JP2020059802A - ゴム組成物の製造方法およびタイヤの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴム成分、カーボンブラックおよび下記式(I)に記載の化合物を混合する第1混合工程と、前記第1混合工程の後、少なくとも、ワックスおよびステアリン酸の少なくとも一方と、カーボンブラックとを添加し、さらに混合する第2混合工程とを有し、前記第1混合工程で混合するカーボンブラックの量と、前記第2混合工程で添加するカーボンブラックの量との合計を100質量部としたとき、前記第2混合工程で添加するカーボンブラックの量が20質量部以下であるゴム組成物の製造方法。
【選択図】なし
Description
(式(I)において、R1およびR2は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基または炭素数1〜20のアルキニル基を示す。R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよい。M+はナトリウムイオン、カリウムイオンまたはリチウムイオンを示す。)
(式(I)において、R1およびR2は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基または炭素数1〜20のアルキニル基を示す。R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよい。M+はナトリウムイオン、カリウムイオンまたはリチウムイオンを示す。)
以下、本開示の実施形態1について説明する。
(式(I)において、R1およびR2は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基または炭素数1〜20のアルキニル基を示す。R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよい。M+はナトリウムイオン、カリウムイオンまたはリチウムイオンを示す。)
実施形態1におけるゴム組成物の製造方法は、少なくともゴム成分、カーボンブラックおよび下記式(I)に記載の化合物を混合し、第1混合物を得る第1混合工程を有する。第1混合工程では、ワックスおよびステアリン酸のうちワックスのみの不存在下で混合をおこなってもよいし、ステアリン酸のみの不存在下で混合をおこなってもよいし、両者の不存在下で混合をおこなってもよい。加硫ゴムの低発熱性を改善する効果が高いという理由から、ワックスおよびステアリン酸の両者の不存在下で混合をおこなうことが好ましい。
(式(I)において、R1およびR2は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基または炭素数1〜20のアルキニル基を示す。R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよい。M+はナトリウムイオン、カリウムイオンまたはリチウムイオンを示す。)
式(I)で表される化合物は、カップリング機能、すなわちゴム成分を構成するポリマーとカーボンブラックとをつなぐ機能を有する。具体的には、末端の窒素官能基がカーボンブラックと結合することが可能であり、炭素−炭素二重結合の部分がゴムポリマーと結合できると考えられる。式(I)において、R1およびR2が水素原子であることが好ましい。M+がナトリウムイオンであることが好ましい。式(I)に記載の化合物は、下記式(I’)に記載の化合物であることが好ましい。
実施形態1におけるゴム組成物の製造方法は、少なくとも、ワックスおよびステアリン酸の少なくとも一方と、カーボンブラックとを第1混合物に添加し、混合し、第2混合物を得る第2混合工程を有する。第1混合工程で、ワックスの不存在下で混合をおこなった場合には、第2混合工程でワックスを添加することができる。第1混合工程で、ステアリン酸の不存在下で混合をおこなった場合には、第2混合工程でステアリン酸を添加することができる。第1混合工程で、ワックスおよびステアリン酸の両者の不存在下で混合をおこなった場合には、ワックスを第2混合工程で添加してもよく、ステアリン酸を第2混合工程で添加してもよく、ワックスおよびステアリン酸の両者を第2混合工程で添加してもよい。
実施形態1のゴム組成物の製造方法は、第2混合物に、少なくとも加硫系配合剤を添加し、混合し、ゴム組成物を得る第3混合工程を有する。混合方法は特に限定されない。たとえば、密閉式混合機、オープンロールで混合することができる。密閉式混合機としてバンバリーミキサー、ニーダーなどを挙げることができる。加硫系配合剤として硫黄、有機過酸化物などの加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤などを挙げることができる。硫黄として粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを挙げることができる。加硫剤は、これらのうち一種または二種以上を使用することができる。加硫促進剤としてスルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などを挙げることができる。加硫促進剤は、これらのうち一種または二種以上を使用することができる。第3混合工程では、加硫系配合剤以外の他の配合剤を第2混合物に添加してもよい。
実施形態1におけるタイヤの製造方法は、実施形態1におけるゴム組成物の製造方法でゴム組成物を作製する工程と、ゴム組成物を用いて未加硫タイヤを作製する工程と有する。未加硫タイヤを作製する工程は、たとえば、ゴム組成物を含むタイヤ部材を作製すること、およびタイヤ部材を備える未加硫タイヤを作製することを有する。タイヤ部材として、たとえば、サイドウォールゴム、トレッドゴムを挙げることができる。
天然ゴム RSS#3
ポリブタジエンゴム 「BR150B」宇部興産社製
化合物1 「スミリンク200」住友化学社製 (2Z)−4−[(4−アミノフェニル)アミノ]−4−オキソ−2−ブテン酸ナトリウム(式(I’)の化合物)
カーボンブラック(N234) 「シースト7HM」東海カーボン社製
ステアリン酸 「ルナックS−20」花王社製
ワックス 「OZOACE0355」日本精蝋社製
老化防止剤 「6PPD」(モンサント社製) N−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン
酸化亜鉛 「亜鉛華1号」三井金属鉱業社製
硫黄 「5%油入微粉末硫黄」鶴見化学工業社製
加硫促進剤 「サンセラーNS−G」三新化学工業社製
第1混合工程では、ゴムに配合剤を表1〜4にしたがって添加し、B型バンバリーミキサーで混練りし、第1ゴム混合物を得た。第2混合工程では、第1ゴム混合物に配合剤を表1〜4にしたがって添加し、B型バンバリーミキサーで混練りし、第2ゴム混合物を得た。第3混合工程では、第2ゴム混合物に、硫黄と加硫促進剤とを表1〜4にしたがって添加し、B型バンバリーミキサーで混練りし、未加硫ゴムを得た。未加硫ゴムを150℃、30分間で加硫し、加硫ゴムを得た。
加硫ゴムのtanδを、JIS K−6394に準じて測定した。tanδは、東洋精機製の粘弾性試験機を用いて、温度60℃、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み1%の条件で測定した。表1では、比較例1のtanδを100とした指数で、各例のtanδを表示している。表2では、比較例8のtanδを100とした指数で、各例のtanδを表示している。表3では、比較例15のtanδを100とした指数で、各例のtanδを表示している。表4では、比較例21のtanδを100とした指数で、各例のtanδを表示している。指数が小さいほど発熱性が低く、タイヤ低燃費性能に優れることを示す。
第2混合工程で、B型バンバリーミキサーから排出された第2ゴム混合物が、まとまった状態(一塊の状態)であったか否かを評価した。第2ゴム混合物がまとまった状態で排出された場合に〇と判定し、まとまっていない状態で排出された場合を×と判定した。
Claims (4)
- 少なくともゴム成分、カーボンブラックおよび下記式(I)に記載の化合物を混合する第1混合工程と、
前記第1混合工程の後、少なくとも、ワックスおよびステアリン酸の少なくとも一方と、カーボンブラックとを添加し、さらに混合する第2混合工程とを有し、
前記第1混合工程で混合するカーボンブラックの量と、前記第2混合工程で添加するカーボンブラックの量との合計を100質量部としたとき、前記第2混合工程で添加するカーボンブラックの量が20質量部以下である、
ゴム組成物の製造方法。
(式(I)において、R1およびR2は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基または炭素数1〜20のアルキニル基を示す。R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよい。M+はナトリウムイオン、カリウムイオンまたはリチウムイオンを示す。) - 前記第2混合工程で添加するカーボンブラックの量は、前記ワックスの量および前記ステアリン酸の量の合計の0.5倍以上10倍以下である、請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記第1混合工程において、前記式(I)に記載の化合物の量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上1.5質量部以下である、請求項1または2に記載のゴム組成物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法でゴム組成物を作製する工程と、
前記ゴム組成物を用いて未加硫タイヤを作製する工程とを有する、
タイヤの製造方法。
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