JP2020056093A - 硫酸溶液の製造方法およびこの製造方法で用いられる電解槽 - Google Patents
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Abstract
Description
第2発明の硫酸溶液の製造方法は、第1発明において、前記アノードを構成する金属は、少なくともニッケルまたはコバルトのいずれかを含有することを特徴とする。
第3発明の硫酸溶液の製造方法は、第1発明または第2発明において、前記塩化物イオン含有硫酸溶液の塩化物イオンの濃度が1g/リットル以上20g/リットル以下であることを特徴とする。
第4発明の硫酸溶液の製造方法は、第1発明から第3発明のいずれかにおいて、前記電解液取出工程において、前記電解槽に保持されている電解液の液温を40℃以上65℃以下とすることを特徴とする。
第5発明の硫酸溶液の製造方法は、第1発明から第4発明のいずれかにおいて、前記電解液取出工程において、前記カソード室内の電解液の電気伝導度があらかじめ定められた値になるように制御されていることを特徴とする。
第6発明の硫酸溶液の製造方法は、第1発明から第5発明のいずれかにおいて、前記電解液取出工程において、前記アノードとカソードとに、周期的な通停電を繰り返すパルス電流を供給することを特徴とする。
第7発明の硫酸溶液の製造方法は、第6発明において、前記周期的な通停電において、
前記周期的な通停電の1周期における通電時間の比率が、0.8以上1.0未満であることを特徴とする。
第8発明の電解槽は、電流を供給することによりアノードを構成する金属を溶解するための電解槽であって、該電解槽は、槽内が陰イオン交換膜によりアノード室とカソード室に分けられていることを特徴とする。
第9発明の電解槽は、第8発明において、前記電解槽には、前記カソード室から供給される電解液に硫酸を加え、調整済電解液として前記カソード室へ供給する硫酸濃度調整槽が設けられていることを特徴とする。
また、電解液取出工程、すなわち、アノードとカソードに電流を供給するとともに、アノード室から金属溶解電解液を取出す工程を実行することで、アノード室から金属イオンの濃度が高い硫酸溶液が取出される。このためアノード室のニッケルイオンの濃度の値が大きくならないので、アノード側の不動態の形成を抑制でき、効率よく品質の高い、金属が溶解した硫酸溶液を製造することができる。
第2発明によれば、アノードを構成する金属が、少なくともニッケルまたはコバルトのいずれかを含有することにより、製造された硫酸溶液を二次電池の正極として使用することができる。
第3発明によれば、硫酸溶液の塩化物イオンの濃度が1g/リットル以上20g/リットル以下とすると、不動態皮膜の形成が適切に抑制され、アノードの溶解を行う際の電流密度を高くできるので、さらに効率よく硫酸溶液を製造することができるとともに、リチウムイオン電池の正極材の用いられる場合は塩化物イオン濃度が少ないほうが好ましいからである。
第4発明によれば、電解液取出工程において、電解液の液温を40℃以上65℃以下とすることにより、アノードの不動態化を抑制できるとともに、陰イオン交換膜の劣化を抑制できる。
第5発明によれば、カソード室の電気伝導度があらかじめ定められた値になるように制御されていることにより、カソード室の液抵抗が安定し、槽電圧の変動を小さくすることができる。これにより不動態化が生じた場合の電圧上昇の兆候の検知が容易となる。
第6発明によれば、電解液取出工程において、アノードとカソードとに、周期的な通停電を繰り返すパルス電流を供給することにより、さらに不動態化を抑制できる。
第7発明によれば、通停電の1周期における通電時間の比率が、0.8以上1.0未満であることにより、不動態化を抑制しながら、硫酸溶液の製造の効率を保持できる。
第8発明によれば、電解槽の槽内が陰イオン交換膜によりアノード室とカソード室に分けられているより、この電解層を用いることで、アノード室からカソード室への陽イオンである金属イオンの流れを抑制でき、品質の高い硫酸溶液が高効率で得られる。
第9発明によれば、カソード室から供給される電解液に硫酸を加え、調整済電解液としてカソード室へ供給する硫酸濃度調整槽が設けられているので、カソード室の電気伝導度を容易に制御することが可能となる。
(電解槽本体11)
電解槽本体11は、内部に電解液を保持することができる構成をしている。電解槽本体11を構成する材料は公知の材料である。電解槽本体11は、陰イオン交換膜を用いた隔膜12によりアノード13が内部に位置するアノード室21と、カソード14が内部に位置するカソード室22と、を含んで構成されている。電解槽本体11の外側には、アノード13、およびカソード14に接続している直流電源17が設けられている。なお図1では、直流電源17からアノード13、またはカソード14と接続した線は電線を表し、この線に沿った矢印は電流の向きを示している。
電解槽10に用いられるアノード13には、複数の形態がある。例えばニッケルの酸性溶液を得ようとする場合、アノード13の一つ目の形態としては、工業的に電解精製ないし電解採取した板状の金属ニッケル(電気ニッケル)が該当する。また、二つ目の形態としては、チタン等の酸に対し不溶性の材質でできたバスケットに、小さく切断した金属ニッケルを充填したものが該当する。二つ目の形態の場合、全部が溶解し終わる前に交換する必要があったり、金属を切断するコストおよび手間がかかったりするが、無駄なく効率的に溶解することができる。一つ目の形態の場合、溶解し終わった後はアノード13全体を交換する必要がある。交換は所定の大きさに到達したときに行われる。所定の大きさよりも小さくなった金属ニッケルは、二つ目の形態のバスケットに充填し溶解する2段階の溶解方法を用いることもできる。上記のことはコバルトの場合も同様である。
カソード14には、チタン、ステンレス、ニッケル、コバルト、白金などの板状の金属が好適に用いられる。また、アルミや鉄などの表面に前記のニッケルやコバルトなどをメッキした構造のものを用いることもできる。
隔膜12は、電解槽本体11の槽内をアノード室21とカソード室22とに分割する。隔膜12は、液体またはイオンの通過を抑制している。具体的に隔膜12としては、本発明では陰イオン交換膜が用いられている。
硫酸濃度調整槽30は、カソード室22へ供給される調整済電解液の硫酸濃度を調整するために設けられている。硫酸濃度調整槽30は、内部に硫酸を保持することができる材料により構成されている。オーバーフロー管18からの矢印で示すように、硫酸濃度調整槽30には、電解槽10のカソード室22からオーバーフローで、カソード室22の電解液が供給される。硫酸濃度調整槽30には、第1供給ポンプ19から矢印で示すように硫酸が供給される。また、硫酸濃度調整槽30からは、硫酸濃度が調製された後の調整済電解液が、矢印で示すように第3供給ポンプ33により取出され、カソード室22へ供給される。硫酸濃度調整槽30には測定器35が設置されている。硫酸濃度調整槽30は、この測定器35により、調整済電解液の電気伝導度が一定になるように第1供給ポンプ19からの硫酸の流量を制御する構成となっている。調整済電解液の電気伝導度が一定になることで、カソード室22内の電解液の電気伝導度があらかじめ定められた値になるように制御される。
連続的にアノード室21から金属溶解電解液を取得可能な構成である場合、アノード室21には、矢印で示す方向にアノード室21からの硫酸溶液を取出すための取出管15が設けられている。また、取出管15には、アノード室21から硫酸溶液を取出すための取出しポンプ20が接続されている。加えてアノード室21には、硫酸を供給するための第2供給管31が設けられており、矢印で示すように第2供給ポンプ32によりアノード室21に所定の量の硫酸が供給される。
直流電源17は、一定の値の直流電流を連続的に供給する機能だけでなく、パルス電流を供給することができる機能を有している。「パルス電流を供給する」とは、通電(ON)および停電(OFF)の時間を設定して周期的に通停電を繰り返す断続通電を行うことを意味する(パルス通電、またはパルス電解という場合がある)。
(初期電解液供給工程)
本発明に係る硫酸溶液の製造方法では、最初に、図1の電解槽10に、塩化物イオンを含有する硫酸溶液を、初期電解液として供給する(初期電解液供給工程)。初期電解液は、アノード室21およびカソード室22の両方に供給される。初期電解液は、以下の記載にあるような塩化物イオン濃度および硫酸濃度であることが好ましい。液面の位置は、アノード室21の液面よりもカソード室22の液面が高くなるほうが好ましい。
何の対策も施さずに、硫酸溶液に金属ニッケルをアノード溶解すると、アノード13の表面に容易に酸化皮膜、つまり不動態皮膜が形成され、電流がほとんど流れない不動態化の状態になる。この不動態皮膜の形成はハロゲンイオンの存在、水素イオン濃度(pH)の低下、温度の上昇などにより抑制されるといわれている。本発明者が金属ニッケルのアノード溶解について検討したところ、特に塩化物イオンの電解液への添加が効果的であった。なお、塩化物イオン濃度は、所定の塩化物が電解液に加えられた後の電解液における塩化物イオンの濃度を言う。
初期電解液として供給される硫酸(「フリー硫酸」あるいは「遊離硫酸」ともいう)の濃度の値はできるだけ小さいほうが好ましい。硫酸の濃度の値が小さいと、電解槽10から取出された、金属イオンを含有する硫酸溶液を中和するための薬剤費用が低減できるためである。
本発明に係る硫酸溶液の製造方法では、次に、図1の電解槽10に設けられたアノード13とカソード14とに電流を供給するとともに、アノード室21から、アノード13を構成する金属が溶解した金属溶解電解液を取出す(電解液取出工程)。この金属溶解電解液は、電解槽10から取出されると硫酸溶液となる。金属溶解電解液は、以下の記載にあるような金属イオン濃度、電解液温度であることが好ましい。
本発明に係る硫酸溶液の製造方法で製造された硫酸溶液の金属イオン濃度は、硫酸溶液の用途により決定される。たとえば2次電池の正極材に用いるニッケル原料やコバルト原料として硫酸溶液が用いられる場合には、硫酸溶液のニッケルイオン等の濃度が90〜100g/リットル程度の高濃度のニッケルイオンやコバルトイオンを含有する硫酸溶液が必要となる。
電解槽10内の電解液温度は高い方が好ましい。電解液温度が高いとアノード溶解するニッケルまたはコバルトが不動態化することを抑制できる。特に不動態の発生を抑制するためには、電解槽10内で保持される電解液は、30℃を超える温度、好ましくは40℃以上の温度とすることが好ましい。ただし、イオン交換膜は材質上60℃を超えると劣化しやすくなり実用面では60℃以下の温度にする必要がある。さらに電解液温度を高くするほど電解槽10などの設備材質の耐熱性および加熱に要するコストがかかるため、生産性およびコストを考慮し最も経済的な条件に設定することが望ましい。工業的に一般的な材料である塩化ビニールの耐熱を考慮すると、電解液温度は65℃以下、好ましくは50〜60℃程度の温度が好ましい。すなわち、電解槽10の電解液温度は、ニッケルの不動態化を抑制する点で40℃以上が好ましく、イオン交換膜の劣化等の点で65℃以下が好ましい。
図1の電解槽10では、硫酸濃度調整槽30内の電気伝導度を、測定器35により測定している。具体的には、硫酸は、濃度の増加とともに電気伝導度が増大し、約300g/リットルで電気伝導度がピークとなりその後低下する。そのため、300g/リットル以下では、電気伝導度により硫酸濃度を予測することができる。電気伝導度が高い方が、液抵抗が小さくなり槽電圧を低くすることができる。
カソード室22の硫酸は、水素発生とアノード室21への硫酸イオンの移動により消耗するため、硫酸濃度を一定に、すなわち導電率を一定に保つために硫酸濃度調整槽30には硫酸が添加される。
図3には、硫酸濃度調整槽30が設けられ、バッチ式でアノード室21から金属溶解電解液を取出す構成の電解槽10が示されている。図3では、取出管15を通じて取出しポンプ20から取出された電解液が、アノード室21の上部の第4供給管37より供給されることで、電解液がアノード室21内を循環する。このようにアノード室21内の電解液が循環することにより、アノード電極表面近傍の液の滞留を防止することができる。電解液の取出管15は電解槽10の高さの中央周辺に設置されることが好ましく、第4供給管37の吐出口は、アノード13近傍であることが好ましい。
本発明に係る硫酸溶液の製造方法により硫酸溶液を製造すると、短時間で効率よく金属イオンを含有した硫酸溶液が得られる。この際に加えた電流が、金属の溶解にどの程度寄与しているかを電流効率として算出した。電流効率は、以下の数1に示すように、アノード13の重量減少分からカソード14の重量増加分を減じたものを、通電量から求めた理論溶解量で除した百分率で求めた。そして、電流効率が90%以上であれば効率よく電解できていると判断した。
電流効率(%)=(アノード13減少重量 − カソード14増加重量)/理論溶解量 × 100・・・数1
本発明に係る電解槽10では、アノード13側の溶液の電気伝導度またはpHを公知の測定機器を用いて測定し、硫酸の供給量および通電する電流の調整など操業管理に用いることも可能である。
実施例1では、硫酸濃度調整槽30を有し、連続的に金属溶解電解液を取得可能な、図1に示された電解槽10が用いられた。この電解槽10では、輸率(τCl−)が0.95以上である陰イオン交換膜を隔膜12として、アノード室21とカソード室22が分離されている。また、電解槽10では、アノード13およびカソード14として、金属ニッケル板が電極間距離45mmで設置された。それぞれの有効面積は16cm2とした。
実施例2は、初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは実施例1と同じである。実施例2のアノード室21の初期電解液は、水に硫酸ニッケルを溶解し、硫酸および塩酸で調整することで、ニッケルイオン濃度が100g/リットル、硫酸濃度が26g/リットル、塩化物イオン濃度が5g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度193g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が5g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は70S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。実施例2の金属溶解前の条件を表1に示す。
実施例3は、初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点、電流が供給される際の電解液の温度が45℃である点、電流密度が1000A/m2とした点以外のパラメータは実施例1と同じである。実施例3のアノード室21の初期電解液は、水に硫酸ニッケルを溶解し、硫酸および塩酸で調整することで、ニッケルイオン濃度が100g/リットル、硫酸濃度が25g/リットル、塩化物イオン濃度が6g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度192g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が6g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は71S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。実施例3の金属溶解前の条件を表1に示す。
比較例1では、初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の初期電解液が供給された。アノード室21の初期電解液は、水に硫酸ニッケルを溶解し、硫酸で調整することで、ニッケルイオン濃度が100g/リットル、硫酸濃度が33g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度200g/リットルの硫酸である。すなわち、アノード室21、カソード室および硫酸濃度調整槽30には塩化物イオンは存在していない。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は67S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。これ以外のパラメータは実施例1と同じである。比較例1の金属溶解前の条件を表1に示す。
比較例2では、初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点、電流が供給される際の電解液の温度が30℃である点、電流密度が1000A/m2とした点以外のパラメータは実施例1と同じである。アノード室21の初期電解液は、水に硫酸ニッケルを溶解し、硫酸および塩酸で調整することで、ニッケルイオン濃度が100g/リットル、硫酸濃度が25g/リットル、塩化物イオン濃度が6g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度192g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が6g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は71S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。比較例2の金属溶解前の条件を表1に示す。
初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点、隔膜12としてろ布が用いられている点以外のパラメータは実施例1と同じである。比較例3のアノード室21の初期電解液は、水に硫酸ニッケルを溶解し、硫酸および塩酸で調整することで、ニッケルイオン濃度が100g/リットル、硫酸濃度が29g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は68S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。比較例3の金属溶解前の条件を表1に示す。
実施例4では、硫酸濃度調整槽30を有し、金属溶解電解液をバッチ式に取得可能な、図3に示された電解槽10が用いられた。実施例4では、アノード室21の初期電解液にニッケルイオンを含まない塩化物イオン含有硫酸溶液が供給され、アノード室21の電解液は、取出しポンプ20により0.1リットル/minで循環している。そして22Ah通電後、電流の供給を停止しアノード室21内の金属溶解電解液が回収された。
実施例5では、初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは実施例4と同じである。実施例5のアノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が26g/リットル、塩化物イオン濃度が5g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度193g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が5g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は70S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。実施例5の金属溶解前の条件を表3に示す。
実施例6では、初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点、電流が供給される際の電解液の温度が45℃である点、電流密度が1000A/m2とした点以外のパラメータは実施例4と同じである。実施例6のアノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が25g/リットル、塩化物イオン濃度が6g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度192g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が6g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は71S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。実施例6の金属溶解前の条件を表3に示す。
比較例4では、アノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の初期電解液が供給された。アノード室21の初期電解液は、濃度33g/リットルの硫酸である。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度200g/リットルの硫酸である。すなわち、アノード室21、カソード室22、および硫酸濃度調整槽30には塩化物イオンは存在していない。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は67S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。初期電解液の点以外のパラメータは実施例4と同じである。比較例4の金属溶解前の条件を表3に示す。
比較例5では、初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点、電流が供給される際の電解液の温度が30℃である点、電流密度が1000A/m2とした点以外のパラメータは実施例4と同じである。アノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が25g/リットル、塩化物イオン濃度が6g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、硫酸濃度が192g/リットル、塩化物イオン濃度が6g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は71S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。比較例5の金属溶解前の条件を表3に示す。
初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点、隔膜12としてろ布が用いられている点、通電量を27Ahとした点以外のパラメータは実施例4と同じである。比較例6のアノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が29g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は68S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。比較例6の金属溶解前の条件を表3に示す。
実施例7では、硫酸濃度調整槽30が無く、金属溶解電解液をバッチ式に取得可能な、図4に示された電解槽10が用いられた。この電解槽10では、測定器35はカソード室22内の電解液に浸漬されている。また、カソード室22内の電解液は、第3供給ポンプ33で循環している。すなわち、実施例7では、カソード室22内の電解液の電気伝導度は制御されていない。ただし、アノード室21とカソード室22とに供給される初期電解液は、それぞれ硫酸濃度が異なっており、アノード室21において、目的のニッケルイオン濃度になるようにニッケルが溶解したときに、カソード室22の電解液の硫酸濃度が、アノード室21の金属溶解電解液の硫酸濃度と同じになるようにする。
実施例8では、初期電解液としてアノード室21およびカソード室22に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは実施例7と同じである。実施例8のアノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が26g/リットル、塩化物イオン濃度が5g/リットルとなっているものである。またカソード室22の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸である。すなわち、カソード室22には塩化物イオンは存在していない。また溶解前のアノード室21の液の電気伝導度は、15.5S/mであった。実施例8の金属溶解前の条件を表5に示す。
実施例9では、初期電解液としてアノード室21およびカソード室22に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは実施例7と同じである。実施例9のアノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が25g/リットル、塩化物イオン濃度が6g/リットルとなっているものである。またカソード室22の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸である。すなわち、カソード室22には塩化物イオンは存在していない。また溶解前のアノード室21の液の電気伝導度は、15.7S/mであった。実施例9の金属溶解前の条件を表5に示す。
実施例10では、初期電解液としてアノード室21およびカソード室22に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは実施例7と同じである。実施例10のアノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が29g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。またカソード室22の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。また溶解前のアノード室21の液の電気伝導度は、15.1S/mであった。実施例10の金属溶解前の条件を表5に示す。
比較例7では、アノード室21およびカソード室22に以下の初期電解液が供給された点以外のパラメータは実施例7と同じである。アノード室21の初期電解液は、濃度が33g/リットルの硫酸である。またカソード室22の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸である。すなわち、アノード室21、およびカソード室22には塩化物イオンは存在していない。また溶解前のアノード室21の液の電気伝導度は、14.8S/mであった。比較例7の金属溶解前の条件を表5に示す。
比較例8では、初期電解液としてアノード室21およびカソード室22に以下の硫酸溶液が供給された点、電流が供給される際の電解液の温度が30℃である点、電流密度が1000A/m2とした点以外のパラメータは実施例7と同じである。アノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が26g/リットル、塩化物イオン濃度が6g/リットルとなっているものである。またカソード室22の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸である。すなわち、カソード室22には塩化物イオンは存在していない。また溶解前のアノード室21の液の電気伝導度は、15.5S/mであった。比較例8の金属溶解前の条件を表5に示す。
比較例9では、図3の電解槽10が用いられたが、この際隔膜12を除去した。また初期電解液は以下のものが供給された。この初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が196g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。また溶解前の電気伝導度は、68S/mであった。この隔膜12がない点、初期電解液の点以外のパラメータは、実施例7と同じである。比較例9の金属溶解前の条件を表3に示す。
初期電解液としてアノード室21およびカソード室22に以下の硫酸溶液が供給された点、隔膜12としてろ布が用いられている点以外のパラメータは実施例7と同じである。比較例10のアノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が29g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。またカソード室22の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。また溶解前のアノード室21の液の電気伝導度は、15.0S/mであった。比較例10の金属溶解前の条件を表1に示す。
実施例11は、アノード13およびカソード14に金属コバルト板が用いられた点、初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは実施例1と同じである。すなわち、図1に示された電解槽10が用いられている。実施例11のアノード室21の初期電解液は、水に硫酸コバルトを溶解し、硫酸および塩酸で調整することで、コバルトイオン濃度が100g/リットル、硫酸濃度が29g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は67S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。実施例11の金属溶解前の条件を表7に示す。
初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点、隔膜12としてろ布が用いられている点以外のパラメータは実施例11と同じである。比較例11のアノード室21の初期電解液は、水に硫酸コバルトを溶解し、硫酸および塩酸で調整することで、コバルトイオン濃度が100g/リットル、硫酸濃度が29g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は67S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。比較例3の金属溶解前の条件を表1に示す。
実施例13では、アノード13およびカソード14に金属コバルト板が用いられた点、初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは実施例4と同じである。すなわち、図3に示された電解槽10が用いられている。実施例13のアノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が29g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は67S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。実施例13の金属溶解前の条件を表9に示す。
実施例14では、初期電解液としてアノード室21、カソード室22および硫酸濃度調整槽30に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは実施例13と同じである。実施例14のアノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が33g/リットル、塩化物イオン濃度が5g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度201g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が5g/リットルとなっているものである。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は75S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。実施例14の金属溶解前の条件を表9に示す。
比較例12では、図3の電解槽10が用いられたが、この際隔膜12を除去した。また初期電解液は以下のものが供給された。この初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が196g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。また溶解前の電気伝導度は、67S/mであった。この隔膜12がない点、初期電解液の点以外のパラメータは、実施例13と同じである。比較例12の金属溶解前の条件を表9に示す。
実施例15では、硫酸濃度調整槽30が無く、金属溶解電解液をバッチ式に取得可能な、図4に示された電解槽10が用いられた。この電解槽10では、測定器35はカソード室22内の電解液に浸漬されている。また、カソード室22内の電解液は、第3供給ポンプ33で循環している。すなわち、実施例15では、カソード室22内の電解液の電気伝導度は制御されていない。ただし、アノード室21とカソード室22とに供給される初期電解液は、それぞれ硫酸濃度が異なっており、アノード室21において、目的のコバルトイオン濃度になるようにコバルトが溶解したときに、カソード室22の電解液の硫酸濃度が、アノード室21の金属溶解電解液の硫酸濃度と同じになるようにする。
実施例16では、アノード13およびカソード14に金属コバルト板が用いられた点、初期電解液としてアノード室21およびカソード室22に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは実施例7と同じである。実施例16のアノード室21の初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が33g/リットル、塩化物イオン濃度が5g/リットルとなっているものである。またカソード室22の初期電解液は、濃度208g/リットルの硫酸である。すなわち、カソード室22には塩化物イオンは存在していない。また溶解前のアノード室21の液の電気伝導度は、17.5S/mであった。実施例16の金属溶解前の条件を表11に示す。
比較例13では、図3の電解槽10が用いられたが、この際隔膜12を除去した。また初期電解液は以下のものが供給された。この初期電解液は、硫酸および塩酸で調整することで、硫酸濃度が196g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。また溶解前の電気伝導度は、67S/mであった。この隔膜12がない点、初期電解液の点以外のパラメータは、実施例15と同じである。比較例13の金属溶解前の条件を表9に示す。
初期電解液としてアノード室21およびカソード室22に以下の硫酸溶液が供給された点、隔膜12としてろ布が用いられている点以外のパラメータは実施例15と同じである。比較例14のアノード室21の初期電解液は、水に硫酸コバルトを溶解し、硫酸および塩酸で調整することで、コバルトイオン濃度が100g/リットル、硫酸濃度が29g/リットル、塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。またカソード室22および硫酸濃度調整槽30の初期電解液は、濃度196g/リットルの硫酸に、塩酸を供給して塩化物イオン濃度が3g/リットルとなっているものである。また溶解前のアノード室21の液の電気伝導度は、14.8S/mであった。比較例14の金属溶解前の条件を表11に示す。
電解槽10に設けられたアノード13およびカソード14に、周期的な通停電を繰り返すパルス電流が供給された点、アノード13およびカソード14の電極有効面積が異なる点、初期電解液としてアノード室21およびカソード室22に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは実施例1と同じである。すなわち、実施例17では、硫酸濃度調整槽30を有し、連続的に金属溶解電解液を取得可能な、図1に示された電解槽10が用いられた。実施例17では、電解槽10に設けられたアノード13およびカソード14の有効面積は32cm2とした。また、実施例17では、周期1秒で、ON時間0.85秒、デューティ比0.85、平均電流密度1000A/m2となるようにパルス電流が供給された。また、実施例17のアノード室21の初期電解液は、水に硫酸ニッケルを溶解し、硫酸および塩酸で調整することで、ニッケルイオン濃度が100g/リットル、遊離硫酸濃度が32g/リットル、塩化物イオン濃度が1g/リットルとなっているものである。またカソード室22の初期電解液は、濃度200g/リットルの硫酸である。すなわちカソード室22には塩化物イオンは存在していない。実施例17の金属溶解前の条件を表13に示す。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は67S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。
電解槽10に設けられたアノード13およびカソード14に、周期的な通停電を繰り返すパルス電流が供給された点、アノード13およびカソード14の電極有効面積が異なる点、初期電解液としてアノード室21およびカソード室22に以下の硫酸溶液が供給された点以外のパラメータは実施例17と同じである。すなわち、実施例17では、硫酸濃度調整槽30を有し、連続的に金属溶解電解液を取得可能な、図1に示された電解槽10が用いられた。実施例18では、電解槽10に設けられたアノード13およびカソード14の有効面積は20cm2とした。実施例18では、周期2秒で、ON時間1.9秒、デューティ比0.95、平均電流密度1600A/m2となるようにパルス電流が供給された。また、実施例18のアノード室21の初期電解液は、水に硫酸ニッケルを溶解し、硫酸および塩酸で調整することで、ニッケルイオン濃度が100g/リットル、遊離硫酸濃度が30g/リットル、塩化物イオン濃度が2g/リットルとなっているものである。またカソード室22の初期電解液は、濃度200g/リットルの硫酸である。すなわちカソード室22には塩化物イオンは存在していない。実施例18の金属溶解前の条件を表13に示す。また溶解前の硫酸濃度調整槽30内の電解液の電気伝導度は67S/mであり、溶解前後でこの電気伝導度を保持するように電解液は制御されている。
電解槽10に設けられたアノード13およびカソード14に、周期的な通停電を繰り返す、実施例17と異なるパルス電流が供給された点以外のパラメータは実施例17と同じである。比較例15では、周期1秒で、ON時間0.5秒、デューティ比0.5、平均電流密度1000A/m2となるようにパルス電流が供給された。比較例15の金属溶解前の条件を表3に示す。
12 隔膜
13 アノード
14 カソード
17 直流電源
21 アノード室
22 カソード室
Claims (9)
- 槽内が陰イオン交換膜によりアノード室およびカソード室に分けられた電解槽の少なくとも前記アノード室に、塩化物イオン含有硫酸溶液を初期電解液として供給する初期電解液供給工程と、
前記電解槽に設けられたアノードとカソードとに電流を供給するとともに、前記アノード室から、前記アノードを構成する金属が溶解した金属溶解電解液を取出す電解液取出工程と、
を含んで構成されている、
ことを特徴とする硫酸溶液の製造方法。 - 前記アノードを構成する金属は、少なくともニッケルまたはコバルトのいずれかを含有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の硫酸溶液の製造方法。 - 前記塩化物イオン含有硫酸溶液の塩化物イオンの濃度が1g/リットル以上20g/リットル以下である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の硫酸溶液の製造方法。 - 前記電解液取出工程において、
前記電解槽に保持されている電解液の液温を40℃以上65℃以下とする、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の硫酸溶液の製造方法。 - 前記電解液取出工程において、
前記カソード室内の電解液の電気伝導度があらかじめ定められた値になるように制御されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の硫酸溶液の製造方法。 - 前記電解液取出工程において、
前記アノードとカソードとに、周期的な通停電を繰り返すパルス電流を供給する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の硫酸溶液の製造方法。 - 前記周期的な通停電において、
前記周期的な通停電の1周期における通電時間の比率が、0.8以上1.0未満である、
ことを特徴とする請求項6に記載の硫酸溶液の製造方法。 - 電流を供給することによりアノードを構成する金属を溶解するための電解槽であって、該電解槽は、槽内が陰イオン交換膜によりアノード室とカソード室に分けられている、
ことを特徴とする電解槽。 - 前記電解槽には、
前記カソード室から供給される電解液に硫酸を加え、調整済電解液として前記カソード室へ供給する硫酸濃度調整槽が設けられている、
ことを特徴とする請求項8に記載の電解槽。
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