JP2020060380A - 漏液検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構成で複雑な形状の対象物の漏液監視を可能とすることを目的とする。【解決手段】一対の導電線31,32からなり、漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯30と、漏液検知帯30に接続されて印加電圧が所定の電圧値に達すると導通する定電圧素子Dを有するノードNDと、を含む漏液検知ユニットUの1つ又は複数を直列に接続した幹漏液検知部40と、漏液検知ユニットUの1つ又は複数を直列に接続した枝漏液検知部と、電源81と、電流センサ82と、電流センサ82で検出した入力電流値から漏液の発生を判定する判定部90と、を備え、枝漏液検知部50の枝始端51は、幹漏液検知部40の漏液検知ユニットU2に接続され、漏液検知ユニットUが入力電圧値に応じて導通する特性を有し、判定部90は、電流センサ82で検出した入力電流値から漏液の発生を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、漏液検出装置の構造、特に、定電圧素子を用いた漏液検出装置の構造に関する。
空調機器等からの漏液発生を検知する方法として、二本の導線を非導通の状態で並列配置した漏液検出帯に電流を流し、二本の導線の間に漏液が入り込んだ際の短絡を検知することにより漏液を検知する方法が用いられている。
しかし、このような漏液検知方法では漏液の検知を行うことはできても漏液発生箇所を検出することができない。そこで、通液可能に絶縁した3本の電極線を平行配置し、2本の電極線の単位長さ当たりの抵抗値が異なる構成とした漏液センサを用いて漏液箇所の特定を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
一方、漏液監視は、サーバ室の床下等のような区画された平面のみでなく、空調配管のように空間的に多数の分岐がある複雑な形状を対象とする場合がある。特許文献1,2に記載されたような従来技術の漏液検知方法は、電極線の単位長さ当たりの抵抗値に基づいて漏液箇所の特定を行うので、配管の形状に合わせて漏液センサを分岐させることが難しい。このため、分岐毎に電極線を配置し、各電極線と検出器とをそれぞれ切換えスイッチを介して電線で接続し、切換えスイッチで検出器と各電極線との接続を切換えて漏液を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平8−271461号公報 特公平2−43130号公報 特公平7−119664号公報
しかし、特許文献3に記載されたような従来技術では、分岐毎に配置され各電極線と検出器との間を接続する電線の本数が多くなってしまい、構造が複雑になってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、簡便な構成で複雑な形状の対象物の漏液監視を可能とすることを目的とする。
本発明の漏液検出装置は、一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて印加電圧が所定の電圧値に達すると導通する定電圧素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した幹漏液検知部と、前記漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した枝漏液検知部と、前記幹漏液検知部の始端に接続される電源と、前記幹漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、前記電流検出部で検出した前記入力電流値から漏液の発生を判定する判定部と、を備え、前記枝漏液検知部の枝始端は、前記幹漏液検知部のいずれか1つ又は複数の前記漏液検知ユニットに接続され、各前記漏液検知ユニットが入力電圧値に応じて導通する特性を有していること、を特徴とする。
これにより、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
本発明の漏液検出装置において、前記漏液検知ユニットの前記ノードは、一対の始端側端子と、一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、始端側端子と末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、前記定電圧素子は、いずれか一方または両方の接続線に介在して配置されてもよい。
このように、検出対象の液体に応じてノードの定電圧素子の配置を様々に変更することができるので、検出対象の液体に応じた漏液検出を行うことができる。
本発明の漏液検出装置において、前記電源は、前記幹漏液検知部の前記始端に所定の電圧値の待機電圧を印加し、前記判定部は、前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、所定の閾値とを比較することで、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定してもよい。
それぞれが漏液検知ユニットを有する幹漏液検知部と枝漏液検知部とを含む漏液検出装置において、共通の電源で幹漏液検知部の始端に印加する待機電圧値を所定の電圧値とし、共通の判定部で電流検出部で検出した前記入力電流値と所定の閾値とを比較することで漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定できるので、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
本発明の漏液検出装置において、前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を待機電圧値の前後で変動させて前記幹漏液検知部の前記入力電圧値を前記待機電圧値の前後で変動させ、前記電圧指令値または前記入力電圧値と前記電流検出部で検出した前記入力電流値とから計算されるコンダクタンスまたは抵抗値と、所定の閾値とを比較することで、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定してもよい。
それぞれが漏液検知ユニットを有する幹漏液検知部と枝漏液検知部とを含む漏液検出装置において、共通の電源で幹漏液検知部の入力電圧値を待機電圧値の前後で変動させ、共通の判定部で電圧指令値または入力電圧値と電流検出部で検出した入力電流値とから計算されるコンダクタンスまたは抵抗値と、所定の閾値とを比較することで漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定できるので簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。また、入力電流値と異なる物理量によって漏液が発生したことを判定できる。
本発明の漏液検出装置において、各前記漏液検知ユニットは、前記始端から当該漏液検知ユニットまで直列に接続された各前記漏液検知ユニットに含まれる各前記定電圧素子の通電電圧値の積算電圧値が小さい順にユニット番号が付されており、前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を掃引して前記幹漏液検知部の前記入力電圧値を掃引して、各前記漏液検知ユニットをユニット番号の順に導通させ、前記電圧指令値または前記入力電圧値と前記電流検出部で検出した前記入力電流値から計算されるコンダクタンスまたは抵抗値と所定の閾値とを比較することで、導通状態のユニット番号の前記漏液検知ユニットの内、少なくとも1つのユニット番号の前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定してもよい。
それぞれが漏液検知ユニットを有する幹漏液検知部と枝漏液検知部とを含む漏液検出装置において、このように各漏液検知ユニットにユニット番号を付し、共通の電源で幹漏液検知部の入力電圧値を掃引して、各漏液検知ユニットをユニット番号の順に導通させ、共通の判定部で電圧指令値または入力電圧値と電流検出部で検出した入力電流値から計算されるコンダクタンスまたは抵抗値と所定の閾値とを比較することで、導通状態のユニット番号の漏液検知ユニットの内、少なくとも1つのユニット番号の漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定できるので、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
本発明の漏液検出装置において、各前記漏液検知ユニットは、前記始端から当該漏液検知ユニットまで直列に接続された各前記漏液検知ユニットに含まれる各前記定電圧素子の通電電圧値の積算電圧値が小さい順にユニット番号が付されており、前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を掃引して前記幹漏液検知部の前記入力電圧値を掃引して、各前記漏液検知ユニットをユニット番号の順に導通させ、前記幹漏液検知部の前記始端から一のユニット番号の前記漏液検知ユニットまでの範囲を導通状態にした場合に前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、前記範囲の内、一のユニット番号の前記漏液検知ユニット以外の範囲を導通状態にした場合に前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、を用いて、一のユニット番号の前記漏液検知ユニットのコンダクタンスを算出し、算出した前記コンダクタンスを所定の閾値と比較することで、漏液の発生した前記漏液検知ユニットのユニット番号を特定してもよい。
それぞれが漏液検知ユニットを有する幹漏液検知部と枝漏液検知部とを含む漏液検出装置において、このように各漏液検知ユニットにユニット番号を付し、幹漏液検知部の入力電圧値を掃引して、各漏液検知ユニットをユニット番号の順に導通させて、一のユニット番号の漏液検知ユニットのコンダクタンスを算出し、計算したコンダクタンスを所定の閾値と比較することにより、漏液の発生した漏液検知ユニットのユニット番号を特定することができる。これにより、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物で漏液が発生した場合に、漏液の発生した領域を特定することができる。
本発明の漏液検出装置において、各前記漏液検知ユニットは、前記始端から当該漏液検知ユニットまで直列に接続された各前記漏液検知ユニットに含まれる各前記定電圧素子の通電電圧値の前記積算電圧値が全て異なっており、前記積算電圧値が小さい順にユニット番号が付されており、前記判定部は、導通状態の前記漏液検知ユニットの内、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定すること、としてもよい。
このように、全ての漏液検知ユニットにはそれぞれ異なるユニット番号が付されるので、ユニット番号毎に漏液の発生を判定することにより、漏液検知ユニット毎に漏液の発生を判定することが可能となるので、少なくとも1つの漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定できる。
本発明の漏液検出装置において、各漏液検知ユニットは、始端から当該漏液検知ユニットまで直列に接続された各漏液検知ユニットに含まれる各定電圧素子の通電電圧値の積算電圧値が全て異なっており、積算電圧値が小さい順にユニット番号が付されており、判定部は、漏液の発生した漏液検知ユニットを特定してもよい。
このように、全ての漏液検知ユニットにはそれぞれ異なるユニット番号が付されるので、ユニット番号毎に漏液の発生を判定することにより、漏液検知ユニット毎に漏液の発生を判定することが可能となるので、漏液の発生した漏液検知ユニットを特定することができる。
本発明の漏液検出装置において、前記枝漏液検知部の前記枝始端と前記幹漏液検知部の一の前記漏液検知ユニットとの接続点と前記接続点の末端側に接続された前記幹漏液検知部の他の前記漏液検知ユニットとの間に設けられた幹スイッチと、前記接続点と前記枝漏液検知部の前記枝始端との間に設けられた枝スイッチと、を有することとしてもよい。また、前記判定部は、前記幹スイッチと前記枝スイッチとを切換えることにより、漏液の発生箇所が前記幹漏液検知部に位置するのか、前記枝漏液検知部に位置するのかを判定してもよい。
この構成により、それぞれが漏液検知ユニットを有する幹漏液検知部と枝漏液検知部とを含む漏液検出装置において漏液の発生を検出した場合に、漏液の発生箇所が前記幹漏液検知部に位置するのか、前記枝漏液検知部に位置するのかを判定することができるので、簡便な構成で漏液の発生した領域を絞りこむことができる。
本発明の漏液検出装置において、前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、前記漏液検知ユニットの前記ノードは、一対の始端側端子と、一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続される一対の末端側端子と、始端側端子と末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、前記定電圧素子は、いずれか一方または両方の接続線に介在して配置されてもよい。
このように、漏液の監視が不要な部分を安価な被覆電線で構成して導電線の長さを短くすることにより、コストダウンを図ることができる。
本発明の漏液検出装置において、前記枝漏液検知部の前記枝始端は、一対の分岐線を介して前記幹漏液検知部の前記漏液検知ユニットに接続され、一対の前記分岐線は、その間に漏液が接触すると電流が流れる一対の前記導電線で構成されてもよい。
この構成により、幹漏液検知部の漏液検知ユニットと枝漏液検知部の枝始端との間での漏液の発生を検出することができる。
本発明の漏液検出装置において、前記枝漏液検知部の前記枝始端は、一対の分岐線を介して前記幹漏液検知部の前記漏液検知ユニットに接続され、一対の前記分岐線は、その間に漏液が接触しても電流が流れない一対の被覆電線で構成されてもよい。また、一対の前記分岐線の一部がその間に漏液が接触すると電流が流れる一対の前記導電線で構成され、他の部分がその間に漏液が接触しても電流が流れない一対の被覆電線で構成されてもよい。
この構成により、分岐線の漏液の監視が不要な部分を安価な被覆導線で構成して導電線の長さを短くすることができるので、コストダウンを図ることができる。
本発明の漏液検出装置において、前記幹漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間、又は、前記枝漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間に介在して配置される中継器を含み、前記中継器は、出力端子の電圧値を入力端子の電圧値の所定の倍率とすると共に、入力端子の電流値と出力端子の電流値とを同一に保持すること、としてもよい。
この構成により、幹漏液検知部、枝漏液検知部に接続できるノードの数を多くすることができる。これにより、幹漏液検知部、枝漏液検知部の長さを長くし、より広範囲で漏液の検出を行うことができる。また、各ユニットの長さを短くしてより狭い範囲毎に漏液の検出を行うことができる。
本発明の漏液検出装置は、一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて印加電圧が所定の電圧値に達すると導通する定電圧素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した漏液検知部と、前記漏液検知部の始端に接続される電源と、前記漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、前記電流検出部で検出した前記入力電流値から漏液の発生を判定する判定部と、を備え、いずれか1つ又は複数の前記漏液検知ユニットは、一対の前記導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む分岐検知帯を含み、前記分岐検知帯は、前記漏液検知帯または前記ノードに接続されており、各前記漏液検知ユニットが入力電圧値に応じて導通する特性を有し、前記判定部は、前記電流検出部で検出した前記入力電流値から漏液の発生を判定し、前記漏液検知ユニットの前記ノードは、一対の始端側端子と、一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、前記始端側端子と前記末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、前記定電圧素子は、いずれか一方または両方の接続線に介在して配置されていること、を特徴とする。
この構成により、1つの漏液検知ユニットで短い配管の分岐部などの漏液の検出を行うことができ、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
本発明の漏液検出装置において、前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、前記漏液検知ユニットの前記ノードの前記末端側端子は、一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続されてもよい。また、前記分岐検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含むこととしてもよい。
これにより、漏液の監視が不要な部分を安価な被覆導線で構成して導電線の長さを短くすることができるので、コストダウンを図ることができる。
本発明の漏液検出装置は、一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて印加電圧が所定の電圧値に達すると導通する定電圧素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した漏液検知部と、前記漏液検知部の始端に接続される電源と、前記漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、前記電流検出部で検出した前記入力電流値から漏液の発生を判定する判定部と、を備える漏液検出装置であって、前記漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間に介在して配置される中継器を含み、前記中継器は、出力端子の電圧値を入力端子の電圧値の所定の倍率とすると共に、入力端子の電流値と出力端子の電流値とを同一に保持し、前記漏液検知部は、各前記漏液検知ユニットが入力電圧値に応じて導通する特性を有し、前記判定部は、前記電流検出部で検出した前記入力電流値から漏液の発生を判定し、前記漏液検知ユニットの前記ノードは、一対の始端側端子と、一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、前記始端側端子と前記末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、前記定電圧素子は、いずれか一方または両方の接続線に介在して配置されていること、を特徴とする。
このように、中継器を設けることにより、漏液検知部に接続できる漏液検知ユニットの数を多くすることができる。これにより、長い漏液検知部を構成し、より広範囲での漏液の検出を行うことができる。また、長さの短い漏液検知ユニットUを多く接続して漏液検知部を構成し、特定できる漏液範囲を狭くして、より細かい漏液の監視を行うことができる。
本発明の漏液検出装置において、前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、前記漏液検知ユニットの前記ノードの前記末端側端子は、一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続されることとしてもよい。
これにより、漏液の監視が不要な部分を安価な被覆導線で構成して導電線の長さを短くすることができるので、コストダウンを図ることができる。
本発明の漏液検出装置において、前記電源は、前記漏液検知部の前記始端に所定の電圧値の待機電圧を印加し、前記判定部は、前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、所定の閾値とを比較することで、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットでの漏液の発生を判定してもよい。
このように、待機電圧値を所定の電圧値とする簡便な構成で、短時間で漏液の発生の判定を行うことができる。
本発明の漏液検出装置において、前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を待機電圧値の前後で変動させて前記漏液検知部の前記入力電圧値を前記待機電圧値の前後で変動させ、前記電圧指令値または前記入力電圧値と前記電流検出部で検出した前記入力電流値とから計算されるコンダクタンスまたは抵抗値と、所定の閾値とを比較することで、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定してもよい。
このように、漏液検知部の入力電圧値を待機電圧値の前後で変動させることによってコンダクタンスまたは抵抗値を算出し、これにより漏液の判定を行うので、入力電流値と異なる物理量によって漏液の判定を行うことができる。
本発明の漏液検出装置において、前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を掃引して前記漏液検知部の前記入力電圧値を掃引して、各前記漏液検知ユニットを前記始端に接続された順に導通させ、前記電圧指令値または前記入力電圧値と前記電流検出部で検出した前記入力電流値から計算されるコンダクタンスまたは抵抗値と所定の閾値とを比較することで、導通状態の前記漏液検知ユニットの内、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定してもよい。
このように、漏液検知部の入力電圧値を掃引することによってコンダクタンスまたは抵抗値を算出し、これにより漏液の判定を行うので、入力電流値と異なる物理量によって漏液の判定を行うことができる。
本発明の漏液検出装置において、前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を掃引して前記漏液検知部の前記入力電圧値を掃引して、各前記漏液検知ユニットを前記始端に接続された順に導通させ、前記漏液検知部の前記始端から一の前記漏液検知ユニットまでの範囲を導通状態にした場合に前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、前記範囲の内、一の前記漏液検知ユニット以外の範囲を導通状態にした場合に前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、を用いて、一の前記漏液検知ユニットのコンダクタンスを算出し、算出した前記コンダクタンスを所定の閾値と比較することで、漏液の発生した前記漏液検知ユニットを特定してもよい。
このように、漏液検知部の入力電圧値を掃引し、漏液検知ユニットを始端に接続された順に導通させて、各漏液検知ユニットのコンダクタンスを算出し、計算したコンダクタンスを所定の閾値と比較するので、漏液の発生した漏液検知ユニットを特定することができる。これにより、簡便な構成によって漏液箇所の検出信頼性を向上させることができる。
本発明は、簡便な構成で複雑な形状の対象物の漏液監視を可能とすることができる。
第1実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 図1に示す漏液検出装置の漏液検知ユニットの構成を示す系統図である。 理想的なツェナーダイオードを逆直列に接続した定電圧素子の電圧に対する電流の特性を示すグラフである。 図1に示す漏液検出装置の枝漏液検知部の漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合の電流の流れを示す系統図である。 図1に示す漏液検出装置において、入力電圧値を上昇させた際の各漏液検知ユニットに印加される電圧値を示すグラフである。 図1に示す漏液検出装置において、入力電圧値を待機電圧値とした際の各漏液検知ユニットに印加される電圧値を示すグラフである。 図1に示す漏液検出装置に入力される3種類の入力電圧値の時間変化を示すグラフである。 図1に示す漏液検出装置における漏液の発生した場合と漏液の発生がない場合の入力電圧値の変化に対する入力電流値の変化特性(VI特性)と、漏液の発生による入力電流値の変化とを示すグラフである。 図1に示す漏液検出装置における漏液の発生した場合と漏液の発生がない場合の入力電圧値の変化に対する入力電流値の変化特性(VI特性)と、漏液が発生した際に入力電圧を待機電圧値の前後で変動させた際の入力電流値の変化を示すグラフである。 図1に示す漏液検出装置における漏液の発生した場合と漏液の発生がない場合の入力電圧値の変化に対するコンダクタンスの変化特性(VG特性)と、漏液の発生によるコンダクタンスの変化とを示すグラフである。 図1に示す漏液検出装置の枝漏液検知部の漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合の電流の流れを示す系統図である。 図1に示す漏液検出装置の枝漏液検知部の漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合と漏液の発生がない場合の入力電圧値の変化に対する入力電流値の変化特性(VI特性)と、入力電圧値を掃引した際の各漏液検知ユニットにおける入力電圧値の変化に対する入力電流値の変化と、導通範囲の変化とを示すグラフである。 図12に示すVI特性に基づいて計算した入力電圧値に対するコンダクタンスの変化(VG特性)を示すグラフである。 図13に示す特性から求めた各漏液検知ユニットのコンダクタンスを示すグラフである。 図1に示す漏液検出装置の幹漏液検知部の漏液検知ユニットUと、枝漏液検知部の漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合の電流の流れを示す系統図である。 図1に示す漏液検出装置の2つの漏液検知ユニットU、Uで漏液が発生した場合と漏液の発生がない場合の入力電圧値の変化に対する入力電流値の変化特性(VI特性)と、入力電圧値を掃引した際の各漏液検知ユニットにおける入力電圧値の変化に対する入力電流値の変化と、導通範囲の変化とを示すグラフである。 図16に示すVI特性に基づいて計算した入力電圧値に対するコンダクタンスの変化(VG特性)を示すグラフである。 図17に示す特性から求めた各漏液検知ユニットのコンダクタンスを示すグラフである 第2実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 図19に示す漏液検出装置の枝漏液検知部の漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合の電流の流れを示す系統図である。 図19に示す漏液検出装置の幹漏液検知部の漏液検知ユニットUと、枝漏液検知部の漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合の電流の流れを示す系統図である。 第3実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 第4実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 第5実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 第6実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 第7実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 中継器の構成を示す系統図である。 図27に示す中継器の構成を示す配線図である。 図26に示す漏液検出装置における漏液の発生した場合と漏液の発生がない場合の入力電圧値の変化に対する入力電流値の変化特性(VI特性)と、漏液の発生による入力電流値の変化とを示すグラフである。 第8実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 第9実施形態の漏液検出装置を分岐のある配管に取り付けた状態を示す系統図である。 図1,19,22〜26、30,31に示す漏液検出装置に適用されるノードの他の例を示す説明図である。
<第1実施形態の漏液検出装置100の構成>
以下、図面を参照しながら実施形態の漏液検出装置100について説明する。図1に示すように、漏液検出装置100は、幹漏液検知部40と、枝漏液検知部50と、幹漏液検知部40の始端41に接続された電源81と、幹漏液検知部40の入力電流値を検出する電流検出部である電流センサ82と、電流センサ82によって検出した入力電流値に基づいて漏液の判定を行う判定部90とで構成される。
図1に示すように、幹漏液検知部40は、複数の漏液検知ユニットU〜Uを直列に接続したものである。また、枝漏液検知部50は、複数の漏液検知ユニットU〜Uを直列に接続したもので、枝漏液検知部50の枝始端51は、幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUに接続されている。なお、幹漏液検知部40、枝漏液検知部50を構成する漏液検知ユニットUの数はそれぞれ5つ、3つに限定されず、いくつでもよく、1つでもよいし、6つ以上で構成されていてもよい。
図2を参照しながら、1つの漏液検知ユニットUの構成について説明する。図2に示すように、漏液検知ユニットUは、定電圧素子Dを含むノードNDと、一対の導電線31,32からなる漏液検知帯30とを有している。ノードNDは、一対の始端側端子13,15と、一対の末端側端子14,16と、始端側端子13,15と末端側端子14,16とを並列に接続する一対の接続線12を含んでいる。図2に示すように、一方の始端側端子13と末端側端子14とを接続する接続線12の中間には、定電圧素子Dが介在して配置されるように接続されている。また、他方の始端側端子15と末端側端子16とは接続線12で接続されており、定電圧素子Dは接続されていない。一対の末端側端子14,16には漏液検知帯30の一対の導電線31,32がそれぞれ接続されており、一対の導電線31,32の各末端側の端部31e,32eは漏液検知ユニットUの末端側の端部となる。また、一対の始端側端子13,15は、漏液検知ユニットUの始端側の端部となる。
図1に示すように、幹漏液検知部40の始端41から2番目の漏液検知ユニットUは、先に説明した漏液検知ユニットUの漏液検知帯30の一対の導電線31,32の接続点63,64に一対の導電線61、62で構成される分岐線60が接続された分岐線付漏液検出ユニットである。一対の接続点63,64は、分岐線60の漏液検知帯30への接続点65を構成する。なお、分岐線60は、一対の導電線31,32に接続されるのではなく、漏液検知ユニットUの末端側端子14,16に直接接続されてもよい。また、複数の分岐線60が漏液検知帯30或いは末端側端子14,16に接続されるように構成してもよい。
定電圧素子Dは、図3に示すように、印加電圧の絶対値が所定の立ち上がり電圧値Vfに達すると導通し、印加電圧の絶対値が立ち上がり電圧値Vfに達しない場合には、非導通となる素子である。本実施形態の漏液検出装置100では、定電圧素子Dは、立ち上がり電圧値Vfのツェナーダイオード11a,11bを逆直列に接続して図3に示すような特性の定電圧素子Dを構成している。また、本実施形態の漏液検出装置100では、各定電圧素子D〜Dの立ち上がり電圧値は全てVfで同一であるとして説明する。ただし、定電圧素子Dの構成はこれに限定されない。この点については、後で説明する。
導電線31,32は、漏液がない場合には非導通で、漏液が発生した際に漏液によって相互に導通するものである。導電線31,32は、例えば、吸湿性の絶縁皮膜等で覆った銅線を撚り合わせたもので構成してもよい。
図1、図2に示すように、幹漏液検知部40は、漏液検知ユニットUの末端側の端部である導電線31,32の末端側の端部31e,32eを漏液検知ユニットUn+1の始端側の端部である始端側端子13,15に順次接続することにより構成されている。そして、幹漏液検知部40の始端41から1番目の漏液検知ユニットUの始端側端子13,15は、幹漏液検知部40の始端41を構成し、幹漏液検知部40の始端41から5番目の漏液検知ユニットUの導電線31,32の末端側の端部31e,32eは幹漏液検知部40の末端42を構成する。また、幹漏液検知部40の末端42は開放されている。このように、幹漏液検知部40は、導電線31の始端側の接続線12の間に定電圧素子Dを配置したノードNDを含む漏液検知ユニットUを始端41から末端42に向かって直列に接続したものである。
枝漏液検知部50は、幹漏液検知部40と同様、漏液検知ユニットUを枝始端51から枝末端52に向かって直列に接続したものである。枝漏液検知部50の枝始端51は幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUに接続された分岐線60の末端に接続されている。また、枝漏液検知部50の枝末端52は開放されている。
図1に示すように、各漏液検知ユニットU〜Uには、それぞれユニット番号Nが付されている。ユニット番号Nは、幹漏液検知部40の始端41から当該漏液検知ユニットUまで直列に接続された各漏液検知ユニットUに含まれる各定電圧素子Dの通電電圧値である立ち上がり電圧値Vfの積算電圧値(=ΣVf)が小さい順に付されている。
漏液検知ユニットUは、始端41に直接接続されているので、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値はVfである。始端41から漏液検知ユニットUまでは、漏液検知ユニットUと漏液検知ユニットUとが直列に接続されているので、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は、Vf+Vf=2Vfとなる。また、始端41から漏液検知ユニットUまでは、漏液検知ユニットU〜Uが直列に接続されているので、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は、Vf+Vf+Vf=3Vfとなる。以下、同様に、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は4Vf、漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は5Vfとなる。
また、幹漏液検知部40の始端41から枝漏液検知部50の漏液検知ユニットUまでは、漏液検知ユニットU,U,Uの3つの漏液検知ユニットUが直列に接続されているので、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値はVf+Vf+Vf=3Vfとなる。同様に、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は4Vf、漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は5Vfとなる。
ユニット番号Nは、始端41からの積算電圧値(=ΣVf)が小さい順に付されるので、積算電圧値が一番小さいVfの漏液検知ユニットUのユニット番号Nは1、積算電圧値が2Vfの漏液検知ユニットUのユニット番号は2、積算電圧値が3Vfの漏液検知ユニットU,Uのユニット番号は3、積算電圧値が4Vfの漏液検知ユニットU,Uのユニット番号Nは4、積算電圧が5Vfの漏液検知ユニットU,Uのユニット番号Nは5となる。このように、本実施形態の漏液検出装置100では、1つのユニット番号Nが複数の漏液検知ユニットUに付されている。
幹漏液検知部40の始端41を構成する漏液検知ユニットUの始端側端子13,15は、被覆電線33を介して電源81に接続されている。電源81と漏液検知ユニットUの一方の始端側端子13との間には、電流センサ82が接続されている。ここで、被覆電線33は、絶縁被膜で被覆された電線で一対の被覆電線33の間に漏液が接触しても相互に導通しないものである。
電源81は交流電源である。電源81は、例えば、交流100Hz、出力電圧10V程度のものでもよい。電流センサ82は、交流の電流値を検出する交流の電流検出器である。判定部90は、内部にCPU91とメモリ92と、電源81と電流センサ82とが接続される入力インターフェース93と、CPU91の演算結果を出力する出力インターフェース94とを備えるコンピュータである。CPU91と、メモリ92と、入力インターフェース93と、出力インターフェース94とはデータバス95で接続されている。電源81は判定部90の判定部90から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力する。なお、判定部90の構成はこれに限定されず、例えば、アナログ回路で構成してもよい。
<漏液検出装置100の漏液判定動作>
以下、図4から図10を参照しながら、漏液検出装置100の漏液判定動作について説明する。図4は、漏液検出装置100の漏液判定動作の説明のために、図1に示した系統図の符号を一般化したものである。図4では判定部90の記載は省略している。図4において、幹漏液検知部40は、漏液検知ユニットU〜Uk+1を直列に接続したものである。また、枝漏液検知部50は、漏液検知ユニットUk+2〜Un+1を直列に接続したものである。枝漏液検知部50の枝始端51は分岐線60を介して漏液検知ユニットUの漏液検知帯30に接続されている。幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUの末端側に接続されている漏液検知ユニットUの数[(k+1)−2]と、枝漏液検知部50を構成する漏液検知ユニットUの数[(m+1)−(k+2)+1]とは同一である。各漏液検知ユニットUには、先に説明したと同様の順番にユニット番号Nが付されている。漏液検知ユニットUのユニット番号Nは1、漏液検知ユニットUのユニット番号Nは2、漏液検知ユニットU,Uk+2のユニット番号Nは3、漏液検知ユニットU,Uのユニット番号Nはm、漏液検知ユニットUk+1,Un+1のユニット番号Nはm+1である。ここで、k,n,mは自然数で、k<k+1<k+2<n−1<n<n+1である。以下、図5、図6を参照しながら、入力電圧値と各漏液検知ユニットUの印加電圧と導通範囲Aについて説明する。
<入力電圧値と導通範囲>
入力電圧値がゼロの場合には、各定電圧素子Dは全てオフで非導通となっている。図5に示すように、始端41の入力電圧値をゼロから立ち上がり電圧値Vfまで上昇させるとユニット番号Nが1の漏液検知ユニットUの定電圧素子DにVfの電圧が印加される。すると、定電圧素子Dがオンになる。定電圧素子Dの電圧降下はVfなので、始端電圧がVfを超えると漏液検知ユニットUの導電線31,32間に電圧が掛かり始める。これにより、漏液検知ユニットUでの漏液検知が可能となる。その後、入力電圧を上昇させていくと、導電線31,32間の電圧は、ゼロから次第に大きくなってくる。この際の導通範囲Aは、ユニット番号Nが1の漏液検知ユニットUのみである。
図5に示すように、入力電圧値を立ち上がり電圧値Vfの2倍=2×Vfまで上昇させると、ユニット番号Nが1の漏液検知ユニットUの導電線31,32間の電圧がVfに達し、ユニット番号Nが2の漏液検知ユニットUの定電圧素子Dに立ち上がり電圧値Vfが印加される。これにより、定電圧素子Dがオンになり、漏液検知ユニットUの導電線31,32間に電圧が掛かり始め、漏液検知ユニットUの漏液検知が可能となる。この際の導通範囲Aは、ユニット番号Nが1、2の漏液検知ユニットU、Uである。更に、入力電圧値を立ち上がり電圧値Vfの3倍=3×Vfまで上昇させると、ユニット番号Nが3の漏液検知ユニットU,Uk+2の定電圧素子D,Dk+2に立ち上がり電圧値Vfが印加される。これにより、定電圧素子D,Dk+2がオンになり、漏液検知ユニットU,Uk+2の導電線31,32間に電圧が掛かり始め、漏液検知ユニットU,Uk+2の漏液検知が可能となる。この際の導通範囲Aは、ユニット番号Nが1から3の漏液検知ユニットU〜U、Uk+2である
同様に、入力電圧値をV=m×Vfまで上昇させると、ユニット番号Nがmの漏液検知ユニットUの定電圧素子Dがオンになり、ユニット番号Nが1の漏液検知ユニットUからユニット番号Nがmの漏液検知ユニットUまでの各漏液検知ユニットU〜U,Uk+2〜Uが導通する。この際の導通範囲はAである。このように、入力電圧値を上昇させていくと、入力電圧値がVfだけ上昇する毎にユニット番号Nの順に1つまたは複数の漏液検知ユニットUが順次導通していく。
そして、図6に示すように、入力電圧値をVNend=Nend×Vf(ここで、Nendは最大のユニット番号Nである。)まで上昇させると、ユニット番号Nが1の漏液検知ユニットUからユニット番号NがNendの漏液検知ユニットUまでのすべての漏液検知ユニットUが導通し、全ての漏液検知ユニットUで漏液の検知が可能となる。従って、入力電圧値をVNendよりも高い待機電圧値Vとすることにより、全ての漏液検知ユニットUで漏液の検知を行うことができる。
以下、入力電圧値をVNendよりも高い待機電圧値Vとして漏液の検知を行う場合の動作について説明する。この場合、図7の線aに示すように、入力電圧値を待機電圧値V一定にする方法(第1判定動作)と、図7の線bに示すように、入力電圧値を待機電圧値Vの前後で変動させる方法(第2判定動作)と、図7の線cに示すように入力電圧値をゼロと待機電圧値Vとの間で掃引する方法(第3判定動作)とがある。以下、最初に第1判定動作について説明し、次に第2、第3判定動作について説明する。以下の説明では、図4に示すように、ユニット番号Nがmの枝漏液検知部50の漏液検知ユニットUで漏液が発生したものとして説明する。
<第1判定動作>
判定部90は、電源81に出力電圧を待機電圧値V一定とする電圧指令値を出力する。これにより、電源81は、幹漏液検知部40の始端41に待機電圧値V一定の電圧を印加する。
図8に示すように、漏液が発生していない場合には、各漏液検知ユニットUの導電線31,32間には電流が流れないので、電流センサ82で検出した入力電流値はゼロとなっている。
一方、図4に示すように、ユニット番号Nがmの漏液検知ユニットUで漏液が発生すると、漏液検知ユニットUの導電線31,32の間には、I=G(V−V)の電流が流れる。ここで、Gは、漏液検知ユニットUの導電線31,32の間のコンダクタンスである。なお、この際、幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUからUk+1では漏液が発生してないので、ユニット番号Nがmの幹漏液検知部40側の漏液検知ユニットUの導電線31,32の間には、電流は流れない。従って、ユニット番号Nがmの漏液検知ユニットU,Uの合計コンダクタンスGはGと等しくなる。
そこで、判定部90は、電流センサ82で検出した入力電流値と所定の閾値とを比較して、入力電流値が所定の閾値よりも大きくなった場合に、漏液が発生したものと判定する。判定部90は、漏液が発生したと判定した場合には、出力インターフェース94を介して外部装置に漏液発生の警報を発報する。
ここで、所定の閾値は自由に設定可能であるが、液体の種類等に応じて試験等によって決めてもよい。
<第2判定動作>
先に説明したように、入力電圧値をV=m×Vfまで上昇させると、ユニット番号Nがmの漏液検知ユニットU,Uの定電圧素子D,Dがオンになり、ユニット番号Nが1からmの漏液検知ユニットU〜U,Uk+2〜Uが導通する。この場合、ユニット番号Nがmの漏液検知ユニットUで漏液が発生していると、漏液検知ユニットUの導電線31,32の間に電流が流れ始める。この際、漏液部分35のコンダクタンスはGである。その後、入力電圧値を上昇させると、漏液検知ユニットUの導電線31,32の間の電圧が大きくなり、入力電流値は次第に大きくなっていく。従って、漏液検知ユニットUで漏液が発生すると、入力電圧値の変化に対する入力電流値の変化特性(以下、VI特性という)は、図9に破線で示すように、入力電圧値がVまでは入力電流値はゼロで、入力電圧値がVを超えるとある傾きで入力電流値が上昇していく。また、入力電圧値の変化に対するコンダクタンスの変化特性(以下、VG特性という)は、図10に破線で示すように、入力電圧値がVまではコンダクタンスGはゼロで、入力電圧値がVを超えるとコンダクタンスGは漏液部分35のコンダクタンスGとなる。
そこで、第2判定動作では、図9に示すように入力電圧値を待機電圧値Vの前後でΔVだけ変動させ、電流センサ82で検出した入力電流値の変化から入力電流値の変化量ΔIを計算し、コンダクタンスG=ΔI/ΔVを算出し、算出したコンダクタンスGを所定の閾値と比較して漏液の判定を行うものである。
判定部90は、電源81に出力する電圧指令値を待機電圧値Vの前後でΔVだけ変動させる。電源81は、電圧指令値に従って幹漏液検知部40の始端41に印加する入力電圧値を待機電圧値Vの前後でΔVだけ変動させる。判定部90は、電流センサ82によって入力電流値を検出する。判定部90は、異なる2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値から入力電流値の変化量ΔIを算出する。そして、判定部90は、コンダクタンスG=ΔI/ΔVを算出し、所定の閾値と比較する。そして、図10に示すように、算出したコンダクタンスGが所定の閾値よりも大きい場合に、漏液が発生したと判定する。
なお、入力電流値の変化量ΔIの算出は、異なる2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値を用いることに限定されず、3つあるいはそれよりも多い電圧指令値に対応する入力電流値を用いて算出してもよい。また、第2判定動作において、コンダクタンスGに代えて抵抗値R=ΔV/ΔIを算出し、抵抗値が所定の閾値よりも小さい場合に漏液が発生すると判定してもよい。
また、以上の説明では、異なる2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値から入力電流値の変化量ΔIを算出することとして説明したが、始端41の入力電圧値を検出する電圧センサを設けて入力電圧値を検出し、電圧指令値に代えて電圧センサで検出した入力電圧値を用いてもよい。この場合、入力電流値の変化量ΔIは、異なる2つの入力電圧値に対応する2つの入力電流値から計算される。
<第3判定動作>
第3判定動作では、判定部90は、図7の線cのように電圧指令値をゼロと待機電圧値Vとの間で掃引し、掃引により変化する2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値から入力電流値の変化量ΔIを算出する。そして、第2判定動作と同様、コンダクタンスG=ΔI/ΔVを算出し、算出したコンダクタンスGが所定の閾値よりも大きい場合に、漏液が発生したと判定する。この場合、最小電圧値の際の入力電流値と最大電圧値の際の入力電流値とを用いてコンダクタンスGを算出してもよい。
また、第2判定動作と同様、入力電流値の変化量ΔIの算出は、2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値を用いることに限定されず、3つあるいはそれよりも多い電圧指令値に対応する入力電流値を用いて算出してもよい。また、コンダクタンスGに代えて抵抗値R=ΔV/ΔIを算出し、抵抗値が所定の閾値よりも小さい場合に漏液が発生すると判定してもよい。また、先に説明した第2判定動作と同様、電圧指令値に代えて電圧センサで検出した入力電圧値を用いて入力電流値の変化量ΔIを算出してもよい。
また、本動作の説明では、電圧指令値をゼロと待機電圧値Vとの間で掃引することとして説明したが、電圧指令値の最大値は、VNend=Nend×Vfより大きければ待機電圧値Vより小さくてもよいし、待機電圧値Vよりも大きくてもよい。
以上説明したように、本実施形態の漏液検出装置100は、1つの電源81と、1つの判定部90により幹漏液検知部40または枝漏液検知部50で漏液が発生したことを判定できるので、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。また、第1判定動作では、待機電圧値Vを所定の電圧値一定とする簡便な構成で、短時間で漏液の発生の判定を行うことができる。また、第2、第3判定動作は、入力電圧値を待機電圧値Vの前後で変動させたり、入力電圧値を掃引したりすることによってコンダクタンスまたは抵抗値を算出し、これにより漏液の判定を行うので、入力電流値と異なる物理量によって漏液の判定を行うことができる。
以上の説明では、ユニット番号Nがmの枝漏液検知部50の漏液検知ユニットUで漏液が発生したものとして説明したが、ユニット番号がmの幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合、あるいは、ユニット番号Nが1、2の幹漏液検知部40の漏液検知ユニットU,Uで漏液が発生した場合も同様の動作によって漏液の判定を行うことができる。
<漏液の発生したユニット番号Nの特定動作>
以下、図11から図14を参照しながら漏液の発生したユニット番号Nの特定動作について説明する。図11は、漏液検出装置100の漏液の発生したユニット番号の特定動作の説明のために、図1に示した系統図の符号を一般化したものである。図4と同様にユニット番号が付されている。
漏液の発生したユニット番号Nの特定動作は、図7の線cのように電圧指令値をゼロと待機電圧値Vとの間で掃引し、漏液検知ユニットUをユニット番号Nの順に導通させ、1からm−1のユニット番号が付された漏液検知ユニットU〜Uk−1,Uk+2〜Un−1を導通状態とした状態での合計コンダクタンス[G+・・+Gk−1+Gk+2+・・+Gn−1]と、1からmのユニット番号が付された漏液検知ユニットU〜U,Uk+2〜Uを導通状態とした状態での合計コンダクタンス[G+・・+G+Gk+2+・・+G]との差からユニット番号Nがmの漏液検知ユニットU,Uの各コンダクタンスG,Gの合計コンダクタンスGを算出し、算出したコンダクタンスGを所定の閾値と比較して漏液の発生したユニット番号Nを特定するものである。以下、ユニット番号Nがmの漏液検知ユニットU,Uの各コンダクタンスG,Gの合計コンダクタンスGを漏液検知ユニット[U,U]のコンダクタンスGという。
<入力電圧値とコンダクタンス及び導通範囲>
図7の線cのように入力電圧値をゼロから待機電圧値Vまで上昇させていくと、先に図5を参照して説明したように、各漏液検知ユニットUは、ユニット番号Nの順に順次導通していく。図12は、VI特性に入力電圧値を掃引した際の各ユニット番号Nにおける入力電圧値の変化に対する入力電流値の変化と、導通範囲の変化とを重ね合わせたグラフである。図12の実線は漏液が発生していない場合のVI特性を示し、破線はユニット番号Nがmのいずれかの漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合のVI特性を示す。
図12に示すように、入力電圧値をVとVm+1の間まで上昇させるとユニット番号1からmの漏液検知ユニットU〜U,Uk+2〜Uが導通状態となる。この状態で入力電圧値をΔVだけ変動させ、電流センサ82で検出した入力電流値から入力電流値の変化量ΔIを算出した場合、図13に示すように、ΔI/ΔVで計算されるコンダクタンスGは、下記の式(1)に示すように、導通状態となっているユニット番号1からmの漏液検知ユニットU,UのコンダクタンスG,G、及び、漏液検知ユニット[U,Uk+2]〜[U,U]の各コンダクタンスG〜Gの合計コンダクタンスとなる。
同様に、入力電圧値をVm−1とVの間まで上昇させるとユニット番号1からm−1の漏液検知ユニットU〜Uk−1,Uk+2〜Un−1が導通状態となるので、ΔI/ΔVで計算されるコンダクタンスGは下記の式(2)に示すように、導通状態となっているユニット番号1からm−1の漏液検知ユニットU,UのコンダクタンスG,G、及び、漏液検知ユニット[U,Uk+2]〜[Uk−1,Un−1]の各コンダクタンスG〜Gm−1の合計コンダクタンスとなる。
従って、式(1)から式(2)を引くことによって図14に示すように、ユニット番号N=mの漏液検知ユニット[U,U]のコンダクタンスGを算出することができる。そして、このコンダクタンスGと所定の閾値とを比較することによりユニット番号N=mが付された漏液検知ユニットU,Uでの漏液の発生の有無を判定することができる。なお、この場合、漏液の発生したユニット番号Nを特定することはできるが、ユニット番号Nが付された漏液検知ユニットU,Uのいずれで漏液が発生したかどうかは特定できない。この場合には、保守員が現場を点検していずれの漏液検知ユニットUで漏液が発生したかを特定する。
<漏液の発生したユニット番号の特定動作の詳細>
以下、図12から図14を参照しながら、漏液の発生したユニット番号Nの特定動作の詳細について説明する。以下の説明では、図11に示すように、ユニット番号Nがmの枝漏液検知部50の漏液検知ユニットUで漏液が発生したものとして説明する。
判定部90は、図7の線cに沿って電圧値指令値をゼロから待機電圧値Vまで掃引していく。これにより、電源81は、電圧指令値に従って幹漏液検知部40の始端41に印加する入力電圧値をゼロから待機電圧値Vまで掃引する。先に説明したように、入力電圧値がVfに達するとユニット番号Nが1の漏液検知ユニットUで漏液検知が可能となる。
判定部90は、電圧指令値をVfから2×Vfより僅かに小さい値まで掃引して入力電圧値をVfから2×Vfより僅かに小さい値まで掃引する。この間では、ユニット番号Nが1の漏液検知ユニットUのみが導通範囲(導通範囲A)となっている。この間で判定部90は、電圧指令値の差がΔVとなる2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値を電流センサ82で検出する。そして、検出した入力電流値から入力電流値の変化量ΔIを算出し、コンダクタンスG=ΔI/ΔVを計算する。ユニット番号Nが1の漏液検知ユニットUでは漏液は発生しておらず、図12に示すように、入力電圧値がVfから2×Vfの間、入力電流値はゼロのままであるから、コンダクタンスG=ΔI/ΔV=0となる。
次に判定部90は、電圧指令値を2×Vfから3×Vfより僅かに小さい値まで掃引して入力電圧値を2×Vfから3×Vfより僅かに小さい値まで掃引する。この間では、ユニット番号Nが1,2の漏液検知ユニットUとUとが導通範囲(導通範囲A)となっている。この間で、判定部90は、電圧指令値の差がΔVとなる2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値を電流センサ82で検出する。そして検出した入力電流値から入力電流値の変化量ΔIを算出し、導通範囲であるユニット番号Nが1,2の漏液検知ユニットU,Uのコンダクタンスの合計値[G+G]=ΔI/ΔVを算出する。
ユニット番号Nが1,2の漏液検知ユニットU、Uでは漏液は発生しておらず、図12に示すように、入力電圧値が2×Vfから3×Vfの間入力電流値はゼロのままであるからΔI=0で、コンダクタンスの合計値[G+G]=ΔI/ΔV=0となる。判定部90は、[G+G]から先に計算したGを引いてG=0の結果を得る。
同様に、判定部90は、電圧指令値を掃引し、ユニット番号Nの順に導通範囲が拡大する毎に導通範囲の漏液検知ユニットUのコンダクタンスの合計値ΣGを計算し、一つ前の導通範囲で計算したコンダクタンスの合計値との差から各ユニット番号の漏液検知ユニットUの各コンダクタンスGを算出していく。ユニット番号1からm−1の漏液検知ユニットU〜Uk−1,Uk+2〜Un−1では漏液は発生していないので、図12に示すように、入力電圧値がVに達するまでは、入力電流値はゼロであり、図13に示すように計算される各ユニット番号NのコンダクタンスGは全てゼロとなっている。
判定部90が電圧指令値をm×Vfから(m+1)×Vfより僅かに小さい値まで掃引して入力電圧値をm×Vfから(m+1)×Vfより僅かに小さい値まで掃引する。この間では、ユニット番号Nが1からmの漏液検知ユニットU〜U,Uk+2〜Uが導通範囲(導通範囲A)となっている。この間で、判定部90は、電圧指令値の差がΔVとなる2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値を電流センサ82で検出する。そして検出した入力電流値から入力電流値の変化量ΔIを算出し、導通範囲であるユニット番号Nが1からmの漏液検知ユニットU,U、及び、漏液検知ユニット[U,Uk+2]〜[U,U]のコンダクタンスの合計値[G+・・・+G]=ΔI/ΔVを算出する。
ユニット番号Nがmの漏液検知ユニットUで漏液が発生しているので、図12に示すように、入力電圧値がΔVだけ変化する間の入力電流値の変化はゼロではないので、[G+・・・+G]=ΔI/ΔVは、0ではない値となる。判定部90は、[G+・・・+G]から先に計算した[G+・・・+Gm−1]を引いてGの値を得る。
判定部90が電圧指令値を(m+1)×Vfから(m+2)×Vfより僅かに小さい値まで掃引して入力電圧値を(m+1)×Vfから(m+2)×Vfより僅かに小さい値まで掃引する。この間では、ユニット番号Nが1からm+1の漏液検知ユニットU〜Uk+1,Uk+2〜Un+1が導通範囲(導通範囲Am+1)となっている。この間で、判定部90は、電圧指令値の差がΔVとなる2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値を電流センサ82で検出する。そして検出した入力電流値から入力電流値の変化量ΔIを算出し、導通範囲であるユニット番号Nが1からm+1の漏液検知ユニットU,U、及び、漏液検知ユニット[U,Uk+2]〜[Uk+1,Un+1]のコンダクタンスの合計値[G+・・・+Gm+1]=ΔI/ΔVを算出する。
ユニット番号Nがm+1の漏液検知ユニットUk+1,Un+1では漏液が発生していないので、図12に示すように、入力電圧値がΔV変化する間の入力電流値の変化は、ユニット番号Nが1からmの漏液検知ユニットU〜U,Uk+2〜Uが導通範囲(導通範囲A)となっている場合と同一であり、VI特性の傾きも同一である。従って、[G+・・・+Gm+1]=ΔI/ΔVはGと同一の値となる。判定部90は、[G+・・・+Gm+1]=Gから先に計算した[G+・・・+G]=Gを引いてGm+1=0との値を得る。
以上のようにして算出したユニット番号Nが1からm+1までの各コンダクタンスG〜Gm+1は、図14に示すように、漏液の発生したユニット番号Nがmの漏液検知ユニット[U,U]のコンダクタンスのみが0ではない値のGとなり、他のユニット番号Nの漏液検知ユニットUの各コンダクタンスGは全てゼロとなる。
判定部90は、計算した各ユニット番号の各コンダクタンスG〜Gm+1と所定の閾値とを比較し、コンダクタンスGが所定の閾値よりも大きいmを漏液の発生したユニット番号Nとして特定する。
以上説明した漏液の発生したユニット番号Nを特定する動作では、漏液の発生したユニット番号Nを特定することはできるが、同一のユニット番号N=mが付された2つの漏液検知ユニットU,Uの内のどちらで漏液が発生したかを特定することはできない。この場合には、保守員が現場を点検していずれの漏液検知ユニットUで漏液が発生したかを特定する。
次に、図15から18を参照して、幹漏液検知部40のユニット番号2の漏液検知ユニットUと、枝漏液検知部50のユニット番号mの漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合の漏液の発生したユニット番号の特定動作について説明する。先に説明したユニット番号mの漏液検知ユニッUで漏液が発生した場合のユニット番号Nの特定動作と同様の動作については簡単に説明する。図15は、漏液検出装置100の漏液の発生したユニット番号の特定動作の説明のために、図1に示した系統図の符号を一般化したものである。図11と同様のユニット番号が付されている。
先に図11〜14を参照して説明したのと同様、ユニット番号Nが1の漏液検知ユニットUでは漏液が発生していないので、G=0である。
ユニット番号Nが2の漏液検知ユニットUでは漏液が発生しているので、コンダクタンスGは0ではない値となる。ユニット番号Nが3からm−1の漏液検知ユニットUでは漏液は発生していないので、図16に示すようにVI特性の傾きは一定で、図17に示すように、合計コンダクタンス[G+・・・+G]〜[G+・・・+Gm−1]はGで一定となる。そして、図18に示すように、ユニット番号Nが3からm−1の漏液検知ユニット[U,Uk+2]〜[Uk−1,Un−1]の各コンダクタンスG〜Gm−1は全てゼロとなる。
そして、先に説明したと同様、図18に示すように、ユニット番号Nがmの漏液検知ユニット[U,U]のコンダクタンスGは0ではない値となり、ユニット番号Nがm+1の漏液検知ユニット[Uk+1,Un+1]のコンダクタンスGm+1はゼロとなる。
判定部90は、計算したユニット番号1からm+1の各コンダクタンスG〜Gm+1と所定の閾値とを比較し、コンダクタンスGが所定の閾値よりも大きい2、mを漏液の発生したユニット番号Nとして特定する。
以上、2つのユニット番号Nの漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合の漏液の発生したユニット番号Nの特定動作について説明したが、3つ以上のユニット番号Nで漏液が発生した場合のユニット番号Nの特定動作も上記の特定動作と同様である。
以上説明した特定動作は、1つの電源81と1つの判定部90により入力電圧値を掃引し、漏液検知ユニットUをユニット番号Nの順に導通させて、各ユニット番号Nの漏液検知ユニットUのコンダクタンスGを算出し、計算したコンダクタンスGを所定の閾値と比較して、漏液の発生したユニット番号Nを特定することができる。これにより、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
また、以上の特定動作では、異なる2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値から入力電流値の変化量ΔIを算出することとして説明したが、先に説明した第2判定動作と同様、始端41の入力電圧値を検出する電圧センサを設けて入力電圧値を検出し、電圧指令値に代えて電圧センサで検出した入力電圧値を用いてもよい。この場合、入力電流値の変化量ΔIは、異なる2つの入力電圧値に対応する2つの入力電流値から計算される。
以上の特定動作の説明では、ユニット番号Nが1からm−1の漏液検知ユニットUを導通状態とした状態での合計コンダクタンス[G+・・+Gm−1]と、ユニット番号Nが1からmの漏液検知ユニットUを導通状態とした状態での合計コンダクタンス[G+・・+G]との差からユニット番号Nがmの漏液検知ユニットUのコンダクタンスGを算出することとして説明したが、この計算方法以外の計算方法によってユニット番号mの漏液検知ユニットUのコンダクタンスGを算出することとしてもよい。
例えば、ユニット番号Nが1からNendの漏液検知ユニットUを導通状態にした場合の合計コンダクタンス[G+・・+GNend]と、ユニット番号Nが1からm−1までの漏液検知ユニットUを導通状態にした場合の合計コンダクタンス[G+・・+Gm−1]との差から、ユニット番号NがmからNendまでの漏液検知ユニットUを仮想的に導通状態にした場合の合計コンダクタンス[G+・・+GNend]を計算する。また、合計コンダクタンス[G+・・+GNend]と、ユニット番号Nが1からmまでの漏液検知ユニットUを導通状態にした場合の合計コンダクタンス[G+・・+G]との差からユニット番号NがmからNendまでの漏液検知ユニットUを仮想的に導通状態にした場合の合計コンダクタンス[Gm+1+・・+GNend]を計算する。そして、合計コンダクタンス[G+・・+GNend]と合計コンダクタンス[Gm+1+・・+GNend]との差からGを算出するようにしてもよい。
<第2実施形態の漏液検出装置200の構成>
次の図19〜21を参照して第2実施形態の漏液検出装置200の構成について説明する。先に図1〜18を参照して説明した漏液検出装置100と同様の部位には、同様の符号を付して説明は省略する。
図19に示すように、本実施形態の漏液検出装置200は、枝漏液検知部50の枝始端51を構成する漏液検知ユニットUのノードNDに含まれる定電圧素子Dの立ち上がり電圧値が他の定電圧素子Dの立ち上がり電圧Vfの4倍の4Vfとなっているものである。先に説明したように、幹漏液検知部40の始端41から漏液検知ユニットUまでは、漏液検知ユニットU,U,Uの3つの漏液検知ユニットUが直列に接続されているので、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値はVf+Vf+4Vf=6Vfとなる。また、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は7Vf、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は8Vfとなる。また、先に説明した漏液検出装置100と同様、始端41から漏液検知ユニットU,U,U,U,Uまでの積算電圧値はそれぞれVf,2Vf,3Vf,4Vf,5Vfとなる。
ユニット番号Nは、積算電圧値が小さい順に漏液検知ユニットU,U,U,U,U,U,U,Uの順に付される。従って、漏液検知ユニットUのユニット番号Nは1、漏液検知ユニットUのユニット番号Nは2、漏液検知ユニットUのユニット番号Nは3、以下、漏液検知ユニットU,U,U,U,Uの各ユニット番号Nは、それぞれ4〜8となる。
このように、本実施形態の漏液検出装置200では、1つのユニット番号Nが1つの漏液検知ユニットUに対応する。このため、幹漏液検知部40から枝漏液検知部50が分岐している構成でも、先に説明した漏液検出装置100と同様の方法で漏液の発生したユニット番号Nを特定することにより、漏液の発生した漏液検知ユニットUを特定することができる。
<漏液の発生した漏液検知ユニットUの特定動作>
次に図20,21を参照して漏液検出装置200の漏液検知ユニットUの特定動作について説明する。図20,21は、先に説明した図11,15と同様、漏液検出装置200の漏液検知ユニット特定動作の説明のために、図19に示した系統図の符号を一般化したものである。図20,21において、幹漏液検知部40は、漏液検知ユニットU〜Uk+1を直列に接続したものである。また、枝漏液検知部50は、漏液検知ユニットUk+2〜Um+1を直列に接続したものである。枝漏液検知部50の枝始端51は分岐線60を介して漏液検知ユニットUの漏液検知帯30に接続されている。幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUの末端側に接続されている漏液検知ユニットUの数[(k+1)−2]と、枝漏液検知部50を構成する漏液検知ユニットUの数[(m+1)−(k+2)+1]とは同一である。各漏液検知ユニットUには、先に説明したと同様の順番にユニット番号Nが付されている。漏液検知ユニットUのユニット番号Nは1、漏液検知ユニットUのユニット番号Nは2、漏液検知ユニットUのユニット番号Nは3、漏液検知ユニットUのユニット番号Nはk、漏液検知ユニットUk+1のユニット番号Nはk+1、漏液検知ユニットUk+2のユニット番号Nはk+2、漏液検知ユニットUのユニット番号Nはm、漏液検知ユニットUm+1のユニット番号Nはm+1である。ここで、k,mは自然数で、k<k+1<k+2<m−1<m<m+1である。
従って、図20、21に記載された漏液検出装置200において、始端41の入力電圧値を上昇させると、各漏液検知ユニットUはユニット番号Nの順に、漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1,U,Um+1の順に導通して行く。
先に説明した漏液検出装置100のユニット番号Nの特定動作と同様、判定部90は、漏液検知ユニットUをユニット番号Nの順に導通させ、ユニット番号Nが1からm−1までの漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1を導通状態とした状態での合計コンダクタンス[G+・・+Gm−1]と、ユニット番号Nが1からmまでの漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1,Uを導通状態とした状態での合計コンダクタンス[G+・・+G]との差から漏液検知ユニットUのコンダクタンスGを算出し、算出したコンダクタンスGを所定の閾値と比較して漏液の発生した漏液検知ユニットUを特定する。
<漏液の発生した漏液検知ユニットUの特定動作の詳細>
判定部90は、図7の線cに沿って電圧値指令値をゼロから待機電圧値Vまで掃引し、ユニット番号Nの順に導通範囲が拡大する毎に導通範囲の漏液検知ユニットUのコンダクタンスの合計値ΣGを計算し、一つ前の導通範囲で計算したコンダクタンスの合計値との差から各ユニット番号の漏液検知ユニットUの各コンダクタンスGを算出していく。ユニット番号1からm−1の漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1では漏液は発生していないので、図12に示すように、入力電圧値がVに達するまでは、入力電流値はゼロであり、図13に示すように計算される各ユニット番号NのコンダクタンスGは全てゼロとなっている。
判定部90が電圧指令値をm×Vfから(m+1)×Vfより僅かに小さい値まで掃引して入力電圧値をm×Vfから(m+1)×Vfより僅かに小さい値まで掃引する。この間では、ユニット番号Nが1からmの漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1,Uが導通範囲(導通範囲A)となっている。この間で、判定部90は、電圧指令値の差がΔVとなる2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値を電流センサ82で検出する。そして検出した入力電流値から入力電流値の変化量ΔIを算出し、導通範囲であるユニット番号Nが1からmの漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1,Uのコンダクタンスの合計値[G・・・+G]=ΔI/ΔVを算出する。
ユニット番号Nがmの漏液検知ユニットUで漏液が発生しているので、図12に示すように、入力電圧値がΔVだけ変化する間の入力電流値の変化はゼロではないので、[G・・・+G]=ΔI/ΔVは、0ではない値となる。判定部90は、[G・・・+G]から先に計算した[G・・・+Gm−1]を引いてGの値を得る。
判定部90が電圧指令値を(m+1)×Vfから(m+2)×Vfより僅かに小さい値まで掃引して入力電圧値を(m+1)×Vfから(m+2)×Vfより僅かに小さい値まで掃引する。この間では、ユニット番号Nが1からm+1の漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1,U,Um+1が導通範囲(導通範囲Am+1)となっている。この間で、判定部90は、電圧指令値の差がΔVとなる2つの電圧指令値に対応する2つの入力電流値を電流センサ82で検出する。そして検出した入力電流値から入力電流値の変化量ΔIを算出し、導通範囲であるユニット番号Nが1からm+1の漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1,U,Um+1のコンダクタンスの合計値[G・・・+Gm+1]=ΔI/ΔVを算出する。
ユニット番号Nがm+1の漏液検知ユニットUm+1では漏液が発生していないので、図12に示すように、入力電圧値がΔVだけ変化する間の入力電流値の変化は、ユニット番号Nが1からmの漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1,Uが導通範囲(導通範囲A)となっている場合と同一であり、VI特性の傾きも同一である。従って、[G・・・+Gm+1]=ΔI/ΔVはGと同一の値となる。判定部90は、[G・・・+Gm+1]=Gから先に計算した[G・・・+G]=Gを引いてGm+1=0との値を得る。
以上のようにして算出したユニット番号Nが1からm+1までの漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1,U,Um+1の各コンダクタンスG〜Gm+1は、図14に示すように、漏液の発生したユニット番号Nがmの漏液検知ユニットUのみが0ではない値のGとなり、他のユニット番号Nの漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1,Um+1の各コンダクタンスGは全てゼロとなる。
判定部90は、計算した各ユニット番号の各漏液検知ユニットUの各コンダクタンスG〜Gm+1と所定の閾値とを比較し、コンダクタンスGが所定の閾値よりも大きいmを漏液の発生したユニット番号Nとして特定する。先に説明したように、漏液検出装置200では、1つのユニット番号Nが1つの漏液検知ユニットUに対応している。このため、ユニット番号Nを特定することにより、同時に漏液の発生した漏液検知ユニットUを特定することができる。
次に、図21に示すように、幹漏液検知部40のユニット番号2の漏液検知ユニットUと、枝漏液検知部50のユニット番号mの漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合の漏液の発生した漏液検知ユニットUの特定動作について説明する。
ユニット番号Nが1の漏液検知ユニットUでは漏液が発生していないので、G=0である。ユニット番号Nが2の漏液検知ユニットUでは漏液が発生しているので、コンダクタンスGは0ではない値となる。ユニット番号Nが3からm−1の漏液検知ユニットU・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1では漏液は発生していないので、図16に示すようにVI特性の傾きは一定で、図17に示すように、合計コンダクタンス[G+・・・+G]〜[G+・・・+Gm−1]はGで一定となる。そして、図18に示すように、ユニット番号Nが3からm−1の漏液検知ユニットU・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1の各コンダクタンスG〜Gm−1は全てゼロとなる。
そして、先に説明したと同様、図18に示すように、ユニット番号Nがmの漏液検知ユニットUのコンダクタンスGは0ではない値となり、ユニット番号Nがm+1の漏液検知ユニットUm+1のコンダクタンスGm+1はゼロとなる。
判定部90は、計算したユニット番号1からm−1の漏液検知ユニットU,U,U・・Uk−1,U,Uk+1,Uk+2,・・Um−1の各コンダクタンスG〜Gm+1と所定の閾値とを比較し、コンダクタンスGが所定の閾値よりも大きい2、mを漏液の発生したユニット番号Nとして特定する。特定した1つのユニット番号Nは1つの漏液検知ユニットUに対応しているので、ユニット番号Nを特定することにより、同時に漏液の発生した漏液検知ユニットUを特定することができる。
以上、2つのユニット番号Nの漏液検知ユニットUで漏液が発生した場合の漏液の発生したユニット番号Nの特定動作について説明したが、3つ以上のユニット番号Nで漏液が発生した場合のユニット番号Nの特定動作も上記の特定動作と同様である。
以上説明した漏液検出装置200は、1つのユニット番号Nが1つの漏液検知ユニットUに対応するように構成されている。このため、幹漏液検知部40から枝漏液検知部50が分岐している構成でも、1つの電源81と1つの判定部90により、漏液の発生した漏液検知ユニットUを特定することができる。これにより、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物における漏液発生箇所を特定することができる。
<第3実施形態の漏液検出装置300>
次に図22を参照しながら第3の実施形態の漏液検出装置300の構成について説明する。先に図1から18を参照して説明した漏液検出装置100と同様の部位には同様の符号を付して説明は省略する。
図22に示すように、漏液検出装置300は、図1を参照して説明した漏液検出装置100の枝漏液検知部50の枝始端51を構成する漏液検知ユニットUのノードNDに含まれる定電圧素子Dの立ち上がり電圧値が他の定電圧素子Dの立ち上がり電圧Vfの2倍の2Vfとなっているものである。先に説明したように、幹漏液検知部40の始端41から漏液検知ユニットUまでは、漏液検知ユニットU,U,Uの3つの漏液検知ユニットUが直列に接続されているので、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値はVf+Vf+2Vf=4Vfとなる。また、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は5Vf、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は6Vfとなる。また、先に説明した漏液検出装置100と同様、始端41から漏液検知ユニットU,U,U,U,Uまでの積算電圧値はそれぞれVf,2Vf,3Vf,4Vf,5Vfとなる。
ユニット番号Nは、始端41からの積算電圧値(=ΣVf)が小さい順に付されるので、積算電圧値が一番小さいVfの漏液検知ユニットUのユニット番号Nは1、積算電圧値が2Vfの漏液検知ユニットUのユニット番号は2、積算電圧値が3Vfの漏液検知ユニットUのユニット番号は3、積算電圧値が4Vfの漏液検知ユニットU,Uのユニット番号Nは4、積算電圧が5Vfの漏液検知ユニットU,Uのユニット番号Nは5、積算電圧値が6Vfの漏液検知ユニットUのユニット番号Nは6となる。
入力電圧を上昇させていくと、漏液検知ユニットU,U,Uの順に順次導通し、その後、漏液検知ユニットU,U、漏液検知ユニットU,Uの様に2つの漏液検知ユニットUが同時に導通していく。漏液検出装置300の漏液判定動作、漏液の発生したユニット番号Nの特定動作は、入力電圧を上昇させていく際の漏液検知ユニットUの導通順序が異なる以外は、先に図1を参照して説明した漏液検出装置100の各動作と同様である。
<第4実施形態の漏液検出装置400>
次に図23を参照しながら第4の実施形態の漏液検出装置400の構成について説明する。先に図1から21を参照して説明した漏液検出装置100、200と同様の部位には同様の符号を付して説明は省略する。
図23に示すように、漏液検出装置400は、図1を参照して説明した漏液検出装置100の枝漏液検知部50の枝始端51を構成する漏液検知ユニットUのノードNDに含まれる定電圧素子Dの立ち上がり電圧値が他の定電圧素子Dの立ち上がり電圧Vfの1.5倍の1.5Vfとなっているものである。先に説明したように、幹漏液検知部40の始端41から漏液検知ユニットUまでは、漏液検知ユニットU,U,Uの3つの漏液検知ユニットUが直列に接続されているので、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値はVf+Vf+1.5Vf=3.5Vfとなる。また、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は4.5Vf、始端41から漏液検知ユニットUまでの積算電圧値は5.5Vfとなる。また、先に説明した漏液検出装置10と同様、始端41から漏液検知ユニットU,U,U,U,Uまでの積算電圧値はそれぞれVf,2Vf,3Vf,4Vf,5Vfとなる。
ユニット番号Nは、始端41からの積算電圧値(=ΣVf)が小さい順に付されるので、積算電圧値が一番小さいVfの漏液検知ユニットUのユニット番号Nは1、積算電圧値が2Vfの漏液検知ユニットUのユニット番号は2、積算電圧値が3Vfの漏液検知ユニットUのユニット番号は3、積算電圧値が3.5Vfの漏液検知ユニットUのユニット番号Nは4、積算電圧が4Vfの漏液検知ユニットUのユニット番号Nは5、積算電圧値が4.5Vfの漏液検知ユニットUのユニット番号Nは6、積算電圧が5Vfの漏液検知ユニットUのユニット番号Nは7、積算電圧値が5.5Vfの漏液検知ユニットUのユニット番号Nは8となる。このように、漏液検出装置400では、ユニット番号Nが幹漏液検知部40と枝漏液検知部50とで交互に付されていく。
漏液検出装置400では、漏液検出装置200と同様、1つのユニット番号Nが1つの漏液検知ユニットUに対応する。このため、幹漏液検知部40から枝漏液検知部50が分岐している構成でも、先に説明した漏液検出装置200と同様、漏液の発生したユニット番号Nを特定することにより、同時に漏液の発生した漏液検知ユニットUを特定することができる。
漏液検出装置400の漏液の発生した漏液検知ユニットUの特定動作は、先に説明した漏液検出装置200の動作と同様である。
<第5実施形態の漏液検出装置500>
次に図24を参照して第5実施形態の漏液検出装置500について説明する。先に図1から18を参照して説明した漏液検出装置100と同様の部位には同様の符号を付して説明は省略する。
図24に示すように、漏液検出装置500は、枝漏液検知部50の枝始端51と幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUとの接続点65と、接続点65の末端側に接続された幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUとの間に設けられた幹スイッチ45と、接続点65と枝漏液検知部50の枝始端51との間に設けられた枝スイッチ55と、を有している。幹スイッチ45と枝スイッチ55とは判定部90に接続され、判定部90の指令によりオン/オフする。
先に、説明した漏液検出装置100の第1〜第3の漏液判定動作では、漏液の発生の判定を行うことはできるが、幹漏液検知部40で漏液が発生したか、枝漏液検知部50で漏液が発生したかを判定することはできない。また、漏液の発生したユニット番号Nの特定動作では、漏液の発生したユニット番号Nを特定することはできるが、特定のユニット番号Nが付されている幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUで漏液が発生しているのか、枝漏液検知部50の漏液検知ユニットUで漏液が発生しているのかを区別することはできない。
そこで、漏液検出装置500では、通常は幹スイッチ45、枝スイッチ55をオンとしておき、漏液判定動作で漏液の発生と判定された場合に、判定部90が、幹スイッチ45と枝スイッチ55とを切換えることにより、漏液の発生箇所が幹漏液検知部40に位置するのか、枝漏液検知部50に位置するのかを判定する。
判定部90は、枝スイッチ55をオフとした場合に電流センサ82で検出した入力電流値がゼロになった場合には、漏液は枝漏液検知部50で発生していると判定する。また、幹スイッチ45をオフとした場合に入力電流値がゼロになった場合には、漏液は幹漏液検出部の接続点65よりも末端側で発生していると判定する。また、枝スイッチ55と幹スイッチ45を両方オフにしても入力電流値がゼロにならない場合には、漏液は、接続点65より始端側の幹漏液検知部40で発生していると判定する。
同様に、判定部90が漏液の発生しているユニット番号Nを特定した場合、枝スイッチ55をオフとした場合に電流センサ82で検出した入力電流値がゼロになった場合には、漏液は特定したユニット番号Nが付されている枝漏液検知部50の漏液検知ユニットUで漏液が発生していると判定する。また、幹スイッチ45をオフとした場合に入力電流値がゼロになった場合には、漏液は特定したユニット番号Nが付されている幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUで漏液が発生していると判定する。
このように、本実施形態の漏液検出装置500は、漏液の発生箇所が幹漏液検知部40に位置するのか、枝漏液検知部50に位置するのかを判定することができるので、簡便な構成で漏液の発生した領域を絞りこむことができる。
<第6実施形態の漏液検出装置600>
次に図25を参照しながら第6実施形態の漏液検出装置600について説明する。先に図1〜18を参照して説明した漏液検出装置100と同様の部位には同様の符号を付して説明は省略する。図25に示すように、漏液検出装置600では、漏液検知帯30が、一対の被覆電線33で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含んでいる。
図25に示す漏液検知ユニットUのノードNDの一対の末端側端子14,16には、漏液検知帯30を構成する一対の導電線31,32が接続され、一対の導電線31,32の末端に非検知領域を構成する一対の被覆電線33が接続されている。そして、一対の被覆電線33の末端は漏液検知ユニットUのノードNDの一対の始端側端子13,15に接続されている。
また、漏液検知ユニットUのノードNDの一対の末端側端子14,16には、一対の被覆電線33が接続され、一対の被覆電線33の末端には一対の導電線31,32が接続されている。つまり、ノードNDの一対の末端側端子14,16には、一対の導電線31,32が一対の被覆電線33を介してそれぞれ接続されている。また、漏液検知ユニットUのノードNDと漏液検知ユニットUのノードNDとの間は、始端側と末端側に一対の被覆電線で構成された非検出領域を含む漏液検知帯30で接続されている。また、漏液検知ユニットUのノードNDの末端側端子14,16には、中間に一対の被覆電線で構成された非検出領域を含む漏液検知帯30が接続されている。
また、図25に示すように、漏液検出装置600では、分岐線60が被覆電線33で構成されている。また、図25(a)に示すように、分岐線60の一部を一対の導電線31,32で構成し、他の部分を一対の被覆電線33で構成してもよい。
このように、漏液の監視が不要な漏液検知帯30の一部あるいは分岐線60の一部または全部を安価な被覆電線で構成することにより、導電線31,32,61,62の長さを短くしてコストダウンを図ることができる。
<第7実施形態の漏液検出装置700>
次に図26〜29を参照しながら第7実施形態の漏液検出装置700について説明する。図26に示すように、漏液検出装置700の漏液検知部140は、5つの漏液検知ユニットU〜Uを直列接続したもので、漏液検知ユニットUと漏液検知ユニットUとの間に直列に中継器70が接続されたものである。
図27に示すように、中継器70は、入力端子71,72と出力端子73,74とを有する4端子回路であり、出力端子73,74の電圧値Voutを入力端子71,72の電圧値Vinの所定の倍率aとすると共に、入力端子71,72の電流値Iinと出力端子73,74の電流値Ioutとを同一に保持するものである。
図26に示すように、中継器70の入力端子71,72は、漏液検知ユニットUの漏液検知帯30の末端に接続され、出力端子73,74は漏液検知ユニットUの始端側端子13,15に接続されている。従って、中継器70は、入力端子71,72に接続された漏液検知ユニットUの末端の電圧値を所定の倍率aの電圧値として出力端子73,74に接続された漏液検知ユニットUに出力し、漏液検知ユニットU,Uに流れる電流値を一定電流値に保持する。
中継器70は上記のような機能を有するものであれば、どのような電気回路のものでもよいが、一例を示すと、図28に示すように、複数のオペアンプ76と、計装アンプ75と抵抗78を組み合わせて電圧増幅回部70Aとミラー回路70Bとを実現したものでもよい。
先に図5を参照して説明したように、始端41に印加する入力電圧値をVfずつ上昇させる毎にユニット番号Nの順に漏液検知ユニットUが導通していく。このため、多数の漏液検知ユニットUを直列に接続して漏液検知部140を構成し、全ての漏液検知ユニットUを導通させるには、始端41に印加する待機電圧値Vを直列に接続した漏液検知ユニットUの数×Vf以上とする必要がある。しかし、待機電圧値Vは低い方が各機器の設計上有利である。本実施形態の漏液検出装置700のように漏液検知部140の中間に中継器70を挟み込むと、中継器70の始端側の漏液検知ユニットUの末端の電圧値に所定の倍率aを掛けた電圧値が中継器70の末端側の漏液検知ユニットUに印加される。このため、始端41に接続される漏液検知ユニットUに印加する待機電圧値Vをあまり高くせずに、全ての漏液検知ユニットUを導通させることができる。
また、中継器70は、入力端子71,72の電流値Iinと出力端子73,74の電流値Ioutとを同一に保持するので、中継器70を介して直列に接続された漏液検知ユニットUに流れる電流値を電流センサ82によって検出することができる。このため、漏液検出装置100と同様の判定動作によって漏液の判定を行うことができる。
中継器70は、出力端子73,74の電圧値Voutを入力端子71,72の電圧値Vinの所定の倍率aとするので、図29に示すように、中継器70の末端側の漏液検知ユニットU〜Uで漏液が発生した場合の始端41への入力電圧値に対する電流の変化割合が、中継器70の始端側の漏液検知ユニットU,Uで漏液が発生した場合の始端41への入力電圧値に対する電流の変化割合よりも大きくなる。このため、漏液検出装置100と同様の方法で漏液の発生したユニット番号Nを特定する場合、電源81の電圧分解能を高くし、微小な電圧変化を行えるようにする必要がある。
以上説明したように、漏液検出装置700は、中継器70を設けたことにより、漏液検知部140に接続できる漏液検知ユニットUの数を多くすることができる。これにより、長い漏液検知部140を構成し、より広範囲で漏液の検出を行うことができる。また、長さの短い漏液検知ユニットUを多く接続して漏液検知部140を構成し、特定できる漏液範囲を狭くして、より細かい漏液の監視を行うことができる。
<第8実施形態の漏液検出装置800>
次に図30を参照しながら第8実施形態の漏液検出装置800について説明する。先に図1〜18を参照して説明した漏液検出装置100と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。
図30に示すように、漏液検出装置800は、幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUに分岐線60が接続されているのみで、分岐線60の末端に枝漏液検知部50が接続されていないものである。分岐線60は、図30(a)に示すように、一対の導電線31,32で構成され、導電線31,32の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む分岐検知帯66としてもよいし、図30(b)に示すように、一部を一対の被覆電線33で構成される非検知領域を含むものとしてもよい。
漏液検知ユニットUは、ノードNDとノードNDとを接続する漏液検知帯30と、漏液検知帯30から分岐した分岐検知帯66のいずれかで漏液が発生した場合に電流が流れ、分岐線60での漏液の発生を検出することができる。
この構成により、1つの漏液検知ユニットUで短い配管の分岐部などの漏液の検出を行うことができ、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
<第9実施形態の漏液検出装置900>
次に図31を参照しながら、第9実施形態の漏液検出装置900について説明する。漏液検出装置900は、今まで説明した各実施形態の漏液検出装置100,200,300,400,500,600,700,800の各部を配管装置20の形状に合わせて組み合わせたものである。配管装置20は、幹管21と短い分岐管22と長い分岐管23とで構成とされている。
図31に示す漏液検出装置900の漏液検知ユニットUは、図30を参照して説明した漏液検出装置800の様に分岐管22の漏液の検出を行うことができる分岐検知帯66を有する漏液検知ユニットである。漏液検知ユニットUのユニット番号Nは1である。
漏液検知ユニットUは、図1を参照して説明した漏液検出装置100の様に、漏液検知ユニットU,Uを直列に接続した枝漏液検知部50が接続されている漏液検知ユニットである。漏液検知ユニットUは、長い分岐管23の漏液を検出する。また、漏液検知ユニットUは、図25を参照して説明した漏液検出装置600の様に、漏液検知帯30が一部に被覆電線33で構成した非検知領域を含むものである。
このように、今まで説明した各実施形態の漏液検出装置100,200,300,400,500,600,700,800の各部を配管装置20の形状に合わせて組み合わせることにより、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
<定電圧素子のバリエーション>
図32を参照しながら定電圧素子Dのバリエーションについて説明する。図1〜18を参照して説明した漏液検出装置100では、定電圧素子Dは、ツェナーダイオード11a,11bを逆直列に接続し、一方の接続線12に介在するように配置されていることとして説明したが、これに限らず図32(a)から図32(f)のように構成してもよい。
図32(a)に示すように、ツェナーダイオード11a,11bの接続方向を図2に示す状態と反対に逆直列に接続してもよい。また、図32(b)に示すように、図2に示す側と反対側の接続線12に配置するようにしてもよい。更に、図32(c)、図32(d)に示すように、両方の接続線12にそれぞれ1つずつツェナーダイオード11a,11bを同一方向に配置し、漏液が発生した際の電流の流れに対して2つのツェナーダイオード11a,11bが逆直列となるようにしてもよい。更に、図32(e)に示すように、どちらか一方の接続線12にのみツェナーダイオード11aを介在して配置してもよい。この場合、電源81は、直流電源を用いて構成してもよい。更に、ツェナーダイオード11a,11bを用いず、図3に示すような電圧電流特性を有する電気回路をIC等で構成した定電圧素子回路18を用いてもよい。
このように、検出対象の液体に応じてノードNDの定電圧素子Dの配置を様々に変更することにより、検出対象の液体に応じた漏液検出を行うことができる。
11a,11b ツェナーダイオード、12 接続線、13,15 始端側端子、14,16 末端側端子、18 定電圧素子回路、20 配管装置、21 幹管,22,23 分岐管、30 漏液検知帯、31,32,61,62 導電線、31e,32e 端部、33 被覆電線、35 漏液部分、40 幹漏液検知部、41始端、42 末端、45 幹スイッチ、50 枝漏液検知部、51 枝始端、52 枝末端、55 枝スイッチ、60 分岐線、63,64,65 接続点、66 分岐検知帯、70 中継器、70A 電圧増幅部、70B ミラー回路、71,72 入力端子、73,74 出力端子、75 計装アンプ、76 オペアンプ、78 抵抗、81 電源、82 電流センサ、90 判定部、91 CPU、92 メモリ、93 入力インターフェース、94 出力インターフェース、95 データバス、100,200,300,400,500,600,700,800,900 漏液検出装置、140 漏液検知部、D,D〜D,D,D,D 定電圧素子、N ユニット番号、ND,ND〜ND,ND,ND ノード、U,U〜U,U,U,U 漏液検知ユニット。

Claims (24)

  1. 一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて印加電圧が所定の電圧値に達すると導通する定電圧素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した幹漏液検知部と、
    前記漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した枝漏液検知部と、
    前記幹漏液検知部の始端に接続される電源と、
    前記幹漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部で検出した前記入力電流値から漏液の発生を判定する判定部と、を備え、
    前記枝漏液検知部の枝始端は、前記幹漏液検知部のいずれか1つ又は複数の前記漏液検知ユニットに接続され、
    各前記漏液検知ユニットが入力電圧値に応じて導通する特性を有していること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  2. 請求項1に記載の漏液検出装置であって、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードは、
    一対の始端側端子と、
    一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、
    始端側端子と末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、
    前記定電圧素子は、いずれか一方または両方の接続線に介在して配置されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  3. 請求項1または2に記載の漏液検出装置であって、
    前記電源は、前記幹漏液検知部の前記始端に所定の電圧値の待機電圧を印加し、
    前記判定部は、前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、所定の閾値とを比較することで、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  4. 請求項1または2に記載の漏液検出装置であって、
    前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、
    前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を待機電圧値の前後で変動させて前記幹漏液検知部の前記入力電圧値を前記待機電圧値の前後で変動させ、
    前記電圧指令値または前記入力電圧値と前記電流検出部で検出した前記入力電流値とから計算されるコンダクタンスまたは抵抗値と、所定の閾値とを比較することで、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  5. 請求項1または2に記載の漏液検出装置であって、
    各前記漏液検知ユニットは、前記始端から当該漏液検知ユニットまで直列に接続された各前記漏液検知ユニットに含まれる各前記定電圧素子の通電電圧値の積算電圧値が小さい順にユニット番号が付されており、
    前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、
    前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を掃引して前記幹漏液検知部の前記入力電圧値を掃引して、各前記漏液検知ユニットをユニット番号の順に導通させ、
    前記電圧指令値または前記入力電圧値と前記電流検出部で検出した前記入力電流値から計算されるコンダクタンスまたは抵抗値と所定の閾値とを比較することで、導通状態のユニット番号の前記漏液検知ユニットの内、少なくとも1つのユニット番号の前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  6. 請求項1または2に記載の漏液検出装置であって、
    各前記漏液検知ユニットは、前記始端から当該漏液検知ユニットまで直列に接続された各前記漏液検知ユニットに含まれる各前記定電圧素子の通電電圧値の積算電圧値が小さい順にユニット番号が付されており、
    前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、
    前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を掃引して前記幹漏液検知部の前記入力電圧値を掃引して、各前記漏液検知ユニットをユニット番号の順に導通させ、
    前記幹漏液検知部の前記始端から一のユニット番号の前記漏液検知ユニットまでの範囲を導通状態にした場合に前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、前記範囲の内、一のユニット番号の前記漏液検知ユニット以外の範囲を導通状態にした場合に前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、を用いて、一のユニット番号の前記漏液検知ユニットのコンダクタンスを算出し、
    算出した前記コンダクタンスを所定の閾値と比較することで、漏液の発生した前記漏液検知ユニットのユニット番号を特定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  7. 請求項5に記載の漏液検出装置であって、
    各前記漏液検知ユニットは、前記始端から当該漏液検知ユニットまで直列に接続された各前記漏液検知ユニットに含まれる各前記定電圧素子の通電電圧値の前記積算電圧値が全て異なっており、前記積算電圧値が小さい順にユニット番号が付されており、
    前記判定部は、導通状態の前記漏液検知ユニットの内、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  8. 請求項6に記載の漏液検出装置であって、
    各前記漏液検知ユニットは、前記始端から当該漏液検知ユニットまで直列に接続された各前記漏液検知ユニットに含まれる各前記定電圧素子の通電電圧値の前記積算電圧値が全て異なっており、前記積算電圧値が小さい順にユニット番号が付されており、
    前記判定部は、漏液の発生した前記漏液検知ユニットを特定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  9. 請求項1から6のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記枝漏液検知部の前記枝始端と前記幹漏液検知部の一の前記漏液検知ユニットとの接続点と前記接続点の末端側に接続された前記幹漏液検知部の他の前記漏液検知ユニットとの間に設けられた幹スイッチと、
    前記接続点と前記枝漏液検知部の前記枝始端との間に設けられた枝スイッチと、
    を有することを特徴とする漏液検出装置。
  10. 請求項9に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、
    前記幹スイッチと前記枝スイッチとを切換えることにより、漏液の発生箇所が前記幹漏液検知部に位置するのか、前記枝漏液検知部に位置するのかを判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードは、
    一対の始端側端子と、
    一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続される一対の末端側端子と、
    始端側端子と末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、
    前記定電圧素子は、いずれか一方または両方の接続線に介在して配置されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記枝漏液検知部の前記枝始端は、一対の分岐線を介して前記幹漏液検知部の前記漏液検知ユニットに接続され、
    一対の前記分岐線は、その間に漏液が接触すると電流が流れる一対の前記導電線で構成されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  13. 請求項1から11のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記枝漏液検知部の前記枝始端は、一対の分岐線を介して前記幹漏液検知部の前記漏液検知ユニットに接続され、
    一対の前記分岐線は、その間に漏液が接触しても電流が流れない一対の被覆電線で構成されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  14. 請求項1から11のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記枝漏液検知部の前記枝始端は、一対の分岐線を介して前記幹漏液検知部の前記漏液検知ユニットに接続され、
    一対の前記分岐線の一部がその間に漏液が接触すると電流が流れる一対の前記導電線で構成され、他の部分がその間に漏液が接触しても電流が流れない一対の被覆電線で構成されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記幹漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間、又は、前記枝漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間に介在して配置される中継器を含み、
    前記中継器は、出力端子の電圧値を入力端子の電圧値の所定の倍率とすると共に、入力端子の電流値と出力端子の電流値とを同一に保持すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  16. 一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて印加電圧が所定の電圧値に達すると導通する定電圧素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した漏液検知部と、
    前記漏液検知部の始端に接続される電源と、
    前記漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部で検出した前記入力電流値から漏液の発生を判定する判定部と、を備え、
    いずれか1つ又は複数の前記漏液検知ユニットは、一対の前記導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む分岐検知帯を含み、
    前記分岐検知帯は、前記漏液検知帯または前記ノードに接続されており、
    各前記漏液検知ユニットが入力電圧値に応じて導通する特性を有し、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードは、
    一対の始端側端子と、
    一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、
    前記始端側端子と前記末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、
    前記定電圧素子は、いずれか一方または両方の接続線に介在して配置されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  17. 請求項16に記載の漏液検出装置であって、
    前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードの前記末端側端子は、一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続されること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  18. 請求項17に記載の漏液検出装置であって、
    前記分岐検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含むこと、
    を特徴とする漏液検出装置。
  19. 一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて印加電圧が所定の電圧値に達すると導通する定電圧素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した漏液検知部と、
    前記漏液検知部の始端に接続される電源と、
    前記漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部で検出した前記入力電流値から漏液の発生を判定する判定部と、を備える漏液検出装置であって、
    前記漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間に介在して配置される中継器を含み、
    前記中継器は、出力端子の電圧値を入力端子の電圧値の所定の倍率とすると共に、入力端子の電流値と出力端子の電流値とを同一に保持し、
    前記漏液検知部は、
    各前記漏液検知ユニットが入力電圧値に応じて導通する特性を有し、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードは、
    一対の始端側端子と、
    一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、
    前記始端側端子と前記末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、
    前記定電圧素子は、いずれか一方または両方の接続線に介在して配置されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  20. 請求項19に記載の漏液検出装置であって、
    前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードの前記末端側端子は、一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続されること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  21. 請求項16から20のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記電源は、前記漏液検知部の前記始端に所定の電圧値の待機電圧を印加し、
    前記判定部は、前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、所定の閾値とを比較することで、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットでの漏液の発生を判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  22. 請求項16から20のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、
    前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を待機電圧値の前後で変動させて前記漏液検知部の前記入力電圧値を前記待機電圧値の前後で変動させ、
    前記電圧指令値または前記入力電圧値と前記電流検出部で検出した前記入力電流値とから計算されるコンダクタンスまたは抵抗値と、所定の閾値とを比較することで、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  23. 請求項16から20のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、
    前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を掃引して前記漏液検知部の前記入力電圧値を掃引して、各前記漏液検知ユニットを前記始端に接続された順に導通させ、
    前記電圧指令値または前記入力電圧値と前記電流検出部で検出した前記入力電流値から計算されるコンダクタンスまたは抵抗値と所定の閾値とを比較することで、導通状態の前記漏液検知ユニットの内、少なくとも1つの前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  24. 請求項16から20のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記電源は、前記判定部から入力される電圧指令値に応じた電圧を出力し、
    前記判定部は、前記電源に出力する前記電圧指令値を掃引して前記漏液検知部の前記入力電圧値を掃引して、各前記漏液検知ユニットを前記始端に接続された順に導通させ、
    前記漏液検知部の前記始端から一の前記漏液検知ユニットまでの範囲を導通状態にした場合に前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、前記範囲の内、一の前記漏液検知ユニット以外の範囲を導通状態にした場合に前記電流検出部で検出した前記入力電流値と、を用いて、一の前記漏液検知ユニットのコンダクタンスを算出し、
    算出した前記コンダクタンスを所定の閾値と比較することで、漏液の発生した前記漏液検知ユニットを特定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
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