JP2020053842A - 通信装置、集約装置、通信システムおよび制御プログラム - Google Patents

通信装置、集約装置、通信システムおよび制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】通信端末から送られる検出値情報を集約装置が正しい時間で管理可能とする。
【解決手段】通信装置(無線端末2)は、親局時刻情報を基準として動作する親局と接続される通信部と、第一クロック信号を発生する第一クロック部と、通信装置の動作に用いられる通信装置時刻情報を第一クロック信号を用いて生成し、通信装置時刻情報を親局時刻情報と同期する時刻同期部を有する。物理量の検出値を出力するセンサ部と、センサ部の動作に用いられる第二クロック信号を発生する第二クロック部と、通信装置時刻情報を基準時刻として第二クロック信号の第二クロック周波数を計数し第二クロック周波数を示す情報を出力する周波数計数部により、センサ部から出力された検出値を含む検出値情報と、周波数計数部から出力された第二クロック周波数を示す情報とを関連付けて、通信部を介して親局に送信する制御部を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は通信装置、集約装置、通信システムおよび制御プログラムに関する。
センサ(sensor)を搭載した複数の通信端末が建築物や架橋などに設置され、センサが検出した温度や照度、加速度(振動)の値を示すデータ(data)を親局に集約するセンサシステムがある。このようなセンサシステムを実現する通信技術としてマルチホップ通信がある。マルチホップ通信を用いた通信システムでは、複数の通信端末が無線で相互にデータを中継することにより、広範囲に配置された通信端末同士の通信が可能である。
このような通信システムの例を図12に示す。図12は本発明における背景技術を説明するための図である。通信システム9では複数の通信端末92が構造物90に設置される。通信システム9では複数の通信端末92のデータ送受信を協調させるため、親局91と複数の通信端末92との間で時刻同期が行われる。この時刻同期は、通信端末92が有する第一クロック921(clock:発振器)で管理される時刻を、親局91のクロック(図示せず)で管理される時刻と同期することで行われる。換言すると時刻同期において通信端末92と親局91のクロックが同期される。
特許文献1は通信回線によって互い接続された無線端末を含むシステムにおいて、各端末は基準クロックの値を定期的に取得し、自端末の内部クロックと基準クロックとの相対的な差を用いて、自端末の内部クロックによる時刻を補正することを開示する。
特開2004−187040号公報
図12に示す通信システム9において、各通信端末92はセンサ922を有する。センサ922は、物理現象に反応してセンサ値を出力する素子(図示せず)と、素子の動作に用いられるクロックを発生する第二クロック9221を有する。センサ922は、第二クロック9221が発生するクロックに基づいて動作する。
このように通信端末92は第一クロック921と、センサ922の第二クロック9221との二つのクロックを有する。各通信端末の第二クロック9221は、クロックの公称値(センサ922の仕様で定められる値)に対して誤差を有する。また各通信端末92のセンサ922は、第二クロック9221と第一クロック921とを時刻同期する機能を有していない。これは、センサ922は一般的に集積回路などの形でモジュール化されているところ、当該モジュールの製造段階で第二クロック9221のクロックに誤差が生じ、また当該モジュールの仕様として第二クロック9221と第一クロック921とを時刻同期する機能を有していないことに依る。
つまり、通信システム9において各通信端末92の第一クロック921は親局91と時刻同期される。一方で各通信端末92の第二クロック9221は第一クロック921と時刻同期されない。従って各通信端末92から親局91に送信されるデータは、第二クロック9221の誤差に起因した時間の誤差を含む。各通信端末92から親局91に送信されるデータが時間の誤差を含むと、親局の上位にある集約装置は、通信端末92からのデータを正しい時間軸で管理することや処理することができない。
本発明は上述した課題に鑑み、通信端末から送られるセンサデータを正しい時間軸で管理可能とするものである。
第一の本発明は、親局時刻情報を基準として動作する親局装置と通信を行う通信装置であって、前記親局装置と接続される通信部と、第一クロック信号を発生する第一クロック部と、前記通信装置の動作に用いられる通信装置時刻情報を前記第一クロック信号を用いて生成し、前記通信装置時刻情報を、前記通信部を介して前記親局装置から取得される前記親局時刻情報と同期する時刻同期部と、所定物理量の検出値を出力するセンサ部と、前記センサ部による前記検出値の出力動作に用いられる第二クロック信号を発生する第二クロック部と、前記通信装置時刻情報を基準時刻として前記第二クロック信号の第二クロック周波数を計数し、前記第二クロック周波数を示す情報を出力する周波数計数部と、前記センサ部から出力された前記検出値を含む検出値情報と、前記周波数計数部から出力された前記第二クロック周波数を示す情報とを関連付けて、前記通信部を介して前記親局装置に送信する送信制御部とを有することを特徴とする。
第二の本発明は、第一の本発明の通信装置から前記親局装置を介して情報を受信する集約装置であって、当該集約装置は、前記検出値情報および前記第二クロック周波数を示す情報を取得する取得部と、前記第二クロック周波数を示す情報を用いて前記検出値情報を補正する補正部とを備えることを特徴とする。
第三の本発明は、複数の通信装置が集約装置に接続される通信システムであって、複数の前記通信装置のそれぞれに第一の本発明の通信装置が適用され、前記集約装置に第二の本発明の集約装置が適用されることを特徴とする。
第四の本発明は、所定物理量の検出値を出力するセンサ部と、前記センサ部による前記検出値の出力動作に用いられる第二クロック信号を発生する第二クロック部とを有し、親局時刻情報を基準として動作する親局装置に、前記検出値を含む検出値情報を送信する通信装置の制御プログラムであって、当該通信装置のコンピュータを、前記親局装置と接続される通信手段、第一クロック信号を発生する第一クロック手段、前記通信装置の動作に用いられる通信装置時刻情報を前記第一クロック信号を用いて生成し、前記通信装置時刻情報を、前記通信手段を介して前記親局装置から取得される前記親局時刻情報と同期する時刻同期手段、前記通信装置時刻情報を基準時刻として前記第二クロック信号の第二クロック周波数を計数し、前記第二クロック周波数を示す情報を出力する周波数計数手段、前記センサ部から出力された前記検出値を含む検出値情報と、前記周波数計数手段から出力された前記第二クロック周波数を示す情報とを関連付けて、前記通信手段を介して前記親局装置に送信する送信制御手段として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、通信端末から送られるセンサデータを正しい時間軸で管理可能となる。また、本発明によれば、通信システムにおける通信端末のセンサがクロック(発信噐)の時刻同期を行わないものであっても、通信端末から送られるセンサデータを集約装置が正しい時間軸で管理可能とする通信装置、集約装置、通信システムおよび制御プログラムが提供される。
実施形態の通信システムの全体構成を示す図である。 実施形態の無線端末の構成を示すブロック図である。 実施形態のゲートウェイ装置の構成を示すブロック図である。 実施形態の集約装置の構成を示すブロック図である。 実施形態の無線端末が解決する問題点を示す図である。 実施形態の無線端末における、センサ部の第二クロックが計測される動作を示すフロー図である。 実施形態の無線端末における、計測データ生成の動作を示すフロー図である。 図7が示す動作について、制御部とセンサ部との動作を示すシーケンス図である。 実施形態の無線端末によって生成される計測データの構造を示す図である。 実施形態の集約装置におけるデータ処理を模式的に示す図である。 変形例の無線端末における、制御部とセンサとの連携を示すシーケンス図である。 本発明における背景技術を説明するための図である。
(A)実施形態
本発明の実施形態を図1から図10を参照して説明する。なお本実施形態では、通信システムにIEEE802.15.4(LR−WPANs:Low−Rate Wireless Personal Area Networks)に準拠したZigBee規格(ZigBeeは登録商標)で規定されるマルチホップ通信が適用される例を説明する。
以下の説明において、後述する無線端末2のセンサ部22が出力する物理量の検出値の一つ一つを「センサ値」と呼ぶ。また当該センサ値が集合したものを「センサ値群」と呼ぶ。また当該センサ値群が集合したものを「センサデータ」と呼ぶ。また後述する無線端末2が集約装置4へ送信するセンサデータを含むデータを「計測データ」と呼ぶ。
(A−1)構成
(A−1−1)通信システムの全体構成
図1は実施形態の通信システムの全体構成を示す図である。図1に示す通信システム1は複数の無線端末2、ゲートウェイ装置3(以下、GateWayを略しGW装置3と称する)、集約装置4を含む。無線端末2の数は2以上であれば任意でよい。本実施形態では説明のため、通信システム1は無線端末2−1、無線端末2−2、無線端末2−3の3つの無線端末2を含むものとする。なお以降の説明において無線端末2−1から無線端末2−3を区別せずに説明する際は、単に無線端末2と述べる。
図1において各装置を結ぶ実線は有線による接続を示し、各装置を結ぶ点線は無線による接続を示す。図1では集約装置4とGW装置3は有線で接続され、またGW装置3と無線端末2−1は有線で接続される。無線端末2−1から無線端末2−3は相互に無線で接続される。
複数の無線端末2のうち1つがGW装置3に接続され、無線端末2同士は無線により相互に接続される。図1においては無線端末2−1が親局としてGW装置3に接続され、無線端末2−1から無線端末2−3が無線で相互に接続される。無線端末2は建築物や架橋などに設置され、設置環境の物理量を検出するセンサを搭載し、計測データをGW装置3に送信する。無線端末2の詳細な内部構成および詳細な動作については後述する。
無線端末2のそれぞれはマルチホップ通信を行うことができる。無線端末2のそれぞれは、自端末から他端末へ向けたデータ送信に加え、他の無線端末からのデータ中継を行う。GW装置3から無線端末2への方向の下りデータ送信において、例えば無線端末2−1から無線端末2−3へデータが送信される場合、無線端末2−2がデータを中継する。また無線端末2からGW装置3への方向の上りデータ送信において、例えば無線端末2−3から無線端末2−1へデータが送信される場合、無線端末2−2がデータを中継する。
図1において無線端末2−1から無線端末2−3のそれぞれは点線で示す通信経路によって直列に接続されているが、この接続関係は一例である。例えば無線端末2−1から無線端末2−3がメッシュ型の接続関係であってもよいし、無線端末2−1を中心として無線端末2−2と無線端末2−3がスター型に接続されていてもよく、その他の接続関係であってもよい。無線端末2−1から無線端末2−3を接続する通信経路はGW装置3により決定される。上りデータ送信の通信経路は例えばZigBee規格におけるメニー・トゥー・ワン方式で決定され、下りデータ送信の通信経路は例えばZigBee規格におけるソースルーティング方式で決定される。
GW装置3は無線端末2のいずれか一つに接続され、また集約装置4に接続される。図1においてGW装置3は無線端末2−1に接続される。GW装置3は無線端末2同士を接続する通信経路を決定する。またGW装置3は無線端末2から集約装置4へ送信される上りデータを中継し、集約装置4から無線端末2へ送信される下りデータを中継する。GW装置3はこれら上りデータと下りデータの中継に際し通信プロトコルの変換を行ってもよい。
集約装置4はGW装置3に接続される。集約装置4は複数の無線端末2からGW装置3へ送信される計測データを集約する。集約装置4は通信システム1の使用者が操作可能なパーソナルコンピュータやサーバなどの機器で実現される。集約装置4は無線端末2から受信した計測データの管理、処理および表示などを行う。集約装置4による計測データの管理、処理および表示など動作の詳細は後述する。
なお図1においてGW装置3と無線端末2−1とが無線により接続されてもよい。GW装置3と無線端末2−1とを接続する無線通信の規格は限定されないが、例えば無線端末2−1から無線端末2−3の接続と同様にZigBee規格を用いてもよい。またGW装置3と集約装置4とが無線により接続されてもよい。GW装置3と集約装置4とを接続する無線通信の規格は限定されないが、例えば3G(3rd Generation)などの携帯通信網を利用してもよい。
(A−1−2)無線端末の構成
次に、図1における無線端末の構成を、図2を参照して説明する。図2は実施形態の無線端末の構成を示すブロック図である。
図2に示すように無線端末2は、制御部21、センサ部22、記憶部23、メインメモリ24、無線インタフェース25、入出力インタフェース26およびアンテナ27を有する。
制御部21は無線端末2の動作を制御し、CPU(Central Processing Unit)などにより実現される。制御部21はセンサ部22、記憶部23、メインメモリ24、無線インタフェース25、入出力インタフェース26のそれぞれに接続される。
制御部21はさらに時刻同期部211、クロック計数部212、計測データ生成部213、第一クロック214を有する。時刻同期部211は第一クロックが発生するクロックを基準にして無線端末2における時刻情報を生成し、この時刻情報を親局(図1においては無線端末2−1)で生成される時刻情報と同期する。この時刻同期は、Network Time Protocol(NTP)などのプロトコルによって実行される。なお以下では、時刻同期部211の当該動作を「無線端末2と親局を時刻同期する」あるいは「無線端末2の第一クロックを親局と同期する」などと表現する。クロック計数部212は、センサ部22の後述する第二クロック223の第二クロック数を計数する。計測データ生成部213はセンサ部22からのセンサ値と、クロック計数部212が計数した第二クロック数とから集約装置4へ送信する計測データを生成する。第一クロック214はセンサ部22を除く無線端末2の各機能部の動作に用いられるクロックを発生する発振回路である。時刻同期部211、クロック計数部212、計測データ生成部213の動作の詳細は後述する。
なお無線端末2が親局(図1の無線端末2−1)として使用される場合は、制御部21のクロック計数部212および計測データ生成部213が機能せず未使用状態となり(あるいはクロック計数部212および計測データ生成部213が搭載されず)、無線端末2がセンシング用(図1の無線端末2−2または無線端末2−3)として使用される場合は、制御部21のクロック計数部212および計測データ生成部213が機能する。
センサ部22は、無線端末2の設置環境における各種物理量を計測する。センサ部22はモジュール化された集積回路や電子回路などで実現される。センサ部22の種類(換言すると計測する物理量の種類)は限定されず、例えば温度センサや照度センサ、加速度センサなど各種センサを、無線端末2の設置目的に応じて用いてよい。なお無線端末2が親局(図1の無線端末2−1)として使用される場合は、センサ部22が機能せず未使用状態となり(あるいはセンサ部22が搭載されず)、無線端末2がセンシング用(図1の無線端末2−2または無線端末2−3)として使用される場合はセンサ部22が機能する。
センサ部22はさらにセンシング部221、バッファ222、第二クロック223を有する。センシング部221は無線端末2の設置環境における物理現象に反応してセンサ値(物理量の検出値)を出力する素子であり、センサ値をバッファ222へ送る。バッファ222はセンサ値を一時的に蓄積し、バッファ容量が満杯になるとセンサ値を制御部21へ送る。バッファ222が蓄積可能な情報量は限定されないが、本実施形態では説明のためバッファ222はn[個]のセンサ値を蓄積可能であるものとする。第二クロック223はセンサ部22の動作に用いられるクロックを発生する発振回路である。以下説明のため、第二クロック223の第二クロック数をf2[Hz]と表す。センサ部22の動作の詳細は後述する。
なお本実施形態において、第二クロック223は制御部21の第一クロック214と同期されない。これは第二クロック223を第一クロック214と同期する機能を、センサ部22が有していないためである。また第二クロック数は公称値(センサ部22の仕様で定められる値)に対して±1%から±2%の誤差があり得る。この誤差は無線端末2のセンサ部22毎にばらつく。
記憶部23は無線端末2を動作させる各種プログラムを格納する。このプログラムは例えば無線端末2のハードウェア構成を制御するファームウェアである。記憶部23はEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発メモリで実現される。
メインメモリ24は計測データ生成部213が計測データを生成する際の一時記憶装置として使用される。メインメモリ24はRAM(Random Access Memory)などのメモリで実現される。
無線インタフェース25は無線端末2と他の無線端末2を相互に無線接続する。無線端末2は無線インタフェース25を経由して他の無線端末2との間でデータの送受信を行う。なお無線インタフェース25はアンテナ27に接続される。無線インタフェース25は、例えばIEEE802.15.4に準拠したマルチホップ通信に対応し、IEEE802.15.4に準拠したデータの送受信を行う。
無線インタフェース25は単位時間あたりの送信時間を考慮したデータの送受信を行う。例えば単位時間を1時間とすると、無線インタフェース25は、アンテナ27で周波数920.5〜923.5MHzで送信出力250mW以下の電波を送出する場合、送信時間の総和を400ms(360s/h以下)となるようデータの送受信を行う。また無線インタフェース25はアンテナ27を用いて周波数920.5〜923.5MHzで送信出力20mW以下の電波を送出する場合、送信時間の総和が400ms(360s/h以下)となるようデータの送受信を行う。また無線インタフェース25は、アンテナ27を用いて周波数923.5〜928.1MHzで送信出力20mW以下の電波を送出する場合、送信時間の総和が400ms(360s/h以下)となるようデータの送受信を行う。また無線インタフェース25はアンテナ27を用いて周波数915.9〜929.7MHzで送信出力1mW以下の電波を送出する場合、送信時間の総和が100ms(3.6/h以下)となるようデータの送受信を行う。
入出力インタフェース26は、例えば既存のUSB(Universal Serial Bus)規格に準拠したインタフェースである。例えばGW装置3と無線端末2−1は入出力インタフェース26によって接続され、接続にUSB規格に準拠したケーブルが用いられる。なお無線端末2が親局(図1の無線端末2−1)として使用される場合は入出力インタフェース26が使用され、他の無線端末(図1の無線端末2−2または無線端末2−3)として使用される場合は、入出力インタフェース26は使用されない。
アンテナ27は無線インタフェース25に接続され、電波の送受信を行う。
なお本実施形態の無線端末2は、各機能ブロックに電力供給する手段として内部電源(電池)を有する(図示せず)。上述のように無線端末2は建築物や架橋などに複数かつ分散して設置されるので、無線端末2に外部電源に接続し外部電源から電力を供給することが難しいからである。
(A−1−3)ゲートウェイ装置の構成
次に、図1におけるGW装置3の構成を、図3を参照して説明する。図3は実施形態のゲートウェイ装置の構成を示すブロック図である。
図3に示すようにGW装置3は、制御部31、記憶部32、入出力インタフェース33、LANインタフェース34を有する。
制御部31はGW装置3の動作を制御し、CPUにより実現される。制御部31はGW装置3の機能である無線端末2同士を接続する通信経路の設定、集約装置4から無線端末2への下りデータおよび無線端末2から管理装置4への上りデータの中継、および中継に際しての通信プロトコルの変換を実行する。
記憶部32はGW装置3を動作させる各種プログラムを格納する。記憶部32はEEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発メモリで実現される。記憶部32に格納される各種プログラムは、制御部31がGW装置3の機能を実現するためのプログラムを含む。
入出力インタフェース33は例えば既存のUSB規格に準拠したインタフェースである。GW装置3と無線端末2−1は入出力インタフェース33によって接続され、接続にUSB規格に準拠したケーブルが用いられる。
LAN(Local Area Network)インタフェース34は集約装置4とGW装置3とを接続するインタフェースである。例えば既存のEthernet規格に準拠したネットワークアダプタで実現され、集約装置4とGW装置3の接続にLANケーブルが用いられる。
(A−1−4)集約装置の構成
次に図1における集約装置4の構成を、図4を参照して説明する。図4は実施形態の集約装置の構成を示すブロック図である。
図4に示すように集約装置4は、制御部41、記憶部42、ユーザーインタフェース43、表示インタフェース44、LANインタフェース45を有する。
制御部41は集約装置4の動作を制御し、CPUにより実現される。制御部41はさらに取得部411とデータ処理部412とを有する。取得部411はGW装置3から受信した無線端末2の計測データを記憶部42に記憶させ、また記憶部42に記憶された計測データを取得する。データ処理部412は計測データの内容を読み取り、表示インタフェース44に表示するグラフなどの表示情報を生成したり、計測データに補正を行ったりする。データ処理部412の動作の詳細は後述する。
記憶部42は集約装置4を動作させる各種プログラムを格納する。記憶部42はHDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)などで実現される。記憶部42に格納される各種プログラムは、データ処理部412が計測データを処理するためのプログラムを含む。
ユーザーインタフェース43は通信システム1の利用者が集約装置4を操作するための周辺機器であり、例えば入力装置としてのキーボードやマウスなどで実現される。
表示インタフェース44はデータ処理部412が生成したグラフなどの表示情報を集約装置4の利用者が視認可能なように表示する。表示インタフェース44は集約装置4と一体あるいは別体のディスプレイ装置などで実現される。
LANインタフェース45は、集約装置4とGW装置3とを接続するインタフェースである。例えば既存のEthernet規格に準拠したネットワークアダプタで実現される。LANインタフェース45は下り通信において各種データをGW装置3へ送信し、上り通信においてGW装置3から各種データを受信する。
(A−2)センサ部のクロック誤差による問題点
次に図5を用いて本実施形態の無線端末2が解決する問題点を説明する。図5は実施形態の無線端末が解決する問題点を示す図である。図5では、図1における無線端末2−2と無線端末2−3をあげ、無線端末2の内部構成を簡略化して図示する。簡略化にあたり図2と同一の構成要素に同一の番号を振り、説明のため無線端末2−2については番号または名称に符号Aを付し、無線端末2−3については符号Bを付す。なお図5において無線端末2−2と無線端末2−3のそれぞれがセンサ部22を用いてセンシングを行い、センサデータを含む計測データを集約装置4へ送信する。
上述のとおり、無線端末2の第二クロック数f2は公称値に対して±1%から±2%の誤差がありうる。図5において、無線端末2−2が有する第二クロック223Aはクロック数の公称値F[Hz]に対して誤差がなく(誤差0%)、第二クロック数は公称値に等しいf2A[Hz]である(f2A=F)。センサ部22Aは第二クロック数f2A[Hz]で動作し、センサ部22Aが出力するセンサ値の間隔(センサ値一つ一つの時間間隔)は、第二クロック数f2Aの逆数である1/f2A[s]となる。
一方で無線端末2−3の第二クロック223Bは、クロック数の公称値F[Hz]に対して−2%の誤差があり、第二クロック数f2Bは公称値Fの0.98倍である(f2B=F×(1−0.02)=F×0.098)。センサ部22Bは第二クロック数f2B[Hz]で動作し、センサ部22Bが取得するセンサ値の間隔は、第二クロック数f2Bの逆数である1/f2B[s]となる。なお1/f2B=1/0.098×f2Aであるから、センサ部22Bが出力するセンサ値の間隔は、センサ部22Aが出力するセンサ値の間隔よりも長い(1/f2B>1/f2A)。
より具体的な数値を例示する。例えば第二クロック数の公称値を100[Hz]とすると、無線端末2−2の第二クロック223Aは誤差0%であるから、センサ部22Aは第二クロック数f2A=100[Hz]、センサ値の間隔は0.0100[s](1/100)で動作する。一方で無線端末2−3の第二クロック223Bは誤差−2%であるから、センサ部22Bは第二クロック数f2B=98[Hz]、センサ値の間隔は0.0102[s](1/98)で動作する。
無線端末2−2のセンサ部22Aと無線端末2−3のセンサ部22Bは、設置環境で生じた物理現象(例:加速度(揺れ)の発生)に同時に反応して動作を開始し、規定された個数(規定個数)のセンサ値を出力する。無線端末2−2と無線端末2−3は、自端末のセンサ部22がセンシングを開始した時刻(センサ部22がセンサ値を出力開始した時刻)を、親局(無線端末2−1)と時刻同期される第一クロック214に基づき取得する。つまりセンサ部22Aとセンサ部22Bのそれぞれがセンシングを開始した時刻は、無線端末2−2と無線端末2−3との間で同期される。
無線端末2−2と無線端末2−3は、センシングを開始した時刻から規定個数のセンサ値を収集する。無線端末2−2のセンサ部22Aは公称値に対して誤差のない第二クロック数f2A=100[Hz]で動作するので、センサ部22Aから収集されたセンサ値の集合であるセンサデータA(図5)は時間の誤差を含まない。一方で無線端末2−3のセンサ部22Bは公称値に対して誤差のある第二クロック数f2B=98[Hz]で動作するので、センサ部22Bから収集されたセンサ値の集合であるセンサデータB(図5)は時間の誤差を含む。つまりセンサ部22BによるセンサデータBは、センサ部22AによるセンサデータAに比べてセンサ値の間隔が長く、センサデータ全体の時間長が長い。
集約装置4は、無線端末2−2と無線端末2−3のそれぞれからセンサデータ(図5の(A)と(B))を受信し、センサデータの比較や分析を行うために、センサデータの処理や表示を行う。しかし、上述のとおりセンサデータBは時間の誤差を含む。従って集約装置4は、時間の誤差を含まないセンサデータAと時間の誤差を含むセンサデータBとを、同じ時間軸で扱うことができない。例えば図5に示すように、センサ部22AのセンサデータAに現れる特徴的なセンサ値(グラフ上のピーク値など)と、センサ部22BのセンサデータBに現れる特徴的なセンサ値とを、同じ時間軸で扱うことができない。
以下に説明する本実施形態の無線端末2の動作は、各無線端末2の第二クロック223は制御部21の第一クロック214と同期されず、また第二クロック223の第二クロック数f2は公称値に対して誤差がありうるという背景のもと、上述した問題点を解決することを目的とする。
(A−3)動作
次に図6から図9を用いて無線端末2の動作を説明し、図10を用いて集約装置4の動作を説明する。なお以下では前節(A−2)と同様に、図1における無線端末2−2と無線端末2−3とがセンシング用の無線端末2である。無線端末2−2と無線端末2−3とを区別せず説明する場合は無線端末2と呼び、無線端末2−2と無線端末2−3とで個別の数値を例示して説明する場合は、前節(A−2)と同様に無線端末2−2については番号または名称に符号Aを付し、無線端末2−3については符号Bを付して説明する。
(A−3−1)無線端末における第二クロックの計測
図6は実施形態の無線端末における、センサ部の第二クロックが計測される動作を示すフロー図である。
無線端末2がハードウェア的に起動(例えば電源投入)またはソフトウェア的に起動(例えば記憶部23からのファームウェア読出し完了)すると、制御部21の時刻同期部211は通信システム1(図1)における親局(無線端末2−1)との間で時刻同期を行う(S10)。上述のとおり、この時刻同期はNTPなどのプロトコルを用いて行われる。
次に制御部21はメインメモリ24を初期化し、メインメモリ24に保持されるデータを消去する(S12)。メインメモリ24に保持されるデータは、無線端末2が起動する以前に保持された過去の計測データである。
次に制御部21は、センサ部22における第二クロック223の第二クロック数f2を計数する必要があるか否かを判定する(S14)。この判定における判定基準は例えば、今回起動の以前に計数した第二クロック数f2がメインメモリ24に保持されているか否か、である。この場合、S12でメインメモリ24は初期化されるので第二クロック数f2は保持されておらず、S14の判定は肯定となる(S14:Yes)。S14におけるその他の判定基準は後述する。なおS14の判定が否定であれば(S14:No)、図6に示す動作は終了する。
次に制御部21のクロック計数部212は、センサ部22から取得するセンサ値の取得数を0にセットする(S16)。
次にクロック計数部212は、センサ部22からセンサ値を取得開始する取得開始時刻をセットする(S18)。クロック計数部212は第一クロック214に基づく時刻から取得開始時刻を取得しセットする。なお時刻同期部211がS10で親局(無線端末2−1)との間で時刻同期を行うので、取得開始時刻は正しい時刻である。
次にクロック計数部212はセンサ部22から規定個数のセンサ値を取得する(S110)。規定個数は任意の値であってよいが、説明のためX[個]とする。センサ部22のセンシング部221から出力されたセンサ値がバッファ222へ送られ、バッファ222の容量n個が満杯になるとn個のセンサ値がクロック計数部212へ送られる。このセンサ部22の動作は第二クロック223に基づいて行われる。
次にクロック計数部212は、規定個数X個のセンサ値を連続して取得したか否かを判定する(S112)。クロック計数部212はS112において次ように判定する。
図6に示すフローチャートのS112においてクロック計数部212は、クロック計数部212がセンサ部22から、バッファ222が蓄積可能な個数のセンサ値を一定の時間間隔で取得したか否かを判定する。例えば、バッファ222が蓄積可能なセンサ値の個数nを20個とし、規定個数Xを100個とすると、クロック計数部212がセンサ部22から20個のセンサ値を5回連続で取得すれば、規定個数100個に到達する。またセンシング部221は第二クロック数f2に基づいてセンサ値を出力し、バッファ222は一定の時間間隔で満杯になり20個のセンサ値を制御部21へ送る。従ってクロック計数部212は、センサ部22から20個のセンサ値を5回連続かつ一定の時間間隔で受け取ると(n個のセンサ値をX/n回連続かつ一定の時間間隔で受け取ると)、S112において肯定判定をする(S112:Yes)。対して、例えばセンサ部22から1回目は20個のセンサ値を取得したが2回目は20個に満たないセンサ値を取得した場合、あるいは各回で20個のセンサ値を受け取ったが各回の時間間隔が一定でないという場合は、クロック計数部212はS112において否定判定をする(S112:No)。S112が否定判定となるのは、センサ部22から制御部21へ20個のセンサ値を送る際に、20個のセンサ値の一部または全部が消失したこと、あるいはセンサ部22のバッファ222が満杯とならずにセンサ値が制御部21へ送られるなどのエラーが生じたことを意味する。このようなエラーが生じた場合、クロック計数部212は第二クロック数f2を正しく計数できないため、処理をS16へ戻して、センサ部22から規定個数のセンサ値の取得を再度試みる。
クロック計数部212はS112で肯定判定をすると(S112:Yes)、センサ部22から規定個数のセンサ値を取得完了した取得完了時刻をセットする(S114)。クロック計数部212は第一クロック214に基づく時刻から取得完了時刻を取得しセットする。
次にクロック計数部212は、取得完了時刻から取得開始時刻を減算し、センサ部22が規定個数のセンサ値を出力するのに要した時間を算出する。そして規定個数の値Xをその時間で除算し(X/取得完了時刻−取得開始開時刻)、第二クロック数f2を算出する(S116)。例えば、センサ部22が規定個数100個のセンサ値を1.00秒で出力したならば、クロック計数部212は第二クロック数f2を100[Hz]と算出する(100/1.00=100)。例えばセンサ部22が規定個数100個のセンサ値を1.02秒で出力したならば、クロック計数部212は第二クロック数f2を98[Hz]と算出する(100/1.02=98)。
次にクロック計数部212は、S116で算出した第二クロック数f2を、メインメモリ24に保持し(S118)、図6に示す動作を終了する。
このようにクロック計数部212は、センサ部22からセンサ値を取得し、センサ部22が第二クロック223に基づいてセンサ値を出力するのに要した時間(取得完了時刻と取得開始時刻の差分)を、親局と時刻同期された第一クロック214に基づいて取得し、第二クロック数f2を計数する。
(A−3−2)無線端末における計測データ生成と送信
図7は実施形態の無線端末における、計測データ生成の動作を示すフロー図である。図8は、図7が示す動作について制御部とセンサ部との動作を示すシーケンス図である。以下の説明では、無線端末2のバッファ222が蓄積可能なセンサ値の個数をnとし、無線端末2は規定個数としてY個のセンサ値を取得するものとする。
無線端末2のセンサ部22は図6に示す動作の後、センサ値を出力するトリガが発生するまで待機する(図7のS20)。無線端末2の設置環境でセンサ部22が検出対象とする物理現象が発生し、物理量の検出値がセンサ部22に予め設定される閾値を超過した場合にトリガ発生となる(図7のS20:Yes、図8の50)。トリガは例えば、設置環境で一定以上の大きさの加速度(揺れ)が生じたこと、設置環境の温度が一定以上または以下になったこと、あるは設置環境の照度が一定以上または以下になったことなどである。
トリガが発生すると、センサ部22のセンシング部221は物理現象に反応してセンサ値をバッファ222へ出力する(図8の52)。規定個数が出力されるまでセンサ値の出力は継続する。なお、規定個数のセンサ値が出力されるまでの間にセンシング部221が物理量を検出しない場合は、0の値であるセンサ値がバッファ222へ出力される。
バッファ222がn個のセンサ値を蓄積すると(図8の54)、n個のセンサ値が制御部21へ送られる(図7のS22、図8の56)。
制御部21はセンサ部22からn個のセンサ値を取得すると(図7のS22)、n個のセンサ値を取得したセンサ値取得時刻T1を第一クロック214によって管理される時刻に基づき取得する(図7のS24)。
次に制御部21は、センサ部22がn個のうち1個目のセンサ値を出力したセンサ値出力開始時刻Tsを、センサ値取得時刻T1と、図6に示す動作で計数した第二クロック数f2を用いて算出する(図7のS26)。センシング部221は第二クロック数f2に基づいてセンサ値を出力するから、センシング部221は1/f2×n[s]である時間T2で、n個のセンサ値を出力する。つまりセンシング部221が1個目のセンサ値を出力したセンサ値出力開始時刻Tsは、制御部21がセンサ部22からn個のセンサ値を取得したセンサ値取得時刻T1よりも1/f2×n[s]だけ前になる。従って制御部21は、センサ値取得時刻T1から時間T2を減算してセンサ値出力開始時刻Tsを算出する(Ts=T1−T2)。
次に制御部21は、S22でセンサ部22から取得したn個のセンサ値とセンサ値出力開始時刻Tsとを関連付けてメインメモリ24に保持する(図7のS28、図8の58)。S22からS28の一連の動作1回でメインメモリ24に保持される情報は上述の「センサ値群」であり、一つのセンサ値群はn個のセンサ値とセンサ値出力開始時刻Tsとを含む。
次に制御部21は、センサ部22から規定個数のセンサ値を取得完了したか否かを判定する(図7のS210)。ここでは、S22からS28の一連の動作1回で制御部21がセンサ部22から取得するn個のセンサ値は規定個数Y個に満たないので、S210の判定は否定となり(S210:No)、処理はS22へ戻る。
処理がS22へ戻ると、規定個数であるY個のセンサ値を取得するまで、制御部21はセンサ部22からセンサ値を取得する(図7のS22〜S28)。S22からS28の一連の動作は、規定個数Y個をバッファ222の容量n個で除算したm回(m=Y/n)繰り返される。即ち制御部21がセンサ部22からm個のセンサ値群を取得するまで、S22からS28の一連の動作が繰り返される。
制御部21は規定個数Y個のセンサ値を取得完了すると(S210:Yes、図8の510)、m個のセンサ値群(Y個のセンサ値)と、図6に示す動作によって計数した第二クロック数f2とを関連付けて計測データを生成する(図7のS212)。
図9は実施形態の無線端末によって生成される計測データの構造を示す図である。図9に示す計測データ6は、計測データ6の先頭に第二クロック数f2の情報が格納され(図9の61)、第二クロック数f2の情報に続いてセンサ部22が出力したセンサデータが格納される(図9の62)。センサデータはさらに複数のセンサ値群を含む(図9の62−1から62−m(mは整数))。センサ値群は、制御部21が図7に示す動作のS22からS28までの一連の動作1回で取得したセンサ値の集合であり、一つのセンサ値群はn個のセンサ値とセンサ値出力開始時刻Ts(Ts=1、2・・・m)とを含む。なおセンサデータに含まれるセンサ値群(62−1から62−m)の数は、規定個数Yの値と、センサ部22のバッファ222が蓄積可能なセンサ値の個数nの値とで決まる。従って、例えば規定個数Yに対してバッファ222が蓄積可能なセンサ値の個数nが同値(Y=n)であれば、センサデータ(図9の62)は、Y個のセンサ値と一つのセンサ値出力開始時刻Tsから成る一つのセンサ値群を含んでもよい。
制御部21は計測データを生成すると(図7のS212)、計測データを親局(無線端末2−1)送信する(図7のS214)。
上述の動作を具体的な数値を例示して説明する。各無線端末2は規定個数として20000個のセンサ値を取得する。また各無線端末2のバッファ222は20個のセンサ値を蓄積する。また無線端末2−2の第二クロック数f2Aは100[Hz]であり、無線端末2−3の第二クロック数f2Bは98[Hz]である。
無線端末2−2では、バッファ222Aに20個のセンサ値が蓄積されると、20個のセンサ値が制御部21Aに送られる(図7のS22)。制御部21Aはセンサ部22Aから20個のセンサ値を取得したセンサ値取得時刻T1を取得する(図7のS24)。バッファ222Aが20個のセンサ値を蓄積するのに要する時間T2は1/100×20=0.200[s]である。従って制御部21Aはセンサ値取得時刻T1から時間T2=0.200[s]を減算してセンサ値出力開始時刻Tsを算出する(Ts=T1−0.200)(図7のS26)。そして制御部21Aは20個のセンサ値とセンサ値出力開始時刻Ts=T1−0.200とを関連付け、これをセンサ値群としメインメモリ24Aに保持する。この際にメインメモリ24Aに保持されるセンサ値群は、図9に示すセンサ値群における最初のセンサ値群(62−1)である。制御部21はこの一連の動作を、規定個数20000個のセンサ値を取得するまで1000回(20000/20)繰り返す。これによりメインメモリ24Aに最初のセンサ値群(62−1)から1000個目のセンサ値群(62−1000(m=1000))が保持される。制御部21Aは規定個数20000個のセンサ値を取得完了すると(図7のS210:Yes)、センサ部22Aの第二クロック数f2=100[Hz]の情報を、計測データ6の先頭(図9の61)に格納して計測データ6を生成し(図7のS212)、計測データ6を親局(無線端末2−1)へ送信する(図7のS214)。
一方で無線端末2−3では、バッファ222Bに20個のセンサ値が蓄積されると、20個のセンサ値が制御部21Bに送られる(図7のS22)。制御部21Bはセンサ部22Bから20個のセンサ値を取得したセンサ値取得時刻T1を取得する(図7のS24)。バッファ222Bが20個のセンサ値を蓄積するのに要する時間T2は1/98×20=0.204[s]である。従って制御部21Bはセンサ値取得時刻T1から時間T2=0.204[s]を減算してセンサ値出力開始時刻Tsを算出する(Ts=T1−0.204)(図7のS26)。そして制御部21Bは20個のセンサ値とセンサ値出力開始時刻Ts=T1−0.204とを関連付けてセンサ値群としメインメモリ24Bに保持する。この際にメインメモリ24Bに保持されるセンサ値群は、図9に示すセンサ値群における最初のセンサ値群(62−1)である。制御部21Bはこの一連の動作を、規定個数20000個のセンサ値を取得するまで1000回(20000/20)繰り返す。これによりメインメモリ24Bに最初のセンサ値群(62−1)から1000個目のセンサ値群(62−1000(m=1000))が保持される。制御部21Bは規定個数20000個のセンサ値を取得完了すると(図7のS210:Yes)、センサ部22Bの第二クロック数f2=98[Hz]の情報を、計測データ6の先頭(図9の61)に格納して計測データ6を生成し(S212)、計測データ6を親局(無線端末2−1)へ送信する(図7のS214)。
(A−3−3)集約装置の動作
図10は実施形態の集約装置におけるデータ処理を模式的に示す図である。
集約装置4(図1)は無線端末2−2と無線端末2−2のそれぞれから計測データ6(図9)を受信し記憶部42へ記憶する。データ処理部412は、無線端末2−2と無線端末2−3のそれぞれが取得した計測データ6に含まれるセンサデータ(図9の62)を読み取り、表示インタフェース44に表示するグラフなどの表示情報を生成、あるいはセンサデータに補正を行う。
データ処理部412は、計測データ6に含まれる無線端末2の第二クロック数f2の情報(図9の61)を用いて、センサデータを補正することができる。集約装置4が無線端末2−3から取得したセンサデータが図10の(1)のような波形であり、センサデータ全体の時間長はLであるとする。データ処理部412は第二クロック数f2の情報(図9の61)により、無線端末2−3の第二クロック数f2Bは98[Hz]であることを把握できる。またデータ処理部412は、この第二クロック数f2B=98[Hz]は第二クロック223のクロック数の公称値100[Hz]に対して−2%の誤差であることを把握できる。これによりデータ処理部412はセンサデータに対し、図10の(3)のように各センサ値の間隔を均一としながら全体の時間長Lを2%縮小して時間長Lrに補正する。
また上述では例示していないが、例えば計測データ6に含まれる第二クロック数の情報(図9の61)により、データ処理部412は無線端末2−3の第二クロック数f2Bは102[Hz]であることを把握したならば、データ処理部412はこの第二クロック数f2B=102[Hz]は、第二クロック223のクロック数の公称値100[Hz]に対して+2%の誤差であることを把握できる。これによりデータ処理部412はセンサデータに対し、図10の(2)のように各センサ値の間隔を均一としながら全体の時間長Lを2%拡大して時間長Leに補正する。
このようなデータ処理部412による補正によって、集約装置4は、無線端末2−3からのセンサデータを、第二クロック223に誤差を生じていない無線端末2−2からのセンサデータと同じ時間軸で扱うことが可能となる。
またデータ処理部412は、計測データ6に含まれる第二クロック数f2の情報(図9の61)を用いてセンサデータに含まれるセンサ値毎の時刻を算出してもよい。図9に示すように、センサデータの各センサ値群(図9の62−m)はn個のセンサ値と、n個のセンサ値の1個目が出力されたセンサ値出力開始時刻Tsを含む。上述のようにセンサ部22はセンサ値出力開始時刻Tsから第二クロック数f2[Hz]の逆数1/f2[s]の間隔でn個のセンサ値を出力する。従ってデータ処理部412は、一つのセンサ値群に含まれるn個のセンサ値のそれぞれに対し、先頭のセンサ値(図9において#1のセンサ値)の時刻をセンサ値出力開始時刻Tsとし、先頭以降のセンサ値に対しTsに1/f2[s]を順々に加算することで、センサ値毎の時刻を算出することができる。上述のとおり、センサ値出力開始時刻Tsは無線端末2の第一クロック214によって管理されるセンサ値取得時刻T1を基に算出されるので、センサ値出力開始時刻Tsは親局(無線端末2−1)の時刻と同期している。従ってデータ処理部412は、各無線端末2から受信したセンサデータのセンサ値毎の時刻を算出し、各無線端末2から受信したセンサデータの各センサ値を同じ時間軸で扱うことができる。
(A−4)実施形態における効果
以上説明した実施形態によれば、各無線端末2から集約装置4へ送信される計測データ6(図9)は、各無線端末2における第二クロック数f2の情報と、センサ部22によるセンサデータとが関連付けられる。これにより、集約装置4は各無線端末2の第二クロック数f2を把握し、センサデータに含まれる時間の誤差を認識、補正することができる。第二クロック223の実際の第二クロック数を把握できない従来の無線端末、集約装置、通信システムに比べ、本実施形態の無線端末、集約装置、通信システムは第二クロック223の第二クロック数に誤差があってもセンサデータを正しい時間軸で扱えるという効果を奏する。
また本実施形態は、第二クロック223と第一クロック214とを同期する機能を持たず、かつ第二クロック223の第二クロック数f2に誤差がある比較的に低廉なセンサ部22(センサチップ)を無線端末2に採用する場合であっても、第二クロック223と第一クロック214とを同期可能な高機能なセンサ部を採用する場合と同様に、センサデータを正しい時間軸で扱うことができるという効果を奏する。
(B)変形例
上述した実施形態における無線端末2に、次の変形例を適用してもよい。
(B−1)上述した無線端末2の第二クロック数f2を計測する動作に関し、図6に示すS14の判定動作を次のようにしてもよい。即ち、図2に示す無線端末2に図示しない温度センサを設け、当該温度センサを制御部21に接続する。そして無線端末2の制御部21は第二クロック数を計測するにあたり、温度センサから無線端末2の設置環境、あるいは無線端末2内部の温度を取得し、この温度が予め定められる温度以上または以下であるか否かによって、第二クロック223の第二クロック数f2を計数する必要があるか否かを判定する。
第二クロック223は発振素子として一般的に水晶振動子が利用されるが、これは温度によって発生するクロック数に変動が生じる。そのため本変形例のように無線端末2の設置環境あるいは無線端末2内部の温度に基づき、制御部21が第二クロック数f2を計数する要否を判定することで、無線端末2の設置環境に起因して第二クロック数f2に誤差が生じたとしても、無線端末2による第二クロック数f2の計測によって集約装置4はその誤差を把握することができる。
(B−2)無線端末2が計測データを生成する動作に関し、上述では、無線端末2の設置環境でセンサ部22が検出対象とする物理現象が発生し、その物理量の検出値がセンサ部22に予め設定される閾値を超過した場合にトリガが発生するとした。これについて、センサ値出力のトリガ発生の主体を図11に示すように制御部21としてもよい。図11は変形例の無線端末における、制御部とセンサとの連携を示すシーケンス図である。例えば無線端末2の運用方法として、集約装置4からの測定指示があったことや、所定時刻になったことをトリガとしてセンシングを行いたい場合がある。そのために、図11に示すように制御部21側でトリガが発生したならば(50b)、制御部21からセンサ部22へセンサ出力の開始を指示し(52b)、センサ部22はこの指示を受けてバッファ222へセンサ値を出力するようにしてもよい。なお図11においてバッファ222へセンサ値が出力される(54b)以降の動作は、図7および図8を参照して説明した動作と同様である。
本変形例によって、集約装置4からの測定指示や、所定時刻の到来をトリガとして無線端末2がセンシングを行う場合でも、無線端末2による第二クロック数f2の計測によって、集約装置4は第二クロック223に生じる誤差を把握することができる。
1…通信システム、2…無線端末、3…ゲートウェイ装置、4…集約装置、
21…制御部、22…センサ部、23…記憶部、24…メインメモリ24、
25…無線インタフェース、26…入出力インタフェース、27…アンテナ、
211…時刻同期部、212…クロック計数部、213…計測データ生成部、
214…第一クロック、221…センシング部、222…バッファ、
223…第二クロック
31…制御部、32…記憶部、33…入出力インタフェース、
34…LANインタフェース
41…制御部、42…記憶部、43…ユーザーインタフェース、
44…表示インタフェース、45…LANインタフェース、
411…取得部、412…データ処理部、
6…計測データ、61…第二クロック数、62…センサデータ、
62−m…センサ値群

Claims (10)

  1. 親局時刻情報を基準として動作する親局装置と通信を行う通信装置であって、
    前記親局装置と接続される通信部と、
    第一クロック信号を発生する第一クロック部と、
    前記通信装置の動作に用いられる通信装置時刻情報を前記第一クロック信号を用いて生成し、前記通信装置時刻情報を、前記通信部を介して前記親局装置から取得される前記親局時刻情報と同期する時刻同期部と、
    所定物理量の検出値を出力するセンサ部と、
    前記センサ部による前記検出値の出力動作に用いられる第二クロック信号を発生する第二クロック部と、
    前記通信装置時刻情報を基準時刻として前記第二クロック信号の第二クロック周波数を計数し、前記第二クロック周波数を示す情報を出力する周波数計数部と、
    前記センサ部から出力された前記検出値を含む検出値情報と、前記周波数計数部から出力された前記第二クロック周波数を示す情報とを関連付けて、前記通信部を介して前記親局装置に送信する送信制御部と、
    を有することを特徴とする通信装置。
  2. 前記センサ部は、前記第二クロック周波数によって定まる周期毎に前記検出値を出力し、
    前記送信制御部は一定個数の前記検出値を前記センサ部から取得してこれを検出値群とし、当該検出値群を取得する度に、前記検出値群に含まれる前記検出値のうち前記センサ部から最初に出力された先頭検出値の出力時刻を、前記通信装置時刻情報と前記第二クロック周波数とから算出し、
    前記送信制御部は、前記検出値群と前記先頭検出値の出力時刻とを関連付けて前記検出値情報を生成する、
    ことを特徴とする請求項1の通信装置。
  3. 前記送信制御部は、前記通信装置時刻情報を参照して前記センサ部から前記検出値群を取得した第一時刻を取得し、前記第二クロック周波数の逆数に前記一定個数の値を乗算して前記センサ部が前記一定個数の前記検出値を出力するのに要する第一所要時間を算出し、前記第一時刻から前記第一所要時間を減算して前記先頭検出値の出力時刻を算出する、ことを特徴とする請求項2の通信装置。
  4. 前記周波数計数部は前記センサ部から所定個数の前記検出値を取得するものであり、前記周波数計数部は前記通信装置時刻情報を用いて前記所定個数の前記検出値の取得に要する第二所要時間を算出し、前記所定個数の値を前記第二所要時間で除算して前記第二クロック周波数を算出する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の通信装置。
  5. 前記送信制御部は、前記周波数計数部が前記第二クロック周波数を算出すると、前記センサ部から前記検出値の取得が可能となる、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の通信装置。
  6. 前記送信制御部は、前記第二クロック周波数を示す情報を前記検出値情報に含めて前記親局装置に送信する、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の通信装置。
  7. 請求項1に記載の通信装置から前記親局装置を介して情報を受信する集約装置であって、
    当該集約装置は、
    前記検出値情報および前記第二クロック周波数を示す情報を取得する取得部と、
    前記第二クロック周波数を示す情報を用いて前記検出値情報を補正する補正部と、
    を備えることを特徴とする集約装置。
  8. 前記通信装置における前記第二クロック信号の標準周波数を記憶する記憶部を有し、
    前記補正部は、前記第二クロック周波数と前記標準周波数との差分をとり前記第二クロック信号に生じる周波数の誤差値を算出し、前記検出値情報に含まれる複数の前記検出値の時間間隔を均一に保って、前記検出値情報における全体の時間長を前記誤差値に応じて拡大または縮小して前記検出値情報を補正する、ことを特徴とする請求項7の集約装置。
  9. 複数の通信装置が集約装置に接続される通信システムであって、
    複数の前記通信装置のそれぞれに請求項1に記載の通信装置が適用され、
    前記集約装置に請求項7に記載の集約装置が適用される、ことを特徴とする通信システム。
  10. 所定物理量の検出値を出力するセンサ部と、前記センサ部による前記検出値の出力動作に用いられる第二クロック信号を発生する第二クロック部とを有し、親局時刻情報を基準として動作する親局装置に、前記検出値を含む検出値情報を送信する通信装置の制御プログラムであって、
    当該通信装置のコンピュータを、
    前記親局装置と接続される通信手段、
    第一クロック信号を発生する第一クロック手段、
    前記通信装置の動作に用いられる通信装置時刻情報を前記第一クロック信号を用いて生成し、前記通信装置時刻情報を、前記通信手段を介して前記親局装置から取得される前記親局時刻情報と同期する時刻同期手段、
    前記通信装置時刻情報を基準時刻として前記第二クロック信号の第二クロック周波数を計数し、前記第二クロック周波数を示す情報を出力する周波数計数手段、
    前記センサ部から出力された前記検出値を含む検出値情報と、前記周波数計数手段から出力された前記第二クロック周波数を示す情報とを関連付けて、前記通信手段を介して前記親局装置に送信する送信制御手段、
    として機能させることを特徴とする制御プログラム。
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