信したと判断すると(S77:Yes)、レスポンスに含まれるダイヤ改正の日時、ダイヤ改正後の路線情報、及びダイヤ改正後の出発時刻情報をメモリ32に記憶させる(S78)。
コントローラ30は、クロックモジュール25が出力する日時情報が示す日付が、メモリ32に記憶されたダイヤ改正日時が示す日付になるまで待機する(S79:No)。コントローラ30は、クロックモジュール25が出力する日時情報が示す日付が、メモリ32に記憶されたダイヤ改正日時が示す日付になったと判断すると(S79:Yes)、ダイヤ改正後の路線情報及び出発時刻情報をメモリ32から読み出す。コントローラ30は、読み出したダイヤ改正後の路線情報及び出発時刻情報に基づいて表示情報を生成する(S80)。コントローラ30は、生成した表示情報を表示装置20に入力して、ダイヤ改正後の路線情報及び出発時刻情報をディスプレイ21に表示させ(S81)、ダイヤ改正処理を終了する。コントローラ30は、例えば、毎日の所定の時刻(例えば、午前0時)に、ダイヤ改正処理を実行する。
なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ30は、ステップS81において、ダイヤ改正後の路線情報及び出発時刻情報をディスプレイ21に表示させた後、ダイヤ改正前の路線情報、出発時刻情報、及びダイヤ改正日時をメモリ32から削除する。
[実施形態の作用効果]
本実施形態のサイネージ13は、図4が示す初期設定処理を実行する。したがって、サイネージ13を停留所に設置する作業者は、入力デバイス27を用いて識別情報及びセットアップ指示をサイネージ13に入力するだけで、路線情報や出発時刻情報をサイネージ13のメモリ32に記憶させる初期設定をサイネージ13に自動で行わせることができる。その結果、サイネージを各停留所にそれぞれ設置し、設置したサイネージごとに異なる路線情報を入力する従来のサイネージに比べ、作業者の手間が省かれる。また、本実施形態のサイネージ13は、管理サーバ12ではなく、交通情報サーバ11から路線情報や出発時刻情報を取得するので、管理サーバ12から路線情報や出発時刻情報を取得する従来のサイネージに比べ、汎用性が高い。詳しく説明すると、従来のサイネージでは、交通機関の種類に応じたカスタマイズが必要であるが、本実施形態のサイネージ13では、交通機関の種類に応じてカスタマイズすることなく使用することができる。また、従来のサイネージでは、既に運用されている管理サーバ12の仕様に合わせてカスタマイズする必要があるが、本実施形態のサイネージでは、管理サーバ12の仕様に合わせてカスタマイズすることなく使用することができる。すなわち、本実施形態のサイネージ13は、従来のサイネージよりも汎用性が高い。
また、本実施形態のサイネージ13は、図5が示す第1表示制御処理を実行する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、受信した交通情報をリクエストに応じてレスポンスする交通情報サーバ11の既存の機能を利用して、バス15の現在位置や遅延情報を表示することができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、図6が示す第2表示制御処理を実行する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、事故や災害や緊急事態が生じたときに、事故情報、災害情報、及び緊急情報を即座に表示することができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、図7が示す第3表示制御処理を実行する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、PR動画などの広告を、作業者の手間を必要とせずに表示することができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、図8が示すダイヤ改正処理を実行する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、ダイヤ改正後の路線図及び時刻表を、作業者の手間を必要とせずに、適切な日に表示することができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、タッチセンサ22を有するので、利用者がディスプレイ21に触れるだけで、利用者が望む画面(情報)をディスプレイ21に表示させることができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、人感知センサを有するので、サイネージ13の周囲に人がいない場合にディスプレイ21を消灯させて、消費電力を低減させることができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、表示装置20が故障した場合、バス事業者等の担当者に、故障情報を含むメールを送信する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、故障が生じた場合に、バス事業者等に即座に修理を行わせることができる。
また、本実施形態のサイネージ13は、言語IDとそれぞれ対応付けられた複数の定型表示情報をメモリ32に記憶する。したがって、本実施形態のサイネージ13は、設置された国の言語で表現された定型表示情報を表示することができる。
[変形例]
また、上述の実施形態では、コントローラ30が、サイネージ13の周囲に人がいないと判断した場合に、表示装置20での表示を停止する例が説明された。しかしながら、コントローラ30は、サイネージ13の周囲に人がいないと判断した場合、路線図や時刻表などの情報の一部を拡大して表示してもよい。すなわち、コントローラ30は、遠くからでも表示装置20に表示された内容を視認可能なように、路線図や時刻表の一部を拡大して表示させる。なお、コントローラ30は、路線図や時刻表の一部を拡大して表示する代わりに、遠くからでも視認し易いような形式や表示態様に路線情報や出発時刻情報を編集して表示装置20に大きく表示させてもよい。
11・・・交通情報サーバ
12・・・管理サーバ
13・・・サイネージ
15・・・車両
16・・・データ収集装置
20・・・表示装置
21・・・ディスプレイ
22・・・タッチセンサ
23・・・通信モジュール
24・・・人感センサ
25・・・クロックモジュール
30・・・コントローラ
36・・・制御プログラム