JP7004635B2 - 漏液検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、漏液検出装置の構造、特に、定電流素子を用いた漏液検出装置の構造に関する。
空調機器等からの漏液発生を検知する方法として、二本の導線を非導通の状態で並列配置した漏液検出帯に電流を流し、二本の導線の間に漏液が入り込んだ際の短絡を検知することにより漏液を検知する方法が用いられている。
しかし、このような漏液検知方法では漏液の検知を行うことはできても漏液箇所を検出することができない。そこで、通液可能に絶縁した3本の電極線を平行配置し、2本の電極線の単位長さ当たりの抵抗値が異なる構成とした漏液センサを用いて漏液箇所の特定を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
一方、漏液監視は、サーバ室の床下等のような区画された平面のみでなく、空調配管のように空間的に多数の分岐がある複雑な形状を対象とする場合がある。特許文献1,2に記載されたような従来技術の漏液検知方法は、電極線の単位長さ当たりの抵抗値に基づいて漏液箇所の特定を行うので、配管の形状に合わせて漏液センサを分岐させることが難しい。このため、分岐毎に電極線を配置し、各電極線と検出器とをそれぞれ切換えスイッチを介して電線で接続し、切換えスイッチで検出器と各電極線との接続を切換えて漏液を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平8-271461号公報 特公平2-43130号公報 特公平7-119664号公報
しかし、特許文献3に記載されたような従来技術では、分岐毎に配置され各電極線と検出器との間を接続する電線の本数が多くなってしまい、構造が複雑になってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、簡便な構成で複雑な形状の対象物の漏液監視を可能とすることを目的とする。
本発明の漏液検出装置は、一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて前記漏液検知帯の通電電流値を制限電流値に制限する定電流素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した幹漏液検知部と、前記漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した枝漏液検知部と、前記幹漏液検知部の始端に接続される電源と、前記幹漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、前記電流検出部の検出した入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットを判定する判定部と、を備え、前記枝漏液検知部の枝始端は、前記幹漏液検知部のいずれか1つ又は複数の前記漏液検知ユニットに接続され、前記幹漏液検知部に含まれる各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値はそれぞれ異なっており、前記枝漏液検知部に含まれる各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値はそれぞれ異なっていること、を特徴とする。
これにより、簡便な方法で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
本発明の漏液検出装置において、前記漏液検知ユニットの前記ノードは、一対の始端側端子と、一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、前記始端側端子と前記末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、前記定電流素子は、いずれか一方または両方の前記接続線に介在して配置されていること、としてもよい。
このように、検出対象の液体に応じてノードの定電流素子の配置を様々に変更することができるので、検出対象の液体に応じた漏液検出を行うことができる。
本発明の漏液検出装置において、前記幹漏液検知部に含まれる各前記漏液検知ユニットの前記定電流素子の制限電流値は、前記電源に接続される前記始端から末端に向かう接続順に従って小さくなり、前記枝漏液検知部に含まれる各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値は、前記幹漏液検知部に接続される前記枝始端から枝末端に向かう接続順に従って小さくなること、としてもよい。
前記幹漏液検知部に含まれる漏液検知ユニットの定電流素子の制限電流値は、電源に接続される始端から末端に向かう接続順に従って小さくなり、前記枝漏液検知部に含まれる各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値は、前記幹漏液検知部に接続される前記枝始端から枝末端に向かう接続順に従って小さくなるので、全ての漏液検知ユニットを通電状態として漏液検知を行うことができる。
本発明の漏液検出装置において、前記幹漏液検知部と前記枝漏液検知部とに含まれる各前記漏液検知ユニットは、各前記定電流素子の制限電流値が大きい順にユニット番号が付されており、前記判定部は、前記電流検出部で検出した入力電流値と所定の閾値とを比較することで、少なくとも1つのユニット番号の前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定してもよい。
それぞれが漏液検知ユニットを有する幹漏液検知部と枝漏液検知部とを含む漏液検出装置において、このように各漏液検知ユニットにユニット番号を付し、共通の電源で幹漏液検知部に電圧を印加し、共通の判定部で電流検出部で検出した入力電流値と所定の閾値とを比較することで、少なくとも1つのユニット番号の漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定できるので、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
本発明の漏液検出装置において、漏液検知と判定した場合に、前記電源の出力電圧を変化させて前記電流検出部で前記幹漏液検知部の前記始端の入力電流値の変化量を検出し、入力電流値の変化量に基づいて、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットのユニット番号の特定が可能か判定してもよい。この際、前記判定部は、入力電流値の変化量の絶対値が所定の第1閾値未満の場合に、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットのユニット番号の特定が可能と判定してもよいし、前記電源の出力電圧の変化量と前記電流検出部で検出した入力電流値の変化量とに基づいて前記幹漏液検知部の前記始端の電圧電流特性の傾きを算出し、前記傾きが所定の第2閾値未満の場合に、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットのユニット番号の特定が可能と判定してもよい。そして、前記電流検出部で検出した入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットのユニット番号の特定が可能と判定した場合に、前記電流検出部で検出した入力電流値と所定の閾値とを比較することで、漏液の発生した漏液検出ユニットのユニット番号を特定してもよい。
このように、電源の出力電圧を変化させて電流検出部で幹漏液検知部の始端の入力電流値を検出し、電流検出部で検出した入力電流値の変化量に基づいて漏液検知ユニットの定電流素子が飽和状態となっており、入力電流値から漏液の発生した漏液検知ユニットのユニット番号の特定が可能と判定した後に、電流検出部で検出した入力電流値と、所定の閾値とを比較して漏液の発生した漏液検出ユニットのユニット番号を特定するので、漏液の発生した漏液検出ユニットのユニット番号を誤って特定することを抑制することができる。また、簡便な構成で分岐等を含む複雑な対象物で漏液が発生した場合に漏液の発生した領域を特定することができる。
本発明の漏液検出装置において、前記幹漏液検知部と前記枝漏液検知部とに含まれる各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値が全て異なっており、制限電流値が大きい順にユニット番号が付されており、前記判定部は、漏液の発生した前記漏液検知ユニットを特定してもよい。
このように、全ての漏液検知ユニットにはそれぞれ異なるユニット番号が付されるので、ユニット番号毎に漏液の発生を判定することにより、漏液検知ユニット毎に漏液の発生を判定することが可能となるので、漏液の発生した漏液検知ユニットを特定することができる。
本発明の漏液検出装置において、前記枝漏液検知部の前記枝始端と前記幹漏液検知部の一の前記漏液検知ユニットとの接続点と前記接続点の末端側に接続された前記幹漏液検知部の他の前記漏液検知ユニットとの間に設けられた幹スイッチと、前記接続点と前記枝漏液検知部の前記枝始端との間に設けられた枝スイッチと、を有することとしてもよい。また、前記判定部は、前記幹スイッチと前記枝スイッチとを切換えることにより、漏液の発生箇所が前記幹漏液検知部に位置するのか、前記枝漏液検知部に位置するのかを判定してもよい。
この構成により、それぞれが漏液検知ユニットを有する幹漏液検知部と枝漏液検知部とを含む漏液検出装置において漏液の発生を検出した場合に、漏液の発生箇所が前記幹漏液検知部に位置するのか、前記枝漏液検知部に位置するのかを判定することができるので、簡便な構成で漏液の発生した領域を絞りこむことができる。
本発明の漏液検出装置において、前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、前記漏液検知ユニットの前記ノードは、一対の始端側端子と、一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続される一対の末端側端子と、始端側端子と末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、前記定電流素子は、いずれか一方または両方の接続線に介在して配置されてもよい。
このように、漏液の監視が不要な部分を安価な被覆電線で構成して導電線の長さを短くすることにより、コストダウンを図ることができる。
本発明の漏液検出装置において、前記枝漏液検知部の前記枝始端は、一対の分岐線を介して前記幹漏液検知部の前記漏液検知ユニットに接続され、一対の前記分岐線は、その間に漏液が接触すると電流が流れる一対の前記導電線で構成されてもよい。
この構成により、幹漏液検知部の漏液検知ユニットと枝漏液検知部の枝始端との間での漏液の発生を検出することができる。
本発明の漏液検出装置において、前記枝漏液検知部の前記枝始端は、一対の分岐線を介して前記幹漏液検知部の前記漏液検知ユニットに接続され、一対の前記分岐線は、その間に漏液が接触しても電流が流れない一対の被覆電線で構成されてもよい。また、前記枝漏液検知部の前記枝始端は、一対の分岐線を介して前記幹漏液検知部の前記漏液検知ユニットに接続され、一対の前記分岐線の一部がその間に漏液が接触すると電流が流れる一対の前記導電線で構成され、他の部分がその間に漏液が接触しても電流が流れない一対の被覆電線で構成されてもよい。
この構成により、分岐線の漏液の監視が不要な部分を安価な被覆導線で構成して導電線の長さを短くすることができるので、コストダウンを図ることができる。
本発明の漏液検出装置において、前記幹漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間、又は、前記枝漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間に介在して配置される中継器を含み、前記中継器は、出力端子の電圧値を入力端子の電圧値の所定の倍率とすると共に、入力端子の電流値と出力端子の電流値とを同一に保持すること、としてもよい。
この構成により、幹漏液検知部、枝漏液検知部に接続できるノードの数を多くすることができる。これにより、幹漏液検知部、枝漏液検知部の長さを長くし、より広範囲で漏液の検出を行うことができる。また、各ユニットの長さを短くしてより狭い範囲毎に漏液の検出を行うことができる。
本発明の漏液検出装置は、一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて前記漏液検知帯の通電電流値を制限電流値に制限する定電流素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した漏液検知部と、前記漏液検知部の始端に接続される電源と、前記漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、前記電流検出部の検出した入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットを判定する判定部と、を備え、各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値はそれぞれ異なっており、前記判定部は、前記電流検出部の検出した入力電流値と前記定電流素子の制限電流値とを比較して漏液の発生した前記漏液検知ユニットを特定する漏液検出装置であって、いずれか1つ又は複数の前記漏液検知ユニットは、一対の前記導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む分岐検知帯を含み、前記分岐検知帯は、前記漏液検知帯または前記ノードに接続されており、前記漏液検知ユニットの前記ノードは、一対の始端側端子と、一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、前記始端側端子と前記末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、前記定電流素子は、いずれか一方または両方の前記接続線に介在して配置され、各前記漏液検知ユニットの前記定電流素子の制限電流値は、前記電源に接続される前記始端から末端に向かう接続順に従って小さくなること、を特徴とする。
この構成により、1つの漏液検知ユニットで短い配管の分岐部などの漏液の検出を行うことができ、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
本発明の漏液検出装置において、前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、前記漏液検知ユニットの前記ノードの前記末端側端子は、一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続されてもよい。また、前記分岐検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含むこと、としてもよい。
これにより、漏液の監視が不要な部分を安価な被覆導線で構成して導電線の長さを短くすることができるので、コストダウンを図ることができる。
本発明の漏液検出装置は、一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて前記漏液検知帯の通電電流値を制限電流値に制限する定電流素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した漏液検知部と、前記漏液検知部の始端に接続される電源と、前記漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、前記電流検出部の検出した入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットを判定する判定部と、を備え、各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値はそれぞれ異なっており、前記判定部は、前記電流検出部の検出した入力電流値と前記定電流素子の制限電流値とを比較して漏液の発生した前記漏液検知ユニットを特定する漏液検出装置であって、前記漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間に介在して配置される中継器を含み、前記中継器は、出力端子の電圧値を入力端子の電圧値の所定の倍率とすると共に、入力端子の電流値と出力端子の電流値とを同一に保持し、前記漏液検知ユニットの前記ノードは、一対の始端側端子と、一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、前記始端側端子と前記末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、前記定電流素子は、いずれか一方または両方の前記接続線に介在して配置され、各前記漏液検知ユニットの前記定電流素子の制限電流値は、前記電源に接続される前記始端から末端に向かう接続順に従って小さくなること、を特徴とする。
このように、中継器を設けることにより、漏液検知部に接続できる漏液検知ユニットの数を多くすることができる。これにより、長い漏液検知部を構成し、より広範囲での漏液の検出を行うことができる。また、長さの短い漏液検知ユニットUを多く接続して漏液検知部を構成し、特定できる漏液範囲を狭くして、より狭い範囲毎に漏液の監視を行うことができる。
本発明の漏液検出装置において、前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、前記漏液検知ユニットの前記ノードの前記末端側端子は、一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続されてもよい。
これにより、漏液の監視が不要な部分を安価な被覆導線で構成して導電線の長さを短くすることができるので、コストダウンを図ることができる。
本発明の漏液検出装置において、前記判定部は、前記電流検出部で検出した入力電流値と、一の前記漏液検知ユニットの前記定電流素子の制限電流値との差が所定の範囲内の場合に、一の前記漏液検知ユニットを漏液発生箇所と特定してもよい。
これにより、電流検出部で検出した入力電流値と一の定電流素子の制限電流値に差がある場合でも漏液箇所の特定を行うことができ、漏液箇所の検出信頼性を向上させることができる。
本発明の漏液検出装置において、前記判定部は、前記電流検出部で検出した入力電流値が所定の値以上の場合に漏液検知と判定してもよい。
これにより、何らかの要因で、電流検出部で検出した入力電流値と複数の定電流素子の制限電流値とのいずれの差も所定の範囲内にない場合でも、漏液発生を検知することができる。
本発明の漏液検出装置において、前記判定部は、漏液検知と判定した場合に、前記電源の出力電圧を変化させて前記電流検出部で前記漏液検知部の入力電流値の変化量を検出し、入力電流値の変化量に基づいて、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットの特定が可能か判定してもよい。また、前記判定部は、入力電流値の変化量の絶対値が所定の第1閾値未満の場合に、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットの特定が可能と判定してもよい。また、前記判定部は、前記電源の出力電圧の変化量と前記電流検出部で検出した入力電流値の変化量とに基づいて前記漏液検知部の電圧電流特性の傾きを算出し、前記傾きが所定の第2閾値未満の場合に、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットの特定が可能と判定してもよい。そして、本発明の漏液検出装置において、前記判定部は、前記電流検出部で検出した入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットの特定が可能と判定した場合に、前記電流検出部で検出した入力電流値と、一の前記漏液検知ユニットの前記定電流素子の制限電流値との差が所定の範囲内の場合に、一の前記漏液検知ユニットを漏液発生箇所と特定してもよい。
このように、電源の出力電圧を変化させて電流検出部で漏液検知部の入力電流値を検出し、電流検出部で検出した入力電流値の変化量に基づいて漏液検知ユニットの定電流素子が飽和状態となっており、入力電流値から漏液の発生した漏液検知ユニットの特定が可能と判定した後に、電流検出部で検出した入力電流値と、一の漏液検知ユニットの定電流素子の制限電流値との差が所定の範囲内の場合に、一の漏液検知ユニットを漏液発生箇所と特定するので、漏液発生箇所を誤って特定することを抑制することができる。
本発明は、簡便な方法で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことを可能とする。
第1実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 図1に示す漏液検出装置の漏液検知ユニットの構成を示す系統図である。 理想的な定電流ダイオードの端子間電圧に対する端子間電流と端子間抵抗の変化を示すグラフである。 図3に示す定電流ダイオードを逆直列に接続した定電流素子の電圧に対する電流の特性を示すグラフである。 図3に示す定電流ダイオードを逆直列に接続した制限電流値が異なる定電流素子の電圧に対する電流の特性を示すグラフである。 図1に示す漏液検出装置の枝漏液検知部の漏液検知ユニットUで漏液を検出した場合の電流の流れと電圧の変化を示す系統図である。 図1に示す漏液検出装置の枝漏液検知部の漏液検知ユニットUで漏液を検出した場合の各定電流素子の動作点を示すグラフである。 図1に示す漏液検出装置の枝漏液検知部の漏液検知ユニットUで漏液を検出した場合のユニット番号Nに対する電圧の変化を示すグラフである。 図1に示す漏液検出装置の動作を示すフローチャートである。 図1に示す漏液検出装置の枝漏液検知部の漏液検知ユニットUで漏液を検出した際の検出電流と始端電圧との時間変化を示すグラフである。 図10に示す時刻t3における電流の流れと電圧の変化を示す系統図である。 図10に示す時刻t3におけるユニット番号Nに対する電圧の変化を示すグラフである。 図10に示す時刻t3における各定電流素子の動作点を示すグラフである。 すべての定電流素子が非飽和状態において、電源の出力電圧を変化させた際の通電電流値の変化を示すグラフである。 いずれか一つの定電流素子が飽和状態において、電源の出力電圧を変化させた際の通電電流値の変化を示すグラフである。 第2実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 第3実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 第4実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 第5実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 第6実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 第7実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 中継器の構成を示す系統図である。 図22に示す中継器の構成を示す配線図である。 第8実施形態の漏液検出装置の構成を示す系統図である。 第9実施形態の漏液検出装置を分岐のある配管に取り付けた状態を示す系統図である。 図1,16~21、24,25に示す実施形態の漏液検出装置に適用されるノードの例を示す図である。
<第1実施形態の漏液検出装置100の構成>
以下、図面を参照しながら実施形態の漏液検出装置100について説明する。図1に示すように、漏液検出装置100は、幹漏液検知部40と、枝漏液検知部50と、幹漏液検知部40の始端41に接続された電源81と、幹漏液検知部40の始端41の入力電流値を検出する電流検出部である電流センサ82と、電流センサ82によって検出した入力電流値に基づいて漏液の判定を行う判定部90とで構成される。
図1に示すように、幹漏液検知部40は、複数の漏液検知ユニットU~U (A)を直列に接続したものである。また、枝漏液検知部50は、複数の漏液検知ユニットU (B)~U (B)を直列に接続したもので、枝漏液検知部50の枝始端51は、幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUに接続されている。なお、幹漏液検知部40、枝漏液検知部50を構成する漏液検知ユニットUの数はそれぞれ5つ、3つに限定されず、いくつでもよく、1つでもよいし、6つ以上で構成されていてもよい。
図2を参照しながら1つの漏液検知ユニットUの構成について説明する。図2に示すように、漏液検知ユニットUは、定電流素子Dを含むノードNDと、一対の導電線31、32からなる漏液検知帯30とを有している。ノードNDは、一対の始端側端子13,15と、一対の末端側端子14,16と、始端側端子13,15と末端側端子14,16とを並列に接続する一対の接続線12を含んでいる。図2に示すように、一方の始端側端子13と末端側端子14とを接続する接続線12の中間には、定電流素子Dが介在して配置されるように接続されている。また、他方の始端側端子15と末端側端子16とは接続線12で接続されており、定電流素子Dは接続されていない。一対の末端側端子14,16には漏液検知帯30の一対の導電線31,32がそれぞれ接続されており、一対の導電線31,32の各末端側の端部31e,32eは漏液検知ユニットUの末端側の端部となる。また、一対の始端側端子13,15は、漏液検知ユニットUの始端側の端部となる。
図1に示すように、幹漏液検知部40の始端41から2番目の漏液検知ユニットUは、先に説明した漏液検知ユニットUの漏液検知帯30の一対の導電線31,32の接続点63,64に一対の導電線61、62で構成される分岐線60が接続された分岐線付漏液検出ユニットである。一対の接続点63,64は、分岐線60の漏液検知帯30への接続点65を構成する。なお、分岐線60は、一対の導電線31,32に接続されるのではなく、漏液検知ユニットUの末端側端子14,16に直接接続されてもよい。また、複数の分岐線60が漏液検知帯30或いは末端側端子14,16に接続されるように構成してもよい。
定電流素子Dは、漏液検知ユニットUの漏液検知帯30の通電電流値を制限電流値に制限する素子である。幹漏液検知部40および枝漏液検知部50にそれぞれ含まれる定電流素子Dの制限電流値Ipは、それぞれ異なっている。幹漏液検知部40では、電源81に接続される幹漏液検知部40の始端41から末端42に向かう接続順に従って制限電流値Ipが小さくなるように構成されている。また、枝漏液検知部50では、幹漏液検知部40に接続する側の枝始端51から枝末端52に向かう接続順に従って制限電流値Ipが小さくなるように構成されている。図1に示す実施形態の漏液検出装置100では、幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU~U (A)の定電流素子D~D (A)の制限電流値Ip~Ipは、始端41から末端42に向かう接続順に従って小さくなっている(Ip>Ip>Ip>Ip>Ip)。また、枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU (B)~U (B)の定電流素子D (B)~D (B)の制限電流値Ip~Ipは、定電流素子D (A)~D (A)の制限電流値Ip~Ipとそれぞれ等しい。本実施形態の漏液検出装置100では、定電流素子Dは、アノードを向かい合わせて定電流ダイオード11a,11bを逆直列に接続して構成している。定電流素子Dの構成については、後で詳細に説明する。
導電線31、32は、漏液がない場合には非導通で、漏液が発生した際に漏液によって相互に導通するものである。導電線31、32は、例えば、吸湿性の絶縁皮膜等で覆った銅線を撚り合わせたもので構成してもよい。
図1、図2に示すように、幹漏液検知部40は、漏液検知ユニットUの末端側の端部である導電線31,32の末端側の端部31e,32eを漏液検知ユニットUn+1の始端側の端部である始端側端子13,15に順次接続することにより構成されている。そして、幹漏液検知部40の始端41から1番目の漏液検知ユニットUの始端側端子13,15は、幹漏液検知部40の始端41を構成し、幹漏液検知部40の始端41から5番目の漏液検知ユニットU (A)の導電線31,32の末端側の端部31e,32eは幹漏液検知部40の末端42を構成する。幹漏液検知部40の始端41を構成する漏液検知ユニットUの始端側端子13,15は、被覆電線33を介して電源81に接続されている。ここで、被覆電線33は、絶縁被膜で被覆された電線で一対の被覆電線33の間に漏液が接触しても相互に導通しないものである。電源81と漏液検知ユニットUの一方の始端側端子13との間には、電流センサ82が接続されている。また、幹漏液検知部40の末端42は開放されている。このように、幹漏液検知部40は、導電線31の始端側の接続線12の間に定電流素子Dを配置したノードNDを含む漏液検知ユニットUを始端41から末端42に向かって直列に接続したものである。
枝漏液検知部50は、幹漏液検知部40と同様、漏液検知ユニットUを枝始端51から枝末端52に向かって直列に接続したものである。枝漏液検知部50の枝始端51は幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUに接続された分岐線60の末端に接続されている。また、枝漏液検知部50の枝末端52は開放されている。
図1に示すように、各漏液検知ユニットU~U (A),U (B)~U (B)には、それぞれユニット番号Nが付されている。ユニット番号Nは、各漏液検知ユニットU~U (A),U (B)~U (B)に含まれる各定電流素子D~D (A),D (B)~D (B)の制限電流値が大きい順に付されている。
先に説明したように、実施形態の漏液検出装置100では、幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU~U (A)の定電流素子D~D (A)の制限電流値は、Ip>Ip>Ip>Ip>Ip、となっている。また、枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU (B)~U (B)の定電流素子D (B)~D (B)の制限電流値は、幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU (A)~U (A)の定電流素子D (A)~D (A)の制限電流値と同様、Ip>Ip>Ip>Ipとなっている。
従って、定電流素子Dの制限電流値Ipが一番大きいIpの漏液検知ユニットUのユニット番号Nは1、次に制限電流値Ipが大きいIpの漏液検知ユニットUのユニット番号Nは2、三番目に制限電流値Ipが大きいIpの漏液検知ユニットU (A),U (B)のユニット番号Nは3、同様に四番目に制限電流値Ipが大きいIpの漏液検知ユニットU (A),U (B)のユニット番号Nは4、五番目に制限電流値Ipが大きいIpの漏液検知ユニットU (A),U (B)のユニット番号Nは5となる。このように、本実施形態の漏液検出装置100では、幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU (A)~U (A)と、枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU (B)~U (B)には、それぞれ同一のユニット番号Nが付されている。
電源81は、所定の電圧値V0を出力する交流の定電圧電源である。電源81は、例えば、交流100Hz、出力電圧10V程度のものでもよい。電流センサ82は、交流の電流値を検出する交流の電流検出器である。判定部90は、内部にCPU91とメモリ92と、電源81と電流センサ82とが接続される入力インターフェース93と、CPU91の演算結果を出力する出力インターフェース94とを備えるコンピュータである。CPU91と、メモリ92と、入力インターフェース93と、出力インターフェース94とはデータバス95で接続されている。メモリ92には、後で説明する各定電流素子(D~D (A),D (B)~D (B))の各制限電流値(Ip~Ip)が格納されている。電源81は判定部90の指令によって動作する。
<定電流ダイオードの特性>
先に説明したように、図1に示す漏液検出装置100の定電流素子Dは、2つの定電流ダイオード11a,11bを逆直列に接続したものである。以下、図3を参照しながら理想的な定電流ダイオードCRD(Current Regulative Diode)の端子間電圧に対する端子間電流、端子間抵抗の特性について説明する。
定電流ダイオードCRDは、カソード側端子とアノード側端子との間の端子間の電圧値(以下、端子間電圧値という)が変化しても常に端子間に一定の電流を流すことができる半導体素子である。図3に示すように、カソード側端子とアノード側端子との間に正方向の電圧を掛け、端子間電圧値をゼロから上昇させていくと、図2中に実線で示すように、ピンチオフ電圧値Vpに達するまでの間、端子間の電流値(以下、端子間電流値という)は端子間電圧値に比例して上昇していく。ピンチオフ電圧値Vpは、端子間電流値が後で説明する制限電流値(ピンチオフ電流値)Ipとなる電圧値である。端子間電圧値がゼロからピンチオフ電圧値Vpまでの領域を非飽和領域、という。非飽和領域では、図3中に一点鎖線で示すように、端子間抵抗値は小さく、大きさが一定の低抵抗値RLとなっている。
図3中に実線で示すように、端子間電圧値がある電圧値に到達すると端子間電流値は一定の電流値になる。この電流値をピンチオフ電流値Ipという。また、ピンチオフ電流値Ipとなる端子間電圧値をピンチオフ電圧値Vpという。
図3中に実線で示すように、端子間電圧値がピンチオフ電圧値Vpを超えると端子間電流値は一定のピンチオフ電流値Ipに保持される。この領域を飽和領域という。図3中に一点鎖線で示すように、飽和領域では、端子間抵抗値は端子間電圧値に略比例して増加するので、端子間電流値は端子間電圧値が増加しても一定のピンチオフ電流値Ipに保たれる。
また、カソード側端子とアノード側端子との間に負方向の電圧を掛けると、端子間電圧値の絶対値に比例して大きな電流が流れる。
以上説明したように、定電流ダイオードCRDは、正方向に端子間電圧が掛かると端子間電流がピンチオフ電流値Ipに制限され、逆方向に端子間電圧が掛かると、逆方向に電流が流れる特性を持っている。このため、交流電源を用いた回路において、正負両方向に端子間電流値をピンチオフ電流値Ipに制限する定電流素子Dを構成するには、図1に示すように、同一のピンチオフ電流値Ipの定電流ダイオードCRDを逆直列に接続することが必要となる。定電流ダイオードCRDを逆直列に接続した定電流素子Dは、図4に示すように正負両方向の端子間電流値を制限することができる。
<定電流素子の構成>
幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU~U (A)の定電流素子D~D (A)の制限電流値であるピンチオフ電流値Ip~Ipは、図5に示すように、Ip>Ip>Ip>Ip>Ip、となっている。また、枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU (B)~U (B)の定電流素子D (B)~D (B)の制限電流値Ip~Ipは、幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU (A)~U (A)の定電流素子D (A)~D (A)のピンチオフ電流値と同様、Ip>Ip>Ipとなっている。
また、ユニット番号Nが1の漏液検知ユニットUのピンチオフ電流値はIp、ユニット番号Nが2の漏液検知ユニットUのピンチオフ電流値はIp、ユニット番号Nが3の漏液検知ユニットU (A),U (B)のピンチオフ電流値はIp、ユニット番号Nが4の漏液検知ユニットU (A),U (B)のピンチオフ電流値はIp、ユニット番号Nが5の漏液検知ユニットU (A),U (B)のピンチオフ電流値はIp、である。
<漏液検出装置100の動作原理>
次に、図6から図8を参照しながら漏液が発生した際の漏液検出装置100の動作原理について説明する。図6は、漏液検出装置100の漏液判定動作の説明のために、図1に示した系統図の符号を一般化したものである。図6では判定部90の記載は省略している。図6において、幹漏液検知部40は、漏液検知ユニットU~Un+1 (A)を直列に接続したものである。また、枝漏液検知部50は、漏液検知ユニットU (B)~Un+1 (B)を直列に接続したものである。枝漏液検知部50の枝始端51は分岐線60を介して漏液検知ユニットUの漏液検知帯30に接続されている。幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUの末端側に接続されている漏液検知ユニットUの数と、枝漏液検知部50を構成する漏液検知ユニットUの数とは同一で、[(n+1)-2]である。
幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU~Un+1 (A)のピンチオフ電流値はIp~Ipn+1、枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU (B)~Un+1 (B)のピンチオフ電流値はIp~Ipn+1である。そして、幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUの末端側に接続されている漏液検知ユニットU (A)~Un+1 (A)の各ピンチオフ電流値と、これと同じ接続順の枝漏液検知部50の漏液検知ユニットU (B)~Un+1 (B)の各ピンチオフ電流値は、それぞれ同一値Ip,・・・Ip,Ipn+1となっている。
各漏液検知ユニットUには、先に説明したと同様の順番にユニット番号Nが付されている。漏液検知ユニットUのユニット番号Nは1、漏液検知ユニットUのユニット番号Nは2、漏液検知ユニットU (A),U (B)のユニット番号Nは3、漏液検知ユニットU (A),U (B)のユニット番号Nはn、漏液検知ユニットUn+1 (A),Un+1 (B)のユニット番号Nはn+1である。
以下の説明では、図6に示すように、ユニット番号Nがnの枝漏液検知部50の漏液検知ユニットU (B)で漏液が発生したものとして説明する。漏液が発生するまでの間は、幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU~Un+1 (A)(ユニット番号N=1~n+1)の導電線31、32の間、及び枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU (B)~Un+1 (B)(ユニット番号N=3~n+1)の導電線31、32の間は絶縁されているので、電源81と導電線31、32との間には閉回路が形成されず、電流は流れていない。この場合、幹漏液検知部40の始端41を構成する漏液検知ユニットUの始端側端子13、15の間の電圧値(以下、始端電圧値という)は、電源81の出力電圧値であるV0となっている。
図6に示すように、枝漏液検知部50の漏液検知ユニットU (B)(ユニット番号N=n)の導電線31,32の間に漏液によって漏液部分35が形成されると、漏液部分35を介して導電線31、32が導通する。これにより、電源81、幹漏液検知部40の漏液検知ユニットU,U(ユニット番号N=1,2)から枝漏液検知部50の漏液検知ユニットU (B)~U (B)(ユニット番号N=3~n)の定電流素子D,D,D (B)~D (B)と導電線31、漏液部分35、漏液検知ユニットU (B)~U (B),U,U(ユニット番号N=n~1)の接続線12と導電線32、電源81の閉回路が形成され、この閉回路に電流が流れ始める。
この閉回路に流れる電流値は、漏液検知ユニットU,U,U (B)~U (B)(ユニット番号N=1~n)の各定電流素子D,D,D (B)~D (B)の各ピンチオフ電流値Ip,Ip,Ip~Ipの内で一番小さいIpに制限される。漏液部分35の抵抗値をRwとすると、Ipのピンチオフ電流が流れた場合の漏液部分35の電圧降下ΔVwは、下記の式(1)のようになる。
Figure 0007004635000001
また、漏液検知ユニットU,U,U (B)~Un-1 (B)(ユニット番号N=1~n-1)の各定電流素子D,D,D (B)~Dn-1 (B)にもIpのピンチオフ電流が流れる。図7の点Pに示すように、この際の各定電流素子D,D,D (B)~Dn-1 (B)の各端子間電圧値はVp~Vpn-1よりも低い電圧値となっているので、各定電流素子D,D,D (B)~Dn-1 (B)は、端子間電流値と端子間電圧値とが比例関係にある非飽和領域で動作している。非飽和領域では、各定電流素子D,D,D (B)~Dn-1 (B)の抵抗値は大きさが一定の低抵抗値RL,RL,RL~RLn-1となっている。このため、漏液検知ユニットU,U,U (B)~Un-1 (B)(ユニット番号N=1~n-1)の定電流素子D,D,D (B)~Dn-1 (B)の電圧降下ΔV1は、下記の式(2)のようになる。
Figure 0007004635000002
漏液検知ユニットU,U,U (B)~Un-1 (B)の各ユニット番号は、それぞれ、1,2,3・・・n-1であるから、式(2)をユニット番号Nを用いて表すと下記の式(3)となる。
Figure 0007004635000003
図7に示すように、ユニット番号N=nの漏液検知ユニットU (B)の定電流素子D (B)は、端子間電流値をピンチオフ電流値Ipに制限する飽和領域にある点Qで動作している。この飽和領域では、定電流素子D (B)の抵抗値は、端子間電圧値によって変化するRH(V)となっている。漏液検知ユニットUの始端側端子13、15には、定電圧源である電源81により電圧値V0の一定の始端電圧が印加されているので、漏液検知ユニットU (B)の定電流素子D (B)は、端子間電圧値ΔVが(V0-ΔV1-ΔVw)となるように抵抗値RHが変化して端子間電流値をIpに保持する。
Figure 0007004635000004
であるから、RHは、
Figure 0007004635000005
となる。
この結果、図8に示すように、始端電圧の電圧値V0は、漏液検知ユニットU,U,U (B)~Un-1 (B)(ユニット番号N=1~n-1)の間の電圧降下ΔV1と、漏液検知ユニットU (B)(ユニット番号N=n)の端子間電圧値ΔVと、漏液部分35の電圧降下ΔVwのように分圧され、閉回路に流れる電流値は、一定のIpとなる。
本実施形態の漏液検出装置100では、幹漏液検知部40の漏液検知ユニットU (A)の定電流素子D (A)のピンチオフ電流値Ipと漏液の発生した枝漏液検知部50の漏液検知ユニットU (B)の定電流素子D (B)のピンチオフ電流値Ipとは同一であるから、電流センサ82で検出した電流値がIpの場合、幹漏液検知部40の漏液検知ユニットU (A)と枝漏液検知部50の漏液検知ユニットU (B)のどちらで漏液が発生したかを特定することはできないが、この2つの漏液検知ユニットU (A),U (B)に共通のユニット番号N=nを用いて漏液の発生したユニット番号Nを特定することができる。
なお、漏液検知ユニットU、Uでは1つのユニット番号Nが1つの漏液検知ユニットUに付されているので、電流センサ82で検出した入力電流値に基づいて漏液の発生した漏液検知ユニットUを特定することができる。
<漏液検出装置100の動作>
次に図9から図15を参照して漏液検出装置100の動作について説明する。漏液検出装置100は、図9のステップS101から104に示す漏液検知動作の後、図9のステップS105、S106に示す定電流素子Dの飽和判定動作を行い、定電流素子Dが飽和となっている場合に図9のステップS107で漏液の発生した漏液検知ユニットUの特定動作を行う。先に説明したように、漏液検出装置100は、ユニット番号N=nの漏液検知ユニットUの定電流素子Dが飽和領域で動作した際のピンチオフ電流値Ipに基づいて漏液の発生したユニット番号Nを特定するものである。しかし、漏液が発生しても通電電流値は一気にピンチオフ電流値Ipに上昇するのではなく、ゼロからピンチオフ電流値Ipまでゆっくりと上昇していく。この際、通電電流値はIpよりも小さいIpn+1、Ipn+2・・・を通過してくる。このため、飽和の判定を行わずに漏液箇所の特定を行うと、実際に漏液の発生したユニット番号N=nの漏液検知ユニットUよりも末端側の漏液検知ユニットUn+1、Un+2(ユニット番号N=n+1,n+2)を含むユニット番号Nを漏液の発生したユニット番号Nとして誤特定してしまう場合がある。そこで、漏液検出装置100では、定電流素子Dの飽和判定動作を行い、定電流素子Dが飽和となっている場合に漏液の発生したユニット番号Nの特定が可能と判定してユニット番号Nの特定動作を行う。以下、各動作の詳細について説明する。
先に説明したように、漏液が発生するまでの間は、幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU~Un+1 (A)(ユニット番号N=1~n+1)の導電線31、32の間、及び枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU (B)~Un+1 (B)(ユニット番号N=3~n+1)の導電線31、32の間は絶縁されているので、電源81と導電線31、32との間には閉回路が形成されず、電流は流れていない。このため、導電線31,32の間の電圧値は、電源81の出力電圧値であるV0となっている。図10に示すように、漏液が発生する時刻t1以前の電流センサ82の検出する通電電流値はゼロ、始端電圧値は電源81の電圧値であるV0となっている。
図9のステップS101に示すように、判定部90は、電流センサ82で幹漏液検知部40の始端41の入力電流値を検出し、図9のステップS102に進んで検出した入力電流値と所定値Ipとを比較し、入力電流値が所定値Ip以上かどうか判断する。ここで、所定値Ipは、漏液が発生しているかどうかを判定する閾値である。所定値Ipは、ピンチオフ電流値が最小となる末端のユニット番号N=n+1の漏液検知ユニットUn+1 (A),Un+1 (B)の定電流素子Dn+1 (A),Dn+1 (B)のピンチオフ電流値Ipn+1よりも小さく、ゼロよりも大きい値であればよく、例えば、所定値IpはIpn+1の半分の電流値としてもよい。図10に示す時刻ゼロでは、電流は流れていないので、判定部90は、ステップS102でNOと判断して図9のステップS103で漏液未検出として図9のステップS101に戻り、幹漏液検知部40の始端41の入力電流値の監視を継続する。
図10に示す時刻t1に漏液が発生すると、漏液が導電線31,32の吸湿性の絶縁皮膜の中に浸み込んでくる。これにより、ユニット番号N=nの漏液検知ユニットU (B)の導電線31,32の間が導通し、電流センサ82で検出する幹漏液検知部40の始端41の入力電流値が上昇する。漏液の導電線31,32への浸み込みはゆっくりと進むので、最初は導通抵抗が大きく、漏液検知ユニットUの導電線31,32の間の通電電流値は非常に小さい値となる。このため、図10の時刻t2までの間は、電流センサ82で検出する幹漏液検知部40の始端41の入力電流値は所定値Ip以上とならず、判定部90は、ステップS102でNOと判断し、図9のステップS101からS103を繰り返して実行している。
図10の時刻t1からt2の間、漏液の導電線31,32への浸み込み量が増加するにつれて導電線31,32の間の通電抵抗が小さくなり、導電線31,32の間の通電電流値が次第に大きくなってくる。そして、図10の時刻t2に電流センサ82で検出した通電電流値が所定値Ipに達すると、判定部90は、図9のステップS102でYESと判断して図9のステップS104に進み、漏液を検知する。そして、判定部90は、図9のステップS105に進み、漏液検知ユニットUの定電流素子Dが飽和になっているかどうかの判定動作を行う。
以下、判定部90が図10の時刻t3に定電流素子Dの飽和判定動作を行う場合について説明する。図10に示す時刻t3では、漏液によって漏液検知ユニットUの導電線31,32の間に形成された漏液部分35の抵抗値Rwは、まだ非常に大きく、式(1)で計算される漏液部分35の電圧降下ΔVwが非常に大きい。このため、図12の電圧分布に示すように、漏液検知ユニットUの定電流素子Dの端子間電圧はピンチオフ電圧値Vpに達せず定電流素子Dは非飽和状態となっており、抵抗値は大きさが一定の低抵抗値RLとなっている。ピンチオフ電圧値がVpよりも大きい漏液検知ユニットU,U,U (B)~Un-1 (B)(ユニット番号N=1~n-1)の定電流素子D,D,D (B)~Dn-1 (B)も同様に非飽和状態で、その抵抗値は大きさが一定の低抵抗値RLとなっている。
従って、図10に示す時刻t3では、図11に示す漏液部分35によって形成される閉回路は下記の式(6)に示す抵抗値を持つものとなる。
Figure 0007004635000006
始端電圧値をV0とすると、定電流素子D,D,D (B)~D (B)、漏液部分35に流れる電流値は下記の式(7)に示すようになる。
Figure 0007004635000007
この際、定電流素子D,D,D (B)~D (B)は、図13に示す点Rで動作しており、幹漏液検知部40の始端41の電圧電流特性は図13の実線aに示すようになる。従って、幹漏液検知部40の始端41への印加電圧を変化させると、始端41の入力電流値は図13の実線a沿って変化する。つまり、漏液検知ユニットU,U,U (B)~U (B)(ユニット番号N=1~n)の定電流素子D,D,D (B)~D (B)が全て非飽和状態の場合には、幹漏液検知部40の始端41への印加電圧を変化させると始端41の入力電流値は変化する。一方、いずれか一つの漏液検知ユニットUの定電流素子Dが飽和状態になると、定電流素子Dが図7に示すQ点で動作して通電電流値をIpに制限するので幹漏液検知部40の始端41への印加電圧を変化させても始端41の入力電流値は変化しなくなる。
従って、全ての定電流素子Dが非飽和状態の場合には、図14に示すように、印加電圧をΔVだけ変化させると通電電流値の変化量ΔIが、ある大きさの値となる。一方、いずれか一つの定電流素子Dが飽和状態の場合には、図15に示すように、幹漏液検知部40への印加電圧をΔVだけ変化させても通電電流値の変化量ΔIはゼロとなる。
そこで、判定部90は、電源81の出力電圧を変化させて幹漏液検知部40の始端41への印加電圧をΔVだけ変化させ、電流センサ82によってその際の幹漏液検知部40の始端41の入力電流値を検出し、入力電流値の変化量ΔIに基づいて、いずれか一つの定電流素子Dが飽和状態になっているかどうかを判定する。
判定部90は、電源81の出力電圧を変化させて幹漏液検知部40の始端41への印加電圧をΔVだけ変化させた際の入力電流値の変化量ΔIの絶対値が第1閾値未満の場合にいずれか一つの定電流素子Dが飽和状態にあると判定し、第1閾値以上の場合には全ての定電流素子Dが非飽和状態と判定する。第1の閾値は、例えば、ユニット番号Nがnの漏液検知ユニットUのピンチオフ電流値Ipの5~10%程度としてもよいし、ピンチオフ電流値Ipが最小となる末端のユニット番号N=n+1の漏液検知ユニットUn+1 (A),Un+1 (B)の定電流素子Dn+1 (A),Dn+1 (B)のピンチオフ電流値Ipn+1の10%程度としてもよい。
また、判定部90は、幹漏液検知部40の始端41への印加電圧の変化量ΔVと、始端41の入力電流値の変化量ΔIに基づいて、幹漏液検知部40の始端41の電圧電流特性の傾き=ΔI/ΔVを計算し、この傾きが第2閾値未満の場合にいずれか一つの定電流素子Dが飽和状態にあると判定し、第2閾値以上の場合には全ての定電流素子Dが非飽和状態と判定してもよい。
また、判定部90は、ΔI/ΔVに代えて、逆数のΔV/ΔIを算出して定電流素子Dの飽和の判定を行ってもよい。
図10の時刻t3では、幹漏液検知部40の始端41の電圧電流特性は、図13に示す実線aの状態であり、幹漏液検知部40の始端41への印加電圧を変化させると始端41の入力電流値が変化する。従って、図3の時刻t3では、判定部90は、図9のステップS106でNOと判断してステップS109に進み、漏液箇所判定中として図9のステップS101に戻って電流センサ82によって幹漏液検知部40の始端41の入力電流値の監視を続ける。
時間が経過すると、漏液の導電線31,32への浸み込み量が増加し、導電線31,32の間の通電抵抗が小さくなってくる。すると、図12に示す漏液部分35の電圧降下ΔVwが次第に小さくなり、ユニット番号Nがnの漏液検知ユニットUの定電流素子Dの端子間電圧ΔVnが次第に大きくなってくる。そして、定電流素子Dの端子間電圧ΔVnがピンチオフ電圧値Vpに達すると、定電流素子Dは飽和状態となり、通電電流値はピンチオフ電流値Ipに制限される。定電流素子Dが飽和状態となった以降、導電線31,32の間の通電抵抗が更に小さくなっても、定電流素子Dの抵抗値RHが変化して通電電流値はIpに保持される。そして、図10の時刻t4以降は、図6から図8に示す状態となり、定電流素子Dは、図7に示すQ点で動作し、漏液検知ユニットU,U,U (B)~Un-1 (B)(ユニット番号N=1~n-1)の定電流素子D,D,D (B)~Dn-1 (B)は、図7に示す点Pで動作する。
したがって、図10に示す時刻t2からt4までの間は、判定部90は、図9のステップS106でNOと判断して図9のステップS101、S102、S104~S106、S109を繰り返し実行する。そして、判定部90は、図10の時刻t4において図9のステップS106でYESと判断し、漏液の発生したユニット番号Nの特定が可能と判定して図9のステップS107に進み、漏液の発生した漏液検知ユニットUのユニット番号Nを特定する。
図9のステップS107において、判定部90は電流センサ82によって取得した幹漏液検知部40の始端41の入力電流値とメモリ92に格納している各ユニット番号Nが付されている各漏液検知ユニットUの各定電流素子Dの各ピンチオフ電流値Ip,Ip,Ip~Ipn+1とを比較し、入力電流値といずれかのユニット番号Nの定電流素子Dのピンチオフ電流値Ipとの差が±ΔIsとなっているかどうかを判断する。ΔIsは、所定の範囲であり、例えば、ユニット番号Nがnの漏液検知ユニットUのピンチオフ電流値Ipの5~10%程度としてもよいし、ピンチオフ電流値Ipが最小となる末端のユニット番号N=n+1の漏液検知ユニットUn+1 (A),Un+1 (B)の定電流素子Dn+1 (A),Dn+1 (B)のピンチオフ電流値Ipn+1の10%程度としてもよい。
そして、判定部90は、電流センサ82で検出した幹漏液検知部40の始端41の入力電流値との差が±ΔIsの範囲にあるピンチオフ電流値Ipを含む漏液検知ユニットUが含まれているユニット番号Nを漏液の発生したユニット番号Nと特定する。
判定部90は、図9に示すステップS108に進んで、出力インターフェース94を介して漏液発生信号と漏液箇所信号とを外部に出力する。出力インターフェース94を介して接続された表示装置(図示せず)には、「漏液発生、漏液箇所:ユニット番号3」のように表示される。また、出力インターフェース94を介して接続された漏液警告ランプ(図示せず)が点灯される。
以上説明したように、実施形態の漏液検出装置100は、それぞれが漏液検知ユニットUを有する幹漏液検知部40と枝漏液検知部50の各漏液検知ユニットUに定電流素子Dのピンチオフ電流値Ipが大きい順にユニット番号Nを付し、共通の電源81で幹漏液検知部40の始端41に電圧を印加し、共通の判定部90で電流センサ82で検出した入力電流値と所定の閾値とを比較することで、漏液の発生した漏液検知ユニットUのユニット番号Nを特定できるので、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
<第2実施形態の漏液検出装置200>
次に図16を参照しながら第2実施形態の漏液検出装置200について説明する。先に図1から図15を参照して説明した実施形態の漏液検出装置100と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。
漏液検出装置200は、図1を参照して説明した漏液検出装置100の幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU (A),U (A)と枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU (B),U (B)の各定電流素子D (A),D (B)とD (A),D (B)のピンチオフ電流値をIp,Ipとしたものである。ユニット番号Nは、漏液検知ユニットU,U,Uの順に1-3が付され、漏液検知ユニットU (A),U (B)のユニット番号Nは4、漏液検知ユニットU (A),U (B)のユニット番号Nは5、漏液検知ユニットUのユニット番号Nは6となっている。漏液検出装置200の動作は先に説明した漏液検出装置100の動作と同様である。
漏液検出装置200の漏液検知ユニットU,U,Uでは1つのユニット番号Nが1つの漏液検知ユニットUに付されており、電流センサ82で検出した幹漏液検知部40の始端41の入力電流値と所定の閾値とを比較することにより漏液の発生した漏液検知ユニットUを特定することができる範囲が先に説明した漏液検出装置100よりも広くなっている。
<第3実施形態の漏液検出装置300>
次に、図17を参照しながら第3実施形態の漏液検出装置300について説明する。先に図1から図15を参照して説明した実施形態の漏液検出装置100と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。
図17に示す漏液検出装置300は、幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU~U、及び枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU~Uの各定電流素子D~Dの各ピンチオフ電流値Ip~Ipが全て異なっているものである。先に説明した漏液検出装置100と同様、幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU~Uの各定電流素子D~Dの各ピンチオフ電流値Ip~Ipは、始端41から末端42に向かう接続順に従って小さくなっており、Ip>Ip>Ip>Ip>Ipとなっている。また、枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU~Uの各定電流素子D~Dの各ピンチオフ電流値Ip~Ipは、枝始端51から枝末端52に向かう接続順に従って小さくなっており、Ip>Ip>Ipとなっている。ここで、Ip>Ipとなっているので、各ピンチオフ電流値Ip~Ipは、全て異なり、Ip>Ip>Ip>Ip>Ip>Ip>Ip>Ipとなっている。
ユニット番号Nは、定電流素子Dのピンチオフ電流値Ipの大きい順に付されるから、漏液検知ユニットU~Uのユニット番号Nは1~8で、1つの各ユニット番号Nが1つの漏液検知ユニットUに対応している。
上記のように構成されているので、図9から図15を参照して説明したと同様の動作により漏液の発生したユニット番号Nを特定することにより漏液発生箇所を含む漏液検知ユニットUを特定することができる。
以上の説明では、Ip>Ipとして説明したが、Ip>Ip>Ip>Ip>Ip、Ip>Ip>Ip>Ipの2つの条件を満たせばこれに限らない。例えば、幹漏液検知部40に含まれる漏液検知ユニットU~Uと、枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU~Uを入れ替えてもよい。入れ替え後、漏液検知ユニットU ~U (入れ替え前のU~U)と、枝漏液検知部50に含まれる漏液検知ユニットU ~U (入れ替え前のU~U)の各ピンチオフ電流値Ip~Ipは全て異なる。この場合、ユニット番号Nは各ピンチオフ電流値の大きい順に、漏液検知ユニットU、U、U 、U 、U 、U 、U 、U の順に付される。
このように、本実施形態の漏液検出装置300は、各漏液検知ユニットU~Uの各定電流素子D~Dの各ピンチオフ電流値Ip~Ipが全て異なっているので、電流センサ82で検出した幹漏液検知部40の始端41の入力電流値と所定の閾値とを比較することにより漏液発生箇所を含む漏液検知ユニットUを特定することができる。
<第4実施形態の漏液検出装置400>
図18に示す第4実施形態の漏液検出装置400は、定電流素子Dのピンチオフ電流値IpをIp>Ip>Ip>Ip>Ip>Ip>Ip>Ipとしたものである。幹漏液検知部40の漏液検知ユニットU,U,Uと枝漏液検知部50の漏液検知ユニットU,U,Uのユニット番号Nは、幹漏液検知部40と枝漏液検知部50の間で交互に付される。本実施形態の漏液検出装置400は、漏液検出装置300と同様、各漏液検知ユニットU~Uの各定電流素子D~Dの各ピンチオフ電流値Ip~Ipが全て異なっているので、電流センサ82で検出した幹漏液検知部40の始端41の入力電流値と所定の閾値とを比較することにより漏液の発生した漏液検知ユニットUを特定することができる。
<第5実施形態の漏液検出装置500>
次に図19を参照して第5実施形態の漏液検出装置500について説明する。先に図1から15を参照して説明した漏液検出装置100と同様の部位には同様の符号を付して説明は省略する。
図19に示すように、漏液検出装置500は、枝漏液検知部50の枝始端51と幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUとの接続点65と、接続点65の末端側に接続された幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUとの間に設けられた幹スイッチ45と、接続点65と枝漏液検知部50の枝始端51との間に設けられた枝スイッチ55と、を有している。幹スイッチ45と枝スイッチ55とは判定部90に接続され、判定部90の指令によりオン/オフする。
先に、説明した漏液検出装置100の漏液の発生したユニット番号Nの特定動作では、漏液の発生したユニット番号Nの特定を行うことはできるが、特定のユニット番号Nが付されている幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUで漏液が発生しているのか、枝漏液検知部50の漏液検知ユニットUで漏液が発生しているのかを区別することはできない。
そこで、漏液検出装置500では、通常は幹スイッチ45、枝スイッチ55をオンとしておき、図9に示すステップS102でYESと判断してステップS104で漏液を検知した場合に、判定部90が、幹スイッチ45と枝スイッチ55とを切換えることにより、漏液の発生箇所が幹漏液検知部40に位置するのか、枝漏液検知部50に位置するのかを判定する。
判定部90は、幹スイッチ45をオン、枝スイッチ55をオフとした場合に電流センサ82で検出した入力電流値が図9に示すステップS102でYESと判断した場合には、漏液は、幹漏液検知部40で発生していると判定する。そして、漏液検出装置100と同様の動作により図9のステップS105からS107を実行することで、判定部90が漏液の発生しているユニット番号Nを特定した場合、漏液の発生している漏液検知ユニットUを特定することができる。
また、判定部90は、幹スイッチ45をオフ、枝スイッチ55をオンとした場合に電流センサ82で検出した入力電流値が図9に示すステップS102でYESと判断した場合には、漏液は接続点65より始端側の幹漏液検知部40または枝漏液検知部50で発生していると判定する。そして、漏液検出装置100と同様の動作により図9のステップS105からS107を実行することで、判定部90が漏液の発生しているユニット番号Nを特定した場合、漏液の発生している漏液検知ユニットUを特定することができる。
このように判定部90が、幹スイッチ45と枝スイッチ55とを切換えることにより、幹漏液検知部40または枝漏液検知部50で、漏液の発生している漏液検知ユニットUを特定することができる。
<第6実施形態の漏液検出装置600>
次に図20を参照しながら第6実施形態の漏液検出装置600について説明する。先に図1~15を参照して説明した漏液検出装置100と同様の部位には同様の符号を付して説明は省略する。図20に示すように、漏液検出装置600では、漏液検知帯30が、一対の被覆電線33で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含んでいる。
図20に示す漏液検知ユニットUのノードNDの一対の末端側端子14,16には、漏液検知帯30を構成する一対の導電線31,32が接続され、一対の導電線31,32の末端に非検知領域を構成する一対の被覆電線33が接続されている。そして、一対の被覆電線33の末端は漏液検知ユニットUのノードNDの一対の始端側端子13,15に接続されている。
また、漏液検知ユニットUのノードNDの一対の末端側端子14,16には、一対の被覆電線33が接続され、一対の被覆電線33の末端には一対の導電線31,32が接続されている。つまり、ノードNDの一対の末端側端子14,16には、一対の導電線31,32が一対の被覆電線33を介してそれぞれ接続されている。また、漏液検知ユニットUのノードNDと漏液検知ユニットUのノードNDとの間は、始端側と末端側に一対の被覆電線で構成された非検出領域を含む漏液検知帯30で接続されている。また、漏液検知ユニットUのノードNDの末端側端子14,16には、中間に一対の被覆電線で構成された非検出領域を含む漏液検知帯30が接続されている。
また、図20に示すように、漏液検出装置600では、分岐線60が被覆電線33で構成されている。また、図20(a)に示すように、分岐線60の一部を一対の導電線31,32で構成し、他の部分を一対の被覆電線33で構成してもよい。
このように、漏液の監視が不要な漏液検知帯30の一部あるいは分岐線60の一部または全部を安価な被覆電線で構成することにより、導電線31,32,61,62の長さを短くしてコストダウンを図ることができる。
<第7実施形態の漏液検出装置700>
次に図21~23を参照しながら第7実施形態の漏液検出装置700について説明する。図21に示すように、漏液検出装置700の漏液検知部140は、5つの漏液検知ユニットU~Uを直列接続したもので、漏液検知ユニットUと漏液検知ユニットUとの間に直列に中継器70が接続されたものである。
図22に示すように、中継器70は、入力端子71,72と出力端子73,74とを有する4端子回路であり、出力端子73,74の電圧値Voutを入力端子71,72の電圧値Vinの所定の倍率aとすると共に、入力端子71,72の電流値Iinと出力端子73,74の電流値Ioutとを同一に保持するものである。
図21に示すように、中継器70の入力端子71,72は、漏液検知ユニットUの漏液検知帯30の末端に接続され、出力端子73,74は漏液検知ユニットUの始端側端子13,15に接続されている。従って、中継器70は、入力端子71,72に接続された漏液検知ユニットUの末端の電圧値を所定の倍率aの電圧値として出力端子73,74に接続された漏液検知ユニットUに出力し、漏液検知ユニットU,Uに流れる電流値を一定電流値に保持する。
中継器70は上記のような機能を有するものであれば、どのような電気回路のものでもよいが、一例を示すと、図23に示すように、複数のオペアンプ76と、計装アンプ75と抵抗78を組み合わせて電圧増幅回部70Aとミラー回路70Bとを実現したものでもよい。
先に説明した漏液検出装置100と同様、漏液検知ユニットU~Uの各定電流素子D~Dの各ピンチオフ電流値Ip~Ipは、Ip>・・・>Ipとなっている。全ての漏液検知ユニットU~Uで漏液検知を行うためには、始端41に印加する電圧値V0は、一番大きいピンチオフ電圧値Vp以上とする必要がある。このため、漏液検知ユニットUを多数接続すると始端41に印加する電圧値を高くする必要がある。しかし、始端41に印加する電圧値V0は低い方が各機器の設計上有利である。本実施形態の漏液検出装置700のように漏液検知部140の中間に中継器70を挟み込むと、中継器70の始端側の漏液検知ユニットUの末端の電圧値に所定の倍率aを掛けた電圧値が中継器70の末端側の漏液検知ユニットUに印加される。このため、始端41に接続される漏液検知ユニットUに印加する電圧値V0をあまり高くせずに、全ての漏液検知ユニットUを導通させることができる。
また、中継器70は、入力端子71,72の電流値Iinと出力端子73,74の電流値Ioutとを同一に保持するので、中継器70を介して直列に接続された漏液検知ユニットUに流れる電流値を電流センサ82によって検出することができる。このため、漏液検出装置100と同様の判定動作によって漏液の判定を行うことができる。
以上説明したように、漏液検出装置700は、中継器70を設けたことにより、漏液検知部140に接続できる漏液検知ユニットUの数を多くすることができる。これにより、長い漏液検知部140を構成し、より広範囲で漏液の検出を行うことができる。また、長さの短い漏液検知ユニットUを多く接続して漏液検知部140を構成し、特定できる漏液範囲を狭くして、より狭い範囲毎に漏液の監視を行うことができる。
<第8実施形態の漏液検出装置800>
次に図24を参照しながら第8実施形態の漏液検出装置800について説明する。先に図1~15を参照して説明した漏液検出装置100と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。
図24に示すように、漏液検出装置800は、幹漏液検知部40の漏液検知ユニットUに分岐線60が接続されているのみで、分岐線60の末端に枝漏液検知部50が接続されていないものである。分岐線60は、図24(a)に示すように、一対の導電線31,32で構成され、導電線31,32の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む分岐検知帯66としてもよいし、図24(b)に示すように、一部を一対の被覆電線33で構成される非検知領域を含むものとしてもよい。
漏液検知ユニットUは、ノードNDとノードNDとを接続する漏液検知帯30と、漏液検知帯30から分岐した分岐検知帯66のいずれかで漏液が発生した場合に電流が流れ、分岐線60での漏液の発生を検出することができる。
この構成により、1つの漏液検知ユニットUで短い配管の分岐部などの漏液の検出を行うことができ、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
<第9実施形態の漏液検出装置900>
次に図25を参照しながら、第9実施形態の漏液検出装置900について説明する。漏液検出装置900は、今まで説明した各実施形態の漏液検出装置100,200,300,400,500,600,700,800の各部を配管装置20の形状に合わせて組み合わせたものである。配管装置20は、幹管21と短い分岐管22と長い分岐管23とで構成とされている。
図25に示す漏液検出装置900の漏液検知ユニットUは、図24を参照して説明した漏液検出装置800の様に分岐管22の漏液の検出を行うことができる分岐検知帯66を有する漏液検知ユニットである。漏液検知ユニットUのユニット番号Nは1である。
漏液検知ユニットUは、図1を参照して説明した漏液検出装置100の様に、漏液検知ユニットU,Uを直列に接続した枝漏液検知部50が接続されている漏液検知ユニットである。漏液検知ユニットUは、長い分岐管23の漏液を検出する。また、漏液検知ユニットUは、図20を参照して説明した漏液検出装置600の様に、漏液検知帯30が一部に被覆電線33で構成した非検知領域を含むものである。
このように、今まで説明した各実施形態の漏液検出装置100,200,300,400,500,600,700,800の各部を配管装置20の形状に合わせて組み合わせることにより、簡便な構成で分岐等を含む複雑な形状の対象物の漏液監視を行うことが可能となる。
<定電流素子のバリエーション>
図26を参照しながら定電流素子Dのバリエーションについて説明する。図1~15を参照して説明した漏液検出装置100では、図2を参照して説明したように、ノードNDの定電流素子Dは、アノードを向かい合わせてピンチオフ電流値Ipが同一の定電流ダイオード11a、11bを逆直列に接続したものとして説明したが、定電流素子Dの構成はこれに限らず、図26(a)に示すように、定電流ダイオード11a,11bの接続方向を図2に示す状態と反対にカソードを向かい合わせて逆直列に接続してもよいし、図26(b)に示すように、図2に示す側と反対側の接続線12に配置するようにしてもよい。また、図26(c)、図26(d)に示すように、2本の接続線12にそれぞれ1つずつ定電流ダイオード11a,11bを同一方向に配置し、漏液が発生した際の電流の流れに対して2つの定電流ダイオード11a,11bが逆直列となるようにしてもよい。更に、図26(e)に示すように、どちらか一方の接続線12にのみ定電流ダイオード11aを介在して配置してもよい。この場合、電源81は、直流定電圧電源を用いて構成してもよい。更に、図26(f)に示すように、定電流ダイオード11a,11bを用いず、図4に示すような電圧電流特性を有する電気回路をIC等で構成した定電流素子回路18を用いてもよい。
このように、検出対象の液体に応じてノードNの定電流素子Dの配置を様々に変更することにより、検出対象の液体に応じた漏液検出を行うことができる。
11a,11b 定電流ダイオード、12 接続線、13,15 始端側端子、14,16 末端側端子、18 定電流素子回路、20 配管装置、21 幹管,22,23 分岐管、30 漏液検知帯、31,32,61,62 導電線、31e,32e 端部、33 被覆電線、35 漏液部分、40 幹漏液検知部,41 始端、42 末端,45 幹スイッチ、50 枝漏液検知部、51 枝始端、52 枝末端、55 枝スイッチ、60 分岐線、63,64,65 接続点、66 分岐検知帯、70 中継器、70A 電圧増幅部、70B ミラー回路、71、72 入力端子、73,74 出力端子、75 計装アンプ、76 オペアンプ、78 抵抗、81 電源、82 電流センサ、90 判定部、91 CPU、92 メモリ、93 入力インターフェース、94 出力インターフェース、95 データバス、100,200,300,400,500,600,700,800,900 漏液検出装置、140 漏液検知部、CRD 定電流ダイオード、D,D-D,D 定電流素子、Ip~Ip,Ip ピンチオフ電流値(制限電流値)、Ip 所定値、N 検知ユニット番号、ND,ND~ND,ND (A)~ND (A),ND (B)~ND (B),ND (A),ND (B) ノード、P,Q,R 点、RH,Rw 抵抗値、RL~RL 低抵抗値、U~U,U (A)~U (A),U (B)~U (B),U (A),U (B) 漏液検知ユニット、Vp~Vp,Vp ピンチオフ電圧値。

Claims (27)

  1. 一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて前記漏液検知帯の通電電流値を制限電流値に制限する定電流素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した幹漏液検知部と、
    前記漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した枝漏液検知部と、
    前記幹漏液検知部の始端に接続される電源と、
    前記幹漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部の検出した入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットを判定する判定部と、を備え、
    前記枝漏液検知部の枝始端は、前記幹漏液検知部のいずれか1つ又は複数の前記漏液検知ユニットに接続され、
    前記幹漏液検知部に含まれる各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値はそれぞれ異なっており、
    前記枝漏液検知部に含まれる各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値はそれぞれ異なっていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  2. 請求項1に記載の漏液検出装置であって、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードは、
    一対の始端側端子と、
    一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、
    始端側端子と末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、
    前記定電流素子は、いずれか一方または両方の接続線に介在して配置されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  3. 請求項1または2に記載の漏液検出装置であって、
    前記幹漏液検知部に含まれる各前記漏液検知ユニットの前記定電流素子の制限電流値は、前記電源に接続される前記始端から末端に向かう接続順に従って小さくなり、
    前記枝漏液検知部に含まれる各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値は、前記幹漏液検知部に接続される前記枝始端から枝末端に向かう接続順に従って小さくなること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記幹漏液検知部と前記枝漏液検知部とに含まれる各前記漏液検知ユニットは、各前記定電流素子の制限電流値が大きい順にユニット番号が付されており、
    前記判定部は、前記電流検出部で検出した入力電流値と所定の閾値とを比較することで、少なくとも1つのユニット番号の前記漏液検知ユニットで漏液が発生したことを判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  5. 請求項4に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、漏液検知と判定した場合に、前記電源の出力電圧を変化させて前記電流検出部で前記幹漏液検知部の前記始端の入力電流値の変化量を検出し、
    入力電流値の変化量に基づいて、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットのユニット番号の特定が可能か判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  6. 請求項5に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、入力電流値の変化量の絶対値が所定の第1閾値未満の場合に、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットのユニット番号の特定が可能と判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  7. 請求項5に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、
    前記電源の出力電圧の変化量と前記電流検出部で検出した入力電流値の変化量とに基づいて前記幹漏液検知部の前記始端の電圧電流特性の傾きを算出し、
    前記傾きが所定の第2閾値未満の場合に、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットのユニット番号の特定が可能と判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  8. 請求項5から7のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、
    前記電流検出部で検出した入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットのユニット番号の特定が可能と判定した場合に、
    前記電流検出部で検出した入力電流値と所定の閾値とを比較することで、漏液の発生した漏液検出ユニットのユニット番号を特定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  9. 請求項8に記載の漏液検出装置であって、
    前記幹漏液検知部と前記枝漏液検知部とに含まれる各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値が全て異なっており、制限電流値が大きい順にユニット番号が付されており、
    前記判定部は、漏液の発生した前記漏液検知ユニットを特定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  10. 請求項1から8のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記枝漏液検知部の前記枝始端と前記幹漏液検知部の一の前記漏液検知ユニットとの接続点と前記接続点の末端側に接続された前記幹漏液検知部の他の前記漏液検知ユニットとの間に設けられた幹スイッチと、
    前記接続点と前記枝漏液検知部の前記枝始端との間に設けられた枝スイッチと、
    を有することを特徴とする漏液検出装置。
  11. 請求項10に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、
    前記幹スイッチと前記枝スイッチとを切換えることにより、漏液の発生箇所が前記幹漏液検知部に位置するのか、前記枝漏液検知部に位置するのかを判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードは、
    一対の始端側端子と、
    一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続される一対の末端側端子と、
    始端側端子と末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、
    前記定電流素子は、いずれか一方または両方の接続線に介在して配置されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記枝漏液検知部の前記枝始端は、一対の分岐線を介して前記幹漏液検知部の前記漏液検知ユニットに接続され、
    一対の前記分岐線は、その間に漏液が接触すると電流が流れる一対の前記導電線で構成されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  14. 請求項1から12のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記枝漏液検知部の前記枝始端は、一対の分岐線を介して前記幹漏液検知部の前記漏液検知ユニットに接続され、
    一対の前記分岐線は、その間に漏液が接触しても電流が流れない一対の被覆電線で構成されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  15. 請求項1から12のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記枝漏液検知部の前記枝始端は、一対の分岐線を介して前記幹漏液検知部の前記漏液検知ユニットに接続され、
    一対の前記分岐線の一部がその間に漏液が接触すると電流が流れる一対の前記導電線で構成され、他の部分がその間に漏液が接触しても電流が流れない一対の被覆電線で構成されていること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  16. 請求項1から15のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記幹漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間、又は、前記枝漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間に介在して配置される中継器を含み、
    前記中継器は、出力端子の電圧値を入力端子の電圧値の所定の倍率とすると共に、入力端子の電流値と出力端子の電流値とを同一に保持すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  17. 一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて前記漏液検知帯の通電電流値を制限電流値に制限する定電流素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した漏液検知部と、
    前記漏液検知部の始端に接続される電源と、
    前記漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部の検出した入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットを判定する判定部と、を備え、
    各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値はそれぞれ異なっており、
    前記判定部は、前記電流検出部の検出した入力電流値と前記定電流素子の制限電流値とを比較して漏液の発生した前記漏液検知ユニットを特定する漏液検出装置であって、
    いずれか1つ又は複数の前記漏液検知ユニットは、一対の前記導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む分岐検知帯を含み、
    前記分岐検知帯は、前記漏液検知帯または前記ノードに接続されており、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードは、
    一対の始端側端子と、
    一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、
    前記始端側端子と前記末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、
    前記定電流素子は、いずれか一方または両方の前記接続線に介在して配置され、
    各前記漏液検知ユニットの前記定電流素子の制限電流値は、前記電源に接続される前記始端から末端に向かう接続順に従って小さくなること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  18. 請求項17に記載の漏液検出装置であって、
    前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードの前記末端側端子は、一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続されること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  19. 請求項18に記載の漏液検出装置であって、
    前記分岐検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含むこと、
    を特徴とする漏液検出装置。
  20. 一対の導電線からなり、前記導電線の間に漏液が接触すると電流が流れる検知領域を含む漏液検知帯と、前記漏液検知帯に接続されて前記漏液検知帯の通電電流値を制限電流値に制限する定電流素子を有するノードと、を含む漏液検知ユニットの1つ又は複数を直列に接続した漏液検知部と、
    前記漏液検知部の始端に接続される電源と、
    前記漏液検知部の前記始端の入力電流値を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部の検出した入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットを判定する判定部と、を備え、
    各前記漏液検知ユニットの各前記定電流素子の制限電流値はそれぞれ異なっており、
    前記判定部は、前記電流検出部の検出した入力電流値と前記定電流素子の制限電流値とを比較して漏液の発生した前記漏液検知ユニットを特定する漏液検出装置であって、
    前記漏液検知部の直列に接続された前記漏液検知ユニットの間に介在して配置される中継器を含み、
    前記中継器は、出力端子の電圧値を入力端子の電圧値の所定の倍率とすると共に、入力端子の電流値と出力端子の電流値とを同一に保持し、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードは、
    一対の始端側端子と、
    一対の前記導電線がそれぞれ接続される一対の末端側端子と、
    前記始端側端子と前記末端側端子とを並列に接続する一対の接続線と、を含み、
    前記定電流素子は、いずれか一方または両方の前記接続線に介在して配置され、
    各前記漏液検知ユニットの前記定電流素子の制限電流値は、前記電源に接続される前記始端から末端に向かう接続順に従って小さくなること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  21. 請求項20に記載の漏液検出装置であって、
    前記漏液検知帯は、一対の被覆電線で構成されてその間に漏液が接触しても電流が流れない非検知領域を一部に含み、
    前記漏液検知ユニットの前記ノードの前記末端側端子は、一対の前記導電線が直接または一対の被覆電線を介してそれぞれ接続されること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  22. 請求項17から21のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、前記電流検出部で検出した入力電流値と、一の前記漏液検知ユニットの前記定電流素子の制限電流値との差が所定の範囲内の場合に、一の前記漏液検知ユニットを漏液発生箇所と特定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  23. 請求項17から22のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、前記電流検出部で検出した入力電流値が所定の値以上の場合に漏液検知と判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  24. 請求項23に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、漏液検知と判定した場合に、前記電源の出力電圧を変化させて前記電流検出部で前記漏液検知部の入力電流値の変化量を検出し、
    入力電流値の変化量に基づいて、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットの特定が可能か判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  25. 請求項24に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、入力電流値の変化量の絶対値が所定の第1閾値未満の場合に、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットの特定が可能と判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  26. 請求項24に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、
    前記電源の出力電圧の変化量と前記電流検出部で検出した入力電流値の変化量とに基づいて前記漏液検知部の電圧電流特性の傾きを算出し、
    前記傾きが所定の第2閾値未満の場合に、入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットの特定が可能と判定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
  27. 請求項24から26のいずれか1項に記載の漏液検出装置であって、
    前記判定部は、
    前記電流検出部で検出した入力電流値から漏液の発生した前記漏液検知ユニットの特定が可能と判定した場合に、
    前記電流検出部で検出した入力電流値と、一の前記漏液検知ユニットの前記定電流素子の制限電流値との差が所定の範囲内の場合に、一の前記漏液検知ユニットを漏液発生箇所と特定すること、
    を特徴とする漏液検出装置。
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