JP3210116B2 - 漏液検知線 - Google Patents

漏液検知線

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JP3210116B2 JP36037392A JP36037392A JP3210116B2 JP 3210116 B2 JP3210116 B2 JP 3210116B2 JP 36037392 A JP36037392 A JP 36037392A JP 36037392 A JP36037392 A JP 36037392A JP 3210116 B2 JP3210116 B2 JP 3210116B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硫酸、苛性ソーダなど
の液体を輸送するパイプラインや貯蔵タンクなどに破損
が生じたとき、それを検知する漏液検知線に関し、特に
漏液による電極線の短絡位置、及び物理的接触等による
電極線の断線位置の検知が容易にできるものに関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に、硫酸、苛性ソーダな
どの液体を輸送するパイプラインや貯蔵タンクなどに添
設して用いることにより、漏液を広範囲にわたって検知
することができる漏液検知線を提案した(実開昭63−
57544乃至実開昭63−57549)。この漏液検
知線は、導体上に絶縁体としてポリエステル樹脂を被覆
したエナメル線を電極線として一対をほぼ平行に配設
し、その外方に少なくとも吸液性の糸からなる編組体層
を設けて成るものである。
【0003】この漏液検知線においては、硫酸等の漏液
が発生すると、吸液性の糸からなる編組体層がこれを吸
収し、この編組体層を経てしみこむ硫酸などが絶縁体を
溶解し、電極線の一対の導体間が短絡又は短絡に近い状
態となる。したがって、漏液検知線の片端から導体間の
絶縁抵抗を測定することにより漏液を検知することがで
きる。なお、降雨などにより通常の水が漏液検知線に侵
入したとしても、絶縁体層が溶解しないため、誤作動を
起こすことがない。
【0004】しかしながら、絶縁抵抗の測定で漏液を検
知できても、漏液の位置は検知することはできない。そ
こで、漏液の位置を特定できる漏液検知線として、電極
線よりも単位長あたりの抵抗の大きい高抵抗線を前記電
極線に併設するものが知られている(特公平2−431
30)。図8において、X、Yは1対の電極線、Zは高
抵抗線である。それぞれの単位長あたりの抵抗値をx、
y、z、それぞれの近端側端子をNX 、NY 、NZ
し、漏液位置Pを経由するNX からNY までのループ抵
抗をRXY、同じく漏液位置Pを経由するNY からNZ
でのループ抵抗をRYZを定電圧電源用としては優れてい
るが、いずれかの線が何らかの原因で断線したときは、
その位置を検知することが出来ないという問題点を有し
ていた。
【0005】実開昭58−172866に示された漏液
検知線によれば、漏液区間と断線区間両方の検知ができ
るが、長距離にわたって架設される硫酸等のパイプライ
ンからの漏液を検知するような場合、区間数が増え、そ
れに伴って漏液検知線の絶縁被覆素線の本数が増え、測
定器の台数又は端子数が増えるため、不経済であり、検
知線自体の製作や施工も難しくなるという問題点を有し
ている。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解消し、
漏液位置と断線位置の両方を検知することができ、長距
離にわたってパイプライン等からの漏液を検知するよう
な場合でも添設する絶縁被覆素線数も少なくてすむ漏液
検知線を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における漏液検知線は、耐水性で検知対象液
に溶解する絶縁体によって相互に絶縁された一対の導体
からなる電極線を備え、一対の電極線を含むコアの外周
に少なくとも吸液性である編組体層を被覆し、電極線間
の所定区間毎に同一方向に所定の電流を流す定電流回路
を並列に接続して成るものである。前記電極線の片方の
導体を抵抗値が比較的高い高抵抗線で、他方の導体を抵
抗値が比較的低い低抵抗線で形成し、前記高抵抗線側を
前記定電流回路の順方向上流側することが好ましい。そ
して、前記定電流回路が接続された前記所定区間毎の単
位検知線の必要数を接続して漏液検知線を形成すること
が好ましい。さらに、前記電極線の絶縁体がポリエステ
ル系熱可塑性エラストマーを押出被覆して形成されたも
のが好ましい。
【0008】そして、他の漏液検知線として、耐水性で
検知対象液に溶解する絶縁体によって相互に絶縁された
一対の導体からなる電極線と、耐水性で検知対象液に溶
解しない絶縁体によって絶縁された一対の導体からなり
前記電極線の一端側に接続された接続線とを備え、電極
線間の所定区間毎に同一方向に所定の電流を流す定電流
回路を並列に接続して成るものがある。
【0009】
【作用】漏液位置を検出するときは、定電流回路に電流
が流れない方向に直流定電流を流し、漏液による短絡箇
所から近端又は遠端までの電極線の抵抗値に応じて生じ
る電圧降下の程度を測定することにより漏液が起こって
いる箇所から近端又は遠端までの距離を特定できる。そ
の際、前記電極線の片方の導体を抵抗値が比較的高い高
抵抗線で、他方の導体を抵抗値が比較的低い低抵抗線で
形成し、前記高抵抗線側を前記定電流回路の順方向上流
側としておけば、高抵抗線側での電圧降下を測定するこ
とになるので、精度が高くなる。また、断線位置を検出
するときは、定電流回路に電流が流れる方向に直流定電
流を流し、両方の電極線間の前記所定区間毎の定電流回
路を通じて流れる電流の量を例えば電圧に変換して測定
することによりどの区間に断線が生じているかを特定で
きる。
【0010】そして、電極線の一端側に接続された接続
線を備えると、抵抗値に応じた電圧降下や、定電流回路
の数に応じた電流の測定を電極線の近端側と遠端側とを
例えば切り換えスイッチを用いて切り換えて測定でき、
電極線の導体の抵抗値と定電流回路の電流値の温度によ
る誤差をキャンセルした測定ができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は本発明の漏液検知線の結線図、図2は漏
液検知線の他の断面図、図3は本発明の漏液検知線にお
ける単位検知線の構造図である。
【0012】図1において、漏液検知線は、所定長さが
Lである単位検知線U(U1 〜Un)をコネクタ12で
所望数n本を接続し、必要に応じて単位検知線Uの一端
に接続線13を接続したものである。なお、14は検出
器であり、接点a〜hを有するスイッチ手段15に、定
電流電源16と、電圧測定手段17と、アース19に至
る基準抵抗器18と、アース19が接続された構造とな
っている。
【0013】単位検知線Uは、軟銅線の如き可撓性導体
1の上に絶縁体2を被覆した電極線3の一対を平行又は
撚り合わせて配設したコア7の外周に編組体6を被覆し
たものを基本としている。そして、単位検知線U(U1
〜Un )毎の電極線3の片方の導体1aと他方の導体1
bとの間に所定電流を流す定電流回路B(B1 〜Bn
を接続している。この定電流回路BはダイオードDと定
電流素子Cを直列接続したものである。
【0014】絶縁体2はポリエステル系熱可塑性エラス
トマー(以下、ポリエステルエラストマーという)の押
出被覆で形成されている。このポリエステルエラストマ
ーは、ハードセグメントがポリエステルから成り、ソフ
トセグメントがポリエーテル系のもの又はポリエステル
系のものがある。ハードセグメントがポリエステルでソ
フトセグメントがポリエーテル系のものとしては、「ハ
イトレル」(東レ・デュポン(株)の商品名)、「ペル
プレン−P」(東洋紡績(株)の商品名)、「Lomo
d」(Akzo社の商品名)などがある。ハードセグメ
ントがポリエステルでソフトセグメントがポリエステル
系のものとしては、「ペルプレン−S」(東洋紡績
(株)の商品名)、「ARINTEL−S」(Akzo
社の商品名)などがある。
【0015】特に絶縁体2に押出被覆されたポリエステ
ルエラストマーを用いると、ポリエステルエラストマー
が低温から高温まで広い使用温度範囲で機械的強度、ゴ
ム弾性、耐屈曲疲労性、亀裂伝搬抵抗に優れているの
で、製造工程や敷設工程において、電極線に加わる圧
力、引っ張り力、曲げなどの外力によってまたはそれを
一つの要因としてピンホール、クレージングなどが発生
する恐れがない。また、硫酸などの検知対象液に対する
検知時間の温度依存性が少ない。例えば、軟銅線(0.
65mm)の導体1の外周にハイトレル2751を0.
04mm厚みで押出被覆した漏液検知線では、滴下され
る硫酸を検知するまでに要する時間が、10°Cにおい
て3分37秒、25°Cにおいて1分42秒、50°C
において52秒である。しかし、同じ軟銅線(0.65
mm)の導体1の外周にテレフタール酸多価アルコール
系ワニスを0.045mm厚みで塗装焼付した漏液検知
線は、10°Cにおいて17分47秒、25°Cにおい
て5分46秒、50°Cにおいて1分54秒であり、温
度依存性が大きくなっている。なお、編組体層6は両方
とも黒のテトロン糸100デニール双糸を4本持16打
で編組したものが用いられ、滴下される硫酸は濃度98
%で0.02ml/secの割合であった。
【0016】編組体層6は、液溶性、吸液性で耐候性の
糸で構成され、例えばテトロン、ポリエステルなどの繊
維から成る黒色のマルチフィラメント状の糸が用いられ
る。硫酸などの漏液が発生すると、吸液性で液溶性の編
組体層6がこれを吸収保持する。また、編組体層6を非
液溶性、非吸液性で耐候性の糸からなる群と、液溶性、
吸液性で耐候性の糸からなる群とを交互に配設して成る
ものとすることもできる。硫酸などの漏液が発生する
と、液溶性で吸液性の糸からなる群がいち早く溶解して
漏液の絶縁体2への通路を確保すると共に、非液溶性で
非吸液性の糸からなる群が溶解も吸液もせず、液溶性で
吸液性の糸を溶解した漏液が周辺に拡散するのを阻止し
て絶縁体2が溶解するまで保持し、漏液検知時間のばら
つきが少なくなる。
【0017】さらに図2のように、編組体層を内部編組
体層4と外部編組体層5の2層とすることができる。内
部編組体層4は非液溶性で非吸液性の糸で構成され、例
えばポリエチレン、ポリプロピレンなどの繊維から成る
モノフィラメント状の糸などが用いられる。外部編組体
層5は液溶性で吸液性且つ耐候性の糸で構成され、例え
ばテトロン、ポリエステルなどの繊維から成る黒色のマ
ルチフィラメント状の糸が用いられる。この外部編組体
層5は、バインド部等で内部編組体層4を介して電極線
3の絶縁体2に加わる圧力を緩和するなどの機械的保護
機能を有する。硫酸などの漏液が発生すると、吸液性で
液溶性の外部編組体層5がまずこれを吸収し、非液溶性
で非吸液性の内部編組体層4で保持される。また、内部
編組体層4を非液溶性で非吸液性の糸からなる群と、液
溶性で吸液性の糸からなる群とを交互に配設して成るも
のとし、外部編組体層5は液溶性で吸液性且つ耐候性の
糸から成るものとすることもできる。
【0018】図1に戻り、コア7を構成するものは一対
の電極線3だけに限らず、介在物や以下に述べる接続線
を含むことができる。また、一対の電極線3の遠端側に
接続された接続線13は、軟銅線などの可撓性導体に、
耐水性で検知対象液に溶解しない絶縁体、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレンを被覆したものである。この接
続線13は電極線3と共にコアを形成し同じ編組体層6
で被覆されたものとすることもできるし、通常の2芯の
電線と同じような構成にし、電極線3を被覆する編組体
層6に添わせるか又は電極線3とは別ルートの配線にす
ることができる。
【0019】つぎに図3により、接続線13をコアに入
れない場合の単位検知線Uの構成を具体的に説明する。
一対の電極線3a、3bによるコア7を編組体6で被覆
したセンサ線8a,8bの途中に、端子ボックス9を設
けている。例えば単位検知線Uの全長が20mである場
合、センサ線8aを19mに、センサ線8bを1mに振
り分ける。端子ボックス9は出来るだけ小型化し、ダイ
オードDと定電流素子Cから成る定電流回路Bを収め、
端子ボックス9に線本体8a,8bの端末をつなぐだけ
で、所望の単位検知線Uが得られるようになっている。
【0020】このような単位検知線Uの多数本をコネク
タ12で接続しつつパイプラインに添わせるという工事
が行われる。すなわち、単位検知線Uの接続作業は現場
作業となる。そこで、加熱器や特殊工具を使用すること
なく、短時間で接続でき、屋外で使用できるコネクタが
求められる。このような要求を満たすコネクタ12とし
て図示のものがある。
【0021】コネクタ本体20を防水コンパウンド21
が充填された状態のカバー22内に収納できるようにし
たものである。コネクタ本体20は二点鎖線のように跳
ね上げ可能な上蓋23を両端に有しており、上蓋23の
両側の爪がベースに引っ掛かって実線のように閉じた状
態で固定される。また、各上蓋23には電極線の絶縁体
に食い込む一対の刃が並列して内蔵されており、各上蓋
間の刃は導通可能に接続されている。
【0022】このようなコネクタ12を用いる接続作業
を説明する。センサ線8の端の編組体層6を取り除いて
バンド24で縛り、電極線3a,3bの所定長を露出さ
せる。この電極線3a,3bをコネクタ本体20のベー
ス上の所定位置に差し込む。そして、上蓋23を二点鎖
線の状態から実線の状態まで挟み込んで固定する。上蓋
23に内蔵された刃が電極線3a,3bの導体まで食い
込み、左右のセンサ線8の電極線3a,3bは接続され
る。そして、開閉自在なカバー22に防水コンパウンド
21を入れ、コネクタ本体20が防水コンパウンド21
で完全に囲われた状態になるように、カバー22を閉じ
る。このような接続作業は約5分程度で完了し、特殊工
具も加熱器も必要ではなく、誰でも簡単にできる。
【0023】つぎに、図4及び図5により、上述した漏
液検知線を用いた漏液場所の検出を説明する。図4は近
端側からの電圧測定手順、図5は遠端側からの電圧測定
手順を示す。近端A1,B1と遠端A2,B2を有する
電極線3a,3b間のP,Q(単位検知線Uのx番目)
で漏液が生じた場合を示している。直流電源16は直流
定電流電源16aと直流定電圧電源16bを切り換え可
能に内蔵しており、図4,図5においては直流定電流電
源16aに接続されている。図4において、スイッチ手
段15によって、a接点とe接点、b接点とg接点、d
接点とh接点とを接続すると、太い実線のように、直流
定電流電源16aからA1→P→Q→B1を経てアース
19に至る一定電流iの短絡回路が形成される。そし
て、Q点には近端側B1に至るまでの抵抗値に応じた電
圧が印加された状態になり、その電圧を点線のようにB
2→Dを経て電圧測定手段17で測定される。
【0024】いま、単位検知線Uが全部でn本接続さ
れ、近端B1からx本目で漏液が生じ、単位検知線の電
極線3aの導体1aの抵抗値がr、導体1aに流れる電
流値がiとすると、B1−Q間の電圧降下Vxは、 Vx=i×r×x 式 で測定される。一本の単位検知線Uにおける電圧降下i
×rは既知であるので、電圧降下Vxの大きさで漏液位
置が特定できる。即ち、式から求めたxが、例えば
5.5であれば、漏液位置は6本目の真ん中ということ
になる。
【0025】ところで、単位検知線の導体1aの抵抗値
rは温度により変化するため、外気温の高低によって、
漏液が生じている単位検知線Uの番号xに誤差を生じ
る。この誤差をキャンセルするため、図5のように遠端
側の単位検知線Uによる電圧降下が測定できるようにな
っている。すなわち、スイッチ手段15によって、a接
点とe接点、b接点とh接点、d接点とg接点とを接続
すると、太い実線のように、定電流電源16からA1→
P→Q→B2→Dを経てアース19に至る一定電流iの
短絡回路が形成される。そして、Q点には遠端側B2に
至るまでの抵抗器Rの数に応じた電圧が印加された状態
になり、その電圧を点線のようにB1を経て電圧測定手
段17で測定される。Q−B2間の電圧降下Vyは、 Vy=i×r×(n−x) 式 で測定される。式と式より、 x=n×(Vx/(Vx+Vy)) 式 となり、Vx、Vyの測定がほぼ同じ温度で行われるな
らば、単位検知線の導体1aの抵抗値rの温度変化の影
響を除外した測定ができる。
【0026】つぎに、図6及び図7により、漏液検知線
における断線場所の検出を説明する。図6は近端側から
の電圧測定手順、図7は遠端側からの電圧測定手順を示
す。単位検知線Uのx番目における電極線3a,3b間
のM,Nで断線が生じた場合を示している。図6,図7
においては、直流電源16は直流定電圧電源16bに切
り換えられている。図6において、スイッチ手段15に
よって、a接点とf接点、b接点とe接点、f接点とh
接点とを接続すると、太い実線のように、定電流電源1
6からB1→N直前まで→M直前まで→A1を経て基準
抵抗器18からアース19に至る多数の定電流回路Bよ
る一定電流Iの短絡並列回路が形成される。そして、ス
イッチ手段15のf接点には、近端側A1に至るまでの
定電流回路Bの数に応じた電圧が印加された状態にな
り、その電圧を太い点線のようにf接点→h接点を経て
電圧測定手段17で測定される。いま、各定電流回路B
は各単位検知線Uの遠端側に接続されているものとす
る。単位検知線Uが全部でn本接続され、近端B1から
x本目の定電流回路より手前で断線が生じたものとし、
基準抵抗器18の抵抗値がR、定電流回路Bにおける電
流値がIとすると、f接点の電圧降下Wxは、 Wx=I×R×(x−1) 式 で測定される。一本の単位検知線Uの電圧降下はI×R
は既知であるので、電圧降下Wxの大きさで漏液が生じ
ている単位検知線Uの番号xが特定できる。
【0027】しかし、定電流回路Bの電流値Iは温度に
より変化するため、外気温の高低によって、断線が生じ
ている単位検知線Uの番号xに誤差を生じる。この誤差
をキャンセルするため、図7のように遠端側の単位検知
線Uによる電圧降下が測定できるようになっている。す
なわち、スイッチ手段15によって、c接点とf接点、
d接点とe接点、d接点とh接点とを接続すると、太い
実線のように、定電流電源16からC→A2→M直前ま
で→N直前まで→B2→Dを経て基準抵抗器18からア
ース19に至る一定電流iの短絡並列回路が形成され
る。そして、スイッチ手段15のf接点には、遠端側A
2に至るまでの定電流回路Bの数に応じた電圧が印加さ
れた状態になり、その電圧を太い点線のようにf接点→
h接点を経て電圧測定手段17で測定される。f接点の
電圧降下Wyは、 Wy=I×R×(n−x+1) 式 で測定される。式と式より、 x=n×(Wx/(Wx+Wy))+1 式 となり、定電流回路Bの電流値Iの温度変化の影響を除
外した測定ができる。ただし、各定電流回路Bを各単位
検知線Uの近端側に設けたときはxの値は上記式から
1を引いた値となる。
【0028】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の漏液検知
線によれば、定電流回路の接続構造で漏液と断線の両方
を検知でき、長距離にわたってパイプラインからの漏液
を検知するような場合でも添設する漏液検知線等の絶縁
被覆素線数又は漏液検知線とは別体に設けた添設ケーブ
ルの心線数が少なくてすむ。また、単位検知線の接続構
造であるので、長距離のパイプラインに添わせる工事を
加熱器や特殊工具を用いることなく現場で素早くでき
る。さらに、電極線が導体上に絶縁体としてポリエステ
ルエラストマーを押出被覆して成るものであり、このポ
リエステルエラストマーが、低温から高温まで広い使用
温度範囲で機械的強度、ゴム弾性、耐屈曲疲労性、亀裂
伝搬抵抗に優れているので、製造工程や敷設工程におい
て、電極線に加わる圧力、引っ張り力、曲げなどの外力
によってピンホール、クレージングなどが発生する恐れ
がなく、したがって、降雨などによって誤作動する恐れ
がなく、また硫酸などの検知対象液に対して検知時間の
温度依存性が少なく絶縁体であるので、低温でも漏液を
短時間で検知することができる。
【0029】そして、電極線の一端側に接続された接続
線を備え、定電流回路の電流値の温度による誤差をキャ
ンセルした測定ができるので、外気温度の変化の影響を
うけることなく漏液や断線の位置を正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の漏液検知線の結線図である。
【図2】漏液検知線の他の断面図である。
【図3】本発明の漏液検知線における単位検知線の構造
図である。
【図4】近端側からの漏液検知場所の検出を示す図であ
る。
【図5】遠端側からの漏液検知場所の検出を示す図であ
る。
【図6】近端側からの断線検知場所の検出を示す図であ
る。
【図7】遠端側からの断線検知場所の検出を示す図であ
る。
【図8】従来の漏液検知線の構造図である。
【符号の説明】
1 導体 2 絶縁体(ポリエステルエラストマー) 3 電極線 4,5,6 編組体層 7 コア 12 コネクタ 13 接続線 U 単位検知線 R 抵抗器 B 定電流回路
フロントページの続き (72)発明者 桝井 忠章 大阪府東大阪市岩田町2丁目3番1号 タツタ電線株式会社内 (72)発明者 奥村 隆久 大阪府東大阪市岩田町2丁目3番1号 タツタ電線株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−264854(JP,A) 実開 昭63−57547(JP,U) 実開 昭63−57544(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 3/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性で検知対象液に溶解する絶縁体に
    よって相互に絶縁された一対の導体からなる電極線を備
    え、一対の電極線を含むコアの外周に少なくとも吸液性
    である編組体層を被覆し、電極線間の所定区間毎に同一
    方向に所定の電流を流す定電流回路を並列に接続して成
    る漏液検知線。
  2. 【請求項2】 前記電極線の片方の導体を抵抗値が比較
    的高い高抵抗線で、他方の導体を抵抗値が比較的低い低
    抵抗線で形成し、前記定電流回路の順方向上流側を前記
    高抵抗線側に接続して成る請求項1記載の漏液検知線。
  3. 【請求項3】 前記電極線を、前記定電流回路が接続さ
    れた所定区間毎の単位検知線の必要数を接続して形成し
    た請求項1記載の漏液検知線。
  4. 【請求項4】 前記電極線の絶縁体がポリエステル系熱
    可塑性エラストマーを押出被覆して形成された請求項1
    記載の漏液検知線。
  5. 【請求項5】 耐水性で検知対象液に溶解する絶縁体に
    よって相互に絶縁された一対の導体からなる電極線と、
    耐水性で検知対象液に溶解しない絶縁体によって絶縁さ
    れた一対の導体から成り前記電極線の一端側に接続され
    た接続線とを備え、電極線間の所定区間毎に同一方向に
    所定の電流を流す定電流回路を並列に接続して成る漏液
    検知線。
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