JP6845522B2 - 情報通信システム、情報通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の情報通信装置を含み、情報通信装置間を通信により同期する情報通信システム及びこれに用いる情報通信装置に関する。
複数の情報通信装置間の一般的な時刻同期方法として、例えば、非特許文献1のIEEE1588 Precision Time Protocol(PTP)が知られている。非特許文献1では、基準時刻を持つマスター機と、マスター機の時刻に時刻同期するスレーブ機とが定義され、マスター機とスレーブ機との間で定期的に時刻同期用パケットを交換することでスレーブ機の時刻を補正する。
具体的には、マスター機からスレーブ機に送信されるパケットのマスター機の時刻とスレーブ機の受信時刻、並びにスレーブ機からマスター機に送信されるパケットのスレーブ機の送信時刻とマスター機の受信時刻を用いて、スレーブ機においてマスター機とスレーブ機との時差である時刻オフセットを推定して補正する。
IEEE 1588(PTP)では、マスター機及びスレーブ機においてパケットの送信時刻及び受信時刻をパケットに載せるタイムスタンプが行われているが、パケットには一般に所定の情報量、すなわちパケット長がある。そのため、パケットを送信又は受信する際にタイムスタンプを行うとしても、パケット長のうちパケットを構成する構成要素のどの位置でもってタイムスタンプが押されるかは不明であり、これが送信や受信毎に区々であるとパケットの送信時刻及び受信時刻にバラツキが生じるため、高精度の同期をすることができない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、送受信タイミングが検出される情報の所定情報要素位置が装置間で対応付けられており、送受信タイミングに対応する時刻に基づいて、各装置のクロック周波数又は時刻を高精度に同期させることのできる情報通信システム及び情報通信装置を提供することにある。
本発明の情報通信システムは、複数の情報通信装置を含み、何れか2台の装置間で情報の通信により同期を図る情報通信システムであって、情報通信装置は、情報を送信する送信器と、情報を受信する受信器と、前記送信器により送信される前記情報の所定情報要素位置の送信タイミングを検出する送信タイミング検出部と、前記受信器により受信される前記情報の所定情報要素位置の受信タイミングを検出する受信タイミング検出部と、所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロックと、前記クロックを源振として刻時する時計と、所定の情報を記憶する記憶部と、前記送信タイミング及び前記受信タイミングに対応する前記時計の時刻を前記送信タイミング又は前記受信タイミングと対応付けて前記記憶部に記憶させる時刻記録部と、を備え、情報通信装置間のうち、一方の情報通信装置は、前記記憶部に記憶された前記送信タイミング及び前記受信タイミングに対応する各時刻から、情報を送信してから他方の情報通信装置からの情報を受信するまでの時間(p m,t )を演算する第1の時間演算部と、前記時間(p m,t )と、クロックの公称周期と、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間と、に基づいて、前記他方の情報通信装置が情報を受信してから送信するまでの予め設定された時間(p s,r )を演算するマスク演算部と、情報を受信してから前記他方の情報通信装置に情報を送信するまでの時間(p m,r )を前記マスク演算部で演算した前記時間(p s,r )に設定するシーケンス制御部と、を備え、前記一方の情報通信装置に対して同期する前記他方の情報通信装置は、前記時間(p s,r )を予め設定するシーケンス制御部と、前記記憶部に記憶された前記送信タイミング及び前記受信タイミングに対応する各時刻から、情報を前記一方の情報通信装置に送信してから、前記一方の情報通信装置からの情報を受信するまでの時間(p s,t )を演算する第2の時間演算部と、前記一方の情報通信装置とのクロックの周波数比又は周波数偏差を演算する周波数相違演算部と、前記周波数比又は前記周波数偏差に基づいて、前記クロック又は前記時計を同期制御する同期制御部と、を備え、前記周波数相違演算部は、前記時間(ps,t)と、情報通信装置間の送信タイミング及び受信タイミングの差であるタイミング検出遅延時間(d)と、前記時間(pm,r)と、に基づいて、かつ前記時間(p m,r )を前記シーケンス制御部で予め設定された前記時間(p s,r )として、前記周波数比又は前記周波数偏差を演算すること、を特徴とする。
また、本発明の情報通信システムは、複数の情報通信装置を含み、何れか2台の装置間で情報の通信により同期を図る情報通信システムであって、情報通信装置間のうち、一方の情報通信装置は、情報を送信する送信器と、前記送信器により送信される前記情報の所定情報要素位置の送信タイミングを検出する送信タイミング検出部と、所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロックと、前記クロックを源振として刻時する時計と、所定の情報を記憶する記憶部と、前記送信タイミングに対応する前記時計の時刻を前記送信タイミングと対応付けて前記記憶部に記憶させる時刻記録部と、情報の送信間隔を設定するシーケンス制御部と、を備え、他方の情報通信装置は、情報を受信する受信器と、前記受信器により受信される前記情報の所定情報要素位置の受信タイミングを検出する受信タイミング検出部と、所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロックと、前記クロックを源振として刻時する時計と、所定の情報を記憶する記憶部と、前記受信タイミングに対応する前記他方の情報通信装置の時計の時刻と前記受信タイミングと対応付けて前記記憶部に記憶させる時刻記録部と、前記記録部に記憶された前記受信タイミングに対応する2つの時刻から、前記受信タイミングの受信間隔を演算する受信間隔時間演算部と、前記受信間隔と、クロックの公称周期と、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間と、に基づいて前記送信間隔を演算するマスク演算部と、前記受信間隔と前記送信間隔とから、前記一方の情報通信装置との周波数比又は周波数偏差を演算する周波数相違演算部と、前記周波数比又は前記周波数偏差に基づいて、前記クロック又は前記時計を同期制御する同期制御部と、を備えること、を特徴とする。
また、本発明は、上記の情報通信システムに用いられる情報通信装置としても捉えることもできる。本発明の情報通信装置は、他の情報通信装置と情報の通信により同期を図る情報通信装置であって、情報を送信する送信器と、情報を受信する受信器と、前記送信器により送信される前記情報の所定情報要素位置の送信タイミングを検出する送信タイミング検出部と、前記受信器により受信される前記情報の所定情報要素位置の受信タイミングを検出する受信タイミング検出部と、所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロックと、前記クロックを源振として刻時する時計と、所定の情報を記憶する記憶部と、前記送信タイミング及び前記受信タイミングに対応する前記時計の時刻を前記送信タイミング又は前記受信タイミングと対応付けて前記記憶部に記憶させる時刻記録部と、情報を受信してから送信するまでの時間(p s,r )を予め設定するシーケンス制御部と、前記記憶部に記憶された前記送信タイミング及び前記受信タイミングに対応する各時刻から、情報を前記他の情報通信装置に送信してから、前記他の情報通信装置からの情報を受信するまでの時間(p s,t )を演算する時間演算部と、前記他の情報通信装置とのクロックの周波数比又は周波数偏差を演算する周波数相違演算部と、前記周波数比又は前記周波数偏差に基づいて、前記クロック又は前記時計を同期制御する同期制御部と、を備え、前記他の情報通信装置が情報を受信してから前記情報通信装置に情報を送信するまでの時間(p m,r )は、前記他の情報通信装置が情報を送信してから前記情報通信装置からの情報を受信するまでの時間(p m,t )と、クロックの公称周期と、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間と、に基づいて演算された前記時間(p s,r )として設定され、前記周波数相違演算部は、前記時間(ps,t)と、前記他の情報通信装置との間の送信タイミング及び受信タイミングの差であるタイミング検出遅延時間(d)と、前記時間(pm,r)と、に基づいて、かつ前記時間(p m,r )を前記シーケンス制御部で予め設定された前記時間(p s,r )として、前記周波数比又は前記周波数偏差を演算すること、を特徴とする。
また、本発明の情報通信装置は、他の情報通信装置と情報の通信により同期を図る情報通信装置であって、前記他の情報通信装置から送信された情報を受信する受信器と、前記受信器により受信される前記情報の所定情報要素位置の受信タイミングを検出する受信タイミング検出部と、所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロックと、前記クロックを源振として刻時する時計と、所定の情報を記憶する記憶部と、前記受信タイミングに対応する前記時計の時刻を前記受信タイミングと対応付けて前記記憶部に記憶させる時刻記録部と、前記記録部に記憶された前記受信タイミングに対応する2つの時刻から、前記受信タイミングの受信間隔を演算する受信間隔時間演算部と、前記受信間隔と、クロックの公称周期と、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間と、に基づいて前記他の情報通信装置の送信間隔を演算するマスク演算部と、前記受信間隔と前記送信間隔とから、前記他の情報通信装置との周波数比又は周波数偏差を演算する周波数相違演算部と、前記周波数比又は前記周波数偏差に基づいて、前記クロック又は前記時計を同期制御する同期制御部と、を備えること、を特徴とする。
本発明によれば、装置間のクロック周波数又は時刻の同期を高精度に行うことのできる情報通信システム及び情報通信装置を得ることができる。
第1の実施形態に係る情報通信システム及びこれに用いる情報通信装置の構成を示す図である。 制御部の機能ブロック図である。 時計の制御について説明するための図である(ステップ近似)。 時計の制御について説明するための図である(折れ線近似)。 周期的信号の制御を説明するための図である。 第1の実施形態の作用を説明するための図である。 時刻記録の原理を説明するための図である。 第2の実施形態に係る情報通信装置の制御部の機能ブロック図である。 第2の実施形態に係る情報通信システムにおける情報通信装置の同期を説明するための図である。 第2の実施形態に係る情報通信システムにおける周波数比を求めるフローチャートである。 第3の実施形態に係る情報通信システム及びこれに用いる情報通信装置の構成を示す図である。 第3の実施形態に係る情報通信装置の制御部の機能ブロック図である。 第3の実施形態に係る情報通信システムにおける情報通信装置の同期を説明するための図である。
[1.第1の実施形態]
[1−1.構成]
以下、本実施形態に係る情報通信システム及び情報通信装置について、図1〜図7を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る情報通信システム及びこれを用いる情報通信装置の全体構成を示す図である。
情報通信システムは、複数の情報通信装置からなり、任意の二装置が通信を介して同期を図る。この情報通信装置は、有線又は無線で、他の情報通信装置と情報を通信する。有線又は無線の通信としては、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)を用いることができる。本情報通信システム及び情報通信装置は、例えば、情報通信基地局を含むシステム、工作機械や産業用ロボットなどで構成されるファクトリーオートメーション(FA)システムなどの装置同士の同期制御に用いることができる。
ここでは、情報通信装置は、無線で情報を送信及び受信することで同期を図る例を説明する。また、一方の情報通信装置から他方の情報通信装置への一方向の通信を行うものとする。すなわち、送信を行う情報通信装置は、受信を行うための後述する受信器12、受信タイミング検出部14は必ずしも必要ではなく、受信を行う情報通信装置は、送信を行うための後述する送信器11、送信タイミング検出部13は必ずしも必要ではない。
情報通信装置は、コンピュータを含み構成されており、プログラムをHDDやSSD等に記憶しており、CPUで処理することにより、後述する制御部において必要な演算を行う。
具体的には、情報通信装置は、通信部10、クロック20、時計30、記憶部40、制御部50、外部インターフェイス80を有する。また、情報通信装置は、周期的信号生成部90を有していても良い。例えば、通信部10、クロック20、時計30、記憶部40、外部インターフェイス80、及び周期的信号生成部90は、ハードウェアとして構成され、制御部50はソフトウェアとして構成される。なお、各部10〜90をハードフェアとして構成しても良い。これらの構成のうち、どの部分をソフトウェアとして構成するかは適宜設計変更可能である。
通信部10は、他の装置との間で情報を送受信する。通信部10は、送信器11、受信器12、送信タイミング検出部13、受信タイミング検出部14を有する。
送信器11は、入力された情報を送信する機器である。具体的には、送信器11は、情報を最小構成要素に時系列に分解の上、当該情報を外部へ送信する。情報のパケット長(通信情報量)は任意であり、通信毎に異なっていても良い。
受信器12は、外部から情報を受信する機器である。具体的には、受信器12は、装置外部から受信した、最小構成要素に時系列に分解された情報を再構成し、装置内の他の構成へ出力する。
なお、図1に示すように、送信器11及び受信器12にそれぞれアンテナを設けても良いし、1本のアンテナを、切り替えスイッチを介して設けても良い。送信器11と受信器12は、何れか一方が動作している間は他方は動作させないようにしても良いし、双方を同時に動作させても良い。
送信タイミング検出部13は、送信器11により送信される情報の所定情報要素位置の送信タイミングを検出する。また、送信タイミング検出部13は、その検出結果を装置内の他の構成へ出力する。ここにいう情報とは、例えばパケットであり、この場合、所定情報要素位置とは、ビット位置である。例えば、送信タイミング検出部13は、情報が8個の最小構成要素に時系列に分解される場合、3番目の情報要素位置(ビット位置)が送信されるタイミングを検出し、3番目の情報要素位置(ビット位置)が送信されたタイミングを外部へ出力する。
受信タイミング検出部14は、受信器12により受信される情報の所定情報要素位置の受信タイミングを検出する。また、受信タイミング検出部14は、その検出結果を装置内の他の構成へ出力する。例えば、受信タイミング検出部14は、情報が8個の最小構成要素に時系列に分解される場合、3番目の情報要素位置(ビット位置)が受信されるタイミングを検出し、3番目の情報要素位置(ビット位置)が受信されたタイミングを外部へ出力する。
なお、上記の送信タイミング及び受信タイミングの例では、何れも同じ最小構成要素の位置を検出することとしたが、例えば、送信機となる情報通信装置の送信タイミング検出部13は5番目の要素を検出し、受信機となる情報通信装置の受信タイミング検出部14は8番目の要素を検出するなど、送受信する装置間において各タイミング検出で所定関係(例えば間隔(ここでは3つ))を保つのであれば、必ずしも同じ位置を検出しなくても良い。
クロック20は、所定の周波数を発振し、装置各部の動作タイミングを与えるための信号を出力する。これにより、装置内の各部は、クロック20に同期して動作する。このクロック20は、固有の有限な発振周波数許容偏差を有する。つまり、クロック20は、所定の発振周波数(例えば10MHz)に対する誤差(例えば20ppm)を有する。クロック20としては、例えば、水晶振動子などの周波数固定の発振器や、電圧制御発振器(VCO)、電圧制御水晶発振器(VCXO)などの周波数可変の発振器を用いることができる。
時計30は、クロック20の出力信号を源振として刻時し、相対的な時刻を出力する。時計30の相対的な時刻の出力は、例えば外部からの要求に応じて行う。
記憶部40は、HDD、SDD、メモリ、レジスタなどの記録媒体である。記憶部40は、制御部50で演算を行うのに必要な情報が記憶され又は記憶する。後述の送信タイミング又は受信タイミングに対応する時計30の時刻は、レジスタに保持すると良い。ソフトウェアに起因するジッターを排除できるからである。なお、送受信タイミングと時刻との対応付けにおいてソフトウェアのジッターを受けないことが重要であり、送受信タイミングと時刻とが対応付けられた後は、低速なアクセス領域に記憶されても良い。ここでは、記憶部40はメモリとして説明する。メモリは、任意の情報を入出力し、当該情報を指定された記憶領域へ記憶する。情報の記憶は、外部からの記憶要求により行われるが、その際に記憶する情報と記憶領域が入力される。情報の参照は、外部からの参照要求により行われるが、その際に参照情報の記憶領域が入力され、その入力により指定された記憶領域の情報を出力する。情報の記憶の保持は、本装置の動作中のみであっても、動作停止時も含めて永続的であっても良い。
外部インターフェイス80(以下、外部I/F80ともいう。)は、本装置内部と外部を接続し、任意の情報及び信号を入出力する。情報としては、例えば送受信データや時計30の時刻である。信号としては、例えば、送受信タイミングや、周期的信号出力である。外部I/F80は、例えば、記憶部40に記憶させる情報を外部から取得する。また、外部I/F80は、受信タイミング検出部14により検出した受信タイミングから送信タイミング検出部13が検出する送信タイミングまでの時間を外部から取得し、当該時間を後述するスケジューラ57で用いてもよい。
周期的信号生成部90は、周期的信号を生成し、当該信号を外部I/F80を介して外部に出力する。周期的信号は、所定の周期で出力される電気的な信号であり、例えば、分周パルスである。周期的信号は、外部の装置を動作させる動作タイミングを与える。換言すれば、周期的信号は、外部の装置を動作させる際、当該装置の動作を司るクロックとしての機能を有する。
制御部50は、本装置各部の動作全般を制御する。図2は、制御部50の機能ブロック図である。図2に示すように、制御部50は、主制御部51、送受信データI/F52、通信制御部53、時刻記録部54、送信間隔時間演算部55、受信間隔時間演算部56、スケジューラ57、周波数相違演算部58、同期制御部59、周期的信号制御部60を有する。
主制御部51は、制御部50内の各部と連携されており、制御部50内の各部の動作を統制する。送受信データI/F52は、記憶部40や外部I/F80の情報を装置外部へ送信可能な形式にする。また、送受信データI/F52は、装置外部から受信した情報を制御部50及び記憶部40に適した形式にする。
通信制御部53は、通信部10の動作を統制する。通信制御部53は、通信部10と制御部50との間で送受信情報の入出力をする。
時刻記録部54は、送信タイミング検出部13により送信された情報の所定情報要素位置の送信タイミングと、当該送信タイミングにおける時計30の時刻とを対応付けて、メモリに記憶させる。この対応付けは、例えば、時刻記録部54が、送信タイミング検出部13から、送信された情報の所定情報要素位置の送信タイミングか検出された旨の信号を受けて、時計30の時刻を参照し、当該時刻と送信タイミングとを対応付ける。また、時刻記録部54は、送信タイミングに対応する時刻を、当該送信する情報に載せる時刻付加部でもある。時刻記録部54は、送信と同様に、受信タイミング検出部14により受信された情報の所定要素位置の受信タイミングと、当該受信タイミングにおける時計30の時刻とを対応付けて、メモリに記憶させる。
このように、本実施形態において、「時刻」は、情報の所定情報要素位置の検出された送信タイミング又は受信タイミングに対応する時計30の時刻をいい、「時間」は、当該時刻の差分をいう。
送信間隔時間演算部55は、受信器12が受信した2つの情報に基づいて、当該情報に載せられた送信タイミングに対応する時計30の時刻から送信タイミングの間隔時間Δtを演算する。例えば、送信間隔時間演算部55は、2つの送信タイミングに対応する時刻を情報から読み出し、両者の差分を演算することで送信間隔時間を演算する。或いは、情報に載せられた送信タイミングに対応する時刻が記憶部40に記憶されている場合には、送信間隔時間演算部55は、記憶部40から当該2つの送信タイミングに対応する時刻を読み出し、両者の時間間隔を演算する。
受信間隔時間演算部56は、2つの情報の受信タイミングの間隔時間Δtを演算する。例えば、受信間隔時間演算部56は、2つの受信タイミングに対応する時刻の間隔を差分により求める。当該2つの時刻は、送信間隔時間演算部55と同様に、受信した情報から直接読み出しても良いし、記憶部40から読み出しても良い。
スケジューラ57は、情報を送信又は受信するスケジュール(時間)を制御する。例えば、情報を一方向に通信する場合において、送信側のスケジューラ57は、情報の送信間隔を制御したり、情報の送信タイミングが所定時刻に検出されるスケジュールを設定したりする。また、スケジューラ57は、情報を受信してから送信するまでの時間を制御しても良い。
周波数相違演算部58は、被同期対象の情報通信装置(マスター機)のクロック周波数と、同期対象の情報通信装置(スレーブ機)のクロック周波数の違いを演算する。このクロック周波数(以下、単に「周波数」ともいう。)の違いは、周波数比又は周波数偏差である。
本実施形態では、周波数比は、マスター機のクロック周波数に対するスレーブ機のクロック周波数の比r(以下、クロック周波数比といい、単に周波数比ともいう場合がある。)である。周波数偏差は、マスター機のクロック周波数とスレーブ機のクロック周波数のずれであり、周波数偏差eは、e=r−1により求めることができる。
本実施形態の周波数相違演算部58は、送信間隔時間演算部55及び受信間隔時間演算部56により求めた送信タイミング間隔時間Δt及び受信タイミング間隔時間Δtから、周波数比又は周波数偏差を演算する。例えば、周波数比rはr=(1/Δt)/(1/Δt)=Δt/Δtから求めることができ、周波数偏差eは、e=r−1から求めることができる。
同期制御部59は、周波数相違演算部58により求めた周波数比又は周波数偏差に基づいて、クロック20又は時計30を制御する。具体的には、同期制御部59は、クロック制御部59a、時計制御部59bを有する。
クロック制御部59aは、周波数相違演算部58により求めた周波数比を1とするようにクロック20の発振周波数を制御する。例えば、クロック20が水晶振動子を含み構成される電圧制御水晶発振器からなる場合、当該発振器に印加する電圧を制御することで、周波数比を1とし、被同期装置(マスター機)となる情報通信装置とクロック周波数の同期を図る。
時計制御部59bは、周波数相違演算部58により求めた周波数比又は周波数偏差に基づいて、被同期装置(マスター機)となる情報通信装置との時間のズレを演算し、そのズレに基づいて時計30の刻時する値を補正する。例えば、時計制御部59bは、時計30自体を制御して刻時を補正しても良い。或いは、時計制御部59bは、時計30が時刻を出力する際に時間のズレに基づいて補正しても良い。すなわち、時計30の刻時自体は補正せず、時計30が時刻を出力する際にズレ分を補正した時刻を出力するように時計30を制御しても良い。なお、時計制御部59bは、クロック20が制御できるのであれば、必ずしもなくても良い。
時計30の刻時する値を補正する方法としては、図3に示すように、所定時間間隔毎にマスター機とスレーブ機の時計30をリセットする方法を用いることができる。リセットは同時としても良いし、所定時間差があっても良い。リセットは、例えば認証されたパケット、すなわち、リセット用の信号の送受信を契機として行うことができる。マスター機とスレーブ機の固有の時差は、同期を全く取らない時の時間のズレであり、例えば、記憶部40に予め記憶させておき、時計30の制御の際に当該時間のズレを参照して時計30の刻時する値を補正する。また、同期と同期の間の補間は、図4に示すように、固有時差を折れ線近似し、前の時間の傾きを、次の時間の補正量を算出するのに使って補間しても良い。
周期的信号制御部60は、周期的信号生成部90を制御する。すなわち、周期的信号制御部60は、周波数相違演算部58により演算した周波数比又は周波数偏差に基づいて、周期的信号生成部90が出力する周期的信号の周波数又は位相を制御する。
例えば、図5に示すように、周波数制御する場合、周期的信号の二値レベルを維持する時間を引き算又は加算する。周波数相違演算部58により演算した周波数比rが1より大きければ(r>1、e>0)、スレーブ機の時間が早く進むため、装置間の周波数の相違又は時間差を1周期に亘って均等に分割して、周期的信号のレベル維持時間から差し引く。周波数演算部により演算した周波数比rが1より小さければ(r<1、e<0)、スレーブ機の時間が遅く進むため、装置間の周波数の相違又は時間差を1周期に亘って均等に分割して、周期的信号のレベル維持時間に加算する。一方、位相の制御をする場合、周期的信号のレベル維持時間をそのままにして装置外部へ周期的信号を出力するタイミングをずらす。
[1−2.作用]
次に、上記の構成を有する情報通信装置及びこれを用いた情報通信システムの作用について、図6、図7を用いて説明する。システム内の任意の2つの情報通信装置を同期させることを考える。便宜的に一方の情報通信装置をマスター機(以下、m機ともいう。)と、他方の情報通信装置をスレーブ機(以下、s機ともいう。)として、s機がm機に同期するものとする。また、相手方の情報通信装置をピア機と称する。
図6に示すように、同期させるための通信を一方向として説明する。すなわち、m機から2回の情報の送信を行い、各情報をs機が受信する場合を考える。なお、ここでは、説明の簡単のため、伝搬遅延はないものとする。また、情報は無線パケットとして説明する。
図7は、時刻記録の原理を説明するための図である。図7に示すように、まず、情報である無線パケットがm機の送信器11からs機へと送信される際には、送信タイミング検出部13が当該無線パケットの所定要素位置(例えばビット位置など)を検出し、時刻記録部54が時計30を参照して当該タイミングに対応する時刻を当該タイミングと対応付けてメモリに記憶させる。その際、時刻記録部54は、送信タイミングに対応する時刻(t=a)を送信タイミング検出された無線パケットに付加する。
送信タイミングに対応する時刻(t=a)が付加された無線パケットがm機の送信器11から送信されると、s機の受信器12は無線パケットを受信する。その際、受信タイミング検出部14は、無線パケットの所定要素位置(例えばビット位置など)を検出し、時刻記録部54が時計30を参照して当該タイミングに対応する時刻(t=b)を当該タイミングと対応付けてメモリに記憶させる。また、無線パケットに付加された、送信タイミングに対応する時刻(t=a)をメモリに記憶する。そして、上記の情報の送信及び受信をもう一度繰り返す。これにより、s機は、送信タイミング及び受信タイミングに対応する時刻をそれぞれ2つ取得する。このように、無線パケットの送信又は受信のタイミング検出する要素位置として、例えば3番目のビット位置を検出するなど、m機及びs機の間で所定の関係を有することで、その後、両者の時間や周波数比等の違いを求めることが可能になる。
次に、s機は、送信間隔時間演算部55及び受信間隔時間演算部56により、各タイミングの間隔時間を差分により求める。そして、周波数相違演算部58により、求めた各タイミングの間隔時間から、周波数比又は周波数偏差を求める。なお、送信タイミングの間隔時間と受信タイミングの間隔時間との差分から、周波数偏差又はその周波数偏差に対応する時差を求めても良い。
周波数比を求める場合で説明すると、s機のクロックの周波数を周波数比rが1となるように、クロック制御部59aによってクロック20を制御する。これにより、s機のクロック20がm機のクロック20の周波数と一致し、同期することができる。
[1−3.効果]
本実施形態の情報通信システム及び情報通信装置の効果を下記に示す。なお、本情報通信装置の効果は、本情報通信システムの効果と同様であるので省略する。
(1)本実施形態の情報通信システムは、複数の情報通信装置を含み、何れか2台の装置間で情報の通信により同期を図る情報通信システムであって、情報通信装置間のうち、一方の情報通信装置(m機)は、情報を送信する送信器11と、所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロック20と、クロック20を源振として刻時する時計30と、情報の所定情報要素位置の送信タイミングに対応する時計30の時刻を情報に載せる時刻付加部と、を備える。他方の情報通信装置(s機)は、情報を受信する受信器12と、受信器12により受信される情報の、送信タイミングの所定情報要素位置と対応付けられた所定情報要素位置の受信タイミングを検出する受信タイミング検出部14と、所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロック20と、クロック20を源振として刻時する時計30と、受信器12が受信した2つの情報に基づいて、情報に載せられた送信タイミングに対応する時計30の時刻から送信タイミングの間隔時間を演算する送信間隔時間演算部55と、2つの情報の受信タイミングの間隔時間を演算する受信間隔時間演算部56と、送信タイミングの間隔時間及び受信タイミングの間隔時間に基づいて、装置間の周波数比又は周波数偏差を演算する周波数相違演算部58と、周波数比又は周波数偏差に基づいて、自身のクロック20又は自身の時計30を一方の情報通信装置のクロック20又は時計30と同期制御する同期制御部59と、を備えるようにした。
これにより、各情報通信装置間でクロック周波数又は時刻の同期を行うことができる。特に、情報通信装置間の情報の送信と受信のタイミングを、情報の所定情報要素位置のレベルまで対応付けて各情報通信装置のクロック20に基づいて検出しているので、各情報通信装置間の周波数の相違を高精度に求めることができ、高精度にクロック周波数又は時刻を同期させることができる。なお、時刻計測は、ハードウェアとして構成される受信タイミング検出部、各クロック、各時計によって、タイミング検出を契機として時刻が対応付けされるので、時刻計測におけるソフトウェアの処理に起因するジッターを排除することができ、高精度に同期させることができる。
(2)同期する情報通信装置間のうち、一方の情報通信装置(m機)は、送信器11により送信される情報の所定情報要素位置の送信タイミングを検出する送信タイミング検出部13を備えるようにした。これにより、当該情報通信装置のクロック20に根ざした送信タイミングを検出することができ、高精度に同期させることができる。
(3)一方の情報通信装置(m機)は、情報の送信タイミングが所定時刻に検出されるスケジュールを設定するスケジューラ57を備えるようにした。これにより、情報に送信タイミングに対応する時刻を実際に送信タイミング検出部13によって検出を行ってから載せる必要がなくなり、装置構成のコスト及び送信タイミング検出に使用する消費電力を削減することができる。例えば、情報通信装置間を無線で通信する場合には、バッテリーの消費を抑えることができる利点がある。また、定間隔で情報を送信可能であるため、アラン分散などの周波数安定度を評価する指標を求めやすくでき、周波数又は時刻同期による評価を評価しやすくすることができる。
(4)他方の情報通信装置(s機)は、外部に周期的信号を出力する周期的信号生成部90と、周期的信号生成部90を制御する周期的信号制御部60と、を備え、周期的信号制御部60は、周波数相違演算部58により演算した周波数比又は周波数偏差に基づいて、周期的信号生成部90が出力する周期的信号の周波数又は位相を制御するようにした。
これにより、当該周期的信号を用いて外部装置を同期させて動作させることができる。例えば、2台のスピーカーから同じ音楽を流したい場合を考える。各スピーカーの動作タイミング(リズム)が同じでなければ、同じ音楽を聴くことはできない。この点、本実施形態によれば、2台の情報通信装置のクロックの周波数又は時計の時刻の同期をした上で、一方の情報通信装置が一方のスピーカーに、他方の情報通信装置が他方のスピーカーに、同期された周期的信号を出力することで、各スピーカーの動作を同期させることができ、同じタイミングで音楽を流すことができる。また、このように外部装置を動作させることで、情報通信装置間の同期が取れていることを確認することができる。
[2.第2の実施形態]
[2−1.構成]
第2の実施形態について、図8〜図10を用いて説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と基本構成は同じである。よって、第1の実施形態と異なる点のみを説明し、第1の実施形態と同じ部分については詳細な説明は省略する。
第2の実施形態の情報通信システム及び情報通信装置は、2つの装置間の情報の双方向の通信により同期を図る。このため、第1の実施形態では、一方向の通信による同期であったため、各情報通信装置は送信機能又は受信機能を有していれば足りたが、本実施形態では、通信により同期を行う各情報通信装置は送信機能及び受信機能の両方を有する。
下記及び図8に示すm機とs機の各特有の構成については、m機として機能する情報通信装置にはs機特有の構成は必ずしも必要ではなく、また、s機として機能する情報通信装置にはm機特有の構成は必ずしも必要ではないが、第2の実施形態では、m機とs機の構成は同じであるとして説明する。1つの情報通信装置であっても、m機として機能する場合とs機として機能する場合とで立場が逆転する状況もあるからである。
[2−1−1.マスター機となる情報通信装置]
m機となる情報通信装置は、制御部50の構成として、時間演算部61、マスク演算部62、シーケンス制御部63を備える。時間演算部61は、s機に対して情報を送信し、s機からの情報を受信するまでの時間を演算する。すなわち、時間演算部61は、記憶部40に記憶された送信タイミング及び受信タイミングに対応する各時刻から、情報を送信してs機となる他方の情報通信装置からの情報を受信するまでの時間(pm,t)を演算する。
マスク演算部62は、時間演算部61により得られた時間(pm,t)をマスク演算し、s機が情報を受信してから送信するまでの予め設定された時間(ps,r)を再生する。より詳細には、マスク演算部62は、入力を引数とするマスク関数Mによりマスク演算する。マスク関数Mは、入力される引数をx、クロック20の公称周期をT、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間(最大許容時間)をUTとすると、下記の(式1)の通りである。
(式1)
Figure 0006845522
なお、Uは、限界偏差係数であり、自然数である。floor(x)は、実数xに対してx以下の最大の整数を返す床関数である。a mod bは、aのbに対する剰余を表す。Uは、2の累乗とすると良い。(式1)の演算をビット演算により効率的に求めることができるからである。
ここでは、x=pm,tであり、後述するように、時間ps,rは、s機によりps,r=kUT(k、Uは自然数)と予め設定されており、マスク演算部62は、時間pm,tをマスク関数を用いてマスク演算することにより、s機で設定された時間(ps,r)を再生する。
シーケンス制御部63は、情報の受信から送信までの時間(pm,r)をマスク演算部62で再生した時間(ps,r)に設定する。
[2−1−2.スレーブ機となる情報通信装置]
s機となる情報通信装置は、制御部50の構成として、シーケンス制御部64、時間演算部65、周波数相違演算部66を備える。また、s機となる情報通信装置は、制御部50の構成として、タイミング検出遅延演算部67を備えていても良い。
シーケンス制御部64は、m機からの情報を受信してから、m機に情報を送信するまでの時間(ps,r)を予め設定し、同期を行う際には当該設定された時間(ps,r)に基づいて送信器11に情報を送信させる。
シーケンス制御部64は、設定する時間(ps,r)を探索する探索部64aを有し、探索部64aにより探索された時間を時間(ps,r)として設定する。探索部64aは、装置間のクロック20の周波数偏差をeとし、周波数偏差を仮定した場合の下記の(式2)を満たす時間kUTを選択する。また、探索部64aは、周波数相違演算部66により時間kUTに基づき演算して得られた周波数比又は周波数偏差が所定の規定値以上となる時間kUTを探索する。なお、時間kUTの選択は、ランダムでも良いし、外部I/F80からユーザによって選択されても良い。また、ここにいう所定の規定値は、周波数比、周波数偏差のそれぞれについて予め設定されており、当該規定値は、本情報通信装置又は本情報通信システムが適用される状況によって変わりうる値であり、要求される状況により適宜変更可能である。
(式2)
Figure 0006845522
ceil(x):実数xに対してx以上の最小の整数を返す天井関数
e:装置間のクロック20の周波数偏差
:限界偏差時間(自然数)
k,l:自然数
時間演算部65は、s機が情報を送信してからs機が情報を受信するまでの時間(ps,t)を演算する。この時間(ps,t)は、送信タイミングに対応する時刻と、受信タイミングに対応する時刻との差から求めることができ、これらの各時刻は例えば記憶部40から読み出す。
周波数相違演算部66は、第1の実施形態と同様に、m機とs機の間のクロック周波数比又は周波数偏差を演算する。本実施形態の周波数相違演算部66は、情報をm機に送信してから、m機からの情報を受信するまでの時間(ps,t)と、情報通信装置間の送信タイミング及び受信タイミングの差であるタイミング検出遅延時間(d)と、m機が情報を受信してからs機に情報を送信するまでの時間(pm,r)と、に基づいて、周波数比又は周波数偏差を演算する。タイミング検出遅延時間(d)については後述する。
周波数相違演算部66に用いる時間(ps,t)は、時間演算部65により求めたものを用いることができる。一方、周波数相違演算部66に用いる時間(pm,r)は、既知の場合もあれば、未知も場合もある。既知の場合は、その時間(pm,r)を用いて周波数相違演算部66は、周波数比又は周波数偏差を求めることができる。未知の場合は、周波数相違演算部66は、時間(pm,r)=kUTとすることで、周波数比又は周波数偏差を求めることができる。
タイミング検出遅延演算部67は、情報通信装置間の送信タイミング及び受信タイミングの差であるタイミング検出遅延時間(d)を演算する。タイミング検出遅延時間とは、情報の伝搬遅延時間と、m機及びs機の内部遅延時間との和である。例えば、タイミング検出遅延時間は、m機からs機に情報を伝搬させる際の伝搬時間と、m機の送信に伴う内部処理及びs機の受信に伴う内部処理の時間の和である。
内部遅延時間とは、送信又は受信のタイミングを検出してから時計30を参照して時刻と対応付ける処理に起因する時間であり、これらを受信タイミング検出遅延時間、送信タイミング検出遅延時間と称すると、受信タイミング検出遅延時間と送信タイミング検出遅延時間の差の絶対値である。
[2−2.作用]
次に、上記の構成を有する情報通信装置及びこれを用いた情報通信システムの作用について、図9及び図10を用いて説明する。システム内の任意の2つの情報通信装置を同期させることを考える。ここでは、m機にs機を同期させるものとする。また、相手方の情報通信装置をピア機と称する。
[2−2−1.前提]
ピア機からの無線パケットの受信により、所定の時間経過後にピア機へ新たな無線パケットを送信することを繰り返すものとし、m機からの送信2回と、その間にs機からの送信1回によるシーケンスを同期の最小単位とする。すなわち、m機とs機間の無線パケットの1.5往復の送受信を同期の最小単位とする。なお、各同期単位は時系列的に識別可能であり、連続させても良いし、断続的であっても良い。
m機、s機間のクロックの周波数偏差は、許容偏差範囲内で時々刻々変動するものとし、m機を基準としたs機の、同期n回目における平均的なクロック周波数比をr[n]とする。なお、nは自然数である。
図9に示すように、任意の同期単位において、m機の連続する送信タイミングから受信タイミングまでの時間をpm,t[n]とし、それに対応するs機の受信タイミングから送信タイミングまでの時間をps,r[n]とする。同様に、m機の連続する受信タイミングから送信タイミングまでの時間をpm,r[n]とし、それに対応するs機の送信タイミングから受信タイミングまでの時間をps,t[n]とする。
m機からs機へパケットを送信した際のタイミング検出遅延について、m機で観測されるタイミング検出遅延時間をdm,t[n]とし、s機で観測されるタイミング検出遅延時間をds,r[n−1]とする。同様に、s機からm機へのタイミング検出遅延について、m機で観測されるタイミング検出遅延時間をdm,r[n]とし、s機で観測されるタイミング検出遅延時間をds,t[n]とする。
タイミング検出遅延時間は、上記の通り、m機及びs機間の伝搬遅延時間(伝搬時間)と内部遅延時間の和である。内部遅延時間は、m機及びs機の内部処理に起因する遅延時間であり、受信タイミング検出遅延と送信タイミング検出遅延の差の大きさである。
例えば、m機からパケットを送信し、当該パケットをs機が受信する場合、受信タイミング検出遅延は、s機において、受信タイミング検出部14によりパケットの受信したタイミングに対応する実際の時刻と、受信タイミング検出を契機として時計30の時刻参照により対応付けられる時刻との間に生じるズレであり、送信タイミング検出遅延は、m機において、送信タイミング検出部13によりパケットを送信したタイミングに対応する実際の時刻と、受信タイミング検出を契機として時計30の時刻参照により対応付けられる時刻との間に生じるズレである。
[2−2−2.クロック周波数比の演算]
図9から明らかなように、時間pm,t[n]と時間ps,r[n]の間には、(式3)が成立し、時間ps,t[n]と時間pm,r[n]の間には、(式4)が成立する。m機とs機の時間のずれは、両装置のクロック20の周波数の相違に起因するため、同一の事象は、クロック周波数比r[n]によって、両装置の時間を変換することができるからである。例えば、s機の時間は、m機の時間のr[n]倍されているため、m機の時間に換算するためにはs機の時間を1/r[n]倍すれば良い。また、m機の時間は、s機の時間の1/r[n]倍されているため、s機の時間に換算するためにはm機の時間をr[n]倍すれば良い。
(式3)
m,t[n]=ps,r[n]/r[n]+dm,t[n]+dm,r[n] …(3)
(式4)
s,t[n]=r[n]pm,r[n]+ds,t[n]+ds,r[n] …(4)
ここで、同期単位で伝搬遅延時間が無視でき、内部遅延時間が同一のd[n]であるとすれば、(式4)から周波数比は(式5)の通り求めることができる。なお、内部遅延時間は設計や実測が困難なものであるため不定であるが、特に断りがない限り、内部遅延時間d[n]は周波数偏差の影響が表出しないT/|e[n]|未満であるとして無視できるものとする。これは、伝搬遅延時間やタイミング検出遅延時間についても同様である。
(式5)
r[n]=(ps,t[n]−2d[n])/pm,r[n] …(5)
(1)時間pm,r[n]が既知の場合
時間pm,r[n]が既知であれば、時間ps,t[n]は時間演算部65により求めることができるので、周波数相違演算部58は、(式5)から周波数比又は周波数偏差を求めることができる。時間pm,r[n]は、定数であっても良いし、一意に定まる関数値であっても良い。
(2)時間pm,r[n]が未知の場合
一方、時間pm,r[n]はm機の時間であるので、s機にとっては未知の場合もありうる。しかし、時間pm,r[n]が未知の場合でも、周波数比r[n]を求めることは可能である。以下、詳細に説明する。まず、周波数偏差を除去する原理について説明し、次に、本実施形態の構成に基づく作用について説明する。
(a) 周波数偏差の除去原理
クロック20の公称周期をTとしたとき、周波数偏差が0のときのクロック20の発振周波数は1/Tである。周波数偏差が1よりも十分に小さいe[n](<<1)ならば、周波数比との間に、r[n]=1+e[n]の関係が成立する。周波数比r[n]がm機に対するs機の周波数の比であるから、m機から見たs機のクロック20の発振周波数は、r[n]/Tと表すことができる。つまり、周波数偏差がある場合、同じ事象の時間であっても、観測するm機又はs機によって得られる時間が異なる。
このとき、タイミング観測がクロック発振周期T間隔で離散的に行われるならば、T/|e[n]|未満の観測時間において、周波数偏差の影響が観測に表出することはない。換言すれば、観測時間がT/|e[n]|以上となると、周波数偏差の影響が観測に現れる。
上記の通り、時間観測における周波数偏差の影響を受ける時間を最大でもUT未満としたい場合、(式6)を満たす時間k[n]UTの観測にて周波数偏差の影響を除去することができる。なお、k[n]、l[n]は自然数であり、周波数偏差e[n]は0でないものとする。
(式6)
Figure 0006845522
すなわち、m機で観測された時間k[n]UTは、周波数偏差を伴うのでs機ではr[n]k[n]UTとなり周波数偏差の影響を受けて、直接的に時間k[n]UTが得られないが、(式6)より、l[n]<Uであるため、(式7)の通り、周波数偏差の影響をキャンセルすることができる。
(式7)
Figure 0006845522
換言すれば、時間r[n]k[n]UTを得た情報通信装置において、当該時間を引数とするマスク関数Mを演算することで、時間k[n]UTが得られるので、周波数比r[n]すなわち、周波数偏差の影響を除去することができる。
(b) 実施形態の構成に基づく作用
周波数比の演算について、まず概略的に説明すると、(式2)を満たすようにs機の受信タイミングから送信タイミングまでの時間ps,r[n]=k[n]UTとして、m機へパケットを送信し、それを受けたm機がpm,r[n]=M(pm,t[n]、U、T)としてs機へパケットを送信する手続を前提する。これにより、(式7)によりpm,r[n]=k[n]UTを求められるため、s機のみで生成及び観測した情報から(式5)を用いて周波数比を求めることができる。以下、図10を用いて、詳細に説明する。
(S01)s機の時間ps,r[n]の設定
図10に示すように、まず、s機の周波数相違演算部58が周波数比r[n]を求めるに当たり、s機がm機からパケットを受信して次にm機にパケットを送信するまでの時間ps,r[n]を時間k[n]UTと設定する。このps,r[n]=k[n]UTの設定は、s機のシーケンス制御部64が設定する。
(S02)m機の時間pm,t[n]の観測
次に、m機の時間演算部61により、m機がパケットを送信した時刻と、m機がs機からパケットを受信した時刻とを差分して、時間pm,t[n]を演算する。
また、この時間pm,t[n]は、(式3)から求められる(式8)としても表される。
(式8)
m,t[n]=k[n]UT/r[n]+2d[n] …(8)
つまり、(式8)において、pm,t[n]が既知であり、d[n]が無視できるため、k[n]UTが分かれば、周波数比r[n]を求めることができる。
(S03)m機による時間k[n]UTの再生
そこで、m機のマスク演算部62により、(式9)の通り、時間pm,t[n]を引数とするマスク関数から、s機で設定された時間k[n]UTを再生する。時間pm,t[n]は、時間演算部61により求めることができる一方で、(式8)の右辺としても表され、|e[n]|<<1であるので、(式8)はマクローリン展開できる。
(式9)
Figure 0006845522
なお、k[n]UはUで割り切れる(つまりk[n]UmodU=0)が、l[n]<Uであるため、(e[n]/|e[n]|)l[n] mod U=(e[n]/|e[n]|)l[n]である。
このように、マスク演算部62により、時間pm,t[n]に含まれる周波数比r[n](周波数偏差)の影響を除去することができる。
(S04)m機による時間pm,r[n]の設定
m機で時間k[n]UTが再生されると、m機のシーケンス制御部63は、m機のs機からのパケットの受信からs機へのパケットの送信までの時間pm,r[n]を時間k[n]UTと設定する(pm,r[n]=k[n]UT)。
(S05)s機での時間ps,t[n]の観測
そして、s機が、時間演算部65により、パケットを送信してからパケットを受信するまでの時間ps,t[n]を演算する。なお、この時間ps,t[n]は、s機が情報を送信してから、m機が時間pm,r[n]を、pm,r[n]をマスク演算により再生した時間ps,r[n]としてs機が情報を受信するまでの時間である。
(S06)s機での周波数比r[n]の演算
s機の周波数相違演算部66は、時間演算部65によりps,t[n]が求まり、かつ、m機でpm,r[n]=k[n]UTとなるようにs機で予め設定したk[n]UTに設定されているので、(式5)から、周波数比r[n]を求めることができる。
[2−2−3.同期]
上記のように、周波数比r[n]が求められたとき、同期制御部59は、クロック20又は時計30を同期制御する。従って、同期制御部59は、周波数比r[n]が求められる度、つまり間欠的に同期制御する。
(1)クロック20を制御する場合
クロック制御部59aは、周波数比r[n]が1となるように、例えば電圧制御によってクロック20の周波数をm機のクロック20の周波数と一致させる。これにより、s機内の各部の動作タイミングがm機と同期する。
(2)時計30を制御する場合
時計制御部59bは、求められた周波数比r[n]からm機との時間のズレg[n]を演算する。時間のズレg[n]は、m機で観測される時間pm,r[n]がs機ではr[n]pm,r[n]となるので、m機を基準とするs機の時間のズレg[n]は、g[n]=(r[n]−1)pm,r[n]=e[n]pm,r[n]として求めることができる。従って、時計制御部59bは、周波数比r[n]が求まる度に、s機の時計30の時刻へ−g[n]/Tを加算することで、m機との時間を時間のズレを補正でき、間欠的に同期を取ることができる。
或いは、時計制御部59bは、s機の時計30を直接操作せずに、周波数比r[n]が求まる度に−g[n]/Tを積算して補正値とし、時計30を参照する際、積算した補正値を時計30の時刻に加算することでも同期を取ることができる。
周波数偏差の長期的トレンドが一定とみなせる場合、s機の時間のズレは線形的に変化する。このとき、周波数比r[n]を求める度に時間のズレが補正されるものとし、その時点から時間tが経過したとき、−e[n]t/Tを時計30の時刻に加算するか、又は補正値へ加算することで、時間のズレを折れ線近似してキャンセルできるため、より滑らかに同期を取ることができる。
[2−2−4.時間k[n]UTの探索]
周波数比r[n]を求める際、周波数偏差の影響が表出する程度の長時間を比較しなければならない。m機、s機のクロックの発振周波数の周波数許容偏差をEとすれば、m機とs機の周波数偏差は−2|E|から+2|E|までの値を取るが、これらの境界偏差−2|E|、+2|E|と0近傍の偏差とでは、(式6)から明らかなように、影響が表出する観測時間が大きく異なる可能性がある。
すなわち、許容偏差がクロック20のスペック上分かったとしても、実際には公称の周波数1/Tから時々刻々変動しており、周波数偏差eが分からないので、(式6)に基づくk[n](自然数)を決めにくい場合もある。
そこで、s機は、探索部64aにより、(式6)を満たし、シーケンス制御部64で設定される時間k[n]UTを探索する。
すなわち、まず、探索部64aは、周波数偏差の仮定e[n]の初期値を境界偏差2|E|とした(式6)を満たす時間k[n]UTを決定する。そして、内部遅延時間d[n]が無視でき、時間ps,t[n]が既に演算済みであることを条件として、周波数相違演算部66が(式5)から周波数比r[n]又は周波数偏差e[n]を求める。
求めた周波数比又は周波数偏差が、所定の規定値以上となる場合、有意な周波数比、周波数偏差であるとして、探索部64aは探索を終了する。
一方、求めた周波数比又は周波数偏差が、所定の規定値未満となる場合、初期値の周波数偏差の仮定が間違っていたと判断し、仮定e[n]を所定量低減させて再度探索を試みる。再度求めた周波数比又は周波数偏差が、所定の規定値以上となる場合は、探索部64aは、有意な周波数比、周波数偏差であるとして、探索を終了する。一方、再度求めた周波数比又は周波数偏差が、所定の規定値未満となり、周波数偏差の仮定e[n]が所定の閾値以下に低減しても周波数偏差による影響が現れないなら、偏差があっても観測に影響が出ない程の違いしかなく同期しているものと見なせるため、探索を終了する。この場合、同期する必要はない。
以上のように、探索部64a及び周波数相違演算部66による探索システムにより、情報通信システムの任意の2つの情報通信装置の組み合わせでも、周波数比r[n]を求めることができる。
[2−2−5.タイミング検出遅延時間の演算]
上記の説明では、内部遅延時間を無視できるものとしたが、無視できない場合もありうる。そして、内部遅延時間が一般に、設計や実測の困難なものであることから、内部遅延時間を含むタイミング検出遅延時間も不定であり、また無視できない。さらに、図9に示すように、タイミング検出遅延時間は、m機のパケットの送信からs機のパケットの受信までの時間、又は、s機のパケットの送信からm機のパケットの受信までの時間であり、伝搬時間とm機、s機両方を跨いだ内部遅延時間を含むものであるため、従来では一方のm機又はs機がタイミング検出遅延時間を知ることは困難であった。
この点、本実施形態によれば、タイミング検出遅延時間を求めることは可能である。以下、詳細に説明する。
m機が、パケットを送信してから、s機からのパケットを受信するまでの時間pm,t[n]を観測した際、その受信タイミングから時間pm,t[n]経過後にm機がパケットを送信するものとする。すなわち、m機が時間演算部61により、時間pm,t[n]を求め、シーケンス制御部63により、時間pm,r[n]=pm,t[n]と設定する。これにより、(式3)及び(式4)から(式10)が求められる。
(式10)
s,t[n]=ps,r[n]+ds,r[n−1]+2ds,t[n]+ds,r[n]…(10)
ここで、同期単位内の平均的なタイミング検出遅延時間をd[n]とすれば、(式10)から(式11)が成立する。
(式11)
s,t[n]=ps,r[n]+4d[n] …(11)
上記の通り、タイミング検出遅延時間は、伝搬時間(伝搬遅延時間)と内部遅延時間の和であるが、同期単位において、伝搬時間と内部遅延時間ともに変動がないとすれば、d[n]=ds,r[n−1]=ds,t[n]=ds,r[n]であるので、確定的に(式11)が成り立つ。
このとき、伝搬時間が無視できる程の近距離にm機とs機を配置すれば、タイミング検出遅延時間d[n]は内部遅延時間とみなせ、(式12)の通り、同期単位内の平均的な内部遅延時間d[n]を測定することができる。内部遅延時間に変動がないとすれば、確定的に内部遅延時間d[n]を求めることができる。なお、伝搬遅延時間が予め設定されていても(伝搬遅延時間が既知であれば)、内部遅延時間d[n]を求めることができる。
(式12)
[n]=(ps,t[n]−ps,r[n])/4 …(12)
また、運用時に内部遅延時間の変動がないとすれば、同期開始前に固定的な内部遅延時間Dを(式12)により求めておくことで、同期単位内の平均的な伝搬遅延時間d[n]を(式13)の通り、測定することができる。さらに、伝搬遅延時間d[n]が求まることで、パケットの伝送速度は一定(光速)であるので、m機とs機の距離を求めることもできる。
(式13)
[n]=(ps,t[n]−ps,r[n])/4−D …(13)
[2−3.効果]
(1)本実施形態の情報通信システムは、複数の情報通信装置を含み、何れか2台の装置間で情報の通信により同期を図る情報通信システムであって、情報通信装置は、情報を送信する送信器11と、情報を受信する受信器12と、送信器11により送信される情報の所定情報要素位置の送信タイミングを検出する送信タイミング検出部13と、受信器12により受信される情報の所定情報要素位置の受信タイミングを検出する受信タイミング検出部14と、所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロック20と、クロック20を源振として刻時する時計30と、所定の情報を記憶する記憶部40と、送信タイミング及び受信タイミングに対応する時計30の時刻を送信タイミング又は受信タイミングと対応付けて記憶部40に記憶させる時刻記録部54と、を備える。また、情報通信装置間のうち、一方の情報通信装置(m機)に対して同期する他方の情報通信装置(s機)は、一方の情報通信装置とのクロック20の周波数比又は周波数偏差を演算する周波数相違演算部66と、周波数比又は周波数偏差に基づいて、クロック20又は時計30を同期制御する同期制御部59と、を備える。周波数相違演算部66は、情報を一方の情報通信装置に送信してから、一方の情報通信装置からの情報を受信するまでの時間(ps,t)と、情報通信装置間の送信タイミング及び受信タイミングの差であるタイミング検出遅延時間(d)と、一方の情報通信装置が、情報を受信してから他方の情報通信装置に情報を送信するまでの時間(pm,r)と、に基づいて、周波数比又は周波数偏差を演算するようにした。
これにより、情報の送受信されるタイミングを情報の所定情報要素位置のレベルまで対応付けて情報の送受信タイミングに対応する時刻に基づいて装置間のクロック周波数比を求めているので、クロックの周波数又は時計の刻時を高精度に同期することができる。
(2)一方の情報通信装置(m機)は、記憶部40に記憶された送信タイミング及び受信タイミングに対応する各時刻から、情報を送信してから他方の情報通信装置からの情報を受信するまでの時間(pm,t)を演算する時間演算部61と、時間(pm,t)をマスク演算し、他方の情報通信装置(s機)が情報を受信してから送信するまでの予め設定された時間(ps,r)を再生するマスク演算部62と、情報の受信から送信までの時間(pm,r)をマスク演算部62で再生した時間に設定するシーケンス制御部63と、を更に備える。他方の情報通信装置(s機)は、情報を受信してから送信するまでの時間(ps,r)を予め設定するシーケンス制御部64と、記憶部40に記憶された送信タイミング及び受信タイミングに対応する各時刻から、情報を送信してから受信するまでの時間(ps,t)を演算する時間演算部65と、を更に備える。周波数相違演算部66は、時間(pm,r)をシーケンス制御部64で予め設定された時間(ps,r)として、周波数比又は周波数偏差を演算するようにした。
これにより、他方の情報通信装置は、相手方となる一方の情報通信装置から送信タイミング又は受信タイミングの情報が送られずとも、すなわち、一方の情報通信装置の時刻に関する情報を一切知らずとも、クロックの周波数又は時計の同期を図ることができる。
(3)他方の情報通信装置のシーケンス制御部64は、設定する時間(ps,r)を探索する探索部64aを備え、探索部64aは、装置間のクロック20の周波数偏差をeとし、クロックの公称周期をTとし、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間をUTとし、クロック20の周波数許容偏差をEとし、周波数偏差eの初期値を2Eと仮定した場合の(式2)を満たす時間kUTを選択し、周波数相違演算部66により時間kUTに基づき演算して得られた周波数比又は周波数偏差が所定の規定値以上となる時間kUTを探索し、シーケンス制御部64は、時間(ps,r)を探索部64aが探索した時間kUTに設定するようにした。
これにより、時間(ps,r)を、常に(式2)を満たす適切な時間kUTに設定することができるので、任意の情報通信装置との間で周波数比又は周波数偏差を求めることができ、周波数又は時刻同期を図ることができる。
(4)他方の情報通信装置は、一方の情報通信装置との間で伝搬する情報の予め設定された伝搬遅延時間と、時間演算部65より得られた時間(ps,t)と、シーケンス制御部64で設定された時間(ps,r)と、からタイミング検出遅延時間(d)を演算するタイミング検出遅延演算部67を備えるようにした。
これにより、一般には不明であるタイミング検出遅延時間を求めることができ、タイミング検出遅延時間が不明な場合であっても、周波数比又は周波数偏差を求めることができ、周波数同期又は時刻同期を図ることができる。
[3.第3の実施形態]
[3−1.構成]
第3の実施形態について、図11〜図13を用いて説明する。第3の実施形態は、第2の実施形態と基本構成は同じである。よって、第2の実施形態と異なる点のみを説明し、第2の実施形態と同じ部分については詳細な説明は省略する。
図11は、第3の実施形態に係る情報通信システム及びこれを用いる情報通信装置の全体構成を示す図である。図12は、第3の実施形態に係る情報通信システムの概念を示す図である。第3の実施形態の情報通信システムは、m機からs機への一方向の通信により同期するものである。すなわち、図11及び図12に示すように、m機は、受信機能を有する必要はなく、s機は、送信機能を有する必要はなく、m機による2回の情報の送信と、s機によるその2つの情報の受信とによってs機がm機に同期する。但し、m機は、受信機能を有していても良く、s機は、送信機能を有していても良い。m機又はs機として機能していても、立場が逆転することもあるからである。
図12は、第3の実施形態に係るm機又はs機となる情報通信装置の制御部の機能ブロック図である。図12に示すように、本実施形態のm機となる情報通信装置は、シーケンス制御部71を備える。本実施形態のシーケンス制御部71は、情報の送信間隔を設定する。すなわち、シーケンス制御部71は、送信間隔p[n]を(式2)を満たす時間k[n]UTと設定する。シーケンス制御部71は、第2の実施形態のシーケンス制御部64と同様に探索部64aを有していても良い。
また、図12に示すように、本実施形態のs機となる情報通信装置は、受信間隔時間演算部72、マスク演算部73、周波数相違演算部74を備える。
受信間隔時間演算部72は、m機からの情報の2回の受信タイミングから、受信タイミングの受信間隔p[n]を演算する。この演算は、記憶部40に記憶された受信タイミングに対応する2つの時刻の差分として行うことができる。なお、受信間隔時間演算部72は、第1の実施形態の受信間隔時間演算部56と同じである。
マスク演算部73は、上記(式1)と同様にマスク演算する。(式1)に示すマスク関数Mの引数は、受信間隔時間演算部72により求めた受信間隔p[n]である。マスク演算部73は、受信間隔をマスク関数により演算することで、m機で予め設定された情報の送信間隔p[n]=k[n]UTを再生する。
周波数相違演算部74は、周波数比又は周波数偏差を演算により求める。周波数相違演算部74は、送信間隔p[n]を再生されたk[n]UTとして(p[n]=k[n]UT)、内部遅延時間d[n]、d[n]、送信間隔p[n]、求められた受信間隔p[n]に基づいて、m機との時間のズレp[n]−k[n]UTからr[n]を求める。或いは、周波数相違演算部74は、r[n]=p[n]/p[n]=k[n]UT/p[n]からr[n]を求めても良い。なお、内部遅延時間d[n]、d[n]は不定であるが、無視できる(例えば、d[n]、d[n]<T/|e[n]|)ものとして取り扱う。
[3−2.作用・効果]
本実施形態の情報通信システムは、複数の情報通信装置を含み、何れか2台の装置間で情報の通信により同期を図る情報通信システムであって、情報通信装置間のうち、一方の情報通信装置(m機)は、情報を送信する送信器11と、送信器11により送信される情報の所定情報要素位置の送信タイミングを検出する送信タイミング検出部13と、所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロック20と、クロック20を源振として刻時する時計30と、所定の情報を記憶する記憶部40と、送信タイミングに対応する時計の時刻を送信タイミングと対応付けて記憶部40に記憶させる時刻記録部54と、情報の送信間隔を設定するシーケンス制御部63と、を備える。他方の情報通信装置(s機)は、情報を受信する受信器12と、受信器12により受信される情報の所定情報要素位置の受信タイミングを検出する受信タイミング検出部14と、所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロック20と、クロック20を源振として刻時する時計30と、所定の情報を記憶する記憶部40と、受信タイミングに対応する時計30の時刻を受信タイミングと対応付けて記憶部40に記憶させる時刻記録部54と、記録部40に記憶された受信タイミングに対応する2つの時刻から、受信タイミングの受信間隔を演算する受信間隔時間演算部72と、受信間隔をマスク演算し、送信間隔を再生するマスク演算部73と、受信間隔と送信間隔とから、一方の情報通信装置との周波数比又は周波数偏差を演算する周波数相違演算部74と、周波数比又は周波数偏差に基づいて、クロック20又は時計30を同期制御する同期制御部59と、を備えるようにした。
これにより、一方の情報通信装置から一切の時刻に関する情報を得ることなく他方の情報通信装置が周波数又は時刻の同期を図ることができる。それだけでなく、一方の情報通信装置から他方の情報通信装置への情報の通信だけで同期できるので、送信側の装置は受信に関する構成が、受信側の装置は送信に関する構成を省略できるので、装置コストを削減することができる。さらに、一方向の通信で済むので、双方向の通信と比べて電力消費量を抑えることができ、省エネルギー化することができる。
[4.他の実施形態]
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 通信部
11 送信器
12 受信器
13 送信タイミング検出部
14 受信タイミング検出部
20 クロック
30 時計
40 記憶部
50 制御部
51 主制御部
52 送受信データI/F
53 通信制御部
54 時刻記録部
55 送信間隔時間演算部
56 受信間隔時間演算部
57 スケジューラ
58 周波数相違演算部
59 同期制御部
59a クロック制御部
59b 時計制御部
60 周期的信号制御部
61 時間演算部
62 マスク演算部
63 シーケンス制御部
64 シーケンス制御部
64a 探索部
65 時間演算部
66 周波数相違演算部
67 タイミング検出遅延演算部
71 シーケンス制御部
72 受信間隔時間演算部
73 マスク演算部
74 周波数相違演算部
80 外部インターフェイス
90 周期的信号生成部

Claims (10)

  1. 複数の情報通信装置を含み、何れか2台の装置間で情報の通信により同期を図る情報通信システムであって、
    情報通信装置は、
    情報を送信する送信器と、
    情報を受信する受信器と、
    前記送信器により送信される前記情報の所定情報要素位置の送信タイミングを検出する送信タイミング検出部と、
    前記受信器により受信される前記情報の所定情報要素位置の受信タイミングを検出する受信タイミング検出部と、
    所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロックと、
    前記クロックを源振として刻時する時計と、
    所定の情報を記憶する記憶部と、
    前記送信タイミング及び前記受信タイミングに対応する前記時計の時刻を前記送信タイミング又は前記受信タイミングと対応付けて前記記憶部に記憶させる時刻記録部と、
    を備え、情報通信装置間のうち、
    一方の情報通信装置は、
    前記記憶部に記憶された前記送信タイミング及び前記受信タイミングに対応する各時刻から、情報を送信してから他方の情報通信装置からの情報を受信するまでの時間(p m,t )を演算する第1の時間演算部と、
    前記時間(p m,t )と、クロックの公称周期と、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間と、に基づいて、前記他方の情報通信装置が情報を受信してから送信するまでの予め設定された時間(p s,r )を演算するマスク演算部と、
    情報を受信してから前記他方の情報通信装置に情報を送信するまでの時間(p m,r )を前記マスク演算部で演算した前記時間(p s,r )に設定するシーケンス制御部と、
    を備え、
    前記一方の情報通信装置に対して同期する前記他方の情報通信装置は、
    前記時間(p s,r )を予め設定するシーケンス制御部と、
    前記記憶部に記憶された前記送信タイミング及び前記受信タイミングに対応する各時刻から、情報を前記一方の情報通信装置に送信してから、前記一方の情報通信装置からの情報を受信するまでの時間(p s,t )を演算する第2の時間演算部と、
    前記一方の情報通信装置とのクロックの周波数比又は周波数偏差を演算する周波数相違演算部と、
    前記周波数比又は前記周波数偏差に基づいて、前記クロック又は前記時計を同期制御する同期制御部と、
    を備え、
    前記周波数相違演算部は、
    前記時間(ps,t)と、情報通信装置間の送信タイミング及び受信タイミングの差であるタイミング検出遅延時間(d)と、前記時間(pm,r)と、に基づいて、かつ前記時間(p m,r )を前記シーケンス制御部で予め設定された前記時間(p s,r )として、前記周波数比又は前記周波数偏差を演算すること、
    を特徴とする情報通信システム。
  2. 前記他方の情報通信装置の前記シーケンス制御部は、設定する時間(ps,r)を探索する探索部を備え、
    前記探索部は、装置間のクロックの周波数偏差をeとし、クロックの公称周期をTとし、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間をUTとし、前記クロックの周波数許容偏差をEとし、前記周波数偏差eの初期値を2Eと仮定した場合の下記の(式1)を満たす時間kUTを選択し、前記周波数相違演算部により前記時間kUTに基づき演算して得られた前記周波数比又は前記周波数偏差が所定の規定値以上となる時間kUTを探索し、
    前記シーケンス制御部は、前記時間(ps,r)を前記探索部が探索した時間kUTに設定すること、
    を特徴とする請求項記載の情報通信システム。
    (式1)
    Figure 0006845522
    :限界偏差係数(自然数)
    k,l:自然数
  3. 前記他方の情報通信装置は、
    前記一方の情報通信装置との間で伝搬する情報の予め設定された伝搬遅延時間と、
    前記第2の時間演算部より得られた前記時間(ps,t)と、
    前記シーケンス制御部で設定された前記時間(ps,r)と、から前記タイミング検出遅延時間を演算するタイミング検出遅延演算部を備えること、
    を特徴とする請求項又は記載の情報通信システム。
  4. 複数の情報通信装置を含み、何れか2台の装置間で情報の通信により同期を図る情報通信システムであって、情報通信装置間のうち、
    一方の情報通信装置は、
    情報を送信する送信器と、
    前記送信器により送信される前記情報の所定情報要素位置の送信タイミングを検出する送信タイミング検出部と、
    所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロックと、
    前記クロックを源振として刻時する時計と、
    所定の情報を記憶する記憶部と、
    前記送信タイミングに対応する前記時計の時刻を前記送信タイミングと対応付けて前記記憶部に記憶させる時刻記録部と、
    情報の送信間隔を設定するシーケンス制御部と、
    を備え、
    他方の情報通信装置は、
    情報を受信する受信器と、
    前記受信器により受信される前記情報の所定情報要素位置の受信タイミングを検出する受信タイミング検出部と、
    所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロックと、
    前記クロックを源振として刻時する時計と、
    所定の情報を記憶する記憶部と、
    前記受信タイミングに対応する前記他方の情報通信装置の時計の時刻と前記受信タイミングと対応付けて前記記憶部に記憶させる時刻記録部と、
    前記記録部に記憶された前記受信タイミングに対応する2つの時刻から、前記受信タイミングの受信間隔を演算する受信間隔時間演算部と、
    前記受信間隔と、クロックの公称周期と、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間と、に基づいて前記送信間隔を演算するマスク演算部と、
    前記受信間隔と前記送信間隔とから、前記一方の情報通信装置との周波数比又は周波数偏差を演算する周波数相違演算部と、
    前記周波数比又は前記周波数偏差に基づいて、前記クロック又は前記時計を同期制御する同期制御部と、
    を備えること、
    を特徴とする情報通信システム。
  5. 前記他方の情報通信装置は、
    外部に周期的信号を出力する周期的信号生成部と、
    前記周期的信号生成部を制御する周期的信号制御部と、
    を備え、
    前記周期的信号制御部は、
    前記周波数相違演算部により演算した前記周波数比又は前記周波数偏差に基づいて、前記周期的信号生成部が出力する周期的信号の周波数又は位相を制御すること、
    を特徴とする請求項1〜の何れかに記載の情報通信システム。
  6. 他の情報通信装置と情報の通信により同期を図る情報通信装置であって、
    情報を送信する送信器と、
    情報を受信する受信器と、
    前記送信器により送信される前記情報の所定情報要素位置の送信タイミングを検出する送信タイミング検出部と、
    前記受信器により受信される前記情報の所定情報要素位置の受信タイミングを検出する受信タイミング検出部と、
    所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロックと、
    前記クロックを源振として刻時する時計と、
    所定の情報を記憶する記憶部と、
    前記送信タイミング及び前記受信タイミングに対応する前記時計の時刻を前記送信タイミング又は前記受信タイミングと対応付けて前記記憶部に記憶させる時刻記録部と、
    情報を受信してから送信するまでの時間(p s,r )を予め設定するシーケンス制御部と、
    前記記憶部に記憶された前記送信タイミング及び前記受信タイミングに対応する各時刻から、情報を前記他の情報通信装置に送信してから、前記他の情報通信装置からの情報を受信するまでの時間(p s,t )を演算する時間演算部と、
    前記他の情報通信装置とのクロックの周波数比又は周波数偏差を演算する周波数相違演算部と、
    前記周波数比又は前記周波数偏差に基づいて、前記クロック又は前記時計を同期制御する同期制御部と、
    を備え、
    前記他の情報通信装置が情報を受信してから前記情報通信装置に情報を送信するまでの時間(p m,r )は、前記他の情報通信装置が情報を送信してから前記情報通信装置からの情報を受信するまでの時間(p m,t )と、クロックの公称周期と、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間と、に基づいて演算された前記時間(p s,r )として設定され、
    前記周波数相違演算部は、
    前記時間(ps,t)と、前記他の情報通信装置との間の送信タイミング及び受信タイミングの差であるタイミング検出遅延時間(d)と、前記時間(pm,r)と、に基づいて、かつ前記時間(p m,r )を前記シーケンス制御部で予め設定された前記時間(p s,r )として、前記周波数比又は前記周波数偏差を演算すること、
    を特徴とする情報通信装置。
  7. 前記シーケンス制御部は、設定する時間(ps,r)を探索する探索部を備え、
    前記探索部は、装置間のクロックの周波数偏差をeとし、クロックの公称周期をTとし、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間をUTとし、前記クロックの周波数許容偏差をEとし、前記周波数偏差eの初期値を2Eとを仮定した場合の下記の(式2)を満たす時間kUTを選択し、
    前記周波数相違演算部により前記時間kUTに基づき演算して得られた前記周波数偏差が所定の規定値以上となる時間kUTを探索し、
    前記シーケンス制御部は、前記時間(ps,r)を前記探索部が探索した時間kUTに設定すること、
    を特徴とする請求項記載の情報通信装置。
    (式2)
    Figure 0006845522
    :限界偏差係数(自然数)
    k,l:自然数
  8. 前記他の情報通信装置との間で伝搬する情報の予め設定された伝搬遅延時間と、
    前記時間演算部より得られた前記時間(ps,t)と、
    前記シーケンス制御部で設定された前記時間(ps,r)と、から前記タイミング検出遅延時間を演算するタイミング検出遅延演算部を備えること、
    を特徴とする請求項又は記載の情報通信装置。
  9. 他の情報通信装置と情報の通信により同期を図る情報通信装置であって、
    前記他の情報通信装置から送信された情報を受信する受信器と、
    前記受信器により受信される前記情報の所定情報要素位置の受信タイミングを検出する受信タイミング検出部と、
    所定の周波数により発振し、装置内の各部の動作タイミングを与えるクロックと、
    前記クロックを源振として刻時する時計と、
    所定の情報を記憶する記憶部と、
    前記受信タイミングに対応する前記時計の時刻を前記受信タイミングと対応付けて前記記憶部に記憶させる時刻記録部と、
    前記記録部に記憶された前記受信タイミングに対応する2つの時刻から、前記受信タイミングの受信間隔を演算する受信間隔時間演算部と、
    前記受信間隔と、クロックの公称周期と、時間観測における周波数偏差の影響を受ける限界時間と、に基づいて前記他の情報通信装置の送信間隔を演算するマスク演算部と、
    前記受信間隔と前記送信間隔とから、前記他の情報通信装置との周波数比又は周波数偏差を演算する周波数相違演算部と、
    前記周波数比又は前記周波数偏差に基づいて、前記クロック又は前記時計を同期制御する同期制御部と、
    を備えること、
    を特徴とする情報通信装置。
  10. 外部に周期的信号を出力する周期的信号生成部と、
    前記周期的信号生成部を制御する周期的信号制御部と、
    を備え、
    前記周期的信号制御部は、
    前記周波数相違演算部により演算した前記周波数比又は前記周波数偏差に基づいて、前記周期的信号生成部が出力する周期的信号の周波数又は位相を制御すること、
    を特徴とする請求項の何れかに記載の情報通信装置。
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