JP2018104310A - 新規ヒドラゾン化合物、ゴム用添加剤、ゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

新規ヒドラゾン化合物、ゴム用添加剤、ゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】低発熱性と作業性に優れたゴム組成物を提供できるゴム用添加剤として有用な新規ヒドラゾン化合物、該化合物を含有してなるゴム用添加剤、該化合物又は該添加剤を含むゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤの提供。
【解決手段】式(I)で表されるヒドラゾン化合物及び該化合物を含有してなるゴム用添加剤。

[RはH又はC1〜4のアルキル基;LはC1〜6のアルキレン基;Aは式(A−1)等;nは0又は1

(Rはヒドロキシ基、アミノ基、C1〜4のアルキル基で置換されたモノ或いはジアルキルアミノ基又はグアニジノ基;*はLとの結合位置)]
【選択図】なし

Description

本発明は、新規ヒドラゾン化合物、ゴム用添加剤、ゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおいては、転がり抵抗を低減して省燃費化を図るために、空気入りタイヤのゴム組成物の低発熱性を向上させること、すなわち、tanδを低下させる研究が長年にわたり行われている。しかし、低発熱性を向上させるために特定化合物をゴム組成物に配合すると、加硫前のゴム組成物の粘度を上昇させ、作業性を損なう等の問題があった。
このような問題を解消するために、例えば特許文献1では、低発熱性を維持しながら粘度増加を抑制して作業性を向上させるべく、ゴム組成物にヒドラゾン骨格を有する特定の化合物を配合することが提案されている。
特開平10−330549号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術については、低発熱性が十分ではなく、自動車の低燃費化に対する要求に応えるべく、低発熱性の更なる改善が必要であった。
そのため本発明は、低発熱性と作業性に優れたゴム組成物を提供することができるゴム用添加剤として有用な新規ヒドラゾン化合物、前記ヒドラゾン化合物を含有してなるゴム用添加剤、前記ヒドラゾン化合物又は前記ゴム用添加剤を含むゴム組成物を提供すること、及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
前記課題を解消するために鋭意検討した結果、特定のヒドラゾン化合物を使用することにより、前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の<1>〜<8>に関する。
<1> 下記式(I)で表されるヒドラゾン化合物。

[式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Lは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Aは下記の式(A−1)又は式(A−2)で表される基を示す。nは0又は1の整数を示す。]

[式中、Rはヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基、又はグアニジノ基を示す。*はLとの結合位置を示す。]

[式中、R及びRは同一又は異なって水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。*はLとの結合位置を示す。]
<2> 4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタン酸、3−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)−N,N−ジメチルブタンアミド、3−ヒドロキシ−N’−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジド、N−カルバミミドイル−4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタンアミド、及び3−ヒドロキシ−N’−(1,1−ジメトキシプロパン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジドから選ばれる少なくとも1つのヒドラゾン化合物。
<3> <1>又は<2>に記載のヒドラゾン化合物を含有してなるゴム用添加剤。
<4> ジエン系ゴムを50質量%以上含有するゴム成分100質量部に対して、充填材10〜160質量部、及び<1>又は<2>に記載のヒドラゾン化合物0.01〜30質量部を配合してなる、ゴム組成物。
<5> ジエン系ゴム成分が天然ゴムを含む、<4>に記載のゴム組成物。
<6> 充填材がカーボンブラックを含む、<4>又は<5>に記載のゴム組成物。
<7> <4>〜<6>のいずれか1つに記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
<8> 前記ゴム組成物をトレッド部、サイドウォール部、ビード部、インナーライナー、及びその他の補強ゴム部の少なくとも一つの部材に用いた、<7>に記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、低発熱性と作業性に優れたゴム組成物を提供することができるゴム用添加剤として有用な新規ヒドラゾン化合物及び前記ヒドラゾン化合物を含有してなるゴム用添加剤を提供することができる。更に、本発明によれば、低発熱性と作業性に優れたゴム組成物を提供することができる。また、本発明によれば、低発熱性と作業性に優れたゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することができる。
[式(I)で表されるヒドラゾン化合物及びゴム用添加剤]
本発明のゴム用添加剤は、下記式(I)で表されるヒドラゾン化合物を含有してなるものである。また、下記式(I)で表されるヒドラゾン化合物(以下、「本発明のヒドラゾン化合物」ともいう。)は、新規なヒドラゾン化合物であり、ゴム用添加剤として有用である。

[式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Lは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Aは下記の式(A−1)又は式(A−2)で表される基を示す。nは0又は1の整数を示す。]

[式中、Rはヒドロキシ基(−OH)、アミノ基(−NH)、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基、又はグアニジノ基(−NHC(=NH)NH)を示す。*はLとの結合位置を示す。]

[式中、R及びRは同一又は異なって水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。*はLとの結合位置を示す。]
前記式(I)で表されるヒドラゾン化合物又は前記式(I)で表されるヒドラゾン化合物を含有してなるゴム用添加剤をジエン系ゴム成分に配合することによって、得られたゴム組成物に優れた低発熱性と作業性を付与することができる。
すなわち、本発明のヒドラゾン化合物及び本発明のゴム用添加剤は、低発熱化剤、発熱防止剤、発熱抑制剤又は作業性改良剤として利用でき、本発明のゴム用添加剤は、ジエン系ゴム成分に添加する、前記式(I)で表されるヒドラゾン化合物を含有してなる低発熱化剤、発熱防止剤、発熱抑制剤又は作業性改良剤を包含する。
式(I)中、R〜Rが示す炭素数1〜4のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。
式(I)中、Lが示す炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基を挙げることができる。
式(I)中、Rが示す炭素数1〜4のアルキル基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がモノ置換したアミノ基、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がジ置換したアミノ基を例示することができる。
式(I)中、R及びRが示す炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4の直鎖状、分岐鎖状、又は環状アルコキシ基が挙げられる。
本発明のヒドラゾン化合物の好ましい実施態様は、式(I)中、Aが式(A−1)で表される基(以下、「基(A−1)」ということがある。)であり、基(A−1)中のRがヒドロキシ基、ジアルキルアミノ基、又はグアニジノ基である化合物である。
本発明のヒドラゾン化合物の他の好ましい実施態様は、式(I)中、Aが式(A−2)で表される基(以下、「基(A−2)」ということがある。)であり、基(A−2)中のR及びRの少なくとも1つが水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rが水素原子である化合物である。
本発明のヒドラゾン化合物の他の好ましい実施態様は、式(I)中、Aが基(A−2)であって、基(A−2)中のR及びRの少なくとも1つが水素原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり、Rが炭素数1〜4のアルキル基である化合物である。
本発明のヒドラゾン化合物は、式(I)で表されるヒドラゾン化合物のうち、nが1である化合物であることが好ましい。
本発明のヒドラゾン化合物は、式(I)で表されるヒドラゾン化合物のうち、nが1であって、Lが炭素数1〜4のアルキレン基である化合物であることが好ましい。
本発明のヒドラゾン化合物は、式(I)で表されるヒドラゾン化合物のうち、nが1であって、Lが水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキレン基である化合物であることが好ましい。
また、本発明のヒドラゾン化合物は、式(I)で表されるヒドラゾン化合物のうち、Rがメチル基である化合物であることが好ましい。
本発明のヒドラゾン化合物は、式(I)で表されるヒドラゾン化合物のうち、nが1であって、Lが炭素数1〜4のアルキレン基であり、Aが基(A−1)であって、基(A−1)中のRがヒドロキシ基、ジアルキルアミノ基、又はグアニジノ基である化合物であることが特に好ましい。
本発明のヒドラゾン化合物は、式(I)で表されるヒドラゾン化合物のうち、nが1であって、Lが水酸基で置換された炭素数1〜4のアルキレン基であり、Aが基(A−2)であって、基(A−2)中のR及びRの少なくとも1つが水素原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基、Rが炭素数1〜4のアルキル基である化合物であることが特に好ましい。
本発明のヒドラゾン化合物は、式(I)で表されるヒドラゾン化合物のうち、nが0であり、Aが基(A−2)であって、基(A−2)中のR及びRの少なくとも1つが水素原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基、Rが炭素数1〜4のアルキル基である化合物であることが特に好ましい。
これらの本発明のヒドラゾン化合物又は本発明のヒドラゾン化合物を含有してなるゴム用添加剤を配合して得られるゴム組成物は、より優れた低発熱性及び作業性を発現することができる。
以下に本発明の好適な具体的化合物を列挙する。なお、これらのヒドラゾン化合物は文献未記載の新規化合物である。
化合物a:4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタン酸
化合物b:3−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)−N,N−ジメチルブタンアミド
化合物c:3−ヒドロキシ−N’−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジド
化合物d:N−カルバミミドイル−4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタンアミド
化合物e:3−ヒドロキシ−N’−(1,1−ジメトキシプロパン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジド
前記式(I)で表されるヒドラゾン化合物は、例えば、以下の反応式−1に示す方法により製造することができる。

[式中、R、L、A及びnは前記に同じ。]
反応式−1によれば、式(1)で表される3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジドに式(2)で表されるカルボニル化合物を作用させることにより、式(I)で表されるヒドラゾン化合物を製造することができる。
本反応は溶媒中で行うことができ、使用される溶媒としては、反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができる。かかる溶媒としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用でき、又は必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
これらの溶媒は、式(1)で表される3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド1質量部に対して、好ましくは0.1〜500質量部程度、より好ましくは1〜10質量部程度使用すればよい。
本反応で使用する式(2)で表されるカルボニル化合物は、式(1)で表される3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジドに対して、好ましくは0.8〜10当量、より好ましくは1.0〜2.0当量となるような量で使用すればよい。
本反応は、通常−78℃から使用する溶媒の沸点温度までの範囲内で行うことができるが、好ましくは−10〜70℃程度、より好ましくは室温〜70℃とすればよい。反応時間は反応温度等により異なり一概には言えないが、好ましくは0.5〜24時間程度で本反応は完結する。
式(I)で表されるヒドラゾン化合物、及び該ヒドラゾン化合物を含有してなるゴム用添加剤は、カーボンブラック等の充填材と高い親和性を有し、かつ、ゴム成分と高い親和性を有するため、充填材とゴム成分との化学的相互作用が向上し、充填材の分散性及び補強効果が向上する。特に、充填材をカーボンブラックとする場合、カーボンブラックの分散性及び補強効果が向上し、これに伴い、充填材同士の擦れ合いによるヒステリシスロスが低減し、結果として低いtanδ(損失正接)が得られることになる。また、低いtanδを維持したまま、これまでにないほど未加硫粘度の上昇を抑え、作業性を向上することができる。
本発明のゴム用添加剤は、上記式(I)で表されるヒドラゾン化合物単独であってもよく、該ヒドラゾン化合物の効果を阻害しない範囲で公知の添加剤、充填材、その他成分を含んでいてもよい。
また、本発明のヒドラゾン化合物をジエン系ゴム成分に配合する際の配合量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、本発明のヒドラゾン化合物が0.01〜30質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。本発明のゴム用添加剤をジエン系ゴム成分に配合する場合には、ゴム用添加剤が含有する本発明のヒドラゾン化合物の含有量が上記範囲内となるように、ゴム用添加剤の配合量を調整すればよい。
本発明のヒドラゾン化合物及び本発明のゴム用添加剤のジエン系ゴム成分への添加は、ミキサー、押出機、混練機又は噴霧によって行われることが好ましい。
[ゴム組成物]
以下、本発明の実施形態に係るゴム組成物について、詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るゴム組成物は、ジエン系ゴム50質量%以上からなるゴム成分100質量部に対して、充填材10〜160質量部、及び下記式(I)で表されるヒドラゾン化合物を0.01〜30質量部を配合してなる。

[式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Lは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Aは下記の式(A−1)又は式(A−2)で表される基を示す。nは0又は1の整数を示す。]

[式中、Rはヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基、又はグアニジノ基を示す。*はLとの結合位置を示す。]

[式中、R及びRは同一又は異なって水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。*はLとの結合位置を示す。]
ジエン系ゴムを所定量含有するゴム成分に、上述の式(I)で表されるヒドラゾン化合物を所定量と所定量の充填材を配合することにより、ゴム組成物中において充填材とゴム成分との化学的相互作用が向上し、充填材の分散性及び補強効果が向上する。特に、充填材をカーボンブラックとする場合、カーボンブラックの分散性及び補強効果が向上し、これに伴い、充填材同士の擦れ合いによるヒステリシスロスが低減し、結果として低いtanδが得られることになる。また、低いtanδを維持したまま、これまでにないほど未加硫粘度の上昇を抑え、作業性を向上することができる。
以下、各成分について詳細に説明する。
<ゴム成分>
本発明のゴム組成物に用いられるゴム成分は、ジエン系ゴムの含有量が50質量%以上であることを要し、ジエン系ゴムの含有量が100質量%であることが好ましい。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。上記の合成ジエン系ゴムとしては、ゴムを構成するモノマーの少なくとも一部としてジエンモノマーを含有するゴムであればよく、それ以外には特に限定されない。具体的には、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)等)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム(EBR)、プロピレン−ブタジエン共重合体ゴム(PBR)等を用いることができ、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いてもよい。ジエン系ゴム以外のゴム成分としては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPM)、アクリルゴム(ACM)、塩素化ポリエチレン(CM)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)などが挙げられる。
本発明のゴム組成物において、ジエン系ゴムが天然ゴムを含有することが好ましい。ゴム成分中の天然ゴムの含有量は、より高強度のゴム組成物を得る観点から、好ましくは30〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%、より更に好ましくは90〜100質量%である。
<充填材>
本発明では、充填材は、ゴム組成物の補強強度の観点から、ゴム成分100質量部に対して10〜160質量部配合され、好ましくは30〜100質量部配合される。
充填材としては、例えば、カーボンブラック、シリカ等が挙げられ、好ましくはカーボンブラックである。
カーボンブラックとしては、得られるゴム組成物の加硫ゴム物性の観点から、例えば、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを単独に又は混合して使用することができる。
シリカは特に限定されないが、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカが好ましい。これらは単独に又は混合して使用することができる。
充填材は1種単独で使用しても、2種以上を混合してもよい。
<式(I)で表されるヒドラゾン化合物>
本発明において、式(I)で表されるヒドラゾン化合物(本発明のヒドラゾン化合物)は、ナフタレン環を有することにより、充填材としてのカーボンブラック骨格との親和性が高まり、本発明のヒドラゾン化合物とカーボンブラックとの化学的相互作用がより高くなる。これにより、ゴム組成物の低発熱性及び作業性の両立が、従来に比べ更に改良される。
本発明では、式(I)で表されるヒドラゾン化合物の添加量は、低発熱性及び作業性の観点から、前記ゴム成分100質量部に対して、0.01〜30質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部である。
本発明のヒドラゾン化合物は、前記式(I)で表される化合物の中でも、4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタン酸、3−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)−N,N−ジメチルブタンアミド、3−ヒドロキシ−N’−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジド、N−カルバミミドイル−4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタンアミド、3−ヒドロキシ−N’−(1,1−ジメトキシプロパン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジドから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
なお、本発明のゴム組成物は、本発明のヒドラゾン化合物を1種単独で含有してもよく、2種以上を含有してもよい。また、本発明のゴム用添加剤をゴム組成物に配合する場合には、式(I)で表されるヒドラゾン化合物の配合量が上記の範囲となるようにすることが好ましい。
<その他の成分>
本実施形態に係るゴム組成物には、必要に応じて適宜他の成分が含まれていてもよい。例えば、軟化剤、プロセスオイル、樹脂、カップリング剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、有機酸、加硫遅延剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、老化防止剤など、ゴム工業界で通常使用されている適当量の配合剤を適宜配合することができる。
(プロセスオイル)
本実施形態に係るゴム組成物に配合可能な軟化剤として用いられるプロセスオイルとしては、SBRとの相溶性の観点から、芳香族系オイルが用いられる。また、低温特性を重視する観点から、ナフテン系オイル又はパラフィン系オイルが用いられる。その使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0質量部以上100質量部以下が好ましく、100質量部以下であれば加硫ゴムの引張強度、低燃費性(低発熱性)が悪化するのを抑制することができる。
(樹脂)
本発明のゴム組成物は、熱可塑性樹脂等の樹脂を含んでもよい。熱可塑性樹脂としては、C5系樹脂、C9系樹脂、C5−C9系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ロジン樹脂、アルキルフェノール樹脂及びテルペンフェノール樹脂が好ましく、これら熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(加硫剤)
本実施形態に係るゴム組成物に配合可能な加硫剤としては、硫黄等が挙げられる。硫黄成分としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、及び高分散性硫黄等が挙げられ、粉末硫黄が好ましい。
加硫剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄分として0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、より好ましくは1.0質量部以上5.0質量部以下である。0.1質量部未満では加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性、低燃費性が低下するおそれがあり、10質量部を超えるとゴム弾性が失われる原因となる。
(有機酸)
本実施形態に係るゴム組成物に配合可能な有機酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、エナント酸、カプロン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ネルボン酸等の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸並びにロジン酸や変性ロジン酸等の樹脂酸などが挙げられる。
本実施形態に係るゴム組成物の製造方法においては、上記有機酸の内、加硫促進助剤としての機能を十分に発揮する必要があることから有機酸中の50モル%以上がステアリン酸であることが好ましい。有機酸中の50モル%以下は、スチレン−ブタジエン共重合体を乳化重合で作製した場合に含まれるロジン酸(変性ロジン酸も包含される。)及び/又は脂肪酸であってもよい。
(加硫遅延剤)
本実施形態に係るゴム組成物に配合可能な加硫遅延剤としては、無水フタル酸、安息香酸、サリチル酸、N−ニトロソジフェニルアミン、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド(CTP)、スルホンアミド誘導体、ジフェニルウレア、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト等が例示され、N−(シクロヘキシルチオ)−フタルイミド(CTP)が好ましく用いられる。
(老化防止剤)
本実施形態に係るゴム組成物に配合可能な老化防止剤としては、日本ゴム協会編「ゴム工業便覧<第四版>」の436〜443頁に記載されるものが挙げられる。これらの中でも、例えば、3C(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6C[N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]、AW(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、ジフェニルアミンとアセトンの高温縮合物等を挙げることができる。
老化防止剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましく、更に好ましくは0.3質量部以上3.0質量部以下である。
[ゴム組成物の調製、空気入りタイヤの作製]
本発明のゴム組成物は、前記配合処方により、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、空気入りタイヤのトレッド、特にトレッド接地部として好適に用いられる。
本発明のゴム組成物をトレッドに用いて通常のタイヤの製造方法によってタイヤが製造される。すなわち、前記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
このようにして、低発熱性良好なタイヤ、特に空気入りタイヤを得ることができる。
<空気入りタイヤ>
本発明の空気入りタイヤは、前記本発明のゴム組成物を少なくとも用いてなり、好ましくは少なくともトレッドに用いてなる。前記空気入りタイヤにおいて、前記トレッド以外に前記本発明のゴム組成物が適用される部位としては、特に制限はないが、例えば、カーカスコーティングゴム、ベルトコーティングゴム、サイドゴム、ビードフィラー、ゴムチェーファーゴム、インナーライナーゴム等が挙げられる。本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッド部、サイドウォール部、ビード部、インナーライナー、及びその他の補強ゴム部の少なくとも一つの部材に用いることが好ましく、上述したように、トレッド部に使用することが特に好ましい。本発明の空気入りタイヤは、前記本発明のゴム組成物を用いること以外は、特に制限はなく、公知の空気入りタイヤの構成をそのまま採用することができる。
前記空気入りタイヤの一例としては、1対のビード部、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有してなる空気入りタイヤなどが好適に挙げられる。本発明の空気入りタイヤは、ラジアル構造を有していてもよいし、バイアス構造を有していてもよい。
前記トレッドは、一般に、直接路面に接地する上層のキャップ部と、このキャップ部の空気入りタイヤの内側に隣接して配置される下層のベース部とから構成されており、いわゆるキャップ・ベース構造を有する。本発明においては、該キャップ・ベース構造の一部又は全部が前記本発明のゴム組成物で形成されていてもよいが、少なくとも前記キャップ部が前記本発明のゴム組成物で形成されているのが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、その製造方法につき特に制限はないが、例えば、以下のようにして製造することができる。すなわち、まず、前記本発明のゴム組成物を調製し、該ゴム組成物を、生空気入りタイヤケースのクラウン部に予め貼り付けられた未加硫のベース部の上に貼り付ける。そして、所定のモールドで所定温度、所定圧力の下で加硫成形することにより製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、いわゆる乗用車用のみならず、トラック・バス用等の各種の乗物にも好適に適用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は、実施例に限定されない。なお、以下の記載中、特別に記載がない場合、「%」及び「部」の表示はすべて「質量%」及び「質量部」を表す。また、表中の添加量の記載は、いずれも「質量部」である。なお、各種の測定及び評価法は下記の方法に基づいて行った。
製造例1:4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタン酸(化合物a)の製造
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸ヒドラジド7.0gをメタノール60mLに加えた懸濁液に、メタノール10mLに溶解させたレブリン酸8.0gを室温で滴下して加えた。この反応液を60℃で8時間撹拌した後、氷冷し、析出した固体をろ過してとり、メタノール50mLで洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥して、4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタン酸10.1g(収率97%)を得た。
性状:淡黄色固体
融点:241℃
H−NMR(300MHz,DMSO−d,δppm):2.0(s,3H),2.6(m,4H),7.4(m,2H),7.5(t,1H),7.8(d,1H),8.0(d,1H),8.6(s,1H),11.1(s,1H),11.7(br−s,1H),12.2(br−s,1H)
製造例2:3−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)−N,N−ジメチルブタンアミド(化合物b)の製造
メタノール50mLに氷冷下で3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド10.1gとN,N−ジメチルアセト酢酸アミド7.80gとを加え、30℃に加温し撹拌した。63時間後、反応液を20℃まで冷却し、ジイソプロピルエーテル700mLに少しずつ注ぎ込んだ。析出した固体をろ過してとり、ジイソプロピルエーテル50mLで2回、ブタノール25mLで2回洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥して3−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)−N,N−ジメチルブタンアミド11.5g(収率73%)を得た。
性状:淡黄色固体
融点:153℃
H−NMR(300MHz,DMSO−d,δppm):1.9−2.1(m,3H), 2.8−2.9(m,3H),3.0−3.1(m,3H),3.4−3.6(m,3H), 7.2−7.4(m,2H),7.4−7.6(m,1H),7.7−7.8(m,1H),7.9−8.0(m,1H),8.5−8.7(m,1H),11.0−12.0(br−s,1H)
製造例3:3−ヒドロキシ−N’−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジド(化合物c)の製造
メタノール50mLに、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド10.1gと4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン6.98gを加え、60℃に加温し、撹拌した。15時間後、反応液を20℃まで冷却し、析出した固体をろ過してとり、メタノール20mLで2回洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥して3−ヒドロキシ−N’−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジド8.09g(収率54%)を得た。
性状:淡黄色固体
融点:171℃
H−NMR(300MHz,DMSO−d,δppm):1.1−1.3(m,6H),2.0−2.2(m,3H),2.4−2.6(m,2H),4.5−4.7(br−s,0.4H),5.7−5.9(m,0.6H),7.2−7.4(m,2H),7.4−7.6(m,1H),7.7−7.8(m,1H),7.8−8.0(m,1H),8.3−8.7(m,1H),11.2−12.1(m,2H)
製造例4:N−カルバミミドイル−4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタンアミド(化合物d)の製造
1−ブタノール41mLにレブリン酸ブチル17.2g、グアニジン塩酸塩9.55g、及び25%水酸化ナトリウム水溶液16.0gを加え、100℃に加温し、5.5時間撹拌した。60℃まで冷却した反応液に3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド14.2gを少量ずつ加え、更にブタノール100gを追加して、そのまま1時間撹拌した。反応液を室温までに冷却し、析出した固体をろ過してとり、メタノール100mLで洗浄した。得られた固体を冷水200mLで分散洗浄し、続けてメタノール100mLで洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥してN−カルバミミドイル−4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタンアミド19.0g(収率56%)を得た。
性状:淡黄色固体
融点:193℃
H−NMR(300MHz,DMSO−d,δppm):2.0(s,3H),2.4(t,2H),2.5(t,2H),7.0(d,2H),7.3(s,1H),7.5(s,1H),7.8(d,1H),8.5(s,1H),NHとOHは不検出
製造例5:3−ヒドロキシ−N’−(1,1−ジメトキシプロパン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジド(化合物e)の製造
メタノール50mLに3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド10.1gとピルビン酸アルデヒドジメチルアセタール5.89gを加え、加熱還流した。14時間後、反応液を10℃まで冷却し、析出した固体をろ過してとり、メタノール20mLで2回洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥して3−ヒドロキシ−N’−(1,1−ジメトキシプロパン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジド13.5g(収率89%)を得た。
性状:淡黄色固体
融点:178℃
1H−NMR(300MHz,DMSO−d,δppm):1.8−2.0(m,3H),3.2−3.5(m,6H),4.6−4.7(m,1H),7.2−7.4(m,2H),7.4−7.6(m,1H),7.7−7.8(m,1H),7.9−8.0(m,1H),8.5−8.7(m,1H),11.0−12.5(m,2H)
[実施例1〜5、比較例1]
下記の表1に示す配合処方により、各種供試ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物に対し、tanδ、ムーニー粘度を測定した。測定方法は下記の通りである。
<tanδ>
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、比較例1の値を100として夫々指数表示した。この値が小さい程、低発熱性が良好であることを示す。
<ムーニー粘度>
未加硫ゴム粘度の測定は、JIS K 6300−1:2001(ムーニー粘度)に準拠して行った。比較例1の値を100として指数表示した。ムーニー粘度指数は数値が小さいほど粘度が小さく、作業性が良好であることを示す。
*1 RSS#1
*2 旭カーボン(株)製「♯80」
*3 3−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−2−ナフトエ酸ヒドラジド(特許文献1 合成例2で製造された化合物)
*4 富士興産(株)製「アロマックス#3」
*5 N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクラック6C」
*6 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業(株)製、商品名「ノクラック224」
*7 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、三新化学工業(株)製、商品名「サンセラーCM」
化合物a:製造例1により得られた化合物
化合物b:製造例2により得られた化合物
化合物c:製造例3により得られた化合物
化合物d:製造例4により得られた化合物
化合物e:製造例5により得られた化合物
[評価結果]
表1より明らかなように、本発明のゴム用添加剤を配合した実施例1〜5のゴム組成物は、比較例1のゴム組成物と比較して、いずれも作業性及び低発熱性の双方において良好であった。

Claims (8)

  1. 下記式(I)で表されるヒドラゾン化合物。

    [式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Lは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Aは下記の式(A−1)又は式(A−2)で表される基を示す。nは0又は1の整数を示す。]

    [式中、Rはヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたモノ又はジアルキルアミノ基、又はグアニジノ基を示す。*はLとの結合位置を示す。]

    [式中、R及びRは同一又は異なって水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。*はLとの結合位置を示す。]
  2. 4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタン酸、3−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)−N,N−ジメチルブタンアミド、3−ヒドロキシ−N’−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジド、N−カルバミミドイル−4−(3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボニルヒドラジニリデン)ペンタンアミド、及び3−ヒドロキシ−N’−(1,1−ジメトキシプロパン−2−イリデン)ナフタレン−2−カルボヒドラジドから選ばれる少なくとも1つのヒドラゾン化合物。
  3. 請求項1又は2に記載のヒドラゾン化合物を含有してなるゴム用添加剤。
  4. ジエン系ゴムを50質量%以上含有するゴム成分100質量部に対して、充填材10〜160質量部、及び請求項1又は2に記載のヒドラゾン化合物0.01〜30質量部を配合してなる、ゴム組成物。
  5. ジエン系ゴム成分が天然ゴムを含む、請求項4に記載のゴム組成物。
  6. 充填材がカーボンブラックを含む、請求項4又は5に記載のゴム組成物。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  8. 前記ゴム組成物をトレッド部、サイドウォール部、ビード部、インナーライナー、及びその他の補強ゴム部の少なくとも一つの部材に用いた、請求項7に記載の空気入りタイヤ。
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