JP2020060777A - 記録材の種別を判別する判別装置および画像形成装置 - Google Patents

記録材の種別を判別する判別装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記録材の種別の判別精度を向上させること。【解決手段】判別装置30は、記録材Pの物理的な特性を示す特性値を検知する検知部23と、記録材Pの含水分量に相関した水分量を測定する測定部22と、測定された水分量と検知された特性値とに基づき記録材Pの種別を判別する判別部24を有している。判別部24は、測定された水分量で検知された特性値を補正し、補正した特性値にしたがって記録材Pの種別を判別する。なお、判別部24は、測定された水分量で記録材の種別を決定するための規則(例:閾値やテーブル)を補正し、補正した規則にしたがって記録材の種別を判別してもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、記録材の種別を判別する判別装置とそれを利用した画像形成装置に関する。
画像形成装置がトナーやインクの使用量を適正に調整したり、原画の階調特性を適正に再現したりするためには、記録材の特性(坪量、厚み、表面性など)に応じて画像形成条件を調整しなければならない。特許文献1によれば超音波を用いて記録材の坪量(単位面積当たりの重量)を検出することが提案されている。特許文献2によればCMOSセンサで記録材の表面性を検出することが提案されている。
特開2004−107030号公報 特開2002−182518号公報
特許文献1、2に記載の発明により記録材の種別を検知し、検知した種別に応じて画像形成条件を調整すれば、画像形成装置はある程度の画像品質を達成できるであろう。しかし、特許文献1、2に記載の発明では、記録材の含水分量によって検知値が変動することを考慮していないため、記録材の種別の検知精度についてさらに改良の余地がある。そこで、本発明は、記録材の種別の判別精度を向上させることを目的とする。
本発明は、たとえば、
記録材の物理的な特性を示す特性値を検知する検知手段と、
前記記録材の含水分量に相関した水分量を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された水分量と前記検知手段により検知された特性値とに基づき前記記録材の種別を判別する判別手段とを有し、
前記判別手段は、前記測定手段により測定された水分量で前記検知手段により検知された特性値を補正するか、または、前記測定手段により測定された水分量で前記記録材の種別を決定するための規則を補正し、補正した前記特性値または前記規則にしたがって前記記録材の種別を判別することを特徴とする判別装置を提供する。
本発明によれば、記録材の含水分量を考慮することで記録材の種別の判別精度が向上する。
画像形成装置の機能を示すブロック図 画像形成装置の構成の一例を示す図 判別装置の機能を示すブロック図 水分量と特性値の変動率の一例を示す図 記録材判別方法を示すフローチャート 水分量と特性値の変動率の一例を示す図 記録材判別方法を示すフローチャート 判別装置の機能を示すブロック図 水分量と特性値の変動率の一例を示す図 記録材判別方法を示すフローチャート 水分量と特性値の変動率の一例を示す図 記録材判別方法を示すフローチャート 画像形成装置の構成の一例を示す図
図1を用いて本実施形態の技術思想について説明する。図1において、画像形成装置1はインクまたはトナーを用いて画像を形成する画像形成部50を備えている。判別装置30は、画像形成部50で画像を形成される記録材の種別を判別する。記録材の種別(種類)とは、普通紙、厚紙、薄紙、コート紙、ボンド紙などである。判別装置30は記録材の含水分量に相関した水分量を測定する測定部22と、記録材の物理的な特性を示す特性値を検知する検知部23と、水分量と特性値とに基づき記録材の種別を判別する判別部24を有している。判別部24は、特性値や記録材の種別を決定するための規則を水分量に応じて補正する補正部25を有していてもよい。判別部24は、補正部25により補正された特性値や規則にしたがって記録材の種別を判別する。記録材の物理的な特性とは、たとえば、記録材の坪量や表面性であり、画像形成条件に影響を与えるパラメータである。記録材の坪量や表面性は記録材に含まれている水分量に応じて変化する。よって、この水分量が予め想定された水分量から乖離するような環境下では、記録材の種別の判別精度が低下しうる。よって、本実施形態では、補正部25が、検知部23から出力される特性値や記録材の種別を判別するために使用される規則を記録材に含まれている水分量に応じて補正することで、記録材の種別の判別精度が向上する。記録材の種別を判別するために使用される規則とは、たとえば、1つ以上の閾値と特性値とを比較し、比較結果に応じて種別を判別するような規則である。よって、規則を補正することには、閾値を補正することが含まれる。このように記録材の含水分量を考慮することで記録材の種別の検知精度が向上する。なお、記録材の水分量を直接計測してもよいが、間接的に計測したほうが測定部22の構成を簡易にすることができる。記録材の水分量は、一般にその周囲の空間の水分量と相関する。よって、測定部22は、記録材の周囲の水分量を計測すれば十分である。たただし、測定部22と定着装置などの熱源とが所定距離以上離れていないと、測定部22が熱源の影響を受けて水分量を誤検知してしまう。とくに、温度と湿度とを検知して水分量を演算する測定部22では熱源の影響を受けやすい。測定部22を記録材の近くに配置できない場合、測定部22は少なくとも熱源から離れた位置に配置される。たとえば、測定部22は主要な熱源から所定距離以上離れた搬送路や記録材を収納する収納部などに配置されてもよい。測定部22は搬送路や収納部に直接取り付けられている必要はなく、搬送路や収納部の周囲に設けられていれば十分である。
<実施例1>
図2を用いて画像形成装置1について説明する。ここでは画像形成装置1の画像形成方式として電子写真方式を採用するが、静電記録方式やインクジェット記録方式などが採用されてもよい。また、画像形成装置1は多色画像を形成するものとして説明するが、単色画像を形成する画像形成装置であってもよい。
画像形成装置1は、タンデム式のカラーレーザビームプリンタであり、それぞれ色の異なる複数の現像剤の像を重ね合わせることで多色画像を出力する。現像剤は、たとえば、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)といった4色のトナーである。給紙カセット2は給紙手段の一例であり、記録材Pを収納する。記録材Pの搬送路には搬送装置が設けられている。搬送装置は、給紙カセット2から記録材Pを給紙する給紙ローラ4や給紙カセット2から給紙された記録材Pを搬送する搬送ローラ対5、6を備えている。感光ドラム11は静電潜像やトナー像を担持する像担持体である。帯電ローラ12は感光ドラム11の表面を一様に所定の電位に帯電させる帯電ユニットである。レーザスキャナ13は画像信号に応じて感光ドラム11の表面に光を照射し、静電潜像を形成する露光装置または光学走査装置である。プロセスカートリッジ14は現像ローラ15を有している。現像ローラ15は感光ドラム11上に形成された静電潜像をトナーにより現像して可視化する現像ユニットである。一次転写ローラ16は感光ドラム11上に形成されたトナー像を中間転写ベルト17に一次転写する転写ユニットである。中間転写ベルト17は駆動ローラ18によって駆動され、感光ドラム11から転写されたトナー像を搬送する中間転写体である。二次転写ローラ19は中間転写ベルト17上に形成されたトナー画像を記録材Pに転写する転写ユニットである。定着装置20は、記録材Pを搬送しながら、記録材Pに転写されたトナー像を溶融して定着させるユニットである。
<判別装置の配置と構成>
図2が示すように判別装置30は記録材Pの搬送路に設けられている。画像形成装置1における主要な熱源は定着装置20であり、水分量を測定する測定部22は定着装置20から離れた位置に配置されている。制御部10は、上述した判別部24として機能するとともに、決定部26としても機能する。また、測定部22や検知部23の演算機能や信号処理機能などを制御部10が備えていてもよい。
図3を用いて記録材Pの坪量を検知して記録材Pの種別を判別する判別装置30について説明する。本実施例では、坪量を判別する方法として、記録材Pに超音波を照射し、記録材Pを透過してきた超音波を受信し、受信信号の振幅に基づき種別を判別する方法を採用する。
検知部23は搬送されてきた記録材Pの坪量を検知する坪量検知手段として機能する。検知部23は発信部31と受信部32を有している。制御部10は、たとえば、CPU、メモリ等を備えたMPU(不図示)で構成され、検知部23の制御と、測定部22の測定結果について演算処理を実行する。また、制御部10は画像形成装置1の各部を統括的に制御する。
測定部22は、水分量を示すパラメータとして温湿度センサ40によって温度と相対湿度を検知し、制御部10に出力する。制御部10は、測定部22の測定結果および検知部23の検知値に基づいて記録材Pの種別に応じた画像形成条件(印刷モード)を決定する。制御部10は検知部23や測定部22の制御や検知結果の処理に加え、電子写真プロセスの制御を一括して行っているが、各々について独立した制御部が設けられてもよい。たとえば、検知部23および測定部22の制御および検知結果の処理を行う第1制御部と、電子写真プロセスの制御を行う第2制御部とが設けられ、第1制御部と第2制御部が通信して情報を共有してもよい。また、検知部23の制御を行う第1制御部と、測定部22の測定結果の処理と電子写真プロセスの制御を行う第2制御部とが設けられ、第1制御部と第2制御部が通信して情報を共有してもよい。
測定部22は、温湿度センサ40を用いて温度および湿度を検知することで、間接的に水分量を測定する。本実施例では温湿度センサ40を用いているが、水分量を求めることが可能な環境パラメータを検知できる環境センサであれば、温湿度センサ40以外のセンサが用いられてもよい。温湿度センサ40は画像形成装置1の近傍の温度および湿度を検知できるように、画像形成装置1の外装近く且つ画像形成装置1内の熱源の影響を受けにくい場所に配置される。ただし、画像形成装置1の近傍の温度や湿度を検知できればよいため、配置場所はこれに限定されない。測定部22は、画像形成装置1の近傍の温湿度と画像形成装置1内にある温湿度センサ40の検知結果との相関データに基づいて設定された変換テーブルや関数を用いて、温湿度センサ40検知結果から画像形成装置1の近傍の水分量を求めてもよい。なお、水分量への変換機能は、測定部22に設けられてもよいし、制御部10に設けられてもよい。
検知部23は、超音波を発信する発信部31と、超音波を受信する受信部32を有している。記録材Pが発信部31と受信部32の間に搬送されてくると、制御部10は送信制御部42に動作開始を指示する。送信制御部42は動作開始の指示を受信すると、特定の周波数の超音波を発信させるための駆動信号を生成して発信部31に供給する。発信部31は駆動信号により駆動されて特定の周波数の超音波を生成して記録材Pに向けて発信する。受信部32は記録材Pを透過してきた超音波を受信し、受信信号を出力する。受信検知部43は、受信信号の振幅のピーク値を検知電圧として制御部10のADポートに出力する。制御部10は受信検知部43の出力をADポートで受信する。制御部10のADポートは検知電圧をデジタルの検知値(dec値)に変換する(アナログの検知電圧もデジタルの検知値も特性値に相関したパラメータである)。たとえば、ADポートは制御部10に入力された電源電圧を基準に256分割した分解能でdec値を生成する。より具体的には、ADポートは入力された検知電圧が分解能に対して何倍の電圧であるかを示すように、検知電圧をdec値に変換する。たとえば制御部10の電源電圧が3.3Vであり、ADポートに入力された検知電圧が1.65Vであれば、ADポートはdec値として128を出力する。本実施例ではdec値を256レベルで表現するものとして説明したもののこの分解能は一例にすぎない。
制御部10は検知電圧を受信すると(dec値を生成すると)、送信制御部42の動作停止を指示する。送信制御部42は動作停止の指示に従い、駆動信号の生成を停止する。これにより超音波の発信が停止する。シートセンサを用いられてもよい。制御部10はシートが検知部23を通過しているときは超音波を発信させ、シートが検知部23を通過していないときは超音波の発信を停止させる。これにより、低消費電力化と低騒音化を達成できるであろう。
記録材Pを透過してきた超音波の減衰量は記録材Pの坪量に比例する。つまり、記録材Pの坪量が増えれば増えるほど超音波の減衰量は大きくなる。坪量が小さい記録材P(薄紙)の場合は超音波の減衰量が少なく、受信信号のピーク値やdec値は大きくなる。反対に、坪量が大きい記録材P(厚紙)の場合は超音波の減衰量が多くなり、ピーク値やdec値が小さくなる。たとえば、判別部24は、dec値が大きい場合は記録材Pの種別を薄紙と判別する。また、判別部24は、dec値が小さい場合は記録材Pの種別を厚紙と判別する。一般に、普通紙の坪量は115[g/m]以下であるのに対して、コート紙の坪量は115[g/m]超である。たとえば、坪量115[g/m]の記録材Pを検知部23で検知することで取得されたdec値が90decであったと仮定する。この場合、判別部24は、90decを第1閾値とし、dec値が第1閾値を超えていれば普通紙と判別する。また、判別部24は、dec値が第1閾値以下であればコート紙と判別してもよい。一例として、種別閾値を90decとしたが、種別閾値は判別したい種別に応じて自在に設定可能である。一般的に薄紙の坪量は70[g/m]以下であることが多い。坪量が70[g/m]の記録材Pを検知部23で検知することで得られるdec値が150decであったと仮定する。この場合、判別部24は、150decを第2閾値とし、dec値が第2閾値を超えていれば薄紙と判別する。また、判別部24は、dec値が第2閾値以下であり、かつ、第1閾値を超えていれば普通紙と判別してもよい。このように複数の種別閾値を用意すれば3つ以上の種別が判別可能となる。
<記録材の種別と画像形成条件>
一般的に記録材Pの坪量に依存して記録材Pの電気的な抵抗値が異なるため、制御部10の決定部26は、トナーを転写するために必要となる転写電流や転写電圧などの転写条件を調整する。また、記録材Pの坪量に応じて熱容量が異なるため、決定部26は、トナーを定着するための定着温度や定着時間、記録材Pの搬送速度などの定着条件を調整する。これらの定着条件を調整することでトナーと記録材Pに伝搬する熱量が変化する。よって決定部26は記録材Pの種別に応じて画像形成部50に適用される画像形成条件(転写条件や定着条件など)を設定する。
<水分量と画像形成条件>
水分量に応じて記録材Pの抵抗値や坪量は変化する。よって、決定部26は水分量を考慮した記録材Pの抵抗値や坪量に応じて画像形成条件を設定する。水分量に応じた記録材Pの抵抗値の変化は記録材Pの種別によって異なる。つまり、決定部26が、記録材Pの種別と水分量に応じた画像形成条件を設定することで、所望の画像品質が達成される。
<水分量が記録材の種別>
水分量が記録材Pの種別の判別に及ぼす影響について説明する。記録材Pの近傍の水分量によって記録材Pの坪量が変化する。たとえば、水分量が多ければ記録材Pを構成する繊維に含まれる水分量が増加するため、含まれた水分量によって記録材Pの坪量が増加する。一方、水分量が少なければ、記録材Pを構成する繊維に含まれる水分量は減少するため坪量は減少する。よって、記録材Pの近傍の水分量は記録材Pの種別の判別に影響する。たとえば、水分量によって変化した坪量のdec値に基づいて記録材Pの種別を判断した場合と坪量のdec値をある特定の水分量の環境におけるdec値に換算してから記録材Pの種別を判別した場合とでは、記録材Pの判別結果が異なってしまうことがある。そこで、補正部25が坪量のdec値を特定環境におけるdec値に換算してから判別部24が記録材Pの種別の判別をすることで、所望の判別精度が達成される。
本実施例では水分量の一例として、温度と湿度に基づいて求められる絶対水分量を採用する。補正部25は、絶対水分量が約11.5[g/m](温度25℃、湿度50%RH相当)の環境を基準としてdec値の換算処理を実行する。本実施例では絶対水分量を例にあげているが、記録材Pに含まれる水分量と相関性のある水分量を用いれば十分であり、絶対水分量以外の水分量、たとえば、相対湿度に基づいて求められる水分量が使用されてもよい。たとえば水分量の変化が小さい温度範囲で記録材Pの種別を判別する場合、記録材Pの近傍の相対湿度に基づいて記録材Pに含まれる水分量が推定されてもよい。このよう場合は、相対湿度に基づき求められた水分量は、温度と湿度に基づいて求められた絶対水分量と同等の精度となる。
<水分量と検知結果との関係>
次に、温湿度センサ40の検知結果に基づいて検知した水分量の変動が検知部23の検知値に与える影響について図4に示す発明者らの実験結果を用いて説明する。前述したように本実施例では記録材Pに含まれる水分量を推定するために、記録材Pの周囲における絶対水分量が用いられている。図4において横軸は温湿度センサ40で検知した絶対水分量を示している。縦軸は絶対水分量が約11.5[g/m](温度25℃、湿度50%RH相当)の環境におけるdec値を基準としたdec値の変動率Vを示している。ここでは一例として、坪量が60[g/m]、80[g/m]、90[g/m]の記録材P(普通紙)についての変動率Vが示されている。各記録材Pが温湿度環境に十分に馴染んだ後に測定が実行されている。
水分量の増減に応じて坪量も増減するため、図4に示すように絶対水分量とdec値の変動率Vとの関係は線形になる。つまり、記録材Pのdec値は記録材Pの近傍の水分量に比例して変化することがわかる。よって、図4から求められる変動率Vの近似式に水分量を代入することで、dec値の変動率Vが決定される。そして、補正部25は、dec値を変動率Vで除算することで、特定環境下でのdec値に補正ないしは換算する。
補正されたdec値 =dec値 / 変動率V ・・・補正式1
一例として、図4が示すように、絶対水分量が20の環境下における坪量60gの記録材Pのdec値は、絶対水分量11.5gの環境下のdec値と比較して1.022倍になる。よって、補正部25は、dec値を絶対水分量が11.5gである特定環境下でのdec値に換算するために、dec値を1.022で除算する。つまり、補正部25がdec値を変動率Vで除算することで、dec値は特定環境下でのdec値に補正される。
図4で示した3つの記録材Pの種別(普通紙)については坪量に差異があっても変動率Vのばらつきは小さいことが分かる。よって、坪量の差異が小さい複数の記録材Pに関しては、記録材Pの種別に応じて近似式を変更しなくとも精度よくdec値の補正が可能となる。本実施例の場合、補正部25は、温湿度センサ40によって得られる水分量を下記の近似式1に代入することで検知部23のdec値の変動率Vを求める。前述したように近似式1の係数は図4の坪量80[g/m]の記録材Pの絶対水分量に対するdec値の変動率Vに基づいて決定されている。
変動率V =0.03×水分量[g/m]+0.98 ・・・ 近似式1
ここで、変動率Vの近似式1は本実施例における一例であり、検知部23の検知特性に合わせて適宜設定される。また、本実施例では温湿度センサ40の検知結果から求められた水分量に基づいてdec値が補正されている。しかし、水分量に応じた記録材Pの種別の判別結果が得られれば十分であり、dec値を補正する方法にのみ限定されるわけではない。たとえば、補正する対象がdec値ではなく、記録材Pの種別を判別するための規則、つまり、dec値に対する種別閾値が変更されてもよい。たとえば、補正部25は、普通紙とコート紙と区別するための種別閾値である90decを水分量に応じて上下させてもよい。これにより、dec値を補正することなく、水分量に応じた記録材Pの種別の判別精度が向上する。また、dec値や種別閾値を補正する以外の方法が採用されてもよい。たとえば、判別部24は、記録材Pの近傍の水分量とdec値との関係を示すテーブルを記憶部に記憶しておき、得られた水分量とdec値に基づきテーブルを参照して記録材Pの種別を特定してもよい。たとえば、水分量が11.5[g/m]、坪量が116[g/m]に相当するdec値の場合に普通紙と判別し、水分量が5[g/m]、坪量が116[g/m]に相当するdec値であればコート紙であると判別するようなテーブルが用いられてもよい。また、制御部10は記録材Pの種別を判別することなく、補正したdec値から直接的に画像形成装置1の画像形成条件を制御してもよい。またはdec値と補正された規則から直接的に画像形成装置1の画像形成条件を制御してもよい。たとえば、dec値などと画像形成条件との対応関係を予め記憶装置に記憶しておくことで、dec値などから直接的に画像形成条件が決定される。
本実施例では記録材Pの近傍の水分量を画像形成装置1の近傍の水分量と同一として扱っている。一般的に記録材Pは給紙カセット2や給紙トレイ、給紙オプションに載置されている。つまり、記録材Pは画像形成装置1内の電源装置や駆動源などの熱源の影響を大きく受けない場所に置かれている。よって、記録材Pの近傍の水分量は画像形成装置1の近傍の水分量と殆ど同等と考えられる。本実施例では画像形成装置1の近傍の水分量を検知する温湿度センサ40を用いて記録材Pの近傍の水分量を求めた。しかし、記録材Pの近傍の水分量を求められれば十分であり、水分量を求める方法はこれに限定されない。たとえば、給紙カセット2内に専用の温湿度センサ40が配置されてもよい。
<フローチャート>
図5を用いて制御部10における記録材Pの種別の判別方法について説明する。S501で制御部10(測定部22または判別部24)は温湿度センサ40を用いて記録材Pに関する水分量を測定する。たとえば、制御部10は温湿度センサから温度の測定値と湿度の測定値を取得し、関数やテーブルを用いて温度の測定値と湿度の測定値を絶対水分量に変換する。
S502で制御部10(判別部24、補正部25)は特性値(例:坪量)を補正するための補正係数である変動率Vを演算する。たとえば、制御部10は上述した近似式1に水分量を代入することで変動率Vを算出してもよい。
S503で制御部10は超音波の発信を開始する。上述したように制御部10は送信制御部42に超音波の発信を開始するよう指示する。これは、たとえば、送信制御部42にON信号を送出することであってもよい。なお、送信制御部42の動作電力を電源から供給したり、遮断したりすることで、超音波の発信と停止とが制御されてもよい。
S504で制御部10は超音波の受信処理を実行する。たとえば、記録材Pを透過した超音波が受信部32で受信され、受信検知部43により検知電圧が生成され、制御部10のADポートに入力される。制御部10はアナログの検知電圧をデジタルのdec値に変換することで特性値であるdec値を取得する。
S505で制御部10は超音波の発信を停止する。上述したように制御部10は送信制御部42に超音波の発信を停止するよう指示する。これは、たとえば、送信制御部42にOFF信号を送出したり、ON信号の送出を停止したりすることであってもよい。
S506で制御部10(補正部25)は特性値を補正する。たとえば、補正部25は変動率Vに基づき特性値であるdec値を補正する。補正には、変動率Vと特性値を入力とし、補正された特性値を出力とする関数やテーブルなどが用いられてもよい。関数は、たとえば、特性値であるdec値を変動率Vで除算することで、補正された特性値を出力する関数であってもよい。
S507で制御部10(判別部24)は補正された特性値を用いて記録材の種別を判別する。判別部24は、たとえば、特性値と1つ以上の閾値とを比較して、記録材の種別を判別する。3つ以上の種別を判別するためには、複数の閾値が使用される。
S508で制御部10(決定部26)は記録材の種別に応じた画像形成条件(例:転写条件や定着条件)を決定する。記録材の種別に応じた画像形成条件は予め用意されており、決定部26は、複数の画像形成条件のうちから記録材の種別に応じた画像形成条件を選択してもよい。また、決定部26は、記録材の種別と水分量とに応じて画像形成条件を設定してもよい。たとえば、決定部26は記録材の種別ごとに用意された画像形成条件を求めるための関数やテーブルに対して水分量を入力することで、記録材の種別と水分量とに応じた画像形成条件を決定してもよい。
本実施例によれば判別装置30は温湿度センサ40から得られる水分量に基づいて記録材Pの特性値(例:坪量の検知値)を補正することで、記録材Pの種別の判別精度が向上する。たとえば、従来は水分量による変動があるため明確に判別できなかった約10[g/m]以下の坪量差の記録材Pの種別、たとえば70[g/m]と80[g/m]の坪量の記録材Pの種別の判別が可能になる。その結果、判別装置30を備えた装置1は、判別された記録材Pの種別に応じて画像形成条件を適切に設定することができるため、画質の向上が可能となる。また、適切な画像形成条件を得るための方法の一例としては、制御部10に水分量と検知値の組み合わせと画像形成条件との関係を保存しておく。さらに、得られた水分量と検知値の組み合わせに基づき関係を参照することで、記録材Pの種別の判別をすることなく、画像形成条件を決定することも可能である。このような関係はテーブル化されていてもよい。
<実施例2>
実施例1では、温湿度センサ40から得られる水分量に基づいて記録材Pの坪量の変動率Vを求め、変動率Vに基づき検知値を補正していた。なお、実施例1の変動率Vは、記録材Pに種別よらず一律に求められ、演算の簡素化が図られている。本実施例では、複数の変動率Vの決定方法を予め用意することで、コート紙など特定の記録材Pの種別の判別精度を向上させる。実施例2において実施例1と共通する部分については、説明の簡明化のために、省略する。
画像形成装置1に用いられる記録材Pの種別としては、パルプ繊維で構成された一般的な記録材P(普通紙)のみならず、記録材Pの表面に顔料が塗布されて平滑化処理された記録材P(コート紙)が使用されることがある。特にコート紙は多色プリントにおいて色鮮やかな画像を形成でき、利用される機会が増えている。このようにコート紙のような特定の記録材Pの種別の判別精度を向上させることができれば、より適切な画像形成条件が決定されるようになろう。そこで、本実施例では記録材Pがコート紙の場合における特性値の補正を一例として説明する。なお、特定の記録材Pの種別はコート紙に限定されるわけではなく、一例として薄紙に対する特性値の補正をすることも可能である。
<記録材Pの種別と坪量の検知値との関係>
記録材Pの種別が異なる場合における坪量の検知値への影響について図6を用いて説明する。前述したようにコート紙は表面に顔料が塗布されている。そのため、記録材Pの坪量は顔料の坪量を含んだ値となる。また顔料とパルプ材では吸湿度合いが大きく異なる。顔料はパルプ材に比べて吸湿度合いが低い。よって、コート紙の変動率Vは普通紙と異なる。
図6において横軸は温湿度センサ40を用いて測定された絶対水分量を示している。縦軸は絶対水分量が約11.5[g/m](温度25℃、湿度50%RH相当)となるときの坪量を基準として求められた変動率Vを示している。ここでは、一例として、150[g/m]のコート紙についての変動率Vを示している。図6に示すコート紙の変動率Vは、図4で示す普通紙の変動率Vと異なり、変動率Vの変動する幅が狭くなり、傾きが緩やかになっている。実施例1と同様に、図6からコート紙の変動率Vを求めるための近似式2を決定することが可能である。
変動率V =0.01×水分量[g/m]+0.99 ・・・ 近似式2
なお、以下では近似式1により求められた変動率をV1とし、近似式2により求められた変動率をV2として区別する。
<フローチャート>
図7を用いて制御部10における記録材Pの種別の判別方法について説明する。なお、図7において、図5に関して説明したステップと同一のステップの説明は簡明化のために省略される。なお、図7ではS502がS701に置換され、S702とS703がS505の後に追加されている。
S701で制御部10(判別部24、補正部25)は特性値(例:坪量)を補正するための補正係数である変動率V1、V2を演算する。たとえば、制御部10は上述した近似式1と近似式2にそれぞれ水分量を代入することで変動率V1、V2を算出してもよい。その後、S503ないしS505を実行し、S702に進む。
S702で制御部10(判別部24)は特性値であるdec値と所定の切り替え閾値を比較し、dec値が所定の切り替え閾値未満であるかどうかを判別する。切り替え閾値は、たとえば、次のように決定[g/m]れる。実施例2においても実施例1と同様に、坪量115[g/m]と90decが対応した関係となっている。dec値が90dec以上であれば坪量は115[g/m]以下であり、記録材Pは普通紙である可能性が高い。一方、dec値が90dec未満であれば坪量は115[g/m]以上であり、記録材Pはコート紙である可能性が高い。なお、切り替え閾値(近似式の選択閾値)が90decに設定されているがこれは一例にすぎない。切り替え閾値は画像形成装置1において優先的に判別される記録材Pの種別に合わせて適宜設定されればよい。たとえばコート紙の判別精度を優先したい場合には、コート紙についてより適正に特性値を補正するために、切り替え閾値が95decに設定されてもよい。このようにコート紙を優先するためにマージンとして5decが追加されてもよい。これによりコート紙として判別される記録材Pの種別が増えることになり、コート紙であるにもかかわらずコート紙として判別されないことは減少するであろう。
S702でdec値が所定の切り替え閾値未満であれば、コート紙の可能性が高いため、S703に進む。S703で補正部25はコート紙用の変動率V2を用いて特性値であるdec値を補正する。一方で、S702でdec値が所定の切り替え閾値以上であれば、コート紙ではない可能性が高いため、上述したS506に進む。S506で補正部25は普通紙用の変動率V1を用いて特性値であるdec値を補正する。
このように、補正部25は、dec値に依存して変動率V1、V2を選択しているが、これは近似式を選択することと同義である。これにより記録材Pから得られたdec値に依存して適正に特性値を補正可能となり、記録材Pの種別の判別結果が向上するであろう。
本実施例は記録材Pの種別として普通紙とコート紙を一例として説明しているが、任意の記録材Pの種別に対しても実施例2の技術思想は適用可能である。つまり、予め、記録材Pの近傍の水分量によって変化した記録材Pの坪量を測定して近似式を求めて制御部10に格納する。さらに、その記録材Pの坪量に基づき切り替え閾値を設定する。これにより、記録材Pの種別に応じて適切な近似式が選択されるようになり、その記録材Pの判別精度が向上するであろう。一例として、坪量が70[g/m]以下である薄紙の場合のdec値の近似式を制御部10が備えていてもよい。dec値が150dec以上であれば薄紙の可能性が高い。よって、補正部25は薄紙に対応したdec値の近似式を用いてdec値を補正することで、薄紙を精度よく判別可能となる。
このように実施例2によれば、実施例1の効果に加えて次のような効果が得られよう。判別装置30は、記録材Pの種別(dec値)に応じて変動率Vの近似式を選択する。これにより、記録材Pの判別精度が向上する。たとえば、コート紙や薄紙においても普通紙と同様に記録材Pの判別精度の向上が可能になる。そして、判別装置30を備えた画像形成装置1は、判別された記録材Pの種別に応じて画像形成条件を設定することで画質の向上を達成しよう。ここでは変動率V1、V2を選択したり、近似式1、2を選択したりすることを説明したが、これは記録材の判別規則を選択ないしは補正していることに相当する。また、実施例1、2では変動率に基づき特性値を補正したが、S507で実行される記録材の種別を判別するステップで使用される閾値が変動率に基づき補正されたり、選択されたりしてもよい。
実施例1でも説明したように実施例2に関してもまた、制御部10は記録材Pの種別を判別することなく、補正したdec値から直接的に画像形成装置1の画像形成条件を制御してもよい。またはdec値と補正された規則から直接的に画像形成装置1の画像形成条件を制御してもよい。
<実施例3>
実施例1、2では超音波を用いて記録材Pの種別を判別したが、他の手法が用いられてもよい。以下では、記録材Pに光を照射し、記録材Pからの反射光を検知して記録材Pの種別を判別する手法について説明する。
図8は判別装置30の機能の一例を示すブロック図である。検知部23は、光源46、結像光学系47および撮像部48を有している。光源46はLEDなどの発光素子である。記録材Pが一定の速度で検知部23の設置位置まで搬送されてくると、制御部10は光の照射を開始するよう光源制御部44に指示する。この指示は、たとえば、光源46の点灯を意味するON信号である。光源制御部44は照射の開始指示を受信すると、光源46を点灯させるため駆動信号(駆動電流)を生成して光源46に供給する。光源46は光源制御部44からの駆動信号にしたがって光を発光し、記録材Pの表面に光を照射する。
光源46から照射された光は記録材Pの表面で反射する。結像光学系47は記録材Pの表面からの反射光を受光して撮像部48に結像させる。撮像部48は結像光学系47により結像された光(記録材Pの表面)を撮像する。撮像部48により取得された画像は記録材Pの表面の画像であり、画像処理部45へ出力される。記録材Pの表面はコロ等の部品(不図示)により位置決めされてもよい。これは、結像光学系47の主点から記録材Pの表面までの距離を一定距離に維持させて、ピントの合った画像が得られるようにするためである。ここで取得される表面画像は記録材Pの表面性(凹凸)に依存して変化する。画像処理部45は表面画像に占める影の割合から記録材Pの表面性を示す特性値を求め、特性値に対応したアナログの検知電圧を制御部10のADポートに出力する。なお、特性値はデジタル値として制御部10のデジタルポートに渡されてもよい。この場合、画像処理部45がdec値を演算してもよい。
実施例1と同様に、制御部10のADポートは、特性値を示す検知電圧をデジタル値であるdec値に変換する。分解能などのパラメータは、実施例1と同様であってもよい。制御部10はdec値が確定すると、光源制御部44に照射の停止を指示する。制御部10は温湿度センサ40を用いて水分量を求める。
<表面性と記録材Pの種別の関係>
一般的にコート紙のような表面性が平滑な記録材Pは表面画像に占める影の割合が少ない。逆にボンド紙のような表面性が粗い記録材Pは表面画像に占める影の割合が多くなる。そこで、検知部23で表面性が平滑な記録材Pを検知した際に、制御部10が確定する表面性のdec値が100decとなるように、制御部10のADポートが量子化を行う。よって、判別部24は、dec値が100dec未満であれば、記録材Pの種別をコート紙と判別し、100dec以上であれば普通紙と判別する。ここでは種別閾値を100decとしているが、これは一例であり、実験やシミュレーションによって適正な値に決定される。
<記録材Pの種別と画像形成条件>
一般的にコート紙のような表面性が平滑な記録材Pの抵抗値は、ボンド紙のような粗い記録材Pの抵抗値に比べて低い。よって、決定部26は記録材Pの種別に応じてトナーを転写するための転写条件(例:転写電流)を設定する。また、コート紙のような表面性が平滑な記録材Pは、ボンド紙のような粗い記録材Pに比べて必要な定着温度が低い。これは定着に必要な時間が短いことを意味する。決定部26は記録材Pの種別に応じて定着条件(定着温度や定着時間、搬送速度など)を設定する。このように記録材Pの種別に応じて適切な画像形成条件(転写条件、定着条件)が設定されれば、画質が向上することになる。
<水分量と画像形成条件>
水分量に応じて記録材Pの抵抗値や表面性が変化する。よって、水分量に応じて画像形成条件を設定する必要がある。さらに、水分量に応じた記録材Pの抵抗値の変化は記録材Pの種別によって異なる。よって、決定部26は、記録材Pの種別と水分量に応じた画像形成条件を設定することで、適切な画像形成を行う。
<水分量が記録材Pの種別の判別に及ぼす影響>
記録材Pの近傍の水分量によって表面性が変化する。たとえば、記録材Pの近傍の水分量が多ければ、記録材Pを構成する繊維の含む水分量が増加する。そのため繊維の膨張によって繊維間の隙間が埋まり、表面が平滑になる。一方、水分量が少なければ、記録材Pを構成する繊維の含む水分量が減少する。そのため繊維間の隙間が広がり、表面が粗くなる。表面性の特性値に基づいて記録材Pの種別を判別する手法では、水分量の多少に依存して判別誤差が発生しうる。予め想定された特定の水分量の環境下で記録材Pの種別を判別した場合と、それとは異なる水分量の環境下で記録材Pの種別を判別した場合とでは異なる判別結果が得られることもある。つまり、そのままの表面性の特性値に基づいて記録材Pの種別を判断した場合と、特性値を特定の水分量の環境下の特性値に換算してから記録材Pの種別を判別した場合とでは、記録材Pの判別結果が異なることがある。
そこで判別部24は、表面性の特性値をある特定の環境下での特性値に換算してから記録材Pの種別を判別することで、所望の判別精度を達成する。実施例3では、実施例1、2と同様の特定の環境下(温度25℃、湿度50%RH相当)を想定する。水分量の求め方等も実施例3では実施例1、2と同様であってよい。
<水分量と特性値との関係>
温湿度センサ40により検知された水分量の変動が検知部23により検知された表面性の特性値に与える影響について図9に示す発明者らの実験結果を用いて説明する。本実施例では記録材Pに含まれる水分量を推定するために、一例として絶対水分量を用いている。図9において横軸は温湿度センサ40の検知結果に基づいた絶対水分量を示している。縦軸は上述した特定環境下での特性値を基準とした特性値の変動率Vを示している。
前述したように水分量の増減に応じて表面性の特性値も増減する。図9に示すように、記録材Pの近傍の絶対水分量と特性値との関係は二次曲線となる。よって、図9に基づいて変動率Vの近似式を算出することが可能である。記録材Pの近傍の絶対水分量を検知できれば近似式を用いて変動率Vを求め、これで特性値(dec値)を除算すれば、特定環境下での特性値が得られる。一例として、絶対水分量が24[g/m]の環境では図9で示す記録材Pの特性値は絶対水分量が11.5[g/m]の環境の特性値と比較して、0.96倍になる。よって、検知部23により得られた特性値を特定環境下での特性値に換算するためには、補正部25が特性値を0.96で除算すればよい。特性値を変動率Vで除算することで、特性値は特定環境下での特性値に補正される。実施例3で、判別部24は、温湿度センサ40により得られた画像形成装置1の近傍の絶対水分量を、図9に示す二次曲線から求められた近似式3に代入することで特性値の変動率Vを求める。
変動率V=0.0002×(水分量[g/m])^2−0.01×水分量[g/m]+1.08 ・・・近似式3
変動率Vの近似式3は実施例3における一例であり、検知部23の検知特性に合わせて適宜設定される。また、実施例3では温湿度センサ40の検知結果から求めた水分量に基づいて特性値を補正した。しかし、水分量に応じた記録材Pの種別の判別結果が得られれば十分であるため、補正方法はこれに限定されない。たとえば補正する対象が特性値ではなく、記録材Pの種別を判別するために特性値と比較される種別閾値であってもよい。閾値の一例は、普通紙とコート紙とを区別するための閾値であり、これはたとえば100decである。補正部25は、検知した水分量に基づいて100decという閾値を補正してもよい。水分量に応じて閾値を上下させることで、特性値を補正することなく、水分量に応じた記録材Pの種別の判別が可能となる。また、特性値や閾値を補正する以外の方法として、制御部10の記憶部に記録材Pの近傍の水分量と特性値との関係を示すテーブルが記憶されていてもよい。水分量と特性値に基づきテーブルを参照することで、記録材Pの種別が得られる。たとえば、特性値が98decであり、水分量が11.5[g/m]であった場合にテーブルから普通紙が特定され、特性値が98decであり、水分量が5[g/m]であった場合にテーブルからコート紙が特定されてもよい。このように特性値だけで判断すると普通紙と判別されてしまうような環境下であっても、水分量を考慮することで正しくコート紙と判別可能となる。なお、水分量に関する説明はすでに実施例1で説明済みであるため、ここでは重複した説明を省略する。
<フローチャート>
図10を用いて制御部10における記録材Pの種別の判別方法について説明する。S501はすでに説明したとおりである。S1001で制御部10(判別部24、補正部25)は特性値(例:表面性)を補正するための補正係数である変動率Vを演算する。たとえば、制御部10は上述した近似式3に水分量を代入することで変動率Vを算出してもよい。
S1002で制御部10は光の照射を開始する。上述したように制御部10は光源制御部44に光の照射を開始するよう指示する。S1003で制御部10は光を受光して特性値を求める。たとえば、記録材Pで反射した光が撮像部48で受光され、画像処理部45により検知電圧が生成され、制御部10のADポートに入力される。制御部10はアナログの検知電圧をデジタルのdec値に変換することで特性値であるdec値を取得する。
S1004で制御部10は光の照射を停止する。上述したように制御部10は光源制御部44に光の照射を停止するよう指示する。これは、たとえば、光源制御部44にOFF信号を送出したり、ON信号の送出を停止したりすることであってもよい。
S105で制御部10(補正部25)は特性値を補正する。たとえば、補正部25は変動率Vに基づき特性値を補正する。補正には、変動率Vと特性値を入力とし、補正された特性値を出力とする関数やテーブルなどが用いられてもよい。関数は、たとえば、特性値であるdec値を変動率Vで除算することで、補正された特性値を出力してもよい。
S106で制御部10(判別部24)は補正された特性値を用いて記録材の種別を判別する。判別部24は、たとえば、特性値と1つ以上の閾値とを比較して、記録材の種別を判別する。その後、S508に進む。
実施例3によれば、判別装置30は、水分量に応じて記録材Pの特性値(例:表面性)を補正しているため、記録材Pの種別の判別精度が向上する。また、制御部10は、判別された記録材Pの種別に応じて画像形成条件を設定するため、画質が向上するであろう。このように実施例3では水分量に基づいて特性値を補正した。しかし、水分量に応じた記録材Pの種別の判別結果が得られれば良いため、特性値を補正する方法にのみ実施例3が限定されるわけではない。適正な画像形成条件を決定する方法の一例としては、制御部10に水分量と特性値と画像形成条件の関係を示すテーブルなどを保存しておき、水分量と特性値とに基づきテーブルを参照して画像形成条件を決定してもよい。この場合、記録材の種別の判定処理を省略できるであろう。
実施例1、2でも説明したように実施例3に関してもまた、制御部10は記録材Pの種別を判別することなく、補正したdec値から直接的に画像形成装置1の画像形成条件を制御してもよい。またはdec値と補正された規則から直接的に画像形成装置1の画像形成条件を制御してもよい。
<実施例4>
実施例3では水分量に基づいて記録材Pの表面性を示す特性値の変動率Vを補正することについて説明した。実施例2で説明したように、実施例3で説明した近似式を記録材Pの特性値に応じて切り替えてもよい。上述したように記録材の表面性は繊維に含まれている水分量に応じて変化する。しかし、表面にコートが適用されているコート紙では普通紙と比較して特性値の変化率が異なる傾向を示す。
記録材Pの種別が及ぼす表面性の特性値への影響について図11を用いて説明する。コート紙の表面には顔料を塗布されているため、パルプ材に比べて吸湿度合いが低い。よって、コート紙の変動率Vは普通紙の変動率Vと異なる。図11において横軸は絶対水分量を示している。縦軸は上述した特定環境下での表面性の特性値を基準とした変動率Vを示している。ここでは一例として、コート紙の変動率Vが示されている。
図11に示すコート紙の変動率Vの変動する幅は、図9に示す普通紙の変動率Vの変動する幅と比較して、狭くなっている。そこで、図11からコート紙の変動率Vを求めるための近似式4を求める。ここでは近似式3により求められた変動率をV3と称し、近似式4により求められた変動率をV4と称する。なお、近似式4も2次関数となる。
変動率V4=0.00005×(水分量[g/m])^2−0.01×水分量[g/m]+1.03 ・・・近似式4
<フローチャート>
図12を用いて制御部10における記録材Pの種別の判別方法について説明する。S501はすでに説明したとおりである。S1201で制御部10(判別部24、補正部25)は特性値(例:表面性)を補正するための補正係数である変動率V3、V4を演算する。たとえば、制御部10は上述した近似式3に水分量を代入することで変動率V3を算出し、近似式4に水分量を代入することで変動率V4を算出してもよい。その後、S1002ないしS1004を実行し、S1202に進む。
S1202で制御部10(判別部24)は特性値であるdec値と所定の切り替え閾値を比較し、dec値が所定の切り替え閾値未満であるかどうかを判別する。切り替え閾値はたとえば次のように決定される。
コート紙を検知部23で検知したときの特性値が100decであったとする。この場合、特性値が100dec以上であれば表面画像に占める影の割合が多く、記録材Pは普通紙である可能性が高い。一方、特性値が100dec未満であれば表面画像に占める影の割合が少なく、記録材Pはコート紙である可能性が高い。ここでは切り替え閾値を一例として100decとしている。しかし、実施例2に関して説明したようにマージンを加算してもよい。たとえばコート紙の判別精度を優先したい場合には切り替え閾値を105decとしもよい。
S1202でdec値が所定の切り替え閾値未満であれば、コート紙の可能性が高いため、S1203に進む。S1203で補正部25はコート紙用の変動率V4を用いて特性値であるdec値を補正する。一方、S1202でdec値が所定の切り替え閾値以上であれば、コート紙ではない可能性が高いため、上述したS1005に進む。S1005で補正部25は普通紙用の変動率V3を用いて特性値であるdec値を補正する。その後、S1006に進む。
実施例4では記録材Pの種別として普通紙とコート紙とを判別しているが、これは一例にすぎない。任意の記録材Pの種別についても予め近似式を作成するとともに切り替え閾値を設定することで、任意の記録材Pの種別についても適切に特性値を補正できるようになる。なお、任意の記録材Pの種別を判別するための種別閾値についても予め設定しておく必要がある。たとえば、ボンド紙について予め近似式を作成し、切り替え閾値を150decに設定する。特性値が150dec以上であれば、ボンド紙の可能性が高い。そのため、補正部25は、ボンド紙用の近似式を選択し、特性値を補正する。これにより、ボンド紙についても精度よく判別することが可能となる。このように判別部24や補正部25は近似式や変動率の切り替え部または選択部として機能する。
実施例4によれば、実施例3の効果に加えて次のような効果が得られる。判別装置30は、記録材Pの特性値に応じた近似式を選択するため、特性値の補正精度が向上し、記録材Pの判別精度も向上するであろう。たとえば、コート紙やボンド紙においても普通紙と同様に記録材Pの種別の判別精度が向上するであろう。判別装置30を備えた画像形成装置1は記録材Pの種別に応じて画像形成条件をより適切に設定できるようになるため、画質が向上するであろう。
実施例1ないし3でも説明したように実施例4に関してもまた、制御部10は記録材Pの種別を判別することなく、補正したdec値から直接的に画像形成装置1の画像形成条件を制御してもよい。またはdec値と補正された規則から直接的に画像形成装置1の画像形成条件を制御してもよい。
<まとめ>
図1を用いて説明したように判別装置30は、検知部23、測定部22および判別部24を有している。検知部23は記録材Pの物理的な特性を示す特性値を検知する。測定部22は記録材Pの含水分量に相関した水分量を測定する。判別部24は測定された水分量と検知された特性値とに基づき記録材Pの種別を判別する。さらに、判別部24は、測定された水分量を用いて、検知された特性値を補正し、補正した特性値にしたがって記録材Pの種別を判別する。このように本実施例によれば、記録材の含水分量が考慮されるため記録材の種別の判別精度が向上する。なお、判別部24は、測定された水分量で記録材の種別を決定するための規則(例:閾値やテーブル)を補正し、補正した規則にしたがって記録材の種別を判別してもよい。
図1などを用いて説明したように、判別部24は、測定部22により測定された水分量を用いて検知部23により検知された特性値を補正する補正部25を有していてもよい。補正部25は、測定部22により測定された水分量と検知部23により検知された特性値を入力し、入力された水分量と特性値とに応じて補正された特性値を出力する関数またはテーブルを有していてもよい。このような関数は、上述した補正式1と近似式1〜4のいずれかを組み合わせたものとなろう。もちろん、このような関数はテーブルなどとして実現されてもよい。
近似式1〜4は関数またはテーブルとして実現されてもよい。これらは、検知部23により検知された特性値を、測定部22により測定された水分量に基づき所定の環境(例:温度25℃、湿度50%)下での特性値へ換算するものであってもよい。このように特定の環境下での特性値に換算することで、環境による違いの影響を低減することが可能となる。
実施例3や実施例4に関して説明したように、判別部24は、検知部23により検知された特性値に応じて複数の近似式から1つの近似式を選択する選択手段として機能してもよい。近似式は、関数またはテーブルとして実現されてもよい。補正部25は、選択手段により選択された近似式を使用することで、特性値の補正精度が向上するため、記録材Pの種別の判別精度が向上しよう。
上述した規則は、検知部23により検知された特性値と1つまたは複数の閾値とを比較することで記録材の種別を判別することであってもよい。この場合、判別部24は、測定部22により測定された水分量に応じて閾値を補正する補正部25を有していてもよい。このように特性値を直接補正せずに、種別閾値を補正しても、同様の効果が得られる。さらに、補正部25は、測定部22により測定された水分量を入力し、入力された水分量に応じて補正された閾値を出力する関数またはテーブルを有していてもよい。なお、種別閾値を求めるための関数やテーブルも予め実験やシミュレーションを設計時や工場出荷時に実行することで決定されてもよい。
実施例1、2に関して説明したように記録材Pの特性値は記録材Pの坪量を示す値であってもよい。記録材Pの坪量が異なると、電気的な抵抗値なども異なるため、必要となる転写条件や定着条件もそれに応じて異なる。よって、坪量に見合った画像形成条件を決定することで、品質の良い画像が形成される。
図3を用いて説明したように、検知部23は、記録材に対して超音波を発信する発信部31と、発信部31から発信され、記録材を透過してきた超音波を受信する受信部32と、受信検知部43やADポートを有していてもよい。受信検知部43やADポートは、受信部32が超音波を受信することで出力する受信信号の振幅値に応じた特性値を出力する。このように超音波を用いることで、より精度よく坪量を検知できる。また、坪量に関する情報として記録材Pの厚みという情報がある。同じ材料で構成されているならば、記録材Pの厚みが厚くなるほど記録材Pの坪量は大きくなる。厚みの検知方法としては光を照射し、光の透過率を測定する方法がある。ここで、実施例3、4に関して説明したように、記録材Pに含まれる水分量が変化すると、記録材Pを構成する繊維間の隙間が変化する。その結果、光の透過率が変化する。したがってこのような記録材Pの厚みを検知する構成においても、本発明を適用することで品質の良い画像を形成することができる。しかし、光を照射するための光学系や受光系が紙粉によって汚れると、誤検知が発生する。一方で、超音波の発信部31と受信部32は紙粉の影響を受けにくい。
実施例3、4に関して説明したように、記録材Pの特性値は記録材Pの表面性を示す値であってもよい。記録材Pの表面性に依存して適正な画像形成条件が異なる。よって、記録材Pの表面性に応じて種別を特定し、種別に応じた画像形成条件を設定することで、画像の品質が向上する。
図8を用いて説明したように、検知部23は、記録材に対して光を照射する光源46と、光源46から照射され、記録材Pで反射された光を受光する撮像部48と、画像処理部45やADポートを備えていてもよい。画像処理部45やADポートは撮像部48が光を受光することで出力する受光信号に応じた特性値を出力する信号処理手段として機能する。これにより記録材Pの表面性を示す特性値が得られるようになる。
測定部22は、記録材Pの搬送路または記録材Pを収納する収納部やその周囲に設けられていてもよい。図2に関して説明したように、記録材Pの含水分量に相関した水分量を測定するためには、記録材Pの近傍の水分量を測定できれば十分である。よって、記録材Pの搬送路や給紙カセット2は記録材Pの近傍の水分量を測定する位置として適当であろう。なお、測定部22は、熱源から所定距離以上離れた位置に設けられる。定着装置20やモーターなどの熱源の近辺では温度の変化が大きいため、記録材Pの水分量の誤測定が発生しやすい。よって、熱源から所定距離以上離れた位置に測定部22を設けることで、水分量の測定結果が向上する。熱源からの距離は、予め実験やシミュレーションによって設計時や工場出荷時に決定されればよい。
測定部22は、温度と湿度を検知する温湿度センサ40と、温湿度センサ40により検知された温度と湿度から水分量を求める演算部を有していてもよい。このような演算部は制御部10に実装されてもよい。
上述したように画像形成装置1は、判別装置30と、判別された記録材の種別に対応する画像形成条件を決定する決定部26と、決定された画像形成条件を用いて記録材に画像を形成する画像形成部50とを有していてもよい。本実施例の判別装置30は水分量を考慮して記録材Pの種別を精度よく判別できるため、記録材Pの種別に応じて決定される画像形成条件も適正なものとなろう。これにより、画像の品質(例:原画像の階調再現性や色再現性など)が向上しよう。
画像形成条件は、記録材Pに関する転写電圧、転写電流、定着温度および搬送速度のうち少なくとも1つを含む。これらのパラメータは坪量や表面性に応じて変更されるべきパラメータであるため、本実施例の利点を享受する。
画像形成条件は、インクの吐出量を含んでもよい。画像形成部50は電子写真プロセスにしたがって画像を形成するものとして説明したが、インクジェット記録方式の画像形成部50が採用されてもよい。インクの吸収率も坪量や表面性の影響を受ける。よって、記録材Pの特性値を精度よく求め、種別を精度よく判別することで、より適正なインクの吐出量が決定されるようになる。これにより、インクあふれ等が軽減されよう。
本実施例では、特性値を補正することを中心に説明したが、特性値は直接的に補正されなくてもよい。たとえば、特性値と水分量との組み合わせに対応する適正な画像形成条件を予め決定しておき、検知された特性値と測定された水分量との組み合わせ対応する画像形成条件が決定部26によって決定されてもよい。この場合、特性値は、坪量のみ、表面性のみおよびこれらの双方であってもよい。このように、特性値と水分量との組み合わせは補正された特性値に相当するものであるため、このような決定方法も実質的には特性値を補正したものとなる。なぜなら、画像形成条件を決定する際には、予め特性値を補正して種別を判別し、種別に基づき画像形成条件が決定されるからである。決定部26は特性値と水分量との組み合わせと、それに対応した画像形成条件との関係を記憶してテーブルを備えていてもよい。決定部26は、検知または測定された特性値と水分量との組み合わせに基づきテーブルを参照し、当該組み合わせに対応する画像形成条件を選択または決定する。
測定部22は必ずしも搬送路に設けられる必要はない。図13が示すように、測定部22は、外気を取り入れて画像形成装置1の内部を冷却するファン60の近くに設けられてもよい。これにより、測定部22は画像形成装置1の外部の温度と湿度とほぼ同様の値を測定できるようになる。ファン60は吸気式の冷却ファンまた排気式の冷却ファンのいずれであってもよい。このように測定部22は、記録材Pの周囲の温度や湿度などを測定できる限り、判別装置30から離れた位置に配置されてもよい。なお、排気式の冷却ファンの冷却ファンが採用される場合は、吸気口の周囲に測定部22が配置されてもよい。このように外気の流路のいずれかの場所に測定部22が配置されてもよい。また、測定部22は画像形成装置1の外装に設けられてもよい。記録材Pの温度や湿度は基本的に外気の温度や湿度に相関している。そのため、記録材Pの水分量も外気の水分量と相関している。よって、外気の水分量を測定できれば、記録材Pの水分量を精度よく推定することが可能となる。
また、上記の実施例において、判別装置30は画像形成装置1に固定して設けられている構成であったが、判別装置30は画像形成装置1に対して着脱可能な構成であってもよい。判別装置30を着脱可能な構成にすれば、例えば、判別装置30が故障した場合にユーザが容易に交換することができる。または、判別装置30の機能を更新したり追加したりする場合に、新たな機能を有するセンサにユーザが容易に交換することができる。また、単純に判別装置30が画像形成装置1に対して追加で装着可能な構成であってもよい。
1‥‥画像形成装置、30‥‥記録材の種別を判別する判別装置、22‥‥水分量の測定部、23‥‥特性値の検知部、24‥‥判別部、25‥‥補正部、26‥‥決定部、50‥‥画像形成部
本発明は、たとえば、
記録材の坪量を示す、又は記録材の表面性を示す特性値を検知する検知手段と、
判別装置が配置される環境における環境パラメータを測定する測定手段と、
前記記録材の種類を判別する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記測定手段による測定結果に基づいて、前記特性値から前記記録材に含まれる水分量の影響を少なくする補正を行い、当該補正により得られた補正特性値に基づき前記記録材の判別を行うことを特徴とする判別装置を提供する。

Claims (17)

  1. 記録材の物理的な特性を示す特性値を検知する検知手段と、
    前記記録材の含水分量に相関した水分量を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された水分量と前記検知手段により検知された特性値とに基づき前記記録材の種別を判別する判別手段とを有し、
    前記判別手段は、前記測定手段により測定された水分量で前記検知手段により検知された特性値を補正するか、または、前記測定手段により測定された水分量で前記記録材の種別を決定するための規則を補正し、補正した前記特性値または前記規則にしたがって前記記録材の種別を判別することを特徴とする判別装置。
  2. 前記判別手段は、前記測定手段により測定された水分量で前記検知手段により検知された特性値を補正する補正手段を有し、
    前記補正手段は、前記測定手段により測定された水分量と前記検知手段により検知された特性値を入力し、入力された前記水分量と前記特性値とに応じて補正された特性値を出力する関数またはテーブルを有していることを特徴とする請求項1に記載の判別装置。
  3. 前記関数またはテーブルは、前記検知手段により検知された特性値を、前記測定手段により測定された水分量に基づき所定の環境下での特性値へ換算するものであることを特徴とする請求項2に記載の判別装置。
  4. 前記検知手段により検知された特性値に応じて複数の関数またはテーブルから1つの関数またはテーブルを選択する選択手段を有し、
    前記補正手段は、前記選択手段により選択された関数またはテーブルを使用することを特徴とする請求項2または3に記載の判別装置。
  5. 前記規則は、前記検知手段により検知された特性値と1つまたは複数の閾値とを比較することで前記記録材の種別を判別するものであり、
    前記判別手段は、前記測定手段により測定された水分量に応じて前記閾値を補正する補正手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の判別装置。
  6. 前記補正手段は、前記測定手段により測定された水分量を入力し、入力された前記水分量に応じて補正された閾値を出力する関数またはテーブルを有していることを特徴とする請求項5に記載の判別装置。
  7. 前記記録材の特性値は前記記録材の坪量を示す値であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の判別装置。
  8. 前記検知手段は、
    前記記録材に対して超音波を発信する発信手段と、
    前記発信手段から発信され、前記記録材を透過してきた超音波を受信する受信手段と、
    前記受信手段が前記超音波を受信することで出力する受信信号の振幅値に応じた前記特性値を出力する信号処理手段と
    を含むことを特徴とする請求項7に記載の判別装置。
  9. 前記記録材の特性値は前記記録材の表面性を示す値であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の判別装置。
  10. 前記検知手段は、
    前記記録材に対して光を照射する照射手段と、
    前記照射手段から発信され、前記記録材で反射された光を受光する受光手段と、
    前記受光手段が前記光を受光することで出力する受光信号に応じた前記特性値を出力する信号処理手段と
    を含むことを特徴とする請求項9に記載の判別装置。
  11. 前記測定手段は、前記記録材の搬送路または前記記録材を収納する収納部の周囲に設けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の判別装置。
  12. 吸気式または排気式の冷却手段をさらに備え、
    前記測定手段は、前記冷却手段の周囲に設けられていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の判別装置。
  13. 前記測定手段は、熱源から所定の距離以上離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の判別装置。
  14. 前記測定手段は、
    温度と湿度を検知するセンサと、
    前記センサにより検知された温度と湿度から水分量を求める手段と
    を有していることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の判別装置。
  15. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    記録材の物理的な特性を示す特性値を検知する検知手段と、
    前記記録材の含水分量に相関した水分量を測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された水分量と前記検知手段により検知された特性値とに基づき前記画像形成手段の画像形成条件を決定する決定手段とを有し、
    前記決定手段は、前記測定手段により測定された水分量で前記検知手段により検知された特性値を補正するか、または、前記測定手段により測定された水分量で前記画像形成条件を決定するための規則を補正し、補正した前記特性値または前記規則にしたがって前記画像形成条件を決定することを特徴とする画像形成装置。
  16. 前記画像形成条件は、前記記録材に関する転写電圧、転写電流、定着温度および搬送速度のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記画像形成条件は、インクの吐出量を含むことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
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